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特開2024-129921振動子用のパッケージ、圧電振動子および発振器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129921
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】振動子用のパッケージ、圧電振動子および発振器
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/02 20060101AFI20240920BHJP
   H01L 23/04 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H03H9/02 A
H01L23/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039319
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】713005174
【氏名又は名称】エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】市村 直也
(72)【発明者】
【氏名】宮田 秀光
【テーマコード(参考)】
5J108
【Fターム(参考)】
5J108BB02
5J108CC06
5J108EE03
5J108EE07
5J108EE18
5J108FF09
5J108GG03
5J108GG16
5J108NA03
(57)【要約】
【課題】モニター用端子に対して良好にプロービングできる小型化が可能な振動子用のパッケージを提供する。
【解決手段】振動子用のパッケージ3は、絶縁材料により形成されたパッケージ本体10と、パッケージ本体10に形成された導電部50と、を備える。導電部50は、圧電振動片が電気的に接続されるマウント電極と、パッケージ本体10の表面に形成されたモニター用引き回し配線62と、パッケージ本体10の表面のうちモニター用引き回し配線62と同一面に形成され、マウント電極に導通し、モニター用引き回し配線62に対して嵩上げされた頂面56を有するモニター用端子55と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁材料により形成されたパッケージ本体と、
前記パッケージ本体に形成された導電部と、
を備え、
前記導電部は、
圧電振動片が電気的に接続されるマウント電極と、
前記パッケージ本体の表面に形成された配線膜と、
前記パッケージ本体の前記表面のうち前記配線膜と同一面に形成され、前記マウント電極に導通し、前記配線膜に対して嵩上げされた頂面を有するモニター用端子と、
を有する、
振動子用のパッケージ。
【請求項2】
前記配線膜は、前記マウント電極に導通し、
前記モニター用端子は、
前記配線膜と一体に形成された下地膜と、
前記下地膜上に形成された盛り上げ部と、
を有する、
請求項1に記載の振動子用のパッケージ。
【請求項3】
前記頂面の端縁は、厚さ方向に沿う断面視で丸みを帯びている、
請求項1に記載の振動子用のパッケージ。
【請求項4】
前記パッケージ本体の表面のうち前記配線膜と同一面上に配置され、前記パッケージ本体を形成する材料と同じ材料により形成された土台をさらに備え、
前記配線膜は、前記マウント電極に導通し、
前記モニター用端子は、前記配線膜との接続部から前記土台の表面に乗り上げている、
請求項1に記載の振動子用のパッケージ。
【請求項5】
前記土台は、セラミックス材料により形成されている、
請求項4に記載の振動子用のパッケージ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の振動子用のパッケージと、
前記マウント電極に接続された前記圧電振動片と、
を備える圧電振動子。
【請求項7】
請求項6に記載の圧電振動子と、
前記パッケージに実装された集積回路チップと、
を備える発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動子用のパッケージ、圧電振動子および発振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話などの電子機器には、水晶を利用した圧電振動子を備えた発振器が用いられている。圧電振動子は、圧電振動片と、圧電振動片を気密に封止するパッケージと、を備える。パッケージには、圧電振動子の周波数を測定するためモニター用端子が設けられている場合がある(例えば、特許文献1参照)。モニター用端子は、金属膜により形成され、パッケージに実装された圧電振動片の励振電極に導通している。モニター用端子にコンタクトプローブを押し当てて、圧電振動片の周波数を電気的に測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5101201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プローブの先端が平坦または凹状に形成されている場合には、モニター用端子にプローブが傾いて接近すると、プローブの先端がモニター用端子に接触するよりも前にモニター用端子の周辺でパッケージに接触して、プローブがモニター用端子に当たらない不具合が発生する可能性がある。先細り形状を有するプローブであれば、パッケージにプローブが傾いて接近しても、プローブの先端がパッケージに接触しにくい。一方で、モニター用端子にプローブが垂直に接近する場合、先細り形状を有するプローブは、先端が平坦なプローブに比べてモニター用端子に接触させるにあたり高い位置精度が必要となる。このため、先細り形状を有するプローブは、小型化されたモニター用端子に不適である。したがって、振動子用のパッケージにおいては、パッケージが小型化されてもモニター用端子への良好なプロービングが可能となる構造の開発が望まれている。
【0005】
そこで本発明は、モニター用端子に対して良好にプロービングできる小型化が可能な振動子用のパッケージ、圧電振動子および発振器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る振動子用のパッケージは、絶縁材料により形成されたパッケージ本体と、前記パッケージ本体に形成された導電部と、を備え、前記導電部は、圧電振動片が電気的に接続されるマウント電極と、前記パッケージ本体の表面に形成された配線膜と、前記パッケージ本体の前記表面のうち前記配線膜と同一面に形成され、前記マウント電極に導通し、前記配線膜に対して嵩上げされた頂面を有するモニター用端子と、を有する。
【0007】
第1の態様によれば、先端が平坦または凹状に形成されたプローブをモニター用端子に接触させる際に、プローブがパッケージ本体に対して傾いていても、モニター用端子の頂面の端縁が周囲の配線膜と比べてパッケージ本体の表面から離れて配置される分、プローブがパッケージ本体の表面に接触しにくくなる。このため、配線膜と同一構造を有するモニター用端子にプローブを接触させる場合と比較して、先細り形状を有するプローブを用いなくても、プローブをモニター用端子に接触させる際にパッケージ本体に対するプローブの傾きを許容できる。よって、パッケージが小型化された場合であっても、モニター用端子への良好なプロービングが可能となる。したがって、モニター用端子に対して良好にプロービングできる小型化が可能な振動子用のパッケージを提供できる。
【0008】
本発明の第2の態様に係る振動子用のパッケージは、上記第1の態様に係る振動子用のパッケージにおいて、前記配線膜は、前記マウント電極に導通し、前記モニター用端子は、前記配線膜と一体に形成された下地膜と、前記下地膜上に形成された盛り上げ部と、を有していてもよい。
【0009】
第2の態様によれば、配線膜と同一構造を有する従来のモニター用端子を下地膜とし、その下地膜上に盛り上げ部を形成することで、上記の作用効果を奏するモニター用端子を形成できる。
【0010】
本発明の第3の態様に係る振動子用のパッケージは、上記第1の態様または第2の態様に係る振動子用のパッケージにおいて、前記頂面の端縁は、厚さ方向に沿う断面視で丸みを帯びていてもよい。
【0011】
第3の態様によれば、頂面の端縁が角張っている構成と比較して、頂面の端縁にプローブが接触した際に頂面の端縁を崩れにくくして、プローブをモニター用端子に安定して接触させることが可能となる。したがって、モニター用端子へのプロービングをより良好とすることができる。
【0012】
本発明の第4の態様に係る振動子用のパッケージは、上記第1の態様に係る振動子用のパッケージにおいて、前記パッケージ本体の表面のうち前記配線膜と同一面上に配置され、前記パッケージ本体を形成する材料と同じ材料により形成された土台をさらに備え、前記配線膜は、前記マウント電極に導通し、前記モニター用端子は、前記配線膜との接続部から前記土台の表面に乗り上げていてもよい。
【0013】
第4の態様によれば、モニター用端子の頂面の嵩上げの高さを土台によって確保しやすい。したがって、プローブをパッケージ本体の表面に対してより接触しにくくすることができる。
【0014】
本発明の第5の態様に係る振動子用のパッケージは、上記第4の態様に係る振動子用のパッケージにおいて、前記土台は、セラミックス材料により形成されていてもよい。
【0015】
第5の態様によれば、従来公知のセラミックスパッケージの製造方法を用いて土台およびモニター用端子を形成できる。したがって、製造コストの増加を抑制できる。
【0016】
本発明の第6の態様に係る圧電振動子は、上記第1の態様から第5の態様のいずれかの態様に係る振動子用のパッケージと、前記マウント電極に接続された前記圧電振動片と、を備える。
【0017】
第6の態様によれば、パッケージが小型化された場合であっても、モニター用端子への良好なプロービングが可能となるので、圧電振動子の小型化を図ることができる。
【0018】
本発明の第7の態様に係る発振器は、上記第6の態様に係る圧電振動子と、前記パッケージに実装された集積回路チップと、を備える。
【0019】
第7の態様によれば、発振器の小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、モニター用端子に対して良好にプロービングできる小型化が可能な振動子用のパッケージ、圧電振動子および発振器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態の発振器の外観斜視図である。
図2】第1実施形態の発振器を上方から見た平面図である。
図3図2のIII-III線における断面図である。
図4】第1実施形態の発振器の底面図である。
図5図4のV-V線における断面図である。
図6】第1実施形態のモニター用端子にプローブを接触させる様子を示す図である。
図7】第1実施形態の発振器の底面図である。
図8】第2実施形態のモニター用端子周辺を示す図であって、図5に相当する断面図である。
図9】第3実施形態のパッケージ本体の内部を示す平面図である。
図10】第4実施形態の圧電振動子の底面図である。
図11】第5実施形態の圧電振動子の底面図である。
図12】第6実施形態の圧電振動子の断面図である。
図13】実施形態の第1変形例の発振器を模式的に示す断面図である。
図14】実施形態の第2変形例のパッケージを模式的に示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0023】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の発振器の外観斜視図である。図2は、第1実施形態の発振器を上方から見た平面図である。図3は、図2のIII-III線における断面図である。なお図2および図3では、後述する導電部50の図示を省略している。また、図2では、後述するシールリング40および封口板45の一部を切断して図示している。
図1から図3に示すように、発振器1は、パッケージ3および圧電振動片4を有する圧電振動子2と、パッケージ3に実装された集積回路チップ7と、を備える。圧電振動子2は、発振子として機能する。集積回路チップ7は、圧電振動片4に電気的に接続されており、圧電振動片4からの発振出力を生成する発振回路を有する。発振回路で生成された出力信号は、例えば、クロック信号等の基準信号として利用される。
【0024】
図1に示すように、パッケージ3は、パッケージ本体10と、シールリング40を介してパッケージ本体10に接合される封口板45と、を備える。パッケージ3は、直方体状を呈している。以下の説明では、必要に応じてX,Y,Zの直交座標系を用いて説明する。この場合、X軸方向は、平面視においてパッケージ3の長手方向(以下、単に長手方向という)である。Y軸方向は、平面視においてパッケージ3の短手方向(以下、単に短手方向という)である。Z軸方向は、パッケージ3の厚さ方向(以下、単に厚さ方向という)である。平面視は、厚さ方向から見た方向である。さらに、以下の説明では、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向のうち、図中矢印側をプラス(+)側とし、矢印とは反対側をマイナス(-)側として説明する。さらに、厚さ方向のうち+Z側を上方とし、-Z側を下方とする。
【0025】
パッケージ本体10は、絶縁材料により形成されている。パッケージ本体10は、第1ベース基板20と、第2ベース基板25と、第1フレーム30と、第2フレーム35と、を備える。第1ベース基板20、第2ベース基板25、第1フレーム30、および第2フレーム35は、それぞれセラミックス製である。セラミックス材料としては、例えばアルミナ製のHTCC(High Temperature Co-Fired Ceramic)や、ガラスセラミックス製のLTCC(Low Temperature Co-Fired Ceramic)等が挙げられる。
【0026】
図1および図2に示すように、第1ベース基板20は、平面視で長方形状を呈する基板とされている。第1ベース基板20の平面視における外形は、パッケージ3の平面視における外形に一致している。
【0027】
第2ベース基板25は、平面視において外形が第1ベース基板20と同形状を呈する基板である。第2ベース基板25は、第1ベース基板20上に重ねられた状態で焼結等によって一体的に接合されている。第2ベース基板25には、第2ベース基板25を厚さ方向に貫通する貫通部26が形成されている(図3を併せて参照)。貫通部26は、平面視で角丸長方形状を呈している。貫通部26の内側面において、短手方向の両側に位置する部分には、短手方向の内側に向けて突出する実装部27が形成されている。
【0028】
第1フレーム30は、平面視において外形が第2ベース基板25と同形状を呈する基板である。第1フレーム30は、平面視で矩形環状に形成されている。第1フレーム30は、第2ベース基板25上に重ねられた状態で焼結等によって一体的に接合されている。第1フレーム30の内側は、第2ベース基板25のうち一対の実装部27を除く部分の内側と同形状を呈している。上方から見て第1フレーム30に囲まれた領域は、圧電振動片4が実装される振動片実装領域11である。
【0029】
図4は、第1実施形態の発振器を下方から見た底面図である。なお図4以降の各外観図では、見やすくするために導電部50にハッチングを付している。
図1および図4に示すように、第2フレーム35は、平面視において外形が第1ベース基板20と同形状を呈する基板である。第2フレーム35は、平面視で矩形環状に形成されている。第2フレーム35は、第1ベース基板20に対して第2ベース基板25の反対側に配置されている。第2フレーム35は、第1ベース基板20上に重ねられた状態で焼結等によって一体的に接合されている。第2フレーム35の内側は、平面視で角丸長方形状を呈している。下方から見て第2フレーム35に囲まれた領域は、集積回路チップ7が実装されるチップ実装領域12である。
【0030】
図1および図2に示すように、パッケージ本体10の四隅には、平面視1/4円弧状に切り欠かれた切欠部15が、厚さ方向においてパッケージ本体10の全体に亘って形成されている。例えば、パッケージ本体10は、第1ベース基板20、第2ベース基板25、第1フレーム30、および第2フレーム35を形成するウエハ状のセラミックス基板を4枚重ねて接合した後、セラミックス基板を貫通する複数のスルーホールを行列状に形成し、各スルーホールを基準としながらセラミックス基板を格子状に切断することで作製される。その際、スルーホールが4分割されることで、切欠部15が形成される。
【0031】
パッケージ本体10の上面には、シールリング40が接合されている。シールリング40は、第2フレーム35の外形よりも一回り小さい導電性の枠状部材である。シールリング40の内側は、第2フレーム35の内側と同形状を呈している。ただし、シールリング40の内側は、第2フレーム35の内側よりも大きい形状を呈していてもよい。シールリング40は、第2フレーム35の上面に全周にわたって接合されている。具体的に、シールリング40は、銀ロウ等のロウ材やはんだ材等による焼付けによって第2フレーム35上に接合、または第2フレーム35上に形成された金属接合層に対する溶着等によって接合されている。
【0032】
シールリング40の材料としては、例えばニッケル基合金等が挙げられ、具体的にはコバール、エリンバー、インバー、42-アロイ等から選択すれば良い。特に、シールリング40の材料としては、パッケージ本体10を形成するセラミックス材料に対して熱膨張係数が近いものを選択することが好ましい。例えば、パッケージ本体10として熱膨張係数6.8×10-6/℃のアルミナを用いる場合には、シールリング40として熱膨張係数5.2×10-6/℃のコバールや、熱膨張係数4.5~6.5×10-6/℃の42-アロイを用いることが好ましい。
【0033】
封口板45は、パッケージ本体10との間に、圧電振動片4が配置されるキャビティCを形成する。封口板45は、導電性基板からなり、シールリング40上に接合されてパッケージ本体10内を気密に封止している。そして、シールリング40、封口板45、第1ベース基板20、第2ベース基板25および第1フレーム30により画成された空間は、気密封止されたキャビティCを構成する。
【0034】
図2および図4に示すように、パッケージ3には、導電部50が設けられている。導電部50は、パッケージ3において電源電力や信号の導通路となる。導電部50は、金属材料により形成される。導電部50は、マウント電極51A,51Bと、チップ用電極53と、一対のモニター用端子55と、外部接続用端子57と、チップ用引き回し配線61A~61Fと、モニター用引き回し配線62(配線膜)と、を備える。
【0035】
図2に示すように、マウント電極51A,51Bは、振動片実装領域11に設けられている。マウント電極51A,51Bは、各実装部27の上面の略全体に形成されている。マウント電極51A,51Bは、互いに同一構成の膜により形成されている。なお本実施形態における同一構成の膜とは、材種および層構成が一致しているとともに各層の膜厚もおおよそ一致しており、例えば同一プロセスにより一括して成膜された膜である。
【0036】
図4に示すように、チップ用電極53は、チップ実装領域12に設けられている。チップ用電極53は、第1ベース基板20の下面に形成されている。チップ用電極53は、集積回路チップ7の端子の数に合わせて複数設けられている。図示の例では、チップ用電極53は、6個設けられている。チップ用電極53は、下方から見て第2フレーム35の内側に配置されている。チップ用電極53は、矩形状に形成されている。チップ用電極53は、互いに間隔をあけて配置されている。チップ用電極53は、集積回路チップ7の端子に対向するように配置されている。チップ用電極53は、フリップチップボンディングを介して集積回路チップ7の端子に接続される。全てのチップ用電極53は、互いに同一構成の膜により形成されている。
【0037】
チップ用電極53は、例えば、外部電源用電極、信号出力用電極、第1振動片電極、第2振動片電極、グランド接続用電極、スイッチ用電極などである。外部電源用電極は、集積回路チップ7の電源入力端子が接合される電極である。信号出力用電極は、集積回路チップ7の信号出力端子が接合される電極である。第1振動片電極および第2振動片電極は、圧電振動片4と電気的に接続される集積回路チップ7の端子が接合される電極である。グランド接続用電極は、集積回路チップ7のグランド端子が接合される電極である。スイッチ用電極は、集積回路チップ7のスイッチ信号入力端子が接合される電極である。
【0038】
一対のモニター用端子55は、チップ実装領域12に設けられている。一対のモニター用端子55は、第1ベース基板20の下面に形成されている。すなわち、一対のモニター用端子55は、パッケージ本体10の表面のうちモニター用引き回し配線62と同一面に形成されている。同一面とは、連続性を有する面であって、例えばパッケージ本体10の辺に囲まれた面である。本実施形態では、同一面は同一平面と同義である。一対のモニター用端子55は、第2フレーム35に対して間隔をあけて配置されている。一対のモニター用端子55は、下方から見て集積回路チップ7が配置される箇所を挟んで長手方向の両側に配置されている。各モニター用端子55は、チップ用電極53よりも大きく形成されている。
【0039】
各モニター用端子55は、下地膜64と、下地膜64上に形成された盛り上げ部66と、を備える。各モニター用端子55の下地膜64は、互いに同一構成の膜により形成されている。下地膜64は、第1ベース基板20の下面に形成されている。盛り上げ部66は、その下層の下地膜64に直接接合して導通している。盛り上げ部66の全体は、下地膜64に重なっている。本実施形態では、厚さ方向から見た場合に、盛り上げ部66の外形線は、下地膜64の外形線よりも内側にある。
【0040】
図5は、図4のV-V線における断面図である。
図5に示すように、盛り上げ部66は、下地膜64よりも厚く形成されている。盛り上げ部66は、下方を向く頂面66aを有する。頂面66aは、盛り上げ部66における最も高い位置にある面である。盛り上げ部66の頂面66aは、モニター用端子55の頂面56である。例えば、頂面66aは、厚さ方向に直交する平坦面である。頂面66aの端縁は、厚さ方向に沿う断面視で丸みを帯びた丸面取り形状を有している。頂面66aの端縁は、全周にわたって丸面取り形状を有している。
【0041】
図4に示すように、外部接続用端子57は、第2フレーム35の下面に形成されている。外部接続用端子57は、第2フレーム35の角部にそれぞれ独立して設けられている。外部接続用端子57は、互いに同一構成の膜により形成されている。
【0042】
チップ用引き回し配線61A~61Fは、第1ベース基板20の下面に形成されている。チップ用引き回し配線61A~61Fは、チップ用電極53に1対1で直接接続している。チップ用引き回し配線61A~61Fのうち4つ(図示の例ではチップ用引き回し配線61A~61D)は、外部接続用端子57に1対1で導通している。チップ用引き回し配線61A~61Fのうち残りの2つ(図示の例ではチップ用引き回し配線61E,61F)は、図示しない貫通電極を介してマウント電極51A,51Bに1対1で導通している。
【0043】
モニター用引き回し配線62は、第1ベース基板20の下面に形成されている。すなわち、モニター用引き回し配線62は、パッケージ本体10の表面におけるモニター用端子55と同一面に形成されている。モニター用引き回し配線62は、厚さ方向でモニター用端子55に1対1で隣接している。モニター用引き回し配線62は、隣接するモニター用端子55に直接接続している。モニター用引き回し配線62は、図示しない貫通電極を介してマウント電極51A,51Bに1対1で導通している。モニター用引き回し配線62は、モニター用端子55の下地膜64と一体に形成され、下地膜64に連続している。
【0044】
本実施形態では、パッケージ本体10の各部材(第1ベース基板20、第2ベース基板25および第2フレーム35)の表面に導電部50の一部が形成されている。導電部50のうち下地の部材が共通する部分同士は、互いに同一膜種により形成されている。すなわち、第1ベース基板20の表面に形成されたチップ用電極53、チップ用引き回し配線61A~61Fおよびモニター用引き回し配線62は、互いに同一構成の膜により形成されているとともに、モニター用端子55の下地膜64とも同一構成の膜により形成されている。チップ用電極53等は、単一金属による単層膜でもよいし、異なる金属が積層された積層膜でもよい。例えば、チップ用電極53等は、タングステンまたはモリブデンからなる下地にニッケルを積層し、さらにニッケル上に金を積層した積層膜である。この場合、ニッケルおよび金をめっきにより成膜することができる。盛り上げ部66は、その下層の下地膜64とは別の工程で形成される。盛り上げ部66は、単一金属による単層膜でもよいし、異なる金属が積層された積層膜でもよい。例えば、盛り上げ部66は、タングステンまたはモリブデンにより形成される。これにより盛り上げ部66の材料を下地膜64の材料と共用でき、製造コストの増加を抑制できる。
【0045】
モニター用端子55およびモニター用引き回し配線62に着目する。モニター用端子55の頂面56は、モニター用引き回し配線62に対して嵩上げされている。さらに、モニター用端子55の頂面56は、パッケージ本体10のうち当該モニター用端子55と同一面(第1ベース基板20の下面)に形成された、モニター用引き回し配線62と同一構成の膜に対しても嵩上げされている。すなわち、モニター用端子55の頂面56は、チップ用電極53およびチップ用引き回し配線61A~61Fに対しても嵩上げされている。
【0046】
図2に示すように、圧電振動片4は、パッケージ3の振動片実装領域11に配置され、キャビティC内に収容されている。圧電振動片4は、例えば、水晶によって形成された圧電板5を備える。圧電板5は、一対の振動腕部5a,5bと、一対の支持腕部5c,5dと、を有する。圧電振動片4は、支持腕部5c,5dが第2ベース基板25の実装部27に支持されることで、パッケージ3に実装されている。支持腕部5c,5dは、導電性接着剤によりマウント電極51A,51Bに接着される。圧電振動片4は、一対の振動腕部5a,5bがパッケージ本体10から浮いた状態で支持される。一対の振動腕部5a,5bの外表面には、所定の電圧が印加されたときに一対の振動腕部5a,5bを振動させる2系統の励振電極(図示略)が設けられている。2系統の励振電極は、導電性接着剤、マウント電極51A,51Bおよびモニター用引き回し配線62を介してモニター用端子55に1対1で導通している。ただし、圧電板5は、水晶に限らず、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などで形成されていてもよい。
【0047】
図3および図4に示すように、集積回路チップ7は、パッケージ3のチップ実装領域12に配置されている。集積回路チップ7は、下方から見て一対の辺が長手方向に延び、かつ残りの一対の辺が短手方向に延びる矩形状に形成されている。集積回路チップ7の全体は、下方から見て第2フレーム35の内側に配置されている。集積回路チップ7は、下方から見て全てのチップ用電極53に重なっている。集積回路チップ7は、下方から見て各モニター用端子55の盛り上げ部66に重ならないように配置されている。
【0048】
本実施形態の作用について図6を参照して説明する。図6は、第1実施形態のモニター用端子にプローブを接触させる様子を示す図である。
図6に示すように、パッケージ3に実装された圧電振動片4の周波数測定は、一対のモニター用端子55にプローブPを接触させてなされる。本実施形態の圧電振動片4の周波数測定に用いるプローブPとして、先端が平坦なフラット型のプローブが好適である。以下では、フラット型のプローブPを用いる場合について説明する。ただし、先端中央が窪む逆円錐型のプローブや、多点接触用のクラウン型のプローブ等、先細り形状を有していないプローブも、フラット型のプローブと同様に本実施形態の圧電振動片の周波数測定に好適である。なお周波数測定は、集積回路チップ7がパッケージ3に実装される前に行われてもよいし、集積回路チップ7がパッケージ3に実装された後に行ってもよい。
【0049】
本実施形態ではモニター用端子55の頂面56が盛り上げ部66により嵩上げされているので、モニター用端子55の頂面56は、パッケージ本体10の表面のうちモニター用端子55が形成される面(第1ベース基板20の下面)に対して離れて配置される。このため、プローブPをモニター用端子55に接触させるにあたり、モニター用端子55に接近するプローブPがパッケージ本体10に対して傾いていても、モニター用端子55の頂面56の端縁がモニター用引き回し配線62等の周囲の配線膜と比べてパッケージ本体10の表面から離れて配置される分、プローブPがパッケージ本体10の表面に接触しにくくなる。すなわち、プローブPの先端がパッケージ本体10に接触するよりも前にモニター用端子55の頂面56の端縁に接触しやすい。なおプローブPがパッケージ本体10に対して傾いた状態は、プローブPの長手方向(軸方向)がモニター用端子55の頂面56の法線方向に対して傾いた状態である。このため、モニター用引き回し配線62と同一構造を有するモニター用端子にプローブPを接触させる場合と比較して、先細り形状を有するプローブを用いなくても、プローブPをモニター用端子55に接触させる際にパッケージ本体10に対するプローブPの傾きを許容できる。よって、パッケージ3が小型化された場合であっても、モニター用端子55への良好なプロービングが可能となる。したがって、モニター用端子55に対して良好にプロービングできる小型化が可能な振動子用のパッケージ3を提供できる。
【0050】
また、モニター用端子55は、モニター用引き回し配線62と一体に形成された下地膜64と、下地膜64上に形成された盛り上げ部66と、を有する。この構成によれば、モニター用引き回し配線62と同一構造を有する従来のモニター用端子を下地膜64とし、その下地膜64上に盛り上げ部66を形成することで、上記の作用効果を奏するモニター用端子55を形成できる。
【0051】
さらに、モニター用端子55の頂面56の端縁は、厚さ方向に沿う断面視で丸みを帯びている。この構成によれば、頂面の端縁が角張っている構成と比較して、頂面56の端縁にプローブが接触した際に頂面56の端縁を崩れにくくして、プローブをモニター用端子55に安定して接触させることが可能となる。したがって、モニター用端子55へのプロービングをより良好とすることができる。
【0052】
そして、本実施形態によれば、パッケージ3が小型化された場合であっても、モニター用端子55への良好なプロービングが可能となるので、圧電振動子2および発振器1の小型化を図ることができる。
【0053】
なお上記のように、モニター用端子55には、パッケージ3に圧電振動片4が実装された状態でプローブが当てられる。このため、圧電振動片4が実装された圧電振動子2および発振器1においては、モニター用端子55にプローブの接触痕が形成されるので、導電部50のうちいずれの箇所がモニター用端子55であるか判別可能である。
【0054】
なお上記第1実施形態では、厚さ方向から見て盛り上げ部66の外形線が下地膜64の外形線よりも内側に位置するが、この構成に限定されない。図7に示すように、厚さ方向から見て盛り上げ部166の外形線が下地膜64の外形線と一致していてもよい。また、厚さ方向から見て盛り上げ部の外形線が下地膜の外形線の外側に位置していてもよい。また、厚さ方向から見て盛り上げ部の少なくとも一部が集積回路チップに重なっていてもよい。さらに、上記第1実施形態では、盛り上げ部66の全体が下地膜64に重なっているが、盛り上げ部の一部のみが下地膜に重なっていてもよい。また、下地膜の全体を省略して、第1ベース基板20の下面に直接形成された盛り上げ部がモニター用引き回し配線に直接接続していてもよい。いずれにしても、モニター用端子の頂面が、第1ベース基板20の下面に形成された他の配線膜に対して嵩上げされていればよい。
【0055】
また上記第1実施形態では、モニター用端子55において厚さ方向から見て下地膜64が盛り上げ部66よりも外側に広がるように形成されている。しかし、下地膜を盛り上げ部66と重なる部分のみとし、盛り上げ部66よりも外側に広がる部分をモニター用引き回し配線62と見做してもよい。
【0056】
さらに上記第1実施形態では、モニター用端子55がモニター用引き回し配線62を介してマウント電極51A,51Bに導通しているが、この構成に限定されない。モニター用端子は、図示しない貫通電極に直接接続し、その貫通電極を介してマウント電極に導通していてもよい。この場合であっても、モニター用端子の頂面が、第1ベース基板20の下面に形成された他の配線膜に対して嵩上げされていれば、上記の作用効果を奏する。
【0057】
[第2実施形態]
次に、図8を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、モニター用端子55が下地膜64上に形成された盛り上げ部66を有することで、頂面56を嵩上げしている。これに対して第2実施形態では、モニター用端子255が土台217の表面に乗り上げることで、頂面256を嵩上げしている点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0058】
図8は、第2実施形態に係るモニター用端子周辺を示す図であって、図5に相当する断面図である。
図8に示すように、パッケージ203は、土台217を備える。土台217は、パッケージ203の表面のうちモニター用引き回し配線62が形成される面(第1ベース基板20の下面)に積層されている。土台217は、モニター用端子255が形成される位置に1つずつ配置されている。土台217は、第1ベース基板20と同じ材料で形成されている。土台217は、セラミックス製である。土台217は、第2フレーム35(図3参照)よりも厚さ方向に薄く形成されていることが望ましい。土台217の下面の全体は、厚さ方向に直交する平坦面である。
【0059】
導電部250は、第1実施形態のモニター用端子55に代えて、モニター用端子255を備える。モニター用端子255は、土台217の下面から側面にわたって連続して形成されており、モニター用引き回し配線62に直接接続している。モニター用端子255は、モニター用引き回し配線62との接続部から土台217の表面に乗り上げている。例えば、モニター用端子255は、モニター用引き回し配線62と同一構成の膜により形成されている。この場合、モニター用端子255は、モニター用引き回し配線62と一体に形成されて、モニター用引き回し配線62に連続している。ただし、モニター用端子255は、モニター用引き回し配線62とは別に形成されて、モニター用引き回し配線62に接触することでモニター用引き回し配線62に接続していてもよい。モニター用端子255の頂面256は、土台217の下面に形成されている。頂面256は、土台217の下面全体に形成されている。これにより、頂面256は、土台217の下面の端縁全体に形成されている。
【0060】
本実施形態では、モニター用端子255がモニター用引き回し配線62に対して嵩上げされた頂面256を有しているので、第1実施形態と同様の効果を奏する。これに加え、本実施形態では、パッケージ203がパッケージ本体10を形成する材料と同じ材料により形成された土台217を備え、モニター用端子255がモニター用引き回し配線62との接続部から土台217の表面に乗り上げている。この構成によれば、モニター用端子255の頂面256の嵩上げの高さを土台217によって確保しやすい。したがって、プローブをパッケージ本体10の表面に対してより接触しにくくすることができる。
【0061】
また、土台217は、セラミックス材料により形成されている。これにより、従来公知のセラミックスパッケージの製造方法を用いて土台217およびモニター用端子255を形成できる。したがって、製造コストの増加を抑制できる。
【0062】
なお第2実施形態では土台217がパッケージ本体10と同じ材料により形成されているが、土台を形成する材料は特に限定されない。例えば、土台は、金属材料により形成されていてもよい。
【0063】
[第3実施形態]
次に、図9を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、モニター用端子55がチップ実装領域12に設けられている。これに対して第3実施形態では、モニター用端子355が振動片実装領域11に設けられている点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0064】
図9は、第3実施形態のパッケージ本体の内部を上方から見た平面図である。
図9に示すように、パッケージ303は、第1実施形態の導電部50に代えて、導電部350を備える。導電部350は、第1実施形態の一対のモニター用端子55およびモニター用引き回し配線62に代えて、一対のモニター用端子355およびモニター用引き回し配線362(配線膜)を備える。一対のモニター用端子355は、第1ベース基板20の上面に形成されている。一対のモニター用端子355は、第1フレーム30に対して間隔をあけて配置されている。モニター用端子355は、第1フレーム30よりも薄く形成されている。モニター用端子355は、第1実施形態と同様に、下地膜364および盛り上げ部366を有する。下地膜364は、第1ベース基板20の上面に形成されている。盛り上げ部366は、その下層の下地膜364に直接接合して導通している。盛り上げ部366は、上方を向く頂面366aを有する。盛り上げ部366の頂面366aは、モニター用端子355の頂面356である。
【0065】
モニター用引き回し配線362は、モニター用端子355に1対1で直接接続している。モニター用引き回し配線362は、図示しない電極を介してマウント電極51A,51Bに1対1で導通している。モニター用引き回し配線362は、モニター用端子355の下地膜364と同一構造の膜により形成されている。モニター用引き回し配線362は、下地膜364と一体に形成され、下地膜364に連続している。
【0066】
本実施形態では、モニター用端子355がモニター用引き回し配線362に対して嵩上げされた頂面356を有しているので、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、モニター用端子355が振動片実装領域11に設けられているので、チップ実装領域12を有していない圧電振動子302に好適なパッケージ303とすることができる。
【0067】
[第4実施形態]
次に、図10を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態のパッケージ3は、チップ実装領域12を有している。これに対して第4実施形態のパッケージ403は、チップ実装領域を有していない点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0068】
図10は、第4実施形態の圧電振動子の底面図である。
図10に示すように、第4実施形態の圧電振動子402は、プリント回路基板等の外部機器に接続される一対の外部接続用端子457を有し、外部接続用端子457を通じて図示しない集積回路と接続されることで発振器として機能する。圧電振動子402は、第1実施形態のパッケージ本体10および導電部50に代えて、パッケージ本体410および導電部450を備える。
【0069】
パッケージ本体410は、第1実施形態のパッケージ本体10から第2フレーム35を取り除いた構成を有する。導電部450は、マウント電極51A,51B(不図示)と、外部接続用端子457と、を有している。外部接続用端子457は、パッケージ本体410の下面(第1ベース基板20の下面)に形成されている。外部接続用端子457は、2個設けられている。外部接続用端子457は、パッケージ本体410の下面におけるX方向の両端に設けられている。外部接続用端子457は、図示しない電極等を介してマウント電極51A,51Bに1対1で導通している。外部接続用端子457は、下地膜464と、下地膜464上に形成された盛り上げ部466と、を有する。下地膜464は、第1実施形態の下地膜64と同様に形成されている。盛り上げ部466は、第1実施形態の盛り上げ部66と同様に形成されている。
【0070】
ここで、外部接続用端子457は、モニター用端子455として用いられる。すなわち、盛り上げ部466、および下地膜464のうち厚さ方向から見て盛り上げ部466と重なる部分をモニター用端子455とし、下地膜464のうち厚さ方向から見て盛り上げ部466よりも外側に広がる部分をマウント電極51A,51Bに導通する引き回し配線462(配線膜)とする。これにより、導電部450は、第1ベース基板20の下面に形成され、マウント電極51A,51Bに導通する引き回し配線462と、引き回し配線462に接続し、引き回し配線462に対して嵩上げされた頂面456(盛り上げ部466の頂面466a)を有するモニター用端子455と、を有するものとなる。したがって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0071】
[第5実施形態]
次に、図11を参照して、第5実施形態について説明する。第4実施形態では、パッケージ403に外部接続用端子457が2個設けられている。これに対して第5実施形態では、パッケージ503に外部接続用端子557が4個設けられている点で、第4実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第4実施形態と同様である。
【0072】
図11は、第5実施形態の圧電振動子の底面図である。
図11に示すように、圧電振動子502は、第4実施形態の導電部450に代えて、導電部450を備える。導電部550は、パッケージ本体410の下面に形成された外部接続用端子557を有する。外部接続用端子557は、4個設けられている。外部接続用端子557は、パッケージ本体410の下面における4つの角部に設けられている。4個の外部接続用端子557のうち2個は、図示しない電極等を介してマウント電極51A,51Bに1対1で導通している。各外部接続用端子557は、下地膜564および盛り上げ部566を有している。
【0073】
ここで、マウント電極51A,51Bに導通する2個の外部接続用端子557は、モニター用端子555として用いられる。すなわち、盛り上げ部566、および下地膜564のうち厚さ方向から見て盛り上げ部566と重なる部分をモニター用端子555とし、下地膜564のうち厚さ方向から見て盛り上げ部566よりも外側に広がる部分をマウント電極51A,51Bに導通する引き回し配線562(配線膜)とする。これにより、導電部550は、第1ベース基板20の下面に形成され、マウント電極51A,51Bに導通する引き回し配線562と、引き回し配線562に接続し、引き回し配線562に対して嵩上げされた頂面556(盛り上げ部566の頂面566a)を有するモニター用端子555と、を有するものとなる。したがって、本実施形態によれば、第4実施形態と同様の効果を奏する。
【0074】
なお第5実施形態において、全ての外部接続用端子557が下地膜564および盛り上げ部566を有しているが、マウント電極51A,51Bに導通する2個の外部接続用端子557のみが下地膜564および盛り上げ部566を有していてもよい。ただし、全ての外部接続用端子557を互いに同様に形成することで、外部接続用端子557を外部機器に接続するための端子として用いる場合の対称性を確保でき、外部機器への接続を容易にできる。
【0075】
[第6実施形態]
次に、図12を参照して、第6実施形態について説明する。第4実施形態では、モニター用端子455がパッケージ本体410の下面に形成されている。これに対して第6実施形態では、モニター用端子655がパッケージ本体410の側面に形成されている点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第4実施形態と同様である。
【0076】
図12は、第6実施形態の圧電振動子の断面図である。
図12に示すように、パッケージ本体410の側面には、図示しない外部接続用端子が設けられている。外部接続用端子は、マウント電極51A,51B(図3参照)に1対1で導通している。外部接続用端子は、下地膜および盛り上げ部666を有しており、モニター用端子655として用いられる。この場合、下地膜は、盛り上げ部666から張り出してマウント電極51A,51Bに導通している。したがって、本実施形態によれば、下地膜のうち盛り上げ部666から張り出した部分に対して盛り上げ部666の頂面が嵩上げされるので、第4実施形態と同様の効果を奏する。
【0077】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記第1実施形態では、振動片実装領域11がパッケージ本体10の上面側に設けられているとともに、チップ実装領域12がパッケージ本体10の下面側に設けられているが、この構成に限定されない。例えば、図13に示す発振器1Aのように、振動片実装領域11Aおよびチップ実装領域12Aがパッケージ本体10Aの同一面側に設けられていてもよい。この場合、圧電振動片4および集積回路チップ7が厚さ方向から見て重なり合うように配置されていてもよい。
【0078】
また、上記第1実施形態では、一対のモニター用端子55が厚さ方向から見て集積回路チップ7を挟むように配置されているが、この構成に限定されない。例えば、図14に示す発振器1Bのように、一対のモニター用端子55Bが厚さ方向から見て集積回路チップ7に対する同じ側に配置されていてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、圧電振動子がパッケージおよび圧電振動片を有しているが、圧電振動子がさらにサーミスタを有していてもよい。この場合、上記実施形態のパッケージのチップ実装領域に、集積回路チップに代えてサーミスタを配置してもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、モニター用端子の盛り上がり部が下地膜上に形成されているが、この構成に限定されない。盛り上がり部は、パッケージ本体の表面に形成され、モニター用引き回し配線に直接接続していてもよい。
【0081】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各実施形態および各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1,1A,1B…発振器 2,302,402…圧電振動子 3,203,303,403,503…パッケージ 4…圧電振動片 7…集積回路チップ 10,10A,410…パッケージ本体 50,250,350,450,550…導電部 51A,51B…マウント電極 55,55B,255,355,455,555,655…モニター用端子 56,256,356,456,556…頂面 62,362…モニター用引き回し配線(配線膜) 64,364,464,564…下地膜 66,166,66,466,566,666…盛り上げ部 217…土台 462,562…引き回し配線(配線膜)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14