(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129939
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】家具固定構造及び家具固定方法
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A47B55/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039352
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】391034488
【氏名又は名称】イビケン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】濱野 強
(72)【発明者】
【氏名】片渕 健輔
【テーマコード(参考)】
3B067
【Fターム(参考)】
3B067BA00
3B067BA01
3B067DA02
(57)【要約】
【課題】住宅内部が傷つけられるのを抑制しつつ、床や壁などの設置面に対して家具を容易に着脱する。
【解決手段】家具固定構造11は、床Fや壁W等の設置面に固定される固定面14を有する家具12と、設置面と固定面14とに貼り付けられる伸長剥離可能な両面テープ13と、を備える。家具12は、固定面14の一部を形成する側板底面15aを有する側板15と、固定面14の他の一部を形成する支持板底面16aを有するとともに側板15に対して着脱可能に取り付けられる支持板16と、を有する。両面テープ13は、側板底面15aから支持板底面16aに至るように、設置面と側板底面15a及び支持板底面16aとに貼り付けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具と、
前記家具を設置面に固定するための伸長剥離可能な両面テープと、を備え、
前記家具は、第一固定面を有する第一部材と、第二固定面を有するとともに前記第一部材に対して着脱可能に取り付けられる第二部材と、を有し、
前記両面テープは、前記第一固定面から前記第二固定面に至るように、前記設置面と前記第一固定面及び前記第二固定面とに貼り付けられる、
家具固定構造。
【請求項2】
両面テープは、第一固定面に貼り付けられる第一部分と、第二固定面に貼り付けられる第二部分と、を有し、
前記第一部分は、前記第二部分よりも短い、
請求項1に記載の家具固定構造。
【請求項3】
前記設置面は、床である、
請求項1又は2に記載の家具固定構造。
【請求項4】
前記家具は、前記床に立設される側板と、前記床に立設される支持板と、を有し、
前記第一部材は、前記側板及び前記支持板の何れか一方であり、
前記第二部材は、前記側板及び前記支持板の何れか他方である、
請求項3に記載の家具固定構造。
【請求項5】
前記家具は、前記床側に配置される端部に切欠きが形成された板状部材と、前記板状部材の前記切欠きに配置される端部材と、を有し、
前記第一部材は、前記板状部材であり、
前記第二部材は、前記端部材である、
請求項3に記載の家具固定構造。
【請求項6】
前記設置面は、壁である、
請求項1又は2に記載の家具固定構造。
【請求項7】
前記家具は、床に立設される側板と、水平方向に配置される横板と、を有し、
前記第一部材は、前記側板及び前記横板の何れか一方であり、
前記第二部材は、前記側板及び前記横板の何れか他方である、
請求項6に記載の家具固定構造。
【請求項8】
前記家具は、前記壁側に配置される端部に切欠きが形成された板状部材と、前記板状部材の前記切欠きに配置される端部材と、を有し、
前記第一部材は、前記板状部材であり、
前記第二部材は、前記端部材である、
請求項6に記載の家具固定構造。
【請求項9】
前記両面テープの伸長率は、500%以上20000%以下である、
請求項1又は2に記載の家具固定構造。
【請求項10】
前記両面テープの引張強度は、3N/10mm以上100N/10mm以下である、
請求項1又は2に記載の家具固定構造。
【請求項11】
家具と、伸長剥離可能な両面テープと、を用意する用意工程と、
前記家具を設置面に固定する固定工程と、を備え、
前記用意工程で用意する前記家具は、第一固定面を有する第一部材と、第二固定面を有するとともに前記第一部材に対して着脱可能に取り付けられる第二部材と、を有し、
前記固定工程では、前記両面テープが前記第一固定面から前記第二固定面に至るように、前記両面テープを前記設置面と前記第一固定面及び前記第二固定面とに貼り付ける、
家具固定方法。
【請求項12】
前記固定工程では、前記設置面に前記両面テープを貼り付け、その後、前記設置面に前記第一部材及び前記第二部材を配置する、
請求項11に記載の家具固定方法。
【請求項13】
前記固定工程では、前記第一部材に前記第二部材を取り付けて前記第一固定面及び前記第二固定面に前記両面テープを貼り付け、その後、前記設置面に前記第一部材及び前記第二部材を配置する、
して前記両面テープを前記設置面に貼り付ける、
請求項11に記載の家具固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床や壁などの設置面に家具を固定する家具固定構造及び家具固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、間仕切壁に収納家具を設置する設置構造が記載されている。この設置構造では、ビスの打ち込みにより床面に収納家具を固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、住宅業界において、サスティナブルへの取り組みとして、住宅の長期化、リフォーム、リノベーションの推進が非常に重要になってきている。このため、住宅内部を傷つけずに収納等の家具を固定し、かつ、簡単に取り外して取り換えができることが求められている。特許文献1に記載された設置構造は、ビスの打ち込みにより床面に収納家具を固定するものであるため、上記要望を解決するものではない。
【0005】
そこで、本発明は、住宅内部が傷つけられるのを抑制しつつ、床や壁などの設置面に対して家具を容易に着脱することができる着脱容易な家具固定構造及び家具固定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1] 本発明に係る家具固定構造は、家具と、家具を設置面に固定するための伸長剥離可能な両面テープと、を備え、家具は、第一固定面を有する第一部材と、第二固定面を有するとともに第一部材に対して着脱可能に取り付けられる第二部材と、を有し、両面テープは、第一固定面から第二固定面に至るように、設置面と第一固定面及び第二固定面とに貼り付けられる。
【0007】
この家具固定構造では、両面テープが第一固定面から第二固定面に至るように設置面と第一固定面及び第二固定面とに貼り付けられる。これにより、両面テープによって家具を設置面に固定することができる。ここで、第二部材は、第一部材に対して着脱可能に取り付けられるため、両面テープにより家具を設置面に固定した後は、第二部材を第一部材から取り外して両面テープから引き剥がすことで、両面テープの一部を露出させることができる。このとき、第一部材及び第二部材の全てを両面テープから引き剥がす場合に比べて、弱い力で第二部材を両面テープから引き剥がすことができる。また、両面テープが露出しないように両面テープを設置面と第一固定面及び第二固定面とに貼り付けても、第一部材から第二部材を取り外すことで、両面テープの一部を露出させることができる。そして、この露出した部分において両面テープを引き伸ばすことで、両面テープを設置面及び第一固定面から剥離させることができる。このため、住宅内部が傷つけられるのを抑制しつつ、設置面に対して家具を容易に着脱することができる。
【0008】
[2] [1]に記載の家具固定構造において、両面テープは、第一固定面に貼り付けられる第一部分と、第二固定面に貼り付けられる第二部分と、を有し、第一部分は、第二部分よりも短くてもよい。この家具固定構造では、第一固定面に貼り付けられる両面テープの第一部分が、第二固定面に貼り付けられる両面テープの第二部分よりも短いため、設置面に対する家具の固定強度を保持しつつ、第二部材を両面テープから容易に引き剥がすことができる。
【0009】
[3] [1]又は[2]に記載の家具固定構造において、設置面は、床であってもよい。この家具固定構造では、設置面が床であるため、床が傷つけられるのを抑制しつつ、床に対して家具を容易に着脱することができる。
【0010】
[4] [3]に記載の家具固定構造において、家具は、床に立設される側板と、床に立設される支持板と、を有し、第一部材は、側板及び支持板の何れか一方であり、第二部材は、側板及び支持板の何れか他方であってもよい。この家具固定構造では、側板及び支持板において家具を床に固定することができるとともに、側板及び支持板の何れか一方から側板及び支持板の何れか他方を取り外すことで、両面テープの一部を露出させることができる。
【0011】
[5] [3]に記載の家具固定構造において、家具は、床側に配置される端部に切欠きが形成された板状部材と、板状部材の切欠きに配置される端部材と、を有し、第一部材は、板状部材であり、第二部材は、端部材であってもよい。この家具固定構造では、板状部材及び端部材において家具を床に固定することができるとともに、板状部材から端部材を取り外すことで両面テープの一部を露出させることができる。
【0012】
[6] [1]又は[2]に記載の家具固定構造において、設置面は、壁であってもよい。この家具固定構造では、設置面が壁であるため、壁が傷つけられるのを抑制しつつ、壁に対して家具を容易に着脱することができる。
【0013】
[7] [6]に記載の家具固定構造において、家具は、床に立設される側板と、水平方向に配置される横板と、を有し、第一部材は、側板及び横板の何れか一方であり、第二部材は、側板及び横板の何れか他方であってもよい。この家具固定構造では、側板及び横板において家具を壁に固定することができるとともに、側板及び横板の何れか一方から側板及び横板の何れか他方を取り外すことで、両面テープの一部を露出させることができる。
【0014】
[8] [6]に記載の家具固定構造において、家具は、壁側に配置される端部に切欠きが形成された板状部材と、板状部材の切欠きに配置される端部材と、を有し、第一部材は、板状部材であり、第二部材は、端部材であってもよい。この家具固定構造では、板状部材及び端部材において家具を壁に固定することができるとともに、板状部材から端部材を取り外すことで両面テープの一部を露出させることができる。
【0015】
[9] [1]~[8]の何れか一つに記載の家具固定構造において、両面テープの伸長率は、500%以上20000%以下であってもよい。この家具固定構造では、両面テープの伸長率が500%以上20000%以下であるため、両面テープを引き伸ばした際に、容易に設置面及び第一固定面から両面テープを剥離させることができる。
【0016】
[10] [1]~[9]の何れか一つに記載の家具固定構造において、両面テープの引張強度は、3N/10mm以上100N/10mm以下であってもよい。この家具固定構造では、両面テープの引張強度が3N/10mm以上100N/10mm以下であるため、両面テープを引き伸ばして設置面及び第一固定面から両面テープを剥離させる際に、両面テープが破断するのを抑制することができる。
【0017】
[11] 本発明に係る家具固定方法は、家具と、伸長剥離可能な両面テープと、を用意する用意工程と、家具を設置面に固定する固定工程と、を備え、用意工程で用意する家具は、第一固定面を有する第一部材と、第二固定面を有するとともに第一部材に対して着脱可能に取り付けられる第二部材と、を有し、固定工程では、両面テープが第一固定面から第二固定面に至るように、両面テープを設置面と第一固定面及び第二固定面とに貼り付ける。
【0018】
この家具固定方法では、両面テープが第一固定面から第二固定面に至るように設置面と第一固定面及び第二固定面とに貼り付けられる。これにより、両面テープによって家具を設置面に固定することができる。ここで、第二部材が第一部材に対して着脱可能に取り付けられるため、両面テープにより家具を設置面に固定した後は、第二部材を第一部材から取り外して両面テープから引き剥がすことで、両面テープの一部を露出させることができる。このとき、第一部材及び第二部材の全てを両面テープから引き剥がす場合に比べて、弱い力で第二部材を両面テープから引き剥がすことができる。また、両面テープが露出しないように両面テープを設置面と第一固定面及び第二固定面とに貼り付けても、第一部材から第二部材を取り外すことで、両面テープの一部を露出させることができる。そして、この露出した部分において両面テープを引き伸ばすことで、設置面及び第一固定面から両面テープを剥離させることができる。このため、住宅内部が傷つけられるのを抑制しつつ、設置面に対して家具を容易に着脱することができる。
【0019】
[12] [11]に記載の家具固定方法において、固定工程では、設置面に両面テープを貼り付け、その後、設置面に第一部材及び第二部材を配置してもよい。この家具固定方法では、設置面に両面テープを貼り付けた後に、設置面に第一部材及び第二部材を配置することで、両面テープを設置面と第一固定面及び第二固定面とに貼り付けることができる。これにより、家具を設置面に固定することができる。
【0020】
[13] [11]に記載の家具固定方法において、固定工程では、第一部材に第二部材を取り付けて第一固定面及び第二固定面に両面テープを貼り付け、その後、設置面に第一部材及び第二部材を配置してもよい。この家具固定方法では、第一部材に第二部材を取り付けて第一固定面及び第二固定面に両面テープを貼り付け、その後、設置面に第一部材及び第二部材を配置することで、両面テープを設置面と第一固定面及び第二固定面とに貼り付けることができる。これにより、家具を設置面に固定することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、住宅内部が傷つけられるのを抑制しつつ、床や壁などの設置面に対して家具を容易に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第一実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す家具固定構造を示す正面図である。
【
図3】
図1に示す家具固定構造を示す平面図である。
【
図4】
図1に示す家具固定構造において第一部材である側板から第二部材である支持板を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図5】
図1に示す家具固定構造において第一部材である側板から第二部材である支持板を取り外した状態を示す平面図である。
【
図6】第二実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【
図7】
図6に示す家具固定構造を示す正面図である。
【
図8】
図6に示す家具固定構造を示す平面図である。
【
図9】第三実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【
図10】
図9に示す家具固定構造を示す側面図である。
【
図11】
図9に示す家具固定構造を示す平面図である。
【
図12】第四実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【
図15】第五実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【
図18】第六実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【
図21】第七実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【
図24】第八実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【
図27】第九実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【
図30】
図27に示す家具固定構造において第一部材である側板から第二部材である横板を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図31】
図27に示す家具固定構造において第一部材である側板から第二部材である横板を取り外した状態を示す正面図である。
【
図32】第十実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【
図35】第十一実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【
図38】第十二実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【
図41】第十三実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、実施形態の家具固定構造及び家具固定方法について詳細に説明する。実施形態に係る家具固定構造及び家具固定構造は、設置面に家具を固定する構造及び方法である。設置面に固定する家具としては、特に限定されるものではないが、例えば、収納家具、カウンターテーブル、机、チェスト、衝立等である。家具の奥行方向を奥行方向D1といい、家具の幅方向を幅方向D2という。なお、全図中、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図2は、
図1に示す家具固定構造を示す正面図である。
図3は、
図1に示す家具固定構造を示す平面図である。
図1~
図3に示すように、本実施形態に係る家具固定構造11は、設置面である床Fに固定される家具12と、家具12を床Fに固定するための伸縮剥離可能な両面テープ13A,13Bと、を備える。つまり、家具固定構造11は、両面テープ13A,13Bにより家具12を床Fに固定する構造である。
【0025】
家具12は、床Fに立設される側板15A,15Bと、床Fに立設される支持板16と、を備える。側板15A,15Bは、家具12の側面を形成する板状部材である。側板15A,15Bは、奥行方向D1に延びて幅方向D2に互いに対向するように配置される。支持板16は、側板15A,15Bに着脱可能に取り付けられる板状部材である。支持板16は、側板15A,15Bの奥行方向D1における中央部において、幅方向D2(側板15A,15Bの対向方向)に延びるように配置される。支持板16は、側板15Aの側板15B側の面と側板15Bの側板15A側の面とに突き当てられた状態で、側板15A,15Bのそれぞれに対して着脱可能に取り付けられる。着脱可能な取り付けは、例えば、ノックダウン金具(例えば、ハーフェレ社のラフィックス)等の連結金具を用いた連結により行うことができる。なお、側板15Aと側板15Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、側板15として纏めて説明する。
【0026】
側板15は、側板15の下端に位置して床Fに対向される側板底面15aを有する。側板底面15aは、床Fに固定される第一固定面である。側板15は、側板底面15aにおいて床Fに固定される。支持板16は、支持板16の下端に位置して床Fに対向される支持板底面16aを有する。支持板底面16aは、床Fに固定される第二固定面である。支持板16は、支持板底面16aにおいて床Fに固定される。支持板16が側板15に取り付けられた家具12においては、側板底面15aと支持板底面16aとは、互いに隣接する。
【0027】
両面テープ13A,13Bは、家具12を床Fに固定するための両面テープである。両面テープ13Aは、側板15A及び支持板16を床Fに固定するための伸長剥離可能な両面テープである。両面テープ13Bは、側板15B及び支持板16を床Fに固定するための伸長剥離可能な両面テープである。伸長剥離可能とは、引き伸ばされることで貼り付け面から剥離することが可能であることをいう。
【0028】
両面テープ13Aは、側板15Aの側板底面15aから支持板底面16aに至る形状を有している。つまり、両面テープ13Aは、支持板16が側板15Aに取り付けられた家具12において、側板15Aの側板底面15aから支持板底面16aに至る形状を有している。そして、両面テープ13Aは、側板15Aの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、床F、と側板15Aの側板底面15a及び支持板底面16aと、に貼り付けられる。両面テープ13Bは、側板15Bの側板底面15aから支持板底面16aに至る形状を有している。つまり、両面テープ13Bは、支持板16が側板15Bに取り付けられた家具12において、側板15Bの側板底面15aから支持板底面16aに至る形状を有している。そして、両面テープ13Bは、側板15Bの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、床Fと、側板15Bの側板底面15a及び支持板底面16aと、に貼り付けられる。なお、両面テープ13Aと両面テープ13Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、両面テープ13として纏めて説明する。
【0029】
両面テープ13は、側板底面15aに貼り付けられる第一部分13aと、支持板底面16aに貼り付けられる第二部分13bと、を有する。
【0030】
第一部分13aは、側板底面15aと同じ形状であってもよく、側板底面15aよりも小さい形状であってもよい。つまり、第一部分13aは、側板底面15aの全面に貼り付けられるものであってもよく、側板底面15aの一部に貼り付けられるものであってもよい。本実施形態では、第一部分13aが側板底面15aからはみ出すのを抑制する観点から、第一部分13aは、側板底面15aよりも小さい形状となっている。
【0031】
第二部分13bは、支持板底面16aと同じ形状であってもよく、支持板底面16aよりも小さい形状であってもよい。つまり、第二部分13bは、支持板底面16aの全面に貼り付けられるものであってもよく、支持板底面16aの一部に貼り付けられるものであってもよい。本実施形態では、第二部分13bが支持板底面16aからはみ出すのを抑制する観点から、第二部分13bは、支持板底面16aよりも小さい形状となっている。
【0032】
第二部分13bは、第一部分13aより長くてもよく、第一部分13aより短くてもよく、第一部分13aと同じ長さでもよい。第一部分13a及び第二部分13bの長さは、両面テープ13の延在方向(長手方向)における長さである。本実施形態では、第二部分13bは、第一部分13aよりも短くなっている。
【0033】
より具体的に説明すると、両面テープ13は、側板底面15aの奥行方向D1における前端部から側板底面15aの奥行方向D1における中央部まで延びるとともに、側板底面15aの奥行方向D1における中央部から支持板底面16aに延びるように、L字状に形成されている。つまり、両面テープ13の第一部分13aは、側板底面15aに沿うように直線状に延びており、両面テープ13の第二部分13bは、第一部分13aの端部から直角に屈曲して支持板底面16aに沿うように直線状に延びている。また、第二部分13bは、第一部分13aよりも短くなっている。
【0034】
両面テープ13の伸長率は、例えば、500%以上20000%以下であることが好ましく、1000%以上18000%以下であることがより好ましく、5000%以上15000%以下であることが更に好ましい。この伸長率は、例えば、JIS Z 0237:2009に準拠した方法により計測することができる。
【0035】
両面テープ13の引張強度は、例えば、3N/10mm以上100N/10mm以下であることが好ましく、5N/10mm以上90N/10mm以下であることがより好ましく、20N/10mm以上80N/10mm以下であることが更に好ましい。この引張強度は、例えば、例えば、JIS Z 0237:2009に準拠した方法により計測することができる。
【0036】
両面テープ13は、テープ状の基材(不図示)と、基材の両面に配置された粘着層(不図示)と、を有する。上記の両面テープ13の伸長率及び引張強度は、両面テープ13の基材により得られる。このため、両面テープ13の基材の伸長率が、上記範囲であることが好ましい。また、両面テープ13の基材の引張強度が、上記範囲であることが好ましい。
【0037】
両面テープ13の基材としては、例えば、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂、ナイロン、アクリル樹脂などを用いることができる。この中でも、伸長率及び引張強度を高くできる観点から、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂を用いることが好ましい。
【0038】
次に、本実施形態に係る家具固定方法について説明する。本実施形態に係る家具固定方法は、両面テープ13により家具12を床Fに固定する方法である。この家具固定方法では、用意工程と、固定工程と、を行う。
【0039】
用意工程では、家具12と、両面テープ13A,13Bと、を用意する。用意する家具12は、支持板16が側板15A,15Bに取り付けられたものであってもよく、支持板16が側板15A,15Bに取り付けられていないものであってもよい。
【0040】
固定工程では、両面テープ13が第一固定面である側板底面15aから第二固定面である支持板底面16aに至るように、両面テープ13を床Fと側板底面15a及び支持板底面16aとに貼り付けることで、家具12を床Fに固定する。固定工程は、例えば、以下の第一固定工程又は第二固定工程により行うことができる。
【0041】
第一固定工程では、まず、床Fに両面テープ13A,13Bを貼り付ける。両面テープ13A,13Bの貼り付け位置は、床Fに側板15A,15B及び支持板16を配置した際に、側板15A,15Bの側板底面15a及び支持板底面16aが配置される位置であって、側板15A,15Bの側板底面15aから支持板底面16aに至る位置である。その後、床Fに側板15A,15Bの及び支持板16を配置する。すると、側板15A,15Bの側板底面15a及び支持板底面16aが、床Fに貼り付けられている両面テープ13A,13Bに貼り付けられる。つまり、両面テープ13Aが、側板15Aの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、床Fと、側板15Aの側板底面15a及び支持板底面16aと、に貼り付けられる。また、両面テープ13Bが、側板15Bの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、床Fと、側板15Bの側板底面15a及び支持板底面16aと、に貼り付けられる。これにより、両面テープ13A,13Bによって家具12が床Fに固定される。
【0042】
第二固定工程では、まず、側板15A,15Bに支持板16を取り付ける。そして、両面テープ13Aが側板15Aの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、両面テープ13Aを側板15Aの側板底面15a及び支持板底面16aに貼り付ける。また、両面テープ13Bが側板15Bの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、両面テープ13Bを側板15Bの側板底面15a及び支持板底面16aに貼り付ける。その後、側板15A,15B及び支持板16を床Fに配置する。すると、側板15A,15Bの側板底面15a及び支持板底面16aに貼り付けられている両面テープ13A,13Bが、床Fに貼り付けられる。つまり、両面テープ13Aが、側板15Aの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、床Fと、側板15Aの側板底面15a及び支持板底面16aと、に貼り付けられる。また、両面テープ13Bが、側板15Bの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、床Fと、側板15Bの側板底面15a及び支持板底面16aと、に貼り付けられる。これにより、両面テープ13A,13Bによって家具12が床Fに固定される。
【0043】
図4は、
図1に示す家具固定構造において第一部材である側板から第二部材である支持板を取り外した状態を示す斜視図である。
図5は、
図1に示す家具固定構造において第一部材である側板から第二部材である支持板を取り外した状態を示す平面図である。
図4及び
図5に示すように、床Fに固定された家具12を床Fから取り外す場合は、まず、側板15A,15Bから支持板16を取り外す。そして、両面テープ13A,13Bの第二部分13bから支持板底面16aを引き剥がす。これにより、両面テープ13A,13Bの第二部分13bが露出されるため、第二部分13bにおいて両面テープ13A,13Bを摘まむことが可能となる。次に、この露出された第二部分13bを摘まんで両面テープ13A,13Bを引き伸ばす。すると、両面テープ13A,13Bは、引き伸ばされることで床F及び側板15A,15Bの側板底面15aから剥離される。これにより、両面テープ13A,13Bによる床Fに対する家具12の固定が解除されるため、家具12を床Fから取り外すことができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る家具固定構造11及び家具固定方法では、両面テープ13A,13Bが、側板15A,15Bの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、床Fと、側板15A,15Bの側板底面15a及び支持板底面16aと、に貼り付けられる。これにより、両面テープ13A,13Bによって家具12を床Fに固定することができる。ここで、支持板16は、側板15A,15Bに対して着脱可能に取り付けられるため、両面テープ13A,13Bにより家具12を床Fに固定した後は、支持板16を側板15A,15Bから取り外して両面テープ13A,13Bから引き剥がすことで、両面テープ13A,13Bの第二部分13bを露出させることができる。このとき、側板15A,15B及び支持板16の全てを両面テープ13A,13Bから引き剥がす場合に比べて、弱い力で支持板16を両面テープ13A,13Bから引き剥がすことができる。また、両面テープ13A,13Bが露出しないように両面テープ13A,13Bを床Fと側板15A,15Bの側板底面15a及び支持板底面16aとに貼り付けても、側板15A,15Bから支持板16を取り外すことで、両面テープ13A,13Bの第二部分13bを露出させることができる。そして、この露出した第二部分13bにおいて両面テープ13A,13Bを引き伸ばすことで、両面テープ13A,13Bを床F及び側板15A,15Bの側板底面15aから剥離させることができる。このため、住宅内部が傷つけられるのを抑制しつつ、床Fに対して家具12を容易に着脱することができる。
【0045】
また、この家具固定構造11では、側板底面15aに貼り付けられる両面テープ13の第一部分13aが、支持板底面16aに貼り付けられる両面テープ13の第二部分13bよりも短いため、床Fに対する家具12の固定強度を保持しつつ、支持板16を両面テープ13A,13Bから容易に引き剥がすことができる。
【0046】
また、この家具固定構造11では、設置面が床Fであるため、床Fが傷つけられるのを抑制しつつ、床Fに対して家具12を容易に着脱することができる。
【0047】
また、この家具固定構造11では、側板15A,15B及び支持板16において家具12を床Fに固定することができるとともに、側板15A,15Bから支持板16を取り外すことで、両面テープ13A,13Bの第二部分13bを露出させることができる。
【0048】
また、この家具固定構造11では、両面テープ13の伸長率が500%以上20000%以下、1000%以上18000%以下、又は5000%以上15000%以下であるため、両面テープ13を引き伸ばした際に、容易に床F及び側板15から両面テープを剥離させることができる。
【0049】
また、この家具固定構造11では、両面テープ13の引張強度が3N/10mm以上100N/10mm以下、5N/10mm以上90N/10mm以下、又は20N/10mm以上80N/10mm以下であるため、両面テープ13を引き伸ばして床F及び側板底面15aから両面テープ13を剥離させる際に、両面テープ13が破断するのを抑制することができる。
【0050】
また、この家具固定方法では、第一固定工程として、床Fに両面テープ13A,13Bを貼り付けた後に、床Fに側板15A,15B及び支持板16を配置することで、両面テープ13A,13Bを床Fと側板15A,15B及び支持板16とに貼り付けることができる。
【0051】
また、この家具固定方法では、第二固定工程として、側板15A,15Bに支持板16を取り付けて側板15A,15Bの側板底面15a及び支持板底面16aに両面テープ13A,13Bを貼り付け、その後、側板15A,15B及び支持板16を床Fに配置することで、両面テープ13A,13Bを床Fと側板15A,15Bの側板底面15a及び支持板底面16aとに貼り付けることができる。
【0052】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係る家具固定構造及び家具固定方法について説明する。第二実施形態に係る家具固定構造は、基本的に第一実施形態に係る家具固定構造と同様であるが、両面テープの形状及び貼り付け位置が第一実施形態に係る家具固定構造と相違する。このため、以下の説明では、第一実施形態と同様の点の説明を省略し、第一実施形態と相違する点のみを説明する。
【0053】
図6は、第二実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図7は、
図6に示す家具固定構造を示す正面図である。
図8は、
図6に示す家具固定構造を示す平面図である。
図6~
図8に示すように、本実施形態に係る家具固定構造21は、設置面である床Fに固定される家具12と、家具12を床Fに固定するための伸長剥離可能な両面テープ23と、を備える。
【0054】
家具12は、第一実施形態と同様に、側板15A,15Bと、支持板16と、を備える。但し、側板15の側板底面15aは、床Fに固定される第二固定面であり、支持板16の支持板底面16aは、床Fに固定される第一固定面である。支持板16が側板15に取り付けられた家具12においては、側板底面15aと支持板底面16aとは、互いに隣接する。
【0055】
両面テープ23は、第一実施形態の両面テープ13に対応する両面テープである。両面テープ23は、側板15Aの側板底面15aから支持板底面16aを通って側板15Bの側板底面15aに至るように、直線状に形成されている。なお、両面テープ23は、側板15A側と側板15B側とに分割されていてもよい。そして、両面テープ23は、支持板底面16aから側板15Aの側板底面15aに至るとともに、支持板底面16aから側板16Bの側板底面15aに至るように、床Fと、側板15Aの側板底面15a、支持板底面16a、及び側板15Bの側板底面15aと、に貼り付けられる。
【0056】
両面テープ23は、第一固定面である支持板底面16aに貼り付けられる第一部分23aと、第二固定面である側板底面15aに貼り付けられる第二部分23bと、を有する。両面テープ23の第一部分23aは、支持板底面16aに沿うように直線状に延びており、両面テープ23の第二部分23bは、第一部分23aを延長したように直線状に延びている。そして、第二部分23bは、第一部分23aよりも短くなっている。
【0057】
第二実施形態に係る家具固定方法は、両面テープの貼り付け位置が異なる他は、第一実施形態に係る家具固定方法と同様である。
【0058】
床Fに固定された家具12を床Fから取り外す場合は、まず、支持板16から側板15A,15Bの少なくとも一方を取り外す。そして、両面テープ23の第二部分23bから側板15A,15Bの少なく一方の側板底面15aを引き剥がす。これにより、両面テープ23の第二部分23bが露出されるため、第二部分23bにおいて両面テープ23を摘まむことが可能となる。次に、この露出された第二部分23bを摘まんで両面テープ23を引き伸ばし、両面テープ23を床F及び支持板底面16aから剥離する。なお、支持板16から側板15A,15Bの何れか一方のみを取り外した場合は、両面テープ23を引き伸ばすことで、両面テープ23を側板15A,15Bの何れか他方の側板底面15aからも剥離することができる。一方、両面テープ23が側板15A側と側板15B側とに分割されている場合は、支持板16から側板15A,15Bの双方を取り外して、両面テープ23の各分割テープをそれぞれ引き伸ばす。これにより、両面テープ23による床Fに対する家具12の固定が解除されるため、家具12を床Fから取り外すことができる。
【0059】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態に係る家具固定構造及び家具固定方法について説明する。第三実施形態に係る家具固定構造は、基本的に第一実施形態に係る家具固定構造と同様であるが、側板が第一側板及び第二側板に分割されて、支持板が第一側板と第二側板とに挟まれている点で、第一実施形態に係る家具固定構造と相違する。このため、以下の説明では、第一実施形態と同様の点の説明を省略し、第一実施形態と相違する点のみを説明する。
【0060】
図9は、第三実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図10は、
図9に示す家具固定構造を示す側面図である。
図11は、
図9に示す家具固定構造を示す平面図である。
図9~
図11に示すように、本実施形態に係る家具固定構造31は、設置面である床Fに固定される家具32と、床Fに家具32を固定するための伸長剥離可能な両面テープ33A,33Bと、を備える。
【0061】
家具32は、第一実施形態の側板15A,15Bに対応する側板35A,35Bと、第一実施形態と同様の支持板16と、を備える。側板35A,35Bは、奥行方向D1に延びて幅方向D2に互いに対向するように配置される。一方側の側板35Aは、奥行方向D1において第一側板35A1と第二側板35A2とに分割されている。他方側の側板35Bは、奥行方向D1において第一側板35B1と第二側板35B2とに分割されている。支持板16は、側板35A,35Bに着脱可能に取り付けられる板状部材である。支持板16は、第一側板35A1と第二側板35A2との間から、第一側板35B1と第二側板35B2との間まで、幅方向D2に延びるように配置される。支持板16は、第一側板35A1と第二側板35A2とに挟まれた状態で、第一側板35A1及び第二側板35A2に対して着脱可能に取り付けられる。また、支持板16は、第一側板35B1と第二側板35B2とに挟まれた状態で、第一側板35B1及び第二側板35B2に対して着脱可能に取り付けられる。なお、側板35Aと側板35Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、側板35として纏めて説明する。
【0062】
側板35は、側板35の下端に位置して床Fに対向される側板底面35aを有する。側板底面35aは、床Fに固定される第一固定面である。側板35は、側板底面35aにおいて床Fに固定される。支持板16の支持板底面16aは、床Fに固定される第二固定面である。支持板16が側板35に取り付けられた家具32においては、側板底面35aと支持板底面16aとは、互いに隣接する。
【0063】
両面テープ33A,33Bは、第一実施形態の両面テープ13に対応する両面テープである。両面テープ33Aは、第一側板35A1の奥行方向D1における前端部からに第二側板35A2の奥行方向D1における後端部に至るように、つまり、第一側板35A1の側板底面35aから支持板底面16aを通って第二側板35A2の側板底面35aに至るように、直線状に形成されている。そして、両面テープ33Aは、第一側板35A1の側板底面35aから支持板底面16aに至るとともに、第二側板35A2の側板底面35aから支持板底面16aに至るように、床Fと、第一側板35A1の側板底面35a、支持板底面16a、及び第二側板35A2の側板底面35aと、に貼り付けられる。両面テープ33Bは、第一側板35B1の奥行方向D1における前端部からに第二側板35B2の奥行方向D1における後端部に至るように、つまり、第一側板35B1の側板底面35aから支持板底面16aを通って第二側板35B2の側板底面35aに至るように、直線状に形成されている。そして、両面テープ33Bは、第一側板35B1の側板底面35aから支持板底面16aに至るとともに、第二側板35B2の側板底面35aから支持板底面16aに至るように、床Fと、第一側板35B1の側板底面35a、支持板底面16a、及び第二側板35B2の側板底面35aと、に貼り付けられる。なお、両面テープ33A,33Bは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、両面テープ33として纏めて説明する。
【0064】
両面テープ33は、側板底面35aに貼り付けられる第一部分33aと、支持板底面16aに貼り付けられる第二部分33bと、を有する。両面テープ33の第一部分33aは、側板底面35aに沿うように直線状に延びており、両面テープ33の第二部分33bは、第一部分33aを延長したように直線状に延びている。そして、第二部分33bは、第一部分33aよりも短くなっている。
【0065】
第三実施形態に係る家具固定方法は、両面テープ33の貼り付け位置が異なる他は、第一実施形態に係る家具固定方法と同様である。
【0066】
床Fに固定された家具32を床Fから取り外す場合は、まず、側板35A,35Bから支持板16を取り外す。そして、両面テープ33A,33Bの第二部分33bから支持板底面16aを引き剥がす。これにより、両面テープ33A,33Bの第二部分33bが露出されるため、第二部分33bにおいて両面テープ33A,33Bを摘まむことが可能となる。次に、この露出された両面テープ33A,33Bの第二部分33bを摘まんで両面テープ33A,33Bを引き伸ばし、両面テープ33A,33Bを床F及び側板35A,35Bの側板底面35aから剥離する。これにより、両面テープ33A,33Bによる床Fに対する家具32の固定が解除されるため、家具32を床Fから取り外すことができる。
【0067】
なお、第一側板35A1及び第二側板35A2の何れか一方及び第一側板35B1及び第二側板35B2の何れか一方を、両面テープ33A,33Bの第二部分33bから引き剥がすことができる場合は、まず、支持板16から、第一側板35A1及び第二側板35A2の何れか一方及び第一側板35B1及び第二側板35B2の何れか一方を取り外して、両面テープ33A,33Bから引き剥がすことで、両面テープ33A,33Bの一部を露出させてもよい。この場合、露出された部分から両面テープ33A,33Bを引き伸ばすことで、両面テープ33A,33Bを剥離することができる。
【0068】
[第四実施形態]
次に、第四実施形態に係る家具固定構造及び家具固定方法について説明する。第四実施形態に係る家具固定構造は、基本的に第一実施形態に係る家具固定構造と同様であるが、側板に対する支持板の取り付け位置が第一実施形態に係る家具固定構造と相違する。このため、以下の説明では、第一実施形態と同様の点の説明を省略し、第一実施形態と相違する点のみを説明する。
【0069】
図12は、第四実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図13は、
図12に示す家具固定構造を示す正面図である。
図14は、
図12に示す家具固定構造を示す平面図である。
図12~
図14に示すように、本実施形態に係る家具固定構造41は、設置面である床Fに固定される家具42と、家具42を床Fに固定するための伸長剥離可能な両面テープ43A,43Bと、を備える。
【0070】
家具42は、第一実施形態と同様の側板15A,15Bと、第一実施形態と同様の支持板16と、を備える。但し、家具42では、支持板16が、側板15A,15Bの奥行方向D1における後端部において幅方向D2に延びるように配置されている。なお、側板15の側板底面15aは、床Fに固定される第一固定面であり、支持板16の支持板底面16aは、床Fに固定される第二固定面である。支持板16が側板15に取り付けられた家具42においては、側板底面15aと支持板底面16aとは、互いに隣接する。
【0071】
両面テープ43A,43Bは、第一実施形態の両面テープ13に対応する両面テープである。両面テープ43Aは、側板15Aの側板底面15aの奥行方向D1における前端部から後端部まで延びるとともに、側板15Aの側板底面15aから支持板底面16aに延びるように、L字状に形成されている。そして、両面テープ43Aは、側板15Aの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、床Fと、側板15Aの側板底面15a及び支持板底面16aと、に貼り付けられる。両面テープ43Bは、側板15Bの側板底面15aの奥行方向D1における前端部から後端部まで延びるとともに、側板15Bの側板底面15aから支持板底面16aに延びるように、L字状に形成されている。そして、両面テープ43Bは、側板15Bの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、床Fと側板15Bの側板底面15a及び支持板底面16aとに貼り付けられる。なお、両面テープ43A,43Bは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、両面テープ43として纏めて説明する。
【0072】
両面テープ43は、側板底面15aに貼り付けられる第一部分43aと、支持板底面16aに貼り付けられる第二部分43bと、を有する。両面テープ43の第一部分43aは、側板底面15aに沿うように直線状に延びており、両面テープ43の第二部分43bは、第一部分43aの端部から直角に屈曲して支持板底面16aに沿うように直線状に延びている。そして、第二部分43bは、第一部分43aよりも短くなっている。
【0073】
第四実施形態に係る家具固定方法は、側板15に対する支持板16の取り付け位置が異なる他は、第一実施形態に係る家具固定方法と同様である。
【0074】
床Fに固定された家具42を床Fから取り外す場合は、まず、側板15A,15Bから支持板16を取り外す。そして、両面テープ43A,43Bの第二部分43bから支持板底面16aを引き剥がす。これにより、両面テープ43A,43Bの第二部分43bが露出されるため、第二部分43bにおいて両面テープ43A,43Bを摘まむことが可能となる。次に、この露出された第二部分43bを摘まんで両面テープ43A,43Bを引き伸ばし、両面テープ43A,43Bを床F及び側板15A,15Bの側板底面15aから剥離する。これにより、両面テープ43A,43Bによる床Fに対する家具42の固定が解除されるため、家具42を床Fから取り外すことができる。
【0075】
[第五実施形態]
次に、第五実施形態に係る家具固定構造及び家具固定方法について説明する。第五実施形態に係る家具固定構造は、基本的に第一実施形態に係る家具固定構造と同様であるが、側板に対する支持板の取り付け位置と、両面テープの形状及び貼り付け位置とが、第一実施形態に係る家具固定構造と相違する。このため、以下の説明では、第一実施形態と同様の点の説明を省略し、第一実施形態と相違する点のみを説明する。
【0076】
図15は、第五実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図16は、
図15に示す家具固定構造を示す側面図である。
図17は、
図15に示す家具固定構造を示す平面図である。
図15~
図17に示すように、本実施形態に係る家具固定構造51は、設置面である床Fに固定される家具52と、家具52を床Fに固定するための伸長剥離可能な両面テープ53A,53Bと、を備える。
【0077】
家具52は、第一実施形態と同様の側板15A,15Bと、第一実施形態と同様の支持板16と、を備える。但し、家具52では、支持板16が、側板15A,15Bの奥行方向D1における後方に配置される。そして、支持板16は、側板15A,15Bの奥行方向D1における後端面に突き当てられた状態で、側板15A,15Bのそれぞれに対して着脱可能に取り付けられる。側板15の側板底面15aは、床Fに固定される第一固定面であり、支持板16の支持板底面16aは、床Fに固定される第二固定面である。支持板16が側板15に取り付けられた家具52においては、側板底面15aと支持板底面16aとは、互いに隣接する。
【0078】
両面テープ53A,53Bは、第一実施形態の両面テープ13に対応する両面テープである。両面テープ53Aは、側板15Aの側板底面15aの奥行方向D1における前端部から支持板底面16aに至るように、直線状に形成されている。つまり、両面テープ53Aは、側板15Aの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、直線状に形成されている。そして、両面テープ53Aは、側板15Aの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、床Fと、側板15Aの側板底面15a及び支持板底面16aと、に貼り付けられる。両面テープ53Bは、側板15Bの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、直線状に形成されている。そして、両面テープ53Bは、側板35Bの側板底面15aから支持板底面16aに至るように、床Fと、側板15Bの側板底面15a及び支持板底面16aと、に貼り付けられる。なお、両面テープ53Aと両面テープ53Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、両面テープ53として纏めて説明する。
【0079】
両面テープ53は、側板底面15aに貼り付けられる第一部分53aと、支持板底面16aに貼り付けられる第二部分53bと、を有する。両面テープ53の第一部分53aは、側板底面15aに沿うように直線状に延びており、両面テープ53の第二部分53bは、第一部分53aを延長したように直線状に延びている。そして、第二部分53bは、第一部分53aよりも短くなっている。
【0080】
第五実施形態に係る家具固定方法は、側板15に対する支持板16の取り付け位置及び両面テープ53の貼り付け位置が異なる他は、第一実施形態に係る家具固定方法と同様である。
【0081】
床Fに固定された家具52を床Fから取り外す場合は、まず、側板15A,15Bから支持板16を取り外す。そして、両面テープ53A,53Bの第二部分53bから支持板底面16aを引き剥がす。これにより、両面テープ53A,53Bの第二部分53bが露出されるため、第二部分53bにおいて両面テープ53A,53Bを摘まむことが可能となる。次に、この露出された第二部分53bを摘まんで両面テープ53A,53Bを引き伸ばし、両面テープ53A,53Bを床F及び側板15A,15Bの側板底面15aから剥離する。これにより、両面テープ53A,53Bによる床Fに対する家具52の固定が解除されるため、家具52を床Fから取り外すことができる。
【0082】
[第六実施形態]
次に、第六実施形態に係る家具固定構造及び家具固定方法について説明する。第六実施形態に係る家具固定構造は、基本的に第一実施形態に係る家具固定構造と同様であるが、側板にカバーが着脱可能に取り付けられる点で第一実施形態に係る家具固定構造と相違する。このため、以下の説明では、第一実施形態と同様の点の説明を省略し、第一実施形態と相違する点のみを説明する。
【0083】
図18は、第六実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図19は、
図18に示す家具固定構造を示す側面図である。
図20は、
図18に示す家具固定構造を示す平面図である。
図18~
図20に示すように、本実施形態に係る家具固定構造61は、設置面である床Fに固定される家具62と、家具62を床Fに固定するための伸長剥離可能な両面テープ63A,63Bと、を備える。
【0084】
家具62は、第一実施形態と同様の側板15A,15Bと、第一実施形態と同様の支持板16と、カバー67A,67Bと、を備える。カバー67Aは、側板15Aの奥行方向D1における前端部に着脱可能に取り付けられ部材である。カバー67Bは、側板15Bの奥行方向D1における前端部に着脱可能に取り付けられ部材である。カバー67A,67Bは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、カバー67として纏めて説明する。
【0085】
側板15の側板底面15aは、床Fに固定される第一固定面である。カバー67は、カバー67下端に位置して床Fに対向されるカバー底面67aを有する。カバー底面67aは、床Fに固定される第二固定面である。カバー67は、カバー底面67aにおいて床Fに固定される。カバー67が側板15に取り付けられた家具62においては、側板底面15aとカバー底面67aとは、互いに隣接する。
【0086】
両面テープ63A,63Bは、第一実施形態の両面テープ13に対応する両面テープである。両面テープ63Aは、側板15Aの側板底面15aの奥行方向D1における後端部から前端部まで延びるとともに、側板15Aの側板底面15aからカバー67Aのカバー底面67aに延びるように、直線状に形成されている。そして、両面テープ63Aは、側板15Aの側板底面15aからカバー67Aのカバー底面67aに至るように、床Fと、側板15Aの側板底面15a及びカバー67Aのカバー底面67aと、に貼り付けられる。両面テープ63Bは、側板15Bの側板底面15aの奥行方向D1における後端部から前端部まで延びるとともに、側板15Bの側板底面15aからカバー67Bのカバー底面67aに延びるように、直線状に形成されている。そして、両面テープ63Bは、側板15Bの側板底面15aからカバー67Bのカバー底面67aに至るように、床Fと、側板15Bの側板底面15a及びカバー67Bのカバー底面67aと、に貼り付けられる。なお、両面テープ63Aと両面テープ63Bは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、両面テープ63として纏めて説明する。
【0087】
両面テープ63は、側板底面15aに貼り付けられる第一部分63aと、カバー底面67aに貼り付けられる第二部分63bと、を有する。両面テープ63の第一部分63aは、側板底面15aに沿うように直線状に延びており、両面テープ63の第二部分63bは、第一部分63aを延長したように直線状に延びている。そして、第二部分63bは、第一部分63aよりも短くなっている。
【0088】
第六実施形態に係る家具固定方法は、側板15にカバー67を取り付けるとともに両面テープ63の貼り付け位置が異なる他は、第一実施形態に係る家具固定方法と同様である。
【0089】
床Fに固定された家具62を床Fから取り外す場合は、まず、側板15A,15Bからカバー67A,67Bを取り外す。そして、両面テープ63A,63Bの第二部分63bからカバー67A,67Bのカバー底面67aを引き剥がす。これにより、両面テープ63A,63Bの第二部分63bが露出されるため、第二部分63bにおいて両面テープ63A,63Bを摘まむことが可能となる。次に、この露出された第二部分63bを摘まんで両面テープ63A,63Bを引き伸ばし、両面テープ63A,63Bを床F及び側板15A,15Bの側板底面15aから剥離する。これにより、両面テープ63A,63Bによる床Fに対する家具62の固定が解除されるため、家具62を床Fから取り外すことができる。
【0090】
[第七実施形態]
次に、第七実施形態に係る家具固定構造及び家具固定方法について説明する。第七実施形態に係る家具固定構造は、基本的に第一実施形態に係る家具固定構造と同様であるが、側板が切り欠かれており、側板に端部材が着脱可能に取り付けられる点で、第一実施形態に係る家具固定構造と相違する。このため、以下の説明では、第一実施形態と同様の点の説明を省略し、第一実施形態と相違する点のみを説明する。
【0091】
図21は、第七実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図22は、
図21に示す家具固定構造を示す側面図である。
図23は、
図21に示す家具固定構造を示す平面図である。
図21~
図23に示すように、本実施形態に係る家具固定構造71は、設置面である床Fに固定される家具72と、家具72を床Fに固定するための伸長剥離可能な両面テープ73A,73Bと、を備える。
【0092】
家具72は、第一実施形態の側板15A,15Bに対応する側板75A,75Bと、第一実施形態と同様の支持板16と、端部材77A,77Bと、を備える。
【0093】
側板75A,75Bは、家具22の側面を形成する板状部材である。側板75A,75Bは、奥行方向D1に延びて幅方向D2に互いに対向するように配置される。支持板16は、側板75A,75Bの奥行方向D1における中央部において、幅方向D2に延びるように配置される。支持板16は、側板75Aの側板75B側の面と側板75Bの側板75A側の面とに突き当てられた状態で、側板75A,75Bのそれぞれに対して着脱可能に取り付けられる。なお、側板75Aと側板75Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、側板75として纏めて説明する。
【0094】
側板75には、床F側に配置される端部に、切欠き75bが形成されている。切欠き75bは、床F側に配置される端部における、奥行方向D1における前端部に形成されている。切欠き75bの形状は、特に限定されるものではないが、例えば、矩形状とすることができる。
【0095】
端部材77Aは、側板75Aの切欠き75bに配置されて、側板75Aに対して着脱可能に取り付けられる。端部材77Bは、側板75Bの切欠き75bに配置されて、側板75Bに対して着脱可能に取り付けられる。なお、端部材77Aと端部材77Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、端部材77として纏めて説明する。端部材77は、切欠き75bと同じ形状となっている。このため、端部材77が切欠き75bに配置されることで、側板75及び端部材77が、全体として矩形の板状部材となる。
【0096】
側板75は、側板75の下端に位置して床Fに対向される側板底面75aを有する。側板底面75aは、床Fに固定される第一固定面である。側板75は、側板底面75aにおいて床Fに固定される。端部材77は、端部材77の下端に位置して床Fに対向される端部材底面77aを有する。端部材底面77aは、床Fに固定される第二固定面である。端部材77は、端部材底面77aにおいて床Fに固定される。端部材77が側板75に取り付けられた家具72においては、側板底面75aと端部材底面77aとは、互いに隣接する。
【0097】
両面テープ73A,73Bは、第一実施形態の両面テープ13に対応する。両面テープ73Aは、側板75Aの側板底面15aの奥行方向D1における後端部から前端部まで延びるとともに、側板75Aの側板底面15aから端部材77Aの端部材底面77aに延びるように、直線状に形成されている。そして、両面テープ73Aは、側板75Aの側板底面75aから端部材77Aの端部材底面77aに至るように、床Fと、側板75Aの側板底面75a及び端部材77Aの端部材底面77aと、に貼り付けられる。両面テープ73Bは、側板75Bの側板底面15aの奥行方向D1における後端部から前端部まで延びるとともに、側板75Bの側板底面15aから端部材77Bの端部材底面77aに延びるように、直線状に形成されている。そして、両面テープ73Bは、側板75Bの側板底面75aから端部材77Bの端部材底面77aに至るように、床Fと、側板75Bの側板底面75a及び端部材77Bの端部材底面77aと、に貼り付けられる。なお、両面テープ73Aと両面テープ73Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、両面テープ73として纏めて説明する。
【0098】
両面テープ73は、側板底面75aに貼り付けられる第一部分73aと、端部材底面77aに貼り付けられる第二部分73bと、を有する。両面テープ73の第一部分73aは、側板底面75aに沿うように直線状に延びており、両面テープ73の第二部分73bは、第一部分73aを延長したように直線状に延びている。そして、第二部分73bは、第一部分73aよりも短くなっている。
【0099】
第七実施形態に係る家具固定方法は、側板75に端部材77を取り付けるとともに両面テープ73の貼り付け位置が異なる他は、第一実施形態に係る家具固定方法と同様である。
【0100】
床Fに固定された家具72を床Fから取り外す場合は、まず、側板75A,75Bから端部材77A,77Bを取り外す。そして、両面テープ73A,73Bの第二部分73bから端部材77A,77Bの端部材底面77aを引き剥がす。これにより、両面テープ73A,73Bの第二部分73bが露出されるため、第二部分73bにおいて両面テープ73A,73Bを摘まむことが可能となる。次に、この露出された第二部分73bを摘まんで両面テープ73A,73Bを引き伸ばし、両面テープ73A,73Bを床F及び側板75A,75Bの側板底面75aから剥離する。これにより、両面テープ73A,73Bによる床Fに対する家具72の固定が解除されるため、家具72を床Fから取り外すことができる。
【0101】
[第八実施形態]
次に、第八実施形態に係る家具固定構造及び家具固定方法について説明する。第八実施形態に係る家具固定構造は、基本的に第七実施形態に係る家具固定構造と同様であるが、端部材の代わりに一本の長い端部材を用いる点で第七実施形態に係る家具固定構造と相違する。このため、以下の説明では、第七実施形態と同様の点の説明を省略し、第七実施形態と相違する点のみを説明する。
【0102】
図24は、第八実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図25は、
図24に示す家具固定構造を示す側面図である。
図26は、
図24に示す家具固定構造を示す平面図である。
図24~
図26に示すように、本実施形態に係る家具固定構造81は、設置面である床Fに固定される家具82と、家具82を床Fに固定するための伸長剥離可能な両面テープ83A,83Bと、を備える。
【0103】
家具82は、第七実施形態と同様の側板75A,75Bと、第七実施形態と同様の支持板16と、端部材87と、を備える。
【0104】
端部材87は、側板75Aの切欠き75bから側板75Bの切欠き75bに至るように、棒状に形成されている。端部材87の断面は、側板75A及び側板75Bの切欠き75bの断面と同じ形状となっている。そして、端部材87は、端部材87の一方側の端部87Aが側板75Aの切欠き75bに配置されるとともに、端部材87の他方側の端部87Bが側板75Bの切欠き75bに配置されて、側板75A及び側板75Bに対して着脱可能に取り付けられる。
【0105】
側板75の側板底面75aは、床Fに固定される形成する第一固定面である。端部材87は、端部材87の下端に位置して床Fに対向される端部材底面87aを有する。端部材底面87aは、床Fに固定される第二固定面である。端部材87は、端部材底面87aにおいて床Fに固定される。端部材87が側板85に取り付けられた家具82においては、側板底面75aと端部材底面87aとは、互いに隣接する。
【0106】
両面テープ83A,83Bは、第一実施形態の両面テープ13に対応する。両面テープ83Aは、側板75Aの側板底面15aの奥行方向D1における後端部から前端部まで延びるとともに、側板75Aの側板底面15aから端部材87の端部87Aの端部材底面87aに延びるように、直線状に形成されている。そして、両面テープ83Aは、側板75Aの側板底面75aから端部材87の端部87Aの端部材底面77aに至るように、床Fと、側板75Aの側板底面75a及び端部材87の端部87Aの端部材底面87aと、に貼り付けられる。両面テープ83Bは、側板75Bの側板底面15aの奥行方向D1における後端部から前端部まで延びるとともに、側板75Bの側板底面15aから端部材87の端部87Bの端部材底面87aに延びるように、直線状に形成されている。そして、両面テープ83Bは、側板75Bの側板底面75aから端部材87の端部87Bの端部材底面87aに至るように、床Fと、側板75Bの側板底面75a及び端部材87の端部87Bの端部材底面87aと、に貼り付けられる。なお、両面テープ83Aと両面テープ83Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、両面テープ83として纏めて説明する。
【0107】
両面テープ83は、側板底面75aに貼り付けられる第一部分83aと、端部材底面87aに貼り付けられる第二部分83bと、を有する。両面テープ83の第一部分83aは、側板底面75aに沿うように直線状に延びており、両面テープ83の第二部分83bは、第一部分83aを延長したように直線状に延びている。また、第二部分83bは、第一部分83aよりも短くなっている。
【0108】
第八実施形態に係る家具固定方法は、端部材87を側板75A,75Bに取り付ける他は、第七実施形態に係る家具固定方法と同様である。
【0109】
床Fに固定された家具82を床Fから取り外す場合は、まず、側板75A,75Bから端部材87を取り外す。そして、両面テープ83A,83Bの第二部分83bから端部材87の端部87A及び端部87Bの端部材底面87aを引き剥がす。これにより、両面テープ83A,83Bの第二部分83bが露出されるため、第二部分83bにおいて両面テープ83A,83Bを摘まむことが可能となる。次に、この露出された第二部分83bを摘まんで両面テープ83A,83Bを引き伸ばし、両面テープ83A,83Bを床F及び側板75A,75Bの側板底面75aから剥離する。これにより、両面テープ83A,83Bによる床Fに対する家具82の固定が解除されるため、家具82を床Fから取り外すことができる。
【0110】
[第九実施形態]
次に、第九実施形態に係る家具固定構造及び家具固定方法について説明する。
図27は、第九実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図28は、
図27に示す家具固定構造を示す平面図である。
図29は、
図27に示す家具固定構造を示す正面図である。
図27~
図29に示すように、本実施形態に係る家具固定構造91は、設置面である壁Wに固定される家具92と、家具92を壁Wに固定するための両面テープ93A,93Bと、を備える。
【0111】
家具92は、床Fに立設される側板95A,95Bと、水平方向に配置される横板96A,96Bと、を備える。側板95A,95Bは、家具92の側面を形成する板状部材である。側板95A,95Bは、奥行方向D1に延びて幅方向D2に互いに対向するように配置される。横板96A,96Bは、家具92の天板、地板、棚板等であって、側板95A,95Bに着脱可能に取り付けられる板状部材である。つまり、横板96A,96Bは、側板95A,95Bに取り付けられることで、水平方向に配置される。横板96Aは、側板95A,95Bの上端部において、幅方向D2に延びるように配置される。横板96Bは、側板95A,95Bの下端部において、幅方向D2に延びるように配置される。横板96A,96Bは、側板95Aの側板95B側の面と側板95Bの側板95A側の面とに突き当てられた状態で、側板95A,95Bのそれぞれに対して着脱可能に取り付けられる。側板95A,95Bのそれぞれに対する横板96A,96Bの着脱可能な取り付けは、例えば、ノックダウン金具(例えば、ハーフェレ社のラフィックス)等の連結金具を用いた連結により行うことができる。なお、側板95Aと側板95Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、側板95として纏めて説明する。また、横板96Aと横板96Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、横板96として纏めて説明する。
【0112】
側板95は、側板95の奥行方向D1における後端に位置して壁Wに対向される側板背面95aを有する。側板背面95aは、壁Wに固定される第一固定面である。側板95は、側板背面95aにおいて壁Wに固定される。横板96は、側板95の奥行方向D1における後端に位置して壁Wに対向される横板背面96aを有する。横板背面96aは、壁Wに固定される第二固定面である。横板96は、横板背面96aにおいて壁Wに固定される。横板96が側板95に取り付けられた家具92においては、側板背面95aと横板背面96aとは、互いに隣接する。
【0113】
両面テープ93A,93Bは、第一実施形態の両面テープ13に対応する。両面テープ93Aは、側板95Aの側板背面95aの上端部から下端部まで延びるとともに、側板95Aの側板背面95aの上下端部である両端部から横板96Aの横板背面96aと横板96Bの横板背面96aとに延びるように、コ字状に形成されている。なお、両面テープ93Aは、横板96A側と横板96B側とに分割されて、それぞれL字状に形成されていてもよい。そして、両面テープ93Aは、側板95Aの側板背面95aから横板96Aの横板背面96aに至るとともに、側板95Aの側板背面95aから横板96Bの横板背面96aに至るように、壁Wと、側板95Aの側板背面95a、横板96Aの横板背面96a、及び横板96Bの横板背面96aと、に貼り付けられる。両面テープ93Bは、側板95Bの側板背面95aの上端部から下端部まで延びるとともに、側板95Bの側板背面95aの上下端部である両端部から横板96Aの横板背面96aと横板96Bの横板背面96aとに延びるように、コ字状に形成されている。なお、両面テープ93Bが横板96A側と横板96B側とに分割されて、それぞれL字状に形成されていてもよい。そして、両面テープ93Bは、側板95Bの側板背面95aから横板96Aの横板背面96aに至るとともに、側板95Bの側板背面95aから横板96Bの横板背面96aに至るように、壁Wと、側板95Bの側板背面95a、横板96Aの横板背面96a、及び横板96Bの横板背面96aと、に貼り付けられる。なお、両面テープ93Aと両面テープ93Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、両面テープ93として纏めて説明する。
【0114】
次に、本実施形態に係る家具固定方法について説明する。本実施形態に係る家具固定方法は、両面テープ93により家具92を壁Wに固定する方法である。この家具固定方法では、用意工程と、固定工程と、を行う。
【0115】
用意工程では、家具92と、両面テープ93A,93Bと、を用意する。用意する家具92は、横板96A,96Bが側板95A,95Bに取り付けられたものであってもよく、横板96A,96Bが側板95A,95Bに取り付けられていないものであってもよい。
【0116】
固定工程では、両面テープ93が第一固定面である側板背面95aから第二固定面である横板背面96aに至るように、両面テープ93を壁Wと側板背面95a及び横板背面96aとに貼り付けることで、家具92を壁Wに固定する。固定工程は、例えば、以下の第一固定工程又は第二固定工程により行うことができる。
【0117】
第一固定工程では、まず、壁Wに両面テープ93A,93Bを貼り付ける。両面テープ93A,93Bの貼り付け位置は、壁Wに側板95A,95B及び横板96A,96Bを配置した際に、側板95A,95Bの側板背面95a及び横板96A,96Bの横板背面96aが配置される位置であって、側板95A,95Bの側板底面15aから横板96A,96Bの横板背面96aに至る位置である。その後、壁Wに側板95A,95B及び横板96A,96Bを配置する。すると、側板95A,95Bの側板底面15a及び横板96A,96Bの横板背面96aが、壁Wに貼り付けられている両面テープ93A,93Bに貼り付けられる。つまり、両面テープ93A,93Bが、側板95A,95Bの側板背面95aから横板96A,96Bの横板背面96aに至るように、壁Wと、側板95A,95Bの側板背面95a及び横板96A,96Bの横板背面96aと、に貼り付けられる。これにより、両面テープ93A,93Bによって家具92が壁Wに固定される。
【0118】
第二固定工程では、まず、側板95A,95Bに横板96A,96Bを取り付ける。そして、両面テープ93Aが側板95Aの側板背面95aから横板96A,96Bの横板背面96aに至るように、両面テープ93Aを側板95Aの側板背面95a及び横板96A,96Bの横板背面96aに貼り付ける。また、両面テープ93Bが側板95Bの側板背面95aから横板96A,96Bの横板背面96aに至るように、両面テープ93Bを側板95Bの側板背面95a及び横板96A,96Bの横板背面96aに貼り付ける。その後、側板95A,95B及び横板96A,96Bを壁Wに配置する。すると、側板95A,95Bの側板背面95a及び横板96A,96Bの横板背面96aに貼り付けられている両面テープ93A,93Bが、壁Wに貼り付けられる。つまり、両面テープ93Aが、側板95Aの側板背面95aから横板96A,96Bの横板背面96aに至るように、壁Wと、側板95Aの側板背面95a及び横板96A,96Bの横板背面96aと、に貼り付けられる。また、両面テープ93Bが、側板95Bの側板背面95aから横板96A,96Bの横板背面96aに至るように、壁Wと、側板95Bの側板背面95a及び横板96A,96Bの横板背面96aと、に貼り付けられる。これにより、両面テープ93A,93Bによって家具92が壁Wに固定される。
【0119】
図30は、
図27に示す家具固定構造において第一部材である側板から第二部材である横板を取り外した状態を示す斜視図である。
図31は、
図27に示す家具固定構造において第一部材である側板から第二部材である横板を取り外した状態を示す正面図である。
図30及び
図31に示すように、壁Wに固定された家具92を壁Wから取り外す場合は、まず、側板95A,95Bから横板96A,96Bの少なくとも一方を取り外す。そして、両面テープ93A,93Bの第二部分93bから横板96A,96Bの少なくとも一方の横板背面96aを引き剥がす。これにより、両面テープ93A,93Bの第二部分93bが露出されるため、第二部分93bにおいて両面テープ93A,93Bを摘まむことが可能となる。次に、この露出された第二部分93bを摘まんで両面テープ93A,93Bを引き伸ばす。すると、両面テープ93A,93Bは、引き伸ばされることで壁W及び側板95A,95Bの側板背面95aから剥離される。なお、側板95A,95Bから横板96A,96Bの何れか一方のみを取り外した場合は、両面テープ93A,93Bを引き伸ばすことで、両面テープ93A,93Bを横板96A,96Bの何れか他方の横板背面96aからも剥離することができる。一方、両面テープ93A,Bが横板96A側と横板96B側とに分割されている場合は、側板95A,95Bから横板96A,96Bの双方を取り外して、両面テープ93A,93Bの各分割テープをそれぞれ引き伸ばす。これにより、両面テープ93A,93Bによる壁Wに対する家具92の固定が解除されるため、家具92を壁Wから取り外すことができる。
【0120】
以上説明したように、本実施形態に係る家具固定構造91及び家具固定方法では、両面テープ93A,93Bが、側板95A,95Bの側板背面95aから横板96A,96Bの横板背面96aに至るように、壁Wと、側板95A,95Bの側板背面95a及び横板96A,96Bの横板背面96aと、に貼り付けられる。これにより、両面テープ93A,93Bによって家具92を壁Wに固定することができる。ここで、横板96A,96Bは、側板95A,95Bに対して着脱可能に取り付けられるため、両面テープ93A,93Bにより家具92を壁Wに固定した後は、横板96A,96Bの少なくとも一方を側板95A,95Bから取り外して両面テープ93A,93Bから引き剥がすことで、両面テープ93A,93Bの第二部分93bを露出させることができる。このとき、側板95A,95B及び横板96A,96Bの全てを両面テープ93から引き剥がす場合に比べて、弱い力で横板96A,96Bの少なくとも一方を両面テープ93A,93Bから引き剥がすことができる。また、両面テープ93A,93Bが露出しないように両面テープ93A,93Bを壁Wと側板95A,95Bの側板背面95a及び横板96A,96Bの横板背面96aとに貼り付けても、側板95A,95Bから横板96A,96Bの少なくとも一方を取り外すことで、両面テープ93A,93Bの第二部分93bを露出させることができる。そして、この露出した第二部分93bにおいて両面テープ93A,93Bを引き伸ばすことで、両面テープ93A,93Bを壁W及び側板95A,95Bの側板背面95aから剥離させることができる。このため、住宅内部が傷つけられるのを抑制しつつ、壁Wに対して家具92を容易に着脱することができる。
【0121】
また、この家具固定構造91では、両面テープ93の側板背面95aに貼り付けられる第一部分93aが、両面テープ93の横板背面96aに貼り付けられる第二部分93bよりも短いため、壁Wに対する家具92の固定強度を保持しつつ、横板96A,96Bを両面テープ93A,93Bから容易に引き剥がすことができる。
【0122】
また、この家具固定構造91では、設置面が壁Wであるため、壁Wが傷つけられるのを抑制しつつ、壁Wに対して家具92を容易に着脱することができる。
【0123】
また、この家具固定構造91では、側板95A,95B及び横板96A,96Bにおいて家具92を壁Wに固定することができるとともに、家具92から横板96A,96Bの少なくとも一方を取り外すことで両面テープ93A,93Bの一部を露出させることができる。
【0124】
[第十実施形態]
次に、第十実施形態に係る家具固定構造及び家具固定方法について説明する。第十実施形態に係る家具固定構造は、基本的に第九実施形態に係る家具固定構造と同様であるが、両面テープの形状及び貼り付け位置が第九実施形態に係る家具固定構造と相違する。このため、以下の説明では、第九実施形態と同様の点の説明を省略し、第九実施形態と相違する点のみを説明する。
【0125】
図32は、第十実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図33は、
図32に示す家具固定構造を示す平面図である。
図34は、
図32に示す家具固定構造を示す正面図である。
図32~
図34に示すように、本実施形態に係る家具固定構造101は、設置面である壁Wに固定される家具92と、家具92を壁Wに固定するための伸長剥離可能な両面テープ103A,103Bと、を備える。
【0126】
家具92は、第九実施形態と同様に、側板95A,95Bと、横板96A,96Bと、を備える。但し、側板95A,95Bの側板背面95aは、壁Wに固定される第二固定面であり、横板96A,96Bの横板背面96aは、壁Wに固定される第一固定面である。横板96A,96Bが側板95A,95Bに取り付けられた家具92においては、側板背面95aと横板背面96aとは、互いに隣接する。
【0127】
両面テープ103A,103Bは、第九実施形態の両面テープ93に対応する両面テープである。両面テープ103Aは、側板95Aの側板背面95aから横板96Aの横板背面96aを通って側板95Bの側板背面95aに至るように、直線状に形成されている。なお、両面テープ103A,103Bは、側板95A側と側板95B側とに分割されていてもよい。そして、両面テープ103Aは、横板96Aの横板背面96aから側板95Aの側板背面95aに至るとともに、横板96Aの横板背面96aから側板95Bの側板背面95aに至るように、壁Wと、側板95Aの側板背面95a、横板96Aの横板背面96a、及び側板95Bの側板背面95aと、に貼り付けられる。両面テープ103Bは、側板95Aの側板背面95aから横板96Bの横板背面96aを通って側板95Bの側板背面95aに至るように、直線状に形成されている。そして、両面テープ103Bは、横板96Bの横板背面96aから側板95Aの側板背面95aに至るとともに、横板96Bの横板背面96aから側板95Bの側板背面95aに至るように、壁Wと、側板95Aの側板背面95a、横板96Bの横板背面96a、及び側板95Bの側板背面95aと、に貼り付けられる。なお、両面テープ103Aと両面テープ103Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、両面テープ130として纏めて説明する。
【0128】
両面テープ103は、第一固定面である横板背面96aに貼り付けられる第一部分103aと、第二固定面である側板背面95aに貼り付けられる第二部分103bと、を有する。両面テープ103の第一部分103aは、横板背面96aに沿うように直線状に延びており、両面テープ103の第二部分103bは、第一部分103aを延長したように直線状に延びている。そして、第二部分103bは、第一部分103aよりも短くなっている。
【0129】
第十実施形態に係る家具固定方法は、両面テープの貼り付け位置が異なる他は、第九実施形態に係る家具固定方法と同様である。
【0130】
壁Wに固定された家具102を壁Wから取り外す場合は、まず、横板96A,96Bから側板95A,95Bの少なくとも一方を取り外す。そして、両面テープ103A,103Bの第二部分103bから側板95A,95Bの少なくとも一方の側板背面95aを引き剥がす。これにより、両面テープ103A,103Bの第二部分103bが露出されるため、第二部分103bにおいて両面テープ103A,103Bを摘まむことが可能となる。次に、この露出された第二部分103bを摘まんで両面テープ103A,103Bを引き伸ばし、両面テープ103A,103Bを壁W及び横板96A,96Bの横板背面96aから剥離する。なお、横板96A,96Bから側板95A,95Bの何れか一方のみを取り外した場合は、両面テープ103A,103Bを引き伸ばすことで、両面テープ103A,103Bを側板95A,95Bの何れか他方の側板背面95aからも剥離することができる。一方、両面テープ103A,103Bが側板95A側と側板95B側とに分割されている場合は、横板96A,96Bから側板95A,95Bの双方を取り外して、両面テープ103A,103Bの各分割テープをそれぞれ引き伸ばす。これにより、両面テープ103A,103Bによる壁Wに対する家具102の固定が解除されるため、家具102を壁Wから取り外すことができる。
【0131】
[第十一実施形態]
次に、第十一実施形態に係る家具固定構造及び家具固定方法について説明する。第十一実施形態に係る家具固定構造は、基本的に第九実施形態に係る家具固定構造と同様であるが、側板に対する横板の取り付け位置と、両面テープの形状及び貼り付け位置とが、第九実施形態に係る家具固定構造と相違する。このため、以下の説明では、第九実施形態と同様の点の説明を省略し、第九実施形態と相違する点のみを説明する。
【0132】
図35は、第十一実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図36は、
図35に示す家具固定構造を示す側面図である。
図37は、
図35に示す家具固定構造を示す正面図である。
図35~
図37に示すように、本実施形態に係る家具固定構造111は、設置面である壁Wに固定される家具112と、家具112を壁Wに固定するための伸長剥離可能な両面テープ113A,113Bと、を備える。
【0133】
家具112は、第九実施形態と同様の側板95A,95Bと、第九実施形態と同様の横板96Bと、第九実施形態の横板96Aに対応する横板116と、を備える。横板116は、側板95A,95Bの上端面に突き当てられた状態で、側板95A,95Bのそれぞれに対して着脱可能に取り付けられる。側板95の側板背面95aは、壁Wに固定される第一固定面である。横板116は、横板116の奥行方向D1における後端に位置して壁Wに対向される横板背面116aを有する。横板背面116aは、壁Wに固定される第二固定面である。横板116は、横板背面116aにおいて壁Wに固定される。横板116が側板95に取り付けられた家具112においては、側板背面95aと横板背面116aとは、互いに隣接する。
【0134】
両面テープ113A,113Bは、第九実施形態の両面テープ93に対応する両面テープである。両面テープ113Aは、側板95Aの側板背面95aの下端部から横板背面116aに至るように、直線状に形成されている。つまり、両面テープ113Aは、側板95Aの側板背面95aから横板背面116aに至るように、直線状に形成されている。そして、両面テープ113Aは、側板95Aの側板背面95aから横板背面116aに至るように、壁Wと、側板95Aの側板背面95a及び横板背面116aと、に貼り付けられる。両面テープ113Bは、側板95Bの側板背面95aから横板背面116aに至るように、直線状に形成されている。つまり、両面テープ113Bは、側板95Bの側板背面95aから横板背面116aに至るように、直線状に形成されている。そして、両面テープ113Bは、側板95Bの側板背面95aから横板背面116aに至るように、壁Wと、側板95Bの側板背面95a及び横板背面116aと、に貼り付けられる。なお、両面テープ113Aと両面テープ113Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、両面テープ113として纏めて説明する。
【0135】
両面テープ113は、側板背面95aに貼り付けられる第一部分113aと、横板背面116aに貼り付けられる第二部分113bと、を有する。両面テープ113の第一部分113aは、側板背面95aに沿うように直線状に延びており、両面テープ113の第二部分113bは、第一部分113aを延長したように直線状に延びている。そして、第二部分113bは、第一部分113aよりも短くなっている。
【0136】
第十一実施形態に係る家具固定方法は、側板95に対する横板116の取り付け位置及び両面テープ113の貼り付け位置が異なる他は、第九実施形態に係る家具固定方法と同様である。
【0137】
壁Wに固定された家具112を壁Wから取り外す場合は、まず、側板95A,95Bから横板116を取り外す。そして、両面テープ113A,113Bの第二部分113bから横板背面116aを引き剥がす。これにより、両面テープ113A,113Bの第二部分113bが露出されるため、第二部分113bにおいて両面テープ113A,113Bを摘まむことが可能となる。次に、この露出された第二部分113bを摘まんで両面テープ113A,113Bを引き伸ばし、両面テープ113A,113Bを壁W及び側板95A,95Bの側板背面95aから剥離する。これにより、両面テープ113A,113Bによる壁Wに対する家具112の固定が解除されるため、家具112を壁Wから取り外すことができる。
【0138】
[第十二実施形態]
次に、第十二実施形態に係る家具固定構造及び家具固定方法について説明する。第十二実施形態に係る家具固定構造は、基本的に第九実施形態に係る家具固定構造と同様であるが、家具が背板を備え、両面テープの形状及び貼り付け位置が異なる点で、第九実施形態に係る家具固定構造と相違する。このため、以下の説明では、第九実施形態と同様の点の説明を省略し、第九実施形態と相違する点のみを説明する。
【0139】
図38は、第十二実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図39は、
図38に示す家具固定構造を示す平面図である。
図40は、
図38に示す家具固定構造を示す正面図である。
図38~
図40に示すように、本実施形態に係る家具固定構造121は、設置面である壁Wに固定される家具122と、家具122を壁Wに固定するための伸長剥離可能な両面テープ123と、を備える。
【0140】
家具122は、第九実施形態と同様の側板95A,95Bと、第九実施形態と同様の横板96A,96Bと、背板126と、を備える。背板126は、側板95A,95Bの奥行方向D1における後端部に着脱可能に取り付けられ部材である。換言すると、側板95A,95Bは、背板126に対して着脱可能に取り付けられる。
【0141】
背板126は、背板126の奥行方向D1における後端に位置して壁Wに対向される背板背面126aを有する。背板背面126aは、壁Wに固定される第一固定面である。背板126は、背板背面126aにおいて壁Wに固定される。側板95の側板背面95aは、壁Wに固定される第二固定面である。側板95が背板126に取り付けられた家具122においては、背板背面126aと側板背面95aとは、互いに隣接する。
【0142】
両面テープ123は、第九実施形態の両面テープ93に対応する。両面テープ123は、側板95Aの側板背面95aの下端部から背板背面126aを通って側板95Bの側板背面95aの上端部に至るように、直線状に形成されている。なお、両面テープ123は、側板95A側と側板95B側とに分割されていてもよい。そして、両面テープ123は、背板背面126aから側板95Aの側板背面95aの下端部に至るとともに、背板背面126aから側板95Bの側板背面95aの上端部に至るように、壁Wと、側板95Aの側板背面95a、背板背面126a、及び側板95Bの側板背面95aと、に貼り付けられる。
【0143】
両面テープ123は、背板背面126aに貼り付けられる第一部分123aと、側板背面95aに貼り付けられる第二部分123bと、を有する。両面テープ123の第一部分123aは、背板背面126aに沿うように直線状に延びており、両面テープ123の第二部分123bは、第一部分123aを延長したように直線状に延びている。そして、第二部分123bは、第一部分123aよりも短くなっている。
【0144】
第十二実施形態に係る家具固定方法は、側板95A,95Bに背板126を取り付けるとともに両面テープ123の貼り付け位置が異なる他は、第九実施形態に係る家具固定方法と同様である。
【0145】
壁Wに固定された家具122を壁Wから取り外す場合は、まず、背板126から側板95A,95Bの少なくとも一方を取り外す。そして、両面テープ123の第二部分123bから側板95A,95Bの少なくとも一方を引き剥がす。これにより、両面テープ123の第二部分123bが露出されるため、第二部分123bにおいて両面テープ123を摘まむことが可能となる。次に、この露出された第二部分123bを摘まんで両面テープ123を引き伸ばし、両面テープ123を壁W及び背板背面126aから剥離する。なお、背板126から側板95A,95Bの何れか一方のみを取り外した場合は、両面テープ123を引き伸ばすことで、両面テープ123を側板95A,95Bの何れか他方の側板背面95aからも剥離することができる。一方、両面テープ123が側板95A側と側板95B側とに分割されている場合は、背板126から側板95A,95Bの双方を取り外して、両面テープ123の各分割テープをそれぞれ引き伸ばす。これにより、両面テープ123による壁Wに対する家具122の固定が解除されるため、家具122を壁Wから取り外すことができる。
【0146】
[第十三実施形態]
次に、第十三実施形態に係る家具固定構造及び家具固定方法について説明する。第十三実施形態に係る家具固定構造は、基本的に第九実施形態に係る家具固定構造と同様であるが、側板が切り欠かれており、側板に端部材が着脱可能に取り付けられる点で、第九実施形態に係る家具固定構造と相違する。このため、以下の説明では、第九実施形態と同様の点の説明を省略し、第九実施形態と相違する点のみを説明する。
【0147】
図41は、第十三実施形態に係る家具固定構造を示す斜視図である。
図42は、
図41に示す家具固定構造を示す側面図である。
図43は、
図41に示す家具固定構造を示す正面図である。
図41~
図43に示すように、本実施形態に係る家具固定構造131は、設置面である壁Wに固定される家具132と、家具132を壁Wに固定するための伸長剥離可能な両面テープ133A,133Bと、端部材137A,137Bと、を備える。
【0148】
家具132は、第九実施形態の側板95A,95Bに対応する側板135A,135Bと、第九実施形態と同様の横板96A,96Bと、端部材137A,137Bと、を備える。
【0149】
側板135A,135Bは、家具132の側面を形成する板状部材である。側板135A,135Bは、奥行方向D1に延びて幅方向D2に互いに対向するように配置される。なお、側板135Aと側板135Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、側板135として纏めて説明する。
【0150】
側板135には、壁W側に配置される端部に、切欠き135bが形成されている。切欠き135bは、壁W側に配置される端部における、上端部に形成されている。切欠き135bの形状は、特に限定されるものではないが、例えば、矩形状とすることができる。
【0151】
端部材137Aは、側板135Aの切欠き135bに配置されて、側板135Aに対して着脱可能に取り付けられる。端部材137Bは、側板135Bの切欠き135bに配置されて、側板135Bに対して着脱可能に取り付けられる。なお、端部材137Aと端部材137Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、端部材137として纏めて説明する。端部材137は、切欠き135bと同じ形状となっている。このため、端部材137が切欠き135bに配置されることで、側板135及び端部材137が、全体として矩形の板状部材となる。なお、端部材137は、横板96に対しても着脱可能に取り付けられてもよい。
【0152】
側板135は、側板135の奥行方向D1における後端に位置して壁Wに対向される側板背面135aを有する。側板背面135aは、壁Wに固定される第一固定面である。側板135は、側板背面135aにおいて壁Wに固定される。端部材137は、端部材137の奥行方向D1における後端に位置して壁Wに対向される端部材背面137aを有する。端部材背面137aは、壁Wに固定される第二固定面である。端部材137は、端部材背面137aにおいて壁Wに固定される。端部材137が側板135に取り付けられた家具132においては、側板背面135aと端部材背面137aとは、互いに隣接する。
【0153】
両面テープ133A,133Bは、第九実施形態の両面テープ93に対応する。両面テープ133Aは、側板135Aの側板背面135aの下端部から上端部まで延びるとともに、側板135Aの側板背面135aから端部材137Aの端部材背面137aに延びるように、直線状に形成されている。そして、両面テープ133Aは、側板135Aの側板背面135aから端部材137Aの端部材背面137aに至るように、壁Wと、側板135Aの側板背面135a及び端部材137Aの端部材背面137aと、に貼り付けられる。両面テープ133Bは、側板135Bの側板背面135aの下端部から上端部まで延びるとともに、側板135Bの側板背面135aから端部材137Bの端部材背面137aに延びるように、直線状に形成されている。そして、両面テープ133Bは、側板135Bの側板背面135aから端部材137Bの端部材背面137aに至るように、壁Wと、側板135Bの側板背面135a及び端部材137Bの端部材背面137aと、に貼り付けられる。なお、両面テープ133Aと両面テープ133Bとは、基本的に同じ構成であるため、特に分けて説明する場合を除き、両面テープ133として纏めて説明する。
【0154】
両面テープ133は、側板背面135aに貼り付けられる第一部分133aと、端部材背面137aに貼り付けられる第二部分133bと、を有する。両面テープ133の第一部分133aは、側板背面135aに沿うように直線状に延びており、両面テープ133の第二部分133bは、第一部分133aを延長したように直線状に延びている。また、第二部分133bは、第一部分133aよりも短くなっている。
【0155】
第十三実施形態に係る家具固定方法は、側板135に端部材137を取り付けるとともに両面テープ133の貼り付け位置が異なる他は、第九実施形態に係る家具固定方法と同様である。
【0156】
壁Wに固定された家具132を壁Wから取り外す場合は、まず、側板135A,135Bから端部材137A,137Bを取り外す。そして、両面テープ133A,133Bの第二部分133bから端部材137A,137Bを引き剥がす。これにより、両面テープ133A,133Bの第二部分133bが露出されるため、第二部分133bにおいて両面テープ133A,133Bを摘まむことが可能となる。次に、この露出された第二部分133bを摘まんで両面テープ133A,133Bを引き伸ばし、両面テープ133A,133Bを壁W及び側板135A,135Bの側板背面135aから剥離する。これにより、両面テープ133A,133Bによる壁Wに対する家具132の固定が解除されるため、家具132を壁Wから取り外すことができる。
【0157】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0158】
例えば、上記実施形態では、一つの家具を一つの両面テープで固定面に固定する形態と、一つの家具を複数の両面テープで固定面に固定する形態と、を説明したが、一つの家具を固定する両面テープの数は、特に限定されるものではなく、一つであってもよく、複数であってもよい。
【符号の説明】
【0159】
11…家具固定構造、12…家具、13…両面テープ、13A…両面テープ、13B…両面テープ、13a…第一部分、13b…第二部分、15…側板、15A…側板、15B…側板、15a…側板底面、16…支持板、16B…側板、16a…支持板底面、21…家具固定構造、22…家具、23…両面テープ、23a…第一部分、23b…第二部分、31…家具固定構造、32…家具、33…両面テープ、33A…両面テープ、33B…両面テープ、33a…第一部分、33b…第二部分、35…側板、35A…側板、35A1…第一側板、35A2…第二側板、35B…側板、35B1…第一側板、35B2…第二側板、35a…側板底面、41…家具固定構造、42…家具、43…両面テープ、43A…両面テープ、43B…両面テープ、43a…第一部分、43b…第二部分、51…家具固定構造、52…家具、53…両面テープ、53A…両面テープ、53B…両面テープ、53a…第一部分、53b…第二部分、61…家具固定構造、62…家具、63…両面テープ、63A…両面テープ、63B…両面テープ、63a…第一部分、63b…第二部分、67…カバー、67A…カバー、67B…カバー、67a…カバー底面、71…家具固定構造、72…家具、73…両面テープ、73A…両面テープ、73B…両面テープ、73a…第一部分、73b…第二部分、75…側板、75A…側板、75B…側板、75a…側板底面、75b…切欠き、77…端部材、77A…端部材、77B…端部材、77a…端部材底面、81…家具固定構造、82…家具、83…両面テープ、83A…両面テープ、83B…両面テープ、83a…第一部分、83b…第二部分、85…側板、87…端部材、87A…端部、87B…端部、87a…端部材底面、91…家具固定構造、92…家具、93…両面テープ、93A…両面テープ、93B…両面テープ、93a…第一部分、93b…第二部分、95…側板、95A…側板、95a…側板背面、95B…側板、96…横板、96A…横板、96B…横板、96a…横板背面、101…家具固定構造、102…家具、103…両面テープ、103A…両面テープ、103B…両面テープ、103a…第一部分、103b…第二部分、111…家具固定構造、112…家具、113…両面テープ、113A…両面テープ、113B…両面テープ、113a…第一部分、113b…第二部分、116…横板、116a…横板背面、121…家具固定構造、122…家具、123…両面テープ、123a…第一部分、123b…第二部分、126…背板、126a…背板背面、130…両面テープ、131…家具固定構造、132…家具、133…両面テープ、133A…両面テープ、133B…両面テープ、133a…第一部分、133b…第二部分、135…側板、135A…側板、135B…側板、135a…側板背面、135b…切欠き、137…端部材、137A…端部材、137B…端部材、137a…端部材背面、D1…奥行方向、D2…幅方向、F…床、W…壁。