(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129957
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】電気光学装置、および電子機器
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240920BHJP
G02F 1/1368 20060101ALN20240920BHJP
G02F 1/1335 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
G09F9/30 349C
G09F9/30 349D
G09F9/30 338
G02F1/1368
G02F1/1335 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039389
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】及川 広之
【テーマコード(参考)】
2H192
2H291
5C094
【Fターム(参考)】
2H192CB53
2H192EA03
2H192EA15
2H192EA23
2H192EA32
2H192FA02
2H192JA06
2H192JA13
2H192JA17
2H192JA33
2H192JB02
2H291FA13Y
2H291FA31Y
2H291FB14
2H291FD02
2H291FD07
2H291FD25
2H291FD26
2H291FD27
2H291LA03
2H291LA04
2H291MA13
5C094AA34
5C094BA03
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA13
5C094EA01
5C094EA06
5C094ED15
5C094FB02
5C094HA08
(57)【要約】
【課題】品質信頼性の低下が抑制された電気光学装置、および電子機器を提供すること。
【解決手段】電気光学装置は、画像を表示する表示領域と、平面視で前記表示領域の外側に設けられる周辺領域とを有する電気光学装置であって、第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、電界に応じて光学的特性が変化する電気光学層と、を備え、前記第1基板および前記第2基板の一方または両方は、前記周辺領域に設けられる遮光層と、前記周辺領域に設けられる反射層と、を備え、前記反射層の可視光に対する反射率は、前記遮光層の可視光に対する反射率よりも高く、前記遮光層は、前記反射層よりも前記表示領域側に配置される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示領域と、平面視で前記表示領域の外側に設けられる周辺領域とを有する電気光学装置であって、
第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、電界に応じて光学的特性が変化する電気光学層と、を備え、
前記第1基板および前記第2基板の一方または両方は、
前記周辺領域に設けられる遮光層と、
前記周辺領域に設けられる反射層と、を備え、
前記反射層の可視光に対する反射率は、前記遮光層の可視光に対する反射率よりも高く、
前記遮光層は、前記反射層よりも前記表示領域側に配置される、
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記遮光層と前記反射層とは、互いに異なる層に設けられる、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記遮光層と前記反射層とは接触しており、
前記遮光層の平面積は、前記遮光層の平面積よりも小さい、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記反射層は、アルミニウムを含み、
前記遮光層は、窒化チタン、タングステン、またはタングステンシリサイドを含む、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記第1基板および前記第2基板のそれぞれは、前記反射層および前記遮光層を有する、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記第1基板に設けられる前記遮光層は、前記第2基板に設けられる前記反射層よりも前記表示領域側に位置する部分を含む、
請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記周辺領域に設けられるトランジスターをさらに有し、
前記反射層は、前記周辺領域の前記遮光層よりも光の入射側に配置され、かつ、平面視で前記トランジスターと重なる、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記第1基板は、
前記表示領域に設けられた複数の画素電極と、
前記周辺領域に設けられ、前記複数の画素電極の外側に位置する複数のダミー画素電極と、をさらに備え、
前記遮光層は、平面視で前記複数のダミー画素電極の一部または全部に重なる部分を含む、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記第1基板は、前記表示領域に設けられるトランジスターと、
前記トランジスターに対応して設けられる画素電極と、
前記トランジスターと前記画素電極との間の層に配置される中継電極と、
前記中継電極と前記画素電極との間の層を貫通する貫通孔の内部に設けられ、前記中継電極と前記画素電極とを電気的に接続するコンタクトプラグと、
前記中継電極と前記画素電極との間の層に配置される第2反射層と、
を備える、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項10】
前記反射層は、第1反射層であり、
前記第1基板は、前記第1反射層を有し、
前記第1反射層は、前記第2反射層と同層に配置される、
請求項9に記載の電気光学装置。
【請求項11】
請求項1に記載の電気光学装置と、
前記電気光学装置の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクター等の電子機器には、例えば、画素ごとに光学的特性を変更可能な液晶表示装置等の電気光学装置が用いられる。当該電気光学装置の例として、特許文献1に記載の電気光学装置が知られている。
【0003】
当該文献の電気光学装置は、第1基板と第2基板とこれら基板の間に配置された液晶層とを含む。当該電気光学装置には、表示領域と、表示領域を囲む周辺領域とが設けられる。また、第1基板の表示領域には、トランジスターおよび画素電極が設けられる。第2基板の表示領域には、対向電極が設けられる。
【0004】
また、第1基板の周辺領域には、導電膜が設けられる。導電膜は、遮光性を有しており、周辺領域における光漏れを防止するために設けられる。当該導電膜は、アルミニウム膜と、光吸収性を有する窒化チタン膜との積層体で構成される。また、第2基板の周辺領域には、見切り部が設けられる。見切り部によって、第1基板同様に、周辺領域における光漏れを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当該導電体および見切り部が設けられることで、周辺領域における光漏れが抑制される反面、当該導電体および見切り部が光を吸収することで、第1基板および第2基板の温度が上昇してしまう。このため、光漏れを抑制しつつ、温度上昇を抑制することが難しい。この結果、電気光学装置の品質信頼性が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電気光学装置の一態様は、画像を表示する表示領域と、平面視で前記表示領域の外側に設けられる周辺領域とを有する電気光学装置であって、第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、電界に応じて光学的特性が変化する電気光学層と、を備え、前記第1基板および前記第2基板の一方または両方は、前記周辺領域に設けられる遮光層と、前記周辺領域に設けられる反射層と、を備え、前記反射層の可視光に対する反射率は、前記遮光層の可視光に対する反射率よりも高く、前記遮光層は、前記反射層よりも前記表示領域側に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る電気光学装置の平面図である。
【
図2】
図1に示す電気光学装置のA-A線の断面図である。
【
図3】
図1の第1基板の電気的な構成を示す等価回路図である。
【
図4】
図2の電気光学装置の周辺領域における断面構造を示す図である。
【
図5】
図4の第1基板が有する遮光層および反射層の平面的な配置を示す図である。
【
図6】
図4の第2基板が有する遮光層および反射層の平面的な配置を示す図である。
【
図7】
図4の電気光学装置の周辺領域における光路を説明するための図である。
【
図8】
図2の画素電極および第2トランジスターの平面的な配置を示す図である。
【
図9】
図2の第1基板の表示領域における断面構造を示す図である。
【
図11】変形例の電気光学装置の周辺領域における断面構造を示す図である。
【
図12】電子機器の一例であるパーソナルコンピューターを示す斜視図である。
【
図13】電子機器の一例であるスマートフォンを示す平面図である。
【
図14】電子機器の一例であるプロジェクターを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法または縮尺は実際と適宜に異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0010】
A.電気光学装置100
A-1.電気光学装置100の概要
図1は、実施形態に係る電気光学装置100の平面図である。
図2は、
図1に示す電気光学装置100のA-A線の断面図である。以下では、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を適宜用いて説明する。また、X軸に沿う一方向をX1方向と表記し、X1方向とは反対の方向をX2方向と表記する。同様に、Y軸に沿う一方向をY1方向と表記し、Y1方向とは反対の方向をY2方向と表記する。Z軸に沿う一方向をZ1方向と表記し、Z1方向とは反対の方向をZ2方向と表記する。
【0011】
また、本明細書において、要素αと要素βとの「電気的な接続」は、要素αと要素βとが直接的に接合されることで導通する構成のほか、要素αと要素βとが他の導電体を介して間接的に導通する構成も含まれる。
【0012】
図1および
図2に示す電気光学装置100は、画素ごとにスイッチング素子としてTFT(Thin Film Transistor)を備えたアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置である。
【0013】
電気光学装置100は、第1基板2と、第2基板3と、枠状のシール部材4と、液晶層5とを有する。
図2に示すように、第1基板2、液晶層5および第2基板3は、この順にZ1方向に並ぶ。なお、第1基板2、液晶層5および第2基板3の重なる方向であるZ1方向またはZ2方向から見ることを「平面視」とする。また、
図1に示す電気光学装置100の平面形状は四角形であるが、四角形以外の多角形または円形であってもよい。
【0014】
電気光学装置100は透過型であり、第1基板2および第2基板3は、透光性を有する。
図2に示すように、例えば、光LLが第2基板3に入射した後、第1基板2から出射される間に変調することにより、画像が表示される。また、「透光性」とは、可視光に対する透過性を意味し、好ましくは可視光の透過率が50%以上であることをいう。
【0015】
図1に示すように、電気光学装置100は、表示領域A10と、周辺領域A20とを含む。表示領域A10は、画像を表示する領域であり、行列状に配列される複数の画素Pが設けられる。周辺領域A20は、平面視で表示領域A10の外側に位置し、表示領域A10を囲む。また、周辺領域A20は、ダミー画素領域A21を有する。ダミー画素領域A21は、平面視で表示領域A10を囲む。
【0016】
図2に示すように、第1基板2は、基板21と、積層体20と、複数の画素電極24と、複数のダミー画素電極24dと、配向膜29とを有する。基板21、積層体20、複数の画素電極24、および配向膜29は、この順にZ1方向に積層される。
【0017】
基板21は、透光性および絶縁性を有する平板であり、例えばガラス基板または石英基板で構成される。積層体20は、透光性を有する。積層体20には、トランジスターおよび各種配線等が設けられる。複数の画素電極24、および複数のダミー画素電極24dは、積層体20上に配置される。画素電極24は、画素Pごとに設けられる。複数の画素電極24は、液晶層5に電界を印加するために用いられる。複数のダミー画素電極24dは、表示には寄与しないものの、複数の画素電極24と同様に駆動制御される。例えば、複数のダミー画素電極24dは、複数の画素電極24に書き込まれる画像信号のノイズ対策等のために用いられる。複数の画素電極24および複数のダミー画素電極24dは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)およびFTO(Fluorine-doped tin oxide)等の透明導電材料を含む。なお、複数の画素電極24の外側には、イオントラップ用の電極が設けられてもよい。
【0018】
配向膜29は、透光性および絶縁性を有する。配向膜29は、液晶層5に接触しており、液晶層5が有する液晶分子50を配向させる。配向膜29は、複数の画素電極24を覆うように配置される。配向膜29の材料は、例えばポリイミドおよび酸化ケイ素等である。
【0019】
図1に示すように、第1基板2には、駆動回路10と複数の外部端子13とが配置される。駆動回路10は、走査線駆動回路11とデータ線駆動回路12とを含む。複数の外部端子13の一部は、図示しないが、駆動回路10から引き回される配線に接続される。また、複数の外部端子13は、定電位Vcomが印加させる外部端子13を含む。
【0020】
図2に示す第2基板3は、第1基板2に対向して配置される。第2基板3は、基板31と、積層体30と、対向電極32と、配向膜39と、見切り部38とを有する。基板31、積層体30、対向電極32および配向膜39は、この順にZ2方向に積層される。
【0021】
基板31は、透光性および絶縁性を有する平板であり、例えばガラス基板または石英基板で構成される。積層体30は、複数の絶縁膜を含む。当該複数の絶縁膜のそれぞれは、透光性および絶縁性を有し、例えば酸化ケイ素等のケイ素を含む無機材料で形成される。積層体30は、例えば、マイクロレンズを含む。また、積層体30には、見切り部38が設けられる。見切り部38は、不必要な迷光が表示領域A10に入射しないように遮蔽するために設けられる。
【0022】
対向電極32は、複数の画素電極24に対して液晶層5を介して対向する。対向電極32は、液晶層5に電界を印加するために用いられる。対向電極32は、複数の画素Pで共通に設けられる共通電極である。対向電極32は、透光性および導電性を有する。対向電極32は、例えば、ITO、IZOおよびFTO等の透明導電材料を含む。配向膜39は、透光性および絶縁性を有する。配向膜39は、液晶分子50を配向させる。配向膜39の材料は、例えばポリイミドおよび酸化ケイ素等である。
【0023】
また、第2基板3と第1基板2との間には、図示省略された導通材が配置される。当該導通材は、第1基板2との第2基板3とを電気的に接続する。当該導通材は、複数の外部端子13のいずれかの外部端子13に図示省略された配線を介して接続される。当該配線および導通材を介して、対向電極32には、定電位Vcomが印加させる。
【0024】
シール部材4は、第1基板2と第2基板3との間に配置される。シール部材4は、例えばエポキシ樹脂等のUV硬化性材料を含む。UVは、ultravioletの略称であり、特に、波長100nm以上400nm以下の光をいう。また、シール部材4は、ガラス等の無機材料で構成されるギャップ材を含んでもよい。
【0025】
液晶層5は、第1基板2と第2基板3との間に配置される。具体的には、液晶層5は、第1基板2、第2基板3およびシール部材4によって囲まれる領域内に配置される。液晶層5は、電界に応じて光学的特性が変化する電気光学層である。液晶層5は、液晶分子50を含む。液晶分子50は、正または負の誘電異方性を有する。液晶分子50の配向は、液晶層5に印加される電圧に応じて変化する。
【0026】
かかる電気光学装置100は、例えば、後述するパーソナルコンピューターおよびスマートフォン等のカラー表示を行う表示装置に適用される。当該表示装置に適用される場合、電気光学装置100に対してカラーフィルターが適宜用いられる。また、電気光学装置100は、例えば、後述する投射型のプロジェクターに適用される。この場合、電気光学装置100は、ライトバルブとして機能する。この場合、電気光学装置100に対してカラーフィルターが省略される。
【0027】
A-2.第1基板2の電気的な構成
図3は、
図1の第1基板2の電気的な構成を示す等価回路図である。
図3に示すように、第1基板2には、複数のトランジスター23とn本の走査線241とm本のデータ線242とn本の定電位線243とが設けられる。これらは
図2の積層体20に設けられる。なお、nおよびmはそれぞれ2以上の整数である。n本の走査線241とm本のデータ線242との各交差に対応してトランジスター23が配置される。各トランジスター23は、例えばスイッチング素子として機能するTFTである。各トランジスター23は、ゲート、ソースおよびドレインを含む。
【0028】
n本の走査線241のそれぞれはX1方向に延在し、n本の走査線241はY1方向に等間隔で並ぶ。n本の走査線241のそれぞれは、対応する複数のトランジスター23のゲートに電気的に接続される。n本の走査線241は、
図1に示す走査線駆動回路11に電気的に接続される。1~n本の走査線241には、走査線駆動回路11から走査信号G1、G2、…、およびGnが線順次で供給される。
【0029】
図3に示すm本のデータ線242のそれぞれはY1方向に延在し、m本のデータ線242はX1方向に等間隔で並ぶ。m本のデータ線242のそれぞれは、対応する複数のトランジスター23のソースに電気的に接続される。m本のデータ線242は、
図1に示すデータ線駆動回路12に電気的に接続される。1~m本のデータ線242には、データ線駆動回路12から画像信号S1、S2、…、およびSmが並行に供給される。
【0030】
図3に示すn本の走査線241とm本のデータ線242とは、互いに電気的に絶縁されており、平面視で格子状に配置される。隣り合う2つの走査線241と隣り合う2つのデータ線242とで囲まれる領域が画素Pに対応する。画素Pごとにトランジスター23、画素電極24および容量素子25が設けられる。画素電極24は、トランジスター23に対応して設けられる。1つの画素電極24に対して1つのトランジスター23が配置される。各画素電極24は、対応するトランジスター23のドレインに電気的に接続される。
【0031】
n本の定電位線243のそれぞれはY1方向に延在し、n本の定電位線243はX1方向に等間隔で並ぶ。各定電位線243には、定電位Vcomが印加される。各定電位線243は、対応する容量素子25が有する2つの電極のうちの一方に電気的に接続される容量線である。各容量素子25は、画素電極24の電位を保持するための保持容量である。容量素子25は、トランジスター23に対して1対1で設けられる。また、各容量素子25が有する2つの電極のうちの他方は、画素電極24とトランジスター23のドレインとに電気的に接続される。
【0032】
走査信号G1、G2、…、およびGnが順次アクティブとなり、n本の走査線241が順次選択されると、選択される走査線241に接続されるトランジスター23がオン状態となる。すると、m本のデータ線242を介して表示すべき階調に応じた大きさの画像信号S1、S2、…、およびSmに応じた電位が、選択される走査線241に対応する画素Pの画素電極24に印加される。これにより、画素電極24と対向電極32との間に形成される液晶容量に、表示すべき階調に応じた電圧が印加され、印加される電圧に応じて液晶分子50の配向が変化する。また、容量素子25によって、印加される電圧が保持される。このような液晶分子50の配向の変化によって光LLが変調され階調表示が可能となる。
【0033】
A-3.電気光学装置100の周辺領域A20の一部の構造
図4は、
図2の電気光学装置100の周辺領域A20における断面構造を示す図である。前述のように、第1基板2は、基板21と、積層体20と、複数の画素電極24と、複数のダミー画素電極24dと、配向膜29とを有する。
【0034】
図4に示すように、積層体20は、基板21から順に積層された絶縁層201、202、203、204、205、206および207を含む。これら各層は、透光性および絶縁性を有する。絶縁層201~205の各材料は、例えば、酸化シリコンおよび酸窒化シリコン等のケイ素を含む無機材料である。また、積層体20の表示領域A10には、前述のトランジスター23、および各種配線等が配置される。また、積層体20のダミー画素領域A21にも、複数のトランジスター23が設けられる。
【0035】
また、第1基板2の周辺領域A20には、遮光膜210と、駆動回路10に含まれる複数の第2トランジスター230と、遮光層222と、反射層223とが設けられる。反射層223は、「第1反射層」の例示である。なお、複数の第2トランジスター230の図示は簡略化される。
【0036】
基板21上には、遮光膜210が配置される。図示省略するが、遮光膜210の平面形状は、例えば四角枠状である。遮光膜210は、平面視で複数の第2トランジスター230に重なる。遮光膜210は、第2トランジスター230への光LLの入射を防ぐために設けられる。遮光膜210の材料は、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、および鉄(Fe)等の金属、金属窒化物ならびに金属シリサイド等が挙げられる。これらの中でも、遮光膜210はタングステンを含むことが好ましい。タングステンは、各種金属の中でも、耐熱性に優れ、かつ、例えば製造時の熱処理によってもOD(Optical Density)値が低下し難い。よって、遮光膜210がタングステンを含むことで、遮光膜210によってトランジスター23への光LLの入射を効果的に防ぐことができる。なお、遮光膜210は基板21に形成された凹部内に配置されてもよい。
【0037】
絶縁層201上には、複数の第2トランジスター230が配置される。各第2トランジスター230の構成は、前述の
図3のトランジスター23と同様の構成であり、ゲート、ソースおよびドレインを含む。また、図示省略するが、積層体20には、各第2トランジスター230に電気的に接続される各種配線が配置される。
【0038】
絶縁層205上には、遮光層222が配置される。平面図は省略するが、遮光層222は、平面視で複数のダミー画素電極24dおよびシール部材4と重なる。遮光層222は、光LLを吸収する光吸収性を有し、遮光層222よりも下層への光LLの浸入を遮る遮光性を有する。光吸収性とは、可視光に対する光吸収性を意味する。遮光層222の可視光に対する光吸収率は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは80%以上である。吸収率[%]は、(100-透過率[%]-反射率[%])で求められる。遮光層222が設けられることで、周辺領域A20から表示領域A10への光漏れ、すなわち不必要な迷光の発生を抑制することができる。
【0039】
絶縁層206上には、反射層223が配置される。反射層223は、光LLに対する反射性を有する。「反射性」とは、可視光に対する反射性を意味する。反射層223の可視光に対する反射率は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは90%以上である。また、反射層223の可視光に対する反射率は、前述の遮光層222の可視光に対する反射率よりも高い。反射層223は高反射膜であり、遮光層222は低反射膜である。高反射膜である反射層223が設けられることで、反射層223で光LLを反射させることができる。
【0040】
図5は、
図4に示す遮光層222および反射層223の平面的な配置を示す図である。
図5では、便宜上、遮光層222はドットで示され、反射層223は斜線で示される。
【0041】
図5に示すように、遮光層222および反射層223の各平面形状は、四角枠状である。
図4および
図5に示すように、遮光層222は、反射層223よりも表示領域A10側に設けられる。別の言い方をすると、遮光層222は、反射層223よりも第1基板2の内側に設けられる。具体的には、
図5に示すように、遮光層222の平面視での枠状の中心線A222は、反射層223の平面視での枠状の中心線A223よりも表示領域A10に近い。また、図示の例では、遮光層222の内縁は、反射層223の内縁よりも表示領域A10に近い。遮光層222の外縁と、反射層223の外縁とは平面視で重なっている。また、遮光層222の平面積は、反射層223の平面積よりも大きい。また、遮光層222は、反射層223に平面視で重なる。
【0042】
遮光層222が反射層223よりも表示領域A10側に配置されることで、遮光層222によって周辺領域A20から表示領域A10への光漏れ、すなわち不必要な迷光の発生を抑制することができる。よって、電気光学装置100の表示品位を高めることができる。さらに、反射層223が設けられていることで、反射層223によって光LLを反射させることができる。このため、反射層223よりも下層の各種配線等に光LLが入射することによる各種配線等の温度上昇を抑制することができる。よって、第1基板2の温度上昇を抑制することができる。このため、液晶層5の液晶が劣化するおそれが抑制される。このようなことから、電気光学装置100の品質信頼性を向上させることができる。
【0043】
仮に、反射層223が遮光層222よりも表示領域A10側に設けられている場合、反射層223で反射した光が表示領域A10内に迷光して進入するおそれがある。仮に、反射層223のみが設けられ、遮光層222が設けられていない場合も同様に、反射層223で反射した光が表示領域A10内に迷光して進入するおそれがある。また、仮に、遮光層222のみが設けられ、反射層223が設けられていない場合、遮光層222が光LLを吸収する。このため、反射層223が設けられていない場合、反射層223が設けられている場合に比べ、遮光層222の温度が上昇し、第1基板2の温度が上昇してしまう。
【0044】
これに対し、本実施形態では、遮光層222および反射層223を有し、かつ、遮光層222が反射層223よりも表示領域A10側に配置される。このため、第1基板2の温度上昇を抑制しつつ、光漏れを抑制することができる。
【0045】
なお、遮光層222および反射層223の各平面形状は、枠状以外でもよく、点在していてもよい。ただし、枠状であることで点在している場合に比べ、各機能が好適に発揮される。遮光層222および反射層223が枠状でなく点在している場合、遮光層222の平面視での中心が、反射層223の平面視での中心がよりも表示領域A10に近いことで、第1基板2の温度上昇を抑制しつつ、周辺領域A20における光漏れを抑制することができる。
【0046】
また、遮光層222は、平面視で複数のダミー画素電極24dに重なり、遮光層222はダミー画素領域A21に配置される部分を含む。遮光層222がダミー画素領域A21に配置される部分を含むことで、当該部分を含まない場合に比べ、周辺領域A20から表示領域A10への光漏れを抑制することができる。また、反射層223の一部は、ダミー画素領域A21に配置される。反射層223の内縁は、平面視でダミー画素電極24dに重なる。
【0047】
図4に示すように、遮光層222と反射層223とは、互いに異なる層に配置される。遮光層222は絶縁層205上に配置され、反射層223は絶縁層206上に配置される。互いに異なる層に設けられていることで、遮光層222と反射層223とは互いに接触していない。このため、例えば、遮光層222上に反射層223を積層する場合、光漏れの抑制のため、反射層223の一部を除去して遮光層222の一部を露出させる必要がある。これに対し、遮光層222と反射層223とが互いに異なる層に配置されることで、上記のような一部を露出させる処理を省くことができる。
【0048】
さらに、
図4に示す例では、反射層223は、遮光層222に対して光LLの入射側に配置される。このため、反射層223によって遮光層222に光LLが入射することによる遮光層222の温度上昇を抑制することができる。よって、遮光層222の平面積が反射層223の平面積よりも大きくても、第1基板2の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0049】
また、反射層223は、積層体20のうち最も液晶層5に近い絶縁層207に接触している。したがって、反射層223は、第2トランジスター230に電気的に接続される各種配線よりも光LLの入射側に配置される。このため、当該各種配線に光LLが入射することによる温度上昇を抑制することができる。また、第2反射層221が画素電極24の直下の絶縁層207に接触していることで、周辺領域A20において、光LLが第1基板2の深くまで侵入することが抑制される。このようなことから、光LLの入射による第1基板2の温度上昇を特に効果的に抑制することができる。
【0050】
また、遮光層222の材料としては、例えば、タングステン、チタン、クロム、および鉄等の金属、窒化チタン等の金属窒化物ならびに金属シリサイド等が挙げられる。これらの中でも、遮光層222は、窒化チタン、タングステン、またはタングステンシリサイドを含むことが好ましい。これらは、光吸収性に優れる。よって、かかる材料を含むことで、他の材料を用いる場合に比べ、周辺領域A20から表示領域A10への光漏れを抑制することができる。
【0051】
反射層223の材料としては、例えば、金、銀、銅、鉄、およびアルミニウム等の金属、または金属化合物が挙げられる。これらの中でも、反射層223は、アルミニウムまたは銅を含むことが好ましく、アルミニウムを含むことが特に好ましい。アルミニウムは可視光の反射率に特に優れる。このため、アルミニウムを含むことで、反射層223による反射性を特に好適に発揮することができる。また、アルミニウムは各種配線の材料としても用いられる。したがって、反射層223と同層に配線が配置されている場合、反射層223を当該配線と同時に形成することができる。
【0052】
なお、周辺領域A20において、絶縁層207とシール部材4との間には配向膜29が設けられているが、配向膜29は、これらの間に設けられていなくてもよい。すなわち、配向膜29は、表示領域A10のみに設けられていてもよい。
【0053】
図4に示すように、第2基板3が有する見切り部38は、反射層381と、遮光層382とを含む。反射層381は、「第1反射層」の例示である。なお、
図4に示す例では、反射層381と遮光層382とは、基板31上に形成されるが、積層体30が有する複数の絶縁膜のうちのいずれかの絶縁膜上に形成されてもよい。
【0054】
反射層381は、光LLに対する反射性を有する。反射層381の可視光に対する反射率は、好ましくは、50%以上であり、より好ましくは90%以上である。また、平面図は省略するが、反射層381は、平面視で複数のダミー画素電極24dおよびシール部材4に重なる。
【0055】
反射層381上には、遮光層382が配置される。遮光層382は、反射層381に積層されており、反射層381に接触している。遮光層382は、光LLを吸収する光吸収性を有し、光LLの浸入を遮る遮光性を有する。遮光層382の可視光に対する光吸収率は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは80%以上である。遮光層382が設けられることで、周辺領域A20から表示領域A10への光漏れ、すなわち不必要な迷光の発生を抑制することができる。
【0056】
また、反射層381の可視光に対する反射率は、遮光層382の可視光に対する反射率よりも高い。反射層381は高反射膜であり、遮光層382は低反射膜である。かかる高反射膜である反射層381が設けられることで、反射層381で光LLを反射させることができる。
【0057】
図6は、
図4に示す遮光層382および反射層381の平面的な配置を示す図である。
図6では、便宜上、遮光層382はドットで示され、反射層381は斜線で示される。
【0058】
図6に示すように、反射層381および遮光層382の各平面形状は、四角枠状である。
図4および
図6に示すように、遮光層382は、平面視で反射層381よりも表示領域A10側に設けられる。別の言い方をすると、遮光層382は、反射層381よりも第2基板3の内側に設けられる。具体的には、
図6に示すように、遮光層382の平面視での枠状の中心線A382は、反射層381の平面視での枠状の中心線A381よりも表示領域A10に近い。また、遮光層382の外縁は、反射層381の外縁よりも表示領域A10に近い。図示の例では、遮光層382の内縁と、反射層381の内縁とは平面視で重なっている。
【0059】
遮光層382が反射層381よりも表示領域A10側に配置されることで、遮光層382によって周辺領域A20から表示領域A10への光漏れ、すなわち不必要な迷光の発生を抑制することができる。よって、電気光学装置100の表示品位を高めることができる。さらに、反射層381が設けられていることで、反射層381によって光LLを反射させることができる。このため、第2基板3の反射層381よりも液晶層5側の部分に光LLが入射することによる第2基板3の温度上昇を抑制することができる。加えて、第1基板2に光LLが入射することによる第1基板2の温度上昇を抑制することができる。このため、第1基板2および第2基板3の温度上昇を抑制することができる。よって、液晶層5の液晶が劣化するおそれが抑制される。このようなことから、電気光学装置100の品質信頼性を高めることができる。
【0060】
仮に、反射層381が遮光層382よりも表示領域A10側に設けられている場合、反射層381で反射した光が表示領域A10内に迷光して進入するおそれがある。仮に、反射層381のみが設けられ、遮光層382が設けられていない場合も同様に、反射層381で反射した光が表示領域A10内に迷光して進入するおそれがある。また、仮に、遮光層382のみが設けられ、反射層381が設けられていない場合、遮光層382が光LLを吸収する。このため、反射層381が設けられていない場合、反射層381が設けられている場合に比べ、遮光層382の温度が上昇し、第2基板3の温度が上昇してしまう。
【0061】
これに対し、本実施形態では、遮光層382および反射層381を有し、かつ、遮光層382が反射層381よりも表示領域A10側に配置される。このため、第2基板3および第1基板2の温度上昇を抑制しつつ、光漏れを抑制することができる。
【0062】
なお、反射層381および遮光層382の各平面形状は、枠状以外でもよく、点在していてもよい。ただし、枠状であることで点在している場合に比べ、各機能が好適に発揮される。遮光層382および反射層381が枠状でなく点在している場合、遮光層382の平面視での中心は、反射層381の平面視での中心がよりも表示領域A10に近い。
【0063】
また、遮光層382の一部または全部は、平面視で複数のダミー画素電極24dに重なり、ダミー画素領域A21内に配置される。遮光層382がダミー画素領域A21に配置される部分を含むことで、当該部分を含まない場合に比べ、周辺領域A20から表示領域A10への光漏れを抑制することができる。また、反射層381の一部は、ダミー画素領域A21に配置される。反射層381の内縁は、平面視でダミー画素電極24dに重なる。また、遮光層382の一部または全部は、平面視で遮光層222と重なる。遮光層382の一部は、平面視で反射層223と重なり、遮光層382は、平面視で反射層223よりも表示領域A10側に位置する部分を含む。また、反射層381の一部または全部は、平面視で反射層223と重なる。また、反射層381の一部または全部は、平面視で遮光層222と重なる。
【0064】
また、前述のように、遮光層382は反射層381に接触しており、遮光層382の平面積は、反射層381の平面積よりも小さい。このため、遮光層382と反射層381とが互いに異なる層に設けられる場合に比べ、第2基板3の厚さを薄くすることできる。なお、遮光層382は例えば以下のようにして形成される。例えば、反射層381上に成膜された反射層381と平面視で同一形状の遮光膜を形成する。その後、当該遮光膜をエッチングによりパターニングすることにより、遮光層382が形成される。
【0065】
また、
図4に示す例では、反射層381は、遮光層382に対して光LLの入射側に配置される。このため、反射層381によって遮光層382に光LLが入射することによる遮光層382の温度上昇を抑制することができる。よって、第2基板3の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0066】
反射層381の材料としては、例えば、金、銀、銅、鉄、およびアルミニウム等の金属、または金属化合物が挙げられる。これらの中でも、反射層381は、アルミニウムまたは銅を含むことが好ましく、アルミニウムを含むことが特に好ましい。アルミニウムは可視光の反射率に特に優れる。このため、アルミニウムを含むことで、反射層381による反射性を好適に発揮することができる。
【0067】
遮光層382の材料としては、例えば、タングステン、チタン、クロム、および鉄等の金属、窒化チタン等の金属窒化物ならびに金属シリサイド等が挙げられる。これらの中でも、遮光層382は、窒化チタン、タングステン、またはタングステンシリサイドを含むことが好ましい。これらは、光吸収性に優れる。よって、かかる材料を含むことで、他の材料を用いる場合に比べ、周辺領域A20から表示領域A10への光漏れを抑制することができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態では、第1基板2が遮光層222および反射層223を有し、第2基板3が遮光層382および反射層381を有する。このため、第1基板2および第2基板3のそれぞれが「遮光層」および「反射層」を有する。よって、両方の基板が「遮光層」および「反射層」を有することで、第1基板2および第2基板3のいずれか一方が「遮光層」および「反射層」を有さない場合に比べ、電気光学装置100の品質信頼性を高めることができる。
【0069】
A-4.周辺領域A20における光路
図7は、
図4の周辺領域A20における光路を説明するための図である。光LLは、ある程度の拡がり角をもって出射される。
【0070】
前述のように、反射層223が第1基板2に設けられる。このため、
図7に示すように、例えば、光LLに含まれる光LL1は、反射層223で反射する。このため、光LLの入射による各種配線の温度上昇を抑制できるので、第1基板2の温度上昇を抑制することができる。さらに、反射層223は遮光層222よりも光LLの入射側に配置される。このため、前述のように、遮光層222への光LLの入射を抑制することができるので、第1基板2の温度上昇を特に効果的に抑制することができる。
【0071】
また、遮光層222は、反射層223よりも表示領域A10側に配置される。このため、例えば、光LLに含まれる光LL2を遮光層222で吸収することができる。このため、前述のように、周辺領域A20から表示領域A10への光漏れを抑制することができる。
【0072】
また、反射層381が第2基板3に設けられる。このため、例えば、光LLに含まれる光LL3は、反射層381で反射する。よって、反射層381よりも液晶層5側への光LLの入射が抑制されるので、第2基板3および第1基板2の温度上昇が抑制される。さらに、反射層381は遮光層382よりも光LLの入射側に配置される。このため、前述のように、遮光層382への光LLの入射を抑制することができるので、第2基板3の温度上昇を特に効果的に抑制することができる。
【0073】
また、遮光層382は、反射層381よりも表示領域A10側に配置される。このため、例えば、光LLに含まれる光LL4が反射層223で反射した反射光を、遮光層382で吸収することができる。よって、周辺領域A20から表示領域A10への光漏れを抑制することができる。特に、遮光層382の一部が平面視で反射層223と重なり、遮光層382は、平面視で反射層223よりも表示領域A10側に位置する部分を含む。このため、反射層223で反射した反射光を、遮光層382で効果的に吸収することができる。
【0074】
A-7.表示領域A10の画素電極24およびトランジスター23の平面的な配置
図8は、
図2の画素電極24およびトランジスター23の平面的な配置を示す図である。
図8に示すように、複数の画素電極24は、互いに離間し、平面視で行列状に配置される。各画素電極24の平面形状は、四角形である。トランジスター23は、平面視で、対応する画素電極24の四隅のうちの図面左下の角に対応する位置に設けられる。
図4では、トランジスター23が有する後述の半導体層231が図示される。
【0075】
また、電気光学装置100には、複数の開口部A11および遮光領域A12が設けられる。各開口部A11は、光LLが透過する領域である。複数の開口部A11には、複数の画素電極24が1対1で配置される。したがって、複数の開口部A11は、互いに離間し、平面視で行列状に配置される。各開口部A11は、ほぼ四角形である。
【0076】
遮光領域A12は、平面視で、複数の開口部A11を囲む枠状である。遮光領域A12は、光LLの透過が遮られる領域である。遮光領域A12には、複数のトランジスター23が配置される。また、遮光領域A12には、各種配線等が配置される。なお、各画素電極24の外縁部は、遮光領域A12に位置する。
【0077】
A-8.第1基板2の表示領域A10の一部の断面構造
図9は、
図2の第1基板2の表示領域A10における断面構造を示す図である。
図9では、1つの画素電極24に対応する断面が図示される。
【0078】
図9に示すように、基板21上には、遮光膜211が配置される。遮光膜211は、トランジスター23が有する半導体層231への光の入射を防ぐために設けられる。遮光膜211の材料は、例えば、タングステン、チタン、クロム、および鉄等の金属、金属窒化物ならびに金属シリサイド等が挙げられる。これらの中でも、遮光膜211は、前述の遮光膜210と同様の理由から、タングステンを含むことが好ましい。なお、遮光膜211は基板21に形成された凹部内に配置されてもよい。
【0079】
絶縁層201上には、トランジスター23が配置される。トランジスター23は、半導体層231と、ゲート電極232と、ゲート絶縁膜233とを有する。半導体層231は、絶縁層201上に配置される。半導体層231とゲート電極232との間にはゲート絶縁膜233が設けられる。
【0080】
半導体層231は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有する。具体的には、半導体層231は、ドレイン領域231d、ソース領域231s、チャネル領域231c、低濃度ドレイン領域231aおよび低濃度ソース領域231bを有する。半導体層231は、例えば、ポリシリコンで形成される。チャネル領域231cを除く領域には、導電性を高める不純物がドープされる。低濃度ドレイン領域231a中の不純物濃度は、ドレイン領域231d中の不純物濃度よりも低い。低濃度ソース領域231b中の不純物濃度は、ソース領域231s中の不純物濃度よりも低い。
【0081】
ゲート電極232は、例えば、ポリシリコンに導電性を高める不純物がドープされることにより形成される。なお、ゲート電極232は、金属、金属酸化物および金属化合物の導電性を有する材料を用いて形成されてもよい。また、ゲート電極232は、絶縁層201および202を貫通する孔に配置された導電性の接続部271を介して遮光膜211に電気的に接続される。また、ゲート絶縁膜233は、例えば、熱酸化またはCVD(chemical vapor deposition)法等で成膜される酸化ケイ素膜で構成される。
【0082】
絶縁層202上には、走査線241、中継層245、中継層246、および電極244が配置される。走査線241は、絶縁層202を貫通する孔に配置された導電性の接続部271を介してゲート電極232に電気的に接続される。中継層245および中継層246は、導電性を有する。中継層245は、絶縁層202を貫通する孔に配置された導電性の接続部272を介して半導体層231のソース領域231sに電気的に接続される。中継層245は、絶縁層202を貫通する孔に配置された導電性の接続部273を介して半導体層231のドレイン領域231dに電気的に接続される。電極244は、絶縁層201および202を貫通する孔に配置された導電性の接続部274を介して遮光膜211に電気的に接続される。電極244は、走査線241と電気的に接続されてもよい。
【0083】
なお、接続部271~274のそれぞれは、接続される配線等と一体で形成された所謂トレンチ型の電極であってもよいし、コンタクトプラグであってもよい。
【0084】
絶縁層203上には、データ線242および中継層247が配置される。データ線242は、絶縁層203を貫通する孔に配置された導電性の接続部275を介して中継層245に電気的に接続される。中継層247は、絶縁層203を貫通する孔に配置された導電性の接続部276を介して中継層246に電気的に接続される。なお、接続部275および276のそれぞれは、接続される配線等と一体で形成された所謂トレンチ型の電極であってもよいし、コンタクトプラグであってもよい。
【0085】
絶縁層204上には、容量素子25が配置される。容量素子25は、第1容量電極251と第2容量電極252と誘電体層253とを有する。第1容量電極251は絶縁層205上に配置される。第2容量電極252は、絶縁層205上に配置される。別の言い方をすると、第2容量電極252は、トランジスター23と画素電極24との間の層に配置される。誘電体層253は、第1容量電極251と第2容量電極252との間に配置される。
【0086】
第1容量電極251は、前述の定電位線243の一部を構成する。第2容量電極252は「中継電極」に相当する。第2容量電極252は、絶縁層204を貫通する孔に配置された導電性の接続部277を介して中継層247に電気的に接続される。なお、接続部277は、第2容量電極252と一体で形成された所謂トレンチ型の電極であってもよいし、コンタクトプラグであってもよい。
【0087】
第1容量電極251および第2容量電極252のそれぞれは、例えば、導電性のポリシリコン、金属シリサイド、金属あるいは金属化合物などの導電材料で形成される。本実施形態では、第1容量電極251および第2容量電極252のそれぞれは、窒化チタン(TiN)、タングステン、またはタングステンシリサイド(WSi)を含む。また、誘電体層253は、高誘電率材料であるHigh-Kで形成される。
【0088】
絶縁層206上には、第2反射層221が配置される。第2反射層221は、光LLを反射させる反射性を有する。第2反射層221の可視光に対する反射率は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは90%以上である。また、絶縁層207上には、画素電極24が配置される。画素電極24は、コンタクトプラグ278を介して第2容量電極252に電気的に接続される。コンタクトプラグ278は、絶縁層206および207を貫通する貫通孔H0を埋めるプラグ状の導電部である。また、画素電極24上には、配向膜29が配置される。
【0089】
また、接続部271~277、およびコンタクトプラグ278の各材料としては、特に限定されないが、例えば、タングステン、チタン、クロム、鉄およびアルミニウム等の金属、金属窒化物ならびに金属シリサイド等が挙げられる。
【0090】
前述の走査線241、データ線242、電極244、中継層245、246および247のそれぞれは、例えば、アルミニウム等の金属、または窒化チタン等の金属化合物を含み、単層でも複数層であってもよい。特に、これらは、アルミニウム膜と窒化チタン膜の積層構造であることが好ましい。これらがアルミニウム膜を含むことで、低抵抗化を図ることができる。また、窒化チタン膜を含むことで、各接続部271~277との接触を避け、アルミニウム膜の電蝕を抑制することができる。
【0091】
また、前述のように、コンタクトプラグ278は、第2容量電極252と画素電極24との間の層に設けられ、第2容量電極252と画素電極24とを電気的に接続する。また、第2反射層221は、第2容量電極252と画素電極24との間の層に配置される。
【0092】
貫通孔H0を埋めるプラグ状のコンタクトプラグ278が設けられることで、従来のように、コンタクトホール、すなわち絶縁層に形成された孔の壁面に沿って設けられるトレンチ型の電極を設けずに済む。コンタクトプラグ278は、アスペクト比の高い貫通孔H0であっても良好に配置することができる。このため、第2容量電極252と画素電極24との間の層に設けられた第2反射層221を、第2容量電極252と画素電極24とを電気的に接続するための中継配線として用いずに済む。したがって、第2反射層221を第2容量電極252および画素電極24と電気的に接続する必要がない。よって、第2反射層221にコンタクトホールに沿って設けられた電極を接続しなくて済む。第2反射層221は、第2容量電極252および画素電極24と絶縁される。
【0093】
第2反射層221にコンタクトホールに沿って設けられた電極を接続しなくて済むことで、第2反射層221の平面積を広くし易い。このため、第2反射層221により光LLを反射させる機能を高めることができる。この結果、第2反射層221よりも下層の第2容量電極252等に光LLが入射することが抑制される。それゆえ、第2容量電極252等の光LLの入射による温度上昇を抑制することができる。よって、第1基板2の温度上昇を抑制することができる。このため、液晶層5の液晶が劣化するおそれ、またはトランジスター23の抵抗値が変わって設計通りの特性が発揮されなくなるおそれが抑制される。このため、電気光学装置100の品質信頼性の向上させることができる。
【0094】
表示領域A10に第2反射層221が配置され、かつ、前述のように周辺領域A20に反射層223が配置されることで、第1基板2の温度上昇を最も効果的に抑制することができる。
【0095】
第2反射層221の材料としては、例えば、金、銀、銅、鉄、およびアルミニウム等の金属、または金属化合物が挙げられる。これらの中でも、第2反射層221は、アルミニウムまたは銅を含むことが好ましく、アルミニウムを含むことが特に好ましい。アルミニウムは可視光の反射率に特に優れる。このため、アルミニウムを含むことで、第2反射層221による反射性を好適に発揮することができる。また、アルミニウムは各種配線の材料としても用いられる。したがって、第2反射層221と同層に配線が配置されている場合、第2反射層221を当該配線と同時に形成することができる。
【0096】
また、第2反射層221は、前述の周辺領域A20の反射層223と同層に設けられる。このため、反射層223と第2反射層221とは、例えば、1つの反射膜をパターニングすることにより、一括で形成することができる。よって、反射層223と第2反射層221とを簡単に形成することができる。
【0097】
また、絶縁層207上に画素電極24が配置されており、第2反射層221が、絶縁層207に接触している。したがって、第2反射層221は、各種配線よりも光LLの入射側に配置される。このため、第2容量電極252に加え、第2容量電極252以外の下層に配置される配線に光LLが入射することによる温度上昇を抑制することができる。また、第2反射層221は、画素電極24の直下の層に設けられることで、光LLが第1基板2の深くまで侵入することが抑制される。このようなことから、光LLの入射による第1基板2の温度上昇を特に効果的に抑制することができる。
【0098】
また、第2容量電極252は、前述のように、例えば、窒化チタン、タングステン、またはタングステンシリサイドを含む。この場合、第2容量電極252は光LLを吸収し易く、光LLの吸収によって温度上昇し易い。このため、「中継電極」としての第2容量電極252が上記材料のいずれかを含む場合、第2容量電極252よりも上方に第2反射層221が配置されることで、第2容量電極252の温度上昇を抑制することができる。よって、第1基板2の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0099】
コンタクトプラグ278の材料としては、前述のように、例えば、タングステン、チタン、クロム、鉄およびアルミニウム等の金属、金属窒化物ならびに金属シリサイド等が挙げられる。これらの中でも、コンタクトプラグ278は、タングステンを含むことが好ましい。タングステンは、これら金属等の中でも充填性に優れる。このため、タングステンを用いることで、アスペクト比の高い貫通孔H0を均質に埋めることができる。よって、第2反射層221の平面積を大きくし易い。
【0100】
さらに、コンタクトプラグ278は、単一材料で構成されてもよいし、複数層で形成されてもよい。例えば、コンタクトプラグ278は、バリア層と導電層とを含む。バリア層は、貫通孔H0を形成する内壁面に接触する。バリア層は、導電層の成分の拡散防止のために設けられる。導電層は、バリア層の内側に配置され、貫通孔H0を埋める。バリア層は、タングステンナイトライド(WN)またはチタンナイトライド(TiN)含むことが好ましい。導電層は、タングステンを含むことが好ましい。
【0101】
A-9.第2反射層221の平面構造
図10は、
図9の第2反射層221の平面図である。
図10に示すように、各第2反射層221の平面形状は、ほぼL字であって、Y軸に沿って並ぶ複数の第2反射層221は、互いに接続される。
【0102】
具体的には、各第2反射層221は、幅広部2211と、延在部2212と、延在部2213とを含む。幅広部2211は、平面視で、対応する画素電極24の四隅のうちの図面左下の角に対応する位置に設けられる。延在部2212は、幅広部2211からX1方向に延在する。延在部2213は、幅広部2211からY1方向に延在する。ある1つの第2反射層221の延在部2213は、Y1方向に隣接する他の1つの第2反射層221の幅広部2211に接続される。
【0103】
図10に示す第2反射層221は、前述の
図8に示す遮光領域A12に沿って配置される。このため、図示省略するが、第2反射層221は、平面視でトランジスター23、走査線241、データ線242、電極244、中継層245~247、第1容量電極251、および第2容量電極252と重なる。
【0104】
第2反射層221が遮光領域A12に配置されることで、遮光領域A12において第2反射層221よりも下層の各種配線等への光LLの入射を抑制することができる。特に、第2反射層221が遮光領域A12に沿って配置されることで、第2反射層221が点在して配置される場合に比べ、第2反射層221よりも下層の各種配線等への光LLの入射をより抑制することができる。よって、各種配線の光LLの入射による温度上昇を抑制することができるので、第1基板2の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0105】
なお、第2反射層221は、遮光領域A12に沿って配置されておらず、点在して配置されていてもよい。また、
図10に示す例では、X軸に沿って隣接する2つの第2反射層221は、互いに接続されていない。しかし、ある1つの第2反射層221は、X1方向に隣接する他の1つの第2反射層221に接続されてもよい。したがって、複数の第2反射層221の全てによって枠状形状が構成されてもよい。枠状形状であることで、各種配線等に光LLが入射することによる温度上昇を特に効果的に抑制することができる。また、
図10に示す例では、ある1つの第2反射層221は、Y1方向に隣接する他の1つの第2反射層221に接続されているが、接続されていなくてもよい。
【0106】
また、
図10に示すように、遮光膜211は、平面視でコンタクトプラグ278と異なる位置に設けられており、平面視でコンタクトプラグ278と重ならない。幅広部2211が有する切欠き部2210に対応してコンタクトプラグ278が設けられる。前述のように、コンタクトプラグ278を用いることで、トレンチ型の電極を用いる場合に比べ、第2反射層221の平面積を大きくすることができる。
【0107】
また、第2容量電極252は、平面視でコンタクトプラグ278および第2反射層221に重なっている。第2容量電極252が平面視で第2反射層221に重なることで、第2反射層221によって第2容量電極252への光LLの入射を好適に抑制することができる。
【0108】
2.変形例
以上に例示した実施形態は多様に変形され得る。前述の実施形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。
【0109】
図11は、変形例の電気光学装置100の周辺領域における断面構造を示す図である。
図11に示すように、反射層381と遮光層382とは、接触していなくてもよい。
図11に示す例では、反射層381と遮光層382とは、積層体30が有する複数の絶縁膜のうち互いに異なる絶縁膜上に配置される。このため、遮光層382を形成するために、反射層381上に成膜された遮光膜をエッチングによりパターニングする必要がない。このため、遮光層382の製造が容易である。
【0110】
また、前述の実施形態では、反射層223が遮光層222よりも光LLの入射側に配置されるが、遮光層222が反射層223よりも光LLの入射側に配置されてもよい。この場合であっても、第1基板2の温度上昇を抑制しつつ、光漏れを抑制することができる。また、例えば、戻り光を反射層223で反射させることができるので、遮光層222への光LLの入射を防ぐことができる。よって、第1基板2の温度上昇を抑制することができる。また、反射層223と遮光層222とは同層に設けられてもよい。
【0111】
同様に、前述の実施形態では、反射層381は、遮光層382の上層に配置されるが、遮光層382が反射層381よりも光LLの入射側に配置されてもよい。この場合であっても、第1基板2および第2基板3の温度上昇を抑制しつつ、光漏れを抑制することができる。また、例えば、戻り光を反射層381で反射させることができるので、遮光層382への光LLの入射を防ぐことができる。よって、第2基板3の温度上昇を抑制することができる。また、反射層381と遮光層382とは同層に設けられてもよい。
【0112】
前述の実施形態では、「中継電極」として第2容量電極252を例示したが、「中継電極」は、第2容量電極252以外でもよい。すなわち、「中継電極」は、容量素子25が有する電極に限定されない。
図9で示す各種配線の配置は、一例であって、
図9に示す配置以外でも構わない。「中継電極」は、「画素電極」に「コンタクトプラグ」を介して接続されていれば、いかなる配線でもよい。
【0113】
「電気光学装置」の駆動方式は、縦電界方式に限定されず、横電界方式でもよい。なお、横電界方式としては、例えばIPS(In Plane Switching)モードが挙げられる。また、縦電界方式としては、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Virtical Alignment)、PVAモードおよびOCB(Optically Compensated Bend)モードが挙げられる。
【0114】
前述の各実施形態では、アクティブマトリクス方式の電気光学装置100が例示されるが、これに限定されず、電気光学装置100の駆動方式は、例えば、パッシブマトリクス方式等でもよい。
【0115】
また、前述した説明では、「電気光学装置」の一例として液晶表示装置について説明したが、「電気光学装置」のはこれに限定されない。例えば、「電気光学装置」のは、イメージセンサー等にも適用することができる。
【0116】
2.電子機器
電気光学装置100は、各種電子機器に用いることができる。
【0117】
図12は、電子機器の一例であるパーソナルコンピューター2000を示す斜視図である。パーソナルコンピューター2000は、各種の画像を表示する電気光学装置100と、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設置される本体部2010と、制御部2003と、を有する。制御部2003は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、電気光学装置100の動作を制御する。
【0118】
図13は、電子機器の一例であるスマートフォン3000を示す平面図である。スマートフォン3000は、操作ボタン3001と、各種の画像を表示する電気光学装置100と、制御部3002と、を有する。操作ボタン3001の操作に応じて電気光学装置100に表示される画面内容が変更される。制御部3002は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、電気光学装置100の動作を制御する。
【0119】
図14は、電子機器の一例であるプロジェクターを示す模式図である。投射型表示装置4000は、例えば、3板式のプロジェクターである。電気光学装置1rは、赤色の表示色に対応する電気光学装置100であり、電気光学装置1gは、緑の表示色に対応する電気光学装置100であり、電気光学装置1bは、青色の表示色に対応する電気光学装置100である。すなわち、投射型表示装置4000は、赤、緑および青の表示色に各々対応する3個の電気光学装置1r、1g、1bを有する。制御部4005は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、電気光学装置100の動作を制御する。
【0120】
照明光学系4001は、光源である照明装置4002からの出射光のうち赤色成分rを電気光学装置1rに供給し、緑色成分gを電気光学装置1gに供給し、青色成分bを電気光学装置1bに供給する。各電気光学装置1r、1g、1bは、照明光学系4001から供給される各単色光を表示画像に応じて変調するライトバルブ等の光変調器として機能する。投射光学系4003は、各電気光学装置1r、1g、1bからの出射光を合成して投射面4004に投射する。
【0121】
以上の電子機器は、前述の電気光学装置100と、制御部2003、3002または4005と、を備える。前述の電気光学装置100は品質信頼性に優れる。よって、電気光学装置100を備えることで、パーソナルコンピューター2000、スマートフォン3000または投射型表示装置4000の表示品位の低下を抑制することができる。
【0122】
なお、本発明の電気光学装置が適用される電子機器としては、例示した機器に限定されず、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、車載用の表示器、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、およびPOS(Point of sale)端末等が挙げられる。さらに、本発明が適用される電子機器としては、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤー、またはタッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
【0123】
以上、好適な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されない。また、本発明の各部の構成は、前述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。
【符号の説明】
【0124】
1b…電気光学装置、1g…電気光学装置、1r…電気光学装置、2…第1基板、3…第2基板、4…シール部材、5…液晶層、10…駆動回路、11…走査線駆動回路、12…データ線駆動回路、13…外部端子、20…積層体、21…基板、23…トランジスター、24…画素電極、24d…ダミー画素電極、25…容量素子、29…配向膜、30…積層体、31…基板、32…対向電極、38…見切り部、39…配向膜、50…液晶分子、100…電気光学装置、201…絶縁層、202…絶縁層、203…絶縁層、204…絶縁層、205…絶縁層、206…絶縁層、207…絶縁層、210…遮光膜、211…遮光膜、221…第2反射層、222…遮光層、223…反射層、230…第2トランジスター、231…半導体層、231a…低濃度ドレイン領域、231b…低濃度ソース領域、231c…チャネル領域、231d…ドレイン領域、231s…ソース領域、232…ゲート電極、233…ゲート絶縁膜、241…走査線、242…データ線、243…定電位線、244…電極、245…中継層、246…中継層、247…中継層、251…第1容量電極、252…第2容量電極、253…誘電体層、271…接続部、272…接続部、273…接続部、274…接続部、275…接続部、276…接続部、277…接続部、278…コンタクトプラグ、381…反射層、382…遮光層、2000…パーソナルコンピューター、2001…電源スイッチ、2002…キーボード、2003…制御部、2010…本体部、2210…切欠き部、2211…幅広部、2212…延在部、2213…延在部、3000…スマートフォン、3001…操作ボタン、3002…制御部、4000…投射型表示装置、4001…照明光学系、4002…照明装置、4003…投射光学系、4004…投射面、4005…制御部、A10…表示領域、A11…開口部、A12…遮光領域、A20…周辺領域、A21…ダミー画素領域、A222…中心線、A223…中心線、A381…中心線、A382…中心線、H0…貫通孔、LL…光、LL1…光、LL2…光、LL3…光、LL4…光、P…画素。