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特開2024-129961サービス提供システム、サービス提供装置、デバイス及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129961
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】サービス提供システム、サービス提供装置、デバイス及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240920BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20240920BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240920BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
H04N1/00 127B
G06F21/62 318
B41J29/38 201
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039395
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】南原 哲幸
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ05
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HN04
2C061HN05
2C061HP06
5C062AA05
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC05
5C062AC38
5C062AE16
5C062AF12
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】簡単な操作で、クラウドサービスの利用許可情報をデバイスに設定する。
【解決手段】クラウドサービスを利用するデバイスと、クラウドサービスを提供するサービス提供装置と、情報処理装置と、を備えたサービス提供システムであって、デバイスは、デバイスを識別するデバイス識別情報をサービス提供装置に送信し、情報処理装置は、デバイスからデバイス識別情報を取得し、クラウドサービスへのログイン後、デバイス識別情報をサービス提供装置に送信し、サービス提供装置は、デバイスから受信したデバイス識別情報と、情報処理装置から受信したデバイス識別情報と、が合致する場合に、クラウドサービスの利用を許可する利用許可情報を、デバイスに送信し、デバイスは、利用許可情報を利用して、サービス提供装置のクラウドサービスを利用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドサービスを利用するデバイスと、前記クラウドサービスを提供するサービス提供装置と、情報処理装置と、を備えたサービス提供システムであって、
前記デバイスは、
前記デバイスを識別するデバイス識別情報を前記サービス提供装置に送信し、
前記情報処理装置は、
前記デバイスから前記デバイス識別情報を取得し、
前記クラウドサービスへのログイン後、前記デバイス識別情報を前記サービス提供装置に送信し、
前記サービス提供装置は、
前記デバイスから受信した前記デバイス識別情報と、前記情報処理装置から受信した前記デバイス識別情報と、が合致する場合に、前記クラウドサービスの利用を許可する利用許可情報を、前記デバイスに送信し、
前記デバイスは、
前記利用許可情報を利用して、前記サービス提供装置の前記クラウドサービスを利用する、サービス提供システム。
【請求項2】
前記デバイスは、前記デバイス識別情報を示すコード画像を表示し、
前記情報処理装置は、
カメラで前記コード画像を読み取ることにより、前記デバイス識別情報を取得する、請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記デバイス識別情報と共に、前記クラウドサービスへの登録処理が行われたユーザーを識別するユーザー識別情報を前記サービス提供装置に送信し、
前記デバイス識別情報と、前記ユーザー識別情報と、前記利用許可情報と、を対応付けて格納する、請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記デバイス識別情報と共に、前記クラウドサービスへの登録処理が行われた組織を識別する組織識別情報を前記サービス提供装置に送信し、
前記デバイス識別情報と、前記組織識別情報と、前記利用許可情報と、を対応付けて、格納する、請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
クラウドサービスを提供する装置で、前記クラウドサービスを利用するデバイスおよび情報処理装置と通信可能な装置であるサービス提供装置であって、
前記デバイスを識別するデバイス識別情報を前記デバイスから受信し、さらに、前記情報処理装置に入力された前記デバイス識別情報を前記情報処理装置から受信する受信処理部と、
前記情報処理装置から受信した前記デバイス識別情報と、前記デバイスから受信した前記デバイス識別情報と、が合致する場合に、前記クラウドサービスの利用を許可する利用許可情報を前記デバイスに送信する送信処理部と、
を備える、サービス提供装置。
【請求項6】
クラウドサービスを提供するサービス提供装置と通信可能なデバイスで、前記クラウドサービスを利用する前記デバイスであって、
前記デバイスを識別するデバイス識別情報を前記サービス提供装置に送信する送信処理部と、
前記デバイスから前記サービス提供装置に送信された前記デバイス識別情報と、情報処理装置から前記サービス提供装置に送信された前記デバイス識別情報とが合致した場合に、前記サービス提供装置から送信される、前記クラウドサービスの利用を許可する利用許可情報を受信する受信処理部と、
前記利用許可情報を利用して、前記サービス提供装置の前記クラウドサービスを利用する利用部と、
を備える、デバイス。
【請求項7】
クラウドサービスを提供する装置で、前記クラウドサービスを利用するデバイスおよび情報処理装置と通信可能な装置であるサービス提供装置のコンピューターを、
前記デバイスから前記デバイスを識別するデバイス識別情報を受信し、さらに、前記情報処理装置から、前記情報処理装置に入力された前記デバイス識別情報を受信する受信処理部、及び
前記情報処理装置から受信した前記デバイス識別情報と、前記デバイスから受信した前記デバイス識別情報と、が合致する場合に、前記クラウドサービスの利用を許可する利用許可情報を前記デバイスに送信する送信処理部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
クラウドサービスを提供するサービス提供装置と通信可能なデバイスで、前記クラウドサービスを利用する前記デバイスのコンピューターを、
前記デバイスを識別するデバイス識別情報を前記サービス提供装置に送信する送信処理部、
前記デバイスから前記サービス提供装置に送信された前記デバイス識別情報と、情報処理装置から前記サービス提供装置に送信された前記デバイス識別情報とが合致した場合に、前記サービス提供装置から送信される、前記クラウドサービスの利用を許可する利用許可情報を受信する受信処理部、及び
前記利用許可情報を利用して、前記サービス提供装置の前記クラウドサービスを利用する利用部、
として機能させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供システム、サービス提供装置、デバイス及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンターがサーバーによるサービスを利用するために、サーバーから発行されたライセンスキーをプリンターに登録する技術が知られている。特許文献1には、サーバーで発行したライセンスキーをプリンターに入力することで、プリンターがサーバーによる監視サービスを利用するための設定を完了させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-56596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術においては、プリンター等のデバイスがクラウドサービスを利用するためには、ユーザーがPC等の装置を操作することで、クラウドサービスにおいて発行されたキーをプリンターに設定する必要があった。キーを設定するには、ユーザーが利用する装置にメールで送信されたキーの情報を、プリンターへのキー入力画面に入力する操作が必要であり、使い勝手がよくないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明は、クラウドサービスを利用するデバイスと、前記クラウドサービスを提供するサービス提供装置と、情報処理装置と、を備えたサービス提供システムであって、前記デバイスは、前記デバイスを識別するデバイス識別情報を前記サービス提供装置に送信し、前記情報処理装置は、前記デバイスから前記デバイス識別情報を取得し、前記クラウドサービスへのログイン後、前記デバイス識別情報を前記サービス提供装置に送信し、前記サービス提供装置は、前記デバイスから受信した前記デバイス識別情報と、前記情報処理装置から受信した前記デバイス識別情報と、が合致する場合に、前記クラウドサービスの利用を許可する利用許可情報を、前記デバイスに送信し、前記デバイスは、前記利用許可情報を利用して、前記サービス提供装置の前記クラウドサービスを利用する。
【0006】
また、上記目的を達成する本発明の他の形態は、クラウドサービスを提供する装置で、前記クラウドサービスを利用するデバイスおよび情報処理装置と通信可能な装置であるサービス提供装置であって、前記デバイスを識別するデバイス識別情報を前記デバイスから受信し、さらに、前記情報処理装置に入力された前記デバイス識別情報を前記情報処理装置から受信する受信処理部と、前記情報処理装置から受信した前記デバイス識別情報と、前記デバイスから受信した前記デバイス識別情報と、が合致する場合に、前記クラウドサービスの利用を許可する利用許可情報を前記デバイスに送信する送信処理部と、を備える。
【0007】
また、上記目的を達成する本発明の他の形態は、クラウドサービスを提供するサービス提供装置と通信可能なデバイスで、前記クラウドサービスを利用する前記デバイスであって、前記デバイスを識別するデバイス識別情報を前記サービス提供装置に送信する送信処理部と、前記デバイスから前記サービス提供装置に送信された前記デバイス識別情報と、情報処理装置から前記サービス提供装置に送信された前記デバイス識別情報とが合致した場合に、前記サービス提供装置から送信される、前記クラウドサービスの利用を許可する利用許可情報を受信する受信処理部と、前記利用許可情報を利用して、前記サービス提供装置の前記クラウドサービスを利用する利用部と、を備える。
【0008】
また、上記目的を達成する本発明の他の形態は、クラウドサービスを提供する装置で、前記クラウドサービスを利用するデバイスおよび情報処理装置と通信可能な装置であるサービス提供装置のコンピューターを、前記デバイスから前記デバイスを識別するデバイス識別情報を受信し、さらに、前記情報処理装置から、前記情報処理装置に入力された前記デバイス識別情報を受信する受信処理部、及び前記情報処理装置から受信した前記デバイス識別情報と、前記デバイスから受信した前記デバイス識別情報と、が合致する場合に、前記クラウドサービスの利用を許可する利用許可情報を前記デバイスに送信する送信処理部、として機能させるためのプログラムである。
【0009】
また、上記目的を達成する本発明の他の形態は、クラウドサービスを提供するサービス提供装置と通信可能なデバイスで、前記クラウドサービスを利用する前記デバイスのコンピューターを、前記デバイスを識別するデバイス識別情報を前記サービス提供装置に送信する送信処理部、前記デバイスから前記サービス提供装置に送信された前記デバイス識別情報と、情報処理装置から前記サービス提供装置に送信された前記デバイス識別情報とが合致した場合に、前記サービス提供装置から送信される、前記クラウドサービスの利用を許可する利用許可情報を受信する受信処理部、及び前記利用許可情報を利用して、前記サービス提供装置の前記クラウドサービスを利用する利用部、として機能させるための、プログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】サービス提供システムの全体構成図。
図2】サービス提供装置の構成図。
図3】プリンターの構成図。
図4】ユーザー装置の構成図。
図5】設定処理の概要の説明図。
図6】設定処理を示すシーケンス図。
図7】設定処理の説明図。
図8】サービス提供処理を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、実施形態にかかるサービス提供システム1の全体構成図である。サービス提供システム1は、サービス提供装置10と、プリンター20と、ユーザー装置30と、を備えている。サービス提供装置10、プリンター20及びユーザー装置30は、ネットワークNを介して接続される。
【0012】
サービス提供装置10は、クラウドサービスを提供するサーバー装置である。クラウドサービスとは、対象となるデバイスの監視や管理を行うサービスである。本実施形態のサービス提供装置10は、デバイスとしてのプリンター20に対してクラウドサービスを提供する。プリンター20は、クラウドサービスを利用するデバイスの一例である。図1においては、プリンター20は、1台のみを示しているが、サービス提供装置10は、複数のプリンター20に対してクラウドサービスを提供する。
【0013】
サービス提供システム1においては、クラウドサービスを利用するデバイスは、デバイスが属する組織単位で管理される。ここで、組織は、例えば会社や、事業所など、複数のユーザーが属するグループである。サービス提供装置10は、クラウドサービスを利用するデバイスを、組織と対応付けて登録し、クラウドサービスの利用に必要なエージェントキーを発行する。そして、サービス提供装置10は、プリンター20を組織単位で管理し、プリンター20のエラー発生時などには、組織が利用するPC等の装置に通知を行う。ここで、エージェントキーは、クラウドサービスの利用を許可する利用許可情報の一例である。
【0014】
図2は、サービス提供装置10の構成図である。サービス提供装置10は、プロセッサー11と、不揮発性メモリー12と、通信部13と、を備える。プロセッサー11は、図示しないCPUやROMやRAM等を備え、不揮発性メモリー12に記録された種々のプログラムを実行し、サービス提供装置10の各部を制御することができる。なお、プロセッサー11は、単一のチップで構成されてもよく、複数のチップで構成されてもよく、様々な機能ブロックとともにSoCとして構成されてもよい。また、プロセッサー11は、例えばCPUに替えてASICを有してもよく、CPUとASICとの協働により実現されてもよい。
【0015】
プロセッサー11は、不揮発性メモリー12やROM等に格納されたプログラムを実行することにより、受信処理部111及び送信処理部112として機能する。すなわち、以下において、受信処理部111及び送信処理部112が実行するものとして記載する処理は、プロセッサー11が実行する処理である。受信処理部111は、通信部13を介して情報を受信する。送信処理部112は、通信部13を介して情報を送信する。
【0016】
通信部13は、外部機器と各種の通信プロトコルに従って通信するための通信インターフェースを含む。プロセッサー11は、通信部13を介して他の装置との通信を行う。
【0017】
不揮発性メモリー12には、組織DB121と、エージェントキーDB122と、が格納されている。組織DB121には、サービス提供システム1において登録がなされた組織に関する情報が格納されている。具体的には、組織DB121には、組織を識別する組織識別情報である組織IDに対応付けて、登録日、組織名等の組織に関する情報が登録されている。
【0018】
エージェントキーDB122には、組織に対して発行されたエージェントキーが格納されている。具体的には、エージェントキーDB122には、エージェントキーと、エージェントキーが割り当てられた組織の組織IDと、エージェントキーが割り当てられたプリンターの識別情報であるシリアル番号と、が対応付けて格納されている。ここで、シリアル番号は、プリンター20、すなわちデバイスを、サービス提供装置10が識別するためのデバイス識別情報の一例である。エージェントキーDB122へのエージェントキーの登録は、後述する、エージェントキーの設定処理において実行される。本処理については、後に詳述する。
【0019】
図3は、プリンター20の構成図である。プリンター20は、プロセッサー21と、不揮発性メモリー22と、通信部23と、ユーザーインターフェース(UI)部24と、印刷部25と、を備える。プロセッサー21は、図示しないCPUやROMやRAM等を備え、不揮発性メモリー22に記録された種々のプログラムを実行し、プリンター20の各部を制御することができる。プロセッサー21のハードウェア構成は、プロセッサー11と同様に種々の形態が想定される。
【0020】
プロセッサー21は、不揮発性メモリー22やROM等に格納されたプログラムを実行することにより、受信処理部211、送信処理部212及び利用部213として機能する。すなわち、以下において、受信処理部211、送信処理部212及び利用部213が実行するものとして記載する処理は、プロセッサー21が実行する処理である。受信処理部211は、通信部23を介して情報を受信する。送信処理部212は、通信部23を介して情報を送信する。利用部213は、クラウドサービスを利用した処理を行う。
【0021】
通信部23は、通信部13と同様に、通信インターフェースを含み、外部装置と通信を行う。プロセッサー21は、通信部23を介して他の装置との通信を行う。
【0022】
UI部24は、ユーザーが操作を行う操作部と、表示部と、を含む。UI部24は、具体的には、タッチパネルディスプレイや各種のキーやスイッチやLED等を含む。タッチパネルディスプレイは、各種の情報を表示する表示パネルと、当該表示パネルに重ねられたタッチ検出パネルとを備え、タッチ操作を検出する。プロセッサー21は、UI部24を介してユーザーの操作内容を取得する。また、プロセッサー21は、UI部24としての表示部に各種の情報を表示する。
【0023】
印刷部25は、印刷媒体への印刷を行う。印刷方式は限定されず、例えば、インクジェット方式やトナー方式、昇華式等の各種の方式を採用可能である。また、印刷媒体は印刷用紙に限定されず、布や陶器、樹脂など、各種の印刷媒体であってよい。印刷部25は、各種の媒体に印刷を実行するためのアクチュエーターや各種装置、センサー、駆動回路、機械部品等を備える。
【0024】
図4は、ユーザー装置30の構成図である。ユーザー装置30は、携帯型の情報処理装置であって、プロセッサー31と、不揮発性メモリー32と、通信部33と、UI部34と、カメラ35と、を備える。プロセッサー31は、図示しないCPUやRAM等を備え、不揮発性メモリー32に記録された種々のプログラムを実行し、ユーザー装置30の各部を制御することができる。プロセッサー31のハードウェア構成は、プロセッサー11及びプロセッサー21と同様に、種々の形態が想定される。
【0025】
プロセッサー31は、不揮発性メモリー32やROM等に格納されたプログラムを実行することにより、受信処理部311及び送信処理部312として機能する。すなわち、以下において、受信処理部311及び送信処理部312が実行するものとして記載する処理は、プロセッサー31が実行する処理である。受信処理部311は、通信部33を介して情報を受信する。送信処理部312は、通信部33を介して情報を送信する。
【0026】
通信部33は、通信部13及び通信部23と同様に、通信インターフェースを含み、外部装置と通信を行う、プロセッサー31は、通信部33を介して他の装置と通信を行う。UI部34は、ユーザーから操作を行う操作部と、表示部と、を含む。UI部34は、具体的には、タッチパネルディスプレイ等を含む。プロセッサー31は、UI部34を介してユーザーの操作内容を取得する。また、プロセッサー31は、UI部34としての表示部に各種の情報を表示する。カメラ35は、画像を撮影する。カメラ35は、例えば、2次元コードの画像を撮影する。
【0027】
図5は、エージェントキーの設定処理の概略を説明するための図である。プリンター20がクラウドサービスを利用するためには、サービス提供装置10から発行されたエージェントキーがプリンター20に設定されている必要がある。設定処理は、組織のメンバーが、プリンター20を用いて、サービス提供装置10により提供されるクラウドサービスを利用するために、プリンター20にエージェントキーを設定する処理である。
【0028】
設定処理においては、まずユーザーは、プリンター20において、プリンター登録画面を表示させ、このプリンター登録画面に表示された、登録開始ボタンを押下する(i)。これにより、プリンター20のシリアル番号がプリンター20からサービス提供装置10に送信され、仮登録が完了する(ii)。そして、プリンター20のUI部24としての表示部には、プリンター登録画面200が表示される。プリンター登録画面200には、2次元コード202が表示される。2次元コード202には、シリアル番号の情報が含まれる。ここで、2次元コード202は、コード画像の一例である。なお、コード画像は、2次元コードの画像に限定されるものではなく、バーコードであってもよい。
【0029】
また、前提として、ユーザーが属する組織は、クラウドサービスに組織IDを登録する登録処理が完了し、ユーザー装置30には、組織IDが登録されているものとする。そして、ユーザーは、ユーザー装置30を操作することで、クラウドサービスにログインを完了させた上で、UI部34としての表示部にプリンター登録画面を表示させる。そして、ユーザーが、案内に従い、カメラ35により、2次元コード202をスキャンする(読み取る)。これにより、ユーザー装置30は、プリンター20のシリアル番号を取得する(iii)。そして、ユーザー装置30は、シリアル番号を、ユーザーが所属する組織の組織IDと対応付けて、サービス提供装置10に送信する。サービス提供装置10は、シリアル番号と組織IDとを受信すると、これらに対応付けて、エージェントキーを発行する(v)。以上で、本登録が完了する。
【0030】
さらに、ユーザーは、2次元コード202のスキャンを完了した後で、プリンター登録画面200に表示されるOKボタン204を押下する(vi)。OKボタン204が押下されると、プリンター20は、再びシリアル番号をサービス提供装置10に送信する。これに対し、サービス提供装置10は、受信したシリアル番号に対応付けられたエージェントキーを返す(vii)。以上の処理により、プリンター20へのエージェントキーの設定が完了する。
【0031】
図6は、エージェントキーの設定処理の詳細を示すシーケンス図である。エージェントキーの設定の前提として、ユーザーは、ユーザー装置30においてクラウドサービスへのログインを完了させておく。具体的には、ユーザー装置30のプロセッサー31は、クラウドサービスのアプリケーションを起動させる(ステップS100)。次に、プロセッサー31は、ユーザー操作に応じて、ユーザーが所属する組織の組織IDをサービス提供装置10に送信することで、クラウドサービスへのログインを行う(ステップS102)。
【0032】
そして、エージェントキーの設定を行うべく、ユーザーによるプリンター20のUI部24の操作に応じて、プリンター20のプロセッサー21は、表示部にプリンター登録画面を表示させる(ステップS110)。次に、ユーザー操作に応じて、登録開始ボタンが押下されると、プロセッサー21は、登録開始の指示を受け付ける(ステップS112)。次に、送信処理部212は、仮登録用のWebAPI(Web Application Programming Interface)を呼び出し、仮登録用のWebAPIにより、シリアル番号を送信することにより、仮登録を行う(ステップS114)。サービス提供装置10の受信処理部111が、シリアル番号を受信すると、プロセッサー11は、シリアル番号をエージェントキーDB122へ仮登録する(ステップS116)。
【0033】
図7に示すように、エージェントキーDB122には、組織IDと、プリンターのシリアル番号と、エージェントキーとが対応付けて格納されている。受信処理部111は、シリアル番号の仮登録においては、図7の上段に示すエージェントキーDB122の2行目のように、シリアル番号「SN2345678」をエージェントキーDB122へ登録する。このとき、組織IDと、エージェントキーは登録されず、組織IDの登録待ちの状態となる。
【0034】
サービス提供装置10の送信処理部112は、仮登録が完了すると、仮登録の完了通知をプリンター20に送信する。プリンター20の受信処理部211は、仮登録の完了通知を受信すると、処理をステップS118へ進める。プリンター20のプロセッサー21は、エラーが発生した場合には処理をステップS152へ進める。なお、プロセッサー21は、シリアル番号の送信から一定期間完了通知を受信しない場合に、エラーが発生したと判断する。そして、ステップS118において、プロセッサー21は、プリンター20に予め設定された、当該プリンター20のシリアル番号の情報を含む2次元コードを生成する。次に、プロセッサー21は、2次元コードをプリンター登録画面に表示させる(ステップS120)。
【0035】
一方で、ユーザーによる、ユーザー装置30のUI部34を操作に応じて、プロセッサー31は、表示部にプリンター登録画面を表示させる(ステップS122)。次に、ユーザー操作に応じて、プリンター登録画面に表示された、スキャンボタンが押下されると、プロセッサー31は、2次元コード読取指示を受け付ける(ステップS124)。次に、プロセッサー31は、ユーザー操作に従い、カメラ35を制御することで、2次元コードのスキャンを行う(ステップS126)。次に、送信処理部312は、本登録用のWebAPIを呼び出し、本登録用のWebAPIにより、2次元コードに含まれるシリアル番号と、ユーザーが所属する組織の組織IDとを、対応付けてサービス提供装置10へ送信する。すなわち、送信処理部312は、本登録を行う(ステップS128)。
【0036】
サービス提供装置10の受信処理部111が、ユーザー装置30からシリアル番号と組織IDを受信する。そして、プロセッサー11は、受信したシリアル番号が、エージェントキーDB122に登録されているシリアル番号に合致するか否かを確認する(ステップS130)。ここで、エージェントキーDB122に登録されているシリアル番号は、プリンター20から送信されたシリアル番号である。受信したシリアル番号がエージェントキーDB122に登録されているシリアル番号に合致する場合には、プロセッサー11は、シリアル番号と共に受信した組織IDを、シリアル番号に対応付けてエージェントキーDB122に登録する。そして、プロセッサー11は、組織登録の完了通知をユーザー装置30に送信する(ステップS132)。一方、受信したシリアル番号がエージェントキーDB122に登録されているシリアル番号に合致しない場合には、送信処理部112は、対象のシリアル番号が見つからない旨のエラー通知をユーザー装置30に送信する。
【0037】
ユーザー装置30は、エラー通知を受信した場合には、エラー画面を表示させ(ステップS134)、処理を終了する。ユーザー装置30は、組織登録の完了通知を受信した場合には、プリンター登録の準備完了画面を表示させる(ステップS136)。
【0038】
ユーザーは、この準備完了画面を確認した後、プリンター20のプリンター登録画面200に表示されるOKボタン204を押下する。これに対応し、プロセッサー21は、登録完了の入力を受け付ける(ステップS138)。次に、送信処理部212は、エージェントキー取得用のWebAPIを呼び出し、エージェントキー取得用のWebAPIにより、シリアル番号を、サービス提供装置10へ送信する(ステップS140)。
【0039】
サービス提供装置10の受信処理部211がシリアル番号を受信すると、プロセッサー21は、エージェントキーDB122に同一のシリアル番号が組織IDに対応付けて登録されているか否かを確認する(ステップS142)。シリアル番号が登録されていない場合、および、シリアル番号に組織IDが対応付けられていない場合には、送信処理部212は、シリアル番号の確認ができなかった旨のエラー通知をプリンター20に送信する。
【0040】
組織IDに対応付けてシリアル番号が登録されている場合には、プロセッサー11は、エージェントキーを発行する(ステップS144)。エージェントキーには、クラウドサービスを利用する際の接続先を示すURLと、接続開始要求を行うためのパスワードと、が含まれる。そして、プロセッサー11は、エージェントキーを、シリアル番号に対応付けて、エージェントキーDB122に登録する。さらに、送信処理部212は、エージェントキーをプリンター20に送信する。これにより、図7の下段に示すように、シリアル番号「AN2345678」に対応付けて、組織ID「CD会社」と、エージェントキー「YYY」が登録される。
【0041】
プリンター20においては、エラー通知を受信した場合には、プロセッサー21は、処理をステップS152へ進める。エージェントキーを受信した場合には、プロセッサー21は、処理をステップS146へ進める。ステップS146において、プロセッサー21は、エージェントキーを用いてクラウド接続を試みる。具体的には、送信処理部212は、エージェントキーと共に、接続要求をサービス提供装置10に送信する。サービス提供装置10のプロセッサー11は、エージェントキーと接続要求を受信すると、クラウドサービスへの接続処理を行う(ステップS148)。そして、送信処理部112は、接続処理の結果をプリンター20に送信する。
【0042】
プリンター20の受信処理部211が接続処理の結果として成功の通知を受信した場合には、プロセッサー21は、プリンターの登録完了画面を表示部に表示させる(ステップS150)。受信処理部211が、接続処理の結果として失敗の通知を受信した場合、および、接続要求を送信してから一定時間、接続処理の結果を受信しない場合は、プロセッサー21は、処理をステップS152へ進める。S152において、プロセッサー21は、エラー画面を表示させる。以上で、設定処理が完了する。
【0043】
以上のように、本実施形態のサービス提供システム1においては、ユーザー装置30は、プリンター20に表示された2次元コードをユーザー装置30のカメラ35でスキャンすることで、シリアル番号を取得することができる。そして、ユーザー装置30は、シリアル番号と組織IDとをサービス提供装置10に送信する。サービス提供装置10では、プロセッサー11は、プリンター20から送信されたシリアル番号と、ユーザー装置30から送信されたシリアル番号とを受信する。そして、プロセッサー11は、両シリアル番号が合致した場合に、エージェントキーをプリンター20に送信する。
【0044】
図8は、サービス提供処理を示すシーケンス図である。サービス提供処理は、設定処理が完了したプリンター20がクラウドサービスを利用する場合に実行される処理である。ユーザーにより、プリンター20にエージェントキーが入力されると、プロセッサー21は、エージェントキーを受け付ける(ステップS200)。次に、プロセッサー21は、エージェントキーからパラメーターとして、接続先のURLと、接続開始要求を行うためのパスワードと、を抽出する(ステップS204)。次に、送信処理部212は、接続先のURLを利用し、パスワードと共に接続開始要求をサービス提供装置10に送信する(ステップS206)。
【0045】
サービス提供装置10の受信処理部111が接続開始要求を受信すると、送信処理部112は、証明書をプリンター20に送信する(ステップS208)。その後、サービス提供装置10の送信処理部112がプリンター20に証明書を送信することで、サービス提供装置10とプリンター20の間で、コネクションが確立される(ステップS210、ステップS212)。そして、コネクションが確立された後は、任意のタイミングで、サービス提供装置10とプリンター20の間の双方向の通信が可能となる。
【0046】
例えば、サービス提供装置10から処理要求が送信されると(ステップS214)、プリンター20の利用部213は、処理要求に応じた処理を行う(ステップS216)。その後、送信処理部212は、完了通知をサービス提供装置10に送信する(ステップS218)。以上のように、プリンター20は、エージェントキーの設定が完了した後は、エージェントキーを利用して、クラウドサービスを利用することができる。
【0047】
以上のように、本実施形態のサービス提供システム1においては、ユーザー装置30は、プリンター20からシリアル番号を取得することができる。そして、シリアル番号と組織IDとをサービス提供装置10に送信し、サービス提供装置10では、プリンター20から送信されたシリアル番号と、ユーザー装置30から送信されたシリアル番号が合致した場合に、エージェントキーを送信する。このように、サービス提供システム1においては、簡単な操作で、サービスの利用許可情報をデバイスに、正確に設定することができる。
【0048】
従来技術においては、利用許可情報の設定において、ユーザー装置に送信されたシリアル番号が利用されていたため、シリアル番号とプリンターの対応関係を誤って設定がなされることがあった。これに対し、本実施形態においては、ユーザー装置30は、プリンター20に表示された2次元コードを取得することで、プリンター20からシリアル番号を取得する。したがって、本実施形態のサービス提供システム1は、プリンターとシリアル番号の対応関係を誤って設定するのを防ぐことができる。
【0049】
また、本実施形態においては、サービス提供装置10は、ユーザー装置30からシリアル番号と共に組織IDを受信し、組織IDとエージェントキーとを対応付ける。これにより、組織と対応付けたデバイス管理を可能とすることができる。
【0050】
(3)付記:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。そうした第1の変形例としては、サービス提供装置10が実行する、エージェントキーの発行と、クラウドサービスの提供は、別の装置により実現されてもよい。
【0051】
また、第2の変形例としては、本実施形態においては、クラウドサービスを利用するデバイスがプリンターである場合を例に説明したが、デバイスは、クラウドサービスを利用可能な機器であればよく、プリンターに限定されるものではない。
【0052】
第3の変形例としては、プリンター20の識別情報は、サービス提供システム1の各装置がプリンター20を特定できる情報であればよく、シリアル番号に限定されるものではない。
【0053】
第4の変形例としては、ユーザー装置30がシリアル番号を取得するための処理は、実施形態に限定されるものではない。他の例としては、プリンター20の表示部にシリアル番号に対応付けられたテキスト情報(文字、数字、記号を含む)が表示され、このテキスト情報をユーザーがユーザー装置30に入力してもよい。なお、この場合のテキスト情報は、シリアル番号に比べて、文字数が少ないことが好ましい。また、他の例としては、シリアル番号がBluetooth(登録商標)などの近距離通信により、プリンター20からユーザー装置30送信されてもよい。
【0054】
第5の変形例としては、サービス提供システム1は、組織に替えて、ユーザーに対応付けて、デバイスを登録してもよい。この場合には、サービス提供装置10には、組織DBに替えて、ユーザーDBが格納され、ユーザーDBには、登録ユーザーを識別するユーザー識別情報であるユーザーIDがユーザー情報に対応付けて登録される。また、エージェントキーDBには、組織IDに替えて、ユーザーIDが登録される。そして、ユーザー装置30は、ユーザーIDによりサービス提供装置10にログインし、ユーザーIDとシリアル番号とを対応付けてサービス提供装置10に送信すればよい。これにより、ユーザー単位でのデバイス管理を可能とすることができる。
【0055】
さらに、本発明は、コンピューターが実行するプログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置が備える部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリーであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0056】
1…サービス提供システム、10…サービス提供装置、11…プロセッサー、12…不揮発性メモリー、13…通信部、20…プリンター、21…プロセッサー、22…不揮発性メモリー、23…通信部、24…UI部、25…印刷部、30…ユーザー装置、31…プロセッサー、32…不揮発性メモリー、33…通信部、34…UI部、35…カメラ、111…受信処理部、112…送信処理部、121…組織DB、122…エージェントキーDB、211…受信処理部、212…送信処理部、213…利用部、311…受信処理部、312…送信処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8