(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129962
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】プロジェクター、投写方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20240920BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240920BHJP
G09G 5/373 20060101ALI20240920BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20240920BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240920BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20240920BHJP
G03B 21/26 20060101ALI20240920BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240920BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20240920BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20240920BHJP
【FI】
H04N5/74 Z
G09G5/00 510B
G09G5/373 100
G09G5/377 100
G09G5/00 520V
G09G5/00 550H
G09G5/37 600
G09G5/38 100
G03B21/26
G03B21/00 E
G06F3/14 400
G06F3/0482
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039396
(22)【出願日】2023-03-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】吉村 順
(72)【発明者】
【氏名】川部 源太
【テーマコード(参考)】
2K203
5B069
5C058
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA22
2K203FA34
2K203FA43
2K203FA44
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2K203KA83
2K203MA21
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5E555AA29
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5E555DC09
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】投写する画像の自由度を高め、ユーザーの利便性を向上させたプロジェクター、投写方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】プロジェクター100は、光学装置である液晶パネル163及び投写レンズ165と、少なくとも1つのプロセッサー173と、を含み、少なくとも1つのプロセッサー173は、光学装置を制御することによって、第1サイズのコンテンツ画像200と、コンテンツ画像200の外側に、コンテンツ画像200の輪郭に沿って配置された装飾画像300と、とを含む合成画像400を投写する第1モードと、光学装置を制御することによって、コンテンツ画像200を第1サイズよりも大きい第2サイズで投写する第2モードと、で動作する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学装置と、
少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
前記光学装置を制御することによって、第1サイズの第1画像と、前記第1画像の外側に、前記第1画像の輪郭に沿って配置された第2画像と、を含む第3画像を投写する第1モードと、
前記光学装置を制御することによって、前記第1画像を前記第1サイズよりも大きい第2サイズで投写する第2モードと、
で動作する、プロジェクター。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
前記第1モードにおいて、前記第3画像を前記第2サイズで投写する、
請求項1記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
前記第1モードにおいて、前記第1画像と前記第2画像とが重ならないように前記第3画像を投写する、
請求項1又は2記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記第3画像は、前記第1画像が配置される第1領域と、前記第2画像が配置される第2領域と、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
前記第1領域の第1アスペクト比と、前記第1画像の第2アスペクト比と、が異なる場合に、前記第2アスペクト比の前記第1画像を含む前記第3画像を投写する、
請求項3記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記第3画像は、前記第1画像が配置される第1領域と、前記第2画像が配置される第2領域と、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
前記第1領域の第1アスペクト比と、前記第1画像の第2アスペクト比と、が異なる場合、前記第1アスペクト比の第1画像を含む前記第3画像を投写する、
請求項3記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記光学装置は、少なくとも1つの表示パネルを含み、
前記第3画像のサイズは、前記少なくとも1つの表示パネルに画像を描画可能な最大サイズよりも小さい、
請求項1又は2記載のプロジェクター。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
前記光学装置を制御することによって、第1外観を有する第1候補画像と、前記第1外観とは異なる第2外観を有する第2候補画像と、を含むユーザーインターフェース画像を投写することをさらに実行し、
前記ユーザーインターフェース画像により前記第1候補画像を選択する操作を受け付けた場合に、前記第1モードにおいて、前記第2画像として前記第1候補画像に対応する画像を投写する、
請求項1又は2記載のプロジェクター。
【請求項8】
前記ユーザーインターフェース画像は、ユーザーの操作により表示位置が変更される操作子を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
前記操作子が前記第1候補画像に重畳される場合に、前記第2画像として前記第1候補画像に対応する画像を含む前記第3画像を投写する、
請求項7記載のプロジェクター。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
前記光学装置を制御することによって、前記第1画像に重畳され、前記第1画像よりも透過率が高い第4画像をさらに含む前記第3画像を投写する、
請求項1又は2記載のプロジェクター。
【請求項10】
前記第3画像は、前記第1画像が配置される第1領域と、前記第2画像が配置される第2領域と、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
前記第1領域の第1アスペクト比が、前記第1画像の第2アスペクト比に一致する前記第1候補画像及び前記第2候補画像を含む前記ユーザーインターフェース画像を投写する、
請求項7記載のプロジェクター。
【請求項11】
第1モードにおいて、第1サイズの第1画像と、前記第1画像の外側に、前記第1画像の輪郭に沿って配置された第2画像と、を含む第3画像を投写することと、
第2モードにおいて、前記第1画像を前記第1サイズよりも大きい第2サイズで投写することと、
を含む、投写方法。
【請求項12】
コンピューターに、
第1モードにおいて、第1サイズの第1画像と、前記第1画像の外側に、前記第1画像の輪郭に沿って配置された第2画像と、を含む第3画像を投写することと、
第2モードにおいて、前記第1画像を前記第1サイズよりも大きい第2サイズで投写することと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、投写方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーの好みに合わせた画像を提供する技術が知られている。
例えば、特許文献1は、画像表示部と、画像表示部の周辺に位置する額縁部と、を備え、額縁部の幅を可変自在に制御可能に構成した画像表示装置を開示する。額縁部は、画像表示部を囲む非画像表示領域と、非画像表示領域を囲むフレーム部とを備え、非画像表示領域の幅を変更することで、額縁部の幅が可変自在に制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の画像表示装置は、画像表示装置の構造上、フレーム部の位置や形を変更することができない。このため、画像表示部が表示する画像に対して行える演出の自由度は高くなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、光学装置と、少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記光学装置を制御することによって、第1サイズの第1画像と、前記第1画像の外側に、前記第1画像の輪郭に沿って配置された第2画像と、とを含む第3画像を投写する第1モードと、前記光学装置を制御することによって、前記第1画像を前記第1サイズよりも大きい第2サイズで投写する第2モードと、で動作する、プロジェクターである。
【0006】
本開示は、第1モードにおいて、第1サイズの第1画像と、前記第1画像の外側に、前記第1画像の輪郭に沿って配置された第2画像と、とを含む第3画像を投写することと、第2モードにおいて、前記第1画像を前記第1サイズよりも大きい第2サイズで投写することと、を含む、投写方法である。
【0007】
本開示は、コンピューターに、第1モードにおいて、第1サイズの第1画像と、前記第1画像の外側に、前記第1画像の輪郭に沿って配置された第2画像と、とを含む第3画像を投写することと、第2モードにおいて、前記第1画像を前記第1サイズよりも大きい第2サイズで投写することと、を実行させるプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図6】第1UI画像が表示された投写画像を示す図。
【
図7】コンテンツ領域に合成画像が表示された投写画像を示す図。
【
図8】コンテンツ領域にUI領域の一部を重畳させた投写画像を示す図。
【
図9】プロジェクターの動作を示すフローチャート。
【
図10】プロジェクターの動作を示すフローチャート。
【
図12】
図11に示す装飾画像をコンテンツ画像に合成した投写画像を示す図。
【
図15】コンテンツ画像の表示位置を上方向に移動させた投写画像を示す図。
【
図16】装飾画像の表示位置を上方向に移動させた投写画像を示す図。
【
図18】装飾画像の表示サイズを縮小させた投写画像を示す図。
【
図19】コンテンツ画像の表示サイズを拡大させた投写画像を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0010】
[1.プロジェクターの構成]
図1は、プロジェクター100の構成を示すブロック図である。
図1を参照しながらプロジェクター100の構成について説明する。
プロジェクター100は、操作部110、操作信号受信部120、画像入力インターフェース130、フレームメモリー140、画像処理部150、画像投写部160及び制御部170を備える。以下では、インターフェースをI/Fと略記する。
【0011】
操作部110は、複数の操作キーを備える。ユーザーは、操作部110の操作キーを操作することでプロジェクター100に対して各種指示を入力する。ユーザーが操作部110の操作キーを操作すると、操作部110は、操作された操作キーに対応した操作信号を制御部170に出力する。操作部110が備える操作キーには、電源のオンとオフとを切り替えるための電源キー、各種設定を行うためのメニューを表示させるメニューキー、メニューの項目を選択するための方向キー、操作を決定するエンターキー等が含まれる。
【0012】
操作信号受信部120は、赤外線信号の受信装置であり、図示しない受光素子やデコーダー等を備える。操作信号受信部120は、リモコン10から送信される赤外線信号を受信してデコードする。操作信号受信部120は、赤外線信号をデコードし、リモコン10の操作された操作キーやボタンに対応した操作信号を制御部170に出力する。操作信号受信部120は、リモコン10からBluetooth等の無線信号を受信してもよい。Bluetoothは登録商標である。無線信号を受信する場合は、操作信号受信部120は、アンテナ及び受信回路を含んでもよい。操作部110、及び操作信号受信部120は、操作入力I/Fと言うこともできる。
【0013】
リモコン10は、操作部110と同様の複数の操作キーを備える。例えば、リモコン10は、各種設定を行うためのメニューを表示させるメニューキー、メニューの項目を選択するための方向キー、操作を決定するエンターキー等を備える。また、リモコン10は、表示モードを第1モード又は第2モードに変更する第1変更ボタンや、情報処理装置50から供給される入力画像に合成する装飾画像300を変更する第2変更ボタンを備える。さらに、リモコン10は、入力画像や装飾画像300の表示位置や表示サイズを変更する第3変更ボタンを備える。入力画像や装飾画像300、第1モード、第2モードについては後述する。リモコン10は、スマートフォンなどの携帯端末であってもよい。この場合は、携帯端末にインストールされたアプリケーションソフトウェアによって、携帯端末のタッチパネルに操作キーのI/F画像が表示される。
【0014】
画像入力I/F130は、コネクター及びインターフェース回路を備え、ケーブル55を介して情報処理装置50に有線接続される。情報処理装置50は、プロジェクター100に画像信号を供給する外部装置であり、例えば、デスクトップ型、ノート型、タブレット型等のパーソナルコンピューターや、スマートフォン等が用いられる。画像入力I/F130は、ケーブル55を介して受信した画像信号に含まれる入力画像を取り出し、取り出した入力画像を画像処理部150に出力する。画像入力I/F130には、例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)が用いられる。HDMIは、登録商標である。本実施形態では、情報処理装置50とプロジェクター100との接続形態が有線である場合について説明するが、情報処理装置50とプロジェクター100との接続形態は無線であってもよい。
【0015】
画像処理部150には、フレームメモリー140が接続される。また、画像処理部150は、OSD(On Screen Display)処理部155を備える。
画像処理部150は、情報処理装置50から入力される入力画像をフレームメモリー140に展開する。
【0016】
OSD処理部155は、制御部170の制御に基づき、フレームメモリー140に展開された入力画像にOSD画像を重畳する。OSD画像には、後述する第1ユーザーインターフェース画像540や、第2ユーザーインターフェース画像600が含まれる。以下、ユーザーインターフェースをUIと略記する。OSD処理部155は、図示しないOSDメモリーを備える。OSDメモリーは、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶する。OSD処理部155は、制御部170によりOSD画像の重畳を指示されると、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、フレームメモリー140に展開された入力画像に重畳する。
【0017】
画像処理部150は、フレームメモリー140に展開した画像に対して、例えば、解像度変換処理、又はリサイズ処理、歪曲収差の補正、形状補正処理、デジタルズーム処理、画像の色合いや輝度の調整等の画像処理を行う。フレームメモリー140に展開した画像は、入力画像、又は、入力画像にOSD画像が重畳された画像である。
画像処理部150は、フレームメモリー140に展開した画像の情報である画像情報を画像投写部160のパネル駆動部167に出力する。
【0018】
フレームメモリー140及び画像処理部150は、例えば、集積回路により構成される。集積回路には、LSI(Large Scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-chip)等が含まれる。また、フレームメモリー140及び画像処理部150は、集積回路の構成の一部にアナログ回路が含まれていてもよく、制御部170と集積回路とが組み合わされた構成であってもよい。
【0019】
画像投写部160は、光源161、光変調装置としての3つの液晶パネル163R,163G,163B、光学系ユニットとしての投写レンズ165、パネル駆動部167等を備える。以下、液晶パネル163R,163G,163Bを総称する場合、液晶パネル163と表記する。液晶パネル163は、表示パネルに相当する。画像投写部160が備える光源161、液晶パネル163R,163G,163B、及び、投写レンズ165は、光学装置に相当する。
【0020】
光源161は、発光ダイオードや半導体レーザー等の固体光源を含んで構成される。光源161には、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどの放電型の光源ランプを用いてもよい。制御部170の指示により光源161が射出した光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離される。その後、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成に分離された光は、液晶パネル163R,163G,163Bにそれぞれ入射される。液晶パネル163R,163G,163Bに入射される各色光成分に分離された光を色光という。
【0021】
液晶パネル163R,163G,163Bは、それぞれ一対の透明基板間に液晶が封入された透過型の液晶パネル等によって構成される。各液晶パネル163には、マトリクス状に配列された複数の画素からなる矩形の画像形成領域164R,164G,164Bが形成されており、画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
【0022】
パネル駆動部167は、液晶パネル163R,163G,163Bの画像形成領域164R,164G,164Bに画像を形成する。具体的には、パネル駆動部167は、制御部170の指示に従い、画像処理部150から入力される画像情報に応じた駆動電圧を、画像形成領域164R,164G,164Bの各画素に印加し、各画素を画像情報に応じた光透過率に設定する。光源161から射出された光は、液晶パネル163R,163G,163Bの画像形成領域164R,164G,164Bを透過することによって画素毎に変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラー画像を表す画像光となり、投写レンズ165により投写面であるスクリーン30に拡大投写される。本実施形態では、投写面がスクリーン30である場合を示すが、室内の壁面や天井、屋外の外壁等を投写面として用いることも可能である。
【0023】
制御部170は、記憶部171と、プロセッサー173と、を備える。
【0024】
記憶部171は、揮発性の記憶装置と、不揮発性の記憶装置と、を備える。
揮発性の記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)等によって構成される。不揮発性の記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリー、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等により構成される。揮発性の記憶装置は、プロセッサー173の演算領域として使用される。
不揮発性の記憶装置は、プロセッサー173が実行する制御プログラムや、装飾画像300及び配置情報を記憶する。装飾画像300及び配置情報の詳細については、
図3を参照しながら後述する。装飾画像300は、第2画像に相当する。
【0025】
プロセッサー173は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサーを備える演算処理装置である。プロセッサー173は、単一のプロセッサーにより構成してもよいし、複数のプロセッサーにより構成することも可能である。また、プロセッサー173は、記憶部171の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoCにより構成してもよい。また、プロセッサー173は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)との組合せにより構成してもよい。さらに、プロセッサー173の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0026】
[2.プロジェクターの動作]
以下の説明では、プロジェクター100がスクリーン30に画像光を投写して、スクリーン30に画像を形成することを、表示という。また、プロジェクター100がスクリーン30に表示する画像を投写画像500という。プロジェクター100が情報処理装置50から受信する画像信号に含まれる入力画像を、コンテンツ画像200という。また、以下の説明では、ユーザーがリモコン10を操作してプロジェクター100に処理を実行させる場合について説明するが、操作部110を操作することでもプロジェクター100に同様の処理を実行させることができる。
【0027】
プロジェクター100は、スクリーン30に画像を表示する表示モードとして、第1モードと、第2モードと、を備える。
【0028】
第1モードでは、プロジェクター100は、情報処理装置50から受信する画像信号に含まれるコンテンツ画像200に、装飾画像300を合成することによって、合成画像400を生成する。また、第1モードでは、プロジェクター100は、生成した合成画像400に基づく画像光をスクリーン30に表示する。コンテンツ画像200は、第1画像に相当する。合成画像400は、第3画像に相当する。
【0029】
第2モードでは、プロジェクター100は、情報処理装置50から受信する画像信号に含まれるコンテンツ画像200をスクリーン30に表示する。第2モードで動作するプロジェクター100は、コンテンツ画像200に装飾画像300を合成する動作を行わない。プロジェクター100は、第2モードで動作する場合、コンテンツ画像200に基づく画像光を生成して、生成した画像光をスクリーン30に表示する。
【0030】
第1モードでプロジェクター100が表示する合成画像400の全体のサイズと、第2モードでプロジェクター100が表示するコンテンツ画像200のサイズとは、同一の第2サイズである。第1モードでは合成画像400の中にコンテンツ画像200が含まれている。このため、第1モードで表示されるコンテンツ画像200のサイズは、第2モードで表示されるコンテンツ画像200のサイズよりも小さい。換言すると、プロジェクター100は、第1モードでコンテンツ画像200を第1サイズでスクリーン30に表示し、第2モードでコンテンツ画像200を第2サイズで表示し、第2サイズは第1サイズよりも大きい。
【0031】
本実施形態で説明する画像のサイズとは、スクリーン30に画像光により形成される現実空間における大きさではなく、画像処理部150が実行する処理における画像のサイズである。つまり、画像のサイズとは、例えば、画像を構成する画素の数であり、画像の解像度ということもできる。画像処理部150は、上述のように、解像度変換処理又はリサイズ処理、形状補正処理、デジタルズーム処理等の画像処理を行う。第1サイズ及び第2サイズは、画像処理部150が上記の画像処理が施される前の状態における、画像の画素数又は解像度である。第1サイズ、及び、第2サイズは、その一例である。従って、第1サイズ及び第2サイズは、画像処理部150がフレームメモリー140に形成する画像の解像度と一致するとは限らない。同様に、第1サイズ及び第2サイズは、液晶パネル163に描画される画像の解像度と一致するとは限らない。
【0032】
図2は、コンテンツ画像200の一例を示す図であり、
図3は、装飾画像300の一例を示す図であり、
図4は、合成画像400の一例を示す図である。
コンテンツ画像200は、上述のように情報処理装置50がプロジェクター100に供給する画像信号に含まれる画像であり、動画像であってもよいし、静止画像であってもよい。
【0033】
装飾画像300は、例えば、プロジェクター100の記憶部171に予め記憶される画像であり、各種のコンテンツ画像200と組合せ可能な画像である。装飾画像300は、いわゆるテンプレートとして記憶部171に記憶されてもよい。プロジェクター100は、記憶部171に、複数の装飾画像300を記憶してもよい。また、プロジェクター100は、例えば、不図示のサーバー装置から装飾画像300をダウンロードしてもよい。また、プロジェクター100は、USB(Universal Serial Bus)メモリーや、SDカード等の外部の記憶装置に記憶された装飾画像300を、記憶装置から読み出して利用する構成であってもよい。
【0034】
装飾画像300は、例えば矩形の画像であって、配置部310と、額縁部330と、を備える。
配置部310は装飾画像300の中央に位置し、額縁部330は配置部310の輪郭に沿って配置部310の全周に配置される。配置部310は、合成画像400を生成するときに、コンテンツ画像200が配置される領域である。画像処理部150は、フレームメモリー140に展開した装飾画像300の配置部310に、コンテンツ画像200を重畳させる。このとき、額縁部330は、コンテンツ画像200の外側に、コンテンツ画像200の輪郭に沿って配置される。
【0035】
額縁部330は、配置部310に配置されたコンテンツ画像200を装飾する装飾用の画像が形成された領域である。額縁部330に形成される画像は、複数の装飾画像300のそれぞれで異なる。すなわち、複数の装飾画像300の外観は、それぞれ異なる。
図3には、装飾画像300の全周に額縁部330を形成した装飾画像300の例を示すが、額縁部330は、矩形の装飾画像300の上下の辺、左右の辺、上下左右のいずれか1辺、2辺又は3辺に形成された構成であってもよい。
【0036】
装飾画像300は、装飾画像300の内部においてコンテンツ画像200を配置する位置及び範囲を示す情報である配置情報を含む。配置情報は、始点情報と、幅及び高さ情報と、を含む。
【0037】
例えば、装飾画像300には、座標系が設定される。
図3には、装飾画像300の左上の頂点Oを原点とし、装飾画像300の横方向の座標をM軸、縦方向の座標をN軸とする座標系を示す。以下では、装飾画像300に設定された座標系をMN座標系として説明する。
【0038】
始点情報は、配置部310にコンテンツ画像200を配置するときの基準となる始点の位置を示す座標情報である。本実施形態では、図面視で、配置部310の左上の頂点Uが始点に設定される。MN座標系での頂点Uの座標を(M1、N1)と表記する。
幅情報は、始点である頂点UからのM軸方向の幅Wを示す情報である。高さ情報は、始点である頂点UからのN軸方向の高さHを示す情報である。
【0039】
制御部170は、ユーザーによるリモコン10の操作により表示モードとして第1モードが選択されると、表示モードの第1モードへの変更を画像処理部150に指示する。
次に、制御部170は、ユーザーのリモコン10の操作によりコンテンツ画像200に合成する装飾画像300が選択されると、選択された装飾画像300と、この装飾画像300の配置情報とを記憶部171から読み出す。制御部170は、読み出した装飾画像300及び配置情報を画像処理部150に出力する。
【0040】
画像処理部150は、装飾画像300及び配置情報が制御部170から入力されると、入力された装飾画像300をフレームメモリー140に展開する。
【0041】
次に、画像処理部150は、縮小処理を実行する。
上述のように、画像入力I/F130から画像処理部150に入力されるコンテンツ画像200のサイズは、合成画像400と同じ第2サイズであり、装飾画像300の配置部310よりも大きい。このため、画像処理部150は、画像入力I/F130から入力されたコンテンツ画像200を配置部310のサイズに合わせて縮小する縮小処理を実行する。
【0042】
まず、画像処理部150は、画像入力I/F130から入力されるコンテンツ画像200の解像度と、配置情報に含まれる幅及び高さ情報とを比較して、コンテンツ画像200を縮小する縮小率を算出する。一例として、縮小率は、幅W及び高さHに相当する解像度の、コンテンツ画像200の解像度に対する比率であるが、算出方法はこれに限定されない。
画像処理部150は、縮小率を決定した後に、決定した縮小率でコンテンツ画像200を縮小する縮小処理を実行する。
【0043】
次に、画像処理部150は、合成処理を実行する。
図4は、フレームメモリー140に展開された合成画像400を示している。
図4に示す合成画像400は、画像処理部150によって形状補正等の画像処理が施されていない例である。
【0044】
例えば、フレームメモリー140には座標系が設定される。
図4には、図面視で、フレームメモリー140の左上の頂点Oを原点とし、フレームメモリー140の横方向の座標をS軸、縦方向の座標をT軸とする座標系を示す。以下の説明では、フレームメモリー140に設定された座標系をST座標系として説明する。
【0045】
画像処理部150は、縮小処理により縮小したコンテンツ画像200を装飾画像300に重ね合わせることによって、フレームメモリー140に合成画像400を生成する。画像処理部150は、合成画像400の全体をフレームメモリー140に納めるため、フレームメモリー140に展開可能な画像の最大サイズ以下のサイズの合成画像400を生成する。フレームメモリー140に展開可能な画像の最大サイズは、液晶パネル163の画像形成領域164に描画可能な画像の最大サイズと同一である。つまり、合成画像400のサイズである第2サイズは、フレームメモリー140に展開可能な画像の最大サイズと同じか、最大サイズよりも小さい。また、第2サイズは、画像形成領域164に描画可能な画像の最大サイズと同じか、それよりも小さい。第2サイズを、画像形成領域164に描画可能な画像の最大サイズよりも小さくすることで、液晶パネル163に描画する合成画像400の位置や形状の変更、拡大及び縮小のサイズ変更が可能となる。このため、スクリーン30に表示される合成画像400の自由度を高めて、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0046】
図4において、フレームメモリー140に展開済みの装飾画像300の左上の頂点Vの座標を(S0、T0)と仮定する。画像処理部150は、装飾画像300の左上の頂点VのS座標値であるS0に、配置情報に含まれる始点情報のM座標の座標値M1を加算した座標値S1を、頂点UのST座標系でのS座標値として算出する。
同様に、画像処理部150は、装飾画像300の左上の頂点VのT座標値であるT0に、配置情報に含まれる始点情報のN座標の座標値N1を加算した座標値T1を、頂点UのST座標系でのT座標値として算出する。
【0047】
次に、画像処理部150は、配置情報、及び頂点UのST座標系での座標値に基づき、縮小処理により縮小したコンテンツ画像200を、フレームメモリー140に展開した装飾画像300の配置部310に重畳する。
画像処理部150は、頂点UのST座標系での座標に、コンテンツ画像200の左上の頂点が位置するように、フレームメモリー140に展開された装飾画像300の配置部310に、コンテンツ画像200を重畳して合成画像400を生成する。コンテンツ画像200が重畳される前に、フレームメモリー140に展開されていた装飾画像300の配置部310の画像は、コンテンツ画像200に書き換えられる。
【0048】
従って、装飾画像300の配置部310が展開されていたフレームメモリー140の領域にはコンテンツ画像200が展開され、額縁部330の画像は、そのままフレームメモリー140に残される。この処理では、第1画像であるコンテンツ画像200の上に、第2画像である装飾画像300の配置部310が重ならないように、合成画像400が生成される。
【0049】
フレームメモリー140に生成された合成画像400において、コンテンツ画像200が展開された領域は、第1領域に相当する。また、フレームメモリー140に生成された合成画像400において、装飾画像300の額縁部330が展開された領域は、第2領域に相当する。
【0050】
画像処理部150は、合成画像400を生成した後で、生成した合成画像400に、例えば、解像度変換処理、又はリサイズ処理、歪曲収差の補正、形状補正処理、デジタルズーム処理、画像の色合いや輝度の調整等の画像処理を行ってもよい。これらの画像処理は、必須の処理ではなく、画像処理部150は上記の画像処理を実行しなくてもよい。また、画像処理部150は、上述した画像処理のうちから複数の画像処理を組み合わせて実行してもよい。
【0051】
画像処理部150は、画像処理が終了すると、フレームメモリー140に展開した合成画像400の画像情報を読み出し、読み出した画像情報を画像投写部160のパネル駆動部167に出力する。
【0052】
画像投写部160は、画像処理部150から画像情報が入力されると、入力される画像情報に応じた駆動電圧を、画像形成領域164R,164G,164Bの各画素に印加し、各画素を画像情報に応じた光透過率に設定する。光源161から射出された光は、色分離光学系によってR、G及びBの色光に分離され、液晶パネル163R,163G,163Bの画像形成領域164R,164G,164Bを透過する。これにより色光は、画素毎に変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラー画像を表す画像光となり、投写レンズ165により投写面であるスクリーン30に拡大投写される。このとき、スクリーン30に表示される合成画像400は、装飾画像300の額縁部330と、コンテンツ画像200とが重ならないようにスクリーン30に表示される。
【0053】
画像処理部150は、配置部310のアスペクト比と、コンテンツ画像200のアスペクト比とが異なる場合であっても、合成画像400を生成できる。この場合の処理について説明する。配置部310のアスペクト比は、第1領域のアスペクト比に相当する。コンテンツ画像200のアスペクト比は、第1画像のアスペクト比に相当する。
【0054】
コンテンツ画像200及び配置部310の両方が矩形である場合、コンテンツ画像200のアスペクト比と配置部310のアスペクト比とが一致しないことは、縮小処理されたコンテンツ画像200のサイズと配置部310のサイズとが一致しないことを意味する。ここで、サイズが一致しないとは、例えば、垂直方向における画素数の不一致、及び、水平方向における画素数の不一致の少なくともいずれかが生じていることをいう。
【0055】
この場合、縮小処理されたコンテンツ画像200をそのまま装飾画像300に重畳することにより生成された合成画像400では、額縁部330にコンテンツ画像200が重なることによって額縁部330の一部が消去される場合がある。また、生成された合成画像400では、配置部310の中にコンテンツ画像200の外側となる余白の領域が合成画像400に形成されたりする。
【0056】
制御部170は、画像処理部150に対してアスペクト比を指定する。すなわち、制御部170は、配置部310のアスペクト比と、コンテンツ画像200のアスペクト比と、が異なる場合、どちらのアスペクト比を選択するのかを画像処理部150に指示する。例えば、制御部170は、ユーザーによって選択されたアスペクト比を選択し、選択したアスペクト比を示す指示を画像処理部150に出力する。
【0057】
例えば、制御部170によって配置部310のアスペクト比が選択された場合、画像処理部150は、入力されるコンテンツ画像200のアスペクト比が、配置部310のアスペクト比に一致するように、コンテンツ画像200のアスペクト比を変換する。その後、画像処理部150は、アスペクト比を変換したコンテンツ画像200を、アスペクト比を維持して縮小する縮小処理を行い、縮小したコンテンツ画像200を、フレームメモリー140に展開された装飾画像300の配置部310に重畳する。
【0058】
また、制御部170によってコンテンツ画像200のアスペクト比が選択された場合、画像処理部150は、装飾画像300の配置部310のアスペクト比が、コンテンツ画像200のアスペクト比と一致するように、装飾画像300の形状を変形する。その後、画像処理部150は、画像入力I/F130からコンテンツ画像200が入力されると、入力されたコンテンツ画像200を縮小処理によって縮小する。画像処理部150は、縮小したコンテンツ画像200を、フレームメモリー140に展開された装飾画像300の配置部310に重畳する。
【0059】
上述したいずれかの処理を行うことで、合成画像400では、配置部310のサイズとコンテンツ画像200のサイズとが一致する。従って、プロジェクター100は、配置部310のアスペクト比と、コンテンツ画像200のアスペクト比とが異なる場合であっても、額縁部330とコンテンツ画像200とが重ならず、余白も生じさせずに、合成画像400を生成できる。なお、コンテンツ画像200のアスペクト比が選択された場合には、装飾画像300の形状を変形しなくてもよい。この場合には、画像処理部150は、コンテンツ画像200のアスペクト比を維持したまま、配置部310に収まる大きさに縮小し、配置部310に配置する。画像処理部150は、コンテンツ画像200の少なくとも1辺と額縁部330の少なくとも1辺との間に生じる余白の領域を黒色とする。
【0060】
次に、ユーザーの操作によりプロジェクター100の動作が第2モードに設定された場合について説明する。
【0061】
制御部170は、ユーザーの操作により第2モードが選択されると、表示モードの第2モードへの変更を画像処理部150に指示する。
画像処理部150は、制御部170により表示モードの第2モードへの変更が指示され、画像入力I/F130から第2サイズのコンテンツ画像200が入力されると、入力されたコンテンツ画像200をフレームメモリー140に展開する。ここで、画像処理部150は、フレームメモリー140に展開したコンテンツ画像200に、例えば、解像度変換処理、又はリサイズ処理、歪曲収差の補正、形状補正処理、デジタルズーム処理、画像の色合いや輝度の調整等の画像処理を行ってもよい。これらの画像処理は、第1モードの場合と同様、必須の処理ではない。
【0062】
画像処理部150は、画像処理が終了すると、フレームメモリー140に展開した合成画像400の画像情報を読み出し、読み出した画像情報を画像投写部160のパネル駆動部167に出力する。以降の動作は、第1モードの場合と同一であるため、説明を省略する。
【0063】
上述した説明では、装飾画像300が配置情報を含む場合について説明したが、装飾画像300が配置情報を含まなくてもよい。この場合、装飾画像300の配置部310は、装飾画像300における配置部310以外の部分、すなわち額縁部330と識別可能である。例えば、装飾画像300は、例えば、黒色等の特定の一つの色で塗りつぶされた配置部310を有する。
【0064】
画像処理部150は、制御部170から入力される装飾画像300をフレームメモリー140に展開した後、装飾画像300から黒色等の特定の一つの色で形成された領域を検出する。画像処理部150は、特定の一つの色で形成された領域を検出すると、検出した領域を、コンテンツ画像200を重畳する領域であると判定する。この領域を、重畳領域という。画像処理部150は、判定した重畳領域のサイズと、コンテンツ画像200のサイズとを比較して、コンテンツ画像200を縮小する縮小率を決定する。画像処理部150は、決定した縮小率でコンテンツ画像200を縮小し、縮小したコンテンツ画像200を、装飾画像300の特定の一つの色で形成された重畳領域に重畳する。
【0065】
また、装飾画像300は、配置情報に代えて、透過率情報が配置部310に設定された画像であってもよい。この場合、例えば、装飾画像300の画素ごと、又は、予め設定された領域ごとに、透過率情報が設定される。上述した配置部310に対応する領域の透過率は、100%に設定される。透過率が100%に設定された領域とは、その領域を他の画像に重畳した場合に、重畳された他の画像がそのまま表示される領域である。また、透過率が0%に設定された領域は、その領域を他の画像に重畳した場合に、重畳された他の画像が表示されない。
【0066】
画像処理部150は、制御部170から入力される装飾画像300をフレームメモリー140に展開すると、装飾画像300から透過率が100%に設定された領域を検出する。画像処理部150は、透過率が100%に設定された領域を検出すると、検出した領域を、重畳領域として判定する。画像処理部150は、判定した重畳領域のサイズと、コンテンツ画像200のサイズとを比較して、コンテンツ画像200を縮小する縮小率を決定する。画像処理部150は、決定した縮小率でコンテンツ画像200を縮小し、縮小したコンテンツ画像200を、透過率が100%に設定された重畳領域に重畳する。
【0067】
図5は、装飾画像300の他の例を示す図である。
図5に示す装飾画像300は、装飾画像300のサイズが額縁部330のサイズと同一ではなく、装飾画像300のサイズが、額縁部330のサイズよりも大きい。つまり、装飾画像300は、額縁部330の外側の領域を含む。額縁部330よりも外側の装飾画像300の領域を、背景部350という。
【0068】
図5に斜線を付して示す配置部310及び背景部350は、黒色等の特定の一つの色で形成された領域、又は、透過率が100%に設定された領域である。画像処理部150は、特定の一つの色で形成された領域、又は、透過率が100%に設定された領域のうち、形状が矩形であって、面積が最大の領域を検出する。
【0069】
配置部310の面積は、背景部350内に設定可能な矩形の領域の面積よりも大きく設定されている。このため、画像処理部150は、黒色等の特定の一つの色で形成された矩形の領域、又は、透過率が100%に設定された矩形の領域であって、面積が最大の領域を配置部310として検出する。
【0070】
画像処理部150は、配置部310を検出すると、検出した配置部310のサイズと、コンテンツ画像200のサイズとを比較して、コンテンツ画像200を縮小する縮小率を決定する。画像処理部150は、決定した縮小率でコンテンツ画像200を縮小し、縮小したコンテンツ画像200を、装飾画像300の配置部310に重畳する。
【0071】
次に、装飾画像300を選択する第1UI画像540について説明する。
図6は、第1UI画像540が表示された投写画像500Aを示す図である。投写画像500Aは、プロジェクター100がスクリーン30に表示する投写画像500の一例である。
制御部170は、表示モードとして第1モードが設定された状態で、リモコン10に設けられた第2変更ボタンが押下されると、コンテンツ領域510と、UI領域530と、を含む投写画像500Aをスクリーン30に表示させる。
【0072】
コンテンツ領域510は、合成画像400やコンテンツ画像200が表示される領域である。UI領域530は、ユーザーの操作を受け付ける第1UI画像540が表示される領域である。
【0073】
UI領域530に表示される第1UI画像540には、複数のサムネイル画像541と、選択枠543と、方向表示545、547と、画面情報549と、が含まれる。
【0074】
サムネイル画像541は、予め用意された複数の装飾画像300の縮小画像である。
図6には、サムネイル画像541として、サムネイル画像541A、541B、541C及び541Dの4つを示す。4つのサムネイル画像541のうち、サムネイル画像541Dは、コンテンツ画像200に装飾画像300を合成しないことを示す画像である。
【0075】
サムネイル画像541A、541B、及び541Cのいずれか2つは、第1外観を有する第1候補画像、又は、第1外観とは異なる第2外観を有する第2候補画像、に相当する。
装飾画像300の額縁部330に形成される画像は、複数の装飾画像300のそれぞれで異なる。このため、これら複数の装飾画像300の外観はそれぞれ異なり、複数の装飾画像300を縮小したサムネイル画像541の外観もそれぞれ異なる。
【0076】
選択枠543は、第1UI画像540に表示される複数のサムネイル画像541のうち、選択状態にあるサムネイル画像541を示す画像である。選択枠543内にサムネイル画像541が表示されることで、選択枠543内に表示されたサムネイル画像541が選択状態にあることを示す。本実施形態では、選択枠543として、サムネイル画像541の周囲を囲む枠形状の画像を表示するが、例えば、サムネイル画像541の各々に対応するチェックボックスを表示してもよい。選択されているサムネイル画像541に、枠以外の形状の画像を付与したり、選択されているサムネイル画像541自体を拡大表示によって強調したりしてもよい。選択枠543は、選択カーソル、フォーカス表示等と言うこともできる。選択枠543は、リモコン10に設けられた方向キーの操作により、第1UI画像540での表示位置が変更される。選択枠543は、操作子に相当する。
【0077】
登録された装飾画像300の数が多いと、第1UI画像540の1画面にサムネイル画像541をすべて表示することができない場合がある。このような場合には、複数のサムネイル画像541を複数の画面に分けて表示することになる。方向表示545及び547は、複数の画面を切り替えて表示する操作子である。例えば、選択枠543を操作しているときに、リモコン10の下方向の方向キーが押下されると、方向表示545及び547のいずれかが選択される。方向表示545及び547のいずれかを操作することで、複数の画面を切り替えて表示することができる。
【0078】
方向表示545は、方向表示545が選択された状態で、リモコン10の左方向の方向キーまたはエンターキーを押下することによって操作される。方向表示545は、操作された場合に表示態様が変更される。例えば、リモコン10の左方向の方向キーが押下されると、方向表示545が点灯したり点滅したり、色が変更されたりする。方向表示545を操作することで、サムネイル画像541の複数の画面のうち、現在表示されている画面よりもページ番号が小さい画面が表示される。
【0079】
方向表示547は、方向表示547が選択された状態で、リモコン10の右方向の方向キーまたはエンターキーを押下することによって操作され、操作された場合に、表示態様が変更される。例えば、リモコン10の右方向の方向キーが押下されると、方向表示547が点灯したり点滅したり、色が変更されたりする。方向表示547を操作することで、サムネイル画像541の複数の画面のうち、現在表示されている画面よりもページ番号が大きい画面が表示される。
【0080】
画面情報549には、第1UI画像540の画面番号549Aと、スライダーバー549Bとが含まれる。画面情報549は、UI領域530に表示中の第1UI画像540の画面番号を示す情報である。例えば、第1UI画像540が3ページの画面から構成される場合、画面情報549には、1/3,2/3,3/3等の情報が表示される。
【0081】
スライダーバー549Bは、スライダーバー5491と、スライダー5493と、を含む。スライダーバー5491は、スライダー5493を移動可能な範囲を示し、スライダー5493は、スライダーバー5491の範囲内で表示位置を移動可能な画像である。例えば、UI領域530に表示中の第1UI画像540の画面番号が1/3である場合、スライダー5493は、スクリーン30に向かってスライダーバー5491の左端に表示される。
また、UI領域530に表示中の第1UI画像540の画面番号が2/3である場合、スライダー5493は、スクリーン30に向かってスライダーバー5491の中央に表示される。また、UI領域530に表示中の第1UI画像540の画面番号が3/3である場合、スライダー5493は、スクリーン30に向かってスライダーバー5491の右端に表示される。
【0082】
図7は、投写画像500Bを示す図である。
図7は、特に、コンテンツ領域510に、合成画像400が表示された投写画像500Bを示す図である。投写画像500Bは、プロジェクター100がスクリーン30に表示する投写画像500の一例である。
制御部170は、例えば、
図6の投写画像500Aが表示されているときに、リモコン10の左方向の方向キー又は右方向の方向キーが操作されると、第1UI画像540に表示される選択枠543の表示位置を、操作された左方向の方向キー又は右方向の方向キーに対応した方向に変更する。ユーザーは、コンテンツ画像200に合成したいサムネイル画像541を選択枠543が囲むようにリモコン10の左方向の方向キー又は右方向の方向キーを操作する。
【0083】
次に、制御部170は、リモコン10に設けられたエンターキーが押下されると、コンテンツ領域510に表示される画像を、
図6のコンテンツ画像200から
図7の合成画像400に変更する。このとき、方向キーを操作して選択枠543の表示位置を変更し、エンターキーを押下する操作が、第1候補画像を選択する操作に相当する。このとき、選択枠543によって囲まれたサムネイル画像541が、第1候補画像に相当する。また、エンターキーが押下されることで、制御部170は、第1候補画像を選択する操作を受け付けたと判定する。制御部170は、選択枠543内に表示されるサムネイル画像541に対応する装飾画像300と、配置情報とを画像処理部150に出力する。画像処理部150は、配置情報に従って、制御部170から入力される装飾画像300にコンテンツ画像200を合成して合成画像400を生成する。画像処理部150は、生成した合成画像400の画像情報を画像投写部160に出力する。制御部170は、再度エンターキーが押下されるか、エスケープキーが押下された場合に、現在選択されているサムネイル画像541に対応する装飾画像300を第1モードで表示する装飾画像300に決定し、第1UI画像540の表示を終了する。
【0084】
なお、制御部170は、
図7の表示を行わなくてもよい。すなわち、
図6の投写画像500Aが表示され、いずれかのサムネイル画像541を選択枠543が囲んでいるときにエンターキーが押下されたら、選択されているサムネイル画像541に対応する装飾画像300を第1モードで表示する装飾画像300に決定し、第1UI画像540の表示を終了してもよい。この場合、方向キーを操作して選択枠543の表示位置を変更して、選択枠543が囲むサムネイル画像541を選択する操作が、第1候補画像を選択する操作に相当する。このとき、選択枠543によって囲まれたサムネイル画像541が、第1候補画像に相当する。また、方向キーが操作されることで、制御部170は、第1候補画像を選択する操作を受け付けたと判定する。
【0085】
また、スクリーン30に第1UI画像540を表示するときに、コンテンツ領域510に、最初から合成画像400を表示してもよい。
例えば、スクリーン30に第1UI画像540を表示する場合、コンテンツ領域510には、選択枠543により周囲を囲まれたサムネイル画像541Aに対応する装飾画像300をコンテンツ画像200に合成した合成画像400を表示する。
初期状態、すなわち第1UI画像540を表示してから選択枠543を移動させる操作がなされる前までにおいて、選択枠543は、例えば、第1UI画像540の選択枠543を表示可能な位置のうち、左端等の予め設定された位置に表示してもよい。また、前回、第1UI画像540を表示させたときに、最後に選択枠543を表示した位置に選択枠543を表示してもよい。
【0086】
また、選択枠543を移動させる毎に、制御部170は、選択枠543の位置にあるサムネイル画像541に対応する装飾画像300と、コンテンツ画像200とを合成した合成画像400をコンテンツ領域510に表示させてもよい。エンターキーを押す操作を省略できるので、ユーザーは、選択しているサムネイル画像541をコンテンツ画像200と合成した場合の外観を、容易に確認することができる。リモコン10が操作されて選択枠543が表示位置を移動し、選択枠543が周囲を囲むサムネイル画像541が変更されると、制御部170は、変更されたサムネイル画像541に対応する装飾画像300を記憶部171から読み出す。制御部170は、読み出した装飾画像300と、配置情報とを画像処理部150に出力する。画像処理部150は、制御部170から入力される装飾画像300に、コンテンツ画像200を合成した合成画像400をコンテンツ領域510に表示させる。
【0087】
図8は、コンテンツ領域510に、UI領域530の一部を重畳させた投写画像500Cを示す図である。投写画像500Cは、プロジェクター100がスクリーン30に表示する投写画像500の一例である。
【0088】
図6に示す投写画像500Aや、
図7に示す投写画像500Bでは、UI領域530と、コンテンツ領域510とが重なって表示されることはなく、コンテンツ領域510が投写画像500A又は500Bにすべて表示される。これに対し、
図8に示す投写画像500Cは、コンテンツ領域510に、UI領域530の一部を重畳して表示した画像である。この投写画像500Cでは、コンテンツ領域510に表示される合成画像400の一部が視認できないが、UI領域530の第1UI画像540の表示サイズを大きく表示することができる。このため、装飾画像300のサムネイル画像541の表示サイズを大きくすることができ、装飾画像300を選択するときのユーザーの操作性を向上させることができる。
【0089】
また、記憶部171に記憶したすべての装飾画像300のサムネイル画像541をUI領域530に表示させるのではなく、サムネイル画像541を選択的にUI領域530に表示させてもよい。例えば、制御部170は、情報処理装置50からコンテンツ画像200の供給が開始されると、配置部310のアスペクト比が、供給されるコンテンツ画像200のアスペクト比と同一の装飾画像300を選択する。制御部170は、選択した装飾画像300のサムネイル画像541をUI領域530に表示させる。
【0090】
図9及び
図10は、プロジェクター100の動作を示すフローチャートである。
まず、情報処理装置50から画像信号を受信したときのプロジェクター100の動作について
図9を参照しながら説明する。
まず、ケーブル55を介して情報処理装置50から送信される画像信号を画像入力I/F130が受信すると(ステップS1)、画像入力I/F130は、受信した画像信号に含まれるコンテンツ画像200を取り出す(ステップS2)。画像入力I/F130は、取り出したコンテンツ画像200を画像処理部150に出力する。
【0091】
画像処理部150は、制御部170から通知された表示モードが第1モードであるか否かを判定する(ステップS3)。画像処理部150は、表示モードが第1モードである場合(ステップS3/YES)、入力されるコンテンツ画像200を縮小する縮小処理を実行する。
【0092】
画像処理部150は、画像入力I/F130から入力されるコンテンツ画像200の解像度と、配置情報に含まれる幅及び高さ情報とを比較して、コンテンツ画像200を縮小する縮小率を算出する。画像処理部150は、縮小率を決定すると、決定した縮小率でコンテンツ画像200を縮小する縮小処理を実行する(ステップS4)。
【0093】
次に、画像処理部150は、配置情報に基づき、縮小処理により縮小したコンテンツ画像200を、フレームメモリー140に展開した装飾画像300の配置部310に重畳して合成処理を実行する(ステップS5)。これによりフレームメモリー140には、合成画像400が生成される。
【0094】
次に、画像処理部150は、フレームメモリー140において合成された合成画像400の画像情報を読み出して画像投写部160に出力する。画像投写部160は、入力された合成画像400の画像情報に基づいて投写処理を実行する(ステップS6)。
また、画像処理部150は、表示モードが第1モードでない場合(ステップS3/NO)、ステップS6に移行して、コンテンツ画像200の画像情報に基づいて投写処理を実行する。
【0095】
画像投写部160は、画像処理部150から画像情報が入力されると、投写処理を開始する。画像投写部160は、投写処理を開始すると、パネル駆動部167が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を、画像形成領域164R,164G,164Bの各画素に印加し、各画素を画像情報に応じた光透過率に設定する。光源161から射出された光は、色分離光学系によってR、G及びBの色光に分離され、液晶パネル163R,163G,163Bの画像形成領域164R,164G,164Bを透過する。これにより色光は、画素毎に変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラー画像を表す画像光となり、投写レンズ165によりスクリーン30に拡大投写される。
【0096】
次に、
図10に示すフローチャートを参照しながら表示モードの変更操作を受け付けた場合のプロジェクター100の動作を説明する。
制御部170は、リモコン10に設けられた第1変更ボタンの操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS11)。すなわち、制御部170は、表示モードの変更が要求されたか否かを判定する。制御部170は、第1変更ボタンの操作を受け付けていない場合(ステップS11/NO)、プロジェクター100の表示モードの設定が第1モードであるか否かを判定する(ステップS12)。制御部170は、プロジェクター100の表示モードの設定が第1モードではない場合(ステップS12/NO)、ステップS11の判定に戻る。
【0097】
また、制御部170は、プロジェクター100の表示モードの設定が第1モードである場合(ステップS12/YES)、ステップS16の判定に移行する。
【0098】
制御部170は、第1変更ボタンの操作を受け付けた場合(ステップS11/YES)、例えば、リモコン10に設けられた方向キーの操作により、表示モードとして第1モードが選択されたか否かを判定する(ステップS13)。制御部170は、表示モードとして第1モードが選択されていない場合(ステップS13/NO)、画像処理部150に、表示モードとして第2モードを通知し(ステップS14)、この処理フローを終了する。
【0099】
また、制御部170は、表示モードとして第1モードが選択されると(ステップS13/YES)、画像処理部150に、表示モードとして第1モードを通知する(ステップS15)。次に、制御部170は、第2変更ボタンの操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS16)。すなわち、制御部170は、装飾画像300の変更を要求されたか否かを判定する。制御部170は、第2変更ボタンの操作を受け付けていない場合(ステップS16/NO)、この処理フローを終了する。
【0100】
制御部170は、第2変更ボタンの操作を受け付けると(ステップS16/YES)、コンテンツ領域510と、UI領域530と、を含む投写画像500をスクリーン30に表示させる(ステップS17)。プロジェクター100がスクリーン30にコンテンツ画像200を表示している場合、コンテンツ領域510にはコンテンツ画像200が表示される。また、UI領域530には、第1UI画像540が表示される。第1UI画像540には、複数のサムネイル画像541と、選択枠543と、方向表示545、547と、画面情報549と、が含まれる。
【0101】
次に、制御部170は、リモコン10の左方向の方向キー又は右方向の方向キーが操作されたか否かを判定する(ステップS18)。制御部170は、リモコン10の左方向の方向キー又は右方向の方向キーが操作されていない場合(ステップS18/NO)、ステップS20の判定に移行する。また、制御部170は、リモコン10の左方向又は右方向の方向キーが操作されると(ステップS18/YES)、選択枠543を、操作された左方向の方向キー又は右方向の方向キーに対応する方向に、第1UI画像540内で移動させる(ステップS19)。
【0102】
次に、制御部170は、エンターキーが押下されたか否かを判定する(ステップS20)。制御部170は、エンターキーが押下されていない場合(ステップS20/NO)、ステップS18の判定に戻る。また、制御部170は、エンターキーが押下されると(ステップS20/YES)、選択枠543内に表示されたサムネイル画像541に対応する装飾画像300と、この装飾画像300の配置情報とを画像処理部150に出力し(ステップS21)、この処理フローを終了する。
【0103】
[3.変形例1]
図11は、装飾画像300の他の例を示す図であり、
図12は、
図11に示す装飾画像300をコンテンツ画像200に合成した合成画像400を含む投写画像500Dを示す図である。投写画像500Dは、プロジェクター100がスクリーン30に表示する投写画像500の一例である。
【0104】
図11に示す装飾画像300は、配置部310及び額縁部330の他に、付加画像部370を含む。付加画像部370は、第4画像に相当する。
付加画像部370は、額縁部330の画像とともにコンテンツ画像200を装飾する画像であり、配置部310内に配置される。付加画像部370には、透過率の設定値と、付加画像部370の装飾画像300での位置を示す座標情報と、を含む。付加画像部370の透過率は、第1画像である額縁部330の透過率よりも高い。
【0105】
変形例1において、制御部170は、配置情報に従って、フレームメモリー140に展開された装飾画像300の配置部310にコンテンツ画像200を重畳する。次に、制御部170は、付加画像部370が含む座標情報が示す装飾画像300の座標に、設定値が示す透過率の付加画像部370を重畳させる。透過率を設定値に設定された付加画像部370がコンテンツ画像200に重畳されることで、
図12に示すように、コンテンツ画像200と付加画像部370との両方を視聴者に視認させることができる。
【0106】
[4.変形例2]
次に、合成画像400を含む投写画像500をスクリーン30に表示した後、ユーザーの手動操作により、コンテンツ画像200の表示位置や表示サイズ、及び、装飾画像300の表示位置や表示サイズを変更する第2UI画像600について説明する。
【0107】
図3に示すように、装飾画像300の配置部310には、額縁部330のような画像は形成されていない。このため、コンテンツ画像200の表示位置を変更したり、コンテンツ画像200の表示サイズを縮小したりすると、コンテンツ画像200が重畳されない領域ができる。このため、変形例2では、画像処理部150が額縁部330の画像をコピーし、コンテンツ画像200が重畳されない配置部310の領域に、コピーした額縁部330の画像を重畳する。
【0108】
図13は、スクリーン30に表示される投写画像500Eを示す図である。
図13は、第2UI画像600Aを含む投写画像500Eを示す図である。投写画像500Eは、プロジェクター100がスクリーン30に表示する投写画像500の一例である。
制御部170は、リモコン10に設けられた第3変更ボタンが押下されると、
図13に示す第2UI画像600Aを含む投写画像500Eを表示させる。第3変更ボタンは、コンテンツ画像200又は装飾画像300の表示位置又は表示サイズの変更を指示するボタンである。
【0109】
第2UI画像600Aは、第3変更ボタンが押下された後、最初に表示される初期画面であり、手動操作によって調整する画像と、調整する項目と、を選択する画面である。調整する画像は、コンテンツ画像200又は装飾画像300であり、調整する項目は、表示位置又は表示サイズである。以下、調整する画像を調整画像といい、調整する項目を調整項目という。
【0110】
第2UI画像600Aには、表示欄601と、マーク画像603とが表示される。
表示欄601には、調整画像と、調整項目との組み合わせが表示される。
図13に示す表示欄601には、調整画像と調整項目との組み合わせとして、コンテンツ画像200の表示位置調整、コンテンツ画像200の表示サイズ調整、装飾画像300の表示位置調整、装飾画像300の表示サイズ調整の4つが表示される。
【0111】
マーク画像603は、表示欄601に表示された調整画像及び調整項目の組み合わせのうち、いずれの調整画像及び調整項目が選択されているのかを示す画像である。
マーク画像603は、リモコン10の上下方向の方向キーの操作により、第2UI画像600Aでの表示位置が変更される。ユーザーは、リモコン10に設けられた上方向の方向キー、又は下方向の方向キーを操作して、マーク画像603を、選択したい調整画像及び調整項目に対応する表示位置に変更する。その後、ユーザーによりリモコン10のエンターキーが押下されると、制御部170は、マーク画像603の表示位置に対応する調整項目を操作する第2UI画像600Bを表示させる。
【0112】
図14は、第2UI画像600Bを含む投写画像500Fを示す図である。投写画像500Fは、プロジェクター100がスクリーン30に表示する投写画像500の一例である。
【0113】
第2UI画像600Bは、上下左右の各方向に対応した矢印画像611、612、613、614と、これら矢印画像611、612、613、614の中央に配置されたエンタースイッチ画像615と、を含む。
【0114】
矢印画像611は、リモコン10に設けられた上方向の方向キーが押下された場合に、矢印画像611の表示態様が、他の矢印画像612、613及び614の表示態様とは異なる態様に変更される。例えば、矢印画像611が点灯又は点滅する。また、矢印画像611の表示色が、他の矢印画像612、613及び614の表示色とは異なる色で表示される。また、エンタースイッチ画像615は、リモコン10に設けられたエンターキーが押下された場合に、表示態様が、矢印画像611、612、613及び614の表示態様とは異なる態様に変更される。
【0115】
矢印画像612は、リモコン10に設けられた下方向の方向キーが押下された場合に、矢印画像612の表示態様が、他の矢印画像611、613及び614の表示態様とは異なる態様に変更される。
【0116】
矢印画像613は、リモコン10に設けられた左方向の方向キーが押下された場合に、矢印画像613の表示態様が、他の矢印画像611、612及び614の表示態様とは異なる態様に変更される。
【0117】
矢印画像614は、リモコン10に設けられた右方向の方向キーが押下された場合に、矢印画像614の表示態様が、他の矢印画像611、612及び613の表示態様とは異なる態様に変更される。
【0118】
図15は、コンテンツ画像200の表示位置を、スクリーン30に向かって上方向に移動させた投写画像500Fを示す図である。
例えば、第2UI画像600Aにおいて、調整画像及び調整項目としてコンテンツ画像200の表示位置調整が選択されていると仮定する。制御部170は、リモコン10に設けられた上方向の方向キーが押下されると、矢印画像611を点灯又は点滅させる。次に、制御部170は、フレームメモリー140において、コンテンツ画像200を移動させる移動量及び移動方向を画像処理部150に指示する。
【0119】
コンテンツ画像200の上部に位置する額縁部330を、上部額縁部351という。また、コンテンツ画像200の下部に位置する額縁部330を、下部額縁部353という。
図15には、上部額縁部351及び下部額縁部353を、他の額縁部330と区別するため横線を付して示す。
図面視で、コンテンツ画像200の表示位置を上方に移動させることにより、上部額縁部351の面積は、コンテンツ画像200の移動前より小さくなり、下部額縁部353の面積は、コンテンツ画像200の移動前より大きくなる。
画像処理部150は、制御部170から移動量及び移動方向が指示されると、これらの指示に基づき、コンテンツ画像200の移動前に、額縁部330を展開していたフレームメモリー140の上部額縁部351の領域に、コンテンツ画像200を重畳させる。また、画像処理部150は、額縁部330の画像をコピーし、コンテンツ画像200の移動前に、コンテンツ画像200を展開していたフレームメモリー140の下部額縁部353の領域に、コピーした額縁部330の画像を重畳する。
これにより、スクリーン30に表示される投写画像500Fでのコンテンツ画像200の表示位置が、スクリーン30に向かって上方向に移動する。
【0120】
図16は、装飾画像300の表示位置を、スクリーン30に向かって上方向に移動させた投写画像500Fを示す図である。
例えば、第2UI画像600Aにおいて、調整画像及び調整項目として装飾画像300の表示位置調整が選択されていると仮定する。制御部170は、リモコン10に設けられた上方向の方向キーが押下されると、矢印画像611を点灯又は点滅させる。次に、制御部170は、フレームメモリー140において、装飾画像300を移動させる移動量及び移動方向を画像処理部150に指示する。
【0121】
図面視で、装飾画像300の表示位置を上方に移動させることにより、上部額縁部351の面積は、装飾画像300の移動前より大きくなり、下部額縁部353の面積は、装飾画像300の移動前より小さくなる。
画像処理部150は、制御部170から移動量及び移動方向が指示されると、これらの指示に基づき、額縁部330の画像をコピーし、新たに上部額縁部351となるフレームメモリー140の領域に、コピーした額縁部330の画像を重畳する。
また、画像処理部150は、装飾画像300の移動前に、額縁部330の画像を展開していたフレームメモリー140の下部額縁部353の領域から画像を消去する。これにより、スクリーン30に表示される投写画像500Fでの装飾画像300の表示位置が、スクリーン30に向かって上方向に移動する。
【0122】
図15及び
図16の説明において、画像処理部150は、リモコン10の上下左右のいずれかの方向キーが押下された後に、リモコン10のエンターキーが押下された場合に、コンテンツ画像200又は装飾画像300の表示位置の変更を開始してもよい。画像処理部150は、リモコン10のエンターキーが再度、押下されるまで、操作されたリモコン10の上下左右のいずれかの方向キーに対応する方向に、コンテンツ画像200又は装飾画像300の表示位置を変更する。
【0123】
図17は、コンテンツ画像200又は装飾画像300の表示サイズを調整する第2UI画像600Cを含む投写画像500Gを示す図である。投写画像500Gは、プロジェクター100がスクリーン30に表示する投写画像500の一例である。
【0124】
第2UI画像600Cは、左方向に対応した矢印画像631と、右方向に対応した矢印画像633と、これら矢印画像631及び633の間に配置されたエンタースイッチ画像635と、を含む。また、第2UI画像600Cは、スクリーン30に向かって矢印画像631の左側に表示されるマイナス表示画像632と、スクリーン30に向かって矢印画像633の右側に表示されるプラス表示画像634と、を含む。マイナス表示画像632は、リモコン10に設けられた左方向の方向キーを押下することで、コンテンツ画像200又は装飾画像300の表示サイズが縮小されることを示す画像である。プラス表示画像634は、リモコン10に設けられた右方向の方向キーを押下することで、コンテンツ画像200又は装飾画像300の表示サイズが拡大されることを示す画像である。
【0125】
矢印画像631は、リモコン10に設けられた左方向の方向キーが押下されると、矢印画像631の表示態様が、矢印画像633の表示態様とは異なる態様に変更される。例えば、矢印画像631が点灯又は点滅する。また、矢印画像631の表示色が、他の矢印画像633の表示色とは異なる色で表示される。
エンタースイッチ画像635は、リモコン10に設けられたエンターキーが押下されると、エンタースイッチ画像635の表示態様が、矢印画像631や633の表示態様とは変更される。
【0126】
図18は、装飾画像300の表示サイズを縮小させた投写画像500Gを示す図である。
例えば、第2UI画像600Aにおいて、調整画像及び調整項目として装飾画像300の表示サイズ調整が選択されていると仮定する。制御部170は、リモコン10に設けられた左方向の方向キーが押下されると、矢印画像631を点灯又は点滅させる。次に、制御部170は、装飾画像300の表示サイズを、左方向の方向キーが押下される前よりも縮小する。制御部170は、装飾画像300のサイズを縮小する縮小率を画像処理部150に指示する。
【0127】
画像処理部150は、制御部170から入力される縮小率に従って装飾画像300のサイズを縮小し、縮小した装飾画像300をフレームメモリー140に展開する。このとき、画像処理部150は、縮小前の装飾画像300のS軸方向及びT軸方向の中心と、縮小後の装飾画像300のS軸方向及びT軸方向の中心と、にずれが生じないように装飾画像300をフレームメモリー140に展開する。
【0128】
次に、画像処理部150は、装飾画像300のサイズを縮小する前にコンテンツ画像200を重畳していたフレームメモリー140の座標に、コンテンツ画像200を重畳する。これにより投写画像500Gに含まれる装飾画像300の表示サイズが縮小される。
【0129】
矢印画像633は、リモコン10に設けられた右方向の方向キーが押下された場合に、矢印画像633の表示態様が、矢印画像631の表示態様とは異なる態様に変更される。例えば、矢印画像633を点灯又は点滅させる。また、矢印画像633の表示色が、他の矢印画像631の表示色とは異なる色で表示される。
【0130】
図19は、コンテンツ画像200の表示サイズを拡大させた投写画像500Gを示す図である。
例えば、第2UI画像600Aにおいて、調整画像及び調整項目としてコンテンツ画像200の表示サイズ調整が選択されていると仮定する。制御部170は、リモコン10に設けられた右方向の方向キーが押下されると、矢印画像633を点灯又は点滅させる。次に、制御部170は、コンテンツ画像200の表示サイズを、右方向の方向キーが押下される前よりも拡大する。制御部170は、コンテンツ画像200のサイズを拡大する拡大率を画像処理部150に指示する。
【0131】
画像処理部150は、制御部170から入力される拡大率に従ってコンテンツ画像200のサイズを拡大し、拡大したコンテンツ画像200をフレームメモリー140に展開する。このとき、画像処理部150は、拡大前のコンテンツ画像200のS軸方向及びT軸方向の中心と、拡大後のコンテンツ画像200のS軸方向及びT軸方向の中心とにずれが生じないように装飾画像300をフレームメモリー140に展開する。また、コンテンツ画像200のサイズを拡大したことにより、コンテンツ画像200が、装飾画像300を書き込み済みのフレームメモリー140に重畳されることになる。画像処理部150は、装飾画像300を書き込み済みのフレームメモリー140の領域に、コンテンツ画像200を重畳する。これにより投写画像500Gに含まれるコンテンツ画像200の表示サイズが拡大される。
【0132】
図18及び
図19の説明において、画像処理部150は、リモコン10の左右のいずれかの方向キーが押下された後に、リモコン10のエンターキーが押下された場合に、コンテンツ画像200又は装飾画像300の表示サイズの拡大又は縮小を開始してもよい。
画像処理部150は、リモコン10のエンターキーが再度、押下されるまで、液晶パネル163に描画されるコンテンツ画像200又は装飾画像300のサイズを拡大又は縮小させる。
【0133】
[5.他の実施形態]
上述した実施形態は、好適な実施の形態である。ただし、上述の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、プロジェクター100の制御部170が、第1モードと、第2モードとを実行する場合について説明した。
この他の例として、情報処理装置50にインストールされたアプリケーションプログラムが、第1モードと第2モードとを実行してプロジェクター100に供給する画像を生成してもよい。
情報処理装置50は、表示モードとして第1モードが選択されると、コンテンツ画像200に、装飾画像300を合成して合成画像400を生成する。情報処理装置50は、生成した合成画像400を含む画像信号をプロジェクター100に送信する。また、情報処理装置50は、表示モードとして第2モードが選択されると、コンテンツ画像200を含む画像信号をプロジェクター100に送信する。
【0134】
また、情報処理装置50が、上述の実施形態における各種のUI画像を表示し、操作を受け付けても良い。この場合には、情報処理装置50は、投写画像500を生成するための情報をプロジェクター100に送信してもよい。例えば、情報処理装置50は、第1モードまたは第2モードを選択する情報や、選択された装飾画像300を示す情報をプロジェクター100に送信してもよい。スマートフォンをリモコン10として用いる場合には、スマートフォンが同様の機能を実行してもよい。
【0135】
本実施形態では、光変調装置として3つの透過型の液晶パネル163を備える場合について説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されない。光変調素子は反射型の液晶パネルであってもよいし、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)であってもよい。また、光変調装置が有する表示パネルの枚数は限定されず、例えば、1枚であってもよい。
【0136】
また、
図1の各々に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【0137】
また、投写方法及びプログラムを、プロジェクター100が備えるコンピューターを用いて実現する場合、このコンピューターに実行させるプログラムを記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM、DVD、Blu-ray Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、サーバー装置が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。Blu-rayは、登録商標である。
【0138】
また、上述した実施形態では、装飾画像300の上にコンテンツ画像200を重畳する例について説明したが、コンテンツ画像200の上に装飾画像300を重畳してもよい。
座標、サイズ等の値が分かっていれば、コンテンツ画像200を先にフレームメモリー140に展開することもできる。この場合、配置部310の透過率は100%にしておくとよい。また第4画像である付加画像部370がある場合、コンテンツ画像200を下にすれば付加画像部370付きの装飾画像300をコンテンツ画像200の上に載せるだけでよい。
【0139】
[6.本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
【0140】
(付記1)
光学装置と、少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記光学装置を制御することによって、第1サイズの第1画像と、前記第1画像の外側に、前記第1画像の輪郭に沿って配置された第2画像と、を含む第3画像を投写する第1モードと、前記光学装置を制御することによって、前記第1画像を前記第1サイズよりも大きい第2サイズで投写する第2モードと、で動作する、プロジェクター。
【0141】
この構成によれば、第1画像及び第2画像を含む第3画像と、第1画像とを、切り替えて投写することができる。このため、投写される画像の自由度を高め、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0142】
(付記2)
前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記第1モードにおいて、前記第3画像を前記第2サイズで投写する、付記1記載のプロジェクター。
【0143】
この構成によれば、第2モードで投写される第1画像と同一の第2サイズの第3画像を第1モードで投写することができる。このため、第1モードと、第2モードとを切り替えることで、第1画像のサイズを変更することができ、第1画像の自由度を高めることができる。
【0144】
(付記3)
前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記第1モードにおいて、前記第1画像と前記第2画像とが重ならないように前記第3画像を投写する、付記1又は2記載のプロジェクター。
【0145】
この構成によれば、投写される第3画像において、第1画像と第2画像とが重ならない。このため、第3画像に含まれる第1画像又は第2画像の一部が投写されない状態を防止することができる。
【0146】
(付記4)
前記第3画像は、前記第1画像が配置される第1領域と、前記第2画像が配置される第2領域と、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記第1領域の第1アスペクト比と、前記第1画像の第2アスペクト比と、が異なる場合に、前記第2アスペクト比の前記第1画像を含む前記第3画像を投写する、付記1から3のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【0147】
この構成によれば、第1領域の第1アスペクト比と、第1画像の第2アスペクト比と、が異なる場合に、第2アスペクト比の第1画像を含む第3画像が投写される。第1画像のアスペクト比が第2アスペクト比に維持されるため、第1画像のアスペクト比を第1アスペクト比に変更する場合と比較して、第1画像の外観を良好に保つことができる。
【0148】
(付記5)
前記第3画像は、前記第1画像が配置される第1領域と、前記第2画像が配置される第2領域と、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記第1領域の第1アスペクト比と、前記第1画像の第2アスペクト比と、が異なる場合、前記第1アスペクト比の第1画像を含む前記第3画像を投写する、付記1から3のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【0149】
この構成によれば、第1領域の第1アスペクト比と、第1画像の第2アスペクト比と、が異なる場合、第1アスペクト比の第1画像を含む第3画像が投写される。このため、アスペクト比を、第1領域の第1アスペクト比に変形した第1画像を含む第3画像を投写することができる。従って、例えば、第1領域内に、第1画像が表示されない余白が生じにくい。
【0150】
(付記6)前記光学装置は、少なくとも1つの表示パネルを含み、前記第3画像のサイズは、前記少なくとも1つの表示パネルに画像を描画可能な最大サイズよりも小さい、付記1から5のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【0151】
この構成によれば、第3画像のサイズが、表示パネルに画像を描画可能な最大サイズよりも小さいことで、表示パネルに描画する第3画像の位置や形状、サイズを変更することができる。このため、投写される第3画像の自由度を高め、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0152】
(付記7)
前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記光学装置を制御することによって、第1外観を有する第1候補画像と、前記第1外観とは異なる第2外観を有する第2候補画像と、を含むユーザーインターフェース画像を投写することをさらに実行し、前記ユーザーインターフェース画像により前記第1候補画像を選択する操作を受け付けた場合に、前記第1モードにおいて、前記第2画像として前記第1候補画像に対応する画像を投写する、付記1から6のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【0153】
この構成によれば、ユーザーインターフェース画像により第1候補画像を選択する操作を受け付けることで、第1モードにおいて、第2画像として第1候補画像に対応する画像を投写することができる。このため、ユーザーインターフェース画像を操作することで、投写する画像を選択することができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0154】
(付記8)
前記ユーザーインターフェース画像は、ユーザーの操作により表示位置が変更される操作子を含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記操作子が前記第1候補画像に重畳される場合に、前記第2画像として前記第1候補画像に対応する画像を含む前記第3画像を投写する、付記7記載のプロジェクター。
【0155】
この構成によれば、ユーザーの操作により表示位置が変更される操作子を、第1候補画像に重畳させることで、第2画像として第1候補画像に対応する画像を含む第3画像が投写される。このため、操作子の操作により第3画像に含まれる第2画像を選択することができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0156】
(付記9)
前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記光学装置を制御することによって、前記第1画像に重畳され、前記第1画像よりも透過率が高い第4画像をさらに含む前記第3画像を投写する、付記1から8のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【0157】
この構成によれば、第1画像よりも透過率が高い第4画像を含む第3画像を投写することができる。このため、第3画像に、透過率が第1画像よりも高い第4画像を付加することができ、投写する画像の自由度を高め、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0158】
(付記10)
前記第3画像は、前記第1画像が配置される第1領域と、前記第2画像が配置される第2領域と、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記第1領域の第1アスペクト比が、前記第1画像の第2アスペクト比に一致する前記第1候補画像及び前記第2候補画像を含む前記ユーザーインターフェース画像を投写する、付記7又は8記載のプロジェクター。
【0159】
この構成によれば、アスペクト比が第1画像の第2アスペクト比に一致する第1候補画像及び第2候補画像を含むユーザーインターフェース画像を投写することができる。このため、モードを第1モードから第2モードに変更しても、投写される第1画像のアスペクト比が変更されるのを防止することができる。
【0160】
(付記11)
第1モードにおいて、第1サイズの第1画像と、前記第1画像の外側に、前記第1画像の輪郭に沿って配置された第2画像と、を含む第3画像を投写することと、第2モードにおいて、前記第1画像を前記第1サイズよりも大きい第2サイズで投写することと、を含む、投写方法。
【0161】
この構成によれば、第1画像及び第2画像を含む第3画像と、第1画像とを、切り替えて投写することができる。このため、投写される画像の自由度を高め、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0162】
(付記12)
コンピューターに、第1モードにおいて、第1サイズの第1画像と、前記第1画像の外側に、前記第1画像の輪郭に沿って配置された第2画像と、を含む第3画像を投写することと、第2モードにおいて、前記第1画像を前記第1サイズよりも大きい第2サイズで投写することと、を実行させる、プログラム。
【0163】
この構成によれば、第1画像及び第2画像を含む第3画像と、第1画像とを、切り替えて投写することができる。このため、投写される画像の自由度を高め、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0164】
10…リモコン、30…スクリーン、50…情報処理装置、55…ケーブル、100…プロジェクター、110…操作部、120…操作信号受信部、130…画像入力I/F、140…フレームメモリー、150…制御部、150…画像処理部、150…OSD処理部、155…OSD処理部、160…画像投写部、161…光源、163、163R、163G、163B…液晶パネル、164、164R、164G、164B…画像形成領域、165…投写レンズ、167…パネル駆動部、170…制御部、171…記憶部、173…プロセッサー、200…コンテンツ画像、300…装飾画像、310…配置部、330…額縁部、350…背景部、351…上部額縁部、353…下部額縁部、370…付加画像部、400…合成画像、500、500A、500B、500C、500D、500E、500F、500G…投写画像、510…コンテンツ領域、530…UI領域、540…第1UI画像、541、541A、541B、541C、541D…サムネイル画像、543…選択枠、545、547…方向表示、549…画面情報、549A…画面番号、549B…スライダーバー、549B…スライダーバー表示、600、600A、600B、600C…第2UI画像、611、612、613、614、631、633…矢印画像、615…エンタースイッチ画像、632…マイナス表示画像、634…プラス表示画像、635…エンタースイッチ画像、5491…スライダーバー、5493…スライダー。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
本実施形態で説明する画像のサイズとは、スクリーン30に画像光により形成される現
実空間における大きさではなく、画像処理部150が実行する処理における画像のサイズ
である。つまり、画像のサイズとは、例えば、画像を構成する画素の数であり、画像の解
像度ということもできる。画像処理部150は、上述のように、解像度変換処理又はリサ
イズ処理、形状補正処理、デジタルズーム処理等の画像処理を行う。第1サイズ及び第2
サイズは、画像処理部150が上記の画像処理が施す前の状態における、画像の画素数又
は解像度である。第1サイズ、及び、第2サイズは、その一例である。従って、第1サイ
ズ及び第2サイズは、画像処理部150がフレームメモリー140に形成する画像の解像
度と一致するとは限らない。同様に、第1サイズ及び第2サイズは、液晶パネル163に
描画される画像の解像度と一致するとは限らない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0125】
矢印画像631は、リモコン10に設けられた左方向の方向キーが押下されると、矢印
画像631の表示態様が、矢印画像633の表示態様とは異なる態様に変更される。例え
ば、矢印画像631が点灯又は点滅する。また、矢印画像631の表示色が、他の矢印画
像633の表示色とは異なる色で表示される。
エンタースイッチ画像635は、リモコン10に設けられたエンターキーが押下される
と、エンタースイッチ画像635の表示態様が、矢印画像631や633の表示態様とは
異なる態様に変更される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0126
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0126】
図18は、装飾画像300の表示サイズを縮小させた投写画像500Gを示す図である
。
例えば、第2UI画像600Aにおいて、調整画像及び調整項目として装飾画像300
の表示サイズ調整が選択されていると仮定する。制御部170は、リモコン10に設けら
れた左方向の方向キーが押下されると、矢印画像631を点灯又は点滅させる。次に、制
御部170は、装飾画像300の表示サイズを、左方向の方向キーが押下される前よりも
縮小する。制御部170は、装飾画像300の
表示サイズを縮小する縮小率を画像処理部
150に指示する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0135】
本実施形態では、光変調装置として3つの透過型の液晶パネル163を備える場合につ
いて説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されない。光変調装置は反射型の液晶パ
ネルであってもよいし、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micro
mirror Device)であってもよい。また、光変調装置が有する表示パネルの
枚数は限定されず、例えば、1枚であってもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0149
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0149】
この構成によれば、第1領域の第1アスペクト比と、第1画像の第2アスペクト比と、
が異なる場合、第1アスペクト比の第1画像を含む第3画像が投写される。このため、ア
スペクト比を、第1領域の第1アスペクト比に変更した第1画像を含む第3画像を投写す
ることができる。従って、例えば、第1領域内に、第1画像が表示されない余白が生じに
くい。