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特開2024-129966ころ軸受用保持器、保持器付きころおよびころ軸受
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  • 特開-ころ軸受用保持器、保持器付きころおよびころ軸受 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129966
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ころ軸受用保持器、保持器付きころおよびころ軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/46 20060101AFI20240920BHJP
   F16C 19/26 20060101ALI20240920BHJP
   F16C 33/66 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F16C33/46
F16C19/26
F16C33/66 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039402
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】太向 真也
【テーマコード(参考)】
3J701
【Fターム(参考)】
3J701AA13
3J701AA32
3J701AA42
3J701AA52
3J701AA62
3J701BA34
3J701BA44
3J701CA08
3J701CA14
3J701CA17
3J701EA67
3J701FA31
3J701GA11
(57)【要約】
【課題】外径案内で使用されるころ軸受用保持器において、その外径案内面の摩耗を効果的に抑制する。
【解決手段】ころ軸受用保持器1の柱部3の軸方向中央部に外径案内面7を設けるとともに、その外径案内面7と柱部3の一方の周方向側面3aとに開口する凹部8を設け、その凹部8は柱部3の周方向側面3aの開口量が軸方向の中央部から両端に向かうに従って小さくなるように形成した。これにより、柱部3の凹部8に流入した潤滑油が柱部3の周方向側面3aへ流出しにくくなって、柱部3の外径案内面7に十分な潤滑油が供給されて保持されるようになり、外径案内面7の摩耗を効果的に抑制することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に複数配置されるリム部(2)と、互いに対向するリム部(2)同士の間で軸方向に延びて、そのリム部(2)同士を連結する複数の柱部(3)とを備え、前記リム部(2)と前記柱部(3)とによってころ(10)を保持するためのポケット(4)が複数形成されているころ軸受用保持器(1)において、
前記柱部(3)の軸方向中央部に外径案内面(7)が設けられるとともに、その外径案内面(7)と柱部(3)の一方の周方向側面(3a)とに開口する凹部(8)が設けられており、
前記柱部(3)の凹部(8)は、前記柱部(3)の周方向側面(3a)の開口量が軸方向の中央部から両端に向かうに従って小さくなるように形成されていることを特徴とするころ軸受用保持器(1)。
【請求項2】
前記柱部(3)の凹部(8)は、径方向凹み量が周方向の奥側から前記柱部(3)の周方向側面(3a)に向かうに従って大きくなり、かつ径方向凹み量が軸方向の中央部から両端に向かうに従って小さくなるように形成されている請求項1に記載のころ軸受用保持器(1)。
【請求項3】
前記柱部(3)の凹部(8)の内壁は、前記外径案内面(7)と滑らかに連続している請求項1または2に記載のころ軸受用保持器(1)。
【請求項4】
前記柱部(3)の凹部(8)の内壁は、前記柱部(3)の周方向側面(3a)と滑らかに連続しており、かつ、前記凹部(8)は、角のない滑らかな凹曲面状の断面形状を有する請求項1または2に記載のころ軸受用保持器(1)。
【請求項5】
前記各リム部(2)にもそれぞれ外径案内面(5)が設けられている請求項1または2に記載のころ軸受用保持器(1)。
【請求項6】
請求項1または2に記載のころ軸受用保持器(1)と、前記ころ軸受用保持器(1)のポケット(4)に保持されるころ(10)とを備えた保持器付きころ。
【請求項7】
請求項6に記載の保持器付きころと、前記ころ(10)が転接する軌道輪(11、12)とを備えたころ軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、針状ころ等のころを保持するころ軸受用保持器と、その保持器を用いた保持器付きころおよびころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
ころ軸受用保持器(以下、単に「保持器」とも称する。)には、自動車の自動変速機の遊星ギヤや、内燃機関のコンロッド等、公転回転により高い加速度を受ける部品を回転自在に支持する保持器付きころあるいはころ軸受に組み込まれて、外径案内で使用されるものがある。
【0003】
このような保持器の一般的な構造を図8および図9に示す。この保持器51は、軸方向に配置された2つの円環状のリム部52を、両リム部52同士の間で軸方向に延びる複数の柱部53で連結し、そのリム部52と柱部53とによって形成される複数のポケット54のそれぞれに、ころ(図示省略)を転動自在に収容して保持するようになっている。そして、この保持器51を用いた保持器付きころが支持する部品(図示省略、以下「支持部品」と称する。)が加速度を受けたときには、この保持器51のリム部52の外周面および柱部53のリム部52との接続部と軸方向中央部の外面が、それぞれ外径案内面55、56、57として支持部品の内径面に押し付けられながら回転する。このため、その外径案内面55、56、57が摩耗しやすいという問題がある。
【0004】
これに対し、特許文献1では、保持器の柱部の軸方向両端部にポケットに向かって突出するように設けられた一対の突部(ころの保持器外径側への離脱を阻止するためのもの)の外面を、外径案内面となるリム部の外周面および柱部の一対の突部間の領域の外面よりも内径側に位置するように形成することが提案されており、これにより、外径案内面と支持部品の内径面の間への潤滑油の供給量が増加し、外径案内面の摩耗の抑制が図れるとしている。
【0005】
また、特許文献2では、保持器の柱部の軸方向両端部の外面と周方向側面との境界部分に、外径案内面となるリム部の外周面および柱部の軸方向両端部の周方向中央領域の外面よりも内径側に位置する面だらし部を形成して、外径案内面の潤滑性の向上を図ることが提案されている。
【0006】
また、特許文献3では、保持器のリム部の外周面および柱部の軸方向両端部の外面を外径案内面とするだけでなく、図8、9に示した例と同様に、柱部の軸方向中央部にも外径案内面を設け、外径案内面全体の接触面積を大きくして、外径案内面と支持部品の内径面との間に生じる接触圧力を低減するとともに、柱部の軸方向中央部の外径案内面に周方向に延びる潤滑溝を設けて、潤滑油の流れを容易にすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-020438号公報
【特許文献2】特開2000-240662号公報
【特許文献3】特開2010-286117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1、2で提案されている保持器では、柱部の外径案内面の周方向両側の外面と支持部品の内径面との隙間、すなわち外径案内面に供給されるべき潤滑油の導入路が外径案内面に近づくに従って狭くなっていたり、外径案内面との間に段差があったりするため、その導入路に流入した潤滑油が軸方向に流れてしまい、外径案内面に十分な量の潤滑油が保持されなくなって、外径案内面の摩耗を抑制する効果が得られないおそれがある。
【0009】
また、上記特許文献3で提案されている保持器では、柱部の軸方向中央部の外径案内面に設けた潤滑溝が柱部を周方向に貫通しているため、潤滑溝に流入した潤滑油の多くが外径案内面に供給されることなく周方向に流れてしまい、特許文献1、2の場合と同様、外径案内面に潤滑油が保持されにくく、外径案内面の摩耗を十分に抑制できないおそれがある。なお、特許文献3には、潤滑溝の形状や向きは潤滑油の流れを最適化するように設けることができるとの記載があるが、外径案内面の潤滑油保持性や油膜圧力についての考慮を促すような記載はない。
【0010】
そこで、この発明は、外径案内で使用されるころ軸受用保持器と、その保持器を用いた保持器付きころおよびころ軸受において、その保持器の外径案内面の摩耗を効果的に抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、この発明のころ軸受用保持器は、軸方向に複数配置されるリム部と、互いに対向するリム部同士の間で軸方向に延びて、そのリム部同士を連結する複数の柱部とを備え、前記リム部と前記柱部とによってころを保持するためのポケットが複数形成されているころ軸受用保持器において、前記柱部の軸方向中央部に外径案内面が設けられるとともに、その外径案内面と柱部の一方の周方向側面とに開口する凹部が設けられており、前記柱部の凹部は、前記柱部の周方向側面の開口量が軸方向の中央部から両端に向かうに従って小さくなるように形成されている構成を採用した(構成1)。
【0012】
上記の構成1によれば、柱部の凹部に流入した潤滑油が柱部の周方向側面へ流出しにくく、柱部の外径案内面に十分な潤滑油が供給されて保持されるので、外径案内面と支持部品の内径面の間の油膜圧力が高くなって、外径案内面と支持部品の内径面が分離されやすくなる。したがって、高い加速度を受ける用途で使用されても、外径案内面の摩耗を効果的に抑制することができる。
【0013】
上記構成1においては、前記柱部の凹部を、径方向凹み量が周方向の奥側から前記柱部の周方向側面に向かうに従って大きくなり、かつ径方向凹み量が軸方向の中央部から両端に向かうに従って小さくなるように形成することが望ましい(構成2)。このようにすれば、凹部に流入した潤滑油がスムーズに外径案内面に供給されるようになり、外径案内面と支持部品の内径面の間の油膜圧力がさらに高くなって、外径案内面の摩耗をより生じにくくすることができる。
【0014】
上記構成1または2において、前記柱部の凹部の内壁が、前記外径案内面と滑らかに連続している構成とすることにより(構成3)、外径案内面と凹部の内壁との境界部分で支持部品の内径面との接触圧力が局所的に高くなることを防止でき、その境界部分の摩耗を抑えることができる。しかも、この構成3によれば、潤滑油がよりスムーズに凹部から外径案内面に供給されるようになる。
【0015】
また、上記構成1乃至3のいずれにおいても、前記柱部の凹部の内壁が前記柱部の周方向側面と滑らかに連続しており、かつ、凹部が角のない滑らかな凹曲面状の断面形状を有する構成とすれば(構成4)、潤滑油がよりスムーズに凹部に流入して凹部内を流れ、外径案内面に供給されやすくなる。
【0016】
また、上記構成1乃至4のいずれにおいても、前記各リム部にもそれぞれ外径案内面が設けられている構成とすれば(構成5)、柱部の外径案内面とリム部の外径案内面とを合わせた外径案内面全体の面積が大きくなって、支持部品の内径面との間の接触圧力が低くなるので、外径案内面全体の摩耗をさらに低減することができる。
【0017】
そして、この発明の保持器付きころは、上記構成1乃至5のいずれかのころ軸受用保持器と、前記ころ軸受用保持器のポケットに保持されるころとを備えたものである(構成6)。
【0018】
また、この発明のころ軸受は、上記構成6の保持器付きころと、前記ころが転接する軌道輪とを備えたものである(構成7)。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、上述したように、保持器の柱部の凹部に流入した潤滑油が柱部の周方向側面へ流出しにくく、柱部の外径案内面に十分な潤滑油が供給されて保持されるので、外径案内面の摩耗を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の実施形態の保持器の外観斜視図
図2図1の要部を拡大して示す外観斜視図
図3図1の保持器のポケットにころを組み込んだ実施形態の保持器付きころの要部の縦断正面図
図4図3のIV-IV線に沿った断面図
図5図3の保持器付きころを軌道輪に組み付けた実施形態のころ軸受の縦断正面図
図6図1の保持器の変形例の要部を拡大して示す外観斜視図
図7図1の保持器の別の変形例の要部を拡大して示す外観斜視図
図8】従来の保持器の外観斜視図
図9図8の要部を拡大して示す外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1乃至図7に基づき、この発明の実施形態を説明する。この実施形態のころ軸受用保持器1は、図1乃至図3に示すように、軸方向で互いに対向するように配置される一対の円環状のリム部2と、両リム部2の間で軸方向に延びて両リム部2を連結する複数の柱部3とを備え、両リム部2の軸方向内側面2aと各柱部3の周方向側面3aとによって形成される複数のポケット4のそれぞれにころ10を保持した状態で、外径案内で使用されるものである。
【0022】
また、この保持器1は、JIS規格のS15C、SCM415、SCM420等の冷間圧延鋼板を素材としており、その冷間圧延鋼板に打抜き加工を施してポケット4を形成したうえで所定の長さに切断することにより梯子状の中間品を作製し、その中間品を円環状に曲げた状態で両端同士を溶接して製品としている。なお、この製造方法によれば保持器を安価に製造することができるが、これに限らず、前記冷間圧延鋼板のプレス絞り加工や旋削で円環状の中間品を作製し、その中間品にポケットを打ち抜き加工してもよいし、合成樹脂を素材として射出成形や切削により製造してもよい。すなわち、保持器の材質や加工方法は、用途等に応じて適宜選択することができる。
【0023】
この保持器1のリム部2は、その外周面が保持器付きころに支持される部品(支持部品)の内径面と摺動する外径案内面5となっている。また、柱部3の両側のリム部2との接続部の外面および軸方向中央部の外面も、リム部2の外周面つまり外径案内面5と同径に形成されて、外径案内面6、7となっている。
【0024】
なお、柱部3の軸方向で外径案内面6、7が設けられていない部位には、それぞれの周方向両側からポケット4に向かって突出して、ころ10の保持器1外径側への離脱を阻止するための突部3bが設けられている(図4参照)。
【0025】
そして、柱部3の軸方向中央部には、周方向の両側に一対の凹部8が設けられている。その凹部8は、それぞれ外径案内面7と、柱部3のいずれか一方の周方向側面3aとに開口し、周方向側面3aの開口量が軸方向の中央部から両端に向かうに従って小さくなり、かつ外径案内面7の開口量が周方向の中央部から周方向側面3aに向かうに従って大きくなるように形成されている。
【0026】
また、柱部3の凹部8は、径方向凹み量が周方向の奥側から柱部3の周方向側面3aに向かうに従って大きくなり(図4参照)、かつ径方向凹み量が軸方向の中央部から両端に向かうに従って小さくなるように形成されている。
【0027】
この実施形態の保持器1は、柱部3の軸方向中央部の凹部8に流入した潤滑油が柱部3の周方向側面3aへ流出しにくく、柱部3の外径案内面7に十分な潤滑油が供給されて保持されるので、外径案内面7と支持部品の内径面の間の油膜圧力が高くなって、外径案内面7と支持部品の内径面が分離されやすい。したがって、高い加速度を受ける用途で使用されても、外径案内面7の摩耗を効果的に抑制することができる。
【0028】
また、柱部3には両側のリム部2との接続部にも外径案内面6が設けられ、各リム部2にもそれぞれ外径案内面5が設けられており、柱部3の外径案内面6、7とリム部2の外径案内面5とを合わせた外径案内面全体の面積が大きく、支持部品の内径面との間の接触圧力が低く抑えられることにより、外径案内面全体の摩耗が抑制されている。
【0029】
また、この発明の実施形態の保持器付きころは、図3および図4に示すように、上述した実施形態の保持器1のポケット4にころ10を組み込んで保持したものであり、実施形態のころ軸受は、図5に示すように、実施形態の保持器付きころを、そのころ10が転接する軌道輪(外輪11および内輪12)に組み付けたものである。ころ軸受は、保持器付きころを外輪のみまたは内輪のみに組み付けたものとすることもできる。
【0030】
図6および図7は、図1乃至図5に示した保持器1の変形例を示す。このうち、図6の変形例は、柱部3の凹部8の内壁を外径案内面7と滑らかに連続するように形成することにより、外径案内面7と凹部8の内壁との境界部分で、支持部品の内径面との接触圧力が局所的に高くならないようにして、その境界部分の摩耗を低減できるようにしたものである。
【0031】
また、この変形例では、柱部3の凹部8の内壁を周方向側面3aとも滑らかに連続するように形成して、潤滑油がよりスムーズに凹部8に流入するようにしている。
【0032】
そして、図7の変形例は、図6の変形例をベースとし、その柱部3の凹部8を、角のない滑らかな凹曲面状の断面形状を有するものとして、潤滑油が凹部8内でよりスムーズに流れて外径案内面7に供給されやすくなるようにしたものである。
【0033】
ここで、上述した実施形態では、図6および図7の変形例を含めて、保持器1の柱部3の軸方向中央部に、外径案内面7と、その外径案内面7に潤滑油を供給するための凹部8を設けたが、その凹部を有する外径案内面の配置や数を変更することも考えられる。ただし、特に、高い加速度を受ける用途で使用される保持器では、柱部の軸方向中央部が外径側へ大きくたわむので、実施形態のように柱部の軸方向中央部に外径案内面と凹部を設けることが望ましい。
【0034】
また、保持器の各リム部の外周面および柱部のリム部との接続部の外面は、必ずしも外径案内面としなくてもよいが、実施形態のように外径案内面とした方が外径案内面全体の面積を大きくして摩耗を抑制できるので好ましい。
【0035】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0036】
例えば、保持器は、実施形態のような円環状のもののほか、リム部の周方向の一部が切り離されたC形のものでもよいし、リム部が半円弧状に形成されているものでもよい。また、周方向の柱部の配置は、等ピッチでも不等ピッチでもよい。
【0037】
そして、この発明は、実施形態のような単列タイプのものに限らず、保持器のリム部が軸方向に3つ以上配置されて、軸方向に複数形成されたポケットのそれぞれにころが保持されている複列タイプの保持器、保持器付きころおよびころ軸受にも、もちろん適用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 ころ軸受用保持器
2 リム部
3 柱部
3a 周方向側面
4 ポケット
5 リム部の外径案内面
6、7 柱部の外径案内面
8 凹部
10 ころ
11 外輪(軌道輪)
12 内輪(軌道輪)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9