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特開2024-129978判定システム、判定装置、及び判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129978
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】判定システム、判定装置、及び判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/10 20090101AFI20240920BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20240920BHJP
   H04M 3/00 20240101ALI20240920BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240920BHJP
   H04W 76/18 20180101ALI20240920BHJP
【FI】
H04W84/10
H04M3/42 U
H04M3/00 Z
H04W64/00 173
H04W76/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039423
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004244
【氏名又は名称】弁理士法人仲野・川井国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100096655
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100091225
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 均
(72)【発明者】
【氏名】相吉 博
(72)【発明者】
【氏名】蘇武 昌弘
【テーマコード(参考)】
5K067
5K201
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K067GG01
5K067JJ53
5K201BC23
5K201CB05
5K201CC04
5K201DC02
5K201EB06
5K201EC08
5K201ED01
(57)【要約】
【課題】許可条件を満たす発着信か否かを、より確実に判定する。
【解決手段】判定システム1は、基地局30が構築するローカルネットワーク20と、存在条件(許可条件)の判定を行う判定装置10を備えている。基地局30は、0ABJ番号によるゲートウェイ装置41から発信や、ゲートウェイ装置41への着信があると、0ABJ番号と基地局30の位置情報を判定装置10に送信する。判定装置10は、加入者情報として固定電話器51の設置された住所と0ABJ番号を保存していて、受信した基地局30の位置情報と、0ABJ番号に対応する住所とから存在条件を満たしているか否かを判断する。このように、屋内等に設定されるゲートウェイ装置41の位置情報ではなく、屋外や外壁、屋上などに設置される基地局30の位置情報を使用することで、より確実に存在条件を判断することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の限定された小領域を通信対象とする小領域ネットワークを構築し、0ABJ番号による通話を可能にする基地局と、
前記小領域ネットワーク内に配設されて前記基地局とネットワーク接続され、0ABJ番号による発着信を行う通話装置が接続されたゲートウェイ装置と、
前記ゲートウェイ装置又は前記通話装置の配設位置を0ABJ番号に対応付けて記憶する配設位置記憶手段と、
前記基地局の現在位置を検出する基地局位置検出手段と、
前記小領域ネットワーク内における0ABJ番号の発着信があった場合、当該0ABJ番号に対応付けて記憶された配設位置と、前記検出された前記基地局の現在位置とから、当該0ABJ番号による通話サービスの許可条件を満たしている場合に、当該0ABJ番号による通話を可能にする判定手段と、
を備えることを特徴とする判定システム。
【請求項2】
前記許可条件を満たしていない場合、発信元又は着信先に通話不可を通知する通知手段、を備えることを特徴とする請求項1に記載の判定システム。
【請求項3】
前記基地局は、サービス制御システムが提供する0ABJ番号の通話サービスを利用して、0ABJ番号による通話を可能にする、
ことを特徴とする請求項1に記載の判定システム。
【請求項4】
前記通話装置は、前記ゲートウェイ装置に有線接続された固定電話器であり、
前記0ABJ番号は、前記固定電話器、又は前記ゲートウェイ装置に保存されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の判定システム。
【請求項5】
前記通話装置は、前記ゲートウェイ装置に無線接続された通話可能な通信端末であり、
前記0ABJ番号は、前記ゲートウェイ装置に保存されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の判定システム。
【請求項6】
前記小領域ネットワークは、ローカル5G、プライベートLTE、Wi-Fi(登録商標)により構築されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の判定システム。
【請求項7】
前記許可条件は、0ABJ番号に応じて指定された地域内に当該0ABJ番号を使用する前記通話装置が存在することである、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの何れか1の請求項に記載の判定システム。
【請求項8】
前記判定手段は、前記配設位置と前記基地局の現在位置とが、予め規定された所定距離Nm以内にある場合に、許可条件を満たしていると判定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの何れか1の請求項に記載の判定システム。
【請求項9】
所定の限定された小領域を通信対象とする小領域ネットワーク内に配設されたゲートウェイ装置又は通話装置の配設位置を0ABJ番号に対応付けて記憶する配設位置記憶手段と、
0ABJ番号の発着信があった前記小領域ネットワーク内の基地局から、当該発着信があった0ABJ番号と、当該基地局が検出した基地局位置を取得する基地局位置取得手段と、
前記取得した基地局位置と、前記取得した0ABJ番号に対応して前記配設位置記憶手段に記憶した配設位置とから、当該0ABJ番号による通話サービスの許可条件を満たしているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を、0ABJ番号による通話サービスを提供するサービス制御システム用に出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とする判定装置。
【請求項10】
0ABJ番号の発着信があった所定の限定された小領域を通信対象とする小領域ネットワークの基地局から、当該発着信があった0ABJ番号と、当該基地局が検出した基地局位置を取得する基地局位置取得機能と、
前記取得した基地局位置と、前記小領域ネットワーク内に配設されたゲートウェイ装置又は通話装置の配設位置を0ABJ番号に対応付けて記憶する配設位置記憶手段に記憶された、前記取得した0ABJ番号に対応する配設位置とから、当該0ABJ番号による通話サービスの許可条件を満たしているか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能による判定結果を、0ABJ番号による通話サービスを提供するサービス制御システム用に出力する出力機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線回線を介した0ABJ番号の電話サービスにおいて、予め指定された地域からの発着信か否かを判定する判定システム、判定装置、及び判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
03や045等で始まる0ABJ番号による発着信(電話サービス)を利用する場合、0ABJ番号に応じて指定された地域内に当該0ABJ番号を使用する通話装置が存在する、という存在条件を満たしている必要がある。
有線ネットワークを利用する宅内設置の通話装置を用いた電話サービスの場合、通話装置が存在条件を満たしていると判断できるので、通信事業者による電話サービスを受けることができる。
一方、通話装置による発着信毎に存在条件を満たしていることを確認することで、無線回線を介した電話サービスを可能にする技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、位置情報を取得するゲートウェイ装置が提案され、ネットワーク側が、0ABJ番号で発呼した通話装置が設置位置条件を満たしているか否かをゲートウェイ装置の位置情報から判別している。
【0003】
しかし特許文献1のゲートウェイ装置は、GPS等の衛星からの信号により位置情報を取得するため、ゲートウェイ装置の配置場所によってはGPS信号を受信できない場合がある。このため、GPS信号の受信状況によっては、発着信時における通話装置の存在条件を判断できなかった。
これに対し、ゲートウェイ装置が無線接続する携帯電話基地局情報(公衆網の場合)を利用して位置計測をすることも考えられるが、測位精度が低いため通話装置が指定地域内にあるか否かを判断できない。
さらに、GPS信号等から位置情報を取得する機能を全てのゲートウェイ装置が備える必要があり、システムが高額になっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-75715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、許可条件を満たす発着信か否かを、より確実に判定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、所定の限定された小領域を通信対象とする小領域ネットワークを構築し、0ABJ番号による通話を可能にする基地局と、前記小領域ネットワーク内に配設され前記基地局とネットワーク接続され、0ABJ番号による発着信を行う通話装置が接続されたゲートウェイ装置と、前記ゲートウェイ装置又は前記通話装置の配設位置を0ABJ番号に対応付けて記憶する配設位置記憶手段と、前記基地局の現在位置を検出する基地局位置検出手段と、前記小領域ネットワーク内における0ABJ番号の発着信があった場合、当該0ABJ番号に対応付けて記憶された配設位置と、前記検出された前記基地局の現在位置とから、当該0ABJ番号による通話サービスの許可条件を満たしている場合に、当該0ABJ番号による通話を可能にする判定手段と、を備えることを特徴とする判定システムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小領域ネットワーク内における0ABJ番号の発着信があった場合、当該0ABJ番号に対応付けて記憶された配設位置と、検出された基地局の現在位置とを使用することで、許可条件を満たす発着信か否かを、より確実に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】判定システムの一例を表した図である。
図2】判定装置のハードウェア構成を表した図である。
図3】判定装置の記憶部に保存される加入者情報についての説明図である。
図4】電話サービスシステムにおける発信時の遷移状態を表した説明図である。
図5】電話サービスシステムにおける着信時の遷移状態を表した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の判定システム、判定装置、及び判定プログラムにおける好適な実施の形態について、図1から図5を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態の判定システム1は、基地局30が構築するローカルネットワーク20と、存在条件の判定を行う判定装置10を備えている。
ここで存在条件は、0ABJ番号に応じて指定された地域内に当該0ABJ番号を使用する通話装置が存在することであり、許可条件として機能する。
基地局30は、0ABJ番号によるゲートウェイ装置41から発信や、ゲートウェイ装置41への着信があると、0ABJ番号と基地局30の位置情報を判定装置10に送信する。
判定装置10は、加入者情報として固定電話器(通話装置)51の設置された住所と0ABJ番号を保存していて、受信した基地局30の位置情報と、0ABJ番号に対応する住所とから存在条件を満たしているか否かを判断する。
【0010】
ここで、基地局30が構築するローカルネットワーク20は、マンションや工場などの局所的な範囲を対象とするため、固定電話器51が有線接続されたゲートウェイ装置41が設置される建物の近くに設置される。このため、本実施形態では、ローカルの基地局30と無線通信を行うゲートウェイ装置41とはほぼ同じ位置に存在していて、両者の位置は(ほぼ)同じと見做すことができる、ということを前提として存在条件を判断している。
このように、屋内等に設定されるゲートウェイ装置41の位置情報ではなく、屋外や外壁、屋上などに設置される基地局30の位置情報を使用することで、より確実に存在条件を判断することができる。
【0011】
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施の形態に係る判定システム1を中心とする電話サービスシステムの全体構成を表したものである。
判定システム1は、0ABJ番号による発着信が存在条件を満たしているか否かについて判定するシステムである。
図1に示すように、判定システム1は、判定装置10とローカルネットワーク(LN)21、22、…を備えている。以下、個別のローカルネットワーク21、22、…ではなく、各ローカルネットワーク21、22、…に共通する内容について説明する場合には、総称してLN20と記載する。
【0012】
LN20は、サービス制御システム100が提供する0ABJ番号の通話サービスを使用する、限られた領域、例えば半径Nm(500m、1km等)以内の領域を対象とするローカル(又は、プライベート)ネットワークであり、小領域ネットワークとして機能する。
LN20は、例えば、ローカル5G(第五世代移動通信システム)、プライベートLTE、Wi-Fi(登録商標)などの通信サービスがネットワーク毎に採用される。
【0013】
本実施形態では、LN21がローカル5G(第五世代移動通信システム)による通信サービスを採用しているものとして説明する。LN21は、ローカル5G用の基地局30により構築されている。
基地局30は、CPUを備えたコンピュータシステムにより構成され、保存されている通信制御プログラムに従って、LN21内に設置される複数のゲートウェイ装置41、42、…、判定システム1を構成する判定装置10に接続されると共に、LN21の外部にあるサービス制御システム100やインターネット等に接続される。
【0014】
基地局30は、図示しないGPS(Global Positioning System)アンテナで受信するGPS信号から自装置の現在位置(基地局現在位置)を検出する位置検出装置301を備えている。
基地局30は、LN21内の固定電話器51からゲートウェイ装置41を介して0ABJ番号による発呼が行われた場合に、発呼元の0ABJ番号と位置検出装置301で検出した現在位置(位置情報)を判定装置10に送信して、存在条件を満たす発呼か否かについての判定を要求する。
また、基地局30は、外部の通信装置からLN21内の固定電話器51(ゲートウェイ装置41)の0ABJ番号に着呼があった場合も、発呼時と同様に当該0ABJ番号と基地局30の位置情報を判定装置10に送信して、存在条件の判定を要求する。
基地局30は、LN20を構築する対象領域内の、敷地上(地上)、建物の屋上や外壁、等に固定的に設置される。
【0015】
LN21は、基地局30を介して本実施形態の判定装置10に無線、または有線接続されるほか、判定システム1の外部における図示しないインターネットや、サービス制御システム100、通信相手先110と接続される。
通信相手先110は、固定電話器50との間で通話を行う通話相手先の機器であり、0ABJ番号の固定電話器、携帯電話器、スマートフォン、IP電話などの各種機器が該当する。
【0016】
サービス制御システム100は、0ABJ番号による発着信を行うサービスやその他各種サービスを提供するシステムである。
LN20内で使用される0ABJ番号の通信サービスは、使用者とサービス制御システム100の運営主体とのサービス利用契約により提供が開始される。サービス制御システム100は、各種公衆電話網やインターネットと接続されている。
サービス制御システム100は、各LN20の基地局30から送信される、SIM番号と0ABJ番号の組を、当該基地局30の基地局IDに紐付けて通信データベース(DB)に保存している。
通信DBは、LN20内の固定電話器50に対する通話要求(着呼要求)があった場合に、当該要求を送信する基地局30を特定するために使用される。
ここで、SIM番号は基地局30に接続されているゲートウェイ装置41のSIMカードに記録された携帯電話番号であり、0ABJ番号は当該ゲートウェイ装置41に保存されている固定電話器51で使用される0ABJ番号である。
なお、サービス制御システム100は、図示しない固定電話網等の他のネットワークと相互接続している。
【0017】
LN20は、基地局30の他、ゲートウェイ装置41、42…、固定電話器51、52、…等を備えている。以下、個別のゲートウェイ装置41、42、…、個別の固定電話器51、52、…ではなく、各々に共通する内容について説明する場合には、総称してゲートウェイ装置40、固定電話器50と記載して説明する。
例えば、LN20が所定のマンションを対象に構築され、基地局30が当該マンションの敷地内に設置される場合、各室内や管理事務所などにゲートウェイ装置40が配置される。
ゲートウェイ装置40は、基地局30と固定電話器50の間の通信を中継する中継装置である。各ゲートウェイ装置40には、図示しないが固定電話器用のモジュラージャック(RJ11)が形成されていて、このモジュラージャックに固定電話器50が有線接続される。
ゲートウェイ装置40は、固定電話器50の有線接続に加えて、更に、スマートフォンやタブレット装置などの携帯通信装置を無線接続(例えば、Wi-Fi接続)が可能に構成することも可能である。
ゲートウェイ装置40は、所定のSIM番号(携帯電話番号)が記録されたSIM(Subscriber Identity Module)カードを備えている。
【0018】
本実施形態のゲートウェイ装置40の各々は、それぞれに有線接続されている固定電話器50による発着信を行うための0ABJ番号を所定の記憶部に記憶(保持)するように構成されている。
対象となる0ABJ番号の記憶は、接続される固定電話器50の使用者が、ローカル5Gの0ABJ番号のサービスを提供するサービス制御システム100との間で電話サービスの利用契約を行う手続において、又は、他の0ABJ番号サービスで既に使用されている0ABJ番号をサービス制御システム100での使用に移行する番号移行手続(以下、両手続を纏めて「利用契約手続」という)において、ゲートウェイ装置40に保存される。
ゲートウェイ装置40は、有線接続されている固定電話器50によるオフフック(又は発呼)が行われた場合、記憶している0ABJ番号を基地局30に送信するように構成されている。
【0019】
固定電話器50は、ゲートウェイ装置40のモジュラージャックに有線接続して使用される電話器である。
本実施形態の固定電話器50は、0ABJ番号による通話サービスを受けるための通話装置であり、0ABJ番号による発着信を行う通話装置として機能している。
【0020】
本実施形態の判定システム1を構成する判定装置10は、0ABJ番号による通信サービスを受ける固定電話器50(ゲートウェイ装置40)が、存在条件を満たしているか否かを判定する装置である。
図2は判定装置10の構成を表したものである。
図2に示すように、判定装置10は、コンピュータシステムにより構成され、CPU11、ROM12、RAM13、記憶部14、通信部15等を備えている。
CPU11は、記憶部14に記憶された判定プログラム141に従い、基地局30からの判定要求に基づき、発呼元の0ABJ番号や着呼先の0ABJ番号が存在条件を満たしたものであるか否かを判定し、判定結果をサービス制御システム100に通知する。
またCPU11は、登録プログラム142に従い、サービス制御システム100の利用契約手続の際に、加入者情報143を記憶部14に保存する。
【0021】
ROM12は、読み取り専用のメモリであって、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)によって構成されており、CPU11が動作するための基本的なプログラムやデータなどを記憶している。
なお、本実施形態の判定装置10は、判定プログラム141や登録プログラム142を記憶部14に保存しているが、EEPROMを使用するROM12に保存するようにしてもよい。
【0022】
RAM13は、CPU11が作業領域として使用する読み書き可能なメモリである。
RAM13には、本実施形態の判定処理において、基地局30からの判定要求により送信される0ABJ番号と位置情報が保存される。
通信部15は、LN20の基地局30やサービス制御システム100との間で、無線通信、または有線通信による各種通信処理を行う。
【0023】
記憶部14は、ハードディスクや半導体記憶装置(例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory))などの大容量の記憶媒体を用いて構成されている。
記憶部14には、判定プログラム141、登録プログラム142等の各種プログラムや、加入者情報143等の各種データが保存されている。
判定プログラム141は、0ABJ番号による発信や着信が存在条件を満たしているか否かについての判定処理を行うためのプログラムである。
登録プログラム142は、サービス制御システム100による0ABJ番号サービスの利用登録(利用契約)をする際に、加入者の登録処理を行うプログラムである。
【0024】
加入者情報143は、登録プログラム142により登録される、加入者の情報が保存されるデータベースである。
図3は、記憶部14に保存される加入者情報143の内容を概念的に表したものである。
図3に示されるように、加入者情報143には、加入者番号(No.)、SIM番号、0ABJ番号、加入者住所、位置情報、等の加入者に関連する各種情報が保存されている。
加入者番号(No.)は、各加入者情報の管理用に付された番号であり、登録順に採番される。
SIM番号は、加入者の0ABJ番号が保存されているゲートウェイ装置41のSIMカードに保存されている携帯電話番号である。
0ABJ番号は、加入者が登録後に使用する0ABJ番号で、加入者が使用する固定電話器51が接続されているゲートウェイ装置41にも保存される。
加入者住所は、ゲートウェイ装置41が設置されている加入者の住所である。
位置情報は、加入者の住所に対応する座標(X,Y)情報である。なお、加入者住所と位置情報の何れか一方だけを保存するようにしてもよい。
加入者情報143には、図示しない他の情報、加入時期などの各種情報も保存される。
なお、これら加入者情報143のうちSIM番号と0ABJ番号については、0ABJ番号サービスの利用登録の際に、サービス制御システム100にも保存されている。
ゲートウェイ装置41や固定電話器51は、加入者の住所内に設置されるので、加入者の住所又は/及び座標が保存される加入者情報143は、ゲートウェイ装置又は通話装置の配設位置を0ABJ番号に対応付けて記憶する配設位置記憶手段として機能している。
【0025】
次に、以上のように構成された、電話サービスシステムにおける、0ABJ番号を使用した通話サービスの流れについて説明する。
最初に、サービス制御システム100と基地局30、ゲートウェイ装置40による通話処理の前提となる処理について説明する。
即ち、ゲートウェイ装置40は、定期的に基地局30との間で通信処理を行い、自己が保存している0ABJ番号とSIM番号(携帯電話番号)を送信している。
一方、基地局30は、ゲートウェイ装置40から送信されるSIM番号と0ABJ番号を、当該基地局30の基地局IDとともにサービス制御システム100に送信する。
サービス制御システム100は、受信したSIM番号と0ABJ番号の組(以下SIM番号等という)が紐付いている基地局IDを通信DBで検索し、当該SIM番号等を送信した基地局30の基地局IDと同じか否かを判断し、異なっている場合には、SIM番号等の紐付け先を当該受信した基地局30の基地局IDに変更する。
これにより、サービス制御システム100は、システム内に存在する0ABJ番号の固定電話器50に対する着信があった場合に、接続すべき基地局30(LN20)を、通信DBから特定することができる。
【0026】
以上の処理を前提に、サービス制御システム100が提供する、0ABJ番号による発着信の処理について説明する。
図4は、電話サービスシステムにおける発信時の遷移状態を表した説明図である。
図4では、一例として、LN21内に設置された固定電話器51を発信元、通信相手先110を着信先とする場合について説明する。
発信者が固定電話器51のオフフック(通話開始の指示操作)をすると、固定電話器51はオフフック信号をゲートウェイ(GW)装置41に送信する(ステップ11)。
【0027】
ゲートウェイ装置41は、固定電話器51からのオフフック信号を受信すると、基地局30に0ABJ番号による通話サービス要求をする(ステップ12)。即ち、ゲートウェイ装置41は、自装置のSIM番号(携帯電話番号)と保存している固定電話器51の0ABJ番号を基地局30に送信することで、通話サービスの要求をする。
【0028】
基地局30は、ゲートウェイ装置41から0ABJ番号による通話サービスの要求を受信すると、判定装置10に対して、要求元の固定電話器51(ゲートウェイ装置41)が0ABJ番号の存在条件を満たしているか否かについての判定要求をする(ステップ13)。
この判定要求の際に、基地局30は、現在位置を位置検出装置301で検出し、検出した現在位置を基地局位置情報として、ゲートウェイ装置41から受信したSIM番号と0ABJ番号とともに、判定装置10に送信する。
【0029】
判定装置10(のCPU11)は、判定プログラム141に従い、基地局30から受信した基地局位置情報、SIM番号、0ABJ番号をRAM13に一時記憶し、存在条件の判定を行う(ステップ14)。
最初に判定装置10は、RAM13に一時記憶したSIM番号と0ABJ番号の組が、加入者情報143に保存されているSIM番号と0ABJ番号の組と一致するか否かにより、サービス制御システム100が提供するSIM番号かどうか、即ちゲートウェイ装置41がLN21に繋げてもよい装置であるか否かを判断する。
【0030】
判定装置10は、SIM番号と0ABJ番号の組が、加入者情報143に保存されている組と一致する場合、正当な端末であると判断し、0ABJ番号による存在条件の判定を行う。
即ち判定装置10は、RAM13に記憶した0ABJ番号(ゲートウェイ装置41が保存している0ABJ番号)に対応して加入者情報143に保存されている位置情報(加入者住所、又は位置情報)と、RAM13に記憶した基地局位置情報とを比較し、両者の距離が所定距離Nm以内であるか否かを判断する(ステップ15)。
ここで、存在条件を満たすか否かを判定するための所定距離Nmは、本実施形態ではNm=300mに設定されている。よって、本実施形態の場合、0ABJ番号の発信を行う固定電話器51が、基地局30から半径300m以内に存在していれば存在条件を満たしていることになる。
【0031】
加入者情報143に保存されている位置情報と基地局位置情報との距離が所定距離Nm以内である場合(ステップ15;Y)、判定装置10は、当該0ABJ番号による通話を許可する許可信号と0ABJ番号をサービス制御システム100に送信する(ステップ16)。
【0032】
サービス制御システム100は、判定装置10から許可信号を受信すると、基地局30に発呼の受付が完了したことを示すOK信号を送信し、基地局30は受信したOK信号をゲートウェイ装置41に送信する(ステップ17)。
以上により、存在条件が満たされているとの判断が完了し、固定電話器51と通信相手先110間の通話が可能になる。
即ち、固定電話器51、ゲートウェイ装置41、基地局30、サービス制御システム100、通信相手先110による呼接続処理と通話確立、オンフック処理が行われる(ステップ18)。なお、呼接続処理では、サービス制御システム100が、ゲートウェイ装置41が保持している0ABJ番号を用いて無線ネットワーク(LN20)経由で発着信ができるように制御する。
固定電話器51と通信相手先110との通話が終了し、固定電話器51と通信相手先110の何れかによりオンフックされると、当該0ABJ番号を使用した通話処理が終了する。
【0033】
一方ステップ15において、加入者情報143に保存されている位置情報と基地局位置情報との距離が所定距離Nよりも離れている場合(ステップ15;N)、判定装置10は、ゲートウェイ装置41が保持している0ABJ番号を用いた通話サービスを不許可とする。即ち、判定装置10は、不許可信号と0ABJ番号をサービス制御システム100に送信する(ステップ21)。
加入者情報143に保存の位置情報と基地局位置情報が所定距離Nよりも離れていると判断される場合としては、例えば、発信元の固定電話器51とゲートウェイ装置41が存在条件から外れた別地域で構築された他のLN20に接続されている場合等がある。
【0034】
判定装置10から不許可信号を受信すると、サービス制御システム100は、発呼受付NG(失敗)の処理を行う(ステップ22)。
即ち、サービス制御システム100は、基地局30に発呼受付がNG(失敗)であることを示すNG信号を送信し、基地局30は受信したNG信号をゲートウェイ装置41に送信する。
また、サービス制御システム100は、基地局30、ゲートウェイ装置41を介して、固定電話器51に対して、例えば「サービス圏外のため発信できません」等の音声によるサービス不可メッセージを送信する。
【0035】
固定電話器51では、サービス制御システム100から受信したサービスメッセージを出力する(ステップ24)。
これにより、固定電話器51の使用者は、当該固定電話器51による発信ができないことを認識してオンフックし(ステップ25)、これにより固定電話器51は発呼処理を終了する。
【0036】
次に、外部の通信相手先110から、固定電話器51の0ABJ番号に着信があった場合の処理について説明する。
図5は、電話サービスシステムにおける着信時の遷移状態を表した説明図である。
図5の場合も、一例として、LN21の外部に存在する通信相手先110を発信元、LN21内に設置された固定電話器51を着信先とする場合を例に、着信時の処理について説明する。
通信相手先110からの発信により、着信先の0ABJ番号がサービス制御システム100に送信される(ステップ51)。
【0037】
着信先の0ABJ番号を受信すると、サービス制御システム100は、受信した0ABJ番号を保存しているゲートウェイ装置41に対して接続確認を行う(ステップ52)。
即ち、サービス制御システム100は、受信した0ABJ番号を保存しているゲートウェイ装置41が存在するLN21の基地局30を通信DBから検索し、検索した基地局30に接続の確認信号を送信する。
【0038】
基地局30は受信した確認信号をゲートウェイ装置41に送信し、ゲートウェイ装置41は、確認信号を受信すると固定電話器51が接続されていることを確認した後に、ゲートウェイ装置41のSIM番号とOK信号を基地局30に返す(ステップ53)。
【0039】
基地局30は、ゲートウェイ装置41からSIM番号とOK信号を受信すると、位置検出装置301で自装置の現在位置を検出し、検出した基地局位置情報と、ゲートウェイ装置41から受信したSIM番号、着信先の0ABJ番号を判定装置10に送信して、存在条件の判定を要求する(ステップ54)。
【0040】
この判定要求を受けると、判定装置10は、存在条件の判定を行う(ステップ55)。
即ち、判定装置10(のCPU11)は、基地局30から受信した基地局位置情報、SIM番号、0ABJ番号をRAM13に一時記憶する。
そして判定装置10は、SIM番号と0ABJ番号の組からゲートウェイ装置41がLN21に繋げてもよい装置であることを確認(詳細は図4の説明参照)した後、RAM13に記憶した0ABJ番号に対応して加入者情報143に保存されている位置情報と、RAM13に記憶した基地局位置情報との距離が所定距離Nm以内であるか否かを判断する(ステップ56)。
【0041】
判定装置10は、加入者情報143の位置情報と基地局位置情報との距離が所定距離Nm以内である場合(ステップ56;Y)、当該0ABJ番号による通話を許可する許可信号と0ABJ番号をサービス制御システム100に送信する(ステップ57)。
【0042】
サービス制御システム100は、判定装置10から許可信号を受信すると、基地局30と通信相手先110に対して発呼受付OK(完了)の通知を行う(ステップ58)。
即ち、サービス制御システム100は、基地局30に発呼の受付が完了したことを示すOK信号を送信し、基地局30は受信したOK信号をゲートウェイ装置41に送信する。
また、サービス制御システム100は、通信相手先110にもOK信号を送信する。
【0043】
以上により、存在条件が満たされているとの判断が完了し、固定電話器51と通信相手先110間の通話が可能になる。
即ち、固定電話器51、ゲートウェイ装置41、基地局30、サービス制御システム100、通信相手先110による呼接続処理と通話確立、オンフック処理が行われる(ステップ59)。なお、呼接続処理では、サービス制御システム100が、ゲートウェイ装置41が保持している0ABJ番号を用いて無線ネットワーク(LN20)経由で発着信ができるように制御する。
固定電話器51と通信相手先110との通話が終了し、固定電話器51と通信相手先110の何れかによりオンフックされると、当該0ABJ番号を使用した通話処理が終了する。
【0044】
以上により、固定電話器51と通信相手先110間の通話が可能になる。
即ち、固定電話器51、ゲートウェイ装置41、基地局30、サービス制御システム100、通信相手先110による呼接続処理と通話確立、オンフック処理が行われる(ステップ59)。
固定電話器51と通信相手先110との通話が確立して両者間の通話が終了し、固定電話器51と通信相手先110の何れかによりオンフックされると、当該0ABJ番号を使用した通話処理が終了する。
【0045】
一方ステップ56において、加入者情報143の位置情報と基地局位置情報が所定距離Nmよりも離れている場合(ステップ56;N)、判定装置10は、当該0ABJ番号の固定電話器51への着信を不許可とする不許可信号と0ABJ番号をサービス制御システム100に送信する(ステップ61)。
【0046】
判定装置10から不許可信号を受信すると、サービス制御システム100は、発呼受付NG(失敗)の処理を行う(ステップ62)。
即ち、サービス制御システム100は、基地局30に発呼受付がNG(失敗)であることを示すNG信号を送信し、基地局30は受信したNG信号をゲートウェイ装置41に送信する。
更にサービス制御システム100は、発呼元である通信相手先110に受信したNG信号を送信する。またサービス制御システム100は、通信相手先110に対して、例えば「相手方がサービス圏外のため発信できません」等の音声によるサービス不可メッセージを送信する。
【0047】
通信相手先110では、サービス制御システム100から受信したサービスメッセージを出力する(ステップ63)。
これにより、通信相手先110は、0ABJ番号の固定電話器51を着信先とする発信ができないことを認識してオンフックし(ステップ64)、これにより通信相手先110による発呼処理が終了する。
【0048】
以上の説明では、サービス制御システム100の外部の通信相手先110から、LN21内の固定電話器51に対して発信された場合について説明したが、発信元、着信先が共にサービス制御システム100内に存在する場合については、次の通りである。
例えばLN22の固定電話器50A(図示しない)から発呼され、着信先がLN21の固定電話器51である場合は、判定装置10は、発呼した固定電話器50Aの存在条件を図4と同様にして判定すると共に、固定電話器51の存在条件について図5と同様にして判定する。
即ち、サービス制御システム100内の固定電話器50相互の通話処理の場合、判定装置10は、発呼元の両固定電話器50と、着信先の固定電話器50の両者に対して存在条件の判断を行い、両固定電話器が存在条件を満たしている場合に通話が可能になる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、固定電話器50が有線接続されるゲートウェイ装置40の位置情報ではなく、屋外や外壁、屋上などに固定的に設置される基地局30の位置情報を使用することで、より確実に存在条件を判断することができる。
本実施形態によれば、LN20を構築する基地局30が位置検出装置301を備えればよく、LN20内に配置される全てのゲートウェイ装置40がGPS機能等による位置検出装置を備える必要がないので、小型、安価なシステムを提供することができる。
【0050】
以上、本発明における1実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明した実施形態では、存在条件を判断する場合の所定距離Nmが300mに設定されている場合について説明した。
これに対して、所定距離Nmの値については、LN20がカバーする通信範囲の大きさに応じた値に設定するようにしてもよい。
例えば、LN20が工場内等の広範囲をカバーするローカルネットである場合には、Nmはより大きな値(最大1000m)に設定される。
一方、近接するマンション毎にLN20が設定される場合には、各LN20が干渉をしないようにするために、所定距離Nmの値としてより短い距離、例えば、Nm=100mを設定するようにしてもよい。
この場合、判定装置10は、LN20毎に基地局30がカバーする所定距離Nmの値について保存する。
【0051】
また説明した実施形態では、0ABJ番号をゲートウェイ装置40が保存している場合について説明したが、ゲートウェイ装置40に接続される固定電話器50が保存するようにしてもよい。
この場合、図4で説明したオフフックがされた場合に(ステップ11)、各固定電話器50は、ゲートウェイ装置40にオフフック信号と自装置の0ABJ番号を送信する。
ゲートウェイ装置40は、固定電話器50から受信したオフフック信号と0ABJ番号を受信すると、基地局30に対するサービス要求(ステップ12)において、受信した0ABJ番号と自装置のSIM番号を基地局30に送信する。
以下の処理は図4の説明と同様である。
【0052】
更に、説明した実施形態では、0ABJ番号を保存しているゲートウェイ装置40に有線接続されているいわゆる固定電話器50を使用した発着信について説明した。
これに対して、基地局30が、ローカル5GやプライベートLTE等のローカル/プライベートネットワーク(以下、RNWという)で構成され、ゲートウェイ装置40が当該RNWによる通信に加えて、Wi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信機能を備えるようにしてもよい。
そして、この場合のゲートウェイ装置40は、当該近距離無線通信機能により無線接続される携帯電話やスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の通話可能な通信端末から、ゲートウェイ装置40が保存している0ABJ番号の発信処理を可能にしてもよい。
この場合の通信端末は、0ABJ番号による発着信を行う通話装置として機能する。
【0053】
この場合、携帯電話やスマートフォン等の通信装置には、当該通信装置の電話番号(0ABJ番号ではない、090等で始まる電話番号)を使用した発信をするのか、ゲートウェイ装置40に保存されている0ABJ番号を使用した発信をするのかを選択する、通話選択アプリ(プログラム)を保存する。この通話選択アプリは、本実施形態のサービス制御システム100からダウンロードするが、各種アプリを提供するサーバからダウンロード可能にしてもよい。
【0054】
本変形例の通信装置は、通話選択アプリから0ABJ番号の発信がユーザにより選択されると、ステップ11のオフフックがされたものと判断し、Wi-Fi等の近距離無線通信機能により、ゲートウェイ装置40に対して0ABJ番号によるオフフック信号を送信する。
一方、通話選択アプリから0ABJ番号以外の発信が選択された場合、及び、通話選択アプリを起動せずに発信がされた場合、通信装置は、近距離無線通信機能によるゲートウェイ装置40経由の発信処理を行う。この場合のゲートウェイ装置40は、基地局30を経由せずに、インターネットや携帯電話網を介して、発信処理を行う。
【0055】
以上、本実施形態及び各種変形例について説明したが、各実施形態や変形例に対応して、判定システム、判定装置、及び判定プログラムを次のように構成することも可能である。
(1)構成1
所定の限定された小領域を通信対象とする小領域ネットワークを構築し、0ABJ番号による通話を可能にする基地局と、
前記小領域ネットワーク内に配設されて前記基地局とネットワーク接続され、0ABJ番号による発着信を行う通話装置が接続されたゲートウェイ装置と、
前記ゲートウェイ装置又は前記通話装置の配設位置を0ABJ番号に対応付けて記憶する配設位置記憶手段と、
前記基地局の現在位置を検出する基地局位置検出手段と、
前記小領域ネットワーク内における0ABJ番号の発着信があった場合、当該0ABJ番号に対応付けて記憶された配設位置と、前記検出された前記基地局の現在位置とから、当該0ABJ番号による通話サービスの許可条件を満たしている場合に、当該0ABJ番号による通話を可能にする判定手段と、
を備えることを特徴とする判定システム。
(2)構成2
前記許可条件を満たしていない場合、発信元又は着信先に通話不可を通知する通知手段、を備えることを特徴とする構成1に記載の判定システム。
(3)構成3
前記基地局は、サービス制御システムが提供する0ABJ番号の通話サービスを利用して、0ABJ番号による通話を可能にする、
ことを特徴とする構成1又は構成2に記載の判定システム。
(4)構成4
前記通話装置は、前記ゲートウェイ装置に有線接続された固定電話器であり、
前記0ABJ番号は、前記固定電話器、又は前記ゲートウェイ装置に保存されている、
ことを特徴とする構成1、構成2、又は、構成3に記載の判定システム。
(5)構成5
前記通話装置は、前記ゲートウェイ装置に無線接続された通話可能な通信端末であり、
前記0ABJ番号は、前記ゲートウェイ装置に保存されている、
ことを特徴とする構成1から構成4のうちの何れか1の構成に記載の判定システム。
(6)構成6
前記小領域ネットワークは、ローカル5G、プライベートLTE、Wi-Fi(登録商標)により構築されている、
ことを特徴とする構成1から構成5のうちの何れか1の構成に記載の判定システム。
(7)構成7
前記許可条件は、0ABJ番号に応じて指定された地域内に当該0ABJ番号を使用する前記通話装置が存在することである、
ことを特徴とする構成1から構成6のうちの何れか1の構成に記載の判定システム。
(8)構成8
前記判定手段は、前記配設位置と前記基地局の現在位置とが、予め規定された所定距離Nm以内にある場合に、許可条件を満たしていると判定する、
ことを特徴とする構成1から構成6のうちの何れか1の構成に記載の判定システム。
(9)構成9
所定の限定された小領域を通信対象とする小領域ネットワーク内に配設されたゲートウェイ装置又は通話装置の配設位置を0ABJ番号に対応付けて記憶する配設位置記憶手段と、
0ABJ番号の発着信があった前記小領域ネットワーク内の基地局から、当該発着信があった0ABJ番号と、当該基地局が検出した基地局位置を取得する基地局位置取得手段と、
前記取得した基地局位置と、前記取得した0ABJ番号に対応して前記配設位置記憶手段に記憶した配設位置とから、当該0ABJ番号による通話サービスの許可条件を満たしているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を、0ABJ番号による通話サービスを提供するサービス制御システム用に出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とする判定装置。
(10)構成10
0ABJ番号の発着信があった所定の限定された小領域を通信対象とする小領域ネットワークの基地局から、当該発着信があった0ABJ番号と、当該基地局が検出した基地局位置を取得する基地局位置取得機能と、
前記取得した基地局位置と、前記小領域ネットワーク内に配設されたゲートウェイ装置又は通話装置の配設位置を0ABJ番号に対応付けて記憶する配設位置記憶手段に記憶された、前記取得した0ABJ番号に対応する配設位置とから、当該0ABJ番号による通話サービスの許可条件を満たしているか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能による判定結果を、0ABJ番号による通話サービスを提供するサービス制御システム用に出力する出力機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする判定プログラム。
【符号の説明】
【0056】
1 判定システム
10 判定装置
14 記憶部
15 通信部
20、21、… ローカルネットワーク(LN)
30 基地局
301 位置検出装置
40、41、… ゲートウェイ装置
50、51、… 固定電話器
100 サービス制御システム
110 通信相手先
141 判定プログラム
142 登録プログラム
143 加入者情報
図1
図2
図3
図4
図5