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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129981
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】バックル装置
(51)【国際特許分類】
   A44B 11/26 20060101AFI20240920BHJP
   B60R 22/18 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A44B11/26
B60R22/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039431
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】596101130
【氏名又は名称】株式会社シーエー産商
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100214031
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 明弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100198247
【弁理士】
【氏名又は名称】並河 伊佐夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188765
【弁理士】
【氏名又は名称】赤座 泰輔
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 正昭
(72)【発明者】
【氏名】劉 珂
【テーマコード(参考)】
3B090
3D018
【Fターム(参考)】
3B090BC02
3B090BC25
3B090BC27
3D018BA12
(57)【要約】
【課題】カバー部材を装着して使用しても第一表示部、第二表示部が視認可能なバックル装置を提供する。
【解決手段】バックル装置10は、バックル本体20と、タング体80と、ボタン体100と、を備える。ボタン体100は、バックル本体20とタング体80とが係止状態であることを表示する第一表示部113と、バックル本体20とタング体80との係止が解除された解除状態であることを表示する第二表示部112と、を備える。バックル本体20とタング体80とが係止状態となると、第一表示部113が表示窓33から視認可能とされ、バックル本体20とタング体80とが解除状態となると、第二表示部112が表示窓33から視認可能とされる。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックル本体と、前記バックル本体に係脱可能なタング体と、前記タング体の係脱操作可能なボタン体と、を備えるバックル装置であって、
前記バックル本体には、外面側から中心に向かう有底凹部が形成され、
前記有底凹部は、前記タング体の差し込み方向側が開放して、前記タング体の差し込み抜き出し方向において、前記ボタン体が前記バックル本体内外を移動可能とされ、
前記ボタン体は、前記有底凹部と前記バックル本体内において、前記タング体の差し込み抜き出し方向において移動可能に配され、前記バックル本体と前記タング体とが係止状態であることを表示する第一表示部と、前記バックル本体と前記タング体との係止が解除された解除状態であることを表示する第二表示部と、を備え、
前記第一表示部及び前記第二表示部は、前記タング体の抜き出し方向側に配設され、かつ、前記有底凹部の内側において移動可能とされ、
前記有底凹部の底壁には、表示窓が形成され、
前記バックル本体と前記タング体とが係止状態となると、前記第一表示部が前記表示窓から視認可能とされ、
前記バックル本体と前記タング体とが解除状態となると、前記第二表示部が前記表示窓から視認可能とされることを特徴とするバックル装置。
【請求項2】
前記バックル本体内には、タング装着体が配設され、
前記タング装着体は、互いに接近離隔可能に軸支される一対の当接片と、作動片と、を備え、
前記一対の当接片は、前記タング体の差し込み方向側において前記一対の当接片が接近するように付勢され、前記タング体のタング部と当接可能とされ、かつ、前記作動片を係止、係止解除可能に構成され、
前記作動片は、前記一対の当接片の前記タング体の差し込み方向側に配され、かつ、前記タング体の抜き出し方向側に付勢され、
前記ボタン体は、前記作動片と連結され、
前記タング体が前記バックル本体に差し込まれ前記一対の当接片を押圧することにより、前記一対の当接片と前記作動片との係止が解除され、前記ボタン体が前記タング体の抜き出し方向側に移動するとともに、前記タング部と前記一対の当接片とが係止され、前記バックル本体と前記タング体とが係止状態となると、前記第一表示部が前記表示窓から視認可能とされ、
前記バックル本体と前記タング体とが係止状態において、前記ボタン体を前記タング体の差し込み方向側に移動させることにより、前記作動片が前記一対の当接片に係止された状態とされ、前記バックル本体と前記タング体とが解除状態となると、前記第二表示部が前記表示窓から視認可能とされることを特徴とする請求項1記載のバックル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバックル装置として特許文献1に記載されるものがあり、当該バックル装置は、バックル本体とバックル本体に係脱自在に係止されるタング部材(タング体)とを備えていた。バックル本体の上カバー体に表示開口部が設けられていた。表示開口部(表示窓)に対向する位置に配置固定されると共に、バックル本体とタング部材との非係止状態で表示開口部に出現する赤色のバネ受体と、バックル本体とタング部材との係止動作に連動してバネ受体上にスライド移動され、かつバックル本体とタング部材との係止状態で表示開口部に出現する緑色のロック表示部とを備えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-154402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のバックル装置では、バックル本体の表示開口部は、タング部材が挿入され、タング部材の差し込み方向前側に形成され、股ウエビングとバックル本体にカバー部材を装着して使用すると、ロック表示部が覆われて視認しにくくなるおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みて、カバー部材を装着して使用してもロック表示部(第一表示部、第二表示部)が視認可能なバックル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明では、バックル本体と、前記バックル本体に係脱可能なタング体と、前記タング体の係脱操作可能なボタン体と、を備えるバックル装置であって、
前記バックル本体には、外面側から中心に向かう有底凹部が形成され、
前記有底凹部は、前記タング体の差し込み方向側が開放して、前記タング体の差し込み抜き出し方向において、前記ボタン体が前記バックル本体内外を移動可能とされ、
前記ボタン体は、前記有底凹部と前記バックル本体内において、前記タング体の差し込み抜き出し方向において移動可能に配され、前記バックル本体と前記タング体とが係止状態であることを表示する第一表示部と、前記バックル本体と前記タング体との係止が解除された解除状態であることを表示する第二表示部と、を備え、
前記第一表示部及び前記第二表示部は、前記タング体の抜き出し方向側に配設され、かつ、前記有底凹部の内側において移動可能とされ、
前記有底凹部の底壁には、表示窓が形成され、
前記バックル本体と前記タング体とが係止状態となると、前記第一表示部が前記表示窓から視認可能とされ、
前記バックル本体と前記タング体とが解除状態となると、前記第二表示部が前記表示窓から視認可能とされる。
【0007】
これによれば、有底凹部の底壁に、表示窓が形成され、タング部と一対の当接片とが係止されバックル本体とタング体とが係止状態となるときに、ボタン体がタング体の抜き出し方向側に移動する構成とされ、かつ、第一表示部及び第二表示部はタング体の抜き出し方向側に配設されているので、換言すれば、タング体の抜き出し方向側で第一表示部及び第二表示部が表示されるため、カバー部材を装着して使用しても、第一表示部及び第二表示部が視認可能となる。
【0008】
また、前記バックル本体内には、タング装着体が配設され、
前記タング装着体は、互いに接近離隔可能に軸支される一対の当接片と、作動片と、を備え、
前記一対の当接片は、前記タング体の差し込み方向側において前記一対の当接片が接近するように付勢され、前記タング体のタング部と当接可能とされ、かつ、前記作動片を係止、係止解除可能に構成され、
前記作動片は、前記一対の当接片の前記タング体の差し込み方向側に配され、かつ、前記タング体の抜き出し方向側に付勢され、
前記ボタン体は、前記作動片と連結され、
前記タング体が前記バックル本体に差し込まれ前記一対の当接片を押圧することにより、前記一対の当接片と前記作動片との係止が解除され、前記ボタン体が前記タング体の抜き出し方向側に移動するとともに、前記タング部と前記一対の当接片とが係止され、前記バックル本体と前記タング体とが係止状態となると、前記第一表示部が前記表示窓から視認可能とされ、
前記バックル本体と前記タング体とが係止状態において、前記ボタン体を前記タング体の差し込み方向側に移動させることにより、前記作動片が前記一対の当接片に係止された状態とされ、前記バックル本体と前記タング体とが解除状態となると、前記第二表示部が前記表示窓から視認可能とされる。
【0009】
このような構成としても、カバー部材を装着して使用しても、第一表示部及び第二表示部が視認可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態におけるバックル装置の正面図である。
図2】同実施形態のタング体をバックル本体から外した状態の正面図である。
図3】同実施形態の分解斜視図である。
図4】裏カバーの前側からみた斜視図である。
図5】裏カバーの後側からみた斜視図である。
図6】表カバーの後側からみた斜視図である。
図7】表カバーの前側からみた斜視図である。
図8】タング装着体の前側からみた斜視図である。
図9】タング装着体の後側からみた斜視図である。
図10】タング装着体の内部構造の、上は前側からみた説明図、下は後側からみた説明図である。
図11】ボタン体の分解斜視図である。
図12】操作部形成部材の前側からみた斜視図である。
図13】操作部形成部材の後側からみた斜視図である。
図14】表示部形成部材の前側からみた分解斜視図である。
図15】表示部形成部材の後側からみた分解斜視図である。
図16図1のXVI-XVI線矢視断面図である。
図17図16の状態からタング体を外した状態の断面図である。
図18】バックル装置の動作説明図である。
図19】バックル装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明をする。以下の説明では、各図面に付される矢印は、Fを前、Bを後ろ、Rを右、Lを左、Uを上、Dを下、とする。
【0012】
バックル装置10は、概略的には、図1~3、16~19等に示すように、バックル本体20と、バックル本体20に係脱可能なタング体80と、タング体80の係脱操作可能なボタン体100と、を備えている。
【0013】
バックル本体20は、表カバー30と、裏カバー40と、タング装着体50と、を備えている。
【0014】
表カバー30は、合成樹脂製で、図6、7等に示すように、後側が開放する箱状に形成されている。表カバー30には、外面側からバックル本体20の中心に向かう有底凹部31が形成されている。
【0015】
有底凹部31は、下(タング体80の差し込み方向)側が開放して、上下方向(タング体80の差し込み抜き出し方向)において、ボタン体100がバックル本体20内外を移動可能とされている。
【0016】
有底凹部31の底壁32には、表示窓33が形成されている。表示窓33は、ボタン体100の後述する第一表示部113、第二表示部112を視認可能とするものである。
【0017】
表カバー30の内面側には、有底凹部31の左右の側壁から下方向に延びるように、ボタン体100の移動をガイドするガイドリブ34、34がそれぞれ設けられている。
【0018】
左右方向において、ガイドリブ34、34に挟まれ、かつ、ガイドリブ34、34の下側には、後述する付勢部材としてのコイルばね101を配置可能とするばね配置部35が設けられている。本実施形態では、左右一対の側壁と、上下方向に延びるリブと、で構成されている。
【0019】
表カバー30の開口縁部には、嵌合部36が設けられ、嵌合部36は、裏カバー40の後述する被嵌合部43と嵌合可能とされている。
【0020】
裏カバー40は、合成樹脂製で、図4、5等に示すように、前側が開放する箱状に形成されている。
【0021】
裏カバー40の内面側上部には、後述するタング装着体50の位置決め部52dが配置される、位置決め部41が設けられている。本実施形態では、横に倒した略日の字状リブで構成されている。
【0022】
位置決め部41の下側には、後述するタング装着体50の一対の当接片53、53を軸支する軸54の位置決めされる位置決めガイド部42、42が設けられている。
【0023】
裏カバー40の開口縁部には、被嵌合部43が設けられ、被嵌合部43は、表カバー30の嵌合部36と嵌合可能とされている。
【0024】
裏カバー40の位置決め部41の上側には、タング体80のタング部85A、85Bが進退可能に切り欠かれた上開口部44が配設されている。
【0025】
裏カバー40の下側には、後述するタング装着体50のベルト取付部59を配置可能に切り化欠かれた下開口部45が配設されている。
【0026】
バックル本体20内には、タング装着体50が配設されている。
【0027】
タング装着体50は、金属製で、図3、8~10、16~19等に示すように、表プレート51と、裏プレート52と、互いに接近離隔可能に軸支される一対の当接片53と、作動片60と、を備えている。
【0028】
表プレート51と、裏プレート52とは、表プレート51に前後方向において貫通する差込孔51aに、裏プレート52の差込片52aが差し込まれて前後方向に空間を有して一体化されている。
【0029】
表プレート51には、前後方向に貫通して、縦方向に長い縦長孔51bと、軸54が挿通される円形の軸孔51cが配設されている。縦長孔51bには、後述する連結ピン61が挿通され上下方向に移動可能とされている。
【0030】
裏プレート52には、前後方向に貫通して、縦方向に長いガイド孔52bが三か所と、軸54が挿通される円形の軸孔52cが二か所配設されている。ガイド孔52bには、後述するガイドピン62がそれぞれ挿通され上下方向にそれぞれ移動可能とされている。
【0031】
裏プレート52の上部には、裏カバー40の位置決め部41に配置可能な位置決め部52dが設けられている。
【0032】
裏プレート52の下部には、ベルトを取り付け可能なベルト孔を有したベルト取付部59が設けられている。
【0033】
一対の当接片53、53は、タング装着体50の内部において、互いに接近離隔可能に、軸54により前後方向を回転軸として支持され、付勢部材としてのコイルばね57により、軸54より下側の部分が互いに接近、軸54より上側の部分が互いに離隔するように付勢されている。
【0034】
各当接片53は、タング係止部55と、作動片係止部56と、を有している。
【0035】
本実施形態では、当接片53の、軸54を含む上側の互いに対向する、回転軸線からみて波状となり、タング部85A、85Bと係合可能な部分が、タング係止部55とされ、軸54より下側の下面の作動片60と係合可能な部分が、作動片係止部56とされている。
【0036】
一対の当接片53は、下側(タング体80の差し込み方向側)において、一対の当接片53が接近するように付勢され、タング体80のタング部85A、85Bと当接可能とされ、かつ、作動片60を係止、係止解除可能に構成されている。
【0037】
作動片60は、略凸形状に形成され、前面側には、前側に延びる連結ピン61が配設され、後面側に後側に延びるガイドピン62が三か所配設されている。
【0038】
作動片60は、バックル本体20の内部に、下側(一対の当接片53、53のタング体80の差し込み方向側)に配され、連結ピン61を縦長孔51bに、ガイドピン62をガイド孔52bに、挿通させ、かつ、コイルばね63により、上方向(タング体80の抜き出し方向)側に付勢されている。
【0039】
タング装着体50の上部には、タング体80のタング部85A、85Bが、タング装着体50の内部において、進退可能に開口した開口部58が設けられている。
【0040】
タング体80は、本実施形態では、図1~3、16、18、19に示すように、一対の右タング体81Aと、左タング体81Bと、構成されている。
【0041】
右タング体81Aと、左タング体81Bは、合成樹脂で形成された操作部82A、82Bと、金属で形成されたタング部85A、85Bと、をそれぞれ備えている。
【0042】
操作部82A、82Bは、ベルトを通し可能な通し孔83A、83Bと、互いに係合可能な係合部84A、84Bと、を備えている。
【0043】
左タング体81B側の係合部84Bは、凸形状とされ、右タング体81A側の係合部84Aは、係合部84Aに対応した凹形状とされている。
【0044】
タング部85A、85Bは、長尺な平板状に形成され、下端部が、略半長円形に形成され、その上部が左右方向の幅が狭く形成されている。
【0045】
タング体80は、右タング体81A、左タング体81Bが組み合された状態において、タング部85A、85Bは、先端部が張出し部分と凹んだ部分を有した形状とされ、当該部分が係止部88とされている。
【0046】
ボタン体100は、合成樹脂製で、図1~3、11~19に示すように、表示部形成部材110と、操作部形成部材120と、を備えている。
【0047】
表示部形成部材110は、矩形平板状に形成され、裏側に補強用のリブ111が設けられ、上端部にバックル本体20とタング体80との係止が解除された解除状態であることを表示する第二表示部112が設けられている。
【0048】
第二表示部112の下側には、第二表示部112とは異なる色彩が施された、バックル本体20とタング体80とが係止状態であることを表示する第一表示部113が設けられている。本実施形態では、第一表示部113は、別体で表示部形成部材110に嵌め込まれる構成とされている。
【0049】
表示部形成部材110の下端部には、左右一対の爪部114、114が設けられている。爪部114、114は、後述する爪通し孔123の縁部と係止可能とされている。
【0050】
操作部形成部材120は、後側が開口した箱状に形成され、内面側に補強用のリブ121が設けられている。リブ121の下部の中央部分には、作動片60の連結ピン61と係止可能な係止孔122が設けられている。操作部形成部材120の左右の端部の上下方向における中央部分には、前後方向に貫通する爪通し孔123、123が設けられている。
【0051】
操作部形成部材120の上端部は、指で操作可能な操作壁部124が設けられている。操作壁部124は、左右方向からみて上端側が、上に湾曲するように形成されている。
【0052】
操作壁部124と、表示部形成部材110との間に、有底凹部31の底壁32を配置可能とされている。
【0053】
爪通し孔123、123に爪部114、114をそれぞれ挿入して、前側で、爪部114、114と爪通し孔123、123の縁部と係止とを係止することで、表示部形成部材110と操作部形成部材120とが一体化され、ボタン体100を構成する。
【0054】
バックル装置10の組み付け態様を説明する。裏カバー40内に、タング装着体50をセットする。このとき、タング装着体50は、位置決め部41、位置決めガイド部42により位置決めされる。
【0055】
表示部形成部材110の第一表示部113、第二表示部112を含んだ部分を表カバー30の有底凹部31の底壁32の内側に配し、操作部形成部材120の爪通し孔123、123に爪部114、114をそれぞれ挿入して、前側で、爪部114、114と爪通し孔123、123の縁部と係止とを係止させて、ボタン体100を表カバー30内にセットする。
【0056】
コイルばね101を、ボタン体100と表カバー30のばね配置部35間に配置することにより、ボタン体100を上方向(タング体80の抜き出し方向)側に付勢させる。
【0057】
そして、係止孔122に連結ピン61を挿入して作動片60とボタン体100を連結するとともに、表カバー30の嵌合部36と、裏カバー40の被嵌合部43とを嵌合させることで、バックル装置10が完成する。
【0058】
本実施形態のバックル装置10の機能作用は、以下に説明する。
【0059】
図2、18に示すように、右タング体81Aの係合部84Aと、左タング体81Bの係合部84Bを係合させて一体化させ、一つのタング体80とする。
【0060】
一体化したタング部85A、85Bをタング装着体50の開口に進入させる。タング部85A、85Bが一対の当接片53、53と当接すると、コイルばね57の付勢力に抗して、一対の当接片53、53の軸54より下側の部分の作動片係止部56が互いに離隔する。
【0061】
作動片係止部56が離隔すると、作動片60と一対の当接片53、53の係止が解除される。作動片60と一対の当接片53、53の係止が解除されると作動片60は、コイルばね63の付勢力により上側に移動する。それに伴い、コイルばね101の付勢力も付加されてボタン体100も上側に移動する。
【0062】
このとき、図1、19に示すように、表示窓33から視認されていた第二表示部112が、上側に移動して有底凹部31の底壁32に隠されるとともに、第一表示部113が下側から移動して表示窓33から視認可能となる。
【0063】
また、一対の当接片53、53により、タング係止部55とタング体80の係止部88は係止された状態となる。
【0064】
バックル本体20とタング体80との係止状態を解除するときには、ボタン体100を下側に移動させると、コイルばね63の付勢力に抗して作動片60が下側に移動し、コイルばね57の付勢力で一対の当接片53、53の作動片係止部56を接近させ、作動片60と一対の当接片53、53とが係止され、タング係止部55とタング体80の係止部88の係止が解除された図18の状態に戻る。
【0065】
このとき、表示窓33から視認されていた第一表示部113が、下側に移動して有底凹部31の底壁32に隠されるとともに、第二表示部112が上側から移動して表示窓33から視認可能となる。
【0066】
上記構成のバックル装置10では、バックル本体20と、バックル本体20に係脱可能なタング体80と、タング体80の係脱操作可能なボタン体100と、を備えるバックル装置であって、
バックル本体20には、外面側から中心に向かう有底凹部31が形成され、
有底凹部31は、タング体80の差し込み方向側が開放して、タング体80の差し込み抜き出し方向において、ボタン体100がバックル本体20内外を移動可能とされ、
ボタン体100は、有底凹部31とバックル本体20内において、タング体80の差し込み抜き出し方向において移動可能に配され、バックル本体20とタング体80とが係止状態であることを表示する第一表示部113と、バックル本体20とタング体80との係止が解除された解除状態であることを表示する第二表示部112と、を備え、
第一表示部113及び第二表示部112は、タング体80の抜き出し方向側に配設され、かつ、有底凹部31の内側において移動可能とされ、
有底凹部31の底壁32には、表示窓33が形成され、
バックル本体20とタング体80とが係止状態となると、第一表示部113が表示窓33から視認可能とされ、
バックル本体20とタング体80とが解除状態となると、第二表示部112が表示窓33から視認可能とされる。
【0067】
これによれば、有底凹部31の底壁32に、表示窓33が形成され、タング部85A、85Bと一対の当接片53、53とが係止されバックル本体20とタング体80とが係止状態となるときに、ボタン体100がタング体80の抜き出し方向側に移動する構成とされ、かつ、第一表示部113及び第二表示部112はタング体80の抜き出し方向側に配設されているので、換言すれば、タング体80の抜き出し方向側で第一表示部113及び第二表示部112が表示されるため、カバー部材を装着して使用しても、第一表示部113及び第二表示部112が視認可能となる。
【0068】
また、バックル本体20内には、タング装着体50が配設され、
タング装着体50は、互いに接近離隔可能に軸支される一対の当接片53と、作動片60と、を備え、
一対の当接片53は、タング体80の差し込み方向側において一対の当接片53が接近するように付勢され、タング体80のタング部85A、85Bと当接可能とされ、かつ、作動片60を係止、係止解除可能に構成され、
作動片60は、一対の当接片53のタング体80の差し込み方向側に配され、かつ、タング体80の抜き出し方向側に付勢され、
ボタン体100は、作動片60と連結され、
タング体80がバックル本体20に差し込まれ一対の当接片53を押圧することにより、一対の当接片53と作動片60との係止が解除され、ボタン体100がタング体80の抜き出し方向側に移動するとともに、タング部85A、85Bと一対の当接片53とが係止され、バックル本体20とタング体80とが係止状態となると、第一表示部113が表示窓33から視認可能とされ、
バックル本体20とタング体80とが係止状態において、ボタン体100をタング体80の差し込み方向側に移動させることにより、作動片60が一対の当接片53に係止された状態とされ、バックル本体20とタング体80とが解除状態となると、第二表示部112が表示窓33から視認可能とされる。
【0069】
このような構成としても、カバー部材を装着して使用しても、第一表示部113及び第二表示部112が視認可能となる。
【0070】
本発明のバックル装置は上記構成に限定されるものではない。即ち、本発明の要旨を逸脱しない限り各種の設計変更等が可能である。
【0071】
例えば、タング装着体に相当する構成は、既存の全てのものを流用することができる。
【符号の説明】
【0072】
10 バックル装置
20 バックル本体
31 有底凹部
32 底壁
33 表示窓
50 タング装着体
53 当接片
60 作動片
80 タング体
85A タング部
85B タング部
100 ボタン体
112 第二表示部
113 第一表示部
図1
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