(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129984
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q10/20
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039434
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】598057291
【氏名又は名称】エフサステクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 公亮
(72)【発明者】
【氏名】吉野 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 勇太
(72)【発明者】
【氏名】前田 朋哉
(72)【発明者】
【氏名】中村 大輔
(72)【発明者】
【氏名】後藤 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】石和 慎司
(72)【発明者】
【氏名】赤星 智浩
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】作業員の外観チェックのスキルの向上を図ること。
【解決手段】情報処理装置100は、取得部151と、評価部152と、出力部153とを有する。取得部151は、各工程において、対象物の外観をチェックする各作業員の外観チェックの結果を取得する。評価部152は、外観チェックの結果に基づいて各作業員の評価を行う。出力部153は、評価された情報を出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各工程において、対象物の外観をチェックする各作業員の外観チェックの結果を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された外観チェックの結果に基づいて、各作業員の評価を行う評価部と、
前記評価部によって評価された情報を出力する出力部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記対象物の各工程における外観チェックの結果をそれぞれ記憶する記憶部と、
前記取得部によって取得された外観チェックの結果と、前記記憶部に記憶された前工程の外観チェックの結果とが同一であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記取得部によって取得された外観チェックの結果と、前記記憶部に記憶された前工程の外観チェックの結果とが同一でないと判定された場合に、現工程の作業員の作業スキルと、前工程の作業員の作業スキルとを比較し、前工程へ差し戻し依頼または相談依頼を通知する通知部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記作業員の外観チェックにおいて、所定時間以内に入力がなかった場合に、外観チェック作業を支援する情報として、類似事例、相談可能メンバー、および、前工程チェック結果のうち、いずれか一つ又は複数を表示する表示制御部
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価部は、前記作業員のそれぞれについて、外観チェックの修正なし正答率、外観チェックの制限時間内正答率、前記外観チェック作業を支援する情報の表示率、および、被相談率のうち、いずれか一つまたは複数について評価を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価部は、前記作業員のそれぞれについて、前記外観チェックの結果の所定期間ごとの傾向に応じて、評価を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
各工程において、対象物の外観をチェックする各作業員の外観チェックの結果を取得し、
取得された外観チェックの結果に基づいて、各作業員の評価を行い、
評価された情報を出力する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
各工程において、対象物の外観をチェックする各作業員の外観チェックの結果を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された外観チェックの結果に基づいて、各作業員の評価を行う評価手順と、
前記評価手順によって評価された情報を出力する出力手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、故障したPC(Personal Computer)等の電子機器を顧客から受け取り、修理して顧客へ返送する有償修理サービスが行われている。そして、有償修理サービスにおいては、修理前や修理後、返送前に修理対象の電子機器の外観チェックが行われ、修理時等に傷がついていないことの証跡が残されている。
【0003】
また、外観チェックにおいて、修理前に対象機器に傷が発見された場合には、顧客へ連絡して修理前から存在する傷である旨が伝えられる。しかし、対象機器に傷状の跡が確認された場合であっても、それが清掃により除去することができる汚れである場合もあり、傷か汚れかを判断することが難しい場合がある。
【0004】
そのため、傷か汚れかの判断は、作業員の過去の経験により判断している場合が多く、判断に迷った場合には、経験が多くスキルの高い作業員に相談することにより、当該判断が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、作業員の外観チェックのスキルの向上についてさらなる改善の余地があった。
【0007】
例えば、外観チェック作業において、複数のチェック者が存在する場合に、前工程の作業者のチェック結果に影響を受けて、同じチェック結果を入力する場合や、自分で十分に判断する前にスキルの高い作業員に判断を仰いでしまう場合があった。そのため、独力により判断する機会が少なくなり、外観チェックのスキルが向上しないという課題があった。
【0008】
また、例えば、現在の自分のスキルレベルについて可視化されていないことから、自分の実力を把握することが難しく、外観チェックのスキル向上のモチベーションを維持することが難しいという課題もあった。
【0009】
1つの側面では、本発明は、作業員の外観チェックのスキルを客観的に評価し、スキルレベルを可視化することができる、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の案では、情報処理装置は、取得部と評価部と出力部とを有する。取得部は、各工程において、対象物の外観をチェックする各作業員の外観チェックの結果を取得する。評価部は、外観チェックの結果に基づいて各作業員の評価を行う。出力部は、評価された情報を出力する。
【発明の効果】
【0011】
作業員の外観チェックのスキルの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施例に係る情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図2】
図2は、本実施例に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施例に係る情報処理に使用されるデータの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、外観チェックスキルの評価の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、外観チェック作業を支援する情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、外観チェック作業を支援する情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施例に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本実施例に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施例の情報処理装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例0014】
図1は、本実施例に係る情報処理システムの概要を説明するための図である。本実施例に係る情報処理装置100を含む情報処理システムは、例えば、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスである情報処理装置100と、情報処理装置100と連携して情報の送受信を行う管理サーバ300とから構成される。
【0015】
また、情報処理装置100は、カメラ機能や、タッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等の画面を有する携帯端末装置であり、情報処理装置100と管理サーバ300とは、ネットワーク5を介して互いに通信可能に接続される。
【0016】
情報処理装置100は、各工程において、対象物の外観をチェックする各作業員の外観チェックの結果を取得する。そして、情報処理装置100は、取得された外観チェックの結果に基づいて、各作業員の評価を行い、評価された情報を出力する。
【0017】
ここで、本実施例における外観をチェックする作業は、例えば、作業員が対象物の外観を目視で確認し、傷の有無を判断することにより行われ、対象物の外観写真と、対象物の傷の有無とを登録する。また、本実施例に係る外観チェック作業は、対象物の受け取り、修理、返送等の各工程においてそれぞれ行われ、各工程における外観チェック作業を別々の作業員が行うものとする。
【0018】
情報処理装置100は、まず、各工程において、対象物の外観をチェックする各作業員の外観チェックの結果を取得する。例えば、情報処理装置100は、前述の各工程において、対象物について各作業員が登録した外観写真や傷の有無、外観チェックに要した時間といった外観チェックの結果を取得する。
【0019】
そして、情報処理装置100は、取得された外観チェックの結果に基づいて、各作業員の評価を行い、評価された情報を出力する。例えば、情報処理装置100は、各作業員が行った外観チェックの結果から、外観チェックの正答率や制限時間内正答率等を算出し、各作業員の外観チェックスキルの評価を行い、評価された情報を出力する。
【0020】
これにより、情報処理装置100は、各工程における各作業員が行った外観チェックの結果から、外観チェックスキルを評価することにより、外観チェックスキルを可視化することができる。
【0021】
管理サーバ300は、作業員により登録された外観写真や、対象物の修理等の工程の管理に関する修理管理データ、各作業員の外観チェック作業の経験台数による作業員のスキル管理データ等を記憶する情報処理装置である。また、管理サーバ300は、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。なお、管理サーバ300に記憶される情報は、情報処理装置100に記憶されてもよく、反対に、情報処理装置100に記憶される情報が管理サーバ300に記憶されてもよいものとする。
【0022】
次に、
図1で説明した処理を実行する情報処理装置の構成例について説明する。
図2は、本実施例に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、入力部120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150とを有する。
【0023】
通信部110は、ネットワーク5を介して、管理サーバ300とデータ通信を実行する。例えば、通信部110は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0024】
入力部120は、例えば、タッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等を用いて実現され、ユーザによるタップ操作やスライド操作等の入力操作に対応して、制御部150に対して各種の情報を入力する。なお、入力部120は、前述の液晶ディスプレイではなく、キーボードやマウス等の入力デバイスを用いて実現されてもよい。
【0025】
表示部130は、前述の入力部120と同様に、液晶ディスプレイ等の表示装置等によって実現される。例えば、表示部130は、後述する外観チェック作業を支援する情報や、後述する出力部153によって出力される各作業員の評価された情報について表示する。
【0026】
記憶部140は、工程管理テーブル141と、外観チェック結果テーブル142と、スキル評価テーブル143とを有する。記憶部140は、例えば、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。なお、例えば、前述した記憶部140の各機能は、管理サーバ300が有してもよく、その場合には、制御部150はネットワーク5を介して管理サーバ300が有する記憶部に各情報を格納するものとする。
【0027】
工程管理テーブル141は、対象物について行われる各工程についての管理情報を保持する。例えば、工程管理テーブル141は、対象物について行われる受付工程、修理工程、返送工程等の各工程の担当者についての情報や、対象物の受付番号、受付日、対象機種等の情報を保持する。
【0028】
外観チェック結果テーブル142は、対象物の各工程における外観チェックの結果をそれぞれ保持する。例えば、外観チェック結果テーブル142は、対象物について行われる各工程における外観チェックのチェック時間やチェック結果、修正後のチェック結果、支援情報の利用履歴等の外観チェックの結果についての情報を保持する。
【0029】
スキル評価テーブル143は、後述する評価部152によって評価された各作業員の外観チェックスキルの評価についての情報を保持する。例えば、スキル評価テーブル143は、各作業員に対して、修正なし正答率や制限時間内正答率といったスキル評価に関する情報や、各作業員の対象物ごとの経験台数といった作業員のスキル管理に関する情報を保持する。
【0030】
ここで、
図3を参照し、前述の工程管理テーブル141と、外観チェック結果テーブル142と、スキル評価テーブル143とがそれぞれ保持する情報について説明する。
図3は、本実施例に係る情報処理に使用されるデータの一例を示す図である。
図3の例では、「作業担当」、「作業受付管理」、「外観チェック作業管理」、「支援情報利用履歴」、「作業員のスキル管理」、「スキル評価」の項目について、それぞれの情報が入力されている。
【0031】
前述の項目のうち、工程管理テーブル141は、「作業担当」、「作業受付管理」の情報を保持する。一方、外観チェック結果テーブル142は、「外観チェック作業管理」、「支援情報利用履歴」の情報を保持する。そして、スキル評価テーブル143は、「作業員のスキル管理」、「スキル評価」の情報を保持する。
【0032】
以下では、各項目に入力される情報について
図3の例を参照して、具体的に説明する。まず、例えば、「作業担当」の「担当者(1)」の欄には、「第1工程:Aさん」、「第2工程:Bさん」、「第3工程:Cさん」といった情報が入力される。また、「作業受付管理」の受付番号「a001」の欄には、「受付日:2023.2.7」、「対象機種:ノートPC98」といった情報が入力される。
【0033】
次に、「外観チェック作業管理」の「作業NO.:a001-1」の欄には、「担当者:Aさん」、「開始時刻:11:00」、「完了時刻:11:20」といった外観チェック作業の管理情報が入力される。また、それに加え、「チェック時間:20分」、「チェック結果:傷なし」、「修正後チェック結果:傷あり」といった外観チェックのスキル評価に使用される情報も入力される。
【0034】
そして、「支援情報利用履歴」の「作業NO.:a001-1」の欄には、「類似例表示のみが利用されたため、「類似例表示」に「〇」が入力され、それ以外の「前工程結果表示」と「他メンバー相談」には「-」が入力される。
【0035】
次に、「作業員のスキル管理」の「作業員:Aさん」の欄には、外観チェックの経験台数として「ノートPC98:100台」が入力される。また、「スキル評価」の「作業員:Aさん」の欄には、「(1)修正なし正答率:80%」や、「(2)制限時間内正答率:70%」といった情報が入力される。そして、それに加えて、「(3)前工程結果表示率:20%」、「(4)類似例表示率:50%」、「(5)他メンバー相談率:20%」、(6)被相談率:60%」といった情報も入力される。
【0036】
図2の説明に戻る。制御部150は、取得部151と、評価部152と、出力部153とを有し、必要に応じて、判定部154と、通知部155と、表示制御部156とを有してもよい。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)により実現される。また、制御部150は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実行されてもよい。
【0037】
取得部151は、各工程において、対象物の外観をチェックする各作業員の外観チェックの結果を取得する。例えば、取得部151は、対象物に行われる各工程において、対象物の外観チェックを行う各作業員が登録した、外観チェックによる傷の有無や、支援情報利用履歴等の外観チェックの結果について取得する。そして、取得部151は、取得した外観チェックの結果についての情報を前述の外観チェック結果テーブル142に格納する。
【0038】
ここで、外観チェックの対象物は、PC等の電子機器に限定されるものではなく、椅子等の外観の傷をチェックすることができる有体物であればよいものとする。
【0039】
評価部152は、取得部151によって取得された外観チェックの結果に基づいて、各作業員の評価を行う。また、評価部152は、作業員それぞれについて、外観チェックの修正なし正答率、外観チェックの制限時間内正答率、外観チェックを支援する情報の表示率、および被相談率のうち、いずれか一つまたは複数について評価を行ってもよい。
【0040】
例えば、評価部152は、外観チェックの結果により、前述のスキル評価における修正なし正答率や、制限時間内正答率、前工程結果表示率等を算出し、各作業員の評価を行う。そして、評価部152は、算出した評価情報をスキル評価テーブル143に格納する。
【0041】
ここで、前述の、各評価項目の算出方法の例について説明する。まず、評価部152は、修正なし正答率として、任意の期間における修正がされなかった外観チェックの割合を算出する。次に、評価部152は、制限時間内正答率として、任意の期間における、予め設定された制限時間よりもチェック時間が短い外観チェックの割合を算出する。
【0042】
また、評価部152は、外観チェックを支援する情報の表示率として、任意の期間における、後述する外観チェックを支援する情報のそれぞれについて、その表示割合を算出する。そして、評価部152は、被相談率として、相談した回数と相談された回数の和に対する、相談された回数の割合を算出する。なお、前述の各評価項目は、いずれか1つのみを算出してもよいし、複数の評価項目を算出してもよい。
【0043】
さらに、評価部152は、作業員それぞれについて、外観チェックの結果の所定期間ごとの傾向に応じて、評価を行ってもよい。例えば、評価部152は、作業員それぞれについての前述の評価項目の所定期間ごとの傾向に応じて、評価を行う。
【0044】
ここで、
図4を参照し、所定期間ごとの傾向に応じた評価について説明する。
図4は、外観チェックスキルの評価の一例を示す図である。
図4の例では、「担当者:Aさん」のスキル評価の推移を1か月ごとに表示している。また、各評価項目について、前月の値と比較して、10%以上の差があった場合には、強調されて表示されるとともに上司への通知が行われてもよい。なお、
図4において、斜線背景となっている箇所は黄色が付されているものとし、点背景となっている箇所は青色が付されているものとする。
【0045】
例えば、「(5)他メンバー相談率」の評価項目では、算出された値が低い方が独力でチェック作業を行ったとして、スキルが向上していると判断される。具体的には、「8月:40%」と「9月:30%」とを比較した場合は、9月の方が10%低い値であるため、スキル向上を示す黄色が付されて表示される。一方、「4月:70%」と「5月:80%」とを比較した場合は、5月の方が10%高い値となっているため、スキル下降を示す青色が付されて表示される。
【0046】
これにより、評価部152は、それぞれの評価項目について、
図4に示す通りに表示することにより、作業員の外観チェックのスキルの向上度合いを可視化することができ、作業員のモチベーションの維持を図ることができる。
【0047】
図2の説明に戻る。出力部153は、評価部152によって評価された情報を出力する。例えば、評価部152は、前述の評価部152によって算出された各評価項目について、情報処理装置100の表示画面へ表示したり、ネットワーク5を介して、外部の機器に出力したりする。
【0048】
判定部154は、取得部151によって取得された外観チェックの結果と、記憶部140に記憶された前工程の外観チェックの結果とが同一であるか否かを判定する。例えば、判定部154は、取得部151によって取得された傷の有無についての外観チェックの結果と、外観チェック結果テーブルに記憶された前工程の外観チェック結果とが同一であるか否かを判定する。そして、判定部154は、両結果が同一ではないと判定した場合には、その旨を通知部155に通知する。なお、判定部154は、前工程において、修正後チェック結果が登録されている場合には、判定部154は、修正後チェック結果を参照して判定を行う。
【0049】
通知部155は、取得された外観チェックの結果と、記憶された前工程の外観チェックの結果とが同一でないと判定された場合に、現工程の作業員の作業スキルと、前工程の作業員の作業スキルとを比較し、前工程へ差し戻し依頼または相談依頼を通知する。
【0050】
例えば、通知部155は、前述の判定部154により、現工程の外観チェックの結果と、前工程の外観チェックの結果とが同一でないと通知があった場合に、スキル評価テーブル143に記憶された、「作業員のスキル管理」の項目を参照する。そして、通知部155は、対象物における経験台数について、現工程の作業員と前工程の作業員とで比較し、経験台数が多い作業員を作業スキルが高いと判断する。
【0051】
その後、通知部155は、現工程の作業員の方を作業スキルが高いと判断した場合には、前工程の作業員に外観チェック作業の差し戻し依頼を通知する。一方、通知部155は、前工程の作業員の方を作業スキルが高いと判断した場合には、前工程の作業員に外観チェック作業の相談依頼を通知する。
【0052】
ここで、前述の差し戻し依頼が前工程の作業員に通知された場合は、対象物が前工程の作業員に差し戻され、前工程の作業員により再度外観チェックが行われる。そして、再度の外観チェックにより、チェック結果が修正される場合は、修正後チェック結果に再度の外観チェックの結果が入力される。
【0053】
なお、再度のチェック結果において、1回目のチェック結果には確認することができなかった新たな傷が発見された場合には、評価部152は、前述の修正なし正答率の評価項目において、当該チェック結果は修正がされなかったものとして扱うようにしてもよい。
【0054】
また、前述の相談依頼が前工程の作業員に通知された場合は、現工程の作業員は、前工程の作業員に対象物の外観チェックについて相談し、相談によりチェック結果を修正する場合は、修正後チェック結果に再度の外観チェックの結果を入力する。
【0055】
表示制御部156は、作業員の外観チェックにおいて、所定時間以内に入力がなかった場合に、外観チェック作業を支援する情報として、類似事例、相談可能メンバー、および、前工程チェック結果のうち、いずれか一つ又は複数を表示する。
【0056】
例えば、表示制御部156は、作業員の外観チェックにおいて、予め設定された所定時間以内に、外観チェック結果の入力がなかった場合に、後述する外観チェック作業を支援する情報を表示する。なお、表示制御部156は、所定時間以内であっても、外部からの入力により、外観チェック作業を支援する情報を表示してもよい。
【0057】
ここで、
図5および
図6を参照し、外観チェック作業を支援する情報について説明する。
図5および
図6は外観チェック作業を支援する情報の一例を示す図である。まず、
図5は、外観チェック作業における類似事例の表示例を示している。
【0058】
図5の例は、対象物が「ノートPC98」の場合の過去の判断事例集を表示しており、「キズあり」の事例と、「汚れ」の事例が2例ずつ示されている。これにより、表示制御部156は、作業員に過去の事例を参考にさせることができ、外観チェックを支援することができる。なお、
図5の例は、対象物の機種によって類似事例が表示されたが、これに限られるものではなく、例えば、対象物の傷の位置や、傷の形状等から類似事例を表示されてもよい。
【0059】
次に、
図6は、外観チェック作業における相談可能メンバーの表示例を示している。
図6の例は、「相談可能メンバー」として、「Oさん」と「Pさん」とが表示されている。そして、例えば、「Oさん」について、「ステータス:在席中(相談可能)」と、「経験:ノートPC98 100台経験あり」という情報と、「相談依頼ボタン」とが表示される。これにより、表示制御部156は、作業員に相談可能メンバーと、そのメンバーの作業経験を把握させ、容易に相談依頼を送信させることができ、外観チェック作業を支援することができる。
【0060】
なお、他メンバーに相談する場合に、対象物を撮影した写真を画面上で見せて相談する場合と、対象機物の実物を見てもらって相談する場合とが考えられる。そのため、表示制御部156は、例えば、
図6の例における「ステータス」の項目に、「画像相談のみ可能」や、「実物相談可能」等の情報も表示してもよい。また、前述の画像相談と実物相談とは、実物相談の方が、より多くの時間を消費してより正確なアドバイスをもらうことができるため、評価部152は、相談方法に応じてスキル評価に差を設けるようにしてもよい。
【0061】
また、外観チェックを支援する情報として、前工程チェック結果が表示される場合もある。これにより、表示制御部156は、作業員に前工程でのチェック結果を参考にさせることができるため、外観チェック作業を支援することができる。
【0062】
なお、表示制御部156は、例えば、前述した外観チェック作業を支援する情報を、いずれか一つまたは複数表示してもよく、外部から表示希望があった場合に表示するようにしてもよい。また、表示制御部156は、前述した外観チェック作業を支援する情報を、予め設定された順番に表示してもよく、作業員が選択した情報のみを表示するようにしてもよい。
【0063】
次に、
図7および
図8を参照し、本実施例に係る情報処理装置100の処理手順の一例について説明する。
図7および
図8は、本実施例に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。まず、
図7は、作業員が実際に外観チェックを行っているときの処理を示している。
【0064】
情報処理装置100は、作業員により、作業開始登録がされる(ステップS101)。そして、情報処理装置100は、作業員により、対象物の外観写真データが登録される(ステップS102)。その後、情報処理装置100は、作業員により支援情報の表示を希望する旨の入力があるか否かを判断する(ステップS103)。
【0065】
その後、作業員により支援情報の表示を希望する旨の入力がない場合には(ステップS103;No)、表示制御部156は、所定時間以内にチェック結果の入力があるか否かを判断する(ステップS104)。そして、作業員により支援情報の表示を希望する旨の入力があった場合(ステップS103;Yes)、または、所定時間以内にチェック結果の入力がなかった場合には(ステップS104;No)、表示制御部156は、支援情報を表示する(ステップS105)。
【0066】
また、情報処理装置100は、S105の処理の後、または、所定時間以内にチェック結果の入力があった場合には(ステップS104;Yes)、作業員により外観チェックの結果登録がされる(ステップS106)。その後、判定部154は、現工程のチェック結果と前工程のチェック結果とが同一か否かを判定する(ステップS107)。現工程のチェック結果と前工程のチェック結果とが同一である場合には(ステップS107;Yes)、情報処理装置100は、当該作業員についての外観チェックにおける処理工程を終了する。
【0067】
一方、現工程のチェック結果と前工程のチェック結果とが同一でない場合には(ステップS107;No)、通知部155は、前工程の作業員スキルと現工程の作業員スキルとを比較する(ステップS108)。現工程の作業員スキルの方が高いと判断された場合には(ステップS108;Yes)、通知部155は、前工程の作業員に差し戻しチェック依頼を通知する(ステップS109)。そして、S109の処理の後、情報処理装置100は、当該作業員についての外観チェックにおける処理工程を終了する。
【0068】
一方、前工程の作業員スキルの方が高いと判断された場合には(ステップS108;No)、通知部155は、前工程の作業員に相談依頼を通知する(ステップS110)。その後、情報処理装置100は、作業員により、チェック結果が更新され(ステップS111)、当該作業員についての外観チェックにおける処理工程を終了する。
【0069】
次に、
図8は、外観チェックの結果から、各作業員の評価を行う処理を示している。取得部151は、外観チェックの結果を取得する(ステップS201)。外観チェックの結果を取得した場合には(ステップS201;Yes)、評価部152は、外観チェックの結果により、各作業員の外観チェックのスキルの評価を行う(ステップS202)。
【0070】
一方、外観チェックの結果を取得していない場合には(ステップS201;No)、情報処理装置100は、外観チェックの結果を取得するまで待機する。そして、出力部153は、S202の処理の後、評価されたスキルについての情報を出力し(ステップS203)、情報処理装置100は、工程を終了する。
【0071】
次に、本実施例に係る情報処理装置100の効果について説明する。情報処理装置100は、取得部151と、評価部152と、出力部153とを有する。取得部151は、各工程において、対象物の外観をチェックする各作業員の外観チェックの結果を取得する。評価部152は、外観チェックの結果に基づいて各作業員の評価を行う。出力部153は、評価された情報を出力する。
【0072】
これにより、情報処理装置100は、各作業員の外観チェックスキルの可視化により、自分のスキルの成長度合いを容易に把握させることで、作業員のモチベーションを維持させることができ、各作業員の外観チェックのスキルの向上を図ることができる。
【0073】
また、情報処理装置100は、記憶部140と、判定部154と、通知部155とをさらに有する。記憶部140は、対象物の各工程における外観チェックの結果をそれぞれ記憶する。判定部154は、取得された外観チェックの結果と、記憶された前工程の外観チェックの結果とが同一であるか否かを判定する。通知部155は、取得された外観チェックの結果と、記憶された前工程の外観チェックの結果とが同一でないと判定された場合に、現工程の作業員の作業スキルと、前工程の作業員の作業スキルとを比較し、前工程へ差し戻し依頼または相談依頼を通知する。
【0074】
これにより、情報処理装置100は、外観チェックの結果が前工程の結果と同一である場合に外観チェック結果が正しいと判断し、異なる場合には外観チェック結果が誤っていると判断することができる。そして、情報処理装置100は、外観チェック結果が誤っている場合には、結果を修正させるための通知を行うことで、正しい外観チェック結果を入力させるため、外観チェックスキルについて正確な評価を行うことができる。
【0075】
さらに、情報処理装置100は、表示制御部156をさらに有する。表示制御部156は、作業員の外観チェックにおいて、所定時間以内に入力がなかった場合に、外観チェック作業を支援する情報として、類似事例、相談可能メンバー、および、前工程チェック結果のうち、いずれか一つ又は複数を表示する。
【0076】
これにより、情報処理装置100は、まず独力で外観チェックを行わせ、所定時間以内に外観チェックができなかった場合に支援情報を表示することにより、作業員の外観チェックスキルの向上を図ることができる。
【0077】
また、情報処理装置100の評価部152は、作業員それぞれについて、外観チェックの修正なし正答率、外観チェックの制限時間内正答率、前記外観チェックを支援する情報の表示率、および、被相談率のうち、いずれか一つまたは複数について評価を行う。
【0078】
これにより、情報処理装置100は、各評価項目について、外観チェックスキルの可視化を行うことにより、作業員の外観チェックスキル作業のモチベーションを向上させることができる。
【0079】
さらに、情報処理装置100の評価部152は、作業員それぞれについて、前記外観チェックの結果の所定期間ごとの傾向に応じて、評価を行う。
【0080】
これにより、情報処理装置100は、各作業員の評価について、所定期間ごとの変化の傾向を示すことにより、各作業員にスキルの上達度合いを把握させることができ、作業員の外観チェックスキル作業のモチベーションを向上させることができる。
【0081】
次に、上記実施例に示した情報処理装置100と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例について説明する。
図9は、実施例の情報処理装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0082】
図9に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置202と、ディスプレイ203とを有する。また、コンピュータ200は、有線または無線ネットワークを介して、外部装置等との間でデータの授受を行う通信装置204と、インタフェース装置205とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM206と、ハードディスク装置207とを有する。そして、各装置201~207は、バス208に接続される。
【0083】
ハードディスク装置207は、取得プログラム207aと、評価プログラム207bと、出力プログラム207cと、判定プログラム207dと、通知プログラム207eと、表示制御プログラム207fとを有する。また、CPU201は、各プログラム207a~207fを読み出してRAM206に展開する。
【0084】
取得プログラム207aは、取得プロセス206aとして機能する。評価プログラム207bは、評価プロセス206bとして機能する。出力プログラム207cは、出力プロセス206cとして機能する。判定プログラム207dは、判定プロセス206dとして機能する。通知プログラム207eは、通知プロセス206eとして機能する。表示制御プログラム207fは、表示制御プロセス206fとして機能する。
【0085】
取得プロセス206aの処理は、取得部151の処理に対応する。評価プロセス206bの処理は、評価部152の処理に対応する。出力プロセス206cの処理は、出力部153の処理に対応する。判定プロセス206dの処理は、判定部154の処理に対応する。通知プロセス206eの処理は、通知部155の処理に対応する。表示制御プロセス206fの処理は、表示制御部156の処理に対応する。
【0086】
なお、各プログラム207a~207fについては、必ずしも最初からハードディスク装置207に記憶させておかなくても良い。たとえば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ200が各プログラム207a~207fを読み出して実行するようにしてもよい。