(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129998
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】データ管理装置およびDRコスト算出支援方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/06 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G06F3/06 304Z
G06F3/06 306Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039453
(22)【出願日】2023-03-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】524132520
【氏名又は名称】日立ヴァンタラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】市川 法子
(72)【発明者】
【氏名】中島 淳
(72)【発明者】
【氏名】村山 耕一
(57)【要約】 (修正有)
【課題】仮想環境のDRサイトのボリュームの被災時のコストを算出し、その運用を支援するデータ管理装置及びDRコスト算出支援方法を提供する。
【解決手段】復旧支援装置であるデータ管理装置は、対象業務を特定する対象業務特定情報を取得すると、対象業務使用ボリュームとコピーボリュームとのペア構成を管理しているコピー構成情報や、対象業務使用ボリュームとコピーボリュームにおけるコピー状況を管理しているコピー状況テーブルに基づいて、運用フェーズを算出するDR運用フェーズ判定処理を実行するDR運用フェーズ判定部、算出した運用フェーズに応じて、被災している被災対象のボリュームの被災状況に応じた被災パタンを算出する及び被災パタン毎に、障害発生から使用ボリュームが作成されている使用サイトのシステム復旧が完了するまでの間の、クラウド環境のDRサイトの使用料を算出する被災対応コスト算出部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボリュームの被災に関する情報を生成するデータ管理装置におけるDRコスト算出支援方法であって、
前記データ管理装置は、記憶装置と、プロセッサと、を備え、
前記記憶装置は、
業務を特定する業務特定情報と、業務で使用する使用ボリュームの情報と、使用ボリュームとバックアップやDRのペアを構成する、コピーボリュームの情報と、を対応付けて保存するコピー構成情報と、
クラウド環境のサイトと、前記クラウド環境のサイトのボリュームを使用するためにかかるコストの情報とを、対応付けて保存するクラウドコスト情報と、を格納し、
前記プロセッサは、
対象業務を特定する対象業務特定情報を取得すると、
前記コピー構成情報を参照して、対象業務で使用する対象業務使用ボリュームに対するコピーボリュームの情報に基づいて、対象業務使用ボリュームに対するクラウドサイトのクラウドDRコピーボリュームの運用の運用フェーズを算出するDR運用フェーズ判定処理と、
前記DR運用フェーズ判定部が算出した運用フェーズに応じて、被災対象のボリュームで発生しうる被災パタンを算出し、
算出した被災パタンに対する対応における、前記被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームに復旧コピーするデータを保存しているコピーボリュームとのボリュームコピーの組を算出する対応パタン算出処理と、
前記クラウドコスト情報を用いて、前記対応パタン算出部が算出した前記被災パタンでの障害発生から、使用ボリュームが作成されている使用サイトのシステム復旧が完了するまでの間の、前記クラウド環境のDRサイトの使用料を算出する被災対応コスト算出処理と、を実行する、DRコスト算出支援方法。
【請求項2】
請求項1に記載のDRコスト算出支援方法であって、
前記被災対応コスト算出処理は、
前記復旧時間における前記クラウド環境のDRサイトの運用料と、前記クラウドDRコピーボリュームからデータを読み出すためにかかるデータ読出費用と、の和を、前記復旧時間の間の、前記クラウド環境のDRサイトの使用料として算出する処理を含む、
DRコスト算出支援方法。
【請求項3】
請求項1に記載のDRコスト算出支援方法であって、
前記記憶部は、さらに、
前記使用ボリュームが作成されている使用サイトにおけるボリュームの被災状況と、前記データ復旧のための前記クラウド環境のDRサイトの使用の有無とを対応付けた正サイト被災対応パタン情報を格納し、
前記対応パタン算出処理は、前記正サイト被災対応パタン情報を用いて、
前記被災パタンに対する対応における、前記被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームに復旧コピーするデータを保存しているコピーボリュームとのボリュームコピーの組を算出する処理を含む、
DRコスト算出支援方法。
【請求項4】
請求項1に記載のDRコスト算出支援方法であって、
前記DR運用フェーズ判定部が算出した前記運用フェーズが、運用前の場合には、
前記対応パタン算出処理は、
前記クラウド環境のDRサイトの前記クラウドDRコピーボリュームを仮に使用している状態における、被災パタンを算出する、
DRコスト算出支援方法。
【請求項5】
請求項1に記載のDRコスト算出支援方法であって、
前記DR運用フェーズ判定処理は、
前記使用ボリュームおよび前記使用ボリュームのコピーボリュームのうちで被災している前記被災対象のボリュームが存在するか否かを判定する処理を含み、
前記使用ボリュームおよび前記使用ボリュームのコピーボリュームのうちで被災している前記被災対象のボリュームが存在すると判定した場合には、
前記対応パタン算出処理は、
前記使用ボリュームおよび前記使用ボリュームのコピーボリュームのうちで被災している前記被災対象のボリュームに対するデータ復旧における、前記被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームに復旧コピーするデータを保存しているコピーボリュームとのボリュームコピーの組を算出する処理を含む
DRコスト算出支援方法。
【請求項6】
請求項1に記載のDRコスト算出支援方法であって、
前記被災対応コスト算出処理は、前記対応パタン算出部が算出した前記ボリュームコピーの組で障害発生から、使用ボリュームが作成されている使用サイトのシステム復旧が完了するまでの間の、前記クラウド環境のDRサイトの使用料を出力する処理を含む、
DRコスト算出支援方法。
【請求項7】
請求項1に記載のDRコスト算出支援方法であって、
前記コピー構成情報の、前記業務で使用する使用ボリュームの情報は、前記業務で使用する複数の使用ボリュームからなる使用ボリュームグループを特定する使用ボリュームグループ特定情報を含む、
DRコスト算出支援方法。
【請求項8】
請求項1に記載のDRコスト算出支援方法であって、
前記使用ボリュームは、オンプレミス環境のサイトに作成されているボリュームと、クラウド環境のサイトに作成されているボリュームとの少なくとも1つのボリュームである、DRコスト算出支援方法。
【請求項9】
ボリュームの被災に関する情報を生成するデータ管理装置であって、
記憶部と、DR運用フェーズ判定部と、対応パタン算出部と、被災対応コスト算出部と、を備え、
前記記憶部は、
業務を特定する業務特定情報と、業務で使用する使用ボリュームの情報と、使用ボリュームとバックアップやDRのペアを構成する、コピーボリュームの情報と、を対応付けて保存するコピー構成情報と、
クラウド環境のサイトと、前記クラウド環境のサイトのボリュームを使用するためにかかるコストの情報とを、対応付けて保存するクラウドコスト情報と、を格納し、
前記DR運用フェーズ判定部は、
対象業務を特定する対象業務特定情報を取得すると、
前記コピー構成情報を参照して、対象業務で使用する対象業務使用ボリュームに対するコピーボリュームの情報に基づいて、対象業務使用ボリュームに対するクラウドサイトのクラウドDRコピーボリュームの運用の運用フェーズを算出するDR運用フェーズ判定処理を実行し、
前記対応パタン算出部は、
前記DR運用フェーズ判定部が算出した運用フェーズに応じて、被災対象のボリュームで発生しうる被災パタンを算出し、
算出した被災パタンに対する対応における、前記被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームに復旧コピーするデータを保存しているコピーボリュームとのボリュームコピーの組を算出する対応パタン算出処理を実行し、
前記被災対応コスト算出部は、
前記クラウドコスト情報を用いて、前記対応パタン算出部が算出した前記被災パタンでの障害発生から、使用ボリュームが作成されている使用サイトのシステム復旧が完了するまでの間の、前記クラウド環境のDRサイトの使用料を算出する被災対応コスト算出処理を実行する、
データ管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボリュームの被災に関する情報を生成するデータ管理装置およびDRコスト算出支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オンプレミス環境の通常使用しているサーバに障害が発生した場合に、代替のサーバを使用して、通常使用しているサーバの処理を代替のサーバが引き継ぐフェイルオーバーと呼ばれる技術がある。代替のサーバには、通常使用しているサーバのコピーが作成されている。多くの場合、代替のサーバは、オンプレミス環境で構築するよりも、クラウド環境で構築した方が安価に構築できる。そこで、多くの場合、代替のサーバは、クラウド環境で構築されている。そして、フェイルオーバーで使用するクラウド環境の代替のサーバのコストに関する技術がある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている技術では、サービスを実行するオンプレミス環境の第1のサーバと、第1のサーバで被災(障害)が発生した場合に、第1のサーバのサービスの実行がフェイルオーバーされる、仮想環境の第2のサーバとを使用する。また、特許文献1に記載されている技術では、仮想環境の第2のサーバを、低価格で使用できるクラウド環境のスポットインスタンスで作成する。
【0004】
クラウド環境のスポットインスタンスで作成する第2のサーバは、クラウド事業者がサーバを強制終了する可能性があり、通常のインスタンスで作成するサーバよりも低価格で使用できる。特許文献1に記載されている技術では、クラウド事業者が強制終了を実行することにより第2の仮想サーバが使用できなくなることを検知すると、第2の仮想サーバのインスタンスの情報をコピーして引き継ぐ第3の仮想サーバを作成し、第2の仮想サーバの代わりに第3の仮想サーバを使用する。特許文献1に記載されている技術を用いれば、障害が発生していないときのコストを抑えたうえで、フェイルオーバーに用いる仮想環境のサーバを使用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載されている技術を用いる場合、抑えることができるコストは、第1のサーバ(通常使用しているサーバ)に障害が発生していないときの、第2のサーバ(代替のサーバ)のコスト(「運用中通常時のコスト」と称する)である。また、第2のサーバ(代替のサーバ)は、障害(被災)に備えるために使用されるクラウド環境のDRサイトに設けられたサーバである。サーバが使用するデータは、ボリュームに保存されている。
【0007】
DRサイトを運用する場合、DRサイトの総合的なコストを考慮することが望ましい。DRサイトの総合的なコストには、運用中通常時のコスト以外のコストも含まれる。例えば、仮想環境のDRサイトの総合的なコストには、次の1および2のボリュームの被災時のコストも含む。
1、フェイルオーバーでクラウド環境のDRサイトに作成されているボリュームからデータを読み書きするためのコスト(「フェイルオーバーのコスト」と称する)
2、通常使用しているサーバを復旧するためにDRサイトに作成されているボリュームからデータを読み出すためにかかるコスト(「データを読み出すコスト)と称する)。
【0008】
多くの場合、これら1および2の被災時のコストは、DRサイトに作成されているボリュームの容量や、DRサイトに作成されているボリュームから読み出すデータの量等によって変わる。そこで、1および2の被災時のコストを容易に算出できる技術が求められている。
【0009】
クラウド環境のDRサイトを運用するためには、これら1および2の被災時のコストを含む、クラウド環境のDRサイトの総合的なコストを考慮して、クラウド環境のDRサイトにボリュームを使用するか否かを判断する場合がある。特に、コストを抑えたうえで、複数のクラウド環境のDRサイトを用いる場合、これら1および2の被災時のコストを容易に算出できることが求められる場合がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、仮想環境のDRサイトのボリュームの被災時のコストを算出することで、DRサイトの運用を支援するデータ管理装置およびDRコスト算出支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明のDRコスト算出支援方法の一態様は、ボリュームの被災に関する情報を生成するデータ管理装置におけるDRコスト算出支援方法であって、前記データ管理装置は、記憶装置と、プロセッサと、を備え、前記記憶装置は、業務を特定する業務特定情報と、業務で使用する使用ボリュームの情報と、使用ボリュームとバックアップやDRのペアを構成する、コピーボリュームの情報と、を対応付けて保存するコピー構成情報と、クラウド環境のサイトと、前記クラウド環境のサイトのボリュームを使用するためにかかるコストの情報とを、対応付けて保存するクラウドコスト情報と、を格納し、前記プロセッサは、対象業務を特定する対象業務特定情報を取得すると、前記コピー構成情報を参照して、対象業務で使用する対象業務使用ボリュームに対するコピーボリュームの情報に基づいて、対象業務使用ボリュームに対するクラウドサイトのクラウドDRコピーボリュームの運用の運用フェーズを算出するDR運用フェーズ判定処理と、前記DR運用フェーズ判定部が算出した運用フェーズに応じて、被災対象のボリュームで発生しうる被災パタンを算出し、算出した被災パタンに対する対応における、前記被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームに復旧コピーするデータを保存しているコピーボリュームとのボリュームコピーの組を算出する対応パタン算出処理と、前記クラウドコスト情報を用いて、前記対応パタン算出部が算出した前記被災パタンでの障害発生から、使用ボリュームが作成されている使用サイトのシステム復旧が完了するまでの間の、前記クラウド環境のDRサイトの使用料を算出する被災対応コスト算出処理と、を実行する。
【0012】
また、本発明のデータ管理装置の一態様は、ボリュームの被災に関する情報を生成するデータ管理装置であって、記憶部と、DR運用フェーズ判定部と、対応パタン算出部と、被災対応コスト算出部と、を備え、前記記憶部は、業務を特定する業務特定情報と、業務で使用する使用ボリュームの情報と、使用ボリュームとバックアップやDRのペアを構成する、コピーボリュームの情報と、を対応付けて保存するコピー構成情報と、クラウド環境のサイトと、前記クラウド環境のサイトのボリュームを使用するためにかかるコストの情報とを、対応付けて保存するクラウドコスト情報と、を格納し、前記DR運用フェーズ判定部は、対象業務を特定する対象業務特定情報を取得すると、前記コピー構成情報を参照して、対象業務で使用する対象業務使用ボリュームに対するコピーボリュームの情報に基づいて、対象業務使用ボリュームに対するクラウドサイトのクラウドDRコピーボリュームの運用の運用フェーズを算出するDR運用フェーズ判定処理を実行し、前記対応パタン算出部は、前記DR運用フェーズ判定部が算出した運用フェーズに応じて、被災対象のボリュームで発生しうる被災パタンを算出し、算出した被災パタンに対する対応における、前記被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームに復旧コピーするデータを保存しているコピーボリュームとのボリュームコピーの組を算出する対応パタン算出処理を実行し、前記被災対応コスト算出部は、前記クラウドコスト情報を用いて、前記対応パタン算出部が算出した前記被災パタンでの障害発生から、使用ボリュームが作成されている使用サイトのシステム復旧が完了するまでの間の、前記クラウド環境のDRサイトの使用料を算出する被災対応コスト算出処理を実行する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の代表的な形態によれば、仮想環境のDRサイトのボリュームの被災時のコストを算出することで、DRサイトの運用を支援する。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施例のデータ管理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、データの被災を説明する説明図である。
【
図3】
図3は、データの復旧方法を説明する説明図である。
【
図4】
図4は、データ管理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、ボリュームグループテーブル31の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、サービスレベル管理テーブル32の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、正サイト被災対応パタンテーブル33の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、コピー構成テーブル34の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、コピー状況テーブル35の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、業務データ使用状況テーブル36の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、パブリッククラウドコストテーブル37の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施例のDR運用フェーズ判定処理の例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施例の運用前対応パタン算出処理の例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、実施例の運用中通常時対応パタン算出処理の例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、実施例の運用中被災時対応パタン算出処理の例を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、実施例の被災対応コスト算出処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
【0016】
以下に説明する発明の構成において、同一又は類似する構成又は機能には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数又は順序を限定するものではない。
【0018】
本明細書等において、各種情報の例として、「XXテーブル」との表現にて説明することがあるが、「XXリスト」、「XXキュー」等のデータ構造で表現されてもよい。また、「XXテーブル」は、「XX情報」としてもよい。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0019】
<システム構成>
図1は、実施例のデータ管理装置1の機能の概要を説明する説明図である。
図1に示すように、データ管理装置1は、オンプレミスシステム100と、クラウトサイト200とユーザ端末500と、ネットワークNWを介して接続されている。
【0020】
オンプレミスシステム100は、ホスト装置110およびオンプレミスストレージシステム120を備えている。ホスト装置110は、複数の業務プログラム111を保存している。また、ホスト装置110は、ユーザ端末500にネットワークNWを介してアクセスされる。ユーザ端末500のユーザは、ユーザ端末500を操作して、ユーザ端末500を介してホスト装置110の業務プログラム111を使用することができる。
【0021】
オンプレミスストレージシステム120は、ボリュームが作成されている。オンプレミスストレージシステム120には、ホスト装置110の業務プログラム111で作成されたデータを保存する使用ボリューム121と、使用ボリューム121のバックアップであるローカルバックアップボリューム122とが作成されている。ローカルバックアップボリューム122は、所定の時間毎に使用ボリューム121のコピーが作成されている。使用ボリューム121は、業務で使用する使用ボリュームである。
【0022】
クラウドサイト200は、使用ボリューム121と同期をとっているクラウドDRコピーボリューム221が作成されているサイトである。
図1の例では、クラウドサイト200は、ホスト装置110の代替である代替ホスト装置210と、使用ボリューム121のコピーであるクラウドDRコピーボリューム221とを有している。
【0023】
代替ホスト装置210はフェイルオーバーのために作成されている。すなわち、ホスト装置110が被災したときに、代替ホスト装置210がホスト装置110の処理を引き継ぐことで、代替ホスト装置210がホスト装置110の機能を代替できる。
【0024】
ネットワークNWは、有線のネットワークでもよいし、無線のネットワークでもよい。また、ネットワークNWは、インターネットのようなグローバルネットワークであってもよい。
【0025】
以上で説明した様に、オンプレミスストレージシステム120の使用ボリューム121のコピーが、ローカルバックアップボリューム122およびクラウドDRコピーボリューム221に作成されている。使用ボリューム121が被災したときに、ローカルバックアップボリューム122や、クラウドDRコピーボリューム221を用いて使用ボリューム121を復旧できる。
【0026】
なお、ローカルバックアップボリューム122や、クラウドDRコピーボリューム221や、クラウドサイト200が存在しない構成でもよい。ローカルバックアップボリューム122や、クラウドDRコピーボリューム221や、クラウドサイト200が存在しない構成の場合に対しても、データ管理装置1は対応できるようになっている。
【0027】
図1に示すように、データ管理装置1は、DR運用フェーズ判定部11と、運用前対応パタン算出部12と、運用中通常時対応パタン算出部13と、運用中被災時対応パタン算出部14と、被災対応コスト算出部15と、ストレージ管理部16と、パブリッククラウド管理部17とを有している。
【0028】
DR運用フェーズ判定部11は、使用ボリューム121に対するクラウド環境のクラウドサイト200のクラウドDRコピーボリューム221の運用の運用フェーズを算出する。
【0029】
運用フェーズとは、使用ボリューム121およびクラウドDRコピーボリューム221の状態である。運用フェーズには、「運用前」と、「運用中通常時」と、「運用中被災時」との3つを含む。運用フェーズとして、これら3つ以外のフェーズを含んでもよい。
【0030】
「運用前」は、クラウドDRコピーボリューム221が作成されていない状態である。「運用中通常時」は、クラウドDRコピーボリューム221が作成されており、かつ、使用ボリューム121などが被災等を受けておらず正常に使用できる状態である。「運用中被災時」は、クラウドDRコピーボリューム221が作成されており、かつ、使用ボリューム121などが正常に使用できない状態である。
【0031】
運用前対応パタン算出部12は、DR運用フェーズ判定部11が算出した運用フェーズが「運用前」の場合に、運用前対応パタン算出処理を実行する。運用前対応パタン算出処理では、「運用前」の場合に、仮にクラウドDRコピーボリューム221が作成された状態において、被災している被災対象のボリュームが発生する被災パタンを算出する。被災パタンは、障害の程度(被災の程度)として、使用ボリュームからデータをコピーしたボリュームおよび使用ボリュームの状況を表す。そして、被災パタン運用前対応パタン算出処理では、算出した被災パタンに対する対応における、被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームに復旧コピーするデータを保存しているコピーボリュームと、のボリュームコピーの組を算出する。ここで、ボリュームコピーの組は、例えば、
図1に示す使用ボリューム121と、ローカルバックアップボリューム122との組(
図1のR1)、および使用ボリューム121と、クラウドDRコピーボリューム221との組(
図1のR2a、R2d)がある。
【0032】
運用中通常時対応パタン算出部13は、DR運用フェーズ判定部11が算出した運用フェーズが「運用中通常時」の場合に、運用中通常時対応パタン算出処理を実行する。
【0033】
運用中被災時対応パタン算出部14は、DR運用フェーズ判定部11が算出した運用フェーズが「運用中被災時」の場合に、運用中被災時対応パタン算出処理を実行する。
【0034】
運用前対応パタン算出部12、運用中通常時対応パタン算出部13および運用中被災時対応パタン算出部14は、対応パタン算出処理を実行する対応パタン算出部である。
【0035】
運用前対応パタン算出処理、運用中通常時対応パタン算出処理および運用中被災時対応パタン算出処理は、対応パタン算出処理である。対応パタン算出処理は、DR運用フェーズ判定部が、DR運用フェーズ判定処理を実行して算出した運用フェーズに応じて、被災対象のボリュームで発生しうる被災パタンを算出し、算出した被災パタンに対する対応における、被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームに復旧コピーするデータを保存しているコピーボリュームと、のボリュームコピーの組を算出する。
【0036】
被災対応コスト算出部15は、対応パタン算出部(運用前対応パタン算出部12、運用中通常時対応パタン算出部13および運用中被災時対応パタン算出部14)が算出した、被災パタンでの障害発生から、使用ボリュームが作成されている使用サイトのシステム復旧が完了するまでの間の、クラウド環境のDRサイトの使用料を算出し、出力する被災対応コスト算出処理を実行する。
【0037】
ストレージ管理部16は、オンプレミスストレージシステム120に作成されているボリューム等のリソースの監視および操作を行うことができる。
【0038】
パブリッククラウド管理部17は、クラウドサイト200に作成されているホストインスタンスやボリューム等のリソースの監視および操作を行うことができる。クラウド利用における課金情報もここで管理される。
【0039】
図2に示すように、使用ボリューム121の被災の原因として、様々な原因がある。そして、使用ボリューム121のデータ復旧方法も様々な方法がある。さらに、システムの目標復旧時間の長さは、被災の状態に応じて、様々に変化する。
【0040】
図3に示すように、復旧におけるデータのコピーには、様々な態様がある。
図3の復旧パタンIDは、被災パタンに対する対応における、被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームにコピーするデータを保存しているコピーボリュームとのボリュームコピーの組を示す。復旧パタンIDであるR1,R2a、R2dは、
図1に示されている。復旧にかかるコストを算出できるように、データ管理装置1は次の構成を備えている。
【0041】
<データ管理装置1のハードウェア構成>
図4は、データ管理装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、データ管理装置1は、プロセッサ21、主記憶装置22、副記憶装置23、入力装置24、出力装置25、ネットワークI/F26、これらを接続するバス27を有している。データ管理装置1は、例えばPCやサーバーコンピューターのような一般的な情報処理装置で実現できる。
【0042】
プロセッサ21は、副記憶装置23に記憶されたデータやプログラムを主記憶装置22に読み出して、プログラムによって定められた処理を実行する。
図1を用いて上述したDR運用フェーズ判定部11は、副記憶装置23に記憶されているDR運用フェーズ判定プログラム11aをプロセッサ21が主記憶装置22に読み出して実行することにより実現される。同様に、運用前対応パタン算出部12、運用中通常時対応パタン算出部13、運用中被災時対応パタン算出部14、被災対応コスト算出部15、ストレージ管理部16、パブリッククラウド管理部17、それぞれは、プロセッサ21が、運用前対応パタン算出プログラム12a、運用中通常時対応パタン算出プログラム13a、運用中被災時対応パタン算出プログラム14a、被災対応コスト算出プログラム15a、ストレージ管理プログラム16a、パブリッククラウド管理プログラム17aそれぞれを主記憶装置22に読み出して実行することにより実現される。
【0043】
本明細書では、機能部であるDR運用フェーズ判定部11を主語とする文で処理を説明する場合、プロセッサ21が当該機能部を実現するプログラム(DR運用フェーズ判定プログラム11a)を実行していることを示す。同様に、機能部である運用前対応パタン算出部12、運用中通常時対応パタン算出部13、運用中被災時対応パタン算出部14、被災対応コスト算出部15、ストレージ管理部16、パブリッククラウド管理部17、を主語とする文で処理を説明する場合、プロセッサ21が当該機能部を実現するプログラム(運用前対応パタン算出プログラム12a、運用中通常時対応パタン算出プログラム13a、運用中被災時対応パタン算出プログラム14a、被災対応コスト算出プログラム15a、ストレージ管理プログラム16a、パブリッククラウド管理プログラム17a)を実行していることを示す。
【0044】
主記憶装置22は、RAMなどで、揮発性記憶素子を有し、プロセッサ21が実行するプログラムや、データを記憶する。
【0045】
副記憶装置23は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで、不揮発性記憶素子を有し、プログラムやデータ等を記憶する装置である。副記憶装置23は、DR運用フェーズ判定プログラム11aと、運用前対応パタン算出プログラム12aと、運用中通常時対応パタン算出プログラム13aと、運用中被災時対応パタン算出プログラム14aと、被災対応コスト算出プログラム15aと、ストレージ管理プログラム16aと、パブリッククラウド管理プログラム17aと、稼働監視プログラム18aと、がインストールされている。また、副記憶装置23は、ボリュームグループテーブル31と、サービスレベル管理テーブル32と、正サイト被災対応パタンテーブル33と、コピー構成テーブル34と、コピー状況テーブル35と、業務データ使用状況テーブル36と、パブリッククラウドコストテーブル37と、被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~38C)と、を格納している。
【0046】
ストレージ管理プログラム16aは、ストレージの管理に用いるプログラムである。また、パブリッククラウド管理プログラム17aはパブリッククラウドの管理に用いるプログラムである。プロセッサ21が、主記憶装置22にストレージ管理プログラム16aおよびパブリッククラウド管理プログラム17aを読み出して実行して、コピー構成テーブル34が作成されている。また、稼働監視プログラム18aは、ボリュームの構成やボリュームのデータの読み書きの情報を取得するプログラムである。プロセッサ21が、主記憶装置22に稼働監視プログラム18aを読み出して実行して、コピー状況テーブル35および業務データ使用状況テーブル36が作成されている。
【0047】
ボリュームグループテーブル31は、詳細は
図5を用いて後述するが、ボリュームグループに含まれるボリュームのボリュームIDの情報を保存している。ボリュームグループとは、複数のボリュームをまとめた、ボリュームのグループである。1つのボリュームグループには、複数のボリュームが対応付けられている。データ管理装置1は、ボリュームグループテーブル31を参照して、ボリュームグループに含まれるボリュームのボリュームIDを取得できる。
【0048】
サービスレベル管理テーブル32は、詳細は
図6を用いて後述するが、業務に関するデータの復旧にかかる目標の時間間隔に関する情報を保存している。
【0049】
正サイト被災対応パタンテーブル33は、詳細は
図7を用いて後述するが、ボリュームの被災状況と、復旧パタンに関する情報を保存している。
【0050】
コピー構成テーブル34は、詳細は
図8を用いて後述するが、ボリュームに対するコピーのボリュームに関する情報を保存している。コピー構成テーブル34は、業務を特定する業務名(業務特定情報)と、業務で使用する使用ボリュームの情報と、使用ボリュームのコピーであるコピーボリュームの情報と、を対応付けて保存するコピー構成情報である。
【0051】
コピー状況テーブル35は、詳細は
図9を用いて後述するが、ボリュームと、コピーのボリュームの状態に関する情報を保存している。
【0052】
業務データ使用状況テーブル36は、詳細は
図10を用いて後述するが、業務で使用するデータの使用状況に関する情報を保存している。
【0053】
パブリッククラウドコストテーブル37は、詳細は
図11を用いて後述するが、クラウド環境のサイトのボリュームを使用するためにかかるコストの情報を保存している。
【0054】
被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~38C)は、詳細は
図12A~
図12Cを用いて後述するが、ボリュームコピーの組でデータをコピーするデータ復旧にかかる復旧時間の間の、クラウド環境のDRサイトの使用料に関する情報を保存している。
【0055】
入力装置24は、キーボードやマウスなどのユーザの操作を受け付ける装置であり、ユーザの操作により入力された情報を取得する。出力装置25は、ディスプレイなど情報を出力する装置であり、例えば画面への表示により情報をユーザに提示する。なお、データ管理装置1は、入力装置24および出力装置25を兼ねるタッチパネルを備えても良い。
【0056】
ネットワークI/F26は、オンプレミスシステム100や、クラウドサイト200等の装置と、ネットワークNWを介してデータを送受信可能なインターフェース(送受信装置)である。データ管理装置1は、ネットワークI/F26を用いて、ネットワークNWに接続されている、オンプレミスシステム100や、クラウドサイト200等の装置とデータの送受信を行うことができる。
【0057】
ホスト装置110、ユーザ端末500は、データ管理装置1と同様に、例えばPCやサーバーコンピューターのような一般的な情報処理装置で実現できる。
【0058】
<各種データ構造>
次に、
図5~
図12Cを用いてデータ管理装置1で使用される各種データのデータ構成について説明する。なお、
図5~
図12Cおよび以下で説明する、ボリュームグループテーブル31、サービスレベル管理テーブル32、正サイト被災対応パタンテーブル33、コピー構成テーブル34、コピー状況テーブル35、業務データ使用状況テーブル36、パブリッククラウドコストテーブル37、被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~被災対応コストテーブル38C)のフィールドの構成は例であり、適宜変更できる。
【0059】
図5は、ボリュームグループテーブル31のデータ構成の一例を示す図である。
図5に示すボリュームグループテーブル31では、ボリュームグループ名501と、ボリュームID502と、をフィールドとするレコードを格納している。
【0060】
ボリュームグループ名501は、ボリュームグループの名前を格納するフィールドである。ボリュームID502は、ボリュームグループ名501のボリュームグループに属するボリュームのIDを格納するフィールドである。
【0061】
図6は、サービスレベル管理テーブル32のデータ構成の一例を示す図である。
図6に示すサービスレベル管理テーブル32では、業務名601と、重要度602と、目標リカバリポイントRPO603と、業務の目標復旧時間RTO604と、システムの目標復旧時間605と、をフィールドとするレコードを格納している。業務名601は業務の名前を格納するフィールドである。重要度602は、業務名601の業務の重要度を格納するフィールドである。
【0062】
目標リカバリポイントRPO603は、業務名601の業務で使用するボリューム(使用ボリュームと称する」)が被災した際の目標リカバリポイント(RPO)を格納するフィールドである。
【0063】
業務の目標復旧時間RTO604は、業務名601の業務で使用する使用ボリュームが被災した際の標復旧時間(RTO)を格納するフィールドである。
【0064】
システムの目標復旧時間605は、業務名601の業務で使用する使用ボリュームが被災した際のシステムの目標復旧時間を格納するフィールドである。
【0065】
図7は、正サイト被災対応パタンテーブル33のデータ構成の一例を示す図である。
図7に示す正サイト被災対応パタンテーブル33では、被災パタンID701と、被災状況702と、復旧パタン703と、をフィールドとするレコードを格納している。
【0066】
被災パタンID701は、被災パタンのIDを格納するフィールドである。
【0067】
被災状況702は、使用ボリュームおよびローカルバックアップボリュームの被災の状態の情報を格納するフィールドである。被災状況702は、使用ボリューム702aおよびローカルバックアップボリューム702bのフィールドを含む。使用ボリューム702aおよびローカルバックアップボリューム702bの値は、ボリュームが被災を受けておらず正常である場合は値「O」で、ボリュームが被災を受けており異常である場合は値「X」である。
【0068】
復旧パタン703は、復旧パタンの情報を格納するフィールドである。復旧パタン703は、復旧パタンID703aと、復旧に使用するコピーボリュームの場所703bと、コピー方式703cと、のフィールドを含む。復旧パタンID703aは、復旧パタンのIDを格納するフィールドである。復旧に使用するコピーボリュームの場所703bは、復旧に使用するコピーボリュームの場所を格納するフィールドである。コピー方式703cは、コピー方式を格納するフィールドである。
【0069】
図8は、コピー構成テーブル34のデータ構成の一例を示す図である。
図8に示すコピー構成テーブル34では、業務名801と、コピーペア名802aと、コピー名802bと、使用ボリューム情報803と、コピーボリューム情報804と、コピー方式805と、復旧パタンID806と、をフィールドとするレコードを格納している。
【0070】
業務名801は、業務の名前を格納するフィールドである。コピーペア名802aは、データ復旧における、ボリュームのコピーのペアの名前を格納するフィールドである。また、コピー名802bは、データ復旧における、ボリュームのコピーの名前を格納するフィールドである。
【0071】
使用ボリューム情報803は、使用ボリュームに関する情報を格納するフィールドである。使用ボリューム情報803は、使用ボリュームID、使用ボリュームグループID803aと、ストレージID803bと、サイト名803cと、のフィールドを含む。使用ボリュームID、使用ボリュームグループID803aは、使用ボリュームのIDまたは、使用ボリュームグループのIDを格納するフィールドである。使用ボリュームグループは、複数の使用ボリュームからなるボリュームグループである。ストレージID803bは、使用ボリュームが作成されているストレージのIDである。サイト名803cは、使用ボリュームが作成されているサイトの名前である。
【0072】
コピーボリューム情報804は、コピーボリュームに関する情報を格納するフィールドである。コピーボリューム情報804は、コピーボリュームID、コピーボリュームグループID804aと、ストレージIDまたはベンダ名804bと、サイト名804cと、のフィールドを含む。コピーボリュームID、コピーボリュームグループID804aは、コピーボリュームのIDまたは、コピーボリュームグループのIDを格納するフィールドである。コピーボリュームグループとは、複数のコピーボリュームからなるボリュームグループである。ストレージID804bは、コピーボリュームが作成されているストレージのIDである。サイト名804cは、コピーボリュームが作成されているサイトの名前である。
【0073】
コピー方式805は、復旧におけるデータコピーの方法を格納するフィールドである。復旧パタンID806は、復旧パタンのIDを格納するフィールドである。
【0074】
図9は、コピー状況テーブル35のデータ構成の一例を示す図である。
図9に示すコピー状況テーブル35では、業務名901と、コピーペア名a902、コピー名902bと、使用ボリューム情報903と、コピーボリューム情報904と、ペアステータス905と、最新時刻906と、をフィールドとするレコードを格納している。
【0075】
業務名901は、業務の名前を格納するフィールドである。コピーペア名902aはボリュームのデータ復旧におけるコピーのペア(コピー元のボリュームと、コピー先のボリュームのペア)の名前を格納するフィールドである。コピー名902bは、データ復旧における、コピーの名前を格納するフィールドである。
【0076】
使用ボリューム情報903は、使用ボリュームに関する情報を格納するフィールドである。使用ボリューム情報903は、使用ボリュームID、使用ボリュームグループID903aと、サイト名903bと、状態903cと、のフィールドを含む。使用ボリュームID、使用ボリュームグループID903aは、使用ボリュームのIDまたは、使用ボリュームグループのIDを格納するフィールドである。サイト名903bは、使用ボリュームが作成されているサイトの名前である。状態903cは、使用ボリュームの状態を格納するフィールドである。使用ボリュームが正常である場合は、状態903cの値は「正常」である。使用ボリュームが被災を受けた場合等の何らかの原因により異常である場合は、状態903cの値は「異常」である。
【0077】
コピーボリューム情報904は、コピーボリュームに関する情報を格納するフィールドである。コピーボリューム情報904は、コピーボリュームID、コピーボリュームグループID904aと、サイト名904bと、状態904cと、のフィールドを含む。
【0078】
コピーボリュームID、コピーボリュームグループID904aは、コピーボリュームのIDまたは、コピーボリュームグループのIDを格納するフィールドである。サイト名904bは、コピーボリュームが作成されているサイトの名前である。状態904cは、コピーボリュームの状態を格納するフィールドである。コピーボリュームが正常である場合は、状態904cの値は「正常」である。コピーボリュームが被災を受けた場合等の何らかの原因により異常である場合は、状態904cの値は、「異常」である。
【0079】
ペアステータス905は、使用ボリュームと、コピーボリュームとのペアの状態を格納するフィールドである。ペアステータス905の値には、コピー処理で同期をとっていることを表す「同期中」と、使用ボリュームに異常があり、コピーのボリュームを使用しているフェイルオーバーの状態を表す値「フェイルオーバー」とがある。
【0080】
最新時刻906は、直近にコピーを行った時刻を格納するフィールドである。使用ボリューム情報903の状態903cの値、コピーボリューム情報904の状態904cの値、ペアステータス905の値は、最新時刻906における値である。
【0081】
図10は、業務データ使用状況テーブル36のデータ構成の一例を示す図である。
図10に示す業務データ使用状況テーブル36では、業務名1001と、使用ボリュームデータ量1002と、単位時間当たりの書込データ量1003と、をフィールドとするレコードを格納している。
【0082】
業務名1001は、業務の名前を格納するフィールドである。使用ボリュームデータ量1002は、業務名1001の業務で使用しているデータの量(使用ボリュームに保存されているデータの合計量)を格納するフィールドである。単位時間当たりの書込データ量1003は、業務名1001の業務における、単位時間当たりの書込データ量を格納するフィールドである。
【0083】
図11は、パブリッククラウドコストテーブル37のデータ構成の一例を示す図である。
図11に示すパブリッククラウドコストテーブル37では、ベンダ名1101と、サービス名1102と、サイトの運用料1103と、データ読出費用1104と、フィールドとするレコードを格納している。
【0084】
ベンダ名1101は、クラウドのベンダの名前を格納するフィールドである。サービス名1102は、クラウドのサービス名を格納するフィールドである。
【0085】
サイトの運用料1103は、クラウドサイトの運用料を格納するフィールドである。
【0086】
データ読出費用1104は、クラウドサイトからデータを読み出すためにかかる費用を格納するフィールドである。データ読出費用1104は、データ取出要求1104aと、外部へのデータ転送1104bと、のフィールドを含む。データ取出要求1104aは、データ取出要求にかかる費用を格納するフィールドである。
【0087】
外部へのデータ転送1104bは、データを読み出してクラウドサイトの外部にデータを転送するためにかかる費用を格納するフィールドである。外部へのデータ転送1104bは、データ量の範囲1104b1と、データ転送料1104b2と、のフィールドを含む。データ転送料1104b2は、単位データ量あたりのデータ転送料を格納するフィールドである。
【0088】
図12A~
図12Cは、被災対応コストテーブル38A~被災対応コストテーブル38Cのデータ構成の一例を示す図である。
図12Aに示す被災対応コストテーブル38Aは、運用フェーズが「運用前」の場合に作成される被災対応コストテーブル38である。
図12Bに示す被災対応コストテーブル38Bは、運用フェーズが「運用中通常時」の場合に作成される被災対応コストテーブル38である。
図12Cに示す被災対応コストテーブル38Cは、運用フェーズが「運用中被災時」の場合に作成される被災対応コストテーブル38である。
【0089】
図12A~
図12Cに示す被災対応コストテーブル38A~被災対応コストテーブル38Cでは、業務名1201と、被災パタンID1202と、被災状況1203と、復旧パタン1204と、DRサイト運用時間1205と、復旧コピーパタンID1206と、DRサイトの使用料1207と、をフィールドとするレコードを格納している。
【0090】
業務名1201は、業務の名前を格納するフィールドである。被災パタンID1202は、被災パタンのIDを格納するフィールドである。
図3を用いて上述したが、復旧パタンIDは、被災パタンに対する対応における、被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームにコピーするデータを保存しているコピーボリュームとのボリュームコピーの組を示す。
【0091】
被災状況1203は、使用ボリュームおよびローカルバックアップボリュームの被災の状態の情報を格納するフィールドである。被災状況1203は、使用ボリューム1203aおよびローカルバックアップボリューム1203bのフィールドを含む。使用ボリューム1203aおよびローカルバックアップボリューム1203bの値は、ボリュームが被災を受けておらず正常である場合は値「O」で、ボリュームが被災を受けており異常である場合は値「X」である。
【0092】
復旧パタン1204は、復旧のパタンに関する情報を格納するフィールドである。復旧パタン1204は、復旧パタンID1204aと、コピー名1204bのフィールドを含む。復旧パタンID1204aは、復旧パタンのIDを格納するフィールドである。コピー名1204bは、データ復旧における、ボリュームのコピーの名前を格納するフィールドである。
【0093】
DRサイト運用時間1205は、クラウドサイトのクラウドDRコピーボリュームを用いるデータの復旧にかかる時間(復旧時間)を格納するフィールドである。
【0094】
復旧コピーパタンID1206は、復旧するボリュームと、復旧するボリュームにコピーするデータを保存しているコピーボリュームとの組を識別するIDを格納するフィールドである。
【0095】
DRサイトの使用料1207は、ボリュームコピーの組でデータをコピーするデータ復旧にかかる復旧時間の間の、データ復旧のためのクラウドサイト(クラウド環境のDRサイト)の使用料を格納するフィールドである。ここで、データ復旧のためのクラウドサイトの使用料には、次の2つの使用料を含む。
1、オンプレミス環境の使用ボリューム121が被災した場合に、オンプレミス環境の使用ボリューム121の代替で使用する際のクラウドDRコピーボリューム221の使用料、ホスト装置110の機能を引き継ぐ代替ホスト装置210の使用料。
2、クラウドDRコピーボリューム221からオンプレミス環境の使用ボリューム121にデータをコピーする間に、クラウドDRコピーボリューム221からデータを読み出すためにかかるクラウドDRコピーボリューム221の使用料。
なお、DRサイトの使用料1207の値は、復旧コピーパタン1206に対応する、クラウド使用料算出の式でもよい。DRサイトの使用料1207の値である、コピーペアごとに算出した使用料の値は、被災対応コストテーブル38A~被災対応コストテーブル38Cとは別のデータとして管理してもよい。
【0096】
正サイト被災対応パタンテーブル33は、使用ボリュームが作成されている使用サイトにおけるボリュームの被災状況と、データ復旧のためのクラウド環境のDRサイトの使用の有無とを対応付けた正サイト被災対応パタン情報である。
【0097】
また、パブリッククラウドコストテーブル37は、クラウド環境のサイトと、クラウド環境のサイトのボリュームを使用するためにかかるコストの情報とを、対応付けて保存するクラウドコスト情報である。
【0098】
<処理手順>
次に、データ管理装置1の処理手順について説明する。データ管理装置1は、モニタ(出力装置25)コスト分析画面を表示する。以下に説明するように、コスト分析画面は、業務に関連するボリュームの被災から復旧する場合のコストの分析に対する、分析の条件と、分析結果を表示する画面である。
【0099】
図13は、データ管理装置1の出力装置25(モニタ)に表示されるコスト分析画面1300の一例を示す説明図である。
図13に示すコスト分析画面1300は、業務の名前を入力するために用いる、業務選択ボタン1310と、分析実行ボタン1620とを備えている。
【0100】
業務選択ボタン1310は、押されると、業務名のリストが表示されて、分析対象の業務(「対象業務」と称する)を選択できるようになっている。
【0101】
分析実行ボタン1320がクリックされると、データ管理装置1のDR運用フェーズ判定部11は、業務選択ボタン1310を用いて入力された業務名(対象業務名)を入力として、DR運用フェーズ判定処理を実行する。
【0102】
<1,DR運用フェーズ判定処理、
図14>
図14は、実施例のDR運用フェーズ判定処理の例を示すフローチャートである。データ管理装置1のDR運用フェーズ判定部11は、コスト分析画面1300(
図13参照)を用いて入力された業務名の業務を対象業務とし、対象業務で使用している使用ボリュームの運用フェーズを算出する。ここで、業務名は、対象業務を特定する対象業務特定情報である。対象業務特定情報は、対象業務を特定できる情報であればよく、業務名以外に、例えば、業務のIDを用いてもよい。対象業務特定情報として、業務のIDを用いる場合は、コスト分析画面1300を用いて業務のIDを入力し、業務のIDを入力として、DR運用フェーズ判定処理してもよい。
【0103】
データ管理装置1は、コピー構成テーブル34を参照して、対象業務で使用している全ての使用ボリュームに対してコピーのボリュームが作成されているか否かを、判定する(ステップS101)。対象業務で使用している使用ボリュームに対してコピーのボリュームが作成されていないと判定した場合(ステップS101:No)は、ステップS102に進み運用前対応パタン算出処理を実行する。一方、対象業務で使用している使用ボリュームに対してコピーのボリュームが作成されていると判定した場合(ステップS101:Yes)は、ステップS103に進む。
【0104】
コピー構成テーブル34には、業務名と、業務名の業務で使用している使用ボリュームの使用ボリュームIDまたは使用ボリュームグループID(使用ボリューム情報803の使用ボリュームID、使用ボリュームグループID803a)と、使用ボリュームに対するコピーのボリュームの、コピーボリュームIDまたはコピーボリュームグループID(コピーボリューム情報804のコピーボリュームID、コピーボリュームグループID804a)と、が対応づけて保存されている。コピー構成テーブル34に、対象業務名を保存しているレコードが存在しない場合には、使用ボリュームに対するコピーのボリュームが存在しないため、使用ボリュームに対するクラウド環境のDRサイトのクラウドDRコピーボリュームが作成されていない。従って、コピー構成テーブル34に、対象業務名を保存しているレコードが存在しない場合は、対象業務の使用ボリュームに対する運用フェーズは、「運用前」である。
【0105】
そこで、データ管理装置1は、コピー構成テーブル34に、対象業務名を保存しているレコードが存在するか否かを判定する。データ管理装置1は、コピー構成テーブル34に、対象業務名を保存しているレコードが存在する場合には、対象業務で使用している使用ボリュームに対するコピーのボリュームが作成されていると判定する(ステップS101:Yes)。一方、データ管理装置1は、コピー構成テーブル34に、対象業務名を保存しているレコードが存在しない場合には、対象業務で使用している使用ボリュームに対するコピーのボリュームが作成されていないと判定する(ステップS101:No)。
【0106】
次に、データ管理装置1は、対象業務名と、運用フェーズの値「運用前」と、を入力として、運用前対応パタン算出処理(
図18参照)を実行する(ステップS102)。
【0107】
次に、データ管理装置1は、コピー構成テーブル34を参照して、全ての使用ボリュームに対するクラウドDRコピーボリュームは作成されているか否かを、判定する(ステップS103)。全ての使用ボリュームに対するクラウドDRコピーボリュームは作成されていないと判定した場合(ステップS103:No)は、ステップS102に進み、運用前対応パタン算出処理を実行する。一方、全ての使用ボリュームに対するクラウドDRコピーボリュームは作成されていると判定した場合(ステップS103:Yes)は、ステップS104に進む。
【0108】
コピー構成テーブル34の対象業務名が保存されているレコードにおいて、全ての使用ボリュームに対して、クラウド環境のDRサイトのクラウドDRコピーボリュームが対応付けられている場合には、全ての使用ボリュームに対するクラウドDRコピーボリュームは作成されている。そこで、データ管理装置1は、コピー構成テーブル34の対象業務名が保存されているレコードにおいて、すべての使用ボリュームIDまたは使用ボリュームグループID(使用ボリューム情報803の使用ボリュームID、使用ボリュームグループID803a)に対して、コピーボリューム情報804のサイト名804cに、クラウドのサイトのサイト名が保存されている場合には、全ての使用ボリュームに対するクラウドDRコピーボリュームは作成されていると判定(ステップS103:Yes)する。
【0109】
一方、データ管理装置1は、コピー構成テーブル34の対象業務名が保存されているレコードにおいて、少なくとも1つの使用ボリュームIDまたは使用ボリュームグループID(使用ボリューム情報803の使用ボリュームID、使用ボリュームグループID803a)に対して、コピーボリューム情報804のサイト名804cに、クラウドのサイトのサイト名が保存されていない場合には、全ての使用ボリュームに対するクラウドDRコピーボリュームは作成されていないと判定(ステップS103:No)する。この場合には、少なくとも1つの使用ボリュームに対して、クラウドDRコピーボリュームが作成されていないため、ステップS102にて運用前対応パタン算出処理を実行する。
【0110】
次に、データ管理装置1は、コピー状況テーブル35を参照して、使用ボリュームおよび使用ボリュームのコピーのボリュームはすべて正常か否かを、判定する(ステップS104)。使用ボリュームおよび使用ボリュームのコピーのボリュームはすべて正常と判定した場合(ステップS104:Yes)は、ステップS105に進み運用中通常時対応パタン算出処理を実行する。一方、使用ボリュームおよび使用ボリュームのコピーのボリュームのうちの少なくとも1つのボリュームが正常ではないと判定した場合(ステップS104:No)は、ステップS106に進み運用中被災時対応パタン算出処理を実行する。
【0111】
ここで、コピー状況テーブル35の使用ボリューム情報903の状態903cには、使用ボリュームの状態が正常か否かの情報が保存されている。また、コピー状況テーブル35のコピーボリューム情報904の状態904cには、使用ボリュームに対するコピーボリュームの状態が正常か否かの情報が保存されている。
【0112】
そこで、データ管理装置1は、コピー状況テーブル35の対象業務名が保存されているレコードにおいて、使用ボリューム情報903の状態903cの全ての値が「正常」で、かつ、コピーボリューム情報904の状態904cの全ての値が「正常」の場合には、使用ボリュームおよび使用ボリュームのコピーのボリュームはすべて正常と判定(ステップS104:Yes)する。一方、データ管理装置1は、コピー状況テーブル35の対象業務名が保存されているレコードにおいて、使用ボリューム情報903の状態903cおよびコピーボリューム情報904の状態904cの、少なくとも1つの値が「異常」の場合には、使用ボリュームおよび使用ボリュームのコピーのボリュームのうちの少なくとも1つのボリュームが正常ではないと判定(ステップS104:No)する。
【0113】
次に、データ管理装置1は、対象業務名と、運用フェーズの値「運用中通常時」と、を入力として、運用中通常時対応パタン算出処理(
図16参照)を実行し、処理を終了する(ステップS105)。
【0114】
次に、データ管理装置1は、対象業務名と、運用フェーズの値「運用中被災時」と、を入力として、運用中被災時対応パタン算出処理(
図17参照)を実行し、処理を終了する(ステップS106)。
【0115】
<2、運用前対応パタン算出処理、
図15>
図15は、運用前対応パタン算出処理の例を示すフローチャートである。データ管理装置1の運用前対応パタン算出部12は、対象業務名と、運用フェーズの値「運用前」と、を入力として、運用前対応パタン算出処理を実行する。
【0116】
データ管理装置1は、正サイト被災対応パタンテーブル33を用いて、ローカルバックアップボリュームおよびクラウド環境のDRサイトのクラウドDRコピーボリュームを使用している仮の場合のすべての復旧パタンのレコードを生成し、被災対応コストテーブル38A(
図12A参照)に保存する(ステップS201)。データ管理装置1は、正サイト被災対応パタンテーブル33のレコードそれぞれに対して、対象業務名と、コピー名「Null」と、DRサイト運用時間の値と、を対応付けたレコードを生成し、保存する。
【0117】
ここで、復旧パタンIDの値が「R1」の場合には、クラウドDRサイト運用時間の値を「0」とする。この場合は、データの復旧においてデータを読み出すコピーボリュームはローカルサイトに作成されており、クラウドサイトのクラウドDRコピーボリュームをデータの復旧に使用しないためである。一方、復旧パタンIDの値が「R2a」または「R2d」の場合には、サービスレベル管理テーブル32において、業務名601が対象業務名のレコードの、システムの目標復旧時間605の値をDRサイト運用時間の値とする。ここで、データの復旧に、システムの目標復旧時間605の時間がかかることを想定している。
【0118】
次に、データ管理装置1は、ステップS201にて、保存したすべてのレコードに、作成したレコードの順に復旧コピーパタンIDを付与する(ステップS202)。ここで、復旧コピーパタンIDの値は、C1、C2、、、Cnである。復旧コピーパタンIDの値は、「C」と数字(レコードを作成した順番)を組み合わせた値である。
【0119】
次に、データ管理装置1は、対象業務名と、運用フェーズの値「運用前」と、被災対応コストテーブル38Aと、を入力として、被災対応コスト算出処理(
図18参照)を実行し、処理を終了する(ステップS203)。
【0120】
<3、運用中通常時対応パタン算出処理、
図16>
図16は、運用中通常時対応パタン算出処理の例を示すフローチャートである。データ管理装置1の運用中通常時対応パタン算出部13は、対象業務名と、運用フェーズの値「運用中通常時」と、を入力として、運用中通常時対応パタン算出処理を実行する。
【0121】
データ管理装置1は、コピー構成テーブル34の対象業務名が保存されているレコードから、コピーペア名802aにおけるコピー名802bと、復旧パタンID806との全ての組を取得して、保存する(ステップS301)。ここで、DR復旧支援装復旧パタンID806が、R2d(差分コピー)の場合には、被災状況によって差分管理が機能せず、差分コピーができないことも想定されることから、データ管理装置1は、コピー名802と、復旧パタンID806の値「R2d」との組に、全コピーであるコピー名802と、復旧パタンID806の値「R2a」との組を追加した、これら2つの組を生成して保存する。
【0122】
次に、データ管理装置1は、サービスレベル管理テーブル32において、業務名601が対象業務名のレコードの、システムの目標復旧時間605の値を取得し、復旧パタンIDの値が「R2a」または「R2d」の場合のDRサイト運用時間の値として保存する(ステップS302)。
【0123】
次に、データ管理装置1は、ステップS301にて保存した、全ての、コピー名と、復旧パタンIDの値との組に対する、復旧パタンのレコードを生成し、被災対応コストテーブル38Bに保存するループ処理を開始する(ステップS303)。ループ開始のステップS303からループ終了のステップS306の間に示す処理は、ステップS301にて保存したコピー名と、復旧パタンIDの値との組毎に繰り返し行う。ステップS303にて、データ管理装置1は、ステップS301にて保存した、全てのコピー名と、復旧パタンIDの値との組のうちで、未処理のコピー名と、復旧パタンIDの値との組の中から1つのコピー名と、復旧パタンIDの値との組を選択する。
【0124】
次に、データ管理装置1は、正サイト被災対応パタンテーブル33において、ステップS303にて選択した復旧パタンIDの値に対応づけられている被災パタンID701と、被災状況702(使用ボリューム702aの値およびローカルバックアップボリューム702bの値を含む)との組を取得し、保存する(ステップS304)。
【0125】
次に、データ管理装置1は、対象業務名と、ステップS304にて保存した被災パタンIDと、ステップS304にて保存した被災状況と、ステップS303にて選択した復旧パタンIDの値およびコピー名と、DRサイトの運用時間の値と、を対応付けたレコードを生成し、被災対応コストテーブル38B(
図12B参照)に保存する(ステップS305)。
【0126】
ここで、復旧パタンIDの値が「R1」の場合には、DRサイト運用時間の値を「0」とする。この場合は、データの復旧においてデータを読み出すコピーボリュームはローカルサイトに作成されており、クラウドサイトのクラウドDRコピーボリュームをデータの復旧に使用しないためである。一方、復旧パタンIDの値が「R2a」または「R2d」の場合には、ステップS302にて保存した「システムの目標復旧時間」の値を、DRサイト運用時間の値とする。
【0127】
また、データ管理装置1は、生成したレコードを、被災対応コストテーブル38Bに保存する際に、被災パタンIDと被災状況との組が同じレコードが、被災対応コストテーブル38Bにすでに保存されている場合には、すでに被災パタンIDと被災状況との組が保存されているレコードに、ステップS305にて保存するレコードの情報を付加する。
【0128】
次に、データ管理装置1は、ステップS301にて保存した、全てのコピー名と、復旧パタンIDの値との組について処理が完了したか否かを判定する(ステップS306)。データ管理装置1が、ステップS306にて、ステップS301にて保存した、全てのコピー名と、復旧パタンIDの値との組について処理が完了していないと判定した場合は、データ管理装置1はステップS303に戻り、処理を継続する。一方、データ管理装置1が、ステップS301にて保存した、全てのコピー名と、復旧パタンIDの値との組について処理が完了したと判定した場合には、データ管理装置1は、ステップS307の処理を実行する。
【0129】
次に、データ管理装置1は、ステップS307にて、被災対応コストテーブル38Bに保存したすべてのレコードに、レコードの上から順に復旧コピーパタンIDを付与する(ステップS307)。ここで、復旧コピーパタンIDの値は、C1、C2、、、Cnであり、「C」と数字(レコードの上の位置にある順番)を組み合わせた値である。
【0130】
次に、データ管理装置1は、対象業務名と、運用フェーズの値「運用中通常時」と、被災対応コストテーブル38Bと、を入力として、被災対応コスト算出処理(
図18参照)を実行し、処理を終了する(ステップS308)。
【0131】
<4、運用中被災時対応パタン算出処理、
図17>
図17は、運用中被災時対応パタン算出処理の例を示すフローチャートである。データ管理装置1の運用中被災時対応パタン算出部14は、対象業務名と、運用フェーズの値「運用中被災時」と、を入力として、運用中被災時対応パタン算出処理を実行する。
【0132】
データ管理装置1は、コピー状況テーブル35において、対象業務名に対応付けられているレコードのうちで、使用ボリューム情報903の状態903cの値が「異常」、またはペアステータス905の値が「異常」または「フェイルオーバー」となっているレコードを、異常レコードとして保存する(ステップS401)。また、稼働監視プログラム18aによって、コピー状況テーブル35において、対象業務名に対応付けられているレコードのコピーの異常終了等の異常が検知された場合は、コピー状況テーブル35において、上記条件を満たしていない場合であっても異常と判断し、異常レコードとして保存する。
【0133】
次に、データ管理装置1は、サービスレベル管理テーブル32において、業務名601が対象業務名のレコードの、システムの目標復旧時間605の値を取得し、復旧パタンIDの値が「R2a」または「R2d」の場合のDRサイト運用時間の値として保存する(ステップS402)。
【0134】
次に、データ管理装置1は、ステップS401にて保存した、全ての異常レコードに対する、復旧パタンのレコードを生成し、被災対応コストテーブル38Cに保存するループ処理を開始する(ステップS403)。ループ開始のステップS403からループ終了のステップS408の間に示す処理は、ステップS401にて保存した異常レコード毎に繰り返し行う。ステップS403にて、データ管理装置1は、ステップS401にて保存した、全ての異常レコードのうちで、未処理の異常レコードの中から1つの異常レコードを選択する。
【0135】
次に、データ管理装置1は、ステップS403にて選択した異常レコードに対して、被災対応コストテーブル38Cの被災状況1203における、使用ボリュームが「〇」か「×」を取得し、保存する(ステップS404)。異常レコードの使用ボリューム情報の状態の値が「〇」の場合には、データ管理装置1は、異常レコードの使用ボリュームに対する値として正常を表す「〇」を保存する。例えば、ネットワーク障害によるコピー異常終了による異常レコードは、ボリューム自体は正常であるので、この「〇」の例となる。一方、異常レコードの使用ボリューム情報の状態の値が「×」の場合には、データ管理装置1は、異常レコードの使用ボリュームに対する値として異常を表す「×」を保存する。
【0136】
次に、データ管理装置1は、ステップS403にて選択した異常レコードに対して、被災対応コストテーブル38Cの被災状況1203における、ローカルバックアップボリュームが「〇」か「×」を取得し、保存する(ステップS405)。データ管理装置1は、次の条件1~4をすべて満たす場合には、ローカルバックアップボリュームに対する値として「〇」を保存する。一方、次の条件1~4の条件のうちで少なくとも1つの条件を見たなさない場合には、ローカルバックアップボリュームに対する値として「×」を保存する。
条件1;異常レコードの使用ボリューム情報のサイト名と、コピーボリューム情報のサイト名とが、同一である。すなわち、使用ボリュームと、コピーボリュームとが、オンプレミス環境の同じサイトに作成されている。
条件2;異常レコードのコピーボリューム情報の状態の値が「〇」である。
条件3;次の式を満たす。この式を満たす場合は、使用ボリュームは、ローカルバックアップボリュームに十分新しい(目標リカバリポイントRPO以内)データがコピーされている。
現在の時刻 ― コピー状況テーブル35の該当する(異常レコードに対応する)コピーペアにおけるコピーの最新時刻 < サービスレベル管理テーブル32の対象業務名を保存しているレコードの目標リカバリポイントRPO
条件4;異常レコードのペアステータスの値が、「フェイルオーバー」ではない。これは、ペアステータスの値が、「フェイルオーバー」の場合には、既にDRサイトで代替運用が実行されており、ローカルバックアップによる復旧を行わないことが想定されるからである。
【0137】
次に、データ管理装置1は、正サイト被災対応パタンテーブル33において、ステップS404で取得した異常レコードの使用ボリュームに対する値と、ステップS405で取得した異常レコードに対するローカルバックアップボリュームの値とからなる被災状況の値を算出して保存し、保存した被災状況の値に対応づけられている被災パタンIDと、復旧パタンIDとの組を取得し、保存する(ステップS406)。
【0138】
そして、データ管理装置1は、正サイト被災対応パタンテーブル33において、以上の様に算出した被災状況の値(使用ボリュームの値と、ローカルバックアップボリュームの値との組)に対応付けられている被災パタンIDと、復旧パタンIDとの組を取得し、保存する。
【0139】
次に、データ管理装置1は、対象業務名と、ステップS406にて保存した被災状況、被災パタンID、復旧パタンIDと、異常レコードのコピー名と、DRサイトの運用時間の値と、を対応付けたレコードを生成し、被災対応コストテーブル38C(
図12C参照)に保存する(ステップS407)。
【0140】
ここで、復旧パタンIDの値が「R1」の場合には、DRサイト運用時間の値を「0」とする。この場合は、データの復旧においてデータを読み出すコピーボリュームはローカルサイトに作成されており、クラウドサイトのクラウドDRコピーボリュームをデータの復旧に使用しないためである。一方、復旧パタンIDの値が「R2a」または「R2d」の場合には、ステップS402にて保存した目標復旧時間の値を、をDRサイト運用時間の値とする。
【0141】
また、データ管理装置1は、生成したレコードを、被災対応コストテーブル38Cに保存する際に、被災パタンIDと被災状況との組が同じレコードが、被災対応コストテーブル38Cにすでに保存されている場合には、すでに被災パタンIDと被災状況との組が保存されているレコードに、ステップS407にて保存するレコードの情報を付加する。
【0142】
次に、データ管理装置1は、ステップS401にて保存した、全ての異常レコードについて処理が完了したか否かを判定する(ステップS408)。データ管理装置1が、ステップS408にて、ステップS401にて保存した、全ての異常レコードについて処理が完了していないと判定した場合は、データ管理装置1はステップS403に戻り、処理を継続する。一方、データ管理装置1が、ステップS401にて保存した、全ての異常レコードについて処理が完了したと判定した場合には、データ管理装置1は、ステップS409の処理を実行する。
【0143】
次に、データ管理装置1は、ステップS407にて、被災対応コストテーブル38Cに保存したすべてのレコードに、レコードの上から順に復旧コピーパタンIDを付与する(ステップS409)。ここで、復旧コピーパタンIDの値は、C1、C2、、、Cnであり、「C」と数字(レコードの上の位置にある順番)を組み合わせた値である。
【0144】
次に、データ管理装置1は、対象業務名と、運用フェーズの値「運用中被災時」と、被災対応コストテーブル38Cと、を入力として、被災対応コスト算出処理(
図17参照)を実行し、処理を終了する(ステップS410)。
【0145】
<5、被災対応コスト算出処理、
図18>
図18は、被災対応コスト算出処理の例を示すフローチャートである。データ管理装置1の被災対応コスト算出部15は、対象業務名と、運用フェーズの値(「運用前」、「運用中通常時」、「運用中被災時」)と、被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~38Cのうちの1つ)を入力として、被災対応コスト算出処理を実行する。
【0146】
データ管理装置1は、入力の被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~38Cのうちの1つ)に保存されている復旧コピーパタンIDに対する、クラウド環境のDRサイトの使用料を算出するループ処理を開始する(ステップS501)。入力の被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~38Cのうちの1つ)に保存されている復旧コピーパタンIDに対する、クラウド環境のDRサイトの使用料を算出するループ開始のステップS501からループ終了のステップS503の間に示す処理は、被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~38Cのうちの1つ)に保存されている復旧コピーパタンIDを保存しているレコード毎に繰り返し行う。ステップS501にて、データ管理装置1は、被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~38Cのうちの1つ)に保存されている復旧コピーパタンIDのうちで、復旧コピーパタンIDの中から1つの復旧コピーパタンIDを選択する。
【0147】
次に、データ管理装置1は、ステップS501にて選択した復旧コピーパタンIDを保存しているレコードの、クラウド環境のDRサイトの使用料を算出し、保存する(ステップS502)。データ管理装置1は、ステップS501にて選択した復旧コピーパタンIDを保存しているレコードの復旧パタンIDに応じて、次の算出方法1~3の様に、クラウド環境のDRサイトの使用料を算出し、被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~38Cのうちの1つ)のステップS501にて選択した復旧コピーパタンIDが保存されているレコードに、算出したクラウド環境のDRサイトの使用料を追記する。
【0148】
算出方法1;復旧パタンIDが「R1」の場合(ローカルサイトにコピーボリュームが作成されており、全コピーをする場合)。データ管理装置1は、クラウド環境のDRサイトの使用料を、「0」と算出する。これは、コピーボリュームはローカルサイトに作成されているボリュームであり、クラウド環境のサイトに作成されていない。復旧のために、クラウド環境のサイトを使用しないため、クラウド環境のDRサイトの使用料は、「0」である。
【0149】
算出方法2;復旧パタンIDが「R2a」の場合(クラウド環境のDRサイトにクラウドDRコピーボリュームをコピーボリュームとし、全コピーをする場合)。データ管理装置1は、クラウド環境のDRサイトの使用料を、次の様に算出する。
クラウド環境のDRサイトの使用料=復旧時間におけるクラウド環境のDRサイトの運用料+ クラウドDRコピーボリュームからデータを読み出すためにかかるデータ読出費用
【0150】
クラウド環境のDRサイトの使用料は、クラウドコスト情報を用いて、対応パタン算出部(運用前対応パタン算出部12、運用中通常時対応パタン算出部13、運用中被災時対応パタン算出部14)が算出した被災パタンでの障害発生から、使用ボリュームが作成されている使用サイトのシステム復旧が完了するまでの間の、クラウド環境のDRサイトの使用料である。
【0151】
まず、「復旧時間におけるクラウド環境のDRサイトの運用料」について説明する。
復旧時間におけるクラウド環境のDRサイトの運用料=DRサイト運用時間 X IO使用費用
ここで、DRサイト運用時間は、ステップS501にて選択した復旧コピーパタンIDを保存しているレコードのDRサイト運用時間の値である。また、IO使用費用は、次の様に取得する。データ管理装置1は、コピー構成テーブル34において、対象業務名と、ステップS501にて選択した復旧コピーパタンIDと、を保存しているレコードを取得する。そして、データ管理装置1は、取得したレコードから、コピーペア名と、コピーボリューム情報804のストレージIDまたはベンダ名804b(ベンダ名)と、を取得する。そして、データ管理装置1は、パブリッククラウドコストテーブル37において、取得したストレージIDまたはベンダ名804b(ベンダ名)を保存しているレコード(以下、「コストレコード」とする)を取得する。そして、データ管理装置1は、コストレコードのサイトの運用料(IO使用費用)1103の値を、IO使用費用の値として取得する。
【0152】
次に、「クラウドDRコピーボリュームからデータを読み出すためにかかるデータ読出費用」について説明する。
クラウドDRコピーボリュームからデータを読み出すためにかかるデータ読出費用 = (使用中ボリュームデータ量+復旧時間に書き込まれたデータ量)X 単位データ量あたりのデータ転送料
ここで、使用中ボリュームデータ量は、業務データ使用状況テーブル36において、対象業務名を保存しているレコードの「使用ボリュームデータ量」の値である。データ管理装置1は、業務データ使用状況テーブル36を参照して、「使用中ボリュームデータ量」の値を取得する。
【0153】
また、「復旧時間に書き込まれたデータ量」は、以下の式で算出する。
復旧時間に書き込まれたデータ量 =DRサイトの運用時間 X 単位時間当たりの書き込みデータ量
ここで、DRサイトの運用時間(ステップS501にて選択した復旧コピーパタンIDを保存しているレコードの値)を、復旧時間とみなしている。そして、単位時間当たりの書き込みデータ量は、業務データ使用状況テーブル36において、対象業務名を保存しているレコードの「単位時間当たりの書き込みデータ量」の値である。データ管理装置1は、業務データ使用状況テーブル36を参照して、「単位時間当たりの書き込みデータ量」の値を取得する。
また、「単位データ量あたりのデータ転送料」は、パブリッククラウドコストテーブル37のコストレコードにおいて、(使用中ボリュームデータ量+復旧時間に書き込まれたデータ量)の値を含む範囲1104b1に対応する、データ転送料1104b2の値とする。データ管理装置1は、パブリッククラウドコストテーブル37のコストレコードを参照して、単位データ量あたりのデータ転送料の値を取得する。
算出方法3;復旧パタンIDが「R2d」の場合(クラウド環境のDRサイトにクラウドDRコピーボリュームをコピーボリュームとし、差分コピーをする場合)。データ管理装置1は、クラウド環境のDRサイトの使用料を、次の様に算出する。
クラウド環境のDRサイトの使用料=復旧時間におけるクラウド環境のDRサイトの運用料+ クラウドDRコピーボリュームからデータを読み出すためにかかるデータ読出費用
「復旧時間におけるクラウド環境のDRサイトの運用料」は、上記の算出方法2の「復旧時間におけるクラウド環境のDRサイトの運用料」の算出方法と同様であるため、説明を省略するする。
【0154】
次に、「クラウドDRコピーボリュームからデータを読み出すためにかかるデータ読出費用」について説明する。
クラウドDRコピーボリュームからデータを読み出すためにかかるデータ読出費用 = (復旧時間に書き込まれたデータ量)X 単位データ量あたりのデータ転送料
ここで、「復旧時間に書き込まれたデータ量」、「単位データ量あたりのデータ転送料」は、上記の算出方法2の算出方法と同様であるため、説明を省略するする。
【0155】
次に、データ管理装置1は、被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~38Cのうちの1つ)に保存されているすべての復旧コピーパタンIDについて処理が完了したか否かを判定する(ステップS503)。データ管理装置1が、すべての復旧コピーパタンIDについて処理が完了していないと判定した場合は、データ管理装置1はステップS501に戻り、処理を継続する。一方、データ管理装置1が、すべての復旧コピーパタンIDについて処理が完了したと判定した場合には、データ管理装置1は、ステップS504の処理を実行する。
【0156】
次に、データ管理装置1は、被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~38Cのうちの1つ)を出力し、処理を終了する(ステップS504)。ここで、データ管理装置1は、被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~38Cのうちの1つ)の内容を加えた、コスト分析画面の情報を出力装置25(モニタ)に出力して、被災対応コストテーブル38(被災対応コストテーブル38A~38Cのうちの1つ)の内容を、ユーザに提示する
図19は、データ管理装置1の出力装置25(モニタ)に表示されるコスト分析画面1900の一例を示す説明図である。
図19に示すコスト分析画面1900には、コスト一覧表(被災対応コストテーブル38の一部)1930が表示されている。
【0157】
<発明の効果>
データ管理装置1のDRコスト算出支援方法は、被災パタンでの障害発生から、使用ボリュームが作成されている使用サイトのシステム復旧が完了するまでの間の、クラウド環境のDRサイトの使用料を算出する。クラウド環境のDRサイトの使用料は、仮想環境のDRサイトのボリュームの被災時のコストである。多くの場合、ユーザは、DRサイトを運用する際に、仮想環境のDRサイトのボリュームのコストの情報を用いて、仮想環境のDRサイトのボリュームを使用するか否かを判断する。そして、ユーザは、データ管理装置1が算出した仮想環境のDRサイトのボリュームの被災時のコストを参考にすれば、仮想環境のDRサイトのボリュームを使用するか否かをより適切に判断することがより容易になる。従って、データ管理装置1および、データ管理装置1のDRコスト算出支援方法は、クラウド環境のDRサイトの使用料を算出することで、DRサイトの運用を支援する。
【0158】
また、この様に、クラウド環境のDRサイトの使用料を算出することで、思わぬデータ消失に対して、復旧方法と、復旧時間と、復旧コストとを見積もり、提示することで、適切な災害復旧システムの導入を容易にし、ひいては、思わぬデータ消失が生じた場合に災害復旧システムで適切かつ迅速に復旧することを容易にする。
【0159】
また、データ管理装置1のDRコスト算出支援方法は、復旧時間におけるクラウド環境のDRサイトの運用料と、クラウドDRコピーボリュームからデータを読み出すためにかかるデータ読出費用と、の和を、障害発生からシステム復旧が完了するまでの間の、クラウド環境のDRサイトの使用料として算出する(
図18の被災対応コスト算出処理のフローチャートのステップS502)。これにより、クラウド環境のDRサイトの使用料を適切に算出できる。
【0160】
また、データ管理装置1のDRコスト算出支援方法は、正サイト被災対応パタンテーブル33(正サイト被災対応パタン情報)を用いて、被災パタンに対する対応における、被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームにコピーするデータを保存しているコピーボリュームとのボリュームコピーの組を算出する(
図15の運用前対応パタン算出処理のフローチャートのステップS201、
図16の運用中通常時対応パタン算出処理のフローチャートのステップS304、
図17の運用中被災時対応パタン算出処理のフローチャートのステップS406)。これにより、より容易に、復旧時間の間の、クラウド環境のDRサイトの使用料を算出できる。
【0161】
また、データ管理装置1のDRコスト算出支援方法は、運用フェーズが、運用前の場合には、クラウド環境のDRサイトのクラウドDRコピーボリュームを仮に使用している状態における、被災している被災対象のボリュームが発生する被災パタンを算出し、算出した被災パタンに対する対応における、被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームのコピーデータを保存しているコピーボリュームとのボリュームコピーの組を算出する(
図15の運用前対応パタン算出処理のフローチャート参照)。これにより、ユーザが、運用フェーズが、「運用前」の場合に、クラウドDRコピーボリュームを使用した場合の、復旧にかかるコストを知ることが容易になる。
【0162】
また、データ管理装置1のDRコスト算出支援方法は、使用ボリュームおよび使用ボリュームのコピーボリュームのうちで被災している被災対象のボリュームが存在すると判定した場合には、使用ボリュームおよび使用ボリュームのコピーボリュームのうちで被災している被災対象のボリュームに対するデータ復旧における、被災対象のボリュームと、被災対象のボリュームのコピーデータを保存しているコピーボリュームとのボリュームコピーの組を算出し(
図17の運用中被災時対応パタン算出処理のフローチャート参照)、クラウド環境のDRサイトの使用料を算出する(
図17の運用中被災時対応パタン算出処理のフローチャートのステップS410、
図18の被災対応コスト算出処理のフローチャート参照)。これにより、ユーザは、被災時に、より速やかに、データコピーをする使用ボリュームと、コピーボリュームとの組を選択して、復旧することができる。
【0163】
また、データ管理装置1のDRコスト算出支援方法は、前記クラウド環境のDRサイトの使用料を出力する。これにより、ユーザは、クラウド環境のDRサイトの使用料を容易に知ることができる。
【0164】
また、データ管理装置1のDRコスト算出支援方法は、使用ボリュームグループを特定する使用ボリュームグループ名(使用ボリュームグループ特定情報)を用いる(
図5のボリュームグループテーブル31、
図8のコピー構成テーブル34参照)。これにより、容易に使用ボリュームを設定できる。
【0165】
<変形例1>
上述した実施例では、オンプレミスシステム100に使用ボリューム121が作成されている。変形例1では、使用ボリューム121は、オンプレミスシステム100または、クラウド環境のサイトに作成されている。変形例1において、クラウド環境のサイトに、使用ボリューム121だけでなく、代替ホスト装置210や、ローカルバックアップボリューム122を作成してもよい。
【0166】
これにより、データ管理装置1のDRコスト算出支援方法は、使用ボリュームを、オンプレミス環境のサイト(実施例)だけでなく、クラウド環境のサイト(変形例1)に作成することができる。これにより、ユーザは、より多くの場合(使用ボリュームが、クラウド環境のサイトに保存されている場合を含む)に対して、クラウド環境のDRサイトの使用料を容易に知ることができる。
【0167】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
【0168】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
【0169】
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Python、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
【0170】
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
【0171】
上述の実施例において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0172】
1;復旧支援装置
11;運用フェーズ判定部
12;運用前対応パタン算出部
13;運用中通常時対応パタン算出部
14;運用中被災時対応パタン算出部
15;被災対応コスト算出部
21;プロセッサ
22;主記憶装置
23;副記憶装置
24;入力装置
25;出力装置
26;ネットワークI/F
27;バス
31;ボリュームグループテーブル
32;サービスレベル管理テーブル
33;正サイト被災対応パタンテーブル
34;コピー構成管理テーブル
35;コピー状況管理テーブル
36;業務データ使用状況テーブル
37;パブリッククラウドコストテーブル
38;復旧コスト管理情報
5;オンプレミス環境ストレージ管理装置
6;クラウドサイト管理装置
100;オンプレミスシステム
110;ホスト装置
120;オンプレミスストレージシステム
121;使用ボリューム
122;ローカルバックアップボリューム
200;クラウドサイト
210;代替ホスト装置
221;コピーボリューム
500;ユーザ端末
NW;ネットワーク