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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130018
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
   H01H 45/12 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H01H45/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039488
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206760
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 惇
(72)【発明者】
【氏名】堀江 彩太
(72)【発明者】
【氏名】小川 真一
(72)【発明者】
【氏名】川口 直樹
(57)【要約】
【課題】固定端子に固定される導電部材の発熱を効率よく放熱することができる電磁継電器の提供。
【解決手段】電磁継電器は、ハウジングと、接点ケースと、第1固定端子と、可動接触片と、第1導電部材とを備える。接点ケースは、ハウジングの内側に配置される。第1固定端子は、ハウジングの内側に配置される。第1固定端子は、接点ケースの内側に配置される第1固定接点を含む。可動接触片は、接点ケースの内側に配置される。可動接触片は、第1固定接点と対向する第1可動接点を含む。第1導電部材は、第1固定端子に固定される。第1導電部材は、ハウジングの内側に配置される第1内側部と、ハウジングの外側に配置される第1外側部とを含む。ハウジングは、第1導電部材の第1内側部の発熱を放熱する第1放熱部を含む。第1放熱部は、第1導電部材の第1内側部の少なくとも一部に隣接して配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの内側に配置される接点ケースと、
前記接点ケースの内側に配置される第1固定接点を含み、前記ハウジングの内側に配置される第1固定端子と、
前記第1固定接点と対向する第1可動接点を含み、前記接点ケースの内側に配置される可動接触片と、
前記ハウジングの内側に配置される第1内側部と、前記ハウジングの外側に配置される第1外側部とを含み、前記第1固定端子に固定される第1導電部材と、
を備え、
前記ハウジングは、前記第1導電部材の前記第1内側部の発熱を放熱する第1放熱部を含み、
前記第1放熱部は、前記第1導電部材の前記第1内側部の少なくとも一部に隣接して配置されている、
電磁継電器。
【請求項2】
前記第1放熱部は、前記第1導電部材の前記第1内側部の少なくとも一部を露出させる開口部を含む、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項3】
前記第1内側部は、前記第1固定端子に固定される固定部を含み、
前記第1放熱部は、前記固定部に隣接して配置されている、
請求項1又は2に記載の電磁継電器。
【請求項4】
前記第1放熱部は、金属製であり、前記ハウジングから外側に露出している、
請求項1又は2に記載の電磁継電器。
【請求項5】
前記接点ケースの内側に配置される第2固定接点を含み、前記ハウジングの内側に配置される第2固定端子と、
前記ハウジングの内側に配置される第2内側部と、前記ハウジングの外側に配置される第2外側部とを含み、前記第2固定端子に固定される第2導電部材と、
をさらに備え、
前記可動接触片は、前記第2固定接点と対向する第2可動接点をさらに含み、
前記ハウジングは、前記第2導電部材の前記第2内側部の発熱を放熱する第2放熱部をさらに含み、
前記第2放熱部は、前記第2導電部材の前記第2内側部の少なくとも一部に隣接して配置されている、
請求項1又は2に記載の電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁継電器では、固定端子に導電部材を接続して、固定端子から外部装置への通電経路として導電部材を用いることがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7117567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電磁継電器では、外部装置に接続される導電部材の端部を除いて、導電部材がハウジングに覆われているので、通電時における導電部材の発熱をハウジングの外部に効率よく放熱することが難しい。
【0005】
本発明の課題は、固定端子に固定される導電部材の発熱を効率よく放熱することができる電磁継電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面に従う電磁継電器は、ハウジングと、接点ケースと、第1固定端子と、可動接触片と、第1導電部材とを備える。接点ケースは、ハウジングの内側に配置される。第1固定端子は、ハウジングの内側に配置される。第1固定端子は、接点ケースの内側に配置される第1固定接点を含む。可動接触片は、接点ケースの内側に配置される。可動接触片は、第1固定接点と対向する第1可動接点を含む。第1導電部材は、第1固定端子に固定される。第1導電部材は、ハウジングの内側に配置される第1内側部と、ハウジングの外側に配置される第1外側部とを含む。ハウジングは、第1導電部材の第1内側部の発熱を放熱する第1放熱部を含む。第1放熱部は、第1導電部材の第1内側部の少なくとも一部に隣接して配置されている。
【0007】
この電磁継電器では、第1導電部材の第1内側部の発熱を放熱するハウジングの第1放熱部は、第1導電部材の第1内側部の少なくとも一部に隣接して配置されるので、ハウジングの第1放熱部によって第1導電部材の発熱を効率よく放熱することができる。
【0008】
第1放熱部は、第1導電部材の第1内側部の少なくとも一部を露出させる開口部を含んでもよい。この場合は、簡単な構成で第1導電部材の発熱を効率よく放熱することができる。
【0009】
第1内側部は、第1固定端子に固定される固定部を含んでもよい。第1放熱部は、固定部に隣接して配置されてもよい。この場合は、発熱源である第1固定端子に近い位置に第1放熱部が配置されるので、第1導電部材の発熱を効率よく放熱することができる。
【0010】
第1放熱部は、金属製であり、ハウジングから外側に露出してもよい。この場合は、第1放熱部によって第1導電部材の発熱を効率よく放熱することができる。
【0011】
電磁継電器は、ハウジングの内側に配置される第2固定端子と、第2固定端子に固定される第2導電部材とをさらに備えてもよい。第2固定端子は、接点ケースの内側に配置される第2固定接点を含んでもよい。第2導電部材は、ハウジングの内側に配置される第2内側部と、ハウジングの外側に配置される第2外側部とを含んでよい。可動接触片は、第2固定接点と対向する第2可動接点をさらに含んでもよい。ハウジングは、第2導電部材の第2内側部の発熱を放熱する第2放熱部をさらに含んでもよい。第2放熱部は、第2導電部材の第2内側部の少なくとも一部に隣接して配置されてもよい。この場合は、ハウジングの第2放熱部によって第2導電部材の発熱を効率よく放熱することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、固定端子に固定される導電部材の発熱を効率よく放熱することができる電磁継電器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】電磁継電器を上方から見た図である。
図2】電磁継電器を前方から見た図である。
図3】電磁継電器のIII-III線断面図である。
図4】第1導電部材及び第2導電部材の斜視図である。
図5】第1放熱部の変形例を説明するための図である。
図6】第1放熱部の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して実施形態に係る電磁継電器1について説明する。図1は、電磁継電器1を上方から見た図である。図2は、電磁継電器1を前方から見た図である。図3は、電磁継電器1の断面図である。なお、図面を参照するときにおいて、図3における上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」として説明する。また、図3における紙面の手前側を「前」、奥側を「後」として説明する。ただし、これらの方向は、説明の便宜上、定義されるものであって、電磁継電器1の配置方向を限定するものではない。
【0015】
図1に示すように、電磁継電器1は、ハウジング2と、接点ケース3と、接点装置4と、駆動装置5と、第1導電部材6と、第2導電部材7とを備える。
【0016】
ハウジング2は、樹脂などの絶縁材で形成されている。ハウジング2は、ケース2aと、カバー2bとを含む。ケース2aは、略四角形の箱型であり、前方が開放されている。カバー2bは、ケース2aの前方を覆う。ハウジング2は、ケース2aとカバー2bとによって内部空間を形成している。
【0017】
接点ケース3は、ハウジング2の内側に配置されており、ハウジング2に収容されている。接点ケース3は、樹脂などの絶縁材で形成されている。
【0018】
接点装置4は、第1固定端子11と、第2固定端子12と、可動接触片13と、可動機構14とを含む。第1固定端子11、第2固定端子12及び可動接触片13は、導電性を有する材料で形成されている。
【0019】
第1固定端子11は、柱状の端子である。本実施形態では、第1固定端子11は、円柱形状の端子である。第1固定端子11は、ハウジング2の内側に配置されている。第1固定端子11は、接点ケース3の内部と外部とに亘って配置されている。第1固定端子11は、接点ケース3に支持されている。
【0020】
第1固定端子11は、第1固定接点11aを含む。第1固定接点11aは、接点ケース3の内側に配置されている。
【0021】
第2固定端子12は、円柱形状の端子である。第2固定端子12は、第1固定端子11と左右方向に離れている。第2固定端子12は、ハウジング2の内側に配置されている。第2固定端子12は、接点ケース3の内部と外部とに亘って配置されている。第1固定端子11は、接点ケース3に支持されている。
【0022】
第2固定端子12は、第2固定接点12aを含む。第2固定接点12aは、接点ケース3の内側に配置されている。
【0023】
可動接触片13は、接点ケース3の内側に配置されている。可動接触片13は、左右方向に延びている。可動接触片13は、上下方向に移動可能に構成されている。可動接触片13は、第1固定接点11a及び第2固定接点12aに接触する閉位置と、第1固定接点11a及び第2固定接点12aから開離した開位置とに移動可能である。
【0024】
可動接触片13は、第1可動接点13aと第2可動接点13bとを含む。第1可動接点13aは、第1固定接点11aの下方に配置されている。第1可動接点13aは、第1固定接点11aと上下方向に対向しており、第1固定接点11aに接触可能である。第2可動接点13bは、第2固定接点12aの下方に配置されている。第2可動接点13bは、第2固定接点12aと上下方向に対向しており、第2固定接点12aに接触可能である。
【0025】
可動機構14は、可動接触片13を支持している。可動機構14は、駆動軸21と、第1保持部材22と、第2保持部材23と、接点バネ24とを含む。駆動軸21は、可動接触片13に連結される。駆動軸21は、上下方向に延びており、可動接触片13を上下方向に貫通している。駆動軸21は、上下方向に移動可能である。
【0026】
第1保持部材22は、可動接触片13よりも上方で駆動軸21に固定されている。第2保持部材23は、可動接触片13よりも下方で駆動軸21に固定されている。接点バネ24は、可動接触片13と第2保持部材23の間に配置されている。接点バネ24は、第2保持部材23を介して可動接触片13を接触方向に付勢する。
【0027】
駆動装置5は、電磁力によって可動機構14を閉位置と開位置とに移動させる。駆動装置5は、駆動軸21を介して可動接触片10を上下方向に移動させる。駆動装置5は、コイル31と、可動鉄心32と、固定鉄心33と、ヨーク34と、復帰バネ35と、を含む。
【0028】
コイル31は、可動鉄心32を上方に移動させる磁力を発生させる。可動鉄心32は、駆動軸21に一体移動可能に連結されている。固定鉄心33は、可動鉄心32と対向する位置に配置されている。ヨーク34は、コイル31を囲むように配置されている。復帰バネ35は、可動鉄心32と固定鉄心33の間に配置されている。復帰バネ35は、可動鉄心32を下方に付勢する。
【0029】
コイル31に電圧が印加されたときの電磁継電器1の動作は、従来と同様であるため説明を省略する。なお、図2は、コイル31に電圧が印加されていない状態を示している。
【0030】
第1導電部材6及び第2導電部材7は、導電性を有する材料で形成されている。図4に示すように、第1導電部材6及び第2導電部材7は、金属板を折り曲げて形成されている。第1導電部材6及び第2導電部材7は、接点装置4に電気的接続され、通電経路を形成する。
【0031】
第1導電部材6は、第1固定端子11に接続されている。第1導電部材6は、第1内側部61と、第1外側部62とを含む。
【0032】
第1内側部61は、ハウジング2の内側かつ接点ケース3の外側に配置されている。第1内側部61は、第1導電部61aと、第2導電部61bと、第3導電部61cと、固定部61dとを含む。
【0033】
第1導電部61aは、第1固定端子11の上部に配置されており、第1固定端子11に接続されている。第1導電部61aは、左右方向に延びている。
【0034】
第2導電部61bは、上下方向に延びている。第2導電部61bは、接点ケース3の左側方に配置されている。第2導電部61bは、第1導電部61aに接続されている。第2導電部61bは、第1導電部61aの左端から下方に延びている。第2導電部61bは、左右方向から見て、第1固定接点11a及び第1可動接点13aと重なる。通電時において、第2導電部61bを流れる電流の向きは、第1固定端子11を流れる電流の向きと反対である。
【0035】
第3導電部61cは、第2導電部61bに接続されている。第3導電部61cは、前後方向に延びている。第3導電部61cは、第2導電部61bの下端から前方に延びている。
【0036】
固定部61dは、第1導電部61aの右端に配置されている。固定部61dは、第1固定端子11の上部に配置されており、第1固定端子11に固定されている。
【0037】
第1外側部62は、ハウジング2の外側に配置されている。第1外側部62は、第3導電部61cの前端から前方に延びている。第1外側部62は、ハウジング2の前面(カバー2b)から前方に突出してハウジング2の外部に露出している。第1外側部62は、図示しない外部装置に電気的に接続される。
【0038】
第2導電部材7は、第2固定端子12に接続されている。第2導電部材7は、第1導電部材6と左右に対称な形状を有している。第2導電部材7は、ハウジング2の内側に配置される第2内側部71と、ハウジング2の外側に配置される第2外側部72とを含む。第2内側部71は、ハウジング2の内側かつ接点ケース3の外側に配置されている。第2内側部71は、第1導電部71aと、第2導電部71bと、第3導電部71cと、固定部71dとを含む。第2導電部材7の各形状は、第1導電部材6の各形状と同様であるため説明を省略する。
【0039】
ハウジング2は、第1放熱部41と、第2放熱部42とを含む。第1放熱部41は、第1導電部材6の第1内側部61の発熱を放熱する。第1放熱部41は、第1導電部材6の第1内側部61の少なくとも一部を露出させる開口部41aを含む。開口部41aは、ハウジング2の上面に形成されている。開口部41aは、ハウジング2の上面を上下方向に貫通する孔である。開口部41aは、第1導電部61a及び固定部61dに隣接して配置されている。第1導電部61a及び固定部61dは、開口部41aから露出しており、開口部41aから視認可能である。開口部41aは、メッシュ状或いは格子状に形成されてもよい。開口部41aがメッシュ状或いは格子状に形成される場合、開口部41aは、金属材料で形成されてもよい。
【0040】
第2放熱部42は、第2導電部材7の第2内側部71の発熱を放熱する。第2放熱部42は、第2導電部材7の第2内側部71の少なくとも一部を露出させる開口部42aを含む。開口部42aは、ハウジング2の上面に形成されている。開口部42aは、第2導電部72a及び固定部72dに隣接して配置されている。本実施形態では、開口部42aは、開口部41aと連続している。
【0041】
この電磁継電器1では、ハウジング2の第1放熱部41は、第1導電部材6の第1内側部61の固定部61dに隣接して配置されるので、ハウジング2の第1放熱部41によって第1導電部材6の発熱を効率よく放熱することができる。また、第1放熱部41は、開口部41aを含むので、簡単な構成で第1導電部材6の発熱を効率よく放熱することができる。第2導電部材7の発熱は、第2放熱部42の開口部42aによって効率よく放熱することができる。
【0042】
以上、本発明の一態様に係る電磁継電器の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0043】
第1放熱部41及び第2放熱部42の構成は変更されてもよい。開口部41a及び開口部42aの配置或いは形状は、変更されてもよい。例えば、図5に示すように、第1放熱部41は、第2導電部61b及び第3導電部61cの少なくとも一方に隣接して配置される開口部41bを含んでもよい。図4に示す実施例では、開口部41bは、ハウジング2の左面に形成されている。第2導電部61b及び第3導電部61cの少なくとも一方は、開口部41bから露出してもよい。
【0044】
図6に示すように、第1放熱部41及び第2放熱部42は、金属製であってもよい。この場合、第1放熱部41は、第1内側部61の少なくとも一部を覆い、ハウジング2から外側に露出する構成であってもよい。また、開口部41aがメッシュ状或いは格子状に形成される場合、開口部41aは、金属材料で形成されてもよい。
【0045】
開口部41aに冷却部材が配置されてもよい。この場合は、第1導電部材6の発熱を効率よく放熱することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 電磁継電器
2 ハウジング
3 接点ケース
6 第1導電部材
11 第1固定端子
11a 第1固定接点
13 可動接触片
41 第1放熱部
41a 開口部
61 第1内側部
62 第1外側部
61d 固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6