IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友ゴム工業株式会社の特許一覧

特開2024-130058路面状態判定システム、路面状態判定方法
<>
  • 特開-路面状態判定システム、路面状態判定方法 図1
  • 特開-路面状態判定システム、路面状態判定方法 図2
  • 特開-路面状態判定システム、路面状態判定方法 図3
  • 特開-路面状態判定システム、路面状態判定方法 図4
  • 特開-路面状態判定システム、路面状態判定方法 図5
  • 特開-路面状態判定システム、路面状態判定方法 図6
  • 特開-路面状態判定システム、路面状態判定方法 図7
  • 特開-路面状態判定システム、路面状態判定方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130058
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】路面状態判定システム、路面状態判定方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G08G1/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039551
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】前田 悠輔
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC12
5H181CC27
5H181MC03
5H181MC04
5H181MC16
(57)【要約】
【課題】路面状態の検出が行われたことがない道路であってもその道路の路面状態を判定可能な路面状態判定システム、及び路面状態判定方法を提供すること。
【解決手段】路面状態判定システムは、予め定められた複数の道路のうちの第1道路を含む第1地域の気象情報を取得する第1取得処理部71と、前記第1道路の構造情報を取得する第2取得処理部72と、第1取得処理部71によって取得される前記第1地域の気象情報及び第2取得処理部72によって取得される前記第1道路の構造情報に基づいて、前記第1道路の路面状態を判定する判定処理部75と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた複数の道路のうちの第1道路を含む第1地域の気象情報を取得する第1取得処理部と、
前記第1道路の構造情報を取得する第2取得処理部と、
前記第1取得処理部によって取得される前記第1地域の気象情報及び前記第2取得処理部によって取得される前記第1道路の構造情報に基づいて、前記第1道路の路面状態を判定する判定処理部と、
を備える路面状態判定システム。
【請求項2】
前記判定処理部は、前記複数の道路のうちの第2道路の路面状態を示す情報、前記第2道路を含む第2地域の気象情報、及び前記第2道路の構造情報を含む教師データに基づいて学習された判定モデルを用いて、前記第1道路の路面状態を判定する、
請求項1に記載の路面状態判定システム。
【請求項3】
前記第1道路の周辺の環境情報を取得する第3取得処理部を備え、
前記教師データは、前記第2道路の周辺の環境情報を含む、
請求項2に記載の路面状態判定システム。
【請求項4】
予め定められた複数の車両のうち前記第1道路を走行する第1車両の車両情報を取得する第4取得処理部を備え、
前記教師データは、前記複数の車両のうち前記第2道路の路面状態の検出に用いられた第2車両の車両情報を含み、
前記判定処理部は、前記第1車両にとっての前記第1道路の滑りやすさを判定する、
請求項2又は3に記載の路面状態判定システム。
【請求項5】
前記複数の道路のうちの第3道路の路面状態を検出する検出処理部と、
前記検出処理部によって前記第3道路の路面状態が検出される場合に、前記第3道路を含む第3地域の気象情報及び前記第3道路の構造情報を取得する第5取得処理部と、
前記検出処理部によって検出される前記第3道路の路面状態を示す情報、前記第5取得処理部によって取得される前記第3地域の気象情報、及び前記第5取得処理部によって取得される前記第3道路の構造情報を含むデータを新たな教師データとして前記判定モデルを再学習させる再学習処理部と、
を備える請求項2に記載の路面状態判定システム。
【請求項6】
予め定められた複数の道路のうちの第1道路を含む第1地域の気象情報を取得する第1取得ステップと、
前記第1道路の構造情報を取得する第2取得ステップと、
前記第1取得ステップによって取得される前記第1地域の気象情報及び前記第2取得ステップによって取得される前記第1道路の構造情報に基づいて、前記第1道路の路面状態を判定する判定ステップと、
を含む路面状態判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、路面状態判定システム、及び路面状態判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路の路面状態を判定可能な路面状態判定システムが知られている。例えば、道路を走行する車両によって検出される当該道路の路面状態を示す情報、及び当該道路を含む地域の気象情報に基づいて、当該道路の将来の路面状態を予測する路面状態予測システムが関連技術として知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-139643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の関連技術に係る路面状態予測システムでは、路面状態の検出が行われたことがない道路について、将来の路面状態を予測することはできない。
【0005】
本開示の目的は、路面状態の検出が行われたことがない道路であってもその道路の路面状態を判定可能な路面状態判定システム、及び路面状態判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の局面に係る路面状態判定システムは、第1取得処理部と、第2取得処理部と、判定処理部とを備える。前記第1取得処理部は、予め定められた複数の道路のうちの第1道路を含む第1地域の気象情報を取得する。前記第2取得処理部は、前記第1道路の構造情報を取得する。前記判定処理部は、前記第1取得処理部によって取得される前記第1地域の気象情報及び前記第2取得処理部によって取得される前記第1道路の構造情報に基づいて、前記第1道路の路面状態を判定する。
【0007】
この路面状態判定システムによれば、前記第1道路を含む前記第1地域の気象情報、及び前記第1道路の構造情報に基づいて、前記第1道路の路面状態が判定される。そのため、前記第1道路が路面状態の検出が行われたことがない道路であっても、当該第1道路の路面状態を判定することが可能である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、路面状態の検出が行われたことがない道路であってもその道路の路面状態を判定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施形態に係る路面状態判定システムの構成を示す図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係る路面状態判定システムの車両の構成を示す図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係る路面状態判定システムのサーバーの構成を示す図である。
図4図4は、本開示の実施形態に係る路面状態判定システムに含まれる判定モデルの一例を示す図である。
図5図5は、本開示の実施形態に係る路面状態判定システムで実行される経路検索処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本開示の実施形態に係る路面状態判定システムで実行される路面状態判定処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本開示の実施形態に係る路面状態判定システムで実行される路面状態検出処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本開示の実施形態に係る路面状態判定システムで実行されるモデル更新処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[路面状態判定システム100]
まず、図1を参照しつつ、本開示の実施形態に係る路面状態判定システム100の構成について説明する。
【0012】
路面状態判定システム100は、路面状態判定システム100に予め登録された複数の登録道路のうち、判定対象として設定された前記登録道路の路面状態を判定する。
【0013】
具体的に、路面状態判定システム100は、判定対象の前記登録道路が滑りやすい状態、及び滑りにくい状態のいずれであるかを判定する。滑りやすい状態、及び滑りにくい状態は、本開示の路面状態の一例である。
【0014】
図1に示されるように、路面状態判定システム100は、複数の車両1(車両101~車両n(nは103以上の整数))、及びサーバー2を含む。路面状態判定システム100において、サーバー2、及び車両1各々は、通信ネットワーク3を介して相互に通信可能に接続されている。例えば、通信ネットワーク3は、インターネット、又はLAN(ローカルエリアネットワーク)である。なお、本開示の路面状態判定システムは、サーバー2のみを含むものであってもよい。
【0015】
路面状態判定システム100において、車両1各々は、路面状態判定システム100のユーザーインターフェースとして機能する。具体的に、車両1各々は、判定対象の前記登録道路を設定するユーザーの操作を受け付ける入力装置として機能する。また、車両1各々は、路面状態の判定結果が出力される出力装置として機能する。また、路面状態判定システム100において、車両1各々は、前記登録道路の実際の路面状態を検出する検出部として機能する。
【0016】
サーバー2は、判定対象の前記登録道路の路面状態を判定する。また、サーバー2は、車両1各々による路面状態の検出結果を用いて、前記路面状態の判定に用いられる判定モデル64(図3参照)を更新する。
【0017】
[車両1]
車両1は、予め路面状態判定システム100に登録された車両である。例えば、車両1は、乗用車、バス、及びトラックなどの自動車である。なお、車両1は、自動車に限られず、自動二輪車、及び三輪乗用車などであってもよい。
【0018】
車両1は、エンジン、複数の車輪、ブレーキ、及び操舵機構などの走行に必要な各構成に加えて、図2に示される制御部11、操作表示部12、通信部13、記憶部14、GPS受信機15、車輪速センサー16、操舵角センサー17、及びヨーレートセンサー18を備える。
【0019】
制御部11は、車両1を統括的に制御する。図2に示されるように、制御部11は、CPU21、ROM22、及びRAM23を備える。CPU21は、各種の演算処理を実行するプロセッサである。ROM22は、CPU21に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM23は、CPU21が実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される揮発性、又は不揮発性の記憶装置である。CPU21は、ROM22に予め格納された各種の制御プログラムを実行する。これにより、CPU21は、車両1を統括的に制御する。
【0020】
操作表示部12は、第1表示部、及び第1操作部を備える。前記第1表示部は、制御部11からの制御指示に応じて各種の情報を表示する。例えば、前記第1表示部は、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイである。前記第1操作部は、ユーザーの操作に応じて制御部11に各種の情報を入力する。例えば、前記第1操作部は、操作キー、及びタッチパネルを含む。
【0021】
通信部13は、外部装置との間でデータ通信を実行可能な通信インターフェースである。具体的に、通信部13は、サーバー2との間で、通信ネットワーク3を介してデータ通信を実行する。
【0022】
記憶部14は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部14は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、SSD(ソリッドステートドライブ)、及びHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。
【0023】
記憶部14には、予め定められた特定地域の地図データが格納されている。前記地図データは、車両1の現在位置から車両1の運転者などによって設定される目的地までの走行経路の検索処理に用いられる。前記検索処理は、制御部11により実行される。前記特定地域は、複数の国を含む地域であってもよいし、いずれかの国であってもよいし、いずれかの国に含まれる地域であってもよい。
【0024】
GPS受信機15は、GPS衛星から送信される電波を受信することが可能である。制御部11は、GPS受信機15によって受信された電波に含まれる情報に基づいて、車両1の現在位置を示す車両位置情報を取得可能である。
【0025】
車輪速センサー16は、車両1の車輪の回転速度を検出可能なセンサーである。車輪速センサー16は、車両1の車輪ごとに設けられる。車輪速センサー16各々は、車輪の回転速度に応じた車輪速信号を出力する。車輪速センサー16各々から出力される前記車輪速信号は、制御部11に入力される。
【0026】
制御部11は、車輪速センサー16各々から出力される前記車輪速信号に基づいて、車両1の複数の車輪のいずれかが空転したか否かを判定する。例えば、制御部11は、車両1の発進時、又は加速時にいずれかの車輪の回転速度が他の車輪の回転速度よりも上昇した場合に、回転速度が上昇した車輪が空転したと判定する。制御部11は、いずれかの車輪が空転したと判定した場合に、車輪の空転を解消するために、エンジンの出力を低下させるなどの動作制御を実行する。
【0027】
また、制御部11は、車輪速センサー16各々から出力される前記車輪速信号に基づいて、車両1の車輪がロックしたか否かを判定する。例えば、制御部11は、ブレーキ操作中に車輪の回転速度の低下速度が所定値を超えた場合に、車輪がロックしたと判定する。制御部11は、車輪がロックしたと判定した場合に、車輪のロックを解消するために、車輪に加えられる制動力を緩和させるなどの動作制御を実行する。
【0028】
操舵角センサー17は、車両1のハンドルの回転角である操舵角を検出可能なセンサーである。例えば、操舵角センサー17は、ハンドルのステアリングシャフトに設けられる。操舵角センサー17は、車両1のハンドルが操作された場合に、操舵角に応じた操舵角信号を出力する。操舵角センサー17から出力される前記操舵角信号は、制御部11に入力される。
【0029】
ヨーレートセンサー18は、車両1の重心点を通る鉛直軸周りの車両1の回転角速度であるヨーレートを検出可能なセンサーである。ヨーレートセンサー18は、ヨーレートに応じたヨーレート信号を出力する。ヨーレートセンサー18から出力される前記ヨーレート信号は、制御部11に入力される。
【0030】
制御部11は、操舵角センサー17から出力される前記操舵角信号、及びヨーレートセンサー18から出力される前記ヨーレート信号に基づいて、車両1が横滑りしたか否かを判定する。例えば、制御部11は、車両1の旋回中に検出されるヨーレートが検出された操舵角に基づく所定の許容範囲の上限値を超える場合に、車両1が横滑り(オーバーステア)したと判定する。また、制御部11は、車両1の旋回中に検出されるヨーレートが検出された操舵角に基づく所定の許容範囲の下限値未満である場合に、車両1が横滑り(アンダーステア)したと判定する。制御部11は、車両1が横滑りしたと判定した場合に、車両1の横滑りを解消するために、予め定められた車輪に制動力を付加するなどの動作制御を実行する。
【0031】
[サーバー2]
図3に示されるように、サーバー2は、制御部41、操作表示部42、通信部43、及び記憶部44を備える。
【0032】
制御部41は、サーバー2を統括的に制御する。図3に示されるように、制御部41は、CPU51、ROM52、及びRAM53を備える。CPU51は、各種の演算処理を実行するプロセッサである。ROM52は、CPU51に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM53は、CPU51が実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される揮発性、又は不揮発性の記憶装置である。CPU51は、ROM52に予め格納された各種の制御プログラムを実行する。これにより、CPU51は、サーバー2を統括的に制御する。
【0033】
操作表示部42は、サーバー2のユーザーインターフェースである。操作表示部42は、第2表示部、及び第2操作部を備える。前記第2表示部は、制御部41からの制御指示に応じて各種の情報を表示する。例えば、前記第2表示部は、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイである。前記第2操作部は、ユーザーの操作に応じて制御部41に各種の情報を入力する。例えば、前記第2操作部は、キーボード、マウス、及びタッチパネルを含む。
【0034】
通信部43は、外部装置との間でデータ通信を実行可能な通信インターフェースである。具体的に、通信部43は、車両1との間で、通信ネットワーク3を介してデータ通信を実行する。
【0035】
記憶部44は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部44は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、SSD(ソリッドステートドライブ)、及びHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。
【0036】
記憶部44には、前記地図データが格納されている。記憶部44に格納されている前記地図データは、車両1の記憶部14に格納されている前記地図データと同じデータである。
【0037】
また、図3に示されるように、記憶部44には、道路データベース61、及び車両データベース62が格納されている。
【0038】
道路データベース61には、道路に関する道路データが予め登録されている。前記登録道路は、道路データベース61に前記道路データが登録された道路である。前記登録道路は、国道、及び県道などの名称が付与された道路における任意に定められた区間である。前記登録道路の長さは、前記登録道路ごとに個別に定められてもよいし、全ての前記登録道路で共通であってもよい。
【0039】
例えば、前記道路データは、道路ID、道路位置情報、勾配情報、カーブ半径情報、舗装情報、構造種別情報、付属設備情報、延在方向情報、及び制限速度情報により構成される。
【0040】
前記道路IDは、サーバー2によって付与される前記登録道路の識別情報である。前記道路位置情報は、前記登録道路の両端(始点、及び終点)の所在位置を示す情報である。前記勾配情報は、前記登録道路の勾配の角度を示す情報である。前記カーブ半径情報は、前記登録道路のR(カーブ半径)を示す情報である。前記舗装情報は、前記登録道路における舗装の有無、及び舗装材料の種類を示す情報である。例えば、前記舗装材料には、アスファルト、及びコンクリートが含まれる。前記構造種別情報は、前記登録道路が、交差点、高架橋を含む橋、トンネル、及びそれらとは異なる通常道路のいずれに該当するかを示す情報である。前記付属設備情報は、前記登録道路における付属設備の有無、及び前記付属設備の種類を示す情報である。例えば、前記付属設備には、融雪設備、道路の上空を覆う屋根、及び道路脇に設けられた側壁が含まれる。前記延在方向情報は、前記登録道路の延在方向を示す情報である。前記制限速度情報は、前記登録道路に設定された制限速度を示す情報である。
【0041】
路面状態判定システム100では、前記地図データに含まれる一部又は全部の道路に対応する複数の前記道路データが道路データベース61に格納されている。
【0042】
なお、道路データベース61には、新たな前記道路データを追加で登録することが可能である。例えば、サーバー2は、前記道路データを構成する複数の情報のうち、前記道路IDを除く情報が操作表示部42における操作によって入力された場合に、入力された情報に対応する前記道路IDを生成する。そして、サーバー2は、生成された前記道路IDと、入力された情報とを含むデータを、新たな前記道路データとして、道路データベース61に登録する。
【0043】
車両データベース62には、車両に関する車両データが予め登録されている。車両1は、車両データベース62に前記車両データが登録された車両である。
【0044】
例えば、前記車両データは、車両ID、登録番号情報、車両名称情報、車両寸法情報、重量情報、車輪数情報、及びタイヤ種類情報により構成される。
【0045】
前記車両IDは、サーバー2によって付与される車両1の識別情報である。前記登録番号情報は、車両1のナンバープレートに表示される車両登録番号を示す情報である。前記車両名称情報は、車両1の商品名を示す情報である。前記車両寸法情報は、車両1の寸法(全長、全幅、全高など)を示す情報である。前記重量情報は、車両1の重量を示す情報である。前記車輪数情報は、車両1の車輪数を示す情報である。前記タイヤ種類情報は、車両1のタイヤ種類を示す情報である。例えば、前記タイヤ種類には、ノーマルタイヤ、スタッドレスタイヤ、スパイクタイヤ、及びオールシーズンタイヤが含まれる。
【0046】
サーバー2は、前記車両データを構成する複数の情報のうち、前記車両IDを除く情報が操作表示部42における操作によって入力された場合に、入力された情報に対応する前記車両IDを生成する。そして、サーバー2は、生成された前記車両IDと、入力された情報とを含むデータを、新たな前記車両データとして、車両データベース62に登録する。
【0047】
また、サーバー2は、いずれかの車両1について当該車両1に対応する前記タイヤ種類情報を変更するタイヤ種類変更操作を受け付けた場合に、受け付けられた前記タイヤ種類変更操作に応じて前記タイヤ種類情報を変更する。例えば、前記タイヤ種類変更操作は、車両1の管理者が車両1のタイヤをノーマルタイヤからスタッドレスタイヤに変更した場合に、車両1の管理者によって行われる。
【0048】
なお、道路データベース61、及び車両データベース62は、サーバー2と通信ネットワーク3を介して通信可能に接続された外部の情報処理装置の記憶装置に格納されていてもよい。この場合、制御部41は、前記外部の情報処理装置の制御部を介して、道路データベース61、及び車両データベース62にアクセスすればよい。
【0049】
ところで、道路を走行する車両によって検出される路面状態を示す情報、及び当該道路を含む地域の気象情報に基づいて、当該道路の将来の路面状態を予測する路面状態予測システムが関連技術として知られている。
【0050】
しかしながら、上述の関連技術に係る路面状態予測システムでは、路面状態の検出が行われたことがない道路について、当該道路の将来の路面状態を予測することはできない。
【0051】
これに対し、本開示の実施形態に係る路面状態判定システム100では、以下に説明するように、路面状態の検出が行われたことがない道路であってもその道路の路面状態を判定することが可能である。
【0052】
具体的に、車両1の記憶部14には、制御部11を図2に示される受付処理部31、決定処理部32、第1送信処理部33、及び出力処理部34として機能させるための経路検索プログラムが予め格納されている。制御部11のCPU21は、前記経路検索プログラムを実行することにより、上述の各処理部として機能する。
【0053】
また、車両1の記憶部14には、制御部11を図2に示される検出処理部35、及び第2送信処理部36として機能させるための路面状態検出プログラムが予め格納されている。制御部11のCPU21は、前記路面状態検出プログラムを実行することにより、上述の各処理部として機能する。
【0054】
なお、制御部11に含まれる一部、又は全部の処理部は、電子回路で構成されていてもよい。また、前記経路検索プログラム、及び前記路面状態検出プログラムは、複数のプロセッサを図2に示された各処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0055】
また、サーバー2の記憶部44には、制御部41を図3に示される第1取得処理部71、第2取得処理部72、第3取得処理部73、第4取得処理部74、判定処理部75、及び第3送信処理部76として機能させるための路面状態判定プログラムが予め格納されている。制御部41のCPU51は、前記路面状態判定プログラムを実行することにより、上述の各処理部として機能する。
【0056】
また、サーバー2の記憶部44には、制御部41を図3に示される第5取得処理部77、及び再学習処理部78として機能させるためのモデル更新プログラムが予め格納されている。制御部41のCPU51は、前記モデル更新プログラムを実行することにより、上述の各処理部として機能する。
【0057】
なお、制御部41に含まれる一部、又は全部の処理部は、電子回路で構成されていてもよい。また、前記路面状態判定プログラム、及び前記モデル更新プログラムは、複数のプロセッサを図3に示された各処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0058】
受付処理部31は、車両1の目的地を設定する設定操作を受け付ける。
【0059】
例えば、受付処理部31は、操作表示部12における予め定められた呼出操作に応じて、前記設定操作に用いられる目的地設定画面を操作表示部12に表示させる。例えば、前記設定操作には、前記目的地設定画面において車両1の目的地の住所を入力する操作、及び前記目的地設定画面に表示される地図上で車両1の目的地を指定する操作が含まれる。
【0060】
決定処理部32は、受付処理部31によって前記設定操作が受け付けられた場合に、GPS受信機15によって取得される車両1の現在位置から前記設定操作によって設定された車両1の目的地へ到達可能な複数の候補経路のうちのいずれかを、走行予定経路として決定する。
【0061】
例えば、決定処理部32は、前記地図データを用いて取得される複数の前記候補経路のうち、走行距離が最短の前記候補経路を、前記走行予定経路として決定する。なお、決定処理部32は、複数の前記候補経路のうち、走行時間が最短の前記候補経路を、前記走行予定経路として決定してもよい。前記候補経路各々の走行時間は、前記候補経路に含まれる道路各々の制限速度に基づいて算出されればよい。また、決定処理部32は、通信ネットワーク3を介して通信可能に接続される外部の情報処理装置から取得される渋滞情報に基づいて、前記候補経路各々の走行時間を修正してもよい。また、決定処理部32は、複数の前記候補経路のうち、ユーザーによって指定された前記候補経路を、前記走行予定経路として決定してもよい。
【0062】
路面状態判定システム100では、決定処理部32によって決定された前記走行予定経路に含まれる前記登録道路各々の路面状態が判定される。つまり、決定処理部32によって決定された前記走行予定経路に含まれる前記登録道路各々が、路面状態の判定対象である。
【0063】
第1送信処理部33は、決定処理部32によって決定された前記走行予定経路を示す情報、及び車両1の前記車両IDを含む第1送信データを、サーバー2に送信する。
【0064】
第1取得処理部71は、複数の前記登録道路のうちの第1道路を含む第1地域の前記気象情報を取得する。前記第1道路は、路面状態の判定対象に設定された前記登録道路(判定対象道路)である。複数の前記登録道路は、本開示の予め定められた複数の道路の一例である。
【0065】
ここで、前記気象情報は、気象に関する情報である。また、前記気象情報は、道路の路面状態に影響を与える要素に関する情報である。例えば、前記気象情報は、天候情報、気温情報、降水量情報、降雪量情報、風速情報、積雪量情報、及び日照時間情報を含む。なお、前記気象情報は、本開示で例示される情報とは異なる情報を含んでいてよい。
【0066】
例えば、第1取得処理部71は、前記第1道路を含む前記第1地域の現在の前記気象情報を取得する。
【0067】
例えば、第1取得処理部71は、前記第1道路の所在位置に最も近い気象観測システムによって検出される前記気象情報を、当該気象情報を提供するウェブサイトから取得する。
【0068】
なお、第1取得処理部71は、前記第1道路を含む前記第1地域の将来の前記気象情報を取得してもよい。また、路面状態判定システム100は、複数の前記気象観測システムを含んでいてもよい。この場合、第1取得処理部71は、前記第1道路の所在位置に最も近い前記気象観測システムを用いて前記気象情報を取得すればよい。
【0069】
第2取得処理部72は、前記第1道路の構造情報を取得する。
【0070】
ここで、前記構造情報は、道路の構造に関する情報である。また、前記構造情報は、道路の路面状態に影響を与える要素に関する情報である。例えば、前記構造情報は、前記勾配情報、前記カーブ半径情報、前記舗装情報、前記構造種別情報、及び前記付属設備情報を含む。なお、前記構造情報は、本開示で例示される情報とは異なる情報を含んでいてよい。
【0071】
例えば、第2取得処理部72は、道路データベース61から、前記第1道路の前記構造情報を取得する。
【0072】
第3取得処理部73は、前記第1道路の周辺の環境情報を取得する。
【0073】
ここで、前記環境情報は、道路の周辺環境に関する情報である。また、前記環境情報は、道路の路面状態に影響を与える要素に関する情報である。例えば、前記環境情報は、道路が山に隣接している状態、道路が森林に隣接している状態、道路が砂地に隣接している状態、及びそれら以外の状態のいずれかの道路の状態を示す情報である。なお、前記環境情報は、本開示で例示される情報とは異なる情報を含んでいてよい。
【0074】
例えば、第3取得処理部73は、前記地図データにおける前記第1道路の所在位置の周辺の状況に基づいて、前記第1道路が山に隣接している状態、森林に隣接している状態、砂地に隣接している状態、及びそれら以外の状態のいずれの状態に該当するかを判定する。
【0075】
なお、前記環境情報は、前記道路データを構成する情報の一つであってもよい。つまり、前記環境情報は、予め道路データベース61に登録されていてもよい。この場合、第3取得処理部73は、道路データベース61から、前記第1道路の前記環境情報を取得すればよい。
【0076】
第4取得処理部74は、複数の車両1のうち前記第1道路を走行する第1車両の車両情報を取得する。前記第1車両は、前記第1送信データの送信元の車両1である。複数の車両1は、本開示の予め定められた複数の車両の一例である。
【0077】
ここで、前記車両情報は、車両に関する情報である。また、前記車両情報は、道路の路面状態に影響を与える要素に関する情報である。例えば、前記車両情報は、前記タイヤ種類情報、及び走行速度情報を含む。前記走行速度情報は、前記第1道路を走行する際の前記第1車両の走行速度を示す情報である。なお、前記車両情報は、本開示で例示される情報とは異なる情報を含んでいてよい。
【0078】
例えば、第4取得処理部74は、車両データベース62から、前記第1車両に対応する前記タイヤ種類情報を取得する。また、第4取得処理部74は、道路データベース61に含まれる前記第1道路に対応する前記制限速度情報を、前記走行速度情報として取得する。つまり、路面状態判定システム100では、前記第1車両が前記第1道路を前記第1道路の制限速度と同じ速度で走行する、と仮定される。
【0079】
なお、第4取得処理部74は、前記第1道路の制限速度、及び前記第1車両の走行特性に基づいて、前記走行速度情報を取得してもよい。例えば、制御部41は、車両1ごとに記録される走行軌跡、及び走行速度の推移に基づいて、前記第1車両の走行特性が、「スピードを出しやすい」、「普通」、及び「スピードを出しにくい」のいずれであるかを判定可能である。そして、第4取得処理部74は、前記第1車両の走行特性が「スピードを出しやすい」である場合は、前記第1道路の制限速度に「1.0」よりも大きい係数(例えば、「1.2」)を乗算して補正した速度を、前記走行速度情報として取得すればよい。また、第4取得処理部74は、前記第1車両の走行特性が「スピードを出しにくい」である場合は、前記第1道路の制限速度に「1.0」よりも小さい係数(例えば、「0.8」)を乗算して補正した速度を、前記走行速度情報として取得すればよい。また、第4取得処理部74は、通信ネットワーク3を介して通信可能に接続される外部の情報処理装置から取得される前記渋滞情報に基づいて、前記走行速度情報を修正してもよい。例えば、第4取得処理部74は、前記第1道路が渋滞している場合に、前記走行速度情報を10km/h(キロメートル毎時)などの予め定められた速度に修正してもよい。
【0080】
判定処理部75は、第1取得処理部71によって取得される前記第1道路を含む前記第1地域の前記気象情報、及び第2取得処理部72によって取得される前記第1道路の前記構造情報に基づいて、前記第1道路の路面状態を判定する。
【0081】
具体的に、判定処理部75は、教師データ63(図3参照)に基づいて学習された判定モデル64(図3参照)を用いて、前記第1道路の路面状態を判定する。
【0082】
本実施形態では、判定処理部75は、前記第1車両にとっての前記第1道路の滑りやすさ(本開示の路面状態の一例)を判定する。
【0083】
図3に示されるように、教師データ63、及び判定モデル64は、記憶部44に格納されている。
【0084】
判定モデル64は、路面状態の検出が行われたことがある道路(第2道路)における路面状態の検出結果と、当該道路の路面状態に影響を与える各種要素との関係性を学習した学習済みモデルである。
【0085】
判定モデル64は、前記第1道路の路面状態を判定する。具体的に、判定モデル64は、予め定められた複数の説明変数の入力に応じて、前記第1道路の路面状態の判定結果を示す判定結果情報(目的変数)を出力する(図4参照)。前記複数の説明変数は、前記第1道路を含む前記第1地域の前記気象情報、前記第1道路の前記構造情報、前記第1道路の前記環境情報、及び前記第1車両の前記車両情報を含む。なお、前記複数の説明変数は、前記第1道路の前記環境情報、及び前記第1車両の前記車両情報のいずれか一方又は両方を含んでいなくてもよい。
【0086】
判定モデル64は、記憶部44に格納されている教師データ63、及び予め定められたアルゴリズムに基づいて、制御部41による機械学習によって生成される。なお、判定モデル64は、外部の情報処理装置の制御部によって生成、又は学習されたものであってもよい。この場合、判定モデル64は、前記外部の情報処理装置から転送されて記憶部44に格納されればよい。
【0087】
判定モデル64は、種々の方法で構築することができる。例えば、判定モデル64は、重回帰、一般化線形回帰、主成分回帰、リッジ回帰、ラッソ回帰、カーネル回帰、ランダムフォレスト回帰、ガウス過程回帰、ナイーブベイズ、多層ニューラルネットワーク、クラスタリング、サポートベクターマシン、又は動径基底関数で定義されるRBFネットワークのアルゴリズムによって構築される。また、判定モデル64は、ニューラルネットワークの中間層を多層化する深層学習(ディープラーニング)によって構築されてもよい。なお、判定モデル64は、上述の各アルゴリズムのうちの一つを用いたものであってもよく、複数のアルゴリズムを用いたものであってもよい。
【0088】
判定モデル64は、市販のコンピュータソフトウェア(例えば、The MathWorks社製のMATLAB(登録商標)、及びESTECO社製のmodeFRONTIER等)を用いることによって構築することができる。
【0089】
教師データ63は、判定モデル64の生成、及び学習に用いられるデータセットである。
【0090】
教師データ63は、複数の前記登録道路のうちの第2道路の路面状態を示す情報を含む。前記第2道路は、過去に路面状態が検出されたことがある前記登録道路(路面状態検出済道路)である。路面状態判定システム100において、前記登録道路の路面状態の検出は、車両1によって行われる。なお、前記登録道路の路面状態の検出は、前記登録道路に設置された検出装置によって行われてもよい。
【0091】
また、教師データ63は、前記第2道路を含む第2地域の前記気象情報を含む。例えば、教師データ63は、前記第2道路の路面状態の検出時における前記第2地域の前記気象情報を含む。また、教師データ63は、前記第2道路の路面状態の検出時の直前、又は直後における前記第2地域の前記気象情報を含んでもよい。
【0092】
また、教師データ63は、前記第2道路の前記構造情報を含む。
【0093】
また、教師データ63は、前記第2道路の前記環境情報を含む。
【0094】
また、教師データ63は、複数の車両1のうち、前記第2道路の前記路面状態の検出に用いられた第2車両の前記車両情報を含む。前記第2車両は、後述の第2送信データの送信元の車両1である。
【0095】
なお、教師データ63は、前記第2道路の前記環境情報、及び前記第2車両の前記車両情報のいずれか一方又は両方を含んでいなくてもよい。
【0096】
図4は、判定モデル64の構成の一例を示すブロック図である。
【0097】
図4に示される判定モデル64は、判定ポイント算出部81、及び判定部82を含む。
【0098】
判定ポイント算出部81は、判定モデル64に入力される前記複数の説明変数に基づいて、前記第1道路の路面状態の判定に用いられる判定ポイントX(後述の式(1)参照)を算出する。判定ポイントXは、前記第1車両にとっての前記第1道路の滑りやすさを示す指標値である。路面状態判定システム100では、判定ポイントXが多いほど、前記第1道路が滑りやすいと評価される。
【0099】
例えば、判定ポイント算出部81は、以下の式(1)を用いて、判定ポイントXを算出する。なお、式(1)に含まれる「X」は、判定ポイントXを示す。また、式(1)に含まれる「A」は、前記気象情報に含まれる前記天候情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「B」は、前記気象情報に含まれる前記気温情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「C」は、前記気象情報に含まれる前記降水量情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「D」は、前記気象情報に含まれる前記降雪量情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「E」は、前記気象情報に含まれる前記風速情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「F」は、前記気象情報に含まれる前記積雪量情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「G」は、前記気象情報に含まれる前記日照時間情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「H」は、前記構造情報に含まれる前記勾配情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「J」は、前記構造情報に含まれる前記カーブ半径情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「K」は、前記構造情報に含まれる前記舗装情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「L」は、前記構造情報に含まれる前記構造種別情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「M」は、前記構造情報に含まれる前記付属設備情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「N」は、前記環境情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「P」は、前記車両情報に含まれる前記タイヤ種類情報に基づいて取得されるポイントを示す。また、式(1)に含まれる「Q」は、前記車両情報に含まれる前記走行速度情報に基づいて取得されるポイントを示す。
【0100】
X=(A+B+C+D+E+F+G)×H×J×K×L×M×N×P×Q ・・・ (1)
【0101】
例えば、判定モデル64では、前記天候情報が予め定められた第1変換条件に従ってポイントA(A1、A2、A3)に変換されて、ポイントAが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記天候情報が「雨」を示す場合に、当該天候情報がポイントA2に変換される。なお、ポイントA2は、任意の整数である。また、判定モデル64では、前記天候情報が「雪」を示す場合に、当該天候情報がポイントA3に変換される。なお、ポイントA3は、ポイントA2よりも大きい整数である。また、判定モデル64では、前記天候情報が「その他(雨でなく、且つ雪でない)」を示す場合に、当該天候情報がポイントA1に変換される。なお、ポイントA1は、ポイントA2よりも小さい整数である。雨の場合は路面が濡れて滑りやすくなるためである。また、雪の場合は路面に積もる雪によって滑りやすくなるためである。なお、前記第1変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0102】
また、判定モデル64では、前記気温情報が予め定められた第2変換条件に従ってポイントB(B1、B2)に変換されて、ポイントBが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記気温情報が5度を超えることを示す場合に、当該気温情報がポイントB1に変換される。なお、ポイントB1は、任意の整数である。また、判定モデル64では、前記気温情報が5度以下を示す場合に、当該気温情報がポイントB2に変換される。なお、ポイントB2は、ポイントB1よりも大きい整数である。気温が5度以下の場合は路面が凍結しやすいためである。なお、前記第2変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0103】
また、判定モデル64では、前記降水量情報が予め定められた第3変換条件に従ってポイントC(C1、C2)に変換されて、ポイントCが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記降水量情報が10mm(ミリメートル)未満を示す場合に、当該降水量情報がポイントC1に変換される。なお、ポイントC1は、任意の整数である。また、判定モデル64では、前記降水量情報が10mm(ミリメートル)以上を示す場合に、当該降水量情報がポイントC2に変換される。なお、ポイントC2は、ポイントC1よりも大きい整数である。降水量が10mm(ミリメートル)以上の場合は路面が濡れて滑りやすくなるためである。なお、前記第3変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0104】
また、判定モデル64では、前記降雪量情報が予め定められた第4変換条件に従ってポイントD(D1、D2)に変換されて、ポイントDが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記降雪量情報が5mm(ミリメートル)未満を示す場合に、当該降雪量情報がポイントD1に変換される。なお、ポイントD1は、任意の整数である。また、判定モデル64では、前記降雪量情報が5mm(ミリメートル)以上を示す場合に、当該降雪量情報がポイントD2に変換される。なお、ポイントD2は、ポイントD1よりも大きい整数である。降雪量が5mm(ミリメートル)以上の場合は路面に積もる雪によって滑りやすくなるためである。なお、前記第4変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0105】
また、判定モデル64では、前記風速情報が予め定められた第5変換条件に従ってポイントE(E1、E2)に変換されて、ポイントEが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記風速情報が5m/s(メートル毎秒)未満を示す場合に、当該風速情報がポイントE2に変換される。なお、ポイントE2は、任意の整数である。また、判定モデル64では、前記風速情報が5m/s(メートル毎秒)以上を示す場合に、当該風速情報がポイントE1に変換される。なお、ポイントE1は、ポイントE2よりも小さい整数である。風速が5m/s(メートル毎秒)以上の場合は路面上に水が溜まりにくくなるためである。前記風速情報は、前記降水量情報に基づくポイントCの修正に用いられてもよい。なお、前記第5変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0106】
また、判定モデル64では、前記積雪量情報が予め定められた第6変換条件に従ってポイントF(F1、F2)に変換されて、ポイントFが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記積雪量情報が50mm(ミリメートル)未満を示す場合に、当該積雪量情報がポイントF1に変換される。なお、ポイントF1は、任意の整数である。また、判定モデル64では、前記積雪量情報が50mm(ミリメートル)以上を示す場合に、当該積雪量情報がポイントF2に変換される。なお、ポイントF2は、ポイントF1よりも大きい整数である。積雪量が50mm(ミリメートル)以上の場合は路面に積もる雪によって滑りやすくなるためである。なお、前記第6変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0107】
また、判定モデル64では、前記日照時間情報が予め定められた第7変換条件に従ってポイントG(G1、G2)に変換されて、ポイントGが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記日照時間情報が1時間を超えることを示す場合に、当該日照時間情報がポイントG1に変換される。なお、ポイントG1は、任意の整数である。また、判定モデル64では、前記日照時間情報が1時間以下を示す場合に、当該日照時間情報がポイントG2に変換される。なお、ポイントG2は、ポイントG1よりも大きい整数である。日照時間が1時間以下の場合は路面が乾燥しにくいためである。また、日照時間が1時間以下の場合は路面上の雪が溶けにくくなるためである。前記日照時間情報は、前記降水量情報、前記降雪量情報、又は前記積雪量情報に基づくポイントの修正に用いられてもよい。なお、前記第7変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0108】
また、判定モデル64では、前記勾配情報が予め定められた第8変換条件に従ってポイントH(H1、H2)に変換されて、ポイントHが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記勾配情報が5度未満を示す場合に、当該勾配情報がポイントH2に変換される。なお、ポイントH2は、「1」である。また、判定モデル64では、前記勾配情報が5度以上を示す場合に、当該勾配情報がポイントH1に変換される。なお、ポイントH1は、ポイントH2よりも小さい数である。道路の勾配が5度以上の場合は路面上に水が溜まりにくくなるためである。前記勾配情報は、前記降水量情報に基づくポイントCの修正に用いられてもよい。なお、前記第8変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0109】
また、判定モデル64では、前記カーブ半径情報が予め定められた第9変換条件に従ってポイントJ(J1、J2)に変換されて、ポイントJが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記カーブ半径情報が1000m(メートル)以上を示す場合に、当該カーブ半径情報がポイントJ1に変換される。なお、ポイントJ1は、「1」である。また、判定モデル64では、前記カーブ半径情報が1000m(メートル)未満を示す場合に、当該カーブ半径情報がポイントJ2に変換される。なお、ポイントJ2は、ポイントJ1よりも大きい数である。道路のR(カーブ半径)が1000m(メートル)未満の場合は当該道路を走行する車両が横滑りしやすくなるためである。なお、前記第9変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0110】
また、判定モデル64では、前記舗装情報が予め定められた第10変換条件に従ってポイントK(K1、K2)に変換されて、ポイントKが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記舗装情報が「舗装あり」を示す場合に、当該舗装情報がポイントK1に変換される。なお、ポイントK1は、「1」である。また、判定モデル64では、前記舗装情報が「舗装なし(砂利道)」を示す場合に、当該舗装情報がポイントK2に変換される。なお、ポイントK2は、ポイントK1よりも大きい数である。道路が舗装されていない(砂利道である)場合は当該道路を走行する車両が滑りやすくなるためである。なお、前記第10変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0111】
また、判定モデル64では、前記構造種別情報が予め定められた第11変換条件に従ってポイントL(L1、L2)に変換されて、ポイントLが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記構造種別情報が「橋」を示す場合に、当該構造種別情報がポイントL2に変換される。なお、ポイントL2は「1」よりも大きい数である。また、判定モデル64では、前記構造種別情報が「その他(橋でない)」を示す場合に、当該構造種別情報がポイントL1に変換される。なお、ポイントL1は、「1」である。道路が橋である場合は空中に浮いているために通常の道路よりも冷えやすく、そのために路面が凍結しやすいためである。前記構造種別情報は、前記気温情報に基づくポイントBの修正に用いられてもよい。また、前記構造種別情報が「トンネル」を示す場合に、前記日照時間情報が0時間に修正されてもよい。なお、前記第11変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0112】
また、判定モデル64では、前記付属設備情報が予め定められた第12変換条件に従ってポイントM(M1、M2)に変換されて、ポイントMが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記付属設備情報が「融雪設備あり」を示す場合に、当該付属設備情報がポイントM1に変換される。なお、ポイントM1は「1」よりも小さい数である。また、判定モデル64では、前記付属設備情報が「融雪設備なし」を示す場合に、当該付属設備情報がポイントM2に変換される。なお、ポイントM2は、「1」である。道路に融雪設備がある場合は路面上の雪が溶けやすくなるためである。前記付属設備情報は、前記降雪量情報、又は前記積雪量情報に基づくポイントの修正に用いられてもよい。また、前記付属設備情報が「屋根あり」を示す場合に、前記日照時間情報が0時間に修正されてもよい。なお、前記第12変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0113】
また、判定モデル64では、前記環境情報が予め定められた第13変換条件に従ってポイントN(N1、N2、N3、N4)に変換されて、ポイントNが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記環境情報が「道路が山に隣接している状態」を示す場合に、当該環境情報がポイントN4に変換される。なお、ポイントN4は「1」よりも大きい数である。また、判定モデル64では、前記環境情報が「道路が森林に隣接している状態」を示す場合に、当該環境情報がポイントN3に変換される。なお、ポイントN3は「1」よりも大きい数である。また、判定モデル64では、前記環境情報が「道路が砂地に隣接している状態」を示す場合に、当該環境情報がポイントN2に変換される。なお、ポイントN2は「1」よりも大きい数である。また、判定モデル64では、前記環境情報が「その他の状態(道路が山、森林、及び砂地のいずれにも隣接していない状態)」を示す場合に、当該環境情報がポイントN1に変換される。なお、ポイントN1は「1」である。道路が山に隣接している場合は日当たりが悪くなるためである。また、道路が森林に隣接している場合は路面に落ちる落ち葉によって路面が滑りやすくなるためである。また、道路が砂地に隣接している場合は砂地から流れ込んだ砂によって路面が滑りやすくなるためである。「道路が山に隣接している状態」を示す前記環境情報は、前記日照時間情報に基づくポイントGの修正に用いられてもよい。なお、前記第13変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0114】
また、判定モデル64では、前記タイヤ種類情報が予め定められた第14変換条件に従ってポイントP(P1、P2)に変換されて、ポイントPが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記タイヤ種類情報が「スタッドレスタイヤ」、「スパイクタイヤ」、又は「オールシーズンタイヤ」を示す場合に、当該タイヤ種類情報がポイントP1に変換される。なお、ポイントP1は、「1」よりも小さい数である。また、判定モデル64では、前記タイヤ種類情報が「ノーマルタイヤ」を示す場合に、当該タイヤ種類情報がポイントP2に変換される。なお、ポイントP2は「1」である。車両に装着されたタイヤが「スタッドレスタイヤ」、「スパイクタイヤ」、又は「オールシーズンタイヤ」である場合は雪上で滑りにくくなるためである。前記タイヤ種類情報は、前記降雪量情報、又は前記積雪量情報に基づくポイントの修正に用いられてもよい。なお、前記第14変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0115】
また、判定モデル64では、前記走行速度情報が予め定められた第15変換条件に従ってポイントQ(Q1、Q2)に変換されて、ポイントQが式(1)に代入される。例えば、判定モデル64では、前記走行速度情報が100km/h(キロメートル毎時)未満を示す場合に、当該走行速度情報がポイントQ1に変換される。なお、ポイントQ1は「1」である。また、判定モデル64では、前記走行速度情報が100km/h(キロメートル毎時)以上を示す場合に、当該走行速度情報がポイントQ2に変換される。なお、ポイントQ2は、ポイントQ1よりも大きい数である。100km/h(キロメートル毎時)以上の走行速度で走行する車両は滑りやすいからである。なお、前記第15変換条件は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0116】
なお、前記気象情報は、湿度情報、及び風向情報を含んでいてもよい。この場合、前記湿度情報は、路面の乾きやすさ、又は路面の凍結のしやすさの判定に用いられればよい。また、前記風向情報は、前記道路データに含まれる前記延在方向情報、及び前記第1車両の進行方向とともに、風が前記第1車両にとって横風、追い風、及び向かい風のいずれになるかの判定に用いられればよい。例えば、風が前記第1車両にとって横風となる場合は、前記第1車両が横滑りしやすくなるため、前記カーブ半径情報に基づくポイントJを風速に応じて上方修正すればよい。ここで、道路が側壁を有する場合には横風の影響が低減されるため、前記付属設備情報が「側壁あり」を示すか否かに応じて前記カーブ半径情報に基づくポイントJの修正量を変えてもよい。また、風が前記第1車両にとって追い風となる場合は、前記第1車両の走行速度が上がりやすくなるため、前記走行速度情報に基づくポイントQを風速に応じて上方修正すればよい。また、風が前記第1車両にとって向かい風となる場合は、前記第1車両の走行速度が上がりにくくなるため、前記走行速度情報に基づくポイントQを風速に応じて下方修正すればよい。
【0117】
また、前記道路データ、及び前記構造情報は、前記登録道路の勾配の方向が当該登録道路の一方の端部(始点)から他方の端部(終点)へ向けて上り坂であるか、又は下り坂であるかを示す勾配方向情報を含んでいてもよい。この場合、前記勾配方向情報は、前記第1車両の進行方向とともに、道路の勾配が前記第1車両にとって上り坂、及び下り坂のいずれになるかの判定に用いられればよい。例えば、道路の勾配が前記第1車両にとって上り坂となる場合は、前記第1車両の走行速度が上がりにくくなるため、前記走行速度情報に基づくポイントQを勾配の角度に応じて下方修正すればよい。また、道路の勾配が前記第1車両にとって下り坂となる場合は、前記第1車両の走行速度が上がりやすくなるため、前記走行速度情報に基づくポイントQを勾配の角度に応じて上方修正すればよい。
【0118】
また、雪道の交差点は停車する車両によって雪が踏み固められて滑りやすくなる。そのため、「交差点」を示す前記構造種別情報は、前記降雪量情報、又は前記積雪量情報に基づくポイントの修正に用いられてもよい。
【0119】
また、R(カーブ半径)が小さい道路では、当該道路を走行する車両の走行速度が減速される。そのため、前記カーブ半径情報は、前記第1車両の走行速度の下方修正に用いられてもよい。
【0120】
また、道路がコンクリートで舗装されている場合には、アスファルトで舗装されている場合と比較して滑りやすくなる。つまり、道路を構成する前記舗装材料の種類は、道路の路面状態に影響を与える要素といえる。そのため、前記舗装情報が「舗装あり」を示す場合の前記舗装材料の種類は、路面状態の判定に考慮されてよい。
【0121】
また、前記第1車両の重量、及び車輪数は、走行中の前記第1車両の滑りやすさに影響する要素といえる。そのため、前記車両データに含まれる前記重量情報、及び前記車輪数情報は、前記車両情報として、路面状態の判定に考慮されてよい。
【0122】
また、式(1)は、右辺に含まれる各ポイントの少なくとも一つがあれば成立するものであればよい。
【0123】
判定部82は、判定ポイント算出部81によって算出された判定ポイントXに基づいて、前記第1道路の路面状態を判定する。
【0124】
例えば、判定部82は、判定ポイントXが予め定められた閾値を超える場合に、前記第1車両にとって前記第1道路が滑りやすいと判定する。また、判定部82は、判定ポイントXが前記閾値以下である場合に、前記第1車両にとって前記第1道路が滑りにくいと判定する。なお、前記閾値は、教師データ63に基づく判定モデル64の学習によって調整される。
【0125】
第3送信処理部76は、判定処理部75による前記走行予定経路に含まれる前記登録道路各々の路面状態の判定結果を含む第3送信データを、前記第1車両に送信する。
【0126】
出力処理部34は、サーバー2から前記第3送信データが送信された場合に、決定処理部32によって決定された前記走行予定経路、及びサーバー2によって判定された前記走行予定経路に含まれる前記登録道路各々の路面状態を出力する。
【0127】
例えば、出力処理部34は、前記地図データに基づいて、車両1の現在位置と前記設定操作によって設定された車両1の目的地とを含む地図を操作表示部12に表示させる。また、出力処理部34は、操作表示部12に表示された地図において、決定処理部32によって決定された前記走行予定経路を識別可能に表示させる。例えば、出力処理部34は、前記走行予定経路を黄色などの予め定められた第1色のラインで表現させる。また、出力処理部34は、前記走行予定経路に含まれる複数の前記登録道路のうち、サーバー2によって滑りやすいと判定された前記登録道路を識別可能に表示させる。例えば、出力処理部34は、滑りやすいと判定された前記登録道路各々を赤色などの前記第1色とは異なる第2色のラインで表現させるとともに、当該ラインを点滅させる。
【0128】
検出処理部35は、複数の前記登録道路のうちの第3道路の路面状態を検出する。前記第3道路は、前記路面状態の検出対象に設定された前記登録道路(検出対象道路)である。
【0129】
例えば、路面状態判定システム100では、車両1が前記登録道路を走行する場合に、当該登録道路が前記第3道路に設定される。例えば、サーバー2は、車両1から送信される前記車両位置情報、記憶部44に格納された前記地図データ、及び道路データベース61に基づいて、車両1が前記登録道路を走行するか否かを判定する。そして、サーバー2は、車両1が前記登録道路を走行すると判定した場合に、車両1が走行する前記登録道路を前記第3道路に設定し、前記第3道路の前記道路位置情報を車両1に送信する。これにより、車両1は、前記第3道路を認識することが可能である。
【0130】
例えば、検出処理部35は、車両1が前記第3道路の一方の端部(始点)を通過してから他方の端部(終点)を通過するまでの間の、車両1の走行異常の検出状況を記録する。前記走行異常には、車輪の空転、車輪のロック、及び車両1の横滑りが含まれる。そして、検出処理部35は、車両1が前記第3道路を走行する走行期間中における前記走行異常の検出回数が予め定められた基準回数以上である場合に、前記第3道路が滑りやすいと判定する。また、検出処理部35は、前記走行期間中における前記走行異常の検出回数が前記基準回数未満である場合に、前記第3道路が滑りにくいと判定する。例えば、前記基準回数は1回である。
【0131】
なお、前記基準回数は、2回以上であってもよい。また、検出処理部35は、前記走行期間中における前記走行異常の検出回数に応じて、前記第3道路の滑りやすさを3以上の複数段階で評価してもよい。この場合、判定処理部75の判定部82は、判定ポイントXに基づいて、前記第1車両にとっての前記第1道路の滑りやすさを複数段階で評価してもよい。
【0132】
また、検出処理部35は、周知の解析手法を用いて、車輪速センサー16による検出結果に基づく路面とタイヤとの間の摩擦係数を算出し、算出結果に基づいて前記第3道路の路面状態を判定してもよい。
【0133】
第2送信処理部36は、検出処理部35によって検出された前記第3道路の路面状態を示す情報、前記走行期間中における車両1の走行速度、及び車両1の前記車両IDを含む第2送信データを、サーバー2に送信する。
【0134】
第5取得処理部77は、検出処理部35によって前記第3道路の路面状態が検出される場合に、前記第3道路を含む第3地域の前記気象情報、及び前記第3道路の前記構造情報を取得する。
【0135】
また、第5取得処理部77は、検出処理部35によって前記第3道路の路面状態が検出される場合に、前記第3道路の前記環境情報、及び前記第2送信データの送信元の車両1(前記第2車両)の前記車両情報を取得する。
【0136】
例えば、第5取得処理部77は、前記第3道路の所在位置に最も近い前記気象観測システムによって検出される前記気象情報を、当該気象情報を提供する前記ウェブサイトから取得する。また、第5取得処理部77は、道路データベース61から、前記第3道路の前記構造情報を取得する。また、第5取得処理部77は、前記地図データにおける前記第3道路の所在位置の周辺の状況に基づいて、前記第3道路が山に隣接している状態、森林に隣接している状態、砂地に隣接している状態、及びそれら以外の状態のいずれの状態に該当するかを判定する。また、第5取得処理部77は、車両データベース62から、前記第2車両に対応する前記タイヤ種類情報を取得する。また、第5取得処理部77は、前記第2車両から送信される前記走行期間中における前記第2車両の走行速度を、前記走行速度情報として取得する。
【0137】
再学習処理部78は、検出処理部35によって検出される前記第3道路の路面状態を示す情報、第5取得処理部77によって取得される前記第3道路を含む前記第3地域の前記気象情報、及び第5取得処理部77によって取得される前記第3道路の前記構造情報を含むデータを新たな教師データとして、判定モデル64を再学習させる。
【0138】
具体的に、前記新たな教師データには、検出処理部35によって検出される前記第3道路の路面状態を示す情報、並びに第5取得処理部77によって取得される前記第3地域の前記気象情報、前記第3道路の前記構造情報、前記第3道路の前記環境情報、及び前記第2車両の前記車両情報が含まれる。
【0139】
[経路検索処理]
以下、図5を参照しながら、車両1の制御部11により実行される経路検索処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部11により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記経路検索処理は、車両1の操作表示部12において前記目的地設定画面を呼び出す前記呼出操作が行われた場合に実行される。
【0140】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部11は、前記目的地設定画面を操作表示部12に表示させて、車両1の目的地を設定する前記設定操作を受け付ける。ここで、ステップS11の処理は、制御部11の受付処理部31により実行される。
【0141】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部11は、ステップS11で受け付けられた前記設定操作に基づいて、前記走行予定経路を決定する。ここで、ステップS12の処理は、制御部11の決定処理部32により実行される。
【0142】
例えば、制御部11は、GPS受信機15によって取得される車両1の現在位置から前記設定操作によって設定された車両1の目的地へ到達可能な複数の前記候補経路のうち、走行距離が最短の前記候補経路を、前記走行予定経路として決定する。
【0143】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部11は、ステップS12の処理によって決定された前記走行予定経路を示す情報、及び車両1の前記車両IDを含む前記第1送信データを、サーバー2に送信する。ここで、ステップS13の処理は、制御部11の第1送信処理部33により実行される。
【0144】
[路面状態判定処理]
ここで、図6を参照しながら、サーバー2の制御部41により実行される路面状態判定処理の手順の一例とともに、本開示の路面状態判定方法について説明する。前記路面状態判定処理は、車両1から送信される前記第1送信データを受信した場合に実行される。なお、前記経路検索処理のステップS14以降の処理の説明は、前記路面状態判定処理の説明の終了後に行う。
【0145】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、制御部41は、路面状態の判定対象(前記第1道路)を設定する。
【0146】
具体的に、制御部41は、前記経路検索処理のステップS12の処理によって決定された前記走行予定経路に含まれる複数の前記登録道路のうち、路面状態が判定されていないいずれかの前記登録道路を、路面状態の判定対象(前記第1道路)に設定する。
【0147】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部41は、前記第1道路を含む前記第1地域の前記気象情報を取得する。ここで、ステップS22の処理は、本開示の第1取得ステップの一例であって、制御部41の第1取得処理部71により実行される。
【0148】
具体的に、制御部41は、前記第1道路の所在位置に最も近い前記気象観測システムによって検出される現在の前記気象情報を、当該気象情報を提供する前記ウェブサイトから取得する。
【0149】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部41は、前記第1道路の前記構造情報を取得する。ここで、ステップS23の処理は、本開示の第2取得ステップの一例であって、制御部41の第2取得処理部72により実行される。
【0150】
具体的に、制御部41は、道路データベース61から、前記第1道路の前記構造情報を取得する。
【0151】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部41は、前記第1道路の前記環境情報を取得する。ここで、ステップS24の処理は、制御部41の第3取得処理部73により実行される。
【0152】
具体的に、制御部41は、前記地図データにおける前記第1道路の所在位置の周辺の状況に基づいて、前記第1道路が山に隣接している状態、森林に隣接している状態、砂地に隣接している状態、及びそれら以外の状態のいずれの状態に該当するかを判定する。
【0153】
<ステップS25>
ステップS25において、制御部41は、前記第1車両の前記車両情報を取得する。ここで、ステップS25の処理は、制御部41の第4取得処理部74により実行される。
【0154】
具体的に、制御部41は、車両データベース62から、前記第1車両に対応する前記タイヤ種類情報を取得する。また、制御部41は、道路データベース61に含まれる前記第1道路に対応する前記制限速度情報を、前記走行速度情報として取得する。
【0155】
<ステップS26>
ステップS26において、制御部41は、判定モデル64を用いて、前記第1道路の路面状態を判定する。ここで、ステップS26の処理は、本開示の判定ステップの一例であって、制御部41の判定処理部75により実行される。
【0156】
具体的に、制御部41は、ステップS22の処理によって取得された前記第1地域の前記気象情報、ステップS23の処理によって取得された前記第1道路の前記構造情報、ステップS24の処理によって取得された前記第1道路の前記環境情報、及びステップS25の処理によって取得された前記第1車両の前記車両情報を判定モデル64に入力することにより、前記第1車両にとっての前記第1道路の滑りやすさを示す前記判定結果情報を取得する。
【0157】
<ステップS27>
ステップS27において、制御部41は、前記経路検索処理のステップS12の処理によって決定された前記走行予定経路に含まれるすべての前記登録道路について路面状態の判定が終了したか否かを判定する。
【0158】
ここで、制御部41は、すべての前記登録道路について路面状態の判定が終了したと判定すると(S27のYes側)、処理をステップS28に移行させる。また、すべての前記登録道路について路面状態の判定が終了していなければ(S27のNo側)、制御部41は、処理をステップS21に移行させる。
【0159】
<ステップS28>
ステップS28において、制御部41は、ステップS26の処理による前記走行予定経路に含まれる前記登録道路各々の路面状態の判定結果を含む前記第3送信データを前記第1車両に送信する。ここで、ステップS28の処理は、制御部41の第3送信処理部76により実行される。
【0160】
以上で、前記路面状態判定処理の説明を終了して、前記経路検索処理の説明を再開する。
【0161】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部11は、サーバー2から送信される前記第3送信データを受信したか否かを判定する。
【0162】
ここで、制御部11は、前記第3送信データを受信したと判定すると(S14のYes側)、処理をステップS15に移行させる。また、前記第3送信データを受信していなければ(S14のNo側)、制御部11は、ステップS14で前記第3送信データの受信を待ち受ける。
【0163】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部11は、ステップS12の処理によって決定された前記走行予定経路、及びサーバー2によって判定された前記走行予定経路に含まれる前記登録道路各々の路面状態を出力する。ここで、ステップS15の処理は、制御部11の出力処理部34により実行される。
【0164】
具体的に、制御部11は、前記地図データに基づいて、車両1の現在位置と前記設定操作によって設定された車両1の目的地とを含む地図を操作表示部12に表示させる。また、制御部11は、操作表示部12に表示された地図において、ステップS12の処理によって決定された前記走行予定経路を前記第1色のラインで表現させる。また、制御部11は、前記走行予定経路に含まれる複数の前記登録道路のうち、サーバー2によって滑りやすいと判定された前記登録道路各々を前記第2色のラインで表現させるとともに、当該ラインを点滅させる。これにより、車両1の運転者は、前記走行予定経路に含まれる複数の前記登録道路のうち滑りやすいと判定された前記登録道路各々を容易に認識することが可能である。そのため、車両1の運転者は、滑りやすいと判定された前記登録道路各々で走行速度を落とすなどの対応をすることにより、車両1が滑ることを回避することが可能である。
【0165】
[路面状態検出処理]
次に、図7を参照しながら、車両1の制御部11により実行される路面状態検出処理の手順の一例について説明する。なお、前記路面状態検出処理は、サーバー2によって前記第3道路が設定され、前記第3道路の前記道路位置情報が車両1に送信された場合に実行される。
【0166】
<ステップS31>
まず、ステップS31において、制御部11は、前記第3道路の路面状態を検出する。ここで、ステップS31の処理は、制御部11の検出処理部35により実行される。
【0167】
具体的に、制御部11は、車両1が前記第3道路の一方の端部(始点)を通過してから他方の端部(終点)を通過するまでの間の、車両1の前記走行異常の検出状況を記録する。そして、制御部11は、車両1が前記第3道路を走行する前記走行期間中における前記走行異常の検出回数が前記基準回数以上である場合に、前記第3道路が滑りやすいと判定する。また、制御部11は、前記走行期間中における前記走行異常の検出回数が前記基準回数未満である場合に、前記第3道路が滑りにくいと判定する。
【0168】
<ステップS32>
ステップS32において、制御部11は、ステップS31の処理によって検出された前記第3道路の路面状態を示す情報、前記走行期間中における車両1の走行速度、及び車両1の前記車両IDを含む前記第2送信データを、サーバー2に送信する。ここで、ステップS32の処理は、制御部11の第2送信処理部36により実行される。
【0169】
[モデル更新処理]
次に、図8を参照しながら、サーバー2の制御部41により実行されるモデル更新処理の手順の一例について説明する。なお、前記モデル更新処理は、車両1から送信される前記第2送信データを受信した場合に実行される。
【0170】
<ステップS41>
まず、ステップS41において、制御部41は、前記第3道路を含む前記第3地域の前記気象情報を取得する。
【0171】
具体的に、制御部41は、前記第3道路の所在位置に最も近い前記気象観測システムによって検出される現在の前記気象情報を、当該気象情報を提供する前記ウェブサイトから取得する。
【0172】
<ステップS42>
ステップS42において、制御部41は、前記第3道路の前記構造情報を取得する。
【0173】
具体的に、制御部41は、道路データベース61から、前記第3道路の前記構造情報を取得する。
【0174】
<ステップS43>
ステップS43において、制御部41は、前記第3道路の前記環境情報を取得する。
【0175】
具体的に、制御部41は、前記地図データにおける前記第3道路の所在位置の周辺の状況に基づいて、前記第3道路が山に隣接している状態、森林に隣接している状態、砂地に隣接している状態、及びそれら以外の状態のいずれの状態に該当するかを判定する。
【0176】
<ステップS44>
ステップS44において、制御部41は、前記第2送信データの送信元の前記第2車両の前記車両情報を取得する。ここで、ステップS41からステップS44までの処理は、制御部41の第5取得処理部77により実行される。
【0177】
具体的に、制御部41は、車両データベース62から、前記第2車両に対応する前記タイヤ種類情報を取得する。また、制御部41は、前記第2送信データに含まれる前記第2車両の走行速度を、前記走行速度情報として取得する。
【0178】
<ステップS45>
ステップS45において、制御部41は、前記第2車両によって検出される前記第3道路の路面状態を示す情報、及びステップS41からステップS44までの処理によって取得される各種情報を含むデータを新たな前記教師データとして、判定モデル64を再学習させる。ここで、ステップS45の処理は、制御部41の再学習処理部78により実行される。
【0179】
このように、路面状態判定システム100では、路面状態の検出が行われたことがある道路(前記第2道路)における路面状態の検出結果と、前記第2道路を含む前記第2地域の前記気象情報及び前記第2道路の前記構造情報との関係性を学習した判定モデル64が用いられて、前記第1道路の路面状態が判定される。そのため、前記第1道路が路面状態の検出が行われたことがない道路であっても、当該第1道路の路面状態を判定することが可能である。
【0180】
なお、決定処理部32は、車両1に替えてサーバー2に設けられてもよい。この場合、第1送信処理部33は、GPS受信機15を用いて取得される前記車両位置情報、及び前記設定操作によって設定された車両1の目的地を示す情報を含むデータをサーバー2に送信すればよい。また、前記地図データは、車両1の記憶部14に格納されていなくてもよい。
【0181】
また、路面状態判定システム100は、路面状態判定システム100のユーザーインターフェースとして機能する一又は複数の端末装置を含んでいてもよい。例えば、前記端末装置は、スマートフォンなどの携帯端末、及びパーソナルコンピューターなどの情報処理端末である。この場合、複数の車両1の一部又は全部は、路面状態判定システム100のユーザーインターフェースとしての機能を備えていなくてもよい。つまり、車両1に替えて、前記端末装置が、受付処理部31、決定処理部32、第1送信処理部33、及び出力処理部34を備えていてもよい。
【0182】
また、サーバー2は、車両1が前記登録道路を走行している場合に、次に車両1が走行する前記登録道路の路面状態を判定し、判定結果を車両1の操作表示部12に表示、又は音声報知させてもよい。
【0183】
また、サーバー2は、操作表示部42におけるユーザーの操作によって指定された前記登録道路の路面状態を判定し、判定結果を操作表示部42に表示させてもよい。
【0184】
また、車両1は、車両1の走行中に車両1に装着されたタイヤのトレッド面に入力される振動を検出可能な振動検出センサーを備えていてもよい。この場合、車両1の検出処理部35は、周知の解析手法を用いて、前記振動検出センサーによる検出結果から前記第3道路の路面状態が、「乾燥」、「湿潤」、「積雪」、及び「凍結」のいずれの状態に該当するかを判定してもよい。また、サーバー2の判定処理部75は、前記第1道路の路面状態が、「乾燥」、「湿潤」、「積雪」、及び「凍結」のいずれの状態に該当するかを判定してもよい。つまり、路面状態判定システム100は、判定対象の前記登録道路が、「乾燥」、「湿潤」、「積雪」、及び「凍結」のような、路面上の水の量及び水の状態の組み合わせが互いに異なる複数の状態のいずれに該当するかを判定してもよい。「乾燥」、「湿潤」、「積雪」、及び「凍結」は、本開示の路面状態の他の一例である。
【0185】
路面状態判定システム100において、前記第1道路の路面状態が、「乾燥」、「湿潤」、「積雪」、及び「凍結」のいずれの状態に該当するかが判定される場合に、教師データ63は、前記第1車両の前記車両情報を含んでいなくてよい。
【0186】
また、判定処理部75は、判定モデル64を用いることなく、前記第1道路の路面状態を判定してもよい。例えば、判定処理部75は、式(1)のような予め定められた計算式を用いて、前記第1道路の路面状態を判定してもよい。
【0187】
以上に説明した本開示の実施形態は、以下に示す各開示事項(1)~(5)を含む。
【0188】
開示事項(1)は、予め定められた複数の道路のうちの第1道路を含む第1地域の気象情報を取得する第1取得処理部と、前記第1道路の構造情報を取得する第2取得処理部と、前記第1取得処理部によって取得される前記第1地域の気象情報及び前記第2取得処理部によって取得される前記第1道路の構造情報に基づいて、前記第1道路の路面状態を判定する判定処理部と、を備える路面状態判定システムである。
【0189】
このシステムによれば、前記第1道路を含む前記第1地域の気象情報、及び前記第1道路の構造情報に基づいて、前記第1道路の路面状態が判定される。そのため、前記第1道路が路面状態の検出が行われたことがない道路であっても、当該第1道路の路面状態を判定することが可能である。
【0190】
開示事項(2)は、前記判定処理部が、前記複数の道路のうちの第2道路の路面状態を示す情報、前記第2道路を含む第2地域の気象情報、及び前記第2道路の構造情報を含む教師データに基づいて学習された判定モデルを用いて、前記第1道路の路面状態を判定する、開示事項(1)の路面状態判定システムである。
【0191】
このシステムによれば、路面状態の検出が行われたことがある道路(前記第2道路)における路面状態の検出結果と、前記第2道路を含む前記第2地域の気象情報及び前記第2道路の構造情報との関係性を学習した前記判定モデルが用いられて、前記第1道路の路面状態が判定される。そのため、前記第1道路の路面状態を精度よく判定することが可能である。
【0192】
開示事項(3)は、前記第1道路の周辺の環境情報を取得する第3取得処理部を備え、前記教師データが、前記第2道路の周辺の環境情報を含む、開示事項(2)の路面状態判定システムである。
【0193】
このシステムによれば、前記第2道路における路面状態の検出結果と、前記第2道路を含む前記第2地域の気象情報、前記第2道路の構造情報、及び前記第2道路の周辺の環境情報との関係性を学習した前記判定モデルが用いられて、前記第1道路の路面状態が判定される。そのため、開示事項(2)のシステムと比較して、前記第1道路の路面状態の判定精度をより向上させることが可能である。
【0194】
開示事項(4)は、予め定められた複数の車両のうち前記第1道路を走行する第1車両の車両情報を取得する第4取得処理部を備え、前記教師データが、前記複数の車両のうち前記第2道路の路面状態の検出に用いられた第2車両の車両情報を含み、前記判定処理部が、前記第1車両にとっての前記第1道路の滑りやすさを判定する、開示事項(2)又は(3)の路面状態判定システムである。
【0195】
このシステムによれば、前記第2道路における路面状態の検出結果と、前記第2道路を含む前記第2地域の気象情報、前記第2道路の構造情報、及び前記第2車両の車両情報との関係性を学習した前記判定モデルが用いられて、前記第1車両にとっての前記第1道路の滑りやすさが判定される。そのため、開示事項(2)のシステムと比較して、前記第1車両にとっての前記第1道路の滑りやすさをより高精度に判定可能である。
【0196】
開示事項(5)は、前記複数の道路のうちの第3道路の路面状態を検出する検出処理部と、前記検出処理部によって前記第3道路の路面状態が検出される場合に、前記第3道路を含む第3地域の気象情報及び前記第3道路の構造情報を取得する第5取得処理部と、前記検出処理部によって検出される前記第3道路の路面状態を示す情報、前記第5取得処理部によって取得される前記第3地域の気象情報、及び前記第5取得処理部によって取得される前記第3道路の構造情報を含むデータを新たな教師データとして前記判定モデルを再学習させる再学習処理部と、を備える開示事項(2)~(4)のいずれかの路面状態判定システムである。
【0197】
このシステムによれば、前記複数の道路のうちのいずれかの路面状態が検出されるごとに、前記判定モデルが再学習される。そのため、システムの運用時間が長くなるほど、前記判定モデルによる前記第1道路の路面状態の判定精度を向上させることが可能である。
【0198】
開示事項(6)は、予め定められた複数の道路のうちの第1道路を含む第1地域の気象情報を取得する第1取得ステップと、前記第1道路の構造情報を取得する第2取得ステップと、前記第1取得ステップによって取得される前記第1地域の気象情報及び前記第2取得ステップによって取得される前記第1道路の構造情報に基づいて、前記第1道路の路面状態を判定する判定ステップと、を含む路面状態判定方法である。
【0199】
この方法によれば、開示事項(1)の路面状態判定システムと同様に、前記第1道路が路面状態の検出が行われたことがない道路であっても、当該第1道路の路面状態を判定することが可能である。
【符号の説明】
【0200】
1 車両
2 サーバー
11 制御部
12 操作表示部
13 通信部
14 記憶部
15 GPS受信機
16 車輪速センサー
17 操舵角センサー
18 ヨーレートセンサー
31 受付処理部
32 決定処理部
33 第1送信処理部
34 出力処理部
35 検出処理部
36 第2送信処理部
41 制御部
42 操作表示部
43 通信部
44 記憶部
61 道路データベース
62 車両データベース
63 教師データ
64 判定モデル
71 第1取得処理部
72 第2取得処理部
73 第3取得処理部
74 第4取得処理部
75 判定処理部
76 第3送信処理部
77 第5取得処理部
78 再学習処理部
100 路面状態判定システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8