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特開2024-130067情報処理装置、運用判断方法及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130067
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、運用判断方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240920BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039570
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】三浦 脩
(72)【発明者】
【氏名】川辺 まり
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 馨亮
(72)【発明者】
【氏名】須原 遼太
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を行う情報処理装置、運用判断方法及び情報処理システムを提供すること。
【解決手段】制御部を有する情報処理装置であって、制御部は、レンタル機器に関する契約情報を取得し、レンタル機器の運用に関する運用情報を取得し、契約情報及び運用情報を、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器に関する回収機器情報として管理し、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を回収機器情報に基づいて行うことにより上記課題を解決する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を有する情報処理装置であって、
前記制御部は、
レンタル機器に関する契約情報を取得し、
前記レンタル機器の運用に関する運用情報を取得し、
前記契約情報及び前記運用情報を、回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器に関する回収機器情報として管理し、
回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器の運用判断を前記回収機器情報に基づいて行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記レンタル機器の運用判断は、前記レンタル機器の再レンタル可又は再レンタル不可の判断である
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記レンタル機器の運用判断は、前記レンタル機器からの交換部品の抽出可又は交換部品の抽出不可の判断である
請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記レンタル機器の運用判断は、前記契約情報に含まれる前記レンタル機器の据え付け場所が特定の地域であるか、又は前記レンタル機器の据え付け先が特定の業種である場合に、前記レンタル機器の再レンタル不可又は前記レンタル機器からの交換部品の抽出不可と判断する
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定の地域は塩害地域を含む
請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定の業種は美容室、料理店、又は工場を含む
請求項4記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記レンタル機器の運用判断は、前記運用情報に含まれる前記レンタル機器のメンテナンス情報に故障情報が含まれているか、前記レンタル機器のメンテナンス情報に部品交換情報が含まれているか、前記運用情報に含まれる前記レンタル機器の運転時間情報が特定の時間を超えているか、又は前記運用情報に含まれる前記レンタル機器の消費電力情報の上昇率が特定の割合を超えている場合に、前記レンタル機器の再レンタル不可又は前記レンタル機器からの交換部品の抽出不可と判断する
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記レンタル機器の運用判断は、次のレンタルの前記契約情報に含まれる契約期間と回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器の前記運用情報に含まれる前記レンタル機器の運転時間情報とに基づく、前記レンタル機器の再レンタル可又は再レンタル不可の判断である
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記レンタル機器の運用判断は、前記回収機器情報に含まれる前記レンタル機器の前記運用情報の部品情報に基づき、前記交換部品として使用可能な前記レンタル機器の部品を判断する
請求項3記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、
レンタル中の前記レンタル機器から故障情報を取得した場合に、回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器の前記回収機器情報に基づき、交換部品として使用可能な部品を提示する
請求項9記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記レンタル機器の外観に関する外観情報を更に取得し、
前記契約情報、前記運用情報、及び前記外観情報を、前記回収機器情報として管理し、
前記レンタル機器の運用判断を前記回収機器情報に基づいて行う
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記レンタル機器は、空調機である
請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項13】
制御部を有する情報処理装置の前記制御部が実行する運用判断方法であって、
レンタル機器に関する契約情報を取得し、
前記レンタル機器の運用に関する運用情報を取得し、
前記契約情報及び前記運用情報を、回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器に関する回収機器情報として管理し、
回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器の運用判断を前記回収機器情報に基づいて行う
運用判断方法。
【請求項14】
情報処理装置と情報処理端末とが通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記情報処理装置又は前記情報処理端末が有する制御部は、
レンタル機器に関する契約情報を取得し、
前記レンタル機器の運用に関する運用情報を取得し、
前記契約情報及び前記運用情報を、回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器に関する回収機器情報として管理し、
回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器の運用判断を前記回収機器情報に基づいて行い、
前記レンタル機器の運用判断の結果を前記情報処理端末に表示する
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、運用判断方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
サービス提供者が設備利用者に対して設備を賃貸する設備リースサービスのための設備リースシステムは、従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-120047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、設備を賃貸する設備リースサービスにおいて、貸し出した機器が十分な性能を発揮できない事態が発生した場合に、料金面について考慮するものである。しかしながら、特許文献1は、賃貸した設備の回収についての記載がない。
【0005】
本開示は、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を行う情報処理装置、運用判断方法及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、制御部を有する情報処理装置であって、前記制御部は、レンタル機器に関する契約情報を取得し、前記レンタル機器の運用に関する運用情報を取得し、前記契約情報及び前記運用情報を、回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器に関する回収機器情報として管理し、回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器の運用判断を前記回収機器情報に基づいて行う。
【0007】
本開示の第1の態様によれば、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を行う情報処理装置を提供することができる。
【0008】
本開示の第2の態様は、第1の態様の情報処理装置であって、前記レンタル機器の運用判断は、前記レンタル機器の再レンタル可又は再レンタル不可の判断である。
【0009】
本開示の第2の態様によれば、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の再レンタル可又は再レンタル不可の運用判断を行うことができる。また、本開示の第2の態様によれば、契約期間に故障するなど、契約者が不利益を被ることなく、レンタル機器を長期使用することができる。
【0010】
本開示の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様の情報処理装置であって、前記レンタル機器の運用判断は、前記レンタル機器からの交換部品の抽出可又は交換部品の抽出不可の判断である。
【0011】
本開示の第3の態様によれば、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器からの交換部品の抽出可又は交換部品の抽出不可の運用判断を行うことができる。また、本開示の第3の態様によれば、交換部品として抽出可能な部品が廃棄されることを抑制し、環境問題に貢献できる。
【0012】
本開示の第4の態様は、第2の態様又は第3の態様の情報処理装置であって、前記レンタル機器の運用判断は、前記契約情報に含まれる前記レンタル機器の据え付け場所が特定の地域であるか、又は前記レンタル機器の据え付け先が特定の業種である場合に、前記レンタル機器の再レンタル不可又は前記レンタル機器からの交換部品の抽出不可と判断する。
【0013】
本開示の第5の態様は、第4の態様の情報処理装置であって、前記特定の地域は塩害地域を含む。
【0014】
本開示の第6の態様は、第4の態様又は第5の態様の情報処理装置であって、前記特定の業種は美容室、料理店、又は工場を含む。
【0015】
本開示の第7の態様は、第2の態様から第6の態様の何れか1つに記載の情報処理装置であって、前記レンタル機器の運用判断は、前記運用情報に含まれる前記レンタル機器のメンテナンス情報に故障情報が含まれているか、前記レンタル機器のメンテナンス情報に部品交換情報が含まれているか、前記運用情報に含まれる前記レンタル機器の運転時間情報が特定の時間を超えているか、又は前記運用情報に含まれる前記レンタル機器の消費電力情報の上昇率が特定の割合を超えている場合に、前記レンタル機器の再レンタル不可又は前記レンタル機器からの交換部品の抽出不可と判断する。
【0016】
本開示の第8の態様は、第2の態様から第7の態様の何れか1つに記載の情報処理装置であって、前記レンタル機器の運用判断は、次のレンタルの前記契約情報に含まれる契約期間と回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器の前記運用情報に含まれる前記レンタル機器の運転時間情報とに基づく、前記レンタル機器の再レンタル可又は再レンタル不可の判断である。
【0017】
本開示の第9の態様は、第3の態様の情報処理装置であって、前記レンタル機器の運用判断は、前記回収機器情報に含まれる前記レンタル機器の前記運用情報の部品情報に基づき、前記交換部品として使用可能な前記レンタル機器の部品を判断する。
【0018】
本開示の第10の態様は、第9の態様の情報処理装置であって、前記制御部は、レンタル中の前記レンタル機器から故障情報を取得した場合に、回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器の前記回収機器情報に基づき、交換部品として使用可能な部品を提示する。
【0019】
本開示の第11の態様は、第1の態様から第10の態様の何れか1つに記載の情報処理装置であって、前記制御部は、前記レンタル機器の外観に関する外観情報を更に取得し、前記契約情報、前記運用情報、及び前記外観情報を、前記回収機器情報として管理し、前記レンタル機器の運用判断を前記回収機器情報に基づいて行う。
【0020】
本開示の第12の態様は、第1の態様から第11の態様の何れか1つに記載の情報処理装置であって、前記レンタル機器は、空調機である。
【0021】
本開示の第13の態様は、制御部を有する情報処理装置の前記制御部が実行する運用判断方法であって、レンタル機器に関する契約情報を取得し、前記レンタル機器の運用に関する運用情報を取得し、前記契約情報及び前記運用情報を、回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器に関する回収機器情報として管理し、回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器の運用判断を前記回収機器情報に基づいて行う。
【0022】
本開示の第13の態様によれば、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を行う運用判断方法を提供することができる。
【0023】
本開示の第14の態様は、情報処理装置と情報処理端末とが通信可能に接続された情報処理システムであって、前記情報処理装置又は前記情報処理端末が有する制御部は、レンタル機器に関する契約情報を取得し、前記レンタル機器の運用に関する運用情報を取得し、前記契約情報及び前記運用情報を、回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器に関する回収機器情報として管理し、回収された前記レンタル機器又は回収予定の前記レンタル機器の運用判断を前記回収機器情報に基づいて行い、前記レンタル機器の運用判断の結果を前記情報処理端末に表示する。
【0024】
本開示の第14の態様によれば、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を行う情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係る情報処理システムが行うレンタル機器の運用判断の一例のフローチャートである。
図4】ステップS12の処理の一例のフローチャートである。
図5】本実施形態に係る情報処理システムが行うレンタル機器の運用判断の一例のフローチャートである。
図6】ステップS22の処理の一例のフローチャートである。
図7】本実施形態に係る情報処理システムが行うレンタル機器の運用判断の一例のフローチャートである。
図8】ステップS34の処理の一例のフローチャートである。
図9】本実施形態に係る情報処理システムが行うレンタル機器の運用判断の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本開示の実施形態について詳細に説明する。
【0027】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の一例の構成図である。情報処理システム1は、空調機10、IoT端末16、エッジ装置20、サーバ装置30、及びクライアント端末40を有している。
【0028】
空調機10は、室内機12及び室外機14を有している。図1の上段に示した空調機10はIoT端末16からサーバ装置30に空調機器データを送信する例を示している。IoT端末16はIoT(Internet of Things)システム等を利用し、ネットワーク50を介してサーバ装置30と通信可能に接続される。例えばIoT端末16は室外機14に接続して利用される。IoT端末16は空調機10から取得した空調機器データをサーバ装置30に送信する。
【0029】
図1の中段に示した空調機10はエッジ装置20からサーバ装置30に空調機器データを送信する例を示している。エッジ装置20はネットワーク50を介してサーバ装置30と通信可能に接続される。エッジ装置20は空調機10と専用の通信回線等を介して通信可能に接続されている。エッジ装置20は空調機10から取得した空調機器データをサーバ装置30に送信する。
【0030】
図1の下段に示した空調機10はIoT端末16及びエッジ装置20からサーバ装置30に空調機器データを送信する例を示している。IoT端末16及びエッジ装置20は空調機10から取得した空調機器データをサーバ装置30に送信する。
【0031】
図1の空調機10が有する室内機12及び室外機14の台数は一例である。空調機10が有している室内機12及び室外機14は、通信可能に接続されている。空調機10はレンタル機器の一例である。
【0032】
サーバ装置30は、ネットワーク50を介してIoT端末16又はエッジ装置20から空調機器データを受信する。サーバ装置30は、受信した空調機器データを、レンタル機器の運用に関する運用情報として蓄積する。また、サーバ装置30は、空調機10のメンテナンス情報を、ネットワーク50を介してクライアント端末40から受信する。サーバ装置30は、受信したメンテナンス情報を、レンタル機器の運用に関する運用情報として蓄積する。また、サーバ装置30は、空調機10の外観情報を、ネットワーク50を介してクライアント端末40から受信し、レンタル機器の外観に関する外観情報として蓄積してもよい。
【0033】
また、サーバ装置30は、空調機10のレンタル契約に関する情報を、ネットワーク50を介してクライアント端末40から受信する。サーバ装置30は、受信した空調機10のレンタル契約に関する情報を、レンタル機器に関する契約情報として蓄積する。サーバ装置30は、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10に関する回収機器情報として、レンタル機器の運用に関する運用情報及びレンタル機器に関する契約情報を記憶し、必要なときに読み出して利用できるように管理する。サーバ装置30は、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10に関する回収機器情報として、レンタル機器の運用に関する運用情報、レンタル機器に関する契約情報、及びレンタル機器の外観に関する外観情報を記憶し、必要なときに呼び出して利用できるように管理してもよい。
【0034】
サーバ装置30は、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10に関する回収機器情報に基づき、後述のように、レンタル契約の満了後のレンタル機器の運用判断を行う。
【0035】
クライアント端末40は、空調機10のレンタル契約に関する作業を行う担当者(例えば、ビルなどに取り付けられている空調機10を回収する作業者、回収された空調機10から交換部品を抽出する作業者、空調機10のレンタル契約に関する契約情報を入力する作業者など)が操作する情報処理端末である。クライアント端末40は、空調機10のレンタル契約に関する契約情報の入力を受け付け、サーバ装置30に送信する。また、クライアント端末40は、空調機10のメンテナンス情報の入力を受け付け、サーバ装置30に送信する。また、クライアント端末40は、空調機10の外観情報の入力を担当者から受け付け、サーバ装置30に送信してもよい。また、クライアント端末40はサーバ装置30が行ったレンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10の運用判断を表示することで、担当者に通知する。例えばクライアント端末40は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末などの情報処理端末である。
【0036】
サーバ装置30は制御部32を有する。制御部32は、プログラムを実行するハード構成であって、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等である。例えばサーバ装置30はCPUがプログラムを実行することで、後述の各種処理を実行できる。
【0037】
図1の情報処理システム1の構成は一例である。例えばサーバ装置30は1台以上の情報処理装置により実現されてもよい。また、サーバ装置30はクラウドコンピューティングのサービスとして実現するようにしてもよい。図1の情報処理システム1の構成は用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。
【0038】
<ハードウェア構成>
図1のサーバ装置30は、例えば図2に示したハードウェア構成のコンピュータ500により実現する。図2は、本実施形態に係るコンピュータ500の一例のハードウェア構成図である。
【0039】
コンピュータ500は、入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM(Random Access Memory)504、ROM(Read Only Memory)505、CPU506、通信I/F507、及びHDD(Hard Disk Drive)508などを備えており、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0040】
入力装置501は、担当者が各種信号を入力するのに用いるタッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウスなどである。表示装置502は、画面を表示する液晶や有機ELなどのディスプレイ、音声や音楽などの音データを出力するスピーカ等で構成されている。通信I/F507は、コンピュータ500がネットワーク50を介してデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0041】
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSDなど)を利用するものであってもよい。
【0042】
外部I/F503は、外部装置とのインターフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SD(Secure Digital)メモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリなどがある。
【0043】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS(Basic Input Output System)、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0044】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置であり、制御部32の一例である。
【0045】
<処理>
サーバ装置30の制御部32は、レンタル機器の一例である空調機10の運用情報を取得し、記憶装置に記憶させる。空調機10の運用情報は、空調機10又はIoT端末16が出力した空調機器データを含む。空調機10又はIoT端末16が出力した空調機器データは、室内機12の運転時間情報(ファン運転時間情報)を含む。
【0046】
また、空調機10又はIoT端末16が出力した空調機器データは、室外機14の運転時間情報(圧縮機の運転時間情報)、消費電力情報(所定期間の消費電力を示す情報)、又は部品情報を含む。なお、制御部32は過去及び現在の消費電力情報から消費電力の変化に関する情報を算出できる。消費電力の変化に関する情報は、空調機10又はIoT端末16が出力した空調機器データに含まれてもよい。
【0047】
部品情報は、四路切替弁の切替回数情報、電動弁の開度情報、電動弁の圧力損失情報、圧縮機の電流情報、又は熱交換器の圧力損失情報を含む。電動弁の開度情報及び圧力損失情報は、電動弁の内部のフィルタ汚れを検知するために利用できる。
【0048】
また、空調機10の運用情報は、クライアント端末40が送信したメンテナンス情報を含む。メンテナンス情報は、故障情報、部品交換情報、又は洗浄情報を含む。故障情報は故障の履歴を記録した故障履歴情報又は修理の履歴を記録した修理履歴情報を含む。部品交換情報は、空調機10の交換した部品を記録する。洗浄情報は、熱交換器、フィルタ、又はドレンパンなどの掃除洗浄情報を記録する。洗浄情報は、洗浄サービスの出動履歴情報を含んでもよい。
【0049】
制御部32は、レンタル機器の一例である空調機10の契約情報を取得し、記憶装置に記憶させる。空調機10の契約情報は、契約者情報、レンタル機種情報、据え付け場所情報、据え付け先の事業形態情報、契約日情報、契約年数情報、又は契約満了日情報を含む。据え付け場所情報は、例えば空調機10の据え付け場所が塩害地域などの特定の地域であるか否かを示す情報である。据え付け先の事業形態情報は、例えば空調機10の据え付け先が美容室又は料理店などの特定の業種であるか否かを示す情報である。
【0050】
制御部32は、記憶装置に記憶された空調機10の運用情報及び空調機10の契約情報を、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10に関する回収機器情報として管理する。制御部32は、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10に関する回収機器情報を記憶装置に記憶させる。
【0051】
制御部32は、記憶装置に記憶された回収機器情報に基づいて、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10の運用判断を行う。制御部32が行う運用判断は、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10の再レンタル可又は再レンタル不可の判断である。また、制御部32が行う運用判断は、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10からの交換部品の抽出可又は交換部品の抽出不可の判断である。
【0052】
制御部32は、クライアント端末40からレンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10の運用判断の要求を受け付け、要求に応じた空調機10の運用判断を行う。制御部32は、空調機10の運用判断を、クライアント端末40に表示させることで通知する。制御部32は、空調機10の運用判断を担当者にメール送信することで通知してもよい。
【0053】
図1の情報処理システム1は、例えば回収機器情報が登録又は更新されたタイミングで図3に示すように運用判断を行う。図3は本実施形態に係る情報処理システム1が行うレンタル機器の運用判断の一例のフローチャートである。図3はレンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10の再レンタル可又は再レンタル不可の運用判断の例である。
【0054】
ステップS10において、サーバ装置30は運用判断を行う空調機10の回収機器情報の読み出しを行う。ステップS10で読み出す回収機器情報は、運用判断を行う空調機10の運用情報及び契約情報が含まれる。回収機器情報は、運用判断を行う空調機10の外観情報が含まれていてもよい。
【0055】
ステップS12において、サーバ装置30はステップS10で読み出した回収機器情報に基づいて、空調機10が再レンタル可又は再レンタル不可の運用判断を行う。図4はステップS12の処理の一例のフローチャートである。ステップS100において、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の契約情報に含まれる空調機10の据え付け場所情報が塩害地域などの特定の地域であるか否かを判断する。空調機10の据え付け場所情報が塩害地域などの特定の地域である場合に、サーバ装置30はステップS108において再レンタル不可と判断する。空調機10の据え付け場所情報が塩害地域などの特定の地域でなければ、サーバ装置30はステップS102の処理に進む。
【0056】
また、ステップS102において、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の契約情報に含まれる据え付け先の事業形態情報が美容室、料理店、又は工場などの特定の業種であるか否かを判断する。空調機10の据え付け先の事業形態情報が美容室、料理店、又は工場などの特定の業種である場合に、サーバ装置30はステップS108において再レンタル不可と判断する。空調機10の据え付け先の事業形態情報が美容室、料理店、又は工場などの特定の業種でなければ、サーバ装置30はステップS104の処理に進む。
【0057】
また、ステップS104において、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に修理の履歴を記録した故障情報が含まれているか否かを判断する。空調機10の運用情報に修理の履歴を記録した故障情報が含まれている場合に、サーバ装置30はステップS108において再レンタル不可と判断する。空調機10の運用情報に修理の履歴を記録した故障情報が含まれていなければ、サーバ装置30はステップS106において再レンタル可と判断する。なお、図4のフローチャートは一例であって、ステップS100、S102、及びS104の判断の全てを必ずしも行う必要はなく、少なくとも一つの判断を行えばよい。
【0058】
また、図4のステップS100、S102、及びS104の判断は一例である。サーバ装置30は例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に修理の履歴を記録した故障情報が所定件数以上含まれている場合に再レンタル不可と判断してもよい。また、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に部品交換の履歴を記録した部品交換情報が含まれている場合に再レンタル不可と判断してもよい。サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に部品交換の履歴を記録した部品交換情報が所定件数以上含まれている場合に再レンタル不可と判断してもよい。
【0059】
また、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に含まれる運転時間情報が、特定の時間(圧縮機の推奨運転時間など)を超えている場合に再レンタル不可と判断してもよい。また、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に含まれる消費電力情報が、所定の割合を超えた消費電力の上昇率を示している場合に再レンタル不可と判断してもよい。例えばサーバ装置30は、前年と同能力(同負荷)の際の消費電力、通年のAPF(Annual Performance Factor)、又はCOP(Coefficient of Performance)の何れかが所定の割合以上に悪化している場合に再レンタル不可と判断してもよい。
【0060】
また、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に含まれる四路切替弁の切替回数が切替限界回数以上である場合に再レンタル不可と判断してもよい。サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に含まれる電動弁の圧力損失が同開度での圧力損失の所定の割合以上である場合に再レンタル不可と判断してもよい。
【0061】
また、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報から、空調機10のメーカー側で推奨していない異常な使われ方をしていたと判定した場合に再レンタル不可と判断してもよい。メーカー側で推奨していない異常な使われ方は、例えば冷房中に室内に直射日光を入れる、ドア又は窓を開けたままにする、室内機12の吹出口又は吸込口に物を置く、などである。また、サーバ装置30は、例えば担当者が入力した空調機10の外観情報から、空調機10の外観が再レンタルに適さない場合に再レンタル不可と判断してもよい。
【0062】
なお、ステップS12の再レンタル可又は再レンタル不可の運用判断は、上記した例示の一つを行ってもよいし、上記した例示を組み合わせて行ってもよい。ステップS14において、サーバ装置30は空調機10の運用判断の結果を担当者に通知する。
【0063】
図1の情報処理システム1は、例えば図5に示すように運用判断を行う。図5は本実施形態に係る情報処理システム1が行うレンタル機器の運用判断の一例のフローチャートである。図5はレンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10からの交換部品の抽出可又は交換部品の抽出不可の運用判断の例である。
【0064】
ステップS20において、サーバ装置30は運用判断を行う空調機10の回収機器情報の読み出しを行う。ステップS20で読み出す回収機器情報は、運用判断を行う空調機10の運用情報及び契約情報が含まれる。回収機器情報は、運用判断を行う空調機10の交換部品の外観情報が含まれていてもよい。
【0065】
ステップS22において、サーバ装置30はステップS20で読み出した回収機器情報に基づいて、空調機10からの交換部品の抽出可又は交換部品の抽出不可の運用判断を行う。図6はステップS22の処理の一例のフローチャートである。ステップS200において、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の契約情報に含まれる空調機10の据え付け場所情報が塩害地域などの特定の地域であるか否かを判断する。空調機10の据え付け場所情報が塩害地域などの特定の地域である場合に、サーバ装置30はステップS208において交換部品の抽出不可と判断する。空調機10の据え付け場所情報が塩害地域などの特定の地域でなければ、サーバ装置30はステップS202の処理に進む。
【0066】
また、ステップS202において、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の契約情報に含まれる据え付け先の事業形態情報が美容室、料理店、又は工場などの特定の業種であるか否かを判断する。空調機10の契約情報に含まれる据え付け先の事業形態情報が美容室、料理店、又は工場などの特定の業種である場合にサーバ装置30はステップS208において交換部品の抽出不可と判断する。空調機10の契約情報に含まれる据え付け先の事業形態情報が美容室、料理店、又は工場などの特定の業種でなければ、サーバ装置30はステップS204の処理に進む。
【0067】
また、ステップS204において、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に修理の履歴を記録した故障情報が含まれているか否かを判断する。空調機10の運用情報に修理の履歴を記録した故障情報が含まれている場合に、サーバ装置30はステップS208において交換部品の抽出不可と判断する。空調機10の運用情報に修理の履歴を記録した故障情報が含まれていなければ、サーバ装置30はステップS206において交換部品の抽出可と判断する。なお、図6のフローチャートは一例であって、ステップS200、S202、及びS204の判断の全てを必ずしも行う必要はなく、少なくとも一つの判断を行えばよい。
【0068】
また、図6のステップS200、S202、及びS204の判断は一例である。サーバ装置30は例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に修理の履歴を記録した故障情報が所定件数以上含まれている場合に交換部品の抽出不可と判断してもよい。また、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に部品交換の履歴を記録した部品交換情報が含まれている場合に交換部品の抽出不可と判断してもよい。サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に部品交換の履歴を記録した部品交換情報が所定件数以上含まれている場合に交換部品の抽出不可と判断してもよい。
【0069】
また、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に含まれる運転時間情報が、特定の時間(圧縮機の推奨運転時間など)を超えている場合に交換部品の抽出不可と判断してもよい。また、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に含まれる消費電力情報が、所定の割合を超えた消費電力の上昇率を示している場合に交換部品の抽出不可と判断してもよい。例えばサーバ装置30は、前年と同能力(同負荷)の際の消費電力、通年のAPF又はCOPの何れかが所定の割合以上に悪化している場合に交換部品の抽出不可と判断してもよい。
【0070】
また、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に含まれる四路切替弁の切替回数が切替限界回数以上である場合に交換部品の抽出不可と判断してもよい。サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報に含まれる電動弁の圧力損失が同開度での圧力損失の所定の割合以上である場合に交換部品の抽出不可と判断してもよい。
【0071】
また、サーバ装置30は、例えば運用判断を行う空調機10の運用情報から、空調機10のメーカー側で推奨していない異常な使われ方をしていたと判定した場合に交換部品の抽出不可と判断してもよい。また、サーバ装置30は、例えば担当者が入力した空調機10の交換部品の外観情報から、空調機10の交換部品の外観が交換部品に適さない場合に交換部品の抽出不可と判断してもよい。
【0072】
ステップS22の空調機10からの交換部品の抽出可又は交換部品の抽出不可の運用判断は、上記した例示の一つを行ってもよいし、上記した例示を組み合わせて行ってもよい。ステップS24において、サーバ装置30は空調機10の運用判断の結果を担当者に通知する。
【0073】
なお、ステップS22の運用判断では、回収された空調機10又は回収予定の空調機10の運用情報に含まれる部品情報に基づき、回収された空調機10又は回収予定の空調機10の部品から交換部品として使用可能な部品を判断してもよい。
【0074】
図1の情報処理システム1は、例えば図7に示すように運用判断を行う。図7は本実施形態に係る情報処理システム1が行うレンタル機器の運用判断の一例のフローチャートである。図7はレンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10が次のレンタルに再レンタル可であるか再レンタル不可であるかの運用判断の例である。
【0075】
ステップS30において、サーバ装置30は回収された空調機10又は回収予定の空調機10を再レンタルしたい次のレンタルの契約情報を読み出す。ステップS32において、サーバ装置30は運用判断を行う空調機10の回収機器情報の読み出しを行う。ステップS32で読み出す回収機器情報は、運用判断を行う空調機10の運用情報及び契約情報が含まれる。回収機器情報は、運用判断を行う空調機10の外観情報が含まれていてもよい。
【0076】
ステップS34において、サーバ装置30は再レンタルしたい次のレンタルの契約情報とステップS32で読み出した回収機器情報に基づいて、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10が次のレンタルに再レンタル可であるか再レンタル不可であるかの運用判断を行う。
【0077】
図8はステップS34の処理の一例のフローチャートである。ステップS300においてサーバ装置30は、次のレンタルの契約情報に含まれる契約年数などの契約期間に基づいて再レンタルに必要な必要残運転時間を算出する。ステップS302においてサーバ装置30は、ステップS32で読み出した空調機10の運用情報に含まれる運転時間から運用判断を行う空調機10の残運転時間を算出する。
【0078】
ステップS304において、サーバ装置30は、運用判断を行う空調機10の残運転時間が再レンタルに必要な必要残運転時間よりも長いか否かを判断する。運用判断を行う空調機10の残運転時間が再レンタルに必要な必要残運転時間よりも長い場合に、サーバ装置30はステップS306において再レンタル可と判断する。運用判断を行う空調機10の残運転時間が再レンタルに必要な必要残運転時間よりも長くなければ、サーバ装置30はステップS308において再レンタル不可と判断する。
【0079】
図8のステップS304の判断は一例である。サーバ装置30は空調機10の外観が再レンタルに適している場合に再レンタル可と判断してもよい。サーバ装置30はステップS34の再レンタル可又は不可の運用判断として、ステップS304の判断と空調機10の外観が再レンタルに適しているか否かの判断とを組み合わせて行ってもよい。ステップS36において、サーバ装置30は空調機10の運用判断の結果を担当者に通知する。
【0080】
図1の情報処理システム1は、例えば図7に示すように運用判断を行う。図9は本実施形態に係る情報処理システム1が行うレンタル機器の運用判断の一例のフローチャートである。図9はレンタル中の空調機10の故障情報を取得した場合に、レンタル中の空調機10の交換部品として使用可能な部品を、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10から判断して提案する運用判断の例である。
【0081】
ステップS40において、サーバ装置30はレンタル中の空調機10の故障情報を取得する。サーバ装置30は故障情報に基づき、必要な交換部品を判断できる。ステップS42において、サーバ装置30は回収された空調機10又は回収予定の空調機10の回収機器情報を読み出す。回収機器情報は、運用判断を行う空調機10の交換部品の外観情報が含まれていてもよい。ステップS44において、サーバ装置30はレンタル中の空調機10が必要な交換部品とステップS42で読み出した回収機器情報に基づいて、レンタル中の空調機10の交換部品として使用可能な部品を、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10から判断する。
【0082】
ステップS46において、サーバ装置30はレンタル中の空調機10の交換部品として使用可能な部品を、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10の部品から判断し、担当者に通知できる。
【0083】
サーバ装置30は、空調機10のレンタル契約に関する作業を行う担当者に対し、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10の再レンタル可又は再レンタル不可の運用判断の結果を通知できる。運用判断の結果の通知は、例えばクライアント端末40に、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10の再レンタル可又は再レンタル不可の判断の結果を画面表示することで行う。
【0084】
したがって、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10のうち、再レンタルが可能な状態と予測される空調機10が製品寿命の途中で廃棄されることを抑制して、空調機10を有効利用できる。
【0085】
また、サーバ装置30はビルなどに取り付けられている空調機10を回収する作業者に対して、回収予定の空調機10の再レンタル可又は再レンタル不可の運用判断の結果を通知できる。したがって、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、同じ据え付け場所で空調機10のレンタル契約を延長する場合に、取り付けられている空調機10の再レンタル可又は再レンタル不可の判断が容易となる。
【0086】
サーバ装置30は、空調機10のレンタル契約に関する作業を行う担当者に対し、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10からの交換部品の抽出可又は抽出不可の運用判断の結果を通知できる。運用判断の結果の通知は、例えばクライアント端末40に、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10からの交換部品の抽出可又は抽出不可の判断の結果を画面表示することで行う。
【0087】
したがって、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10のうち、交換部品の抽出が可能な状態と予測される空調機10が廃棄されることを抑制して、空調機10を有効利用できる。
【0088】
また、サーバ装置30は故障した空調機10を修理する作業者に対して、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10から交換部品として抽出可能な部品の判断の結果を通知できる。判断の結果の通知は、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10から交換部品として抽出可能な部品の判断の結果を画面表示することで行う。
【0089】
したがって、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、故障した空調機10の修理に必要な交換部品を、レンタル契約の満了後に回収された空調機10又は回収予定の空調機10から抽出することが容易となる。
【0090】
本実施形態の情報処理システム1によれば、レンタル契約の満了後に回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を行う情報処理装置、運用判断方法及び情報処理システムを提供できる。また、本実施形態の情報処理システム1によれば、従来であれば廃棄されていた空調機10を長く使えるように管理することで、環境問題を改善できる。
【0091】
[作用]
本実施形態は、制御部を有する情報処理装置であって、制御部は、レンタル機器に関する契約情報を取得し、レンタル機器の運用に関する運用情報を取得し、契約情報及び運用情報を、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器に関する回収機器情報として管理し、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を回収機器情報に基づいて行う。制御部は、例えば制御部32である。情報処理装置は、例えばサーバ装置30である。レンタル機器は、例えば空調機10である。
【0092】
本実施形態によれば、制御部は、契約情報及び運用情報を、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器に関する回収機器情報として管理することで、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を回収機器情報に基づいて行う情報処理装置を提供できる。
【0093】
また、本実施形態では、レンタル機器の運用判断は、レンタル機器の再レンタル可又は再レンタル不可の判断である。
【0094】
本実施形態によれば、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の回収機器情報に基づいて、レンタル機器の再レンタル可又は再レンタル不可の判断を行う情報処理装置を提供できる。また、契約者は契約期間にレンタル機器が故障するなどの不利益を被ることなく、レンタル機器を長期使用することができる。
【0095】
また、本実施形態では、レンタル機器の運用判断は、レンタル機器からの交換部品の抽出可又は交換部品の抽出不可の判断である。
【0096】
本実施形態によれば、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の回収機器情報に基づいて、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器からの交換部品の抽出可又は交換部品の抽出不可の運用判断を行う情報処理装置を提供できる。また、交換部品としてレンタル機器から抽出可能な部品が廃棄されることを抑制し、環境問題に貢献できる。
【0097】
また、本実施形態では、レンタル機器の運用判断は、契約情報に含まれるレンタル機器の据え付け場所が特定の地域であるか、又はレンタル機器の据え付け先が特定の業種である場合に、レンタル機器の再レンタル不可又はレンタル機器からの交換部品の抽出不可と判断する。
【0098】
本実施形態によれば、レンタル機器の運用判断は、レンタル機器の再レンタル不可又はレンタル機器からの交換部品の抽出不可と判断する特定の地域又は特定の業種を決めておくことで、契約情報に含まれるレンタル機器の据え付け場所が特定の地域であるか、又はレンタル機器の据え付け先が特定の業種である場合に、レンタル機器の再レンタル不可又はレンタル機器からの交換部品の抽出不可と判断する情報処理装置を提供できる。
【0099】
また、本実施形態では、特定の地域は塩害地域を含む。
【0100】
本実施形態によれば、レンタル機器の運用判断は、契約情報に含まれるレンタル機器の据え付け場所が塩害地域である場合に、レンタル機器の再レンタル不可又はレンタル機器からの交換部品の抽出不可と判断する情報処理装置を提供できる。
【0101】
また、本実施形態では、特定の業種は美容室、料理店、又は工場を含む。
【0102】
本実施形態によれば、レンタル機器の運用判断は、契約情報に含まれるレンタル機器の据え付け先の業種が、美容室、料理店、又は工場である場合に、レンタル機器の再レンタル不可又はレンタル機器からの交換部品の抽出不可と判断する情報処理装置を提供できる。
【0103】
また、本実施形態では、レンタル機器の運用判断は、運用情報に含まれるレンタル機器のメンテナンス情報に故障情報が含まれているか、レンタル機器のメンテナンス情報に部品交換情報が含まれているか、運用情報に含まれるレンタル機器の運転時間情報が特定の時間を超えているか、又は運用情報に含まれるレンタル機器の消費電力情報の上昇率が特定の割合を超えている場合に、レンタル機器の再レンタル不可又はレンタル機器からの交換部品の抽出不可と判断する。
【0104】
本実施形態によれば、運用情報に含まれるレンタル機器のメンテナンス情報に故障情報が含まれているか、レンタル機器のメンテナンス情報に部品交換情報が含まれているか、運用情報に含まれるレンタル機器の運転時間情報が特定の時間を超えているか、又は運用情報に含まれるレンタル機器の消費電力情報の上昇率が特定の割合を超えている場合に、レンタル機器の再レンタル不可又はレンタル機器からの交換部品の抽出不可と判断する情報処理装置を提供できる。
【0105】
また、本実施形態では、レンタル機器の運用判断は、次のレンタルの契約情報に含まれる契約期間と回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用情報に含まれるレンタル機器の運転時間情報とに基づく、レンタル機器の再レンタル可又は再レンタル不可の判断である。
【0106】
本実施形態によれば、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用情報に含まれる運転時間情報から算出される残運転時間が、次のレンタルの契約情報に含まれる契約期間から算出される必要残運転時間よりも長いレンタル機器を、再レンタル可と判断する情報処理装置を提供できる。
【0107】
また、本実施形態では、レンタル機器の運用判断は、回収機器情報に含まれるレンタル機器の運用情報の部品情報に基づき、交換部品として使用可能なレンタル機器の部品を判断する。
【0108】
本実施形態によれば、回収機器情報に含まれるレンタル機器の運用情報の部品情報(例えば四路切替弁の切替回数情報、電動弁の開度情報、電動弁の圧力損失情報、圧縮機の電流情報、又は熱交換器の圧力損失情報)に基づき、交換部品として使用可能なレンタル機器の部品を判断する情報処理装置を提供できる。
【0109】
また、本実施形態では、制御部は、レンタル中のレンタル機器から故障情報を取得した場合に、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の回収機器情報に基づき、交換部品として使用可能な部品を提示する。
【0110】
本実施形態によれば、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器に含まれる部品のうち、交換部品として使用可能な部品を判断することで、レンタル中のレンタル機器の交換部品として使用可能な部品を提示する情報処理装置を提供できる。
【0111】
また、本実施形態では、制御部は、レンタル機器の外観に関する外観情報を更に取得し、契約情報、運用情報、及び外観情報を、回収機器情報として管理し、レンタル機器の運用判断を回収機器情報に基づいて行う。
【0112】
本実施形態によれば、レンタル機器の運用判断に、回収機器情報に含まれるレンタル機器の外観情報を更に利用できる。
【0113】
また、本実施形態では、レンタル機器は、空調機10である。
【0114】
本実施形態によれば、制御部は、契約情報及び運用情報を、回収された空調機10又は回収予定の空調機10に関する回収機器情報として管理することで、回収された空調機10又は回収予定の空調機10の運用判断を回収機器情報に基づいて行う情報処理装置を提供できる。
【0115】
また、本実施形態は、制御部を有する情報処理装置の制御部が実行する運用判断方法であって、レンタル機器に関する契約情報を取得し、レンタル機器の運用に関する運用情報を取得し、契約情報及び運用情報を、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器に関する回収機器情報として管理し、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を回収機器情報に基づいて行う。
【0116】
本実施形態によれば、契約情報及び運用情報を、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器に関する回収機器情報として管理することで、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を回収機器情報に基づいて行う運用判断方法を提供できる。
【0117】
また、本実施形態は、情報処理装置と情報処理端末とが通信可能に接続された情報処理システムであって、情報処理装置又は情報処理端末が有する制御部は、レンタル機器に関する契約情報を取得し、レンタル機器の運用に関する運用情報を取得し、契約情報及び運用情報を、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器に関する回収機器情報として管理し、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を回収機器情報に基づいて行い、レンタル機器の運用判断の結果を情報処理端末に表示する。
【0118】
本実施形態によれば、契約情報及び運用情報を、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器に関する回収機器情報として管理することで、回収されたレンタル機器又は回収予定のレンタル機器の運用判断を回収機器情報に基づいて行う情報処理システムを提供できる。
【0119】
以上、本実施形態について説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0120】
1 情報処理システム
10 空調機
12 室内機
14 室外機
16 IoT端末
20 エッジ装置
30 サーバ装置
32 制御部
40 クライアント端末
50 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9