(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013007
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】トラックの荷台
(51)【国際特許分類】
B62D 33/027 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
B62D33/027 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114896
(22)【出願日】2022-07-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)公開行為1:ウェブサイトの掲載による公開 ウェブサイトの掲載日(公開日) 令和3年12月08日 ウェブサイトのアドレス https://urldefense.com/v3/__https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2021/2021055.html__;!!OhYLZkit9p47d2A!sNQVPJL1vFHgM1hC8g1DEpxC-3wir_gqKGMWaA1nfmg4KITRzKVX-pkiIDc_1hQJ_M95tmC6DBJ0cv0ScjAYXoEN$ <資料> 清水建設のニュースリリースのウェブサイト (2)公開行為2:新聞による公開 発行日(公開日) 令和3年12月08日 発行物 日刊建設工業新聞 <資料> 日刊建設工業新聞 WEB掲載 https://www.decn.co.jp/?p=124231 <資料> 日刊建設工業新聞 電子版 (3)公開行為3:新聞による公開 発行日(公開日) 令和3年12月08日 発行物 建設通信新聞 <資料> 建設通信新聞 (4)公開行為4:ウェブサイトの掲載による公開 ウェブサイトの掲載日(公開日) 令和3年12月08日 ウェブサイトのアドレス https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP623356_Y1A201C2000000/ <資料> 日本経済新聞 電子版のウェブサイト (5)公開行為5:ウェブサイトの掲載による公開 ウェブサイトの掲載日(公開日) 令和3年12月22日 ウェブサイトのアドレス https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2112/22/news033.html <資料> BUILTのウェブサイト
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】志村 康久
(57)【要約】
【課題】荷台の床部の周囲に作業台を容易に設けることができるトラックの荷台を提供する。
【解決手段】床部2と、床部2の縁部に前後方向(縁部に沿った方向)に延びる軸線回りに回転可能に設けられた下煽り板31(煽り板)と、床部2の下方に収容された収容状態と、床部2よりも側方に突出した突出状態と、の間で進退可能な支持部4と、を有し、突出状態の支持部4の上には、軸線回りに回転して床部2の高さにおいて板面が水平となる水平状態になった下煽り板31を載置可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床部と、
前記床部の縁部に前記縁部に沿った方向に延びる軸線回りに回転可能に設けられた煽り板と、
前記床部の下方に収容された収容状態と、前記床部よりも側方に突出した突出状態と、の間で進退可能な支持部と、を有し、
前記突出状態の支持部の上には、前記軸線回りに回転して前記床部の高さにおいて板面が水平となる水平状態になった前記煽り板を載置可能であるトラックの荷台。
【請求項2】
前記突出状態の支持部は、先端側が前記床部よりも側方に突出し、基端側が前記床部の下方に配置され前記床部に下方から接触している請求項1に記載のトラックの荷台。
【請求項3】
前記煽り板に取り付けられ、前記水平状態の前記煽り板に対して起立可能な手すりを有する請求項1または2に記載のトラックの荷台。
【請求項4】
前記水平状態の前記煽り板と前記床部との隙間を覆う渡し板を有する請求項1または2に記載のトラックの荷台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックの荷台に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックの荷積みや荷降ろしなどの作業を行う際には、荷台の外周に設けられる開閉可能な煽り板を開放している(例えば、特許文献1参照)。このとき、荷台の床部の周囲に作業台を設置することで作業床を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、トラックまたは荷積みや荷降ろしなどの作業を行う場所に作業台を準備しなければならず、作業台を常に確保することが困難である。また、作業台の設置や撤去に手間がかかるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、荷台の床部の周囲に作業台を容易に設けることができるトラックの荷台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るトラックの荷台は、床部と、前記床部の縁部に前記縁部に沿った方向に延びる軸線回りに回転可能に設けられた煽り板と、前記床部の下方に収容された収容状態と、前記床部よりも側方に突出した突出状態と、の間で進退可能な支持部と、を有し、前記突出状態の支持部の上には、前記軸線回りに回転して前記床部の高さにおいて板面が水平となる水平状態になった前記煽り板を載置可能である。
【0007】
本発明では、トラックの荷台の床部の下方に収容された支持部を床部の側方に突出させ、その上に煽り板を載置し、煽り板を作業台として利用することで、床部の周囲に作業台を容易に設けることができる。
【0008】
また、本発明に係るトラックの荷台では、前記突出状態の支持部は、先端側が前記床部よりも側方に突出し、基端側が前記床部の下方に配置され前記床部に下方から接触していてもよい。
【0009】
このような構成とすることにより、突出状態の支持部の先端側に煽り板が載置され、支持部の長さ方向の中間部が支点となって支持部の基端側が上方に向かって回転する力が作用した際に、支持部の基端側が床部と接触することで、支持部が回転することを防止できる。その結果、支持部が安定した状態で煽り板を支持できる。
【0010】
また、本発明に係るトラックの荷台では、前記煽り板に取り付けられ、前記水平状態の前記煽り板に対して起立可能な手すりを有していてもよい。
【0011】
このような構成とすることにより、煽り板を作業台として安全に使用できる。
【0012】
また、本発明に係るトラックの荷台では、前記水平状態の前記煽り板と前記床部との隙間を覆う渡し板を有していてもよい。
【0013】
このような構成とすることにより、煽り板と床部との間の隙間が覆われ、下煽り板を作業台として安全に使用できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、荷台の床部の周囲に作業台を容易に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態によるトラックの斜視図である。
【
図2】水平状態の下煽り板を前後方向形見た図である。
【
図3】起立状態の下煽り板を前後方向形見た図である。
【
図4】水平状態の下煽り板と突出状態の支持棒の配置を示す平面図である。
【
図7】手すりおよび渡し板を使用状態にする前の水平状態の下煽り板を前後方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態によるトラックの荷台について、
図1-
図7に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態によるトラックの荷台1は、床部2と、床部2の周囲に設けられる煽り3と、支持部4と、煽り3の上方に設けられる天井部51と、床部2に立設され上端部に天井部51が取り付けられる柱部52と、を有している。
【0017】
トラックの荷台1と運転室14とを結ぶ水平方向を前後方向と表記し、前後方向に直交する水平方向を車幅方向と表記する。前後方向のうち、トラックの荷台1に対して運転室14が配置される側を前側と表記し、運転室14に対してトラックの荷台1が配置される側を後側と表記する。トラックの荷台1は、斜幅方向に略対称である。車幅方向のうち、トラックの荷台1の側部に対して車幅方向の中央となる側を内側と表記し、車幅方向の中央に対してトラックの荷台1の側部がある側を外側と表記する。車幅方向の外側の縁部や部分を側縁部、側部と表記することがある。図面では、車幅方向を矢印Xで示し、前後方向を矢印Yで示す。
【0018】
煽り3は、トラックの荷台1の両側部および後部にそれぞれ設けられる。以下では、荷台1の両側部に設けられる煽り3について説明する。煽り3は、上下2つに分割されている。上下2に分割された下側を下煽り板31と表記し、上側を上煽り板32と表記する。
本実施形態のトラックの荷台1は、下煽り板31をその板面を略水平となる姿勢(以下、水平姿勢と表記する)にして作業床として使用可能に構成されている。支持部4は、水平姿勢の下煽り板31を下方から支持する。煽り3の詳細については後述する。
【0019】
図2および
図3に示すように、床部2は、トラックの車体に設けられたフレーム12の上に設けられている。フレーム12は、車幅方向の両外縁部それぞれに配置され前後方向に延びる一対の側フレーム121と、車幅方向に延び一対の側フレーム121の前端部を連結する前フレーム(不図示)と、車幅方向に延び一対の側フレーム121の後端部を連結する後フレーム(不図示)と、前フレームと後フレームの間において車幅方向に延び一対の側フレーム121およびに連結される複数の横根太122と、を有している。複数の横根太122は、前後方向に間隔をあけて配列されている(
図5参照)。
【0020】
側フレーム121は、前後方向に延びるフレーム材が上下2段に設けられている。下側に設けられるフレーム材を下フレーム材123と表記し、上側に設けられるフレーム材を上フレーム材124と表記する。上フレーム材124の上に床部2が載置される。上フレーム材124は、前後方向に複数に分割されている。前後方向に隣り合う上フレーム材124の間には、後述する支持棒41が進退するための間隔があけられている。この間隔を側フレーム孔部125(
図6参照)と表記する。
【0021】
下煽り板31は、板面が長尺の長方形である。下煽り板31は、前後方向に延びる向きに配置される。下煽り板31の縁部で板面の一方の長辺に対応する縁部を第1縁部311と表記し、他方の長辺に対応する縁部を第2縁部312と表記する。下煽り板31は、第1縁部311が側フレーム121に設けられた丁番33に取り付けられている。丁番33の軸線は、前後方向に延びている。
下煽り板31は、第2縁部312が第1縁部311の上方に位置し板面が鉛直面となる姿勢から、第2縁部312が第1縁部311の下方に位置し板面が鉛直面となる姿勢まで丁番33の軸線を中心に回転可能である。第2縁部312が第1縁部311の上方に位置し板面が鉛直面となる姿勢を起立姿勢と表記し、第2縁部312が第1縁部311の側方に位置し板面が水平面となる姿勢を水平姿勢と表記する。
下煽り板31には、下煽り板31を起立状態に拘束するロックが設けられている。
【0022】
支持部4は、上述しているように、水平姿勢の下煽り板31を下方から支持する。支持部4は、床部2の下方に設けられ車幅方向にスライド可能な支持棒41と、床部2に固定され支持棒41がスライド可能に挿入される鞘管42と、を有している。
【0023】
鞘管42は、直線状に延びる角形の管体である。鞘管42は、車幅方向に延びる向きで、床部2の下面に固定されている。鞘管42は、前後方向に隣り合う横根太122の間に配置される。鞘管42の長さ方向の端部を第1端部421、第2端部422と表記する。第1端部421が車幅方向の外側に配置され、第2端部422が車幅方向の内側に配置される。鞘管42の第1端部421は、床部2の側縁部の下方に配置される。鞘管42の第2端部422は、床部2の車幅方向の中間部の下方に配置される。鞘管42の第1端部421は、側フレーム121よりも車幅方向の内側に配置される。鞘管42は、側フレーム孔部125と車幅方向に重なる位置に配置される(
図6参照)。
図2、3および
図5に示すように、鞘管42の第2端部422は、横根太122に取り付けられたリテーナ43に下側から支持されている。
【0024】
図2および
図3に示すように、支持棒41は、長尺の部材である。支持棒41は、車幅方向に延びる向きで鞘管42に挿入される。支持棒41は、鞘管42に対して車幅方向にスライド可能である。支持棒41は、
図2および
図4に示すように車幅方向の外側にスライドすると床部2の車幅方向の外側に突出し、
図3に示すように車幅方向の他方側にスライドすると、床部2の下側に配置される。支持棒41の車幅方向の外側を第1端部411と表記し、支持棒41の車幅方向の内側の端部を第2端部412と表記する。
支持棒41が車幅方向の外側に移動し、床部2よりも突出した状態を突出状態と表記し、支持棒41が車幅方向の内側に移動し、床部2の下側に配置された状態を収容状態と表記する。
【0025】
支持棒41は、車幅方向に延びる角パイプ413と、角パイプ413の長さ方向一方側の端部(車幅方向の外側の端部)に設けられた接触部材414と、角パイプ413の長さ方向の他方の端部(車幅方向の内側の端部)に設けられた抜け止め部材415と、角パイプ413の長さ方向の中間部の側面に設けられた側面ガタ隙詰め部材416と、長さ方向の他方側の上面に設けられた上面ガタ隙詰め部材417と、を有している。
【0026】
角パイプ413は、鞘管42よりも長く形成されている。角パイプ413の車幅方向の外側の端部は、支持棒41の第1端部411に相当する。角パイプ413の車幅方向の内側の端部は、支持棒41の第2端部412に相当する。
接触部材414は、支持棒41の第1端部411に設けられている。接触部材414は、角パイプ413の上面よりも上方に突出している。接触部材414の上端部は、水平姿勢の下煽り板31の下面と接触する。接触部材414は、例えば、硬質ゴムなどでできている。
【0027】
抜け止め部材415は、支持棒41の第2端部412に設けられている。抜け止め部材415は、角パイプ413の他方の端部の側部に取り付けられ、角パイプ413から側方(前後方向)に突出している。抜け止め部材415は、鞘管42の断面形状よりも大きく、鞘管42には挿入不可能である。抜け止め部材415は、支持棒41が突出状態となると鞘管42の第2端部422と接触する。抜け止め部材415が鞘管42の第2端部422と接触すると、支持棒41の車幅方向の外側への移動が拘束され、鞘管42から抜け出ることが防止される。支持棒41が突出状態となると、支持棒41の車幅方向の内側の部分が鞘管42の内部に挿入され、床部2の下方に配置される。
【0028】
図5および
図6に示すように、側面ガタ隙詰め部材416は、板状の部材で、角パイプ413の側面(前後方向を向く面)に固定されている。上面ガタ隙詰め部材417は、板状の部材で、角パイプ413の上面に固定されている。
図2および
図3に示すように、上面ガタ隙詰め部材417は、側面ガタ隙詰め部材416よりも車幅方向に長く形成されている。上面ガタ隙詰め部材417は、角パイプ413における車幅方向の側面ガタ隙詰め部材416が設けられている位置から第2端部412にわたって設けられている。
【0029】
支持棒41が収容状態のときには、支持棒41における側面ガタ隙詰め部材416および上面ガタ隙詰め部材417が設けられている部分は、鞘管42よりも車幅方向の内側に配置され、鞘管42に挿入されていない。支持棒41が突出状態となると、支持棒41における側面ガタ隙詰め部材416および上面ガタ隙詰め部材417が設けられている部分は、鞘管42に挿入される。支持棒41における側面ガタ隙詰め部材416が設けられている部分は、鞘管42内部の第1端部421の近傍に配置される。
支持棒41における側面ガタ隙詰め部材416が設けられている部分が鞘管42の中に挿入されると、側面ガタ隙詰め部材416が角パイプ413の外周面と鞘管42の内周面との隙間に配置され、この隙間を埋める。これにより、支持棒41が鞘管42の内部でがたつくことが防止される。
側面ガタ隙詰め部材416および上面ガタ隙詰め部材417は、鞘管42に挿入される際にスムーズに挿入できるように、車幅方向の外側の端部416a,417aにテーパ面が形成されていてもよい。
【0030】
支持棒41が突出状態で下煽り板31が水平姿勢となると、下煽り板31が支持棒41の上に載置される。これにより、下煽り板31が水平姿勢に支持される。
支持部4には、支持棒41を突出状態に拘束するロックと、支持棒41を収容状態に拘束するロックと、が設けられている。
【0031】
図2に示すように、下煽り板31には、手すり6と、渡し板7と、が設けられている。
手すり6は、下煽り板31が水平状態となった際に上方に延びる、使用者が手をかけることが可能である。手すり6は、下煽り板31に沿った姿勢に折りたたみ式である。
手すり6は、固定部61と、下側部材62と、上側部材63と、を有している。固定部61は、下煽り板31に固定されている。固定部61は、下側部材62を前後方向に延びる第1回転軸線回りに回転可能に支持する第1軸部64を有している。下側部材62は、一方の端部が固定部61の第1軸部64に第1回転軸線回りに回転可能に支持されている。下側部材62の他方の端部と、上側部材63とは、前後方向に延びる第2回転軸線回りに回転可能に支持する第2軸部65に連結されている。
【0032】
使用状態の手すり6は、下側部材62が上下方向に延びる姿勢となるとともに、上側部材63も上下方向に延びる姿勢となる。収容状態の手すり6は、
図3および
図7に示すように、上側部材63と下側部材62とが重なり、下煽り板31に沿った状態となる。
図3では、下煽り板31が起立状態であり、
図7では、下煽り板31が水平状態である。手すり6には、手すり6を使用状態に拘束するロックと、手すり6を収容状態に拘束するロックと、が設けられている。
【0033】
渡し板7は、水平状態の下煽り板31の第1縁部311と床部2との隙間S1の上に配置される。渡し板7は、第1板部71と、第2板部72と、丁番73と、を有している。第1板部71は、平板状である。第1板部71の板面は、長尺の長方形である。第2板部72は、平板状である。第2板部72の板面は長尺の長方形である。第1板部71と第2板部72とは。それぞれの長辺となる縁部が接合されている。第2板部72の板面は、第1板部71の板面に対して傾斜している。丁番73は、下煽り板31に固定されるとともに、第1板部71の第2板部72が接合されている側と反対側の縁部に固定されている。丁番73は、第1板部71を前後方向に延びる軸線回りに回転可能に支持している。
【0034】
使用状態の渡し板7は、水平状態の下煽り板31と床部2との隙間を上から覆う。第2板部72の端部は、床部2の上面と接触している。第1板部71は、水平状態となり、第2板部72は、水平面に対して傾斜している。
図3および
図7に示すように、収容状態の渡し板7は、第2板部72が第1板部71よりも下煽り板31の第2縁部312側、すなわち水平状態の下煽り板31の車幅方向の外側に位置し、下煽り板31と重なった状態となる。渡し板7が収容状態となり手すり6も収容状態となると、渡し板7は下煽り板31と収容状態の手すり6との間に配置される。収容状態の渡し板7は、下煽り板31と収容状態の手すり6との間に配置されることにより、使用状態の姿勢に向かって回転することが拘束される。
【0035】
図1に示すように、上煽り板32は、板面が長尺の長方形である。上煽り板32は、前後方向に延びる向きに配置される。上煽り板32の縁部で板面の一方の長辺に対応する縁部を第1縁部321と表記し、他方の長辺に対応する縁部を第2縁部322と表記する。上煽り板32は、第1縁部321が天井部51に設けられた丁番(不図示)に取り付けられている。丁番の軸線は、前後方向に延びている。
上煽り板32は、第2縁部312が第1縁部311の下方に位置し板面が鉛直面となる姿勢から、第2縁部312が第1縁部311の側方に位置し板面が水平面となる姿勢まで丁番の軸線を中心に回転可能である。
【0036】
本実施形態によるトラックの荷台1では、水平状態の下煽り板31の前後に階段8を設置可能である。階段8は、
図1に示す。
【0037】
下煽り板31を作業床として使用する手順について説明する。
作業前の状態は、
図3に示すように下煽り板31が起立状態であり、支持棒41が収容状態である。
支持棒41を収容状態に拘束するロックを解除し、
図7に示すように支持棒41を床部2の側方に引き出して突出状態とする。支持棒41を突出状態に拘束するロックをかける。
下煽り板31を起立状態に拘束するロックを解除し、下煽り板31を回転させて水平状態にして、支持棒41の上に載置する。
手すり6を収容状態に拘束するロックを解除し、
図2に示すように、手すり6を下煽り板31に対して立設させ、使用状態にする。手すり6を使用状態に拘束するロックをかける。
渡し板7を回転させて水平状態の下煽り板31と床部2との隙間S1を上から覆う。
図1に示すように、下煽り板31の前後に階段8を設置する。
このようにすることで、下煽り板31を作業床として使用可能になる。
【0038】
水平状態の下煽り板31を起立状態に戻すには、まず、階段8を片付ける。渡し板7を回転させて収容状態にする。手すり6を収容状態にする。手すり6を収容状態に拘束するロックをかける。下煽り板31を回転させて起立状態にし、下煽り板31を起立状態に拘束するロックをかける。支持棒41を突出状態に拘束するロックを解除し、支持棒41をスライドさせて床部2の下方に収容する。支持棒41を収容状態に拘束するロックをかける。
このようにすることで、下煽り板31が起立状態に戻る。
【0039】
次に、上記の本実施形態によるトラックの荷台の作用・効果について説明する。
本実施形態によるトラックの荷台では、トラックの荷台1の床部2の下方に収容された支持部4の支持棒41を床部2の側方に突出させ、その上に下煽り板31を載置し、下煽り板31を作業台として利用することで、床部2の周囲に作業台を容易に設けることができる。
【0040】
本実施形態によるトラックの荷台では、突出状態の支持棒41は、第1端部411側が床部2よりも側方に突出し、第2端部412側が床部2の下方に配置され鞘管42を介して床部2に下方から接触している。
このような構成とすることにより、突出状態の支持部4の先端側に下煽り板31が載置され、支持部4の長さ方向の中間部が支点となって支持部4の基端側が上方に向かって回転する力が作用した際に、支持部4の基端側が鞘管42を介して床部2と接触することで、支持部4が回転することを防止できる。その結果、支持部4が安定した状態で下煽り板31を支持できる。
【0041】
本実施形態によるトラックの荷台では、下煽り板31に水平状態の下煽り板31に対して起立可能な手すり6が設けられている。
このような構成とすることにより、下煽り板31を作業台として安全に使用できる。
【0042】
本実施形態によるトラックの荷台では、水平状態の下煽り板31と床部2との隙間S1を覆う渡し板7が設けられている。
このような構成とすることにより、下煽り板31と床部2との間の隙間S1が覆われ、下煽り板31を作業台として安全に使用できる。
【0043】
以上、本発明によるトラックの荷台の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、突出状態の支持棒41は、第1端部411側が床部2よりも側方に突出し、第2端部412側が床部2の下方に配置され鞘管42を介して床部2に下方から接触している。これに対し、突出状態の支持棒41は床部2と直接接触していてもよいし、鞘管42が床部2と接触していなくてもよい。
また、支持部4は、床部2の側方に突出して下煽り板31を支持可能であり、床部2の下方に収容可能な部材があれば、その部材を収容する部材が設けられていなくてもよい。
【0044】
本実施形態では、下煽り板31に水平状態の下煽り板31に対して起立可能な手すり6が設けられているが、手すり6が設けられていなくてもよい。手すり6は、下煽り板31に対して着脱可能な形態であってもよい。
【0045】
本実施形態では、水平状態の下煽り板31と床部2との隙間S1を覆う渡し板7が設けられているが、渡し板7が設けられていなくてもよい。渡し板7は、下煽り板31に対して着脱可能な形態であってもよい。
【0046】
本実施形態では、煽り3は、下煽り板31と上煽り板32とを有し、煽り板が上下方向に2段に設けられる構成であるが、上下方向に分割されず1枚の煽り板が本実施形態の下煽り板31のように起立状態と水平状態とに切り替えられるように構成されていてもよい。
本実施形態では、トラックの荷台1の車幅方向の側部に設けられる煽り3を作業台として利用しているが、トラックの荷台1の後部に設けられる煽り3を作業台として利用してもよい。このような場合は、支持部4が後方に突出するように構成される。
【符号の説明】
【0047】
1 トラックの荷台
2 床部
3 煽り
4 支持部
6 手すり
7 渡し板
31 下煽り板
32 上煽り板
415 抜け止め部材
416 側面ガタ隙詰め部材
417 上面ガタ隙詰め部材
S1 隙間