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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130072
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20240920BHJP
   H01S 5/0225 20210101ALI20240920BHJP
   G02B 5/26 20060101ALI20240920BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240920BHJP
   F21V 29/502 20150101ALI20240920BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20240920BHJP
   F21V 7/08 20060101ALI20240920BHJP
   F21V 7/06 20060101ALI20240920BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20240920BHJP
   F21V 9/35 20180101ALI20240920BHJP
   F21V 9/20 20180101ALI20240920BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240920BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240920BHJP
【FI】
G02B5/20
H01S5/0225
G02B5/26
F21S2/00 610
F21S2/00 340
F21V29/502 100
F21V29/70
F21V7/08 200
F21V7/06 200
F21V7/28 240
F21V9/35
F21V9/20
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039578
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 正博
(72)【発明者】
【氏名】森嶋 俊一
【テーマコード(参考)】
2H148
5F173
【Fターム(参考)】
2H148AA00
2H148AA19
2H148AA24
2H148FA01
2H148FA13
2H148FA15
2H148FA18
2H148FA22
5F173MF40
(57)【要約】
【課題】蛍光体を用いた発光装置における発光効率を高める。
【解決手段】励起光108が照射されることで蛍光を生じる蛍光体105と、蛍光を反射する反射面102を有し、一端または一端に寄った位置に蛍光体105が配置され、他端から蛍光を放射する筒状の空間101aと、前記一端の方向から蛍光体105に励起光108を照射する構造と、蛍光体105の励起光108が照射される側に配置され、励起光108を透過し、蛍光を反射するSPF(ショートパスフィルタ)104とを備え、蛍光体105は、励起光108の光軸と平行な部分が熱伝導体である金属パイプ110の内側に保持されている発光装置300。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光が照射されることで蛍光を生じる蛍光体と、
前記蛍光を反射する内面を有し、一端または一端に寄った位置に前記蛍光体が配置され、他端から前記蛍光を放射する筒状の空間と、
前記一端の方向から前記蛍光体に前記励起光を照射する構造と、
前記蛍光体の前記励起光が照射される側に配置され、前記励起光を透過し、前記蛍光を反射する光学フィルタと
を備える発光装置。
【請求項2】
前記内面が放物面鏡または楕円面鏡である請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記蛍光体が前記放物面鏡または前記楕円面鏡の焦点の位置に配置されている請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記励起光の光軸上における前記蛍光体の前記蛍光が出射する面の側には、前記励起光を反射し、前記蛍光を透過する光学フィルタが配置されている請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
励起光が照射されることで蛍光を生じる蛍光体と、
前記蛍光を反射する内面を有し、一端または一端に寄った位置に前記蛍光体が配置され、他端から前記蛍光を放射する筒状の空間と
を有し、
前記蛍光体は、前記励起光の光軸と直交する方向の端部が熱伝導体により支持されている発光装置。
【請求項6】
前記熱伝導体が前記蛍光を反射する金属により構成されている請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記熱伝導体が筒状の金属であり、
前記筒状の金属の内側に前記蛍光体が保持されている請求項5に記載の発光装置。
【請求項8】
前記筒状の空間の他端の側から前記励起光が前記蛍光体に対して照射される請求項5に記載の発光装置。
【請求項9】
前記筒状の空間の前記他端の側には、前記励起光を反射し、前記蛍光を透過する光学フィルタが配置され、
前記励起光は、前記光学フィルタにより反射されて前記蛍光体に照射される請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記光学フィルタの前記励起光が入射する面とは反対側の面に前記光学フィルタにより反射される光を照射する手段が配置されている請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記励起光は、前記光学フィルタに対して、前記筒状の空間の軸方向に直交する方向から照射され、
前記光学フィルタにより反射される前記光は、前記筒状の空間の軸方向に直交する方向であり、且つ、前記励起光と対向する方向から照射される請求項10に記載の発光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体を用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光体を用いた発光装置が知られている(例えば、特許文献1~3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2012/124587号公報
【特許文献2】WO2012/128384号公報
【特許文献3】WO2017/126441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、蛍光体を用いた発光装置における発光効率を高める技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、励起光が照射されることで蛍光を生じる蛍光体と、前記蛍光を反射する内面を有し、一端または一端に寄った位置に前記蛍光体が配置され、他端から前記蛍光を放射する筒状の空間と、前記一端の方向から前記蛍光体に前記励起光を照射する構造と、前記蛍光体の前記励起光が照射される側に配置され、前記励起光を透過し、前記蛍光を反射する光学フィルタとを備える発光装置である。
【0006】
本発明において、前記内面が放物面鏡または楕円面鏡である態様が挙げられる。本発明において、前記蛍光体が前記放物面鏡または前記楕円面鏡の焦点の位置に配置されている態様が挙げられる。本発明において、前記励起光の光軸上における前記蛍光体の前記蛍光が出射する面の側には、前記励起光を反射し、前記蛍光を透過する光学フィルタが配置されている態様が挙げられる。
【0007】
本発明は、励起光が照射されることで蛍光を生じる蛍光体と、前記蛍光を反射する内面を有し、一端または一端に寄った位置に前記蛍光体が配置され、他端から前記蛍光を放射する筒状の空間とを有し、前記蛍光体は、前記励起光の光軸と直交する方向の端部が熱伝導体により支持されている発光装置である。
【0008】
本発明において、前記熱伝導体が前記蛍光を反射する金属により構成されている態様が挙げられる。本発明において、前記熱伝導体が筒状の金属であり、前記筒状の金属の内側に前記蛍光体が保持されている態様が挙げられる。本発明において、前記筒状の空間の他端の側から前記励起光が前記蛍光体に対して照射される態様が挙げられる。
【0009】
本発明において、前記筒状の空間の前記他端の側には、前記励起光を反射し、前記蛍光を透過する光学フィルタが配置され、前記励起光は、前記光学フィルタにより反射されて前記蛍光体に照射される態様が挙げられる。
【0010】
本発明において、前記光学フィルタの前記励起光が入射する面とは反対側の面に前記光学フィルタにより反射される光を照射する手段が配置されている態様が挙げられる。本発明において、前記励起光は、前記光学フィルタに対して、前記筒状の空間の軸方向に直交する方向から照射され、前記光学フィルタにより反射される前記光は、前記筒状の空間の軸方向に直交する方向であり、且つ、前記励起光と対向する方向から照射される態様が挙げられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、蛍光体を用いた発光装置における発光効率を高める技術が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の概念図である。
図2】実施形態の概念図である。
図3】実施形態の概念図である。
図4】実施形態の概念図である。
図5】実施形態の概念図である。
図6】実施形態の概念図である。
図7】実施形態の概念図である。
図8】実施形態の概念図である。
図9】励起光と蛍光の関係を示すスペクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.第1の実施形態
(構成)
図1には、実施形態の発光装置100が示されている。発光装置100は、反射面102を有する支持部材101を備える。支持部材101は熱伝導率の高い金属やセラミックスを用いて構成されている。使用する金属としては、アルミニウム、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、それらの合金が好ましい。
【0014】
支持部材101は、中空筒状の構造を有し、その内側に空間101aを有している。この空間の一端(図の左側)に近い側に蛍光体105が配置され、この空間101aの他端(図の右側)は開放され、開口101bが形成されている。
【0015】
支持部材101の内側は反射面102とされている。この反射面102は、蛍光を高効率で反射する鏡面仕上げとされ、必要に応じて鏡面にするためのコーティング(銀等の鏡面コーティング)がされている。また、反射面102は、楕円面または放物面とされている。
【0016】
蛍光体105は、反射面102の焦点(楕円面または放物面の焦点)の位置に配置されている。
【0017】
蛍光体105は、厚さ(図の左右方向の寸法)が数十μm~1mmであり、正面(図の左右の方向)から見た形状が円形や多角形形状であり、円形に換算して0.1mm~2mm径の大きさを有している。蛍光体105の縁(後述するSPF104とLPF106に覆われていない部分)は、空間101aに露出している。
【0018】
蛍光体105は、バインダと蛍光体粒子に溶剤を加えてペースト状にしたものを焼き固めたもの、である。無機バインダとしては、低融点ガラス、シリカやリン酸アルミニウムが用いられる。蛍光体粒子としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG系蛍光体)、ルテニウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(LAG系蛍光体)が用いられる。有機バインダとしてはシリコーン樹脂、エポキシ樹脂が用いられる。高エネルギー励起光を用いる場合は無機バインダを用いることが望ましい。蛍光体105はYAG結晶体にCeなど蛍光元素を添加して結晶成長させた一体型の単結晶体もしくは多結晶体を用いることも可能である。
【0019】
ここでは、波長450nmの励起光(紫外光)により、可視光帯域(凡そ470nm~800nm)の蛍光が生じるように蛍光体粒子の種類や割合が調整されたものを蛍光体105の原料として採用している。図9は、蛍光体104に450nmの励起光を入射させた場合における発光スペクトルを示す図である。なお、図9において観測される励起光の波長成分は、励起光の散乱光である。
【0020】
励起光は、レーザーダイオード107から発せられる。蛍光体105のレーザーダイオード107の側には、SPF(ショートパスフィルタ)104が配置されている。SPFは104、励起光(波長450nm)を透過し、蛍光(波長470m以上)を反射する光学フィルタである。蛍光体105のレーザーダイオード107と反対の側には、LPF(ロングパルフィルタ)106が配置されている。LPF106は、励起光(波長450nm)を反射し、蛍光(波長470mn以上)を透過する光学フィルタである。
【0021】
蛍光体105は、励起光を透過する基材103により支持されている。基材103は、支持部材101の底部に嵌め込まれて保持されている。基材103は、励起光を透過し、また蛍光体105で発生する熱を逃がすために高い熱伝導率を有したものが採用される。この条件を満たす基材103の材料としては、サファイヤ、YAG、セラミックスが挙げられる。
【0022】
基材103と支持部材101とが接触する部分は、熱伝導の良好なグリースや接着剤を用いて基材103から支持部材101に逃げる熱の伝導が良好になるようにしている。Sn-Agはんだなど溶融金属を用いた接合、ろう付けを用いることもできる。
【0023】
レーザーダイオード107から発せられた励起光108は、光学系であるレンズ109およびSPF104を介して、蛍光体105に照射される。
【0024】
蛍光体105において生じる蛍光は、完全ではないが、周囲に等方的に生じる。このうち、光源の方向(図の左の方向)に生じた蛍光は、SPF104により反射され、蛍光体105から空間101aの方向に放射される。なお、蛍光体105からの蛍光はLPF106を透過する。
【0025】
蛍光体105からの蛍光は、励起光の光軸に垂直な方向にも生じる。この励起光の光軸に垂直な方向に生じる蛍光は、蛍光体105の縁から空間101aに放射される。また、蛍光体105からLPF106を介して空間101aへの蛍光の放射も行われる。
【0026】
この例において、蛍光体105における励起光の集光点は、楕円面または放物面である反射面102の焦点の位置と一致させている。このため、蛍光体105において生じた蛍光は、反射面102で反射されて平行光とされ、空間101aの開口101bから図の右の方向に略平行光として放射される。
【0027】
(優位性)
反射面102により、蛍光体105において発生する蛍光が集光され、効率よく空間101aから外に向かって放射される。また、蛍光体105の縁から励起光の光軸に直交する方向に放射される蛍光も有効に利用される。
【0028】
SPF104があることで、蛍光体105において生じた光源の方向に戻る蛍光を空間101aの方向への放射光に有効に利用できる。また、LPF106があることで、蛍光体105を透過する光源からの励起光を蛍光体105に戻し、無駄となる励起光を減らし、励起光の発光効率を高めることができる。
【0029】
蛍光体105は励起光により発熱する。この発熱は、蛍光の効率を低下させ、また非可逆的な劣化を招く。図1の構造では、基材103から支持部材101に熱が逃げるので、蛍光体105の放熱が効果的に行われる。このため、蛍光の効率低下の防止、および蛍光体の劣化を抑制できる。
【0030】
(変形例)
反射面102を球面、楕円面を変形した曲面、放物面を変形した曲面としてもよい。この場合、蛍光体105において発生した蛍光が空間101aの開口部から放射される集光機能が得られるように、反射面102の形状を決定する。
【0031】
2.第2の実施形態
図2には、実施形態の発光装置200が示されている。発光装置200は、支持部材101の底部(空間101aの開放された開口101aとは反対側の底の部分)に蛍光体105をはめ込んだ構造を有する。他は、図1の発光装置100と同じである。
【0032】
発光装置200は、蛍光体105の側面(励起光の光軸と直交する方向における端部)の一部が熱伝導率の高い金属やセラミックスにより構成される支持部材101に接触する。このため、蛍光体105において発生する熱が効果的に支持部材101に逃げ、蛍光体105の発熱を抑えることができる。
【0033】
また、蛍光体105の上記側面は、一部が空間101aに露出し、そこからの蛍光の放射を出力光として有効に利用できる。
【0034】
基材103と蛍光体105が接触する部分は、熱伝導の良好なグリースや接着剤を用いて蛍光体105から基材103に逃げる熱の伝導が良好になるようにする。接合にはSn-Agはんだなど溶融金属、ろう付けを用いることもできる。SPF104やLPF106の役割は、図1の第1の実施形態と同じである。
【0035】
この構造では、蛍光体104を楕円面や放物面を有する反射面102の焦点の位置に配置した場合に図1のように左側の曲面の反射を利用することができないので、蛍光体105で発生する蛍光に対する反射面102の集光機能は、図1の場合に比較して低いものとなる。
【0036】
3.第3の実施形態
図3には、実施形態の発光装置300が示されている。発光装置300は、図1の構造において、基材103,SPF104,蛍光体105,HPF106を金属パイプ110の内側に収めて保持し、金属パイプ110の外側の一部を支持部材101で保持した構造を有する。
【0037】
金属パイプ110は、アルミニウム、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム等の熱伝導率の高い材質とする。金属パイプ110の内周面を鏡面とすることは有効である。
【0038】
この構造では、蛍光体105において発生する熱が金属パイプ110により、効果的に放熱される。また、金属パイプ110の内周面を鏡面とした場合、励起光の光軸に直交する方向に放射される蛍光や励起光の散乱光を蛍光体105の内部に戻し、その有効利用を促すことができる。
【0039】
蛍光体105と金属パイプ110との接触部分、金属パイプ110と支持部材101との接触部分の熱伝導に関する考慮は、第1および第2の実施形態の場合と同じである。
【0040】
4.第4の実施形態
図4には、実施形態の発光装置400が示されている。この例では、支持部材101としてパイプ状の金属部材を利用している。支持部材101の円筒内面は鏡面とされている。この構造では、反射面111における蛍光体105において生じる蛍光の集光作用は、図1図3の構造に比較して弱くなる。しかしながら、蛍光体105において生じる蛍光を、照射光のビームを整える光学系であるレンズ112に効率よく導くことはできる。
【0041】
5.第5の実施形態
図5には、実施形態の発光装置500が示されている。この例では、光ファイバ113を用いて蛍光を光学系であるレンズ112に導いている。
【0042】
6.第6の実施形態
図6には、実施形態の発光装置600が示されている。この例では、蛍光体105を支持部材101の空間101aの底の部分に配置している。蛍光体105は、側面の一部と底面を支持部材101に接触させた状態で配置されている。
【0043】
この構造では、励起光122(波長450nm)を発光する発光ダイオードの光源121、励起光122を集光するレンズ123、レンズ123により集光された励起光を反射するLPF(ロングパスフィルタ)124を備える。LPF124は、波長450nmの励起光を反射し、波長470nm~800nmの蛍光を透過する光学フィルタである。
【0044】
この例では、レンズ123の集光機能により、励起光を蛍光体105に集め、蛍光体105において蛍光(波長:470nm~800nm)を生じさせる。この蛍光は反射面102で反射されて平行光とされ、空間101aの開口101bから図の右の方向に略平行光として放射される。
【0045】
LPF124は、蛍光を透過するので、LPF124から図の右の方向に蛍光が放射される。
【0046】
この構造は、蛍光体105の側面と底面を支持部材101に接触させることができるので、高効率の放熱構造が得られる。
【0047】
7.第7の実施形態
図7には、実施形態の発光装置800が示されている。発光装置800は、図6の発光装置600の変形例であり、開口101bのオフセット位置から励起光を空間101aに入射させる。励起光は、光源131で発光され、レンズ132を介して空間101a内に照射される。
【0048】
この場合、反射面102の集光機構の利用効率は、図6の場合よりも悪くなる。しかしながら、光学系の構成を簡素化でき、また小型化である。
【0049】
8.第8の実施形態
図8には、実施形態の発光装置800が示されている。発光装置800は、図6の発光装置600を変形したもので、LPF124の上面(励起光が照射される面と反対側の面)に青色光(波長400nm~490nm)を光源141から照射する。
【0050】
すなわち、励起光は、LPF124に対して、筒状の空間101aの軸方向(図8の左右の方向)に直交する方向(図8の下方向)から照射される。他方において、光源141からの青色光は、筒状の空間101aの軸方向に直交する方向(図8の上方向)であり、且つ、励起光122と対向する方向(図8の上方向)からLPF124に照射される。
【0051】
この青色光は、LPF124の上面において図の右の方向に反射され、蛍光体105の方向から来た蛍光と一緒になり、図の右の方向に放射される。
【0052】
図6の構成では、蛍光体105の側面と底面を支持部材101に接触させることができるので、高効率の放熱構造が得られ蛍光光の効率を高めることができるが、青帯域の光はLPF124により反射されてしまうため、白色光を得ることができない。図8の構成では一枚のフィルタで励起光の反射と青帯域を加える構成とすることができ、省スペースで白色光が得られる。
【0053】
9.その他
上記記載の実施例は、眼底観察装置、検眼装置等に適用可能である。励起光と蛍光の波長の関係は、例示したものに限定されない。例えば、励起光として可視光を用い、近赤外光が蛍光として生じるパターンも可能である。この場合、要求される励起光と蛍光の波長の関係が得られるように、蛍光体の材質や配合を調整する。
【符号の説明】
【0054】
100…発光装置、101…支持部材、101a…空間、101b…開口、102…反射面、103…基材、104…SPF(ショートパスフィルタ)、105…蛍光体、106…LPF(ログパスフィルタ)、107…励起光の光源(レーザーダイオード)、108…励起光、109…レンズ、110…金属パイプ、111…反射面、112…レンズ、113…光ファイバ、121…励起光の光源、122…励起光、123…レンズ、124…LPF(ロングパスフィルタ)、131…励起光の光源、132…レンズ、200…発光装置、300…発光装置、400…発光装置、500…発光装置、600…発光装置、800…発光装置、800…発光装置。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9