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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130090
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】電気治療器
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/32 20060101AFI20240920BHJP
   A61N 1/04 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A61N1/32
A61N1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039604
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 知之
(72)【発明者】
【氏名】喜多山 和也
(72)【発明者】
【氏名】辻 芳幸
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB04
4C053BB06
4C053BB36
4C053JJ04
4C053JJ27
(57)【要約】
【課題】治療中には剥がれにくく、治療部位から取り外す際に簡易かつ全体的に取り外し可能な電気治療器を提供する。
【解決手段】電気治療器は、平面視した場合に第1方向に向かい合う第1外縁部13および第2外縁部14を有する本体部10と、第1電極部20と、第2電極部30とを備え、第1電極部20および第2電極部30は、平面視した場合に、少なくとも本体部10の中央部が間に位置するように第1方向に間隔をあけて配置されており、第1電極部20は、剥離の起点となる第1剥離起点部P1と、第2電極部30側に位置する第1ライン21とを含み、第2電極部30は、剥離の起点となる第2剥離起点部P2と、第1電極部20側に位置し、かつ第1ライン21と第1方向に向かい合う第2ライン31を含み、第1剥離起点部P1と第2剥離起点部P2に同時に剥離力を作用させるための把持部50が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視した場合に第1方向に向かい合う第1外縁部および第2外縁部を有する本体部と、
前記第1外縁部側に配置され、使用者の生体に貼り付け可能に設けられた第1電極部と、
前記第2外縁部側に配置され、使用者の生体に貼り付け可能に設けられた第2電極部と、を備え、
前記第1電極部および前記第2電極部は、平面視した場合に、少なくとも前記本体部の中央部が間に位置するように、前記第1方向に間隔をあけて配置されており、
前記第1電極部は、剥離の起点となる第1剥離起点部と、前記第2電極部側に位置する第1ラインとを含み、
前記第2電極部は、剥離の起点となる第2剥離起点部と、前記第1電極部側に位置し、かつ前記第1ラインと前記第1方向に向かい合う第2ラインを含み、
前記第1剥離起点部と前記第2剥離起点部に同時に剥離力を作用させるための把持部が設けられた、電気治療器。
【請求項2】
前記本体部は、前記第1方向と交差する第2方向の一方側に位置する第1端部と前記第2方向の他方側に位置する第2端部とを含み、
平面視した場合に、前記第1ラインは、前記第1外縁部に隣り合うように配置されており、
平面視した場合に、前記第2ラインは、前記第2外縁部に隣り合うように配置されており、
前記第1剥離起点部は、前記第2方向の前記一方側における前記第1ラインの一端に位置し、
前記第2剥離起点部は、前記第2方向の前記一方側における前記第2ラインの一端に位置し、
前記第1剥離起点部および前記第2剥離起点部は、前記第1端部よりも前記第2方向の前記他方側に位置し、
前記第2方向の前記他方側における前記第1ラインの他端、および前記第2方向の前記他方側における前記第2ラインの他端は、前記第2端部よりも前記第2方向の前記他方側に位置し、
前記第1電極部は、剥離の終点となる第1剥離終点部に向けて、前記第1ラインの前記他端から、前記第1方向の前記一方側に向かうにつれて前記第2方向の前記他方側に延びる第1延在ラインを有し、
前記第2電極部は、剥離の終点となる第2剥離終点部に向けて、前記第2ラインの前記他端から、前記第1方向の前記他方側に向かうにつれて前記第2方向の前記他方側に延びる第2延在ラインを有し、
前記把持部は、前記本体部の少なくとも一部によって構成されている、請求項1に記載の電気治療器。
【請求項3】
前記本体部は、前記第1方向と交差する第2方向の一方側に位置する第1端部と前記第2方向の他方側に位置する第2端部とを含み、
平面視した場合に、前記第1ラインは、前記第1外縁部に隣り合うように配置されており、
平面視した場合に、前記第2ラインは、前記第2外縁部に隣り合うように配置されており、
前記第1剥離起点部は、前記第2方向の前記一方側における前記第1ラインの一端に位置し、
前記第2剥離起点部は、前記第2方向の前記一方側における前記第2ラインの一端に位置し、
前記第1剥離起点部および前記第2剥離起点部は、前記第1端部よりも前記第2方向の前記一方側に位置し、
前記第2方向の前記他方側における前記第1ラインの他端、および前記第2方向の前記他方側における前記第2ラインの他端は、前記第2端部よりも前記第2方向の前記他方側に位置し、
前記第1電極部は、剥離の終点となる第1剥離終点部に向けて、前記第1ラインの前記他端から、前記第1方向の前記一方側に向かうにつれて前記第2方向の前記他方側に延びる第1延在ラインを有し、
前記第2電極部は、剥離の終点となる第2剥離終点部に向けて、前記第2ラインの前記他端から、前記第1方向の前記他方側に向かうにつれて前記第2方向の前記他方側に延びる第2延在ラインを有し、
前記把持部は、平面視した場合に前記第1端部よりも前記第2方向の前記一方側で前記第1剥離起点部から前記第2剥離起点部に跨がるように設けられ、かつ、前記第1剥離起点部および前記第2剥離起点部よりも前記第2方向の前記一方側に摘まみ部を有するつまみ片部によって構成されている、請求項1に記載の電気治療器。
【請求項4】
前記本体部は、前記第1方向と交差する第2方向の一方側に位置する第1端部と前記第2方向の他方側に位置する第2端部とを含み、
平面視した場合に、前記第1ラインは、前記第1外縁部に隣り合うように配置されており、
平面視した場合に、前記第2ラインは、前記第2外縁部に隣り合うように配置されており、
前記第1電極部は、前記第1ラインに接続され、前記第1端部よりも前記第2方向の前記一方側で直線状に延在する第1直線部を有し、
前記第2電極部は、前記第2ラインに接続され、前記第1端部よりも前記第2方向の前記一方側で直線状に延在する第2直線部を有し、
前記第1直線部および前記第2直線部は、同一直線上に配置されており、
前記第1剥離起点部は、前記第1直線部によって構成されており、
前記第2剥離起点部は、前記第2直線部によって構成されており、
前記把持部は、平面視した場合に前記第1直線部および前記第2直線部を接続するように設けられた接続部材によって構成されている、請求項1に記載の電気治療器。
【請求項5】
前記第1ラインと前記本体部とを接続する第1接続部と、
前記第2ラインと前記本体部とを接続する第2接続部と、を備え、
平面視した場合に、前記第1ラインは、前記第1外縁部よりも前記第2外縁部側に位置し、
平面視した場合に、前記第2ラインは、前記第2外縁部よりも前記第1外縁部側に位置し、
前記第1剥離起点部は、前記第1ラインによって構成されており、
前記第2剥離起点部は、前記第2ラインによって構成されており、
前記把持部は、前記本体部によって構成されている、請求項1に記載の電気治療器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気治療器として、特開2017-189268号公報(特許文献1)には、直線状に間隔をあけて設けられた一対の導電性粘着シートと、当該一対の導電性粘着シートに跨がるように設けられた治療器本体(本体部)とを備えたものが開示されている。一つの導電性粘着シートの一方側の端部には摘片が設けられている。治療部位に貼り付けられた電気治療器を治療部位から取り外す際には、摘片を把持して、当該摘片が設けられた一方の導電性粘着シートから順に治療器本体、他方の導電性粘着シートとを直線状に治療部位から取り外す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-189268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電気治療器においては、摘片を用いて一対の導電性粘着シートの一方側の導電性粘着シートの端部側から剥がすため、治療部位から電気治療器を全体的に取り外すことが困難となる。また、電気治療器が後背部、あるいは服の内側に配置され、摘片を視認できない場合には、摘片を見つけにくく、簡易に剥がすことが困難となる。
【0005】
さらに、治療器本体は重量があるため、重力が作用する方向において一対の導電性粘着シートに応力がかかりやすい。このため、一対の導電性粘着シートの形状の如何によっては、治療中に導電性粘着シートが上方側から剥がれてしまうことが懸念される。
【0006】
本開示は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的は、治療中には剥がれにくく、治療部位から取り外す際に簡易かつ全体的に取り外し可能な電気治療器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に基づく電気治療器は、平面視した場合に第1方向に向かい合う第1外縁部および第2外縁部を有する本体部と、上記第1外縁部側に配置され、使用者の生体に貼り付け可能に設けられた第1電極部と、上記第2外縁部側に配置され、使用者の生体に貼り付け可能に設けられた第2電極部と、を備える。上記第1電極部および上記第2電極部は、平面視した場合に、少なくとも上記本体部の中央部が間に位置するように、上記第1方向に間隔をあけて配置されている。上記第1電極部は、剥離の起点となる第1剥離起点部と、上記第2電極部側に位置する第1ラインとを含む。上記第2電極部は、剥離の起点となる第2剥離起点部と、上記第1電極部側に位置し、かつ上記第1ラインと上記第1方向に向かい合う第2ラインを含む。上記電気治療器にあっては、上記第1剥離起点部と上記第2剥離起点部に同時に剥離力を作用させるための把持部が設けられている。
【0008】
上記構成によれば、本体部の少なくとも中央部が間に位置するように第1方向に離間して第1電極部および第2電極部が配置されており、第1電極部に含まれる第2電極部側の第1ラインと、第2電極部に含まれる第1電極部側の第2ラインとが、本体部の第1外縁部と第2外縁部とが向かい合う第1方向に向かい合っている。このため、第1ラインおよび第2ラインが延在する方向に沿って本体部の重力が作用した場合であっても、第1電極部および第2電極部が剥がれにくくなる。加えて、第1方向の一方側および/または他方側から応力が負荷された場合であっても、第1電極部および第2電極部が配置されることで、第1電極部および第2電極部が剥がれにくくなる。これにより、治療中に電気治療器が治療部位から剥がれにくくなる。また、第1ラインおよび第2ラインが延在する方向からの応力、第1方向からの応力によって第1電極部および第2電極部が剥がれにくいため、第1電極部および第2電極部の貼り付け角度がずれた場合であっても、治療中に電気治療器が治療部位から剥がれにくくなる。
【0009】
さらに、把持部を把持して剥離方向に移動させることにより、第1電極部の剥離起点となる第1剥離起点部および第2電極部の剥離起点となる第2剥離起点部に同時に剥離力を作用することができる。これにより、簡易かつ全体的に電気治療器を治療部位から取り外すことができる。
【0010】
上記本開示に基づく電気治療器にあっては、上記本体部は、上記第1方向と交差する第2方向の一方側に位置する第1端部と上記第2方向の他方側に位置する第2端部とを含む。この場合には、平面視した場合に、上記第1ラインは、上記第1外縁部に隣り合うように配置されていてもよく、平面視した場合に、上記第2ラインは、上記第2外縁部に隣り合うように配置されていてもよい。上記第1剥離起点部は、上記第2方向の上記一方側における上記第1ラインの一端に位置していてもよい。上記第2剥離起点部は、上記第2方向の上記一方側における上記第2ラインの一端に位置していてもよい。上記第1剥離起点部および上記第2剥離起点部は、上記第1端部よりも上記第2方向の上記他方側に位置していてもよい。上記第2方向の上記他方側における上記第1ラインの他端、および上記第2方向の上記他方側における上記第2ラインの他端は、上記第2端部よりも上記第2方向の上記他方側に位置していてもよい。この場合には、上記第1電極部は、剥離の終点となる第1剥離終点部に向けて、上記第1ラインの上記他端から、上記第1方向の上記一方側に向かうにつれて上記第2方向の上記他方側に延びる第1延在ラインを有していてもよい。上記第2電極部は、剥離の終点となる第2剥離終点部に向けて、上記第2ラインの上記他端から、上記第1方向の上記他方側に向かうにつれて上記第2方向の上記他方側に延びる第2延在ラインを有していてもよい。さらに、上記把持部は、上記本体部の少なくとも一部によって構成されていてもよい。
【0011】
上記構成によれば、第2方向の一方側が下方を向き、第2方向の他方側が上方を向くようにして電気治療器が治療部位に貼り付けられた場合に、第1ラインの他端から第1剥離終点部に向かう第1延在ラインおよび第2ラインの他端から第2剥離終点部に向かう第2延在ラインによって、第1ラインの他端および第2ラインの他端に本体部の重力が集中することを抑制できる。これにより、治療中に電気治療器が治療部位から剥がれにくくなる。
【0012】
また、上述のように、第2方向の一方側が下方を向き、第2方向の他方側が上方を向くようにして電気治療器が治療部位に貼り付けられた場合に、第1ラインの一端に位置する第1剥離起点部および第2ラインの一端に位置する第2剥離起点部が、本体部の第1端部よりも第2方向の他方側(上方側)に位置する。これにより、本体部の少なくとも一部によって構成される把持部を把持して、本体部を治療部位から遠ざかるように移動させた場合に第1剥離起点部および第2剥離起点部に剥離力を同時に強く作用させることができる。この結果、電気治療器をより簡易かつ全体的に取り外すことができる。
【0013】
上記本開示に基づく電気治療器にあっては、上記本体部は、上記第1方向と交差する第2方向の一方側に位置する第1端部と上記第2方向の他方側に位置する第2端部とを含む。この場合には、平面視した場合に、上記第1ラインは、上記第1外縁部に隣り合うように配置されていてもよく、平面視した場合に、上記第2ラインは、上記第2外縁部に隣り合うように配置されていてもよい。上記第1剥離起点部は、上記第2方向の上記一方側における上記第1ラインの一端に位置していてもよい。上記第2剥離起点部は、上記第2方向の上記一方側における上記第2ラインの一端に位置していてもよい。上記第1剥離起点部および上記第2剥離起点部は、上記第1端部よりも上記第2方向の上記一方側に位置し、上記第2方向の上記他方側における上記第1ラインの他端、および上記第2方向の上記他方側における上記第2ラインの他端は、上記第2端部よりも上記第2方向の上記他方側に位置していてもよい。この場合には、上記第1電極部は、剥離の終点となる第1剥離終点部に向けて、上記第1ラインの上記他端から、上記第1方向の上記一方側に向かうにつれて上記第2方向の上記他方側に延びる第1延在ラインを有していてもよい。上記第2電極部は、剥離の終点となる第2剥離終点部に向けて、上記第2ラインの上記他端から、上記第1方向の上記他方側に向かうにつれて上記第2方向の上記他方側に延びる第2延在ラインを有していてもよい。さらに、上記把持部は、平面視した場合に上記第1端部よりも上記第2方向の上記一方側で上記第1剥離起点部から上記第2剥離起点に跨がるように設けられ、かつ、上記第1剥離起点および上記第2剥離起点部よりも上記第2方向の上記一方側に摘まみ部を有するつまみ片部によって構成されていてもよい。
【0014】
上記構成によれば、第2方向の一方側が下方を向き、第2方向の他方側が上方を向くようにして電気治療器が治療部位に貼り付けられた場合に、第1ラインの他端から第1剥離終点部に向かう第1延在ラインおよび第2ラインの他端から第2剥離終点部に向かう第2延在ラインによって、第1ラインの他端および第2ラインの他端に本体部の重力が集中することを抑制できる。これにより、治療中に電気治療器が治療部位から剥がれにくくなる。
【0015】
さらに、上述のように、第2方向の一方側が下方を向き、第2方向の他方側が上方を向くようにして電気治療器が治療部位に貼り付けられた場合に、第1ラインの一端に位置する第1剥離起点部および第2ラインの一端に位置する第2剥離起点部が、本体部の第1端部よりも第2方向の一方側(下方側)に位置している。また、第1剥離起点部および第2剥離起点部に跨がるようにつまみ片部が設けられており、当該つまみ片部には、第1剥離起点部および第2剥離起点部よりも下方側で摘まむことが可能な摘まみ部が設けられている。このため、本体部を目印としてその下方側に位置する摘まみ部を探し出し、当該摘まみ部を治療部位から離れる方向に移動させることにより、第1剥離起点部および第2剥離起点部に剥離力を同時に強く作用させることができる。この結果、電気治療器をより簡易かつ全体的に取り外すことができる。
【0016】
上記本開示に基づく電気治療器にあっては、上記本体部は、上記第1方向と交差する第2方向の一方側に位置する第1端部と上記第2方向の他方側に位置する第2端部とを含む。この場合には、平面視した場合に、上記第1ラインは、上記第1外縁部に隣り合うように配置されていてもよく、平面視した場合に、上記第2ラインは、上記第2外縁部に隣り合うように配置されていてもよい。上記第1電極部は、上記第1ラインに接続され、上記第1端部よりも上記第2方向の上記一方側で直線状に延在する第1直線部を有していてもよい。上記第2電極部は、上記第2ラインに接続され、上記第1端部よりも上記第2方向の上記一方側で直線状に延在する第2直線部を有していもよい。この場合には、上記第1直線部および上記第2直線部は、同一直線上に配置されていてもよい。上記第1剥離起点部は、上記第1直線部によって構成されていてもよい。上記第2剥離起点部は、上記第2直線部によって構成されていてもよい。さらに、上記把持部は、平面視した場合に上記第1直線部および上記第2直線部を接続するように設けられた接続部材によって構成されていてもよい。
【0017】
上記構成によれば、第2方向の一方側が下方を向き、第2方向の他方側が上方を向くようにして電気治療器が治療部位に貼り付けられた場合に、本体部の下方側において、第1剥離起点部を構成する第1直線部、および第2剥離起点を構成する第2直線部が接続部材によって接続されることとなる。このため、接続部材を把持して、当該接続部材を治療部位から離れる方向に移動させることにより、広範囲に亘る第1剥離起点部および第2剥離起点部に剥離力を同時に作用させることができる。この結果、電気治療器をより簡易かつ全体的に取り外すことができる。
【0018】
上記本開示に基づく電気治療器は、上記第1ラインと上記本体部とを接続する第1接続部と、上記第2ラインと上記本体部とを接続する第2接続部と、を備えていてもよい。この場合には、平面視した場合に、上記第1ラインは、上記第1外縁部よりも上記第2外縁部側に位置していてもよく、平面視した場合に、上記第2ラインは、上記第2外縁部よりも上記第1外縁部側に位置していてもよい。上記第1剥離起点部は、上記第1ラインによって構成されていてもよい。上記第2剥離起点部は、上記第2ラインによって構成されていてもよい。この場合には、上記把持部は、上記本体部に設けられていてもよい。
【0019】
上記構成によれば、本体部を把持して治療部位から離れる方向に移動させることにより、第1剥離起点部を構成する第1ライン、第2剥離起点部を構成する第2ラインに剥離力を同時に作用させることができる。この結果、電気治療器をより簡易かつ全体的に取り外すことができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、治療中には剥がれにくく、治療部位から取り外す際に全体的に簡易に取り外し可能な電気治療器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施の形態1に係る電気治療器の平面図である。
図2】実施の形態1に係る電気治療器を正面から見た概略図である。
図3】実施の形態1に係る電気治療器を取り外す動作を説明するための図である。
図4】実施の形態2に係る電気治療器の平面図である。
図5】実施の形態3に係る電気治療器の平面図である。
図6】実施の形態4に係る電気治療器の平面図である。
図7】実施の形態4に係る電気治療器を正面から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る電気治療器の平面図である。図2は、実施の形態1に係る電気治療器を正面から見た概略図である。図1および図2を参照して、実施の形態1に係る電気治療器100について説明する。
【0024】
図1および図2に示すように、実施の形態1に係る電気治療器100は、本体部10、第1電極部20、第2電極部30、パッド保持部40を備える。
【0025】
電気治療器100は、たとえば、使用者の体表面に接触された第1電極部20および第2電極部30に低周波パルス電流を供給することで、使用者の疼痛を緩和する低周波治療器である。低周波パルス電流の周波数は、たとえば、1Hz以上1200Hz以下である。
【0026】
本体部10は、収容ケース11、回路部12、操作部15を含む。回路部12は、収容ケース11に収容されている。回路部12は、電気経路61,62を介して、第1電極部20および第2電極部30に電気的に接続されている。回路部12は、第1電極部20および第2電極部30に流れる電流、および電圧等を制御する。
【0027】
収容ケース11は、略箱状に設けられている。収容ケース11は、平面視した場合に角部が丸みを帯びた略矩形形状を有する。収容ケース11は、平面視した場合に第1方向(DR1方向)に向かい合う第1外縁部13および第2外縁部14を有する。なお、収容ケースの11の形状は、平面視略矩形形状に限定されず、第1方向に向かい合う第1外縁部および第2外縁部を有する限り、平面視した場合に、円形、楕円形、台形等適宜の形状を選択することができる。
【0028】
また、収容ケース11は、第1端部11aおよび第2端部11bを有する。第1端部11aおよび第2端部11bは、第1方向に交差する第2方向(DR2方向)に向かい合う。第2方向は、たとえば、第1方向に直交する方向である。第1端部11aは、第2方向の一方側に位置する。第2端部11bは、第2方向の他方側に位置する。
【0029】
操作部15は、たとえば、測定用のスイッチ等を有する。操作部15は、プッシュ式スイッチに限定されず、たとえば感圧式(抵抗式)または近接式(静電容量式)のタッチパネル式スイッチ等であってもよい。また、収容ケース11には、操作部15とは別に表示部が設けられていてもよい。
【0030】
第1電極部20および第2電極部30は、平面視した場合に、少なくとも本体部10の中央部が当該第1電極部20と第2電極部30との間に位置するように、第1方向に間隔をあけて配置されている。
【0031】
本実施の形態においては、第1電極部20および第2電極部30は、本体部10を挟み込むように配置されている。より特定的には、第1電極部20は、後述する第1ライン21が第1外縁部13に第1方向に隣り合うように、本体部10の外側に配置されている。第2電極部30は、後述する第2ライン31が第2外縁部14に第1方向に隣り合うように、本体部10の外側に配置されている。
【0032】
第1電極部20および第2電極部30は、使用者に電流を流すための電極部であり、体表面に貼り付け可能に設けられている。第1電極部20および第2電極部30は、たとえば、ゲルパッドでもよいし、粘着層と電極とが積層されたものであってもよい。第1電極部20および第2電極部30を使用者の体表面に接触させた状態で、第1電極部20および第2電極部30に電流を供給することにより、使用者に電流を流すことができる。
【0033】
第1電極部20は、略菱形形状を有する。第1電極部20は、外縁を構成する第1ライン21、および外形ライン22,23,24を有する。
【0034】
第1ライン21は、第2電極部30側に位置する。第1ライン21は、上記第1方向と交差する方向に延在している。第1ライン21は、たとえば、上記第1外縁部13に沿って延在する。本実施の形態においては、第1ライン21は、直線状に設けられているが、これに限定されず、ジグザグ状でもよいし、曲線状でもよい。
【0035】
第1ライン21は、一端21aおよび他端21bを有する。一端21aは、第2方向の一方側に位置し、他端21bは、第2方向の他方側に位置する。当該一端21aは、第1電極部20の剥離の起点となる第1剥離起点部P1を構成している。
【0036】
外形ライン22は、一端21aに接続されている。外形ライン22は、一端21aから第1方向の一方側に向かうにつれて第2方向の他方側に向かうように延在している。具体的には、外形ライン22は、一端21aから第1方向の一方側に向かうにつれて第2方向の他方側に向かうように傾斜している。
【0037】
外形ライン23は、他端21bに接続されている。外形ライン23は、他端21bから第1方向の一方側に向かうにつれて第2方向の他方側に向かうように延在している。具体的には、外形ライン23は、他端21bから第1方向の一方側に向かうにつれて第2方向の他方側に向かうように傾斜している。外形ライン23は、外形ライン22と平行である。外形ライン23のうち、上記他端21bが位置する側とは反対側に位置する端部は、剥離の終点となる第1剥離終点部P3を構成している。外形ライン23は、第1剥離終点部P3に向けて第1ライン21の他端21bから延びる第1延在ラインに相当する。
【0038】
外形ライン24は、上記第1剥離終点部P3と外形ライン22とを接続する。外形ライン24は、外形ライン22のうち、上記一端21aが位置する側と反対側に位置する端部から第1剥離終点部P3に向けて延びる。外形ライン24は、第1方向に沿って延在しており、第1ライン21と平行である。
【0039】
第2電極部30は、略菱形形状を有する。第2電極部30は、外縁を構成する第2ライン31、および外形ライン32,33,34を有する。
【0040】
第2ライン31は、第1電極部20側に位置する。第2ライン31は、第1方向に第1ライン21と向かい合う。第2ライン31は、第1方向と交差する方向に延在している。第2ライン31は、たとえば、上記第2外縁部14に沿って延在する。本実施の形態においては、第2ライン31は、直線状に設けられているが、これに限定されず、ジグザグ状でもよいし、曲線状でもよい。
【0041】
第2ライン31は、一端31aおよび他端31bを有する。一端31aは、第2方向の一方側に位置し、他端31bは、第2方向の他方側に位置する。当該一端31aは、第2電極部30の剥離の起点となる第2剥離起点部P2を構成している。
【0042】
外形ライン32は、一端31aに接続されている。外形ライン32は、一端31aから第1方向の他方側に向かうにつれて第2方向の他方側に向かうように延在している。具体的には、外形ライン32は、一端31aから第1方向の他方側に向かうにつれて第2方向の他方側に向かうように傾斜している。
【0043】
外形ライン33は、他端31bに接続されている。外形ライン33は、他端31bから第1方向の他方側に向かうにつれて第2方向の他方側に向かうように延在している。具体的には、外形ライン33は、他端31bから第1方向の他方側に向かうにつれて第2方向の他方側に向かうように傾斜している。外形ライン33は、外形ライン32と平行である。外形ライン33のうち、上記他端31bが位置する側とは反対側に位置する端部は、剥離の終点となる第2剥離終点部P4を構成している。外形ライン23は、第2剥離終点部P4に向けて第2ライン31の他端31bから延びる第2延在ラインに相当する。
【0044】
外形ライン34は、上記第1剥離終点部P3と外形ライン22とを接続する。外形ライン34は、外形ライン32のうち、上記一端31aが位置する側と反対側に位置する端部から第2剥離終点部P4に向けて延びる。外形ライン34は、第1方向に沿って延在しており、第2ライン31と平行である。
【0045】
パッド保持部40は、第1電極部20および第2電極部30を保持する。パッド保持部40は、たとえば、可撓性を有し、体表面に沿うように変形可能に設けられている。パッド保持部40としては、たとえば、絶縁性を有する生地等を採用することができる。
【0046】
パッド保持部40は、第1保持部41、第2保持部42、および接続部43を有する。第1保持部41は、第1電極部20を保持する。第1保持部41の形状は、第1電極部20の形状と略同等である。第2保持部42は、第2電極部30を保持する。第2保持部42の形状は、第2電極部30の形状と略同等である。
【0047】
接続部43は、第1保持部41および第2保持部42を接続する。接続部43には、たとえば本体部10が着脱可能に固定される。接続部43には、電気経路61,62が設けられている。当該接続部43に本体部10が固定された状態においては、電気経路61,62によって第1電極部20および第2電極部30が回路部12に電気的に接続される。
【0048】
第2方向の一方側が下方を向き、第2方向の他方側が上方を向くようにして電気治療器100が治療部位に貼り付けられた場合には、本体部10の第1外縁部13および第2外縁部14は上下方向に平行となり、第2方向の一方側に向けて本体部10の重力が電気治療器100に作用する。
【0049】
ここで、本実施の形態においては、本体部10の少なくとも中央部が間に位置するように第1方向に離間して第1電極部20および第2電極部30が配置されており、第1電極部20に含まれる第2電極部30側の第1ライン21と、第2電極部30に含まれる第1電極部20側の第2ライン31とが、本体部の第1外縁部13と第2外縁部14とが向かい合う第1方向に向かい合っている。このため、第1ライン21および第2ライン31が延在する方向に沿って本体部10の重力が作用した場合であっても、第1電極部20および第2電極部30が剥がれにくくなる。加えて、第1方向に沿って応力が負荷された場合であっても、第1電極部20および第2電極部30が第1方向に離間して配置されることで、第1電極部20および第2電極部30が剥がれにくくなる。これにより、治療中に電気治療器100が治療部位から剥がれにくくなる。また、第1ライン21および第2ライン31が延在する方向からの応力、第1方向からの応力によって第1電極部20および第2電極部30が剥がれにくいため、第1電極部20および第2電極部30の貼り付け角度がずれた場合であっても、治療中に電気治療器100が治療部位から剥がれにくくなる。
【0050】
また、第1ライン21が第1外縁部13に隣り合うように配置され、かつ、第1外縁部13に沿うように設けられ、第2ライン31が第2外縁部14に隣り合うように配置され、かつ、第2外縁部14に沿うように設けられることにより、第1電極部20および第2電極部30をより剥がれにくくすることができる。
【0051】
加えて、第1ライン21の他端21bから第1剥離終点部P3に向かう外形ライン23(第1延在ライン)および第2ライン31の他端31bから第2剥離終点部P4に向かう外形ライン33(第2延在ライン)によって、第1ライン21の他端21bおよび第2ライン31の他端31bに本体部10の重力が集中することを抑制できる。これにより、治療中に電気治療器100が治療部位からさらに剥がれにくくなる。
【0052】
図3は、実施の形態1に係る電気治療器を取り外す動作を説明するための図である。図3を参照して、電気治療器100の取り外し動作について説明する。
【0053】
図3に示すように、上記第1ライン21の一端21aおよび第2ライン31の一端31aは、第1端部11aよりも第2方向の他方側に位置している。すなわち、一端21a,31aは、第1端部11aを通る仮想ラインPL1よりも第2方向の他方側に位置している。
【0054】
上記第1ライン21の他端21bおよび第2ライン31の他端31bは、第2端部11bよりも第2方向の他方側に位置している。すなわち、他端21b,31bは、第2端部11bを通る仮想ラインPL2よりも第2方向の他方側に位置している。
【0055】
電気治療器100を取り外す場合には、本体部10のうち第1端部11a側の部分を把持して、図3中矢印AR1に示すように、第2方向の他方側(すなわち上方側)に向けて本体部10を移動させる。本体部10のうち第1端部11a側の部分は、把持部50に相当する。
【0056】
本体部10が固定されるパッド保持部40の接続部43は、第1剥離起点部P1に重なる第1保持部41の端部、および第2剥離起点部P2に重なる第2保持部42の端部に接続されている。これにより、把持部50を把持して本体部10を移動させることにより、第1剥離起点部P1および第2剥離起点部P2に同時に剥離力を作用することができる。これにより、簡易かつ全体的に電気治療器を治療部位から取り外すことができる。
【0057】
さらに、第1電極部20のうち第1剥離起点部P1を除く部分は、第1剥離起点部P1よりも第2方向の他方側に位置しており、第2電極部30のうち第2剥離起点部P2を除く部分は、第2剥離起点部P2よりも第2方向の他方側に位置している。これに加えて、上述の第1延在ライン(外形ライン23)および第2延在ライン(外形ライン33)が設けられていることにより、第2方向の他方側に作用する力が、第1剥離終点部P3および第2剥離終点部P4に向かいやすくなる。この結果、電気治療器をより簡易かつ全体的に取り外すことができる。
【0058】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2に係る電気治療器の平面図である。図4を参照して、実施の形態2に係る電気治療器100Aについて説明する。
【0059】
図4に示すように、実施の形態2に係る電気治療器100Aは、実施の形態1に係る電気治療器100と比較した場合に、第1剥離起点部P1および第2剥離起点部P2の位置、および把持部50Aの構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0060】
実施の形態2においても、第1電極部20および第2電極部30は、略菱形形状を有している。平面視した場合に、第1電極部20の第1ライン21は、本体部10の第1外縁部13に隣り合うように配置されており、第2電極部30の第2ライン31は、本体部10の第2外縁部14に隣り合うように配置されている。
【0061】
第1ライン21の一端21aが、第1剥離起点部P1を構成しており、第2ライン31の一端31aが第2剥離起点部P2を構成している。第1剥離起点部P1および第2剥離起点部P2は、本体部10の第1端部11aよりも第2方向の一方側に位置する。第1ライン21の他端21bおよび第2ライン31の他端31bは、本体部10の第2端部11bよりも第2方向の他方側に位置している。
【0062】
また、外形ライン23(第1延在ライン)は、第1剥離終点部P3に向けて、第1ライン21の他端21bから、第1方向の一方側に向かうにつれて第2方向の他方側に延びている。同様に、外形ライン33(第2延在ライン)は、第2剥離終点部P4に向けて、第2ライン31の他端31bから、第1方向の他方側に向かうにつれて第2方向の他方側に延びている。
【0063】
把持部50Aは、つまみ片部51によって構成されている。つまみ片部51は、本体部10の第1端部11aよりも第1方向の一方側に位置する。つまみ片部51は、平面視した場合に、第1剥離起点部P1から第2剥離起点部P2に跨がるように設けられている。つまみ片部51は、先端側(本体部10が位置する側とは反対側)に摘まみ部52を有する。摘まみ部52は、第1剥離起点部P1および第2剥離起点部P2よりも第2方向の一方側に位置する。
【0064】
つまみ片部51は、たとえば、シート状の部材によって構成されている。つまみ片部51は、摘まみ部52を摘まんで移動させる際に破けないように所望の強度を有している。つまみ片部51には、使用者の体表面に貼り付けるための導電層は設けられていない。
【0065】
実施の形態2においても、第2方向の一方側が下方を向き、第2方向の他方側が上方を向くようにして電気治療器100Aが治療部位に貼り付けられた場合には、本体部10の第1外縁部13および第2外縁部14は上下方向に平行となり、第2方向の一方側に向けて本体部10の重力が電気治療器100Aに作用する。
【0066】
この場合においても、実施の形態1同様に、本体部10の少なくとも中央部が間に位置するように第1方向に離間して第1電極部20および第2電極部30が配置されており、第1電極部20に含まれる第2電極部30側の第1ライン21と、第2電極部30に含まれる第1電極部20側の第2ライン31とが、本体部の第1外縁部13と第2外縁部14とが向かい合う第1方向に向かい合っている。このため、第1電極部20および第2電極部30が剥がれにくくなり、治療中に電気治療器100Aが治療部位から剥がれにくくなる。
【0067】
加えて、第1ライン21の他端21bから第1剥離終点部P3に向かう外形ライン23(第1延在ライン)および第2ライン31の他端31bから第2剥離終点部P4に向かう外形ライン33(第2延在ライン)によって、第1ライン21の他端21bおよび第2ライン31の他端31bに本体部10の重力が集中することを抑制できる。これにより、治療中に電気治療器100Aが治療部位からさらに剥がれにくくなる。
【0068】
電気治療器100Aを取り外す場合には、本体部10を目印としてその下方側(第1方向の一方側)に位置する摘まみ部52を探し出し、当該摘まみ部52を治療部位から離れる方向(第2方向の他方側)に移動させることにより、第1剥離起点部P1および第2剥離起点部P2に剥離力を同時に強く作用させることができる。この結果、電気治療器100Aをより簡易かつ全体的に取り外すことができる。
【0069】
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3に係る電気治療器の平面図である。図5を参照して、実施の形態3に係る電気治療器100Bについて説明する。
【0070】
図5に示すように、実施の形態3に係る電気治療器100Bは、実施の形態1に係る電気治療器100と比較した場合に、第1電極部20および第2電極部30の形状、および把持部50Bの構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0071】
第1電極部20および第2電極部30は、略矩形形状を有する。平面視した場合に、第1電極部20の第1ライン21は、本体部10の第1外縁部13に隣り合うように配置されており、第2電極部30の第2ライン31は、本体部10の第2外縁部14に隣り合うように配置されている。
【0072】
第1ライン21の一端21aおよび第2ライン31の一端31aは、本体部10の第1端部11aよりも第2方向の一方側に位置する。第1ライン21の他端21bおよび第2ライン31の他端31bは、本体部10の第2端部11bよりも第2方向の他方側に位置する。
【0073】
外形ライン22(第1直線部)は、第1ライン21の一端21aに接続されている。外形ライン22は、第1端部11aよりも第2方向の一方側で直線状に延在する。外形ライン22は、第2方向に略平行に延在している。
【0074】
外形ライン23は、第1ライン21の他端21bに接続されている。外形ライン23は、第2端部11bよりも第2方向の他方側で、外形ライン22と平行となるように直線状に延在している。
【0075】
外形ライン32(第2直線部)は、第2ライン31の一端31aに接続されている。外形ライン32は、第1端部11aよりも第2方向の一方側で直線状に延在する。外形ライン32は、第2方向に略平行に延在している。外形ライン32は、外形ライン22と同一直線状に配置されている。
【0076】
外形ライン33は、第2ライン31の他端31bに接続されている。外形ライン33は、第2端部11bよりも第2方向の他方側で、外形ライン32と平行となるように直線状に延在している。外形ライン33は、外形ライン23と同一直線状に配置されている。
【0077】
この場合においては、外形ライン22によって第1剥離起点部P1が構成されており、外形ライン32によって第2剥離起点部P2が構成されている。また、外形ライン23によって第1剥離終点部P3が構成され、外形ライン33によって第2剥離終点部P4が構成されている。
【0078】
把持部50Bは、平面視した場合に上記外形ライン22および外形ライン32を全体的に接続するように設けられた接続部材55によって構成されている。
【0079】
接続部材55は、たとえば、棒状に設けられていてもよいし、扁平な形状に設けられていてもよい。接続部材55は、プラスチック等の樹脂部材で設けられていてもよいし、金属部材によって設けられていてもよい。
【0080】
実施の形態3においても、第2方向の一方側が下方を向き、第2方向の他方側が上方を向くようにして電気治療器100Bが治療部位に貼り付けられた場合には、本体部10の第1外縁部13および第2外縁部14は上下方向に平行となり、第2方向の一方側に向けて本体部10の重力が電気治療器100Bに作用する。
【0081】
この場合においても、実施の形態1同様に、本体部10の少なくとも中央部が間に位置するように第1方向に離間して第1電極部20および第2電極部30が配置されており、第1電極部20に含まれる第2電極部30側の第1ライン21と、第2電極部30に含まれる第1電極部20側の第2ライン31とが、本体部の第1外縁部13と第2外縁部14とが向かい合う第1方向に向かい合っている。このため、第1電極部20および第2電極部30が剥がれにくくなり、治療中に電気治療器100Bが治療部位から剥がれにくくなる。
【0082】
電気治療器100Bを取り外す場合には、本体部10を目印としてその下方側(第2方向の一方側)に位置する接続部材55を探し出し、当該接続部材55を把持して治療部位から離れる方向(第2方向の他方側)に移動させることにより、広範囲に亘る第1剥離起点部P1および第2剥離起点部P2に剥離力を同時に強く作用させることができる。この結果、電気治療器100Bをより簡易かつ全体的に取り外すことができる。
【0083】
(実施の形態4)
図6は、実施の形態4に係る電気治療器の平面図である。図7は、実施の形態4に係る電気治療器を正面から見た概略図である。図6および図7を参照して、実施の形態4に係る電気治療器100Cについて説明する。
【0084】
図6および図7に示すように、実施の形態3に係る電気治療器100Cは、実施の形態1に係る電気治療器100と比較した場合に、第1電極部20および第2電極部30と本体部10との位置関係、パッド保持部40Cの構成および把持部50Cの構成が相違する。
【0085】
第1電極部20および第2電極部30は、略矩形形状を有する。平面視した場合に、第1電極部20の第1ライン21および第2電極部30の第2ライン31は、本体部10と重なっている。平面視した場合に、第1ライン21は、第1外縁部13よりも第2外縁部14側に位置し、第2ライン31は、第2外縁部14よりも第1外縁部13側に位置している。
【0086】
パッド保持部40は、実施の形態1に係る接続部43に替えて第1接続部45および第2接続部46を有する。
【0087】
第1接続部45は、第1ライン21と本体部10とを接続する。第1接続部45は、本体部10側に位置する第1保持部41の端部41aから第1方向の一方側に折り返された部分である。第1接続部45は、本体部10の裏面10cのうち第1外縁部13側に位置する部分に固定されている。
【0088】
第2接続部46は、第2ライン31と本体部10とを接続する。第2接続部46は、本体部10側に位置する第2保持部42の端部42aから第1方向の他方側に折り返された部分である。第2接続部46は、本体部10の裏面10cのうち第2外縁部14側に位置する部分に固定されている。
【0089】
第1接続部45および第2接続部46に電気経路(不図示)が設けられており、当該電気経路を介して第1電極部20および第2電極部30が上記回路部12に電気的に接続される。
【0090】
この場合においては、第1ライン21によって第1剥離起点部P1が構成されており、第2ライン31によって第2剥離起点部P2が構成されている。また、外形ライン24によって第1剥離終点部P3が構成されており、外形ライン34によって第2剥離終点部P4が構成されている。
【0091】
実施の形態4においても、第2方向の一方側が下方を向き、第2方向の他方側が上方を向くようにして電気治療器100Cが治療部位に貼り付けられた場合には、本体部10の第1外縁部13および第2外縁部14は上下方向に平行となり、第2方向の一方側に向けて本体部10の重力が電気治療器100Cに作用する。
【0092】
実施の形態1同様に、本体部10の少なくとも中央部が間に位置するように第1方向に離間して第1電極部20および第2電極部30が配置されており、第1電極部20に含まれる第2電極部30側の第1ライン21と、第2電極部30に含まれる第1電極部20側の第2ライン31とが、本体部の第1外縁部13と第2外縁部14とが向かい合う第1方向に向かい合っている。このため、第1電極部20および第2電極部30が剥がれにくくなり、治療中に電気治療器100が治療部位から剥がれにくくなる。加えて、実施の形態4においては、第1電極部20および第2電極部30は、平面視した場合に、どの方向からの応力でも剥がれにくい形状であるため、貼り付け方向の自由度が高い。
【0093】
電気治療器100Cを取り外す場合には、本体部10を把持して治療部位から離れる方向(裏面10cの法線方向)に移動させることにより、図6中矢印に示すように、第1剥離起点部P1を構成する第1ライン21、第2剥離起点部P2を構成する第2ライン31に剥離力を同時に作用させることができる。この結果、電気治療器100Cをより簡易かつ全体的に取り外すことができる。
【0094】
(その他の変形例)
上述した実施の形態1,2においては、外形ライン23,33が第1方向に対して傾斜する場合を例示して説明したが、これに限定されない。外形ライン23,33は、第1方向に平行となっていてもよい。また、外形ライン23は、第1方向の一方側に向かうにつれて第2方向の他方側に向かうように傾斜していてもよいし、外形ライン33は、第1方向の他方側に向かうにつれて第2方向の他方側に向かうように傾斜していもよい。また、外形ライン22,23は、直線に限定されず、曲線であってもよい。
【0095】
上述した実施の形態3においては、外形ライン23,33が第1方向に平行である場合を例示したがこれに限定されない。外形ライン23,33は、上述の実施の形態1,2のように、第1方向の外側に向かうにつれて第2方向の他方側に向かうように傾斜していてもよい。
【0096】
[付記]
以上のように、本実施形態は以下のような開示を含む。
【0097】
[構成1]
平面視した場合に第1方向に向かい合う第1外縁部(13)および第2外縁部(14)を有する本体部(10)と、
上記第1外縁部(13)側に配置され、使用者の生体に貼り付け可能に設けられた第1電極部(20)と、
上記第2外縁部(14)側に配置され、使用者の生体に貼り付け可能に設けられた第2電極部(30)と、を備え、
上記第1電極部(20)および上記第2電極部(30)は、平面視した場合に、少なくとも上記本体部(10)の中央部が間に位置するように、上記第1方向に間隔をあけて配置されており、
上記第1電極部(20)は、剥離の起点となる第1剥離起点部(P1)と、上記第2電極部(30)側に位置する第1ライン(21)とを含み、
上記第2電極部(30)は、剥離の起点となる第2剥離起点部(P2)と、上記第1電極部(20)側に位置し、かつ上記第1ライン(21)と第1方向に向かい合う第2ライン(31)を含み、
上記第1剥離起点部(P1)と上記第2剥離起点部(P2)に同時に剥離力を作用させるための把持部(50,50A,50B,50C)が設けられた、電気治療器(100,100A,100B,100C)。
【0098】
[構成2]
上記本体部(10)は、上記第1方向と交差する第2方向の一方側に位置する第1端部(11a)と上記第2方向の他方側に位置する第2端部(11b)とを含み、
平面視した場合に、上記第1ライン(21)は、上記第1外縁部(13)に隣り合うように配置されており、
平面視した場合に、上記第2ライン(31)は、上記第2外縁部(14)に隣り合うように配置されており、
上記第1剥離起点部(P1)は、上記第2方向の上記一方側における上記第1ライン(21)の一端(21a)に位置し、
上記第2剥離起点部(P2)は、上記第2方向の上記一方側における上記第2ライン(31)の一端(31a)に位置し、
上記第1剥離起点部(P1)および上記第2剥離起点部(P2)は、上記第1端部(11a)よりも上記第2方向の上記他方側に位置し、
上記第2方向の上記他方側における上記第1ライン(21)の他端(21b)、および上記第2方向の上記他方側における上記第2ライン(31)の他端(31b)は、上記第2端部(11b)よりも上記第2方向の上記他方側に位置し、
上記第1電極部(20)は、剥離の終点となる第1剥離終点部(P1)に向けて、上記第1ライン(21)の上記他端(21b)から、上記第1方向の上記一方側に向かうにつれて上記第2方向の上記他方側に延びる第1延在ライン(23)を有し、
上記第2電極部(30)は、剥離の終点となる第2剥離終点部(P2)に向けて、上記第2ライン(31)の上記他端(31b)から、上記第1方向の上記他方側に向かうにつれて上記第2方向の上記他方側に延びる第2延在ライン(33)を有し、
上記把持部(50)は、上記本体部(10)の少なくとも一部によって構成されている、構成1に記載の電気治療器(100)。
【0099】
[構成3]
上記本体部(10)は、上記第1方向と交差する第2方向の一方側に位置する第1端部(11a)と上記第2方向の他方側に位置する第2端部(11b)とを含み、
平面視した場合に、上記第1ライン(21)は、上記第1外縁部(13)に隣り合うように配置されており、
平面視した場合に、上記第2ライン(31)は、上記第2外縁部(14)に隣り合うように配置されており、
上記第1剥離起点部(P1)は、上記第2方向の上記一方側における上記第1ライン(21)の一端(21a)に位置し、
上記第2剥離起点部(P2)は、上記第2方向の上記一方側における上記第2ライン(31)の一端(31a)に位置し、
上記第1剥離起点部(P1)および上記第2剥離起点部(P2)は、上記第1端部(11a)よりも上記第2方向の上記一方側に位置し、
上記第2方向の上記他方側における上記第1ライン(21)の他端(21b)、および上記第2方向の上記他方側における上記第2ラインの他端(21b)は、上記第2端部(11b)よりも上記第2方向の上記他方側に位置し、
上記第1電極部(20)は、剥離の終点となる第1剥離終点部(P1)に向けて、上記第1ライン(21)の上記他端(21b)から、上記第1方向の上記一方側に向かうにつれて上記第2方向の上記他方側に延びる第1延在ライン(23)を有し、
上記第2電極部は、剥離の終点となる第2剥離終点部(P2)に向けて、上記第2ライン(31)の上記他端(31b)から、上記第1方向の上記他方側に向かうにつれて上記第2方向の上記他方側に延びる第2延在ライン(33)を有し、
上記把持部(50A)は、上記第1端部よりも上記第2方向の上記一方側で、上記第1剥離起点部から上記第2剥離起点に跨がるように設けられ、上記第1剥離起点および上記第2剥離起点部よりも上記第2方向の上記一方側に摘まみ部(52)を有するつまみ片部(51)によって構成されている、構成1に記載の電気治療器(100A)。
【0100】
[構成4]
上記本体部(10)は、上記第1方向と交差する第2方向の一方側に位置する第1端部(11a)と上記第2方向の他方側に位置する第2端部(11b)とを含み、
平面視した場合に、上記第1ライン(21)は、上記第1外縁部(13)に隣り合うように配置されており、
平面視した場合に、上記第2ライン(31)は、上記第2外縁部(14)に隣り合うように配置されており、
上記第1電極部(20)は、上記第1ライン(21)に接続され、上記第1端部(11a)よりも上記第2方向の上記一方側で直線状に延在する第1直線部(22)を有し、
上記第2電極部(30)は、上記第2ライン(31)に接続され、上記第1端部(11a)よりも上記第2方向の上記一方側で直線状に延在する第2直線部(32)を有し、
上記第1直線部(22)および上記第2直線部(32)は、同一直線上に配置されており、
上記第1剥離起点部(P1)は、上記第1直線部(22)によって構成されており、
上記第2剥離起点部(P2)は、上記第2直線部(32)によって構成されており、
上記把持部(50B)は、上記第1直線部(22)および上記第2直線部(32)を接続する接続部材によって構成されている、構成1に記載の電気治療器。
【0101】
[構成5]
上記第1ライン(21)と上記本体部(10)とを接続する第1接続部(45)と、
上記第2ライン(31)と上記本体部(10)とを接続する第2接続部(46)と、を備え、
平面視した場合に、上記第1ライン(21)は、上記第1外縁部(13)よりも上記第2外縁部(14)側に位置し、
平面視した場合に、上記第2ライン(31)は、上記第2外縁部(14)よりも上記第1外縁部(13)側に位置し、
上記第1剥離起点部(P1)は、上記第1ライン(21)によって構成されており、
上記第2剥離起点部(P2)は、上記第2ライン(31)によって構成されており、
上記把持部(50C)は、上記本体部(10)によって構成されている、構成1に記載の電気治療器。
【0102】
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0103】
10 本体部、10c 裏面、11 収容ケース、11a 第1端部、11b 第2端部、12 回路部、13 第1外縁部、14 第2外縁部、15 操作部、20 第1電極部、21 第1ライン、21a 一端、21b 他端、22,23,24 外形ライン、30 第2電極部、31 第2ライン、31a 一端、31b 他端、32,33,34 外形ライン、40,40C パッド保持部、41 第1保持部、41a,42a 端部、42 第2保持部、43 接続部、45 第1接続部、46 第2接続部、50,50A,50B,50C 把持部、51 つまみ片部、52 摘まみ部、55 接続部材、61,62 電気経路、100,100A,100B,100C 電気治療器、P1 第1剥離起点部、P2 第2剥離起点部、P3 第1剥離終点部、P4 第2剥離終点部、PL1,PL2 仮想ライン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7