IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

特開2024-130108表示装置、時計、及び表示装置の製造方法
<>
  • 特開-表示装置、時計、及び表示装置の製造方法 図1
  • 特開-表示装置、時計、及び表示装置の製造方法 図2
  • 特開-表示装置、時計、及び表示装置の製造方法 図3
  • 特開-表示装置、時計、及び表示装置の製造方法 図4
  • 特開-表示装置、時計、及び表示装置の製造方法 図5
  • 特開-表示装置、時計、及び表示装置の製造方法 図6
  • 特開-表示装置、時計、及び表示装置の製造方法 図7
  • 特開-表示装置、時計、及び表示装置の製造方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130108
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】表示装置、時計、及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20240920BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240920BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240920BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20240920BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20240920BHJP
   G04G 17/04 20060101ALI20240920BHJP
   G04G 17/06 20060101ALI20240920BHJP
   G04G 19/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G02F1/1333
G09F9/00 347A
G09F9/30 309
G09F9/00 350Z
G09F9/00 313
G09F9/00 336J
G02F1/13 505
G02F1/13357
G04G17/04
G04G17/06
G04G19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039630
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】山川 英司
【テーマコード(参考)】
2F002
2H088
2H189
2H391
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2F002AA00
2F002AB02
2F002AB06
2F002AE02
2F002EA01
2H088EA27
2H088FA09
2H088HA07
2H088HA18
2H088HA28
2H088HA30
2H088MA20
2H189AA53
2H189AA55
2H189AA70
2H189AA72
2H189FA23
2H189FA56
2H189FA60
2H189HA16
2H189LA09
2H189LA17
2H189LA20
2H189LA22
2H189LA24
2H189MA15
2H391AA16
2H391AB04
2H391AC13
2H391AC53
2H391AD07
2H391EA13
2H391FA08
5C094AA43
5C094AA45
5C094BA43
5C094DA07
5C094HA03
5G435AA17
5G435BB12
5G435EE27
5G435EE47
5G435FF08
5G435FF11
5G435HH18
5G435KK02
5G435LL10
(57)【要約】
【課題】部品配置に自由度を持たせることができる、表示装置、時計、及び表示装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態にかかる表示装置は、ソーラーパネルと、電子部品が配置された回路基板と、前記ソーラーパネルと前記回路基板との間に配置されたODF液晶パネルと、前記ODF液晶パネルの外周部付近であって当該ODF液晶パネルと接触しない位置に配置され、前記ソーラーパネルと前記回路基板とを接続する接続部材と、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーパネルと、
電子部品が配置された回路基板と、
前記ソーラーパネルと前記回路基板との間に配置されたODF液晶パネルと、
前記ODF液晶パネルの外周部付近であって当該ODF液晶パネルと接触しない位置に配置され、前記ソーラーパネルと前記回路基板とを接続する接続部材と、を備える、表示装置。
【請求項2】
前記ODF液晶パネルは、
第1の基板と、
前記第1の基板に対向配置される第2の基板と、
前記第1の基板または前記第2の基板の対向面の外周縁に構成され、前記外周縁の全周を囲む枠部と、
前記枠部内に収容される液晶材と、を備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記接続部材は、前記ソーラーパネルと前記回路基板の積層方向に沿って延びるコイルばねである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記コイルばねは、一端から他端までの直径が略等しい、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ODF液晶パネルの外周と前記接続部材との距離は、前記枠部の厚みよりも小さい、請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記回路基板の前記ソーラーパネル側において、ODF液晶パネルの外周部付近に設けられるとともに、前記コイルばねを収容する保持孔を有するケースを備える、請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記回路基板の一方側に前記接続部材が配置される一方で、
前記回路基板の他方側にフレキシブル基板が接続される接続端子が配置される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記回路基板に対して前記ソーラーパネル側に対向配置される導光板と、前記回路基板上に配置され、前記導光板の側部に対向配置される発光体と、を有する照明装置を備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の表示装置と、
ケースと、
前記ケース内に設けられ、現在時刻を計時する計時部と、
を備える、時計。
【請求項10】
外周部に枠部が形成された第1の基板の前記枠部内に液晶材を滴下し、前記第1の基板に第2の基板を対向配置させて貼付けるODF法により、ODF液晶パネルを構成することと、
ソーラーパネルと回路基板との間に前記ODF液晶パネルを配置することと、
前記ODF液晶パネルの外周部付近であって、当該ODF液晶パネルと接触しない位置に、前記ソーラーパネルと前記回路基板とを接続する接続部材を配置することと、
を含む、表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、時計、及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、時計などの機器に用いられる表示装置において、LCDと導光板とを積層した液晶表示パネルを、各種電子部品を搭載した回路基板に対向配置する構成が知られている(例えば、特許文献1)。このような表示装置において、例えば太陽光発電素子を有するソーラーパネルを液晶表示パネル上に配置する場合に、コイル状のばねで基板とソーラーパネルの太陽光発電素子を電気的に接続することがあるが、基板と太陽光発電素子との間に液晶表示パネルが配置されているため、接続部材の配置に制約が生じる。例えば接続部材は、液晶表示パネルを避けて配置する必要があり、液晶表示パネルを大きくすると、さらに太陽光発電素子のサイズを大きくする必要がある。
【0003】
表示装置の製造方法として、例えば一対の液晶基板を、対向配置させるとともに、一部に柱液口となる開口を有する枠で周縁部を囲み、柱液口から一対の液晶基板間に液晶材を封入して硬化させる封止方法が採用されている。このように液晶材を注入する柱液口が形成される構成では、外周部において液晶基板の外周部よりも、注液口を塞ぐ封止材が突出して形成されるため、接続部材の配置がより困難となり、接続部材を含む装置内の部品の配置の自由度が低かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-148617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこうした課題を解決するためのものであり、部品配置に自由度を持たせることができる、表示装置、時計、及び表示装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態にかかる表示装置は、ソーラーパネルと、電子部品が配置された回路基板と、前記ソーラーパネルと前記回路基板との間に配置されたODF液晶パネルと、前記ODF液晶パネルの外周部付近であって当該ODF液晶パネルと接触しない位置に配置され、前記ソーラーパネルと前記回路基板とを接続する接続部材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば部品配置に自由度を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る時計の平面図。
図2】同時計の一部を示す説明図。
図3】同時計の表示装置の一部を示す側面図。
図4】同時計の表示装置のカバー及びソーラーパネルを示す平面図。
図5】同時計の表示装置の一部の構成を示す平面図。
図6】同時計の回路基板の平面図。
図7】比較例にかかる表示装置の一部を示す説明図。
図8】比較例にかかる表示装置の一部を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の1実施形態にかかる表示装置31及び機器としての時計1について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る時計1の一部を示す断面図である。図2は、表示装置31の一部を示す説明図である。図2において、一部の領域において部材を適宜省略して内部構成の断面を示す。図3は表示装置の一部を示す側面図である。図3において、説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して模式的に示す。図4はカバー14及びソーラーパネル37の構成を示す平面図である。図5は表示装置31の一部の平面図である。図5において一部の領域A1,A2において構成を一部切欠き内部構造を示す。図6は回路基板32の平面図である。本実施形態において1例として表示装置31が時計1の文字板に適用された例を示している。図中X、Y、Zは互いに直交する三方向をそれぞれ示す。X軸が時計1の3時と9時を結ぶ横方向、Y軸が時計1の12時と6時を結ぶ縦方向、Z軸を時計1の表裏方向及び積層方向として説明する。
【0010】
図1及び図2に示す時計1は、例えば腕時計であり、外郭を構成する時計ケース12と、時計ケース12内に設けられる時計モジュール13と、時計モジュール13の表側を覆うカバー14と、を備える。また、時計1は、時計ケース12の外周部の2箇所に接続される時計バンド16、時計ケース12の外周に配された複数のスイッチ、及び現在時刻を計時する計時部を備える。
【0011】
時計ケース12は、時計モジュール13の外周部に配されるハウジング21と、時計モジュール13の裏側に配置される裏蓋と、外装ケースと、を有する。時計ケース12は、ハウジング21及び裏蓋によって、時計モジュール13が配置される収容部を構成する。ハウジング21の表側の開口は、カバー14によって覆われる。本実施形態において時計ケース12は八角形状に構成される。
【0012】
ハウジング21は外周部において互いに対向する2箇所、例えば時計の6時と12時の位置に、それぞれ時計バンド16が取付けられるバンド取付部21aを備える。
【0013】
ハウジング21は金属または樹脂材料により形成される。ハウジング21は、時計ケース12の形状に対応する例えば八角形の枠状に構成される。ハウジング21には、内部に時計モジュール13等を収容する収容部が形成されている。ハウジング21は複数のケース部材を組み合わせて構成されていてもよい。1例として本実施形態におけるハウジング21は、メインケース部材24と、メインケース部材24の内周縁に設けられるインナーケース部材25(ケース)と、が組付けられて構成される。
【0014】
メインケース部材24は時計ケース12の形状に対応する例えば八角形の環状に構成される。メインケース部材24は、時計モジュール13及びインナーケース部材25の外周部を覆う。メインケース部材24の裏面側に、裏蓋との間を気密にする防水リングが装着される。
【0015】
例えばインナーケース部材25は、メインケース部材24の内周縁に設けられ、時計モジュール13の一部である回路基板32や表示装置31を支持する。インナーケース部材25は時計ケース12の形状に対応する形状、例えば八角形の枠状に構成される。
【0016】
図2に示すように、インナーケース部材25は回路基板32上に配されるフレーム部25aと、フレーム部25aから内側に突出するカバー壁25bと、を有する。
【0017】
フレーム部25aは、回路基板32上の周縁部から表側に立設する壁状部材である。フレーム部25aは液晶表示パネル35(液晶パネル)や照明装置36の外周に配される。
【0018】
フレーム部25aは、コイルばねを保持する保持孔25cが形成される。例えば保持孔25cは、軸方向が時計の表裏方向に沿って延びる円径の孔であり、接続部材38であるコイルばねが配置される。保持孔25cは、時計の6時側の位置において2カ所に一対形成される。
【0019】
カバー壁25bは、フレーム部25aの表側の端部から径方向内側に突出する壁であり、液晶表示パネル35の周縁の表側に対向する。例えばカバー壁25bは、インナーケース部材25の内周縁の少なくとも一部に設けられる。カバー壁25bは、表示装置31及び時計1の厚さ方向に直交し、液晶表示パネル35の周縁の表面側に対向配置され、液晶表示パネル35の周縁と当接し、液晶表示パネル35を裏面側に向かって押さえる。本実施形態において第1面25eは液晶表示パネル35を構成する表側の第1の電極基板41の外周縁に対向配置される。
【0020】
図1に示すように、外装ケース23は時計ケース12の形状に対応する例えば八角形の枠状に構成され、ハウジング21の外周の表側に設けられている。外装ケース23は、ビス等の接続部材によってハウジング21に固定されている。
【0021】
図2に示す時計モジュール13は、回路基板32と、回路基板32の表側に配置される時刻等の各種情報を表示する表示装置31と、を備える。時計モジュール13は、他に、電池、各種センサ部品、その他の時計機能に必要な各種部品を備える。本実施形態において積層配置される表示装置31や回路基板32は、時計ケース12の形状に対応する例えば八角形状に構成される。
【0022】
図2図3図5及び図6に示す回路基板32は、所定の配線パターンが形成されるとともに表面に複数の電子部品32aが搭載された基板である。回路基板32は導光板52の裏面側に対向配置される。
回路基板32には、表示装置31を動作させる駆動部としてのICや、アンテナ等の各種電子部品32aが搭載される。また、回路基板32の6時側の領域には発光体51として一対のLEDが設けられている。
【0023】
例えば本実施形態において、図6に示すように、縦方向の他方側である12時の位置にコネクタ接続用の接続端子32bが配置される。そして、縦方向の一方側である6時側において、一対の接続部材38が接続されるソーラー用接続端子部32cが配置される。そして、ソーラー用接続端子部32cの横方向外側である両側部に、発光体51が配置される。
【0024】
例えば一対の発光体51を結ぶ横方向の線と重なる位置、あるいはその近傍に、一対の接続部材38が配置される。
【0025】
なお、回路基板32の、6時側の領域であって、接続部材38よりも縦方向の一方側である外側の領域は、液晶表示パネル35と対向配置されないため、比較的背の高い電子部品32aが配置される。すなわち、液晶表示パネル35と対向する中央領域に設けられる電子部品32aのうち最も表側に配置される端部は、液晶表示パネル35と対向する中央領域に設けられる電子部品32aのうち最も表側に配置される端部よりも、低い配置となるように、各種電子部品32aが配置される。例えば回路基板32は、さらに、照明装置36の導光板52との積層方向の間隔を規制するスペーサが配置されてもよい。
【0026】
例えば図2乃至図4に示すように、表示装置31は、透過型の液晶表示パネル35(液晶表示パネル)と、照明装置36と、ソーラーパネル37と、接続部材38と、を備える、表示装置である。一例として表示装置31は、デジタル方式の表示部であり、デジタル表示機能を備える。
【0027】
図2及び図3に示すように、液晶表示パネル35は、表裏方向に積層される一対の透明な第1の電極基板41(第1の基板)、第2の電極基板42(第2の基板)と、一対の第1の電極基板41の表面及び第2の電極基板42の間に配される液晶層43と、一対の第1の電極基板41の表面及び第2の電極基板42の裏面にそれぞれ積層される一対の第1の偏光板44,第2の偏光板45と、光学シート46と、を備える。液晶表示パネル35は、ODF(ワンドロップフィル)方法で製造されたODF液晶パネルである。
【0028】
一対の透明な第1の電極基板41,第2の電極基板42は、例えばガラス基板であり、対向面においてマトリクス状に配列される透明電極を有する。一対の第1の電極基板41,第2の電極基板42の透明電極が重なり合う部分が画素を構成し、マトリクス状に配列される画素が形成される。例えば液晶表示パネル35は回路基板32に電気的に接続され、回路基板32から駆動信号が与えられることにより、情報を電気光学的に表示する。すなわち、液晶表示パネル35は、第1の電極基板41,第2の電極基板42の透明電極に選択的に電圧が印加されることにより、マトリクス状に配列された画素が選択的に遮光状態となることで、文字や図柄などの情報を電気光学的に表示する。一例として、下側の電極基板42は12時側の部位が上側の電極基板41よりも外方に突出する外周部を有し、当該突出した部位にフレキシブル基板39が接続され、縦方向における反対側の領域に接続部材38が配置される。したがって、例えばフレキシブル基板39を12時側に配置することによって反対の6時側に形成されるスペースを、有効活用することができる。
【0029】
図3に示すように、液晶層43は、接着剤で構成される周枠部43aと、周枠部43aに囲まれる液晶材部43bと、を備える。
【0030】
周枠部43aは例えばUV硬化ペーストなどの接着剤で構成される。すなわち、第1の電極基板41または第2の電極基板42のいずれかにおいて、全周に供給された接着剤が硬化されることで、液晶材部43bの全周を覆う周枠部43aが形成される。
【0031】
液晶材部43bは、液晶材料で構成される。接着剤の周枠部43a内に供給されている。本実施形態にかかる液晶材部43bは、貼り合わせ前に供給され、液晶材部43bは周枠部43a内に全て収まるため、第1の電極基板41や第2の電極基板42の外形よりも内側に収まり、基板41,42の外形よりも外側に突出しない。
【0032】
第2の偏光板45は、液晶表示パネル35の裏面となる裏側を構成する。第2の偏光板45は、照明装置36の表側に密着して対向配置される。
【0033】
光学シート46は、反射防止フィルムである。例えば光学シート46はモスマイトフィルムである。
【0034】
例えば図2に示すように、液晶表示パネル35の表側の第1の電極基板41は周縁においてインナーケース部材25のカバー壁25bの裏側に対向配置され、表側の第1の偏光板44はインナーケース部材25のカバー壁25bよりも内周側に配置される。
【0035】
図2及び図3に示す液晶表示パネル35は、ODF法により形成される。例えば電極基板41,42のいずれか一方側の対向面に、接着剤を外周縁の全周に塗布して周枠部を形成し、周枠部内に液晶材を滴下した後、電極基板41,42のいずれか他方を重ねて貼り合わせ、例えばUVによる仮硬化、熱による本硬化工程を経て、液晶表示パネル35が形成される。
【0036】
図2及び図6に示すように、照明装置36は、液晶表示パネル35の裏側に設けられ、液晶表示パネル35の裏側から光を照射する。照明装置36は、図6に示す発光体51と、図2に示す導光板52と、を備える。
【0037】
図6に示すように、発光体51は、回路基板32上に、搭載される。発光体51は、回路基板32上において、導光板52の外周側に設けられる。具体的には、発光体51は、導光板52の一方の側部に対向配置される。1例として、発光体51は複数設けられ、6時側の領域において、2箇所、例えば7時と5時の位置付近にそれぞれ発光体51が配置される。発光体51は、例えば発光ダイオード(LED)素子であり、白色光などの可視光線領域の光を発光する。発光体51は、回路基板32と電気的に接続される。
【0038】
発光体51は導光板52の端面に向けて光を照射する光源を有する。発光体51の導光板52に対向する対向面における中心に、光源が配置される。例えば本実施形態において、光源は、6時側の端部から、12時側に向けて、光を照射する。
【0039】
例えば腕に装着する時計の特性上、腕を傾けて6時方向を下、12時方向を上にすることが多いため、発光体51による光を6時側から入射させた方が、画面が見やすくなる特性がある。したがって、本実施形態において、発光体51を6時方向に配置することで、画面を見やすくすることができる。
【0040】
導光板52は、透明または半透明の光透過性を有する材料から板状に構成される。例えば導光板52は、回路基板32の外形よりも小さく、回路基板32の中央部の実装エリアに対向する。
【0041】
また、図6において外形を破線で示すように、導光板52は液晶表示パネル35の外形よりも大きい板状に構成される。導光板52は、時計1や回路基板32の外形と同様に、八角形状の外形を有する。導光板52において6時側となる下縁部分においては、接続部材38が配置される部位よりも横方向外側となる両側部において、発光体51に対向する2カ所が、6時側に突出している。
【0042】
導光板52は、発光体51からの光を、表側面から均一に放出するように導光する所定の導光パターンが形成され、入射光を上面(表面)から放出する様に構成される。
【0043】
なお、照明装置36は、反射板や、拡散板をさらに備えてもよい。
【0044】
図2乃至図4に示すように、ソーラーパネル37は、液晶表示パネル35の表面側に対向配置される。ソーラーパネル37は例えばカバー14の裏面に、OCA等で構成される両面接着テープ等の接合部材を介して貼付けられる。ソーラーパネル37の裏面側にはモスマイトフィルム等の光学シート37b等が設けられていてもよい。ソーラーパネル37の、裏面側の所定カ所には接続部材38を介して回路基板32に接続される端子部37aが形成される。端子部37aは接続部材38を介して、電気的に、回路基板32に接続される。
【0045】
図1乃至図3図5及び図6に示すように、接続部材38は、液晶表示パネル35の外周部付近であって当該液晶表示パネル35と接触しない位置に設けられる。接続部材38は、ソーラーパネル37と回路基板32とを接続する。例えば接続部材38は、時計の6時側の領域において、12時と6時を結ぶ縦方向の線を中心に、両側部に配置される。接続部材38は例えばコイルばねであり、一端から他端までの直径が略等しく構成される。接続部材38は、フレーム部25aに形成された保持孔25cに収容され、保持される。接続部材38は、一端がソーラーパネル37の端子部37aに押しつけられ、他端が回路基板32に押しつけられることで、ソーラーパネル37と回路基板32とを電気的に接続する。例えば接続部材38とODF液晶表示パネル35の外周との距離は、周枠部43aの第1方向の寸法である厚みよりも小さい。
【0046】
図1乃至図4に示すカバー14は、例えばSiO2ガラス等の無機ガラス等で形成された透明な部材である。例えばカバー14は透明な八角形状の時計ガラスであり、時計モジュール13の表側に配され、時計モジュール13を覆う。例えば、カバー14はハウジング21の表側の開口の内周縁に支持される。カバー14の外周とハウジング21の内周縁の間にはパッキンが介装される。
【0047】
本実施形態にかかる時計の製造方法として、まず図3に示すように、外周部全周に周枠部43aが形成された第1の電極基板41の周枠部43a内に液晶材を滴下し、第1の電極基板4と第2の電極基板42を対向配置させて貼付けるODF法により、液晶表示パネル35を構成する。なお、電極基板41,42は反対としてもよく、例えば第2の電極基板42に周枠部43aを貼付け、液晶材を滴下した後、第1の電極基板41を貼り合わせてもよい。そして、回路基板32の表側に液晶表示パネル35を配置し、液晶表示パネル35の表側にソーラーパネル37を配置し、回路基板32上の液晶表示パネル35の外周部に、回路基板32とソーラーパネル37を接続する接続部材38を配置する。
【0048】
本実施形態に係る表示装置31によれば、液晶表示パネル35を封止法ではなく、ODF法で作成し、周枠部43a内に液晶材が収まる構成としたことで、封止材が液晶基板よりも突出して配置されることを防止でき、液晶表示パネル35の外面のすぐ近くに、ソーラーパネル37と回路基板32とを接続させるための接続部材38を配置することができる。したがって、スペースを有効に利用でき、装置の小型化が可能となる。
【0049】
図7及び図8は比較例にかかる表示装置31Aの一部の構成を示す説明図である。図7において、説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して模式的に示す。図8は比較例にかかる表示装置31Aの一部の構成を示す平面図である。図8において、説明のため、一部の領域A11,A12において部材を適宜省略して内部構成を示す。また、説明のため図7及び図8において封止材143dをハッチングにて示す。例えば比較例として図7及び図8に示す表示装置31Aは、封止法により構成される液晶パネル135を有する。例えば比較例にかかる液晶パネル135は、第1の電極基板141と、第2の電極基板142とが、注液口143cを有するシール部143aを介して張り合わされた状態で、注液口143cから液晶材を注入し、液晶材部を形成した後、注液口143cに封止材143dを供給して封止する。すなわち、液晶表示パネル135は、説明のため図7図8にハッチングで示すように、第1の電極基板141と第2の電極基板142よりも、外方に突出する封止材143dが設けられる。このように、封止材143dが電極基板141,142から突出して設けられると、接続部材138と干渉してしまい、接続部材138を配置するスペースが限られる。一方で、表示装置31Aにおいて、発光体(LED)を配置する都合上、接続部材138は、封止材143dと干渉するような位置に設ける必要があり、部品の配置が困難となる。これに対し、実施形態にかかる液晶表示パネル35は、封止材143dが無く、接続部材38の配置できるスペースを確保でき、他の周辺部品や各種電子部品32aの配置の自由度が大きい。
【0050】
また、実施形態にかかる液晶表示パネル35は、接続部材38のスペースを確保できることから、接続部材の形状の制約を緩和できる、例えば配置スペースが無い場合にはフレキシブル基板等の高額な接続部材を用いる必要があったが、安価なコイルばねを配置可能となるため、低コストで実現できるとともに、スペースが少なく、取付工数も少なくすることができる。さらに、実施形態にかかる液晶表示パネル35は、封止材143dがある構成と比べて、ソーラーパネルの外形も小さくできる。
【0051】
上記実施形態において、液晶表示パネル35は、基板41,42と、対向面の外周縁の全周を囲む周枠部43aと、周枠部43a内に収容される液晶材部43bと、を備える構成とし、封止材による封止が不要で、外周部に突出部のない構成とすることができる。
【0052】
上記実施形態において接続部材38は、ソーラーパネル37と回路基板32の積層方向に沿って延びるコイルばねとし、例えばフレキシブル基板などで部材を迂回して接続する構成と比べて単純な構成とすることができ、安価に実現できる。さらに、コイルばねは、一端から他端までの直径が略等しい構成とし、安価な部材を適用できる
上記実施形態において液晶表示パネル35の外周と接続部材38との距離は、液晶材を封止する周枠部43aの厚みよりも小さい構成とし、より小型化が可能となる。
【0053】
回路基板32の表側に液晶表示パネル35の外周部付近に設けられるとともに、コイルばねを収容する保持孔25cを有するインナーケース部材25を備える構成とし、接続部材38であるコイルばねを容易に組付けることができる。
【0054】
回路基板32の縦方向の一方側に接続部材38が配置され、他方側にフレキシブル基板39が接続される接続端子32bが配置される構成とし、スペースを有効活用することができる。
【0055】
回路基板32に対してソーラーパネル37側に対向配置される導光板52と、回路基板32上に配置され、導光板52の側部に対向配置される発光体51と、を有する照明装置36を備えることにより、回路基板32上のスペースを有効活用して照明装置36を設けることができる。
【0056】
さらに、上記実施形態において外周部に周枠部43aが形成された基板41、42の周枠部43a内に液晶材を滴下し、基板41,42を対向配置させて貼付けるODF法により表示装置31を構成し、回路基板32上に表示装置31、ソーラーパネル37、を配置し、外周部に、接続部材38を配置することにより、小型で安価な機器の製造方法を提供できる。
【0057】
なお、上述した実施形態は例示であり、発明の範囲を限定するものではない。
【0058】
例えば上記実施形態において機器の一例として時計1を例示したが、これに限られるものではない。例えばソーラーパネルを備えた電卓等の他の機器にも適用可能である。
また、複数の実施形態における特徴を組み合わせてもよい。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1…時計
13…時計モジュール
14…カバー
16…時計バンド
21…ハウジング
21a…バンド取付部
22…裏蓋
23…外装ケース
24…メインケース部材
24a…溝
25…インナーケース部材
25a…フレーム部
25b…カバー壁
31…表示装置
32…回路基板
36…照明装置
37…ソーラーパネル
38…接続部材
41…第1の電極基板(第1の基板)
42…第2の電極基板(第2の基板)
44…第1の偏光板
45…第2の偏光板
46…光学シート
51…発光体
52…導光板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8