(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013012
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】端末装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240124BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114903
(22)【出願日】2022-07-19
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FeliCa
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】サービスをユーザに提供する場所の装置における処理負荷を軽減すること。
【解決手段】本願に係る端末装置は、ユーザが利用する端末装置であって、情報取得部と、算出部と、情報出力部とを備える。情報取得部は、サービスを提供する場所の装置から、サービスに関する指標の種別を示す指標種別情報を取得する。算出部は、ユーザの情報であるユーザ情報に基づいて、情報取得部によって取得された指標種別情報で示される種別の指標の値である指標値を算出する。情報出力部は、算出部によって算出された指標値の情報である指標情報を場所の装置に出力する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスを提供する場所の装置から、前記サービスに関する指標の種別を示す指標種別情報を取得する情報取得部と、
ユーザの情報であるユーザ情報に基づいて、前記情報取得部によって取得された前記指標種別情報で示される種別の指標の値である指標値を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記指標値の情報である指標情報を前記場所の装置に出力する情報出力部と、を備える
ことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記指標値は、
前記場所の装置の動作設定を示す設定値または前記設定値に対応する値である
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記場所の装置は、
前記場所に設置され前記ユーザに前記サービスを提供する装置である
ことを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記場所の装置は、
複数の前記ユーザが同時に利用する場合、複数の前記端末装置から出力される複数の前記指標情報に応じた設定値で動作する
ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記場所の装置は、
前記場所に設置され前記サービスとして前記ユーザに提供される提供物を製造する装置である
ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項6】
前記ユーザ情報は、
前記ユーザの属性情報、前記ユーザの行動履歴情報、および前記ユーザのコンテキストの情報のうちの少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項7】
端末装置が実行する情報処理方法であって、
サービスを提供する場所の装置から、前記サービスに関する指標の種別を示す指標種別情報を取得する情報取得工程と、
ユーザの情報であるユーザ情報に基づいて、前記情報取得工程によって取得された前記指標種別情報で示される種別の指標の値である指標値を算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された前記指標値の情報である指標情報を前記場所の装置に出力する情報出力工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
サービスを提供する場所の装置から、前記サービスに関する指標の種別を示す指標種別情報を取得する情報取得手順と、
ユーザの情報であるユーザ情報に基づいて、前記情報取得手順によって取得された前記指標種別情報で示される種別の指標の値である指標値を算出する算出手順と、
前記算出手順によって算出された前記指標値の情報である指標情報を前記場所の装置に出力する情報出力手順と、を端末装置に実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宿泊施設、飲食店、およびスポーツ施設などのようにユーザにサービスを提供する場所において、ユーザの情報に基づいて、ユーザにサービスを提供するサービス提供装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、過去にサービスを利用した複数のユーザの各々の行動履歴と行動履歴に含まれるサービスの利用結果との関係が学習された学習モデルを用いてユーザによるサービスの利用を予測し、予測した結果に基づいて、ユーザにサービスを提供する提供装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術では、場所に設けられた提供装置が、ユーザの端末装置からユーザの情報を取得し、取得したユーザの情報を学習モデルに入力することによって、ユーザによるサービスの利用を予測する。そのため、上記の従来技術では、場所に設けられた提供装置における処理負荷が大きいといった課題がある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、サービスをユーザに提供する場所の装置における処理負荷を軽減することができる端末装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る端末装置は、情報取得部と、算出部と、情報出力部とを備える。情報取得部は、サービスを提供する場所の装置から、サービスに関する指標の種別を示す指標種別情報を取得する。算出部は、ユーザの情報であるユーザ情報に基づいて、情報取得部によって取得された指標種別情報で示される種別の指標の値である指標値を算出する。情報出力部は、算出部によって算出された指標値の情報である指標情報を場所の装置に出力する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、サービスをユーザに提供する場所の装置における処理負荷を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る場所設置装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る場所制御装置の構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る端末装置の構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る場所設置装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る場所制御装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る端末装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る場所装置および端末装置の各々の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る端末装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る端末装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【0012】
図1に示す端末装置2は、サービスを提供する場所AR
1~AR
mの装置から、サービスの指標に関する情報である指標関連情報を取得し、取得した指標関連情報に基づいて、サービスに関する指標の値を示す指標値の情報である指標情報を出力する。mは、2以上の整数である。以下において、サービスを提供する場所AR
1~AR
mをサービス提供場所AR
1~AR
mと記載し、複数のサービス提供場所AR
1~AR
mの各々を個別に区別せずに示す場合、サービス提供場所ARと記載する場合がある。
【0013】
サービス提供場所ARは、例えば、飲食店、宿泊施設、小売店、スポーツ施設、娯楽施設、会議室、図書館、自習室、病院、整骨院、マッサージ店、美容院、理髪店などであるが、これらの例に限定されない。サービス提供場所ARによって提供されるサービスは、サービス提供場所ARでの主目的となる主サービスと、サービス提供場所ARでの付帯サービスとを含む。
【0014】
サービス提供場所ARが飲食店である場合、主サービスは、飲食物の提供などであり、付帯サービスは、店舗内の照明、空調、椅子、およびテーブルなどの設備を用いた場所環境の提供などである。
【0015】
また、サービス提供場所ARが宿泊施設である場合、主サービスは、ベッド、椅子、机、浴室、照明装置、および空調装置などを含む宿泊設備の提供であり、付帯サービスは、例えば、自動販売機による飲食物の提供サービス、会議室の提供サービスなどである。
【0016】
サービス提供場所ARには、ユーザUにサービスを提供する装置である場所設置装置1A1~1Anが設けられる。nは、例えば、2以上の整数である。場所設置装置1A1~1Anは、サービス提供場所ARに設置され、端末装置2のユーザUにサービスを提供するために設けられた装置である。場所設置装置1A1~1Anを用いてサービス提供場所ARで提供されるサービスは上述した主サービスまたは上述した付帯サービスである。以下において、場所設置装置1A1~1Anの各々を個別に区別せずに示す場合、場所設置装置1Aと記載する場合がある。
【0017】
サービス提供場所ARが飲食店である場合、場所設置装置1A1~1Anは、主サービスで提供される飲食物の調理を行う調理装置や自動配膳装置、飲食物をユーザUが注文するために用いる注文受付装置、付帯サービスで提供される椅子、テーブル、照明装置、空調装置などである。
【0018】
また、サービス提供場所ARが宿泊施設である場合、場所設置装置1A1~1Anは、主サービスで提供される宿泊施設の設備(例えば、ベッド、浴室、照明装置、空調装置、テレビ受像機など)、付帯サービスで提供される自動販売機、会議室の設備(例えば、照明、空調、椅子、およびテーブルなど)などである。
【0019】
ユーザUは、サービス提供場所ARを訪れることによって、サービス提供場所ARにおいてサービスの提供を受けることができる。ユーザUがサービス提供場所ARを訪れた場合、ユーザUが携帯する端末装置2は、サービス提供場所ARの装置と通信して、情報の送受信を行う。
【0020】
場所設置装置1Aは、端末装置2と近距離無線通信などによって通信を行い(ステップS1)、情報取得モードを決定する(ステップS2)。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Felica、ISO/IEC14443(MIFARE)などである。なお、端末装置2と場所設置装置1Aとの間の通信は、近距離無線通信に代えて、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワークを介して行われてもよい。また、ステップS2の処理は、例えば、場所設置装置1Aから予め定められた範囲に端末装置2が位置する場合に実行されるが、かかる例に限定されない。
【0021】
場所設置装置1Aによって決定される情報取得モードは、第1情報取得モードおよび第2情報取得モードのうちのいずれかである。第1情報取得モードは、端末装置2に学習モデルの情報を指標関連情報として送信し、端末装置2が学習モデルの情報を用いて得た指標情報を端末装置2から取得する情報取得モードである。第2情報取得モードは、端末装置2に指標種別情報を指標関連情報として送信し、指標種別情報に応じた指標情報を端末装置2から取得する情報取得モードである。
【0022】
まず、第1情報取得モードについて説明する。第1情報取得モードで端末装置2に指標関連情報として送信される学習モデルの情報は、ユーザUの情報であるユーザ情報を入力としサービスに関する指標の値を示す指標値の情報である指標情報を出力とするモデルの情報である。
【0023】
学習モデルの情報は、例えば、端末装置2でユーザ情報から指標情報を得ることができるように学習モデルを用いるための情報であり、例えば、学習モデルによる処理を端末装置2に実行させるためのプログラム(学習モデルのパラメータを含む)の情報、または学習モデルの種別や構成を示す情報や学習モデルのパラメータの情報などを含む情報などであるが、かかる例に限定されない。
【0024】
学習モデルに入力されるユーザ情報は、ユーザUの属性情報、ユーザUの行動履歴情報、およびユーザUのコンテキスト情報のうちの少なくとも1つである。ユーザUの属性情報は、ユーザUの属性を示す情報であり、ユーザUの属性は、例えば、ユーザUのデモグラフィック属性やユーザUのサイコグラフィック属性などである。
【0025】
ユーザUの行動履歴情報は、ユーザUの過去の行動の履歴情報であり、ユーザUの過去のオンラインの行動またはオフラインの行動である。例えば、ユーザUの過去のコンテンツの閲覧情報、ユーザUの過去の取引対象の購入情報、およびユーザUの過去のコンテンツの検索情報などのうちの1以上を含む。コンテンツは、例えば、ウェブコンテンツである。
【0026】
ユーザUのコンテキスト情報は、ユーザUのコンテキストを示す情報であり、ユーザUのコンテキストは、ユーザUの状況であり、例えば、端末装置2に内蔵された1以上のセンサから得られるユーザUの状況(ユーザUの位置、ユーザUの向き、ユーザUの動作、ユーザUの体温、ユーザUの心拍数、ユーザUの脈拍など)である。
【0027】
サービスに関する指標は、場所設置装置1Aの動作または処理を規定する指標である。例えば、場所設置装置1Aが、肘掛けの高さ、リクライニングの角度、座部の高さ、座部の柔らかさなどが電動で変更可能な電動椅子である場合、場所設置装置1Aで提供されるサービスは、電動椅子の利用サービスであり、サービスに関する指標は、例えば、肘掛けの高さ、リクライニングの角度、座部の高さ、座部の柔らかさなどである。
【0028】
また、場所設置装置1Aが、自動配膳装置である場合、場所設置装置1Aで提供されるサービスは、飲食物の提供サービスであり、サービスに関する指標は、例えば、配膳される飲食物に含める材料の種類、飲食物の量、飲食物の温度などである。例えば、自動配膳装置がコーヒーメーカである場合、サービスに関する指標は、例えば、コーヒー豆の種類、ミルクの有無、コーヒーの量、ミルクの量、コーヒーの温度などである。自動配膳装置は、ユーザUに提供される提供物を製造する場所設置装置の一例である。
【0029】
また、場所設置装置1Aが、注文受付装置である場合、場所設置装置1Aで提供されるサービスは、飲食物の注文受付サービスであり、サービスに関する指標は、例えば、ユーザUに提供されるメニューにおける飲食物の種類、メニューにおける飲食物の順番、メニューにおける飲食物の提示態様などである。
【0030】
また、場所設置装置1Aが、音楽提供装置である場合、場所設置装置1Aで提供されるサービスは、音楽を提供するサービスであり、サービスに関する指標は、例えば、提供する音楽の種類、音楽の音量、音楽の音質などである。音楽の種類は、例えば、音楽のジャンル、歌手、作曲者、作詞者などで規定される。
【0031】
上述した学習モデルは、例えば、畳み込みニューラルネットワークなどのニューラルネットワークによる機械学習によって生成される。なお、かかる例に限定されず、学習モデルは、ニューラルネットワークに代えて、線形回帰、非線形回帰、ロジスティック回帰、またはサポートベクタマシンといったその他の学習アルゴリズムによる機械学習を用いて生成されてもよい。
【0032】
上述した学習モデルから出力される指標情報は、例えば、サービスに関する指標の値である指標値の情報である。サービスに関する指標が、電動椅子の肘掛けの高さである場合、サービスに関する指標の値は、電動椅子の肘掛けの高さを示す値である。また、サービスに関する指標が、コーヒー豆の種類である場合、サービスに関する指標の値は、コーヒー豆の種類を示す値である。また、サービスに関する指標が、音楽の音質である場合、サービスに関する指標の値は、音楽の音質を示す値である。
【0033】
学習モデルは、ユーザ情報に基づいて、ユーザUに適した指標情報を出力することができ、ユーザ情報を入力した学習モデルから出力される指標情報に基づいて、場所設置装置1Aは、ユーザUに適したサービスを提供することができる。
【0034】
学習モデルは、例えば、指標の値とユーザUの情報とを含む学習用データを用いて生成される。例えば、学習モデルは、ユーザUによって設定された指標の値をラベルデータとして含み且つユーザUの属性情報を含む学習用データを用いて生成される。
【0035】
また、学習モデルは、例えば、ユーザUによって設定された指標の値をラベルデータとして含み且つ指標値の設定前のユーザUの情報(例えば、ユーザUAの行動履歴情報やユーザUのコンテキスト情報など)を含む学習用データを用いて生成される。指標値の設定前のユーザUの情報は、例えば、ユーザUによって指標の値が設定されたときから予め定められた期間前までのユーザUの情報である。なお、学習モデルの生成方法は、上述した例に限定されない。
【0036】
次に、第2情報取得モードについて説明する。第2情報取得モードは、上述したように、端末装置2に指標種別情報を指標関連情報として送信し、指標種別情報に応じた指標情報を端末装置2から取得する情報取得モードである。第2情報取得モードにおいて端末装置2から出力される指標情報は、第1情報取得モードにおいて端末装置2から出力される指標情報と同じである。
【0037】
端末装置2に送信される指標種別情報は、場所設置装置1Aによって提供されるサービスに関する指標の種別である指標種別を示す情報を含む。例えば、場所設置装置1Aが上述した電動椅子である場合、指標種別は、例えば、肘掛けの高さ、リクライニングの角度、座部の高さ、座部の柔らかさなどである。
【0038】
また、場所設置装置1Aが自動配膳装置である場合、指標種別は、例えば、コーヒー豆の種類、ミルクの有無、コーヒーの量、ミルクの量、コーヒーの温度などである。また、場所設置装置1Aが音楽提供装置である場合、指標種別は、例えば、提供する音楽の種類、音楽の音量、音楽の音質などである。
【0039】
また、指標種別情報には、場所設置装置1Aによって提供されるサービスに関する指標の値である指標値の算出に用いる情報である算出用情報がさらに含まれていてもよい。算出用情報には、例えば、指標値の算出式の情報または学習モデルの情報などが含まれる。かかる学習モデルの情報は、例えば、第1情報取得モードにおける学習モデルの情報と同じである。
【0040】
ステップS1において、場所設置装置1Aは、例えば、端末装置2から出力される端末情報に基づいて、端末装置2に応じた情報取得モードを決定する。端末情報は、例えば、端末装置2が対応できる情報取得モードを示す情報である。
【0041】
例えば、場所設置装置1Aは、第1情報取得モードだけに対応できる端末装置2であることを端末情報が示す場合、情報取得モードとして第1情報取得モードを決定し、第2情報取得モードだけに対応できる端末装置2であることを端末情報が示す場合、情報取得モードとして第2情報取得モードを決定する。
【0042】
また、場所設置装置1Aは、第1情報取得モードおよび第2情報取得モードのいずれにも対応できる端末装置2であることを端末情報が示す場合、第1情報取得モードおよび第2情報取得モードのうち予め定められた情報取得モードを決定する。
【0043】
つづいて、場所設置装置1Aは、ステップS2で決定した情報取得モードに応じた指標関連情報を提供する(ステップS3)。ステップS3の処理において、場所設置装置1Aは、場所設置装置1Aが提供するサービスに関する学習モデルの情報または指標種別情報を指標関連情報として端末装置2に送信する。
【0044】
例えば、場所設置装置1Aは、ステップS2で決定した情報取得モードが第1情報取得モードである場合、学習モデルの情報を指標関連情報として端末装置2に送信し、ステップS2で決定した情報取得モードが第2情報取得モードである場合、指標種別情報を指標関連情報として端末装置2に送信する。
【0045】
場所設置装置1Aが提供するサービスに関する指標の種別が複数ある場合、場所設置装置1Aから提供される学習モデルの情報は、種別毎の学習モデルの情報である。なお、種別毎の学習モデルの情報は、ユーザ情報を入力としサービスに関する各種別の指標の値を示す情報を指標情報として出力する学習モデルの情報を含む。
【0046】
また、場所設置装置1Aが提供するサービスに関する指標の種別が複数ある場合、場所設置装置1Aから提供される指標種別情報は、場所設置装置1Aが提供するサービスに関する複数種類の指標種別情報を含む。
【0047】
つづいて、端末装置2は、場所設置装置1Aから提供される情報取得モードに応じた情報である指標関連情報を受信し、受信した指標関連情報に応じた指標情報を場所設置装置1Aに送信する(ステップS4)。
【0048】
例えば、端末装置2は、受信した指標関連情報が学習モデルの情報である場合、かかる学習モデルの情報で示される学習モデルにユーザ情報を入力し、かかる学習モデルから出力される指標情報を場所設置装置1Aに送信する。
【0049】
また、端末装置2は、受信した指標関連情報が指標種別情報である場合、かかる指標種別情報で示される種別の指標の値である指標値を、ユーザ情報に基づいて算出する。そして、端末装置2は、算出した指標値の情報を含む指標情報を場所設置装置1Aに送信する。
【0050】
つづいて、場所設置装置1Aは、端末装置2から送信される指標情報に基づいて動作する(ステップS5)。例えば、場所設置装置1Aが上述した電動椅子である場合、場所設置装置1Aは、ステップS5において、例えば、肘掛けの高さの調整、リクライニングの角度の調整、座部の高さの調整、座部の柔らかさの調整などを端末装置2から送信された指標情報に基づいて実行する。
【0051】
また、場所設置装置1Aが自動配膳装置である場合、場所設置装置1Aは、例えば、配膳される飲食物に含める材料の選択、飲食物の量の調整、飲食物の温度の調整などを端末装置2から送信された指標情報に基づいて実行して飲食物の配膳を行う。
【0052】
なお、サービス提供場所ARの装置には、上述した場所設置装置1A1~1Anを制御可能な装置である場所制御装置1Bが含まれており、端末装置2は、場所制御装置1Bを介して場所設置装置1A1~1Anを制御することもできる。
【0053】
この場合、場所制御装置1Bは、端末装置2と通信を行い、端末装置2から送信されるユーザUの位置を示す位置情報に基づいて、ユーザUの位置から予め定められた範囲に位置する場所設置装置1Aの指標関連情報を端末装置2に送信する。端末装置2は、場所制御装置1Bからの指標関連情報に基づいて、指標情報を生成し、生成した指標情報を場所制御装置1Bに送信する。
【0054】
場所制御装置1Bは、端末装置2からの指標情報をユーザUの位置から予め定められた範囲に位置する場所設置装置1Aに送信する。これにより、ユーザUの位置から予め定められた範囲に位置する場所設置装置1Aが場所制御装置1Bを経由して端末装置2からの指標情報を取得し、取得した指標情報に基づいて動作する。
【0055】
このように、端末装置2は、第1情報取得モードにおいて、サービスを提供する場所を利用するユーザの情報であるユーザ情報を入力としサービスに関する指標の値を示す指標値の情報である指標情報を出力とする機械学習によって生成された学習モデルの情報を場所設置装置1Aまたは場所制御装置1Bから取得し、かかる学習モデルにユーザ情報を入力して学習モデルから出力される指標情報を場所設置装置1Aまたは場所制御装置1Bに出力する。これにより、端末装置2は、サービス提供場所ARの装置における処理負荷を軽減することができる。
【0056】
また、端末装置2は、第2情報取得モードにおいて、場所設置装置1Aまたは場所制御装置1Bから、サービスに関する指標の種別を示す指標種別情報を取得し、かかる指標種別情報で示される種別の指標の値である指標値を算出し、算出した指標値の情報である指標情報を場所設置装置1Aまたは場所制御装置1Bに出力する。これによっても、端末装置2は、サービス提供場所ARの装置における処理負荷を軽減することができる。
【0057】
以下、このような処理を行う端末装置2、場所設置装置1A、および場所制御装置1Bを含む情報処理システムの構成などについて、詳細に説明する。
【0058】
〔2.情報処理システムの構成〕
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、複数の場所設置装置1Aと、場所制御装置1Bと、複数の端末装置2とを含む。複数の場所設置装置1Aと場所制御装置1Bとはサービス提供場所AR毎に設けられる。以下において、場所設置装置1Aおよび場所制御装置1Bの各々を個別に区別せずに示す場合、場所装置1と記載する場合がある。なお、場所制御装置1Bは、例えば、サービス提供場所ARの外部に設けられてもよい。
【0059】
複数の場所装置1の各々と複数の端末装置2の各々とは、近距離無線通信によって互いに通信可能である。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth、Felica、ISO/IEC14443などである。
【0060】
また、複数の場所装置1の各々と複数の端末装置2の各々とは、ネットワークNを介して、有線または無線により互いに通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LANや、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。WANは、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などを含む。
【0061】
各端末装置2は、例えば、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話機、またはPDA(Personal Digital Assistant)などである。各端末装置2は、ユーザUによって操作される。なお、各端末装置2は、上述した例に限定されず、例えば、スマートウォッチまたはウェアラブルデバイス(Wearable Device)などであってもよい。
【0062】
〔3.場所設置装置1Aの構成〕
図3は、実施形態に係る場所設置装置1Aの構成の一例を示す図である。
図3に示すように、実施形態に係る場所設置装置1Aは、通信部10Aと、記憶部11Aと、機能実行部12
1~12
kと、処理部13Aとを備える。kは、2以上の整数である。以下において、機能実行部12
1~12
kの各々を個別に区別せずに示す場合、機能実行部12と記載する場合がある。
【0063】
〔3.1.通信部10A〕
通信部10Aは、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部10Aは、近距離無線通信によって場所制御装置1Bおよび端末装置2の各々との間で情報の送受信を行う。
【0064】
通信部10Aは、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、場所制御装置1Bおよび端末装置2の各々との間で情報の送受信を行うこともできる。
【0065】
〔3.2.記憶部11A〕
記憶部11Aは、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0066】
記憶部11Aには、例えば、上述した学習モデルの情報および指標種別情報が指標毎に記憶される。学習モデルの情報は、ユーザUの情報であるユーザ情報を入力としサービスに関する指標の値を示す指標値の情報である指標情報を出力とするモデルの情報である。
【0067】
学習モデルに入力されるユーザ情報は、ユーザUの属性情報、ユーザUの行動履歴情報、およびユーザUのコンテキスト情報のうちの少なくとも1つである。ユーザUの属性情報は、ユーザUの属性を示す情報であり、ユーザUの属性は、例えば、ユーザUのデモグラフィック属性やユーザUのサイコグラフィック属性などである。
【0068】
ユーザUの行動履歴情報は、ユーザUの過去の行動の履歴情報であり、ユーザUの過去のオンラインの行動またはオフラインの行動である。例えば、ユーザUの過去のコンテンツの閲覧情報、ユーザUの過去の取引対象の購入情報、およびユーザUの過去のコンテンツの検索情報などのうちの1以上を含む。コンテンツは、例えば、ウェブコンテンツである。
【0069】
ユーザUのコンテキスト情報は、ユーザUのコンテキストを示す情報であり、ユーザUのコンテキストは、ユーザUの状況であり、例えば、端末装置2に内蔵された1以上のセンサから得られるユーザUの状況(ユーザUの位置、ユーザUの向き、ユーザUの動作、ユーザUの体温、ユーザUの心拍数、ユーザUの脈拍など)である。
【0070】
サービスに関する指標は、場所設置装置1Aの動作または処理を規定する指標である。例えば、場所設置装置1Aが、肘掛けの高さ、リクライニングの角度、座部の高さ、座部の柔らかさなどが電動で変更可能な電動椅子である場合、場所設置装置1Aで提供されるサービスは、電動椅子の利用サービスであり、サービスに関する指標は、例えば、肘掛けの高さ、リクライニングの角度、座部の高さ、座部の柔らかさなどである。
【0071】
また、場所設置装置1Aが、自動配膳装置である場合、場所設置装置1Aで提供されるサービスは、飲食物の提供サービスであり、サービスに関する指標は、例えば、配膳される飲食物に含める材料の種類、飲食物の量、飲食物の温度などである。例えば、自動配膳装置がコーヒーメーカである場合、サービスに関する指標は、例えば、コーヒー豆の種類、ミルクの有無、コーヒーの量、ミルクの量、コーヒーの温度などである。
【0072】
また、場所設置装置1Aが、注文受付装置である場合、場所設置装置1Aで提供されるサービスは、飲食物の注文受付サービスであり、サービスに関する指標は、例えば、ユーザUに提供されるメニューにおける飲食物の種類、メニューにおける飲食物の順番、メニューの提示態様などである。
【0073】
また、場所設置装置1Aが、音楽提供装置である場合、場所設置装置1Aで提供されるサービスは、音楽を提供するサービスであり、サービスに関する指標は、例えば、提供する音楽の種類、音楽の音量、音楽の音質などである。音楽の種類は、例えば、音楽のジャンル、歌手、作曲者、作詞者などで規定される。
【0074】
上述した学習モデルは、例えば、畳み込みニューラルネットワークなどのニューラルネットワークによる機械学習によって生成される。なお、かかる例に限定されず、学習モデルは、ニューラルネットワークに代えて、線形回帰、非線形回帰、ロジスティック回帰、またはサポートベクタマシンといったその他の学習アルゴリズムによる機械学習を用いて生成されてもよい。
【0075】
上述した学習モデルから出力される指標情報は、例えば、サービスに関する指標の値である指標値の情報である。サービスに関する指標が、電動椅子の肘掛けの高さである場合、サービスに関する指標の値は、電動椅子の肘掛けの高さを示す値である。また、サービスに関する指標が、コーヒー豆の種類である場合、サービスに関する指標の値は、コーヒー豆の種類を示す値である。また、サービスに関する指標が、音楽の音質である場合、サービスに関する指標の値は、音楽の音質を示す値である。
【0076】
学習モデルは、ユーザ情報に基づいて、ユーザUに適した指標情報を出力することができ、ユーザ情報を入力した学習モデルから出力される指標情報に基づいて、場所設置装置1Aは、ユーザUに適したサービスを提供することができる。
【0077】
学習モデルは、例えば、指標の値とユーザUの情報とを含む学習用データを用いて生成される。例えば、学習モデルは、ユーザUによって設定された指標の値をラベルデータとして含み且つユーザUの属性情報を含む学習用データを用いて生成される。
【0078】
また、学習モデルは、例えば、ユーザUによって設定された指標の値をラベルデータとして含み且つ指標値の設定前のユーザUの情報(例えば、ユーザUAの行動履歴情報やユーザUのコンテキスト情報など)を含む学習用データを用いて生成される。指標値の設定前のユーザUの情報は、例えば、ユーザUによって指標の値が設定されたときから予め定められた期間前までのユーザUの情報である。なお、学習モデルの生成方法は、上述した例に限定されない。
【0079】
また、学習モデルは、ユーザU毎の学習モデルであってもよく、複数のユーザUに共通の学習モデルであってもよい。ユーザU毎の学習モデルは、例えば、指標の値とユーザUの情報とを含むユーザU毎の学習用データを用いて生成され、複数のユーザUに共通の学習モデルは、例えば、指標の値とユーザUの情報とをユーザU毎に含む学習用データを用いて生成される。
【0080】
〔3.3.機能実行部12〕
各機能実行部12は、場所設置装置1Aが有する複数の機能のうち対応する機能を実行する。例えば、場所設置装置1Aが電動椅子である場合、機能実行部12は、例えば、肘掛けの高さを変更する駆動機構部、リクライニングの角度を変更する駆動機構部、座部の高さを変更する駆動機構部、座部の柔らかさを変更する駆動機構部などである。
【0081】
また、場所設置装置1Aが自動配膳装置である場合、機能実行部12は、例えば、配膳される飲食物に含める材料を選択する選択機構部、飲食物の量を調整する量調整機構部、飲食物の温度を調整する温度調整機構部などである。
【0082】
また、場所設置装置1Aがコーヒーメーカである場合、機能実行部12は、例えば、コーヒー豆の種類を選択する選択機構部、コーヒーの量を調整する量調整機構部、ミルクの量を調整する量調整機構部、コーヒーの温度を調整する温度調整機構部などである。
【0083】
また、場所設置装置1Aが注文受付装置である場合、機能実行部12は、例えば、メニューにおける飲食物の種類を変更する種類変更部、メニューにおける飲食物の順番を変更する順番変更部、メニューにおける飲食物の提示態様を変更する提示態様変更部などである。メニューにおける飲食物の提示態様は、例えば、メニューにおける飲食物の大きさ、デザイン、配置などである。
【0084】
また、場所設置装置1Aが音楽提供装置である場合、機能実行部12は、例えば、提供する音楽の種類を決定する種類決定部、音楽の音量を決定する音量決定部、音楽の音質を決定する音質決定部などである。音楽の種類は、例えば、音楽のジャンル、歌手、作曲者、作詞者などで規定される。
【0085】
〔3.4.処理部13A〕
処理部13Aは、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などによって、場所設置装置1A内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0086】
処理部13Aは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により一部または全部が実現されてもよい。処理部13Aは、情報取得部14Aと、決定部15Aと、機能制御部16と、情報出力部17Aとを備える。
【0087】
〔3.4.1.情報取得部14A〕
情報取得部14Aは、外部装置から情報を取得する。例えば、情報取得部14Aは、端末装置2または場所制御装置1Bから送信され通信部10Aで受信される指標情報を取得する。
【0088】
また、情報取得部14Aは、端末装置2から送信され通信部10Aで受信される端末情報を取得する。端末情報は、例えば、決定部15Aによって情報取得モードを決定するために必要な情報であり、端末装置2のOS(Operating System)やアプリケーションの種別やバージョンを示す情報または端末装置2の機種または型番などを示す情報などである。
【0089】
〔3.4.2.決定部15A〕
決定部15Aは、端末装置2に応じた情報取得モードを決定する。情報取得モードおよび第2情報取得モードのうちのいずれかである。
【0090】
第1情報取得モードは、端末装置2に学習モデルの情報を指標関連情報として送信し、端末装置2が学習モデルの情報を用いて得た指標情報を端末装置2から取得する情報取得モードである。第2情報取得モードは、端末装置2に指標種別情報を指標関連情報として送信し、指標種別情報に応じた指標情報を端末装置2から取得する情報取得モードである。
【0091】
例えば、決定部15Aは、情報取得部14Aによって取得された端末情報に基づいて、第1情報取得モードだけに対応できる端末装置2であることを端末情報が示す場合、情報取得モードとして第1情報取得モードを決定し、第2情報取得モードだけに対応できる端末装置2であることを端末情報が示す場合、情報取得モードとして第2情報取得モードを決定する。
【0092】
また、決定部15Aは、第1情報取得モードおよび第2情報取得モードのいずれにも対応できる端末装置2であることを端末情報が示す場合、第1情報取得モードおよび第2情報取得モードのうち予め定められた情報取得モードを決定する。
【0093】
また、端末情報には指標関連情報の種別を指定する情報が含まれてもよい。この場合、決定部15Aは、第1情報取得モードおよび第2情報取得モードのうち、端末情報で示される指標関連情報の種別に対応する情報取得モードを決定する。
【0094】
〔3.4.3.機能制御部16〕
機能制御部16は、情報取得部14Aによって取得された指標毎の指標情報に基づいて、各機能実行部12に機能を実行させる。指標情報には、指標値を示す情報が含まれており、かかる指標値は、場所設置装置1Aの動作設定を示す設定値または設定値に対応する値である。機能制御部16は、指標値が設定値に対応する値である場合、指標値を設定値に変換して、機能実行部12に機能を実行させる。
【0095】
例えば、場所設置装置1Aが電動椅子である場合、指標毎の指標情報には、肘掛けの高さを示す指標値、リクライニングの角度を示す指標値、座部の高さを示す指標値、座部の柔らかさを示す指標値などの情報が含まれている。機能制御部16は、かかる指標毎の指標情報に基づいて、肘掛けの高さの調整、リクライニングの角度の調整、座部の高さの調整、座部の柔らかさの調整などを複数の機能実行部12に実行させる。
【0096】
また、場所設置装置1Aが自動配膳装置である場合、指標毎の指標情報には、配膳される飲食物に含める材料の種類を示す指標値、飲食物の量を示す指標値、飲食物の温度を示す指標値などの情報が含まれている。機能制御部16は、かかる指標毎の指標情報に基づいて、配膳される飲食物に含める材料の選択、飲食物の量の調整、飲食物の温度の調整などを複数の機能実行部12に実行させる。
【0097】
また、場所設置装置1Aがコーヒーメーカである場合、指標毎の指標情報には、コーヒー豆の種類を示す指標値、コーヒーの量を示す指標値、ミルクの有無を示す指標値、ミルクの量を示す指標値、コーヒーの温度を示す指標値などの情報が含まれている。機能制御部16は、かかる指標毎の指標情報に基づいて、コーヒー豆の選択、コーヒーの量の調整、ミルクの量の調整、コーヒーの温度の調整などを複数の機能実行部12に実行させる。
【0098】
また、場所設置装置1Aが注文受付装置である場合、指標毎の指標情報には、メニューにおける飲食物の種類を示す指標値、メニューにおける飲食物の順番を示す指標値、メニューにおける飲食物の提示態様を示す指標値などの情報が含まれている。機能制御部16は、かかる指標毎の指標情報に基づいて、メニューに含める飲食物の選択、メニューにおける飲食物の順番の調整、メニューにおける飲食物の提示態様の調整などを複数の機能実行部12に実行させる。
【0099】
また、場所設置装置1Aが音楽提供装置である場合、指標毎の指標情報には、音楽の種類を示す指標値、音楽の音量を示す指標値、音楽の音質を示す指標値などの情報が含まれている。機能制御部16は、かかる指標毎の指標情報に基づいて、提供する音楽の選択、音楽の音量の調整、音楽の音質の調整などを複数の機能実行部12に実行させる。
【0100】
また、機能制御部16は、例えば、場所設置装置1Aが複数のユーザUが同時に利用する装置である場合、複数の端末装置2から出力される同一の複数の指標情報に応じた設定値で複数の機能実行部11に機能を実行させる。
【0101】
場所設置装置1Aが複数のユーザUが同時に利用する装置である場合とは、例えば、場所設置装置1Aが照明機器である場合、場所設置装置1Aが空調機器である場合、場所設置装置1Aが音楽提供装置である場合、場所設置装置1Aが注文受付装置である場合などである。
【0102】
同一の複数の指標情報に応じた設定値は、例えば、同一の複数の指標情報で示される複数の指標値を予め定められた演算式に代入して得られる値(例えば、平均値、中央値、または重み付け加算値など)である。重み付け加算値は、例えば、ユーザU毎の重みで指標値を加算した値である。
【0103】
ユーザUの重みは、例えば、場所設置装置1Aの過去の利用頻度が高いほど高く設定されるが、場所設置装置1Aの過去の利用時間が長いほど高く設定されてもよい。なお、上述した予め定められた演算式は、指標毎に異なる演算式であってもよく、2以上の指標で共通する演算式であってもよい。
【0104】
機能制御部16は、例えば、同一の複数の指標情報で示される複数の指標値のうち最も優先度が高いユーザUの指標値を設定値とすることもできる。ユーザUの優先度は、例えば、場所設置装置1A毎またはサービス提供場所AR毎に設定される。例えば、場所設置装置1Aの過去の利用頻度や過去の利用時間が長いほどユーザUの優先度が高く設定される。また、サービス提供場所ARにおける利用金額が高いほどユーザUの優先度が高く設定される。
【0105】
また、場所設置装置1Aが例えば音楽提供装置である場合、同一の複数の指標情報で示される複数の指標値を順次設定値とすることもできる。この場合、場所設置装置1Aの過去の利用頻度や過去の利用時間が長いほどユーザUの指標値を設定値として採用する時間を長くしたり、優先度が高いユーザUの指標値ほど設定値として採用する時間を長くしたりすることもできる。このように、機能制御部16は、期間毎に分けてユーザUの指標値で場所設置装置1Aに実行させることができる。
【0106】
〔3.4.4.情報出力部17A〕
情報出力部17Aは、決定部15Aで決定された情報取得モードに対応する指標関連情報を端末装置2または場所制御装置1Bに通信部10Aを介して送信する。
【0107】
例えば、情報出力部17Aは、決定部15Aで決定された情報取得モードが第1情報取得モードである場合、指標毎の学習モデルの情報を端末装置2または場所制御装置1Bに送信する。
【0108】
また、情報出力部17Aは、決定部15Aで決定された情報取得モードが第2情報取得モードである場合、指標毎の指標種別情報を端末装置2または場所制御装置1Bに送信する。指標種別情報は、場所設置装置1Aによって提供されるサービスに関する指標の種別である指標種別を示す情報を含む。例えば、場所設置装置1Aが上述した電動椅子である場合、指標種別は、例えば、肘掛けの高さ、リクライニングの角度、座部の高さ、座部の柔らかさなどである。
【0109】
また、場所設置装置1Aが自動配膳装置である場合、指標種別は、例えば、コーヒー豆の種類、ミルクの有無、コーヒーの量、ミルクの量、コーヒーの温度などである。また、場所設置装置1Aが音楽提供装置である場合、指標種別は、例えば、提供する音楽の種類、音楽の音量、音楽の音質などである。
【0110】
また、指標種別情報には、場所設置装置1Aによって提供されるサービスに関する指標の値である指標値の算出に用いる情報である算出用情報がさらに含まれていてもよい。算出用情報には、例えば、指標値の算出式の情報または学習モデルの情報などが含まれる。かかる学習モデルの情報は、例えば、第1情報取得モードにおける学習モデルの情報と同じである。
【0111】
情報出力部17Aは、例えば、場所設置装置1Aから予め定められた範囲に端末装置2が位置する場合に端末装置2に決定部15Aで決定された情報取得モードに対応する指標関連情報を送信する。情報出力部17Aは、近距離無線通信で端末装置2から送信される信号の強度または端末装置2から送信される位置情報などに基づいて、場所設置装置1Aから予め定められた範囲であるか否かを判定する。
【0112】
また、情報出力部17Aは、例えば、場所制御装置1Bからの要求がある場合に、端末装置2に決定部15Aで決定された情報取得モードに対応する指標関連情報を送信することもできる。
【0113】
〔4.場所制御装置1Bの構成〕
図4は、実施形態に係る場所制御装置1Bの構成の一例を示す図である。
図4に示すように、実施形態に係る場所制御装置1Bは、通信部10Bと、記憶部11Bと、処理部13Bとを備える。通信部10Bは、通信部10Aと同様であるため、説明を省略する。
【0114】
〔4.1.記憶部11B〕
記憶部11Bは、例えば、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0115】
記憶部11Bには、例えば、指標毎の学習モデルの情報および指標毎の指標種別情報が場所設置装置1A毎に記憶される。
【0116】
〔4.2.処理部13B〕
処理部13Bは、コントローラであり、例えば、CPUまたはMPUなどによって、場所制御装置1B内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0117】
処理部13Bは、例えば、ASICまたはFPGAなどの集積回路により一部または全部が実現されてもよい。処理部13Bは、情報取得部14Bと、決定部15Bと、情報出力部17Bとを備える。
【0118】
〔4.2.1.情報取得部14B〕
情報取得部14Bは、外部装置から情報を取得する。例えば、情報取得部14Bは、情報取得部14Aと同様に、端末装置2から送信され通信部10Bで受信される指標情報を取得する。
【0119】
〔4.2.2.決定部15B〕
決定部15Bは、決定部15Aと同様に、端末装置2に応じた情報取得モードを決定する。
【0120】
〔4.2.3.情報出力部17B〕
情報出力部17Bは、情報出力部17Aと同様に、決定部15Bで決定された情報取得モードに対応する指標関連情報を端末装置2に通信部10Bを介して送信する。
【0121】
例えば、情報出力部17Bは、場所設置装置1Aから予め定められた範囲に端末装置2が位置する場合に、指標関連情報を端末装置2に通信部10Bを介して送信する。予め定められた範囲は、場所設置装置1A毎に設定されており、情報出力部17Bは、予め定められた範囲に端末装置2が位置する場所設置装置1Aに対応する指標関連情報を端末装置2に通信部10Bを介して送信する。
【0122】
情報出力部17Bは、近距離無線通信で端末装置2から送信される信号の強度または端末装置2から送信される位置情報などに基づいて、場所設置装置1Aから予め定められた範囲であるか否かを判定する。
【0123】
また、情報出力部17Bは、情報取得部14Bによって取得された指標情報を指標情報に対応する場所設置装置1Aに通信部10Bを介して送信する。
【0124】
〔5.端末装置2〕
図5は、実施形態に係る端末装置2の構成の一例を示す図である。
図5に示すように、実施形態に係る端末装置2は、通信部20と、表示部21と、操作部22と、センサ群23と、記憶部24と、処理部25とを備える。
【0125】
〔5.1.通信部20〕
通信部20は、例えば、NICなどによって実現される。通信部20は、近距離無線通信によって場所設置装置1Aおよび場所制御装置1Bの各々との間で情報の送受信を行う。
【0126】
通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、場所設置装置1Aおよび場所制御装置1Bの各々との間で情報の送受信を行うこともできる。
【0127】
〔5.2.表示部21〕
表示部21は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどである。
【0128】
〔5.3.操作部22〕
操作部22は、例えば、文字、数字、およびスペースを入力するためのキー、エンターキーおよび矢印キーなどを含むキーボード、マウス、および電源ボタンなどを含む。表示部21は、タッチパネル対応ディスプレイであり場合、操作部22はタッチパネルを含む。
【0129】
〔5.4.センサ群23〕
センサ群23は、種々のセンサを含む。センサ群23は、例えば、測位センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、音声センサ(マイク)、照度センサ、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、近接センサ、臭い、汗、心拍、脈拍、脳波などの生体情報を取得するためのセンサ、およびイメージセンサなどを含む。測位センサは、端末装置2の位置を検出するセンサであり、位置情報を出力する。
【0130】
〔5.5.記憶部24〕
記憶部24は、例えば、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0131】
記憶部24には、例えば、場所設置装置1Aまたは場所制御装置1Bから送信され通信部20を介して処理部25によって取得された情報およびセンサ群23によって検出された情報である検出情報などが記憶される。また、記憶部24には、上述した端末情報なども記憶される。
【0132】
また、記憶部24には、ユーザUの情報が記憶される。ユーザUの情報は、例えば、ユーザUの属性情報、ユーザUの行動履歴情報、およびユーザUのコンテキスト情報などである。
【0133】
ユーザUの属性情報は、ユーザUの属性を示す情報であり、ユーザUの属性は、例えば、ユーザUのデモグラフィック属性やユーザUのサイコグラフィック属性などである。デモグラフィック属性は、人口統計学的属性であり、例えば、年齢、性別、職業、居住地、年収、家族構成などである。サイコグラフィック属性は、心理学的属性であり、例えば、ライフスタイル、価値観、興味関心などである。
【0134】
ユーザUの行動履歴情報は、例えば、ユーザUのサービスの利用履歴などの情報を含む履歴情報であり、例えば、ユーザUの決済履歴情報、ユーザUの検索履歴情報、ユーザUの閲覧履歴情報、およびユーザUのコンテキスト履歴情報などを含む。
【0135】
ユーザUの決済履歴情報には、ユーザUが決済サービスを用いてオンライン、実店舗、または実施設などにおいて購入した商品に関する購入履歴情報、ユーザUが決済サービスを用いてオンライン、実店舗、実施設などにおいて有料で利用したサービスに関するサービス利用履歴情報などが含まれる。
【0136】
購入履歴情報には、ユーザUが購入した商品の情報、購入費用の情報、購入日時、購入店舗の情報などが含まれる。サービス利用履歴情報には、ユーザUが利用したサービスの情報、利用費用の情報、利用日時、利用店舗の情報などが含まれる。
【0137】
ユーザUの検索履歴情報は、例えば、検索サイトでのウェブコンテンツの検索履歴の情報、各種のウェブサイトでの検索履歴の情報などである。ユーザUの閲覧履歴情報は、ユーザUのウェブコンテンツの閲覧履歴の情報である。
【0138】
ユーザUのコンテキスト履歴情報は、センサ群23によって検出されたユーザUコンテキストおよび処理部25によって検出情報などに基づいて判定されたユーザUコンテキストの履歴情報である。ユーザUのコンテキストは、ユーザUの状況である。
【0139】
ユーザUの状況は、例えば、ユーザUの位置、ユーザUの向き、ユーザUの動作、ユーザUの体温、ユーザUの心拍数、ユーザUの脈拍などであり、処理部25によって記憶部24に記憶される。
【0140】
なお、ユーザUの状況は、例えば、ユーザUが電車で移動している状態、ユーザUが散歩している状態、ユーザUが入浴している状態、ユーザUが就寝している状態などであってもよい。
【0141】
また、記憶部24には、例えば、指標種別毎の算出用情報が予め記憶されていてもよく、場所設置装置1Aまたは場所制御装置1Bから送信され通信部20を介して処理部25によって取得される指標種別毎の算出用情報が記憶されてもよい。
【0142】
〔5.6.処理部25〕
処理部25は、コントローラであり、例えば、CPUまたはMPUなどによって、端末装置2内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0143】
処理部25は、例えば、ASICまたはFPGAなどの集積回路により一部または全部が実現されてもよい。処理部25は、情報取得部30と、判定部31と、算出部32と、表示処理部33と、情報出力部34と、削除部35とを備える。
【0144】
〔5.6.1.情報取得部30〕
情報取得部30は、外部装置から種々の情報を取得する。例えば、情報取得部30は、場所設置装置1Aまたは場所制御装置1Bから送信され近距離無線通信またはネットワークNを介して通信部20で受信される指標関連情報を取得する。
【0145】
また、情報取得部30は、外部の情報処理装置から種々のコンテンツを取得する。コンテンツは、例えば、ウェブコンテンツであり、ニュースのコンテンツ、天気のコンテンツ、ショッピングのコンテンツなどである。
【0146】
情報取得部30は、第1情報取得部40と、第2情報取得部41とを含む。第1情報取得部40は、場所設置装置1Aまたは場所制御装置1Bから指標関連情報を取得する。指標関連情報は、学習モデルの情報または指標種別情報である。
【0147】
学習モデルの情報は、ユーザUの情報であるユーザ情報を入力とし指標情報を出力とする機械学習によって生成された学習モデルの情報である。指標種別情報は、場所設置装置1Aによって提供されるサービスに関する指標の種別である指標種別を示す情報を含む。
【0148】
また、指標種別情報には、場所設置装置1Aによって提供されるサービスに関する指標の値である指標値の算出に用いる情報である算出用情報がさらに含まれていてもよい。算出用情報には、例えば、指標値の算出式の情報または学習モデルの情報が含まれる。
【0149】
また、第2情報取得部41は、第1情報取得部40によって情報が取得された学習モデルにユーザ情報を入力して学習モデルから出力される指標情報を指標毎に取得する。なお、第2情報取得部41は、ユーザ情報を入力して学習モデルを用いた算出によって学習モデルから出力される指標情報を指標毎に取得することに代えて、算出部32で用いられる学習モデルにユーザ情報を入力して算出部32から指標情報を指標毎に取得することもできる。
【0150】
〔5.6.2.判定部31〕
判定部31は、センサ群23から出力される検出情報に基づいて、ユーザUのコンテキストを判定する。判定部31は、判定したユーザUのコンテキストの情報を記憶部24に記憶させる。
【0151】
判定部31は、測位センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサなどによって検出された情報に基づいて、ユーザUの位置、ユーザUの向き、ユーザUの動作などを判定する。
【0152】
また、判定部31は、臭い、汗、心拍、脈拍、脳波などの生体情報を取得するためのセンサなどによって検出された情報に基づいて、ユーザUの感情を判定する。また、判定部31は、センサ群23に含まれる1以上のセンサによって検出された結果に基づいて、ユーザUが電車で移動している状態、ユーザUが散歩している状態、ユーザUが入浴している状態、ユーザUが就寝している状態などを検出することもできる。
【0153】
〔5.6.3.算出部32〕
算出部32は、ユーザUの情報であるユーザ情報に基づいて、第1情報取得部40によって取得された指標種別情報で示される種別の指標値を指標毎に算出する。
【0154】
算出部32は、指標種別情報に算出用情報が含まれている場合、算出用情報を用いた指標値の算出に用いるユーザ情報であって情報取得部30によって取得されたユーザ情報から算出用情報を用いて指標値を指標毎に算出する。
【0155】
例えば、算出部32は、算出用情報が指標値の算出式の情報である場合、ユーザ情報であって情報取得部30によって取得されたユーザ情報を算出式に代入して算出式の演算を行うことで、指標値を算出する。
【0156】
また、算出部32は、算出用情報が学習モデルの情報である場合、ユーザ情報であって情報取得部30によって取得されたユーザ情報を学習モデルに入力して学習モデルを用いた指標値の算出を行い、学習モデルの出力である指標値を取得する。
【0157】
また、算出部32は、指標種別情報に算出用情報が含まれておらず、算出用情報が記憶部24に記憶されている場合、指標種別情報で示される指標種別に対応する算出用情報を記憶部24から取得し、記憶部24から取得した算出用情報を用いて指標値を算出する。
【0158】
〔5.6.4.表示処理部33〕
表示処理部33は、情報取得部30によって取得された情報を表示部21に表示させる。例えば、表示処理部33は、情報取得部30によって取得されたコンテンツなどの情報を表示部21に表示させる。
【0159】
〔5.6.5.情報出力部34〕
情報出力部34は、各種の情報を外部装置に通信部20を介して送信する。例えば、ユーザUによる操作部22への操作に応じた情報である操作情報を外部の情報処理装置に通信部20を介して送信する。
【0160】
また、情報出力部34は、例えば、記憶部24に記憶されている端末情報を場所設置装置1Aまたは場所制御装置1Bに通信部20を介して送信する。
【0161】
また、情報出力部34は、第2情報取得部41によって取得された指標情報または算出部32によって算出された指標情報を場所設置装置1Aまたは場所制御装置1Bに通信部20を介して送信する。
【0162】
〔5.6.6.削除部35〕
削除部35は、情報取得部30によって場所装置1から取得されて記憶部24に記憶された学習モデルの情報を、かかる学習モデルから出力された指標情報が情報出力部34から出力された後に、記憶部24から削除する。
【0163】
〔6.処理手順〕
次に、実施形態に係る場所設置装置1Aの処理部13Aによる情報処理の手順について説明する。
図6は、実施形態に係る場所設置装置1Aの処理部13Aによる情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0164】
図6に示すように、場所設置装置1Aの処理部13Aは、端末装置2から取得した端末情報があるか否かを判定する(ステップS10)。処理部13Aは、端末情報があると判定した場合(ステップS10:Yes)、端末情報に基づいて、情報取得モードを決定する(ステップS11)。そして、処理部13Aは、決定した情報取得モードに対応する指標関連情報を端末装置2に送信する(ステップS12)。
【0165】
処理部13Aは、ステップS12の処理が終了した場合、または端末情報がないと判定した場合(ステップS10:No)、端末装置2から取得した指標情報があるか否かを判定する(ステップS13)。処理部13Aは、指標情報があると判定した場合(ステップS13:Yes)、取得した指標情報に基づいて機能実行部12を制御する(ステップS14)。
【0166】
処理部13Aは、ステップS14の処理が終了した場合、または指標情報がないと判定した場合(ステップS13:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS15)。処理部13Aは、例えば、場所設置装置1Aの電源がオフにされた場合、または場所設置装置1Aの不図示の操作部への操作によって終了操作が行われたと判定した場合に、動作終了タイミングになったと判定する。
【0167】
処理部13Aは、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS15:No)、処理をステップS10へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS15:Yes)、
図6に示す処理を終了する。
【0168】
次に、実施形態に係る場所制御装置1Bの処理部13Bによる情報処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係る場所制御装置1Bの処理部13Bによる情報処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示すステップS20~S23,S25の処理は、
図6にステップS10~S13,S15の処理と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0169】
図7に示すように、場所制御装置1Bの処理部13Bは、指標情報があると判定した場合(ステップS23:Yes)、取得した指標情報をかかる指標情報に対応する場所設置装置1Aに送信する(ステップS24)。
【0170】
次に、実施形態に係る端末装置2の処理部25による情報処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る端末装置2の処理部25による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0171】
図8に示すように、端末装置2の処理部25は、場所装置1を検出したか否かを判定する(ステップS30)。処理部25は、場所装置1を検出したと判定した場合(ステップS30:Yes)、検出した場所装置1に記憶部24に記憶されている端末情報を送信する(ステップS31)。
【0172】
処理部25は、ステップS31の処理が終了した場合、場所装置1を検出していないと判定した場合(ステップS30:No)、場所装置1から取得した指標関連情報があるかを判定する(ステップS32)。
【0173】
処理部25は、指標関連情報があると判定した場合(ステップS32:Yes)、指標関連情報に基づいて指標値を算出する(ステップS33)。そして、処理部25は、ステップS33で算出した指標値の情報を含む指標情報を場所装置1に送信する(ステップS34)。
【0174】
処理部25は、ステップS34の処理が終了した場合、または指標関連情報がないと判定した場合(ステップS32:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS35)。
【0175】
処理部25は、例えば、端末装置2の電源がオフにされた場合、または端末装置2の操作部22への操作によって終了操作が行われたと判定した場合に、動作終了タイミングになったと判定する。
【0176】
処理部25は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS35:No)、処理をステップS30へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS35:Yes)、
図8に示す処理を終了する。
【0177】
〔7.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る場所装置1および端末装置2の各々は、例えば
図9に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。
図9は、実施形態に係る場所装置1および端末装置2の各々の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
【0178】
CPU81は、ROM83またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0179】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、ネットワークN(
図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0180】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0181】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0182】
例えば、コンピュータ80が実施形態に係る場所装置1および端末装置2として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部13A,13Bや処理部25の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11A,11B内または記憶部24内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0183】
〔8.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0184】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0185】
例えば、上述した場所制御装置1Bは、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホームなどをAPIやネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0186】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0187】
〔9.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る端末装置2は、ユーザUが利用する端末装置2であって、情報取得部30と、算出部32と、情報出力部34とを備える。情報取得部30は、場所装置1から、サービスに関する指標の種別を示す指標種別情報を取得する。算出部32は、ユーザUの情報であるユーザ情報に基づいて、情報取得部30によって取得された指標種別情報で示される種別の指標の値である指標値を算出する。情報出力部34は、算出部32によって算出された指標値の情報である指標情報を場所装置1に出力する。これにより、端末装置2は、サービスをユーザUに提供する場所の装置における処理負荷を軽減することができる。
【0188】
また、指標情報は、場所装置1の動作設定を示す設定値または設定値に対応する値である。これにより、端末装置2は、サービスをユーザUに提供する場所の装置における処理負荷を軽減することができる。
【0189】
また、場所装置1は、場所に設置されユーザUにサービスを提供する場所設置装置1Aである。これにより、端末装置2は、サービスをユーザUに提供する場所の装置における処理負荷を軽減することができる。
【0190】
また、場所装置1は、複数のユーザUが同時に利用する場合、複数の端末装置2から出力される複数の指標情報に応じた設定値で動作する。これにより、端末装置2は、サービスをユーザUに提供する場所の装置における処理負荷を軽減することができる。
【0191】
また、場所装置1は、サービス提供場所ARに設置されサービスとしてユーザUに提供される提供物を製造する場所設置装置1Aである。これにより、端末装置2は、サービスをユーザUに提供する場所の装置における処理負荷を軽減することができる。
【0192】
また、ユーザ情報は、ユーザUの属性情報、ユーザUの行動履歴情報、およびユーザUのコンテキストの情報のうちの少なくとも1つである。これにより、端末装置2は、サービスをユーザUに提供する場所の装置における処理負荷を軽減することができる。
【0193】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0194】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0195】
1 場所装置
1A,1A1~1An 場所設置装置
1B 場所制御装置
2 端末装置
10A,10B,20 通信部
12,121~12k 機能実行部
11A,11B,24 記憶部
13A,13B,25 処理部
14A,14B,30 情報取得部
15A,15B 決定部
16 機能制御部
17A,17B,34 情報出力部
21 表示部
22 操作部
23 センサ群
31 判定部
32 算出部
33 表示処理部
40 第1情報取得部
41 第2情報取得部
100 情報処理システム