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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130125
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】制御バルブ
(51)【国際特許分類】
   F01P 7/16 20060101AFI20240920BHJP
   F16K 11/076 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F01P7/16 503
F16K11/076 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039654
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000144810
【氏名又は名称】株式会社山田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】大関 哲史
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA12
3H067CC32
3H067CC33
3H067DD03
3H067DD12
3H067DD32
3H067EA02
3H067FF11
3H067GG13
(57)【要約】
【課題】部品点数の削減や低コスト化を図ることができる制御バルブを提供する。
【解決手段】本発明の態様に係る制御バルブは、流入口及び流出口が形成されたケーシングと、軸方向の第1側に位置してケーシングに回転可能に支持された軸部、及び軸方向の第2側に向けて開口する内部空間を形成する弁体を有し、弁体の外周面がケーシングに形成された支持面上を摺動可能に支持された状態で、弁体に形成された連通口を通じて流入口及び流出口の少なくとも一方と内部空間との間の連通及び遮断が回転位置に応じて切り替えられるロータと、を備えている。ケーシングは、弁体における軸方向の第2側開口部に向かい合うとともに、流入口が形成された対向壁と、対向壁に対して軸方向の第2側に膨出するとともに、流入口に接続された流入ポートと、を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から流体が流入する流入口、及び流体が外部に流出する流出口が形成されたケーシングと、
軸方向の第1側に位置して前記ケーシングに回転可能に支持された軸部、及び前記軸部から軸方向の第2側に向かうに従い外径が漸次拡大するとともに、前記軸方向の第2側に向けて開口する内部空間を形成する弁体を有し、前記弁体の外周面が前記ケーシングに形成された支持面上を摺動可能に支持された状態で、前記弁体に形成された連通口を通じて前記流入口及び前記流出口の少なくとも一方と前記内部空間との間の連通及び遮断が回転位置に応じて切り替えられるロータと、を備え、
前記ケーシングは、
前記弁体における前記軸方向の第2側開口部に向かい合うとともに、前記流入口が形成された対向壁と、
前記対向壁に対して前記軸方向の第2側に膨出するとともに、前記流入口に接続された流入ポートと、を備えている制御バルブ。
【請求項2】
前記流入ポートは、
前記流入口に連通する第1流路と、
前記軸方向に交差する径方向の外側に向けて前記第1流路から延びるとともに、前記対向壁よりも外側に引き出された第2流路と、を備えている請求項1に記載の制御バルブ。
【請求項3】
前記ロータの中心軸線回りの方向を周方向とすると、
前記第1流路は、
前記第2流路の下流端部から前記周方向の一方側に延びる第1分岐部と、
前記第2流路の下流端部から前記周方向の他方側に延びる第2分岐部と、を備えている請求項2に記載の制御バルブ。
【請求項4】
前記流入口は、前記第1流路における前記周方向の全長に亘って開口している請求項3に記載の制御バルブ。
【請求項5】
前記弁体は、前記軸方向に沿う断面視において、前記軸方向の第1側から第2側に向かうに従い前記軸方向に交差する径方向の外側に向けて直線状に延びている請求項1から請求項4の何れか1項に記載の制御バルブ。
【請求項6】
前記弁体は、前記軸方向に沿う断面視において、前記軸方向に交差する径方向で向かい合う部分同士のなす角度は、90°よりも大きく、180°よりも小さい請求項1から請求項4の何れか1項に記載の制御バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御バルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両には、発熱部(例えば、エンジンやモータ等)と、放熱部(例えば、ラジエータやヒータ等)と、の間で循環する冷却液によって発熱部を冷却する冷却システムが搭載されている。この種の冷却システムでは、発熱部と放熱部とを接続する流路上に制御バルブが設けられることで、冷却液の流通が制御されている。
【0003】
近時では、制御バルブとして、更なる小型化を図ることが検討されている。例えば下記特許文献1には、第1開口部及び第2開口部を弁体の軸方向に並列で配置した上で、弁体のうち第1開口部及び第2開口部に対して周方向で異なる位置に、第1開口部及び第2開口部の少なくとも一部が重なり合うように第3開口部を配置する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-59615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術にあっては、例えばポートと開口部との間にシール機構を各開口部毎に設ける必要がある。そのため、従来技術では、部品点数の削減や低コスト化を図る点で未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明は、部品点数の削減や低コスト化を図ることができる制御バルブを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示は以下の態様を採用した。
(1)本開示の一態様に係る制御バルブは、外部から流体が流入する流入口、及び流体が外部に流出する流出口が形成されたケーシングと、軸方向の第1側に位置して前記ケーシングに回転可能に支持された軸部、及び前記軸部から軸方向の第2側に向かうに従い外径が漸次拡大するとともに、前記軸方向の第2側に向けて開口する内部空間を形成する弁体を有し、前記弁体の外周面が前記ケーシングに形成された支持面上を摺動可能に支持された状態で、前記弁体に形成された連通口を通じて前記流入口及び前記第1流出口の少なくとも一方と前記内部空間との間の連通及び遮断が回転位置に応じて切り替えられるロータと、を備え、前記ケーシングは、前記弁体における前記軸方向の第2側開口部に向かい合うとともに、前記流入口が形成された対向壁と、前記対向壁に対して前記軸方向の第2側に膨出するとともに、前記流入口に接続された流入ポートと、を備えている。
【0008】
本態様によれば、弁体の外周面がケーシングの支持面に直接支持されるため、シール部材や軸受を別途設ける必要がない。そのため、部品点数や組立工数の削減、制御バルブの小型化、低コスト化を図ることができる。
また、弁体がテーパ状に形成されていることで、ロータの外径が熱によって膨張収縮した場合に、外径の増減変化に応じてロータがケーシングに対して軸方向に変位する。そのため、ロータの膨張収縮変化に関わらず、弁体が安定してケーシングに支持される。よって、制御バルブの動作安定性を確保できる。
【0009】
特に、本態様では、ケーシングが、弁体における軸方向の第2側開口部に向かい合うとともに、流入口が形成された対向壁と、対向壁に対して軸方向の第2側に膨出するとともに、流入口に接続された流入ポートと、を備えている構成とした。
この構成によれば、ケーシングのうち、流入ポートに対応する部分のみが対向壁に対して軸方向に膨出するので、流入ポートの流路断面積を確保するために、ケーシング全体を大型化する場合に比べ、制御バルブ全体での軸方向の小型化を図ることができる。これにより、内部空間に対してスムーズに冷却液を供給することができる。
【0010】
(2)上記(1)の態様に係る制御バルブにおいて、前記流入ポートは、前記流入口に連通する第1流路と、前記軸方向に交差する径方向の外側に向けて前記第1流路から延びるとともに、前記対向壁よりも外側に引き出された第2流路と、を備えていることが好ましい。
本態様によれば、径方向において、第2流路を対向壁よりも外側に引き出すことで、制御バルブの軸方向での小型化を図ることができる。また、対向壁よりも径方向の外側で配管を接続することができるので、配管のレイアウト性を向上させることができる。
【0011】
(3)上記(2)の態様に係る制御バルブにおいて、前記ロータの中心軸線回りの方向を周方向とすると、前記第1流路は、前記第2流路の下流端部から前記周方向の一方側に延びる第1分岐部と、前記第2流路の下流端部から前記周方向の他方側に延びる第2分岐部と、を備えていることが好ましい。
本態様によれば、流入ポートにおける対向壁よりも軸方向の第2側への膨出量を抑えた上で、第1流路の流路断面積(第1分岐部及び第2分岐部の和)を確保することができる。これにより、冷却液をよりスムーズに流通させることができる。
【0012】
(4)上記(3)の態様に係る制御バルブにおいて、前記流入口は、前記第1流路における前記周方向の全長に亘って開口していることが好ましい。
本態様によれば、流入ポート及び流入口間の流路抵抗を軽減して、内部空間に対してよりスムーズに冷却液を供給することができる。
【0013】
(5)上記(1)から(4)の何れかの態様に係る制御バルブにおいて、前記弁体は、前記軸方向に沿う断面視において、前記軸方向の第1側から第2側に向かうに従い前記軸方向に交差する径方向の外側に向けて直線状に延びていることが好ましい。
ところで、例えば弁体の断面視形状が円弧状に形成されている場合には、弁体の外周面の接線方向の向きが軸方向の位置で異なる。この場合、弁体が熱によって収縮する際、弁体の軸方向の位置によって変形の挙動が異なる。具体的に、弁体のうち軸方向の第2側に向かうに従い(接線の傾きが大きくなるに従い)、径方向の内側への変形量が大きくなる結果、支持面と弁体との間のシール性を確保し難くなる。
これに対し、本態様によれば、弁体の断面視形状を直線状に形成することで、熱収縮による弁体の変形挙動を軸方向の全体に亘って均一に保ち易い。その結果、ロータの膨張収縮変化に関わらず、弁体が安定して支持面上で支持される。よって、制御バルブの動作安定性を確保できる。
【0014】
(6)上記(1)から(5)の何れかの態様に係る制御バルブにおいて、前記弁体は、前記軸方向に沿う断面視において、前記軸方向に交差する径方向で向かい合う部分同士のなす角度は、90°よりも大きく、180°よりも小さいことが好ましい。
本態様によれば、角度を90°よりも大きくすることで、ロータの外径が熱によって膨張収縮した場合において、外径の増減変化に応じてロータが支持面上をよりスムーズに変位し易くなる。そのため、ロータの膨張収縮変化に関わらず、弁体が安定して支持面上で支持される。よって、制御バルブの動作安定性を確保できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、部品点数の削減や低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る冷却システムのブロック図である。
図2】実施形態に係る制御バルブの斜視図である。
図3】実施形態に係る制御バルブの分解斜視図である。
図4図2のIV-IV線に対応する断面図である。
図5図2のV-V線に対応する断面図である。
図6図4のVI部拡大図である。
図7】実施形態に係るカバーの底面図である。
図8】実施形態に係るカバーを透過して示す制御バルブ(第1連通状態)の平面図である。
図9】実施形態に係るカバーを透過して示す制御バルブ(第2連通状態)の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。本実施形態において、「向かい合う」とは、2つの面それぞれの直交方向(法線方向)が互いに一致している場合に限らず、直交方向同士が交差している場合も含んでいる。
【0018】
[冷却システム1]
図1は、冷却システム1のブロック図である。
図1に示すように、冷却システム1は、例えば車両に搭載されている。本実施形態において、車両とは、車両駆動源としてエンジン(内燃機関)を有しているものに限らず、電動車両であってもよい。電動車両には、電気自動車やハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車等が含まれる。
【0019】
冷却システム1は、発熱部2と、放熱部3と、ウォータポンプ4(W/P)と、制御バルブ5(EWV)と、を備えている。冷却システム1では、ウォータポンプ4及び制御バルブ5が動作することで、発熱部2及び放熱部3間で冷却液が循環する。
【0020】
発熱部2は、冷却液による冷却対象(冷却液の吸熱対象)となる部品であって、車両の駆動源、その他の発熱部品である。電動車両の場合において、発熱部2には例えば駆動用モータやバッテリ、電力変換装置等が含まれる。
放熱部3は、冷却液の放熱対象となる部品である。本実施形態では、放熱部3として、ラジエータ8(RAD)と、ヒータコア9(HTR)と、を備えている。なお、放熱部3としては、通常動作時における温度が発熱部2を通過した後の冷却液の温度よりも低くなる部材であれば適宜選択可能である。このような部品として、放熱部3は、例えばEGRガスと冷却液との熱交換を行うEGRクーラや、潤滑油と冷却液との熱交換を行うヒートエクスチェンジャ等であってもよい。
【0021】
ウォータポンプ4、発熱部2及び制御バルブ5は、メイン流路10上で上流から下流にかけて順に接続されている。メイン流路10では、ウォータポンプ4の動作により冷却液が発熱部2及び制御バルブ5を順に通過する。
【0022】
メイン流路10には、ラジエータ流路11及び空調流路12がそれぞれ接続されている。
ラジエータ流路11には、ラジエータ8が設けられている。ラジエータ流路11は、ラジエータ8よりも上流に位置する部分において、制御バルブ5に接続されている。ラジエータ流路11は、ラジエータ8よりも下流に位置する部分において、発熱部2に接続されている。ラジエータ流路11では、ラジエータ8において、冷却液と外気との熱交換が行われる。
【0023】
空調流路12には、ヒータコア9が設けられている。空調流路12は、ヒータコア9よりも上流に位置する部分において、制御バルブ5に接続されている。空調流路12は、ヒータコア9よりも下流に位置する部分において、発熱部2に接続されている。ヒータコア9は、例えば空調装置のダクト(不図示)内に設けられている。空調流路12では、ヒータコア9において、冷却液とダクト内を流通する空調空気との熱交換が行われる。
【0024】
冷却システム1において、ウォータポンプ4の動作によって制御バルブ5内に流入した冷却液は、制御バルブ5の動作によって少なくとも何れかの放熱部3に対して選択的に供給される。放熱部3に供給される冷却液は、放熱部3を通過する過程で放熱部3との間で熱交換される。その結果、冷却液が放熱部3によって冷却される。放熱部3を通過した冷却液は、発熱部2に供給された後、発熱部2を通過する過程で発熱部2との間で熱交換される。これにより、冷却液によって発熱部2が冷却される。このように、冷却システム1では、発熱部2及び放熱部3間で冷却液を循環させる過程で、冷却液を放熱部3によって冷却しつつ、発熱部2を冷却液によって冷却する。これにより、冷却システム1では、発熱部2を所望の温度に制御することができる。
【0025】
<制御バルブ5>
図2は、制御バルブ5の斜視図である。図3は、制御バルブ5の分解斜視図である。
図2図3に示すように、制御バルブ5は、ケーシング21と、駆動ユニット22と、ロータ23と、付勢部材24と、を備えている。
【0026】
<ケーシング21>
ケーシング21は、ケーシング本体31と、カバー32と、を備えている。以下の説明において、ロータ23の中心軸線O1に沿う方向を単に軸方向という。軸方向において、駆動ユニット22側を下方(第1側)とし、カバー32側を上方(第2側)とする。また、軸方向から見て中心軸線O1に交差する方向を径方向といい、中心軸線O1回りの方向を周方向という。
【0027】
<ケーシング本体31>
ケーシング本体31は、ベース部33と、第1流出ポート34と、第2流出ポート35と、を備えている。ベース部33、第1流出ポート34及び第2流出ポート35は、例えば樹脂材料を射出成形することよって一体に形成されている。
ベース部33は、上方に向けて開口する有底筒状に形成されている。具体的に、ベース部33は、取付台座41と、ロータ収容部42と、を備えている。
【0028】
図4は、図2のIV-IV線に対応する断面図である。図5は、図2のV-V線に対応する断面図である。
図4図5に示すように、取付台座41は、駆動ユニット22が取り付けられる部分である。取付台座41は、区画壁41aと、起立壁41bと、を備えている。区画壁41aは、軸方向から見た平面視において、ロータ収容部42に対して径方向の外側に張り出す大きさに形成されている。起立壁41bは、区画壁41aの外周縁から下方に向けて延びている。
【0029】
図6は、図4のVI部拡大図である。
図6に示すように、区画壁41aのうち、中心軸線O1上に位置する部分には、区画壁41aを軸方向に貫通する貫通孔45が形成されている。貫通孔45は、軸方向の中央部分に位置する内径が、上端部及び下端部の内径に比べて小さい段付き形状に形成されている。具体的に、貫通孔45は、下方に位置する第1大径部45aと、第1大径部45aに対して上方に連なる小径部45bと、小径部45bに対して上方に連なる第2大径部45cと、を備えている。図示の例において、第1大径部45aと第2大径部45cとの内径は、同等になっている。第2大径部45c内には、Xリング等のシールリング46が収容されている。シールリング46は、第2大径部45cの内周面に嵌め込まれた状態で、第2大径部45cの底面に近接又は当接している。なお、シールリング46の内径は、小径部45bの内径と同等になっている。
【0030】
図4図5に示すように、ロータ収容部42は、ロータ23を収容する部分である。ロータ収容部42は、区画壁41aから上方に延びる筒状に形成されている。すなわち、ロータ収容部42における下端開口部は、区画壁41aによって閉塞されている。ロータ収容部42は、下方から上方にかけて漸次内径が拡大している。具体的に、ロータ収容部42の内周面は、逃げ面51と、移行面52と、支持面53と、位置決め面54と、を備えている。
【0031】
逃げ面51は、貫通孔45(第2大径部45c)における上端開口縁から径方向の外側に延びている。逃げ面51は、軸方向に直交する平坦面に形成されている。
移行面52は、逃げ面51の外周縁から上方に向けて延びている。移行面52は、中心軸線O1と同軸の円筒面である。すなわち、移行面52は、逃げ面51の周囲を全周に亘って取り囲んでいる。
【0032】
支持面53は、移行面52の上端縁の全周に亘って連なっている。支持面53は、下方から上方に向かうに従い径方向の外側に向けて延びるテーパ面である。軸方向に沿う断面視において、支持面53は、直線状に延びている。軸方向に沿う断面視において、支持面53のうち径方向で向かい合う部分同士がなす角度θ1(図6に示すテーパ角)は、90°<θ1<180°であることが好ましく、110°<θ1<160°であることがより好ましい。軸方向に沿う断面視において、支持面53は、中心軸線O1を基準として対称に形成されている。
【0033】
位置決め面54は、支持面53の上端縁から上方に向けて延びている。位置決め面54は、中心軸線O1と同軸の円筒面である。すなわち、位置決め面54は、支持面53の周囲を全周に亘って取り囲んでいる。
【0034】
図4に示すように、ロータ収容部42のうち、支持面53上には、第1流出口53a及び第2流出口53bが開口している。各流出口53a,53bは、支持面53上において、上方(軸方向の第2側)に向けて開口している。各流出口53a,53bは、同一円周上(軸方向の同じ高さ)で、周方向で180°異なる位置に形成されている。すなわち、各流出口53a,53bは、径方向のうち第1方向(対向方向)で向かい合っている。各流出口53a,53bの開口縁(支持面53との境界部分)は、曲面形状に形成されていることが好ましい。なお、各流出口53a,53bの内径は、同等になっている。但し、各流出口53a,53bの位置や大きさ等は、適宜変更が可能である。
【0035】
第1流出ポート34は、例えばラジエータ流路11と制御バルブ5とを接続するものである。第1流出ポート34は、ベース部33に一体形成されている。第1流出ポート34は、軸方向に沿う断面視において、L字の管状に形成されている。具体的に、第1流出ポート34は、上流側に位置する引出部34aと、引出部34aの下流側に連なるジョイント部34bと、を備えている。
【0036】
引出部34aは、第1流出口53aの開口縁から下方に延びている。すなわち、第1流出ポート34は、引出部34aを通じて第1流出口53aに連通している。引出部34aの下端は、区画壁41aの下面と起立壁41bの下端縁との間に位置している。
ジョイント部34bは、引出部34aの下端から第1方向の外側に向けて延びている。ジョイント部34bにおける第1方向の外側端部は、ベース部33よりも外側に突出している。ジョイント部34bの外側端部には、例えばラジエータ流路11が接続される。
【0037】
第2流出ポート35は、例えば空調流路12と制御バルブ5とを接続するものである。第2流出ポート35は、ベース部33に一体形成されている。第2流出ポート35は、中心軸線O1を対称軸として第1流出ポート34と第1方向で対称に形成されている。具体的に、第2流出ポート35は、上流側に位置する引出部35aと、引出部35aの下流側に連なるジョイント部35bと、を備えている。
【0038】
引出部35aは、第2流出口53bの開口縁から下方に延びている。すなわち、第2流出ポート35は、引出部35aを通じて第2流出口53bに連通している。引出部35aの下端は、区画壁41aの下面と起立壁41bの下端縁との間に位置している。
ジョイント部35bは、引出部35aの下端から第1方向の外側に向けて延びている。すなわち、各流出ポート34,35は、第1方向に直線状に並んでいる。ジョイント部35bにおける第1方向の外側端部は、ベース部33よりも外側に突出している。ジョイント部35bの外側端部には、例えば空調流路12が接続される。
【0039】
<カバー32>
図3図5に示すように、カバー32は、ベース部33(ロータ収容部42)の上端開口部(第2側開口部)を閉塞する。具体的に、カバー32は、対向壁61と、位置決め部62と、ばね支持部63と、流入ポート64と、を備えている。対向壁61、位置決め部62、ばね支持部63及び流入ポート64は、例えば樹脂材料を射出成形することよって一体に形成されている。
対向壁61は、軸方向を厚さ方向とする板状に形成されている。対向壁61の平面視外形は、ロータ収容部42の平面視外形と同等に形成されている。対向壁61は、ロータ収容部42の上面に重ね合わされた状態で、ロータ収容部42に組み付けられている。これにより、ベース部33の上端開口部がカバー32によって閉塞されている。なお、対向壁61とベース部33(ロータ収容部42)との間には、Oリング等のパッキンが介在している。
【0040】
図7は、カバー32の底面図である。図8は、カバー32を透過して示す制御バルブ5の平面図である。
図7図8に示すように、対向壁61には、流入口65が形成されている。流入口65は、対向壁61を軸方向に貫通するとともに、周方向に延びている。図示の例において、流入口65は、平面視でC字状に形成されている。具体的に、流入口65は、径方向のうち第1方向に直交する第2方向において、中心軸線O1に対して一方側を回り込んでいる。流入口65のうち、周方向の一方側端部が第1流出口53aと平面視で重なり合い、周方向の他方側端部が第2流出口53bと平面視で重なり合っている。
【0041】
図4図5に示すように、位置決め部62は、対向壁61の外周部分から下方に向けて突出している。位置決め部62は、中心軸線O1と同軸に配置された筒状に形成されている。位置決め部62は、カバー32がベース部33に組み付けられた状態において、ロータ収容部42の内側に挿入されている。位置決め部62は、位置決め面54に径方向の内側から当接することで、ベース部33に対するカバー32の径方向の位置決めを行う。
【0042】
ばね支持部63は、対向壁61のうち位置決め部62に対して径方向の内側に位置する部分から下方に突出している。ばね支持部63は、中心軸線O1と同軸に配置された筒状に形成されている。本実施形態のばね支持部63は、下方に位置するものほど外径が小さい段付き形状に形成されている。具体的に、ばね支持部63は、軸方向支持部63aと、径方向支持部63bと、を備えている。
【0043】
軸方向支持部63aは、ばね支持部63の上端部を構成している。軸方向支持部63aの外径は、大径部45a,45cの内径よりも大きい。軸方向支持部63aの下端面は、軸方向に直交する平坦面に形成されている。
径方向支持部63bは、ばね支持部63から下方に突出している。径方向支持部63bの外径は、大径部45a,45cよりも小さく、小径部45bの内径よりも大きい。したがって、径方向支持部63bは、シールリング46と軸方向で向かい合っている。なお、ばね支持部63の内径は、軸方向支持部63a及び径方向支持部63bの全体に亘って一様に形成されている、図示の例において、ばね支持部63の内径は、小径部45bの内径と同等になっている。
【0044】
図4図5図7に示すように、流入ポート64は、メイン流路10と制御バルブ5とを接続するものである。流入ポート64は、分岐流路71と、共通流路72と、を備えている。
分岐流路71は、流入口65を上方から覆うとともに、対向壁61に対して上方に膨出するドーム状に形成されている。分岐流路71(各分岐部71a,71b)は、分岐流路71の延在方向に直交する断面視で半円形状に形成されている。
【0045】
図示の例において、分岐流路71は、平面視において、流入口65と同等の外形を呈し、周方向に延びるC字状に形成されている。具体的に、分岐流路71は、分岐流路71における周方向の中央部から一方側に延びる第1分岐部71aと、分岐流路71における周方向の中央部から他方側に延びる第2分岐部71bと、を備えている。分岐流路71は、分岐流路71の延在方向(周方向)全長に亘って流入口65に連通している。すなわち、分岐流路71の下端開口部の開口面積は、流入口65の開口面積と同等になっている。
【0046】
共通流路72及び分岐流路71は、中心軸線O1に直交する同一平面上に位置している。具体的に、共通流路72は、分岐流路71における延在方向(周方向)の中央部から第2方向の一方側に向けて突出している。共通流路72は、基端部において分岐流路71に連通する一方、先端部においてメイン流路10に接続される。共通流路72の先端部は、対向壁61に対して第2方向の外側に突出している。メイン流路10から共通流路72に流入した冷却液は、共通流路72の先端部において第1分岐部71a及び第2分岐部71bに振り分けられる。
【0047】
共通流路72の延在方向は、流出ポート34,35(ジョイント部34b,35b)の延在方向に対して直交している。共通流路72は、第2方向に直交する断面視で円形状に形成されている。対向壁61に対する共通流路72の上方への膨出量は、対向壁61に対する分岐流路71の上方への膨出量に比べて大きくなっている。したがって、共通流路72の上端縁が、制御バルブ5の最上端縁を構成する。
【0048】
ここで、第1分岐部71a及び第2分岐部71bの流路断面積(それぞれの延在方向に直交する面積)は、周方向の全長に亘って一様に形成されている。この場合、第1分岐部71a及び第2分岐部71bの流路断面積の和は、共通流路72の流路断面積(延在方向に直交する面積)以上であることが好ましい。但し、第1分岐部71a及び第2分岐部71bの流路断面積の和が、共通流路72の流路断面積より小さくてもよい。
【0049】
<駆動ユニット22>
図3に示すように、駆動ユニット22は、図示しないモータや減速機構、制御基板等が収納されて構成されている。駆動ユニット22は、取付台座41に対して下方に配置されている。駆動ユニット22は、取付台座41に軸方向で重ね合わされた状態で、起立壁41bに組み付けられている。図6に示すように、駆動ユニット22は、上方に向けて突出する出力軸22aを備えている。出力軸22aは、中心軸線O1と同軸に配置された筒状に形成されている。
【0050】
<ロータ23>
図3図4に示すように、ロータ23は、ケーシング21の内側で回転することで、流入口65と流出口53a,53bとの連通及び遮断を切り替える。具体的に、ロータ23は、軸部80と、弁体81と、を備えている。ロータ23は、例えば樹脂材料を射出成形することによって一体に形成されている。
【0051】
図6に示すように、軸部80は、中心軸線O1と同軸上に配置されている。軸部80は、貫通孔45を軸方向に貫通している。具体的に、軸部80は、軸部80の下端部を構成する連結部80aと、連結部80aの上方に連なる伝達部80bと、を備えている。
【0052】
連結部80aは、中実状に形成されている。連結部80aの下部は、出力軸22aの内側に嵌め込まれている。本実施形態では、連結部80aの外周面に形成された雄スプラインと、出力軸22aの内周面に形成された雌スプラインと、が周方向に噛み合った状態で、連結部80aが出力軸22aに連結されている。これにより、連結部80aは、出力軸22aの回転に伴い中心軸線O1回りに回転可能に構成されている。連結部80aの上部は、第1大径部45aの内側に配置されている。なお、連結部80aの下端面には、上方に窪む肉抜き部80a1が形成されている。
【0053】
伝達部80bは、中心軸線O1と同軸の有底筒状(中空状)に形成されている。すなわち、伝達部80bの内側は、上方に開口する凹部84を構成している。伝達部80bは、接続部85と、周壁部86と、を備えている。
接続部85は、連結部80aの平面視外形よりも大きい円板状に形成されている。接続部85は、連結部80aの外周面に対して径方向の外側に張り出した状態で、連結部80aの上端面に連なっている。接続部85は、小径部45bの内側に配置されている。接続部85の上端面には、下方に窪む肉抜き部85aが形成されている。肉抜き部85aは、接続部85の上端面上で凹部84に連通している。連結部80aの下端面には、上方に窪む肉抜き部80a1が形成されている。なお、連結部80aは、中空状に形成されていてもよい。
【0054】
周壁部86は、接続部85の外周縁から上方に延びている。周壁部86は、上方に向かうに従い外径が段々と拡大する多段筒状に形成されている。具体的に、周壁部86は、小筒部86aと、張出部86bと、大筒部86cと、を備えている。
小筒部86aは、接続部85の外径と同等の外径の円筒状に形成されている。小筒部86aは、第2大径部45cの内側に配置されている。小筒部86aの外周面には、シールリング46の内周面が密接している。これにより、貫通孔45を通じたケーシング21の内外の連通を遮断している。
【0055】
張出部86bは、小筒部86aの上端開口縁から径方向の外側に張り出している。張出部86bは、少なくとも一部がロータ収容部42内に突出した状態で、第2大径部45cに対して軸方向で向かい合っている。これにより、第2大径部45cの上端開口部を通じたシールリング46の抜けが規制されている。張出部86bの外径は、第2大径部45cの内径以下に形成されている。
大筒部86cは、張出部86bの外周縁から上方に向けて延びる円筒状に形成されている。大筒部86cは、径方向支持部63bと軸方向で向かい合っている。
【0056】
図4図5に示すように、弁体81は、上方に開口する円錐台形状に形成されている。弁体81は、軸部80の回転に伴い、中心軸線O1回りを回転可能にロータ収容部42内に設けられている。具体的に、弁体81は、弁底壁91と、摺動壁92と、を備えている。弁体81のうち、弁底壁91及び摺動壁92で囲まれた空間は、弁体81の内部空間K1を構成している。内部空間K1は、上方に向けて開放されている。したがって、上述した流入口65は、内部空間K1に常時連通している。一方、内部空間K1は、下端部において、凹部84に連通している。
【0057】
弁底壁91は、大筒部86cの下端部から径方向の外側に張り出している。したがって、大筒部86cは、弁体81の内部空間K1内に向けて弁底壁91から上方に突出している。弁底壁91は、逃げ面51に対して軸方向に間隔を空けた状態で向かい合っている。図示の例において、弁底壁91の下面は、移行面52の上端よりも下方に位置し、弁底壁91の上面は、移行面52の上端よりも上方に位置している。
【0058】
摺動壁92は、弁底壁91の外周縁に連なっている。摺動壁92は、上方に向かうに従い漸次拡径されたテーパ筒状に形成されている。摺動壁92の上端開口部は、対向壁61に向かい合っている。上述したばね支持部63は、摺動壁92の上端開口部を通じて内部空間K1に進入している。図示の例において、ばね支持部63は、径方向支持部63bの全体、及び軸方向支持部63aの下端部が内部空間K1に進入している。なお、ばね支持部63は、少なくとも一部が内部空間K1に進入していてもよく、内部空間K1よりも上方に位置していてもよい。
【0059】
軸方向に沿う断面視において、摺動壁92は、上下方向の全域に亘って一様な厚さで、上方に向かうに従い径方向の外側に向けて直線状に延びている。この場合、摺動壁92の外周面は、支持面53に倣って延びている。したがって、軸方向に沿う断面視において、摺動壁92の外周面のうち径方向で向かい合う部分同士がなす角度θ2(図6に示すテーパ角)は、支持面53のテーパ角θ1と同等である。すなわち、角度θ2は、90°<θ2<180°であることが好ましく、110°<θ2<160°であることがより好ましい。摺動壁92の外周面は、弁体81の回転に伴い、支持面53上を摺動する。すなわち、支持面53は、摺動壁92を介して弁体81を回転可能に支持している。なお、摺動壁92の上端縁は、位置決め面54に対して径方向の内側から近接している。
【0060】
摺動壁92には、摺動壁92を軸方向に貫通する連通口92aが形成されている。弁体81は、連通口92aと、何れかの流出口53a,53bと、の少なくとも一部同士が平面視で重なり合う場合に、連通口92aを通じて何れかの流出口53a,53bと内部空間K1とを連通させる。一方、連通口92aが、何れの流出口53a,53bとも重なり合わない場合は、弁体81によって内部空間K1と流出口53a,53bとの連通が遮断されている。本実施形態の連通口92aは、周方向に間隔をあけて2つ形成されている。図示の例において、中心軸線O1と各連通口92aそれぞれとを結ぶ直線がなす共役角のうち、劣角側の角度は90°よりも大きく、180°よりも小さくなっている。但し、連通口92aの数や隣り合う連通口92a同士の間隔等は適宜変更が可能である。
【0061】
<付勢部材24>
付勢部材24は、例えば平板状のコイルスプリングである。付勢部材24は、中心軸線O1と同軸に配置された状態で、弁底壁91と軸方向支持部63aとの間に挟まれている。付勢部材24は、全体が内部空間K1に位置している。すなわち、付勢部材24は、ロータ23の内部に設けられている。なお、付勢部材24は、少なくともロータ23の内部に設けられていればよい。
【0062】
付勢部材24は、弁体81を下方に向けて付勢している。すなわち、摺動壁92は、付勢部材24の付勢力によって支持面53に押し付けられている。付勢部材24のうち、上端部の内側には径方向支持部63bが挿入されている。付勢部材24は、径方向支持部63bに径方向から当接することで、ケーシング21に対する径方向の移動が規制されている。付勢部材24のうち、下端部の内側には大筒部86cが挿入されている。付勢部材24は、大筒部86cに径方向から当接することで、ケーシング21に対する径方向の移動が規制されている。なお、本実施形態では、付勢部材24が、ばね支持部63を介して対向壁61に間接的に支持されている構成について説明するが、この構成に限られない。付勢部材24は、対向壁61に直接支持されていてもよい。
【0063】
[制御バルブ5の動作方法]
次に、上述した制御バルブ5の動作方法を説明する。
図1に示すように、メイン流路10において、ウォータポンプ4により送り出される冷却液は、発熱部2で熱交換された後、制御バルブ5に向けて流通する。図4に示すように、メイン流路10において発熱部2を通過した冷却液は、流入ポート64を通過した後、流入口65を通って内部空間K1内に流入する。これにより、ベース部33内の全域に冷却液が満たされている。
【0064】
続いて、制御バルブ5において、冷却液の分配方法について説明する。
連通口92aと流出口53a,53bとが重なり合っていない場合、連通口92aを通じた内部空間K1と流出口53a,53b(流出ポート34,35)との連通は遮断されている(遮断状態)。遮断状態では、連通口92aを通じて内部空間K1の冷却液が流出口53a,53bに流れることが規制されている。
【0065】
例えばラジエータ8に冷却液を供給したい場合には、図8に示すように連通口92aと第1流出口53aとを連通させる。具体的には、駆動ユニット22を駆動させ、ロータ23を中心軸線O1回りに回転させる。この際、ロータ23は、支持面53上を摺動壁92の外周面が摺動しながら、中心軸線O1回りに回転する。そして、連通口92aと第1流出口53aとの少なくとも一部が重なり合うことで、連通口92aと第1流出口53aとが連通する(第1連通状態)。第1連通状態では、内部空間K1の冷却液が連通口92aを通じて流出する。内部空間K1から流出した冷却液は、第1流出口53aを通過することで、第1流出ポート34内を通ってラジエータ流路11に分配される。ラジエータ流路11に分配された冷却液は、ラジエータ8を通過した後、メイン流路10に戻され、再び制御バルブ5内に流入する。
【0066】
一方、ヒータコア9に冷却液を供給したい場合には、上述した方法と同様の方法によって図9に示すように連通口92aと第2流出口53bとを連通させる(第2連通状態)。これにより、内部空間K1から流出した冷却液は、第2流出口53bを通過することで、第2流出ポート35内を通って空調流路12に分配される。
このように、本実施形態の制御バルブ5では、連通口92aを通じた内部空間K1と流出口53a,53bとの連通及び遮断をロータ23の回転位置に応じて切り替える。これにより、所望の流路に対して冷却液を分配することができる。
【0067】
本実施形態の制御バルブ5において、ロータ23は、軸部80から上方に向かうに従い外径が漸次拡大する弁体81を有し、弁体81の外周面がケーシング21に摺動可能に支持される構成とした。
この構成によれば、弁体81がケーシング21に直接支持されるため、シール部材や軸受を別途設ける必要がない。そのため、部品点数や組立工数の削減、制御バルブ5の小型化、低コスト化を図ることができる。
また、弁体81がテーパ状に形成されていることで、ロータ23の外径が熱によって膨張収縮した場合に、外径の増減変化に応じてロータ23が支持面53上を軸方向に変位する。そのため、ロータ23の膨張収縮変化に関わらず、弁体81が安定して支持面53上で支持される。よって、制御バルブ5の動作安定性を確保できる。
【0068】
特に、本実施形態の制御バルブ5において、ケーシング21は、弁体81の上端開口部に向かい合うとともに、流入口65が形成された対向壁61と、対向壁61に対して上方に膨出するとともに、流入口65に接続された流入ポート64と、を備えている構成とした。
この構成によれば、ケーシング21のうち、流入ポート64に対応する部分のみが対向壁61に対して軸方向に膨出するので、流入ポート64の流路断面積を確保するために、ケーシング21全体を大型化する場合に比べ、制御バルブ5全体での軸方向の小型化を図ることができる。これにより、内部空間K1に対してスムーズに冷却液を供給することができる。
【0069】
本実施形態の制御バルブ5は、軸方向に交差する径方向の外側に向けて分岐流路(第1流路)71から延びるとともに、対向壁61よりも外側に引き出された共通流路(第2流路)72と、を備えている構成とした。
この構成によれば、径方向において、共通流路72を対向壁61よりも外側に引き出すことで、制御バルブ5の軸方向での小型化を図ることができる。また、対向壁61よりも径方向の外側で配管を接続することができるので、配管のレイアウト性を向上させることができる。
【0070】
本実施形態の制御バルブ5において、分岐流路71は、共通流路72の下流端部から周方向の一方側に延びる第1分岐部71aと、共通流路72の下流端部から周方向の他方側に延びる第2分岐部71bと、を備えている構成とした。
この構成によれば、流入ポート64における対向壁61よりも上方への膨出量を抑えた上で、分岐流路71の流路断面積(第1分岐部71a及び第2分岐部71bの和)を確保することができる。これにより、冷却液をよりスムーズに流通させることができる。
【0071】
本実施形態の制御バルブ5において、流入口65は、分岐流路71における周方向の全長に亘って開口している構成とした。
この構成によれば、流入ポート64及び流入口65間の流路抵抗を軽減して、内部空間K1に対してよりスムーズに冷却液を供給することができる。
【0072】
本実施形態の制御バルブ5において、弁体81は、軸方向に沿う断面視において、下方から上方に向かうに従い径方向の外側に向けて直線状に延びている構成とした。
例えば弁体81の断面視形状が円弧状に形成されている場合には、弁体81の外周面の接線方向の向きが軸方向の位置で異なる。この場合、弁体81が熱によって収縮する際、弁体81の軸方向の位置によって変形の挙動が異なる。具体的に、弁体81のうち上方に向かうに従い(接線の傾きが大きくなるに従い)、径方向の内側への変形量が大きくなる結果、支持面53と弁体81との間のシール性を確保し難くなる。
これに対して、本実施形態のように、弁体81の断面視形状を直線状に形成することで、熱収縮による弁体81の変形挙動を軸方向の全体に亘って均一に保ち易い。その結果、ロータ23の膨張収縮変化に関わらず、弁体81が安定して支持面53上で支持される。よって、制御バルブ5の動作安定性を確保できる。
【0073】
本実施形態の制御バルブ5において、弁体81は、径方向で向かい合う部分同士のなす角度θ2を、90°<θ2<180°に設定する構成とした。
この構成によれば、角度θ2を90°よりも大きくすることで、ロータ23の外径が熱によって膨張収縮した場合において、外径の増減変化に応じてロータ23が支持面53上をよりスムーズに変位し易くなる。そのため、ロータ23の膨張収縮変化に関わらず、弁体81が安定して支持面53上で支持される。よって、制御バルブ5の動作安定性を確保できる。
しかも、角度θ2を110°<θ2<160°の範囲に設定することで、成形時の駄肉を抑制でき、軸方向でのさらなる小型化を図ることができる。
【0074】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、制御バルブ5が車両の冷却システム1に搭載された構成について説明したが、この構成のみに限らず、その他のシステムに搭載しても構わない。
上述した実施形態では、2つの流出口53a,53bを備える構成について説明したが、この構成に限られない。流出口は、少なくとも一つ備えていればよい。
上述した実施形態では、ベース部33に対して流出ポート34,35が一体に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。流出ポート34,35は、ベース部33と別体で形成されていてもよい。
【0075】
上述した実施形態では、流入口65が内部空間K1に常時連通する構成について説明したが、この構成に限られない。流入口65についても、ロータ23の回転に応じて内部空間K1との連通及び遮断が切り替えられる構成であってもよい。すなわち、本発明に係る制御バルブは、弁体に形成された連通口を通じて流入口及び流出口の少なくとも一方と内部空間との間の連通及び遮断が弁体の回転位置に応じて切り替えられる構成であればよい。
上述した実施形態では、弁体81が断面視で直線状に延びる構成について説明したが、この構成に限られない。弁体81は、断面視で円弧状に延びる構成等であってもよい。
【0076】
上述した実施形態では、付勢部材24が内部空間K1に設けられた構成について説明したが、この構成に限られない。付勢部材の位置は、弁体81を支持面53に向けて押さえ付ける構成であれば、適宜変更が可能である。また、付勢部材は、必須の構成ではない。
上述した実施形態では、流入口65がカバー32に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。流入口は、ケーシング本体31に形成されていてもよい。また、流入口は、一つに限らず、複数設けられていてもよい。
【0077】
上述した実施形態では、流入ポート64が対向壁61から上方に膨出した状態で径方向(第2方向)に延びる構成について説明したが、この構成に限られない。流入ポート64は、対向壁61から軸方向のみに延びる構成であってもよい。
上述した実施形態では、流入ポート64のうち、第1流路が分岐流路71である構成について説明したが、この構成に限られない。第1流路の形状は、流入口65に連通していれば、適宜変更が可能である。
上述した実施形態では、第1流路(分岐流路71)が全長に亘って流入口65に連通する構成について説明したが、この構成に限られない。第1流路は、延在方向の少なくとも一部で流入口65に連通していればよい。
【0078】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0079】
5:制御バルブ
21:ケーシング
23:ロータ
53a:第1流出口
61:対向壁
64:流入ポート
65:流入口
80:軸部
81:弁体
71:分岐流路(第1流路)
71a:第1分岐部
71b:第2分岐部
72:共通流路(第2流路)
82a:連通口
O1:中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9