(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013014
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】空調機及び制御方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/74 20180101AFI20240124BHJP
F24F 11/86 20180101ALI20240124BHJP
【FI】
F24F11/74
F24F11/86
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114905
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】石塚 浩史
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB03
3L260CA12
3L260FA03
3L260FB07
3L260FB12
3L260GA02
3L260HA02
(57)【要約】
【課題】暖房運転のサーモOFF時にファンを停止し、且つ適切なタイミングでサーモONできる空調機を提供する。
【解決手段】空調機は、室外機と、複数の室内機と、制御装置とを有し、部屋に設けられた温度センサと接続されたマルチ型の空調機であって、サーモOFFとなると、ファンを停止し、部屋の温度センサが計測した温度を記憶し、ファン停止後に部屋の温度センサが計測した温度が、記憶した温度よりも所定温度以上低下すると、ファンの運転を再開し、ファン運転の再開から規定時間が経過すると、室内機の温度センサが計測する温度に基づいて、サーモOFFからサーモONへ復帰するかどうかを判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外機と、複数の室内機と、制御装置とを有し、前記室外機と複数の前記室内機が冷媒配管で接続されたマルチ型の空調機であって、
前記室内機は、室内熱交換器と、ファンと、第1の温度センサと、を有し、空調対象とする部屋に設けられた第2の温度センサと接続され、
前記制御装置は、
暖房運転を実行している前記室内機が、室内温度が設定温度に到達して前記室内熱交換器における熱交換が不要なサーモOFFとなると、前記ファンを停止する手段と、
前記サーモOFFとなったときに前記第2の温度センサが計測した温度を基準温度として記憶する手段と、
前記ファンの停止後に、前記第2の温度センサが計測した温度が、前記基準温度よりも所定温度以上低下すると、前記ファンの運転を再開する手段と、
前記ファンの運転を再開してから規定時間が経過すると、前記第1の温度センサが計測する温度に基づいて、前記サーモOFFから前記室内熱交換器で熱交換を行うサーモONに切り替えるかどうかを判定する手段と、
を有する空調機。
【請求項2】
前記ファンの運転を再開する手段は、前記ファンの停止後に、前記ファンを停止したまま所定時間が経過したかどうかを判定し、所定時間が経過した場合には、前記ファンの運転を再開する、
請求項1に記載の空調機。
【請求項3】
前記第1の温度センサが複数設けられ、
前記ファンの運転を再開する手段は、複数の前記第2の温度センサが計測した温度から算出される参照温度が、前記基準温度よりも所定温度以上低下すると、前記ファンの運転を再開する、
請求項1または請求項2に記載の空調機。
【請求項4】
前記制御装置は、複数の前記第2の温度センサが計測した温度に対する重み付けを設定する手段、をさらに備え、
前記ファンの運転を再開する手段は、前記重み付けの設定に基づく重みを、複数の前記第2の温度センサが計測した温度のそれぞれに付して、前記参照温度を算出する、
請求項3に記載の空調機。
【請求項5】
複数の前記第2の温度センサは、異なる高さに設けられている、
請求項3に記載の空調機。
【請求項6】
前記第2の温度センサは、床から0.3m以下の高さに設けられている、
請求項1または請求項2に記載の空調機。
【請求項7】
前記第2の温度センサは、前記室内機のリモコンに設けられている、
請求項1または請求項2に記載の空調機。
【請求項8】
室外機と、複数の室内機と、制御装置とを有し、前記室外機と複数の前記室内機が冷媒配管で接続されたマルチ型の空調機の制御方法であって
前記室内機は、室内熱交換器と、ファンと、第1の温度センサと、を有し、空調対象とする部屋に設けられた第2の温度センサと接続され、
暖房運転を実行している前記室内機が、室内温度が設定温度に到達して前記室内熱交換器における熱交換が不要なサーモOFFとなると、前記ファンを停止するステップと、
前記サーモOFFとなったときに前記第2の温度センサが計測した温度を基準温度として記憶するステップと、
前記ファンの停止後に、前記第2の温度センサが計測した温度が、前記基準温度よりも所定温度以上低下すると、前記ファンの運転を再開するステップと、
前記ファンの運転を再開してから規定時間が経過すると、前記第1の温度センサが計測する温度に基づいて、前記サーモOFFから前記室内熱交換器で熱交換を行うサーモONに切り替えるかどうかを判定するステップと、
を有する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に例示するように1台の室外機10に対して複数台の室内機20,21,22,23を備えるマルチ型の空調機100が提供されている。マルチ型の空調機100では、室外機10が送り出した冷媒を室内機20~23で共有するため、冷媒が、例えば、室内機20の室内熱交換器に溜りすぎると、室内機21~23へ供給される冷媒の量が減少し、室内機21~23の空調能力が低下する。例えば、室内機20の暖房運転中にサーモOFF(サーモOFFとは、室内温度が設定温度に達し、室内機20の室内熱交換器を流れる冷媒と室内空気の熱交換が不要な運転状態になることである。)となると、室内熱交換器に供給されたガス冷媒が凝縮して液化し、室内機20の室内熱交換器に冷媒が溜る。これは、マルチ型の空調機100では、サーモOFFとなっても、冷媒が当該室内熱交換器へ供給され、ファンの運転等により、冷媒が凝縮するためである。サーモOFFしている室内機20の室内熱交換器には冷媒が必要ないにも関わらず、冷媒が溜りすぎることを防止するため、マルチ型の空調機100では、暖房運転中にサーモOFFとなると、暖房運転を行っている室内機20のファンについて冷媒の凝縮を防ぐ運転行う。
具体的には、(1)ファンを停止するか、又は、(2)ファンの間欠運転を行う。ファンを停止すれば、室内熱交換器での熱交換が抑制され、室内熱交換器へ供給されたガス冷媒の凝縮を防ぐことができる。ファンの間欠運転においても、ファンを継続して運転する場合に比べれば、ガス冷媒の凝縮を抑制することができる。しかし、(1)又は(2)の冷媒凝縮防止運転を行うと、冷媒の凝縮量を低下させることはできるが、空調の快適性を損なう可能性がある。例えば、(1)ファンを停止すると、室内機20の吸込み温度が正確に室内の温度を反映した温度ではなくなるため、サーモON(暖房を再開すること)すべきタイミングが適切では無くなり、快適性が損なわれる可能性がある。(2)ファンの間欠運転を行った場合、ファンを停止する制御に比べて吸込み温度の正確性は向上するが、ファンの運転中には過暖房となり、快適性が損なわれる可能性がある。
【0003】
特許文献1には、上記したファンの間欠運転を行う場合に生じる過暖房を防ぐためのファンの制御方法が開示されている。特許文献1には、サーモOFF時にファンを停止したとしても、適切なタイミングで暖房運転を再開する制御については開示が無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サーモOFF時にファンを停止したとしても、適切なタイミングで暖房運転を再開(サーモON)することを可能にする制御方法が求められている。
【0006】
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる空調機及び制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、空調機は、室外機と、複数の室内機と、制御装置とを有し、前記室外機と複数の前記室内機が冷媒配管で接続されたマルチ型の空調機であって、前記室内機は、室内熱交換器と、ファンと、第1の温度センサと、を有し、空調対象とする部屋に設けられた第2の温度センサと接続され、前記制御装置は、暖房運転を実行している前記室内機が、室内温度が設定温度に到達して前記室内熱交換器における熱交換が不要なサーモOFFとなると、前記ファンを停止する手段と、前記サーモOFFとなったときに前記第2の温度センサが計測した温度を基準温度として記憶する手段と、前記ファンの停止後に、前記第2の温度センサが計測した温度が、前記基準温度よりも所定温度以上低下すると、前記ファンの運転を再開する手段と、前記ファンの運転を再開してから規定時間が経過すると、前記第1の温度センサが計測する温度に基づいて、前記サーモOFFから前記室内熱交換器で熱交換を行うサーモONに切り替えるかどうかを判定する手段と、を有する。
【0008】
本開示の一態様によれば、制御方法は、室外機と、複数の室内機と、制御装置とを有し、前記室外機と複数の前記室内機が冷媒配管で接続されたマルチ型の空調機の制御方法であって、前記室内機は、室内熱交換器と、ファンと、第1の温度センサと、を有し、空調対象とする部屋に設けられた第2の温度センサと接続され、暖房運転を実行している前記室内機が、室内温度が設定温度に到達して前記室内熱交換器における熱交換が不要なサーモOFFとなると、前記ファンを停止するステップと、前記サーモOFFとなったときに前記第2の温度センサが計測した温度を基準温度として記憶するステップと、前記ファンの停止後に、前記第2の温度センサが計測した温度が、前記基準温度よりも所定温度以上低下すると、前記ファンの運転を再開するステップと、前記ファンの運転を再開してから規定時間が経過すると、前記第1の温度センサが計測する温度に基づいて、前記サーモOFFから前記室内熱交換器で熱交換を行うサーモONに切り替えるかどうかを判定するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の空調機及び制御方法によれば、サーモOFF時にファンを停止したとしても、適切なタイミングでサーモONすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るマルチ型の空調機の概略図である。
【
図2】実施形態に係るマルチ型の空調機の冷媒回路の一例を示す概略図である。
【
図3】実施形態に係る室内機の制御装置の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る室内機が備えられた部屋の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係るファン制御に関する設定の一例を示す図である。
【
図6A】実施形態に係るファン制御の例を示す第1の図である。
【
図6B】実施形態に係るファン制御の例を示す第2の図である。
【
図6C】実施形態に係るファン制御の例を示す第3の図である。
【
図7】実施形態に係るファンの制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
以下、本開示の一実施形態による空調機及び制御方法について
図1~
図7を参照して説明する。
(構成)
図1は、実施形態に係るマルチ型の空調機の一例を示す概略図である。マルチ型の空調機とは、1つの室外機に複数の室内機が接続される空調機である。
図1の空調機100は、室外機10と、複数の室内機20、21、22、23とを備えるマルチ型の空調システムである。室外機10と室内機20~23の各々は、それぞれ冷媒が通過する冷媒配管30で接続されている。室外機10および室内機20等の数は
図1に示す台数に限定されない。例えば、室内機20等は2~3台でも良いし、5台以上でもよい。また、室外機10は2台以上であってもよい。
【0012】
図2に室外機10が1台、室内機20等が2台(20、21)の場合のマルチ型の空調機100の冷媒回路の概略を示す。
図2に示すように室外機10は、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器13、制御装置14を備える。圧縮機11の吐出側と四方弁12は配管34で接続され、四方弁12と室外熱交換器13は配管32で接続され、四方弁12と圧縮機11の吸入側は配管33で接続される。四方弁12と継手3Aは配管35で接続される。室外熱交換器13と継手3Bは配管31で接続される。制御装置14は、圧縮機11の制御などを行う。
【0013】
室内機20は、室内熱交換器201、膨張弁202、ファン203、温度センサ204、制御装置40を備える。配管36は継手3Aと室内熱交換器201を接続し、配管37は室内熱交換器201と継手3Bを接続し、膨張弁202は配管37に設けられる。ファン203は、室内機20の吸込口付近に設けられ、室内の空気を吸入し、室内熱交換器201へ送出する。温度センサ204は、室内機20の吸込口付近に設けられ、室内の温度を計測する。室内機20が暖房運転しているときにサーモOFFするかサーモONするかについては、室内機20の暖房の設定温度と、温度センサ204が計測する温度の温度差によって判断される。例えば、制御装置40は、温度センサ204が計測した温度が設定温度に達すると、暖房運転をサーモOFFすると判断し、温度センサ204が計測した温度が暖房の設定温度より所定値以上低下すると、サーモONすると判断する。制御装置40は、サーモON、サーモOFFに合わせて、膨張弁202、ファン203を制御する(後述)。
【0014】
室内機21の構成は、室内機20と同様である。室内機21は、室内熱交換器211、膨張弁212、ファン213、温度センサ214、制御装置41を備える。配管38は継手3Aと室内熱交換器211を接続し、配管39は室内熱交換器211と継手3Bを接続し、膨張弁212は配管39に設けられる。制御装置41は、膨張弁212、ファン213の制御を行う。
【0015】
マルチ型の空調機100にて暖房運転を行う場合、四方弁12は、暖房運転用に設定され、圧縮機11が吐出した高温高圧のガス冷媒は、配管34、四方弁12、配管35,36を通じて室内機20の室内熱交換器201へ供給され、配管34、35、38を通じて室内機21の室内熱交換器211へ供給される。室内熱交換器201へ供給された冷媒は、ファン203が送出する空気と熱交換して凝縮し、膨張弁202で減圧され、配管37、31を通じて室外熱交換器13へ供給される。同様に、室内機21では、室内熱交換器211へ供給された冷媒は、ファン213が送出する空気と熱交換して凝縮し、膨張弁212で減圧され、配管39、31を通じて室外熱交換器13へ供給される。室外熱交換器13に供給された冷媒は、外気との熱交換により気化し、気化した冷媒は、配管32、四方弁12、配管33を通じて、圧縮機11へ吸入される。
【0016】
図2を用いて説明したように、マルチ型の空調機100では、室内機20、21で冷媒を共有するため、例えば、室内機20にて、室内熱交換器201に冷媒が溜りすぎると、室内機21へ供給される冷媒が減少してしまう。そこで、例えば室内機20、21で暖房運転中に、室内機20がサーモOFFとなると、制御装置40は、室内熱交換器201にて冷媒が溜りすぎることを抑制する制御を行う。具体的には、制御装置40は、膨張弁202の開度を絞り、室内熱交換器201へ流入する冷媒を減少させ、ファン203については、従来技術のファン停止や間欠運転ではない別の制御、つまり、ファンを長時間停止させつつ、適切に室内温度を検出する制御を行う。本実施形態に係るファン制御の詳細については後述する。また、サーモOFF後、室内の温度が低下してサーモONとなると、制御装置40は、膨張弁202の開度を戻し、ファン203を通常どおり運転する。
【0017】
(ファン制御)
次に、
図3~
図6Cを参照して、本実施形態に係るファン制御について説明する。以下では、室内機20がサーモOFFの運転状態となったときのファン制御を例に説明を行うが、他の室内機21等についても同様である。
【0018】
図3は、実施形態に係る室内機の制御装置の一例を示す図である。
制御装置40は、例えばマイコン等のコンピュータ装置である。図示するように制御装置40は、センサ情報取得部401と、設定受付部402と、タイマ403と、記憶部404と、制御部405と、通信部406とを備えている。制御装置40は、室内機20に関する種々の制御を行うが、本明細書では、ファン203の制御する機能を説明する。
【0019】
センサ情報取得部401は、温度センサ204が計測した温度に加えて、空調対象の部屋に設けられた温度センサが計測した温度を取得する。ここで、
図4を参照する。
図4に室内機20が備えられた部屋Aを示す。部屋Aには、室内機20、室内機20のリモコン(リモートコントローラ)50、冷媒検知器60、温度センサTh3、Th4が設けられている。室内機20の吸込口の近くには温度センサ204が設けられ、リモコン50には温度センサTh1が設けられ、冷媒検知器60には温度センサTh2が設けられている。室内機20は、部屋Aの上部に設けられている。リモコン50は、床から1m程度の高さに設けられている。冷媒検知器60は、室内機20から漏洩した冷媒を検知するため(冷媒は空気より重いため床付近に溜る)、床付近(床から0.3m以下の位置)に設けられている。従って、温度センサ204は、部屋Aの上部、天井付近の温度を計測し、温度センサTh1は、床から1m付近の温度を計測し、温度センサTh2は部屋Aの下部、床付近の温度を計測する。温度センサTh3、Th4は、例えば、リモートサーミスタ等であり、任意の位置に設けることができる。
図4の例では、温度センサTh3は、室内機20から離れた位置の部屋Aの上部に設けられ、温度センサTh4は、冷媒検知器60から離れた位置の部屋Aの下部に設けられている。温度センサTh3、Th4の位置は一例であり、他の位置に設けるようにしてもよい。また、温度センサTh1,Th2を含め、温度センサの数は任意である。例えば、リモコン50に内蔵された温度センサTh1だけであってもよいし、温度センサTh1と温度センサTh2だけであってもよい。部屋Aの温度センサは、室内機20の温度センサ204とは異なる高さに設けられ、図示するように複数のセンサを設ける場合には、部屋Aにおける高さ方向の温度分布を検出できるよう、複数のセンサはそれぞれ異なる高さに設けることが好ましい。さらに、部屋全体の温度分布を検出できるように、同じ高さでも離れた位置に温度センサを設けるようにしてもよい。暖房運転のサーモOFF中には、ファン203の運転を停止し、冷媒の凝縮を抑制することが望ましい。しかし、ファン203を停止すると、室内温度が把握できないという課題が生じる。例えば、暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降することから、サーモOFF中に室内機20の温度センサ204が計測する温度は高いままであっても、実際には、足元の温度は低下しているという状況が生じ得る。しかし、温度センサ204が計測する温度は、部屋Aの設定温度を満たしている為、サーモONされずに足元が冷えたままの時間が経過し、快適性が損なわれる。そこで、本実施形態では、室内機20の吸込口付近に設けられた温度センサ204だけではなく、部屋Aの色々な位置で計測された温度をファン制御に利用する。例えば、温度センサ204が計測する温度に変化が無くても、温度センサTh1が計測した温度が1℃低下したならば、室内温度は1℃前後低下していると考える。温度センサTh1~Th4は、制御装置40と通信可能に接続されている。センサ情報取得部401は、温度センサ204が計測した温度に加え、温度センサTh1~Th4が計測した温度を取得する。
【0020】
設定受付部402は、ユーザがリモコン等から入力した各種設定情報を取得する。例えば、設定受付部402は、温度センサTh1~Th4が計測した温度への重み付けの設定を取得する。
図5に温度センサへの重み付けの設定例を示す。設定例1は、温度センサTh1~Th4が計測した温度に対し、均等に重み付けを行う設定例である。設定例2は、床付近に設けられた温度センサTh2、Th3が計測する温度を重視する設定例である。設定例3は、温度センサTh3、Th4が計測する温度を重視する設定例である。例えば、部屋Aのユーザが、温度センサTh3、Th4が設けられた側の空間(紙面の左側)で過ごす時間が長いような場合、あるいは、窓Wからの日射しや、近くに存在する熱を放出する機器等の影響で温度センサTh1、2が計測する温度が部屋Aの温度を反映しない場合があると考えられるようなときに設定例3のように設定することが考えられる。設定例4は、温度センサTh1、Th4が計測する温度を重視する設定例である。例えば、部屋Aが寝室でベッドを利用するために、ある程度の高さ位置での温度を目安にしたい場合、設定例4のように設定することが考えられる。設定例5は、温度センサTh1が計測する温度のみを用いる場合の設定例である。例えば、冷媒検知器60や、温度センサTh3、Th4が無い場合の設定例である。同様にして、設定例6は、温度センサTh1,Th2のみが設けられている場合に足元温度を重視する設定、設定例7は、人がいる領域(部屋の中央から下方)の温度を重視する設定、設定例8は、部屋中央の温度を重視する設定となっている。設定例6~8を用いた制御については後に
図6A~
図6Cを参照して説明する。設定受付部402は、
図5に例示するような重み付けの設定を取得して、記憶部404に記録する。
【0021】
タイマ403は、時間を計測する。
記憶部404は、センサ情報取得部401が取得した温度の計測値、設定受付部402が取得した各種設定情報など種々の情報を記憶する。また、記憶部404は、制御装置40の機能を実現する各種プログラムを記憶する。
【0022】
制御部405は、室内機20の制御や、室外機10と連携して空調機100の制御を行う。例えば、制御部405は、膨張弁202の開度やファン203の回転数を制御する。サーモOFF時のファン203の制御について説明する。制御部405は、サーモOFFとなると、一旦、ファン203を停止する。ファン203を停止すると、制御部405は、温度センサTh1~Th4が計測する温度を監視して、サーモONするか否かの判定(以下、運転要否判定と称する場合がある。)を実行するタイミングを決定する。例えば、部屋Aの温度が低下したと考えられる状況になると、制御部405は、運転要否判定を実行する必要があると判定する。また、温度センサTh1~Th4が計測する温度に所定の規定時間変化が無いと、温度センサTh1~Th4は室温を正確に計測できていない可能性があると判断して、制御部405は、運転要否判定の実行を決定する。運転要否判定の実行を決定すると、制御部405は、停止していたファン203を規定時間だけ運転する。ファン203を規定時間だけ運転すると、部屋Aの空気が撹拌されて均一化するので、温度センサ204によって、部屋Aの正確な温度を計測できるようになる。ファン203の運転によって、部屋Aの正確な温度を計測できるようになると、制御部405は、運転要否判定を行う。例えば、温度センサ204が計測した温度が設定温度より所定値以上低下したかどうかによって、サーモONするかどうかが決定される。運転要否判定の結果、サーモONすると判定すると、制御部405は、室外機10と連携して、サーモON運転を実行する。例えば、圧縮機11は、運転を再開し、制御部405は、サーモON時のファン203および膨張弁202の制御を行う。サーモONしないと判定すると、サーモOFF時のファン制御を繰り返す。
【0023】
ここで、
図6A~
図6Cを参照して、ファン制御の例を説明する。部屋Aの設定温度を27℃、運転要否判定の実行を決定する条件を、温度が2℃低下することとする。また、部屋Aに設けられた温度センサは、リモコン50の温度センサTh1と冷媒検知器60の温度センサTh2であるとする。また、温度センサ204が計測した温度、リモコン50の温度センサTh1が計測した温度、冷媒検知器60の温度センサTh2が計測した温度をそれぞれ上、中、下で表すとする。
図6A~
図6Cの例の場合、ファン203の運転停止直前の上中下の温度はそれぞれ28℃、25℃、20℃である。
【0024】
図6Aの例の場合、ファン203の停止から10分後の上中下の温度はそれぞれ28℃、24℃、18℃である。このとき、例えば、
図5の設定例6のように足元温度を重視する設定になっていれば、足元温度(下の温度)がファン203の停止から2℃低下している為、制御部405は、運転要否判定を実行する必要があると決定する。つまり、制御部405は、ファン203を規定時間だけ運転して、運転要否判定を行う。そして、サーモON条件を満たせば、サーモONする。
【0025】
図6Bの例の場合、ファン203停止から10分後の上中下の温度はそれぞれ28℃、24℃、17℃である。このとき、例えば、
図5の設定例7のように人がいる領域(部屋の中央から下方)の温度を重視する設定となっていれば、中と下の温度の平均値がファン203の停止から2℃低下している為、制御部405は、運転要否判定を実行する必要があると決定する。制御部405は、ファン203を規定時間だけ運転して、運転要否判定を行う。もし、
図5の設定例6のような足元温度重視の重み付けが設定されていれば、
図6Bに示す温度分布となる前にファン203の運転と運転要否判定が実行される。
【0026】
図6Cの例の場合、ファン203停止から10分後の上中下の温度はそれぞれ28℃、23℃、16℃である。このとき、例えば、
図5の設定例8のように部屋中央の温度を重視する設定となっていれば、中の温度がファン203の停止から2℃低下している為、ファン203を規定時間運転した後に運転要否判定が実行される。
【0027】
このように制御部405は、複数の温度センサが計測した温度の推移(低下具合)に基づいて、運転要否判定を実行するタイミングを決定し、運転要否判定を実行する必要がある場合のみ規定時間だけファン203を運転し、それ以外の時間は、ファン203を停止し続ける。
【0028】
通信部406は、室外機10の制御装置14との通信を行う。例えば、通信部406は、温度センサ204が計測した温度や、制御部405による運転要否判定の判定結果などを室外機10の制御装置14へ送信する。また、通信部406は、室外機10が備える各種センサや圧縮機等の運転状態を示す情報などを制御装置14から受信する。
【0029】
(動作)
次に
図7を参照して、サーモOFF時のファン制御について説明する。
図7は、実施形態に係るファンの制御の一例を示すフローチャートである。
前提として、事前に温度センサTh1~Th4に対する重み付けの設定が行われ、記憶部404は、
図5に例示する温度センサTh1~Th4の重み付けの設定テーブルを記憶しているとする。最初に、所定のサーモOFF条件が成立する(ステップS1)。例えば、温度センサ204が計測した温度が設定温度に達すると、サーモOFF条件が成立する。すると、制御装置40は、サーモOFF時の制御を開始する。例えば、制御部405は、膨張弁202の開度を絞り、本実施形態のファン制御を行う。具体的には、制御部405は、他機器の温度センサが計測した温度を記録する(ステップS2)。制御部405は、センサ情報取得部401によって取得された温度センサTh1~Th4が計測した各温度を記憶部404に記録する。これらの温度はサーモOFF開始時の温度である。例えば、サーモOFF開始時の温度は、設定温度が27℃であれば、温度センサ204が計測する温度が28度、リモコンの温度センサTh1が計測する温度が25℃のようになる(25℃が記録される)。また、制御部405は、ファン203を停止する(ステップS3)。これにより、室内熱交換器201でガス冷媒が凝縮し、液冷媒が室内熱交換器201に溜ることを抑制することができる。
図7のステップS2、S3は、ほぼ同時に実行される。また、ステップS2、S3の順番は、逆であってもよい。
【0030】
次に制御部405は、他機器の温度センサが計測した温度が所定温度以上低下したかどうかを判定する(ステップS4)。例えば、
図5の設定例5のように温度センサTh1のみを使用する場合、制御部405は、温度センサTh1が計測する温度がステップS2で記録した温度よりも所定温度(例えば、2℃など)以上低下したかどうかを判定する。また、複数のセンサについて重み付けが設定されている場合、例えば、各センサが計測する温度の加重平均を求め、その温度によってステップS4の判定を行ってもよい。
図5の設定例1のように重み付けが設定されている場合、制御部405は、温度センサTh1~Th4のそれぞれが計測する温度の平均値が、ステップS2で記録した温度よりも所定温度以上低下したかどうかを判定する。例えば、
図5の設定例4のように重み付けが設定されている場合、制御部405は、(温度センサTh1が計測する温度×1+温度センサTh2が計測する温度×0+温度センサTh3が計測する温度×0+温度センサTh4が計測する温度×0.5)÷(1+0+0+0.5)によって計算した温度が、ステップS2で記録した温度よりも所定温度以上低下したかどうかを判定する。算出した温度が、ステップS2で記録した基準温度よりも所定温度以上低下した場合(ステップS4;Yes)、制御部405は、運転要否判定を実行する必要があると判断し、ファン203を運転する(ステップS6)。例えば、上記した設定温度が27℃で設定例8の重み付け場合、所定時間経過後(例えば、10分後)にリモコン50の温度センサTh1が計測する温度が23℃のようになれば、制御部405は、ファン203を起動する。
【0031】
算出した温度が、基準温度よりも所定温度以上低下していない場合(ステップS4;No)、制御部405は、タイマ403が計測する時間に基づいて、所定の規定時間以上ファン203が停止しているかどうかを判定する(ステップS5)。規定時間以上ファン203が停止している状態とは、温度センサTh1~Th4が計測する温度、又は
図5の重み付けに応じて算出した温度が、規定時間以上ステップS4の条件を満たさないような状況である。サーモOFFして規定時間以上経過すれば、室内温度はある程度低下するはずである。それにもかかわらず、温度センサTh1~Th4が計測する温度(設定例4であれば、温度センサTh1、Th4が計測する温度)が低下しない場合、温度センサTh1等は、正確に部屋Aの温度を計測できていない可能性がある。例えば、温度センサTh1に日射しが当たっている場合、サーモOFFから30分以上経過しても、周囲の空気温度(実際の室内温度)よりも高い温度を計測することがある。このような場合、温度センサTh1~Th4によって計測される温度の信頼性が低いと考えられるため、ファン203を運転して部屋Aの空気を撹拌、均一化し、室内機20の温度センサ204によって部屋Aの温度を計測する。規定時間以上ファン203が停止している場合(ステップS5;Yes)。制御部405は、運転要否判定を実行する必要があると判断し、ファン203を運転する(ステップS6)。規定時間以上ファン203が停止していない場合(ステップS5;No)、ステップS4以降の処理を繰り返す。
【0032】
次に制御部405は、タイマ403が計測する時間に基づいて、ファン203の運転を再開してから所定の規定時間(例えば、数分)が経過したかどうかを判定する(ステップS7)。ステップS7の規定時間とは、部屋Aの空気が均一化されるまでに要する時間である。ステップS7の規定時間とステップS5の規定時間は同じでもよいし、異なっていてもよい。規定時間が経過していない場合(ステップS7;No)、制御部405は、ファン203を運転したまま、規定時間が経過するまで待機する。
【0033】
規定時間が経過した場合(ステップS7;Yes)、制御部405は、サーモON条件が成立したかどうかを判定(運転要否判定)する(ステップS8)。サーモON条件とは、温度センサ204が計測した温度が設定温度よりも所定温度(例えば1℃)以上低くなることである。制御部405は、ファン203の運転を再開して規定時間が経過した後に温度センサ204が計測した温度を、センサ情報取得部401を通じて取得し、部屋Aの暖房の設定温度と比較する。制御部405は、温度センサ204が計測した温度が暖房の設定温度より所定温度以上低下していればサーモON条件が成立すると判定し、そうでなければ、サーモON条件が成立しないと判定する。サーモON条件が成立しない場合(ステップS8;No)、ステップS2からの処理を繰り返す。つまり、制御部405は、サーモON条件が成立しないと判定した時点で温度センサTh1~Th4が計測した温度を記憶部404に記録し、ファン203を再び停止する。そして、制御部405は、(サーモOFF開始時ではなく)今回記録した温度を基準として、ステップS4の判定を行い、今回、ファン203を停止した時刻を基準として、ステップS5の判定を行う。このようにして、制御部405は、ステップS8のサーモON条件が成立するまで、ステップS2~ステップS7を繰り返し実行する。そして、サーモON条件が成立すると(ステップS8;Yes)、制御部405は、サーモON制御を実行する(ステップS9)。例えば、制御部405は、膨張弁202の開度をサーモOFF前の開度に戻し、ファン203を運転する。また、室外機10では、制御装置14が圧縮機11の運転を再開する。
【0034】
以上、説明したように本実施形態によれば、マルチ型の空調機100の室内機20が暖房運転中にサーモOFFとなるとファン203を停止する。これにより、冷媒の凝縮、室内熱交換器201への冷媒の溜り込みを防ぐことができる。また、
図7で説明したように本実施形態によれば、サーモOFF中にファン203を停止しても、ステップS4又はステップS5の条件が成立した場合に規定時間だけファン203を運転するだけで、サーモONするタイミングを正確に判定することができる。これにより、従来のファン停止や間欠運転と比べて、空調の快適性を向上することができる。例えば、長時間ファンを停止するので、従来のファン間欠運転のように過暖房とならず、適切にサーモONすることができるので、足元が冷えるがサーモONされないといった状況を回避することができる。
【0035】
なお、
図7の処理は、制御装置40が備えるプロセッサが、記憶部404からプログラムを読み出して実行することで実現される機能である。
【0036】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0037】
<付記>
各実施形態に記載の空調機及び制御方法は、例えば以下のように把握される。
【0038】
(1)第1の態様の空調機100は、室外機10と、複数の室内機20~23と、制御装置40とを有し、前記室外機10と複数の前記室内機20~23が冷媒配管で接続されたマルチ型の空調機であって、前記室内機20は、室内熱交換器201と、ファン203と、第1の温度センサ204と、を有し、空調対象とする部屋Aに設けられた第2の温度センサTh1~Th4と接続され、前記制御装置40は、暖房運転を実行している前記室内機20が、室内温度が設定温度に到達して前記室内熱交換器201における熱交換が不要なサーモOFFとなると、前記ファン203を停止する手段(制御部405、ステップS3)と、前記サーモOFFとなったときに前記第2の温度センサTh1~Th4が計測した温度を基準温度として記憶する手段(制御部405、ステップS2)と、前記ファンの停止後に、前記第2の温度センサTh1~Th4が計測した温度が、前記基準温度よりも所定温度以上低下すると(制御部405、ステップS4)、前記ファン203の運転を再開する手段と(制御部405、ステップS6)、前記ファン203の運転を再開してから規定時間が経過すると(制御部405、ステップS7)、前記第1の温度センサ204が計測する温度に基づいて、前記サーモOFFから前記室内熱交換器で熱交換を行うサーモONに切り替えるかどうかを判定する手段と(制御部405、ステップS8)、を有する。
これにより、サーモOFF時に長時間ファンを停止したとしても、適切なタイミングでサーモONすることができる。空調の快適性を維持することができる。
【0039】
(2)第2の態様に空調機100は、(1)の空調機100であって、前記ファンの運転を再開する手段は、前記ファンの停止後に、前記ファンを停止したまま所定時間が経過したかどうかを判定し、所定時間が経過した場合には、前記ファンの運転を再開する。
これにより、温度センサTh1~Th4の信頼性を評価し、信頼性が低下していると考えられる場合には、運転要否判定を行うことができる。
【0040】
(3)第3の態様に係る空調機100は、(1)~(2)の空調機であって、前記第2の温度センサが複数設けられ、前記ファンの運転を再開する手段は、複数の前記第2の温度センサが計測した温度から算出される参照温度が、前記基準温度よりも所定温度以上低下すると、前記ファンの運転を再開する。
これにより、部屋に設けられた複数のセンサを用いて算出した部屋の温度によって、運転要否判定を行うか否かを判定することができる。
【0041】
(4)第4の態様に係る空調機100は、(1)~(3)の空調機であって、前記制御装置は、複数の前記第2の温度センサが計測した温度に対する重み付けを設定する手段(設定受付部402)、をさらに備え、前記ファンの運転を再開する手段(制御部405)は、前記重み付けの設定に基づく重みを、複数の前記第1の温度センサが計測した温度のそれぞれに付して、前記参照温度を算出する。
これにより、部屋の様々な位置に設けられた温度センサが計測する温度に重み付けを行って、運転要否判定を行うか否かを判定することができる。例えば、足元の温度を重視するような設定を行うことで、サーモOFF中に足元が冷える前にサーモONすることができる。
【0042】
(5)第5の態様に係る空調機100は、(1)~(4)の空調機であって、複数の前記第2の温度センサは、異なる高さに設けられている。
これにより、部屋の様々な高さの温度を計測し、その結果を暖房運転のサーモOFFからサーモONへの切り替え制御に利用することができる。
【0043】
(6)第6の態様に係る空調機100は、(1)~(5)の空調機であって、前記第2の温度センサは、床から0.3m以下の高さに設けられている。
これにより、暖房運転中に冷えやすい床付近の温度を計測することができる。
【0044】
(7)第7の態様に係る空調機100は、(1)~(6)の空調機であって、前記第2の温度センサは、前記室内機のリモコンに設けられている。
これにより、部屋のある程度の高さ位置での温度を計測することができる。
【0045】
(8)第8の態様に係る制御方法は、室外機と、複数の室内機と、制御装置とを有し、前記室外機と複数の前記室内機が冷媒配管で接続されたマルチ型の空調機の制御方法であって、前記室内機は、室内熱交換器と、ファンと、第1の温度センサと、を有し、空調対象とする部屋に設けられた第2の温度センサと接続され、暖房運転を実行している前記室内機が、室内温度が設定温度に到達して前記室内熱交換器における熱交換が不要なサーモOFFとなると、前記ファンを停止するステップと、前記サーモOFFとなったときに前記第2の温度センサが計測した温度を基準温度として記憶するステップと、前記ファンの停止後に前記第2の温度センサが計測した温度が、前記基準温度よりも所定温度以上低下すると、前記ファンの運転を再開するステップと、前記ファンの運転を再開してから規定時間が経過すると、前記第1の温度センサが計測する温度に基づいて、前記サーモOFFから前記室内熱交換器で熱交換を行うサーモONに切り替えるかどうかを判定するステップと、を有する。
【符号の説明】
【0046】
10・・・室外機
11・・・圧縮機
12・・・四方弁
13・・・室外熱交換器
14・・・制御装置
20・・・室内機
201・・・室内熱交換器
202・・・膨張弁
203・・・ファン
204・・・温度センサ
21・・・室内機
211・・・室内熱交換器
212・・・膨張弁
213・・・ファン
214・・・温度センサ
22・・・室内機
23・・・室内機
30~39・・・配管
3A、3B・・・継手
40、41・・・制御装置
401・・・センサ情報取得部
402・・・設定受付部
403・・・タイマ
404・・・記憶部
405・・・制御部
406・・・通信部
100、100a・・・空調機
A・・・部屋