(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130145
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】生産システム制御装置、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240920BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039691
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 敏之
(72)【発明者】
【氏名】李 天兵
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA56
3C100BB13
3C100BB29
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】個々の製品ごとのCFPを求めることができ、かつ、そのCFPが改竄されていないことを保証することが可能な生産システム制御装置を提供する。
【解決手段】生産システム制御装置(3)は、エネルギー情報を取得するエネルギー情報取得部(31)と、個々の製品の消費量情報を取得する消費量情報取得部(32)と、エネルギー情報と、消費量情報とに基づいて、個々の製品の生産装置炭素排出量情報を算出する炭素排出量算出部(33)と、個々の製品の生産過程情報を生成する生産過程情報生成部(34)と、生産装置が生産過程情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する電子署名実行部(35)と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の生産のために使用する生産装置の各部を制御する生産システム制御装置であって、
前記生産装置が消費するエネルギー源の単位消費量あたりの炭素排出量についての情報であるエネルギー情報を取得するエネルギー情報取得部と、
個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程において消費した前記エネルギー源の消費量についての情報である消費量情報を取得する消費量情報取得部と、
前記エネルギー情報と、前記消費量情報とに基づいて、個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程における炭素排出量についての情報である生産装置炭素排出量情報を算出する炭素排出量算出部と、
前記生産装置炭素排出量情報に、前記生産システム制御装置が当該生産装置炭素排出量情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する電子署名実行部と、を有する生産システム制御装置。
【請求項2】
前記生産装置が消費するエネルギー源は電力であり、
前記生産装置は電力計を備えており、
前記消費量情報取得部は、前記電力計から前記消費量情報を取得する、請求項1に記載の生産システム制御装置。
【請求項3】
個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程において使用した部材の製造に係る炭素排出量についての情報である部材炭素排出量情報を取得する部材炭素排出量情報取得部を更に有し、
前記炭素排出量算出部は、前記部材炭素排出量情報を更に含めて前記生産装置炭素排出量情報を算出する、請求項1に記載の生産システム制御装置。
【請求項4】
個々の前記製品の前記生産装置による生産過程に関する情報であって、前記生産装置炭素排出量情報を含む生産過程情報を生成する生産過程情報生成部を更に有し、
前記電子署名実行部は、前記生産過程情報に、前記生産システム制御装置が当該生産過程情報を生成したことを保証する電子署名を付して前記電子署名付生産過程情報を生成する、請求項1から3のいずれか1項に記載の生産システム制御装置。
【請求項5】
前記生産過程情報生成部は、前記生産装置が設置された場所に関する情報である設置場所情報を更に含む前記生産過程情報を生成する、請求項4に記載の生産システム制御装置。
【請求項6】
製品の生産のために使用する生産装置の各部を制御する生産システム制御装置の制御方法であって、
個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程において消費した前記エネルギー源の消費量についての情報である消費量情報を取得する消費量情報取得処理と、
前記生産装置が消費するエネルギー源の単位消費量あたりの炭素排出量についての情報であるエネルギー情報を取得するエネルギー情報取得処理と、
前記エネルギー情報と、前記消費量情報とに基づいて、個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程における炭素排出量についての情報である生産装置炭素排出量情報を算出する炭素排出量算出処理と、
前記生産装置炭素排出量情報に、前記生産システム制御装置が当該生産装置炭素排出量情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する電子署名実行処理と、を有する生産システム制御装置の制御方法。
【請求項7】
請求項1に記載の生産システム制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記エネルギー情報取得部、前記消費量情報取得部、前記炭素排出量算出部、及び、前記電子署名実行部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生産システム制御装置、その制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化対策の1つとして、二酸化炭素の削減のためワーク(製品)ごとのサプライチェーンの炭素の排出量(CFP:Carbon Footprint of ProductsまたはPCF:Product Carbon Footprintとも呼ばれる、以下CFPという。)の提示が求められはじめている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般にはCFPを低減しようとすると、より高コストの材料や燃料を使って製品を製造することが必要となる。しかし低CFPで高コストの製品では売れない可能性があり、本来は高CFPの製品を低CPFと不正に偽って、CFP遵守による売上低減を避けようとする者が現れ得る。よって個々の製品ごとのCFPを求めつつ、求めたCFPが改竄されていないことを保証することが可能な生産システム制御装置の実現が求められている。
【0005】
本開示は上記の課題を鑑みてなされたものであり、個々の製品ごとのCFPを求めることができ、かつ、そのCFPが改竄されていないことを保証することが可能な生産システム制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0007】
本開示の第1の側面に係る生産システム制御装置は、製品の生産のために使用する生産装置の各部を制御する生産システム制御装置であって、前記生産装置が消費するエネルギー源の単位消費量あたりの炭素排出量についての情報であるエネルギー情報を取得するエネルギー情報取得部と、個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程において消費した前記エネルギー源の消費量についての情報である消費量情報を取得する消費量情報取得部と、前記エネルギー情報と、前記消費量情報とに基づいて、個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程における炭素排出量についての情報である生産装置炭素排出量情報を算出する炭素排出量算出部と、前記生産装置炭素排出量情報に、前記生産システム制御装置が当該生産装置炭素排出量情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する電子署名実行部と、を有する。
【0008】
上記構成によれば、生産システム制御装置が個々の製品ごとの生産装置炭素排出量情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報が生成されるので、個々の製品ごとのCFPを求めることができ、かつ、そのCFPが改竄されていないことを保証することができる。
【0009】
上記一側面に係る生産システム制御装置において、前記生産装置が消費するエネルギー源は電力であり、前記生産装置は電力計を備えており、前記消費量情報取得部は、前記電力計から前記消費量情報を取得してもよい。
【0010】
上記構成によれば、電力を用いて生産された個々の製品ごとのCFPを求めることができ、かつ、そのCFPが改竄されていないことを保証することができる。
【0011】
上記一側面に係る生産システム制御装置において、個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程において使用した部材の製造に係る炭素排出量についての情報である部材炭素排出量情報を取得する部材炭素排出量情報取得部を更に有し、前記炭素排出量算出部は、前記部材炭素排出量情報を更に含めて前記生産装置炭素排出量情報を算出してもよい。
【0012】
上記構成によれば、炭素排出量算出部が部材炭素排出量情報取得部からの上記部材炭素排出量情報を含む生産装置炭素排出量情報を生成するので、単に生産工程で要した炭素排出量だけでなく部材の炭素排出量も含めた炭素排出量情報を求めることができ、かつ、そのCFPが改竄されていないことを保証することができる。
【0013】
上記一側面に係る生産システム制御装置において、個々の前記製品の前記生産装置による生産過程に関する情報であって、前記生産装置炭素排出量情報を含む生産過程情報を生成する生産過程情報生成部を更に有し、前記電子署名実行部は、前記生産過程情報に、前記生産システム制御装置が当該生産過程情報を生成したことを保証する電子署名を付して前記電子署名付生産過程情報を生成してもよい。
【0014】
上記構成によれば、生産過程情報生成部が個々の製品の生産装置による生産過程に関する情報であって、上記生産装置炭素排出量情報を含む生産過程情報を生成する。電子署名実行部は、生産過程情報に、生産システム制御装置が当該生産過程情報を生成したことを保証する電子署名を付して電子署名付生産過程情報を生成する。これにより、生産過程を考慮して個々の製品ごとのCFPを求めて、このCFPを含んだ生産過程情報を生成し、かつ、その生産過程情報が改竄されていないことを保証することができる。
【0015】
上記一側面に係る生産システム制御装置において、前記生産過程情報生成部は、前記生産装置が設置された場所に関する情報である設置場所情報を更に含む前記生産過程情報を生成してもよい。
【0016】
上記構成によれば、生産過程情報において、個々の製品の生産国の情報が含まれることとなり、個々の製品ごとのCFPを工場出荷から納品先への輸送にかかるエネルギーの概算を追加で求めることができ、かつ、そのCFPを含んだ生産過程情報が改竄されていないことを保証することができる。
【0017】
また、本開示の一側面に係る生産システム制御装置の制御方法は、製品の生産のために使用する生産装置の各部を制御する生産システム制御装置の制御方法であって、個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程において消費した前記エネルギー源の消費量についての情報である消費量情報を取得する消費量情報取得処理と、前記生産装置が消費するエネルギー源の単位消費量あたりの炭素排出量についての情報であるエネルギー情報を取得するエネルギー情報取得処理と、前記エネルギー情報と、前記消費量情報とに基づいて、個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程における炭素排出量についての情報である生産装置炭素排出量情報を算出する炭素排出量算出処理と、前記生産装置炭素排出量情報に、前記生産システム制御装置が当該生産装置炭素排出量情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する電子署名実行処理と、を有する。
【0018】
上記構成によれば、生産システム制御装置が製品ごとの生産装置炭素排出量情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報が生成されるので、個々の製品ごとのCFPを求めることができ、かつ、そのCFPが改竄されていないことを保証することができる。
【0019】
また、本開示の一側面に係る制御プログラムは、上記生産システム制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記エネルギー情報取得部、前記消費量情報取得部、前記炭素排出量算出部、及び、前記電子署名実行部としてコンピュータを機能させる。
【0020】
上記構成によれば、個々の製品ごとのCFPを求めることができ、かつ、そのCFPが改竄されていないことを保証することが可能な生産装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、個々の製品ごとのCFPを求めることができ、かつ、そのCFPが改竄されていないことを保証することが可能な生産システム制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の実施形態1に係る制御装置を含む生産システムの構成例を説明する図である。
【
図2】
図1に示した制御装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【
図4】上記制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】本開示の実施形態2に係る制御装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図5に示した制御装置の動作例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
【0024】
〔実施形態1〕
§1 適用例
以下、
図1及び
図2を用いて、本開示が適用される場面の一例について説明する。
図1は、本開示の実施形態1に係る制御装置3を含む生産システム1の構成例を説明する図である。
図2は、
図1に示した制御装置3の構成例を示す機能ブロック図である。なお、以下の説明では、例えば、3つの生産装置2a、2b、2c(以下、“2”で総称する。)を有する生産システム1を例示して説明する。
【0025】
まず、本開示の実施形態1に係る生産装置2についての理解を容易にするため、
図1を用いて、生産システム1の概要を説明する。
【0026】
生産システム1は、生産装置2a、2b、2cと、生産管理システムM1と、エネルギーマネージメントシステムM2と、サーバSと、を備える。これらの生産装置2、生産管理システムM1、エネルギーマネージメントシステムM2、及びサーバSは、LAN(Local Area Network)などのネットワークによって接続されており、互いに双方向のデータ通信を行えるようになっている。
【0027】
生産装置2a、2b、2cは、各々所定の生産処理を行うことによってワークW1から個々の製品としてのワークW2、W3、W4を順次生産する。また、生産装置2a、2b、2cにおいては、各々生産システム制御装置としての制御装置3が生産管理システムM1及びエネルギーマネージメントシステムM2から各所定情報を適宜取得することにより、各制御装置3が生産管理システムM1及びエネルギーマネージメントシステムM2と連携して、個々の製品の炭素の排出量である、CFPを算出する。また、生産装置2の各制御装置3は、算出したCFPに対して、電子署名を付与することにより、当該CFPの確からしさを担保して保証する。また、サーバSは、生産システム1の上位端末装置であり、ユーザなどの使用者の指示に応じて、各制御装置3からのCFPの個別のデータ、または指示された複数の生産装置2でのCFPを足し算したCFPの合計のデータを、使用者に提供する。
【0028】
なお、上記の説明以外に、例えば、各所定の情報を複数の各生産装置2で算出して、サーバSが複数の各生産装置2からの情報を統合して、統合した情報に対して電子署名による保証を行う構成でもよい。
【0029】
具体的には、
図2に示すように、制御装置3は、生産装置2でのエネルギー情報を取得するエネルギー情報取得部31と、生産装置2での個々の製品の消費量情報を取得する消費量情報取得部32と、エネルギー情報及び消費量情報に基づいて、生産装置2での個々の製品の生産装置炭素排出量情報を算出する炭素排出量算出部33と、を有する。また、制御装置3は、生産装置2での個々の製品の生産過程情報を生成する生産過程情報生成部34と、生産装置2が生産過程情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する電子署名実行部35と、を有する。
【0030】
よって本実施形態によれば、制御装置3では、炭素排出量算出部33が生産装置2での個々の製品の生産装置炭素排出量情報を算出する。電子署名実行部35が、生産過程情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する。これにより、本実施形態では、個々の製品ごとのCFPを求めることができ、かつ、そのCFPが改竄されていないことを保証することが可能となる。
【0031】
§2 構成例
<生産システム及び生産装置の構成>
以下に、本実施形態の生産システム1及び生産装置2の構成例を説明する。尚、以下の説明では、生産装置2のエネルギー源として電力を用いる場合を例示して説明する。また、以下の説明では、3つの生産装置2a、2b、2cが各々別個の生産設備(その生産設備の企業(設備メーカー)が同一、または互いに異なる場合を含む。)に設置されている場合を例示して説明する。
【0032】
生産システム1においては、生産装置2は、生産管理システムM1から生産処理すべき製品及び当該製品の生産ロット数などを含んだ生産数量及び生産装置2が設置された場所に関する情報である設置場所情報等の所定の生産情報を取得する。また、生産装置2は、エネルギーマネージメントシステムM2から上記製品の生産に使用した電力によって排出される炭素の排出量を求めるための総合排出係数などの所定の使用エネルギー情報を取得する。
【0033】
具体的にいえば、エネルギーマネージメントシステムM2は、電力会社からの供給電力についての供給電力量及びその供給電力量を使用したときに排出される炭素の排出量を求めるための電力排出係数についての情報を取得する。また、エネルギーマネージメントシステムM2は、生産装置2を保有する企業での発電(例えば、太陽光発電)による電力についての電力量及びその電力量を使用したときに排出される炭素の排出量を求めるための自社排出係数についての情報を取得する。そして、エネルギーマネージメントシステムM2は、取得した電力排出係数及び自社排出係数を基に、電力会社及び自社での電力の使用割合、つまりエネルギー使用量の割合から生産装置2で使用する電力の総合排出係数を算出して、生産装置2に出力する。
【0034】
生産装置2は、制御装置3と、電力計4と、を備える。制御装置3は、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)を含んでいる。制御装置3は、生産装置2の各部を制御する。換言すれば、制御装置3は、生産装置2に設けられた機械部品や電気部品などの製品の生産処理に必要な構成要素の制御を行う。電力計4は、生産装置2が製品を生産したときに、個々の製品の生産において消費した消費電力を計測する。制御装置3は、電力計4からの消費電力と上記総合排出係数を基に、個々の製品のCFPを算出する。
【0035】
なお、上記の説明では、エネルギー源として電力を用いた場合について説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、例えば、ボイラーなどで使用される燃料をエネルギー源とすることもできる。この場合、生産装置2は、エネルギーマネージメントシステムM2から燃料(例えば、化石燃料)を使用したときに排出される炭素の排出量を求めるための燃料排出係数を取得するとともに、個々の製品の燃料の使用量をモニタして、個々の製品のCFPを算出してもよい。
【0036】
また、上記の説明以外に、生産装置2において、生産管理システムM1からの生産情報に加えて、または生産管理システムM1からの生産情報に代えて、制御装置3に対して図示しない操作受付部またはサーバSから生産情報を編集したり、追加したりすることもできる。
【0037】
同様に、生産装置2において、エネルギーマネージメントシステムM2からの使用エネルギー情報に加えて、またはエネルギーマネージメントシステムM2からの使用エネルギー情報に代えて、制御装置3に対して上記操作受付部またはサーバSから使用エネルギー情報を編集したり、追加したりすることもできる。換言すれば、生産装置2は、生産管理システムM1またはエネルギーマネージメントシステムM2の少なくとも一方と連携することなく、個々の製品のCFPを自動的に求め得る。
【0038】
また、生産装置2は、上記のように、生産情報または使用エネルギー情報の少なくとも一方の設定が変更された場合、変更箇所を示す変更情報を生成することにより、当該変更箇所を判別可能とする。
【0039】
また、生産システム1においては、生産装置2aは、例えば、ワークW1からワークW2を製造する製造装置である。また、生産装置2bは、例えば、ワークW2に加工を施してワークW3を生産する加工装置であり、生産装置2cは、例えば、ワークW3に対して所定の検査を実施してワークW4として出荷するための検査装置である。そして、生産システム1においては、ワークW4が生産されたときに、生産装置2a、2b、2cはそれぞれの生産装置2a、2b、2cによる生産過程におけるワークW2、W3、W4のCFPを求める。さらに、生産装置2a、2b、2cは、各々求めたワークW2、W3、W4のCFPの保証を行う。なお、生産システム1においては、個々の製品として、例えば、製品ごとに付与されたシリアルナンバーでワークW1~W4を管理している。
【0040】
<制御装置の具体的な構成例>
図2に示すとおり、制御装置3は、上述したように、エネルギー情報取得部31と、消費量情報取得部32と、炭素排出量算出部33と、生産過程情報生成部34と、電子署名実行部35と、を有する。エネルギー情報取得部31は、生産装置2が消費するエネルギー源の単位消費量あたりの炭素排出量についての情報であるエネルギー情報を取得する機能ブロックである。このエネルギー情報には、上記総合排出係数が含まれている。
【0041】
消費量情報取得部32は、個々の製品の、生産装置2による生産過程において消費したエネルギー源の消費量についての情報である消費量情報を取得する機能ブロックである。換言すれば、消費量情報取得部32は、1つの製品を生産したときの消費電力についての値を電力計4の計測結果を基に得て、その計測結果を測定時刻に関連付けて、消費量情報に含める機能ブロックである。
【0042】
炭素排出量算出部33は、エネルギー情報と、消費量情報とに基づいて、個々の製品の、生産装置2による生産過程における炭素排出量についての情報である生産装置炭素排出量情報を算出する機能ブロックである。換言すれば、炭素排出量算出部33は、エネルギー情報に含まれた総合排出係数と消費量情報に含まれた消費電力の計測結果とに基づいて、製品ごとのCFPを求めて、求めたCFPを生産装置炭素排出量情報に含める機能ブロックである。
【0043】
生産過程情報生成部34は、個々の製品の生産装置2による生産過程に関する情報であって、上記生産装置炭素排出量情報を含む生産過程情報を生成する機能ブロックである。また、生産過程情報生成部34は、炭素排出量算出部33が求めたCFPの算出方法及び/または算出の範囲情報(生産装置2が生産処理した製品のライフサイクルフェーズまたは使用したエネルギー源の種類の少なくとも一方の情報を含む。)を生産過程情報に含め得る。さらに、生産過程情報生成部34は、生産装置2に関する装置情報や上記生産情報に含まれた設置場所情報等を生産過程情報に含め得る。
【0044】
電子署名実行部35は、生産過程情報生成部34からの生産過程情報に、生産装置2が当該生産過程情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する機能ブロックである。
【0045】
<制御装置の具体的なハードウェア構成例>
次に、
図3も参照して、本実施形態1の制御装置3のハードウェアの構成例について具体的に説明する。
図3は、
図1に示した制御装置3を表す模式図である。
【0046】
制御装置3は、例えば、PLCを用いて実現され、
図3に示すように、プロセッサ121と、一次メモリ122と、二次メモリ123と、入出力インタフェース124と、バス125とを備える。プロセッサ121、一次メモリ122、二次メモリ123、及び入出力インタフェース124は、バス125を介して相互に接続される。
【0047】
二次メモリ123には、プログラムP1が格納(不揮発記憶)されている。プロセッサ121は、二次メモリ123に格納されているプログラムP1を一次メモリ122上に展開する。そして、プロセッサ121は、一次メモリ122上に展開されたプログラムP1に含まれる命令に従って、後述する制御方法に含まれる各ステップを実行する。
【0048】
プロセッサ121として利用可能なデバイスとして、例えば、CPU(Central Processing Unit)を挙げることができる。また、一次メモリ122として利用可能なデバイスとして、例えば、半導体RAM(Random Access Memory)を挙げることができる。また、二次メモリ123として利用可能なデバイスとして、例えば、HDD(Hard Disk Drive)を挙げることができる。
【0049】
入出力インタフェース124として利用可能なインタフェースとしては、例えば、PCI(Peripheral Component Interconnect)インタフェースやUSB(Universal Serial Bus)などを挙げることができる。
【0050】
プログラムP1は、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録され得る。この記録媒体は、二次メモリ123であってもよいし、その他の記録媒体であってもよい。例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路などが、その他の記録媒体として利用可能である。
【0051】
§3 動作例
<制御装置の動作>
次に、
図4も参照して、本実施形態1の制御装置3の動作について具体的に説明する。
図3は、上記制御装置3の動作例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、制御装置3でのCFPの算出の動作及びそのCFPの保証の動作について主に説明する。
【0052】
図3のステップS1に示すように、本実施形態の生産装置2では、まず個々の製品の、生産装置2による生産過程において消費したエネルギー源の消費量についての情報である消費量情報を取得する消費量情報取得処理が行われる。具体的にいえば、消費量情報取得処理においては、消費量情報取得部32が、電力計4から製品を生産した時刻の消費電力の計測結果を得て、計測時刻および計測結果を含んだ消費量情報を取得する。
【0053】
次に、ステップS2に示すように、生産装置2が消費するエネルギー源の単位消費量あたりの炭素排出量についての情報であるエネルギー情報を取得するエネルギー情報取得処理が行われる。具体的にいえば、エネルギー情報取得処理においては、エネルギー情報取得部31が、例えば、エネルギーマネージメントシステムM2から総合排出係数を入力して、入力した総合排出係数を含んだエネルギー情報を取得する。
【0054】
続いて、ステップS3に示すように、エネルギー情報と、消費量情報とに基づいて、個々の製品の、生産装置2による生産過程における炭素排出量についての情報である生産装置炭素排出量情報を算出する炭素排出量算出処理が行われる。具体的にいえば、炭素排出量算出処理においては、炭素排出量算出部33が、例えば、国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)で規格された算出方法またはGHG(Greenhouse Gas)プロトコルを用いて、上記エネルギー情報及び消費量情報を基にCFPを算出する。そして、炭素排出量算出部33は、算出したCFPを生産装置炭素排出量情報に含める。
【0055】
次に、ステップS4に示すように、個々の製品の生産装置2による生産過程に関する情報であって、生産装置炭素排出量情報を含む生産過程情報を生成する生産過程情報生成処理が行われる。具体的にいえば、生産過程情報生成処理においては、生産過程情報生成部34が、炭素排出量算出部33からの生産装置炭素排出量情報に対して、例えば、その生産装置炭素排出量情報に含まれたCFPの算出方法、上記算出の範囲情報、上記装置情報、及び上記設置場所情報を加えて、生産過程情報として生成する。
【0056】
続いて、ステップS5に示すように、生産過程情報に、生産装置2が当該生産過程情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する電子署名実行処理が行われる。具体的にいえば、電子署名実行処理においては、電子署名実行部35が、生産過程情報生成部34からの生産過程情報に対して、デジタル署名を付与することにより、電子署名付生産過程情報を生成する。より具体的には、電子署名実行部35は、例えば、上記生産過程情報をPDF(Portable Document Format)化して、そのPDF化した文書に電子署名したり、公知の電子契約サービスを使用して、上記生産過程情報に対して電子署名したりする。この電子署名により生産過程情報が改竄されると、改竄を検知できるようになっている。
【0057】
<作用・効果>
以上のように、本実施形態の制御装置3は、エネルギー情報を取得するエネルギー情報取得部31と、個々の製品の消費量情報を取得する消費量情報取得部32と、エネルギー情報及び消費量情報に基づいて、個々の製品の生産装置炭素排出量情報を算出する炭素排出量算出部33と、個々の製品の生産過程情報を生成する生産過程情報生成部34と、生産装置が生産過程情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する電子署名実行部35と、を有する。
【0058】
以上の構成により、本実施形態では、生産装置2が製品ごとの生産過程情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報が生成されるので、生産過程を考慮して個々の製品ごとのCFPを精度よく求めて、このCFPを含んだ生産過程情報を生成することができる。更に、そのCFPを含んだ生産過程情報が改竄されていないことを保証することができる。
【0059】
また、本実施形態では、例えば、生産管理システムM1から得られる生産情報及びエネルギーマネージメントシステムM2から得られる使用エネルギー情報を用いて、CFPを算出することから、正確なCFPを求めることができ、その正確なCFPが改竄されていないことを確実に保証することが可能となる。このため、本実施形態では、混流生産時などの製品の生産量や生産内容物が変動する場合であったり、上記エネルギー使用量の割合が変動する場合であったりしても、正確なCFPを求めて保証することができる。したがって、本実施形態では、上記のような変動が生じる場合でも、サーバSを介して顧客などの第三者に対しても、正確なCFPを簡単に提供することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態では、消費量情報取得部32は、電力計4から消費量情報を取得しているので、電力を用いて生産された個々の製品ごとのCFPを求めることができ、かつ、そのCFPが改竄されていないことを保証することができる。
【0061】
また、本実施形態では、生産過程情報生成部34は、生産装置2が設置された場所に関する情報である設置場所情報を更に含む生産過程情報を生成しているので、当該生産過程情報において、製品の生産国の情報が含まれることとなる。この結果、本実施形態では、個々の製品ごとのCFPを工場出荷から納品先への輸送にかかるエネルギーの概算を追加で求めることができ、かつ、そのCFPが改竄されていないことを保証することができる。
【0062】
〔実施形態2〕
図5は、本開示の実施形態2に係る制御装置3の構成例を示す機能ブロック図である。
図5において、本実施形態2と実施形態1との主な相違点は、部材炭素排出量情報取得部36を制御装置3に設けた点である。
【0063】
図5に示すように、本実施形態2の制御装置3は、部材炭素排出量情報取得部36を備えている。この部材炭素排出量情報取得部36は、個々の製品の、生産装置2による生産過程において使用した部材の製造に係る炭素排出量についての情報である部材炭素排出量情報を取得する。また、本実施形態2の制御装置3においては、生産過程情報生成部34は、部材炭素排出量情報取得部36からの部材炭素排出量情報を更に含む生産過程情報を生成する。
【0064】
<制御装置の動作>
次に、
図6も参照して、本実施形態2の制御装置3の動作について具体的に説明する。
図6は、
図5に示した制御装置3の動作例を説明する図である。なお、以下の説明では、部材炭素排出量情報取得部36の動作について主に説明する。また、以下の説明では、生産装置2aにおいて、例えば、3つの部材A、B、Cを用いて、ワークW1からワークW2を製造する場合を例示して説明する。
【0065】
図6において、部材炭素排出量情報取得部36は、例えば、サーバSを介して、3つの各部材A、B、Cの供給元(例えば、製品のサプライチェーンの他の企業)から部材A、B、Cごとのアセット管理シェル(AAS:Asset Administration Shell)を取得する。このアセット管理シェルは、インダストリー4.0に基づき、多種のアセット、例えば、製品(装置や部品を含む。)において、個々の製品ごと(例えば、型式ごと、または、シリアルナンバーごと)に生成された情報であり、当該アセットの仕様等多様な情報を纏めた情報である。また、アセット管理シェルは、対応する部材のSubmodel CFPとして、その部材のCFPの情報を含んでいる。
【0066】
そして、生産装置2aにおいて、ワークW1からワークW2を生産したときに、部材炭素排出量情報取得部36は、部材A、B、Cごとのアセット管理シェルに含まれた部材A、B、Cの各CFPを加算して、Scope3のCFPを算出する。また、炭素排出量算出部33は、上記実施形態1と同様に、生産情報及び使用エネルギー情報を基に、ワークW1を製造する場合でのScope1(個々の製品の燃料の使用量とScope2(個々の製品の電力の使用量))を取得する。そして、生産過程情報生成部34は、Scope1~Scope3の各CFPを加算して、加算したCFPを生産過程情報に含めて製品のアセット管理シェルを構成する。
【0067】
以上のように、本実施形態2では、部材炭素排出量情報取得部36が部材炭素排出量情報を取得する。生産過程情報生成部34は、部材炭素排出量情報取得部36からの部材炭素排出量情報を含んだ生産過程情報を生成するので、単に生産工程で要した炭素排出量だけでなく部材の炭素排出量も含めた炭素排出量情報を求めることができ、かつ、そのCFPが改竄されていないことを保証することができる。
【0068】
なお、上記の説明では、電子署名実行部35が生産過程情報生成部34からの生産過程情報に、制御装置(生産システム制御装置)3が当該生産過程情報を生成したことを保証する電子署名を付して電子署名付生産過程情報を生成した場合について説明した。しかしながら、本開示は、個々の製品ごとのCFPを求めて、そのCFPが改竄されていないことを保証することができるものであれば何等限定されない。換言すれば、本開示は、例えば、生産過程情報生成部34の設置及び生産過程情報生成処理の実行を省略して、電子署名実行部35が炭素排出量算出部33からの生産装置炭素排出量情報に、制御装置3が当該生産装置炭素排出量情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する構成であればよい。
【0069】
また、上記の説明以外に、例えば、制御装置3とエネルギーマネージメントシステムM2とを一体的に構成して、エネルギーマネージメントシステムM2が一体化された制御装置3において、上記エネルギー情報を算出する構成でもよい。
【0070】
また、上記の説明以外に、例えば、制御装置3と電力計4とを一体的に構成して、当該制御装置3において、上記消費量情報を算出する構成でもよい。換言すれば、制御装置3に対して、個々の製品の、生産装置2による生産過程において消費したエネルギー源の消費量を求め得る装置等を一体化して、一体化した当該制御装置3内で消費量情報を算出してもよい。
【0071】
〔ソフトウェアによる実現例〕
生産システム制御装置3の機能ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0072】
後者の場合、制御装置3は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本開示の目的が達成される。
【0073】
上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、磁気ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを更に備えていてもよい。
【0074】
また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0075】
〔まとめ〕
【0076】
(1)本開示の第1の側面に係る生産システム制御装置は、製品の生産のために使用する生産装置の各部を制御する生産システム制御装置であって、前記生産装置が消費するエネルギー源の単位消費量あたりの炭素排出量についての情報であるエネルギー情報を取得するエネルギー情報取得部と、個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程において消費した前記エネルギー源の消費量についての情報である消費量情報を取得する消費量情報取得部と、前記エネルギー情報と、前記消費量情報とに基づいて、個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程における炭素排出量についての情報である生産装置炭素排出量情報を算出する炭素排出量算出部と、前記生産装置炭素排出量情報に、前記生産システム制御装置が当該生産装置炭素排出量情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する電子署名実行部と、を有する。
【0077】
(2)本開示の第2の側面に係る生産システム制御装置は、第1の側面の生産システム制御装置において、前記生産装置が消費するエネルギー源は電力であり、前記生産装置は電力計を備えており、前記消費量情報取得部は、前記電力計から前記消費量情報を取得してもよい。
【0078】
(3)本開示の第3の側面に係る生産システム制御装置は、第1の側面または第2の側面の生産システム制御装置において、個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程において使用した部材の製造に係る炭素排出量についての情報である部材炭素排出量情報を取得する部材炭素排出量情報取得部を更に有し、前記炭素排出量算出部は、前記部材炭素排出量情報を更に含めて前記生産装置炭素排出量情報を算出してもよい。
【0079】
(4)本開示の第4の側面に係る生産システム制御装置は、第1の側面から第3の側面のいずれかの側面の生産システム制御装置において、個々の前記製品の前記生産装置による生産過程に関する情報であって、前記生産装置炭素排出量情報を含む生産過程情報を生成する生産過程情報生成部を更に有し、前記電子署名実行部は、前記生産過程情報に、前記生産システム制御装置が当該生産過程情報を生成したことを保証する電子署名を付して前記電子署名付生産過程情報を生成してもよい。
【0080】
(5)本開示の第5の側面に係る生産システム制御装置は、第1の側面から第4の側面のいずれかの側面の生産システム制御装置において、前記生産過程情報生成部は、前記生産装置が設置された場所に関する情報である設置場所情報を更に含む前記生産過程情報を生成してもよい。
【0081】
(6)また、本開示の第6の側面に係る生産システム制御装置の制御方法は、製品の生産のために使用する生産装置の各部を制御する生産システム制御装置の制御方法であって、個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程において消費した前記エネルギー源の消費量についての情報である消費量情報を取得する消費量情報取得処理と、前記生産装置が消費するエネルギー源の単位消費量あたりの炭素排出量についての情報であるエネルギー情報を取得するエネルギー情報取得処理と、前記エネルギー情報と、前記消費量情報とに基づいて、個々の前記製品の、前記生産装置による生産過程における炭素排出量についての情報である生産装置炭素排出量情報を算出する炭素排出量算出処理と、前記生産装置炭素排出量情報に、前記生産システム制御装置が当該生産装置炭素排出量情報を生成したことを保証する電子署名を付した電子署名付生産過程情報を生成する電子署名実行処理と、を有する。
【0082】
(7)また、本開示の第7の側面に係る制御プログラムは、第1の側面から第4の側面のいずれかの側面の生産システム制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記エネルギー情報取得部、前記消費量情報取得部、前記炭素排出量算出部、及び、前記電子署名実行部としてコンピュータを機能させる。
【0083】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0084】
2a~2c、2 生産装置
3 制御装置(生産システム制御装置)
4 電力計
31 エネルギー情報取得部
32 消費量情報取得部
33 炭素排出量算出部
34 生産過程情報生成部
35 電子署名実行部
36 部材炭素排出量情報取得部