(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130147
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】作業機械目標位置算出システム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/26 20060101AFI20240920BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
E02F9/26 A
E02F9/20 N
E02F9/20 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039695
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】川本 真大
(72)【発明者】
【氏名】寺内 謙一
(72)【発明者】
【氏名】武本 靖充
(72)【発明者】
【氏名】島津 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】小岩井 一茂
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB00
2D003AC04
2D003BA02
2D003BA03
2D003CA02
2D003CA10
2D003DA04
2D003DB04
2D003DB05
2D015HA03
2D015HB00
(57)【要約】
【課題】作業機械の作業効率を向上できるような、作業機械の目標位置を算出する。
【解決手段】捕捉位置取得部51cは、捕捉位置POを取得する。解放位置取得部51bは、解放位置P20を取得する。目標位置算出部55は、目標位置Ptを算出する。目標位置Ptは、作業対象物Oを捕捉する作業および作業対象物Oを解放する作業のそれぞれを行うときに作業機械10が配置される位置である。目標位置算出部55は、目標位置Ptから捕捉位置POまでの距離である捕捉作業半径R1と、目標位置Ptから解放位置P20までの距離である解放作業半径R2と、が等しくなるように目標位置Ptを算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械に捕捉される作業対象物が配置された位置である捕捉位置を取得する捕捉位置取得部と、
前記作業機械から前記作業対象物が解放される位置であって、前記作業対象物が積み込まれる車両が配置された位置である解放位置を取得する解放位置取得部と、
前記作業対象物を捕捉する作業および前記作業対象物を解放する作業のそれぞれを前記作業機械が行うときに前記作業機械が配置される目標位置を算出する目標位置算出部と、
を備え、
前記目標位置算出部は、前記目標位置から前記捕捉位置までの距離である捕捉作業半径と、前記目標位置から前記解放位置までの距離である解放作業半径と、が等しくなるように前記目標位置を算出する、
作業機械目標位置算出システム。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械目標位置算出システムであって、
設定作業半径を取得する設定作業半径取得部を備え、
前記目標位置算出部は、前記捕捉作業半径および前記解放作業半径のそれぞれが、前記設定作業半径となる位置を前記目標位置とする、
作業機械目標位置算出システム。
【請求項3】
請求項1に記載の作業機械目標位置算出システムであって、
前記作業機械が前記作業対象物を解放するときの前記作業機械に対する前記車両の方向である設定方向を取得する設定方向取得部を備え、
前記目標位置算出部は、前記車両の方向と前記設定方向とに基づいて、前記目標位置を算出する、
作業機械目標位置算出システム。
【請求項4】
請求項1に記載の作業機械目標位置算出システムであって、
前記目標位置算出部に算出された前記目標位置を作業者に教示する教示部を備える、
作業機械目標位置算出システム。
【請求項5】
請求項1に記載の作業機械目標位置算出システムであって、
前記目標位置算出部に算出された前記目標位置に前記作業機械を自動運転により走行させる自動運転制御部を備える、
作業機械目標位置算出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の目標位置を算出する作業機械目標位置算出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載の技術では、作業機械の作業位置などに基づいて、車両の目標位置(特許文献1ではダンプトラックの停止位置)が算出される(同文献の請求項1などを参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同文献に記載の技術では、車両の目標位置が算出される。一方、作業機械の作業効率を向上できるような、作業機械の目標位置を算出できることが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、作業機械の作業効率を向上できるような、作業機械の目標位置を算出することができる、作業機械目標位置算出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
作業機械目標位置算出システムは、捕捉位置取得部と、解放位置取得部と、目標位置算出部と、を備える。前記捕捉位置取得部は、捕捉位置を取得する。前記捕捉位置は、作業機械に捕捉される作業対象物が配置された位置である。前記解放位置取得部は、解放位置を取得する。前記解放位置は、前記作業機械から前記作業対象物が解放される位置であって、前記作業対象物が積み込まれる車両が配置された位置である。前記目標位置算出部は、目標位置を算出する。前記目標位置は、前記作業対象物を捕捉する作業および前記作業対象物を解放する作業のそれぞれを前記作業機械が行うときに前記作業機械が配置される位置である。前記目標位置算出部は、前記目標位置から前記捕捉位置までの距離である捕捉作業半径と、前記目標位置から前記解放位置までの距離である解放作業半径と、が等しくなるように前記目標位置を算出する。
【発明の効果】
【0007】
上記の作業機械目標位置算出システムにより、作業機械の作業効率を向上できるような、作業機械の目標位置を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】作業機械目標位置算出システム1の作業機械10などを上から見た図である。
【
図2】
図1に示す作業機械目標位置算出システム1のブロック図である。
【
図3】
図1に示す目標位置Ptの算出例1の説明図である。
【
図4】
図1に示す目標位置Ptの算出例2の説明図であり、解放作業時の車両20が縦配置の場合の図である。
【
図5】
図4相当図であり、解放作業時の車両20が横配置の場合の図である。
【
図6】
図1に示す作業機械目標位置算出システム1の作動のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1~
図6を参照して、作業機械目標位置算出システム1について説明する。
【0010】
作業機械目標位置算出システム1は、
図1に示すように、作業機械10の目標位置Pt(後述)を算出するシステムである。作業機械目標位置算出システム1は、作業機械10と、車両20と、
図2に示すセンサ30と、入力部40と、コントローラ50と、出力部60と、自動運転制御部70と、を備える。
【0011】
作業機械10は、
図1に示すように、作業を行う機械であり、例えば建設作業を行う建設機械であり、例えばショベルでもよく、クレーンでもよい。以下では、作業機械10がショベルである場合について説明する。作業機械10は、自動運転可能に構成されてもよい。作業機械10は、運転室13a内の作業者(オペレータ、操作者、操縦者)に操作される場合があってもよく、遠隔操作される場合があってもよい。作業機械10は、機械本体10aと、アタッチメント15と、駆動制御部17(
図2参照)と、を備える。
【0012】
機械本体10aは、作業機械10の本体部分である。機械本体10aは、下部走行体11と、上部旋回体13と、を備える。下部走行体11は、走行面(地面など)を走行可能である。下部走行体11は、クローラを備えてもよく、ホイールを備えてもよい。上部旋回体13は、下部走行体11に旋回可能に搭載される。下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回の中心軸(回転軸)を旋回中心10oとする。上部旋回体13は、運転室13aを備える。運転室13aは、作業者が作業機械10を操作することが可能な部分である。
【0013】
(作業機械10に関する方向)
旋回中心10oが延びる方向を機械上下方向とする。上部旋回体13に対するアタッチメント15(例えばブーム15a)の回転軸が延びる方向を機械横方向とする。機械上下方向および機械横方向のそれぞれに直交する方向を、機械前後方向とする。機械前後方向において、上部旋回体13からアタッチメント15が突出する側(向き)を機械前側とする。
【0014】
アタッチメント15は、作業を行う部分であり、例えば、ブーム15aと、アーム15bと、先端アタッチメント15cと、を備える。ブーム15aは、上部旋回体13に起伏可能(上下方向に回転可能)に取り付けられる。アーム15bは、ブーム15aに回転可能に取り付けられる。先端アタッチメント15cは、アタッチメント15の先端部に設けられ、アーム15bに回転可能に取り付けられる。先端アタッチメント15cは、例えば作業対象物Oをすくう作業や掘削などを行うバケットでもよく、作業対象物Oを挟む装置(グラップル、ニブラなど)でもよく、金属の作業対象物Oを吸着するマグネットでもよい。旋回中心10oから先端アタッチメント15cまでの、機械前後方向における距離を、作業半径Rという。作業対象物Oは、作業機械10の作業の対象となる物である。作業対象物Oは、土砂でもよく、石でもよく、木材でもよく、金属でもよく、樹脂でもよく、廃棄物でもよく、構造物(ブロックなど)でもよい。作業対象物Oは、アタッチメント15に捕捉(例えば掘削)される捕捉物である。作業対象物Oは、車両20の真上で解放(例えば排土)され、車両20に積み込まれる積込物である。作業対象物Oは、車両20に運搬される運搬物である。
【0015】
駆動制御部17(
図2参照)は、作業機械10を駆動させるアクチュエータ(図示なし)を制御する。駆動制御部17は、油圧式のアクチュエータを制御する油圧回路を備えてもよい。駆動制御部17は、電動式のアクチュエータを制御する電気回路を備えてもよい。
【0016】
車両20は、作業対象物Oが積み込まれる機械である。車両20は、荷台23に収容された作業対象物Oを運ぶ運搬車両である。車両20は、例えばダンプトラックなどである。車両20は、車両本体部21と、荷台23と、を備える。
【0017】
(車両20に関する方向)
車両20に関する方向であって、車両20が水平面に置かれた場合に鉛直方向と一致する方向を、車両上下方向とする。荷台23の長手方向を、車両前後方向とする。車両前後方向において、荷台23から車両運転室21aに向かう側を車両前側Dfとし、その逆側を車両後側とする。車両上下方向および車両前後方向のそれぞれに直交する方向を、車両幅方向Eとする。
【0018】
車両本体部21は、荷台23を支持する。車両本体部21は、走行可能であり、車輪により走行してもよく、クローラにより走行してもよい。車両本体部21は、車両運転室21aを備える。
【0019】
荷台23は、作業対象物Oを収容する。荷台23は、車両運転室21aよりも、車両後側に配置される。荷台23は、例えば蓋を有さない箱形などである。荷台23は、車両本体部21に対して可動でもよく、車両本体部21に固定されてもよい。例えば、荷台23は、床面23aと、あおり板面23bと、鳥居面23cと、を備える。床面23aは、荷台23の底面である。あおり板面23bは、荷台23の車両後側および車両幅方向E外側の両側(左右)の面であり、床面23aから上に突出する。鳥居面23cは、荷台23の車両前側Dfの面であり、床面23aから上に突出する。以下では、作業機械10および車両20については、
図1を参照して説明する。
【0020】
センサ30(
図2参照)は、作業機械10などの状態を検出する。
図2に示すように、センサ30は、作業機械姿勢センサ31と、作業機械位置センサ33と、車両位置センサ35と、を備える。センサ30は、作業機械10に搭載されてもよく、作業機械10の外部に配置されてもよい(入力部40、コントローラ50、および出力部60についても同様)。
【0021】
作業機械姿勢センサ31は、作業機械10の姿勢を検出する。作業機械姿勢センサ31は、下部走行体11に対する上部旋回体13の回転(旋回)の情報(例えば角度、角速度、角加速度など)を検出してもよい。作業機械姿勢センサ31は、上部旋回体13に対するブーム15aの回転の情報を検出してもよい。作業機械姿勢センサ31は、ブーム15aに対するアーム15bの回転の情報を検出してもよい。作業機械姿勢センサ31は、アーム15bに対する先端アタッチメント15cの回転の情報を検出してもよい。
【0022】
作業機械位置センサ33は、作業機械10が作業を行う作業現場に対する、作業機械10の位置を検出する。作業機械位置センサ33は、作業機械10の位置を検出することで、後述する作業機械位置P10を検出する。作業機械位置センサ33は、作業現場に対する上部旋回体13の向き(方位、方角)を検出してもよい。
【0023】
この作業機械位置センサ33は、例えば、光や電波を用いた測位システムにより検出を行うものでもよい。例えば、測位システムは、衛星測位システムでもよく、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)でもよく、衛星を用いない(地上の)発信機と受信機とを用いたシステムでもよい。例えば、測位システムは、トータルステーションを用いたものでもよい。
【0024】
この作業機械位置センサ33は、例えば、作業機械10を含む作業現場の画像を撮像する撮像装置により検出を行うものでもよい。例えば、撮像装置は、撮像対象物(ここでは作業機械10)の二次元情報(例えば画像における位置や形状)を検出してもよい。撮像装置は、二次元情報を検出するカメラ(単眼カメラ)を備えてもよい。撮像装置は、距離画像(距離の情報(奥行きの情報)を有する画像)を取得してもよく、距離画像に基づいて撮像対象物の三次元情報(例えば三次元座標や三次元形状)を検出してもよい。撮像装置は、ステレオカメラを備えてもよい。撮像装置は、撮像対象物に電磁波(光、電波など)などの波を照射し、反射波を検出することで、撮像対象物までの距離を検出してもよい。撮像装置は、波の照射から反射波が返ってくるまでの時間に基づいて距離を検出するTOFセンサ(TOF;Time Of Flight)を備えてもよく、反射波の周波数に基づいて距離を検出する距離センサを備えてもよい。撮像装置は、光(例えばレーザー光)を用いて三次元の情報を検出する装置を備えてもよく、例えばLIDAR(Light Detection and Ranging)を備えてもよい。撮像装置は、電波を用いて三次元の情報を検出する装置(例えばミリ波レーダなど)を備えてもよい。撮像装置は、距離画像と二次元画像とに基づいて、撮像対象物の三次元情報を検出してもよい。撮像装置は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。
【0025】
車両位置センサ35は、作業現場に対する車両20の位置を検出する。車両位置センサ35は、車両20の位置を検出することで、後述する解放位置P20を検出する。車両位置センサ35は、測位システム(GNSSなど)により検出を行うものでもよく、撮像装置により検出を行うものでもよい。車両位置センサ35は、車両20の方向(方位、方角)を検出してもよい。
【0026】
入力部40は、作業者が情報を入力するための装置である。入力部40は、作業者の操作に基づいて、コントローラ50に信号を出力する。入力部40が作業機械10に設けられる場合は、入力部40は、例えば運転室13a内に設けられる表示器(クラスタゲージなど)でもよく、操作レバーなどでもよい。入力部40は、タブレットでもよく、スマートフォンでもよく、パーソナルコンピュータでもよい。入力部40は、サーバなどに設けられてもよい。入力部40に入力される情報は、例えば、後述する方向指定モードがオンか否かの情報、または、後述する設定作業半径Rs(
図3参照)の値などである。
【0027】
コントローラ50は、信号の入出力、演算(処理)、情報の記憶などを行うコンピュータである。例えば、コントローラ50の機能は、コントローラ50の記憶部に記憶されたプログラムが演算部で実行されることにより実現される。コントローラ50と他の機器とは、無線通信により接続されてもよく、有線通信により接続されてもよい。例えば、コントローラ50には、センサ30から検出結果が入力される。例えば、コントローラ50には、入力部40から入力内容が入力される。例えば、コントローラ50は、後述する目標位置Ptの算出などの演算を行う。例えば、コントローラ50は、出力部60および自動運転制御部70に信号(情報)を出力する。コントローラ50は、情報取得部51と、判定部53と、目標位置算出部55と、を備える。
【0028】
情報取得部51は、目標位置Ptの算出に用いられる情報を取得する。情報取得部51は、目標位置Ptの算出に用いられる情報を算出してもよい(算出は取得に含まれる)。情報取得部51は、作業機械位置取得部51aと、解放位置取得部51bと、捕捉位置取得部51cと、設定作業半径取得部51dと、設定方向取得部51eと、を備える。
【0029】
作業機械位置取得部51aは、
図1に示す作業機械位置P10を取得する。作業機械位置P10は、作業機械10の位置である。作業機械位置P10は、作業機械10の特定の部位の位置であり、具体的には、旋回中心10oの位置である。作業機械位置P10は、XY平面座標で表される(後述する捕捉位置PO、解放位置P20、および目標位置Ptも同様)。XY平面座標は、後述する目標位置Ptの算出に用いられる座標である。XY平面座標は、作業現場を基準とした座標である。XY平面座標は、平面視における(鉛直方向から見たときの)位置を示す座標である。作業機械位置P10は、鉛直方向における位置(高さ)の情報を含まなくてもよい(捕捉位置PO、解放位置P20、および目標位置Ptも同様)。作業機械位置P10には、上部旋回体13の方向(方位、方角)の情報が含まれてもよい。以下では、作業機械位置P10については、
図1を参照して説明する。
図2に示す作業機械位置取得部51a(機械方向取得部)は、上部旋回体13の方向を取得してもよい。
【0030】
この作業機械位置取得部51aは、作業機械位置センサ33の検出値から、作業機械位置P10を取得する。例えば、作業機械位置センサ33が、目標位置Pt(
図1参照)の算出に用いられる座標(例えばXY平面座標(
図1参照))とは異なる座標(例えば地球の緯度および経度)により作業機械10の位置を検出する場合がある。この場合は、作業機械位置取得部51aは、作業機械位置センサ33の検出値を、目標位置Pt(
図1参照)の算出に用いられる座標(例えばXY平面座標(
図1参照))に変換する。
【0031】
この作業機械位置取得部51aは、具体的には例えば、次のように作業機械位置P10を取得する。作業機械位置P10が、旋回中心10oの位置である場合について説明する。この場合、作業機械位置センサ33は、旋回中心10oに配置(取り付け)されてもよい。また、作業機械位置センサ33は、作業機械10のうち旋回中心10o以外の位置に配置されてもよい。この場合、作業機械位置取得部51aには、作業機械位置センサ33の取付位置と旋回中心10oとの相対位置の情報が予め設定される。そして、作業機械位置取得部51aは、この相対位置の情報と、作業機械位置センサ33の検出値(上部旋回体13の向きを含む)と、に基づいて、旋回中心10oの位置を算出することで、作業機械位置P10を算出してもよい。
【0032】
解放位置取得部51bは、
図1に示す解放位置P20を取得する。解放位置P20は、作業機械10から作業対象物Oが解放(例えば排土)される位置(解放ポイント)である。解放位置P20は、車両20が配置された位置である。解放位置P20は、車両20のうち、作業対象物Oが積載される位置(積載位置)であり、具体的には荷台23の位置である。解放位置P20は、面積を有する範囲(領域)でもよく、1点でもよい(捕捉位置POも同様)。解放位置P20が領域である場合、解放位置P20は、荷台23の内部の領域である。具体的には、解放位置P20は、あおり板面23bと鳥居面23cとに囲まれた領域であって、床面23a上の領域である。なお、解放位置P20が領域である場合、後述する目標位置Ptの計算には、この領域内の1点が用いられる。解放位置P20が1点である場合、解放位置P20は、荷台23の内部の1点である。この場合、解放位置P20は、荷台23の(床面23aの)中央部でもよい。解放位置P20は、平面視における荷台23の図心の位置でもよい。解放位置P20には、車両20の方向(方位、方角)の情報が含まれてもよい。以下では、解放位置P20については、主に
図1を参照して説明する(捕捉位置POおよび目標位置Ptも同様)。
図2に示す解放位置取得部51b(車両方向取得部)は、車両20の方向を取得してもよい。
【0033】
この解放位置取得部51bは、車両位置センサ35の検出値から、解放位置P20を取得する。車両位置センサ35の検出値が、目標位置Ptの算出に用いられる座標(例えばXY平面座標(
図1参照))とは異なる座標(例えば地球の緯度および経度)である場合がある。この場合は、解放位置取得部51bは、車両位置センサ35の検出値を、目標位置Ptの算出に用いられる座標(例えばXY平面座標(
図1参照))に変換する。
【0034】
この解放位置取得部51bは、具体的には例えば、次のように解放位置P20を取得する。例えば、解放位置P20が、荷台23の中央の1点の位置である場合について説明する。例えば、車両位置センサ35は、車両本体部21の運転室13a上などに配置される(取り付けられる)。解放位置取得部51bには、荷台23の中央の1点の位置と、車両位置センサ35の取付位置との相対位置が予め設定される。そして、解放位置取得部51bは、この相対位置の情報と、車両位置センサ35の検出値(車両20の向きを含む)と、に基づいて、荷台23の中央の1点の位置を算出することで、解放位置P20を算出してもよい。
【0035】
捕捉位置取得部51cは、
図1に示す捕捉位置POを取得する。捕捉位置POは、作業機械10に捕捉(例えば掘削)される作業対象物Oが配置された位置(捕捉ポイント)である。捕捉位置POは、作業機械10に捕捉される前の作業対象物Oが配置されている位置である。例えば、捕捉位置POは、作業対象物Oが山状に集められた位置(土砂山など)でもよく、作業対象物Oが収容された容器(例えば土砂ピットなど)内の位置でもよい。捕捉位置POは、解放位置P20と同様に、面積を有する範囲(領域)でもよく、1点でもよい。捕捉位置POは、手動入力により設定されてもよく、自動的に設定されてもよい。
【0036】
[捕捉位置POの設定例1a]捕捉位置POは、作業者による入力部40(
図2参照)の操作(例えばXY平面座標の値の入力)により設定されてもよい。
【0037】
[捕捉位置POの設定例1b]捕捉位置POは、作業機械10でのティーチングにより設定されてもよい。さらに詳しくは、作業者(操作者、操縦者)が、作業機械10を操作し、捕捉位置POとして設定したい位置に、アタッチメント15の特定の部位(例えば先端アタッチメント15cの先端部など)を配置する。そして、作業者が、アタッチメント15の特定の部位の位置を捕捉位置POとして決定する操作(例えばボタン操作など)を行う。このとき、作業機械位置センサ33(
図2参照)が、作業機械10の位置(上部旋回体13の向きを含む)を検出する。また、作業機械姿勢センサ31(
図2参照)が、作業機械10の姿勢を検出する。そして、
図2に示す捕捉位置取得部51cが、作業機械10の位置および姿勢に基づいて、アタッチメント15の特定の部位の位置(座標)を算出する。捕捉位置取得部51cは、この算出した位置を、捕捉位置POとしてもよい。
【0038】
[捕捉位置POの設定例2]捕捉位置POは、センサ30の検出結果から自動的に設定されてもよい。具体的には例えば、撮像装置が、作業機械10に捕捉される前の作業対象物Oが配置されている位置(例えば土砂山、土砂ピットなど)を含む画像を撮像する。捕捉位置取得部51cは、画像認識により、捕捉位置POを検出してもよい。
【0039】
設定作業半径取得部51dは、設定作業半径Rs(
図3参照)を取得する。さらに詳しくは、目標位置Ptが、設定作業半径Rs(
図3参照)に基づいて算出される場合(後述する算出例1)がある。この場合に、設定作業半径取得部51dは、設定作業半径Rs(
図3参照)を取得する。設定作業半径Rsは、手動入力により設定されてもよく、自動的に設定されてもよい。
【0040】
[設定作業半径Rsの設定例1a]設定作業半径Rs(
図3参照)は、作業者による入力部40の操作(例えば設定作業半径Rsの値の入力)により設定されてもよい。
【0041】
[設定作業半径Rsの設定例1b]設定作業半径Rs(
図3参照)は、
図1に示す作業機械10でのティーチングにより設定されてもよい。さらに詳しくは、作業者が、作業機械10を操作し、作業機械10の作業半径Rを、設定作業半径Rs(
図3参照)として設定したい長さにする。そして、
図2に示す設定作業半径取得部51dは、このときの作業半径R(
図1参照)を、設定作業半径Rs(
図3参照)としてもよい。
【0042】
[設定作業半径Rsの設定例2]設定作業半径取得部51dが、設定作業半径Rs(
図3参照)として適切な値を自動的に算出してもよい。例えば、設定作業半径取得部51dは、作業機械10およびアタッチメント15の、種類、大きさ、形状、作業の内容などの情報に基づいて、設定作業半径Rs(
図3参照)を自動的に算出してもよい。
【0043】
[設定作業半径Rsの設定例3]設定作業半径取得部51dは、コントローラ50に予め設定された設定作業半径Rs(
図3参照)の値(例えば初期値)を取得してもよい。
【0044】
設定方向取得部51eは、「設定方向」(例えば解放時車両角度θs(
図5参照))を取得する。さらに詳しくは、目標位置Pt(
図5参照)が、設定方向に基づいて算出される場合(算出例2)がある。この場合に、設定方向取得部51eは、設定方向を取得する。設定方向は、
図1に示す作業機械10が作業対象物Oを解放するときの、作業機械10に対する車両20の方向である(具体例は後述)。
図2に示す設定方向取得部51eは、方向指定モードがオンか否かの情報を取得する。方向指定モードは、設定方向に基づいて目標位置Ptを算出するモードである(詳細は後述)。設定方向(例えば解放時車両角度θs(
図5参照))は、手動入力により設定されてもよく、自動的に設定されてもよい。例えば、設定方向は、作業者による入力部40の操作により設定されてもよい。例えば、設定方向取得部51eは、作業現場の状況に応じて適切な設定方向を自動的に算出してもよい。例えば、設定方向取得部51eは、コントローラ50に予め設定された設定方向(例えば初期値)を取得してもよい。
【0045】
判定部53は、情報取得部51に取得された情報に関する判定を行う(詳細は後述)。判定部53は、方向指定モード判定部53aと、設定エラー判定部53bと、作業半径エラー判定部53cと、を備える。方向指定モード判定部53aは、方向指定モードがオンか否かを判定する。設定エラー判定部53bは、目標位置Ptを算出するのに必要な設定が適切に行われたか否かを判定する。作業半径エラー判定部53cは、作業半径エラー(後述)があるか否かを判定する。
【0046】
目標位置算出部55は、
図1に示す作業機械10の目標位置Ptを算出する(算出の詳細は後述)。目標位置Ptは、作業対象物Oを捕捉する作業および作業対象物Oを解放する作業のそれぞれを作業機械10が行うときに、作業機械10が配置される位置である。目標位置Ptは、作業機械10の目標とする位置である。例えば、目標位置Ptは、作業機械位置P10の目標とする位置である。例えば、目標位置Ptは、作業機械10の旋回中心10oの目標とする位置である。後述するように、目標位置Ptと、実際の(現在の)作業機械10の位置とが相違する場合は、作業機械10が目標位置Ptに向かって走行する。この場合、目標位置Ptは、作業機械10の目標とする走行停止位置(目標停止位置)である。
【0047】
出力部60(
図2参照)は、情報を出力する。
図2に示す出力部60は、コントローラ50に制御され、コントローラ50が出力した信号(情報)に基づいて出力を行う。出力部60は、作業機械10に設けられてもよく、例えば、運転室13aの内部に設けられてもよく、作業機械10のうち運転室13aの外部の位置に設けられてもよい。出力部60は、作業機械10の外部に設けられてもよく、例えば、作業機械10を遠隔操作する装置に設けられてもよい。出力部60は、入力部40と兼用されてもよい。出力部60による情報の出力方法は、光による出力でもよく、音による出力でもよく、振動による出力でもよい。出力部60は、画像を表示するものでもよく、例えば画面表示(モニタ表示)を行うものでもよい。この場合、出力部60は、運転室13a内の表示器(例えばクラスタゲージ)でもよい。出力部60は、作業現場にレーザー光などの光を照射(投影)するものでもよく、プロジェクションマッピングを用いたものでもよい。出力部60は、作業者が装着するAR(Augmented Reality)またはVR(Virtual Reality)を用いた装置(例えば、グラス、ゴーグルなど)でもよい。出力部60は、音声によるガイダンス、エラー通知などを行うものでもよい。出力部60は、エラー出力部60aと、教示部60bと、を備える。
【0048】
エラー出力部60aは、「エラーが有る」と判定部53が判定したときに、エラーの情報を出力する。例えば、エラー出力部60aは、エラーの有無を出力してもよく、エラーの内容を出力してもよく、エラーに対する対処方法などを出力してもよい。教示部60bは、目標位置算出部55に算出された目標位置Pt(
図1参照)を、作業者に教示する(詳細は後述)。
【0049】
自動運転制御部70は、作業機械10の自動運転を制御する。自動運転制御部70は、駆動制御部17に指令を出力することで、作業機械10を自動運転させる。自動運転制御部70は、例えば、作業機械10に搭載される。自動運転制御部70は、作業機械10を自動運転により走行させる。自動運転制御部70は、目標位置算出部55に算出された目標位置Pt(
図1参照)に、作業機械10を自動運転により走行させる(作業機械位置P10を自動調整する)。自動運転制御部70は、作業機械10に、後述する一連の作業を自動運転により行わせてもよい。
【0050】
(作動)
図1に示す作業機械目標位置算出システム1は、以下のように作動するように構成される。
【0051】
(一連の作業)
作業機械10が目標位置Ptで行う一連の作業は、次の通りである。さらに詳しくは、目標位置Ptが算出された後、作業機械10が目標位置Ptに配置された状態で、作業機械10が行う一連の作業は、次の通りである。作業機械10は、捕捉位置PO(またはその近傍)の作業対象物Oを、先端アタッチメント15cで捕捉(例えば掘削)する、捕捉作業を行う。次に、作業機械10は、捕捉位置POから解放位置P20に先端アタッチメント15cが移動するように、下部走行体11に対して上部旋回体13を旋回させる、持ち上げ旋回を行う。次に、作業機械10は、解放位置P20(またはその近傍)で、先端アタッチメント15cから作業対象物Oを解放(例えば排土)する、解放作業を行う。その結果、作業対象物Oは、荷台23に収容される。次に、作業機械10は、解放位置P20から捕捉位置POに先端アタッチメント15cが移動するように、下部走行体11に対して上部旋回体13を旋回させる、復帰旋回を行う。作業機械10は、捕捉作業、持上げ旋回、解放作業、および復帰旋回の、一連の作業を繰り返し行う。
【0052】
(目標位置Ptの算出)
目標位置算出部55(
図2参照)は、次のように目標位置Ptを算出する。目標位置算出部55は、作業機械10が移動することなく一連の作業を行えるように目標位置Ptを算出する。目標位置算出部55は、作業機械10が一連の作業を行うときの作業半径Rの変化をできるだけ小さくできるように目標位置Ptを算出する。
【0053】
具体的には、目標位置算出部55(
図2参照)は、捕捉作業半径R1と、解放作業半径R2と、が等しくなるように、目標位置Ptを算出する。捕捉作業半径R1は、目標位置Ptから捕捉位置POまでの距離(平面視における直線距離)である。解放作業半径R2は、目標位置Ptから解放位置P20までの距離(平面視における直線距離)である。捕捉位置POおよび解放位置P20の少なくともいずれかが、1点ではなく、面積を有する範囲(領域)である場合、目標位置算出部55(
図2参照)は、領域内の1点の位置(例えば領域の図心の位置)を用いて目標位置Ptを算出する。目標位置算出部55(
図2参照)は、等距離直線L12上の位置を目標位置Ptとする。等距離直線L12は、捕捉位置POおよび解放位置P20の2点から等距離にある直線である。なお、目標位置算出部55(
図2参照)が、目標位置Ptを算出しない場合があってもよい(後述)。
【0054】
目標位置算出部55(
図2参照)による目標位置Ptの算出の具体例は、次の通りである。目標位置算出部55は、設定作業半径Rs(
図3参照)に基づいて目標位置Ptを算出してもよい(算出例1)。目標位置算出部55は、設定方向(例えば解放時車両角度θs(
図5参照))に基づいて目標位置Ptを算出してもよい(算出例2)。
【0055】
(算出例1:設定作業半径Rsに基づく目標位置Ptの算出)
目標位置算出部55(
図2参照)は、
図3に示すように、捕捉作業半径R1および解放作業半径R2のそれぞれが、設定作業半径Rsとなる位置を、目標位置Ptとしてもよい。
【0056】
ここで、捕捉位置POから解放位置P20までの距離(平面視における直線距離)を、捕捉解放距離Laとする。捕捉解放距離Laの1/2の長さを長さLbとする。[例1a]長さLbが、設定作業半径Rsの値未満である場合は、目標位置Ptの候補が2つある。この場合、目標位置算出部55(
図2参照)は、2つの目標位置Ptの候補の一方を目標位置Ptとしてもよく、例えば作業機械位置P10(
図1参照)に近い方を目標位置Ptとしてもよい。目標位置算出部55(
図2参照)は、2つの目標位置Ptの候補の両方を目標位置Ptとしてもよい。[例1b]長さLbが、設定作業半径Rsの値と等しい場合は、目標位置Ptの候補は1つのみである。[例1c]長さLbが、設定作業半径Rsの値よりも大きい場合は、目標位置Ptの候補はない。この場合、捕捉位置POと解放位置P20との距離が離れすぎている(捕捉解放距離Laが大きすぎる)。この場合、作業半径エラー判定部53c(
図2参照)が、「作業半径エラー」があると判定する(後述)。
【0057】
目標位置算出部55(
図2参照)が設定作業半径Rsに基づいて目標位置Ptを算出する場合(算出例1)の、算出の具体例は、次の通りである。
【0058】
(算出例1の具体例1-1)
目標位置算出部55(
図2参照)は、捕捉位置POと解放位置P20との2点を通る円Cであって、半径が設定作業半径Rsの円Cの中心の位置(座標)を算出する(例えば方程式を解く)。目標位置算出部55は、算出した円Cの中心の位置(座標)を、目標位置Ptとする。
【0059】
(算出例1の具体例1-2)
目標位置算出部55(
図2参照)は、次のように目標位置Ptを算出してもよい。目標位置算出部55は、次の情報を取得する。
・解放位置取得部51b(
図2参照)に取得された解放位置P20の座標。
・捕捉位置取得部51c(
図2参照)に取得された捕捉位置POの座標。
・設定作業半径取得部51d(
図2参照)に取得された設定作業半径Rs。
【0060】
目標位置算出部55は、次の計算を行う。なお、計算式は一例である。
・(捕捉解放距離La)=(捕捉位置POから解放位置P20までの距離)
・Lb=(捕捉解放距離La)/2
・θc=cos-1(Lb/Rs)
・θd=tan-1(Le/Lf)
Le=|(捕捉位置POのY座標)-(解放位置P20のY座標)|
Lf=|(捕捉位置POのX座標)-(解放位置P20のX座標)|
・θg=90°-θc-θd
・Lh=cosθg×Rs
・Li=(Rs2-Lh2)1/2
・(目標位置PtのX座標)=(捕捉位置POのX座標)-Li
・(目標位置PtのY座標)=(捕捉位置POのY座標)-Lh
【0061】
(算出例2:設定方向に基づく目標位置Ptの算出)
目標位置算出部55(
図2参照)は、設定方向(例えば解放時車両角度θs(
図5参照))に基づいて目標位置Ptを算出してもよい(算出例2)。この場合、目標位置算出部55は、
図4に示す車両20の方向と、設定方向と、に基づいて、目標位置Ptを算出する。車両20の方向は、車両位置センサ35(
図2参照)に検出され、捕捉位置取得部51c(
図2参照)に取得される。
【0062】
設定方向は、
図1に示す作業機械10が作業対象物Oを解放するときの、作業機械10に対する車両20の方向である。さらに詳しくは、作業機械10が作業対象物Oを解放するとき、作業機械10は目標位置Ptに配置され、上部旋回体13の機械前側の正面に解放位置P20が配置される。このときの機械前側の方向(向き)を、解放時機械前側Fとする。上記「作業機械10に対する車両20の方向」は、例えば、解放時機械前側Fに対する、車両20の方向(例えば車両前側Dfの方向)である。
図5に示すように、解放時機械前側Fと車両前側Dfとがなす角度を、解放時車両角度θs(設定方向の一例)とする。
図4に示す例では、解放時車両角度θsは、0°である。この例では、解放時機械前側Fは、車両前側Dfと等しい。この例では、解放時機械前側Fに対して、車両20が縦向きに配置される(「縦配置」される)。
図5に示す例では、解放時車両角度θsは、90°である。この例では、解放時機械前側Fに対して、車両前側Dfが横を向く(「横配置」される)。なお、解放時車両角度θsは、上記以外の角度でもよい(
図1参照)。
【0063】
目標位置算出部55(
図2参照)は、
図1に示す車両20の方向(車両位置センサ35(
図2参照)に検出された方向)と、設定方向(例えば解放時車両角度θs(
図5参照))と、に基づいて、解放時機械前側Fの向きを算出する。そして、目標位置算出部55(
図2参照)は、目標位置Ptから解放位置P20に向かう向きが、解放時機械前側Fとなるように、目標位置Ptを算出する。
【0064】
なお、解放時機械前側Fと等距離直線L12とが互いに平行である場合は、目標位置Ptは存在しない。また、解放時機械前側Fと等距離直線L12とが略平行である場合などにも、目標位置Ptは算出されない。これらの場合、作業半径エラー判定部53c(
図2参照)が、「作業半径エラー」があると判定する(後述)。
【0065】
目標位置算出部55(
図2参照)が設定方向に基づいて目標位置Ptを算出する場合の、算出の具体例は、次の通りである。
【0066】
(算出例2の具体例2-1)
目標位置算出部55(
図2参照)は、
図4に示す解放位置P20を通ると共に解放時機械前側Fに延びる直線と、等距離直線L12と、の交点の位置(座標)を算出する(例えば方程式を解く)。目標位置算出部55(
図2参照)は、算出した交点の位置(座標)を、目標位置Ptとする。
【0067】
(算出例2の具体例2-2)
目標位置算出部55(
図2参照)は、次のように目標位置Ptを算出してもよい。目標位置算出部55は、次の情報を取得する。
・解放位置取得部51b(
図2参照)に取得された解放位置P20の座標。
・捕捉位置取得部51c(
図2参照)に取得された捕捉位置POの座標。
・車両位置センサ35(
図2参照)に(解放位置取得部51b(
図2参照)に)取得された車両20の方向。
・設定方向取得部51e(
図2参照)に取得された設定方向。この例では、解放時車両角度θs=0°(縦配置)。
【0068】
目標位置算出部55(
図2参照)は、車両20の方向と、設定方向(解放時車両角度θs)と、に基づいて、解放時機械前側Fの向きを算出する。この例では、解放時機械前側Fは、車両前側Dfと等しい。
【0069】
さらに目標位置算出部55(
図2参照)は、次の計算を行う。なお、計算式は一例である。
・(捕捉解放距離La)=(捕捉位置POから解放位置P20までの距離)
・Lb=(捕捉解放距離La)/2
・θd=tan
-1(Le/Lf)
Le=|(捕捉位置POのY座標)-(解放位置P20のY座標)|
Lf=|(捕捉位置POのX座標)-(解放位置P20のX座標)|
・Y軸の方向と解放時機械前側Fとがなす角度を、θmとする。
・θn=90°-θm
このθnは、X軸方向と解放時機械前側Fとがなす角度である。
・θo=θn+θd
・Lp=Lb/cosθo
このLpは、作業機械10が目標位置Ptに配置され、捕捉位置POおよび解放位置P20のそれぞれで作業するときの作業半径Rである。
・Lq=sinθm×Lp
・Lr=cosθm×Lp
・(目標位置PtのX座標)=(解放位置P20のX座標)+Lq
・(目標位置PtのY座標)=(解放位置P20のY座標)-Lr
【0070】
(算出例2の具体例2-3)
図4に示す例(具体例2-2)では、解放時車両角度θsは0°(縦配置)であり、解放時機械前側Fは車両前側Dfと等しい。
図5に示す例では、解放時車両角度θsは90°(横配置)であり、解放時機械前側Fは、車両幅方向Eと等しい。この場合、車両前側Dfは、車両20に対して、捕捉位置POとは反対側である(捕捉位置POから見ると、荷台23よりも車両運転室21aの方が遠い)。
【0071】
(作動の具体例)
図6に示すフローチャートを参照して、作業機械目標位置算出システム1の作動の具体例を説明する。以下では、フローチャートの各ステップについては、
図6を参照して説明する。
【0072】
作業機械位置センサ33(
図2参照)は、
図1に示す作業機械10の位置を検出(
図6では「測位」)する(ステップS11)。車両位置センサ35(
図2参照)は、車両20の位置(方向を含む)を検出(
図6では「測位」)する(ステップS13)。
【0073】
作業機械位置取得部51a(
図2参照)は、作業機械位置センサ33(
図2参照)の検出結果に基づいて、作業機械位置P10を取得する。解放位置取得部51b(
図2参照)は、車両位置センサ35(
図2参照)の検出結果に基づいて、解放位置P20および車両20の方向を取得する。作業機械位置センサ33(
図2参照)および車両位置センサ35(
図2参照)の検出結果が、目標位置Ptの算出に使われる座標(XY平面座標)ではない場合(例えば緯度および経度である場合)がある。この場合、作業機械位置取得部51a(
図2参照)および解放位置取得部51b(
図2参照)は、検出結果を、目標位置Ptの算出に使われる座標(XY平面座標)に変換する(ステップS15)。捕捉位置POが、例えば入力部40(
図2参照)などで設定される(ステップS17)。捕捉位置取得部51c(
図2参照)が、捕捉位置POを取得する。
【0074】
方向指定モードが、例えば入力部40(
図2参照)などで、「オン」またはオン以外(例えばオフ)に設定される。方向指定モード判定部53a(
図2参照)は、方向指定モードがオンか否かを判定する(ステップS21)。
【0075】
方向指定モードがオンでない(オフである)場合(ステップS21でNOの場合)、
図3に示す設定作業半径Rsに基づいて目標位置Ptが算出される。この場合、設定作業半径Rsが、例えば入力部40(
図2参照)などで入力される(ステップS23)。設定作業半径取得部51dは、この設定作業半径Rsを取得する。
【0076】
方向指定モードがオンである場合(ステップS21でYESの場合)、設定方向に基づいて目標位置Ptが算出される。この場合、設定方向が、例えば入力部40(
図2参照)などに入力される。例えば、「縦配置」、「横配置」などの設定、または、
図5に示す解放時車両角度θsの値(0°、90°など)が、入力部40(
図2参照)などに入力される。設定方向取得部51e(
図2参照)は、この設定方向を取得する。目標位置算出部55(
図2参照)は、車両20の方向と、設定方向と、に基づいて、解放時機械前側Fの向きを算出する(ステップS25)。
【0077】
設定エラー判定部53b(
図2参照)は、設定エラーが有るか否かを判定する(ステップS31)。設定エラー判定部53b(
図2参照)は、例えば、
図1に示す目標位置Ptの算出に必要な情報であって、コントローラ50(
図2参照)に取得されていない情報(未設定項目)があるか否かを判定する。具体的には、設定エラー判定部53b(
図2参照)は、解放位置P20および捕捉位置POがコントローラ50(
図2参照)に取得されているかを判定する。方向指定モードがオンの場合は、設定エラー判定部53b(
図2参照)は、例えば解放時機械前側Fがコントローラ50(
図2参照)に算出されているかを判定する。方向指定モードがオンでない場合は、設定エラー判定部53b(
図2参照)は、設定作業半径Rs(
図3参照)がコントローラ50(
図2参照)に取得されているかを判定する。設定エラー判定部53b(
図2参照)は、各設定値に異常(例えば許容範囲に対して大きすぎる、小さすぎるなど)が有るか否かを判定してもよい。
【0078】
作業半径エラー判定部53c(
図2参照)は、作業半径エラーが有るか否かを判定する(ステップS33)。作業半径エラーの具体例は、次の通りである。
【0079】
[作業半径エラーの例1]目標位置算出部55(
図2参照)が、
図4に示す設定作業半径Rsに基づいて目標位置Ptを算出する場合(上記の算出例1)がある。[作業半径エラーの例1a]この場合に、捕捉位置POと解放位置P20とが離れすぎており、設定作業半径Rsが、捕捉解放距離Laの1/2(すなわち長さLb)よりも短い場合は、目標位置Ptが存在しない。この場合は、作業半径エラー判定部53c(
図2参照)は、作業半径エラーが有ると判定する。[作業半径エラーの例1b]設定作業半径Rsが、作業半径R(
図1参照)の許容範囲(「作業半径許容範囲」という)の範囲外である場合、作業半径エラー判定部53c(
図2参照)は、作業半径エラーが有ると判定する。作業半径許容範囲は、例えば、作業機械10が取り得る作業半径R(
図1参照)に基づいて設定される。作業半径許容範囲は、作業半径Rの下限値、および、作業半径Rの上限値の、少なくともいずれかを有する。作業半径許容範囲は、作業半径エラー判定部53c(
図2参照)に予め(作業半径エラーの判定前に)設定される。
【0080】
[作業半径エラーの例2]目標位置算出部55(
図2参照)が、設定方向(例えば解放時車両角度θs(
図5参照))に基づいて目標位置Ptを算出する場合(上記の算出例2)がある。[作業半径エラーの例2a]この場合に、解放時機械前側Fが、等距離直線L12と平行である場合は、目標位置Ptが存在しない。この場合は、捕捉作業半径R1および解放作業半径R2が無限大とみなすことができる。この場合、作業半径エラー判定部53c(
図2参照)は、作業半径エラーが有ると判定する。
【0081】
[作業半径エラーの例2b]目標位置算出部55(
図2参照)が、設定方向に基づいて目標位置Ptの候補を算出し、捕捉作業半径R1および解放作業半径R2を算出する。このとき、捕捉作業半径R1および解放作業半径R2が、作業半径許容範囲の範囲外である場合、作業半径エラー判定部53c(
図2参照)は、作業半径エラーが有ると判定する。[例2b-1]具体的には例えば、捕捉位置POと解放位置P20とが離れすぎている場合には、捕捉解放距離Laの1/2(すなわち長さLb)が、作業半径許容範囲の上限値よりも大きくなる場合がある。この場合は、捕捉作業半径R1および解放作業半径R2は、作業半径許容範囲の上限値よりも大きくなる場合がある。[例2b-2]また、例えば、解放時機械前側Fが、等距離直線L12と略平行である場合などには、捕捉作業半径R1および解放作業半径R2は、作業半径許容範囲の上限値よりも大きくなる場合がある。[例2b-3]また、設定方向によっては、捕捉作業半径R1および解放作業半径R2は、作業半径許容範囲の下限値よりも小さくなる場合がある。
【0082】
設定エラーおよび作業半径エラーの少なくともいずれかが有る場合(ステップS31でNO、または、ステップS33でNOの場合)、目標位置算出部55(
図2参照)は、目標位置Ptを算出しない。この場合、エラー出力部60a(
図2参照)は、エラーの情報を出力する(ステップS35)。エラー出力部60aは、エラーの有無を出力してもよく、エラーの内容を出力してもよい。エラー出力部60aは、エラーに対する対処方法などを出力してもよい。例えば、エラー出力部60aは、設定作業半径Rs(
図3参照)または設定方向を変更すればエラーが解消されることを出力してもよく、設定作業半径Rsまたは設定方向をどのように変更すればエラーが解消されるかを出力してもよい。
【0083】
設定エラーおよび作業半径エラーが無い場合(ステップS31およびステップS33でNOの場合)、目標位置算出部55(
図2参照)は、目標位置Ptを算出する(ステップS41)(算出の具体例は上述)。
【0084】
目標位置Ptが算出された後、教示部60b(
図2参照)は、目標位置Ptを作業者に教示してもよい(ステップS51)。教示部60bは、目標位置Ptがどこであるかを教示する。教示部60bは、現在の作業機械10の位置から目標位置Ptに向かう方向(進行方向、走行方向)を教示してもよい。教示部60bは、目標位置Ptに作業機械10を走行する操作を行うように作業者を促してもよい。教示部60bは、作業機械10が目標位置Ptに到達したときに、目標位置Ptに到達したことを教示してもよい。作業者(操作者)は、教示部60bの教示に基づいて、作業機械10を操作できる。作業者は、作業機械位置P10が目標位置Pt(またはその近傍)と等しくなるように、作業機械10に走行させる。
【0085】
目標位置Ptが算出された後、自動運転制御部70(
図2参照)は、作業機械10を自動運転により走行させてもよい(ステップS51)。この場合、自動運転制御部70は、作業機械位置P10が目標位置Pt(またはその近傍)と等しくなるように、作業機械10を自動運転により走行させる。この場合、作業者(操作者)が作業機械10を走行させる操作は不要である(操縦操作レスである)。よって、作業者の操作負担が軽減される。
【0086】
作業機械10が目標位置Pt(またはその近傍)に移動した後は、作業機械10は、移動することなく、捕捉位置POでの捕捉作業、および、解放位置P20での解放作業(例えば上記「一連の作業」)を行うことができる。このとき、作業機械10は、作業半径Rを変えずに、または、作業半径Rを大きく変えなくても、作業を行うことができる。よって、作業機械10による作業の作業効率が向上する。また、作業機械10が作業者に操作される場合は、作業半径Rを調整する操作を不要または少なくできるので、作業者の操作負担が軽減される。
【0087】
なお、作業機械10が移動しなくても、目標位置Ptまたはその近傍に作業機械位置P10が配置されている場合は、作業機械10は走行する必要はない。この場合、教示部60b(
図2参照)は、既に目標位置Ptに作業機械10が配置されていることを教示してもよい。また、目標位置Ptまたはその近傍に作業機械位置P10が配置されている場合は、自動運転制御部70(
図2参照)は、作業機械10を目標位置Ptに自動運転により走行させない。
【0088】
(車両20の停車位置について)
作業現場における、車両20の停車位置は、様々に変更される。例えば車両20が入れ替わると、その都度、車両20の停車位置がランダムに変更される。車両20の停車位置が変更された場合、作業機械目標位置算出システム1は、目標位置Ptを再度算出する。そして、作業機械10は、作業者の操作または自動運転により、目標位置Ptに移動する。よって、車両20の停車位置が変更された場合でも、作業機械10は、効率良く作業できる。また、作業機械目標位置算出システム1では、車両20には特別な装置は不要である。例えば、作業機械10が効率良く作業できるような位置に、車両20を自動的に移動させ、車両20を自動的に停止させるような、特別な装置は、車両20に設けられる必要はない。作業機械目標位置算出システム1では、車両20は一般的な構成(例えば一般的なダンプトラックなど)でも、作業機械10の作業効率を向上させることができる。
【0089】
また、車両20の停車方向も、車両20の停車位置と同様に、様々に変更される。この場合でも、作業機械目標位置算出システム1は、例えば上記の算出例2により、作業機械10が効率良く作業できるような目標位置Ptを算出することができる。よって、作業機械10が作業者(操作者)に操作される場合は、次の効果が得られる。操作者は、車両20の方向(具体的には、あおり板面23bの方向など)を確認して、作業機械10が効率良く作業できる位置を検討する必要はない。よって、操作者の負担を軽減することができる。
【0090】
(第1の発明の効果)
図1に示す作業機械目標位置算出システム1による効果は、次の通りである。作業機械目標位置算出システム1は、
図2に示すように、捕捉位置取得部51cと、解放位置取得部51bと、目標位置算出部55と、を備える。捕捉位置取得部51cは、
図1に示す捕捉位置POを取得する。捕捉位置POは、作業機械10に捕捉される作業対象物Oが配置された位置である。解放位置取得部51b(
図2参照)は、解放位置P20を取得する。解放位置P20は、作業機械10から作業対象物Oが解放される位置であって、作業対象物Oが積み込まれる車両20が配置された位置である。
【0091】
[構成1]目標位置算出部55(
図2参照)は、目標位置Ptを算出する。目標位置Ptは、作業対象物Oを捕捉する作業および作業対象物Oを解放する作業のそれぞれを作業機械10が行うときに、作業機械10が配置される位置(目標とする位置)である。目標位置算出部55(
図2参照)は、目標位置Ptから捕捉位置POまでの距離である捕捉作業半径R1と、目標位置Ptから解放位置P20までの距離である解放作業半径R2と、が等しくなるように目標位置Ptを算出する。
【0092】
上記[構成1]により、目標位置Pt(またはその近傍)に作業機械10が配置された場合、作業機械10が捕捉作業を行うときの作業半径Rと、作業機械10が解放作業を行うときの作業半径Rと、の差異を無くす、または小さくすることができる。よって、この場合、作業機械10が、捕捉作業および解放作業を含む作業を行うときの、作業半径Rの変更量(調整量)を抑制することができる。よって、作業機械10が作業良く作業できる。よって、作業機械目標位置算出システム1は、作業機械10の作業効率を向上できるような、作業機械10の目標位置Ptを算出することができる。
【0093】
(第2の発明の効果)
[構成2]作業機械目標位置算出システム1は、
図3に示す設定作業半径Rsを取得する設定作業半径取得部51d(
図2参照)を備える。目標位置算出部55(
図2参照)は、捕捉作業半径R1および解放作業半径R2のそれぞれが、設定作業半径Rsとなる位置を、目標位置Ptとする。
【0094】
上記[構成2]により、
図1に示す目標位置Pt(またはその近傍)に作業機械10が配置された場合、作業機械10は、設定作業半径Rs(
図3参照)(または略設定作業半径Rs)で、捕捉作業および解放作業を行うことができる。例えば、作業者(設定者)が設定作業半径Rs(
図3参照)を設定する場合は、作業者の所望の作業半径Rで、捕捉作業および解放作業を作業機械10が行える。また、コントローラ50(
図2参照)などが適切な作業半径Rを設定作業半径Rs(
図3参照)として算出する場合は、コントローラ50(
図2参照)が算出した適切な作業半径Rで、捕捉作業および解放作業を作業機械10が行える。
【0095】
(第3の発明の効果)
[構成3]作業機械目標位置算出システム1は、設定方向取得部51e(
図2参照)を備える。設定方向取得部51e(
図2参照)は、設定方向(例えば解放時車両角度θs(
図5参照)など)を取得する。設定方向は、作業機械10が作業対象物Oを解放するときの作業機械10に対する車両20の方向である。目標位置算出部55(
図2参照)は、車両20の方向と設定方向とに基づいて、目標位置Ptを算出する。
【0096】
上記[構成3]により、目標位置Pt(またはその近傍)に作業機械10が配置された場合、作業機械10に対する車両20の方向を設定方向(または略設定方向)とした状態で、作業機械10が解放作業を行える。例えば、作業者(設定者)が設定方向を設定する場合は、作業機械10に対する車両20の方向を作業者の所望の方向とした状態で、作業機械10が解放作業を行える。また、コントローラ50(
図2参照)などが設定方向を算出する場合は、作業機械10に対する車両20の方向を、コントローラ50(
図2参照)が算出した適切な設定方向とした状態で、作業機械10が解放作業を行える。
【0097】
(第4の発明の効果)
[構成4]作業機械目標位置算出システム1は、教示部60b(
図2参照)を備える。教示部60bは、目標位置算出部55(
図2参照)に算出された目標位置Ptを作業者に教示する。
【0098】
上記[構成4]により、教示部60b(
図2参照)から教示された作業者は、目標位置Ptの情報を知ることができる。よって、例えば、作業者は、教示に従って作業機械10を操作し、目標位置Pt(またはその近傍)に作業機械10を移動(走行)させることができる。この場合、作業機械10が目標位置Pt(またはその近傍)に配置されるので、作業機械10の作業効率を向上させることができる。
【0099】
(第5の発明の効果)
[構成6]作業機械目標位置算出システム1は、自動運転制御部70(
図2参照)を備える。自動運転制御部70は、目標位置算出部55(
図2参照)に算出された目標位置Ptに、作業機械10を自動運転により走行させる。
【0100】
上記[構成6]により、作業機械10を目標位置Ptに、自動的に移動させることができる。その結果、作業機械10が目標位置Pt(またはその近傍)に配置されるので、作業機械10の作業効率を向上させることができる。例えば、作業者(操作者)が作業機械10を操作して捕捉作業および解放作業を行う場合でも、作業機械10を目標位置Ptに移動(走行)させる操作は不要になる。この場合、操作者による作業機械10の操作の手間を減らすことができる。
【0101】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の構成要素(変形例を含む)の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、上記実施形態の変形例どうしが様々に組み合わされてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、
図2に示す各構成要素の接続は変更されてもよい。例えば、構成要素の配置は変更されてもよい。例えば、構成要素の包含関係は様々に変更されてもよい。例えば、ある上位の構成要素に含まれる下位の構成要素として説明したものが、この上位の構成要素に含まれなくてもよく、他の構成要素に含まれてもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。例えば、各種パラメータ(設定値、範囲など)は、コントローラ50に予め設定されてもよく、作業者の手動操作(作業機械10の操作、入力部40の操作など)により直接的に設定されてもよい。各種パラメータは、センサ30に検出された情報に基づいてコントローラ50に算出されてもよい。例えば、各種パラメータは、変えられなくてもよく、手動操作により変えられてもよく、何らかの条件に応じてコントローラ50が自動的に変えてもよい。例えば、
図6に示すフローチャートのステップの順序が変更されてもよく、ステップの一部が行われなくてもよい。例えば、コントローラ50による計算は、様々に行われてもよい。計算に用いられる数式および計算手順は様々に変形可能である。例えば、各構成要素は、各特徴(作用機能、配置、形状、作動など)の一部のみを有してもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 作業機械目標位置算出システム
10 作業機械
20 車両
51b 解放位置取得部
51c 捕捉位置取得部
51d 設定作業半径取得部
51e 設定方向取得部
55 目標位置算出部
60b 教示部
70 自動運転制御部
O 作業対象物
P20 解放位置
PO 捕捉位置
Pt 目標位置
R1 捕捉作業半径
R2 解放作業半径
Rs 設定作業半径
θs 解放時車両角度(設定方向の一例)