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特開2024-130157塵芥収集車管理システムにおけるユーザ携帯装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130157
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】塵芥収集車管理システムにおけるユーザ携帯装置
(51)【国際特許分類】
   B65F 5/00 20060101AFI20240920BHJP
   G01G 19/12 20060101ALI20240920BHJP
   B65F 3/00 20060101ALI20240920BHJP
   G01G 23/42 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B65F5/00
G01G19/12 Z
B65F3/00 A
G01G23/42 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039712
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】岡野 啓一
(72)【発明者】
【氏名】山内 正輝
(72)【発明者】
【氏名】尾原 歩希
(72)【発明者】
【氏名】早川 千鶴
(72)【発明者】
【氏名】福原 健大朗
(72)【発明者】
【氏名】木原 柊平
【テーマコード(参考)】
3E024
3E025
【Fターム(参考)】
3E024AA01
3E024EA04
3E024HB01
3E024HB03
3E024HC02
3E024HD03
3E024HD06
3E024HE02
3E025AA04
3E025EA03
3E025EA06
3E025EB08
(57)【要約】
【課題】塵芥収集車における収集状況を簡単に把握する。
【解決手段】
塵芥別重量容積関数記憶手段429は、重量と容積の関係を特定する重量容積関数を塵芥の種類ごとに記憶する。制御手段413は、塵芥収集時に、塵芥収集車170aに対して、収集した塵芥の重量計測要請を行い、近距離無線通信手段419を介して、塵芥収集車170から塵芥投入箱における排出板の位置特定情報、および塵芥収集車における収集重量情報を受信すると、検出値記憶手段433に記憶する。制御手段413は、1)前記収集重量情報に基づいて、現在の収集総重量を決定し、2)前記受信した排出板の位置特定情報から前記塵芥投入箱の容積的な使用割合を示す容積的割合を決定し、3)前記塵芥の種類の前記容積的割合から決定される積載可能容積と前記重量容積関数とから、前記積載可能重量を決定する。収集総重量および残積載可能重量は報知手段423により報知させる。
【選択図】 図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥収集車管理サーバおよび塵芥収集車と通信を行う塵芥収集車管理システムにおけるユーザ携帯装置であって、
前記塵芥収集車の車両側近距離無線通信手段から前記塵芥収集車の塵芥投入箱における排出板の位置特定情報、および塵芥収集車における収集重量情報を受信するユーザ側近距離無線通信手段、
以下の3つのステップを実行する制御手段、
1)前記収集重量情報に基づいて、現在の収集総重量を決定する収集総重量決定ステップ、
2)前記受信した排出板の位置特定情報から前記塵芥投入箱の容積的な使用割合を示す容積的割合を決定する容積的割合決定ステップ、
3)前記塵芥収集車における法定積載可能重量および前記収集総重量から残積載可能重量を決定する残積載可能重量決定ステップ、
前記容積的割合および残積載可能重量を操作者に報知する報知手段、
を備えたユーザ携帯装置。
【請求項2】
塵芥収集車管理サーバおよび塵芥収集車と通信を行う塵芥収集車管理システムにおけるユーザ携帯装置であって、
前記塵芥収集車の車両側近距離無線通信手段から前記塵芥収集車の塵芥投入箱における排出板の位置特定情報、および塵芥収集車における収集重量情報を受信するユーザ側近距離無線通信手段、
重量と容積の関係を特定する重量容積関数を塵芥の種類ごとに記憶する塵芥別重量容積関数記憶手段、
以下の2つのステップを実行する制御手段、
1)前記受信した排出板の位置特定情報から前記塵芥投入箱の容積的な使用割合を示す容積的割合を決定する容積的割合決定ステップ、
2)操作者から塵芥の種類が与えられると、前記塵芥別重量容積関数記憶手段に記憶された対応する重量容積関数を読みだして、この重量容積関数および前記容積的割合とから、残積載可能重量を決定する残積載可能重量決定ステップ、
前記容積的割合および残積載可能重量を操作者に報知する報知手段、
を備えたユーザ携帯装置。
【請求項3】
塵芥収集車管理サーバおよび塵芥収集車と通信を行う塵芥収集車管理システムにおけるユーザ携帯装置であって、
前記塵芥収集車における現在の収集重量情報を受信するユーザ側近距離無線通信手段、
塵芥収集車における収集可能推定積載総重量を記憶する収集可能推定積載総重量記憶手段、
前記受信した現在の収集重量情報を記憶する検出値記憶手段、
前記現在の収集重量情報から現在の収集重量を決定するとともに、決定した現在の収集重量を前記収集可能推定積載総重量とともに、報知手段に報知させる制御手段、
を備えたユーザ携帯装置。
【請求項4】
請求項3のユーザ携帯装置において、
前記制御手段は、前記収集可能推定積載総重量記憶手段の収集可能推定積載総重量について、操作者から設定重量値を含む修正命令が与えられると、前記収集可能推定積載総重量を前記設定重量値に修正すること、
を特徴とするユーザ携帯装置。
【請求項5】
請求項4のユーザ携帯装置において、
当該塵芥収集車における車検証の最大積載量を記憶する車検証データ記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、前記操作者から与えられた修正命令の設定重量値が、前記車検証の最大積載量内である場合には当該修正を認め、前記設定重量値が前記最大積載量を越える場合には、前記報知手段により警告を報知する、または当該修正を禁止すること、
を特徴とするユーザ携帯装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5のユーザ携帯装置において、
前記制御手段は、前記修正命令に基づいて収集可能推定積載総重量を修正した場合、前記報知手段に前記修正されたことを報知させること、
を特徴とするユーザ携帯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、塵芥収集車管理システムに関し、特に、塵芥の収集状況の報知に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、塵芥収集車管理システムの収集作業者の携帯端末において、塵芥の重量の取得、サーバへの送信、操作画面を表示することが開示されている(段落0030、0071など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4668968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の各画面は、塵芥車の収集状況について、利便性が低く、改善の余地があった。
【0005】
この発明は、作業者にとって簡便な操作で塵芥収集作業を補助する塵芥収集車管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明にかかるユーザ携帯装置は、塵芥収集車管理サーバおよび塵芥収集車と通信を行う塵芥収集車管理システムにおけるユーザ携帯装置であって、前記塵芥収集車の車両側近距離無線通信手段から前記塵芥収集車の塵芥投入箱における排出板の位置特定情報、および塵芥収集車における収集重量情報を受信するユーザ側近距離無線通信手段、以下の3つのステップを実行する制御手段、1)前記収集重量情報に基づいて、現在の収集総重量を決定する収集総重量決定ステップ、2)前記受信した排出板の位置特定情報から前記塵芥投入箱の容積的な使用割合を示す容積的割合を決定する容積的割合決定ステップ、3)前記塵芥収集車における法定積載可能重量および前記収集総重量から残積載可能重量を決定する残積載可能重量決定ステップ、前記容積的割合および残積載可能重量を操作者に報知する報知手段を備えている。したがって、前記容積的割合および法定積載可能重量から決定される残積載可能重量を操作者に報知することができる。
【0007】
(2)本発明にかかるユーザ携帯装置は、塵芥収集車管理サーバおよび塵芥収集車と通信を行う塵芥収集車管理システムにおけるユーザ携帯装置であって、前記塵芥収集車の車両側近距離無線通信手段から前記塵芥収集車の塵芥投入箱における排出板の位置特定情報、および塵芥収集車における収集重量情報を受信するユーザ側近距離無線通信手段、重量と容積の関係を特定する重量容積関数を塵芥の種類ごとに記憶する塵芥別重量容積関数記憶手段、以下の2つのステップを実行する制御手段、1)前記受信した排出板の位置特定情報から前記塵芥投入箱の容積的な使用割合を示す容積的割合を決定する容積的割合決定ステップ、2)操作者から塵芥の種類が与えられると、前記塵芥別重量容積関数記憶手段に記憶された対応する重量容積関数を読みだして、この重量容積関数および前記容積的割合とから、残積載可能重量を決定する残積載可能重量決定ステップ、前記容積的割合および残積載可能重量を操作者に報知する報知手段を備えている。したがって、塵芥の種類の前記容積的割合から決定される積載可能容積に応じた残積載可能重量を操作者に報知することができる。
【0008】
(3)本発明にかかるユーザ携帯装置は、塵芥収集車管理サーバおよび塵芥収集車と通信を行う塵芥収集車管理システムにおけるユーザ携帯装置であって、前記塵芥収集車における現在の収集重量情報を受信するユーザ側近距離無線通信手段、塵芥収集車における収集可能推定積載総重量を記憶する収集可能推定積載総重量記憶手段、前記受信した現在の収集重量情報を記憶する検出値記憶手段、前記現在の収集重量情報から現在の収集重量を決定するとともに、決定した現在の収集重量を前記収集可能推定積載総重量とともに、報知手段に報知させる制御手段を備えている。したがって、現在の収集重量と前記収集可能推定積載総重量とを操作者に報知することができる。
【0009】
(4)本発明にかかるユーザ携帯装置においては、前記制御手段は、前記収集可能推定積載総重量記憶手段の収集可能推定積載総重量について、操作者から設定重量値を含む修正命令が与えられると、前記収集可能推定積載総重量を前記設定重量値に修正する。したがって、前記操作者は、前記収集可能推定積載総重量を変更できる。
【0010】
(5)本発明にかかるユーザ携帯装置においては、当該塵芥収集車における車検証の最大積載量を記憶する車検証データ記憶手段を更に備え、前記制御手段は、前記操作者から与えられた修正命令の設定重量値が、前記車検証の最大積載量内である場合には当該修正を認め、前記設定重量値が前記最大積載量を越える場合には、前記報知手段により警告を報知する、または当該修正を禁止する。したがって、前記車検証の最大積載量を越えての修正を操作者に知らせることができる。
【0011】
(6)本発明にかかるユーザ携帯装置においては、前記制御手段は、前記修正命令に基づいて収集可能推定積載総重量を修正した場合、前記報知手段に前記修正されたことを報知させる。したがって、前記修正したことを操作者に知らせることができる。
【0012】
本明細書において使用した用語の定義について説明する。「ユーザ」は、このシステムを使用して塵芥収集を行う業者をいう。「顧客」は、前記ユーザにとっての顧客であり、塵芥収集をする収集先をいう。
【0013】
「重量容積関数」とは、実施形態では、前記塵芥収集車から受け取った過去の実績積載総重量情報と前記排出板位置情報の関係から決定される単位容積あたりの重量とした。これは排出板位置は、塵芥収集車においては、塵芥の種類ごとの単位容積あたりの質量と相関するからである。しかしながら、これに限定されず、実際の積載量から決まる容積だけでなく、塵芥別に分かっている密度と塵芥車の容積を計算した値であってもよいし、さらに、その都度計算するようにしてもよい。また、重量と容積の関係を示すものであれば、どのようなものでもよく、単位重量当たりの容積であってもよい。
【0014】
「報知手段」とは、実施形態では表示手段に変更されたことが分かるように表示することで操作者にこれを報知するようにしたが、表示手段以外の手段、たとえば音などで報知するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】塵芥収集車管理システム1の全体構成を示す図である。
図2】管理サーバ100を、CPUを用いて実現したハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】ユーザ携帯装置160を、CPUを用いて実現したハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】塵芥収集車におけるハードウェア構成の一例である。
図5】ユーザ携帯装置160における状態遷移図である。
図6】ユーザ携帯装置160のトップ画面および設定画面である。
図7】設定メニュー表示モードの画面を示す図である。
図8】収集先選択モードおよび収集データ入力モードの画面を示す図である。
図9】印刷モードおよび収集履歴モードの画面を示す図である。
図10】第1実施形態のブロック図である。
図11】塵芥別重量容積関数決定処理フローチャートである。
図12】収集データの一例および塵芥別の単位容積あたりの重量表である。
図13】残積載量表示処理のフローチャートである。
図14】画面表示例である。
図15】第1実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明における実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
(1. 全体構成)
図1に、本発明の1実施形態にかかる塵芥収集車管理システム1(以下、管理システム1という)の機能ブロックを示す。
【0018】
管理システム1は、塵芥収集車管理サーバ100(以下、管理サーバ100という)、ユーザ側管理者端末装置120、1または2以上のユーザ携帯装置160、複数の塵芥収集車170a~170nを備えている。
【0019】
塵芥収集車170a~170nは、決められたルートで塵芥の収集を行う。塵芥収集車170aの作業者はユーザ携帯装置160を用いて収集データを管理サーバ100に送信するとともに、プリンタ161にて収集結果を出力する。ユーザ側管理者端末装置120は、管理サーバ100にユーザ情報、顧客である収集先情報、および収集データの管理を行う。
【0020】
(2.1 塵芥収集車管理サーバ100のハードウェア構成)
図1の塵芥収集車管理サーバ100(以下管理サーバ100という)をCPUを用いて構成したハードウェア構成について、図2を用いて説明する。
【0021】
管理サーバ100は、CPU23、メモリ27、ハードディスク26、モニタ30、光学式ドライブ25、入力デバイス28、通信ボード31、およびバスライン29を備えている。CPU23は、ハードディスク26に記憶された各プログラムにしたがいバスライン29を介して、各部を制御する。
【0022】
ハードディスク26は、オペレーティングシステムプログラム26o(以下OSと略す)、メインプログラム26mを記憶する。また、ハードディスク26は、顧客管理データを記憶する顧客管理データ記憶部26d、および塵芥収集車170a~nから受信した収集データを記憶する収集データ記憶部26cを有する。顧客管理データ記憶部26dおよび収集データ記憶部26cに記憶されるデータについては後述する。
【0023】
本実施形態においては、オペレーティングシステムプログラム(OS)26oとして、Windows 10(登録商標または商標)を採用したが、これに限定されるものではない。
【0024】
なお、上記各プログラムは、光学式ドライブ25を介して、プログラムが記憶されたDVD-ROM25aから読み出されてハードディスク26にインストールされたものである。なお、DVD-ROM以外に、ICカード等のプログラムをコンピュータ可読の記録媒体から、ハードディスクにインストールさせるようにしてもよい。さらに、通信回線を用いてダウンロードするようにしてもよい。
【0025】
本実施形態においては、プログラムをDVD-ROMからハードディスク26にインストールさせることにより、DVD-ROMに記憶させたプログラムを間接的にコンピュータに実行させるようにしている。しかし、これに限定されることなく、DVD-ROMに記憶させたプログラムを光学式ドライブ25から直接的に実行するようにしてもよい。なお、コンピュータによって、実行可能なプログラムとしては、そのままインストールするだけで直接実行可能なものはもちろん、一旦他の形態等に変換が必要なもの(例えば、データ圧縮されているものを、解凍する等)、さらには、他のモジュール部分と組合して実行可能なものも含む。
【0026】
(2.2 ユーザ携帯装置160のハードウェア構成)
ユーザ携帯装置160を、CPUを用いて構成したハードウェア構成の一例について図3を用いて説明する。
【0027】
ユーザ携帯装置160は、一般的なスマートフォンの構成であり、CPU123、メモリ127、フラッシュメモリ126、表示部130、無線通信部128、操作部125、音声入出力部124、位置情報検出部122、近距離無線通信ユニット121、撮像ユニット119、およびバスライン129を備えている。位置情報検出部122は、GNNS(Global Navigation Satellite System)により位置情報を検出するモジュールである。近距離無線通信ユニット121はBluetooth(登録商標)規格での通信をおこなう。
【0028】
CPU123は、フラッシュメモリ126に記憶された各プログラムにしたがいバスライン129を介して、各部を制御する。
【0029】
フラッシュメモリ126は、オペレーティングシステムプログラム126o(以下OSと略す)、メインプログラム126mを有する。本実施形態においては、OSとしてAndroid(商標)を採用した。メインプログラム126mの処理は後述する。
【0030】
また、フラッシュメモリ126は、計量データ記憶部126k、顧客マスタデータ記憶部126c、ユーザ情報記憶部126uを有する。これらに記憶されるデータについては後述する。
【0031】
本実施形態においては、近距離無線通信ユニットとして、Bluetooth(登録商標)を採用したが、これに限定されない。
【0032】
近距離無線通信ユニット121は塵芥収集車170a~nの近距離無線通信ユニット171(図4参照)と接続して、各種のデータの送受信を行う。また、近距離無線通信ユニット121は、プリンタ161(図1参照)に印刷データを送信する。
【0033】
また、無線通信部128は、管理サーバ100に積載量・ゴミの種類などの収集データを送信する。
【0034】
(2.3 ユーザ別購買データサーバ140のハードウェア構成)
図1に示すユーザ側管理者端末装置120のハードウェア構成は、図2と同じであり、ハードディスクに記憶されているメインプログラムの処理が後述するように異なる。説明は省略する。
【0035】
(2.4 塵芥収集車170のハードウェア構成)
図1に示す塵芥収集車170a~nは、一般的な塵芥収集車であり、図4に、収集作業に関する駆動部分の動きを検出するセンサ系のハードウェア構成を示す。
【0036】
塵芥収集車170aは、スライドカバーセンサ161、排出板位置センサ163、テールゲートセンサ165、PTOセンサ169、ロードセル153、コントローラ151、エアサス制御ユニット155、撮像ユニット157、近距離無線通信ユニット171、指示計173を有する。
【0037】
スライドカバーセンサ161は、塵芥収集車における塵芥投入箱後面の投入口を覆うスライド式のカバーの開閉状態を検出するセンサである。排出板位置センサ163は、塵芥収容箱2の内部で、車両前後方向に往復動可能な排出板の車両前後方向の位置を検出するセンサである。排出板を車両前方向に移動させることで塵芥を積み込むための空間を拡大させて塵芥収容箱における塵芥の収容量は、漸増する。また、排出板が車両後方向に移動すると、塵芥収容箱に収容された塵芥を後方へ排出することができる。
【0038】
テールゲートセンサ165は塵芥収集車における塵芥投入箱の開閉状態を検出するセンサである。本実施形態においては、テールゲートセンサ165をテールゲートロック用電磁弁で構成した。PTOセンサ169は、PTO装置の切替状態がオンまたはオフであることを検出する。ロードセル153は、塵芥収集車における塵芥投入箱の重さを計測する。
【0039】
コントローラ151は、各種のセンサからの情報を用いた演算処理を行うとともに、各ユニットの制御を行う。
【0040】
エアサス制御ユニット155は、コントローラ151からの指令に基づいて、空気の圧縮抵抗を利用した空気バネ装置(図示せず)の空気量を調整することで、塵芥収集車の最低地上高を変化させる。撮像ユニット157は塵芥投入箱のテールゲート上部に設けられており、塵芥投入箱近傍の様子を撮像した撮像データをコントローラ151に送信する。近距離無線通信ユニット171は、ユーザ携帯装置160とのデータ通信を行う。指示計173は、ロードセル153が計測した重量が表示される。
【0041】
他の塵芥収集車170についても同様である。
【0042】
3.ユーザ携帯装置160における処理の概要
(3.1)概要
(状態遷移)
塵芥収集車170が塵芥収集を行う場合に、作業者がおこなう処理の概要について図5の状態遷移図、および図6図9のユーザ携帯装置160の画面を用いて説明する。
【0043】
図5に示すようにトップ画面からは「設定メニュー表示」、「収集先選択」、「収集履歴」「リセット」の4つの画面が切り替えられる。また、前記4つの画面からは詳細モード画面に切り替えられる。
【0044】
「設定メニュー表示」であれば、「顧客マスタ設定」、「システム設定」「ユーザ情報の設定」の各モードに切り替えられる。また、「収集先選択」であれは、「収集先を選択」「収集情報入力」「伝票印刷」「収集情報記録」の各モードに切り替えられる。また、「収集履歴」であれば、「収集履歴データのアップロード」「収集履歴データの削除」「収集履歴データの編集」「伝票再印刷」の各モードに切り替えられる。なお、「リセット」モードには詳細モードはなくリセット処理を行う。
【0045】
(3.2)各モードにおける処理および画面
(3.2.1 トップメニュー)
上記各モードについて図6図9を用いて説明する。作業者は、ユーザ携帯装置160を用いて塵芥収集車管理サーバ100にログインすると、図6Aのトップ画面が表示される。
【0046】
トップ画面では、積載状況表示欄211、メニューボタン212、リセットボタン217、収集先選択ボタン213、収集履歴モードに移行する収集履歴ボタン215が表示されている。積載状況表示欄211には、ロードセル153が計測した総積載量および最大可能積載量に対する割合が表示される。メニューボタン212を選択すると設定メニュー表示モードに移行する。リセットボタン217を選択するとリセットモードに移行する。収集先選択ボタン213を選択すると収集先選択モードに移行する。収集履歴ボタン215が選択されると収集履歴モードに移行する。
【0047】
(3.2.2 設定メニュー表示モード)
トップ画面にて、メニューボタン212が選択されると、図6Bに示す設定メニュー表示モードに移行し、顧客マスタ設定ボタン221、システム設定ボタン223、ユーザ情報の設定ボタン225などが表示されている。
【0048】
図6Bに示す設定メニュー表示モードにて、顧客マスタ設定ボタン221が選択されると、図7Aに示す画面に切り替わり、これから収集する顧客の選択が可能となる。また、図6Bに示す設定メニュー表示モードでシステム設定ボタン223が選択されると、図7Bに示す画面に切り替わり、「計量方式」設定、「単位」設定、「署名欄印刷ありなし」選択、「自社情報表示ありなし」選択、指示計およびプリンタのBDアドレス(Bluetooth Device Address)の設定、および、近距離無線通信の設定、「収集情報自動送信ありなし」の選択が可能となる。
【0049】
「計量方式」設定では、「ボディ計量」、「投入口計量」または「計量なし」を選択する。
【0050】
「単位」設定では、収集情報の重量の単位を「kg」、「m3」「袋数」のいずれかを選択する。
【0051】
「署名欄印刷ありなし」選択では、伝票印刷時の署名欄印字の有無を選択する。「自社情報表示ありなし」では、伝票印刷時の自社情報表示の有無を選択する。
【0052】
「指示計およびプリンタのBDアドレス設定」では、Bluetooth(登録商標)機器のアドレスを選択し、ペアリング設定をする。一度設定すれば設定は保持される。「収集情報自動送信」設定では、チェックを入れると収集完了時に自動で計量データをサーバにアップロードする。
【0053】
図6Bに示す設定メニュー表示モードにて、ユーザ設定ボタン225が選択されると、図7Cに示す画面に切り替わり、ユーザの名称などのこのシステムを使用する塵芥収集を行う会社の詳細情報の登録・修正が可能となる。
【0054】
(3.2.3 収集先選択モード)
トップ画面にて、収集先選択ボタン213が選択されると、図8Aに示す収集先選択モードになる。ルート絞り込みボックス251のドロップダウンマーク252が選択されると、登録しているルートの名称が表示される。ルート絞り込みボックス251に表示されたいずれかが選択されると、そのルートの収集先リストが表示欄261に表示される。並べ替えボックス255のドロップダウンマーク256が選択されると、登録順/名前順/距離順が選択できるように、並べ替えボックス255に表示される。いずれかが選択されると、表示欄261の表示が並べ替えられる。
【0055】
並び替え距離順にて表示されている状態で、距離順表示更新ボタン257が押されると、現在地に近い収集先順に表示される。
【0056】
表示欄261における各収集先の名称の前には、収集ステータス表示欄261aがある。初期は「未」であり、後述する収集画面で完了ボタンが押されると、「未」が「完」と変更される。
【0057】
表示欄261における各収集先の名称の後ろには、選択ボタン263がある。作業者は、収集先に到着すると、その収集先の選択ボタン263を選択する。これにより、表示が図8Bに示す収集画面に切り替わる。
【0058】
(3.2.4 収集データ入力モード)
図8Bに示す収集画面は、収集データを入力する収集データ入力モードである。収集データ入力モードでは、回数選択ボタン277、279、重量表示欄281、収集物選択欄283、袋数入力欄287、マニフェス卜番号入力欄291、収集開始ボタン293、印刷ボタン295、完了ボタン297が表示されている。
【0059】
回数選択ボタン277、279は、当該収集先にて複数回、収集する場合に選択するボタンである。重量表示欄281には、手動で、または、ロードセル153(図4参照)による計測結果が自動的に表示される。かかる自動重量計測については後述する。
【0060】
収集物選択欄283にはドロップダウンマーク285が選択されると、登録している収集物の種類(可燃物、不燃物・・・など)が表示され、いずれかを選択することができる。袋数入力欄287には、手動で袋の数が入力される。マニフェス卜番号入力欄291には、マニフェス卜番号が手動入力される。
【0061】
作業者は、収集先に到着すると収集開始ボタン293を選択する。これにより、風袋引きが実行され、収集対象を積み込み処理開始の画面が表示される(図8C参照)。かかる画面には完了ボタン297bが表示されており、作業者は積み込みが完了すると、この完了ボタン297bを選択する。これにより、図8Bに示す画面に戻り、ロードセル153からの計測結果が重量表示欄281に表示される。作業者は、収集物選択欄283、袋数入力欄287、マニフェス卜番号入力欄291の入力を確認すると、完了ボタン297を選択する。これにより、当該収集先での収集データがユーザ携帯装置160の収集データ記憶部126k(図3参照)に記憶される。また印刷ボタン295が選択されると、図9Aに示す印刷モードに移行する。
【0062】
印刷モードでは、作業者は、表示を確認し、確認ボタン298を選択する。これにより、図1に示すプリンタ161に印刷される。
【0063】
また、戻るボタン299、275、265が選択されると、トップ画面(図6A参照)に戻る。
【0064】
(3.2.5 収集履歴モード)
トップ画面にて、収集履歴ボタン215が選択されると、図9Bに示す収集履歴モードとなる。
【0065】
図9Bが未送信の収集データの表示画面であり、図9Cがアップロード済みの収集データである。図9Bにて送信済み表示切り替えボタン232が選択されると、図9Cに表示が切り替えられる。図9Cにて送信済み表示切り替えボタン231が選択されると、図9Bに表示が切り替えられる。
【0066】
図9Bにて、表示欄241には未送信の収集データが表示されている。この場合、2つの収集データが表示されている。この状態で、アップロードボタン242が選択されると、ユーザ携帯装置160は、無線通信部128より、図1に示す塵芥収集車管理サーバ100にデータを送信する。
【0067】
図9Cにて、表示欄244には、アップロードした収集データが表示されている。いずれかの収集データを選択すると、印刷画面(図9A参照)に切り替えられる。また、図9Cにて、一括削除ボタン245が選択されると、一括削除される。
【0068】
なお、かかるアップロードされた収集データは、ユーザ側管理者端末装置120の操作者が、チェックすることができる。
【0069】
4.第1実施形態
本実施形態における収集時の表示処理について説明する。本実施形態においては、ユーザ携帯装置160の操作者(作業者)が、推定残積載可能重量を報知するようにしている。以下説明する。
【0070】
図10に、この実施形態における機能ブロック図を示す。
【0071】
塵芥収集車管理システム1は、塵芥収集車管理サーバ100(以下管理サーバ100という)、ユーザ携帯装置160、塵芥収集車170aおよびユーザ側管理者端末装置120を備えている。
【0072】
管理サーバ100は、重量と容積の関係を特定する重量容積関数を塵芥の種類ごとに記憶する塵芥別重量容積関数記憶手段316、顧客管理データ記憶手段310、ユーザ管理データ記憶手段314、収集データ記憶手段317、送受信手段315および制御手段313を備えている。制御手段313は送受信手段315により、前記重量容積関数をユーザ携帯装置160に送信する。
【0073】
塵芥収集車170aは、制御手段513、排出板位置情報検出手段518、重量計測手段510、および近距離無線通信手段519を備えている。
【0074】
排出板位置情報検出手段518は、塵芥収集車の塵芥投入箱における排出板位置を検出する。重量計測手段510は現在の塵芥収集重量を計測する。制御手段513は、ユーザ携帯装置160からの塵芥の重量計測要請を受けると、前記排出板の位置および前記塵芥収集重量を、それぞれ、位置特定情報および収集重量情報として、近距離無線通信手段519を介して、ユーザ携帯装置160に送信する。
【0075】
ユーザ携帯装置160は、近距離無線通信手段419、検出値記憶手段428、表示手段411、制御手段413、ユーザ管理データ記憶手段414、送受信手段415、収集データ記憶手段417、検出値記憶手段433、検出値記憶手段433、および塵芥別重量容積関数記憶手段429、報知手段423を備えている。
【0076】
塵芥別重量容積関数記憶手段429は、重量と容積の関係を特定する重量容積関数を塵芥の種類ごとに記憶する。かかる重量容積関数は管理サーバ100から送信されたものである。
【0077】
制御手段413は、塵芥収集時に、塵芥収集車170aに対して、収集した塵芥の重量計測要請を行い、近距離無線通信手段419を介して、塵芥収集車170から塵芥投入箱における排出板の位置特定情報、および塵芥収集車における収集重量情報を受信すると、検出値記憶手段433に記憶する。
【0078】
制御手段413は、以下の3つのステップを実行する。1)前記収集重量情報に基づいて、現在の収集総重量を決定する収集総重量決定ステップ、2)前記受信した排出板の位置特定情報から前記塵芥投入箱の容積的な使用割合を示す容積的割合を決定する容積的割合決定ステップ、3)前記塵芥の種類の前記容積的割合から決定される積載可能容積と前記重量容積関数とから、前記積載可能重量を決定する残積載可能重量決定ステップ。
【0079】
また、制御手段413は、前記排出板の位置特定情報から決定した前記塵芥投入箱の容積的な使用割合を示す容積的割合および残積載可能重量を報知手段423に報知させる。かかる報知の手法としては、表示、音声通知などの周知のやり方が適用可能である。表示する場合は、表示手段411が報知手段となる。
【0080】
このように残容積との関係で、積載可能重量を表示することにより、作業者が収集状況を把握しやすくなる。
【0081】
この実施形態においては、前記法定積載可能重量および前記収集総重量から前記積載可能重量を決定するようにしたが、前記容積的割合から決定される積載可能容積と前記重量容積関数とから、前記積載可能重量を決定するようにしてもよい。この場合、収集した塵芥の重量を計測する必要は無い。
【0082】
なお、「収集重量情報」とは、収集総重量を意味する。
【0083】
また、法定積載可能重量および前記収集総重量から決定する積載可能重量と、前記容積的割合から決定される積載可能容積と前記重量容積関数とから決定する積載可能重量の双方求め、いずれかの小さい方を表示するようにしてもよい。
【0084】
ユーザ側管理者端末装置120は、表示手段611、制御手段613、送受信手段615を備えている。
【0085】
図11を用いて、塵芥別重量容積関数である塵芥別の単位容積あたりの重量(以下、塵芥別単位容積重量という)の演算処理を説明する。かかる処理は、ユーザ側管理者端末装置120からの指示に基づいて、管理サーバ100がメインプログラム26mに基づいて実行する。
【0086】
ユーザ側管理者端末装置120の操作者(管理者)は、IDおよびPWを用いてログインを行い、管理画面(図示せず)にて、塵芥別単位容積重量決定処理を実行する命令を管理サーバ100に与える。具体的には、使用する収集データの範囲(例えば日付、特定の塵芥収集車のみ、収集ルートなど)を指定する。
【0087】
管理サーバ100のCPU23は、前記指定された範囲の収集データを、収集データ記憶部26cから読みだす(ステップS31)。読みだされたデータの一例を図12Aに示す。
【0088】
この場合、収集日、時刻、顧客名、収集物種類、収集重量、袋数、担当者、車番、マニフェスト番号、編集フラグ、排出板位置が記憶されている。なお、排出板位置は、一番前の状態(収集物が満載)を「1」、一番後ろの状態(収集物なし)を「0」として、相対的な位置を表している。すなわち、この場合、15時31分の収集では、相対位置が「0.24」であったものが、15時34分の収集では、相対位置が「0.29」に変化したことを示している。
【0089】
なお、排出したか否かを前記位置が「0」となったかどうかで判断するようにしたが、フラグなどで判断してもよい。
【0090】
CPU23は、収集データ番号Cnを初期化し(ステップS3)、収集データ番号C1の収集データを読みだす(ステップS5)。この場合、収集データc1が読みだされる。CPU23は一連の収集データを読みだしたか否か判断する(ステップS7)。一連の収集データとは、空の状態から排出するまでの収集データをいう。排出は、重量または容積的に満杯となった場合、満載ではないが次の収集先の量は積載できないので収集を中断した場合、当日の予定収集先を全て収集した場合などになされる。いずれにしても排出板位置が「0」となるので、本実施形態においては、排出してから次の排出までを一連の収集データとした。
【0091】
この場合、一連の収集データは、収集データc1~c4である。したがって、CPU23は、ステップS9にて、収集データ番号Cnをインクリメントし、ステップS5、ステップS7の処理を実行する。
【0092】
CPU23は、収集データc4まで読みだすと、ステップS11に進み、当該一連の収集データについて、塵芥別単位容積重量を演算して、ハードディスク26にこれを記憶する(ステップS11)。
【0093】
CPU23は、指定された範囲の最終の収集データまで読み出しをしたか判断する(ステップS13)。この場合、最終の収集データまで読み出ししていないので、収集データ番号Cnをインクリメントし(ステップS15)、ステップS5~ステップS13の処理を繰り返す。
【0094】
ステップS13にて、指定された範囲の最終の収集データまで読み出しをしたと判断した場合には、塵芥別単位容積重量を記憶する(ステップS17)。平均は、塵芥の種類ごとに、ステップS11で読みだした塵芥別単位容積重量を合計して、ステップS11の件数で除算すればよい。得られた平均塵芥別単位容積重量の例を図12Bに示す。
【0095】
つぎに、図13を用いて、残積載可能重量情報を表示する処理について説明する。
【0096】
ユーザ携帯装置160の操作者は、準備段階にて塵芥別単位容積重量を管理サーバ100からダウンロードする。
【0097】
ユーザ携帯装置160の作業者は、収集時に、図8Cに示す画面にて、完了ボタン297bを選択する。これにより、CPU123は、近距離無線通信ユニット121から塵芥収集車170aに、重量計測命令を送信する(ステップS21)。
【0098】
塵芥収集車170aのコントローラ151は、重量計測命令を受信するか否か判断しており(ステップS23)、かかる重量計測命令を受信すると、ロードセル153に現在の重量を計測させるとともに、排出板位置センサ163から排出板の位置を受け取る(ステップS25)。コントローラ151は、ステップS5にて計測した現在の重量および排出板の位置を、近距離無線通信ユニット171から、ユーザ携帯装置160に送信する(ステップS27)。
【0099】
ユーザ携帯装置160のCPU123は、近距離無線通信ユニット121により、前記データを受け取ると(ステップS31)、重量表示欄281に重量を表示する(ステップS33)。
【0100】
CPU123は、完了ボタン297が選択されるか否か判断しており(ステップS35)、完了ボタン297が選択されると、収集データとして記憶する(ステップS37)。記憶された収集データは、既に説明した図12Aと同じである。
【0101】
CPU123は、積載可能重量および使用済み容積%を演算する(ステップS39)。積載残量の重量は、法的最大可能積載重量または残容積から求められる積載可能重量のうち、小さい方を採用する。これは、満載となりそれ以上収集できなくなる原因として、単位容積あたりの重量が大きな塵芥であれば重量により満載となり、一方、単位容積あたりの重量が小さな塵芥であれば、容積により満杯となるためである。前者は、最大可能積載重量から、現在の収集総重量を減算すればよい。また、後者は、排出板位置と塵芥の種類ごとの単位容積あたりの重量から演算すればよい。
【0102】
CPU123は、戻るボタン275(図8B参照)が選択されると(ステップS41)、積載可能重量および使用済み容積%を表示する(ステップS43)。図14Aに一例を示す。表示領域214が排出板位置を示している。
【0103】
表示領域211cには、容量および塵芥の種類の単位容積あたりの重量から求めた残積載重量が、領域219には現在の収集総重量が、領域216にはユーザ管理者が設定した最大可能積載量が表示されている。表示領域211bは、排出板位置から残容積%が表示されている。ドーナッツ状の表示領域211aには、表示領域211bに表示された値が%表示されている。なお、表示領域211bに、排出板の模式図により、その位置を図示するようにしてもよい。
【0104】
このように、収集時には塵芥の種別が入力されるので、塵芥別に、過去の実績積載可能量と排出板位置との相対的関係を記憶しておくことで、容積的または重量的な積載可能重量を作業者に報知することができる。
【0105】
なお、報知の手法として、これらの値を画面に表示することにより、残積載可能重量および残容積割合を表す積載可能情報を作業者に報知するようにしたが、音声など、表示以外の方法で報知するようにしてもよい。
【0106】
なお、排出板位置の検出は公知のやり方が適用可能である。
【0107】
また、本実施形態においては、排出板位置としては相対的な位置を採用したが、一番前の状態または一番後ろの状態からの距離などであってもよい。
【0108】
本実施形態においては、塵芥の種別ごとの単位容積あたりの重量を求めたが、さらに塵芥収集車別に分類してもよい。
【0109】
たとえば、塵芥収集車が3台有り、それぞれについて、段ボールは、塵芥収集車1はP1、塵芥収集車1はP2、・・・である。
【0110】
また、塵芥収集車別ではなく、担当者別、またはルート別などで、塵芥の種別ごとの単位容積あたりの重量を設定するようにしてもよい。
【0111】
また、以下のような処理をすることもできる。
【0112】
塵芥によっては、単位容積あたりの重量のぶれが大きい場合がある。例えば、可燃ゴミなどは、残飯から紙くずまでいろいろな塵芥が含まれており、収集先、収集日などによって、当日の単位容積あたりの重量が、記憶している単位容積あたりの重量とずれる場合がある。このような場合には、積載重量と排出板位置の関係が、記憶している単位容積あたりの重量とずれるおそれがある。このような場合には、収集の都度、前記ズレがないかチェックし、ズレが一定値以上の場合には、これをズレが少なくなる方向に調整するようにしてもよい。これにより、日によって構成が変わる場合でも、正確な残量を報知することができる。
【0113】
5.第2実施形態
第1実施形態では、排出板位置と重量との関係で残積載可能量を表示するようにしたが、この実施形態では、排出板位置を用いることなく残積載可能量を表示するようにした。
【0114】
図15に機能ブロック図を示す。第1実施形態とは以下の点で異なる。収集可能推定積載総重量記憶手段431は、塵芥収集車における車検証の最大積載量を収集可能推定積載総重量として記憶する。また、車検証データ記憶手段432は、当該塵芥収集車における車検証の最大積載量を記憶する。制御手段413は、前記現在の収集重量情報から現在の収集重量を決定するとともに、決定した現在の収集重量を前記収集可能推定積載総重量とともに、報知手段423に報知させる。また、制御手段413は、前記収集可能推定積載総重量について、操作者から設定重量値を含む修正命令が与えられると、前記収集可能推定積載総重量を前記設定重量値に修正する。また、制御手段413は、前記操作者から与えられた修正命令の設定重量値が、前記車検証データ記憶手段432に記憶された車検証の最大積載量内である場合には当該修正を認め、前記設定重量値が前記最大積載量を越える場合には、報知手段423により警告を報知するか、または当該修正を禁止する。また、制御手段413は、前記修正命令に基づいて収集可能推定積載総重量を修正した場合、報知手段423に前記修正されたことを報知させる。
【0115】
このようにして、本実施形態においては、記憶した収集可能推定積載総重量をユーザ携帯装置160の操作者(作業者)が修正可能であるが、法的な制限を超えた変更には、禁止または警告が報知される。また、前記車検証の最大積載量手動で重量値が修正された場合に、編集されたデータであるかを管理者に報知することができる。
【0116】
ユーザ携帯装置160における処理は、図3のメインプログラム126mに基づき、CPU123が実行する。
【0117】
図3に示すユーザデータ記憶部126uには、車検証の最大積載量および収集可能推定積載総重量が記憶されている。かかる収集可能推定積載総重量はユーザ管理者が設定した値である。
【0118】
図7Cにおいては、初期状態として収集可能推定積載総重量が表示されている。これを変更する場合、ラジオボタン337を選択すると、表示領域339が数値入力可能状態となる。ユーザ携帯装置160の操作者は、図示しない仮想キーボードから希望する値を入力する。CPU123は、入力された値がユーザデータ記憶部126uに記憶された車検証の最大積載量を越えていないかを判断する。
【0119】
ここでは、車検証の最大積載量は4,000kgで、ユーザ管理者が設定した収集可能推定積載総重量が3,000kgで、ユーザ側管理者端末装置120の操作者(管理者)が入力した値が3,300kgだったとする。
【0120】
この場合、入力された値(3300kg)が、ユーザデータ記憶部126uに記憶された車検証の最大積載量(4,000kg)を越えていないので、その値を、ユーザデータ記憶部126u(図3参照)に収集可能推定積載総重量として記憶する。CPU123はトップ画面に切り替えられると、図14Cに示すように、表示領域216に表示する。この場合、「3300kg」が表示される。なお、かかる表示において、ユーザ側管理者端末装置120の操作者が変更したことがわかるように、これをハイライト表示するようにしたが、これに限定されない。
【0121】
もし、入力された値が、ユーザデータ記憶部126uに記憶された車検証の最大積載量(4,000kg)を越えている場合には、「その値は入力できません」と当該修正を禁止する。なお、入力自体は認めるが、アラート表示をするようにしてもよい。
【0122】
このようにユーザ携帯装置160の操作者は、設定された収集可能推定積載総重量を変更することができる。
【0123】
また、ユーザ側管理者端末装置120の操作者(管理者)は、車検証における最大可能積載量(車両総重量と架装物、シャーシ、乗員数などから決まる法的な積載重量)を変更することができる。かかるユーザ側管理者端末装置120の操作者(管理者)が変更した場合には、これをユーザ携帯装置160の操作者が分かるように区別可能に表示してもよい。
【0124】
本実施形態においては、ハイライト表示をするようにしたが、数値が修正されたことが分かるのであればどのような表示であってもよい。また、表示以外に音などで報知するようにしてもよい。これにより、アップロード前に、数値が編集処理された収集先か否かを簡単に把握することができる。
【0125】
また、かかる修正があった場合、収集データとともに、管理サーバ100にアップロードされ、収集データ記憶部26cに記憶される。
【0126】
ユーザ側管理者端末装置120の管理者は、管理サーバ100にログインしてこれを変更することもできる。
【0127】
これらの処理については、ユーザ側管理者端末装置120のブラウザプログラムに実行させればよい。
【0128】
このようにして、手動で重量値が修正された場合に、編集されたデータであるかを同じ塵芥収集車に登場した作業者または、管理者に報知することができる。
【0129】
なお、本実施形態においては、手動修正処理がなされたか否かを画面に表示することで、作業者に報知するようにしたが、報知の仕方は、周知のやり方を採用するようにしてもよい。
【0130】
(6.他の実施形態)
本実施形態においては、プリンタ161をハンディタイプである場合について説明したが、塵芥収集車170の指示計171を印刷機構付きの指示計として、車載プリンタであってもよい。この場合、プリンタのBDアドレスは、近距離無線通信ユニット171のBDアドレスを用いればよい。
【0131】
上記実施形態においては、図10図15に示す機能を実現するために、CPU23を用い、ソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部もしくは全てを、ロジック回路などのハードウェアによって実現してもよい。なお、プログラムの一部の処理を、オペレーティングシステム(OS)にさせるようにしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15