(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130174
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物及びポリウレタンフォーム
(51)【国際特許分類】
C08G 18/00 20060101AFI20240920BHJP
C08L 75/04 20060101ALI20240920BHJP
C08K 3/04 20060101ALI20240920BHJP
C08K 3/20 20060101ALI20240920BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
C08G18/00 K
C08L75/04
C08K3/04
C08K3/20
C08G101:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039739
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500101243
【氏名又は名称】株式会社ファーマフーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】木下 俊介
(72)【発明者】
【氏名】森本 智
(72)【発明者】
【氏名】古賀 啓太
【テーマコード(参考)】
4J002
4J034
【Fターム(参考)】
4J002CK031
4J002CK041
4J002DA017
4J002DE086
4J002FD130
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4J034QD03
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4J034RA12
(57)【要約】
【課題】体臭の原因物質に対し強い消臭効果を有し、抗菌効果も有するポリウレタンフォームの原料として使用することができる、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を提供すること。
【解決手段】ポリオール(C)と、水酸化カルシウム(O)と、活性炭とを含むポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール(C)と、水酸化カルシウム(O)と、活性炭とを含むポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
【請求項2】
前記ポリオール(C)は、ポリエステルポリオール(A)及びポリエーテルポリオール(B)からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオールを含有する請求項1に記載のポリオール組成物。
【請求項3】
前記ポリエステルポリオール(A)の水酸基価が25~100mgKOH/gであり、前記ポリエーテルポリオール(B)の水酸基価が20~500mgKOH/gである請求項2に記載のポリオール組成物。
【請求項4】
前記ポリオール(C)は、前記ポリエステルポリオール(A)及び前記ポリエーテルポリオール(B)を含有し、下記(1)~(4):
(1)前記ポリオール(C)中のエステル基濃度が、ポリオール(C)の合計重量に基づいて0.4~4.0mmol/gである;
(2)前記ポリオール中(C)のオキシエチレン基単位の含有量が、ポリオール(C)の合計重量に基づいて15~40重量%である;
(3)前記ポリエステルポリオール(A)が、多価水酸基含有化合物(a)とポリカルボン酸又はその酸無水物とを含んだ原料を重合してなる1分子あたり2~4個の水酸基を有するポリエステルポリオール(A1)を含有する;
(4)前記ポリエーテルポリオール(B)が、オキシエチレン基を有するポリエーテルポリオール(B1)を含有する
を満たす請求項2又は3に記載のポリオール組成物。
【請求項5】
前記水酸化カルシウム(O)の平均粒子径が3~100μmである請求項1に記載のポリオール組成物。
【請求項6】
前記水酸化カルシウム(O)が卵殻焼成カルシウムである請求項1に記載のポリオール組成物。
【請求項7】
請求項1~3のいずれかに記載のポリオール組成物及びポリイソシアネートを含む混合物の反応物からなるポリウレタンフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物及びポリウレタンフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
軟質ポリウレタンフォームは、住宅や自動車の内装材料等に広く使用されている。例えば、車両座席シート用パッドには、クッション性の高い軟質ポリウレタンフォームが用いられているが、シックハウス症候群対策として、アルデヒド等の揮発性有機化合物(VOC)を極力拡散しないことが求められる。特許文献1には、カキ殻の粉末と水酸化マグネシウムを原料に配合することにより、アルデヒド類に代表されるVOCに対する消臭性能を付与したポリウレタンフォームが開示されている。
【0003】
一方、軟質ポリウレタンフォームは、枕やマットレス等の寝具類にも使用されている。特許文献2には、枕やマットレスに好適な、通気性が高く、かつ低反発弾性の軟質ポリウレタンフォームを製造することができるポリオール組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-57861号公報
【特許文献2】国際公開第2020/175324号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
寝具類には汗臭、加齢臭などの体臭が付着しやすい。汗臭や加齢臭の原因物質はイソ吉草酸や酢酸であることから、イソ吉草酸をはじめとする複数の原因物質に対し強い消臭効果を有する素材の開発が求められている。また、寝具類に使用される素材には、抗菌効果も求められている。
【0006】
そこで本発明は、体臭の原因物質に対し強い消臭効果を有し、抗菌効果も有するポリウレタンフォームの原料として使用することができる、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
本発明は、ポリオール(C)と、水酸化カルシウム(O)と、活性炭とを含むポリウレタンフォーム用ポリオール組成物、及び、本発明のポリオール組成物及びポリイソシアネートを含む混合物の反応物からなるポリウレタンフォームである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、体臭の原因物質に対し強い消臭効果を有し、抗菌効果も有するポリウレタンフォームの原料として使用することができる、ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物(以下、「本発明のポリオール組成物」ともいう)は、ポリオール(C)と、水酸化カルシウム(O)と、活性炭とを含む。
【0010】
<ポリオール(C)>
ポリオール(C)としては特に制限はないが、ポリエステルポリオール(A)及びポリエーテルポリオール(B)からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオールを含有することが好ましく、ポリエステルポリオール(A)及びポリエーテルポリオール(B)を含有することがより好ましい。
【0011】
ポリエステルポリオール(A)としては、多価水酸基含有化合物(a)とポリカルボン酸又はその酸無水物とを含んだ原料を重合してなる1分子あたり2~4個の水酸基を有するポリエステルポリオール(A1)、及び、ポリエステルポリオール(A1)以外のポリエステルポリオール(A2)が挙げられ、ポリエステルポリオール(A1)を含有することが好ましい。
【0012】
ポリエステルポリオール(A1)は、多価水酸基含有化合物(a)とポリカルボン酸又はその酸無水物とを含んだ原料を重合してなる反応生成物であり、1分子あたり2~4個の水酸基を有するポリエステルポリオールである。ポリエステルポリオール(A1)1分子あたりの水酸基が2個未満では発泡時にフォームが崩壊し、4個を超えるとフォームが収縮するため、良質な低反発性ポリウレタンフォームを製造することができない。
【0013】
ポリエステルポリオール(A1)としては、多価水酸基含有化合物(a)とポリカルボン酸又はその酸無水物の縮合反応生成物[多価水酸基含有化合物(a)とポリカルボン酸の低級アルキルエステルとのエステル交換反応生成物を含む](A11)、多価水酸基含有化合物(a)にアルキレンオキサイド(以下、AOと略す)を付加したポリエーテルポリオールにさらにカルボン酸又はその酸無水物を付加したエステル基含有反応生成物(A12)及びこれら(A11)~(A12)に更にAOを付加した反応物(A13)等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(A1)は、1種を単独で用いても、複数種を併用してもよい。
【0014】
多価水酸基含有化合物(a)としては、多価アルコール(a1)及び多価アルコール(a1)以外の多価水酸基含有化合物(a2)が挙げられる。
【0015】
多価アルコール(a1)としては、炭素数2~20の2価アルコール、炭素数3~20の3価アルコール及び炭素数4~20の4~8価アルコール等が挙げられる。
炭素数2~20の2価アルコールとしては、脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-又は1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコール等)及び脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)等が挙げられる。
炭素数3~20の3価アルコールとしては、脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)等が挙げられる。
炭素数4~20の4~8価の多価アルコールとしては、脂肪族ポリオール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等)及び糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体等)等が挙げられる。
【0016】
多価アルコール(a1)以外の多価水酸基含有化合物(a2)としては、多価フェノール(ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1,3,6,8-テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8-テトラヒドロキシアントラセン及び1-ヒドロキシピレン等)、ポリブタジエンポリオール、ひまし油系ポリオール、水酸基含有単量体の重合体[水酸基数が2~100のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等]、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック等)及び米国特許3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
【0017】
多価水酸基含有化合物(a)としては、多価アルコール(a1)が好ましく、より好ましくはプロピレングリコール及びグリセリンであり、さらに好ましいのはグリセリンである。
【0018】
ポリカルボン酸及びその酸無水物としては、脂肪族ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸及びこれらの分子内で脱水縮合して生成した環状酸無水物が挙げられる。
【0019】
脂肪族ポリカルボン酸としては、コハク酸、フマル酸、セバシン酸及びアジピン酸等が挙げられる。
芳香族ポリカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2’-ビベンジルジカルボン酸、トリメリット酸、ヘミリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレン-1,4ジカルボン酸、ナフタレン-2,3,6-トリカルボン酸、ジフェン酸、2,3-アントラセンジカルボン酸、2,3,6-アントラセントリカルボン酸及びピレンジカルボン酸等の炭素数8~18の芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。
【0020】
ポリカルボン酸及びその酸無水物としては、耐加水分解性の観点から、芳香族ジカルボン酸及びその酸無水物が好ましく、より好ましいのは無水フタル酸である。
【0021】
ポリカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、脂肪族ポリカルボン酸又は芳香族ポリカルボン酸と炭素数1~4の脂肪族アルコールとのエステル等が挙げられる。
ポリカルボン酸の低級アルキルエステルにおける炭素数1~4の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールが挙げられ、ポリカルボン酸の低級アルキルエステルの具体例としては、フタル酸ジメチルエステル及びテレフタル酸ジメチルエステル等が挙げられる。
【0022】
ポリエステルポリオール(A1)の製造に用いるAOとしては炭素数2~4のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2-プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3-プロピレンオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド及び1,4-ブチレンオキサイドが挙げられ、反応性の観点から、EO及びPOが好ましく、より好ましいのはPOである。AOを2種以上使用する場合の付加形式としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
AOの付加モル数は、ポリエステルポリオール(A1)の粘度の観点から、多価水酸基含有化合物(a)が有する1つの水酸基に対して、3~16モルが好ましい。
【0023】
これらのポリエステルポリオール(A1)のうち、フォーム硬さの観点から、3官能のポリエーテルポリオールに芳香族ジカルボン酸無水物とPOとを付加した反応生成物が好ましい。
【0024】
ポリエステルポリオール(A1)以外のポリエステルポリオール(A2)としては、ポリラクトンポリオール(A21)[例えば上記の多価アルコール(a1)を開始剤としてラクトン(ε-カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの]、ポリカーボネートポリオール(A22)[例えば上記の多価アルコール(a1)とアルキレンカーボネートとの反応物]、及びこれら(A21)~(A22)にさらにAOを付加した反応物等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(A2)は、1種を単独で用いても、複数種を併用してもよい。
【0025】
ポリエステルポリオール(A1)以外のポリエステルポリオール(A2)に用いられるAOとしては、(A1)で用いたものと同様のものが挙げられる。
【0026】
ポリエステルポリオール(A)の水酸基価は、ポリエステルポリオール(A)のハンドリングの観点から、25~150mgKOH/gが好ましく、25~100mgKOH/gがより好ましく、50~100mgKOH/gが特に好ましい。
本明細書における水酸基価とは、試料1gをアセチル化した場合に、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数であり、「JIS K1557-1 プラスチック-ポリウレタン原料ポリオール試験方法-第1部:水酸基価の求め方」に記載の方法で測定される。
【0027】
ポリエステルポリオール(A)のエステル基濃度は、ポリエステルポリオール(A)のハンドリングの観点から、ポリエステルポリオール(A)の重量に基づいて0.5~10.0mmol/gが好ましく、より好ましくは0.5~7.0mmol/gである。
なお、ポリエステルポリオール(A)中のエステル基濃度は、ポリエステルポリオール(A)の赤外線分光分析(IR)を測定し、エステル基に由来するピークの強度と、エステル基濃度が既知のサンプルを用いて作成したピーク強度とエステル基濃度との検量線とを用いて算出することができる。
【0028】
ポリオール(C)が、ポリエステルポリオール(A)及びポリエーテルポリオール(B)を含有する場合、ポリエステルポリオール(A1)の含有量は、ポリオール(C)の合計重量を基準として、7~65重量%が好ましく、7~40重量%がより好ましく、7~25重量%がさらに好ましい。
【0029】
ポリエーテルポリオール(B)としては、オキシエチレン基を有するポリエーテルポリオール(B1)及び上記ポリエーテルポリオール(B1)以外のポリエーテルポリオール(B2)が挙げられ、ポリエーテルポリオール(B1)を含有することが好ましい。本発明において、ポリエーテルポリオール(B)は、エステル基を有する化合物を含まない。
【0030】
ポリエーテルポリオール(B)としては、活性水素基含有化合物(b)のAO付加物が挙げられ、AOとして少なくともエチレンオキサイドを含む反応物がポリエーテルポリオール(B1)、エチレンオキサイドを含まない反応物がポリエーテルポリオール(B2)である。
ポリエーテルポリオール(B)は、1種を単独で用いても、複数種を併用してもよい。
【0031】
活性水素基含有化合物(b)としては、多価アルコール(b1)、多価アルコール(b1)以外の多価水酸基含有化合物(b2)、アミノ基含有化合物(b3)、チオール基含有化合物(b4)及びリン酸基含有化合物(b5)などが挙げられる。
なお、活性水素とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子等に結合した水素原子を意味し、活性水素基含有化合物とは、分子内に活性水素含有官能基(水酸基、アミノ基、チオール基及びリン酸基等)を有する化合物を意味する。
【0032】
多価アルコール(b1)としては、上記多価アルコール(a1)と同様のものが挙げられる。
多価アルコール(b1)以外の多価水酸基含有化合物(b2)としては、上記多価アルコール(a1)以外の多価水酸基含有化合物(a2)と同様のものが挙げられる。
アミノ基含有化合物(b3)としては、アンモニア、アミン、ポリアミン及びアミノアルコール等が挙げられる。具体的には、アンモニア、炭素数1~20のアルキルアミン(ブチルアミン等)、アニリン、脂肪族ポリアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等)、複素環式ポリアミン(ピペラジン及びN-アミノエチルピペラジン等)、脂環式ポリアミン(ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等)、芳香族ポリアミン(フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等)、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等)、ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン、ポリエーテルポリアミン、ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1-シアノグアニジン等)及びジシアンジアミド等が挙げられる。
チオール基含有化合物(b4)としては、ポリチオール化合物が挙げられる。ポリチオールとしては、2~8価の多価チオールが挙げられる。具体的にはエタンジチオール及び1,6-ヘキサンジチオール等が挙げられる。
リン酸基含有化合物(b5)としてはリン酸、亜リン酸及びホスホン酸等が挙げられる。
【0033】
活性水素基含有化合物(b)としては、多価アルコール(b1)が好ましく、より好ましくは、炭素数2~20の2価アルコール及び炭素数3~20の3価アルコールであり、さらに好ましいのはグリセリン及びエチレングリコールである。
【0034】
活性水素基含有化合物(b)に付加重合させるAOとしては炭素数2~4のAO、例えば、EO、PO、1,3-プロピレンオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド及び1,4-ブチレンオキサイドが挙げられる。
AOを2種以上使用する場合の付加形式としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエーテルポリオール(B1)の場合は、フォームの通気性の観点から、AOは必ずEOを含む。AOはさらにPOを含むことが好ましい。
ポリエーテルポリオール(B2)の場合は、AOはPOを含むことが好ましい。
【0035】
ポリエーテルポリオール(B1)のAOの付加モル数は、ポリエーテルポリオール(B1)の粘度の観点から、多価水酸基含有化合物(b)が有する1つの水酸基に対して、10~70モルが好ましく、10~50モルが更に好ましい。ポリエーテルポリオール(B1)のEOの付加モル数は、多価水酸基含有化合物(b)が有する1つの水酸基に対して、5~65モルが好ましく、7~40モルが更に好ましい。
ポリエーテルポリオール(B2)のAOの付加モル数は、ポリエーテルポリオール(B2)の粘度の観点から、多価水酸基含有化合物(b)が有する1つの水酸基に対して、3~90モルが好ましく、3~30モルが更に好ましい。
【0036】
ポリエーテルポリオール(B)の水酸基価は、反発弾性率の観点から、20~500mgKOH/gが好ましく、30~300mgKOH/gがより好ましい。
【0037】
ポリエーテルポリオール(B)としては、フォーム硬さの観点から、2官能のポリエーテルポリオール又は3官能のポリエーテルポリオールを含有することが好ましく、フォーム硬さ及びフォームの戻り時間の観点から、2官能のポリエーテルポリオール及び3官能のポリエーテルポリオールを含有することがより好ましい。
【0038】
ポリオール(C)が、ポリエステルポリオール(A)及びポリエーテルポリオール(B)を含有する場合、ポリエーテルポリオール(B1)の含有量は、(C)の合計重量を基準として、20~55重量%が好ましく、20~45重量%がより好ましい。
【0039】
ポリオール(C)は、水酸基価が25~100mgKOH/gであるポリエステルポリオール(A)及び水酸基価が20~500mgKOH/gであるポリエーテルポリオール(B)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0040】
ポリオール(C)は、上記ポリエステルポリオール(A)及び上記ポリエーテルポリオール(B)以外のポリオールを含有してもよい。
その他のポリオールは、1種を単独で用いても、複数種を併用してもよい。
【0041】
その他のポリオールとしては、エチレン性不飽和化合物を構成単量体とする重合体粒子(J)を含有するポリマーポリオール(P)等が挙げられる。
ポリマーポリオール(P)は、1種を単独で用いても、複数種を併用してもよい。
【0042】
重合体粒子(J)の体積平均粒子径は、ポリマーポリオール(P)の粘度の観点から、0.1~1.5μmが好ましく、より好ましくは0.3~1.1μm、さらに好ましくは0.4~0.9μmである。
【0043】
重合体粒子(J)の構成単量体であるエチレン性不飽和化合物としては、アクリロニトリル、スチレン及びその他のエチレン性不飽和化合物等が挙げられる。これらの内、フォーム硬さの観点から、構成単量体がスチレン及びアクリロニトリルを必須成分とすることが好ましい。
重合体粒子(J)の硬度及び分散性の観点から、スチレン及びアクリロニトリルの合計含有量が、重合体粒子(J)を構成するエチレン性不飽和化合物の重量を基準として、80~100重量%であることが好ましい。
【0044】
重合体粒子(J)の含有量は、ポリオール(C)の合計重量を基準として、0~10重量%が好ましく、0~5重量%が更に好ましい。
【0045】
ポリオール中でラジカル重合開始剤の存在下でエチレン性不飽和化合物を重合させることにより、該ポリオールと重合体粒子(J)を含有するポリマーポリオール(P)が得られる。該ポリオールとしては、例えば前述のポリエステルポリオール(A)、ポリエーテルポリオール(B)等が挙げられる。ポリオール中の重合体粒子(J)の均質・分散性の観点から、ポリエーテルポリオール(B)中でエチレン性不飽和化合物を重合することが好ましい。
【0046】
ポリマーポリオール(P)中のポリオールがポリエステルポリオール(A)である場合、該ポリオールの重量は、ポリオール(C)中のポリエステルポリオール(A)の重量として扱う。
ポリマーポリオール(P)中のポリオールがポリエーテルポリオール(B)である場合、該ポリオールの重量は、ポリオール(C)中のポリエーテルポリオール(B)の重量として扱う。
ポリマーポリオール(P)中のポリオールがポリエステルポリオール(A)及びポリエーテルポリオール(B)である場合、該ポリオールの重量は、それぞれポリエステルポリオール(A)及びポリエーテルポリオール(B)の重量として扱う。
【0047】
ポリオール(C)は、ポリエステルポリオール(A)、ポリエーテルポリオール(B)、その他のポリオール等を混合することにより容易に得られる。
混合する際は、公知の混合装置(撹拌装置付き容器等)を用いることができる。
ポリオールに重合体粒子を含ませる場合は、重合体粒子として上記重合体粒子(J)を用いることが好ましく、ポリマーポリオール(P)に含有させて他の原料と混合することが好ましい。
また、保存安定性等の観点から、混合する際には容器内部の酸素濃度を下げておくことが好ましい。
【0048】
ポリオール(C)中のエステル基濃度は、ポリオール(C)の合計重量に基づいて0.4~4.0mmol/gであることが好ましく、ポリオールのハンドリングの観点から、0.4~3.0mmol/gがより好ましく、0.4~2.0mmol/gが特に好ましい。0.4mmol/g未満であるとポリウレタンフォームの反発弾性が高くなる傾向があり、4.0mmol/gを超えるとポリウレタンフォームの成形性が悪化する傾向がある。
【0049】
なお、ポリオール中のエステル基濃度は、赤外線分光分析(IR)により得られるエステル基に由来するピークの強度と、エステル基濃度が既知のサンプルを用いて作成したピーク強度とエステル基濃度との検量線とを用いて算出することができる。
【0050】
ポリオール(C)中のオキシエチレン基単位の含有量は、通気性及び反応性の観点から、ポリオール(C)の合計重量に基づいて15~40重量%であることが好ましく、15~30重量%であることがより好ましい。15重量%未満であるとポリウレタンフォームの通気性が悪化する傾向があり、40重量%を超えるとポリウレタンフォームの成形性が悪化する傾向がある。
ポリオール(C)中のオキシエチレン基単位を有するものとしては、ポリエーテルポリオール(B)以外にも、ポリエステルポリオール(A)及びその他のポリオールでオキシエチレン基単位を有するポリオールも含まれる。
【0051】
なお、ポリオール中のオキシエチレン基単位の含有量は、ポリオールについてプロトン核磁気共鳴分析(1H-NMR)を測定し、その結果より算出することができる。例えば、ポリオールに付加させるAOが、EOのみ、POのみ又はEOとPOの組み合わせである場合、以下に記載の式より算出することができる。
ポリオール中のオキシエチレン基単位の含有量(重量%)={44(B-A)/4}/[(58A/3)+{44(B-A)/4}]
A:0.0~2.0ppmのピーク(-CH3)の積分値
B:2.5~4.2ppmのピーク(-CH2-、-CH-)の積分値
【0052】
ポリオール(C)の水酸基価は、好ましくは80~200mgKOH/gであり、より好ましくは95~138mgKOH/gである。80~200mgKOH/gの範囲内であると、25℃のポリウレタンフォームの反発弾性が低くなり、また0℃でもフォームが硬くならずフォーム硬さの温度依存性が低くなる傾向がある。
【0053】
ポリオール(C)の水酸基価は、ポリオール中の各ポリオール化合物及びその他の水酸基を含む化合物のそれぞれの水酸基価と、それぞれの重量比による含有比率との積の合計値(加重平均)である。なお、ポリマーポリオール(P)の重量には重合体粒子(J)の重量も含める。
具体的には、上記の「JIS K1557-1 プラスチック-ポリウレタン原料ポリオール試験方法-第1部:水酸基価の求め方」に準拠して測定される。
【0054】
ポリオール(C)中の数平均官能基数は、ポリウレタンフォームの通気性及び耐久性の観点から2.6~4.0が好ましく、より好ましくは2.7~3.8である。
ポリオール(C)中の数平均官能基数は、ポリオール中の各ポリオール化合物の官能基数と、それぞれのモル比による含有比率との積の合計値(加重平均)である。
各ポリオール化合物の官能基数は、ポリオール中の各ポリオール化合物を、GPCを用いて分取し、各ポリオール化合物について炭素13核磁気共鳴分析(13C-NMR)を測定することにより算出することができる。
【0055】
本発明のポリオール組成物は、
上記ポリオール(C)が、上記ポリエステルポリオール(A)及び上記ポリエーテルポリオール(B)を含有し、下記(1)~(4):
(1)上記ポリオール(C)中のエステル基濃度が、ポリオール(C)の合計重量に基づいて0.4~4.0mmol/gである;
(2)上記ポリオール(C)中のオキシエチレン基単位の含有量が、ポリオール(C)の合計重量に基づいて15~40重量%である;
(3)上記ポリエステルポリオール(A)が、多価水酸基含有化合物(a)とポリカルボン酸又はその酸無水物とを含んだ原料を重合してなる1分子あたり2~4個の水酸基を有するポリエステルポリオール(A1)を含有する;
(4)上記ポリエーテルポリオール(B)が、オキシエチレン基を有するポリエーテルポリオール(B1)を含有する
を満たすことがより好ましい。
【0056】
<水酸化カルシウム(O)>
本発明で使用する水酸化カルシウム(O)としては、汗臭や加齢臭の原因物質である2-ノネナール、酢酸及びイソ吉草酸(3-メチルブタン酸)を除去可能なものであれば特に限定されない。例えば、好ましくは、生物由来の炭酸カルシウムまたは鉱物由来の炭酸カルシウムから得る事のできる、酸化カルシウム又は、水酸化カルシウムであり、生物由来の炭酸カルシウムとしては、卵殻を焼成することにより得られる卵殻焼成カルシウム、貝殻、動物の骨等を使用することができる。中でも、卵殻焼成カルシウムを使用することが好ましい。
卵殻としては特に限定されず、例えばニワトリ、ハト、カモ等の卵の卵殻を用いることができる。入手の容易性及び価格より、ニワトリの卵(鶏卵)の卵殻を用いるのが好ましい。
卵殻は、入手時の形状で焼成してもよいし、粉末状にして焼成してもよい。また、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0057】
卵殻の焼成は、例えばヒーター、オーブン等の機器を用いて行うことができる。
焼成条件は特に限定されず、いかなる温度及び時間で行ってもよいが、400℃~800℃で焼成することが好ましく、500℃~800℃で焼成することがより好ましく、500℃~750℃で焼成することがさらに好ましい。焼成時間は、例えば2分~12時間、好ましくは5分~8時間、より好ましくは10分~6時間である。
単独の焼成条件で1種又は2種以上の卵殻を焼成してもよいし、2種以上の卵殻を異なる焼成条件でそれぞれ焼成し、得られた焼成物を混合してもよい。
【0058】
得られた焼成物は、乾燥させて用いてもよい。乾燥方法としては、例えば加熱乾燥法、低温乾燥法、真空乾燥法、減圧乾燥法、凍結乾燥法、ドラム乾燥法、流動床乾燥法、噴霧乾燥法等が挙げられる。
【0059】
卵殻焼成カルシウムは、焼成時の形状のまま用いてもよいし、粉末状として用いてもよい。粉末状とする場合、例えば遊星ボールミル、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル、ハンドミキサー、家庭用ミル、ホモジェナイザー等を用いて粉砕することができる。
【0060】
卵殻焼成カルシウムのpHは6.0以上であることが好ましく、7.0以上であることがより好ましく、7.5以上であることがさらに好ましく、10.0以上であることが特に好ましい。卵殻焼成カルシウムのpHは、例えば卵殻焼成カルシウムの粉末1gに1000mlの水を加えて懸濁液を調製し、この懸濁液のpHを測定することにより求めることができる。pHは、pHメーターにより測定することができる。
【0061】
水酸化カルシウムの平均粒子径は、3~100μmであることが好ましく、5~80μmであることがより好ましい。
上記「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した値である。
【0062】
卵殻焼成カルシウムを使用する場合、粉末状にして使用することが好ましく、粉末の平均粒子径が3~100μmであることが好ましく、5~80μmであることがより好ましい。
卵殻焼成カルシウムとしては、ランコール((株)ファーマフーズ製)等市販のものを使用することもできる。
【0063】
<活性炭>
本発明で使用する活性炭としては特に限定されないが、体臭の原因物質である2-ノネナール、酢酸及びイソ吉草酸(3-メチルブタン酸)を吸着するものが好ましい。また、抗菌活性を有するものがより好ましい。
活性炭は、市販のものを使用することができる。
【0064】
活性炭の形状は特に限定されず、粉末状、粒状、繊維状等の形状を有するものを使用することができる。
活性炭のサイズも特に限定されない。
【0065】
水酸化カルシウム及び活性炭が、上記物質以外の揮発性有機化合物、酸性ガス、菌類等をさらに除去できることが好ましい。
揮発性有機化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、2-ノネナール等のアルデヒド類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレンナフタレン、d-リモネン等の芳香族炭化水素類;パラジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化物類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、2-ブタノン等のケトン類;メタノール、エタノール、1-プロパノール等のアルコール類;クロルピリホス等の有機リン化合物類及び酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ吉草酸等のカルボン酸類が挙げられる。
酸性ガスとしては、窒素酸化物(NOx)、イオウ酸化物(SOx)、ハロゲン化水素等が挙げられる。
菌類としては、黄色ブドウ球菌等が挙げられる。
【0066】
水酸化カルシウム単独でも、体臭の原因物質や菌類を除去することができるが、活性炭を併用すると、より多量の物質を吸着除去できるため、卵殻焼成カルシウムのみを使用する場合よりも効率よく消臭・抗菌を行うことができる。
水酸化カルシウム及び活性炭の混合物であるランコール((株)ファーマフーズ製)等市販のものを使用することもできる。
【0067】
本発明のポリウレタンフォームの製造において、水酸化カルシウム(O)と活性炭の合計含有量は、ポリオール組成物とポリイソシアネートとの合計の重量に基づいて、0.1~15重量%であることが好ましく、0.1~10重量%であることがより好ましく、0.1~5重量%であることがさらに好ましい。0.1重量%未満であると、消臭、抗菌性能が悪化する傾向があり、15重量%を超えると、ポリウレタンフォームの成形性が悪化する傾向がある。
【0068】
ポリイソシアネートとしては、ポリウレタンフォームに使用される公知の有機ポリイソシアネート(D)を使用することができ、芳香族ポリイソシアネート(D1)、脂肪族ポリイソシアネート(D2)、脂環式ポリイソシアネート(D3)、芳香脂肪族ポリイソシアネート(D4)、これらの変性物である変性ポリイソシアネート(D5)(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0069】
芳香族ポリイソシアネート(D1)としては、イソシアネート基中の炭素を除く炭素数(以下のポリイソシアネートにおいて、炭素数と記載した場合にはイソシアネート基中の炭素を除くものとする)が6~16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6~20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3-又は1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略す)、粗製TDI、2,4’-又は4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下、粗製MDIと略す)、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート及びトリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート等が挙げられる。
【0070】
脂肪族ポリイソシアネート(D2)としては、炭素数6~10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等が挙げられる。
【0071】
脂環式ポリイソシアネート(D3)としては、炭素数6~16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
【0072】
芳香脂肪族イソシアネート(D4)としては、炭素数8~12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0073】
変性ポリイソシアネート(D5)としては、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
【0074】
これらの有機ポリイソシアネート(D)の中で、反応性及び反発弾性の観点から、芳香族ポリイソシアネート(D1)及びこれらのイソシアネートの変性物が好ましく、より好ましくはTDI、粗製TDI、MDI、粗製MDI及びこれらのイソシアネートの変性物であり、さらに好ましくはTDI、MDI及び粗製MDIである。
【0075】
ポリウレタンフォームは、ポリオール組成物とポリイソシアネートとを反応させることで得られ、原料中の活性水素原子に対するイソシアネート基(以下、NCO基と略す)の割合を調整することで、ポリウレタンフォームの物性が調整される。
ポリウレタンフォームの製造に際して、原料中のイソシアネート指数(インデックス)[NCO基と活性水素原子含有基の当量比(NCO基/活性水素原子含有基)×100]は、反発弾性の観点から、70~150が好ましく、より好ましくは75~130、さらに好ましくは80~120である。
【0076】
ポリウレタンフォームの原料の成分としては、ポリオール組成物とポリイソシアネート以外に、発泡剤、触媒、整泡剤、助剤等のポリウレタンフォームの原料として公知のものを使用してもよい。使用量も所望の物性に応じて適宜調節すればよい。
【0077】
発泡剤としては、水、液化炭酸ガス及び沸点が-5~70℃の低沸点化合物等が挙げられる。
【0078】
低沸点化合物としては、水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素等が挙げられる。水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素の具体例としては、塩化メチレン、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)(HCFC-123、HCFC-141b及びHCFC-142b等);HFC(ハイドロフルオロカーボン)(HFC-134a、HFC-152a、HFC-356mff、HFC-236ea、HFC-245ca、HFC-245fa及びHFC-365mfc等)、ブタン、ペンタン及びシクロペンタン等が挙げられる。
これらのうち、成形性の観点から、水、液化炭酸ガス、塩化メチレン、シクロペンタン、HCFC-141b、HFC-134a、HFC-356mff、HFC-236ea、HFC-245ca、HFC-245fa、HFC-365mfc、及びこれらの2種以上の混合物が好ましい。
【0079】
発泡剤としての水の使用量は、フォーム密度の観点から、ポリウレタンフォーム製造時に使用するポリオール組成物100重量部に対して、1.0~8.0重量部が好ましく、より好ましくは1.5~4.0重量部である。
低沸点化合物の使用量は、成形性の観点から、ポリオール組成物100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、より好ましくは5~25重量部である。
液化炭酸ガスの使用量は、ポリオール組成物100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、より好ましくは1~25重量部である。
【0080】
触媒としては、成形性の観点から、3級アミン{トリエチレンジアミン、N-エチルモルフォリン、N,N-ジメチルアミノエタノール、ビスジメチルアミノエチルエーテル及びN-(N’,N’,-2-ジメチルアミノエチル)モルフォリン等}及びカルボン酸金属塩(酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ及びオクチル酸鉛等)が挙げられる。これらの中でフォーム硬さ及び反発弾性率の観点から、トリエチレンジアミン、オクチル酸第一スズ及びジラウリル酸ジブチル第二スズが好ましい。
【0081】
触媒の使用量は、成形性の観点から、ポリウレタンフォーム製造時に使用するポリオール組成物100重量部に対して、0.01~5.0重量部が好ましく、より好ましくは0.05~2.0重量部である。触媒は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0082】
整泡剤としては、ポリウレタンフォームの製造に用いられる公知の整泡剤(シリコーン系整泡剤及び非シリコーン系整泡剤等)が使用でき、東レ・ダウコーニング(株)製の「SZ-1959」、「SF-2904」、「SZ-1142」、「SZ-1720」、「SZ-1675t」、「SF-2936F」、「SZ-3601」、「SRX-294A」、「SH-193」、日本ユニカー(株)製の「L-540」、「L-3601」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の「L-595」「L-598」「L-626」、エボニックデグサジャパン(株)製「B8715 LF2」等として市場から入手できるものが挙げられる。
【0083】
整泡剤の使用量は、成形性及び反発弾性の観点から、ポリオール組成物100重量部に対して、0.4~5.0重量部が好ましく、より好ましくは0.4~3.0重量部である。整泡剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0084】
助剤としては、着色剤(染料及び顔料)、可塑剤(フタル酸エステル及びアジピン酸エステル等)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性又は熱硬化性樹脂からなる中空微小球等)、難燃剤(リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール及びベンゾフェノン等)及び酸化防止剤(ヒンダードフェノール及びヒンダードアミン等)等の公知の補助成分が挙げられる。
【0085】
これら助剤の添加量としては、ポリオール組成物100重量部に対して、着色剤は、1重量部以下が好ましい。可塑剤は、10重量部以下が好ましく、より好ましくは5重量部以下である。有機充填剤は、50重量部以下が好ましく、より好ましくは30重量部以下である。難燃剤は、30重量部以下が好ましく、より好ましくは2~20重量部である。老化防止剤は、1重量部以下が好ましく、より好ましくは0.01~0.5重量部である。酸化防止剤は、1重量部以下が好ましく、より好ましくは0.01~0.5重量部である。助剤の合計使用量は、50重量部以下が好ましく、より好ましくは0.2~30重量部である。
【0086】
本発明のポリウレタンフォームは公知の方法で製造できる。
一例を示せば、まず、ポリオール、水酸化カルシウム、活性炭、及び必要に応じて発泡剤、触媒、整泡剤、その他の助剤を所定量混合し、混合物を得る。次に、ポリウレタンフォーム発泡機又は攪拌機を使用して、この混合物とポリイソシアネートとを急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を連続発泡すると、ポリウレタンフォームを得ることができる。
また、密閉型又は開放型のモールド(金属製又は樹脂製)に発泡原液を注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得ることもできる。
【0087】
本発明のポリウレタンフォームの25℃での反発弾性率は、低反発性のポリウレタンフォームとすることができるため、15%未満が好ましく、5~12%がより好ましく、さらに好ましくは6~10%である。この範囲であるとフォーム硬さが良好であり、制振性に優れるポリウレタンフォームとすることができる。
ポリウレタンフォームの反発弾性率は、JIS K6400に準拠して測定した値である。
【0088】
本発明のポリウレタンフォームの通気性は、20ml/cm2/s以上が好ましく、より好ましくは30ml/cm2/s以上である。
ポリウレタンフォームの通気性は、JIS K6400に準拠して測定した値である。
【0089】
本発明のポリウレタンフォームは、枕やマットレス等の寝具に好適に使用される。
【0090】
本明細書には以下の事項が開示されている。
【0091】
本開示(1)は、ポリオール(C)と、水酸化カルシウム(O)と、活性炭とを含むポリウレタンフォーム用ポリオール組成物である。
【0092】
本開示(2)は、前記ポリオール(C)が、ポリエステルポリオール(A)及びポリエーテルポリオール(B)からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオールを含有する本開示(1)のポリオール組成物である。
【0093】
本開示(3)は、前記ポリエステルポリオール(A)の水酸基価が25~100mgKOH/gであり、前記ポリエーテルポリオール(B)の水酸基価が20~500mgKOH/gである本開示(2)に記載のポリオール組成物である。
【0094】
本開示(4)は、前記ポリオール(C)が、前記ポリエステルポリオール(A)及び前記ポリエーテルポリオール(B)を含有し、下記(1)~(4):
(1)前記ポリオール(C)中のエステル基濃度が、ポリオール(C)の合計重量に基づいて0.4~4.0mmol/gである;
(2)前記ポリオール中(C)のオキシエチレン基単位の含有量が、ポリオール(C)の合計重量に基づいて15~40重量%である;
(3)前記ポリエステルポリオール(A)が、多価水酸基含有化合物(a)とポリカルボン酸又はその酸無水物とを含んだ原料を重合してなる1分子あたり2~4個の水酸基を有するポリエステルポリオール(A1)を含有する;
(4)前記ポリエーテルポリオール(B)が、オキシエチレン基を有するポリエーテルポリオール(B1)を含有する
を満たす本開示(2)又は(3)に記載のポリオール組成物である。
【0095】
本開示(5)は、前記水酸化カルシウム(O)の平均粒子径が3~100μmである本開示(1)~(4)のいずれかに記載のポリオール組成物である。
【0096】
本開示(6)は、前記水酸化カルシウム(O)が卵殻焼成カルシウムである本開示(1)~(5)のいずれかに記載のポリオール組成物である。
【0097】
本開示(7)は、本開示(1)~(6)のいずれかに記載のポリオール組成物及びポリイソシアネートを含む混合物の反応物からなるポリウレタンフォームである。
【実施例0098】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
【0099】
製造例1 <ポリエステルポリオール(A1-1)の製造>
反応容器でグリセリン100重量部と水酸化カリウム5重量部を触媒として用いて反応温度95℃~130℃にてPO1817重量部を付加した後、吸着剤(合成ケイ酸マグネシウム)処理、濾過を行い、水酸化カリウムを除去することで、水酸基価が95mgKOH/gであるグリセリンのPO付加物を得た。
次いで、無水フタル酸965重量部を加えてエステル化反応を1時間行った。さらにPO373重量部を加えて付加反応を行い、トリオール化合物であるポリエステルポリオール(A1-1)を得た。水酸基価は56mgKOH/g、エステル基濃度は4.0mmol/gであった。
【0100】
製造例2 <ポリエステルポリオール(A1-2)の製造>
製造例1において、グリセリン100重量部に付加するPOを713重量部に代える以外は製造例1と同様にして、トリオール化合物であるポリエステルポリオール(A1-2)を得た。水酸基価は84mgKOH/g、エステル基濃度は6.0mmol/gであった。
【0101】
製造例3 <ポリエーテルポリオール(B1-1)の製造>
反応容器でグリセリン100重量部に対してPO391重量部とEO1143重量部を、水酸化カリウム5重量部を触媒として反応温度95℃~130℃にて反応付加した後、吸着剤(合成ケイ酸マグネシウム)処理、濾過を行い、水酸化カリウムを除去することでポリエーテルポリオール(B1-1)を得た。水酸基価は112mgKOH/gであり、オキシエチレン基単位の重量割合が70重量%であるグリセリンのPO6.2モル・EO23.9モル付加物であった。
【0102】
製造例4 <ポリエーテルポリオール(B1-2)の製造>
製造例3において、POを2111重量部に、EOを5429重量部に代える以外は製造例3と同様にして、ポリエーテルポリオール(B1-2)を得た。水酸基価は25mgKOH/gであり、オキシエチレン基単位の重量割合が72重量%であるグリセリンのPO33.5モル・EO113.5モル付加物であった。
【0103】
製造例5 <ポリエーテルポリオール(B2-1)の製造>
製造例3において、EOを使用せず、POを713重量部に代える以外は製造例3と同様にして、ポリエーテルポリオール(B2-1)を得た。水酸基価225mgKOH/gであるグリセリンのPO11.3モル付加物であった。
【0104】
製造例6 <ポリエーテルポリオール(B2-2)の製造>
製造例3において、EOを使用せず、POを1527重量部に代える以外は製造例3と同様にして、ポリエーテルポリオール(B2-2)を得た。水酸基価112mgKOH/gであるグリセリンのPO24.2モル付加物であった。
【0105】
製造例7 <ポリエーテルポリオール(B2-3)の製造>
製造例3において、EOを使用せず、POを3161重量部に代える以外は製造例3と同様にして、ポリエーテルポリオール(B2-3)を得た。水酸基価56mgKOH/gであるグリセリンのPO50.1モル付加物であった。
【0106】
製造例8 <ポリエーテルポリオール(B2-4)の製造>
製造例3において、EOを使用せず、POを4277重量部に代える以外は製造例3と同様にして、ポリエーテルポリオール(B2-4)を得た。水酸基価42mgKOH/gであるグリセリンのPO67.8モル付加物であった。
【0107】
製造例9 <ポリエーテルポリオール(B2-5)の製造>
製造例3において、EOを使用せず、POを5287重量部に代える以外は製造例3と同様にして、ポリエーテルポリオール(B2-5)を得た。水酸基価34mgKOH/gであるグリセリンのPO83.8モル付加物であった。
【0108】
製造例10 <ポリエーテルポリオール(B2-6)の製造>
製造例3において、グリセリンの代わりにエチレングリコールを使用し、EOを使用せず、POを360重量部使用する以外は製造例3と同様にして、ポリエーテルポリオール(B2-6)を得た。水酸基価270mgKOH/gであるエチレングリコールのPO6.2モル付加物であった。
【0109】
製造例11 <ポリマーポリオール(P-1)の製造>
製造例3において、POを2940重量部に代え、EOを220重量部追加する以外は製造例3と同様にして、ポリエーテルポリオール(P’-1)を得た。得られたポリエーテルポリオール(P’-1)は、水酸基価が56mgKOH/gであり、オキシエチレン基単位の重量割合が7重量%であるグリセリンのPO・EO付加物であった。
このポリエーテルポリオール(P’-1)中でスチレンとアクリロニトリル(スチレン/アクリロニトリルの重量比=70/30)を共重合させてポリマーポリオール(P-1)を得た。得られたポリマーポリオール(重合体含量44.0重量%)の重合体粒子の体積平均粒子径は0.5~0.7μmであった。
【0110】
<ポリオール組成物の作製>
表1に記載の各成分を混合容器中で均一に混合し、実施例1~10及び比較例1のポリオール組成物を作製した。
【0111】
【0112】
実施例1~10及び比較例1において使用した各成分はそれぞれ下記の通りである。
ポリエステルポリオール(A)、ポリエーテルポリオール(B)及びポリマーポリオール(P):上記の製造例1~11で製造したもの。
【0113】
有機ポリイソシアネート(D):2,4-トルエンジイソシアネートと2,6-トルエンジイソシアネートの混合物(混合比率:80/20)(TDI)[製品名:東ソー(株)製「コロネートT-80」(イソシアネート基含有量=48.3重量%)]
【0114】
発泡剤:水
【0115】
触媒(F-1):エアプロダクツジャパン(株)製トリエチレンジアミン、「DABCO-33LX」
触媒(F-2):エアプロダクツジャパン(株)製ビスジメチルアミノエチルエーテル、「DABCO-BL22」
触媒(F-3):日東化成(株)製オクチル酸第一スズ「ネオスタンU-28」
【0116】
整泡剤:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製シリコーン整泡剤「Niax Silicone L-598」
【0117】
水酸化カルシウム((O-1)又は(O-2))及び活性炭:(株)ファーマフーズ製ランコール(活性炭と平均粒子径6μm又は75μmの卵殻焼成カルシウムとの混合物)
【0118】
<ポリウレタンフォームの作製>
表1に示した配合処方に従って配合した混合物を、下記の発泡条件により発泡してポリウレタンフォームを作製した。
なお、表1の配合処方における有機ポリイソシアネート(D)以外の原料の数値は重量部数を意味し、有機ポリイソシアネート(D)は配合処方に示したイソシアネート指数となる量を用いた。
【0119】
<発泡条件>
型サイズ :250mm×250mm×250mm
材質 :木材
ミキシング方法:ハンドミキシング(必要試薬を所定の容器に必要量仕込んだ後、攪拌羽を容器中に挿入し、回転数5000回転/分で6~20秒間攪拌させる発泡方法)
ミキシング時間:6~20秒
撹拌羽回転数 :5000回転/分
【0120】
得られたポリウレタンフォームを温度25℃、湿度50%にて24時間静置した後、それぞれのポリウレタンフォームの反発弾性率及び通気性を下記測定方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
【0121】
<ポリウレタンフォームの物性値の試験方法>
各項目の測定方法は下記の通りである。
通気性 :JIS K6400に準拠して測定した(単位はml/cm2/s)。
反発弾性率:JIS K6400に準拠して測定した(単位は%)。
【0122】
得られたポリウレタンフォームを用いて、体臭の原因物質(イソ吉草酸及び酢酸)及び菌の除去率を下記測定方法に基づいて測定した。結果を表1に示す。
【0123】
<イソ吉草酸の除去率の測定方法>
空のバイアル瓶にイソ吉草酸を注入し、初発濃度が14ppmとなるよう調製した。室温で2時間静置後、バイアル瓶を80℃で1時間加熱し、ガスクロマトグラフ/質量分析計((株)島津製作所製GCMS-QP2010plus)にてイソ吉草酸のピーク面積(A)を測定した。
次に、細かく裁断したポリウレタンフォーム0.02gをバイアル瓶に入れ、上記と同様に静置、加熱してイソ吉草酸のピーク面積(B)を測定した。
イソ吉草酸の除去率の計算式は以下の通りである。
イソ吉草酸の除去率(%)=((A-B)/A)×100
【0124】
<酢酸の除去率の測定方法>
5Lのビニルアルコール系ポリマーフィルム製バック(ビニルアルコール系ポリマーフィルムを袋状に加工して使用、以下スマートバッグと称する)に、窒素ガス3Lと酢酸を注入し、初発濃度が30ppmとなるよう調製した。室温で2時間静置後、スマートバッグを80℃で1時間加熱し、(株)ガステック製のガス検知管を使用スマートバッグ中の酢酸濃度(C)を測定した。
次に、ポリウレタンフォームを縦40mm×横40mm×厚み40mmに切り取り、試験片とした。この試験片をスマートバッグに入れ、上記と同様に静置、加熱してスマートバッグ中の酢酸濃度(D)を測定した。
酢酸の除去率の計算式は以下の通りである。
除去率(%)=((C-D)/C)×100
【0125】
<黄色ブドウ球菌の抗菌活性値の測定方法>
黄色ブドウ球菌について、JIS K6400-9:2019に基づいて、抗菌活性値を測定した。黄色ブドウ球菌に対する測定結果は、何れも抗菌活性値が2.0以上であるのが好ましい。
【0126】
表1から明らかなように、実施例1~10のポリウレタンフォームはいずれも体臭の原因物質の除去率及び黄色ブドウ球菌の抗菌活性値が良好であった。また、室温での反発弾性率が低く、通気性も良好であった。
これに対し、比較例1のポリウレタンフォームは体臭の原因物質及び黄色ブドウ球菌の除去率が低かった。
本発明のポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を用いて得られるポリウレタンフォームは、室温での反発弾性率が低く、体臭の原因物質に対し強い消臭効果を有し、抗菌効果も有するため、寝具類(マットレス、枕等)に適する。