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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130182
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】インパクトレンチ
(51)【国際特許分類】
   B25B 21/02 20060101AFI20240920BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B25B21/02 Z
B25F5/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039762
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神谷 剛
(72)【発明者】
【氏名】野田 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】木下 和典
【テーマコード(参考)】
3C064
【Fターム(参考)】
3C064AA02
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA12
3C064BA34
3C064BB11
3C064CA03
3C064CA08
3C064CA29
3C064CA53
3C064CA55
3C064CA58
3C064CA59
3C064CA60
3C064CA61
3C064CB06
3C064CB08
3C064CB17
3C064CB24
3C064CB27
3C064CB32
3C064CB35
3C064CB63
3C064CB69
3C064CB73
3C064CB86
(57)【要約】
【課題】作業効率の低下を抑制すること。
【解決手段】インパクトレンチは、ブラシレスモータと、ブラシレスモータにより回転される打撃機構と、打撃機構により打撃され、第1軸に平行な方向に延びる回転軸を中心に回転するアンビルと、第1バッテリパックが装着される第1バッテリ装着部と、第1軸に平行な方向において第1バッテリ装着部とは異なる位置に配置され、第2バッテリパックが装着される第2バッテリ装着部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータにより回転される打撃機構と、
前記打撃機構により打撃され、第1軸に平行な方向に延びる回転軸を中心に回転するアンビルと、
第1バッテリパックが装着される第1バッテリ装着部と、
前記第1軸に平行な方向において前記第1バッテリ装着部とは異なる位置に配置され、第2バッテリパックが装着される第2バッテリ装着部と、を備える、
インパクトレンチ。
【請求項2】
前記第1バッテリパックは、前記第1バッテリ装着部に対して、前記第1軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより前記第1バッテリ装着部に装着され、
前記第2バッテリパックは、前記第2バッテリ装着部に対して、前記第1軸に直交する第2軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより前記第2バッテリ装着部に装着される、
請求項1に記載のインパクトレンチ。
【請求項3】
前記ブラシレスモータを収容する本体ハウジングを備え、
前記第2軸に平行な方向において、前記本体ハウジングの一方側の端部は、前記第1バッテリパックの一方側の端部及び前記第2バッテリパックの一方側の端部よりも一方側に配置され、前記本体ハウジングの他方側の端部は、前記第1バッテリパックの他方側の端部及び前記第2バッテリパックの他方側の端部よりも他方側に配置される、
請求項2に記載のインパクトレンチ。
【請求項4】
前記第1バッテリパックは、前記第1バッテリ装着部に対して、前記第1軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより前記第1バッテリ装着部に装着され、
前記第2バッテリパックは、前記第2バッテリ装着部に対して、前記第1軸に平行な方向において他方側から一方側にスライドすることにより前記第2バッテリ装着部に装着される、
請求項1に記載のインパクトレンチ。
【請求項5】
前記ブラシレスモータを収容する本体ハウジングを備え、
前記第1軸に直交する第2軸に平行な方向において、前記本体ハウジングの一方側の端部は、前記第1バッテリパックの一方側の端部及び前記第2バッテリパックの一方側の端部よりも一方側に配置され、前記本体ハウジングの他方側の端部は、前記第1バッテリパックの他方側の端部及び前記第2バッテリパックの他方側の端部よりも他方側に配置される、
請求項4に記載のインパクトレンチ。
【請求項6】
前記第1バッテリパックは、前記第1バッテリ装着部に対して、前記第1軸に直交する第2軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより前記第1バッテリ装着部に装着され、
前記第2バッテリパックは、前記第2バッテリ装着部に対して、前記第2軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより前記第2バッテリ装着部に装着される、
請求項1に記載のインパクトレンチ。
【請求項7】
前記ブラシレスモータを収容する本体ハウジングを備え、
前記第2軸に平行な方向において、前記本体ハウジングの一方側の端部は、前記第1バッテリパックの一方側の端部及び前記第2バッテリパックの一方側の端部よりも一方側に配置され、前記本体ハウジングの他方側の端部は、前記第1バッテリパックの他方側の端部及び前記第2バッテリパックの他方側の端部よりも他方側に配置される、
請求項6に記載のインパクトレンチ。
【請求項8】
ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータにより回転される打撃機構と、
前記打撃機構により打撃され、第1軸に平行な方向に延びる回転軸を中心に回転するアンビルと、
第1バッテリパックが装着される第1バッテリ装着部と、
前記第1バッテリ装着部の隣に配置され、第2バッテリパックが装着される第2バッテリ装着部と、を備え、
前記第1バッテリパックは、前記第1バッテリ装着部に対して、前記第1軸に直交する第2軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより前記第1バッテリ装着部に装着され、
前記第2バッテリパックは、前記第2バッテリ装着部に対して、前記第2軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより前記第2バッテリ装着部に装着される、
インパクトレンチ。
【請求項9】
前記ブラシレスモータを収容する本体ハウジングを備え、
前記第2軸に平行な方向において、前記本体ハウジングの一方側の端部は、前記第1バッテリパックの一方側の端部及び前記第2バッテリパックの一方側の端部よりも一方側に配置され、前記本体ハウジングの他方側の端部は、前記第1バッテリパックの他方側の端部及び前記第2バッテリパックの他方側の端部よりも他方側に配置される、
請求項8に記載のインパクトレンチ。
【請求項10】
ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータにより回転される打撃機構と、
前記打撃機構により打撃され、第1軸に平行な方向に延びる回転軸を中心に回転するアンビルと、
第1バッテリパックが装着される第1バッテリ装着部と、
第2バッテリパックが装着される第2バッテリ装着部と、
前記ブラシレスモータを収容する本体ハウジングと、を備え、
前記第1軸に直交する第2軸に平行な方向において、前記本体ハウジングの一方側の端部は、前記第1バッテリパックの一方側の端部及び前記第2バッテリパックの一方側の端部よりも一方側に配置され、前記本体ハウジングの他方側の端部は、前記第1バッテリパックの他方側の端部及び前記第2バッテリパックの他方側の端部よりも他方側に配置される、
インパクトレンチ。
【請求項11】
ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータの後方側に配置されるグリップ部と、
前記ブラシレスモータにより駆動され、前記ブラシレスモータよりも前方側に配置される出力部と、
前記ブラシレスモータよりも後方側に配置され、第1バッテリパックが装着される第1バッテリ装着部と、
前記ブラシレスモータよりも前方側に配置され、第2バッテリパックが装着される第2バッテリ装着部と、を備える、
電動工具。
【請求項12】
ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータの後方側に配置されるグリップ部と、
前記ブラシレスモータにより駆動され、前記ブラシレスモータよりも前方側に配置される出力部と、
第1バッテリパックが装着される第1バッテリ装着部と、
前記第1バッテリ装着部の隣に配置され、第2バッテリパックが装着される第2バッテリ装着部と、を備え、
前記第1バッテリパックは、前記第1バッテリ装着部に対して、前後方向において一方側から他方側にスライドすることにより前記第1バッテリ装着部に装着され、
前記第2バッテリパックは、前記第2バッテリ装着部に対して、前後方向に直交する方向において一方側から他方側にスライドすることにより前記第2バッテリ装着部に装着される、
電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、インパクトレンチ及び電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
インパクトレンチに係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、バッテリパックから供給される電力により駆動するインパクトレンチが知られている。また、既知の電動工具が複数存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2019-509182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インパクトレンチの高出力化のために、インパクトレンチにバッテリパックを複数装着することが考えられる。バッテリパックの装着形態によっては、作業効率が低下する可能性がある。他の電動工具においても同様に作業効率が低下する可能性がある。
【0005】
本明細書で開示する技術は、インパクトレンチ又は電動工具にバッテリパックが少なくとも2つ装着される場合において、作業効率の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、インパクトレンチ及び電動工具を開示する。インパクトレンチは、ブラシレスモータと、ブラシレスモータにより回転される打撃機構と、打撃機構により打撃され、第1軸に平行な方向に延びる回転軸を中心に回転するアンビルと、第1バッテリパックが装着される第1バッテリ装着部と、第1軸に平行な方向において第1バッテリ装着部とは異なる位置に配置され、第2バッテリパックが装着される第2バッテリ装着部と、を備えてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本明細書で開示する技術によれば、インパクトレンチにバッテリパックが少なくとも2つ装着される場合において、作業効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係るインパクトレンチを示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係るインパクトレンチを示す断面図である。
図3図3は、第1実施形態に係るインパクトレンチを示す上面図である。
図4図4は、第2実施形態に係るインパクトレンチを示す斜視図である。
図5図5は、第3実施形態に係るインパクトレンチを示す側面図である。
図6図6は、第4実施形態に係るインパクトレンチを示す側面図である。
図7図7は、第5実施形態に係るインパクトレンチを示す側面図である。
図8図8は、第6実施形態に係るインパクトレンチを示す図である。
図9図9は、第6実施形態に係るインパクトレンチを示す平面図である。
図10図10は、第7実施形態に係るインパクトレンチを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクトレンチは、ブラシレスモータと、ブラシレスモータにより回転される打撃機構と、打撃機構により打撃され、第1軸に平行な方向に延びる回転軸を中心に回転するアンビルと、第1バッテリパックが装着される第1バッテリ装着部と、第1軸に平行な方向において第1バッテリ装着部とは異なる位置に配置され、第2バッテリパックが装着される第2バッテリ装着部と、を備えてもよい。
【0010】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0011】
1つ又はそれ以上の実施形態において、第1バッテリパックは、第1バッテリ装着部に対して、第1軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより第1バッテリ装着部に装着されてもよい。第2バッテリパックは、第2バッテリ装着部に対して、第1軸に直交する第2軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより第2バッテリ装着部に装着されてもよい。
【0012】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0013】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクトレンチは、ブラシレスモータを収容する本体ハウジングを備えてもよい。第2軸に平行な方向において、本体ハウジングの一方側の端部は、第1バッテリパックの一方側の端部及び第2バッテリパックの一方側の端部よりも一方側に配置されてもよい。本体ハウジングの他方側の端部は、第1バッテリパックの他方側の端部及び第2バッテリパックの他方側の端部よりも他方側に配置されてもよい。
【0014】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0015】
1つ又はそれ以上の実施形態において、第1バッテリパックは、第1バッテリ装着部に対して、第1軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより第1バッテリ装着部に装着されてもよい。第2バッテリパックは、第2バッテリ装着部に対して、第1軸に平行な方向において他方側から一方側にスライドすることにより第2バッテリ装着部に装着されてもよい。
【0016】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0017】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクトレンチは、ブラシレスモータを収容する本体ハウジングを備えてもよい。第1軸に直交する第2軸に平行な方向において、本体ハウジングの一方側の端部は、第1バッテリパックの一方側の端部及び第2バッテリパックの一方側の端部よりも一方側に配置されてもよい。本体ハウジングの他方側の端部は、第1バッテリパックの他方側の端部及び第2バッテリパックの他方側の端部よりも他方側に配置されてもよい。
【0018】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0019】
1つ又はそれ以上の実施形態において、第1バッテリパックは、第1バッテリ装着部に対して、第1軸に直交する第2軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより第1バッテリ装着部に装着されてもよい。第2バッテリパックは、第2バッテリ装着部に対して、第2軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより前記第2バッテリ装着部に装着されてもよい。
【0020】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0021】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクトレンチは、ブラシレスモータを収容する本体ハウジングを備えてもよい。第2軸に平行な方向において、本体ハウジングの一方側の端部は、第1バッテリパックの一方側の端部及び第2バッテリパックの一方側の端部よりも一方側に配置されてもよい。本体ハウジングの他方側の端部は、第1バッテリパックの他方側の端部及び第2バッテリパックの他方側の端部よりも他方側に配置されてもよい。
【0022】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0023】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクトレンチは、ブラシレスモータと、ブラシレスモータにより回転される打撃機構と、打撃機構により打撃され、第1軸に平行な方向に延びる回転軸を中心に回転するアンビルと、第1バッテリパックが装着される第1バッテリ装着部と、第1バッテリ装着部の隣に配置され、第2バッテリパックが装着される第2バッテリ装着部と、を備えてもよい。第1バッテリパックは、第1バッテリ装着部に対して、第1軸に直交する第2軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより第1バッテリ装着部に装着されてもよい。第2バッテリパックは、第2バッテリ装着部に対して、第2軸に平行な方向において一方側から他方側にスライドすることにより第2バッテリ装着部に装着されてもよい。
【0024】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0025】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクトレンチは、ブラシレスモータを収容する本体ハウジングを備えてもよい。第2軸に平行な方向において、本体ハウジングの一方側の端部は、第1バッテリパックの一方側の端部及び第2バッテリパックの一方側の端部よりも一方側に配置されてもよい。本体ハウジングの他方側の端部は、第1バッテリパックの他方側の端部及び第2バッテリパックの他方側の端部よりも他方側に配置されてもよい。
【0026】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0027】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクトレンチは、ブラシレスモータと、ブラシレスモータにより回転される打撃機構と、打撃機構により打撃され、第1軸に平行な方向に延びる回転軸を中心に回転するアンビルと、第1バッテリパックが装着される第1バッテリ装着部と、第2バッテリパックが装着される第2バッテリ装着部と、ブラシレスモータを収容する本体ハウジングと、を備えてもよい。第1軸に直交する第2軸に平行な方向において、本体ハウジングの一方側の端部は、第1バッテリパックの一方側の端部及び第2バッテリパックの一方側の端部よりも一方側に配置されてもよい。本体ハウジングの他方側の端部は、第1バッテリパックの他方側の端部及び第2バッテリパックの他方側の端部よりも他方側に配置されてもよい。
【0028】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0029】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0030】
実施形態においては、インパクトレンチにXYZ直交座標系を規定し、このXYZ直交座標系を参照しながら各部の位置関係について説明する。所定面のX軸(第1軸)に平行な方向をX軸方向とする。X軸に直交する所定面のY軸(第2軸)に平行な方向をY軸方向とする。所定面に直交するZ軸(第3軸)に平行な方向をZ軸方向とする。X軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθX方向とする。Y軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθY方向とする。Z軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθZ方向とする。実施形態において、X軸方向を前後方向とみなし、Y軸方向を左右方向とみなし、Z軸方向を上下方向とみなす。+X側は前側であり、-X側は後側である。+Y側は左側であり、-Y側は右側である。+Z側は上側であり、-Z側は下側である。
【0031】
なお、実施形態において、トルクの単位である1Nmは、0.7376ft・lbに換算可能であり、1[ft・lb]は、1.36[Nm]に換算可能である。
【0032】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
【0033】
<インパクトレンチ>
図1は、第1実施形態に係るインパクトレンチ1Aを示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係るインパクトレンチ1Aを示す断面図である。図3は、第1実施形態に係るインパクトレンチ1Aを示す上面図である。
【0034】
インパクトレンチ1Aは、本体ハウジング2Aと、第1バッテリ接続ハウジング3と、モータケース4と、ギヤケース5と、ハンマケース6と、サイドハンドル7と、バンパ8と、第1バッテリ装着部31Aと、第2バッテリ装着部32Aと、モータ10Aと、コントローラ11Aと、ファン12と、減速機構13Aと、スピンドル14と、打撃機構15Aと、アンビル16Aと、トリガスイッチ17Aと、ライトアセンブリ18と、吊下げリング9を備える。
【0035】
本体ハウジング2Aは、モータケース4を収容する。本体ハウジング2Aは、ギヤケース5の一部を収容する。本体ハウジング2Aは、ハンマケース6に固定される。
【0036】
本体ハウジング2Aは、合成樹脂製である。本体ハウジング2Aを形成する合成樹脂として、ナイロン樹脂が例示される。本体ハウジング2Aは、左本体ハウジング2Lと、右本体ハウジング2Rとを含む。右本体ハウジング2Rは、左本体ハウジング2Lの右方側に配置される。左本体ハウジング2Lと右本体ハウジング2Rとは、一対の半割れハウジングを構成する。左本体ハウジング2Lと右本体ハウジング2Rとは、複数のねじにより固定される。
【0037】
本体ハウジング2Aは、本体部21と、第2バッテリ接続ハウジング22Aと、グリップ部23と、コントローラ収容部24とを有する。
【0038】
本体部21は、モータケース4を収容する。本体部21は、ギヤケース5の一部を収容する。吊下げリング9は、本体部21の上部に配置される。吊下げリング9は、ねじ41によりハンマケース6に固定される。なお、吊下げリング9は、ねじによりギヤケース5に固定されてもよい。
【0039】
第2バッテリ接続ハウジング22Aは、本体部21から下方側に突出する。第2バッテリ接続ハウジング22Aは、第1バッテリ接続ハウジング3の前方側に配置される。
【0040】
グリップ部23は、作業者に握られる。グリップ部23は、本体部21の後方側に配置される。グリップ部23は、コントローラ収容部24の後部から上方側に延びる後グリップ部23Aと、後グリップ部23Aの上端部から前方側に延びる上グリップ部23Bとを含む。後グリップ部23Aの下端部は、コントローラ収容部24に接続される。後グリップ部23Aの上端部は、上グリップ部23Bの後端部に接続される。上グリップ部23Bの前端部は、本体部21の上部に接続される。グリップ部23と本体部21とコントローラ収容部24とにより、いわゆるD型ハンドルが形成される。D型ハンドルは、モータ10Aの後方側に配置される。トリガスイッチ17Aは、後グリップ部23Aの上部に配置される。
【0041】
コントローラ収容部24は、コントローラ11Aを収容する。
【0042】
第1バッテリ接続ハウジング3は、第1バッテリ装着部31Aを支持する。第1バッテリ接続ハウジング3は、本体ハウジング2Aに対して相対移動可能に本体ハウジング2Aに連結される。第1バッテリ接続ハウジング3は、合成樹脂製である。第1バッテリ接続ハウジング3を形成する合成樹脂として、ナイロン樹脂が例示される。
【0043】
第1バッテリ接続ハウジング3は、コントローラ収容部24の下方側に配置される。第1バッテリ接続ハウジング3は、第2バッテリ接続ハウジング22Aの後方側に配置される。第1バッテリ接続ハウジング3は、D型ハンドルに接続される。
【0044】
モータケース4は、モータ10Aを収容する。モータケース4は、ギヤケース5の下方側に配置される。モータケース4は、ギヤケース5に固定される。
【0045】
モータケース4は、合成樹脂製である。モータケース4を形成する合成樹脂として、ポリカーボネート樹脂が例示される。
【0046】
ギヤケース5は、減速機構13Aの少なくとも一部を収容する。ギヤケース5は、ハンマケース6の後方側に配置される。ギヤケース5は、ハンマケース6に固定される。
【0047】
ギヤケース5は、金属製である。ギヤケース5を形成する金属として、アルミニウム又はマグネシウムが例示される。
【0048】
ギヤケース5は、実質的に筒状である。ギヤケース5の前部に開口が設けられる。ギヤケース5の後部に開口が設けられる。ギヤケース5の下部に開口が設けられる。ギヤケース5の後部の開口にベアリングカバー40が配置される。ベアリングカバー40は、ねじ40Sによりギヤケース5の後部に固定される。
【0049】
ハンマケース6は、ハンマ71を含む打撃機構15Aを収容する。ハンマケース6は、本体ハウジング2Aの前部に接続される。ハンマケース6は、ギヤケース5の前部に接続される。
【0050】
ハンマケース6は、金属製である。ハンマケース6を形成する金属として、アルミニウムが例示される。
【0051】
ハンマケース6は、実質的に筒状である。ハンマケース6は、第1筒部61と、第2筒部62と、前壁部63とを有する。第1筒部61は、ハンマ71を含む打撃機構15Aの周囲に配置される。第2筒部62は、第1筒部61よりも前方側に配置される。第2筒部62の外径は、第1筒部61の外径よりも小さい。ギヤケース5の前端部は、第1筒部61の後端部に設けられた開口に挿入される。前壁部63は、第1筒部61の前端部と第2筒部62の後端部とを接続する。
【0052】
本体ハウジング2Aとギヤケース5とハンマケース6とは、複数のねじ41により固定される。
【0053】
モータケース4の上部に開口が設けられる。ギヤケース5の下部に開口が設けられる。モータケース4の内部空間とギヤケース5の内部空間とは、モータケース4の上部の開口及びギヤケース5の下部の開口を介して接続される。モータケース4とギヤケース5とは、複数のねじ(不図示)により固定される。
【0054】
ギヤケース5の前部に開口が設けられる。ハンマケース6の後部に開口が設けられる。ギヤケース5の内部空間とハンマケース6の内部空間とは、ギヤケースの前部の開口及びハンマケース6の後部の開口を介して接続される。
【0055】
サイドハンドル7は、作業者に握られる。サイドハンドル7は、作業者に握られるハンドル部7Aと、ハンマケース6に固定されるベース部7Bとを有する。ハンドル部7Aは、ハンマケース6の左方側に配置される。なお、ハンドル部7Aは、ハンマケース6の周囲の任意の位置に配置可能である。ハンドル部7Aは、例えば、ハンマケース6の右方側に配置可能であり、ハンマケース6の上方側に配置可能であり、ハンマケース6の下方側に配置可能である。ハンマケース6に対するハンドル部7Aの位置(角度)は、360度調整可能である。
【0056】
バンパ8は、ハンマケース6の表面の少なくとも一部を覆うように配置される。本実施形態において、バンパ8は、第1筒部61の表面を覆うように配置される。バンパ8は、ハンマケース6を保護する。バンパ8は、ハンマケース6とインパクトレンチ1Aの周囲の物体と接触を抑制する。バンパ8は、ハンマケース6よりも軟らかい弾性体により形成されている。バンパ8を形成する弾性体として、スチレン・ブタジエンゴムが例示される。
【0057】
第1バッテリ装着部31Aに、第1バッテリパック33Aが装着される。第1バッテリパック33Aは、第1バッテリ装着部31Aの後方側から前方側にスライド移動されることにより、第1バッテリ装着部31Aに装着される。第1バッテリパック33Aは、第1バッテリ装着部31Aに着脱される。コントローラ収容部24は、第1バッテリ装着部31Aに装着された第1バッテリパック33Aの上方側に配置される。第2バッテリ接続ハウジング22Aは、第1バッテリ装着部31Aに装着された第1バッテリパック33Aの前方側に配置される。
【0058】
第1バッテリ装着部31Aは、ターミナル端子を有する。第1バッテリパック33Aが第1バッテリ装着部31Aに装着されることにより、第1バッテリパック33Aの接続端子であるバッテリ側端子と第1バッテリ装着部31Aの第1本体側端子とが接続される。第1本体側端子は、前後方向に延びており、半割れ構造の第1バッテリ接続ハウジング3に支持されている。
【0059】
第2バッテリ装着部32Aは、第2バッテリ接続ハウジング22Aの前部に設けられる。第2バッテリ装着部32Aは、ハンマケース6の下方側に配置される。第2バッテリ装着部32Aに、第2バッテリパック34Aを装着される。第2バッテリパック34Aは、第2バッテリ装着部32Aの右方側から左方側にスライド移動されることにより、第2バッテリ装着部32Aに装着される。第2バッテリパック34Aは、第2バッテリ装着部32Aに着脱される。
【0060】
第2バッテリ装着部32Aは、第2本体側端子を有する。第2バッテリパック34Aが第2バッテリ装着部32Aに装着されることにより、第2バッテリパック34Aの接続端子であるバッテリ側端子と第2バッテリ装着部32Aの第2本体側端子とが接続される。第2本体側端子は、左右方向に延びており、半割れ構造の第2バッテリ接続ハウジング22Aに支持されている。
【0061】
第1バッテリパック33A及び第2バッテリパック34Aのそれぞれは、インパクトレンチ1Aの電源として機能する。第1バッテリパック33Aは、二次電池を含む。本実施形態において、第1バッテリパック33Aは、充電式のリチウムイオン電池を含む。第2バッテリパック34Aは、二次電池を含む。本実施形態において、第2バッテリパック34Aは、充電式のリチウムイオン電池を含む。第1バッテリ装着部31Aに装着されることにより、第1バッテリパック33Aは、インパクトレンチ1Aに電力を供給可能である。第2バッテリ装着部32Aに装着されることにより、第2バッテリパック34Aは、インパクトレンチ1Aに電力を供給可能である。モータ10Aは、第1バッテリパック33A及び第2バッテリパック34Aのそれぞれから供給される電力に基づいて駆動する。コントローラ11Aは、第1バッテリパック33A及び第2バッテリパック34Aのそれぞれから供給される電力に基づいて作動する。
【0062】
吊下げリング9は、前後方向において、第1バッテリパック33Aと第2バッテリパック34Aとの間に配置される。このため、2つのバッテリパック(33A,34A)により駆動されるインパクトレンチ1Aを吊下げリング9で吊下げ対象に吊下げる際に、バランスが改善される。この様なバランスの改善は、インパクトレンチに限らず、電動工具全般でいえる利点である。
【0063】
また、モータ10Aは、前後方向において、第1バッテリパック33Aと第2バッテリパック34Aとの間に配置される。本実施形態において、第1バッテリパック33Aが装着される第1バッテリ装着部31Aは、モータ10Aよりも後方側に配置され、第2バッテリパック34Aが装着される第2バッテリ装着部32Aは、モータ10Aよりも前方側に配置される。重量物であるモータ10Aと2つのバッテリパック(33A,34A)とが前後方向にに並ぶように配置されているので、バランスが改善される。この様なバランスの改善は、インパクトレンチに限らず、電動工具全般でいえる利点である。
【0064】
第1バッテリ接続ハウジング3は、スプリング45及びクッションラバー46を保持する。スプリング45は、第1バッテリ装着部31Aの前方側に配置される。クッションラバー46は、第1バッテリ装着部31Aに装着された第1バッテリパック33Aの前方側に配置される。スプリング45は、第1バッテリ装着部31Aを後方側に付勢する。クッションラバー46は、第1バッテリ装着部31Aに装着された第1バッテリパック33Aの前方側に配置される。クッションラバー46は、第1バッテリ装着部31Aに装着された第1バッテリパック33Aよりも前方側に配置される。クッションラバー46は、第1バッテリパック33Aの前部に接触可能である。例えばインパクトレンチ1Aが落下した場合、スプリング45の弾性力により第1バッテリ装着部31Aに作用する衝撃が緩和され、クッションラバー46により第1バッテリパック33Aに作用する衝撃が緩和される。
【0065】
なお、詳細は図示しないが、第2バッテリ装着部32Aが設けられる第2バッテリ接続ハウジング22Aも、第1バッテリ接続ハウジング3と同様の構成である。すなわち、第2バッテリ接続ハウジング22Aは、スプリング及びクッションラバーを保持する。スプリングは、第2バッテリ装着部32Aの後方側に配置される。クッションラバーは、第2バッテリ装着部32Aに装着された第2バッテリパック34Aの後方側に配置される。スプリングは、第2バッテリ装着部32Aを前方側に付勢する。クッションラバーは、第2バッテリ装着部32Aに装着された第2バッテリパック34Aの前方側に配置される。クッションラバーは、第2バッテリ装着部32Aに装着された第2バッテリパック34Aよりも後方側に配置される。クッションラバーは、第2バッテリパック34Aの後部に接触可能である。例えばインパクトレンチ1Aが落下した場合、スプリングの弾性力により第2バッテリ装着部32Aに作用する衝撃が緩和され、クッションラバーにより第2バッテリパック34Aに作用する衝撃が緩和される。
【0066】
モータ10Aは、インパクトレンチ1Aの動力源として機能する。モータ10Aは、インナロータ型のDCブラシレスモータである。モータ10Aは、モータケース4に収容される。モータケース4は、本体ハウジング2Aの本体部21に収容される。本体ハウジング2Aの本体部21は、モータケース4を介してモータ10Aを収容する。
【0067】
モータ10Aは、ステータ47と、ロータ48と、ロータシャフト49とを有する。ステータ47は、モータケース4に回転不能に固定される。ロータ48の少なくとも一部は、ステータ47の内側に配置される。ロータシャフト49は、ロータ48に固定される。ロータ48は、上下方向(Z軸方向)に延びるモータ回転軸MXを中心にステータ47に対して回転可能である。
【0068】
ステータ47は、複数のティースを有するステータコアと、インシュレータを介してステータコアの複数のティースのそれぞれに巻かれる複数のコイルとを有する。複数のコイルは、バスバーユニットを介して接続される。
【0069】
ロータ48は、モータ回転軸MXを中心に回転する。ロータ48は、ロータコアと、ロータコアに固定されるロータ磁石とを有する。
【0070】
センサ基板50がステータ47のインシュレータに固定される。センサ基板50は、ロータ48の回転方向の位置を検出する。センサ基板50は、環状の回路基板に支持される回転検出素子を有する。回転検出素子は、ロータ48のロータ磁石の位置を検出することにより、ロータ48の回転方向の位置を検出する。
【0071】
ロータシャフト49は、ロータ48のロータコアに固定される。ロータ48とロータシャフト49とは、モータ回転軸MXを中心に一緒に回転する。
【0072】
ロータシャフト49は、ロータ軸受51及びロータ軸受52のそれぞれに回転可能に支持される。ロータ軸受51は、ロータ48の上端面よりも上方に突出するロータシャフト49の上部を回転可能に支持する。ロータ軸受52は、ロータ48の下端面よりも下方に突出するロータシャフト49の下部を回転可能に支持する。ロータ軸受51は、ギヤケース5に保持される。ロータ軸受52は、モータケース4に保持される。
【0073】
ロータシャフト49の上端部に第1ベベルギヤ53が固定される。第1ベベルギヤ53は、減速機構13Aの少なくとも一部に連結される。ロータシャフト49は、第1ベベルギヤ53を介して減速機構13Aに連結される。
【0074】
コントローラ11Aは、モータ10Aを制御する制御信号を出力する。コントローラ11Aは、複数の電子部品が実装された回路基板を含む。回路基板に実装される電子部品として、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、ROM(Read Only Memory)又はストレージのような不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、及び抵抗器が例示される。
【0075】
コントローラ11Aは、コントローラ収容部24に収容される。
【0076】
ファン12は、モータ10A及びコントローラ11Aを冷却するための気流を生成する。ファン12は、ステータ47の上方側に配置される。ファン12は、ロータシャフト49の上部に固定される。ファン12は、ロータ軸受51とステータ47との間に配置される。ファン12とロータシャフト49とは、一緒に回転する。
【0077】
コントローラ収容部24に吸気口26が設けられる。本体部21の上部に排気口27が設けられる。ファン12が回転することにより、本体ハウジング2Aの外部空間の空気が、吸気口26を介してコントローラ収容部24の内部空間に流入する。コントローラ収容部24の内部空間に流入した空気は、コントローラ収容部24の内部空間を流通することにより、コントローラ11Aを冷却する。コントローラ収容部24の内部空間を流通した空気は、ファン12の回転により、モータケース4の後部に設けられた通気口を介してモータケース4の内部空間に流入する。モータケース4の内部空間に流入した空気は、モータケース4の内部空間を流通することにより、モータ10Aを冷却する。モータケース4の内部空間を流通した空気の少なくとも一部は、ファン12の回転により、排気口27を介してモータケース4の外部空間に流出する。
【0078】
減速機構13Aは、スピンドル14を介してモータ10Aの回転力を打撃機構15Aに伝達する。減速機構13Aは、ロータシャフト49とスピンドル14とを連結する。減速機構13Aは、ロータシャフト49の回転速度よりも低い回転速度でスピンドル14を回転させる。
【0079】
減速機構13Aは、第1ベベルギヤ53に噛み合う第2ベベルギヤ54と、第2ベベルギヤ54を介して伝達されたモータ10Aの回転力に基づいて駆動する遊星歯車機構55とを有する。
【0080】
遊星歯車機構55は、サンギヤ55Sと、プラネタリギヤ55Pと、インターナルギヤ55Iとを有する。プラネタリギヤ55Pは、複数設けられる。複数のプラネタリギヤ55Pは、サンギヤ55Sの周囲に配置される。インターナルギヤ55Iは、複数のプラネタリギヤ55Pの周囲に配置される。遊星歯車機構55は、ギヤケース5に収容される。
【0081】
第2ベベルギヤ54は、サンギヤ55Sの周囲に配置される。第2ベベルギヤ54は、サンギヤ55Sに固定される。第2ベベルギヤ54とサンギヤ55Sとは、一緒に回転する。第2ベベルギヤ54及びサンギヤ55Sは、前後方向(X軸方向)に延びる出力回転軸AXを中心に回転可能である。出力回転軸AXとモータ回転軸MXとは、直交する。サンギヤ55Sの後端部は、ギヤ軸受56に支持される。サンギヤ55Sの中間部は、ギヤ軸受57に支持される。ギヤ軸受56は、ベアリングカバー40に保持される。ギヤ軸受57は、ギヤケース5に保持される。ロータシャフト49が回転して第1ベベルギヤ53が回転することにより、第2ベベルギヤ54が回転する。第2ベベルギヤ54が回転することにより、サンギヤ55Sが回転する。
【0082】
複数のプラネタリギヤ55Pのそれぞれは、サンギヤ55Sに噛み合う。プラネタリギヤ55Pは、ピン55Aを介してスピンドル14に回転可能に支持される。スピンドル14は、プラネタリギヤ55Pにより回転される。インターナルギヤ55Iは、プラネタリギヤ55Pに噛み合う内歯を有する。インターナルギヤ55Iは、ギヤケース5に固定される。インターナルギヤ55Iの外周面に複数の凸部が設けられる。インターナルギヤ55Iの凸部は、ギヤケース5の内周面に設けられた凹部に嵌まる。インターナルギヤ55Iは、ギヤケース5に対して常に回転不可能である。
【0083】
モータ10Aの駆動によりロータシャフト49及び第1ベベルギヤ53が回転すると、第2ベベルギヤ54及びサンギヤ55Sが回転する。サンギヤ55Sが回転すると、プラネタリギヤ55Pがサンギヤ55Sの周囲を公転する。プラネタリギヤ55Pは、インターナルギヤ55Iの内歯に噛み合いながら公転する。プラネタリギヤ55Pの公転により、ピン55Aを介してプラネタリギヤ55Pに接続されているスピンドル14は、ロータシャフト49の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
【0084】
スピンドル14は、減速機構13Aにより伝達されたモータ10Aの回転力により回転する。スピンドル14は、減速機構13Aを介して伝達されたモータ10Aの回転力を打撃機構15Aに伝達する。スピンドル14は、出力回転軸AXを中心に回転可能である。スピンドル14の後部は、ギヤケース5に収容される。スピンドル14の前部は、ハンマケース6に収容される。スピンドル14の少なくとも一部は、減速機構13Aの前方側に配置される。スピンドル14は、アンビル16Aの後方側に配置される。
【0085】
スピンドル14は、フランジ部14Aと、スピンドルシャフト部14Bと、突出部14Cとを有する。スピンドルシャフト部14Bは、フランジ部14Aから前方に突出する。突出部14Cは、フランジ部14Aから後方に突出する。
【0086】
プラネタリギヤ55Pは、ピン55Aを介してフランジ部14A及び突出部14Cのそれぞれに回転可能に支持される。スピンドル14は、スピンドル軸受58に回転可能に支持される。スピンドル軸受58は、突出部14Cを回転可能に支持する。スピンドル軸受58は、ギヤケース5に保持される。
【0087】
打撃機構15Aは、出力回転軸AXを中心とする回転方向にアンビル16Aを打撃する。打撃機構15Aは、モータ10Aの前方側に配置される。打撃機構15Aは、モータ10Aにより回転される。打撃機構15Aは、出力回転軸AXを中心に回転可能である。モータ10Aの回転力は、減速機構13A及びスピンドル14を介して打撃機構15Aに伝達される。打撃機構15Aは、モータ10Aにより回転するスピンドル14の回転力に基づいて、アンビル16Aを回転方向に打撃する。
【0088】
打撃機構15Aは、ハンマケース6の第1筒部61に収容される。打撃機構15Aは、ハンマ71と、ボール72と、第1コイルスプリング73と、第2コイルスプリング74と、第3コイルスプリング75と、第1ワッシャ76と、第2ワッシャ77とを有する。
【0089】
ハンマ71は、減速機構13Aの前方側に配置される。ハンマ71は、スピンドルシャフト部14Bの周囲に配置される。ハンマ71は、スピンドルシャフト部14Bに保持される。ハンマ71は、モータ10Aにより回転される。ボール72は、スピンドルシャフト部14Bとハンマ71との間に配置される。ハンマ71は、筒状のハンマボディ71Aと、ハンマボディ71Aの前部に設けられるハンマ突起部71Bとを有する。ハンマボディ71Aの後面に環状の凹部71Cが設けられる。凹部71Cは、ハンマボディ71Aの後面から前方に窪む。
【0090】
ハンマ71は、モータ10Aにより回転される。モータ10Aの回転力は、減速機構13A及びスピンドル14を介してハンマ71に伝達される。ハンマ71は、モータ10Aにより回転するスピンドル14の回転力に基づいて、スピンドル14と一緒に回転可能である。ハンマ71及びスピンドル14のそれぞれは、出力回転軸AXを中心に回転する。
【0091】
第1ワッシャ76は、凹部71Cの内側に配置される。第1ワッシャ76は、複数のボール78を介してハンマ71に支持される。ボール78は、第1ワッシャ76の前方側に配置される。
【0092】
第2ワッシャ77は、凹部71Cの内側において第1ワッシャ76の後方側に配置される。第2ワッシャ77の外径は、第1ワッシャ76の外径よりも小さい。第2ワッシャ77とハンマ71とは前後方向に相対移動可能である。
【0093】
第1コイルスプリング73は、スピンドルシャフト部14Bの周囲に配置される。第1コイルスプリング73の後端部は、フランジ部14Aに支持される。第1コイルスプリング73の前端部は、凹部71Cの内側に配置され、第1ワッシャ76に支持される。第1コイルスプリング73は、ハンマ71を前方に移動させる弾性力を常時発生する。
【0094】
第2コイルスプリング74は、スピンドルシャフト部14Bの周囲に配置される。第2コイルスプリング74は、第1コイルスプリング73の径方向内側に配置される。第2コイルスプリング74の後端部は、フランジ部14Aに支持される。第2コイルスプリング74の前端部は、凹部71Cの内側に配置され、第2ワッシャ77に支持される。第2コイルスプリング74は、ハンマ71が後方に移動したときにハンマ71を前方に移動させる弾性力を発生する。
【0095】
第3コイルスプリング75は、スピンドルシャフト部14Bの周囲に配置される。第3コイルスプリング75は、第1コイルスプリング73の径方向内側に配置される。第3コイルスプリング75は、凹部71Cの内側に配置される。第3コイルスプリング75の後端部は、第2ワッシャ77に支持される。第3コイルスプリング75の前端部は、第1ワッシャ76に支持される。第3コイルスプリング75は、第2コイルスプリング74を後方に移動させる弾性力を発生する。第3コイルスプリング75の弾性力により、第2コイルスプリング74の後端部がフランジ部14Aに押し付けられる。これにより、フランジ部14Aに対して第2コイルスプリング74が遊動することが抑制される。
【0096】
ボール72は、鉄鋼のような金属製である。ボール72は、スピンドルシャフト部14Bとハンマ71との間に配置される。スピンドル14は、ボール72の少なくとも一部が配置されるスピンドル溝を有する。スピンドル溝は、スピンドルシャフト部14Bの外面の一部に設けられる。ハンマ71は、ボール72の少なくとも一部が配置されるハンマ溝を有する。ハンマ溝は、ハンマ71の内面の一部に設けられる。ボール72は、スピンドル溝とハンマ溝との間に配置される。ボール72は、スピンドル溝の内側及びハンマ溝の内側のそれぞれを転がることができる。ハンマ71は、ボール72に伴って移動可能である。スピンドル14とハンマ71とは、スピンドル溝及びハンマ溝により規定される可動範囲において、出力回転軸AXに平行な方向及び出力回転軸AXを中心とする回転方向のそれぞれに相対移動することができる。
【0097】
アンビル16Aは、前後方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転する。アンビル16Aは、モータ10Aの回転力に基づいて回転するインパクトレンチ1Aの出力部である。アンビル16Aの少なくとも一部は、ハンマ71の前方側に配置される。アンビル16Aは、打撃機構15Aのハンマ71により回転方向に打撃される。スピンドルシャフト部14Bの前端部は、アンビル16Aの後端部に設けられたアンビル凹部に配置される。
【0098】
アンビル16Aは、アンビルシャフト部161と、アンビル突起部162とを有する。アンビルシャフト部161は、打撃機構15Aの前方側に配置される。アンビル突起部162は、アンビルシャフト部161の後端部からアンビルシャフト部161の径方向外側に突出する。アンビル突起部162は、打撃機構15Aにより出力回転軸AXを中心とする回転方向に打撃される。
【0099】
アンビルシャフト部161の前端部は、第2筒部62の前部の開口を介してハンマケース6の前方側に配置される。アンビルシャフト部161の前端部に先端工具としてソケットが装着される。
【0100】
アンビル16Aは、アンビル軸受79に回転可能に支持される。アンビル軸受79は、アンビルシャフト部161の周囲に配置される。アンビル16Aは、出力回転軸AXを中心に回転可能である。アンビル軸受79は、ハンマケース6に保持される。アンビル軸受79は、ハンマケース6の第2筒部62の内側に配置される。アンビル軸受79は、ハンマケース6の第2筒部62に保持される。
【0101】
本実施形態において、アンビル軸受79は、滑り軸受である。アンビル軸受79は、筒状である。本実施形態において、アンビル軸受79としてスリーブが使用される。なお、例えば粉末冶金法により製造された筒状の多孔質金属体に潤滑油を含浸させることにより滑り軸受が形成されてもよい。
【0102】
出力回転軸AXに直交する断面において、アンビルシャフト部161の外周面の形状は、円形状である。出力回転軸AXに直交する断面において、アンビル軸受79の内周面の形状は、円形状である。
【0103】
アンビルシャフト部161の前端部は、第2筒部62の前端部の開口を介して第2筒部62よりも前方に配置される。アンビルシャフト部161の少なくとも一部は、第2筒部62の前端部の開口の内側に配置される。
【0104】
トリガスイッチ17Aは、モータ10Aを駆動するために作業者に操作される。モータ10Aの駆動とは、ステータ47のコイルが通電されてロータ48が回転することをいう。トリガスイッチ17Aは、後グリップ部23Aの上部に設けられる。トリガスイッチ17Aは、後グリップ部23Aの前部の上部から前方に突出する。トリガスイッチ17Aは、後方に移動するように作業者に操作される。トリガスイッチ17Aが後方に移動するように操作されることにより、モータ10Aが駆動する。トリガスイッチ17Aの操作が解除されることにより、モータ10Aの駆動が停止する。
【0105】
ライトアセンブリ18は、照明光を射出する。ライトアセンブリ18は、アンビル16A及びアンビル16Aの周辺を照明光で照明する。ライトアセンブリ18は、アンビル16Aの前方を照明光で照明する。また、ライトアセンブリ18は、アンビル16Aに装着されたソケット及びソケットの周辺を照明光で照明する。ライトアセンブリ18は、ハンマケース6の第2筒部62の周囲に配置される。
【0106】
<インパクトレンチの動作>
次に、インパクトレンチ1Aの動作について説明する。例えば、作業対象の締結作業を実施するとき、締結作業に使用されるソケットが、アンビル16Aの前端部に装着される。ソケットがアンビル16Aに装着された後、作業者は、サイドハンドル7を左手で握り、グリップ部23を右手で握って、トリガスイッチ17Aが後方側に移動するようにトリガスイッチ17Aを右手の人差し指及び中指で操作する。トリガスイッチ17Aが後方側に移動するように操作されると、第1バッテリパック33A及び第2バッテリパック34Aからモータ10Aに電力が供給され、モータ10Aが駆動し、ライトアセンブリ18が点灯する。モータ10Aの駆動により、ロータ48及びロータシャフト49が回転する。ロータシャフト49が回転すると、ロータシャフト49の回転力が第1ベベルギヤ53、第2ベベルギヤ54、及びサンギヤ55Sを介してプラネタリギヤ55Pに伝達される。プラネタリギヤ55Pは、インターナルギヤ55Iの内歯に噛み合った状態で、自転しながらサンギヤ55Sの周囲を公転する。プラネタリギヤ55Pは、ピン55Aを介してスピンドル14に回転可能に支持される。プラネタリギヤ55Pの公転により、スピンドル14は、ロータシャフト49の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
【0107】
ハンマ突起部71Bとアンビル突起部162とが接触している状態で、スピンドル14が回転すると、アンビル16Aは、ハンマ71及びスピンドル14と一緒に回転する。アンビル16Aが回転することにより、締結作業が進行する。
【0108】
締結作業の進行により、アンビル16Aに所定値以上の負荷が作用した場合、アンビル16A及びハンマ71の回転が停止する。ハンマ71の回転が停止している状態で、スピンドル14が回転すると、ハンマ71は、後方に移動する。ハンマ71が後方に移動することにより、ハンマ突起部71Bとアンビル突起部162との接触が解除される。後方に移動したハンマ71は、第1コイルスプリング73及び第2コイルスプリング74の弾性力により、回転しながら前方に移動する。ハンマ71が回転しながら前方に移動することにより、アンビル16Aは、ハンマ71により回転方向に打撃される。これにより、アンビル16Aは、高いトルクで出力回転軸AXを中心に回転する。そのため、ボルト又はナットは高いトルクで締め付けられる。
【0109】
<バッテリ装着部及びバッテリパック>
上述のように、インパクトレンチ1Aは、第1バッテリパック33Aが装着される第1バッテリ装着部31Aと、第2バッテリパック34Aが装着される第2バッテリ装着部32Aとを備える。前後方向(X軸方向)において、第2バッテリ装着部32Aは、第1バッテリ装着部31Aとは異なる位置に配置される。本実施形態において、第2バッテリ装着部32Aは、第1バッテリ装着部31Aよりも前方側に配置される。
【0110】
本実施形態において、第1バッテリ装着部31Aは、第1バッテリ接続ハウジング3に配置される。第2バッテリ装着部32Aは、第2バッテリ接続ハウジング22Aの前部に配置される。
【0111】
第1バッテリパック33Aは、第1バッテリ装着部31Aに対して、後方側(-X側)から前方側(+X側)にスライドすることにより、第1バッテリ装着部31Aに装着される。第2バッテリパック34Aは、第2バッテリ装着部32Aに対して、右方側(-Y側)から左方側(+Y側)にスライドすることにより、第2バッテリ装着部32Aに装着される。
【0112】
図3に示すように、本体ハウジング2Aの右方側の端部は、第1バッテリパック33Aの右方側の端部及び第2バッテリパック34Aの右方側の端部よりも右方側に配置される。本体ハウジング2Aの左方側の端部は、第1バッテリパック33Aの左方側の端部及び第2バッテリパック34Aの左方側の端部よりも左方側に配置される。すなわち、第1バッテリパック33Aは、本体ハウジング2Aの右端部よりも右方側に突出しない。第1バッテリパック33Aは、本体ハウジング2Aの左端部よりも左方側に突出しない。第2バッテリパック34Aは、本体ハウジング2Aの右端部よりも右方側に突出しない。第2バッテリパック34Aは、本体ハウジング2Aの左端部よりも左方側に突出しない。
【0113】
第1バッテリパック33Aの定格電圧と第2バッテリパック34Aの定格電圧とは、等しい。第1バッテリパック33Aの定格電圧及び第2バッテリパック34Aの定格電圧のそれぞれは、18Vでもよいし、36Vでもよい。本実施形態において、第1バッテリパック33Aの定格電圧及び第2バッテリパック34Aの定格電圧のそれぞれは、18Vであり、最大20V(20Vmax)である。モータへの供給電圧は、バッテリパックを直列につなぐことによって、36V(40Vmax)になっている。なお、バッテリパックの定格電圧が36Vの場合においては並列につなぐので、最大40V(40Vmax)である。
【0114】
第1バッテリパック33Aの外形及び寸法と第2バッテリパック34Aの外形及び寸法とは、同じである。
【0115】
すなわち、第1バッテリパック33Aと第2バッテリパック34Aとは、同じ種類である。但し、容量(アンペアアウア,Ah)が違っていても、モータを動作可能である。例えば、第1バッテリパック33Aが18Vの5Ahのバッテリであって、第2バッテリパック34Aが18Vの2Ahのバッテリであっても、インパクトレンチは動作可能である。
【0116】
第1バッテリ装着部31Aの第2本体側端子の構造及び大きさと第2バッテリ装着部32Aの第2本体側端子の構造及び大きさとは、同じである。
【0117】
本実施形態において、アンビル16Aの最大締付トルクは、3000Nmよりも小さい。範囲としては、2000Nm以上3000Nm以下である。なお、3000Nm以上4000Nm以下としても差し支えない。
【0118】
<効果>
以上説明したように、本実施形態において、インパクトレンチ1Aは、ブラシレスモータであるモータ10Aと、モータ10Aにより回転される打撃機構15Aと、打撃機構15Aにより打撃され、X軸に平行な方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転するアンビル16Aと、第1バッテリパック33Aが装着される第1バッテリ装着部31Aと、X軸に平行な方向において第1バッテリ装着部31Aとは異なる位置に配置され、第2バッテリパック34Aが装着される第2バッテリ装着部32Aと、を備える。
【0119】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0120】
本実施形態において、第1バッテリパック33Aは、第1バッテリ装着部31Aに対して、X軸に平行な方向において-X側から+X側にスライドすることにより第1バッテリ装着部31Aに装着される。第2バッテリパック34Aは、第2バッテリ装着部32Aに対して、X軸に直交するY軸に平行な方向において-Y側から+Y側にスライドすることにより第2バッテリ装着部32Aに装着される。
【0121】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0122】
本実施形態において、インパクトレンチ1Aは、モータ10Aを収容する本体ハウジング2Aを備える。Y軸に平行な方向において、本体ハウジング2Aの-Y側の端部は、第1バッテリパック33Aの-Y側の端部及び第2バッテリパック34Aの-Y側の端部よりも-Y側に配置される。本体ハウジング2Aの+Y側の端部は、第1バッテリパック33Aの+Y側の端部及び第2バッテリパック34Aの+Y側の端部よりも+Y側に配置される。
【0123】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0124】
本実施形態において、インパクトレンチ1Aは、ブラシレスモータであるモータ10Aと、モータ10Aにより回転される打撃機構15Aと、打撃機構15Aにより打撃され、X軸に平行な方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転するアンビル16Aと、第1バッテリパック33Aが装着される第1バッテリ装着部31Aと、第2バッテリパック34Aが装着される第2バッテリ装着部32Aと、モータ10Aを収容する本体ハウジング2Aと、を備える。X軸に直交するY軸に平行な方向において、本体ハウジング2Aの-Y側の端部は、第1バッテリパック33Aの-Y側の端部及び第2バッテリパック34Aの-Y側の端部よりも-Y側に配置される。本体ハウジング2Aの+Y側の端部は、第1バッテリパック33Aの+Y側の端部及び第2バッテリパック34Aの+Y側の端部よりも+Y側に配置される。
【0125】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0126】
本実施形態において、吊下げリング9は、前後方向において、第1バッテリパック33Aと第2バッテリパック34Aとの間に配置される。このため、2つのバッテリパック(33A,34A)により駆動されるインパクトレンチ1Aを吊下げリング9で吊下げ対象に吊下げる際に、バランスが改善される。この様なバランスの改善は、インパクトレンチに限らず、電動工具全般でいえる利点である。
【0127】
本実施形態において、モータ10Aは、前後方向において、第1バッテリパック33Aと第2バッテリパック34Aとの間に配置される。本実施形態において、第1バッテリパック33Aが装着される第1バッテリ装着部31Aは、モータ10Aよりも後方側に配置され、第2バッテリパック34Aが装着される第2バッテリ装着部32Aは、モータ10Aよりも前方側に配置される。重量物であるモータ10Aと2つのバッテリパック(33A,34A)とが前後方向にに並ぶように配置されているので、バランスが改善される。この様なバランスの改善は、インパクトレンチに限らず、電動工具全般でいえる利点である。
【0128】
なお、本実施形態に係る構成要素は、インパクトレンチに限られず、他の電動工具にも適用可能である。例えば、ハンマドリル、レシプロソー、マルノコ、バンドソーにおいて、本実施形態に係る構成要素を使用することができる。また、本実施形態に係る構成要素は、園芸工具(OPE製品)にも適用可能である。例えば、ヘッジトリマ、チェンソー、ブロワにおいて、本実施形態に係る構成要素を使用することができる。以下で説明する実施形態に係る構成要素についても同様である。
【0129】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0130】
<インパクトレンチ>
図4は、第2実施形態に係るインパクトレンチ1Bを示す斜視図である。本実施形態に係るインパクトレンチ1Bは、上述の第1実施形態に係るインパクトレンチ1Aの変形例である。
【0131】
インパクトレンチ1Bは、本体ハウジング2Bと、ギヤケース5と、ハンマケース6と、サイドハンドル7と、バンパ8と、第1バッテリ装着部31Bと、第2バッテリ装着部32Bと、アンビル16Bと、トリガスイッチ17Bとを備える。
【0132】
本体ハウジング2Bは、モータ10Aを収容する本体部21と、本体部21から下方に突出するバッテリ接続ハウジング22Bと、グリップ部23と、コントローラ収容部24とを有する。
【0133】
アンビル16Bは、X軸方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転する。
【0134】
第1バッテリ装着部31Bに、第1バッテリパック33Bが装着される。第1バッテリパック33Bは、第1バッテリ装着部31Bに着脱される。第1バッテリ装着部31Bは、バッテリ接続ハウジング22Bの前部に設けられる。
【0135】
第2バッテリ装着部32Bに、第2バッテリパック34Bが装着される。第2バッテリパック34Bは、第2バッテリ装着部32Bに着脱される。第2バッテリ装着部32Bは、バッテリ接続ハウジング22Bの前部に設けられる。
【0136】
本実施形態において、第2バッテリ装着部32Bは、第1バッテリ装着部31Bの隣に配置される。
【0137】
X軸方向において、第1バッテリ装着部31Bと第2バッテリ装着部32Bとは、実質的に同じ位置に配置される。Y軸方向において、第1バッテリ装着部31Bと第2バッテリ装着部32Bとは、実質的に同じ位置に配置される。Z軸方向において、第1バッテリ装着部31Bと第2バッテリ装着部32Bとは、異なる位置に配置される。本実施形態において、第1バッテリ装着部31Bは、第2バッテリ装着部32Bよりも上方側(+Z側)に配置される。第2バッテリ装着部32Bは、Z軸方向において第1バッテリ装着部31Bの隣に配置される。
【0138】
第1バッテリパック33Bは、第1バッテリ装着部31Bに対して、右方側(-Y側)から左方側(+Y側)にスライドすることにより、第1バッテリ装着部31Bに装着される。第2バッテリパック34Bは、第2バッテリ装着部32Bに対して、右方側(-Y側)から左方側(+Y側)にスライドすることにより、第2バッテリ装着部32Bに装着される。
【0139】
本体ハウジング2Bの右方側の端部は、第1バッテリパック33Bの右方側の端部及び第2バッテリパック34Bの右方側の端部よりも右方側に配置される。本体ハウジング2Bの左方側の端部は、第1バッテリパック33Bの左方側の端部及び第2バッテリパック34Bの左方側の端部よりも左方側に配置される。すなわち、第1バッテリパック33Bは、本体ハウジング2Bの右端部よりも右方側に突出しない。第1バッテリパック33Bは、本体ハウジング2Bの左端部よりも左方側に突出しない。第2バッテリパック34Bは、本体ハウジング2Bの右端部よりも右方側に突出しない。第2バッテリパック34Bは、本体ハウジング2Bの左端部よりも左方側に突出しない。
【0140】
第1バッテリパック33Bの定格電圧と第2バッテリパック34Bの定格電圧とは、等しい。第1バッテリパック33Bの定格電圧及び第2バッテリパック34Bの定格電圧のそれぞれは、18Vでもよいし、36Vでもよい。本実施形態において、第1バッテリパック33Bの定格電圧及び第2バッテリパック34Bの定格電圧のそれぞれは、36Vであり、最大40Vである。
【0141】
第1バッテリパック33Bの外形及び寸法と第2バッテリパック34Bの外形及び寸法とは、同じである。
【0142】
すなわち、第1バッテリパック33Bと第2バッテリパック34Bとは、同じ種類である。
【0143】
第1バッテリ装着部31Bの本体側端子の構造及び大きさと第2バッテリ装着部32Bの本体側端子の構造及び大きさとは、同じである。
【0144】
本実施形態において、アンビル16Bの最大締付トルクは、3000Nmよりも小さい。
【0145】
<効果>
以上説明したように、実施形態において、インパクトレンチ1Bは、ブラシレスモータであるモータ10Aと、モータ10Aにより回転される打撃機構15Aと、打撃機構15Aにより打撃され、X軸に平行な方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転するアンビル16Bと、第1バッテリパック33Bが装着される第1バッテリ装着部31Bと、第1バッテリ装着部31Bの隣に配置され、第2バッテリパック34Bが装着される第2バッテリ装着部32Bと、を備える。第1バッテリパック33Bは、第1バッテリ装着部31Aに対して、X軸に直交するY軸に平行な方向において-Y側から-Y側にスライドすることにより第1バッテリ装着部31Bに装着される。第2バッテリパック34Bは、第2バッテリ装着部32Bに対して、Y軸に平行な方向において-Y側から-Y側にスライドすることにより第2バッテリ装着部32Bに装着される。
【0146】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0147】
実施形態において、インパクトレンチ1Bは、モータ10Aを収容する本体ハウジング2Bを備える。Y軸に平行な方向において、本体ハウジング2Bの-Y側の端部は、第1バッテリパック33Bの-Y側の端部及び第2バッテリパック34Bの-Y側の端部よりも-Y側に配置される。本体ハウジング2Bの+Y側の端部は、第1バッテリパック33Bの+Y側の端部及び第2バッテリパック34Bの+Y側の端部よりも+Y側に配置される。
【0148】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0149】
実施形態において、インパクトレンチ1Bは、ブラシレスモータであるモータ10Aと、モータ10Aにより回転される打撃機構15Aと、打撃機構15Aにより打撃され、X軸に平行な方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転するアンビル16Bと、第1バッテリパック33Bが装着される第1バッテリ装着部31Bと、第2バッテリパック34Bが装着される第2バッテリ装着部32Bと、モータ10Aを収容する本体ハウジング2Bと、を備える。X軸に直交するY軸に平行な方向において、本体ハウジング2Bの-Y側の端部は、第1バッテリパック33Bの-Y側の端部及び第2バッテリパック34Bの-Y側の端部よりも-Y側に配置される。本体ハウジング2Bの+Y側の端部は、第1バッテリパック33Bの+Y側の端部及び第2バッテリパック34Bの+Y側の端部よりも+Y側に配置される。
【0150】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0151】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0152】
<インパクトレンチ>
図5は、第3実施形態に係るインパクトレンチ1Cを示す側面図である。本実施形態に係るインパクトレンチ1Cは、上述の第1実施形態に係るインパクトレンチ1Aの変形例である。
【0153】
インパクトレンチ1Cは、本体ハウジング2Cと、バッテリ接続ハウジング3Cと、ギヤケース5と、ハンマケース6と、サイドハンドル7と、バンパ8と、第1バッテリ装着部31Cと、第2バッテリ装着部32Cと、アンビル16Cと、トリガスイッチ17Cとを備える。
【0154】
本体ハウジング2Cは、モータ10Aを収容する本体部21と、本体部21から下方側に突出する突出部22Cと、グリップ部23と、コントローラ収容部24とを有する。
【0155】
アンビル16Cは、X軸方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転する。
【0156】
第1バッテリ装着部31Cに、第1バッテリパック33Cが装着される。第1バッテリパック33Cは、第1バッテリ装着部31Cに着脱される。第1バッテリ装着部31Cは、バッテリ接続ハウジング3Cに設けられる。
【0157】
第2バッテリ装着部32Cに、第2バッテリパック34Cが装着される。第2バッテリパック34Cは、第2バッテリ装着部32Cに着脱される。第2バッテリ装着部32Cは、バッテリ接続ハウジング3Cに設けられる。
【0158】
本実施形態において、第2バッテリ装着部32Cは、第1バッテリ装着部31Cの隣に配置される。
【0159】
X軸方向において、第1バッテリ装着部31Cと第2バッテリ装着部32Cとは、異なる位置に配置される。本実施形態において、第1バッテリ装着部31Cは、第2バッテリ装着部32Cよりも後方側(-X側)に配置される。第2バッテリ装着部32Cは、X軸方向において第1バッテリ装着部31Cの隣に配置される。Y軸方向において、第1バッテリ装着部31Cと第2バッテリ装着部32Cとは、実質的に同じ位置に配置される。Z軸方向において、第1バッテリ装着部31Cと第2バッテリ装着部32Cとは、実質的に同じ位置に配置される。
【0160】
第1バッテリパック33Cは、第1バッテリ装着部31Cに対して、右方側(-Y側)から左方側(+Y側)にスライドすることにより、第1バッテリ装着部31Cに装着される。第2バッテリパック34Cは、第2バッテリ装着部32Cに対して、右方側(-Y側)から左方側(+Y側)にスライドすることにより、第2バッテリ装着部32Cに装着される。
【0161】
本体ハウジング2Cの右方側の端部は、第1バッテリパック33Cの右方側の端部及び第2バッテリパック34Cの右方側の端部よりも右方側に配置される。本体ハウジング2Cの左方側の端部は、第1バッテリパック33Cの左方側の端部及び第2バッテリパック34Cの左方側の端部よりも左方側に配置される。すなわち、第1バッテリパック33Cは、本体ハウジング2Cの右端部よりも右方側に突出しない。第1バッテリパック33Cは、本体ハウジング2Cの左端部よりも左方側に突出しない。第2バッテリパック34Cは、本体ハウジング2Cの右端部よりも右方側に突出しない。第2バッテリパック34Cは、本体ハウジング2Cの左端部よりも左方側に突出しない。
【0162】
第1バッテリパック33Cの定格電圧と第2バッテリパック34Cの定格電圧とは、等しい。第1バッテリパック33Cの定格電圧及び第2バッテリパック34Cの定格電圧のそれぞれは、18Vでもよいし、36Vでもよい。本実施形態において、第1バッテリパック33Cの定格電圧及び第2バッテリパック34Cの定格電圧のそれぞれは、36Vであり、最大40V(40Vmax)である。モータへの供給電圧は、72V(80Vmax)でもよく、36V(40Vmax)のままでもよい。なお、18Vの場合においては、最大20V(20Vmax)である。
【0163】
第1バッテリパック33Cの外形及び寸法と第2バッテリパック34Cの外形及び寸法とは、同じである。
【0164】
すなわち、第1バッテリパック33Cと第2バッテリパック34Cとは、同じ種類である。
【0165】
第1バッテリ装着部31Cのターミナルの構造及び大きさと第2バッテリ装着部32Cのターミナルの構造及び大きさとは、同じである。
【0166】
本実施形態において、アンビル16Cの最大締付トルクは、3000Nmよりも小さい。範囲としては、2000Nm以上3000Nm以下である。なお、3000Nm以上4000Nm以下としても差し支えない。
【0167】
本実施形態に係るインパクトレンチ1A、1B,1Cの諸元は、以下の通りである。
【0168】
・バッテリパックの定格電圧の合計:36V(40Vmax)以上
・ステータコアの外径:80mm以上(140mmが最大径)
・アンビルの最大締付トルク:約3000Nm(2000Nm以上3000Nm以下、3000Nm以上4000Nm以下でもよい)
・打撃機構の打撃数:900rpm(700rpm以上1500rpm以下でもよい)
・アンビルの無負荷回転数:685rpm(500rpm以上1000rpm以下でもよい)
・減速機構の減速比:1/33.7(1/25~1/40の間であればよい)
・ハンマの重量:1.3kg(1kg以上1.5kg以下でもよい)
・アンビルのソケット装着部の1辺の長さ:1インチ(0.5インチ以上1.5インチ以下でもよい)
・バッテリパック非装着時のインパクトレンチの外形寸法:Z軸方向:197mm、Y軸方向:130mm、X軸方向:456mm(Z軸方向180mm以上210mm以下、Y軸方向:110mm以上140mm以下、X軸方向:400mm以上500mm以下であればよい)
・バッテリパック非装着時のインパクトレンチの重量:10kg(7kg以上13kg以下でもよい)
【0169】
<効果>
以上説明したように、実施形態において、インパクトレンチ1Cは、ブラシレスモータであるモータ10Aと、モータ10Aにより回転される打撃機構15Aと、打撃機構15Aにより打撃され、X軸に平行な方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転するアンビル16Cと、第1バッテリパック33Cが装着される第1バッテリ装着部31Cと、X軸に平行な方向において第1バッテリ装着部31Cとは異なる位置に配置され、第2バッテリパック34Cが装着される第2バッテリ装着部32Cと、を備える。
【0170】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0171】
実施形態において、インパクトレンチ1Cは、モータ10Aを収容する本体ハウジング2Cを備える。Y軸に平行な方向において、本体ハウジング2Cの-Y側の端部は、第1バッテリパック33Cの-Y側の端部及び第2バッテリパック34Cの-Y側の端部よりも-Y側に配置される。本体ハウジング2Cの+Y側の端部は、第1バッテリパック33Cの+Y側の端部及び第2バッテリパック34Cの+Y側の端部よりも+Y側に配置される。
【0172】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0173】
実施形態において、第1バッテリパック33Cは、第1バッテリ装着部31Cに対して、X軸に直交するY軸に平行な方向において-Y側から+Y側にスライドすることにより第1バッテリ装着部31Cに装着される。第2バッテリパック34Cは、第2バッテリ装着部32Cに対して、Y軸に平行な方向において-Y側から+Y側にスライドすることにより第2バッテリ装着部32Cに装着される。
【0174】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0175】
実施形態において、インパクトレンチ1Cは、ブラシレスモータであるモータ10Aと、モータ10Aにより回転される打撃機構15Aと、打撃機構15Aにより打撃され、X軸に平行な方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転するアンビル16Cと、第1バッテリパック33Cが装着される第1バッテリ装着部31Cと、第1バッテリ装着部31Cの隣に配置され、第2バッテリパック34Cが装着される第2バッテリ装着部32Cと、を備える。第1バッテリパック33Cは、第1バッテリ装着部31Cに対して、X軸に直交するY軸に平行な方向において-Y側から+Y側にスライドすることにより第1バッテリ装着部31Cに装着される。第2バッテリパック34Cは、第2バッテリ装着部32Cに対して、Y軸に平行な方向において-Y側から+Y側にスライドすることにより第2バッテリ装着部32Cに装着される。
【0176】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0177】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0178】
<インパクトレンチ>
図6は、第4実施形態に係るインパクトレンチ1Dを示す側面図である。
【0179】
インパクトレンチ1Dは、本体ハウジング2Dと、ギヤケース5Dと、ハンドル7Dと、コントローラ11Dと、モータ10Dと、減速機構13Dと、打撃機構15Dと、アンビル16Dと、トリガスイッチ17Dと、第1バッテリ装着部31Dと、第2バッテリ装着部32Dと、を備える。
【0180】
本体ハウジング2Dは、モータ10Dを収容する本体部21Dと、本体部21Dの後部に設けられるグリップ部23Dとを有する。トリガスイッチ17Dは、グリップ部23Dに設けられる。
【0181】
本実施形態において、モータ10Dのモータ回転軸は、前後方向(X軸方向)に延びる。モータ10Dのロータは、前後方向に延びるモータ回転軸を中心に回転する。出力回転軸AXも、前後方向に延びる。モータ回転軸と出力回転軸AXとは、一致する。
【0182】
コントローラ11Dは、モータ10Dよりも後方側に配置される。減速機構13Dは、モータ10Dよりも前方側に配置される。打撃機構15Dは、減速機構13Dよりも前方側に配置される。アンビル16Dは、打撃機構15Dにより回転方向に打撃される。アンビル16Dは、X軸方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転する。
【0183】
ハンドル7Dは、ギヤケース5D又は本体部21Dから上方側に突出する。
【0184】
第1バッテリ装着部31Dは、本体ハウジング2Dの上部に設けられる。第1バッテリ装着部31Dに、第1バッテリパック33Dが装着される。第1バッテリパック33Dは、第1バッテリ装着部31Dに着脱される。
【0185】
第2バッテリ装着部32Dは、本体ハウジング2Dの下部に設けられる。第2バッテリ装着部32Dに、第2バッテリパック34Dが装着される。第2バッテリパック34Dは、第2バッテリ装着部32Dに着脱される。
【0186】
X軸方向において、第1バッテリ装着部31Dと第2バッテリ装着部32Dとは、実質的に同じ位置に配置される。Y軸方向において、第1バッテリ装着部31Dと第2バッテリ装着部32Dとは、実質的に同じ位置に配置される。Z軸方向において、第1バッテリ装着部31Dと第2バッテリ装着部32Dとは、異なる位置に配置される。本実施形態において、第1バッテリ装着部31Dは、第2バッテリ装着部32Dよりも上方側(+Z側)に配置される。
【0187】
第1バッテリパック33Dは、第1バッテリ装着部31Dに対して、前方側(+X側)から後方側(-X側)にスライドすることにより、第1バッテリ装着部31Dに装着される。第2バッテリパック34Dは、第2バッテリ装着部32Dに対して、前方側(+X側)から後方側(-X側)にスライドすることにより、第2バッテリ装着部32Dに装着される。
【0188】
なお、第1バッテリパック33Dは、第1バッテリ装着部31Dに対して、後方側から前方側にスライドすることにより、第1バッテリ装着部31Dに装着されてもよい。第2バッテリパック34Dは、第2バッテリ装着部32Dに対して、後方側から前方側にスライドすることにより、第2バッテリ装着部32Dに装着されてもよい。
【0189】
本体ハウジング2Dの右方側の端部は、第1バッテリパック33Dの右方側の端部及び第2バッテリパック34Dの右方側の端部よりも右方側に配置される。本体ハウジング2Dの左方側の端部は、第1バッテリパック33Dの左方側の端部及び第2バッテリパック34Dの左方側の端部よりも左方側に配置される。すなわち、第1バッテリパック33Dは、本体ハウジング2Dの右端部よりも右方側に突出しない。第1バッテリパック33Dは、本体ハウジング2Dの左端部よりも左方側に突出しない。第2バッテリパック34Dは、本体ハウジング2Dの右端部よりも右方側に突出しない。第2バッテリパック34Dは、本体ハウジング2Dの左端部よりも左方側に突出しない。
【0190】
第1バッテリパック33Dの定格電圧と第2バッテリパック34Dの定格電圧とは、等しい。第1バッテリパック33Dの定格電圧及び第2バッテリパック34Dの定格電圧のそれぞれは、18Vでもよいし、36Vでもよい。本実施形態において、第1バッテリパック33Dの定格電圧及び第2バッテリパック34Dの定格電圧のそれぞれは、18Vであり、最大20V(20Vmax)である。第1バッテリパック33Dと第2バッテリパック34Dとを直列につなぐので、モータへの供給電圧は、36V(40Vmax)である。
【0191】
第1バッテリパック33Dの外形及び寸法と第2バッテリパック34Dの外形及び寸法とは、同じである。
【0192】
すなわち、第1バッテリパック33Dと第2バッテリパック34Dとは、同じ種類である。
【0193】
第1バッテリ装着部31Dのターミナルの構造及び大きさと第2バッテリ装着部32Dのターミナルの構造及び大きさとは、同じである。
【0194】
本実施形態において、アンビル16Dの最大締付トルクは、3000Nmよりも小さい。なお、アンビル16Dの最大締付トルクは、2000Nm以上4000Nm以下でもよい。
【0195】
本実施形態に係るインパクトレンチ1Dの諸元は、以下の通りである。
【0196】
・バッテリパックの定格電圧の合計:約36V(40Vmax)以上
・ステータコアの外径:80mm以上(140mmが最大径)
・アンビルの最大締付トルク:約3000Nm(2000Nm以上3000Nm以下、3000Nm以上4000Nm以下でもよい)
・打撃機構の打撃数:900rpm(700rpm以上1500rpm以下でもよい)
・アンビルの無負荷回転数:685rpm(500rpm以上1000rpm以下でもよい)
・減速機構の減速比:1/33.7(1/25~1/40の間であればよい)
・ハンマの重量:1.3kg(1kg以上1.5kg以下でもよい)
・アンビルのソケット装着部の1辺の長さ:1インチ(0.5インチ以上1.5インチ以下でもよい)
・バッテリパック非装着時のインパクトレンチの外形寸法:Z軸方向:197mm、Y軸方向:130mm、X軸方向:456mm(Z軸方向180mm以上210mm以下、Y軸方向:110mm以上140mm以下、X軸方向:400mm以上500mm以下であればよい)
・バッテリパック非装着時のインパクトレンチの重量:10kg(7kg以上13kg以下でもよい)
【0197】
<効果>
以上説明したように、実施形態において、インパクトレンチ1Dは、ブラシレスモータであるモータ10Dと、モータ10Dにより回転される打撃機構15Dと、打撃機構15Dにより打撃され、X軸に平行な方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転するアンビル16Dと、第1バッテリパック33Dが装着される第1バッテリ装着部31Dと、第2バッテリパック34Dが装着される第2バッテリ装着部32Dと、モータ10Dを収容する本体ハウジング2Dと、を備える。X軸に直交するY軸に平行な方向において、本体ハウジング2Dの-Y側の端部は、第1バッテリパック33Dの-Y側の端部及び第2バッテリパック34Dの-Y側の端部よりも-Y側に配置される。本体ハウジング2Dの+Y側の端部は、第1バッテリパック33Dの+Y側の端部及び第2バッテリパック34Dの+Y側の端部よりも+Y側に配置される。
【0198】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0199】
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0200】
<インパクトレンチ>
図7は、第5実施形態に係るインパクトレンチ1Eを示す側面図である。本実施形態に係るインパクトレンチ1Eは、上述の第4実施形態に係るインパクトレンチ1Dの変形例である。
【0201】
インパクトレンチ1Eは、本体ハウジング2Eと、ギヤケース5Eと、ハンドル7Eと、コントローラ11Eと、モータ10Eと、減速機構13Eと、打撃機構15Eと、アンビル16Eと、トリガスイッチ17Eと、第1バッテリ装着部31Eと、第2バッテリ装着部32Eと、を備える。
【0202】
本体ハウジング2Eは、モータ10Eを収容する本体部21Eと、本体部21Eの後部に設けられるグリップ部23Eとを有する。トリガスイッチ17Eは、グリップ部23Eに設けられる。
【0203】
モータ10Eのロータは、前後方向に延びるモータ回転軸を中心に回転する。出力回転軸AXも、前後方向に延びる。モータ回転軸と出力回転軸AXとは、一致する。
【0204】
コントローラ11Eは、モータ10Eよりも後方側に配置される。減速機構13Eは、モータ10Eよりも前方側に配置される。打撃機構15Eは、減速機構13Eよりも前方側に配置される。アンビル16Eは、打撃機構15Eにより回転方向に打撃される。アンビル16Eは、X軸方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転する。
【0205】
ハンドル7Eは、ギヤケース5E又は本体部21Eから上方側に突出する。
【0206】
第1バッテリ装着部31Eに、第1バッテリパック33Eが装着される。第1バッテリパック33Eは、第1バッテリ装着部31Eに着脱される。第1バッテリ装着部31Eは、本体ハウジング2Eの下部に設けられる。
【0207】
第2バッテリ装着部32Eに、第2バッテリパック34Eが装着される。第2バッテリパック34Eは、第2バッテリ装着部32Eに着脱される。第2バッテリ装着部32Eは、本体ハウジング2Eの下部に設けられる。
【0208】
X軸方向において、第1バッテリ装着部31Eと第2バッテリ装着部32Eとは、異なる位置に配置される。本実施形態において、第1バッテリ装着部31Eは、第2バッテリ装着部32Eよりも前方側(+X側)に配置される。Y軸方向において、第1バッテリ装着部31Eと第2バッテリ装着部32Eとは、実質的に同じ位置に配置される。Z軸方向において、第1バッテリ装着部31Eと第2バッテリ装着部32Eとは、実質的に同じ位置に配置される。
【0209】
第1バッテリパック33Eは、第1バッテリ装着部31Eに対して、前方側(+X側)から後方側(-X側)にスライドすることにより、第1バッテリ装着部31Eに装着される。第2バッテリパック34Eは、第2バッテリ装着部32Eに対して、後方側(-X側)から前方側(+X側)にスライドすることにより、第2バッテリ装着部32Eに装着される。
【0210】
本体ハウジング2Eの右方側の端部は、第1バッテリパック33Eの右方側の端部及び第2バッテリパック34Eの右方側の端部よりも右方側に配置される。本体ハウジング2Eの左方側の端部は、第1バッテリパック33Eの左方側の端部及び第2バッテリパック34Eの左方側の端部よりも左方側に配置される。すなわち、第1バッテリパック33Eは、本体ハウジング2Eの右端部よりも右方側に突出しない。第1バッテリパック33Eは、本体ハウジング2Eの左端部よりも左方側に突出しない。第2バッテリパック34Eは、本体ハウジング2Eの右端部よりも右方側に突出しない。第2バッテリパック34Eは、本体ハウジング2Eの左端部よりも左方側に突出しない。
【0211】
第1バッテリパック33Eの定格電圧と第2バッテリパック34Eの定格電圧とは、等しい。第1バッテリパック33Eの定格電圧及び第2バッテリパック34Eの定格電圧のそれぞれは、18Vでもよいし、36Vでもよい。本実施形態において、第1バッテリパック33Eの定格電圧及び第2バッテリパック34Eの定格電圧のそれぞれは、18Vであり、最大20Vである。
【0212】
第1バッテリパック33Eの外形及び寸法と第2バッテリパック34Eの外形及び寸法とは、同じである。
【0213】
すなわち、第1バッテリパック33Eと第2バッテリパック34Eとは、同じ種類である。
【0214】
第1バッテリ装着部31Eのターミナルの構造及び大きさと第2バッテリ装着部32Eのターミナルの構造及び大きさとは、同じである。
【0215】
本実施形態において、アンビル16Eの最大締付トルクは、3000Nmよりも小さい。なお、アンビル16Eの最大締付トルクは、2000Nm以上4000Nm以下でもよい。
【0216】
本実施形態に係るインパクトレンチ1Eの諸元は、以下の通りである。
【0217】
・バッテリパックの定格電圧の合計:約36V(40Vmax)以上
・ステータコアの外径:80mm以上(140mmが最大径)
・アンビルの最大締付トルク:約3000Nm(2000Nm以上3000Nm以下、3000Nm以上4000Nm以下でもよい)
・打撃機構の打撃数:900rpm(700rpm以上1500rpm以下でもよい)
・アンビルの無負荷回転数:685rpm(500rpm以上1000rpm以下でもよい)
・減速機構の減速比:1/33.7(1/25~1/40の間であればよい)
・ハンマの重量:1.3kg(1kg以上1.5kg以下でもよい)
・アンビルのソケット装着部の1辺の長さ:1インチ(0.5インチ以上1.5インチ以下でもよい)
・バッテリパック非装着時のインパクトレンチの外形寸法:Z軸方向:197mm、Y軸方向:130mm、X軸方向:456mm(Z軸方向180mm以上210mm以下、Y軸方向:110mm以上140mm以下、X軸方向:400mm以上500mm以下であればよい)
・バッテリパック非装着時のインパクトレンチの重量:10kg(7kg以上13kg以下でもよい)
【0218】
<効果>
以上説明したように、実施形態において、インパクトレンチ1Eは、ブラシレスモータであるモータ10Eと、モータ10Eにより回転される打撃機構15Eと、打撃機構15Eにより打撃され、X軸に平行な方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転するアンビル16Eと、第1バッテリパック33Eが装着される第1バッテリ装着部31Eと、X軸に平行な方向において第1バッテリ装着部31Eとは異なる位置に配置され、第2バッテリパック34Eが装着される第2バッテリ装着部32Eと、を備える。
【0219】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0220】
実施形態において、第1バッテリパック33Eは、第1バッテリ装着部31Eに対して、X軸に平行な方向において+X側から-X側にスライドすることにより第1バッテリ装着部31Eに装着される。第2バッテリパック34Eは、第2バッテリ装着部32Eに対して、X軸に平行な方向において-X側から+X側にスライドすることにより第2バッテリ装着部32Eに装着される。
【0221】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0222】
実施形態において、インパクトレンチ1Eは、モータ10Eを収容する本体ハウジング2Eを備える。X軸に直交するY軸に平行な方向において、本体ハウジング2Eの-Y側の端部は、第1バッテリパック33Eの-Y側の端部及び第2バッテリパック34Eの-Y側の端部よりも-Y側に配置される。本体ハウジング2Eの+Y側の端部は、第1バッテリパック33Eの+Y側の端部及び第2バッテリパック34Eの+Y側の端部よりも-Y側に配置される。
【0223】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0224】
実施形態において、インパクトレンチ1Eは、ブラシレスモータであるモータ10Eと、モータ10Eにより回転される打撃機構15Eと、打撃機構15Eにより打撃され、X軸に平行な方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転するアンビル16Eと、第1バッテリパック33Eが装着される第1バッテリ装着部31Eと、第1バッテリ装着部31Eの隣に配置され、第2バッテリパック34Eが装着される第2バッテリ装着部32Eと、を備える。
【0225】
上記の構成では、作業効率の低下が抑制される。
【0226】
[第6実施形態]
第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0227】
図8は、第6実施形態に係るインパクトレンチ1Fを示す図である。
【0228】
インパクトレンチ1Fは、本体ハウジング2Fと、ギヤケース5Fと、コントローラ11Fと、モータ10Fと、減速機構13Fと、打撃機構15Fと、アンビル16Fと、トリガスイッチ17Fと、バッテリ装着部31Fと、を備える。本体ハウジング2F及びギヤケース5Fは、上下方向に長く延びるように構成されている。
【0229】
本体ハウジング2Fは、モータ10Fを収容する本体部21Fと、本体部21Fの上部に設けられるコントローラ収容部24Fと、コントローラ収容部24Fの上部に設けられるグリップ部23Fとを有する。トリガスイッチ17Eは、グリップ部23Eに設けられる。グリップ部23Fの上端部からアンビル16Fの下端部までの上下方向の長さは、およそ、1000mm以上1800mm以下に設定されている。なお、グリップ部23Fの上端部からアンビル16Fの下端部までの上下方向の長さが1200mm以上1600mm以下であると、インパクトレンチ1Fをより使い易い。
【0230】
モータ10Fのロータは、上下方向に延びるモータ回転軸を中心に回転する。出力回転軸AXも、上下方向に延びる。モータ回転軸と出力回転軸AXとは、一致する。減速機構13Fの出力軸も、モータ回転軸及び出力回転軸AXと一致する。
【0231】
コントローラ11Fは、モータ10Fよりも上方側に配置される。コントローラ11Fは、コントローラ収容部24Fに収容される。
【0232】
グリップ部23Fは、コントローラ収容部24Fの左上部及び右上部のそれぞれに設けられる。トリガスイッチ17Fは、右側のグリップ部23Fに設けられる。
【0233】
バッテリ装着部31Fとコントローラ11Fとは、バッテリ電力供給線201により接続される。コントローラ11Fとモータ10Fとは、モータ電力供給線202により接続される。トリガスイッチ17Fとコントローラ11Fとは、トリガ信号線203により接続される。
【0234】
減速機構13F及び打撃機構15Fのそれぞれは、ギヤケース5Fに収容される。ギヤケース5Fは、本体ハウジング2Fよりも下方側に配置される。なお、打撃機構15Fを収容するハンマケースを別に設けることができる。この場合、ギヤケース5Fの下方に、ハンマケースが配置されることになる。
【0235】
減速機構13Fは、モータ10Fよりも下方側に配置される。打撃機構15Fは、減速機構13Fよりも下方側に配置される。アンビル16Fは、打撃機構15Fにより回転方向に打撃される。アンビル16Fの下端部は、ギヤケース5Fの下端部から下方に突出する。アンビル16Fは、Z軸方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転する。
【0236】
バッテリ装着部31Fに、バッテリパック33Fが装着される。バッテリパック33Fは、バッテリ装着部31Fに着脱される。バッテリ装着部31Fは、本体ハウジング2Fのコントローラ収容部24Fの上部に設けられる。
【0237】
バッテリパック33Fは、バッテリ装着部31Fに対して、後方側(-X側)から前方側(+X側)にスライドすることにより、バッテリ装着部31Fに装着される。
【0238】
バッテリパック33Fの定格電圧は、18Vでもよいし、36Vでもよい。本実施形態において、バッテリパック33Fの定格電圧は、36Vであり、最大40Vである。
【0239】
本実施形態において、アンビル16Fの最大締付トルクは、3000Nmよりも小さい。
【0240】
図9は、第6実施形態に係るインパクトレンチ1Fを示す平面図である。グリップ部23Fは、右グリップ部23F1と、左グリップ部23F2とを含む。インパクトレンチ1Fにおいて、右グリップ部23F1は、コントローラ収容部24Fの右方に配置される。左グリップ部23F2は、コントローラ収容部24Fの左方に配置される。
【0241】
右グリップ部23F1は、コントローラ収容部24Fとともにループ形状を呈している。右グリップ部23F1は、コントローラ収容部24Fの前部から右方(側方)へ延びる部分23F11と、コントローラ収容部24Fの後部から右方(側方)へ延びる部分23F12と、部分23F11と部分23F12とをつなぐ部分23F13とを有する。
【0242】
左グリップ部23F2は、コントローラ収容部24Fとともにループ形状を呈している。左グリップ部23F2は、コントローラ収容部24Fの前部から左方(側方)へ延びる部分23F21と、コントローラ収容部24Fの後部から左方(側方)へ延びる部分23F22と、部分23F21と部分23F22とをつなぐ部分23F23とを有する。
【0243】
トリガスイッチ17Fは、部分23F13の前部に配置されている。トリガスイッチ17Fが操作されると、モータ10Fが通電される。トリガスイッチ17Fの操作により、モータ10Fが回転する。
【0244】
コントローラ収容部24Fにおけるバッテリパック33Fの右方には、正転・ロック・逆転スイッチ101が配置される。正転・ロック・逆転スイッチ101は、前後方向に操作可能である。正転・ロック・逆転スイッチ101が前方に配置された場合、モータ10Fが正転方向に回転可能である。正転・ロック・逆転スイッチ101が後方に配置された場合、モータ10Fが逆転方向に回転可能である。正転・ロック・逆転スイッチ101が前後方向の中間位置に配置された場合、モータ10Fは回転不能である(正転方向にも逆転方向にも回転しない)。
【0245】
コントローラ収容部24Fにおけるバッテリパック33Fの後方には、パネル300が配置されている。パネル300の少なくとも一部は、表示・操作が可能となっている。表示は、単数又は複数(色が異なる場合がある)のLEDによりなされる。操作されるためのボタンが配置されている。
【0246】
パネル300は、左右に長く形成されている。パネル300は、コントローラ収容部24Fとは別体の樹脂により形成されている。パネル300において、左から右へと、バッテリ残容量表示LED301,モード選択ボタン302、モード表示LED303、スピード変更ボタン304、スピード表示LED305の順に並んでいる。
【0247】
バッテリ残容量表示LED301は、前後に4つのLEDチップが並んで配置されている。最後方の1つのLEDが発光している時には、バッテリパック33Fの残容量が25%である。後方の2つのLEDが発光している時には、バッテリパック33Fの残容量が50%である。3つのLEDが発光している時には、バッテリパック33Fの残容量が75%である。4つの全てのLEDが発光している時には、バッテリパック33Fの残容量が100%である。このバッテリ残容量表示LED301は、バッテリパック33Fがバッテリ装着部31Fに装着された状態で、トリガスイッチ17Fが操作されると、発光する。
【0248】
モード選択ボタン302は、押し下げ式のスイッチである。モード選択ボタン302が押し下げられると、信号がコントローラ11Fに入力される。信号がコントローラ11Fに入力されると、モータ10Fが選択された回転モードにて、回転する。
【0249】
回転モードとしては3つある。1つ目が自動停止モードである。自動停止モードでは、所定の条件でモータ10Fが自動的に回転を停止する。所定の条件は、規定の締付トルクに至った場合、規定のモータ10Fの電流値に至って5秒経った場合、モータ10Fの回転開始から30秒経った場合等、任意に設定できる。
【0250】
2つ目が多段スピードモードである。多段スピードの例としては、モータ10Fの回転数を、例えば、10000回転/分、20000回転/分、30000回転/分、40000回転/分というものである。
【0251】
3つ目はブーストモードである。例えば、逆転方向にモータ10Fを回転させる場合には、よりトルクが必要とされることが想定される。錆などにより固着されたナットを、緩める必要が出てくるからである。このモード選択ボタン302を押すと、当初のモータ回転数の120%の回転数で回転させることが出来るようになる。当初のモータ回転数が10000回転/分の場合には、12000回転/分のように、1分当たりの回転数が大きくなる。
【0252】
モード表示LED303は、モード選択ボタン302で選択されたモードを表示する。前方のLEDのみが点灯している場合には、自動停止モードで有ることを示す。真ん中のLEDのみが点灯している場合には、多段スピードモードで有ることを示す。後方のLEDのみが点灯している場合には、多段スピードモードで有ることを示す。
【0253】
スピード変更ボタン304は、モータの回転数、例えば、10000回転/分、20000回転/分、30000回転/分、40000回転/分というように、変更可能な押し下げ式のスイッチである。1回押すと10000回転/分、2回押すと20000回転/分、3回押すと30000回転/分、4回押すと40000回転/分、5回押すと10000回転/分のように、順に変更することが出来るようになっている。
【0254】
スピード表示LED305は、最左方のLEDのみが点灯している場合には、10000回転/分を示す。左方2つのLEDが点灯している場合には、20000回転/分を示す。3つのLEDが点灯している場合には、30000回転/分を示す。4つのLEDが点灯している場合には、40000回転/分を示す。
【0255】
以下も本実施形態による発明である。
バッテリパックを保持可能なヘッド部と、
前記ヘッド部の左右に配置されるループ型のグリップと、
前記ヘッド部の下方に延びるロッド部と、
前記ロッド部の前部に配置されるモータと、
前記モータの下方に配置される減速部と、
前記減速部の下方に配置される打撃機構部と、
前記打撃機構部により回転方向に打撃されるアンビルと、を有する
インパクト工具。
【0256】
本実施形態に係るインパクトレンチ1Fの諸元は、以下の通りである。
【0257】
・バッテリパックの定格電圧の合計:18V(20Vmax)以上(18V以上36V以下であればよい)
・ステータコアの外径:50mm以上
・アンビルの最大締付トルク:約1700Nm(800Nm以上2000Nm以下であればよい)
・打撃機構の打撃数:2500rpm(2000rpm以上3000rpm以下であればよい)
・アンビルの無負荷回転数:1800rpm(1200rpm以上2400rpm以下であればよい)
・減速機構の減速比:1/15.7(1/12~1/20の間であればよい)
・ハンマの重量:0.4kg(0.2kg以上0.6kg以下でもよい)
・アンビルのソケット装着部の1辺の長さ:1インチ(0.25インチ以上1インチ以下であればよい)
・バッテリパック非装着時のインパクトレンチの外形寸法:X軸方向:322mm、Y軸方向:408mm、Z軸方向:1300mm(Z軸方向:1000mm以上1800mm以下であればよい)
・バッテリパック非装着時のインパクトレンチの重量:5kg
【0258】
[第7実施形態]
第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0259】
図10は、第7実施形態に係るインパクトレンチ1Gを示す図である。
【0260】
インパクトレンチ1Gは、本体ハウジング2Gと、ギヤケース5Gと、コントローラ11Gと、モータ10Gと、減速機構13Gと、打撃機構15Gと、アンビル16Gと、トリガスイッチ17Gと、バッテリ装着部31Gと、を備える。
【0261】
本体ハウジング2Gは、モータ10Gを収容する本体部21Gと、本体部21Gの上部に設けられる2本のアーム部25と、アーム部25の上部に設けられるグリップ部23Gとを有する。トリガスイッチ17Gは、グリップ部23Gに設けられる。
【0262】
モータ10Gのロータは、上下方向に延びるモータ回転軸を中心に回転する。出力回転軸AXも、上下方向に延びる。モータ回転軸と出力回転軸AXとは、一致する。
【0263】
コントローラ11Gは、モータ10Gよりも上方側に配置される。コントローラ11Gは、本体部21Gに収容される。
【0264】
減速機構13Gは、本体部21Gに収容される。打撃機構15Gは、ギヤケース5Gに収容される。ギヤケース5Gは、本体ハウジング2Gよりも下方側に配置される。
【0265】
減速機構13Gは、モータ10Gよりも下方側に配置される。打撃機構15Gは、減速機構13Gよりも下方側に配置される。アンビル16Gは、打撃機構15Gにより回転方向に打撃される。アンビル16Gの下端部は、ギヤケース5Gの下端部から下方に突出する。アンビル16Gの下端部にソケット100が装着される。アンビル16Gは、Z軸方向に延びる出力回転軸AXを中心に回転する。
【0266】
バッテリ装着部31Gに、バッテリパック33Gが装着される。バッテリパック33Gは、バッテリ装着部31Gに着脱される。バッテリ装着部31Gは、本体ハウジング2Gの上部に設けられる。
【0267】
バッテリパック33Gは、バッテリ装着部31Gに対して、後方側(-X側)から前方側(+X側)にスライドすることにより、バッテリ装着部31Gに装着される。
【0268】
バッテリパック33Gの定格電圧は、18Vでもよいし、36Vでもよいし、72Vでもよい。本実施形態において、バッテリパック33Gの定格電圧は、72Vであり、最大80Vである。
【0269】
本実施形態において、アンビル16Gの最大締付トルクは、3000Nmよりも小さい。
【0270】
本実施形態に係るインパクトレンチ1Gの諸元は、以下の通りである。
【0271】
・バッテリパックの定格電圧の合計:約75V以上
・ステータコアの外径:80mm以上
・アンビルの最大締付トルク:約7500Nm
・打撃機構の打撃数:1000rpm
・アンビルの無負荷回転数:761rpm
・減速機構の減速比:1/39.4
・ハンマの重量:4.5kg
・アンビルのソケット装着部の1辺の長さ:1.5インチ
・バッテリパック非装着時のインパクトレンチの外形寸法:X軸方向540mm×Y軸方向219mm×Z軸方向854mm
・バッテリパック非装着時のインパクトレンチの重量:30kg
【0272】
なお、本実施形態に係るインパクトレンチ1Gの諸元は、以下の通りでもよい。
【0273】
・バッテリパックの定格電圧の合計:約75V以上
・ステータコアの外径:80mm以上
・アンビルの最大締付トルク:約7500Nm
・打撃機構の打撃数:1500rpm
・アンビルの無負荷回転数:1150rpm
・減速機構の減速比:1/26.3
・ハンマの重量:2.0kg
・アンビルのソケット装着部の1辺の長さ:1.5インチ
・バッテリパック非装着時のインパクトレンチの外形寸法:X軸方向540mm×Y軸方向219mm×Z軸方向854mm
・バッテリパック非装着時のインパクトレンチの重量:30kg
【符号の説明】
【0274】
1A…インパクトレンチ、1B…インパクトレンチ、1C…インパクトレンチ、1D…インパクトレンチ、1E…インパクトレンチ、1F…インパクトレンチ、1G…インパクトレンチ、2A…本体ハウジング、2B…本体ハウジング、2C…本体ハウジング、2D…本体ハウジング、2E…本体ハウジング、2F…本体ハウジング、2G…本体ハウジング、2L…左本体ハウジング、2R…右本体ハウジング、3…第1バッテリ接続ハウジング、3C…バッテリ接続ハウジング、4…モータケース、5…ギヤケース、5D…ギヤケース、5E…ギヤケース、5F…ギヤケース、5G…ギヤケース、6…ハンマケース、7…サイドハンドル、7A…ハンドル部、7B…ベース部、7D…ハンドル、7E…ハンドル、8…バンパ、9…吊下げリング、10A…モータ、10D…モータ、10E…モータ、10F…モータ、10G…モータ、11A…コントローラ、11D…コントローラ、11E…コントローラ、11F…コントローラ、11G…コントローラ、12…ファン、13A…減速機構、13D…減速機構、13E…減速機構、13F…減速機構、13G…減速機構、14…スピンドル、14A…フランジ部、14B…スピンドルシャフト部、14C…突出部、15A…打撃機構、15D…打撃機構、15E…打撃機構、15F…打撃機構、15G…打撃機構、16A…アンビル、16B…アンビル、16C…アンビル、16D…アンビル、16E…アンビル、16F…アンビル、16G…アンビル、17A…トリガスイッチ、17B…トリガスイッチ、17C…トリガスイッチ、17D…トリガスイッチ、17E…トリガスイッチ、17F…トリガスイッチ、17G…トリガスイッチ、18…ライトアセンブリ、21…本体部、21D…本体部、21E…本体部、21F…本体部、21G…本体部、22A…第2バッテリ接続ハウジング、22B…バッテリ接続ハウジング、22C…突出部、23…グリップ部、23A…後グリップ部、23B…上グリップ部、23D…グリップ部、23E…グリップ部、23F…グリップ部、23F1…右グリップ部、23F11…部分、23F12…部分、23F13…部分、23F2…左グリップ部、23F21…部分、23F22…部分、23F23…部分、23G…グリップ部、24…コントローラ収容部、24F…コントローラ収容部、25…アーム部、26…吸気口、27…排気口、31A…第1バッテリ装着部、31B…第1バッテリ装着部、31C…第1バッテリ装着部、31D…第1バッテリ装着部、31E…第1バッテリ装着部、31F…バッテリ装着部、31G…バッテリ装着部、32A…第2バッテリ装着部、32B…第2バッテリ装着部、32C…第2バッテリ装着部、32D…第2バッテリ装着部、32E…第2バッテリ装着部、33A…第1バッテリパック、33B…第1バッテリパック、33C…第1バッテリパック、33D…第1バッテリパック、33E…第1バッテリパック、33F…バッテリパック、33G…バッテリパック、34A…第2バッテリパック、34B…第2バッテリパック、34C…第2バッテリパック、34D…第2バッテリパック、34E…第2バッテリパック、40…ベアリングカバー、40S…ねじ、41…ねじ、45…スプリング、46…クッションラバー、47…ステータ、48…ロータ、49…ロータシャフト、50…センサ基板、51…ロータ軸受、52…ロータ軸受、53…第1ベベルギヤ、54…第2ベベルギヤ、55…遊星歯車機構、55A…ピン、55I…インターナルギヤ、55P…プラネタリギヤ、55S…サンギヤ、56…ギヤ軸受、57…ギヤ軸受、58…スピンドル軸受、61…第1筒部、62…第2筒部、63…前壁部、71…ハンマ、71A…ハンマボディ、71B…ハンマ突起部、71C…凹部、72…ボール、73…第1コイルスプリング、74…第2コイルスプリング、75…第3コイルスプリング、76…第1ワッシャ、77…第2ワッシャ、78…ボール、79…アンビル軸受、100…ソケット、101…正転・ロック・逆転スイッチ、161…アンビルシャフト部、162…アンビル突起部、201…バッテリ電力供給線、202…モータ電力供給線、203…トリガ信号線、300…パネル、301…バッテリ残容量表示LED、302…モード選択ボタン、303…モード表示LED、304…スピード変更ボタン、305…スピード表示LED、MX…モータ回転軸、AX…出力回転軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケットを装着可能なアンビルと、
前記アンビルを回転方向に打撃可能であり、少なくとも一部が前記アンビルの上方に配置されるハンマと、
前記ハンマを回転させるロータと、前記ロータに対向するステータと、を有し、前記ハンマの上方に配置されるブラシレスモータと、
前記ロータの回転を制御するコントローラと、
前記ハンマを収容するケースと、
前記ケースの上方に配置されるロッド部と、
前記ロッド部の上方に配置されたヘッド部と、
前記ロータを回転させるトリガスイッチを有し、前記ヘッド部から左右に延びるグリップ部と、
前記ロータの回転方向を変更する正転・逆転スイッチと、を備え、
前記ヘッド部は、
バッテリパックをスライドすることで前記バッテリパックを着脱可能なバッテリ装着部と、
前記ブラシレスモータの回転数を変更するスピード変更ボタンと、前記スピード変更ボタンによって選択された前記ブラシレスモータの回転数に応じて点灯する複数のLEDを有するスピード表示LEDと、を有し、上部に配置され、左右に長く延びるパネルと、を有する、
インパクトレンチ。
【請求項2】
前記バッテリパックは、18Vの定格電圧を有する、
請求項1に記載のインパクトレンチ。
【請求項3】
前記ステータは、50mm以上の外径を有するステータコアを有する、
請求項1に記載のインパクトレンチ。
【請求項4】
前記ブラシレスモータと前記ハンマとの間に配置される減速機構を更に備え、
前記減速機構は、1/12~1/20の減速比を有する、
請求項1に記載のインパクトレンチ。
【請求項5】
前記アンビルは、800Nm以上3000Nm以下の最大締付トルクを有する、
請求項1に記載のインパクトレンチ。
【請求項6】
前記アンビルは、角柱形状を有する、
請求項1に記載のインパクトレンチ。
【請求項7】
前記アンビルは、前記ソケットを装着可能なソケット装着部を有し、
前記ソケット装着部の1辺の長さは、1インチである、
請求項6に記載のインパクトレンチ。
【請求項8】
前記コントローラは、前記ブラシレスモータが自動的に回転を停止する自動停止モードを選択可能である、
請求項1に記載のインパクトレンチ。
【請求項9】
前記正転・逆転スイッチはロックスイッチを有し、
前記正転・逆転スイッチが中間位置に配置された場合、前記ブラシレスモータは回転不能となる、
請求項1に記載のインパクトレンチ。
【請求項10】
ソケットを装着可能なアンビルと、
前記アンビルを回転方向に打撃可能であり、少なくとも一部が前記アンビルの上方に配置されるハンマと、
前記ハンマを回転させるロータと、前記ロータに対向するステータと、を有し、前記ハンマの上方に配置されるブラシレスモータと、
前記ロータの回転を制御するコントローラと、
前記ハンマを収容するケースと、
前記ケースの上方に配置されるロッド部と、
前記ロッド部の上方に配置されたヘッド部と、
前記ロータを回転させるトリガスイッチを有し、前記ヘッド部から左右に延びるグリップ部と、を備え、
前記コントローラは、前記ブラシレスモータが自動的に回転を停止する自動停止モードを選択可能であり、
前記ヘッド部は、
バッテリパックをスライドすることで前記バッテリパックを着脱可能なバッテリ装着部と、
前記ブラシレスモータの回転数を変更するスピード変更ボタンと、前記スピード変更ボタンによって選択された前記ブラシレスモータの回転数に応じて点灯する複数のLEDを有するスピード表示LEDと、を有し、上部に配置されるパネルと、を有する、
インパクトレンチ。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本明細書で開示する技術は、インパクトレンチに関する。