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特開2024-130188情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130188
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/182 20190101AFI20240920BHJP
【FI】
G06F16/182
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039768
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】川ノ上 真輔
(72)【発明者】
【氏名】木村 克行
(72)【発明者】
【氏名】土川 健斗
(57)【要約】
【課題】データの実際の保存場所に関わらず、簡単な仕組みでユーザが効率よくデータにアクセスできるようにする。
【解決手段】データを、当該データの取得からの経過時間に基づいて、内部システムに属する第1の記憶装置と外部システムに属する第2の記憶装置とのいずれに保存するかを判断するデータ管理部と、データの閲覧を要求するユーザが端末を介して指定した期間情報に基づいて、当該データが第1の記憶装置と第2の記憶装置とのいずれに保存されているかを判断し、当該データが第1の記憶装置に保存されている場合には、端末によるアクセス先を内部システムに属する第1のデータ表示部とし、当該データが第2の記憶装置に保存されている場合には、端末によるアクセス先を外部システムに属する第2のデータ表示部とするアクセス制御部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを、当該データの取得からの経過時間に基づいて、内部システムに属する第1の記憶装置と外部システムに属する第2の記憶装置とのいずれに保存するかを判断するデータ管理部と、
データの閲覧を要求するユーザが端末を介して指定した期間情報に基づいて、当該データが前記第1の記憶装置と前記第2の記憶装置とのいずれに保存されているかを判断し、当該データが前記第1の記憶装置に保存されている場合には、前記端末によるアクセス先を内部システムに属する第1のデータ表示部とし、当該データが前記第2の記憶装置に保存されている場合には、前記端末によるアクセス先を外部システムに属する第2のデータ表示部とするアクセス制御部と、を備えた情報処理システム。
【請求項2】
前記データ管理部は、
前記第1の記憶装置に保存されているデータのうち、アクセス頻度が所定の条件を満たすデータを前記内部システムのメモリに保存し、前記第2の記憶装置に保存されているデータのうち、アクセス頻度が所定の条件を満たすデータを前記外部システムのメモリに保存する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記データ管理部は、
前記第1の記憶装置に保存されているデータについて、当該データを、前記第1の記憶装置への保存から所定期間の経過後に前記第2の記憶装置に移動させる、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1のデータ表示部および前記第2のデータ表示部は、コンテナ化されたアプリケーションをそれぞれ含む、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
データを、当該データの取得からの経過時間に基づいて、内部システムに属する第1の記憶装置と外部システムに属する第2の記憶装置とのいずれに保存するかを判断することと、
データの閲覧を要求するユーザによって指定された期間情報に基づいて、当該データが前記第1の記憶装置と前記第2の記憶装置とのいずれに保存されているかを判断することと、
当該データが前記第1の記憶装置に保存されていると判断された場合には、前記ユーザのアクセス先を内部システムに属する第1のデータ表示部と決定し、当該データが前記第2の記憶装置に保存されていると判断された場合には、前記ユーザのアクセス先を外部システムに属する第2のデータ表示部と決定することと、
を含む情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
データを、当該データの取得からの経過時間に基づいて、内部システムに属する第1の記憶装置と外部システムに属する第2の記憶装置とのいずれに保存するかを判断することと、
データの閲覧を要求するユーザによって指定された期間情報に基づいて、当該データが前記第1の記憶装置と前記第2の記憶装置とのいずれに保存されているかを判断することと、
当該データが前記第1の記憶装置に保存されていると判断された場合には、前記ユーザのアクセス先を内部システムに属する第1のデータ表示部と決定し、当該データが前記第2の記憶装置に保存されていると判断された場合には、前記ユーザのアクセス先を外部システムに属する第2のデータ表示部と決定することと、
を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
大容量のデータをインターネット上のクラウドで管理し、ローカルのシステムからクラウド上のデータにアクセスするシステムが提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、オンプレミスアプリケーションが、オンプレミスプラットフォーム上にインストールされているクラウドアプリケーションランタイムのローカルバージョンに展開され、クラウドプラットフォーム内の接続エージェントがオンプレミスアプリケーションからクラウドリソースへの要求を受信するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-226322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、ローカル(エッジ側)に保存しているデータの参照は短時間で可能だが、保存できるデータ量に限りがあり、一方、クラウド側には大容量のデータが保存できるもののデータの参照に時間がかかるという課題があった。
【0006】
本発明は、データの実際の保存場所に関わらず、簡単な仕組みでユーザが効率よくデータにアクセスできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
本発明の一側面に係る情報処理システムは、データを、当該データの取得からの経過時間に基づいて、内部システムに属する第1の記憶装置と外部システムに属する第2の記憶装置とのいずれに保存するかを判断するデータ管理部と、データの閲覧を要求するユーザが端末を介して指定した期間情報に基づいて、当該データが前記第1の記憶装置と前記第2の記憶装置とのいずれに保存されているかを判断し、当該データが前記第1の記憶装置に保存されている場合には、前記端末によるアクセス先を内部システムに属する第1のデータ表示部とし、当該データが前記第2の記憶装置に保存されている場合には、前記端末によるアクセス先を外部システムに属する第2のデータ表示部とするアクセス制御部と、を備えるものである。
上記構成によれば、データの新しさに応じて記憶場所を振り分けると共に、ユーザが閲覧の際に指定した期間に応じてアクセス先を制御するようにしたので、どのような期間のデータを指定しても、効率よく高速にデータにアクセスすることができる。
【0008】
また、前記データ管理部は、前記第1の記憶装置に保存されているデータのうち、アクセス頻度が所定の条件を満たすデータを前記内部システムのメモリに保存し、前記第2の記憶装置に保存されているデータのうち、アクセス頻度が所定の条件を満たすデータを前記外部システムのメモリに保存するようにしてもよい。これにより、利用頻度の高いデータはより高速に表示することができる。
【0009】
また、前記データ管理部は、前記第1の記憶装置に保存されているデータについて、当該データを、前記第1の記憶装置への保存から所定期間の経過後に前記第2の記憶装置に移動させるようにしてもよい。これにより、新しく取得されたデータはエッジ側で高速にアクセスできるようにすることができる。
【0010】
また、前記第1のデータ表示部および前記第2のデータ表示部は、コンテナ化されたアプリケーションをそれぞれ含むようにしてもよい。これにより、アクセス先をエッジ側とクラウド側のコンテナ化されたアプリケーションで切り替えることで、効率的にデータ表示を行うことができる。
【0011】
本発明の一側面に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、データを、当該データの取得からの経過時間に基づいて、内部システムに属する第1の記憶装置と外部システムに属する第2の記憶装置とのいずれに保存するかを判断することと、データの閲覧を要求するユーザによって指定された期間情報に基づいて、当該データが前記第1の記憶装置と前記第2の記憶装置とのいずれに保存されているかを判断することと、当該データが前記第1の記憶装置に保存されていると判断された場合には、前記ユーザのアクセス先を内部システムに属する第1のデータ表示部と決定し、当該データが前記第2の記憶装置に保存されていると判断された場合には、前記ユーザのアクセス先を外部システムに属する第2のデータ表示部と決定することと、を含むものである。
上記構成によれば、データの新しさに応じて記憶場所を振り分けると共に、ユーザが閲覧の際に指定した期間に応じてアクセス先を制御するようにしたので、どのような期間のデータを指定しても、効率よく高速にデータにアクセスすることができる。
【0012】
本発明の一側面に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、データを、当該データの取得からの経過時間に基づいて、内部システムに属する第1の記憶装置と外部システムに属する第2の記憶装置とのいずれに保存するかを判断することと、データの閲覧を要求するユーザによって指定された期間情報に基づいて、当該データが前記第1の記憶装置と前記第2の記憶装置とのいずれに保存されているかを判断することと、当該データが前記第1の記憶装置に保存されていると判断された場合には、前記ユーザのアクセス先を内部システムに属する第1のデータ表示部と決定し、当該データが前記第2の記憶装置に保存されていると判断された場合には、前記ユーザのアクセス先を外部システムに属する第2のデータ表示部と決定することと、を実行させるものである。
上記構成によれば、データの新しさに応じて記憶場所を振り分けると共に、ユーザが閲覧の際に指定した期間に応じてアクセス先を制御するようにしたので、どのような期間のデータを指定しても、効率よく高速にデータにアクセスすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、データの実際の保存場所に関わらず、簡単な仕組みでユーザが効率よくデータにアクセスできるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システム1の概要を示す図。
図2】本発明の実施形態に係るウェブアプリケーションによる表示画面の例を示す図。
図3】本発明の実施形態に係るサーバ4,5のハードウェア構成の一例を示す図。
図4】本発明の実施形態に係るサーバ4,5の機能構成の一例を示す図。
図5】本発明の実施形態に係る情報処理システム1によるデータアクセスの手順を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良と変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメータ、またはマシン語のいずれかで指定してよいが、これらに限られない。
【0016】
§1 適用例
図1を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1は、本発明による情報処理システム1の概要を示す図である。情報処理システム1は、内部システム2(エッジ側)とインターネット上の外部システム3(クラウド側)を含む。内部システム2と外部システム3は、それぞれサーバ4,5と、データベース6,7を含む。
【0017】
サーバ4は、データ管理モジュールMとウェブアプリケーションAP-Eを実行するサーバである。なお、データ管理モジュールMとウェブアプリケーションAP-Eは、異なるサーバ上で実行されてもよい。また、サーバ5は、ウェブアプリケーションAP-Cを実行するサーバである。データ管理モジュールMと、ウェブアプリケーションAP-EおよびAP-Cは、それぞれコンテナ化されており、それぞれのプログラムと、プログラムの実行に必要なOSのライブラリ、ファイル、および設定等の実行環境の少なくとも1つがパッケージ化されている。ウェブアプリケーションAP-EとウェブアプリケーションAP-Cは同じ機能を有するアプリケーションである。ウェブアプリケーションAP-Eは、エッジ側のデータベース6に保存されているデータを閲覧する機能を有し、ウェブアプリケーションAP-Cは、クラウド側のデータベース7に保存されているデータを閲覧する機能を有する。
【0018】
データ管理モジュールMは、製造現場等における各種センサSまたはアクチュエータAが収集したデータを取得し、データベース6または7に保存して管理する。データ管理モジュールMは、取得したデータをまずエッジ側のデータベース6に保存し、データ取得後、所定時間が経過したデータ(古いデータ)をデータベース7に移動する。
【0019】
内部システム2を利用してデータを閲覧するユーザは、端末PからウェブアプリケーションAP-Eにアクセスし、閲覧するデータの期間を指定する。データ管理モジュールMは、ユーザが指定した期間に基づいて、対象のデータがデータベース6に保存されている場合(新しいデータの場合)には、端末Pのアクセス先をウェブアプリケーションAP-Eのままとする。ユーザは、ウェブアプリケーションAP-Eを介してデータベース6から取得したデータを閲覧する。
【0020】
一方、ユーザが指定した期間のデータがクラウド側のデータベース7に保存されている場合(古いデータの場合)には、データ管理モジュールMは、端末Pのアクセス先をサーバ5上のウェブアプリケーションAP-Cに変更(リダイレクト)させる。サーバ5上のウェブアプリケーションAP-Cは、データベース7からデータを取得して端末Pに表示する。
【0021】
図2は、ウェブアプリケーションAPによる表示画面の例を示す図である。図2に示すように、各種センサSまたはアクチュエータAから取得したデータ(スコア)が時系列でグラフG上に表示される。図中“T1”で示す範囲のデータは比較的新しいデータであり、エッジ側のデータベース6に保存されている。また、“T2”で示す範囲のデータは古いデータであり、クラウド側のデータベース7に保存されている。情報処理システム1は、データの保存場所に応じて端末Pの接続先のアプリケーションを切り替え、効率的にデータ表示処理を実施するので、ユーザは、データの分散管理を意識せずに閲覧を行うことができる。
【0022】
§2 構成例
(1.ハードウェア構成)
図3を用いて、本実施形態に係る情報処理システム1のサーバ4,5のハードウェア構成の一例について説明する。サーバ4,5は、プロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14と、記憶装置15とを備えるコンピュータである。記憶装置15は、半導体メモリ(例えば、揮発性メモリまたは不揮発性メモリであってよいが、これらに限られない。)、またはディスク媒体(例えば、磁気記録媒体または光磁気記録媒体であってよいが、これらに限られない。)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶装置15には、プロセッサ11が実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、記憶装置15からメインメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11により解釈及び実行される。また、データベース6,7(第1の記憶装置、第2の記憶装置)もそれぞれサーバ4,5の記憶装置15に実装されていてもよい。なお、データベース6,7は、外部の記憶装置に実装されていてもよい。
【0023】
(2.機能構成)
次に、図4を用いて、本実施形態に係る情報処理システム1のサーバ4,5の機能構成の一例について説明する。図4は、サーバ4,5のプロセッサ11によって実行される機能モジュールを示すブロック図である。図4に示すように、エッジ側のサーバ4のプロセッサ11によって実行される機能モジュールには、データ管理部401、アクセス制御部402、データベース6から取得したデータを表示するデータ表示部403が含まれる。また、クラウド側のサーバ5のプロセッサ11によって実行される機能モジュールには、データベース7から取得したデータを表示するデータ表示部501が含まれる。
【0024】
データ管理部401とアクセス制御部402は、コンテナ化されたパッケージとして実装されていてもよい。また、データ表示部403とデータ表示部501は、同一の機能を有するコンテナ化されたウェブアプリケーションであってよい。コンテナは、サーバ4,5上でコンテナイメージと呼ばれるテンプレートファイルを元に生成して実行される。コンテナイメージには、アプリケーション(ソフトウェア)、アプリケーションの実行に必要なOSのライブラリ、ファイル、および設定等の実行環境の少なくとも1つを含むテンプレートが含まれる。
【0025】
§3 動作例
次に、本実施形態に係る情報処理システム1によるデータアクセスの手順について、図5のシーケンス図を用いて説明する。なお、本動作例は、本開示の一実施形態に係る情報処理方法の一例である。以下では、製造現場等におけるPLC(Programmable Logic Controller)などの制御システムのセンサおよびアクチュエータの少なくとも1つから取得したデータを、データが取得された期間を指定して閲覧する場合を例に説明する。データには、センサまたはアクチュエータから取得された日時のタイムスタンプが付与されている。取得されたデータは、データ管理部401によってまずエッジ側のデータベース6に保存され、所定時間経過後(例えば、1時間経過後)にクラウド側のデータベース7に移される。
【0026】
ユーザは、端末Pを操作して、内部システム2のサーバ4にアクセスする(S101)。サーバ4は、コンテナからウェブアプリケーションAP-E(データ表示部403)を起動し、端末Pにエッジ側のウェブアプリケーションAP-Eのアドレス(URL-1)へアクセスさせる。ウェブアプリケーションAP-Eは、端末Pにデータのリクエスト画面を表示する(S102)。
【0027】
ユーザは、端末Pを操作してデータを閲覧したい期間を指定する(S103)。期間の指定の方法は、例えば、開始時点と終了時点の日にちと時刻を指定するようにしてもよい(3月1日9:00-3月1日10:00等)。
【0028】
サーバ4のアクセス制御部402は、ユーザが指定した期間のデータがエッジ側のデータベース6に保存されているか否かを判断する(S104)。具体的には、ユーザが指定した期間のデータがクラウド側への移行前の期間に属するものであるか否かを判断する。データベース6に保存されている場合には(YES)、端末Pのアクセス先はURL-1のままとされ、ユーザはエッジ側のウェブアプリケーションAP-Eを介してデータベース6に保存されているデータを閲覧する(S105)。なお、当該閲覧は端末Pを介して行われる。
【0029】
一方、ユーザが指定した期間のデータがクラウドのデータベース7に保存されている場合には(S104:NO)、アクセス制御部402は、端末Pのアクセス先を、エッジ側のウェブアプリケーションAP-Eからクラウド側のウェブアプリケーションAP-C(データ表示部501)のアドレス(URL-2)へリダイレクトさせる(S106)。ユーザは、クラウド側のウェブアプリケーションAP-Cを介してデータベース7に保存されているデータを閲覧する(S107)。なお、当該閲覧は端末Pを介して行われる。
【0030】
さらに、端末Pがクラウド側のウェブアプリケーションAP-Cにアクセスしている状態で、ユーザがエッジ側のデータベース6に保存されているデータを指定した場合には、アクセス制御部402は、端末Pのアクセス先を、クラウド側のウェブアプリケーションAP-Cからエッジ側のウェブアプリケーションAP-Eのアドレス(URL-1)へリダイレクトさせる。
【0031】
エッジ側のウェブアプリケーションAP-Eへアクセスしているユーザが期間を指定したデータのうち、一部はエッジ側のデータベース6に保存されており、一部はクラウドのデータベース7に保存されている場合には、エッジ側のウェブアプリケーションAP-Eのアドレスを介してデータベース6からデータをダウンロードした後、クラウド側のウェブアプリケーションAP-Cへリダイレクトし、データベース7から残りのデータをダウンロードするようにしてもよい。逆にクラウド側のウェブアプリケーションAP-Cへアクセスしている場合には、先にクラウド側に保存されているデータをダウンロードしてから、エッジ側へリダイレクトするようにしてもよい。
【0032】
(使用頻度に応じたデータ管理)
上記の実施形態では、データの取得時間(タイムスタンプ)に応じてエッジ側からクラウド側へデータを移行しているが、さらに、データへのアクセス頻度等に応じて保存場所をメインメモリ12と記憶装置15(データベース6,7)に振り分けるようにしてもよい。
【0033】
まずデータ管理部401は、メインメモリ12に読み込まれているデータのうち、FIFO(最初にメインメモリ12に記憶されたデータ)、LFU(アクセス回数が最も少ないデータ)、LRU(最後にアクセスされてから最も時間が経過しているデータ)などの方針で保存先を記憶装置15へ移すようにしてもよい。上記の方針に限らず、一定時間におけるアクセス回数が多い順にメインメモリ12に保存するようにしてもよい。これにより、使用頻度の高いデータの表示速度が高くなり、ユーザの利便性が向上する。さらに、同様の方針に基づいて、アクセス頻度が高いと判断されたデータについては、エッジ側のデータベース6に保存するようにしてもよい。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、データ取得時期が最近のものはエッジ側に保存し、ある程度期間が経過したデータについてはクラウド側に保存するようにした。さらに、データ表示のリクエストに対しては、指定されたデータ取得期間に基づいて、エッジ側で表示処理を行うか、クラウド側のアプリケーションのURLへリダイレクトするかを判断するようにした。これにより、最近のデータをリクエストした場合には高速で表示され、古いデータをリクエストした場合でも、すぐにリダイレクトされて表示が実行されるので、いずれの場合でも、比較的高速に効率よくデータにアクセスできるようにすることができる。
【0035】
さらに、アクセス頻度の高いデータはメモリに保存することにより、利用度の高いデータはさらに高速に表示できるようにすることが可能となる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、上述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良と変形を行うことができることは言うまでもない。
【0037】
一変形例として、汎用のコンピュータを、上述した実施の形態に係るサーバ4,5として機能させる実施の形態も可能である。具体的には、上述した実施の形態に係るサーバ4,5の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させることも可能である。したがって、本発明は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能であり、あるいは当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【0038】
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0039】
(付記1)
データを、当該データの取得からの経過時間に基づいて、内部システムに属する第1の記憶装置と外部システムに属する第2の記憶装置とのいずれに保存するかを判断するデータ管理部と、
データの閲覧を要求するユーザが端末を介して指定した期間情報に基づいて、当該データが前記第1の記憶装置と前記第2の記憶装置とのいずれに保存されているかを判断し、当該データが前記第1の記憶装置に保存されている場合には、前記端末によるアクセス先を内部システムに属する第1のデータ表示部とし、当該データが前記第2の記憶装置に保存されている場合には、前記端末によるアクセス先を外部システムに属する第2のデータ表示部とするアクセス制御部と、を備えた情報処理システム。
【0040】
(付記2)
前記データ管理部は、
前記第1の記憶装置に保存されているデータのうち、アクセス頻度が所定の条件を満たすデータを前記内部システムのメモリに保存し、前記第2の記憶装置に保存されているデータのうち、アクセス頻度が所定の条件を満たすデータを前記外部システムのメモリに保存する、付記1に記載の情報処理システム。
【0041】
(付記3)
前記データ管理部は、
前記第1の記憶装置に保存されているデータについて、当該データを、前記第1の記憶装置への保存から所定期間の経過後に前記第2の記憶装置に移動させる、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【0042】
(付記4)
前記第1のデータ表示部および前記第2のデータ表示部は、コンテナ化されたアプリケーションをそれぞれ含む、付記1ないし3のいずれかに記載の情報処理システム。
【0043】
(付記5)
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
データを、当該データの取得からの経過時間に基づいて、内部システムに属する第1の記憶装置と外部システムに属する第2の記憶装置とのいずれに保存するかを判断することと、
データの閲覧を要求するユーザによって指定された期間情報に基づいて、当該データが前記第1の記憶装置と前記第2の記憶装置とのいずれに保存されているかを判断することと、
当該データが前記第1の記憶装置に保存されていると判断された場合には、前記ユーザのアクセス先を内部システムに属する第1のデータ表示部と決定し、当該データが前記第2の記憶装置に保存されていると判断された場合には、前記ユーザのアクセス先を外部システムに属する第2のデータ表示部と決定することと、
を含む情報処理方法。
【0044】
(付記6)
コンピュータに、
データを、当該データの取得からの経過時間に基づいて、内部システムに属する第1の記憶装置と外部システムに属する第2の記憶装置とのいずれに保存するかを判断することと、
データの閲覧を要求するユーザによって指定された期間情報に基づいて、当該データが前記第1の記憶装置と前記第2の記憶装置とのいずれに保存されているかを判断することと、
当該データが前記第1の記憶装置に保存されていると判断された場合には、前記ユーザのアクセス先を内部システムに属する第1のデータ表示部と決定し、当該データが前記第2の記憶装置に保存されていると判断された場合には、前記ユーザのアクセス先を外部システムに属する第2のデータ表示部と決定することと、
を実行させる情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0045】
1…情報処理システム、2…内部システム、3…外部システム、4,5…サーバ、6,7…データベース、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…入出力インタフェース、14…通信インタフェース、15…記憶装置、401…データ管理部、402…アクセス制御部、403,501…データ表示部
図1
図2
図3
図4
図5