(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130194
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】車載器制御方法及び車載器制御装置
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20240920BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B60R11/02 B
B60R11/02 Z
H04R3/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039789
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 由貴
(72)【発明者】
【氏名】丸尾 駿介
【テーマコード(参考)】
3D020
5D220
【Fターム(参考)】
3D020BA02
3D020BA20
3D020BB01
3D020BE03
5D220AA01
5D220AA05
5D220AB08
(57)【要約】
【課題】必ずしも携帯端末の着信音の登録を要せずに、乗員が携帯端末で通話しやすいように車載器の出力音量を制御できる車載器制御方法及び車載器制御装置を提供する。
【解決手段】車載器制御装置100は、プロセッサ10を用いて、車両1に搭載されたオーディオ機器4が出力する出力音量を制御し、プロセッサ10は、車内カメラ2に入力された車両1の内部の画像を取得し、画像に基づいて車両1の内部にある携帯端末を検出し、画像に基づいて車両1の乗員が携帯端末に対して所定の通話動作を行ったか否かを判定し、車両1の乗員が通話動作を行った場合は、オーディオ機器4の出力音量を下げる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを用いて、車両に搭載された車載器が出力する出力音量を制御する車載器制御方法であって、
前記プロセッサは、
画像入力部に入力された前記車両の内部の画像を取得し、
前記画像に基づいて前記車両の内部にある携帯端末を検出し、
前記画像に基づいて前記車両の乗員が前記携帯端末に対して所定の通話動作を行ったか否かを判定し、
前記車両の乗員が前記通話動作を行った場合は、前記出力音量を下げる、車載器制御方法。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記乗員が前記通話動作を行った場合は、前記乗員が前記通話動作を行ったと判定した時点の前記出力音量を設定音量として記憶し、
前記乗員が前記携帯端末に対して所定の終話動作を行ったか否かを判定し、
前記乗員が所定の終話動作を行った場合は、前記出力音量を前記設定音量に戻す、請求項1に記載の車載器制御方法。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記乗員の手及び顔のいずれか一方又は両方と前記携帯端末との位置関係に基づいて、前記乗員が前記通話動作を行ったか否かを判定する、請求項1に記載の車載器制御方法。
【請求項4】
前記プロセッサは、
音声入力部に入力された音声を取得し、
前記画像及び前記音声に基づいて、前記乗員が前記通話動作を行ったか否かを判定する、請求項1に記載の車載器制御方法。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記出力音量が所定の判定音量以上である場合に、前記乗員が前記通話動作を行ったか否かを判定する、請求項1に記載の車載器制御方法。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記出力音量を下げた後、前記乗員が手動で前記出力音量を変更した場合は、前記出力音量の制御を終了する、請求項1に記載の車載器制御方法。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記出力音量を下げた後、前記乗員が手動で前記出力音量を変更した場合は、所定時間、前記出力音量を制御しない、請求項1に記載の車載器制御方法。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記車両の乗員が前記通話動作を行った場合は、前記車両の窓及びサンルーフのいずれか一方又は両方を閉状態とする、請求項1に記載の車載器制御方法。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記車両の乗員が前記通話動作を行った場合は、前記車両の空調機器の風量を下げる、請求項1に記載の車載器制御方法。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記車両の乗員が前記通話動作を行った場合は、前記車載器が出力する音声を消音する、請求項1に記載の車載器制御方法。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記車両の乗員が前記通話動作を行った場合は、前記乗員の着座位置に対応して生成された音場における前記出力音量を下げる、請求項1に記載の車載器制御方法。
【請求項12】
車両に搭載された車載器が出力する出力音量を制御する車載器制御装置であって、
画像入力部に入力された前記車両の内部の画像を取得する画像取得部と、
前記画像に基づいて前記車両の内部にある携帯端末を検出する携帯端末検出部と、
前記画像に基づいて前記車両の乗員が所定の通話動作を行ったか否かを判定する乗員動作判定部と、
前記車両の乗員が前記通話動作を行った場合は、前記出力音量を下げる制御部とを備える、車載器制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器制御方法及び車載器制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の音声出力制御装置は、予め登録されている着信音を検出した場合に、音声出力装置の音声出力状態を消音状態または音量低減状態に制御して、乗員が携帯端末を用いて通話をしやすくする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の音声出力制御装置は、所定の着信音を予め登録する必要があり、未登録の着信音が鳴った場合は、音声出力装置の音量を制御できない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、必ずしも携帯端末の着信音の登録を要せずに、乗員が携帯端末で通話しやすいように車載器の出力音量を制御できる車載器制御方法及び車載器制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両の内部の画像に基づいて携帯端末を検出し、車両の乗員が携帯端末に対して所定の通話動作を行ったか否かを判定し、車両の乗員が通話動作を行った場合は、出力音量を下げることによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮像画像に基づいて乗員が所定の通話動作を行ったか否かを判定するので、必ずしも着信音の登録を要せずに、乗員が携帯端末で通話しやすいように車載器の出力音量を制御できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る車載器制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る車載器制御方法の手順を示すフローチャートである。
【
図3】第2実施形態に係る車載器制御方法の手順を示すフローチャートである。
【
図4】第3実施形態に係る車載器制御方法の手順を示すフローチャートである。
【
図5】第4実施形態に係る車載器制御方法の手順を示すフローチャートである。
【
図6】第5実施形態に係る車載器制御方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態を
図1及び
図2に基づいて説明する。
図1に示すように、車両1は、車載器制御装置100、車内カメラ2、マイク3、オーディオ機器4、窓5、サンルーフ6及び空調機器7を有する。車載器制御装置100は、車載器としてのオーディオ機器4の出力音量を制御する。また、車載器制御装置100は、車両1の窓5及び/又はサンルーフ6の開閉状態及び空調機器7の風量を制御可能である。なお、車内カメラ2は、車両1の内部の特定の領域又は全域を撮影する撮像装置であり、画像入力部を構成する。マイク3は、音声入力部を構成する。また、オーディオ機器4は、車両1の座席位置の各々に合わせて音場を生成する機能を有していてもよい。また、車載器制御装置100が出力音量を制御する車載器は、オーディオ機器4に限定されず、音声を発する他の機器であってもよい。また、車載器制御装置100は、車両1の窓5及び/又はサンルーフ6の開閉状態及び空調機器7の風量を制御せずに、オーディオ機器4の出力音量のみを制御可能であってもよい。また、車両1はサンルーフ6を有していなくてもよい。
【0010】
車載器制御装置100は、プロセッサ10を有する。プロセッサ10は、オーディオ機器4の出力音量を制御するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、ROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とを備える。プロセッサ10は、画像取得部11、携帯端末検出部12、音声取得部13、乗員動作判定部14、設定音量記憶部15及び制御部16を有する。プロセッサ10は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、画像取得部11、携帯端末検出部12、音声取得部13、乗員動作判定部14、設定音量記憶部15及び制御部16の各機能を実行する。
【0011】
画像取得部11は、車内カメラ2に入力された画像、すなわち、車内カメラ2が撮影した画像(映像)を取得する。
また、携帯端末検出部12は、画像取得部11が取得した画像に基づいて、車両1の内部にある携帯端末を検出する。
また、音声取得部13は、マイク3に入力された音声を取得する。
【0012】
乗員動作判定部14は、画像取得部11が取得した画像に基づいて、車両1の乗員が携帯端末に対して所定の通話動作を行ったか否かを判定する。通話動作とは、車両1の乗員が携帯端末を介して通話を開始したことを表す動作であり、例えば、手に持った携帯端末を顔の耳元に接近させるポーズである。すなわち、乗員動作判定部14は、乗員の手及び顔のいずれか一方又は両方と携帯端末との位置関係に基づいて、乗員が通話動作を行ったか否かを判定する。例えば、乗員動作判定部14は、乗員の手及び顔の位置と携帯端末の位置とが重なり合った場合に、乗員が通話動作を行ったと判定する。なお、乗員動作判定部14は、乗員の手の位置は検出せずに、乗員の顔の位置と携帯端末の位置とが重なり合った場合に、乗員が通話動作を行ったと判定してもよい。一方、携帯端末と乗員の顔とが接近しておらず、顔の向きの延長線上、すなわち、乗員の視線の先に携帯端末があり、かつ、携帯端末に乗員の手が接触している場合は、乗員はメール等を見るために携帯端末のディスプレイを見ている可能性が高いため、乗員動作判定部14は、乗員が携帯端末に対して通話動作を行っていないと判定する。
【0013】
また、乗員動作判定部14は、OpenPose等の骨格検出モデルを用いて乗員の姿勢を検出し、乗員が通話動作を行ったか否かを判定してもよい。さらに、乗員動作判定部14は、画像取得部11が取得した画像に加えて、音声取得部13が取得した音声にも基づいて、車両1の乗員が携帯端末に対して所定の通話動作を行ったか否かを判定してもよい。例えば、乗員動作判定部14は、乗員の手及び顔の位置と携帯端末の位置とが重なり合っており、かつ、「もしもし」等、乗員が通話相手との会話を開始するための音声が取得された場合に、乗員が通話動作を行ったと判定する。また、乗員動作判定部14は、画像取得部11が取得した画像に基づいて、乗員の口の動きを検出することにより、乗員が通話動作を行ったか否かを判定してもよい。
【0014】
また、乗員動作判定部14は、画像取得部11が取得した画像に基づいて、車両1の乗員が携帯端末に対して所定の終話動作を行ったか否かも判定する。通話動作とは、車両1の乗員が携帯端末を介した通話を終了したことを表す動作である。例えば、乗員動作判定部14は、互いに重なり合っていた乗員の手及び顔の位置と携帯端末の位置とが離れた場合に、乗員が終話動作を行ったと判定する。なお、乗員動作判定部14は、乗員の手の位置は検出せずに、乗員の顔の位置と携帯端末の位置とが離れた場合に、乗員が終話動作を行ったと判定してもよい。また、乗員動作判定部14は、画像取得部11が取得した画像及び音声取得部13が取得した音声に基づいて、乗員が携帯端末に対して所定の終話動作を行ったか否かを判定してもよい。すなわち、乗員動作判定部14は、乗員の手及び顔の位置と携帯端末の位置とが離れ、かつ、「失礼します」、「じゃあね」等の特定の音声が取得された場合に、乗員が終話動作を行ったと判定する。
【0015】
設定音量記憶部15は、乗員動作判定部14が「車両1の乗員が通話動作を行った」と判定した場合に、乗員が通話動作を行ったと判定した時点のオーディオ機器4の出力音量を設定音量として記憶する。
【0016】
制御部16は、乗員動作判定部14が「車両1の乗員が通話動作を行った」と判定した場合に、出力音量を下げるようにオーディオ機器4に制御指令を送出する。また、制御部16は、乗員動作判定部14が「車両1の乗員が終話動作を行った」と判定した場合は、出力音量を、設定音量記憶部15に記憶された設定音量に戻すように、オーディオ機器4に制御指令を送出する。なお、制御部16は、車両1の窓5及び/又はサンルーフ6の開閉状態や空調機器7の風量を制御することもできる。
【0017】
なお、オーディオ機器4が座席位置に応じて音場を生成し、かつ、音場ごとに出力音量を設定できる機能を有している場合は、制御部16は、通話動作を行った乗員の着座位置に対応する音場の出力音量のみを下げるように、オーディオ機器4に制御指令を送出してもよい。
【0018】
次に、
図2のフローチャートを用いて、第1実施形態に係る車載器制御方法の手順を説明する。
まず、ステップS1において、プロセッサ10の画像取得部11が画像入力部としての車内カメラ2から画像を取得する。
【0019】
次に、ステップS2において、プロセッサ10は、ステップS1で取得された画像に基づいて携帯端末検出部12が車両1の内部の携帯端末を検出したか否かを判定する。携帯端末が検出されない場合は、制御は終了する。
【0020】
一方、ステップS2において「携帯端末が検出された」と判定された場合は、ステップS3において、乗員動作判定部14は、乗員が携帯端末に対して所定の通話動作を行ったか否かを判定する。乗員が携帯端末に対して所定の通話動作を行っていない場合は、乗員動作判定部14は、ステップS3の判定を繰り返す。
【0021】
一方、ステップS3において「乗員が通話動作を行った」と判定された場合は、ステップS4において、設定音量記憶部15は、乗員が通話動作を行ったと判定した時点のオーディオ機器4の出力音量を設定音量として記憶する。
【0022】
次に、ステップS5において、制御部16は、出力音量を下げる制御指令をオーディオ機器4に送出する。また、ステップS4において、制御部16は、オーディオ機器4が出力する音声を消音する制御指令をオーディオ機器4に送出してもよい。
【0023】
次に、ステップS6において、乗員動作判定部14は、乗員が終話動作を行ったか否かを判定する。乗員が終話動作を行っていない場合は、乗員動作判定部14は、ステップS6の判定を繰り返す。
【0024】
一方、ステップS6において「乗員が終話動作を行った」と判定された場合は、ステップS7において、制御部16はオーディオ機器4の音量を設定音量に戻す制御指令をオーディオ機器4に送出する。
【0025】
なお、
図2のフローチャートにおいて、ステップS4の処理を省略してもよい。すなわち、プロセッサ10は、設定音量を記憶せず、ステップS6で「乗員が終話動作を行った」と判定した後、ステップS7において、オーディオ機器4の出力音量を予め設定されたレベル分上げてもよい。
また、
図2のフローチャートにおいて、ステップS4,S6及びS7の処理を省略してもよい。すなわち、ステップS5で制御部16がオーディオ機器4の出力音量を下げるか、又は、オーディオ機器4の音声を消音した後、制御は終了し、通話が終了した後は乗員が手動でオーディオ機器4の出力音量を適宜、設定し直してもよい。
【0026】
以上より、本実施形態に係る車載器制御装置100は、車両1の内部の画像に基づいて車両1の乗員が携帯端末に対して所定の通話動作を行ったか否かを判定し、乗員が通話動作を行った場合は、オーディオ機器4の出力音量を下げる。これにより、車載器制御装置100は、必ずしも携帯端末の着信音の登録を要せずに、乗員が携帯端末で通話しやすいようにオーディオ機器4の出力音量を制御できる。すなわち、車載器制御装置100は、携帯端末の着信音が未登録の場合や携帯端末がマナーモードに設定されている場合であっても、乗員が携帯端末で通話しやすいようにオーディオ機器4の出力音量を制御できる。また、携帯端末を車両1のナビゲーションシステム等に登録又は無線で連携させる必要もないため、車載器制御装置100は、初めて車両1に乗る乗員や携帯端末の情報を登録したくない乗員にとっても良好な通話環境を提供できるように、オーディオ機器4の出力音量を制御できる。
【0027】
また、車載器制御装置100は、乗員が通話動作を行った場合は、乗員が通話動作を行ったと判定した時点の出力音量を設定音量として記憶し、乗員が携帯端末に対して所定の終話動作を行った場合は、出力音量を設定音量に戻す。これにより、車載器制御装置100は、乗員の通話が終了したことを自動で判定して出力音量を設定音量に戻すため、乗員が手動で出力音量を戻す手間を省くことができる。
【0028】
また、車載器制御装置100は、乗員の手及び顔のいずれか一方又は両方と携帯端末との位置関係に基づいて、乗員が通話動作を行ったか否かを判定する。これにより、車載器制御装置100は、例えば、乗員が携帯端末を持った手を顔の横に近づける等の動作を行ったときに、乗員が通話動作を行ったと自動で判定できる。
【0029】
また、車載器制御装置100は、マイク3に入力された音声を取得し、画像及び音声に基づいて、乗員が通話動作を行ったか否かを判定する。これにより、車載器制御装置100は、車内カメラ2が撮影した画像に加えて、マイク3に入力された音声も用いることで、乗員が通話動作を行ったか否かをより確実に判定できる。
【0030】
また、車載器制御装置100は、車両1の乗員が通話動作を行った場合は、オーディオ機器4が出力する音声を消音してもよい。これにより、乗員はより静かな環境で通話に集中することができる。
【0031】
また、車載器制御装置100は、車両の乗員が通話動作を行った場合は、当該乗員の着座位置に対応して生成された音場における出力音量を下げてもよい。これにより、車載器制御装置100は、通話中の乗員の周囲の音場におけるオーディオ機器4の出力音量のみを下げて、他の音場における出力音量は変えないため、通話中の乗員以外の乗員はオーディオ機器4の音声を変わらず楽しめるようにすることができる。
【0032】
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態について
図3に基づいて説明する。なお、第2実施形態に係る車載器制御装置100の構成は
図1に示すものと同様の構成である。また、以下の説明において、フローチャートにおける同一の符号は同一又は同様の処理を示すものであるため、詳細な説明は省略する。なお、
図3に示すフローチャートは、
図2に示す第1実施形態のフローチャートにステップS21の処理を追加したものである。
【0033】
図3に示すように、ステップS2において車両1の内部に携帯端末が検出された場合は、ステップS21において、乗員動作判定部14は、オーディオ機器4の出力音量が所定の判定音量以上であるか否かを判定する。オーディオ機器4の出力音量が所定の判定音量未満である場合は、制御は終了する。なお、判定音量とは、乗員の携帯端末での通話の妨げにならない程度の音量の閾値である。判定音量は、例えば、オーディオ機器4の最大音量の10%の音量レベルであるが、これに限定されない。
【0034】
一方、ステップS21において、「オーディオ機器4の出力音量が所定の判定音量以上である」と判定された場合は、ステップS3において、乗員動作判定部14は、乗員が通話動作を行ったか否かを判定する。
【0035】
以上より、本実施形態に係る車載器制御装置100は、オーディオ機器4の出力音量が所定の判定音量以上である場合に、乗員が通話動作を行ったか否かを判定する。すなわち、車載器制御装置100は、オーディオ機器4の出力音量が乗員の携帯端末での通話の妨げにならない程度に小さい場合は、出力音量の制御を行わない。これにより、車載器制御装置100は、必要以上の頻度でオーディオ機器4の出力音量を変更しないようにすることができる。
【0036】
《第3実施形態》
次に、本発明の第3実施形態について
図4に基づいて説明する。なお、第3実施形態に係る車載器制御装置100の構成は
図1に示すものと同様の構成である。また、
図4に示すフローチャートは、
図2に示す第1実施形態のフローチャートにステップS31の処理を追加したものである。
【0037】
図4に示すように、ステップS5において、制御部16がオーディオ機器4の出力音量を下げた、又は、オーディオ機器4の音声を消音した後、ステップS31において、乗員動作判定部14は、乗員がオーディオ機器4の出力音量を手動で変更したか否かを判定する。乗員がオーディオ機器4の出力音量を手動で変更しなかった場合は、ステップS6において、乗員動作判定部14は、乗員が終話動作を行ったか否かを判定する。
一方、ステップS31において、「乗員がオーディオ機器4の出力音量を手動で変更した」と判定された場合は、制御は終了する。
【0038】
以上より、本実施形態に係る車載器制御装置100は、オーディオ機器4の出力音量を下げた後、乗員が手動で出力音量を変更した場合は、出力音量の制御を終了する。これにより、車載器制御装置100は、乗員が手動で出力音量を変更した場合は、乗員の意思を反映して変更後の音量設定を受け入れることができる。
【0039】
《第4実施形態》
次に、本発明の第4実施形態について
図5に基づいて説明する。なお、第4実施形態に係る車載器制御装置100の構成は
図1に示すものと同様の構成である。また、
図5に示すフローチャートは、
図4に示す第3実施形態のフローチャートにステップS41の処理を追加したものである。
【0040】
図5に示すように、ステップS31において、乗員がオーディオ機器4の出力音量を手動で変更したと判定された場合は、ステップS41において、プロセッサ10は、所定時間(例えば、10分間)、オーディオ機器4の出力音量を制御せず、出力音量の自動調整機能をOFFにする。すなわち、乗員がオーディオ機器4の出力音量を手動で変更してから所定時間が経過するまでの間は、通話が終了してその後再び乗員が通話動作を行った(携帯端末での通話を開始した)としても、プロセッサ10はオーディオ機器4の出力音量を制御しない。
【0041】
以上より、本実施形態に係る車載器制御装置100は、オーディオ機器4の出力音量を下げた後、乗員が手動で出力音量を変更した場合は、所定時間、出力音量を制御しない。これにより、車載器制御装置100は、乗員が手動で出力音量を変更した場合は、「携帯端末での通話中であってもオーディオ機器4の出力音量を自動で変えられたくない」という乗員の意思を反映して、所定時間、出力音量の設定を乗員の手動操作に任せることができる。
【0042】
《第5実施形態》
次に、本発明の第5実施形態について
図6に基づいて説明する。なお、第5実施形態に係る車載器制御装置100の構成は
図1に示すものと同様の構成である。また、
図6に示すフローチャートは、
図2に示す第1実施形態のフローチャートにステップS51,S52,S53の処理を追加したものである。
【0043】
図6に示すように、ステップS5において、制御部16がオーディオ機器4の出力音量を下げた、又は、オーディオ機器4の音声を消音した後、ステップS51において、制御部16は、車両1の窓5及びサンルーフ6のいずれか一方又は両方を閉状態とする。すなわち、ステップS3において「車両1の乗員が通話動作を行った」と判定された場合は、ステップS51において、制御部16は、車両1の窓5及びサンルーフ6のいずれか一方又は両方を閉状態とする。
【0044】
また、次に、ステップS52において、制御部16は、車両1の空調機器7の風量を下げる。すなわち、ステップS3において「車両1の乗員が通話動作を行った」と判定された場合は、ステップS52において、制御部16は、車両1の空調機器7の風量を下げる。なお、制御部16は、空調機器7の風量が所定値以上に設定されている場合に限り、ステップS52において空調機器7の風量を下げてもよい。
【0045】
さらに、ステップS6において、「乗員が終話動作を行った」と判定された場合は、制御部16は、ステップS7においてオーディオ機器4の出力音量を設定音量を戻すとともに、ステップS53において、車両1の窓5、サンルーフ6及び空調機器7を元の状態に戻す。すなわち、ステップS53において、制御部16は、閉状態となった車両1の窓5及び/又はサンルーフ6の開閉状態を元に戻し、空調機器7の風量を元に戻す。
【0046】
なお、
図6のフローチャートにおいて、ステップS5,S51,S52の処理は同時に実行されてもよく、各々、いずれの順番で実行されてもよい。また、ステップS7,S53の処理も同時に実行されてもよく、各々、いずれの順番で実行されてもよい。また、ステップS51又はステップS52のいずれか一方の処理が省略されてもよい。
【0047】
以上より、本実施形態に係る車載器制御装置100は、車両1の乗員が通話動作を行った場合は、車両1の窓5及びサンルーフ6のいずれか一方又は両方を閉状態とする。これにより、車載器制御装置100は、車両1の乗員が携帯端末で通話している間は、乗員の通話が車両1の外からの雑音に妨げられないようにすることができる。
【0048】
また、車載器制御装置100は、車両1の乗員が通話動作を行った場合は、車両1の空調機器7の風量を下げる。これにより、車載器制御装置100は、車両1の乗員が携帯端末で通話している間は、乗員の通話が空調機器7から発せられる風の音に妨げられないようにすることができる。
【0049】
なお、上記のオーディオ機器4は、車載器に相当する。上記の車内カメラ2は、画像入力部に相当する。上記のマイク3は、音声入力部に相当する。
【符号の説明】
【0050】
100…車載器制御装置
1…車両
2…車内カメラ(画像入力部)
3…マイク(音声入力部)
5…窓
6…サンルーフ
7…空調機器
10…プロセッサ
11…画像取得部
12…携帯端末検出部
14…乗員動作判定部
16…制御部