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特開2024-13020電気設備設計支援システム、電気設備設計支援方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013020
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】電気設備設計支援システム、電気設備設計支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240124BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114915
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】品田 小有里
(72)【発明者】
【氏名】平下 英里
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】実導入負荷設備用のトランス容量を適切に算出することができる電気設備設計支援システム、電気設備設計支援方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】電気設備設計支援システムは、所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を示すサンプルデータと、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報とを取得する取得部と、サンプルデータと実導入負荷設備の時間帯別電力使用量との対応関係を示す係数に基づいて実導入負荷設備の時間帯別電力使用量を算出し、実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値を算出し、実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値に基づいて実導入負荷設備用のトランス容量を算出する算出部とを備え、実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報は、係数を設定するために用いられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気設備の設計を支援する電気設備設計支援システムであって、
前記電気設備の設計に用いられる情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された情報から算出項目を算出する算出部とを備え、
前記取得部によって取得される情報には、
所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を示す情報であるサンプルデータと、
前記電気設備設計支援システムによる設計支援の対象の前記電気設備に接続される負荷設備である実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報とが少なくとも含まれ、
前記算出部は、
前記サンプルデータと、前記サンプルデータに対応する前記所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量と前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す係数とに少なくとも基づいて、前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を前記算出項目として少なくとも算出する電力使用量算出部と、
前記電力使用量算出部によって算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値を算出する電力ピーク値算出部と、
前記電力ピーク値算出部によって算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値に少なくとも基づいて前記実導入負荷設備用のトランス容量を算出するトランス容量算出部とを備え、
前記実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報は、前記係数を設定するために用いられる、
電気設備設計支援システム。
【請求項2】
前記電力ピーク値算出部は、前記トランス容量算出部によって算出される前記実導入負荷設備用のトランス容量を削減する負荷制御が、前記電気設備設計支援システムによる設計支援の対象の前記電気設備に接続される前記実導入負荷設備に適用されて前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値である負荷制御適用電力ピーク値を前記算出項目として算出し、
前記トランス容量算出部は、少なくとも前記電力ピーク値算出部によって算出された前記負荷制御適用電力ピーク値に基づいて前記実導入負荷設備用のトランス容量を算出する、
請求項1に記載の電気設備設計支援システム。
【請求項3】
前記取得部によって取得される情報には、前記実導入負荷設備が使用する電力の時間帯別の単価である電力使用量単価を示す情報が更に含まれ、
前記算出部は、
前記電力使用量算出部によって算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量に少なくとも基づいて、前記実導入負荷設備が稼働する場合のランニングコストを前記算出項目として算出するランニングコスト算出部と、
ランニングコスト削減効果算出部とを備え、
前記ランニングコスト算出部は、
前記トランス容量算出部によって算出される前記実導入負荷設備用のトランス容量を削減する負荷制御が、前記実導入負荷設備に適用されない場合のランニングコストである負荷制御不適用ランニングコストと、
前記トランス容量算出部によって算出される前記実導入負荷設備用のトランス容量を削減する負荷制御が、前記実導入負荷設備に適用される場合のランニングコストである負荷制御適用ランニングコストとを前記算出項目として算出し、
前記ランニングコスト削減効果算出部は、
前記ランニングコスト算出部によって算出された負荷制御不適用ランニングコストと負荷制御適用ランニングコストとに基づいて、ランニングコスト削減効果を前記算出項目として算出する、
請求項2に記載の電気設備設計支援システム。
【請求項4】
前記ランニングコスト算出部は、前記負荷制御適用ランニングコストとして、ピークカット制御が前記実導入負荷設備に適用される場合のランニングコストを算出する、
請求項3に記載の電気設備設計支援システム。
【請求項5】
前記ランニングコスト算出部は、前記負荷制御適用ランニングコストとして、蓄電池を用いないピークシフト制御が前記実導入負荷設備に適用される場合のランニングコストを算出し、
前記蓄電池を用いないピークシフト制御では、
複数の前記実導入負荷設備による電力使用量が所定値より大きい時間帯であるピーク時間帯に稼働させられていた複数の前記実導入負荷設備の一部が、
前記ピーク時間帯に稼働させられなくなり、
複数の前記実導入負荷設備による電力使用量が前記所定値以下の時間帯であるオフピーク時間帯に稼働させられる、
請求項3に記載の電気設備設計支援システム。
【請求項6】
前記ランニングコスト算出部は、前記負荷制御適用ランニングコストとして、蓄電池を用いるピークシフト制御が前記実導入負荷設備に適用される場合のランニングコストを算出し、
前記蓄電池を用いるピークシフト制御では、
複数の前記実導入負荷設備による電力使用量が所定値より小さい時間帯であるオフピーク時間帯に、前記蓄電池に対する充電が行われ、
前記オフピーク時間帯に前記蓄電池に充電された電力が、複数の前記実導入負荷設備による電力使用量が前記所定値以上になるおそれがある時間帯であるピーク時間帯に、放電されて、複数の前記実導入負荷設備において使用される、
請求項3に記載の電気設備設計支援システム。
【請求項7】
前記ランニングコスト算出部は、前記負荷制御適用ランニングコストとして、省エネルギー制御が前記実導入負荷設備に適用される場合のランニングコストを算出する、
請求項3に記載の電気設備設計支援システム。
【請求項8】
前記ランニングコスト算出部は、前記負荷制御適用ランニングコストとして、
ピークカット制御、蓄電池を用いないピークシフト制御、蓄電池を用いるピークシフト制御、および、省エネルギー制御のうちの1つが前記電気設備に接続される電灯負荷設備に適用されると共に、
ピークカット制御、蓄電池を用いないピークシフト制御、蓄電池を用いるピークシフト制御、および、省エネルギー制御のうちの他の1つが前記電気設備に接続される動力負荷設備に適用される場合のランニングコストを算出する、
請求項3に記載の電気設備設計支援システム。
【請求項9】
前記サンプルデータには、電灯負荷サンプルデータと、動力負荷サンプルデータとが含まれ、
前記電力使用量算出部は、
前記電灯負荷サンプルデータと、前記電灯負荷サンプルデータに対応する電灯負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量と前記電気設備に接続される電灯負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す電灯負荷用係数とに少なくとも基づいて、前記電気設備に接続される電灯負荷設備が稼働する場合の電灯負荷時間帯別電力使用量を算出すると共に、
前記動力負荷サンプルデータと、前記動力負荷サンプルデータに対応する動力負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量と前記電気設備に接続される動力負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す動力負荷用係数とに少なくとも基づいて、前記電気設備に接続される動力負荷設備が稼働する場合の動力負荷時間帯別電力使用量を算出する、
請求項1に記載の電気設備設計支援システム。
【請求項10】
前記算出部は、
前記トランス容量算出部によって算出される前記実導入負荷設備用のトランス容量を削減する負荷制御が適用される場合における少なくともキュービクル、電灯盤および動力盤のイニシャルコストと、前記トランス容量算出部によって算出される前記実導入負荷設備用のトランス容量を削減する負荷制御が適用されない場合における少なくともキュービクル、電灯盤および動力盤のイニシャルコストとを算出し、
前記トランス容量算出部によって算出される前記実導入負荷設備用のトランス容量を削減する負荷制御が適用されない場合における少なくともキュービクル、電灯盤および動力盤のイニシャルコストと、前記トランス容量算出部によって算出される前記実導入負荷設備用のトランス容量を削減する負荷制御が適用される場合における少なくともキュービクル、電灯盤および動力盤のイニシャルコストとの差を、イニシャルコスト削減効果として算出する、
請求項2に記載の電気設備設計支援システム。
【請求項11】
電気設備の設計を支援する電気設備設計支援システムの電気設備設計支援方法であって、
前記電気設備の設計に用いられる情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された情報から算出項目を算出する算出ステップとを備え、
前記取得ステップにおいて取得される情報には、
所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を示す情報であるサンプルデータと、
前記電気設備設計支援システムによる設計支援の対象の前記電気設備に接続される負荷設備である実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報とが少なくとも含まれ、
前記算出ステップには、
前記サンプルデータと、前記サンプルデータに対応する前記所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量と前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す係数とに少なくとも基づいて、前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を前記算出項目として少なくとも算出する電力使用量算出ステップと、
前記電力使用量算出ステップにおいて算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値を算出する電力ピーク値算出ステップと、
前記電力ピーク値算出ステップにおいて算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値に少なくとも基づいて前記実導入負荷設備用のトランス容量を算出するトランス容量算出ステップとが含まれ、
前記実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報は、前記係数を設定するために用いられる、
電気設備設計支援方法。
【請求項12】
コンピュータに、
電気設備の設計に用いられる情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された情報から算出項目を算出する算出ステップとを実行させるためのプログラムであって、
前記取得ステップにおいて取得される情報には、
所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を示す情報であるサンプルデータと、
設計支援の対象の前記電気設備に接続される負荷設備である実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報とが少なくとも含まれ、
前記算出ステップには、
前記サンプルデータと、前記サンプルデータに対応する前記所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量と前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す係数とに少なくとも基づいて、前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を前記算出項目として少なくとも算出する電力使用量算出ステップと、
前記電力使用量算出ステップにおいて算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値を算出する電力ピーク値算出ステップと、
前記電力ピーク値算出ステップにおいて算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値に少なくとも基づいて前記実導入負荷設備用のトランス容量を算出するトランス容量算出ステップとが含まれ、
前記実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報は、前記係数を設定するために用いられる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気設備設計支援システム、電気設備設計支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気経路の構成及び電気経路を開閉するブレーカの構成を含む電気設備の設計を支援する電気設備設計支援システムについて記載されている。特許文献1に記載された技術では、複数の端末装置が電気設備に関する情報の入力を受け付けることができ、設計支援サーバは、電気設備の設計に関連する情報を統括的に管理し、複数の端末装置から受信した電気設備構成情報に基づいて建物の設計に用いられる電気設備設計情報を作成する。詳細には、設計支援サーバは、複数の端末装置から受信した電気設備構成情報に基づいて、負荷に繋がる電気経路の構成及び電気経路を開閉するブレーカの構成を含む電気設備設計情報を作成する。
【0003】
ところで、特許文献1には、「トランス」の項目に「容量」が表示される旨が記載されているものの、設計支援の対象の電気設備に接続される負荷設備用のトランス容量をどのように算出すべきかについて記載されていない。そのため、特許文献1に記載された技術によっては、設計支援の対象の電気設備に接続される負荷設備用のトランス容量を適切に算出できないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-102070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した点に鑑み、本発明は、設計支援の対象の電気設備に接続される負荷設備である実導入負荷設備用のトランス容量を適切に算出することができる電気設備設計支援システム、電気設備設計支援方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、電気設備の設計を支援する電気設備設計支援システムであって、前記電気設備の設計に用いられる情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された情報から算出項目を算出する算出部とを備え、前記取得部によって取得される情報には、所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を示す情報であるサンプルデータと、前記電気設備設計支援システムによる設計支援の対象の前記電気設備に接続される負荷設備である実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報とが少なくとも含まれ、前記算出部は、前記サンプルデータと、前記サンプルデータに対応する前記所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量と前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す係数とに少なくとも基づいて、前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を前記算出項目として少なくとも算出する電力使用量算出部と、前記電力使用量算出部によって算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値を算出する電力ピーク値算出部と、前記電力ピーク値算出部によって算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値に少なくとも基づいて前記実導入負荷設備用のトランス容量を算出するトランス容量算出部とを備え、前記実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報は、前記係数を設定するために用いられる、電気設備設計支援システムである。
【0007】
本発明の一態様は、電気設備の設計を支援する電気設備設計支援システムの電気設備設計支援方法であって、前記電気設備の設計に用いられる情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された情報から算出項目を算出する算出ステップとを備え、前記取得ステップにおいて取得される情報には、所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を示す情報であるサンプルデータと、前記電気設備設計支援システムによる設計支援の対象の前記電気設備に接続される負荷設備である実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報とが少なくとも含まれ、前記算出ステップには、前記サンプルデータと、前記サンプルデータに対応する前記所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量と前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す係数とに少なくとも基づいて、前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を前記算出項目として少なくとも算出する電力使用量算出ステップと、前記電力使用量算出ステップにおいて算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値を算出する電力ピーク値算出ステップと、前記電力ピーク値算出ステップにおいて算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値に少なくとも基づいて前記実導入負荷設備用のトランス容量を算出するトランス容量算出ステップとが含まれ、前記実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報は、前記係数を設定するために用いられる、電気設備設計支援方法である。
【0008】
本発明の一態様は、コンピュータに、電気設備の設計に用いられる情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された情報から算出項目を算出する算出ステップとを実行させるためのプログラムであって、前記取得ステップにおいて取得される情報には、所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を示す情報であるサンプルデータと、設計支援の対象の前記電気設備に接続される負荷設備である実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報とが少なくとも含まれ、前記算出ステップには、前記サンプルデータと、前記サンプルデータに対応する前記所定の負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量と前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す係数とに少なくとも基づいて、前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を前記算出項目として少なくとも算出する電力使用量算出ステップと、前記電力使用量算出ステップにおいて算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値を算出する電力ピーク値算出ステップと、前記電力ピーク値算出ステップにおいて算出された前記実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量のピーク値に少なくとも基づいて前記実導入負荷設備用のトランス容量を算出するトランス容量算出ステップとが含まれ、前記実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報は、前記係数を設定するために用いられる、プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、設計支援の対象の電気設備に接続される負荷設備である実導入負荷設備用のトランス容量を適切に算出することができる電気設備設計支援システム、電気設備設計支援方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の電気設備設計支援システム1の一例を示す図である。
図2】取得部11によって取得されるサンプルデータA1の一例を示す図である。
図3】電力使用量算出部12Aによる処理の一例を示す図である。
図4】電力使用量算出部12Aによる処理の他の例を示す図である。
図5】電力使用量算出部12Aによる処理の更に他の例を示す図である。
図6】電力使用量算出部12Aによる処理の更に他の例を示す図である。
図7】トランス重量選出表を示す図である。
図8】キュービクル函体選出表を示す図である。
図9】電線単価表を示す図である。
図10】電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御としてピークカット制御が実行される場合の実導入負荷設備の時間帯別電力使用量の一例を示す図である。
図11】電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される場合の実導入負荷設備の時間帯別電力使用量の一例を示す図である。
図12】電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される場合の実導入負荷設備の時間帯別電力使用量の一例を示す図である。
図13】電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として省エネルギー制御が実行される場合の実導入負荷設備の時間帯別電力使用量の一例を示す図である。
図14】第1実施形態の電気設備設計支援システム1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図15】算出部12によって算出されるキュービクルのイニシャルコスト等の一例を示す図である。
図16】第2実施形態の電気設備設計支援システム1の一例を示す図である。
図17】第2実施形態の電気設備設計支援システム1電力使用量算出部12Aによる処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本発明の電気設備設計支援システム、電気設備設計支援方法およびプログラムの第1実施形態について説明する。
【0012】
図1は第1実施形態の電気設備設計支援システム1の一例を示す図である。
図1に示す例では、第1実施形態の電気設備設計支援システム1が、電気設備設計支援システム1の利用者による電気設備の設計を支援する。電気設備設計支援システム1は、取得部11と、算出部12とを備えている。
取得部11は、電気設備(詳細には、電気設備設計支援システム1によって設計の支援が行われる電気設備。以下、「設計支援対象電気設備」と称する。)の設計に用いられる情報(後述する「入力項目」および「記憶項目」)を取得する。取得部11によって取得される情報には、例えば所定の負荷設備(詳細には、設計支援対象電気設備に接続される負荷設備とは異なる負荷設備。以下、「サンプル負荷設備」と称する。)が稼働する場合の時間帯別電力使用量を示す情報であるサンプルデータA1などが含まれる。
【0013】
図2は取得部11によって取得されるサンプルデータA1の一例を示す図である。
図2に示す例では、取得部11によって取得されるサンプルデータA1に、オフィス照明サンプルデータA11、オフィスコンセントサンプルデータ(図示せず)、オフィス空調サンプルデータA12、オフィスエレベータサンプルデータ(図示せず)等が含まれる。オフィス照明サンプルデータA11は、サンプル負荷設備としてのオフィスの照明器具の時間帯別電力使用量を示す情報である。つまり、オフィス照明サンプルデータA11は、建物用途(サンプル負荷設備が適用される建物の用途)がオフィスであって、負荷設備が照明器具(電灯負荷)であって、負荷設備の消費電力・個数が基準値である場合の時間帯別電力使用量のサンプルを示す情報である。
【0014】
オフィスコンセントサンプルデータは、サンプル負荷設備としてのオフィスのコンセントの時間帯別電力使用量を示す情報である。つまり、コンセントサンプルデータは、建物用途がオフィスであって、負荷設備がコンセント(電灯負荷)であって、負荷設備の消費電力・個数が基準値である場合の時間帯別電力使用量のサンプルを示す情報である。
オフィス空調サンプルデータA12は、サンプル負荷設備としてのオフィスの空調の時間帯別電力使用量を示す情報である。つまり、オフィス空調サンプルデータA12は、建物用途がオフィスであって、負荷設備が空調(動力負荷)であって、負荷設備の消費電力・個数が基準値である場合の時間帯別電力使用量のサンプルを示す情報である。
オフィスエレベータサンプルデータは、サンプル負荷設備としてのオフィスのエレベータの時間帯別電力使用量を示す情報である。つまり、オフィスエレベータサンプルデータは、建物用途がオフィスであって、負荷設備がエレベータ(動力負荷)であって、負荷設備の消費電力・個数が基準値である場合の時間帯別電力使用量のサンプルを示す情報である。
【0015】
図1に示す例では、算出部12が、取得部11によって取得された情報(入力項目および記憶項目)から算出項目を算出する。算出部12は、電力使用量算出部12Aと、電灯負荷電力ピーク値算出部12Bと、動力負荷電力ピーク値算出部12Cと、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dと、動力負荷設備用トランス容量算出部12Eと、キュービクル受電容量算出部12Fと、電灯盤主幹容量算出部12Gと、動力盤主幹容量算出部12Hと、トランス重量算出部12Iと、キュービクルサイズ算出部12Jと、キュービクル重量算出部12Kと、第1電線費用算出部12Lと、第2電線費用算出部12Mと、ランニングコスト算出部12Nと、ランニングコスト削減効果算出部12Pとを備えている。
電力使用量算出部12Aは、サンプルデータA1、サンプル負荷設備(サンプルデータA1に対応する所定の負荷設備)が稼働する場合の時間帯別電力使用量と設計支援対象電気設備に接続される負荷設備(以下、「実導入負荷設備」と称する)が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す係数A2等に基づいて、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量などを算出項目として算出する。係数A2は、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を算出するためにサンプルデータA1に対して乗算すべき係数である。
【0016】
サンプルデータA1が、「建物用途:オフィス」、「負荷設備:空調」、「負荷設備の消費電力:2000W」、「負荷設備の個数:1台」のオフィス空調サンプルデータA12である場合であって、実導入負荷設備が、「建物用途(実導入負荷設備が適用される建物の用途):オフィス」、「負荷設備:空調」、「負荷設備の消費電力:2500W」、「負荷設備の個数:4台」のオフィス空調である場合に、電力使用量算出部12Aは、係数A2の値を、1.25(=2500W/2000W)×4(=4台/1台)=5に設定する。
サンプルデータA1および「建物用途:オフィス」、「負荷設備:空調」、「負荷設備の消費電力:2000W」、「負荷設備の個数:1台」のサンプル負荷設備の情報は、電気設備設計支援システム1の内部または外部に記憶項目として記憶されており、取得部11によって取得される。
「建物用途:オフィス」、「負荷設備:空調」、「負荷設備の消費電力:2500W」、「負荷設備の個数:4台」の実導入負荷設備の情報は、電気設備設計支援システム1の利用者によって電気設備設計支援システム1に入力される入力項目であり、取得部11によって取得される。換言すれば、取得部11によって取得される情報には、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備の消費電力、個数などが含まれる。
【0017】
図3は電力使用量算出部12Aによる処理の一例を示す図である。
図3に示す例では、電力使用量算出部12Aが、オフィス空調サンプルデータA12に係数A2(詳細には、値「3(=1.25×4×0.6)」)を乗算することによって、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備(空調(動力負荷))が稼働する場合の時間帯別電力使用量(算出項目)を算出する(詳細には、実導入負荷設備(空調)の負荷別電力使用量グラフA32を作成する)。
【0018】
図4は電力使用量算出部12Aによる処理の他の例を示す図である。
図4に示す例では、電力使用量算出部12Aが、図3に示す例と同様に、オフィス照明サンプルデータA11(図2参照)に係数A2を乗算することによって、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備(照明器具(電灯負荷))が稼働する場合の時間帯別電力使用量(算出項目)を算出する(詳細には、実導入負荷設備(照明器具)の負荷別電力使用量グラフA31を作成する)。
また、電力使用量算出部12Aは、図3に示す例と同様に、オフィスコンセントサンプルデータ(図示せず)に係数A2を乗算することによって、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備(コンセント(電灯負荷))が稼働する場合の時間帯別電力使用量(算出項目)を算出する(詳細には、実導入負荷設備(コンセント)の負荷別電力使用量グラフA31Aを作成する)。
更に、電力使用量算出部12Aは、実導入負荷設備(照明器具(電灯負荷))の負荷別電力使用量グラフA31、実導入負荷設備(コンセント(電灯負荷))の負荷別電力使用量グラフA31A等を積み上げることによって、実導入負荷設備の全電灯負荷電力使用量グラフA31X(=A31+A31A+…)を作成する。
【0019】
図5は電力使用量算出部12Aによる処理の更に他の例を示す図である。
図5に示す例では、電力使用量算出部12Aが、図3に示す例と同様に、オフィスエレベータサンプルデータ(図示せず)に係数A2を乗算することによって、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備(エレベータ(動力負荷))が稼働する場合の時間帯別電力使用量(算出項目)を算出する(詳細には、実導入負荷設備(エレベータ)の負荷別電力使用量グラフA32Aを作成する)。
更に、電力使用量算出部12Aは、実導入負荷設備(空調(動力負荷))の負荷別電力使用量グラフA32、実導入負荷設備(エレベータ(動力負荷))の負荷別電力使用量グラフA32A等を積み上げることによって、実導入負荷設備の全動力負荷電力使用量グラフA32X(=A32+A32A+…)を作成する。
【0020】
図6は電力使用量算出部12Aによる処理の更に他の例を示す図である。
図6に示す例では、電力使用量算出部12Aが、全電灯負荷電力使用量グラフA31Xと、全動力負荷電力使用量グラフA32Xとを積み上げることによって、実導入負荷設備の全負荷(つまり、すべての電灯負荷およびすべての動力負荷の合計の)電力使用量グラフA4(=A31X+A32X)を作成する。
また、電力使用量算出部12Aは、実導入負荷設備の全負荷電力使用量グラフA4に含まれるすべての時間帯(1時~24時)の電力使用量を合計することによって、設計支援対象電気設備に接続されるすべての実導入負荷設備(つまり、全負荷)の1日の電力使用量A5(算出項目)を算出する。
実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報は、係数A2を設定するために用いられる。
【0021】
図1に示す例では、電灯負荷電力ピーク値算出部12Bが、実導入負荷設備(照明器具(電灯負荷))の全電灯負荷電力使用量グラフA31Xのピーク値(図6に示す例では、10時、11時、15時の縦軸の値)を「電灯負荷電力ピーク値B1」(算出項目)として算出する。
動力負荷電力ピーク値算出部12Cは、実導入負荷設備(空調(動力負荷))の全動力負荷電力使用量グラフA32Xのピーク値(図6に示す例では、13時の縦軸の値)を「動力負荷電力ピーク値C1」(算出項目)として算出する。
電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dは、電灯負荷電力ピーク値算出部12Bによって算出された電灯負荷電力ピーク値B1と、電灯負荷設備用トランス容量D3を算出するための余裕率D1と、電灯負荷設備用トランス容量D3を算出するための力率D2と、例えば下記の(2)式とに基づいて、電灯負荷設備用トランス容量D3(算出項目)を算出する。電灯負荷設備用トランス容量D3を算出するための余裕率D1は、記憶項目または入力項目であり、例えば、建物用途がオフィスである場合に「1.3」であり、建物用途が店舗である場合に「1.2」であり、建物用途が工場である場合に「1.4」である。電灯負荷設備用トランス容量D3を算出するための力率D2は、記憶項目であり、例えば「0.95」である。
D3=B1×D1÷D2 (2)
【0022】
他の例では、電灯負荷設備用トランス容量D3を算出するための余裕率D1が、実導入負荷設備(照明器具(電灯負荷))の全電灯負荷電力使用量グラフA31Xのピーク値に応じて変動してもよい。具体的には、実導入負荷設備(照明器具(電灯負荷))の全電灯負荷電力使用量グラフA31Xのピーク値が0~150[kW]である場合に、電灯負荷設備用トランス容量D3を算出するための余裕率D1は例えば「1.2」である。実導入負荷設備(照明器具(電灯負荷))の全電灯負荷電力使用量グラフA31Xのピーク値が150~300[kW]である場合に、電灯負荷設備用トランス容量D3を算出するための余裕率D1は例えば「1.3」である。実導入負荷設備(照明器具(電灯負荷))の全電灯負荷電力使用量グラフA31Xのピーク値が300~500[kW]である場合に、電灯負荷設備用トランス容量D3を算出するための余裕率D1は例えば「1.4」である。
【0023】
図1に示す例では、動力負荷設備用トランス容量算出部12Eが、動力負荷電力ピーク値算出部12Cによって算出された動力負荷電力ピーク値C1と、動力負荷設備用トランス容量E3を算出するための余裕率E1と、動力負荷設備用トランス容量E3を算出するための力率E2と、例えば下記の(3)式とに基づいて、動力負荷設備用トランス容量E3(算出項目)を算出する。動力負荷設備用トランス容量E3を算出するための余裕率E1は、記憶項目または入力項目であり、例えば、建物用途がオフィスである場合に「1.2」であり、建物用途が店舗である場合に「1.2」であり、建物用途が工場である場合に「1.5」である。動力負荷設備用トランス容量E3を算出するための力率E2は、記憶項目であり、例えば「0.85」である。
E3=C1×E1÷E2 (3)
【0024】
建物用途が工場であり、動力負荷電力ピーク値C1が150[kW]である場合には、動力負荷設備用トランス容量E3が、265[kVA](=150×1.5÷0.85)になる。
他の例では、動力負荷設備用トランス容量E3を算出するための余裕率E1が、実導入負荷設備(空調(動力負荷))の全動力負荷電力使用量グラフA32Xのピーク値に応じて変動してもよい。具体的には、実導入負荷設備(空調(動力負荷))の全動力負荷電力使用量グラフA32Xのピーク値が0~150[kW]である場合に、動力負荷設備用トランス容量E3を算出するための余裕率E1は例えば「1.2」である。実導入負荷設備(空調(動力負荷))の全動力負荷電力使用量グラフA32Xのピーク値が150~300[kW]である場合に、動力負荷設備用トランス容量E3を算出するための余裕率E1は例えば「1.3」である。実導入負荷設備(空調(動力負荷))の全動力負荷電力使用量グラフA32Xのピーク値が300~500[kW]である場合に、動力負荷設備用トランス容量E3を算出するための余裕率E1は例えば「1.4」である。
【0025】
図1に示す例では、キュービクル受電容量算出部12Fが、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dによって算出された電灯負荷設備用トランス容量D3と、動力負荷設備用トランス容量算出部12Eによって算出された動力負荷設備用トランス容量E3との合計値(D3+E3)を、キュービクル受電容量F1(算出項目)として算出する。
電灯盤主幹容量算出部12Gは、電灯負荷電力ピーク値算出部12Bによって算出された電灯負荷電力ピーク値B1と、電灯盤主幹容量G4を算出するための余裕率G1と、電灯盤主幹容量G4を算出するための力率G2と、電灯盤に接続されている実導入負荷設備(照明器具(電灯負荷))に供給される電圧G3と、例えば下記の(4)式とに基づいて、電灯盤主幹容量G4[A](算出項目)を算出する。電灯盤主幹容量G4を算出するための余裕率G1は、記憶項目または入力項目であり、例えば、建物用途がオフィスである場合に「1.3」であり、建物用途が店舗である場合に「1.2」であり、建物用途が工場である場合に「1.4」である。電灯盤主幹容量G4を算出するための力率G2は、記憶項目であり、例えば「0.95」である。
G4=B1×G1÷G2÷G3 (4)
【0026】
動力盤主幹容量算出部12Hは、動力負荷電力ピーク値算出部12Cによって算出された動力負荷電力ピーク値C1と、動力盤主幹容量H4を算出するための余裕率H1と、動力盤主幹容量H4を算出するための力率H2と、動力盤に接続されている実導入負荷設備(空調(動力負荷))に供給される電圧H3と、例えば下記の(5)式とに基づいて、動力盤主幹容量H4[A](算出項目)を算出する。動力盤主幹容量H4を算出するための余裕率H1は、記憶項目または入力項目であり、例えば、建物用途がオフィスである場合に「1.2」であり、建物用途が店舗である場合に「1.2」であり、建物用途が工場である場合に「1.5」である。動力盤主幹容量H4を算出するための力率H2は、記憶項目であり、例えば「0.85」である。
H4=C1×H1÷H2÷H3 (5)
【0027】
トランス重量算出部12Iは、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dによって算出された電灯負荷設備用トランス容量D3と、トランス重量選出表(記憶項目)(図7参照)とに基づいて、電灯負荷設備用トランス重量I1(算出項目)を算出する。また、トランス重量算出部12Iは、動力負荷設備用トランス容量算出部12Eによって算出された動力負荷設備用トランス容量E3と、トランス重量選出表とに基づいて、動力負荷設備用トランス重量I2(算出項目)を算出する。
【0028】
図7はトランス重量選出表を示す図である。トランス重量選出表は、電灯負荷設備用トランス容量D3と電灯負荷設備用トランス重量I1との関係および動力負荷設備用トランス容量E3と動力負荷設備用トランス重量I2との関係を示す。
図7に示す例では、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dによって算出された電灯負荷設備用トランス容量D3が10[kVA]である場合に、トランス重量算出部12Iは、トランス重量選出表に基づいて、電灯負荷設備用トランス重量I1(算出項目)として95[kg]を算出する。また、トランス重量算出部12Iは、電灯負荷設備用トランス容量D3が20[kVA]である場合に電灯負荷設備用トランス重量I1として140[kg]を算出し、電灯負荷設備用トランス容量D3が30[kVA]である場合に電灯負荷設備用トランス重量I1として180[kg]を算出し、電灯負荷設備用トランス容量D3が50[kVA]である場合に電灯負荷設備用トランス重量I1として265[kg]を算出し、電灯負荷設備用トランス容量D3が75[kVA]である場合に電灯負荷設備用トランス重量I1として345[kg]を算出し、電灯負荷設備用トランス容量D3が100[kVA]である場合に電灯負荷設備用トランス重量I1として440[kg]を算出する。
動力負荷設備用トランス容量算出部12Eによって算出された動力負荷設備用トランス容量E3が20[kVA]である場合に、トランス重量算出部12Iは、トランス重量選出表に基づいて、動力負荷設備用トランス重量I2(算出項目)として165[kg]を算出する。また、トランス重量算出部12Iは、動力負荷設備用トランス容量E3が30[kVA]である場合に動力負荷設備用トランス重量I2として210[kg]を算出し、動力負荷設備用トランス容量E3が50[kVA]である場合に動力負荷設備用トランス重量I2として295[kg]を算出し、動力負荷設備用トランス容量E3が75[kVA]である場合に動力負荷設備用トランス重量I2として405[kg]を算出し、動力負荷設備用トランス容量E3が100[kVA]である場合に動力負荷設備用トランス重量I2として505[kg]を算出する。
【0029】
図1に示す例では、キュービクルサイズ算出部12Jが、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dによって算出された電灯負荷設備用トランス容量D3と、キュービクル函体選出表(記憶項目)(図8参照)とに基づいて、電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1を算出する。また、キュービクルサイズ算出部12Jは、動力負荷設備用トランス容量算出部12Eによって算出された動力負荷設備用トランス容量E3と、キュービクル函体選出表とに基づいて、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2を算出する。
キュービクル重量算出部12Kは、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dによって算出された電灯負荷設備用トランス容量D3と、キュービクル函体選出表とに基づいて、電灯負荷設備用函体重量K1を算出する。また、キュービクル重量算出部12Kは、動力負荷設備用トランス容量算出部12Eによって算出された動力負荷設備用トランス容量E3と、キュービクル函体選出表とに基づいて、動力負荷設備用函体重量K2を算出する。
【0030】
図8はキュービクル函体選出表を示す図である。キュービクル函体選出表は、電灯負荷設備用トランス容量D3と電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1と電灯負荷設備用函体重量K1との関係および動力負荷設備用トランス容量E3と動力負荷設備用キュービクルサイズJ2と動力負荷設備用函体重量K2との関係を示す。
図8に示す例では、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dによって算出された電灯負荷設備用トランス容量D3が50[kVA]以下である場合に、キュービクルサイズ算出部12Jは、キュービクル函体選出表に基づいて、電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1(算出項目)として、幅600[mm]×奥行900[mm]、幅600[mm]×奥行1400[mm]および幅600[mm]×奥行2000[mm]のいずれかを算出する。キュービクル重量算出部12Kは、キュービクルサイズ算出部12Jが電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として幅600[mm]×奥行900[mm]を算出した場合に、電灯負荷設備用函体重量K1(算出項目)として400[kg]を算出する。また、キュービクル重量算出部12Kは、キュービクルサイズ算出部12Jが電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として幅600[mm]×奥行1400[mm]を算出した場合に電灯負荷設備用函体重量K1として420[kg]を算出し、キュービクルサイズ算出部12Jが電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として幅600[mm]×奥行2000[mm]を算出した場合に電灯負荷設備用函体重量K1として470[kg]を算出する。
電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dによって算出された電灯負荷設備用トランス容量D3が100[kVA]以下である場合に、キュービクルサイズ算出部12Jは、キュービクル函体選出表に基づいて、電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として、幅800[mm]×奥行1400[mm]を算出する。キュービクル重量算出部12Kは、キュービクルサイズ算出部12Jが電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として幅800[mm]×奥行1400[mm]を算出した場合に、電灯負荷設備用函体重量K1として430[kg]を算出する。
【0031】
電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dによって算出された電灯負荷設備用トランス容量D3が150[kVA]以下である場合に、キュービクルサイズ算出部12Jは、キュービクル函体選出表に基づいて、電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として、幅800[mm]×奥行2000[mm]を算出する。キュービクル重量算出部12Kは、キュービクルサイズ算出部12Jが電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として幅800[mm]×奥行2000[mm]を算出した場合に、電灯負荷設備用函体重量K1として510[kg]を算出する。
電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dによって算出された電灯負荷設備用トランス容量D3が300[kVA]以下である場合に、キュービクルサイズ算出部12Jは、キュービクル函体選出表に基づいて、電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として、幅1000[mm]×奥行2000[mm]または幅1000[mm]×奥行2200[mm]を算出する。キュービクル重量算出部12Kは、キュービクルサイズ算出部12Jが電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として幅1000[mm]×奥行2000[mm]を算出した場合に電灯負荷設備用函体重量K1として550[kg]を算出し、キュービクルサイズ算出部12Jが電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として幅1000[mm]×奥行2200[mm]を算出した場合に電灯負荷設備用函体重量K1として780[kg]を算出する。
【0032】
動力負荷設備用トランス容量算出部12Eによって算出された動力負荷設備用トランス容量E3が50[kVA]以下である場合に、キュービクルサイズ算出部12Jは、キュービクル函体選出表に基づいて、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2(算出項目)として、幅600[mm]×奥行900[mm]、幅600[mm]×奥行1400[mm]および幅600[mm]×奥行2000[mm]のいずれかを算出する。キュービクル重量算出部12Kは、キュービクルサイズ算出部12Jが動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として幅600[mm]×奥行900[mm]を算出した場合に、動力負荷設備用函体重量K2(算出項目)として400[kg]を算出する。また、キュービクル重量算出部12Kは、キュービクルサイズ算出部12Jが動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として幅600[mm]×奥行1400[mm]を算出した場合に動力負荷設備用函体重量K2として420[kg]を算出し、キュービクルサイズ算出部12Jが動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として幅600[mm]×奥行2000[mm]を算出した場合に動力負荷設備用函体重量K2として470[kg]を算出する。
動力負荷設備用トランス容量算出部12Eによって算出された動力負荷設備用トランス容量E3が100[kVA]以下である場合に、キュービクルサイズ算出部12Jは、キュービクル函体選出表に基づいて、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として、幅800[mm]×奥行1400[mm]を算出する。キュービクル重量算出部12Kは、キュービクルサイズ算出部12Jが動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として幅800[mm]×奥行1400[mm]を算出した場合に、動力負荷設備用函体重量K2として430[kg]を算出する。
【0033】
動力負荷設備用トランス容量算出部12Eによって算出された動力負荷設備用トランス容量E3が200[kVA]以下である場合に、キュービクルサイズ算出部12Jは、キュービクル函体選出表に基づいて、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として、幅800[mm]×奥行2000[mm]を算出する。キュービクル重量算出部12Kは、キュービクルサイズ算出部12Jが動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として幅800[mm]×奥行2000[mm]を算出した場合に、動力負荷設備用函体重量K2として510[kg]を算出する。
動力負荷設備用トランス容量算出部12Eによって算出された動力負荷設備用トランス容量E3が300[kVA]以下である場合に、キュービクルサイズ算出部12Jは、キュービクル函体選出表に基づいて、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として、幅1000[mm]×奥行2000[mm]または幅1000[mm]×奥行2200[mm]を算出する。キュービクル重量算出部12Kは、キュービクルサイズ算出部12Jが動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として幅1000[mm]×奥行2000[mm]を算出した場合に動力負荷設備用函体重量K2として550[kg]を算出し、キュービクルサイズ算出部12Jが動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として幅1000[mm]×奥行2200[mm]を算出した場合に動力負荷設備用函体重量K2として780[kg]を算出する。
【0034】
動力負荷設備用トランス容量算出部12Eによって算出された動力負荷設備用トランス容量E3が500[kVA]以下である場合に、キュービクルサイズ算出部12Jは、キュービクル函体選出表に基づいて、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として、幅1600[mm]×奥行2000[mm]を算出する。キュービクル重量算出部12Kは、キュービクルサイズ算出部12Jが動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として幅1600[mm]×奥行2000[mm]を算出した場合に、動力負荷設備用函体重量K2として800[kg]を算出する。
動力負荷設備用トランス容量算出部12Eによって算出された動力負荷設備用トランス容量E3が700[kVA]以下である場合に、キュービクルサイズ算出部12Jは、キュービクル函体選出表に基づいて、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として、幅2000[mm]×奥行2200[mm]を算出する。キュービクル重量算出部12Kは、キュービクルサイズ算出部12Jが動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として幅2000[mm]×奥行2200[mm]を算出した場合に、動力負荷設備用函体重量K2として900[kg]を算出する。
【0035】
詳細には、キュービクルサイズ算出部12Jは、該当する電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1がキュービクル函体選出表に複数存在する場合に、電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として、奥行が最も小さいものを算出する。また、キュービクルサイズ算出部12Jは、該当する動力負荷設備用キュービクルサイズJ2がキュービクル函体選出表に複数存在する場合に、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として、奥行が最も小さいものを算出する。更に、キュービクルサイズ算出部12Jによって算出された電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1の奥行が、キュービクルサイズ算出部12Jによって算出された動力負荷設備用キュービクルサイズJ2の奥行より小さい場合に、電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1の奥行が、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2の奥行と等しくなるまで増加させられる。一方、キュービクルサイズ算出部12Jによって算出された電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1の奥行が、キュービクルサイズ算出部12Jによって算出された動力負荷設備用キュービクルサイズJ2の奥行より大きい場合には、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2の奥行が、電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1の奥行と等しくなるまで増加させられる。
具体的には、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dによって算出された電灯負荷設備用トランス容量D3が30[kVA]である場合に、キュービクルサイズ算出部12Jは、キュービクル函体選出表に基づいて、電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として、幅600[mm]×奥行900[mm]、幅600[mm]×奥行1400[mm]および幅600[mm]×奥行2000[mm]のうちの最も小さい幅600[mm]×奥行900[mm]を算出する。動力負荷設備用トランス容量算出部12Eによって算出された動力負荷設備用トランス容量E3が75[kVA]である場合に、キュービクルサイズ算出部12Jは、キュービクル函体選出表に基づいて、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2として、幅800[mm]×奥行1400[mm]を算出する。電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1の奥行900[mm]は、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2の奥行1400[mm]と等しくなるまで増加させられる。つまり、キュービクルサイズ算出部12Jは、電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1として、幅600[mm]×奥行1400[mm]を算出する。
【0036】
図1に示す例では、キュービクル重量算出部12Kが、トランス重量算出部12Iによって算出された電灯負荷設備用トランス重量I1と、キュービクル重量算出部12Kによって算出された電灯負荷設備用函体重量K1と、電灯負荷設備用主遮断装置重量K3(記憶項目または入力項目)と、トランス重量算出部12Iによって算出された動力負荷設備用トランス重量I2と、キュービクル重量算出部12Kによって算出された動力負荷設備用函体重量K2と、動力負荷設備用主遮断装置重量K4(記憶項目または入力項目)と、下記の(6)式とに基づいて、キュービクル重量K5(算出項目)を算出する。
K5=I1+K1+K3+I2+K2+K4 (6)
【0037】
図1図7および図8に示す例では、電灯負荷設備用トランス容量D3が30[kVA]であって(つまり、電灯負荷設備用トランス重量I1が180[kg]であり、かつ、電灯負荷設備用函体重量K1が400[kg]であって)、電灯負荷設備用主遮断装置重量K3が100[kg]であって、動力負荷設備用トランス容量E3が50[kVA]であって(つまり、動力負荷設備用トランス重量I2が295[kg]であり、かつ、動力負荷設備用函体重量K2が400[kg]であって)、動力負荷設備用主遮断装置重量K4が100[kg]である場合に、キュービクル重量算出部12Kは、キュービクル重量K5として1475(=180+400+100+295+400+100)[kg]を算出する。
【0038】
上述したように、電灯負荷設備用トランス重量I1は電灯負荷設備用トランス容量D3に比例し、動力負荷設備用トランス重量I2は動力負荷設備用トランス容量E3に比例し、電灯負荷設備用トランス重量I1および動力負荷設備用トランス重量I2が小さくなると電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2およびキュービクル重量K5が小さくなる。電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が負荷設備に適用されない場合より、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が負荷設備に適用される場合の方が、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3が小さくなる。そのため、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御を負荷設備に適用することによって、電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2およびキュービクル重量K5を小さくすることができる。また、電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2およびキュービクル重量K5を小さくすることによって、キュービクルが設置される床の耐荷重を抑制することができる。
【0039】
図1に示す例では、第1電線費用算出部12Lが、電灯盤主幹容量算出部12Gによって算出された電灯盤主幹容量G4[A]と、電線単価表(記憶項目)(図9参照)とに基づいて、キュービクルと電灯盤主幹ブレーカとを接続する電線の単価L1(算出項目)を算出する。
【0040】
図9は電線単価表を示す図である。電線単価表は、電灯盤主幹容量算出部12Gによって算出された電灯盤主幹容量G4[A]と、キュービクルと電灯盤主幹ブレーカとを接続する電線の太さ(断面積)[mm]と、キュービクルと電灯盤主幹ブレーカとを接続する電線の単価L1との関係を示す。
図9に示す例では、電灯盤主幹容量算出部12Gによって算出された電灯盤主幹容量G4が40[A]である場合に、第1電線費用算出部12Lは、電線単価表に基づいて、キュービクルと電灯盤主幹ブレーカとを接続する電線の単価L1(算出項目)として200[円/m]を算出する。また、第1電線費用算出部12Lは、電灯盤主幹容量G4が60[A]である場合に電線の単価L1として350[円/m]を算出し、電灯盤主幹容量G4が75[A]である場合に電線の単価L1として600[円/m]を算出し、電灯盤主幹容量G4が100[A]である場合に電線の単価L1として1000[円/m]を算出し、電灯盤主幹容量G4が150[A]である場合に電線の単価L1として1500[円/m]を算出し、電灯盤主幹容量G4が200[A]である場合に電線の単価L1として2200[円/m]を算出し、電灯盤主幹容量G4が250[A]である場合に電線の単価L1として3000[円/m]を算出する。
【0041】
図1に示す例では、第1電線費用算出部12Lが、キュービクルと電灯盤主幹ブレーカとを接続する電線の単価L1と、キュービクルと電灯盤主幹ブレーカとの距離L2(入力項目)と、下記の(7)式とに基づいて、キュービクルと電灯盤主幹ブレーカとを接続する電線の費用である第1電線費用L3を算出する。
L3=L1×L2 (7)
【0042】
第2電線費用算出部12Mは、動力盤主幹容量算出部12Hによって算出された動力盤主幹容量H4[A]と、電線単価表(記憶項目)(図9参照)とに基づいて、キュービクルと動力盤主幹容量とを接続する電線の単価M1(算出項目)を算出する。第2電線費用算出部12Mによって用いられる電線単価表は、図9に示す電線単価表(つまり、第1電線費用算出部12Lによって用いられる電線単価表)と同一である。
第2電線費用算出部12Mは、キュービクルと動力盤主幹容量とを接続する電線の単価M1と、キュービクルと動力盤主幹容量との距離M2(入力項目)と、下記の(8)式とに基づいて、キュービクルと動力盤主幹容量とを接続する電線の費用である第2電線費用M3を算出する。
M3=M1×M2 (8)
【0043】
ランニングコスト算出部12Nは、電力使用量算出部12Aによって算出された設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量などに基づいて、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備が稼働する場合のランニングコストN7を算出項目として算出する。
詳細には、ランニングコスト算出部12Nは、実導入負荷設備が適用される建物における契約電力N1(全負荷電力使用量グラフA4(図6参照)のピーク電力値が契約電力N1として算出される)と基本料金単価N2(記憶項目または入力項目)との積である1か月の基本料金N3(=N1×N2)(算出項目)を算出する。また、ランニングコスト算出部12Nは、1日の電力使用量A5から算出される1か月の電力使用量N4(=A5×30日)(算出項目)と電力使用量単価N5(記憶項目または入力項目)との積である1か月の使用料金N6(=N4×N5)(算出項目)を算出する。換言すれば、取得部11によって取得される情報には、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備が使用する電力の時間帯別の単価である電力使用量単価N5などが含まれる。更に、ランニングコスト算出部12Nは、1か月の基本料金N3と1か月の使用料金N6との和である1か月のランニングコストN7(=N3+N6)(算出項目)を算出する。
具体的には、ランニングコスト算出部12Nは、ランニングコストN7として、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備に適用されない場合のランニングコストN7である負荷制御不適用ランニングコストN7A(算出項目)と、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備に適用される場合のランニングコストN7である負荷制御適用ランニングコストN7B(算出項目)とを算出する。
ランニングコスト削減効果算出部12Pは、ランニングコスト算出部12Nによって算出された負荷制御不適用ランニングコストN7Aと負荷制御適用ランニングコストN7Bと下記の(9)式とに基づいて、ランニングコスト削減効果N7C(算出項目)を算出する。
N7C=N7A-N7B (9)
【0044】
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第1例では、ランニングコスト算出部12Nが、負荷制御適用ランニングコストN7Bとして、ピークカット制御が設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備に適用される場合のランニングコストN7を算出する。
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第1例では、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術などを適用することによって、ピークカット制御が実行される。
https://www.kawamura.co.jp/catalog/index05.php?category=TYPE-KSS&mode=sch
https://www.kawamura.co.jp/panfpdf/images/l_ewmp_n.pdf
【0045】
図10は電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御としてピークカット制御が実行される場合の実導入負荷設備の時間帯別電力使用量の一例を示す図である。
図10に示す例では、12時~16時の時間帯にピークカット制御が実行され、ランニングコスト削減効果N7Cは、12時~16時の時間帯に削減された電力使用量と、12時~16時の時間帯の電力使用量単価N5との積によって表される。
【0046】
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第1例では、算出部12が、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御としてピークカット制御が実行される場合のピーク電力値を契約電力(図10参照)N1として算出する。
また、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第1例では、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御としてピークカット制御が実行される場合の電灯負荷設備用トランス容量D3(ピークカット制御が実行されない場合の電灯負荷設備用トランス容量D3より小さい値)を算出し、動力負荷設備用トランス容量算出部12Eが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御としてピークカット制御が実行される場合の動力負荷設備用トランス容量E3(ピークカット制御が実行されない場合の動力負荷設備用トランス容量E3より小さい値)を算出する。
更に、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第1例では、キュービクル受電容量算出部12Fが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御としてピークカット制御が実行される場合のキュービクル受電容量F1(ピークカット制御が実行されない場合のキュービクル受電容量F1より小さい値)を算出する。また、キュービクル受電容量算出部12Fは、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するピークカット制御が実行されない場合のキュービクル受電容量F1である負荷制御不適用キュービクル受電容量と、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するピークカット制御が実行される場合のキュービクル受電容量F1である負荷制御適用キュービクル受電容量との差を、キュービクル受電容量削減効果として算出する。
【0047】
また、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第1例では、電灯盤主幹容量算出部12Gが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御としてピークカット制御が実行される場合の電灯盤主幹容量G4(ピークカット制御が実行されない場合の電灯盤主幹容量G4より小さい値)を算出し、動力盤主幹容量算出部12Hが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御としてピークカット制御が実行される場合の動力盤主幹容量H4(ピークカット制御が実行されない場合の動力盤主幹容量H4より小さい値)を算出する。
更に、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第1例では、トランス重量算出部12Iが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御としてピークカット制御が実行される場合の電灯負荷設備用トランス重量I1(ピークカット制御が実行されない場合の電灯負荷設備用トランス重量I1より小さい値)と動力負荷設備用トランス重量I2(ピークカット制御が実行されない場合の動力負荷設備用トランス重量I2より小さい値)とを算出する。
また、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第1例では、キュービクルサイズ算出部12Jが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御としてピークカット制御が実行される場合の電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1(ピークカット制御が実行されない場合の電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1より小さい値)と、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2(ピークカット制御が実行されない場合の動力負荷設備用キュービクルサイズJ2より小さい値)とを算出する。
更に、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第1例では、キュービクル重量算出部12Kが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御としてピークカット制御が実行される場合の電灯負荷設備用函体重量K1(ピークカット制御が実行されない場合の電灯負荷設備用函体重量K1より小さい値)と、動力負荷設備用函体重量K2(ピークカット制御が実行されない場合の動力負荷設備用函体重量K2より小さい値)とを算出する。
【0048】
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第2例では、ランニングコスト算出部12Nが、負荷制御適用ランニングコストN7Bとして、蓄電池を用いないピークシフト制御が設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備に適用される場合のランニングコストN7を算出する。
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第2例では、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術などを適用することによって、蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される。
https://www.kawamura.co.jp/products/wayEV/
【0049】
図11は電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される場合の実導入負荷設備の時間帯別電力使用量の一例を示す図である。
図11に示す蓄電池を用いないピークシフト制御では、設計支援対象電気設備に接続される複数の実導入負荷設備(例えば電気自動車充電器および電気自動車充電器以外の負荷設備)による電力使用量が所定値(具体的には、「契約電力」)より大きい時間帯であるピーク時間帯(12時~16時)(つまり、電力使用量単価N5が高い時間帯)に稼働させられていた実導入負荷設備の一部(電気自動車充電器)が、ピーク時間帯(12時~16時)に稼働させられなくなる。
更に、その実導入負荷設備の一部(例えば電気自動車充電器)が、設計支援対象電気設備に接続される複数の実導入負荷設備(電気自動車充電器および電気自動車充電器以外の負荷設備)による電力使用量が所定値(契約電力)以下の時間帯であるオフピーク時間帯(4時~7時および18時~22時)(つまり、電力使用量単価N5が安い時間帯)に稼働させられる。
【0050】
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第2例では、算出部12が、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される場合のピーク電力値を契約電力(図11参照)N1として算出する。
また、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第2例では、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される場合の電灯負荷設備用トランス容量D3(蓄電池を用いないピークシフト制御が実行されない場合の電灯負荷設備用トランス容量D3より小さい値)を算出し、動力負荷設備用トランス容量算出部12Eが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される場合の動力負荷設備用トランス容量E3(蓄電池を用いないピークシフト制御が実行されない場合の動力負荷設備用トランス容量E3より小さい値)を算出する。
更に、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第2例では、キュービクル受電容量算出部12Fが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される場合のキュービクル受電容量F1(蓄電池を用いないピークシフト制御が実行されない場合のキュービクル受電容量F1より小さい値)を算出する。また、キュービクル受電容量算出部12Fは、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための蓄電池を用いないピークシフト制御が実行されない場合のキュービクル受電容量F1である負荷制御不適用キュービクル受電容量と、ランニングコストN7を削減するための蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される場合のキュービクル受電容量F1である負荷制御適用キュービクル受電容量との差を、キュービクル受電容量削減効果として算出する。
【0051】
また、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第2例では、電灯盤主幹容量算出部12Gが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される場合の電灯盤主幹容量G4(蓄電池を用いないピークシフト制御が実行されない場合の電灯盤主幹容量G4より小さい値)を算出し、動力盤主幹容量算出部12Hが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される場合の動力盤主幹容量H4(蓄電池を用いないピークシフト制御が実行されない場合の動力盤主幹容量H4より小さい値)を算出する。
更に、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第2例では、トランス重量算出部12Iが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される場合の電灯負荷設備用トランス重量I1(蓄電池を用いないピークシフト制御が実行されない場合の電灯負荷設備用トランス重量I1より小さい値)と動力負荷設備用トランス重量I2(蓄電池を用いないピークシフト制御が実行されない場合の動力負荷設備用トランス重量I2より小さい値)とを算出する。
また、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第2例では、キュービクルサイズ算出部12Jが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される場合の電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1(蓄電池を用いないピークシフト制御が実行されない場合の電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1より小さい値)と、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2(蓄電池を用いないピークシフト制御が実行されない場合の動力負荷設備用キュービクルサイズJ2より小さい値)とを算出する。
更に、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第2例では、キュービクル重量算出部12Kが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いないピークシフト制御が実行される場合の電灯負荷設備用函体重量K1(蓄電池を用いないピークシフト制御が実行されない場合の電灯負荷設備用函体重量K1より小さい値)と、動力負荷設備用函体重量K2(蓄電池を用いないピークシフト制御が実行されない場合の動力負荷設備用函体重量K2より小さい値)とを算出する。
【0052】
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第3例では、ランニングコスト算出部12Nが、負荷制御適用ランニングコストN7Bとして、蓄電池を用いるピークシフト制御が設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備に適用される場合のランニングコストN7を算出する。
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第3例では、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術などを適用することによって、蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される。
https://ls.ipros.jp/product/detail/2000266198/
【0053】
図12は電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される場合の実導入負荷設備の時間帯別電力使用量の一例を示す図である。
図12に示す蓄電池を用いるピークシフト制御では、設計支援対象電気設備に接続される複数の実導入負荷設備による電力使用量が所定値(具体的には、「契約電力」)より小さい時間帯であるオフピーク時間帯(4時~7時および18時~22時)(つまり、電力使用量単価N5が安い時間帯)に、蓄電池に対する充電が行われる。
更に、オフピーク時間帯(4時~7時および18時~22時)に蓄電池に充電された電力が、設計支援対象電気設備に接続される複数の実導入負荷設備による電力使用量が所定値(契約電力)以上になるおそれがある時間帯であるピーク時間帯(12時~16時)(つまり、電力使用量単価N5が高い時間帯)に、放電されて、設計支援対象電気設備に接続される複数の実導入負荷設備において使用される。
【0054】
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第3例では、算出部12が、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される場合のピーク電力値を契約電力(図12参照)N1として算出する。
また、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第3例では、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される場合の電灯負荷設備用トランス容量D3(蓄電池を用いるピークシフト制御が実行されない場合の電灯負荷設備用トランス容量D3より小さい値)を算出し、動力負荷設備用トランス容量算出部12Eが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される場合の動力負荷設備用トランス容量E3(蓄電池を用いるピークシフト制御が実行されない場合の動力負荷設備用トランス容量E3より小さい値)を算出する。
更に、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第3例では、キュービクル受電容量算出部12Fが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される場合のキュービクル受電容量F1(蓄電池を用いるピークシフト制御が実行されない場合のキュービクル受電容量F1より小さい値)を算出する。また、キュービクル受電容量算出部12Fは、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための蓄電池を用いるピークシフト制御が実行されない場合のキュービクル受電容量F1である負荷制御不適用キュービクル受電容量と、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される場合のキュービクル受電容量F1である負荷制御適用キュービクル受電容量との差を、キュービクル受電容量削減効果として算出する。
【0055】
また、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第3例では、電灯盤主幹容量算出部12Gが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される場合の電灯盤主幹容量G4(蓄電池を用いるピークシフト制御が実行されない場合の電灯盤主幹容量G4より小さい値)を算出し、動力盤主幹容量算出部12Hが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される場合の動力盤主幹容量H4(蓄電池を用いるピークシフト制御が実行されない場合の動力盤主幹容量H4より小さい値)を算出する。
更に、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第3例では、トランス重量算出部12Iが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される場合の電灯負荷設備用トランス重量I1(蓄電池を用いるピークシフト制御が実行されない場合の電灯負荷設備用トランス重量I1より小さい値)と動力負荷設備用トランス重量I2(蓄電池を用いるピークシフト制御が実行されない場合の動力負荷設備用トランス重量I2より小さい値)とを算出する。
また、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第3例では、キュービクルサイズ算出部12Jが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される場合の電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1(蓄電池を用いるピークシフト制御が実行されない場合の電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1より小さい値)と、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2(蓄電池を用いるピークシフト制御が実行されない場合の動力負荷設備用キュービクルサイズJ2より小さい値)とを算出する。
更に、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第3例では、キュービクル重量算出部12Kが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として蓄電池を用いるピークシフト制御が実行される場合の電灯負荷設備用函体重量K1(蓄電池を用いるピークシフト制御が実行されない場合の電灯負荷設備用函体重量K1より小さい値)と、動力負荷設備用函体重量K2(蓄電池を用いるピークシフト制御が実行されない場合の動力負荷設備用函体重量K2より小さい値)とを算出する。
【0056】
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第4例では、ランニングコスト算出部12Nが、負荷制御適用ランニングコストN7Bとして、省エネルギー制御が設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備に適用される場合のランニングコストN7を算出する。
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第4例では、例えば下記のURLが示すwebサイトに記載された技術などを適用することによって、省エネルギー制御(例えば、「省エネ支援機器」を利用する制御、調光制御など)が実行される。
https://www.kawamura.co.jp/products/emoni_portal/index.html
https://www.jlma.or.jp/led-navi/contents/cont18_dimmingSystem.htm
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6800/00028096/gijyutu_40_.pdf
【0057】
図13は電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として省エネルギー制御が実行される場合の実導入負荷設備の時間帯別電力使用量の一例を示す図である。
図13に示す省エネルギー制御では、照明器具が使用されるすべての時間帯(1時~24時)において省エネルギー制御(調光制御)が実行され、設計支援対象電気設備に接続される複数の実導入負荷設備による電力使用量が所定値(契約電力)以上になることが回避される。
【0058】
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第4例では、算出部12が、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として省エネルギー制御が実行される場合のピーク電力値を契約電力(図13参照)N1として算出する。
また、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第4例では、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として省エネルギー制御が実行される場合の電灯負荷設備用トランス容量D3(省エネルギー制御が実行されない場合の電灯負荷設備用トランス容量D3より小さい値)を算出し、動力負荷設備用トランス容量算出部12Eが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として省エネルギー制御が実行される場合の動力負荷設備用トランス容量E3(省エネルギー制御が実行されない場合の動力負荷設備用トランス容量E3より小さい値)を算出する。
更に、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第4例では、キュービクル受電容量算出部12Fが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として省エネルギー制御が実行される場合のキュービクル受電容量F1(省エネルギー制御が実行されない場合のキュービクル受電容量F1より小さい値)を算出する。また、キュービクル受電容量算出部12Fは、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための省エネルギー制御が実行されない場合のキュービクル受電容量F1である負荷制御不適用キュービクル受電容量と、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための省エネルギー制御が実行される場合のキュービクル受電容量F1である負荷制御適用キュービクル受電容量との差を、キュービクル受電容量削減効果として算出する。
【0059】
また、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第4例では、電灯盤主幹容量算出部12Gが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として省エネルギー制御が実行される場合の電灯盤主幹容量G4(省エネルギー制御が実行されない場合の電灯盤主幹容量G4より小さい値)を算出し、動力盤主幹容量算出部12Hが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として省エネルギー制御が実行される場合の動力盤主幹容量H4(省エネルギー制御が実行されない場合の動力盤主幹容量H4より小さい値)を算出する。
更に、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第4例では、トランス重量算出部12Iが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として省エネルギー制御が実行される場合の電灯負荷設備用トランス重量I1(省エネルギー制御が実行されない場合の電灯負荷設備用トランス重量I1より小さい値)と動力負荷設備用トランス重量I2(省エネルギー制御が実行されない場合の動力負荷設備用トランス重量I2より小さい値)とを算出する。
また、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第4例では、キュービクルサイズ算出部12Jが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として省エネルギー制御が実行される場合の電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1(省エネルギー制御が実行されない場合の電灯負荷設備用キュービクルサイズJ1より小さい値)と、動力負荷設備用キュービクルサイズJ2(省エネルギー制御が実行されない場合の動力負荷設備用キュービクルサイズJ2より小さい値)とを算出する。
更に、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第4例では、キュービクル重量算出部12Kが、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御として省エネルギー制御が実行される場合の電灯負荷設備用函体重量K1(省エネルギー制御が実行されない場合の電灯負荷設備用函体重量K1より小さい値)と、動力負荷設備用函体重量K2(省エネルギー制御が実行されない場合の動力負荷設備用函体重量K2より小さい値)とを算出する。
【0060】
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第5例では、ランニングコスト算出部12Nが、負荷制御適用ランニングコストN7Bとして、上述したピークカット制御、蓄電池を用いないピークシフト制御、蓄電池を用いるピークシフト制御、および、省エネルギー制御のうちの1つ(例えば省エネルギー制御)が設計支援対象電気設備に接続される電灯負荷設備(照明器具)に適用されると共に、上述したピークカット制御、蓄電池を用いないピークシフト制御、蓄電池を用いるピークシフト制御、および、省エネルギー制御のうちの他の1つ(例えばピークカット制御)が設計支援対象電気設備に接続される動力負荷設備(空調)に適用される場合のランニングコストN7を算出する。
他の例では、ランニングコスト算出部12Nが、負荷制御適用ランニングコストN7Bとして、設計支援対象電気設備に接続される電灯負荷設備(照明器具)と、設計支援対象電気設備に接続される動力負荷設備(空調)とに同じ制御(ピークカット制御など)が適用される場合のランニングコストN7を算出してもよい。
更に他の例では、ランニングコスト算出部12Nが、負荷制御適用ランニングコストN7Bとして、設計支援対象電気設備に接続される電灯負荷設備(照明器具)と、設計支援対象電気設備に接続される動力負荷設備(空調)と、設計支援対象電気設備に接続される電灯・動力以外の負荷設備とに例えばピークカット制御などの任意の制御が適用される場合のランニングコストN7を算出してもよい。
【0061】
上述したように、図2に示す例では、取得部11によって取得されるサンプルデータA1に、オフィス照明サンプルデータA11と、オフィス空調サンプルデータA12とが含まれる。また、図3に示す例では、電力使用量算出部12Aが、オフィス空調サンプルデータA12に係数A2(値「3」)を乗算することによって、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備(空調(動力負荷))が稼働する場合の時間帯別電力使用量を算出する。更に、図4に示す例では、電力使用量算出部12Aが、オフィス照明サンプルデータA11に係数A2を乗算することによって、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備(照明器具(電灯負荷))が稼働する場合の時間帯別電力使用量を算出する。つまり、図2図4に示す例では、オフィス空調サンプルデータA12に乗算される係数A2の値と、オフィス照明サンプルデータA11に乗算される係数A2の値とが等しくてもよい。
一方、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第6例では、取得部11によって取得されるサンプルデータA1に、電灯負荷サンプルデータと、動力負荷サンプルデータとが含まれる。更に、電力使用量算出部12Aは、電灯負荷サンプルデータと、電灯負荷サンプルデータに対応する電灯負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量と設計支援対象電気設備に接続される電灯負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す電灯負荷用係数(つまり、設計支援対象電気設備に接続される電灯負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を算出するために電灯負荷サンプルデータに対して乗算すべき係数)とに基づいて、設計支援対象電気設備に接続される電灯負荷設備が稼働する場合の電灯負荷時間帯別電力使用量を算出する。また、電力使用量算出部12Aは、動力負荷サンプルデータと、動力負荷サンプルデータに対応する動力負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量と設計支援対象電気設備に接続される動力負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す動力負荷用係数(つまり、設計支援対象電気設備に接続される動力負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を算出するために動力負荷サンプルデータに対して乗算すべき係数)とに基づいて、設計支援対象電気設備に接続される動力負荷設備が稼働する場合の動力負荷時間帯別電力使用量を算出する。すなわち、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の第6例では、設計支援対象電気設備に接続される電灯負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を算出するために電灯負荷サンプルデータに対して乗算すべき係数の値と、設計支援対象電気設備に接続される動力負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を算出するために動力負荷サンプルデータに対して乗算すべき係数の値とが、基本的に異なる。
【0062】
図14は第1実施形態の電気設備設計支援システム1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図14に示す例では、ステップS1において、取得部11が、設計支援対象電気設備の設計に用いられる情報を取得する。
ステップS1において取得される情報には、サンプル負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を示す情報であるサンプルデータA1、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報などが含まれる。実導入負荷設備の消費電力および個数を示す情報は、係数A2を設定するために用いられる。
【0063】
次いで、ステップS2では、算出部12が、ステップS1において取得された情報から算出項目を算出する。
詳細には、ステップS2Aにおいて、電力使用量算出部12Aは、サンプルデータA1、サンプル負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量と設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す係数A2等に基づいて、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量などを算出する。
また、ステップS2Bでは、電灯負荷電力ピーク値算出部12Bが、実導入負荷設備(照明器具(電灯負荷))の全電灯負荷電力使用量グラフA31Xのピーク値(つまり、時間帯別電力資料量のピーク値)を算出し、動力負荷電力ピーク値算出部12Cは、実導入負荷設備(空調(動力負荷))の全動力負荷電力使用量グラフA32Xのピーク値(つまり、時間帯別電力資料量のピーク値)を算出する。
また、ステップS2Cでは、電灯負荷設備用トランス容量算出部12Dが、ステップS2Bにおいて算出された電灯負荷電力ピーク値B1等に基づいて電灯負荷設備用トランス容量D3を算出し、動力負荷設備用トランス容量算出部12Eは、ステップS2Bにおいて算出された動力負荷電力ピーク値C1等に基づいて動力負荷設備用トランス容量E3を算出する。
【0064】
第1実施形態の電気設備設計支援システム1によれば、電気設備設計支援システム1の設計支援の対象の電気設備に接続される負荷設備である実導入負荷設備用のトランス容量を適切に算出することができる。
【0065】
第1実施形態の電気設備設計支援システム1の他の例では、算出部12が、キュービクル等のイニシャルコストを算出してもよい。
図15は算出部12によって算出されるキュービクルのイニシャルコスト等の一例を示す図である。
図15に示す例では、キュービクル受電容量算出部12Fが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合のキュービクル受電容量F1として200kVA以下の値を算出するときに、算出部12は、キュービクルのイニシャルコストとして300万円を算出する。キュービクル受電容量算出部12Fが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合のキュービクル受電容量F1として200~500kVAの値を算出するときに、算出部12は、キュービクルのイニシャルコストとして500万円を算出し、キュービクル受電容量算出部12Fが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合のキュービクル受電容量F1として500~1000kVAの値を算出するときに、算出部12は、キュービクルのイニシャルコストとして1000万円を算出し、キュービクル受電容量算出部12Fが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合のキュービクル受電容量F1として1000~2000kVAの値を算出するときに、算出部12は、キュービクルのイニシャルコストとして2000万円を算出し、キュービクル受電容量算出部12Fが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合のキュービクル受電容量F1として2000~3000kVAの値を算出するときに、算出部12は、キュービクルのイニシャルコストとして3500万円を算出し、キュービクル受電容量算出部12Fが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合のキュービクル受電容量F1として3000~4000kVAの値を算出するときに、算出部12は、キュービクルのイニシャルコストとして5000万円を算出する。
電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合に算出部12によって算出されるキュービクルのイニシャルコストは、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用されない場合に算出部12によって算出されるキュービクルのイニシャルコストよりも安価になる。算出部12は、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための省エネルギー制御が実行されない場合のキュービクルのイニシャルコストである負荷制御不適用キュービクルイニシャルコストと、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための省エネルギー制御が実行される場合のキュービクルのイニシャルコストである負荷制御適用キュービクルイニシャルコストとの差を、キュービクルイニシャルコスト削減効果として算出してもよい。
【0066】
また、図15に示す例では、算出部12が電灯盤のイニシャルコストを算出する。具体的には、電灯盤主幹容量算出部12Gが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合の電灯盤主幹容量G4として50kVA以下の値を算出するときに、算出部12は、電灯盤のイニシャルコストとして10万円を算出する。電灯盤主幹容量算出部12Gが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合の電灯盤主幹容量G4として50~100kVAの値を算出するときに、算出部12は、電灯盤のイニシャルコストとして15万円を算出し、電灯盤主幹容量算出部12Gが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合の電灯盤主幹容量G4として100~150kVAの値を算出するときに、算出部12は、電灯盤のイニシャルコストとして20万円を算出し、電灯盤主幹容量算出部12Gが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合の電灯盤主幹容量G4として150~200kVAの値を算出するときに、算出部12は、電灯盤のイニシャルコストとして25万円を算出し、電灯盤主幹容量算出部12Gが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合の電灯盤主幹容量G4として200~250kVAの値を算出するときに、算出部12は、電灯盤のイニシャルコストとして30万円を算出し、電灯盤主幹容量算出部12Gが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合の電灯盤主幹容量G4として250~400kVAの値を算出するときに、算出部12は、電灯盤のイニシャルコストとして60万円を算出する。
電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合に算出部12によって算出される電灯盤のイニシャルコストは、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用されない場合に算出部12によって算出される電灯盤のイニシャルコストよりも安価になる。算出部12は、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための省エネルギー制御が実行されない場合の電灯盤のイニシャルコストである負荷制御不適用電灯盤イニシャルコストと、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための省エネルギー制御が実行される場合の電灯盤のイニシャルコストである負荷制御適用電灯盤イニシャルコストとの差を、電灯盤イニシャルコスト削減効果として算出してもよい。
【0067】
更に、図15に示す例では、算出部12が動力盤のイニシャルコストを算出する。具体的には、動力盤主幹容量算出部12Hが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合の動力盤主幹容量H4として50kVA以下の値を算出するときに、算出部12は、動力盤のイニシャルコストとして15万円を算出する。動力盤主幹容量算出部12Hが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合の動力盤主幹容量H4として50~100kVAの値を算出するときに、算出部12は、動力盤のイニシャルコストとして20万円を算出し、動力盤主幹容量算出部12Hが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合の動力盤主幹容量H4として100~150kVAの値を算出するときに、算出部12は、動力盤のイニシャルコストとして25万円を算出し、動力盤主幹容量算出部12Hが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合の動力盤主幹容量H4として150~200kVAの値を算出するときに、算出部12は、電灯盤のイニシャルコストとして30万円を算出し、動力盤主幹容量算出部12Hが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合の動力盤主幹容量H4として200~250kVAの値を算出するときに、算出部12は、動力盤のイニシャルコストとして35万円を算出し、動力盤主幹容量算出部12Hが電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合の動力盤主幹容量H4として250~400kVAの値を算出するときに、算出部12は、動力盤のイニシャルコストとして70万円を算出する。
電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用される場合に算出部12によって算出される動力盤のイニシャルコストは、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減する負荷制御が適用されない場合に算出部12によって算出される動力盤のイニシャルコストよりも安価になる。算出部12は、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための省エネルギー制御が実行されない場合の動力盤のイニシャルコストである負荷制御不適用電灯盤イニシャルコストと、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための省エネルギー制御が実行される場合の動力盤のイニシャルコストである負荷制御適用電灯盤イニシャルコストとの差を、動力盤イニシャルコスト削減効果として算出してもよい。
【0068】
図15に示す例では、算出部12が、キュービクルのイニシャルコストと、電灯盤のイニシャルコストと、動力盤のイニシャルコストとの合計を算出しないが、他の例では、算出部12が、キュービクルのイニシャルコストと、電灯盤のイニシャルコストと、動力盤のイニシャルコストとの合計を算出してもよい。
更に他の例では、算出部12が、キュービクルのイニシャルコストと、電灯盤のイニシャルコストと、動力盤のイニシャルコストと、第1電線費用算出部12Lによって算出された第1電線費用L3と、第2電線費用算出部12Mによって算出された第2電線費用M3との合計を算出してもよい。
更に他の例では、算出部12が、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための省エネルギー制御が実行されない場合におけるキュービクルのイニシャルコストと、電灯盤のイニシャルコストと、動力盤のイニシャルコストと、第1電線費用算出部12Lによって算出された第1電線費用L3と、第2電線費用算出部12Mによって算出された第2電線費用M3との合計と、電灯負荷設備用トランス容量D3および動力負荷設備用トランス容量E3を削減するための省エネルギー制御が実行される場合におけるキュービクルのイニシャルコストと、電灯盤のイニシャルコストと、動力盤のイニシャルコストと、第1電線費用算出部12Lによって算出された第1電線費用L3と、第2電線費用算出部12Mによって算出された第2電線費用M3との合計との差である合計イニシャルコスト削減効果を算出してもよい。
【0069】
<第2実施形態>
以下、本発明の電気設備設計支援システム、電気設備設計支援方法およびプログラムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態の電気設備設計支援システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の電気設備設計支援システム1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の電気設備設計支援システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の電気設備設計支援システム1と同様の効果を奏することができる。
【0070】
図16は第2実施形態の電気設備設計支援システム1の一例を示す図である。
図16に示す例では、第2実施形態の電気設備設計支援システム1が、第1実施形態の電気設備設計支援システム1と同様に、電気設備設計支援システム1の利用者による電気設備の設計を支援する。第2実施形態の電気設備設計支援システム1は、取得部11と、算出部12とを備えている。
第2実施形態の電気設備設計支援システム1の取得部11は、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の取得部11と同様に、設計支援対象電気設備の設計に用いられる情報(「入力項目」および「記憶項目」)を取得する。第2実施形態の電気設備設計支援システム1の取得部11によって取得される情報には、第1実施形態の電気設備設計支援システム1の取得部11によって取得される情報と同様に、サンプル負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を示す情報であるサンプルデータA1などが含まれる。
【0071】
第2実施形態の電気設備設計支援システム1では、取得部11によって取得されるサンプルデータA1に、第1負荷サンプルデータA1A、第2負荷サンプルデータA1B等が含まれる。
第1負荷サンプルデータA1Aは、後述する第1実導入負荷設備に対応する第1サンプル負荷設備の時間帯別電力使用量を示す情報である。つまり、第1負荷サンプルデータA1Aは、負荷設備が後述する第1実導入負荷設備と同種の負荷設備であって、負荷設備の消費電力・個数が基準値である場合の時間帯別電力使用量のサンプルを示す情報である。
【0072】
第2負荷サンプルデータA1Bは、後述する第2実導入負荷設備に対応する第2サンプル負荷設備の時間帯別電力使用量を示す情報である。つまり、第2負荷サンプルデータA1Bは、負荷設備が後述する第2実導入負荷設備と同種の負荷設備であって、負荷設備の消費電力・個数が基準値である場合の時間帯別電力使用量のサンプルを示す情報である。
【0073】
図16に示す例では、算出部12が、取得部11によって取得された情報(入力項目および記憶項目)から算出項目を算出する。算出部12は、電力使用量算出部12Aと、電力ピーク値算出部12BCと、トランス容量算出部12DEとを備えている。
電力使用量算出部12Aは、サンプルデータA1、サンプル負荷設備(サンプルデータA1に対応する所定の負荷設備)が稼働する場合の時間帯別電力使用量と設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す係数A2等に基づいて、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量などを算出項目として算出する。
係数A2は、設計支援対象電気設備に接続される第1実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を算出するために第1負荷サンプルデータA1Aに対して乗算すべき係数であって、設計支援対象電気設備に接続される第2実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を算出するために第2負荷サンプルデータA1Bに対して乗算すべき係数である。
【0074】
図16に示す例では、電力使用量算出部12Aが、第1負荷サンプルデータA1Aに係数A2を乗算することによって、設計支援対象電気設備に接続される第1実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量(算出項目)を算出する(詳細には、第1実導入負荷設備の負荷別電力使用量グラフA3A(図17参照)を作成する)。
また、電力使用量算出部12Aは、第1負荷サンプルデータA1Aとは異なる第2負荷サンプルデータA1Bに係数A2を乗算することによって、設計支援対象電気設備に接続される第2実導入負荷設備(第1実導入負荷設備とは異なる実導入負荷設備)が稼働する場合の時間帯別電力使用量(算出項目)を算出する(詳細には、第2実導入負荷設備の負荷別電力使用量グラフA3B(図17参照)を作成する)。
【0075】
図17は第2実施形態の電気設備設計支援システム1電力使用量算出部12Aによる処理の一例を示す図である。
図17に示す例では、電力使用量算出部12Aが、第1実導入負荷設備の負荷別電力使用量グラフA3Aと、第2実導入負荷設備の負荷別電力使用量グラフA3Bとを積み上げることによって、設計支援対象電気設備に接続されるすべての実導入負荷設備(図17に示す例では、第1実導入負荷設備および第2実導入負荷設備)が稼働する場合の時間帯別電力使用量(算出項目)を算出する。つまり、電力使用量算出部12Aは、第1実導入負荷設備の負荷別電力使用量グラフA3Aと第2実導入負荷設備の負荷別電力使用量グラフA3Bとを積み上げることによって、全負荷電力使用量グラフA4(=A3A+A3B)を作成する。
また、電力使用量算出部12Aは、全負荷電力使用量グラフA4に含まれるすべての時間帯(1時~24時)の電力使用量を合計することによって、設計支援対象電気設備に接続されるすべての実導入負荷設備(図17に示す例では、第1実導入負荷設備および第2実導入負荷設備)の1日の電力使用量A5(算出項目)を算出する。
【0076】
図16に示す例では、電力ピーク値算出部12BCが、全負荷電力使用量グラフA4のピーク値(図17に示す例では、11時、16時の縦軸の値)を「電力ピーク値BC」(算出項目)として算出する。
トランス容量算出部12DEは、電力ピーク値算出部12BCによって算出された電力ピーク値BCと、トランス容量DE3を算出するための余裕率DE1と、トランス容量DE3を算出するための力率DE2と、例えば下記の(11)式とに基づいて、トランス容量DE3(算出項目)を算出する。トランス容量DE3を算出するための余裕率DE1は、記憶項目または入力項目である。トランス容量DE3を算出するための力率DE2は、記憶項目である。
DE3=BC×DE1÷DE2 (11)
【0077】
<第3実施形態>
以下、本発明の電気設備設計支援システム、電気設備設計支援方法およびプログラムの第3実施形態について説明する。
第3実施形態の電気設備設計支援システム1は、後述する点を除き、上述した第1または第2実施形態の電気設備設計支援システム1と同様に構成されている。従って、第3実施形態の電気設備設計支援システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1または第2実施形態の電気設備設計支援システム1と同様の効果を奏することができる。
【0078】
第3実施形態の電気設備設計支援システム1は、図16に示す第2実施形態の電気設備設計支援システム1と同様に構成されている。
第3実施形態の電気設備設計支援システム1の取得部11は、第1および第2実施形態の電気設備設計支援システム1の取得部11と同様に、設計支援対象電気設備の設計に用いられる情報(「入力項目」および「記憶項目」)を取得する。第3実施形態の電気設備設計支援システム1の取得部11によって取得される情報には、第1および第2実施形態の電気設備設計支援システム1の取得部11によって取得される情報と同様に、サンプル負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を示す情報であるサンプルデータA1などが含まれる。
【0079】
第3実施形態の電気設備設計支援システム1では、第2実施形態の電気設備設計支援システム1と同様に、取得部11によって取得されるサンプルデータA1に、第1負荷サンプルデータA1A、第2負荷サンプルデータA1B等が含まれる。
上述したように、第1負荷サンプルデータA1Aは、第1実導入負荷設備に対応する第1サンプル負荷設備の時間帯別電力使用量を示す情報である。つまり、第1負荷サンプルデータA1Aは、負荷設備が第1実導入負荷設備と同種の負荷設備であって、負荷設備の消費電力・個数が基準値である場合の時間帯別電力使用量のサンプルを示す情報である。
【0080】
上述したように、第2負荷サンプルデータA1Bは、第2実導入負荷設備に対応する第2サンプル負荷設備の時間帯別電力使用量を示す情報である。つまり、第2負荷サンプルデータA1Bは、負荷設備が第2実導入負荷設備と同種の負荷設備であって、負荷設備の消費電力・個数が基準値である場合の時間帯別電力使用量のサンプルを示す情報である。
【0081】
第3実施形態の電気設備設計支援システム1では、第2実施形態の電気設備設計支援システム1の図16に示す例と同様に、算出部12が、取得部11によって取得された情報(入力項目および記憶項目)から算出項目を算出する。算出部12は、電力使用量算出部12Aと、電力ピーク値算出部12BCと、トランス容量算出部12DEとを備えている。
電力使用量算出部12Aは、サンプルデータA1、サンプル負荷設備(サンプルデータA1に対応する所定の負荷設備)が稼働する場合の時間帯別電力使用量と設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量との対応関係を示す係数A2等に基づいて、設計支援対象電気設備に接続される実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量などを算出項目として算出する。
係数A2は、設計支援対象電気設備に接続される第1実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を算出するために第1負荷サンプルデータA1Aに対して乗算すべき係数であって、設計支援対象電気設備に接続される第2実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量を算出するために第2負荷サンプルデータA1Bに対して乗算すべき係数である。
【0082】
第3実施形態の電気設備設計支援システム1では、第2実施形態の電気設備設計支援システム1の図16に示す例と同様に、電力使用量算出部12Aが、第1負荷サンプルデータA1Aに係数A2を乗算することによって、設計支援対象電気設備に接続される第1実導入負荷設備が稼働する場合の時間帯別電力使用量(算出項目)を算出する(詳細には、上述したように第1実導入負荷設備の負荷別電力使用量グラフA3A(図17参照)を作成する)。
また、電力使用量算出部12Aは、第1負荷サンプルデータA1Aとは異なる第2負荷サンプルデータA1Bに係数A2を乗算することによって、設計支援対象電気設備に接続される第2実導入負荷設備(第1実導入負荷設備とは異なる実導入負荷設備)が稼働する場合の時間帯別電力使用量(算出項目)を算出する(詳細には、上述したように第2実導入負荷設備の負荷別電力使用量グラフA3B(図17参照)を作成する)。
【0083】
第3実施形態の電気設備設計支援システム1では、第2実施形態の電気設備設計支援システム1の図17に示す例と同様に、電力使用量算出部12Aが、第1実導入負荷設備の負荷別電力使用量グラフA3Aと、第2実導入負荷設備の負荷別電力使用量グラフA3Bとを積み上げることによって、設計支援対象電気設備に接続されるすべての実導入負荷設備(第1実導入負荷設備および第2実導入負荷設備)が稼働する場合の時間帯別電力使用量(算出項目)を算出する。つまり、電力使用量算出部12Aは、第1実導入負荷設備の負荷別電力使用量グラフA3Aと第2実導入負荷設備の負荷別電力使用量グラフA3Bとを積み上げることによって、全負荷電力使用量グラフA4(=A3A+A3B)を作成する。
また、電力使用量算出部12Aは、全負荷電力使用量グラフA4に含まれるすべての時間帯(1時~24時)の電力使用量を合計することによって、設計支援対象電気設備に接続されるすべての実導入負荷設備(第1実導入負荷設備および第2実導入負荷設備)の1日の電力使用量A5(算出項目)を算出する。
【0084】
上述したように、第2実施形態の電気設備設計支援システム1の図16に示す例では、電力ピーク値算出部12BCが、全負荷電力使用量グラフA4のピーク値(第2実施形態の電気設備設計支援システム1の図17に示す例では、11時、16時の縦軸の値)を「電力ピーク値BC」(算出項目)として算出する。
一方、第3実施形態の電気設備設計支援システム1では、電力ピーク値算出部12BCは、トランス容量DE3を削減する負荷制御が、設計支援対象電気設備に接続される第1実導入負荷設備および第2実導入負荷設備に適用される場合の全負荷電力使用量グラフA4のピーク値である負荷制御適用電力ピーク値を算出項目として算出する。
【0085】
第3実施形態の電気設備設計支援システム1の第1例では、電力ピーク値算出部12BCは、図10に示すピークカットによりトランス容量DE3を削減する負荷制御が、設計支援対象電気設備に接続される第1実導入負荷設備および第2実導入負荷設備に適用される場合の全負荷電力使用量グラフA4のピーク値である負荷制御適用電力ピーク値を算出項目として算出する。
第3実施形態の電気設備設計支援システム1の第2例では、電力ピーク値算出部12BCは、図11に示す蓄電池を用いないピークシフトによりトランス容量DE3を削減する負荷制御が、設計支援対象電気設備に接続される第1実導入負荷設備および第2実導入負荷設備に適用される場合の全負荷電力使用量グラフA4のピーク値である負荷制御適用電力ピーク値を算出項目として算出する。
第3実施形態の電気設備設計支援システム1の第3例では、電力ピーク値算出部12BCは、図12に示す蓄電池を用いるピークシフトによりトランス容量DE3を削減する負荷制御が、設計支援対象電気設備に接続される第1実導入負荷設備および第2実導入負荷設備に適用される場合の全負荷電力使用量グラフA4のピーク値である負荷制御適用電力ピーク値を算出項目として算出する。
第3実施形態の電気設備設計支援システム1の第4例では、電力ピーク値算出部12BCは、トランス容量DE3を削減する負荷制御として、図13に示す省エネルギー制御が、設計支援対象電気設備に接続される第1実導入負荷設備および第2実導入負荷設備に適用される場合の全負荷電力使用量グラフA4のピーク値である負荷制御適用電力ピーク値を算出項目として算出する。
【0086】
第3実施形態の電気設備設計支援システム1では、トランス容量算出部12DEが、電力ピーク値算出部12BCによって算出された電力ピーク値BC(詳細には、トランス容量DE3を削減する負荷制御が、設計支援対象電気設備に接続される第1実導入負荷設備および第2実導入負荷設備に適用される場合の全負荷電力使用量グラフA4のピーク値)と、トランス容量DE3を算出するための余裕率DE1と、トランス容量DE3を算出するための力率DE2と、例えば上述した(11)式とに基づいて、トランス容量DE3(算出項目)を算出する。
【0087】
<第4実施形態>
以下、本発明の電気設備設計支援システム、電気設備設計支援方法およびプログラムの第4実施形態について説明する。
第4実施形態の電気設備設計支援システム1は、後述する点を除き、上述した第1~第3実施形態の電気設備設計支援システム1と同様に構成されている。従って、第4実施形態の電気設備設計支援システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1~第3実施形態の電気設備設計支援システム1と同様の効果を奏することができる。
【0088】
上述した第1~第3実施形態の電気設備設計支援システム1は、例えば電気設備設計支援サービスを提供する事業者が管理するサーバ装置の内部などに配置されている。
一方、第4実施形態の電気設備設計支援システム1は、電気設備設計支援システム1の利用者(例えば電気設備の設計者)が利用する例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの端末装置によって構成されている。
【0089】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を組み合わせてもよい。
【0090】
なお、上述した実施形態における電気設備設計支援システム1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0091】
1…電気設備設計支援システム、11…取得部、12…算出部、12A…電力使用量算出部、12B…電灯負荷電力ピーク値算出部、12C…動力負荷電力ピーク値算出部、12D…電灯負荷設備用トランス容量算出部、12E…動力負荷設備用トランス容量算出部、12F…キュービクル受電容量算出部、12G…電灯盤主幹容量算出部、12H…動力盤主幹容量算出部、12I…トランス重量算出部、12J…キュービクルサイズ算出部、12K…キュービクル重量算出部、12L…第1電線費用算出部、12M…第2電線費用算出部、12N…ランニングコスト算出部、12P…ランニングコスト削減効果算出部
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