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特開2024-130204照明装置、照明システム、通信モード切替方法、プログラム、情報処理装置、及びモード表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130204
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】照明装置、照明システム、通信モード切替方法、プログラム、情報処理装置、及びモード表示方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/185 20200101AFI20240920BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240920BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240920BHJP
【FI】
H05B47/185
H05B47/19
H05B47/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039800
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】稲村 公孝
(72)【発明者】
【氏名】松本 豊明
(72)【発明者】
【氏名】小林 瑞樹
(72)【発明者】
【氏名】田島 和真
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273PA09
3K273QA27
3K273QA31
3K273RA16
3K273SA10
3K273SA32
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA40
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA57
3K273TA62
3K273TA66
3K273TA70
3K273UA02
3K273UA12
3K273UA14
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA27
(57)【要約】
【課題】照明システムの設計の自由度を高めることができる照明装置、照明システム、通信モード切替方法、プログラム、情報処理装置、及びモード表示方法を提供する。
【解決手段】照明装置において、他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備え、電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替え可能に構成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備え、
電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替え可能に構成してある
照明装置。
【請求項2】
前記電力線に接続される電力線通信ユニットが着脱可能に取り付けられており、
取り付けられた前記電力線通信ユニットを通じて前記電力線からデータを受信する
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
制御部を備えており、
前記制御部は、
前記無線通信部を介して前記第1モード及び前記第2モードの間の切替指示を受け付け、
受け付けた切替指示に基づき、前記第1モード又は前記第2モードへの切替を行う
請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記電力線に接続される電力線通信ユニットが取り付けられており、
前記第1モード又は前記第2モードに切り替えるスイッチを備える
請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記電力線通信ユニットは、遮蔽物によって、前記電源に接続された他電力線通信ユニットから隔離されており、
前記第1モードでは、前記他電力線通信ユニットを介して送信されたデータを前記電力線通信ユニットが受信する
請求項2又は4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記他電力線通信ユニットからのデータには、前記電源から電力が供給される他装置の電気特性を測定する測定装置の測定結果が含まれている
請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記他電力線通信ユニットは配電盤内に取り付けられている
請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備え、電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替え可能に構成してある第1照明装置と、
他電源から電力が供給され、前記第1照明装置から前記データを無線受信する第2照明装置とを含む
照明システム。
【請求項9】
他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備える照明装置にて、
電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替える
通信モード切替方法。
【請求項10】
他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備え、電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替え可能に構成してある照明装置の現在のモードを取得し、
取得した照明装置のモードを表示する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
前記照明装置を表すアイコンを前記照明装置の配置位置に応じて表示し、
前記アイコンに対応させて前記第1モード又は前記第2モードの選択画面を表示する
処理をコンピュータに実行させる請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記電力線を通じて受信したデータの出力元を表すアイコンを表示する
処理をコンピュータに実行させる請求項10に記載のプログラム。
【請求項13】
他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備え、電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替え可能に構成してある照明装置の現在のモードを取得する取得部と、
取得した照明装置のモードを表示する表示部と
を備える情報処理装置。
【請求項14】
他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備え、電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替え可能に構成してある照明装置の現在のモードを取得し、
取得した照明装置のモードを表示する
処理をコンピュータに実行させるモード表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、照明システム、通信モード切替方法、プログラム、情報処理装置、及びモード表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の照明装置を制御装置によって点灯制御する照明システムが普及している。
【0003】
例えば、特許文献1の照明システムでは、電力線通信を行うコントローラと、BLE(Bluetooth Low Energy)通信を行う複数の照明器具と、コントローラとは電力線通信を行い、各照明器具とはBLE通信を行う親機(照明器具)とを備え、親機がコントローラとは電力線通信を行い、照明器具とはBLE通信を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-169432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の照明システムでは、照明器具は、親機とBLE通信のみができるように構成されており、電力線通信を必要とする親機としての使用は制限され、照明システムの設計の自由度が低減されるという問題がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、照明システムの設計の自由度を高めることができる照明装置、照明システム、通信モード切替方法、プログラム、情報処理装置、及びモード表示方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明装置は、他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備え、電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替え可能に構成してある。
【0008】
本発明に係る照明システムは、他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備え、電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替え可能に構成してある第1照明装置と、他電源から電力が供給され、前記第1照明装置から前記データを無線受信する第2照明装置とを含む。
【0009】
本発明に係る通信モード切替方法は、他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備える照明装置にて、電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替える。
【0010】
本発明に係るプログラムは、他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備え、電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替え可能に構成してある照明装置の現在のモードを取得し、取得した照明装置のモードを表示する処理をコンピュータに実行させる。
【0011】
本発明に係る情報処理装置は、他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備え、電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替え可能に構成してある照明装置の現在のモードを取得する取得部と、取得した照明装置のモードを表示する表示部とを備える。
【0012】
本発明に係るモード表示方法は、他照明装置と無線通信を行う無線通信部を備え、電源から電力を供給する電力線を通じた電力線通信によりデータを受信して前記無線通信部を介して前記他照明装置に前記データを送信する第1モードと、前記無線通信部を介して前記他照明装置とデータの送受信を行う第2モードとを切り替え可能に構成してある照明装置の現在のモードを取得し、取得した照明装置のモードを表示する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、照明システムの設計の自由度を高めることができる照明装置、照明システム、通信モード切替方法、プログラム、情報処理装置、及びモード表示方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1に係る照明システムの構成例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係る照明装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3】実施の形態1における照明システムの制御装置の構成例を示す機能ブロック図である。
図4】照明システムの各照明装置における通信モードの切り替えを説明するフローチャートである。
図5】照明システムにおいて、センサによる測定結果を制御装置まで送信する方法を説明するフローチャートである。
図6】実施の形態1に係る照明装置の構成の変形例を示す機能ブロック図である。
図7】実施の形態2に係る照明システムの構成例を示すブロック図である。
図8】実施の形態3に係る照明システムの構成例を示すブロック図である。
図9】照明システムにおいて、制御装置による点灯制御を説明するフローチャートである。
図10】実施の形態4に係る照明システムの構成例を示すブロック図である。
図11】実施の形態5に係る照明システムの構成例を示すブロック図である。
図12】実施の形態6に係る照明システムの構成例を示すブロック図である。
図13】実施の形態6における照明システムの携帯端末の構成例を示す機能ブロック図である。
図14】実施の形態6における照明システムのサーバの構成例を示す機能ブロック図である。
図15】実施の形態6に係る照明システムにおける照明装置の通信制御を説明するフローチャートである。
図16】照明装置の通信モードの設定画面の一例を示す例示図である。
図17】設定リストを概念的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態に係る照明装置、照明システム、通信モード切替方法、プログラム、情報処理装置、及びモード表示方法について図面に基づいて詳述する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る照明システム100の構成例を示すブロック図である。実施の形態1の照明システム100は、複数の照明装置10、制御装置2、電源3、センサ4及び電気機器200(他装置)を含んでいる。図中の矢印はデータの移動方向を示している。
【0017】
複数の照明装置10は、例えば室内の天井等に設置されており、室内の適所を各々が照らすように配置されている。複数の照明装置10は、室内において、壁面、床面等に設置されていてもよい。
【0018】
例えば、複数の照明装置10は夫々同様の構成であり、互いにメッシュネットワークによって通信接続されている。制御装置2は、複数の照明装置10のID(Identification)を用いて、照明装置10のメッシュネットワークを含む無線通信ネットワークを構築する。斯かる無線通信ネットワークを介して、制御装置2と複数の照明装置10とはブロードキャスト通信が可能である。
【0019】
メッシュネットワークを構築するための無線通信規格等は、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)などがある。また、前記無線通信ネットワークにおける無線通信は、電波干渉による信号の欠落を抑えるために、複数の周波数による送信を行うことが好ましい。例えば、2.40GHz、2.44GHz、2.48GHzの3種類の周波数でブロードキャスト通信を順次実行する。
【0020】
複数の照明装置10には、電力供給を受ける電源3が異なる照明装置10が含まれている。本実施の形態では、複数の照明装置10が、照明装置10a、照明装置10b、照明装置10c、照明装置10dを含み、照明装置10a(第1照明装置)と、照明装置10b~照明装置10d(第2照明装置)とが夫々異なる電源から電力供給を受ける場合を例に挙げて説明する。なお、以下では、便宜上、照明装置10a、照明装置10b、照明装置10c、照明装置10dをあわせて照明装置10とも称する。
【0021】
複数の照明装置10(10a~10d)は同じ構成であり、以下では一つの照明装置10の構成について説明し、他の照明装置10については説明を省略する。
【0022】
図2は、実施の形態1に係る照明装置10の構成の一例を示す機能ブロック図である。
照明装置10は、電源部14、無線通信部15、制御部16、光源部17及び記憶部18を含むランプ部12と、ランプ部12を、例えば天井に取り付けるための器具11とを有する。器具11には、後述する第2電力線通信ユニット41(他電力線通信ユニット)に対応する第1電力線通信ユニット13が取り付けられている。
【0023】
以下では、照明装置10に第1電力線通信ユニット13が取り付けられている状態を例にあげて説明するが、これに限定されるものではない。第1電力線通信ユニット13は着脱可能であってもよい。
【0024】
また、第1電力線通信ユニット13の取り付け場所が器具11に限定されるものではない。第1電力線通信ユニット13の取り付け場所はランプ部12であっても良く、照明装置10の外側、例えば器具11と天井との間であっても良い。
【0025】
光源部17は、例えば、基板と当該基板に列をなして搭載された複数のLED、複数の有機ELなどからなる。また、照明装置10は、光源部17からの光を透過させる透明又は半透明のカバー(図示略)を有している。
【0026】
制御部16は、照明装置10の点灯を制御し、また制御装置2からの指示信号等に基づいて、照明装置10の通信モードを、後述する第1モード又は第2モードに切り替える。制御部16は、例えばCPUからなる。
【0027】
記憶部18は、例えば半導体メモリからなり、自装置のID等、制御部16の制御処理に必要な情報を記憶する。斯かるIDは、例えばMAC(Media Access Control)アドレス、IPアドレス、機器IDが用いられる。なお、前記IDは、例えば無線通信部15に記憶されていてもよい。なお、記憶部18は、所謂外付け型であってもよい。
【0028】
無線通信部15は、制御装置2との無線通信、及び、照明装置10同士間の無線通信を行う。無線通信部15は、上述の如く、例えば920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等にて、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi‐Fi(登録商標)などの無線通信を行う。
【0029】
電源部14は、光源部17、制御部16及び無線通信部15等に動作に必要な電力を供給する。電源部14は、例えば商用の交流100V又は200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータである。
【0030】
第1電力線通信ユニット13は、スマートグリッドにおいて利用される電力線通信(PLC:Power line Communication)を行う。電力線通信は電力線を通信網として利用する技術である。電力線通信では、電力会社から供給される交流商業電源周波数(50/60Hz)に、短波帯の高周波周波数(データ)を非常に小さな電圧として2つの周波数を重畳させて信号変換を行って送信する。また、受信側は、短波帯周波数(データ)と交流商業電源周波数の差が大きい為、干渉することはなく重なり合った電力線通信のデータのみを容易に分離して取り出す。
【0031】
電力線通信には、超狭帯域電力線通信(UNB-PLC: Ultra-Narrowband PLC)、広帯域電力線通信(BB-PLC: Broadband PLC)、及び狭帯域電力線通信(NB-PLC: Narrowband PLC)がある。この中で、広帯域電力線通信は、数MHzから数十MHzの周波数帯を用いて、数Mbps以上のデータレートを実現する技術であり、建物内部のネットワークを容易に広げることを目的としている。具体的に広帯域電力線通信には、HomePlug、HD(High Definition)-PLC、及びUPA(Universal Powerline Association)がある。以下では、第1電力線通信ユニット13がHD-PLCにて電力線通信を行うものとする。
【0032】
上述の如く、第1電力線通信ユニット13は、着脱可能に器具11へ取り付けられており、制御部16の制御によってオンオフできるように構成されている。また、第1電力線通信ユニット13は、電力線L1,L2へ接続されており、電力線L1,L2にデータを重畳させて送信し、又は、電力線L1,L2からデータを取り出して受信する。例えば、第1電力線通信ユニット13は、第2電力線通信ユニット41が電力線L1に重畳させたデータを取り出して受信する。
【0033】
複数の照明装置10のうち、照明装置10aは、電力線L1を介して第1電源31に接続されており、第1電源31によって電力が供給されている。また、第1電源31には、センサ4を介して電気機器200が接続されており、第1電源31は電気機器200に電力を供給する。
【0034】
センサ4は、使用電力量(電気特性)を測定する電力計である。センサ4は電気機器200に接続された電力線を介して電気機器200の使用電力量を測定する。センサ4には第2電力線通信ユニット41が設けられている。センサ4は、測定された使用電力量のデータを第2電力線通信ユニット41に送信する。
【0035】
第2電力線通信ユニット41は、第1電力線通信ユニット13と同様、電力線通信を行う。電力線通信については既に説明しており、詳しい説明を省略する。以下では、第2電力線通信ユニット41が第1電力線通信ユニット13と同じくHD-PLCにて電力線通信を行うものとする。
【0036】
第2電力線通信ユニット41は、着脱可能にセンサ4へ取り付けられている。また、第2電力線通信ユニット41は、電力線L1にデータを重畳させて送信し、又は、電力線L1からデータを取り出して受信する。例えば、第2電力線通信ユニット41は、センサ4によって測定された電気機器200の使用電力量のデータを電力線L1に重畳させて第1電力線通信ユニット13に送信する。
【0037】
照明装置10b~10dは、電力線L2を介して第2電源32に接続されており、夫々第2電源32によって電力が供給されている。また、第2電源32には、制御装置2が接続されており、第2電源32は制御装置2に電力を供給する。なお、以下では、便宜上、第1電源31及び第2電源32をあわせて電源3とも称する。
【0038】
図3は、実施の形態1における照明システム100の制御装置2の構成例を示す機能ブロック図である。制御装置2は、表示部21、制御部22、記憶部23、無線通信部24及び電源部25を備える。
【0039】
制御装置2は、複数の照明装置10の点灯制御及び通信制御を行う。制御装置2は、複数の照明装置10が設置されている室内に設置されていてもよいし、室内の外部又は別場所に設置されていてもよい。上述の如く、本実施の形態では、制御装置2と複数の照明装置10とは無線通信を行うが、無線通信だけでなく、有線通信と無線通信とを利用して互いに通信する構成であってもよい。
【0040】
表示部21は、制御装置2の初期設定、メンテナンス等に用いられる。表示部21は、例えば液晶ディスプレイ等であり、タッチパネル機能を有してもよい。また、制御装置2が、キーボードを別途備えていてもよい。なお、制御装置2において、表示部21は必須ではなく省略できる。
【0041】
制御部22は、複数の照明装置10に対して、例えば光源部17の調光率を所定値に調整する点灯制御を行う。また、制御部22は、通信を第1モード又は第2モードに切り替えるように指示して通信制御を行う。更に、制御部22は、センサ4によって測定された電気機器200の使用電力量を、複数の照明装置10を介して取得し、外部に無線送信する。
【0042】
また、制御部22は制御装置2の各部を制御する。例えば、制御部22は、無線通信部24が外部から受信した指示信号、又は表示部21(タッチパネル)を介してユーザから受け付けた指示に基づいて、複数の照明装置10へ制御信号を送信するように、無線通信部24に指示信号を送る。制御部22は、例えばCPUからなる。
【0043】
記憶部23は、例えば半導体メモリ、ハードディスクドライブ等からなり、制御部22の上述した制御に必要な制御プログラムP1、設定条件等の情報を記憶している。また、記憶部23には、照明装置10の夫々のIDがその設置位置に対応付けて記憶されている。
【0044】
無線通信部24は、複数の照明装置10と無線通信を行える。無線通信部24の周波数帯、無線通信の規格は、上述の照明装置10の無線通信部15と同様であり、詳しい説明は省略する。無線通信部24は、制御部22から複数の照明装置10への制御信号を送信する。また、無線通信部24は、制御装置2からの制御信号を受信した各照明装置10からの応答信号(アクノリッジ信号)を受信する。
【0045】
電源部25は、表示部21、制御部22及び無線通信部24等に動作に必要な電力を供給する。電源部25は、第2電源32から供給される、例えば商用の交流100V又は200V電力を、直流電力に変換するAC/DCコンバータである。
【0046】
以上のような構成を有する照明システム100における複数の照明装置10の点灯制御について説明する。
【0047】
制御装置2は、前記無線通信ネットワークを介して、複数の照明装置10へ、照明装置10毎の調光率を含む制御信号を送信する。
即ち、制御装置2の制御部22が、複数の照明装置10夫々のID及び各IDに対応付けられた調光率を含む制御信号を生成し、無線通信部24が斯かる制御信号を、複数の照明装置10が接続された無線通信ネットワークにブロードキャスト通信によって送信する。斯かる制御信号は、無線通信ネットワークを介して各照明装置10に順次送信され、複数の照明装置10は無線通信部15によって制御信号を受信する。
【0048】
各照明装置10の制御部16は、受信した制御信号(以下、受信制御信号と称する)に含まれるIDと、自装置のIDとを比較照合し、受信制御信号に含まれるIDに自装置のIDが存在しない場合、無線通信ネットワーク上隣接する次の照明装置10に受信制御信号を転送する。また、各照明装置10の制御部16は、受信制御信号に含まれるIDに自装置のIDが存在する場合、受信制御信号に含まれる調光率を記憶部18に記憶する。
そして、各照明装置10では、制御部16が制御装置2から受信して記憶部18に記憶された調光率に応じて自装置の光源部17を調光する。
【0049】
次に、照明システム100における複数の照明装置10の通信制御について説明する。上述した点灯制御と同様、制御装置2は、前記無線通信ネットワークを介して、複数の照明装置10へ、照明装置10毎の通信モードを含む制御信号を送信する。
【0050】
即ち、制御装置2の制御部22が、複数の照明装置10のIDと、第1モード又は第2モードの何れかの通信モードとを含む制御信号を生成し、無線通信部24が斯かる制御信号を、複数の照明装置10が接続された無線通信ネットワークにブロードキャスト通信によって送信する。複数の照明装置10は無線通信ネットワークを介して斯かる制御信号を受信する。
【0051】
ここで第1モードは、第1電力線通信ユニット13を用いる電力線通信によりデータを受信して無線通信部15を介して受信したデータを他装置に送信する通信モードである。
また、第2モードは、第1電力線通信ユニット13(電力線通信)を用いずに、無線通信部15を介して他装置とデータの送信及び受信を行う通信モードである。
【0052】
例えば、本実施の形態では、照明装置10aに対しては通信モードを第1モードにする旨の制御信号が送られ、照明装置10b~10dに対しては通信モードを第2モードにする旨の制御信号が送られる。
【0053】
各照明装置10の制御部16は、受信制御信号に含まれるIDと、自装置のIDとを比較照合する。各照明装置10の制御部16は、受信制御信号に含まれるIDに自装置のIDが存在しない場合、無線通信ネットワーク上隣接する次の照明装置10に受信制御信号を転送し、存在する場合、受信制御信号に含まれる通信モードを記憶部18に記憶する。
そして、各照明装置10では、制御部16が制御装置2から受信した通信モードに応じて自装置の通信モードを切り替える。
【0054】
図4は、照明システム100の各照明装置10における通信モードの切り替えを説明するフローチャートである。
【0055】
照明装置10の無線通信部15は、無線通信ネットワークを介して、上述の如く、制御装置2からの制御信号を受信する(ステップS11)。
【0056】
制御部16は、受信制御信号に含まれているIDと、自装置のIDとを比較照合し、受信制御信号に含まれているIDに自装置のIDが存在するか否かを判定する(ステップS12)。制御部16は、受信制御信号に含まれているIDに自装置のIDが存在しないと判定した場合(ステップS12:NO)、無線通信ネットワーク上隣接する次の照明装置10に受信制御信号を転送する(ステップS16)。
【0057】
また、受信制御信号に含まれているIDに自装置のIDが存在すると判定した場合(ステップS12:YES)、制御部16は、受信した受信制御信号に含まれている通信モードが第1モードであるか否かを判定する(ステップS13)。
【0058】
受信制御信号に含まれている通信モードが第1モードであると判定した場合(ステップS13:YES)、制御部16は、第1電力線通信ユニット13をオンにする指示信号を第1電力線通信ユニット13に送信する(ステップS14)。これによって、第1電力線通信ユニット13がオンになるので、電力線を通じた電力線通信が可能となり、第1モードへの切り替えが完了する。以降、第1電力線通信ユニット13は電力線にデータを重畳させて送信し、又は、電力線からデータを取り出して受信できる。
【0059】
また、受信制御信号に含まれている通信モードが第1モードでないと判定した場合(ステップS13:NO)、即ち、第2モードである場合、制御部16は、第1電力線通信ユニット13をオフにする指示信号を第1電力線通信ユニット13に送信する(ステップS15)。これによって、第1電力線通信ユニット13がオフになるので、電力線を通じた電力線通信が出来なくなり、第2モードへの切り替えが完了する。以降、無線通信部15によるデータの送信及び受信のみが可能となる。
【0060】
図5は、照明システム100において、センサ4による測定結果を制御装置2まで送信する方法を説明するフローチャートである。以下では、説明の便宜上、上述の如く、制御装置2の通信制御によって、照明装置10aにおける通信モードが第1モードに切り替えられ、照明装置10b~10dにおける通信モードが第2モードに切り替えられた状態であるとする。
【0061】
まず、センサ4は電気機器200の使用電力量を測定し、測定された使用電力量のデータを第2電力線通信ユニット41に送信する。これによって、第2電力線通信ユニット41は、センサ4から使用電力量の測定結果を取得する(ステップS21)。
【0062】
第2電力線通信ユニット41は、センサ4から取得した使用電力量のデータを電力線L1に重畳させて(ステップS22)、電力線通信を用い、電力線L1を介して照明装置10a(第1電力線通信ユニット13)に送信する。
【0063】
照明装置10aでは、通信モードが第1モードであるので、電力線通信が可能である。即ち、第1電力線通信ユニット13が電力線L1から電力線通信に係る信号、即ちセンサ4による測定結果のデータを取り出し(ステップS31)、制御部16に送る。制御部16は、送られてきた測定結果のデータを、無線通信用の信号に変換して無線通信部15に送る。無線通信部15は、変換された測定結果のデータを、上述の如く、無線通信ネットワークを介して、照明装置10bに送信する(ステップS32)。
【0064】
照明装置10bでは、通信モードが第2モードであるので、電力線通信ができない。無線通信部15は、上述の如く、無線通信ネットワークから測定結果のデータを受信し(ステップS41)、例えば、記憶部18に記憶する。制御部16は、受信した測定結果のデータを、無線通信部15を用いて、上述の如く、無線通信ネットワークを介して、照明装置10cに送信する(ステップS42)。
【0065】
照明装置10cでは、通信モードが第2モードであるので、照明装置10bと同様、無線通信部15が無線通信ネットワークを介して測定結果のデータを受信し(ステップS51)、受信した測定結果のデータを、無線通信ネットワークを介して、照明装置10dに送信する(ステップS52)。
【0066】
照明装置10dでは、通信モードが第2モードであるので、照明装置10b,10cと同様、無線通信部15が無線通信ネットワークを介して測定結果のデータを受信する(ステップS61)。制御部16は、受信した測定結果のデータを、無線通信部15を用いて、無線通信ネットワークを介して、制御装置2に送信する(ステップS62)。これによって、制御装置2の無線通信部24は、無線通信ネットワークを介して測定結果のデータを受信する。
【0067】
以上では、センサ4による測定結果が第2電力線通信ユニット41から照明装置10a~10dの順に送られて制御装置2まで送信される場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。照明装置10a~10d及び制御装置2が無線通信ネットワークを構成しているので、照明装置10b~10dを経由せず、照明装置10aから制御装置2に直接前記測定結果が無線送信されることも可能である。
【0068】
以上のように、本実施の形態に係る照明システム100は、各照明装置10が第1モード及び第2モードの通信モードを有しているので、異なる電源(電力線)に接続されていることから、電力線を用いる電力線通信ができない、照明装置10a及び照明装置10b~10dの間においても、データの送受信が可能である。即ち、照明装置10b~10dの通信モードを、電力線通信を用いない第2モードに切り替えて照明装置10aと無線通信を行うことにより、データの送受信を可能にする。
照明システム100を設置する建築物によっては、防火区画毎の異なる電源間で無線通信ネットワークを構築するなどの制約がある。本実施の形態では、隣接する防火区画間で電力線通信を利用し、防火区画を隔てた無線通信ネットワークを構築できるなど照明システムの設計の自由度を高める効果を有している。
【0069】
以上においては、制御装置2が、室内、又は、室外に設置されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、制御装置2としてクラウドサーバーを用いる構成であっても良い。
【0070】
以上においては、制御装置2が、複数の照明装置10が接続された無線通信ネットワークにブロードキャスト通信を行う場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0071】
無線通信ネットワークで接続された複数の照明装置10のうち所定の照明装置10を、他の複数の照明装置10と制御装置2との無線通信を中継する通信モジュールとして用いる構成であっても良い。所定の照明装置10は、照明装置として動作するか、通信モジュールとして動作するかを切り替えできるように構成しても良い。
【0072】
例えば、照明装置10dを制御装置2との無線通信を中継する通信モジュールとして用いる。この場合、制御装置2の制御信号が、制御装置2から照明装置10dに先ず送信される。斯かる制御信号を受信した照明装置10dから、制御信号が無線通信ネットワークを介して各照明装置10に順次送信される。
【0073】
また、以上においては、制御装置2の通信制御によって、照明装置10aの通信モードが第1モードに切り替えられ、照明装置10b~10dの通信モードが第2モードに切り替えられた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。上述の如く、第1電力線通信ユニット13が着脱可能に器具11に取り付けられているので、照明装置10b~10dから第1電力線通信ユニット13を取り外すことによって、照明装置10b~10dの通信モードを第2モードに切り替えても良い。
【0074】
更に、これに限定されるものではなく、ユーザの操作によって、通信モードを第1モード又は第2モードに切り替え出来るように構成しても良い。
図6は、実施の形態1に係る照明装置10の構成の変形例を示す機能ブロック図である。照明装置10は、第1電力線通信ユニット13、電源部14、無線通信部15、制御部16、光源部17及び記憶部18を含む。これらの構成部分については既に説明しており、詳しい説明を省略する。
【0075】
変形例に係る照明装置10では、スイッチ19及び操作部20を更に備えている。スイッチ19は、制御部16と第1電力線通信ユニット13とを電気的に接続し、又は、切断する。また、操作部20は、ユーザによって操作され、スイッチ19をオンオフする。例えば、スイッチ19がオンである場合、制御部16と第1電力線通信ユニット13とが接続され、通信モードが第1モードになる。スイッチ19がオフである場合、制御部16と第1電力線通信ユニット13との接続が切断され、通信モードは第2モードになる。
【0076】
例えば、図1の例においては、照明装置10aのスイッチ19をオンにし、照明装置10b~10dのスイッチ19をオフにすれば良い。
【0077】
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2に係る照明システム100の構成例を示すブロック図である。実施の形態2の照明システム100は、実施の形態1と同様、複数の照明装置10、制御装置2、電源3、センサ4及び電気機器200を含んでいる。図中の矢印はデータの移動方向を示している。
【0078】
本実施の形態では、複数の照明装置10が、照明装置10a、照明装置10b、照明装置10c、照明装置10dを含み、照明装置10aと、照明装置10b~照明装置10dとが夫々異なる電源から電力供給を受けている。
【0079】
複数の照明装置10のうち、照明装置10aは、電力線L1を介して第1電源31に接続されており、第1電源31によって電力が供給されている。また、第1電源31には、センサ4を介して電気機器200が接続されており、第1電源31は電気機器200に電力を供給する。センサ4には第2電力線通信ユニット41が設けられている。
【0080】
照明装置10b~10dは、電力線L2を介して第2電源32に接続されており、夫々第2電源32によって電力が供給されている。また、第2電源32には、制御装置2が接続されており、第2電源32は制御装置2に電力を供給する。
【0081】
照明装置10、制御装置2、電源3、センサ4及び第2電力線通信ユニット41については既に説明しており、詳しい説明を省略する。
【0082】
本実施の形態において、第1電源31及びセンサ4(第2電力線通信ユニット41)は、配電盤300の金属製の筐体301内に設けられている。
【0083】
一般に無線通信の電波は、金属材、木材を通り抜けることができず、反射される。即ち、金属材、木材は無線通信を遮る遮蔽物になる。即ち、センサ4(第2電力線通信ユニット41)が配電盤300の筐体301内に設けられているので、配電盤300の筐体301が遮蔽物になり、センサ4(第2電力線通信ユニット41)から照明装置10(第1電力線通信ユニット13)が隔離されている。この場合、第2電力線通信ユニット41は、センサ4から測定結果を取得しても無線通信によって配電盤(筐体301)の外側に送信することが困難になる。
【0084】
これに対して、本実施の形態に係る照明システム100では、第2電力線通信ユニット41は、センサ4から使用電力量の測定結果を取得した場合、センサ4から取得した使用電力量のデータを電力線L1に重畳させて、電力線通信を用い、電力線L1を通じて、配電盤300の筐体301の外側まで、例えば、照明装置10aに送信する。
【0085】
照明装置10aでは、第1電力線通信ユニット13が電力線L1から電力線通信に係る信号、即ちセンサ4による測定結果のデータを取り出し、制御部16に送る。制御部16は、送られてきた測定結果のデータを、無線通信用の信号に変換して無線通信部15に送る。無線通信部15は、変換された測定結果のデータを、上述の如く、無線通信ネットワークに送信する。制御装置2は無線通信ネットワークを介してセンサ4の測定結果を取得できる。
【0086】
以上のように、実施の形態2に係る照明システム100においては、無線通信を遮る遮蔽物によって無線通信ができない場合であっても、電力線通信を用いて、斯かる遮蔽物越えの通信相手にデータを送信し、又は、斯かる遮蔽物越えの通信相手からデータを受信できる。
【0087】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0088】
(実施の形態3)
図8は、実施の形態3に係る照明システム100の構成例を示すブロック図である。実施の形態3の照明システム100は、複数の照明装置10、制御装置2及び電源3を含んでいる。図中の矢印はデータの移動方向を示している。
【0089】
本実施の形態では、複数の照明装置10が、照明装置10A、照明装置10a、照明装置10b、照明装置10c、照明装置10dを含み、照明装置10A及び照明装置10aと、照明装置10b~照明装置10dとが夫々異なる電源から電力供給を受けるように構成されている。
【0090】
複数の照明装置10のうち、照明装置10A及び照明装置10aは、第1電源31に接続されており、第1電源31によって電力が供給されている。即ち、照明装置10A及び照明装置10aは、第1電源31に係る電力線を介して接続されている。
また、照明装置10A及び照明装置10aの間には遮蔽壁400が介在している。即ち、遮蔽壁400は、照明装置10A及び照明装置10aの間を遮っており、遮蔽壁400によって照明装置10a~10dから照明装置10Aが隔離されている。遮蔽壁400は、例えば、金属材又は木材からなる。第1電源31は遮蔽壁400に対して照明装置10a寄りに配設されている。
【0091】
照明装置10b~10dは、第2電源32に接続されており、夫々第2電源32によって電力が供給されている。また、第2電源32には、制御装置2が接続されており、第2電源32は制御装置2に電力を供給する。
【0092】
本実施の形態に係る照明システム100においては、照明装置10Aが第2電力線通信ユニット41を備えており、照明装置10aが第1電力線通信ユニット13を備えている。照明装置10b~10dも照明装置10aと同様、第1電力線通信ユニット13を備えているが、図示を省略している。
【0093】
照明装置10、制御装置2、電源3、第2電力線通信ユニット41及び第1電力線通信ユニット13については既に説明しており、詳しい説明を省略する。
【0094】
図9は、照明システム100において、制御装置2による点灯制御を説明するフローチャートである。上述の如く、照明装置10A,10a~10dが第1モード及び第2モードの通信モードを有しており、以下では、説明の便宜上、照明装置10A、照明装置10aにおける通信モードが第1モードに切り替えられ、照明装置10b~10dにおける通信モードが第2モードに切り替えられているとする。
【0095】
まず、制御装置2の制御部22が、複数の照明装置10の夫々ID及び各IDに対応付けられた調光率を含む制御信号を生成し、無線通信部24が斯かる制御信号を、複数の照明装置10が接続された無線通信ネットワークにブロードキャスト通信によって送信する。
【0096】
例えば、照明装置10dが制御装置2から点灯制御に係る制御信号を無線通信にて受信する(ステップS71)。照明装置10dでは、通信モードが第2モードであるので、電力線通信ができず、無線通信部15は、無線通信ネットワークを介して制御装置2からの制御信号を無線通信にて受信する。
【0097】
制御部16は、受信した受信制御信号に含まれるIDと、自装置のIDとを比較照合し、受信制御信号に含まれるIDに自装置のIDが存在する場合、受信制御信号に含まれる調光率を記憶部18に記憶する。また、受信制御信号に含まれるIDに自装置のIDが存在しない場合、制御部16は、無線通信部15を用い、無線通信ネットワークを介して、照明装置10cに受信制御信号を送信する(ステップS72)。
【0098】
照明装置10cでは、通信モードが第2モードであるので、照明装置10dと同様、無線通信部15が無線通信ネットワークを介して制御信号を無線通信にて受信する(ステップS81)。制御部16は、受信制御信号に含まれるIDに、自装置のIDが存在する場合、受信制御信号に含まれる調光率を記憶部18に記憶し、自装置のIDが存在しない場合、無線通信部15を用い、無線通信ネットワークを介して、照明装置10bに受信制御信号を送信する(ステップS82)。
【0099】
照明装置10bでは、通信モードが第2モードであるので、照明装置10d,10cと同様、無線通信部15が無線通信ネットワークを介して制御信号を無線通信にて受信する(ステップS91)。制御部16は、受信制御信号に含まれるIDに、自装置のIDが存在する場合、受信制御信号に含まれる調光率を記憶部18に記憶し、自装置のIDが存在しない場合、無線通信部15を用い、無線通信ネットワークを介して、照明装置10aに受信制御信号を送信する(ステップS92)。
【0100】
照明装置10aでは、照明装置10d,10c,10bと同様、無線通信部15が無線通信ネットワークを介して制御信号を無線通信にて受信する(ステップS101)。制御部16は、受信制御信号に含まれるIDに、自装置のIDが存在する場合、受信制御信号に含まれる調光率を記憶部18に記憶する。
【0101】
一方、照明装置10aでは、通信モードが第1モードであるので、自装置のIDが存在しない場合、電力線通信を用いて遮蔽壁400越しの照明装置10Aに受信制御信号を送信する。即ち、照明装置10aの第1電力線通信ユニット13が制御装置2からの制御信号を電力線に重畳させて(ステップS102)、電力線通信を用いて照明装置10A(第2電力線通信ユニット41)に送信する。
【0102】
次いで、照明装置10Aでは、通信モードが第1モードであるので、電力線通信が可能である。即ち、制御部16が第2電力線通信ユニット41を介して電力線から電力線通信に係る信号、即ち制御装置2からの制御信号を取り出し(ステップS111)、受信制御信号に含まれる調光率を記憶部18に記憶する。
【0103】
以降、各照明装置10では、制御部16が制御装置2から受信して記憶部18に記憶された調光率に応じて自装置の光源部17を調光する。
【0104】
以上では、制御装置2からの制御信号が、制御装置2から照明装置10d、照明装置10c、照明装置10b、照明装置10aの順に無線通信にて送られ、照明装置10aから照明装置10Aに電力線通信にて送信される場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。照明装置10a~10d及び制御装置2が無線通信ネットワークを構成しているので、照明装置10b~10dを経由せず、制御装置2から照明装置10aに直接前記制御信号が無線送信されることも可能である。
【0105】
上述の如く、遮蔽壁400によって、照明装置10a~10dから照明装置10Aが隔離されている。よって、照明装置10a~10dと照明装置10Aとは、無線通信によるデータの送受信ができず、照明装置10aと照明装置10b~10dとは、電源が異なるので、電力線通信によるデータの送受信ができない。
【0106】
これに対して、実施の形態3に係る照明システム100においては、上述の如く、照明装置10が第1モード及び第2モードの通信モードの切り替えができるように構成されているので、電源が異なる照明装置10aと照明装置10b~10dとの間では無線通信によるデータの送受信を行い、電源が同じである照明装置10Aと照明装置10aとの間では電力線通信によるデータの送受信を行う。これによって、無線通信を遮る遮蔽壁400の有無、また、電源が同じであるか否かに関わることなく、データの送受信ができる。
照明システム100を設置する建築物によっては、防火区画毎の異なる電源間で無線通信ネットワークを構築するなどの制約がある。本実施の形態では、隣接する防火区画(照明装置10aの防火区画と照明装置10b~10dの防火区画)を隔てた無線通信ネットワークを構築できるなど照明システムの設計の自由度を高める効果を有している。
【0107】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0108】
(実施の形態4)
図10は、実施の形態4に係る照明システム100の構成例を示すブロック図である。実施の形態4の照明システム100は、複数の照明装置10、制御装置2及び電源3を含んでいる。
【0109】
本実施の形態では、複数の照明装置10が、照明装置10A、照明装置10B、照明装置10a、照明装置10b、照明装置10cを含み同じ電源3から電力供給を受けるように構成されている。また、電源3には、制御装置2が接続されており、電源3は制御装置2に電力を供給する。
【0110】
また、照明装置10A~10B及び照明装置10a~10cの間には遮蔽壁400が介在している。即ち、遮蔽壁400は、照明装置10A~10B及び照明装置10a~10cの間を遮っており、遮蔽壁400によって照明装置10A~10Bと照明装置10a~10cとが隔離されている。遮蔽壁400は、例えば、金属材又は木材からなる。
【0111】
更に、照明装置10A~10B及び照明装置10a~10cの間には、第2電力線通信ユニット41及び第1電力線通信ユニット13が介在している。即ち、第2電力線通信ユニット41及び第1電力線通信ユニット13は、照明装置10から分離して配設されており、照明装置10A~10Bは第2電力線通信ユニット41に接続され、照明装置10a~10cは第1電力線通信ユニット13に接続されている。また、第2電力線通信ユニット41及び第1電力線通信ユニット13は遮蔽壁400を貫く電力線によって接続されている。遮蔽壁400に対して、第2電力線通信ユニット41は照明装置10A~10B側に配設されており、第1電力線通信ユニット13は照明装置10a~10c側に配設されている。
【0112】
なお、以下では、説明の便宜上、第2電力線通信ユニット41及び第1電力線通信ユニット13の通信モードが第1モードに切り替えられ、照明装置10A~10B、及び、照明装置10a~10cにおける通信モードが第2モードに切り替えられているとする。
【0113】
照明装置10、制御装置2、電源3、第2電力線通信ユニット41及び第1電力線通信ユニット13については既に説明しており、詳しい説明を省略する。
【0114】
上述の如く、遮蔽壁400によって照明装置10A~10Bと照明装置10a~10cとが隔離されているので、無線通信によるデータの送受信ができない。
【0115】
これに対して、実施の形態4に係る照明システム100においては、照明装置10が第1モード及び第2モードの通信モードの切り替えができるように構成されているので、照明装置10A及び照明装置10Bの間と、照明装置10a~10cの間とでは無線通信によるデータの送受信を行い、照明装置10Aと照明装置10aとの間では、第2電力線通信ユニット41及び第1電力線通信ユニット13を介して電力線通信によるデータの送受信を行う。これによって、無線通信を遮る遮蔽壁400の有無に関わることなく、データの送受信ができる。
【0116】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0117】
(実施の形態5)
図11は、実施の形態5に係る照明システム100の構成例を示すブロック図である。図11において、破線の矢印は、データの送受信を示す。
【0118】
実施の形態5に係る照明システム100は、エリアZ1に構成されている照明システム100Aと、エリアZ2に構成されている照明システム100Bと、エリアZ3に構成されている照明システム100Cと、制御装置2とを含む。照明システム100A~照明システム100Cは夫々異なる電源を備えている。例えば、防火区画が複数に分かれている建築物において、第1の防火区画がエリアZ1、第2の防火区画がエリアZ2、第3の防火区画がエリアZ3である。
【0119】
エリアZ1の照明システム100Aは、複数の照明装置10Aa~10Ac(以下、まとめて照明装置10Aとも称する)、センサ4A、電気機器200A及び電源3Aを含んでおり、複数の照明装置10Aa~10Acは電源3Aに接続されており、電気機器200Aはセンサ4Aを介して電源3Aに接続されている。また、センサ4Aは電力線通信ユニット41Aを備えており、図示しないが、複数の照明装置10Aa~10Acも電力線通信ユニットを夫々有している。
【0120】
エリアZ2の照明システム100Bは、複数の照明装置10Ba~10Bc(以下、まとめて照明装置10Bとも称する)、センサ4B、電気機器200B及び電源3Bを含んでおり、複数の照明装置10Ba~10Bcは電源3Bに接続されており、電気機器200Bはセンサ4Bを介して電源3Bに接続されている。また、センサ4Bは電力線通信ユニット41Bを備えており、図視しないが、複数の照明装置10Ba~10Bcも電力線通信ユニットを夫々有している。
【0121】
エリアZ3の照明システム100Cは、複数の照明装置10Ca~10Cc(以下、まとめて照明装置10Cとも称する)、センサ4C、電気機器200C及び電源3Cを含んでおり、複数の照明装置10Ca~10Ccは電源3Cに接続されており、電気機器200Cはセンサ4Cを介して電源3Cに接続されている。また、センサ4Cは電力線通信ユニット41Cを備えており、図視しないが、複数の照明装置10Ca~10Ccも電力線通信ユニットを夫々有している。
【0122】
本実施の形態の照明システム100では、お互いにエリアが異なる、照明システム100Aの照明装置10A、照明システム100Bの照明装置10B、及び、照明システム100Cの照明装置10Cが制御装置2と無線通信ネットワークを構成している。
【0123】
照明装置10A~10C、制御装置2、電源3A~3C、センサ4A~4C及び電力線通信ユニット41A~41Cの構成は、既に説明した、照明装置10、制御装置2、電源3、センサ4及び第2電力線通信ユニット41と同じであり、詳しい説明を省略する。
【0124】
以下、本実施の形態における、データの送受信について説明する。説明の便宜上、エリアZ1の照明システム100Aにおけるセンサ4Aによる測定結果を制御装置2まで送信する場合を例に挙げて説明する。
【0125】
なお、以下の説明では、上述の如く、照明装置10A~10Cが第1モード及び第2モードの通信モードを有し、照明装置10Aa,10Ba、10Caにおける通信モードが第1モードに切り替えられており、照明装置10Ab~10Ac,10Bb~10Bc、10Cb~10Ccにおける通信モードが第2モードに切り替えられた状態であるとする。
【0126】
まず、センサ4Aは電気機器200Aの使用電力量を測定し、測定された使用電力量のデータを電力線通信ユニット41Aに送信する。電力線通信ユニット41Aは、センサ4Aから使用電力量の測定結果を取得する。
【0127】
電力線通信ユニット41Aは、センサ4Aから取得した使用電力量のデータを電力線に重畳させて、電力線通信を用い、照明装置10Aaに送信する。
【0128】
照明装置10Aaでは、通信モードが第1モードであり、電力線通信が可能であるので、照明装置10Aaの電力線通信ユニットが電力線から電力線通信に係る信号、即ちセンサ4Aによる測定結果のデータを取り出して制御部16に送る。制御部16は、測定結果のデータを、無線通信用の信号に変換し、無線通信部15を介して、無線通信ネットワークに送信する。以降、照明装置10Ab,10Acは、無線通信ネットワークを介してセンサ4Aの測定結果のデータを受信する。
【0129】
次いで、エリアZ1の照明システム100Aの照明装置10Aa~10Acは、無線通信ネットワークを介して、例えば、エリアZ2の照明システム100Bの照明装置10Bb,10Bcにセンサ4Aの測定結果のデータを送信する(図11の破線の矢印参照)。以降、照明装置10Bb,10Bcは、無線通信ネットワークを介してセンサ4Aの測定結果のデータを受信する。
【0130】
続いて、エリアZ2の照明システム100Bの照明装置10Bb,10Bcは、無線通信ネットワークを介して、例えば、エリアZ3の照明システム100Cの照明装置10Ccにセンサ4Aの測定結果のデータを送信する(図11の破線の矢印参照)。
【0131】
エリアZ3の照明システム100Cの照明装置10Ccは、無線通信ネットワークを介してセンサ4Aの測定結果のデータを受信する。また、照明装置10Ccは、無線通信ネットワークを介して、制御装置2にセンサ4Aの測定結果のデータを送信する。
【0132】
以上のように、実施の形態5に係る照明システム100においては、照明装置10A~10Cが第1モード及び第2モードの通信モードの切り替えができるように構成されているので、電力線通信及び無線通信を適宜選択的に使用することによって、エリア及び電源が夫々異なって電力線通信ができない、照明システム100A~100Cの間においても、データの送受信が可能である。
【0133】
以上では、センサ4Aの測定結果のデータを、エリアZ1の照明システム100Aの照明装置10Aa~10Acが、エリアZ2の照明システム100Bの照明装置10Bb,10Bcに送信し、そして、照明装置10Bb,10Bcが、エリアZ3の照明システム100Cの照明装置10Ccに送信する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0134】
即ち、エリアZ1のセンサ4Aの測定結果のデータを、無線通信ネットワークを介して、エリアZ1の照明システム100Aの照明装置10Aa~10Acの何れかが、エリアZ2の照明システム100Bの照明装置10Ba~10Bcの何れかに送信し、再び、前記照明装置10Ba~10Bcの何れかが、エリアZ3の照明システム100Cの照明装置10Ca~10Ccの何れに送信することもできる。
【0135】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0136】
(実施の形態6)
図12は、実施の形態6に係る照明システム100の構成例を示すブロック図である。
実施の形態6の照明システム100は、実施の形態1と同様、複数の照明装置10、制御装置2、電源3、センサ4及び電気機器200を含んでいる。図中の矢印はデータの移動方向を示している。
【0137】
複数の照明装置10が、照明装置10a、照明装置10b、照明装置10c、照明装置10dを含み、照明装置10aと、照明装置10b~照明装置10dとが夫々異なる電源から電力供給を受けている。
【0138】
複数の照明装置10のうち、照明装置10aは、第1電源31に接続されており、第1電源31によって電力が供給されている。また、第1電源31には、センサ4を介して電気機器200が接続されており、第1電源31は電気機器200に電力を供給する。センサ4には第2電力線通信ユニット41が設けられている。
【0139】
照明装置10b~10dは、第2電源32に接続されており、夫々第2電源32によって電力が供給されている。また、第2電源32には、制御装置2が接続されており、第2電源32は制御装置2に電力を供給する。
【0140】
照明装置10、制御装置2、電源3、センサ4及び第2電力線通信ユニット41については既に説明しており、詳しい説明を省略する。
【0141】
更に、実施の形態6に係る照明システム100は、携帯端末50(情報処理装置)及びサーバ60を含む。携帯端末50及びサーバ60は商用ネットワークを介して制御装置2と無線通信を行う。また、携帯端末50及びサーバ60の間も商用ネットワークを介して無線通信を行う。即ち、制御装置2は、商用ネットワークを介して携帯端末50と無線通信を行うことも可能であり、サーバ60を介して携帯端末50と無線通信を行うことも可能である。
【0142】
制御装置2は、上述の如く、複数の照明装置10の通信制御及び点灯制御を行う。詳しくは、制御装置2は、携帯端末50から、又はサーバ60を介して受信した指示信号に基づいて、複数の照明装置10に制御信号を伝達することによって、通信制御及び点灯制御を行う。
【0143】
図13は、実施の形態6における照明システム100の携帯端末50の構成例を示す機能ブロック図である。
【0144】
携帯端末50は、複数の照明装置10の通信制御及び点灯制御においてユーザから指示を受け付ける端末である。携帯端末50は、例えばタブレット、スマートフォン、ノートPC、ウェアラブル端末等である。携帯端末50は、表示部51、制御部52、記憶部53、指示受付部54、無線通信部55(取得部)、及び電源部56を備える。
【0145】
表示部51は、携帯端末50の操作等に必要な情報、画像、後述する設定画面及び選択画面等を表示する。表示部51は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。
【0146】
指示受付部54は、表示部51に装着されたタッチパネル部であり、ユーザのタッチ操作によって照明装置10の通信制御又は点灯制御に係る設定指示をユーザから受け付ける。例えば、指示受付部54は、照明装置10の配灯図511図16参照)の表示指示、照明装置10の選択指示、並びに、第1モード及び第2モードの選択指示等を受け付ける。
【0147】
制御部52は、例えばCPUからなり、携帯端末50の各部を制御する。制御部52は、表示部51(指示受付部54)に対してユーザが行った操作に基づいて照明装置10の通信制御又は点灯制御に係る指示信号を生成し、後述する電力使用情報を生成する。
【0148】
記憶部53は、例えば半導体メモリ、ハードディスクドライブ等からなり、制御部52の制御に必要なプログラム等を記憶している。なお、記憶部53が配灯図511の画像データ等を記憶しても良い。この場合、配灯図の画像データは、例えば無線通信部55、又は図示しない有線通信部からダウンロードされて、記憶部53に記憶される。
【0149】
また、記憶部53は、ペアリング情報を記憶している。斯かるペアリング情報は、上述の如く、表示部51に表示される配灯図511に表記された各照明装置10を特定する特定情報と、室内に配設された全ての照明装置10のIDとを対応付けたものである。
【0150】
無線通信部55は、指示受付部54が受け付けたユーザからの指示に応じて、制御装置2へ複数の照明装置10の通信制御又は点灯制御に係る指示信号を送信する。無線通信部55の周波数帯、無線通信の規格は、上述した照明装置10の無線通信部15、又は制御装置2の無線通信部24と同様である。なお、無線通信部55は、例えば携帯端末50に内蔵された無線通信モジュールであってもよく、USB端子等に接続された外付けの無線通信モジュールであってもよい。
【0151】
電源部56は、表示部51、制御部52、指示受付部54及び無線通信部55等に動作に必要な電力を供給する。電源部56は、例えば充電可能なバッテリーである。
【0152】
図14は、実施の形態6における照明システム100のサーバ60の構成例を示す機能ブロック図である。
サーバ60は、制御部61、記憶部62、無線通信部63及び電源部(図示せず)を備えている。
【0153】
制御部61は、例えばCPUからなり、サーバ60の各部を制御する。制御部61は、無線通信部63を介して、制御装置2から、センサ4による測定結果、即ち電気機器200の使用電力量を取得する。即ち、制御装置2は、センサ4から照明装置10を介して電気機器200の使用電力量を受信して(図5参照)、無線通信部63に送信し、無線通信部63が受信する。
【0154】
本実施の形態においては、照明システム100が1つの電気機器200を含む場合を例に挙げているが、電気機器200が複数である場合、制御部61は複数の電気機器200の使用電力量を、無線通信部63を介して、取得する。
【0155】
記憶部62は、例えば半導体メモリ、ハードディスクドライブ等からなり、制御部61の制御処理に必要なプログラム等を記憶している。また、記憶部62は、無線通信部63を介して取得された電気機器200の使用電力量を記憶している。例えば、無線通信部63を介して複数の電気機器200の使用電力量が取得された場合は、記憶部62は、各電気機器200の特定情報(ID、ロット番号等)毎に対応する使用電力量を記憶する。
【0156】
更に、記憶部62は照明装置10の配灯図511の画像データを記憶している。また、記憶部62には、通信モード情報が記憶されている。通信モード情報は、各照明装置10の現在の通信モードを表すものであり、各照明装置10(ID)毎に、第1モード又は第2モードの通信モードが対応付けられている。
【0157】
無線通信部63は、制御装置2から、センサ4による測定結果、即ち電気機器200の使用電力量を受信する。また、無線通信部63は、携帯端末50からの要求に応じて、制御装置2から受信して記憶部62に記憶している電気機器200の使用電力量を、携帯端末50に送信する。また、無線通信部63は、携帯端末50からの要求に応じて、記憶部62に記憶されている、配灯図511を携帯端末50に送信する。無線通信部63の周波数帯、無線通信の規格は、上述した照明装置10の無線通信部15、又は制御装置2の無線通信部24と同様である。
【0158】
図15は、実施の形態6に係る照明システム100における照明装置10の通信制御を説明するフローチャートである。以下では、説明の便宜上、電気機器200、即ちセンサ4が複数である場合を例に説明する。
【0159】
まず、ユーザは携帯端末50(タッチパネル)を適宜操作することによって所定のアプリケーションを実行し、表示部51に配灯図511を表示するよう指示する。これによって、携帯端末50は指示受付部54を介して配灯図511の表示指示を受け付ける(ステップS121)。ここで、配灯図511とは、室内における照明装置10の配置を模式的に示したものである。
【0160】
ユーザから配灯図511の表示指示を受けて、制御部52は無線通信部55を介して配灯図511の画像データを要求する指示信号をサーバ60に送信する。サーバ60では、無線通信部63が斯かる指示信号を受信した場合、制御部61が記憶部62から配灯図511の画像データ及び前記通信モード情報を読み取って、無線通信部63を介して携帯端末50に送信する。携帯端末50の制御部52は、無線通信部55を介して、配灯図の画像データ及び通信モード情報を取得して表示部51に表示する(ステップS122)。
【0161】
図16は、照明装置10の通信モードの設定画面515の一例を示す例示図である。設定画面515には、配灯図511が表示されている。配灯図511では、各照明装置10を表すアイコン512が表示されており、各照明装置10を区別するために所定符号が付けられている。
【0162】
また、設定画面515には、各電気機器200の使用電力量を測定するセンサ4を表すアイコン513が表示されており、制御装置2を表すアイコンも共に表示されている。即ち、配灯図511から、各照明装置10、各センサ4及び制御装置2の配置が見て取れる。
【0163】
表示部51に配灯図511が表示されると、ユーザは、各照明装置10の通信モードの設定を開始し、制御部52は指示受付部54を介して斯かる設定を受け付ける(ステップS123)。
【0164】
ユーザによる各照明装置10の通信モードの設定について、以下、説明する。
まず、ユーザは、通信モードの設定の対象となる1つのアイコン512を指先でタッチして選択する。ここで、ユーザのタッチ操作によって選択されたアイコン512は所定色に変わるなど、選択されたことが視認できる。以下、本実施の形態では、照明装置A-1が選択されたものとする。
【0165】
これによって1つのアイコン512(照明装置10)が選択されると、選択画面514がポップアップ表示される(図16参照)。図16に示すように、選択画面514には、第1モードを指す「ハイブリッド通信」の項目と、第2モードを指す「無線通信」の項目とが表示されている。
【0166】
この際、制御部52は、サーバ60から受信した通信モード情報に基づいて、選択された照明装置10の現在の通信モードを表示する。例えば、図16の例では、「ハイブリッド通信」の項目が選択矢印によって指されており、選択された照明装置10(A-1)は、現在の通信モードがハイブリッド通信(第1モード)であることを表示している。
【0167】
ユーザは、選択画面514から、通信モードを選択できる。
選択画面514には、「ハイブリッド通信」の項目及び「無線通信」の項目に加えて、「戻る」及び「確定」のボタンと、「ハイブリッド通信」の項目又は「無線通信」の項目を選択するための「▲」及び「▼」の選択ボタンとが設けられている。例えば、ユーザは選択ボタンを適宜操作(タッチ)することによって、前記選択矢印を「ハイブリッド通信」の項目又は「無線通信」の項目に移動させて選択した後、「確定」のボタンをタッチすれば良い。
【0168】
このような一連の操作が、照明装置10毎に繰り返して行われ、全ての照明装置10に対する設定を完了させることによって、通信モードの設定が完了する。ユーザの通信モードの設定が完了すると、制御部52は指示受付部54を介して受け付けた通信モードの設定内容を記憶部53に記憶する。
【0169】
次いで、制御部52はユーザから受け付けた通信モードの設定内容及び前記ペアリング情報に基づいて、照明装置10の通信制御に用いられる設定リストを生成する(ステップS124)。設定リストは、各照明装置10(ID)と、設定された通信モードとを対応付けたものである。
【0170】
図17は、設定リストを概念的に説明する説明図である。
図17の如く、各照明装置10のID毎(1番目のカラム)に、通信モード(2番目のカラム)が対応付けられている。
【0171】
制御部52は生成した設定リストを含む指示信号を、無線通信部55を介して制御装置2に送信する(ステップS125)。
この際、制御装置2は無線通信部24を介して携帯端末50からの指示信号を受信する(ステップS131)。受信された指示信号に含まれた設定リストは記憶部23に記憶される(ステップS132)。
【0172】
以降、制御装置2は受信した設定リストに応じて複数の照明装置10に対する通信制御を行う。
【0173】
即ち、制御部22は、前記設定リストに基づいて各照明装置10に対する制御信号を生成し、無線通信部24を介して複数の照明装置10が接続された無線通信ネットワークに無線通信によって送信する(ステップS133)。斯かる制御信号には各照明装置10のID及び何れかの通信モードが含まれている。なお、無線通信ネットワーク上における照明装置10同士の通信については既に説明しており、詳しい説明を省略する。
【0174】
各照明装置10a~10dでは、無線通信ネットワークを介して、制御装置2から通信制御に係る制御信号が受信された場合(ステップS141)、制御部16が自装置の通信モードの切り替えを行う(ステップS142)。即ち、制御部16は、受信した制御信号に含まれている通信モードが第1モードである場合、第1電力線通信ユニット13をオンにして、自装置の通信モードを第1モードにする。また、制御部16は、受信した制御信号に含まれている通信モードが第2モードである場合、第1電力線通信ユニット13をオフにして、自装置の通信モードを第2モードにする。
【0175】
以上では、携帯端末50から制御装置2へ直接指示信号を送信する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、携帯端末50からサーバ60を介して制御装置2へ指示信号を送信する構成であっても良い。
【0176】
このように、実施の形態6の照明システム100では、電源が異なる照明装置10aと、照明装置10b~照明装置10dとを含む場合においても、携帯端末50を用いてユーザが各照明装置10a~照明装置10dの通信モードを切り替えることができる。
【0177】
また、実施の形態6の照明システム100では、携帯端末50が電気機器200の使用電力量を表示部51に表示できる。
上述の如く、センサ4によって測定された、電気機器200の使用電力量はサーバ60の記憶部62に記憶されている。例えば、電気機器200が複数である場合、記憶部62は、各電気機器200の特定情報(ID、ロット番号等)毎に対応する使用電力量を記憶している。
【0178】
例えば、ユーザが携帯端末50(タッチパネル)を適宜操作することによって所定のアプリケーションを実行し、表示部51に電気機器200の使用電力量を表示するよう指示するとする。この際、制御部52は、は指示受付部54を介して電気機器200の使用電力量の表示指示を受け付け、無線通信部55を介して電気機器200の使用電力量を要求する指示信号をサーバ60に送信する。サーバ60では、無線通信部63が斯かる指示信号を受信した場合、制御部61が記憶部62から電気機器200の使用電力量を読み取って、無線通信部63を介して携帯端末50に送信する。携帯端末50の制御部52は、無線通信部55を介して、電気機器200の使用電力量を取得して表示部51に表示する。
【0179】
例えば、電気機器200が複数である場合、表示部51は、各電気機器200の名称等の特定情報毎に対応する使用電力量を表示する。
【0180】
以上では、携帯端末50の制御部52にて、照明装置10の通信制御に用いられる設定リストを生成する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。ユーザが行った操作に基づいて携帯端末50から送られる情報(指示信号)に基づいて制御装置2が前記設定リストを生成するように構成してもよい。
【0181】
また、以上では、携帯端末50の記憶部53がペアリング情報を記憶している場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。斯かるペアリング情報は、制御装置2が記憶してもよい。この場合、制御装置2が、ペアリング情報に基づいて、携帯端末50からの指示信号に含まれる照明装置10の特定情報に対応する照明装置10のIDを検索し、対応となる照明装置10を特定すればよい。
【0182】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0183】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0184】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。
【符号の説明】
【0185】
2 制御装置
3,31,32,3A~3C 電源
4,4A~4C センサ(測定装置)
10,10a~10d,10A~10B,10Aa~10Ac,10Ba~10Bc,10Ca~10Cc 照明装置
13 第1電力線通信ユニット
15,24,55,63 無線通信部
16,22,52,61 制御部
19 スイッチ
20 操作部
41 第2電力線通信ユニット
41A~41C 電力線通信ユニット
50 携帯端末
51 表示部
54 指示受付部
60 サーバ
100,100A~100C 照明システム
200,200A~200C 電気機器
300 配電盤
301 筐体
400 遮蔽壁
511 配灯図
512,513 アイコン
514 選択画面
515 設定画面
L1,L2 電力線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17