(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130211
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】加熱調理機
(51)【国際特許分類】
F24C 11/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
F24C11/00 B
F24C11/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039824
(22)【出願日】2023-03-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日:令和5年1月31日 ウェブサイトのアドレス:https://news.sharpusa.com/2023-01-31-Sharp-Home-Appliances-to-Showcase-New-30-Slide-In-Ranges-and-30-Smart-Combi-Appliances-at-2023-Kitchen-Bath-Industry-Show 公開者:Sharp Home Electronics Company of America President: Jim Sanduski 展示会の開催日:令和5年1月31日~令和5年2月2日 展示会名、開催場所:2023 Kitchen&Bath Industry Show(KBIS) アメリカ合衆国 ネバダ州 ラスベガス 主催者:National Kitchen&Bath Association(NKBA)
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】飯田 美羽
(72)【発明者】
【氏名】上野 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】内山 昌也
(57)【要約】
【課題】複数の調理機が上下に配置された構成であっても、料理の出し入れが容易な加熱調理機を提供することを目的とする。
【解決手段】加熱調理機1は、第1調理機2、および、第2調理機4を備える。第1調理機2は、第1枠体20と、シャフト22と、スライドカバー部24と、可動収納部26とを有する。第1枠体20は、庫室200を有する。スライドカバー部24は、パネル状に形成される。スライドカバー部24は、シャフト22に対して垂直に接続され、庫室200をカバーする。可動収納部26は、庫室200に収納可能にシャフト22およびスライドカバー部24に包設される。可動収納部26は、シャフト22およびスライドカバー部24とともに引き出し可能である。第2調理機4は、第2枠体40と、回動カバー部42とを有する。回動カバー部42は、第2枠体40に回動可能に軸支される。第2調理機4は、第1調理機2の上段に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1調理機、および、第2調理機を備える加熱調理機であって、
前記第1調理機は、
庫室を有する第1枠体と、
前記第1枠体に水平方向にスライド可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトに対して垂直に接続され、前記庫室をカバーするパネル状のスライドカバー部と、
前記庫室に収納可能に前記シャフトおよび前記スライドカバー部に包設され前記シャフトおよび前記スライドカバー部とともに引き出し可能な可動収納部と
を有し、
前記第2調理機は、
外部に露出可能に包設された固定収納部を有する第2枠体と、
前記第2枠体に回動可能に軸支された回動カバー部と
を有し、
前記第1調理機の上段に前記第2調理機が配置される、加熱調理機。
【請求項2】
前記第2調理機の上段に配置されたディスプレイをさらに備える、請求項1に記載の加熱調理機。
【請求項3】
前記第1枠体は、前記第2調理機を支持する梁部材をさらに有する、請求項1または請求項2に記載の加熱調理機。
【請求項4】
前記第2調理機の上段に配置され前記ディスプレイを駆動制御する制御基板を収納する箱部材をさらに備える、請求項2に記載の加熱調理機。
【請求項5】
前記第1枠体は、
前記庫室の上部に前記スライドカバー部側に開口して設けられ複数種類の配線を収納する配線収納部と、
前記配線収納部を塞ぐことが可能であり前記配線収納部から取り外すことが可能なカバー部材と
をさらに有し、
前記複数種類の配線は、前記配線収納部の開口部分に配置された集合部でまとめられる、請求項1または請求項2に記載の加熱調理機。
【請求項6】
前記第1枠体は、前記庫室の上部に前記スライドカバー部側に開口して設けられ複数種類の配線を収納する配線収納部をさらに有し、
前記箱部材は、導通孔を有し、
前記配線収納部に収納された前記複数種類の配線のうちディスプレイ用配線は、前記導通孔に通され前記制御基板に接続される、請求項4に記載の加熱調理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、上下複数段の収納部に調理器具を収納した厨房家具を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、異なる種類の調理機を上下に配置したときの操作の便宜性について開示していない。
【0005】
複数の調理機が上下に配置された構成であっても、料理の出し入れが容易な加熱調理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る加熱調理機は、第1調理機、および、第2調理機を備える。前記第1調理機は、第1枠体と、シャフトと、スライドカバー部と、可動収納部とを有する。前記第1枠体は、庫室を有する。前記シャフトは、前記第1枠体に水平方向にスライド可能に支持される。パネル状のスライドカバー部は、前記シャフトに対して垂直に接続され、前記庫室をカバーする。可動収納部は、前記庫室に収納可能に前記シャフトおよび前記スライドカバー部に包設され前記シャフトおよび前記スライドカバー部とともに引き出し可能である。前記第2調理機は、第2枠体と、回動カバー部とを有する。前記第2枠体は、外部に露出可能に包設された固定収納部を有する。前記回動カバー部は、前記第2枠体に回動可能に軸支される。前記第1調理機の上段に前記第2調理機が配置される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の調理機が上下に配置された構成であっても、料理の出し入れが容易な加熱調理機を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る加熱調理機を示す外観斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る加熱調理機を示す外観斜視図である。
【
図5】本実施形態に係る加熱調理機を示す正面図である。
【
図6A】本実施形態に係る加熱調理機の構成を示す外観斜視図である。
【
図6B】本実施形態に係る加熱調理機の構成を示す外観斜視図である。
【
図6C】本実施形態に係る加熱調理機の構成を示す外観斜視図である。
【
図7】本実施形態に係る加熱調理機の後方斜視図である。
【
図8】本実施形態に係る加熱調理機が備えるディスプレイを示す図である。
【
図9】本実施形態に係る加熱調理機における配線を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る加熱調理機におけるカバー部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る加熱調理機1を説明するに先んじて、比較例に係る加熱調理機100を説明する。
図3Aおよび
図3Bは、比較例に係る加熱調理機100を示す図である。
【0010】
図3Aに示す比較例に係る加熱調理機100は、第1調理機102と、第2調理機106とを備える。第1調理機102は、鉛直方向に拡がるパネル状のスライドドア104を有する。
【0011】
図3Bに示す第2調理機106は、両矢印方向に回動する回動ドア108を有する。
【0012】
図3Aに示す比較例に係る加熱調理機100は、スライドドア104を有する第1調理機102が、第2調理機106の上段に備えられている。そのため、スライドドア104が障害となり、料理の出し入れが困難である場合があった。
【0013】
図3Bに示す比較例に示す加熱調理機100は、回動ドア108を有する第2調理機106が、第1調理機102の下段に備えられている。そのため、第2調理機106の奥に設けられた庫室への料理の出し入れが困難である場合があった。
【0014】
また、第2調理機106がオーブンである場合、重量のある料理を調理する機会が多いため、料理の出し入れのためにかがまなければならない場合があり、操作が不便な場合があった。
【0015】
さらに、第2調理機106がオーブンである場合、第2調理機106の奥に設けられた庫室の料理の状態を見ることが困難な場合があった。
【0016】
次に、
図1、
図2、および、
図4A~
図10を参照して、本実施形態に係る加熱調理機1を説明する。なお、図中、同一または相当部分については、同一の参照符号を付して、重複する説明を繰り返さない。
【0017】
図1および
図2は、本実施形態に係る加熱調理機1を示す外観斜視図である。
図4Aおよび
図4Bは、本実施形態に係る加熱調理機1である。
図5は、本実施形態に係る加熱調理機1を示す正面図である。
図6A~
図6Cは、本実施形態に係る加熱調理機1の構成を示す外観斜視図である。
図7は、本実施形態に係る加熱調理機1の後方斜視図である。
図8は、本実施形態に係る加熱調理機1が備えるディスプレイ6を示す図である。
図9は、本実施形態に係る加熱調理機1における配線Lを示す図である。
図10は、本実施形態に係る加熱調理機1におけるカバー部材206を示す図である。
【0018】
本実施形態に係る加熱調理機1は、第1調理機2と、第2調理機4と、ディスプレイ6と、箱部材8とを有する。
【0019】
第1調理機2は、第1枠体20と、シャフト22と、スライドカバー部24と、可動収納部26とを有する。
【0020】
第1枠体20は、庫室200と、梁部材202と、配線収納部204と、カバー部材206とを有する。
【0021】
配線収納部204は、配線Lと、集合部2040を有する。
【0022】
第2調理機4は、第2枠体40と、回動カバー部42と、開口部44とを有する。
【0023】
第2枠体40は、固定収納部400を有する。
【0024】
箱部材8は、制御基板80と、導通孔82を有する。
【0025】
図1および
図2に示すように、加熱調理機1は、第1調理機2、および、第2調理機4を備える。
【0026】
図2および
図4Bに示すように、第1調理機2は、第1枠体20と、シャフト22と、スライドカバー部24と、可動収納部26とを有する。
【0027】
図2に示すように、第1枠体20は、庫室200を有する。
【0028】
図4Bに示すように、シャフト22は、第1枠体20に水平方向にスライド可能に支持される。
【0029】
スライドカバー部24は、パネル状に形成される。
【0030】
スライドカバー部24は、シャフト22に対して垂直に接続され、庫室200をカバーする。
【0031】
可動収納部26は、庫室200に収納可能にシャフト22およびスライドカバー部24に包設される。
【0032】
可動収納部26は、シャフト22およびスライドカバー部24とともに引き出し可能である。
【0033】
次に、第2調理機4は、第2枠体40と、回動カバー部42と、開口部44とを有する。
【0034】
図1に示すように、第2枠体40は、固定収納部400を有する。
【0035】
固定収納部400は、第2枠体40に包設され、外部に露出可能である。
【0036】
図4Aに示すように、回動カバー部42は、第2枠体40に回動可能に軸支される。
【0037】
図4Aおよび
図4Bに示すように、第2調理機4は、第1調理機2の上段に配置される。
【0038】
本実施形態によれば、第1調理機2と第2調理機4とが上下に配置された加熱調理機1であっても、料理の出し入れが容易になる。
【0039】
すなわち、
図4Aに示すように、加熱調理機1の上段に配置された第2調理機4は、回動カバー部42が両矢印で示すように回動可能に開閉できる。そのため、回動カバー部42が障害になりにくく、料理の出し入れが容易になる。
【0040】
また、
図4Bに示すように、パネル状のスライドカバー部24を有する第1調理機2は、加熱調理機1の下段に配置されている。そのため、パネル状のスライドカバー部24が障害になりにくく、低い位置で可動収納部26への料理の出し入れが容易になる。
【0041】
次に、
図5に示すように、本実施形態に係る加熱調理機1は、ディスプレイ6をさらに備える。
【0042】
ディスプレイ6は、第2調理機4の上段に配置される。
【0043】
具体的には、
図8に示すように、ディスプレイ6を第2調理機4の上段に取り付けることができる。
【0044】
本実施形態によれば、第1調理機2および第2調理機4をディスプレイ6により容易に操作できる。また、第2調理機4の熱がディスプレイ6に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0045】
図6Bおよび
図6Cに示すように、第1枠体20は、第2調理機4を支持する梁部材202をさらに有する。
【0046】
図6Aに示すように、第2調理機4は、第1調理機2の上段に取り付け可能であってもよい。
【0047】
そのため、第1調理機2の第1枠体20が第2調理機4の重みに耐えられるよう、第1枠体20に第2調理機4を支持する梁部材202を設けている。
【0048】
本実施形態によれば、第2調理機4を第1調理機2の上段に配置した加熱調理機1の安定性を確保でき、さらに耐久性、安全性を高めることができる。
【0049】
次に、
図7に示すように、本実施形態に係る加熱調理機1は、さらに箱部材8を備える。
【0050】
箱部材8は、一例として、制御基板80を収納してもよい。
【0051】
制御基板80は、第2調理機4の上段に配置され、ディスプレイ6を駆動制御する。
【0052】
制御基板80は、制御装置を搭載する。制御装置は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む。プロセッサは、図示しない記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することによって、加熱調理機1およびディスプレイ6の動作を制御する。制御装置は、具体的には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで実現され得る。
【0053】
本実施形態によれば、制御基板80に加熱調理機1の熱が及ぶことを避けることができる。また、箱部材8により制御基板80をホコリから守ることができる。
【0054】
図9および
図10に示すように、第1枠体20は、配線収納部204と、カバー部材206とをさらに有する。
【0055】
配線収納部204は、庫室200の上部にスライドカバー部24側に開口して設けられ複数種類の配線Lを収納する。
【0056】
カバー部材206は、配線収納部204を覆うことが可能であり、白抜き矢印に示すように、配線収納部204から取り外し可能である。
【0057】
複数種類の配線Lは、配線収納部204の開口部分に配置された集合部2040でまとめられる。
【0058】
集合部2040は必須の構成ではない。複数種類の配線Lは、配線収納部204の開口部分でまとめられてもよい。
【0059】
本実施形態によれば、加熱調理機1のスペースを配線Lの収容に有効に活用することができる。また、複数種類の配線Lを配線収納部204の開口部分でまとめることにより、メンテナンスが容易になる。
【0060】
図7に示すように、箱部材8は、導通孔82を有する。
【0061】
図9に示す配線収納部204に収納された複数種類の配線Lのうちディスプレイ用配線L3は、
図8に示すように、第2調理機4の側部を介して、
図7に示す導通孔82に通され、制御基板80に接続される。
【0062】
本実施形態によれば、ディスプレイ用配線L3の配置設計、および、取り回しが容易になる。
【0063】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示していることがある。図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なってもよい。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、加熱調理機の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 加熱調理機
2 第1調理機
20 第1枠体
200 庫室
202 梁部材
204 配線収納部
2040 集合部
206 カバー部材
22 シャフト
24 スライドカバー部
26 可動収納部
4 第2調理機
40 第2枠体
400 固定収納部
42 回動カバー部
44 開口部
6 ディスプレイ
8 箱部材
80 箱部材
82 導通孔