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  • 特開-撮影補助装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130215
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】撮影補助装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20240920BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G03B17/56 E
H04N5/222 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039829
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507030863
【氏名又は名称】株式会社セシルリサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】西田 有理花
(72)【発明者】
【氏名】柳川 敏治
(72)【発明者】
【氏名】中村 昭史
(72)【発明者】
【氏名】神谷 享子
(72)【発明者】
【氏名】林 義雄
(72)【発明者】
【氏名】山下 桂司
【テーマコード(参考)】
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA02
2H105CC25
5C122DA36
5C122EA42
5C122FA01
5C122FB03
5C122GD01
5C122GE07
5C122GE11
5C122GG01
(57)【要約】
【課題】幼生などの水生動物を撮影するために適した撮影補助装置を提供する。
【解決手段】撮影補助装置は、カメラ固定台1とシャーレ2とシャーレ固定板3とを備えている。カメラ固定台1は、レンズ82を上向きにカメラ8をセッティングするものである。シャーレ2は、サンプル液を貯留する透明なものである。シャーレ2は、内側壁23と外側壁22とを備え、前記内側壁23内に主貯留部24を設け、内側壁23と外側壁22との間に予備貯留部25を設けたものである。シャーレ固定板3は、カメラ固定台1の上側に配備され、シャーレ2を位置決めする位置決め部31を設けられたものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを上向きにカメラをセッティングするカメラ固定台と、
サンプル液を貯留する透明なシャーレと、
前記カメラ固定台の上側に配備され、前記シャーレを位置決めする位置決め部が設けられたシャーレ固定板と、
を備えている撮影補助装置。
【請求項2】
前記シャーレは、内側壁と外側壁とを備え、前記内側壁内に主貯留部を設け、前記内側壁と前記外側壁との間に予備貯留部を設けた請求項1に記載の撮影補助装置。
【請求項3】
前記シャーレの底面は、前記カメラによって撮影される大きさとされている請求項1又は2に記載の撮影補助装置。
【請求項4】
前記位置決め部は、前記シャーレを貫通させる貫通穴であり、
前記シャーレ固定板の下側に配置されて前記シャーレを載せ、前記シャーレを載せる部分が少なくとも透明のシャーレ設置台を備えている請求項1又は2に記載の撮影補助装置。
【請求項5】
前記シャーレ固定板の上方に配置された光源を備えている請求項1又は2に記載の撮影補助装置。
【請求項6】
前記カメラ固定台を置く底板部と、当該底板部の外周縁を囲む周壁部と、を有するケースと、
前記ケースの上部を塞ぎ、前記ケース内を暗くする遮光板と、
を備えている請求項5に記載の撮影補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水生動物の幼生や動物プランクトン、植物プランクトンなどを撮影するときに使用する撮影補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カキ(牡蠣)やフジツボ類あるいはイガイ類などの微小な幼生は、船底や発電所の海水取水施設の配管内面などに付着し、船速低下や冷却効率低下などの被害を及ぼす場合がある。また、これら生物種を養殖するための種苗生産を目的とし、幼生が多量に存在する野外海域にコレクター(付着基盤)を垂下して天然採苗を行っている。このため、プランクトンネットを使って海水中のプランクトンサンプルを採取し、サンプル液中の微小な対象物を拡大撮影し、目的幼生を検出するシステムなどが提案されている。
【0003】
航行している船上や筏、浮桟橋などでサンプル液を撮影すると、サンプル液だけでなく撮影者も揺れることから、ピントの合ったブレの無い鮮明な画像を取得することが困難である。特許文献1には、航海中の船舶内でも海洋生物標本が動かないように固定して撮影することができるようにした海洋生物標本撮影装置が記載されている。
【0004】
この海洋生物標本撮影装置は、支持台と、載物台と、蓋と、照明灯と、カメラと、を備えている。支持台は、中央に円形の穴を開口したものである。載物台は、上部が開放された円筒状(図面では有底円筒状)とされ、下端の周りが支持台の穴の周りに支持され、内部に水と海洋生物標本が受容される。蓋は、上部が開放された円筒状(図面では有底円筒状)とされ、載物台の上部から載物台の内部に挿入され、外側面が載物台の内側面と接触・結合する。照明灯は、載物台の側面に向けて光を照射する。カメラは、載物台の上方に設けられる。カメラは、上下にスライド支持するスタンドに設けられる。
【0005】
海洋生物標本は、載物台の下部と蓋の下部との間に固定される。蓋の下面が載物台に受容された水を圧迫することで、航海中の船舶内でも水と海洋生物標本は、外部の揺れにかかわらず、固定状態が維持される。照明灯の光が載物台の側面に向けて照射され、カメラが海洋生物標本を撮影する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-39457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
引用文献1に記載された海洋生物標本撮影装置は、魚類のような海洋生物を載物台と蓋との間に固定するため、載物台と蓋との間に受容された水を圧迫している。そのため、載物台の内側面と蓋の外側面にネジが形成され、蓋が載物台にねじ込まれる。しかし、撮影対象物がカキ幼生などの微小な水生動物であると、水生動物を固定するために水を圧迫しなくてもよい。すなわち、幼生などの微小な水生動物を撮影するには、サンプル液を圧迫するような複雑で面倒な装置を使用しなくてもよい。
【0008】
そこで、本発明は、幼生などの水生動物を撮影するために適した撮影補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る撮影補助装置は、
レンズを上向きにカメラをセッティングするカメラ固定台と、
サンプル液を貯留する透明なシャーレと、
前記カメラ固定台の上側に配備され、前記シャーレを位置決めする位置決め部が設けられたシャーレ固定板と、
を備えている。
【0010】
この撮影補助装置は、カメラ固定台にセッティングされるカメラと、シャーレ固定板の貫通穴に嵌められる透明なシャーレとの位置関係を一定に維持することができる。したがって、この撮影補助装置は、揺れる船上などにおいて使用しても、カメラのレンズと、シャーレとが相対的に移動しないようにすることができる。カメラは、シャーレに入れられたサンプル液中の水生生物を鮮明に撮影することができる。
【0011】
前記本発明に係る撮影補助装置において、
前記シャーレは、内側壁と外側壁とを備え、前記内側壁内に主貯留部を設け、前記内側壁と前記外側壁との間に予備貯留部を設けたものであることが好ましい。
【0012】
この撮影補助装置は、シャーレが内側壁と外側壁とを備え、主貯留部と予備貯留部とを設けたことにより、サンプル液を主貯留部内に溜めてサンプル液を撮影する。サンプル液を主貯留部入れるときや、主貯留部に溜められたサンプル液が溢れたときでも、このサンプル液は予備貯留部内に溜められ、周囲を濡らさないようにすることができる。主貯留部が設けられることで、設けられないときよりも少量のサンプル液がシャーレに溜められる。したがって、撮影補助装置を使用する船などが揺れても、主貯留部に溜められた少量のサンプル液は波立たず、サンプル液中の水生生物が揺れないことも相まって、この撮影補助装置はサンプル液中の水生生物にピントを合わせて鮮明に撮影することができる。
【0013】
前記本発明に係る撮影補助装置において、
前記シャーレの底面は、前記カメラによって撮影される大きさとされているものであることが好ましい。
【0014】
この撮影補助装置は、シャーレの底面がカメラによって撮影される大きさとされることにより、シャーレの周囲が無駄に撮影されず、また、シャーレの一部のみ撮影され、サンプル液内の幼生が撮影されないといった不具合を生じさせない。
【0015】
前記本発明に係る撮影補助装置において、
前記位置決め部は、前記シャーレを貫通させる貫通穴であり、
前記本発明に係る撮影補助装置は、さらに、
前記シャーレ固定板の下側に配置されて前記シャーレを載せ、前記シャーレを載せる部分が少なくとも透明のシャーレ設置台を備えているものであることが好ましい。
【0016】
この撮影補助装置は、シャーレがシャーレ固定板の貫通穴を貫通すため、シャーレ設置台にシャーレを載せる。シャーレ設置台は、シャーレを載せる部分が少なくとも透明とされることで、シャーレに溜められたサンプル液を撮影することができる。
【0017】
前記本発明に係る撮影補助装置は、さらに、
前記シャーレ固定板の上方に配置された光源を備えているものであることが好ましい。
【0018】
この撮影補助装置は、光源を備えていることにより、適切な光量でサンプル液を撮影することができる。
【0019】
前記本発明に係る撮影補助装置は、さらに、
前記カメラ固定台を置く底板部と、当該底板部の外周縁を囲む周壁部と、を有するケースと、
前記ケースの上部を塞ぎ、前記ケース内を暗くする遮光板と、
を備えているものであることが好ましい。
【0020】
この撮影補助装置は、ケースと遮光板によって暗くされた閉鎖空間内にカメラやシャーレなどが入れられる。したがって、シャーレ内のサンプル液は、外光の強さに影響されず、一定の光量の光源からの光で照明される。この撮影補助装置は、複数のサンプル液を同じ光の条件の下で撮影することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、幼生などの水生動物を撮影するために適した撮影補助装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る撮影補助装置の一実施形態を示す断面正面図である。
図2】本発明に係る撮影補助装置の要部の一実施形態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る撮影補助装置の一実施形態について図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る撮影補助装置の一実施形態を示す断面正面図である。図2は、本発明に係る撮影補助装置の要部の一実施形態を示す分解斜視図である。
【0024】
本発明に係る撮影補助装置は、カキ幼生や付着期幼生などの水生動物のサンプル液を撮影する。サンプル液は、プランクトンネットによって海水から採取される。撮影補助装置は、カメラ固定台1と、シャーレ2と、シャーレ固定板3と、を備えている。本発明に係る撮影補助装置は、さらに、シャーレ設置台4と、光源5と、ケース6と、遮光板7と、を備えている。
【0025】
カメラ固定台1は、カメラ8をセッティングするものである。カメラ8は、デジタルスチルカメラであり、スマートフォンなどによって遠隔操作するBluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信が可能な機能を備えている。カメラ8は、電子回路などを内蔵したボディと、ボディ81の表面側に設けられたレンズ82、とを備えている。カメラ8は、レンズ82を上向きにカメラ固定台1にセッティングされる。カメラ8は、背面が下向きとされ、ボディの背面側がカメラ固定台1に埋め込まれるようにセッティングされる。
【0026】
カメラ固定台1は、着色された又は透明なプラスチック製のベース部材であり、長方形状の底面部と上面部(ともに採番せず)とを有している。カメラ固定台1の底面部は、ケース6内に置かれる。カメラ固定台1の上面部の中央部には、カメラのボディをセッティングするために嵌め込む凹嵌部11が設けられている。カメラ固定台1の上面部の両端部には、幅方向に溝部12が設けられている。溝部12は、上面部の全幅ではなく、上面部の幅よりも短めに形成されている。
【0027】
シャーレ2は、サンプル液を貯留する透明の容器である。このシャーレ2は、円盤状の底部21と、円環状の外側壁22と、円環状の内側壁23と、を備えている。外側壁22は、底部21の外周縁を囲むように設けられる。内側壁23は、外側壁22と同心に設けられる。内側壁23内は、サンプル液を貯留する主貯留部24とされる。内側壁23と外側壁22との間は、主貯留部24から溢れたサンプル液を溜める予備貯留部25とされる。主貯留部24は、カメラ8のレンズ82と向き合う。主貯留部24は、カメラ8によって撮影できる大きさとされる。すなわち、シャーレ2の内側壁23の径がカメラ8の視野内に収まっている。
【0028】
レンズ82の光軸がシャーレ2の主貯留部24の中心と一致するように、シャーレ固定板3が使用される。シャーレ固定板3は、着色された又は透明のプラスチック板で、カメラ固定台1の上側に配備される。シャーレ固定板3の中心部には、シャーレ2を位置決めする位置決め部31が設けられている。位置決め部31は、シャーレ2を貫通させる円形の貫通穴である。貫通穴の位置決め部31は、シャーレ2の外径、換言すれば、外側壁22の直径よりも若干、大きくされている。こうすることで、シャーレ2は、主貯留部24の中心がレンズ82の光軸と一致し、貫通穴の位置決め部31に入れたり出したりしやすくなる。
【0029】
シャーレ2は、シャーレ設置台4上に載せられる。シャーレ設置台4は、シャーレ固定板3とカメラ固定台1との間に配備される。シャーレ設置台4は、着色されたプラスチック製の架台41と、透明板42と、を備えている。架台41は、嵩上げ部材のような下向きに出っ張った一対の突出部411と、この一対の突出部411の上端に架け渡された厚板状の天板部412と、を備えている。突出部411の下端部は、カメラ固定台1の溝部12に嵌め込まれる。したがって、突出部411の幅(天板部の幅方向の長さ)は、天板部412の幅よりも若干短くされている。一対の突出部411の間隔は、カメラ固定台1の一対の溝部12の間隔と同じとされている。
【0030】
天板部412の長さと幅は、カメラ固定台1と同じとされている。天板部412の中心部には、シャーレ固定板3に設けられた位置決め部31よりも大きな円形の貫通穴413が設けられている。この貫通穴413の上面には、座ぐりが設けられている。この座ぐりに円形の透明板42が嵌め込まれる。この透明板42の上には、シャーレ2が載せられる。シャーレ設置台4の透明板42に載せられるシャーレ2とカメラ8との距離は、シャーレ2の主貯留部24内のサンプル液が撮影されるように設定される。
【0031】
光源5は、ライト51と、ライト51を載せる透明なプラスチック製のライト台52と、を備えている。ライト台52は、ケース6の底板部61に設置される幅広の脚部のような一対のサイドプレート521と、この一対のサイドプレート521の上端に架け渡されたトッププレート522と、を備えている。一対のサイドプレート521は、カメラ固定台1、シャーレ固定板3及びシャーレ設置台4の両端縁を、間隔を空けて挟むようにケース6の底板部61に設置される。したがって、トッププレート522は、シャーレ固定板3などよりも僅かに長くされている。ライト51は、トッププレート522よりも一回り小さな長方形状とされ、トッププレート522上に載せられる。ライト51の電源は、電池であるが、電源コードに繋がれる交流電源であってもよい。
【0032】
ケース6は、ライト台52よりも一回り大きな升形状で、底板部61と周壁部62とを備えている。底板部61は、ライト台52のトッププレート522よりも大きく、ライト台52の一対のサイドプレート521を立てられるサイズとされている。周壁部62は、底板部61の外周縁を囲むように立設される。周壁部62は、ライト51を内蔵するようにライト台52の脚部よりも高くされている。
【0033】
遮光板7は、ライト51の上に置かれ、外光がケース6内入らないようにする遮光性を有する平板である。遮光板7は、ケース6の底板部61よりも若干小さなサイズとされている。
【0034】
ここで、撮影補助装置の使用方法について説明する。撮影補助装置は、幼生のような水生動物を含むサンプル液を撮影するため、船内に持ち込まれる。ケース6内にカメラ固定台1やシャーレ2、シャーレ固定台などが入れられていると、撮影補助装置は船内に持ち込みやすい。船内では、ケース6の底板部61上にカメラ固定台1をセッティングする。ケース6内にカメラ固定台1などが入れられていても、カメラ8をセッティングするため、カメラ固定台1以外のシャーレ固定台などは、ケース6内から取り出される。
【0035】
カメラ8は、電源をONにして、近距離無線通信などによってスマートフォンと通信できるように設定する。カメラ8のボディは、カメラ固定台1の凹部に嵌め込まれる。こうすることで、カメラ8が位置決めされる。カメラ8のレンズ82は上向きとなる。そして、カメラ固定台1は、ケース6の底板部61上に置かれる。
【0036】
次に、シャーレ設置台4をセットする。すなわち、シャーレ設置台4の突出部411の下端部をカメラ固定台1の溝に嵌め込む。次に、シャーレ設置台4上にシャーレ固定板3上に載せる。
【0037】
一方、スポイトなどを使用して、シャーレ2の主貯留部24内にサンプル液を貯留する。サンプル液は、プランクトンネットによって海水から採取される。サンプル液内の水生動物が偏在することなく均等に分布するように、シャーレ2を少しだけ揺(ゆ)する。この時、サンプル液が主貯留部24内から零れたとしても、そのサンプル液は、予備貯留部25内に溜められ、周囲を濡らさない。
【0038】
なお、内側壁23及び主貯留部24が設けられず、外側壁22内を貯留部とすれば、貯留部内に溜められるサンプル液の量は主貯留部24に溜められるサンプル液よりも多くなる。したがって、外側壁22内の貯留部に溜められたサンプル液が揺れてしまい、鮮明に撮影できなくなることもあり得る。しかし、サンプル液が主貯留部24に溜められることで、サンプル液が波立たたず、水生生物が揺れないことから、ピントが合った鮮明な画像を取得することができる。
【0039】
このサンプル液を貯留したシャーレ2は、シャーレ板の位置決め部31を貫通し、シャーレ設置台4の透明板42上に載せる。シャーレ2は、シャーレ固定板3の貫通穴の位置決め部31に規制される。したがって、シャーレ2の主貯留部24は、カメラ8のレンズ82の光軸上に位置する。
【0040】
次に、光源5をセットする。光源5のライト台52の一対のサイドプレート521がケース6の底板部61上に置かれ、トッププレート522が間隔を空けてシャーレ2とシャーレ固定板3とを覆う。このトッププレート522上にライト51が置かれる。ライト51は、スイッチがONされることで、シャーレ2の主貯留部24に貯留されたサンプル液やシャーレ固定板3などを照らす。
【0041】
ライト51の上に遮光板7が載せられる。したがって、屋外で使用する場合において、太陽光が強すぎたり弱すぎたりしても、サンプル液はライト51によって常に一定の明るさで照明される。
【0042】
スマートフォンを操作することで、カメラ8のシャッタを切る。撮影された画像は、スマートフォンの画面に映しだされる。この撮影補助装置が航行している船上において揺れているとしても、カメラ8やシャーレ2などのすべての部品が定位置に固定され、相対的に移動しない状態となっているため、カメラ8は鮮明な画像を容易に取得することができる。しかも、サンプル液は、主貯留部24内で少量だけ溜められているため、船が揺れている状況下で使用されても波立たず、サンプル液中の水生生物が揺れないことも相まって、サンプル液中の水生生物の鮮明な画像、つまりピントが合った画像を取得することができる。
【0043】
画像データは、スマートフォンのメモリやファイルサーバなどに保存される。なお、船が大きく揺れるなどして、主貯留部24内のサンプル液が溢れても、このサンプル液は予備貯留部25に溜められ、カメラ8などを濡らせることがない。
【0044】
同じ場所又は違う場所でサンプル液を撮影するときは、撮影補助装置をセッティングしなおす。すなわち、ケース6内から遮光板7や光源5、シャーレ2などを取り出し、シャーレ2に新たなサンプル液を貯留し、前記のような作業を経て、サンプル液を撮影する。
【0045】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前記一実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
【0046】
例えば、前記一実施形態において、カメラ固定台1は、カメラ8のボディを嵌め込む凹部やシャーレ設置台4の突出部411を嵌め込む溝部12が設けられているとした。しかし、カメラ固定台1は、カメラ8のボディの角やシャーレ設置台4の突出部411の角を係止する突起を設けてもよい。特に、種々のサイズのカメラ8を位置決めすることができるように、突起は抜き差しできるように、カメラ固定台1の上面部には複数の小孔を設けてもよい。
【0047】
また、前記一実施形態では、シャーレ設置台4の天板部412に貫通穴を設け、この貫通穴に透明板42を嵌め込んだ。しかし、シャーレ設置台4は、全体を透明な部材で成形してもよい。
【0048】
また、前記一実施形態では、シャーレ固定板3とシャーレ設置台4とを別体とした。しかし、シャーレ固定板3とシャーレ設置台4とは、一体化されてもよい。換言すれば、シャーレ固定板3は、シャーレ設置台4を含んでもよい。また、シャーレ2の底側が開口側よりも縮径した逆截頭円錐形状であると、シャーレ2がシャーレ固定板3の貫通穴の位置決め部31に嵌め込まれ、着脱可能とされることで、シャーレ2がシャーレ設置台4に載せられないようにして、シャーレ設置台4を備えないようにすることができる。
【0049】
また、前記一実施形態では、シャーレ2は、内側壁23と外側壁22とを備え、主貯留部24と予備貯留部25とを設けるとした。しかし、側壁は1周とし、主貯留部24のみ備えてもよい。また、シャーレ2は、底部21が一般的な円盤状としたが、四角形などとしてもよい。
【0050】
また、前記一実施形態では、光源5を備えるとした。しかし、例えば、写真撮影を所定光量が得られる室内で撮影する場合は、光源5を備えなくてもよい。この場合は、ケース6や遮光板7は備えられない。
【0051】
また、前記一実施形態では、カメラ8はデジタルスチルカメラでスマートフォンと近距離無線通信で通信するとした。しかし、カメラ8は、映像を外部に出力するケーブル端子を備え、このケーブル端子とモニタとを接続するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1・・・・カメラ固定台
11・・・凹嵌部
12・・・溝部
2・・・・シャーレ
22・・・外側壁
23・・・内側壁
24・・・主貯留部
25・・・予備貯留部
3・・・・シャーレ固定板
31・・・位置決め部
4・・・・シャーレ設置台
42・・・透明板
5・・・・光源
51・・・ライト
6・・・・ケース
61・・・底板部
62・・・周壁部
7・・・・遮光板
8・・・・カメラ
82・・・レンズ
図1
図2