IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルプス電気株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報入力装置 図1
  • 特開-情報入力装置 図2
  • 特開-情報入力装置 図3
  • 特開-情報入力装置 図4
  • 特開-情報入力装置 図5
  • 特開-情報入力装置 図6
  • 特開-情報入力装置 図7
  • 特開-情報入力装置 図8
  • 特開-情報入力装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130217
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20240920BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240920BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039831
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】寺田 和則
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA13
5E555BA23
5E555BA32
5E555BB32
5E555BC16
5E555BC19
5E555CA08
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB14
5E555CC07
5E555CC19
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】操作時の入力情報の漏洩を防止することができる情報入力装置を提供すること。
【解決手段】車載装置1は、入力候補となる数字を1つずつ表示する表示処理部20、表示装置22、表示情報設定部32と、利用者による選択操作を受け付けるタッチパネル12、入力制御部14と、1つの数字が表示された状態でタッチパネル12を用いて利用者による選択操作がされたときにこの表示中の数字を選択する情報選択部33と、選択された数字の数が所定数に達するまで数字の表示を繰り返し、所定数に達したときに、それまでに選択された所定数の数字を入力情報としてのパスワードとして決定する入力情報決定部34とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力候補となる情報を1つずつ表示する表示手段と、
利用者による選択操作を受け付ける操作手段と、
前記表示手段によって前記情報が表示された状態で前記操作手段が利用者によって選択操作されたときに、表示中の前記情報を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記情報の数が所定数に達するまで前記表示手段による前記情報の表示を繰り返し、所定数に達したときに、それまで前記選択手段によって選択された所定数の情報を入力情報として決定する入力情報決定手段と、
を備えることを特徴とする情報入力装置。
【請求項2】
前記表示手段による表示は、表示画面の一部の領域を用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項3】
前記操作手段は、前記表示画面に重ねて配置されて指示体の接触位置を検出するタッチパネルを含んでおり、
前記選択手段は、前記タッチパネルに対する指示体の接触が検出されたときに、前記情報を選択することを特徴とする請求項2に記載の情報入力装置。
【請求項4】
前記表示手段による表示は、前記表示画面の周囲に沿った所定位置で行われることを特徴とする請求項2に記載の情報入力装置。
【請求項5】
前記表示画面の周囲に沿った所定位置は、長方形形状を有する前記表示画面の4つの角部のいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の情報入力装置。
【請求項6】
前記表示手段による前記情報の表示は、前記タッチパネルの特定箇所に対する接触が検出されたときに、前記表示手段による情報の表示を指示する情報表示指示手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の情報入力装置。
【請求項7】
前記選択操作以外の前記タッチパネルを用いた所定操作が行われたときに、前記表示手段による情報の表示内容を更新する表示更新手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の情報入力装置。
【請求項8】
前記所定操作は、前記タッチパネルを用いたスライド操作あるいはフリック操作であることを特徴とする請求項7に記載の情報入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗証番号やパスワードなどの情報を入力する情報入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、車外との通信を行う車載システムが普及しつつあり、外食チェーン店におけるドライブスルーなどで車載ディスプレイのタッチパネルでもクレジットカードの暗証番号やパスワードなどの重要な情報を入力する状況が考えられる。
【0003】
このような重要情報の入力を他人に知られないようにするためのものとして、従来から、パスワードの一部の入力が行われるたびに、パスワード入力のために表示する表示装置の文字列の配置を変更するようにした端末装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-67341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1に開示された端末装置を用いることで、パスワードを入力する手の動きからパスワードを知られないようにすることができるが、外部から表示文字列を含む操作内容全体が見られると、第三者にパスワードが知られてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、操作時の入力情報の漏洩を防止することができる情報入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の情報入力装置は、入力候補となる情報を1つずつ表示する表示手段と、利用者による選択操作を受け付ける操作手段と、表示手段によって情報が表示された状態で操作手段が利用者によって選択操作されたときに、表示中の情報を選択する選択手段と、選択手段によって選択された情報の数が所定数に達するまで表示手段による情報の表示を繰り返し、所定数に達したときに、それまで選択手段によって選択された所定数の情報を入力情報として決定する入力情報決定手段とを備えている。
【0008】
利用者は、1つずつ表示される情報(文字、数字、記号など)の中から入力対象の情報を選択することにより入力情報を特定しているため、外部からこの操作を見られても入力情報の全体を把握することは困難であり、操作時の入力情報の漏洩を防止することができる。また、入力候補となる情報を1つずつ表示しているため、利用者が自身の手などでこの情報が外部から見えないようにすることができ、入力情報の漏洩防止が容易となる。
【0009】
また、上述した表示手段による表示は、表示画面の一部の領域を用いて行われることが望ましい。表示画面の一部を用いて入力候補の情報を表示することにより、外部から表示画面を覗いた場合に、情報の表示位置を瞬時に特定することが難しくなるため、第三者によって入力情報全体を知られることを防止することができる。
【0010】
また、上述した操作手段は、表示画面に重ねて配置されて指示体の接触位置を検出するタッチパネルを含んでおり、選択手段は、タッチパネルに対する指示体の接触が検出されたときに、情報を選択することが望ましい。表示画面の一部に接触しただけで情報の選択を行うことができるため、外部から表示画面を覗いただけではどのタイミングで情報を選択したかを分かりづらくすることができる。
【0011】
また、上述した表示手段による表示は、表示画面の周囲に沿った所定位置で行われることが望ましい。画面の周辺部分であれば、表示される情報の遮蔽が容易であるとともに、情報入力時の操作がそれ以外の表示の妨げになることを回避することができる。
【0012】
また、上述した表示画面の周囲に沿った所定位置は、長方形形状を有する表示画面の4つの角部のいずれかであることが望ましい。これにより、表示される情報の遮蔽と、それ以外の表示の妨げ回避の効果を高めることができる。
【0013】
また、上述した表示手段による情報の表示は、タッチパネルの特定箇所に対する接触が検出されたときに、表示手段による情報の表示を指示する情報表示指示手段をさらに備えることが望ましい。画面上の特定箇所に触れた場合に入力対象の情報が表示されるため、この表示される情報の遮蔽の準備ができた後に情報を表示させることができ、第三者に対する入力情報の漏洩を確実に防止することが可能となる。
【0014】
また、上述した選択操作以外のタッチパネルを用いた所定操作が行われたときに、表示手段による情報の表示内容を更新する表示更新手段をさらに備えることが望ましい。例えば、上述した所定操作は、タッチパネルを用いたスライド操作あるいはフリック操作である。これにより、速やかに表示内容を更新し、入力情報全体の入力に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態の車載装置の全体構成を示す図である。
図2】利用者の操作にしたがってパスワードを入力する動作手順を示す流れ図である。
図3】パスワード入力画面の具体例を示す図である。
図4図2に示した動作手順にしたがって4桁のパスワードの入力を行う具体例を示す図である。
図5】パスワード入力画面の変形例を示す図である。
図6】変形例の車載装置の構成を示す図である。
図7】パスワードを入力する変形例の動作手順を示す流れ図である。
図8】他の変形例の車載装置の構成を示す図である。
図9】パスワードを入力する他の変形例の動作手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の情報入力装置を適用した一実施形態の車載装置について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、一実施形態の車載装置の全体構成を示す図である。本実施形態の車載装置1は、車両に搭載されたヘッドユニットであって、例えば、ナビゲーション装置やラジオ受信機、オーディオ再生装置などの機能を有している。但し、本実施形態では、起動時や特定のアプリケーション起動時にパスワードを入力する動作に着目して説明を行うため、ナビゲーション装置等の動作に必要な特有の構成については図示や説明を省略するものとする。
【0018】
図1に示すように、車載装置1は、操作部10、タッチパネル12、入力制御部14、表示処理部20、表示装置22、制御部30、メモリ40を備えている。
【0019】
操作部10は、利用者による各種操作を受け付けるためのものであり、各種のスイッチや操作つまみ等が備わっている。タッチパネル12は、表示装置22の画面に重ねて配置されており、利用者の指が接触した画面上の位置を検出する。入力制御部14は、操作部10およびタッチパネル12の操作状態を監視し、利用者による入力内容を検出する。
【0020】
表示処理部20は、パスワード入力画面や各種の操作画面、入力画面等を表示する映像信号を出力して表示装置22にこれらの画面を表示するとともに、ヘッドユニットとして動作するために必要な画面を表示する映像信号を出力して表示装置22にこれらの画面を表示する。表示装置22は、例えば液晶表示装置(LCD)を用いて構成されている。
【0021】
制御部30は、車載装置1の全体を制御するためのものであり、ROMやRAMなどに格納された所定のアプリケーション・プログラムをCPUで実行することにより実現される。本実施形態では、パスワードを入力する動作に着目するが、この動作や、ナビゲーション装置としての動作やその他の動作が制御部30によって実施される。メモリ40は、制御部30の動作に必要な、あるいは、この動作によって得られた各種の情報を格納する半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)である。なお、半導体メモリに限定されるものではなく、ハードディスク装置等の他の記憶装置を用いるようにしてもよい。
【0022】
また、上述した制御部30は、パスワードの入力動作を行うために、パスワード入力画面作成部31、表示情報設定部32、情報選択部33、入力情報決定部34を含んでいる。本実施形態では、4桁の数字からなるパスワードの入力を行う例について説明する。
【0023】
パスワード入力画面作成部31は、パスワード入力動作中に表示するパスワード入力画面を作成する。作成されたパスワード入力画面は、表示処理部20によって表示装置22に表示される。
【0024】
表示情報設定部32は、パスワードの入力候補となる情報(数字)を1つずつ設定する。例えば、10個の数字「0」~「9」のいずれか1つがランダムに選択される。ここで設定された情報(数字)は、表示装置22の表示画面(パスワード入力画面)の所定位置に表示される。表示例については後述する。
【0025】
情報選択部33は、表示情報設定部32によって情報(数字)が設定されて画面の一部にこの情報が表示された状態で、利用者の指等の指示体がタッチパネル12の一部に触れたときに、表示中の情報(数字)をパスワードの一部として選択(採用)する。
【0026】
入力情報決定部34は、情報選択部33によって選択された情報(数字)の数が所定数(4桁の数字からなるパスワードの場合には4個)に達するまで表示情報設定部32による選択と表示画面への表示とを繰り返し、所定数に達したときに、それまでに表示情報設定部32によって選択された所定数の情報(数字)を入力情報であるパスワードとして決定する。
【0027】
上述した表示処理部20、表示装置22、表示情報設定部32が表示手段に、タッチパネル12、入力制御部14が操作手段に、情報選択部33が選択手段に、入力情報決定部34が入力情報決定手段にそれぞれ対応する。
【0028】
本実施形態の車載装置1はこのような構成を有しており、次に、パスワードを入力する動作について説明する。
【0029】
図2は、利用者の操作にしたがってパスワードを入力する動作手順を示す流れ図である。
【0030】
パスワード入力が必要な動作が開始されると、パスワード入力画面作成部31は、パスワード入力画面を作成し、表示する(ステップ100)。
【0031】
図3は、パスワード入力画面の具体例を示す図である。このパスワード入力画面には、パスワード入力動作の進行状況を示す領域Aと、パスワードの入力候補となる1つの数字を表示する領域Bとが含まれる。
【0032】
次に、表示情報設定部32は、パスワード入力候補となる最初の数字を設定し(ステップ102)、パスワード入力画面の領域B(図3)に表示する(ステップ104)。
【0033】
次に、情報選択部33は、利用者が画面の一部に触れたか否かを判定する(ステップ106)。利用者が画面の一部に触れていない場合には否定判断が行われ、情報選択部33は、領域Aに数字の表示を開始してから所定時間経過したか否かを判定する(ステップ108)。経過していない場合には否定判断が行われ、ステップ106に戻って接触の有無判定が繰り返される。
【0034】
また、所定時間が経過した場合にはステップ108の判定において肯定判断が行われる。次に、表示情報設定部32は、パスワード入力候補となる次の数字を設定した後(ステップ110)、ステップ104に戻ってその数字をパスワード入力画面の領域Aに表示する。
【0035】
また、パスワード入力画面の一部に利用者が触れた場合にはステップ106の判定において肯定判断が行われる。次に、情報選択部33は、画面の一部を触れた際に領域Aに表示中の数字を、パスワードの一部として採用する(ステップ112)。
【0036】
次に、入力情報決定部34は、情報選択部33による情報の入力(採用)がパスワードを構成する全桁の数字について終了したか否かを判定する(ステップ114)。全桁の数字の入力が終了していない場合には否定判断が行われ、ステップ110に戻ってパスワード入力候補となる次の数字の設定以降の動作が行われる。
【0037】
また、パスワードを構成する全桁の数字の入力が終了するとステップ114の判定において肯定判断が行われる。次に、入力情報決定部34は、それまでに入力された全桁(4個)の数字をパスワードとして決定する(ステップ116)。
【0038】
図4は、図2に示した動作手順にしたがって4桁のパスワードの入力を行う具体例を示す図である。(a)から(k)に向かって、順番に表示内容(領域B(図3)内の数字)が更新されるパスワード入力画面の遷移状態が示されている。これらのパスワード入力画面の表示が順番に更新される中で、(b)、(e)、(h)、(k)のパスワード入力画面が表示されているときに、利用者が画面の一部に触れたとすると(図では星印(☆)で触れた位置が示されている)、これらの画面内の領域Bに表示されている4個の数字「5」、「4」、「6」、「4」が採用されて、パスワード「5464」が決定される。
【0039】
このように、本実施形態の車載装置1では、利用者は、1つずつ表示されるパスワード入力候補の中から該当する数字を順番に選択することにより所定桁数のパスワードを決定しているため、外部から第三者にこの操作を一時的に見られてもパスワードの全体を把握することは困難であり、操作時の入力情報(パスワード)の漏洩を防止することができる。また、入力候補となる数字を1つずつ表示しているため、利用者が自身の手などでこの数字が外部から見えないようにすることができ、パスワードの漏洩防止が容易となる。
【0040】
また、パスワード入力候補となる数字の表示は、パスワード入力画面の一部の領域B(図2)を用いて行われている。表示画面の一部を用いて入力候補の数字の表示を行うことにより、外部から第三者が画面を覗いた場合であっても、入力候補の数字の表示位置を瞬時に特定することが難しくなるため、第三者によってパスワード全体を知られることを有効に防止することができる。
【0041】
また、パスワード入力画面に対する利用者の指等の接触をタッチパネル12によって検出したときに、その時点で画面内の領域Bに表示されている数字をパスワードとして選択(採用)しており、外部から画面を覗いただけではどのタイミングでパスワードとしての数字を選択したかを分かりづらくすることができる。
【0042】
また、領域Bを画面の周囲に沿った所定位置に設定している。このように、画面の周辺部分であれば、表示される数字の遮蔽が容易であるとともに、領域Bに数字を表示してパスワード入力を行う操作が、それ以外の表示の妨げになることを回避することができる。図3に示す例では領域Aを用いた進行状況の表示を行っているが、それ以外の情報表示であってもよい。
【0043】
また、領域Bを画面の周囲であって、長方形形状を有する表示画面の4つの角部のいずれか(図3に示す例では右下の角部)とすることにより、領域Bに表示される数字の遮蔽と、それ以外の表示の妨げ回避の効果を高めることができる。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。上述した実施形態では、パスワード入力画面の領域B(図3)に順番に数字を表示するようにしたが、領域B以外の特定箇所に触れたことをタッチパネル12を用いて検出したとき(接触を検出している間)、領域Bに数字を表示するようにしてもよい。
【0045】
図5は、パスワード入力画面の変形例を示す図である。このパスワード入力画面には、パスワード入力動作の進行状況を示す領域Aと、パスワードの入力候補となる1つの数字を表示する領域B以外に、領域Bに数字を表示する際に接触状態を継続する必要がある特定箇所としての領域Cが含まれる。
【0046】
図6は、変形例の車載装置の構成を示す図である。図6に示した車載装置1Aは、図1に示した車載装置1に対して、制御部30を、表示指示部35が追加された制御部30Aに置き換えた点が異なっている。表示指示部35は、パスワード入力画面の領域C(図5)に利用者の指等が触れているか否かを判定し、接触している場合には、領域Bにパスワードの入力候補としての1つの数字を表示する指示を行う。表示指示部35が情報表示指示手段に対応する。
【0047】
図7は、パスワードを入力する変形例の動作手順を示す流れ図である。図7に示す動作手順は、図2に示した動作手順に対して、ステップ104の前にステップ103の動作を追加した点が異なっている。表示情報設定部32によってパスワード入力候補となる最初の数字が設定された後(ステップ102)、表示指示部35は、パスワード入力画面内の特定箇所(図5の領域C)に利用者の指等が接触しているか否かを判定する(ステップ103)。非接触の場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、接触している場合には肯定判断が行われ、ステップ104に移行してパスワード入力画面の領域Bへの入力候補(数字)の表示が行われる。
【0048】
このように、パスワード画面上の特定箇所に触れている場合にパスワード入力候補となる数字が表示されるため、この表示される数字の遮蔽の準備ができた後に数字を表示させることができ、第三者に対する入力情報の漏洩を確実に防止することが可能となる。
【0049】
また、上述した実施形態では、所定時間経過(一定時間)する毎に領域Bに表示する内容(数字)を更新したが、所定時間経過前であっても、パスワード入力画面について利用者が選択操作(単純な接触動作)以外の所定操作、例えばスライド操作あるいはフリック操作などをタッチパネル12を用いて検出したときに、領域Bに表示する内容(数字)を更新するようにしてもよい。
【0050】
図8は、他の変形例の車載装置の構成を示す図である。図8に示した車載装置1Bは、図1に示した車載装置1に対して、制御部30を、表示更新部36が追加された制御部30Bに置き換えた点が異なっている。表示更新部36は、パスワード入力画面について利用者によって選択操作以外の所定操作(スライド操作あるいはフリック操作など)が行われたことをタッチパネル12で検出したときに、領域Bに表示するパスワードの数字の更新を、表示情報設定部32に対して指示する。
【0051】
図9は、パスワードを入力する他の変形例の動作手順を示す流れ図である。図9に示す動作手順は、図2に示した動作手順に対して、ステップ108の前にステップ107の動作を追加した点が異なっている。パスワード入力画面の領域Bに入力候補としての1つの数字が表示された後(ステップ104)、利用者が画面の一部に触れずにステップ106の判定において否定判断が行われると、次に、表示更新部36は、利用者によって所定操作(画面のスライド操作やフリック操作など)が行われた否かを判定する(ステップ107)。所定操作が行われていない場合には否定判断が行われて、ステップ108の所定時間経過の有無判定に移行する。また、所定操作が行われた場合には肯定判断が行われ、ステップ110のパスワード入力候補となる次の数字設定に移行する。
【0052】
このように、所定時間経過前であっても所定操作に応じて領域Bの表示内容(数字)を更新することにより、パスワード全体の入力に要する時間を短縮することができる。
【0053】
また、上述した実施形態では、入力情報として4桁の数字からなるパスワードについて説明したが、入力情報としては、4桁以外の数字、あるいは、数字以外の文字や記号、これらの組み合わせであってもよい。
【0054】
また、上述した実施形態では、車載装置1におけるパスワード入力について説明したが、車載以外の各種装置、屋内あるいは携帯可能なパソコンやその他の機器においてパスワードなどの第三者に対して秘匿が必要な情報を入力する際に本発明を適用することができる。
【0055】
また、上述した実施形態では、パスワード入力画面の1箇所の角部に領域Bを設けたが(図3)、この領域Bは角部以外、例えば角部以外の周辺領域あるいは周辺領域よりも内側に設けるようにしてもよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、パスワード入力画面の1箇所(図3の領域B)に入力候補としての数字を表示したが、パスワード入力画面の他の3箇所の角部にもダミーとしての数字をランダムに表示するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
上述したように、本発明によれば、利用者が、1つずつ表示される情報(文字、数字、記号など)の中から入力対象の情報を選択することにより入力情報を特定しているため、外部からこの操作を見られても入力情報の全体を把握することは困難であり、操作時の入力情報の漏洩を防止することができる。また、入力候補となる情報を1つずつ表示しているため、利用者が自身の手などでこの情報が外部から見えないようにすることができ、入力情報の漏洩防止が容易となる。
【符号の説明】
【0058】
1、1A、1B 車載装置
10 操作部
12 タッチパネル
14 入力制御部
20 表示処理部
22 表示装置
30、30A、30B 制御部
40 メモリ
31 パスワード入力画面作成部
32 表示情報設定部
33 情報選択部
34 入力情報決定部
35 表示指示部
36 表示更新部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9