(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130226
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】屋外情報検知システム
(51)【国際特許分類】
G01W 1/02 20060101AFI20240920BHJP
G01W 1/06 20060101ALI20240920BHJP
H02S 10/20 20140101ALI20240920BHJP
【FI】
G01W1/02 A
G01W1/06
H02S10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039847
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】521315445
【氏名又は名称】株式会社次世代商品開発研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】奥村 正之
(72)【発明者】
【氏名】河野 憲亮
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251AA05
5F251AA07
5F251AA11
5F251AA14
5F251BA15
5F251JA13
5F251JA28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の外部装置を自由に着脱でき、カスケード接続できる電源ポールを備えた多機能装置を用いた屋外情報検知システムを提供する。
【解決手段】屋外情報検知システム1は、多機能装置2と、多機能装置2と通信ネットワーク5を介して接続される分析サーバ3とを備え、多機能装置2は、電源ポールと、前記電源ポールの外部に直接的又は間接的に取り付けられた複数の外部ユニットと、通信装置とを備え、電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側コネクタとを備え、外部ユニットは、屋外情報を検知する屋外情報検知ユニットを含み、通信装置は、前記屋外情報検知ユニットで検知した屋外情報を外部に送信可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能装置と、前記多機能装置とネットワークを介して接続される分析サーバとを含む屋外情報検知システムであって、
前記多機能装置は、屋外に複数配置され、
前記多機能装置は、電源ポールと、前記電源ポールの外部に直接的又は間接的に取り付けられた複数の外部ユニットと、通信装置とを含み、
前記電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側コネクタとを含み、
前記太陽電池モジュール及び前記電源側コネクタは、前記ポール本体の外部に配置され、
前記太陽電池モジュールにより発電された電力により、前記蓄電池が充電され、
前記蓄電池の電力が、前記電源側コネクタから外部に出力され、
前記外部ユニットは、屋外情報を検知する屋外情報検知ユニットを含み、
前記通信装置は、前記屋外情報検知ユニットで検知した前記屋外情報を外部に送信可能であり、
前記外部ユニットは、受電側コネクタを含み、
前記複数の外部ユニットの内、少なくとも1つの外部ユニットは、更に中間電源側コネクタを含み、
前記電源側コネクタ、前記受電側コネクタ及び前記中間電源側コネクタが、それぞれ電流線と通信線とを含み、
前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記外部ユニットの前記受電側コネクタとは、直接的、又は、前記中間電源側コネクタを介して間接的に接続され、
前記分析サーバは、前記屋外情報を分析する分析部を含むことを特徴とする屋外情報検知システム。
【請求項2】
前記通信装置が、前記屋外情報を外部に送信する通信ユニットとして前記電源ポールの外部に直接的又は間接的に取り付けらている請求項1に記載の屋外情報検知システム。
【請求項3】
前記屋外情報検知ユニットは、カメラユニット及びセンサユニットから選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の屋外情報検知システム。
【請求項4】
前記外部ユニットは、発光ユニットを更に含む請求項1に記載の屋外情報検知システム。
【請求項5】
前記屋外情報が、温度、湿度、気圧、日射、風向、風速及び雨量から選ばれる少なくとも1種の気象情報である請求項1に記載の屋外情報検知システム。
【請求項6】
前記屋外情報が、画像情報である請求項1に記載の屋外情報検知システム。
【請求項7】
前記屋外情報が、測位情報又は姿勢情報である請求項1に記載の屋外情報検知システム。
【請求項8】
前記分析サーバの分析結果を表示する電子表示装置を更に含む請求項1~7のいずれかに記載の屋外情報検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電源ポールを備えた多機能装置を用いた屋外情報検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電にて発電した電力を蓄電し、蓄電した電力を接続された外部機器に供給することが可能な電源システムが提案されいる(特許文献1)。
【0003】
このような電源システムは、設置面積が少なくてすむため、設置場所が限定されず、また、例えば、街灯などの照明器具、案内標識、電気時計、又は通信機器などの外部装置を取り付けることができ、使用条件に合わせて多目的に使用できる点で優れている。
【0004】
また、太陽電池付きポールに気象観測ユニット、無線通信ユニットなどの外部装置を取り付けて、気温、湿度、雨量などの気象情報を外部に送信できる太陽電池照明システムが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-185037号公報
【特許文献2】特開2021-140921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記電源システムや上記太陽電池付きポールでは、各外部装置を筐体又はポールに単独で固定して設置するものであるため、単一機能の搭載に限られ、多機能を備える装置又はシステムとすべく、用途に応じて複数の外部装置をカスケード接続して機能を拡張することは難しいものとなっていた。
【0007】
本願は、上記問題を解決したものであり、太陽電池付き電源ポールの多機能化・高機能化を実現すべく、複数の外部装置を自由に着脱でき、且つ、カスケード接続できる電源ポールを備えた多機能装置を用いた屋外情報検知システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の屋外情報検知システムは、多機能装置と、前記多機能装置とネットワークを介して接続される分析サーバとを含み、前記多機能装置は、屋外に複数配置され、前記多機能装置は、電源ポールと、前記電源ポールの外部に直接的又は間接的に取り付けられた複数の外部ユニットと、通信装置とを含み、前記電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側コネクタとを含み、前記太陽電池モジュール及び前記電源側コネクタは、前記ポール本体の外部に配置され、前記太陽電池モジュールにより発電された電力により、前記蓄電池が充電され、前記蓄電池の電力が、前記電源側コネクタから外部に出力され、前記外部ユニットは、屋外情報を検知する屋外情報検知ユニットを含み、前記通信装置は、前記屋外情報検知ユニットで検知した前記屋外情報を外部に送信可能であり、前記外部ユニットは、受電側コネクタを含み、前記複数の外部ユニットの内、少なくとも1つの外部ユニットは、更に中間電源側コネクタを含み、前記電源側コネクタ、前記受電側コネクタ及び前記中間電源側コネクタが、それぞれ電流線と通信線とを含み、前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記外部ユニットの前記受電側コネクタとは、直接的、又は、前記中間電源側コネクタを介して間接的に接続され、前記分析サーバは、前記屋外情報を分析する分析部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願によれば、複数の外部装置を自由に着脱でき、且つ、カスケード接続できる電源ポールを備えた多機能装置を用いた屋外情報検知システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態の屋外情報検知システムの一例を示す模式概念図である。
【
図2】
図2は、実施形態の電源ポールの一例を示す模式側面図である。
【
図3】
図3は、実施形態の電源ポールの他の例を示す模式部分側面図である。
【
図4】
図4は、実施形態の多機能装置の一例を示す模式部分側面図である。
【
図5】
図5は、実施形態の電源側コネクタと受電側コネクタの一例を示す模式断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態の多機能装置の他の例を示す模式部分側面図である。
【
図7】
図7は、実施形態の多機能装置の更に他の例を示す模式部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願の屋外情報検知システムの実施形態を説明する。本実施形態の屋外情報検知システムは、多機能装置と、前記多機能装置とネットワークを介して接続される分析サーバとを備え、前記多機能装置は、屋外に複数配置され、前記多機能装置は、電源ポールと、前記電源ポールの外部に直接的又は間接的に取り付けられた複数の外部ユニットと、通信装置とを備え、前記電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側コネクタとを備え、前記太陽電池モジュール及び前記電源側コネクタは、前記ポール本体の外部に配置され、前記太陽電池モジュールにより発電された電力により、前記蓄電池が充電され、前記蓄電池の電力が、前記電源側コネクタから外部に出力され、前記外部ユニットは、屋外情報を検知する屋外情報検知ユニットを含み、前記通信装置は、前記屋外情報検知ユニットで検知した前記屋外情報を外部に送信可能であり、前記外部ユニットは、受電側コネクタを備え、前記複数の外部ユニットの内、少なくとも1つの外部ユニットは、更に中間電源側コネクタを備え、前記電源側コネクタ、前記受電側コネクタ及び前記中間電源側コネクタが、それぞれ電流線と通信線とを備え、前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記外部ユニットの前記受電側コネクタとは、直接的、又は、前記中間電源側コネクタを介して間接的に接続され、前記分析サーバは、前記屋外情報を分析する分析部を備えている。
【0012】
本実施形態の屋外情報検知システムは、複数の多機能装置を地上、海上などの屋外に配置することにより、さまざまな屋外情報を検知・収集が可能であり、また、通信装置を備えているため、検知した屋外情報を分析サーバに送信して分析ができ、その分析結果を外部に表示できる。
【0013】
また、本実施形態の屋外情報検知システムで用いる多機能装置は、電力網から独立したオフグリッド電源として機能可能な電源ポールと、電源ポールから電力が供給される外部ユニットとを備えているため、電力網から隔離された地域や、地震などの自然災害により電力網からの給電が困難となった地域においてもさまざまな屋外情報を検知することができる。
【0014】
加えて、前記多機能装置は、電源ポールの電源側コネクタと、外部ユニットの受電側コネクタとが接続されているため、電源ポールから外部ユニットを自由に取り外しできる。これにより、必要に応じてさまざまな種類の外部ユニットを電源ポールに取り付けることができ、電源ポールをさまざまな用途に使用可能な多機能装置とすることができる。また、電源ポールの電源側コネクタの数、配置位置などを調整することで、外部ユニットの機能に応じた向きの変更が容易に行える。
【0015】
更に、前記複数の外部ユニットの内、少なくとも1つの外部ユニットは、更に中間電源側コネクタを備えているので、前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記外部ユニットの前記受電側コネクタとは、直接的、又は、前記中間電源側コネクタを介して間接的に接続することができる。即ち、外部ユニットを受電側コネクタ及び中間電源側コネクタを介してカスケード接続できる。
【0016】
以下、本実施形態の屋外情報検知システムを図面に基づき説明する。
【0017】
図1は、本実施形態の屋外情報検知システムの一例を示す模式概念図である。
図1において、屋外情報検知システム1は、屋外に配置された複数の多機能装置2と、多機能装置2とネットワークを介して接続される分析サーバ3と、分析サーバ3の分析結果を表示する複数の電子表示装置4とを備えている。
【0018】
多機能装置2は、電源ポールと、前記電源ポールの外部に直接的又は間接的に取り付けられた複数の外部ユニットと、通信装置とを備え、前記外部ユニットは、屋外情報を検知する屋外情報検知ユニットを含んでいる。また、前記通信装置は、前記屋外情報検知ユニットで検知した屋外情報をインターネットなどの通信ネットワーク5を介して、分析サーバ3に送信できる。屋外情報検知ユニットとしては、例えば、カメラユニット、センサユニットなどが挙げらる。これらを用いることで屋外情報をリアルタイムで検知できる。屋外情報としては、例えば、温度、湿度、気圧、日射、風向、風速、雨量などの気象情報;地すべり、土石流、河川(水位)、積雪、防犯、人流、交通、農作物生育、野生動物などの画像情報;地震後の地形変化などの測位情報、地形傾斜などの姿勢情報などが挙げられる。
【0019】
分析サーバ3は、複数の多機能装置2から屋外情報を収集する収集部と、前記収集部に収集された屋外情報を分析する分析部とを備えている。分析部では、収集した屋外情報を通常情報、危険情報、緊急情報などに分類することができる。
【0020】
分析サーバ3は、分析結果を外部に送信できる送信部を更に備え、その送信部からインターネットなどの通信ネットワーク6を介して、電子表示装置4へ分析結果を送信して表示することができる。電子表示装置4としては、例えば、デジタルサイネージに用いられるディスプレイパネル、パーソナルコンピュータ、スマートホンなどを使用できる。
【0021】
図1に示した屋外情報検知システムの実施形態では、分析サーバ3が、収集部、分析部、送信部を全て備えている形態を示したが、この形態に制限はされず、例えば、分析サーバが分析部のみを備え、別に屋外情報を収集する独立した収集サーバを設置してもよいし、別に分析結果を外部に送信する独立した送信サーバを配置してもよい。また、分析サーバ、収集サーバ、送信サーバは、必要に応じてそれぞれ複数配置することもできる。更に、前記通信装置から送信される屋外情報は、複数の収集サーバを介して分析サーバに送信してもよいし、分析結果は複数の分析サーバからそれぞれ電子表示装置に送信してもよい。
【0022】
(電源ポール)
次に、本実施形態の屋外情報検知システムの多機能装置に用いる電源ポールについて詳細に説明する。前記電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側コネクタとを備え、前記太陽電池モジュール及び前記電源側コネクタは、前記ポール本体の外部に配置され、前記太陽電池モジュールにより発電された電力により、前記蓄電池が充電され、前記蓄電池の電力が、前記電源側コネクタから外部に出力される。
【0023】
前記電源ポールは、太陽電池モジュールを備えているため、電力網から独立したオフグリッド電源として機能することができ、電力網から隔離された地域や、地震等の自然災害により電力網からの給電が困難となった地域においても電源として有効に活用できる。
【0024】
一方、天候不順が長期化した場合には、太陽光発電だけでは給電が困難となる場合も予想されるため、本願の電源ポールは商用電源を併用することもできる。
【0025】
また、前記電源ポールは、電源側コネクタを備えているため、電源側コネクタの数、配置位置等を調整することで、例えば、カメラユニット、センサユニット、通信ユニット、発光ユニット等の外部ユニットを自由に電源ポールに着脱できると共に、それぞれの配置位置も自由に設定できる。このため、太陽電池付き電源ポールの多機能化・高機能化を簡便に実現できる。
【0026】
前記電源側コネクタは、レセプタクルソケットからなることが好ましい。これにより、電源ポールと外部ユニットとの接続・分離が容易となる。
【0027】
また、前記電源側コネクタは、着脱可能な取付部を介して前記ポール本体に取り付けられていることが好ましい。これにより、形状の異なる複数の取付部を準備すれば、さまざまな形状の取付部を用途に応じて着脱して使い分けることができ、電源ポールの使用の自由度を向上できる。
【0028】
また、前記電源側コネクタは、電流線と共に通信線をも備えている。
【0029】
前記取付部は、キャップ状に形成され、前記ポール本体の先端部に設置されていることが好ましい。これにより、外部ユニットをある程度の高さに設置でき、外部ユニットとして、例えば、カメラユニット、センサユニット、通信ユニット、発光ユニット等の使用に際し、それらの広域有効性を向上できる。
【0030】
前記取付部は、前記ポール本体の中心軸に対して回転可能であることが好ましい。これにより、電源ポールの設置場所等の条件に応じて、接続する外部ユニットの向きを自由に変更できる。
【0031】
前記太陽電池モジュールは、可撓性を有する太陽光発電シート体を前記ポール本体の外周面に巻き付けられてなることが好ましい。これにより、太陽の位置にかかわらず、太陽光発電シート体に常に太陽光を入射できる。
【0032】
以下、前記電源ポールの実施形態を図面に基づき説明する。
【0033】
図2は、本実施形態の電源ポールの一例を示す模式側面図である。
図2において、電源ポール10は、ポール本体11と、太陽光発電シート体12と、コネクタ取付部13と、電源側コネクタ14とを備えている。電源ポール10は、太陽電池モジュールとして太陽光発電シート体12を有し、略垂直に立設した状態で太陽光発電シート体12を用いた太陽光による発電が可能なポール型太陽光発電機(オフグリッド電源)として機能する。太陽光発電シート体12は、ポール本体11の外周面に巻き付けられて設置されている。コネクタ取付部13は、キャップ状に形成され、ポール本体11の先端部に設置されている。コネクタ取付部13は、その側面に電源側コネクタ14を備えている。ポール本体11の内部には、図示していない蓄電池を備え、その蓄電池と電源側コネクタ14とは電気的に接続されている。太陽光発電シート体12により発電された電力によりその蓄電池が充電され、その蓄電池の電力が電源側コネクタ14から外部に出力できる構成となっている。
【0034】
電源ポール10は、太陽光発電機能を有するポール型のものであるが、ポール型とは、例えば、図示するような略垂直に立設された一本の円柱状のものを含み、また、四角柱等の多角柱状、楕円柱状のもの、一本ではなく二本以上が連結されたもの、地形や用途に合わせて若干の立設角度が調整されたもの、及び、折畳みや伸縮、地中への収納可能なものなど、少なくとも一部分を立てて設けるものを広く含む。
【0035】
太陽電池モジュールとは、太陽光などの光エネルギーを電気エネルギーに変換する全てのものをいい、一例として可撓性がある太陽光発電シート体12を図示しているが、これに限らず、円柱形状に形成された板状のパネルなどであってもよいし、また、他の構成のものを採用してもよい。
【0036】
太陽光発電シート体12は、可撓性を有する素材からなる透明の樹脂シートに、太陽電池素子がラミネート加工されるなどにより内封されるように構成されている。太陽電池素子としては、例えば、アモルファスシリコン系薄膜太陽電池などの屈曲可能な太陽電池素子が用いられる。上記太陽電池素子は、アモルファスシリコン系に限られず、例えば、化合物半導体系太陽電池、有機半導体系太陽電池、色素増感系太陽電池など、種々の太陽電池を用いることができる。また、上記太陽電池シートは、結晶シリコン系太陽電池パネルで用いるガラス基板を含まず、また、パネルの強度を保持するためのベース板も不要であるため、軽量に形成することができる。
【0037】
太陽光発電シート体12は、ポール本体11の外周面に直接巻き付けてもよいし、太陽光発電シート体12を細長く円筒状に形成された筒体の外周面に巻き付け、その筒体の内部にポール本体11を挿入して、その筒体をポール本体11に固定してもよい。
【0038】
ポール本体11の内部には、図示していない収納部が設けられており、その収納部には太陽光発電シート体12により発電された電力により充電される蓄電池(図示せず。)が配置されている。上記収納部には、蓄電池以外の内蔵機器を配置してもよい。また、ポール本体11の下部には、接地して全体を支持する接地部(図示せず。)を設けることができる。ポール本体11は、一体的な部材により構成することができるが、複数の部品から構成してもよいし、伸縮可能や変形可能なものとして構成してもよい。
【0039】
上記蓄電池としては、例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などが使用できるが、安全で電気容量の大きいリン酸鉄リチウムイオン電池が好適に使用される。また、蓄電池以外の内蔵機器としては、例えば、通信装置、蓄電池の電力制御器、電源ポール10に接続される外部ユニットの制御装置などが挙げられる。電源ポール10に接続される外部ユニットの詳細は後述するが、例えば、カメラユニット、センサユニット、通信ユニット、発光ユニットなどが挙げられる。
【0040】
ポール本体11の先端部には、コネクタ取付部13が取り付けられ、コネクタ取付部13の側面には電源側コネクタ14が設置されている。コネクタ取付部13は、ポール本体11に固定されていてもよいし、着脱可能に取り付けられていてもよいし、ポール本体11の中心軸に対して回転可能に設置されていてもよい。コネクタ取付部13をポール本体11に回転可能に設置すると、電源側コネクタ14の向きを変更することが容易となる。
【0041】
電源側コネクタ14の形態は特に限定されないが、レセプタクルソケットからなることが好ましい。レセプタクルソケットとすれば、電源側コネクタ14に対する受電側コネクタの着脱が容易となる。また、電源側コネクタ14は、電流線を有しているが、電流線以外に通信線も有している。これにより、電源ポール10に接続される外部ユニットとの間での情報データの交換が可能となる。例えば、ポール本体11の収納部に内蔵機器として通信装置が配置され、電源ポール10に電源側コネクタ14を介して外部ユニットとしてカメラユニットが接続されている場合、上記通信線を介して、カメラユニットから画像データを通信装置に移動させ、通信装置から外部に画像データを送信することができる。
【0042】
図3は、本実施形態の電源ポールの他の例を示す模式部分側面図である。
図3において、電源ポール20は、ポール本体に取り付けられた太陽光発電シート体12と、コネクタ取付部13と、電源側コネクタ14a、14b、14cとを備えている。
図3に示すように、コネクタ取付部13の上面及び側面に複数の電源側コネクタ14a、14b、14cを設けることにより、電源側コネクタの向き設定の自由度が大きくなる。また、コネクタ取付部13を、ポール本体の中心軸に対して回転可能に設置すれば、電源側コネクタの向き設定の自由度が更に大きくなる。更に、電源側コネクタ14a、14b、14cは、電流線と共に通信線を有している。
【0043】
(多機能装置)
続いて、本実施形態の屋外情報検知システムに用いる多機能装置について詳細に説明する。前記多機能装置は、電源ポールと、前記電源ポールの外部に直接的又は間接的に取り付けられた複数の外部ユニットと、通信装置とを備え、前記外部ユニットは、屋外情報を検知する屋外情報検知ユニットを含み、前記通信装置は、前記屋外情報検知ユニットで検知した前記屋外情報を外部に送信可能であり、前記外部ユニットは、受電側コネクタを備え、前記複数の外部ユニットの内、少なくとも1つの外部ユニットは、更に中間電源側コネクタを備え、前記電源側コネクタ、前記受電側コネクタ及び前記中間電源側コネクタが、それぞれ電流線と通信線とを備え、前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記外部ユニットの前記受電側コネクタとは、直接的、又は、前記中間電源側コネクタを介して間接的に接続されている。
【0044】
前記通信装置は、前記電源ポールのポール本体の収納部に内蔵させることもできるが、前記屋外情報を外部に送信する通信ユニットとして前記電源ポールの外部に直接的又は間接的に取り付けられていることが好ましい。これにより、通信装置の交換、保守などが容易に行える。
【0045】
また、前記屋外情報検知ユニットは、カメラユニット及びセンサユニットから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、各種の屋外情報を検知することができる。
【0046】
更に、前記外部ユニットは、発光ユニットを含むことが好ましい。発光ユニットをライトとして使用することにより、夜間における画像情報の検知が容易となる。
【0047】
以下、前記多機能装置の実施形態を図面に基づき説明する。但し、前記電源ポールについては重複する説明は省略する。
【0048】
図4は、本実施形態の多機能装置の一例を示す模式部分側面図である。
図4において、多機能装置40は、前述の
図2で説明した電源ポール10と、発光ユニット31と、カメラユニット41とを備えている。また、電源ポール10のコネクタ取付部13の側面には電源側コネクタ14が設けられている。更に、電源ポール10のポール本体の収納部には、カメラユニットで検知した屋外情報(画像情報など)を外部に送信可能な通信装置(図示せず。)が内蔵されている。
【0049】
カメラユニット41は、電源コード44を介して受電側コネクタ42を備えている。また、電源ポール10とカメラユニット41とは、電源側コネクタ14と受電側コネクタ42とを介して電気的に接続されている。更に、カメラユニット41は、中間電源側コネクタ43を備えている。
【0050】
発光ユニット31は、電源コード33を介して受電側コネクタ32を備えている。そして、カメラユニット41と発光ユニット31とは、中間電源側コネクタ43と受電側コネクタ32とを介して電気的に接続されている。
【0051】
図4に示すように、電源ポール10と、発光ユニット31と、カメラユニット41とを相互にコネクタを介して接続しているので、電源ポール10に対する発光ユニット31、カメラユニット41の直接的又は間接的な着脱が容易となる。
【0052】
カメラユニット41及び発光ユニット31は、それぞれ電源コード44、電源コード33を備えているので、カメラユニット41及び発光ユニット31の配置位置の自由度を向上できる。また、電源コード44、電源コード33を延長することにより、カメラユニット41及び発光ユニット31を電源ポール10以外の場所に設置することもできる。
【0053】
図4では、電源ポール10のコネクタ取付部13の側面に電源側コネクタ14が一つ配置されているが、前述の
図3に示すように複数配置してもよい。また、カメラユニット41の電源コード44を除去して受電側コネクタ42をカメラユニット41に直接取り付けることもできる。その場合、コネクタ取付部13をポール本体の中心軸に対して回転可能に設置すれば、カメラユニット41の向きを変更することが容易となる。更に、発光ユニット31の電源コード33を除去して受電側コネクタ32を発光ユニット31に直接取り付けることもできる。
【0054】
電源側コネクタ14及び中間電源側コネクタ43は、レセプタクルソケットから構成することができる。また、受電側コネクタ32、42は、それぞれプラグピンから構成することができる。受電側コネクタ32、42は、それぞれ1ピン型、2ピン型、3ピン型などのプラグピンを用いることができる。その場合には、電源側コネクタ14及び中間電源側コネクタ43には、受電側コネクタ32、42のピン数に合う数のピン受けホールを設ければよい。
【0055】
図5は、電源側コネクタと受電側コネクタの一例を示す模式断面図である。
図5において、電源側コネクタ14はレセプタクルソケットから構成され、受電側コネクタ42はプラグピンから構成されている。受電側コネクタ42は、1ピン型のプラグピンを示したが、2ピン型、3ピン型などであってもよい。その場合には、電源側コネクタ14に受電側コネクタ42のピン数に合う数のピン受けホールを設ければよい。
【0056】
電源側コネクタ14、中間電源側コネクタ43、受電側コネクタ32、42、電源コード33、44は、それぞれ電流線及び通信線を有している。これにより、電源ポール10の収納部に通信装置が配置されているので、上記通信線を介して、カメラユニット41から画像データを通信装置に移動させ、通信装置から外部に画像データを送信することができる。
【0057】
図6は、前記多機能装置の他の例を示す模式部分側面図である。
図6において、多機能装置50は、前述の
図2で説明した電源ポール10と、発光ユニット31と、カメラユニット41と、通信ユニット51とを備えている。また、電源ポール10のコネクタ取付部13の側面には電源側コネクタ14が設けられている。多機能装置50は、通信ユニット51を備えているので、電源ポール10の収納部に通信装置を内蔵する必要はないが、内蔵していてもよい。
【0058】
通信ユニット51は、電源コード54を介して受電側コネクタ52を備えている。また、電源ポール10と通信ユニット51とは、電源側コネクタ14と受電側コネクタ52とを介して電気的に接続されている。更に、通信ユニット51は、中間電源側コネクタ53を備えている。
【0059】
カメラユニット41は、電源コード44を介して受電側コネクタ42を備えている。また、通信ユニット51とカメラユニット41とは、中間電源側コネクタ53と受電側コネクタ42とを介して電気的に接続されている。更に、カメラユニット41は、中間電源側コネクタ43を備えている。
【0060】
発光ユニット31は、電源コード33を介して受電側コネクタ32を備えている。そして、カメラユニット41と発光ユニット31とは、中間電源側コネクタ43と受電側コネクタ32とを介して電気的に接続されている。
【0061】
図6に示すように、電源ポール10と、発光ユニット31と、カメラユニット41と、通信ユニット51とを相互にコネクタを介して接続しているので、電源ポール10に対する発光ユニット31、カメラユニット41、通信ユニット51の直接的又は間接的な着脱が容易となる。
【0062】
通信ユニット51、カメラユニット41、発光ユニット31は、それぞれ電源コード54、電源コード44、電源コード33を備えているので、通信ユニット51、カメラユニット41、発光ユニット31の配置位置の自由度を向上できる。また、電源コード54、電源コード44、電源コード33を延長することにより、通信ユニット51、カメラユニット41、発光ユニット31を電源ポール10以外の場所に設置することもできる。
【0063】
図6では、電源ポール10のコネクタ取付部13の側面に電源側コネクタ14が一つ配置されているが、前述の
図3に示すように複数配置してもよい。また、通信ユニット51の電源コード54を除去して受電側コネクタ52を通信ユニット51に直接取り付けることもできる。その場合、コネクタ取付部13をポール本体の中心軸に対して回転可能に設置すれば、通信ユニット51の向きを変更することが容易となる。更に、カメラユニット41の電源コード44を除去して受電側コネクタ42をカメラユニット41に直接取り付けることもできる。また、発光ユニット31の電源コード33を除去して受電側コネクタ32を発光ユニット31に直接取り付けることもできる。
【0064】
電源側コネクタ14及び中間電源側コネクタ43、53は、レセプタクルソケットから構成することができる。また、受電側コネクタ32、42、52は、それぞれプラグピンから構成することができる。受電側コネクタ32、42、52は、それぞれ1ピン型、2ピン型、3ピン型などのプラグピンを用いることができる。その場合には、電源側コネクタ14及び中間電源側コネクタ43、53には、受電側コネクタ32、42、52のピン数に合う数のピン受けホールを設ければよい。
【0065】
電源側コネクタ14、中間電源側コネクタ43、53、受電側コネクタ32、42、52、電源コード33、44、54は、それぞれ電流線及び通信線を有している。これにより、通信ユニット51と、カメラユニット41との間での情報データの交換が可能となる。例えば、上記通信線を介して、カメラユニット41から画像データを通信ユニット51に移動させ、通信ユニット51から外部に画像データを送信することができる。
【0066】
図7は、前記多機能装置の更に他の例を示す模式部分側面図である。
図7において、多機能装置60は、前述の
図3で説明した電源ポール20と、発光ユニット31と、カメラユニット41と、通信ユニット51と、センサユニット61とを備えている。また、電源ポール20のコネクタ取付部13には電源側コネクタ14a、14b、14cが設けられている。多機能装置60は、通信ユニット51を備えているので、電源ポール20の収納部に通信装置を内蔵する必要はないが、内蔵していてもよい。
【0067】
発光ユニット31は、受電側コネクタ32を直接備えている。また、電源ポール20と発光ユニット31とは、電源側コネクタ14aと受電側コネクタ32とを介して電気的に接続されている。
【0068】
カメラユニット41は、受電側コネクタ42を直接備えている。また、電源ポール20とカメラユニット41とは、電源側コネクタ14bと受電側コネクタ42とを介して電気的に接続されている。更に、カメラユニット41は、中間電源側コネクタ43を備えている。
【0069】
通信ユニット51は、受電側コネクタ52を直接備えている。また、カメラユニット41と通信ユニット51とは、中間電源側コネクタ43と受電側コネクタ52とを介して電気的に接続されている。
【0070】
センサユニット61は、受電側コネクタ62を直接備えている。また、電源ポール20とセンサユニット61とは、電源側コネクタ14cと受電側コネクタ62とを介して電気的に接続されている。
【0071】
図7に示すように、電源ポール20と、発光ユニット31と、カメラユニット41と、通信ユニット51と、センサユニット61とを相互にコネクタを介して接続しているので、電源ポール20に対する発光ユニット31、カメラユニット41、通信ユニット51、センサユニット61の直接的又は間接的な着脱が容易となる。
【0072】
図7では、電源ポール20のコネクタ取付部13の側面及び上面に電源側コネクタ14a、14b、14cが配置されている。その場合、コネクタ取付部13をポール本体の中心軸に対して回転可能に設置すれば、外部ユニット(発光ユニット31、カメラユニット41、通信ユニット51、センサユニット61)の向きを変更することができる。
【0073】
電源側コネクタ14a、14b、14c及び中間電源側コネクタ43は、レセプタクルソケットから構成することができる。また、受電側コネクタ32、42、52、62は、それぞれプラグピンから構成することができる。受電側コネクタ32、42、52、62は、それぞれ1ピン型、2ピン型、3ピン型などのプラグピンを用いることができる。その場合には、電源側コネクタ14a、14b、14c及び中間電源側コネクタ43には、受電側コネクタ32、42、52、62のピン数に合う数のピン受けホールを設ければよい。
【0074】
電源側コネクタ14a、14b、14c、中間電源側コネクタ43、受電側コネクタ32、42、52、62は、それぞれ電流線及び通信線を有している。これにより、通信ユニット51と、カメラユニット41及びセンサユニット61との間での情報データの交換が可能となる。例えば、上記通信線を介して、カメラユニット41から画像データを通信ユニット51に移動させ、通信ユニット51から外部に画像データを送信することができる。また、上記通信線を介して、センサユニット61から観測データを通信ユニット51に移動させ、通信ユニット51から外部に観測データを送信することができる。
【0075】
上記のとおり、上記電源側コネクタ、上記中間電源側コネクタ、上記受電側コネクタは、上記電源ポールと上記外部ユニットとを接続するためのハードウェアインターフェースとして機能する。また、上記通信ユニットと、他の上記外部ユニットとを備えた多機能装置を特定の地域に複数配置することにより、情報通信ネットワークシステムを形成することができる。
【0076】
上記情報通信ネットワークシステムを用いることにより、例えば、大気系(温度・湿度・気圧・日射・雨量など)観測システム、地上系(地すべり・傾斜・土石流・水位など)監視システム(地上監視システム、河川監視システム、防犯システムなど)などを運用することができる。
【0077】
本願は、上記以外の形態としても実施が可能である。本願に開示された実施形態は一例であって、これらに限定はされない。本願の範囲は、上述の明細書の記載よりも、添付されている請求の範囲の記載を優先して解釈され、請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更は、請求の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
1 屋外情報検知システム
2 多機能装置
3 分析サーバ
4 電子表示装置
5、6 通信ネットワーク
10、20 電源ポール
11 ポール本体
12 太陽光発電シート体
13 コネクタ取付部
14 電源側コネクタ
14a、14b、14c 電源側コネクタ
31 発光ユニット
32、42、52、62 受電側コネクタ
33、44、54 電源コード
40、50、60 多機能装置
41 カメラユニット
43、53 中間電源側コネクタ
51 通信ユニット
61 センサユニット