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特開2024-130238イメージセンサおよびイメージセンサモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130238
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】イメージセンサおよびイメージセンサモジュール
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/028 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H04N1/028 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039863
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】蓮尾 朋丈
【テーマコード(参考)】
5C051
【Fターム(参考)】
5C051AA01
5C051BA03
5C051BA04
5C051DA03
5C051DA06
5C051DB01
5C051DB04
5C051DB08
5C051DB15
5C051DC07
5C051DE13
5C051DE14
5C051DE15
5C051DE17
5C051EA01
5C051EA02
(57)【要約】
【課題】画像信号の劣化を抑制することができるイメージセンサおよびイメージセンサモジュールを提供する。
【解決手段】本実施形態に係るイメージセンサは、半導体チップ内に設けられており、撮像部と、複数の出力端子と、切替部とを備える。前記撮像部は、撮像対象を撮像し、前記撮像対象の画像を表す画像信号を出力する。前記複数の出力端子は、前記撮像部に導通可能に接続され、前記画像信号を前記半導体チップの外部に出力する。前記切替部は、出力モードを指示するモード指示信号に基づいて、前記撮像部から出力された前記画像信号を、前記複数の出力端子のうちいずれの出力端子から出力するかを切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップ内に設けられたイメージセンサであって、
撮像対象を撮像し、前記撮像対象の画像を表す画像信号を出力する撮像部と、
前記撮像部に導通可能に接続され、前記画像信号を前記半導体チップの外部に出力する複数の出力端子と、
出力モードを指示するモード指示信号に基づいて、前記撮像部から出力された前記画像信号を、前記複数の出力端子のうちいずれの出力端子から出力するかを切り替える切替部と、
を備えるイメージセンサ。
【請求項2】
前記切替部は、一端が前記撮像部に電気的に接続され、他端が前記複数の出力端子のうち対応付けられた出力端子に電気的に接続された複数の半導体スイッチを有する、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記切替部は、前記モード指示信号に基づいて前記複数の半導体スイッチのいずれかをオン状態にするスイッチ制御回路をさらに有する、請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記撮像部および前記スイッチ制御回路は、前記撮像部を制御する撮像制御信号を共有する、請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記撮像制御信号は、マスタークロック、先頭チップ判別信号、同期信号、およびタイミング信号のうち少なくとも1つを含む、請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のイメージセンサを複数備えるイメージセンサモジュールであって、
前記モード指示信号がシリアル出力モードを指示する場合、前記各イメージセンサの画像信号をシリアルに出力し、前記モード指示信号がパラレル出力モードを指示する場合、前記各イメージセンサのうち、少なくとも2つのイメージセンサの画像信号をパラレルに出力する、イメージセンサモジュール。
【請求項7】
前記各イメージセンサは、前記出力端子として、第1の出力端子および第2の出力端子を備え、第1のイメージセンサ群または第2のイメージセンサ群に属し、
前記第1のイメージセンサ群に属する前記各イメージセンサの第1の出力端子、および前記第2のイメージセンサ群に属する前記各イメージセンサの第1の出力端子は、互いに接続され第1の出力チャネルを構成し、
前記第1のイメージセンサ群に属する前記各イメージセンサの第2の出力端子は、互いに接続され第2の出力チャネルを構成し、
前記第2のイメージセンサ群に属する前記各イメージセンサの第2の出力端子は、互いに接続され第3の出力チャネルを構成し、
前記シリアル出力モードにおいて、前記第1の出力チャネルから、前記第1のイメージセンサ群に属する前記各イメージセンサの画像信号と、前記第2のイメージセンサ群に属する前記各イメージセンサの画像信号とをシリアルに出力し、
前記パラレル出力モードにおいて、前記第2の出力チャネルおよび前記第3の出力チャネルから、それぞれ、前記第1のイメージセンサ群に属する前記各イメージセンサの画像信号と、前記第2のイメージセンサ群に属する前記各イメージセンサの画像信号とをパラレルに出力する、請求項6に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項8】
前記第1~第3の出力チャネルは、前記画像信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを有するアナログフロントエンドに接続されている、請求項7に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項9】
前記アナログフロントエンドは、前記モード指示信号を出力する、請求項8に記載のイメージセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、イメージセンサおよびイメージセンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
自動光学検査(Automated optical inspection:AOI)や原稿スキャンなどの分野において、画像信号を出力するイメージセンサを複数備えるイメージセンサモジュールが用いられる。このようなイメージセンサモジュールには、画像信号を出力する複数の出力チャネルを有し、出力モードに応じて、イメージセンサモジュールから出力される画像信号の数を変えることができるものがある。出力モードとしては、複数のイメージセンサの画像信号をイメージセンサモジュールの一つの出力チャネルから直列に出力するシリアル出力モードや、複数のイメージセンサの画像信号をイメージセンサモジュールの複数の出力チャネルから並列に出力するパラレル出力モードがある。
【0003】
このようなイメージセンサモジュールでは、出力モードに応じて出力する画像信号の数を変えるために、各イメージセンサ(撮像部)の一つの出力端子に複数の出力チャネルが接続されることとなる。このため、イメージセンサモジュールがある出力モードで動作する際、各イメージセンサの外部において、画像信号の伝送に使用されない配線(冗長配線)が発生する。その結果、ノイズの影響を受け、画像信号の品質が劣化するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-94785号公報
【特許文献2】特開2009-188485号公報
【特許文献3】特開2017-147513号公報
【特許文献4】特開2022-56083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、画像信号の劣化を抑制することができるイメージセンサおよびイメージセンサモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係るイメージセンサは、半導体チップ内に設けられており、撮像部と、複数の出力端子と、切替部とを備える。前記撮像部は、撮像対象を撮像し、前記撮像対象の画像を表す画像信号を出力する。前記複数の出力端子は、前記撮像部に導通可能に接続され、前記画像信号を前記半導体チップの外部に出力する。前記切替部は、出力モードを指示するモード指示信号に基づいて、前記撮像部から出力された前記画像信号を、前記複数の出力端子のうちいずれの出力端子から出力するかを切り替える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係るイメージセンサの概略的構成を表す図である。
図2】変形例に係るイメージセンサの概略的構成を表す図である。
図3】実施形態に係るイメージセンサモジュールの概略的構成を表す図である。
図4】実施形態に係るイメージセンサモジュールと、アナログフロントエンドの構成を表す図である。
図5A】実施形態に係るイメージセンサモジュールのシリアル出力モードにおけるタイミングチャートである。
図5B】実施形態に係るイメージセンサモジュールのパラレル出力モードにおけるタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
<イメージセンサ>
図1を参照して、実施形態に係るイメージセンサ1について説明する。図1は、本実施形態に係るイメージセンサ1の概略的構成を表す図である。
【0010】
イメージセンサ1は、半導体チップ内に設けられている。イメージセンサ1は、たとえばリニアイメージセンサ(ラインイメージセンサ)または密着イメージセンサ(Contact Image Sensor:CIS)である。なお、イメージセンサ1は、2次元のイメージセンサであってもよい。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係るイメージセンサ1は、撮像部10と、複数の出力端子21,22と、切替部30とを備える。
【0012】
撮像部10は、撮像対象を撮像し、当該撮像対象の画像を表す画像信号OSを出力する。たとえば、撮像部10は、複数のフォトダイオードを有し、各フォトダイオードが出力する電気信号に対して所定の変換を行い、複数のフォトダイオードの電気信号に基づく画像信号OSを出力する。なお、撮像部10が出力する画像信号OSは、アナログ信号である。また、撮像部10が出力する画像信号OSはモノクロ画像信号であってもよいし、カラー画像信号であってもよい。
【0013】
出力端子21,22は、撮像部10から出力された画像信号OSを、イメージセンサ1が設けられた半導体チップの外部に出力するための端子である。出力端子21は、後述する半導体スイッチ31を介して、撮像部10に導通可能に接続されている。すなわち、半導体スイッチ31がオン状態のとき、出力端子21は撮像部10に電気的に接続され、半導体スイッチ31がオフ状態のとき、出力端子21は撮像部10から電気的に絶縁される。同様に、出力端子22は、半導体スイッチ32を介して、撮像部10に導通可能に接続されている。
【0014】
なお、画像信号OSがカラー画像信号である場合は、たとえば、出力端子21として、赤,緑,青にそれぞれ対応する3つの出力端子が設けられ、出力端子22として、赤,緑,青にそれぞれ対応する3つの出力端子が設けられる。
【0015】
切替部30は、撮像部10から出力された画像信号OSを、複数の出力端子21,22のうちいずれの出力端子から出力するかを切り替えるように構成されている。切替部30の詳しい構成は後述する。
【0016】
図1に示すように、切替部30には、モード指示信号MISを入力する。モード指示信号MISは、後述するイメージセンサモジュール100の出力モードを指示するための信号である。本実施形態では、モード指示信号MISは、高電位(High)または低電位(Low)のデジタル信号である。図1に示すように、本実施形態では、モード指示信号MISはイメージセンサ1の外部から与えられる。出力モードは、イメージセンサモジュール100が同時に出力する画像信号の数に対応した、イメージセンサモジュール100の動作モードである。たとえば、出力モードには、シリアル出力モード、パラレル出力モードが存在する。シリアル出力モードは、複数のイメージセンサ1の画像信号をイメージセンサモジュール100の一つの出力チャネルから直列に出力するための出力モードである。パラレル出力モードは、複数のイメージセンサ1の画像信号をイメージセンサモジュール100の複数の出力チャネルから並列に出力するための出力モードである。
【0017】
切替部30は、イメージセンサ1の外部から入力されたモード指示信号MISに基づいて、撮像部10から出力された画像信号OSを、出力端子21および出力端子22のいずれから出力するかを切り替える。本実施形態では、モード指示信号MISが高電位(High)の場合、イメージセンサ1は、画像信号OSを出力端子21から出力する。また、モード指示信号MISが低電位(Low)の場合、イメージセンサ1は、画像信号OSを出力端子22から出力する。なお、イメージセンサモジュール100において、他のイメージセンサ1が画像信号OSを出力している際は、切替部30は、画像信号OSを出力端子21,22のいずれからも出力しないように出力端子21,22をオフ状態にしてもよい。
【0018】
以下、本実施形態の切替部30について、より詳しく説明する。
【0019】
図1に示すように、切替部30は、複数の半導体スイッチ31,32と、スイッチ制御回路40と、複数のアンプ51,52とを有する。
【0020】
半導体スイッチ31,32は、スイッチ制御回路40によりオン状態またはオフ状態に制御される。半導体スイッチ31,32は、たとえば、バイポーラトランジスタ、MOSFETなどである。図1に示すように、半導体スイッチ31の左端(一端)は、アンプ51の出力に接続されている。半導体スイッチ31の右端(他端)は、出力端子21に接続されている。同様に、半導体スイッチ32の左端(一端)は、アンプ52の出力に接続されている。半導体スイッチ32の右端(他端)は、出力端子22に接続されている。
【0021】
アンプ51,52は、撮像部10が出力した画像信号OSを増幅する。図1に示すように、アンプ51の入力は、撮像部10の出力に接続されている。また、アンプ52の入力は、撮像部10の出力に、アンプ51の入力と並列に接続されている。
【0022】
スイッチ制御回路40は、モード指示信号MISを入力し、入力したモード指示信号MISに基づいて複数の半導体スイッチ31,32のいずれかをオン状態(導通状態)にする。たとえば、スイッチ制御回路40は、モード指示信号MISの電位に基づいて、半導体スイッチ31,32のゲート電位(あるいはベース電位)をそれぞれ変化させる。本実施形態では、モード指示信号MISが高電位(High)の場合、スイッチ制御回路40は、半導体スイッチ31をオン状態、半導体スイッチ32をオフ状態にする。これにより、画像信号OSは、出力端子21から出力され、出力端子22からは出力されない。一方、モード指示信号MISが低電位(Low)の場合、スイッチ制御回路40は、半導体スイッチ32をオン状態、半導体スイッチ31をオフ状態にする。これにより、画像信号OSは、出力端子22から出力され、出力端子21からは出力されない。このようなスイッチ制御回路40は、たとえば論理回路によって構成される。なお、半導体スイッチのオフ状態は、ハイインピーダンス状態(Hi-Z)とも呼ばれる。
【0023】
このように、半導体スイッチ31,32の一端は、撮像部10の出力に電気的に接続され、半導体スイッチ31,32の他端は、複数の出力端子21,22のうち対応付けられた出力端子に電気的に接続されている。また、スイッチ制御回路40は、モード指示信号MISに基づいて複数の半導体スイッチ31,32のいずれかをオン状態にする。これにより、切替部30は、モード指示信号MISに基づいて、撮像部10から出力された画像信号OSを出力端子21,22のうちいずれの出力端子から出力するかを切り替えることができる。
【0024】
なお、図1に示した切替部30の構成は一例であり、実施形態はこれに限定されない。たとえば、図1では、半導体スイッチ31およびアンプ51は、別の素子として図示されているが、半導体スイッチ31はアンプ51に含まれてもよい。同様に、半導体スイッチ32はアンプ52に含まれてもよい。
【0025】
また、図1において、画像信号OSがカラー画像信号である場合は、たとえば、半導体スイッチ31として、赤,緑,青にそれぞれ対応する3つの半導体スイッチが設けられ、アンプ51として、赤,緑,青にそれぞれ対応する3つのアンプが設けられる。すなわち、半導体スイッチ31のうち赤に対応する半導体スイッチの一端は、アンプ51のうち赤に対応するアンプに接続され、当該半導体スイッチの他端は、出力端子21のうち赤に対応する出力端子に接続される。半導体スイッチ31のうち緑,青に対応する半導体スイッチ、および、アンプ51のうち緑,青に対応するアンプについても同様である。また、半導体スイッチ32およびアンプ52についても同様である。このように構成することにより、画像信号OSがカラー画像信号の場合であっても、切替部30は、モード指示信号MISに基づいて、撮像部10から出力された画像信号OSを複数の出力端子のうちいずれの出力端子から出力するかを切り替えることができる。たとえば、切替部30は、赤に対応する画像信号OSを、モード指示信号MISに基づいて、出力端子21のうち赤に対応する出力端子および出力端子22のうち赤に対応する出力端子のうち、いずれの出力端子から出力するかを切り替えることができる。
【0026】
なお、図1では、スイッチ制御回路40、撮像部10および複数の半導体スイッチ31,32は、同一の半導体チップ上に設けられているが、スイッチ制御回路40は、イメージセンサ1が設けられた半導体チップの外部に設けられてもよい。すなわち、切替部30は、スイッチ制御回路40を有していなくてもよい。
【0027】
本実施形態では、撮像部10およびスイッチ制御回路40は、撮像部10の動作を制御する撮像制御信号を共有する。本実施形態では、撮像制御信号は、マスタークロックMC、先頭チップ判別信号FCS、同期信号SS、およびタイミング信号TSである。なお、共有される撮像制御信号は、これらの信号のうち少なくとも1つを含むものであってもよい。
【0028】
マスタークロックMCは、イメージセンサ1の外部から入力されるクロック信号である。マスタークロックMCは、たとえば、撮像部10の各フォトダイオードに対して動作タイミングを指示する。
【0029】
先頭チップ判別信号FCSは、イメージセンサ1が、自身を先頭チップであるか、あるいは先頭チップ以外のチップ(以下、「非先頭チップ」ともいう。)であるか判別するための信号である。ここで、先頭チップは、後述するイメージセンサモジュール100の各出力モードにおいて、イメージセンサモジュール100が有する複数のイメージセンサ1のうち最初に画像信号OSを出力するイメージセンサである。また、非先頭チップは、イメージセンサモジュール100の各出力モードにおいて、複数のイメージセンサ1のうち2番目以降に画像信号OSを出力するイメージセンサである。先頭チップ判別信号FCSは、たとえば高電位(High)または低電位(Low)のデジタル信号である。本実施形態では、イメージセンサ1は、先頭チップ判別信号FCSが高電位(High)の場合、自身を先頭チップとして判別(識別)し、先頭チップ判別信号FCSが低電位(Low)の場合、自身を非先頭チップとして判別する。
【0030】
本実施形態では、先頭チップ判別信号FCSは、イメージセンサ1の外部から入力される。たとえば、イメージセンサ1が、状況によって先頭チップとしても、非先頭チップとしても動作する場合、先頭チップ判別信号FCSは、イメージセンサ1の外部から入力される。なお、イメージセンサ1が、常に先頭チップとして動作する場合や、常に非先頭チップとして動作する場合には、イメージセンサ1の内部信号を先頭チップ判別信号FCSとして利用してもよい。
【0031】
同期信号SSは、先頭チップとして動作するイメージセンサ1に対して、画像信号OSを出力するタイミングを指示する信号である。本実施形態では、同期信号SSは、水平同期(H-Sync)パルスであり、電位の変化によってタイミングを指示する。なお、図1では、同期信号SSは、イメージセンサ1の外部から入力されているが、同期信号SSは、イメージセンサ1の内部において、撮像部10、スイッチ制御回路40などがマスタークロックMCを分周して生成したものであってもよい。
【0032】
タイミング信号TSは、非先頭チップとして動作するイメージセンサ1に対して、画像信号OSを出力するタイミングを指示する信号である。本実施形態では、タイミング信号TSはパルス信号であり、電位の変化によってタイミングを指示する。図1に示す例において、タイミング信号TSは、イメージセンサ1の外部から端子TSinに入力される。また、スイッチ制御回路40は、イメージセンサモジュール100における次段のイメージセンサ1に対するタイミング信号TSを生成し、端子TSoutから出力する。なお、スイッチ制御回路40に代えて、撮像部10が次段のイメージセンサ1へのタイミング信号TSを生成し、端子TSoutから出力してもよい。
【0033】
以下、本実施形態に係るイメージセンサ1の動作について、イメージセンサ1が先頭チップとして動作する場合と、イメージセンサ1が非先頭チップとして動作する場合とに分けて説明する。
【0034】
先頭チップとして動作するイメージセンサ1は、同期信号SSのタイミングによって画像信号OSの出力を開始する。たとえば、予め半導体スイッチ31,32をいずれもオフ状態にしておき、同期信号SSのタイミングによって、スイッチ制御回路40が半導体スイッチ31,32のいずれかをオン状態に切り替える。この際、スイッチ制御回路40が半導体スイッチ31,32のいずれをオン状態にするかは、モード指示信号MISに基づいて決定される。
【0035】
画像信号OSの出力を開始してから所定の時間が経過した後、イメージセンサ1は、画像信号OSの出力を停止して、端子TSoutからタイミング信号TSを出力する。たとえば、所定の時間が経過した後、スイッチ制御回路40は、半導体スイッチ31,32のうちオン状態の半導体スイッチをオフ状態に切り替え、端子TSoutからタイミング信号TSを出力する。ここで、「所定の時間」は、たとえば、一画像分の画像信号OSの出力に要する時間であり、撮像部10の有するフォトダイオードの個数と、マスタークロックMCの周波数とから決定される。
【0036】
非先頭チップとして動作するイメージセンサ1は、前段のイメージセンサからタイミング信号TSを入力すると、画像信号OSの出力を開始する。所定の時間が経過した後、イメージセンサ1は、画像信号OSの出力を停止して、端子TSoutから次段のイメージセンサにタイミング信号TSを出力する。たとえば、所定の時間が経過した後、スイッチ制御回路40は、半導体スイッチ31,32のうちオン状態の半導体スイッチをオフ状態に切り替える。
【0037】
このように、撮像部10およびスイッチ制御回路40は、撮像部10の動作を制御する撮像制御信号を共有する。これにより、スイッチ制御回路40の動作を撮像部10の動作に同期させることができる。たとえば、撮像部10は、同期信号SSまたはタイミング信号TSのタイミングによって画像信号OSの出力を開始する。そして、スイッチ制御回路40は、同じタイミングで半導体スイッチ31,32のいずれかをオン状態に切り替えることができる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態に係るイメージセンサ1は、半導体チップ内に設けられたイメージセンサであって、イメージセンサモジュール100の出力モードを指示するモード指示信号MISに基づいて、撮像部10から出力された画像信号を複数の出力端子21,22のうちいずれの出力端子から出力するかを切り替える切替部30を備える。これにより、イメージセンサ1を複数備えたイメージセンサモジュール100において、イメージセンサ1の一つの出力端子が複数の出力チャネルに接続されないため、イメージセンサ1の外部に画像信号の伝送に使用されない配線(冗長配線)が発生しない。よって、イメージセンサモジュール100から出力される画像信号の劣化を抑制することができる。
【0039】
(イメージセンサの変形例)
図2を参照して、イメージセンサの変形例について説明する。図2は、変形例に係るイメージセンサ1の概略的構成を表す図である。本変形例と上述の実施形態との相違点の1つは、出力端子の数である。以下、実施形態との相違点を中心に説明する。
【0040】
本変形例に係るイメージセンサ1は、図2に示すように、N個の出力端子21,22,…,2N(Nは2以上の整数。以下同じ。)を備える。また、切替部30は、N個の半導体スイッチ31,32,…,3Nと、N個のアンプ51,52,…,5Nとを有する。
【0041】
半導体スイッチ31,32,…,3Nの一端(左端)は、それぞれ、アンプ51,52,…,5Nの出力に接続されている。半導体スイッチ31,32,…,3Nの他端(右端)は、それぞれ、出力端子21,22,…,2Nに接続されている。アンプ51,52,…,5Nの入力は、撮像部10の出力に並列に接続されている。
【0042】
スイッチ制御回路40は、モード指示信号MISに基づいて半導体スイッチ31,32,…,3Nのいずれかをオン状態にする。本変形例において、モード指示信号MISは、たとえば各出力モードにそれぞれ対応する複数の電位を有するデジタル信号である。あるいは、モード指示信号MISは、各出力モードにそれぞれ対応する複数のデジタル信号の組み合わせであってもよい。
【0043】
このように、半導体スイッチ31,32,…,3Nの各々について、一端は、撮像部10の出力に電気的に接続され、他端は、複数の出力端子21,22,…,2Nのうち対応付けられた出力端子に電気的に接続されている。これにより、イメージセンサ1は、モード指示信号MISに基づいて、撮像部10から出力された画像信号OSを出力端子21,22,…,2Nのうちいずれの出力端子から出力するかを切り替えることができる。
【0044】
以上説明したように、変形例に係るイメージセンサ1は、イメージセンサモジュール100の出力モードを指示するモード指示信号MISに基づいて、撮像部10から出力された画像信号を2以上の整数であるN個の出力端子21,22,…,2Nのうちいずれの出力端子から出力するかを切り替える切替部30を備える。これにより、イメージセンサ1を複数備えたイメージセンサモジュール100において、イメージセンサ1の外部に画像信号の伝送に使用されない配線(冗長配線)が発生せず、イメージセンサモジュール100から出力される画像信号の劣化を抑制することができる。
【0045】
<イメージセンサモジュール>
図3および図4を参照して、上述したイメージセンサ1を複数備えるイメージセンサモジュール100について説明する。図3は、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100の概略的構成を表す図である。図4は、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100にアナログフロントエンド60が接続された構成を表す図である。
【0046】
本実施形態に係るイメージセンサモジュール100は、複数のイメージセンサ1を備える。図3に示す例において、イメージセンサモジュール100は、6つのイメージセンサ1を備える(以下、6つのイメージセンサ1を、それぞれ、イメージセンサA、イメージセンサB、イメージセンサC、イメージセンサD、イメージセンサE、およびイメージセンサFともいう。)。本実施形態に係るイメージセンサモジュール100は、イメージセンサA~Fが一列に配置されることで、リニアイメージセンサモジュールを構成する。
【0047】
図3に示すように、イメージセンサA~Fは、出力端子として、それぞれ、出力端子21a~21f、および出力端子22a~22fを備える。出力端子21a~21f、および出力端子22a~22fは、画像信号OS-A~OS-Fを出力する。
【0048】
より詳しくは、イメージセンサAは、イメージセンサAの画像信号OS-Aを出力する出力端子21a,22aを備える。イメージセンサBは、イメージセンサBの画像信号OS-Bを出力する出力端子21b,22bを備える。イメージセンサCは、イメージセンサCの画像信号OS-Cを出力する出力端子21c,22cを備える。イメージセンサDは、イメージセンサDの画像信号OS-Dを出力する出力端子21d,22dを備える。イメージセンサEは、イメージセンサEの画像信号OS-Eを出力する出力端子21e,22eを備える。イメージセンサFは、イメージセンサFの画像信号OS-Fを出力する出力端子21f,22fを備える。
【0049】
また、イメージセンサA~Fは、第1のイメージセンサ群または第2のイメージセンサ群に属する。本実施形態では、イメージセンサA,B,Cは、第1のイメージセンサ群に属し、イメージセンサD,E,Fは、第2のイメージセンサ群に属する。
【0050】
図3に示すように、第1のイメージセンサ群に属するイメージセンサA,B,Cの出力端子21a,21b,21cと、第2のイメージセンサ群に属するイメージセンサD,E,Fの出力端子21d,21e,21fとは互いに接続され、出力チャネルCH1を構成する。
【0051】
また、図3に示すように、第1のイメージセンサ群に属するイメージセンサA,B,Cの出力端子22a,22b,22cは、互いに接続され、出力チャネルCH2を構成する。
【0052】
また、図3に示すように、第2のイメージセンサ群に属するイメージセンサD,E,Fの出力端子22d,22e,22fは、互いに接続され、出力チャネルCH3を構成する。
【0053】
図4に示すように、イメージセンサモジュール100の出力チャネルCH1,CH2,CH3は、アナログフロントエンド(AFE)60に接続されている。詳しくは、出力チャネルCH1,CH2はスイッチ70を介してアナログフロントエンド60に接続され、出力チャネルCH3はアナログフロントエンド60に直接接続されている。
【0054】
アナログフロントエンド60は、アナログ信号の画像信号OS-A~OS-Fをデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換回路(A/Dコンバータ)61,62を有する。本実施形態では、出力チャネルCH1および出力チャネルCH2はスイッチ70を介してA/Dコンバータ61に接続され、出力チャネルCH3はA/Dコンバータ62に接続される。
【0055】
スイッチ70は、モード指示信号MISによって制御され、A/Dコンバータ61と、出力チャネルCH1または出力チャネルCH2とを電気的に接続する。後述するように、本実施形態では、モード指示信号MISが高電位(High)の場合、スイッチ70は、A/Dコンバータ61と出力チャネルCH1を接続し、モード指示信号MISが低電位(Low)の場合、スイッチ70は、A/Dコンバータ61と出力チャネルCH2を接続する
【0056】
図4に示すように、本実施形態では、アナログフロントエンド60は、モード指示信号MIS、先頭チップ判別信号FCS、同期信号SS、およびマスタークロックMCをイメージセンサモジュール100に出力する。なお、図3に示すように、アナログフロントエンド60が出力した先頭チップ判別信号FCSは、イメージセンサDにのみ入力される。
【0057】
また、図3に示すように、イメージセンサA~Fには、モード指示信号MISが入力される。本実施形態では、モード指示信号MISは、高電位(High)または低電位(Low)のデジタル信号である。
【0058】
本実施形態では、モード指示信号MISが高電位(High)の場合、イメージセンサA~Fは、それぞれ、出力端子21a~21fから画像信号OS-A~OS-Fを出力する。すなわち、モード指示信号MISが高電位(High)の場合、イメージセンサAは出力端子21aから画像信号OS-Aを出力し、イメージセンサBは出力端子21bから画像信号OS-Bを出力し、イメージセンサCは出力端子21cから画像信号OS-Cを出力し、イメージセンサDは出力端子21dから画像信号OS-Dを出力し、イメージセンサEは出力端子21eから画像信号OS-Eを出力し、イメージセンサFは出力端子21fから画像信号OS-Fを出力する。
【0059】
また、モード指示信号MISが低電位(Low)の場合、イメージセンサA~Fは、それぞれ、出力端子22a~22fから画像信号OS-A~OS-Fを出力する。すなわち、モード指示信号MISが低電位(Low)の場合、イメージセンサAは出力端子22aから画像信号OS-Aを出力し、イメージセンサBは出力端子22bから画像信号OS-Bを出力し、イメージセンサCは出力端子22cから画像信号OS-Cを出力し、イメージセンサDは出力端子22dから画像信号OS-Dを出力し、イメージセンサEは出力端子22eから画像信号OS-Eを出力し、イメージセンサFは出力端子22fから画像信号OS-Fを出力する。
【0060】
また、図3に示すように、イメージセンサA~Fには、共通の同期信号SSおよびマスタークロックMCが入力される。
【0061】
先頭チップ判別信号FCSおよびタイミング信号TSは、各イメージセンサA~Fに異なる態様で入力される。以下、各イメージセンサA~Fそれぞれについて説明する。
【0062】
イメージセンサAには、図3に示すように、先頭チップ判別信号FCSとして、高電位(High)の先頭チップ判別信号FCS_Hが入力される。これにより、イメージセンサAは、先頭チップとして動作し、同期信号SSのタイミングに従って画像信号OS-Aを出力する。また、イメージセンサAには、タイミング信号TSが入力されない。本実施形態では、図3に示すように、イメージセンサAの端子TSinは開放端となっている。イメージセンサAは、端子TSoutからタイミング信号TSをイメージセンサBに出力する。
【0063】
イメージセンサBには、図3に示すように、先頭チップ判別信号FCSとして、低電位(Low)の先頭チップ判別信号FCS_Lが入力される。また、イメージセンサBには、端子TSinからイメージセンサAの出力したタイミング信号TSが入力される。これにより、イメージセンサBは、非先頭チップとして動作し、タイミング信号TSのタイミングに従って画像信号OS-Bを出力する。イメージセンサBは、端子TSoutからタイミング信号TSをイメージセンサCに出力する。
【0064】
イメージセンサCは、イメージセンサBと同様である。すなわち、イメージセンサCには、図3に示すように、先頭チップ判別信号FCSとして、低電位(Low)の先頭チップ判別信号FCS_Lが入力される。また、イメージセンサCには、端子TSinからイメージセンサBの出力したタイミング信号TSが入力される。これにより、イメージセンサCは、非先頭チップとして動作し、タイミング信号TSのタイミングに従って画像信号OS-Cを出力する。イメージセンサCは、端子TSoutからタイミング信号TSをイメージセンサDに出力する。
【0065】
イメージセンサDには、図3に示すように、イメージセンサモジュール100の外部から先頭チップ判別信号FCSが入力される。これは、イメージセンサDが出力モードによって先頭チップとして動作する場合と、非先頭チップとして動作する場合が存在するためである。すなわち、出力モードがシリアル出力モードである場合、イメージセンサDは非先頭チップとして動作し、出力モードがパラレル出力モードである場合、イメージセンサDは先頭チップとして動作する。また、イメージセンサDには、端子TSinからイメージセンサCの出力したタイミング信号TSが入力される。
【0066】
先頭チップとして動作する場合、イメージセンサDは、同期信号SSのタイミングに従って画像信号OS-Dを出力する。この場合、イメージセンサDは、タイミング信号TSを無視する。一方、非先頭チップとして動作する場合、イメージセンサDは、イメージセンサCから受信したタイミング信号TSに従って画像信号OS-Dを出力する。先頭チップとして動作する場合、および非先頭チップとして動作する場合のいずれの場合も、イメージセンサDは、端子TSoutからタイミング信号TSをイメージセンサEに出力する。
【0067】
イメージセンサEには、図3に示すように、先頭チップ判別信号FCSとして、低電位(Low)の先頭チップ判別信号FCS_Lが入力される。また、イメージセンサEには、端子TSinからイメージセンサDの出力したタイミング信号TSが入力される。これにより、イメージセンサEは、非先頭チップとして動作し、タイミング信号TSに従って画像信号OS-Eを出力する。イメージセンサEは、端子TSoutからタイミング信号TSをイメージセンサFに出力する。
【0068】
イメージセンサFには、図3に示すように、先頭チップ判別信号FCSとして、低電位(Low)の先頭チップ判別信号FCS_Lが入力される。また、イメージセンサFには、端子TSinからイメージセンサEの出力したタイミング信号TSが入力される。これにより、イメージセンサFは、非先頭チップとして動作し、タイミング信号TSに従って画像信号OS-Fを出力する。イメージセンサFは、端子TSoutからタイミング信号TSを出力するが、本実施形態では、イメージセンサFの端子TSoutが開放端となっているため、イメージセンサFの出力したタイミング信号TSは、いずれにも入力されない。
【0069】
なお、上述した高電位(High)の先頭チップ判別信号FCS_H、および低電位(Low)の先頭チップ判別信号FCS_Lは、各イメージセンサの内部信号であってもよいし、イメージセンサモジュール100の内部信号であってもよい。あるいは、イメージセンサモジュール100の外部から入力されてもよい。
【0070】
なお、図3に示すように、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100において、同期信号SSは、非先頭チップとして動作するイメージセンサB,C,E,Fにも入力されている。この場合、非先頭チップとして動作するイメージセンサB,C,E,Fは、同期信号SSを無視するように構成される。たとえば、スイッチ制御回路40は、先頭チップ判別信号FCSおよび同期信号SSを入力する論理ゲートを有する。当該論理ゲートは、先頭チップ判別信号FCSが低電位(Low)の場合、同期信号SSの電位にかかわらず低電位(Low)を出力する。非先頭チップとして動作するイメージセンサB,C,E,Fは当該論理ゲートの出力を同期信号として利用するように構成される。
【0071】
また、図3に示すように、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100において、タイミング信号TSは、先頭チップとして動作するイメージセンサDにも入力されている。この場合、先頭チップとして動作するイメージセンサDは、タイミング信号TSを無視するように構成される。たとえば、スイッチ制御回路40は、先頭チップ判別信号FCSおよびタイミング信号TSを入力する論理ゲートを有する。当該論理ゲートは、先頭チップ判別信号FCSが高電位(High)の場合、タイミング信号TSの電位にかかわらず低電位(Low)を出力する。先頭チップとして動作するイメージセンサDは当該論理ゲートの出力をタイミング信号として利用するように構成する。
【0072】
このように、先頭チップとして動作するイメージセンサDはタイミング信号TSを無視し、非先頭チップとして動作するイメージセンサB,C,E,Fは同期信号SSを無視するように構成される。これにより、イメージセンサA~Fとして同一のイメージセンサ1を用いることができ、イメージセンサモジュール100の設計コストを抑制することができる。
【0073】
次に、図5Aおよび図5Bを参照して、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100の動作について出力モードごとに説明する。本実施形態では、イメージセンサモジュール100の出力モードは、シリアル出力モードおよびパラレル出力モードのいずれかである。
【0074】
<シリアル出力モード>
図5Aは、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100のシリアル出力モードにおけるタイミングチャートである。モード指示信号MISがシリアル出力モードを指示する場合、イメージセンサモジュール100は、シリアル出力モードとなる。本実施形態では、シリアル出力モードにおいて、イメージセンサA,B,Cに入力されるモード指示信号MIS、およびイメージセンサD,E,Fに入力されるモード指示信号MISは、いずれも高電位(High)である。
【0075】
また、シリアル出力モードでは、イメージセンサDに入力される先頭チップ判別信号FCSは低電位(Low)である。そのため、イメージセンサDは先頭チップとして機能せず(すなわち、非先頭チップとして機能し)、タイミング信号TSのタイミングによって画像信号OS-Dの出力を開始する。
【0076】
また、イメージセンサA~Fに入力されるモード指示信号MISは、いずれも高電位(High)であるため、イメージセンサA~Fは、図3に示す出力端子21a~21fに画像信号OS-A~OS-Fを出力する。すなわち、画像信号OS-A~OS-Fは、出力チャネルCH1からシリアルに出力される。
【0077】
また、シリアル出力モードでは、図4に示すスイッチ70は、出力チャネルCH1とA/Dコンバータ61を接続する。これにより、出力チャネルCH1からシリアル出力された画像信号OS-A~OS-FはA/Dコンバータ61に入力される。なお、シリアル出力モードでは、A/Dコンバータ62は使用しないので停止してもよい。
【0078】
以下、シリアル出力モードにおける各イメージセンサの動作を説明する。
【0079】
まず、図5Aに示すように、先頭チップであるイメージセンサAは、同期信号SSを受信すると、出力端子21aから画像信号OS-Aの出力を開始する。イメージセンサAから出力された画像信号OS-Aは出力チャネルCH1から出力される。画像信号OS-Aを出力し終えると、イメージセンサAは、タイミング信号TSを次段のイメージセンサBに出力する。
【0080】
次に、非先頭チップであるイメージセンサBは、イメージセンサAからタイミング信号TSを受信すると、出力端子21bから画像信号OS-Bの出力を開始する。イメージセンサBから出力された画像信号OS-Bは出力チャネルCH1から出力される。画像信号OS-Bを出力し終えると、イメージセンサBは、タイミング信号TSを次段のイメージセンサCに出力する。
【0081】
次に、非先頭チップであるイメージセンサCは、イメージセンサBからタイミング信号TSを受信すると、出力端子21cから画像信号OS-Cの出力を開始する。イメージセンサCから出力された画像信号OS-Cは出力チャネルCH1から出力される。画像信号OS-Cを出力し終えると、イメージセンサCは、タイミング信号TSを次段のイメージセンサDに出力する。
【0082】
次に、非先頭チップであるイメージセンサDは、イメージセンサCからタイミング信号TSを受信すると、出力端子21dから画像信号OS-Dの出力を開始する。イメージセンサDから出力された画像信号OS-Dは出力チャネルCH1から出力される。画像信号OS-Dを出力し終えると、イメージセンサDは、タイミング信号TSを次段のイメージセンサEに出力する。
【0083】
次に、非先頭チップであるイメージセンサEは、イメージセンサDからタイミング信号TSを受信すると、出力端子21eから画像信号OS-Eの出力を開始する。イメージセンサEから出力された画像信号OS-Eは出力チャネルCH1から出力される。画像信号OS-Eを出力し終えると、イメージセンサEは、タイミング信号TSを次段のイメージセンサFに出力する。
【0084】
次に、非先頭チップであるイメージセンサFは、イメージセンサEからタイミング信号TSを受信すると、出力端子21fから画像信号OS-Fの出力を開始する。イメージセンサFから出力された画像信号OS-Fは出力チャネルCH1から出力される。その後、イメージセンサFは、画像信号OS-Fの出力を停止する。
【0085】
画像信号OS-Fの出力が完了すると、イメージセンサA~Fの半導体スイッチ31a~31fは、全てオフ状態になり、出力チャネルCH1はハイインピーダンス状態(Hi-Z)となる。
【0086】
その後、再び同期信号SSがイメージセンサAに入力され、上述した過程が繰り返される。
【0087】
なお、シリアル出力モードにおいて、出力チャネルCH2,CH3は、いずれもHi-Zである。
【0088】
このように、シリアル出力モードにおいて、イメージセンサモジュール100は、出力チャネルCH1から、第1のイメージセンサ群に属するイメージセンサA,B,Cの画像信号OS-A,OS-B,OS-Cと、第2のイメージセンサ群に属するイメージセンサD,E,Fの画像信号OS-D,OS-E,OS-Fとをシリアルに出力する。すなわち、イメージセンサモジュール100は、出力チャネルCH1からイメージセンサA,B,C,D,E,Fの画像信号OS-A,OS-B,OS-C,OS-D,OS-E,OS-Fを順に出力する。
【0089】
<パラレル出力モード>
図5Bは、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100のパラレル出力モードにおけるタイミングチャートである。モード指示信号MISがパラレル出力モードを指示する場合、イメージセンサモジュール100は、パラレル出力モードとなる。本実施形態では、パラレル出力モードにおいて、イメージセンサA,B,Cに入力されるモード指示信号MIS、およびイメージセンサD,E,Fに入力されるモード指示信号MISは、いずれも低電位(Low)である。
【0090】
また、パラレル出力モードでは、イメージセンサDに入力される先頭チップ判別信号FCSは高電位(High)である。すなわち、第2のイメージセンサ群の最上流に位置するイメージセンサDが先頭チップとして機能する。イメージセンサDは、同期信号SSを受信すると、画像信号OS-Dの出力を開始する。
【0091】
また、イメージセンサA~Fに入力されるモード指示信号MISは、いずれも低電位(Low)であるため、イメージセンサA~Fは、図3に示す出力端子22a~22fから画像信号OS-A~OS-Fを出力する。すなわち、画像信号OS-A~OS-Cは、出力チャネルCH2から出力され、画像信号OS-D~OS-Fは、出力チャネルCH3から出力される。
【0092】
また、パラレル出力モードでは、図4に示すスイッチ70は、出力チャネルCH2とA/Dコンバータ61とを接続し、出力チャネルCH1とA/Dコンバータ61は接続しない。
【0093】
以下、パラレル出力モードにおける各イメージセンサの動作を説明する。
【0094】
まず、図5Bに示すように、パルス状の同期信号SSがイメージセンサAおよびイメージセンサDに同時に入力される。先頭チップであるイメージセンサAは、同期信号SSを受信すると、出力端子22aから画像信号OS-Aの出力を開始する。イメージセンサAから出力された画像信号OS-Aは出力チャネルCH2から出力される。画像信号OS-Aを出力し終えると、イメージセンサAは、タイミング信号TSを次段のイメージセンサBに出力する。一方、先頭チップであるイメージセンサDは、同期信号SSを受信すると、出力端子22dから画像信号OS-Dの出力を開始する。イメージセンサDから出力された画像信号OS-Dは出力チャネルCH3から出力される。画像信号OS-Dを出力し終えると、イメージセンサDは、タイミング信号TSを次段のイメージセンサEに出力する。
【0095】
次に、非先頭チップであるイメージセンサBは、イメージセンサAからタイミング信号TSを受信すると、出力端子22bから画像信号OS-Bの出力を開始する。イメージセンサBから出力された画像信号OS-Bは出力チャネルCH2から出力される。画像信号OS-Bを出力し終えると、イメージセンサBは、タイミング信号TSを次段のイメージセンサCに出力する。一方、非先頭チップであるイメージセンサEは、イメージセンサDからタイミング信号TSを受信すると、出力端子22eから画像信号OS-Eの出力を開始する。イメージセンサEから出力された画像信号OS-Eは出力チャネルCH3から出力される。画像信号OS-Eを出力し終えると、イメージセンサEは、タイミング信号TSを次段のイメージセンサFに出力する。
【0096】
次に、非先頭チップであるイメージセンサCは、イメージセンサBからタイミング信号TSを受信すると、出力端子22cから画像信号OS-Cの出力を開始する。イメージセンサCから出力された画像信号OS-Cは出力チャネルCH2から出力される。その後、イメージセンサCは、画像信号OS-Cの出力を停止する。一方、非先頭チップであるイメージセンサFは、イメージセンサEからタイミング信号TSを受信すると、出力端子22fから画像信号OS-Fの出力を開始する。イメージセンサFから出力された画像信号OS-Fは出力チャネルCH3から出力される。その後、イメージセンサFは、画像信号OS-Fの出力を停止する。
【0097】
なお、イメージセンサCは、画像信号OS-Bの出力を停止した後、タイミング信号TSをイメージセンサDに出力するが、上述したように、イメージセンサDは、このタイミング信号TSを無視する。
【0098】
画像信号OS-Cの出力が完了すると、イメージセンサA~Cの半導体スイッチ32a~32cは全てオフ状態になり、出力チャネルCH2はHi-Zとなる。また、画像信号OS-Fの出力が完了すると、イメージセンサD~Fの半導体スイッチ32d~32fは全てオフ状態になり、出力チャネルCH3はHi-Zとなる。
【0099】
その後、同期信号SSがイメージセンサAおよびイメージセンサDに再び入力され、上述した過程が繰り返される。
【0100】
なお、パラレル出力モードにおいて、出力チャネルCH1は、Hi-Zである。
【0101】
このように、パラレル出力モードにおいて、イメージセンサモジュール100は、出力チャネルCH2および出力チャネルCH3から、それぞれ、第1のイメージセンサ群に属するイメージセンサA,B,Cの画像信号OS-A,OS-B,OS-Cと、第2のイメージセンサ群に属するイメージセンサD,E,Fの画像信号OS-D,OS-E,OS-Fとをパラレルに出力する。すなわち、イメージセンサモジュール100は、出力チャネルCH2からイメージセンサA,B,Cの画像信号OS-A,OS-B,OS-Cを順に出力し、並行して、出力チャネルCH3からイメージセンサD,E,Fの画像信号OS-D,OS-E,OS-Fを順に出力する。
【0102】
なお、図5Aおよび図5Bに示すように、パラレル出力モードでは、シリアル出力モードよりも高速に画像信号を出力することができる。
【0103】
以上説明したように、実施形態に係るイメージセンサモジュール100は、モード指示信号MISがシリアル出力モードを指示する場合、各イメージセンサA~Fの画像信号OS-A~OS-Fをシリアルに出力し、モード指示信号MISがパラレル出力モードを指示する場合、各イメージセンサA~Fのうち、少なくとも2つのイメージセンサの画像信号をパラレルに出力する。これにより、イメージセンサモジュール100は、モード指示信号MISに応じて、同時に出力する画像信号の数を変えることができる。
【0104】
また、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100によれば、各イメージセンサ1が画像信号OSを出力する出力端子を切り替えることができるため、イメージセンサモジュール100とアナログフロントエンド60との間に冗長な配線が存在しない。すなわち、いずれの出力モードにおいても、アナログフロントエンド60に接続される配線は、全て信号を伝送するために使用されている。すなわち、信号を伝送せず、端部が開放端またはHi-Zとなる配線が存在しない。これにより、画像信号OSの品質の劣化を抑制することができる。
【0105】
また、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100によれば、各イメージセンサごとにA/Dコンバータを設け、各A/Dコンバータから出力されたデジタル信号を処理することでイメージセンサモジュールが同時に出力する画像信号の数を変える方法と比較して、A/Dコンバータの数を少なくすることができ、別途のパラレル-シリアル変換を行う回路も不要である。さらに、シリアル出力モードでは、A/Dコンバータ62を停止することもできる。そのため、イメージセンサモジュール100を含むシステム全体の消費電力を小さくすることができる。
【0106】
なお、パラレル出力モードは、2つのイメージセンサの画像信号をパラレルに出力する場合に限られない。たとえば、パラレル出力モードにおいて、3つ以上のイメージセンサ1の出力をパラレルに出力してもよい。この場合、各イメージセンサ1は、3つ以上の出力端子を備えてもよい。また、シリアル出力モードは、イメージセンサモジュール100が備えるすべてのイメージセンサ1の画像信号をシリアル出力する場合に限られない。たとえば、シリアル出力モードにおいて、イメージセンサA~Cの画像信号のみ出力し、イメージセンサE~Fの画像信号を出力しないようにしてもよい。
【0107】
また、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100は、6つのイメージセンサ1を備えていたが、これに限られず、イメージセンサモジュール100は、任意の個数のイメージセンサ1を備えてもよい。
【0108】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態および実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態および実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態および実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0109】
1 イメージセンサ
10 撮像部
21,22,2N 出力端子
30 切替部
31,32,3N 半導体スイッチ
40 スイッチ制御回路
51,52,5N アンプ
60 アナログフロントエンド
61,62 A/Dコンバータ
70 スイッチ
100 イメージセンサモジュール
CH1,CH2,CH3 出力チャネル
FCS 先頭チップ判別信号
MC マスタークロック
MIS モード指示信号
OS 画像信号
SS 同期信号
TS タイミング信号
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B