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特開2024-130263データ生成装置およびデータ生成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130263
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】データ生成装置およびデータ生成方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240920BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20240920BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06F3/0482
G06N20/00 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039890
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】藤木 翼
(72)【発明者】
【氏名】安川 和希
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5E555AA22
5E555BA02
5E555BA87
5E555BB02
5E555BC17
5E555DB11
5E555DB22
5E555DB56
5E555DB57
5E555DC18
5E555DC35
5E555DD06
5E555FA00
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】動画解析モデルを作成するために必要な学習データの作成を効率的かつ正確に行う。
【解決手段】データ生成装置(1)は、生産作業が撮像された複数の動画データのそれぞれに対して作業内容情報を対応付けて表示する情報表示制御部(101)と、動画データを再生する再生表示制御部(102)と、動画データと作業内容情報との対応付けが確認済みである旨の指示入力を受け付ける入力受付部(103)と、動画データと作業内容情報との対応付けの情報を出力データとして出力するデータ出力制御部(104)と、を備える。情報表示制御部(101)は、指示入力を受け付けた動画データと作業内容情報との対応付けの表示を、指示入力を受け付けていない動画データと作業内容情報との対応付けの表示と異なる表示形式で表示する制御を行う。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産作業が撮像された複数の動画データのそれぞれに対して、作業内容情報を対応付けて表示する制御を行う情報表示制御部と、
前記動画データを再生表示する再生表示制御部と、
前記動画データと前記作業内容情報との対応付けが確認済みである旨の指示入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部によって入力が受け付けられた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの情報を出力データとして出力するデータ出力制御部と、を備え、
前記情報表示制御部は、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示を、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示と異なる表示形式で表示する制御を行う、データ生成装置。
【請求項2】
前記入力受付部は、さらに前記動画データに対応付けられている前記作業内容情報の入力および変更を受け付ける、請求項1記載のデータ生成装置。
【請求項3】
複数の前記動画データのそれぞれに対して、前記作業内容情報を対応付ける第1動画解析モデルによって出力された第1出力データを取得するデータ取得部をさらに備え、
前記情報表示制御部は、前記第1出力データに基づいて表示制御を行う、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項4】
前記情報表示制御部は、前記動画データを特定する情報と、対応付けられた前記作業内容情報とを、リスト形式で表示する制御を行うとともに、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示を、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示と異なる、背景色、文字色、およびフォント形式の少なくともいずれか1つの表示形式で表示する制御を行う、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項5】
前記情報表示制御部は、前記動画データが撮像された時間を示す時間領域に、該動画データに対応付けられた前記作業内容情報の種類に対応する色を表示するタイムチャート形式で表示する制御を行うとともに、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記時間領域の表示の色を、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない前記時間領域の表示の色とを異ならせて表示する制御を行う、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項6】
前記データ出力制御部は、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの情報のみを前記出力データとして出力する、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項7】
生産作業が撮像された複数の動画データのそれぞれに対して、作業内容情報を対応付けて表示する制御を行う情報表示制御ステップと、
前記動画データを再生表示する再生表示制御ステップと、
前記動画データと前記作業内容情報との対応付けが確認済みである旨の指示入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記入力受付ステップによって入力が受け付けられた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの情報を出力データとして出力するデータ出力制御ステップと、を有し、
前記情報表示制御ステップは、前記入力受付ステップによって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示を、前記入力受付ステップによって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示と異なる表示形式で表示する制御を行う、データ生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画解析モデルを作成するために必要な学習データを生成するデータ生成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場等の生産現場における作業工程の実施状況を動画として撮像し、動画データを解析することによって生産性および品質を向上させる取り組みが行われている。この動画データの解析において、昨今ではAI(Artificial Intelligence)を用いて動画解析モデルを作成し、自動的に作業内容を判断することが行われている。
【0003】
動画解析モデルを作成するためには、学習データ(教師データ)としての動画データを大量に用意する必要がある。この学習データを作成するために、各動画データに作業内容を対応付けるアノテーションという作業が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4221011号公報
【特許文献2】特開2019-159884号公報
【特許文献3】特開2004-363831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、学習データとしての大量の動画データに対してアノテーションを行う必要があるため、この作業にかかる時間が膨大となるという問題がある。また、作業内容の対応付けにミスがあると、学習データの正確性が低くなり、ひいては動画解析モデルの精度低下につながるという問題もある。
【0006】
本発明の一態様は、動画解析モデルを作成するために必要な学習データの作成を効率的かつ正確に行うことが可能なデータ生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一側面に係るデータ生成装置は、生産作業が撮像された複数の動画データのそれぞれに対して、作業内容情報を対応付けて表示する制御を行う情報表示制御部と、前記動画データを再生表示する再生表示制御部と、前記動画データと前記作業内容情報との対応付けが確認済みである旨の指示入力を受け付ける入力受付部と、前記入力受付部によって入力が受け付けられた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの情報を出力データとして出力するデータ出力制御部と、を備え、前記情報表示制御部は、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示を、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示と異なる表示形式で表示する制御を行う。
【0008】
上記の構成によれば、動画データと作業内容情報との対応付けが表示されるとともに、動画データと作業内容情報との対応付けが確認済みである旨の指示入力が可能となっている。よって、利用者は動画データを再生表示して内容を確認して、確認した動画データに関しては、確認済みの指示入力を行う。ここで、確認済みである旨の指示入力を受け付けた動画データと作業内容情報との対応付けの表示が、確認済みである旨の指示入力を受け付けていない動画データと作業内容情報との対応付けの表示と異なる表示形式で表示されるので、利用者は、どの動画データを確認したかを容易に確認することができる。よって、動画解析モデルを作成するために必要な学習データの作成を効率的かつ正確に行うことが可能となる。
【0009】
本発明の一側面に係るデータ生成装置においては、前記入力受付部は、さらに前記動画データに対応付けられている前記作業内容情報の入力および変更を受け付ける構成としてもよい。
【0010】
上記の構成によれば、作業内容情報の入力および変更が可能となっている。よって、利用者は動画データを再生表示して内容を確認して、作業内容情報を入力および変更することが可能となっている。
【0011】
本発明の一側面に係るデータ生成装置においては、複数の前記動画データのそれぞれに対して、前記作業内容情報を対応付ける第1動画解析モデルによって出力された第1出力データを取得するデータ取得部をさらに備え、前記情報表示制御部は、前記第1出力データに基づいて表示制御を行う構成であってもよい。
【0012】
上記の構成によれば、利用者は、第1動画解析モデルによって出力された動画データと作業内容情報との対応付けデータの適否を確認し、必要に応じて対応付けを修正するという作業によって、学習データを作成することができる。よって、学習データの生成をより効率的に実施することができる。
【0013】
本発明の一側面に係るデータ生成装置においては、前記情報表示制御部は、前記動画データを特定する情報と、対応付けられた前記作業内容情報とを、リスト形式で表示する制御を行うとともに、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示を、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示と異なる、背景色、文字色、およびフォント形式の少なくともいずれか1つの表示形式で表示する制御を行う構成であってもよい。
【0014】
上記の構成によれば、動画データを特定する情報と作業内容情報との対応付けがリスト形式で表示され、確認済みであるか否かが、背景色、文字色、およびフォント形式の少なくともいずれか1つの表示形式で異なった状態で表示される。よって、どの動画データを確認したかをより容易に確認することができる。
【0015】
本発明の一側面に係るデータ生成装置においては、前記情報表示制御部は、前記動画データが撮像された時間を示す時間領域に、該動画データに対応付けられた前記作業内容情報の種類に対応する色を表示するタイムチャート形式で表示する制御を行うとともに、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記時間領域の表示の色を、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない前記時間領域の表示の色とを異ならせて表示する制御を行う構成であってもよい。
【0016】
上記の構成によれば、動画データを特定する情報と作業内容情報との対応付けがタイムチャート形式で表示され、確認済みであるか否かが、時間領域の色が異なった状態で表示される。よって、どの動画データを確認したかをより容易に確認することができる。
【0017】
本発明の一側面に係るデータ生成装置においては、前記データ出力制御部は、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの情報のみを前記出力データとして出力する構成であってもよい。
【0018】
上記の構成によれば、利用者によって確認済みである動画データと作業内容情報との対応付けの情報のみが出力されるので、確認漏れのない正確な学習データを作成することができる。
【0019】
上記の課題を解決するために、本発明の一側面に係るデータ生成方法は、生産作業が撮像された複数の動画データのそれぞれに対して、作業内容情報を対応付けて表示する制御を行う情報表示制御ステップと、前記動画データを再生表示する再生表示制御ステップと、前記動画データと前記作業内容情報との対応付けが確認済みである旨の指示入力を受け付ける入力受付ステップと、前記入力受付ステップによって入力が受け付けられた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの情報を出力データとして出力するデータ出力制御ステップと、を有し、前記情報表示制御ステップは、前記入力受付ステップによって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示を、前記入力受付ステップによって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示と異なる表示形式で表示する制御を行う。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によれば、動画解析モデルを作成するために必要な学習データの作成を効率的かつ正確に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の実施形態に係るデータ生成装置が適用された一例のデータ収集システム50の構成を模式的に示す説明図である。
図2】AIモデル♯2を適応するまでの手順を示すフロー図である。
図3図2のフローをイメージで示す説明図である。
図4】データ生成装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
図5】データ生成装置の記憶部に記憶されているタスクリストテーブルの内容の一例を示す図である。
図6】データ生成装置の表示部に表示される、アノテーションデータ♯2を手動で修正するための画面表示の一例を示す図である。
図7】動画データの再生表示における再生表示形態を異ならせる他の例を示す図である。
図8】タイムチャート画像の一部を拡大して示す図である。
図9】表示形態の異なる別のタイムチャート画像の一部を拡大して示す図である。
図10】データ生成装置の記憶部に記憶されている再生速度テーブルの内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
【0023】
§1 適用例
〔データ生成装置を含むデータ収集システムの概要〕
まず、図1を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する、図1は、本開示の実施形態に係るデータ生成装置1が適用された一例のデータ収集システム50の構成を模式的に示す説明図である。データ収集システム50は、生産作業が撮像された動画データを収集し、収集した動画データから、動画解析モデルを用いて人が行っている人作業(人の動作)に関するデータ収集を実現するシステムである。
【0024】
図1に示すように、データ収集システム50は、データ生成装置1と、クラウドプラットフォーム2と、製造現場等の現場3に設置された撮像装置31および端末装置32と、を備えている。
【0025】
撮像装置31は、現場3において生産作業を撮像して、撮像した動画データをクラウドプラットフォーム2に送信する。撮像装置31は、例えば、Webカメラである。クラウドプラットフォーム2が備えるクラウドサーバ21において、動画解析AI(人工知能)による推定精度を高めるためには、撮像装置31を複数台設置し、同じ作業を異なる画角より撮像した動画データを送信するようにしてもよい。端末装置32は、クラウドプラットフォーム2より受信した動画解析AIによる解析結果を、表示するなどして現場3の管理者等に提示する。
【0026】
クラウドプラットフォーム2は、上述したクラウドサーバ21と、クラウドストレージ22と、を少なくとも備えている。クラウドストレージ22は、現場3から送信される生産作業を撮像した動画データを記憶する。クラウドサーバ21は、動画解析AIを有し、動画解析AIが動画解析モデルを用いて現場3から送信されてきた生産作業を撮像した動画データの動画解析を行う。クラウドサーバ21は、解析結果を現場3の端末装置32に送信する。
【0027】
これにより、現場3は、撮像装置31を設置して、生産作業を撮像し、撮像した動画データをクラウドプラットフォーム2に送信するだけで、生産作業における人作業に関するデータ収集を実現して、継続的に生産性及び品質の向上を実現することが可能になる。
【0028】
データ生成装置1は、クラウドサーバ21の動画解析AIが用いる動画解析モデルを作成するために必要な学習データの作成を行う。前述したように、動画解析モデルを作成するためには、学習データとしての動画データを大量に用意する必要がある。この学習データを作成するために、各動画データに作業内容を対応付けるアノテーションという作業が必要となる。
【0029】
データ生成装置1は、このアノテーションを、クラウドサーバ21の動画解析AIを用いて実施することで自動化しつつ、動画解析AIによる自動アノテーションの精度を上げることを可能にする装置である。動画解析AIは、アノテーションを行うための動画解析モデルを用いてアノテーションを実施する。
【0030】
以下、動画解析AIが、アノテーションを行うために用いる動画解析モデルを「AIモデル♯1」と称する。そして、「AIモデル♯1」を用いてアノテーションが行われた学習データを用いて動画解析AIが学習して作成し、現場3から送信される生産作業を撮像した動画データの解析に用いる動画解析モデルを、「AIモデル♯2」と称する。また、動画解析AIにてアノテーションを行うことを自動アノテーションと称する場合もある。
【0031】
§2 構成例
〔AIモデル♯2を現場に適応するまでの手順〕
図2および図3を用いて、現場3にAIモデル♯2を適応するまでの手順を説明する。図2は、AIモデル♯2を適応するまでの手順を示すフロー図である。図3は、図2のフローをイメージで示す説明図である。
【0032】
図2のP1:ユーザは、データ生成装置1を用いて、クラウドストレージ22より、一連の作業が例えば20サイクル繰り返されている動画(録画データ)を収集する(図3の1.参照)。一連の作業が撮像されている動画を20サイクル分収集して1ファイルの録画データとしてもよい。収集するサイクル数20に限定されるものではない。
【0033】
図2のP2:ユーザは、データ生成装置1を用いて、収集した20サイクルのうちの1サイクル分の動画に対して手動でアノテーションを行い、アノテーションデータ♯1を作成する(図3の2.参照)。
【0034】
具体的には、ユーザは、1サイクル分の動画を見ながら動画を人の作業ごとに分割する。例えば、動画の分割を指示する所定のボタンを押下し、押下した時点までを1つの作業の動作の終点とし、押下した時点を次の作業の動作の始点として動画を分割する。そして、ユーザは、分割した各動画それぞれに対して、それぞれの作業内容を示す情報であるタスク情報(作業内容情報)を付与する。
【0035】
図2のP3:ユーザは、データ生成装置1を用いて、アノテーションデータ♯1を学習データとして動画解析AIに学習(トレーニング)させ、AIモデル♯1を生成する(図3の3.参照)。
【0036】
図2のP4:ユーザは、データ生成装置1を用いて、動画解析AIにAIモデル♯1を用いて残りの19サイクル分の動画に対して自動アノテーションを行わせ、アノテーションデータ♯2を作成する(図3の4.参照)。
【0037】
図2のP5:ユーザは、データ生成装置1を用いて、P4にて自動アノテーションにて作成したアノテーションデータ♯2を手動で修正する(図3の4.参照)。
【0038】
図2のP6:ユーザは、データ生成装置1を用いて、P5にて修正したアノテーションデータ♯2と、P2にて手動で作成したアノテーションデータ♯1とを統合したアノテーションデータ♯3を作成する(図3の5.参照)。
【0039】
図2のP7:ユーザは、データ生成装置1を用いて、P6で作成したアノテーションデータ♯3を学習データとして動画解析AIに学習させ、AIモデル♯2を生成する(図3の6.参照)。
【0040】
図2のP8:ユーザは、データ生成装置1を用いて、P7で生成されたAIモデル♯2を現場3に適応する(図3の7.参照)。
【0041】
〔データ生成装置の構成〕
次に、データ生成装置1の構成を図4に基づいて説明する。図4は、データ生成装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、データ生成装置1は、各種データの入力を受け付ける入力部11と、各種の情報を表示する表示部12と、データ生成装置1が他の装置と通信するための通信部13と、を備えている。なお、入力部11は例えばタッチパネルであってもよく、この場合、当該タッチパネルが入力部11と表示部12を兼ねることになる。さらに、データ生成装置1は、データ生成装置1の各部を統括して制御する制御部10と、データ生成装置1が使用する各種データを記憶する記憶部14と、を備えている。
【0042】
制御部10には、情報表示制御部101、再生表示制御部102、入力受付部103、データ出力制御部104、およびデータ取得部105が含まれている。
【0043】
情報表示制御部101は、生産作業が撮像された複数の動画データのそれぞれに対して、タスク情報を対応付けて表示する制御を行う。ここで言う、「生産作業が撮像された複数の動画データ」とは、作業ごとに分割された動画の画像データである。以下、広義の動画データと特別するために、作業ごとに分割された動画の画像データである動画データ(狭義)を動画データDと称する。
【0044】
再生表示制御部102は、生産作業が撮像された複数の動画データDを再生表示する。
【0045】
入力受付部103は、動画データDとタスク情報との対応付けが確認済みである旨の指示入力を受け付ける。
【0046】
データ出力制御部104は、入力受付部103によって入力が受け付けられた動画データDとタスク情報との対応付けの情報を出力データとして出力する。ここで言う、「動画データDとタスク情報との対応付けの情報」が、アノテーションデータである。
【0047】
データ取得部105は、通信部13を介して各種のデータを取得する。
【0048】
以下、情報表示制御部101、再生表示制御部102、入力受付部103、データ出力制御部104、およびデータ取得部105について、詳細に説明する。
【0049】
<情報表示制御部>
情報表示制御部101は、入力受付部103によって入力が受け付けられた動画データDとタスク情報との対応付けの表示を、入力受付部103によって入力が受け付けられていない動画データDとタスク情報との対応付けの表示と異なる表示形式で表示する制御を行ってもよい。
【0050】
具体的には、例えば、情報表示制御部101は、動画データDを特定する情報と、対応付けられたタスク情報とを、リスト形式で表示する制御を行ってもよい(図6のリスト画像61を参照)。動画データDを特定する情報としては、例えば、当該動画データDの開始時間と終了時間とを用いてもよい。開始時間および終了時間は、1つのファイルを構成している録画データの先頭からの時間である。
【0051】
そして、その場合に、情報表示制御部101は、入力受付部103の後述する確認受付部1032によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた動画データDとタスク情報との対応付けの表示を、確認受付部1032によって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない動画データDとタスク情報との対応付けの表示と異なる、背景色、文字色、およびフォント形式の少なくともいずれか1つの表示形式で表示する制御を行ってもよい(図6のリスト画像61における、確認済リスト欄611A、未確認リスト欄611Bを参照)。
【0052】
あるいは、情報表示制御部101は、動画データDが撮像された時間を示す時間領域に、該動画データDに対応付けられたタスク情報の種類に対応する色を表示するタイムチャート形式で表示する制御を行ってもよい(図6のタイムチャート画像68を参照)。その場合に、情報表示制御部101は、入力受付部103の後述する確認受付部1032によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた時間領域の表示の色を、確認受付部1032によって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない時間領域の表示の色と異ならせて表示する制御を行ってもよい(図9のタイムチャート画像68’における、確認済時間領域68A、未確認時間領域68Bを参照)。
【0053】
情報表示制御部101は、リスト形式で表示する制御とタイムチャート形式で表示する制御との両方を行ってもよいし、リスト形式で表示する制御のみ、あるいはタイムチャート形式で表示する制御のみを行ってもよい。
【0054】
<再生表示制御部>
再生表示制御部102は、動画データDを再生表示するにおいて、再生表示している動画データDに対応付けられているタスク情報の種類に応じて、該動画データDの再生表示形態を変更してもよい。
【0055】
具体的には、例えば、再生表示制御部102は、動画データDを再生表示する再生領域の少なくとも一部、および、再生領域の周囲の少なくとも一部の領域の少なくとも一方に、対応付けられているタスク情報の種類を示す識別画像を表示してもよい(図6の識別画像65、図8の識別画像66A~66Cを参照)。
【0056】
また、この場合、再生表示制御部102は、識別画像として、再生領域の周囲を囲う枠画像を表示するとともに、該枠画像の色を対応付けられているタスク情報の種類に対応した色としてもよい(図6の枠画像66を参照)。
【0057】
さらに、再生表示制御部102は、動画データDの再生速度を、対応付けられているタスク情報の種類に応じて変更してもよい(図5のタスクリストテーブルを参照)。再生表示制御部102は、再生表示している動画データDに対応付けられているタスク情報の種類に応じて、再生速度を変更するのみでもよい。
【0058】
さらに、再生表示制御部102は、動画データDの再生表示の切り替わりのタイミングの所定時間前から所定時間後までの期間の少なくとも一部の期間において、再生速度を低下させるようにしてもよい(図10の再生速度テーブルを参照)。
【0059】
<入力受付部>
入力受付部103は、動画データDに対応付けられているタスク情報の入力および変更を受け付ける編集受付部1031と、動画データDとタスク情報との対応付けが確認済みである旨の指示入力を受け付ける確認受付部1032と、を備える。
【0060】
この場合、情報表示制御部101は、確認受付部1032によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた動画データDとタスク情報との対応付けの表示を、確認受付部1032によって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない動画データDとタスク情報との対応付けの表示と異なる表示形式で表示する制御を行う。
【0061】
確認受付部1032は、例えば、動画データDを特定する情報と対応付けられたタスク情報とがリスト形式で表示され後述するリスト画像61(図6参照)におけるチェック欄613に付いているチェック「レ」を外す操作がなされることで、確認済みである旨の指示入力を受け付けてもよい。また、確認受付部1032は、チェック欄613のチェック「レ」を外す操作がなされなくても、リスト画像61(図6参照)におけるタスク情報欄612に入力あるいは変更された場合に、確認済みである旨の指示入力を受け付けたと判断してもよい。つまり、確認受付部1032は、編集受付部1031で入力・変更が受け付けられたことによって確認済みであるとみなしてもよい。
【0062】
<データ出力制御部>
データ出力制御部104は、確認受付部1032によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた動画データDとタスク情報との対応付けの情報のみを出力データ(つまり、アノテーションデータ)として出力してもよい。ここで、データ出力制御部104は、読み込んでいる全ての動画データDが確認済みとならない限り、アノテーションデータを出力(保存)されないようにしてもよい。
【0063】
<データ取得部>
データ取得部105は、複数の動画データDのそれぞれに対して、タスク情報を対応付けるAIモデル♯1(第1動画解析モデル)によって出力されたアノテーションデータ♯2(第1出力データ)を取得してもよい。その場合に、情報表示制御部101は、アノテーションデータ♯2に基づいて表示制御を行ってもよい。
【0064】
〔データ生成装置の動作〕
データ生成装置1の動作(データ生成方法)の一例を、図5から図10を用いて説明する。ここでは、図5から図10を用いて、生産作業としてワークに成形加工を施す一連の作業が複数サイクル含まれた録画データ(ファイル)に対して、前述した図2のP5を実施している状態を説明する。
【0065】
図5は、記憶部14に記憶されているタスクリストテーブルの内容の一例を示す図である。図6は、データ生成装置1の表示部12に表示される、アノテーションデータ♯2を手動で修正するための画面表示の一例を示す図である。図7は、動画データDの再生表示における再生表示形態を異ならせる他の例を示す図である。図8は、タイムチャート画像68の一部を拡大して示す図である。図9は、表示形態の異なる別のタイムチャート画像68の一部を拡大して示す図である。図10は、記憶部14に記憶されている再生速度テーブルの内容の一例を示す図である。
【0066】
図5に示すように、タスク情報として、「仕掛り把持」、「ワークリセット」、「ワークセット」、「成形開始」、「外観作業」、「別作業中」、「異常動作」等が設定されている。分割した各動画データDのそれぞれに対し、何れか該当する項目が付けられている。そして、タスク情報毎に、色および再生速度が設定されている。タスク情報毎に設定されている色は、相互に異なり、色よりタスク情報を一意に特定し得るようになっている。例えば、「仕掛り把持」には、「第1の色」、「再生速度1倍」が設定されている。
【0067】
再生速度は、通常の再生速度に対する倍率で設定されていてもよい。図5の例では、相対的に動画データDの表示時間が長い「別作業中」「ワークリセット」「ワークセット」に対して、通常の再生速度よりも速くなる1倍よりも大きい速度が設定されている。動画データDの表示時間が短い「成形開始」に対して、通常の再生速度よりも遅くなる1倍よりも小さい速度が設定されている。表示時間が、相対的に長いものと短いものとの間に位置する動画データDには、通常の再生速度となる1倍が設定されている。
【0068】
図6に示すように、領域121に、読み込まれている録画データのファイル名が表示される。読み込まれている録画データには、自動アノテーションが行われており、アノテーションデータ♯2を含んでいる。
【0069】
領域122には、情報表示制御部101により、読み込まれている録画データのリスト画像61が表示される。リスト画像61は、動画データDを特定する情報と対応付けられたタスク情報とをリスト形式で表示したものである。リスト画像61において、横方向に延びるリスト欄611が、動画データDとタスク情報との対応付けの表示に相当する。開始時間および終了時間が動画データDを特定する情報であり、タスク情報欄612の内容がタスク情報である。なお、図6の例では、動画データDの表示時間の情報も表示されている。
【0070】
例えば、リスト画像61における、一番上のリスト欄611の、開始時間「00:00:13,913」,終了時間「00:00:16,113」で特定される、表示時間が「00:00:02,200」の動画データDのタスク情報は「仕掛り把持」である。
【0071】
そして、リスト画像61においては、確認受付部1032によって確認済みである旨の指示入力が受け付けられた確認済リスト欄611Aと、確認受付部1032によって確認済みである旨の指示入力が受けられていない未確認リスト欄611Bとでは、表示形式を異ならせている。
【0072】
図6の例では、リスト画像61にチェック欄613が設けられ、自動アノテーションで作成された動画データDのうちの未確認の動画データDの未確認リスト欄611Bのチェック欄613に、未確認であることを示すチェック「レ」が付けられている。このようなチェックは、自動アノテーションで作成された全ての動画データDに付けられている。
【0073】
そして、未確認リスト欄611Bの背景色は、チェックが外れている確認済リスト欄611Aの背景色と異ならせて表示される。前述したように、背景色の他、文字色、フォント形式を異ならせてもよい。
【0074】
確認受付部1032による確認済みである旨の指示入力は、例えば、チェック欄613のチェックをクリックすること行うことができる。未確認リスト欄611Bの動画データDに対応付けられているタスク情報が適切である場合、ユーザは、チェック欄613の、チェックを外す。これにより、背景色が、チェックが外れている確認済リスト欄611Aの背景色へと切り替わる。
【0075】
一方、未確認リスト欄611Bの動画データDに対応付けられているタスク情報が適切でない場合は、ユーザは、編集受付部1031を用いて、リスト画像61におけるタスク情報欄612のタスク情報を入力・変更する。これにより、チェック欄613のチェックが外れ、背景色が、チェックが外れている確認済リスト欄611Aの背景色へと切り替わる。
【0076】
ユーザは、このような動画データDと対応付けられているタスク情報とが適切か否かの確認を、動画データDの再生表示し、再生表示された動画62を視認することで行う。
【0077】
領域(再生領域)122に隣り合う領域(再生領域)123には、再生表示制御部102により、リスト画像61で選択した欄611の動画データDの動画62が表示される。図6の例では、リスト画像61における、選択したリスト欄611Cの、開始時間「00:00:22,512」,終了時間「00:00:39,412」で特定される、タスク情報「別作業中」の動画データDが再生表示されている。ユーザが、リスト画像61において、確認する動画データDの欄611を選択し、再生ボタンB1をクリックすることで動画62の再生表示が開始される。
【0078】
再生表示する動画62の再生表示形態は、動画データDに対応付けられているタスク情報の種類に応じて異なる。図6の例では、領域123の周囲の領域124に、タスク情報の種類に応じた識別画像65として、タスク情報に設定されている色の枠画像66を表示している。枠画像66は、領域123の周囲を囲うように表示される。再生表示されている動画データDに対応付けられているタスク情報は「別作業中」であるので、枠画像66の色は第6の色である。
【0079】
識別画像65は、前述したように、領域123の周囲の領域124の少なくとも一部に表示してもよいし、領域123の少なくとも一部に表示してもよいし、領域123と領域124の両方に表示してもよい。
【0080】
例えば、図7の符号701に示すように、領域123の4隅に再生表示に重畳させて、識別画像65Aを表示してもよい。また、図7の符号702に示すように、領域123における、左右に位置する画像が表示されない端部領域に、ライン状の識別画像65Bを表示してもよい。識別画像65A、および識別画像65Bの表示色は、タスク情報に設定されている色である。
【0081】
また、図7の符号701に示すように、再生表示されている動画の視認性を損なわない薄い色で、領域123にタスク情報のテキスト等からなる識別画像65Cを表示してもよい。その場合も、識別画像65Cの表示色をタスク情報に設定されている色としてもよい。
【0082】
再生表示している動画62の再生速度は、前述したように、動画データDに対応付けられているタスク情報の種類に応じて異ならせてもよい。図6の例では、再生表示されている動画データDに対応付けられているタスク情報は「別作業中」であるので、再生速度は2倍速である。
【0083】
また、領域123の上方の領域125には、再生表示されている動画62に対応付けられているタスク情報がテキスト画像63として表示されている。
【0084】
また、領域123の下方の領域126には、領域123に再生表示されている動画62の再生位置を示すスライドバー64が表示されている。スライドバー64を左右にスライドさせることで再生表示されている動画62を進めたり戻したりできる。
【0085】
そして、領域126の下方の領域127には、情報表示制御部101により、読み込まれている録画データのタイムチャート画像68が表示される。図8に示すように、タイムチャート画像68は、動画データDが撮像された時間を示す時間領域に、該動画データDに対応付けられたタスク情報の種類に対応する色を表示したものである。つまり、図6に示すように、タイムチャート画像68には、19サイクル分の録画データのタスク情報が色にて表示されている。
【0086】
また、図8に示すタイムチャート画像68に代えて、図9に示すタイムチャート画像68’を領域126に表示してもよい。図9に示すように、タイムチャート画像68’では、確認受付部1032による確認済みである旨の指示入力を受け付けた確認済時間領域68Aの表示の色と、確認済みである旨の指示入力を受け付けていない未確認時間領域68Bの表示の色とが異なっている。この場合、タスク情報に設定されている色を基準に、例えば、彩度あるいは明度を変化させて、確認済時間領域68Aと未確認時間領域68Bと色味を異ならせる。
【0087】
図6に示すように、タイムチャート画像68は、下辺位置に時間軸68cを含んでいてもよい。時間軸68c上のマーク68dを左右にスライドさせて、その停止位置にて、領域123に再生表示する動画データDを選択することができる。再生表示制御部102は、リスト画像61で欄611が選択された場合と同様に、マーク68bの停止位置に対応する時間の動画データDを再生表示する。
【0088】
ユーザは、リスト画像61における全てのリスト欄611が、チェックが外れた確認済リスト欄611Aとなると、保存ボタンB2をクリックして、手動にて修正が行われたアノテーションデータ♯2を保存する。ここで、データ出力制御部104は、リスト画像61における全てのリスト欄611が確認済リスト欄611Aとなるまで、保存ボタンB2をグレーアウト表示として、起動しない仕様としてもよい。
【0089】
あるいは、データ出力制御部104は、保存ボタンB2をクリックされた場合に、確認受付部1032によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた動画データDとタスク情報との対応付けの情報のみを出力データ(つまり、アノテーションデータ)として出力してもよい。
【0090】
また、前述したように、動画データDの再生表示の切り替わりのタイミングにおいて、再生速度を低下させる制御を行う場合は、記憶部14に、図10に示す再生速度テーブルを別途備えさせればよい。
【0091】
再生表示制御部102は、再生速度テーブルに基づいて、動画再生時の再生速度を設定する。図10の再生速度テーブルにおいては、再生表示を切り替える所定期間は、再生速度を通常の再生速度よりも遅くする例えば0.5倍が設定されている。また、表示時間tが所定値Tよりも長い動画データDには、再生速度を通常の再生速度よりも速くする例えば2倍が設定されている。表示時間tが所定値Tよりも短い動画データDには、再生速度を通常の再生速度よりも遅くする例えば0.5倍が設定されている。表示時間tがT1~T2の間に長さの動画データDには、通常の再生速度となる1倍が設定されている。
【0092】
なお、上記においては、ユーザがデータ生成装置1を、クラウドサーバ21の動画解析AIにて生成された19サイクル分のアノテーションデータ♯2を、手動にて修正する場合を説明した。しかしながら、手動にて修正するアノテーションデータは、動画解析AIにて生成されたものに限らず、精度の低いアノテーションが行われたアノテーションデータ等であってもよい。
【0093】
また、クラウドプラットフォーム2を含むデータ収集システム50としたが、クラウドプラットフォーム2を含まずデータ収集システムを構成してもよい。つまり、クラウドサーバ21に替えて、ローカルのクラウトサーバ(図示せず)が有する動画解析AIを用いてもよい。
【0094】
(効果)
上記の構成によれば、動画データDとタスク情報との対応付けが表示されるとともに、動画データと作業内容情報との対応付けが確認済みである旨の指示入力が可能となっている。よって、ユーザは動画データDを再生表示して内容を確認して、確認した動画データDに関しては、確認済みの指示入力を行う。ここで、確認済みである旨の指示入力を受け付けた動画データDとタスク情報との対応付けの表示が、確認済みである旨の指示入力を受け付けていない動画データDとタスク情報との対応付けの表示と異なる表示形式で表示されるので、ユーザは、どの動画データDを確認したかを容易に確認することができる。よって、AIモデル♯2を作成するために必要な学習データの作成を効率的かつ正確に行うことが可能となる。
【0095】
また、上記の構成によれば、作業内容情報の入力および変更が可能となっている。よって、ユーザは動画データを再生表示して内容を確認して、作業内容情報を入力および変更することができる。
【0096】
また、データ取得部105が、AIモデル♯1によって出力されたアノテーションデータ♯2(第1出力データ)を取得し、情報表示制御部101は、アノテーションデータ♯2に基づいて表示制御を行うこともできる。
【0097】
上記の構成によれば、ユーザは、AIモデル♯1によって出力された動画データDとタスク情報との対応付けデータの適否を確認し、必要に応じて対応付けを修正するという作業によって、学習データを作成することができる。よって、学習データの生成をより効率的に実施することができる。
【0098】
また、情報表示制御部101は、動画データDを特定する情報とタスク情報との対応付をリスト画像61として表示し、リスト画像61において、確認済リスト欄611Aと未確認リスト欄611Bとの表示形態を、背景色、文字色、およびフォント形式の少なくともいずれか1つを異ならせて表示することもできる。
【0099】
上記の構成によれば、動画データDを特定する情報とタスク情報との対応付けがリスト画像61としてリスト形式で表示され、確認済みであるか否かが、背景色、文字色、およびフォント形式の少なくともいずれか1つの表示形式で異なった状態で表示される。よって、どの動画データDを確認したかをより容易に確認することができる。
【0100】
また、情報表示制御部101は、動画データDを特定する情報とタスク情報との対応付をタスク情報の種類に対応する色を表示するタイムチャート画像68'で表示し、タイムチャート画像68'において、確認済時間領域68Aの表示の色を、未確認時間領域68Bの表示の色と異ならせて表示することもできる。
【0101】
上記の構成によれば、動画データDを特定する情報とタスク情報との対応付けがタイムチャート形式で表示され、確認済みであるか否かが、時間領域の色が異なった状態で表示される。よって、どの動画データDを確認したかをより容易に確認することができる。
【0102】
また、データ出力制御部104は、確認済みである旨の指示入力を受け付けた動画データDとタスク情報との対応付けの情報のみを出力データとして出力することもできる。
【0103】
上記の構成によれば、ユーザによって確認済みである動画データDとタスク情報との対応付けの情報のみが出力されるので、確認漏れのない正確な学習データを作成することができる。
【0104】
〔ソフトウェアによる実現例〕
データ生成装置1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部10に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0105】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0106】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0107】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0108】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るデータ生成装置は、生産作業が撮像された複数の動画データのそれぞれに対して、作業内容情報を対応付けて表示する制御を行う情報表示制御部と、前記動画データを再生表示する再生表示制御部と、前記動画データと前記作業内容情報との対応付けが確認済みである旨の指示入力を受け付ける入力受付部と、前記入力受付部によって入力が受け付けられた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの情報を出力データとして出力するデータ出力制御部と、を備え、前記情報表示制御部は、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示を、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示と異なる表示形式で表示する制御を行う。
【0109】
本発明の態様2に係るデータ生成装置は、前記態様1のデータ生成装置において、前記入力受付部は、さらに前記動画データに対応付けられている前記作業内容情報の入力および変更を受け付ける。
【0110】
本発明の態様3に係るデータ生成装置は、前記態様1又は2のデータ生成装置において、複数の前記動画データのそれぞれに対して、前記作業内容情報を対応付ける第1動画解析モデルによって出力された第1出力データを取得するデータ取得部をさらに備え、前記情報表示制御部は、前記第1出力データに基づいて表示制御を行う。
【0111】
本発明の態様4に係るデータ生成装置は、前記態様1から3のいずれかのデータ生成装置において、前記情報表示制御部は、前記動画データを特定する情報と、対応付けられた前記作業内容情報とを、リスト形式で表示する制御を行うとともに、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示を、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示と異なる、背景色、文字色、およびフォント形式の少なくともいずれか1つの表示形式で表示する制御を行う。
【0112】
本発明の態様5に係るデータ生成装置は、前記態様1から4のいずれかのデータ生成装置において、前記情報表示制御部は、前記動画データが撮像された時間を示す時間領域に、該動画データに対応付けられた前記作業内容情報の種類に対応する色を表示するタイムチャート形式で表示する制御を行うとともに、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記時間領域の表示の色を、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない前記時間領域の表示の色とを異ならせて表示する制御を行う。
【0113】
本発明の態様6に係るデータ生成装置は、前記態様1から5のいずれかのデータ生成装置において、前記データ出力制御部は、前記入力受付部によって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの情報のみを前記出力データとして出力する。
【0114】
本発明の態様7に係るデータ生成方法は、生産作業が撮像された複数の動画データのそれぞれに対して、作業内容情報を対応付けて表示する制御を行う情報表示制御ステップと、前記動画データを再生表示する再生表示制御ステップと、前記動画データと前記作業内容情報との対応付けが確認済みである旨の指示入力を受け付ける入力受付ステップと、前記入力受付ステップによって入力が受け付けられた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの情報を出力データとして出力するデータ出力制御ステップと、を有し、前記情報表示制御ステップは、前記入力受付ステップによって確認済みである旨の指示入力を受け付けた前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示を、前記入力受付ステップによって確認済みである旨の指示入力を受け付けていない前記動画データと前記作業内容情報との対応付けの表示と異なる表示形式で表示する制御を行う。
【0115】
<付記事項>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0116】
1 データ生成装置
2 クラウドプラットフォーム
10 制御部
11 入力部
12 表示部
14 記憶部
61 リスト画像
68、68’ タイムチャート画像
68A 確認済時間領域
68B 未確認時間領域
101 情報表示制御部
102 再生表示制御部
103 入力受付部
104 データ出力制御部
105 データ取得部
611、611C リスト欄
611A 確認済リスト欄
611B 未確認リスト欄
612 タスク情報欄
613 チェック欄
1031 編集受付部
1032 確認受付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10