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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130266
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240920BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G1/04 535
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039893
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】依田 智
(72)【発明者】
【氏名】白石 徹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 武人
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022EE02
3F022FF01
3F022HH13
3F022JJ09
3F022MM01
3F022MM02
3F022MM35
3F522AA02
3F522BB01
3F522BB24
3F522BB36
3F522CC05
3F522GG16
3F522GG24
3F522GG37
3F522GG44
3F522HH02
3F522HH03
3F522HH05
3F522JJ03
3F522LL03
3F522LL52
(57)【要約】
【課題】自動倉庫の小型化や低コスト化を図り易くすることが望まれる。
【解決手段】複数の収容部を備え、それぞれの収容部に物品が収容可能である収容棚と、入出庫装置と、を備えた自動倉庫を制御する制御システムであって、物品重量情報D1を取得する重量情報取得部と、収容棚に収容された全ての物品の合計の重量を示す実総重量A1を演算する実総重量演算部と、収容部1つあたりで支持する物品からの荷重の平均値を示す実平均荷重A2を演算する実平均荷重演算部と、入出庫装置を制御する入出庫制御部と、を備え、実平均荷重演算部は、入庫予定物品Wtが発生する毎に、予定平均荷重A5を演算し、入出庫制御部は、上限平均荷重以下に設定された平均荷重しきい値A6を用い、予定平均荷重A5が平均荷重しきい値A6以上となる場合には、入出庫装置における入庫予定物品Wtの入庫を禁止する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収容部を備え、それぞれの前記収容部に物品が収容可能である収容棚と、前記収容棚への前記物品の入庫と前記収容棚からの前記物品の出庫とを行う入出庫装置と、を備えた自動倉庫を制御する制御システムであって、
前記入出庫装置により入庫される前記物品の重量を示す物品重量情報を取得する重量情報取得部と、それぞれの前記物品重量情報に基づいて、前記収容棚に収容された全ての前記物品の合計の重量を示す実総重量を演算する実総重量演算部と、前記実総重量を前記収容棚が備える前記収容部の総数である収容可能総数で除算して、前記収容部1つあたりで支持する前記物品からの荷重の平均値を示す実平均荷重を演算する実平均荷重演算部と、前記入出庫装置を制御する入出庫制御部と、を備え、
前記収容棚の全体に収容可能な前記物品の総重量の上限を上限収容重量とし、前記上限収容重量を前記収容可能総数で除算した値を上限平均荷重とし、前記入出庫装置により新たに入庫されようとする前記物品を入庫予定物品として、
前記実平均荷重演算部は、前記入庫予定物品が発生する毎に、当該入庫予定物品を入庫した場合における前記実平均荷重である予定平均荷重を演算し、
前記入出庫制御部は、前記上限平均荷重以下に設定された平均荷重しきい値を用い、前記予定平均荷重が前記平均荷重しきい値以上となる場合には、前記入出庫装置における前記入庫予定物品の入庫を禁止する、制御システム。
【請求項2】
前記入出庫制御部は、前記入庫予定物品の入庫を禁止する場合、前記入出庫装置による前記入庫予定物品の入庫を停止させ、又は、前記入庫予定物品を前記入出庫装置により出庫させる、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記自動倉庫の管理者に対する通知を行う通知部を更に備え、
前記入出庫制御部は、前記平均荷重しきい値未満に設定された通知しきい値を用い、前記予定平均荷重が前記通知しきい値以上となる場合には、前記通知部による通知を行う、請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記自動倉庫の管理者に対する情報提示を行う情報提示部を更に備え、
前記物品には、重量が異なる複数種類が存在し、
予め設定された複数種類の前記物品の組み合わせを組合せ物品群として、前記組合せ物品群には、重量が異なる複数種類が存在し、
前記入出庫制御部は、前記平均荷重しきい値と前記実平均荷重との差に基づいて、前記物品の種類毎の前記収容棚に入庫可能な前記物品の数である種類毎入庫可能物品数、及び、前記組合せ物品群の種類毎の前記収容棚に入庫可能な前記組合せ物品群の数である入庫可能組合せ物品群数の少なくとも一方を演算し、その演算結果を前記情報提示部に提示する、請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項5】
前記自動倉庫の管理者に対する通知を行う通知部を更に備え、
前記重量情報取得部は、予め定められた期間である特定期間内に新たに入庫される予定の全ての前記物品の前記物品重量情報を取得し、
前記実平均荷重演算部は、前記特定期間内に新たに入庫される予定の全ての前記物品を入庫した場合における前記実平均荷重である特定期間後平均荷重を演算し、
前記入出庫制御部は、前記特定期間後平均荷重が前記平均荷重しきい値以上となる場合には、前記通知部による通知を行う、請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項6】
前記重量情報取得部は、前記特定期間内に出庫される予定の全ての前記物品の前記物品重量情報を取得し、
前記実平均荷重演算部は、前記特定期間後平均荷重として、前記特定期間内に新たに入庫される予定の全ての前記物品を入庫し、且つ、同じ前記特定期間内に出庫される予定の全ての前記物品を出庫した場合における前記実平均荷重を演算する、請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記自動倉庫の管理者に対する情報提示を行う情報提示部と、前記収容棚に入庫された全ての前記物品の出庫時期の予定を示す情報である出庫予定情報を取得する出庫予定情報取得部と、を更に備え、
前記入出庫制御部は、前記特定期間後平均荷重が前記平均荷重しきい値以上となる場合には、前記特定期間後平均荷重を前記平均荷重しきい値未満とするために出庫することが推奨される前記物品のリストを、前記出庫予定情報に基づいて前記出庫時期が近い前記物品を優先的に選択することにより作成し、作成した前記リストを前記情報提示部に提示する、請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記自動倉庫は、前記収容棚を複数備えると共に、これら複数の前記収容棚に共通の前記入出庫装置を備え、
前記実総重量演算部は、複数の前記収容棚のそれぞれについて前記実総重量を演算し、
前記実平均荷重演算部は、複数の前記収容棚のそれぞれについて前記実平均荷重及び前記予定平均荷重を演算し、
前記入出庫制御部は、複数の前記収容棚の中に、前記予定平均荷重が前記平均荷重しきい値以上となる前記収容棚である超過予定収容棚がある場合には、前記入出庫装置において、前記超過予定収容棚への前記入庫予定物品の入庫を禁止する、請求項1又は2に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の収容部を備え、それぞれの前記収容部に物品が収容可能である収容棚と、前記収容棚への前記物品の入庫と前記収容棚からの前記物品の出庫とを行う入出庫装置と、を備えた自動倉庫を制御する制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開平2-152803号公報(特許文献1)には、自動倉庫を制御する制御システムに関する技術が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1の自動倉庫は、物品(荷6)を収納する1組の収容棚(棚1)と、1組の収容棚の間に形成された通路(2)を移動するスタッカークレーン(出し入れ装置15)と、入出庫コンベヤ(入庫コンベヤ8、出庫コンベヤ9)と、重量測定装置(45)と、制御装置(29)と、を備えている。重量測定装置(45)は、出し入れ装置(15)に設けられている。制御装置(29)は、収容されている荷(6)の管理作業を行う場合には、重量測定装置(45)を用いて各収容部に保管された荷(6)の重量を測定する。そして、制御装置(29)は、当該重量から荷(6)に含まれる物品の個数等を演算し、演算結果と管理データとを比較する。これにより、各収容部に保管されている真の物品数を把握したり、管理データを修正したりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2-152803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザーによっては、自動倉庫における収容棚の耐荷重を超えて物品を収容するような使い方をする場合がある。そのような使い方がされると、収容棚の経年劣化が促進されたり、収容棚が破損したりする場合がある。そのような場合に備えて、一般的には、収容棚は、設定された耐荷重を超えて物品が収容されても耐えられるように余裕を持たせて設計されていることが多い。そのため、耐荷重を守って使用するユーザーにとっては、収容棚延いては自動倉庫全体の大型化や高コスト化につながっていた。
【0006】
そこで、自動倉庫の小型化や低コスト化を図り易くすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る制御システムは、複数の収容部を備え、それぞれの前記収容部に物品が収容可能である収容棚と、前記収容棚への前記物品の入庫と前記収容棚からの前記物品の出庫とを行う入出庫装置と、を備えた自動倉庫を制御する制御システムであって、
前記入出庫装置により入庫される前記物品の重量を示す物品重量情報を取得する重量情報取得部と、それぞれの前記物品重量情報に基づいて、前記収容棚に収容された全ての前記物品の合計の重量を示す実総重量を演算する実総重量演算部と、前記実総重量を前記収容棚が備える前記収容部の総数である収容可能総数で除算して、前記収容部1つあたりで支持する前記物品からの荷重の平均値を示す実平均荷重を演算する実平均荷重演算部と、前記入出庫装置を制御する入出庫制御部と、を備え、
前記収容棚の全体に収容可能な前記物品の総重量の上限を上限収容重量とし、前記上限収容重量を前記収容可能総数で除算した値を上限平均荷重とし、前記入出庫装置により新たに入庫されようとする前記物品を入庫予定物品として、
前記実平均荷重演算部は、前記入庫予定物品が発生する毎に、当該入庫予定物品を入庫した場合における前記実平均荷重である予定平均荷重を演算し、
前記入出庫制御部は、前記上限平均荷重以下に設定された平均荷重しきい値を用い、前記予定平均荷重が前記平均荷重しきい値以上となる場合には、前記入出庫装置における前記入庫予定物品の入庫を禁止する。
【0008】
本構成によれば、予定平均荷重が平均荷重しきい値以上となる場合には、物品が収容棚に入庫されることが禁止される。従って、収容棚を効率的に使用できると共に、収容棚の経年劣化を少なく抑えることができる。
また、本構成によれば、収容部1つあたりで支持する物品からの荷重の平均値を示す実平均荷重を演算すると共に、入庫予定物品が発生する毎に、当該入庫予定物品を入庫した場合における実平均荷重である予定平均荷重を演算し、当該予定平均荷重が平均荷重しきい値以上となるか否かに応じて入庫予定物品の入庫を禁止するか否かを判定する。そのため、実際に収容棚に収容されている物品の実総重量から演算された実平均荷重が平均荷重しきい値を超えることがない。従って、収容棚の上限収容重量を超えて物品が収容されることを回避できると共に、収容棚に収容する必要のある物品の重量に対して余裕が少なくなるように収容棚を設計することが可能となる。
このように、本構成によれば、収容棚に対する物品の収容効率を高めつつ、自動倉庫の小型化や低コスト化を図り易くすることが可能となる。
【0009】
制御システムのさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】自動倉庫の斜視図
図2】制御ブロック図
図3】制御システムの一例を示すフローチャート
図4】制御システムの一例を示すフローチャート
図5】制御システムの一例を示すフローチャート
図6】同種類物品群の保管リストの一例を示す図
図7】組合せ物品群の保管リストの一例を示す図
図8】出庫予定情報の一例を示す図
図9】出庫推奨物品のリストの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
自動倉庫の実施形態について、図面を参照して説明する。図1に示すように、自動倉庫1は、複数の収容部20を備え、それぞれの収容部20に物品Wが収容可能である収容棚2と、収容棚2への物品Wの入庫と収容棚2からの物品Wの出庫とを行う入出庫装置3と、を備えている。本実施形態では、自動倉庫1は、制御装置10(図2参照)を更に備えている。
【0012】
本実施形態では、図1に示すように、自動倉庫1は、収容棚2を複数備えると共に、これら複数の収容棚2に共通の入出庫装置3を備えている。そして、共通の入出庫装置3により、複数の収容棚2に対して物品Wの入庫及び出庫が行われる。本例では、複数の収容棚2(ここでは、1組の収容棚2)は、入出庫装置3を挟んで向かい合うように配置されている。水平方向に沿う特定の方向を特定水平方向として、複数の収容棚2のそれぞれには、上下方向及び特定水平方向に複数の収容部20が並ぶように配置されている。特定水平方向は、後述する走行経路5が延びる方向であり、入出庫装置3が備える後述する搬送装置31は、特定水平方向に沿って走行して物品Wを搬送する。
【0013】
本実施形態では、図1に示すように、入出庫装置3は、搬送装置31と、入出庫コンベヤ32とを備えている。搬送装置31は、入出庫コンベヤ32と収容棚2との間で物品Wの搬送を行う。本例では、搬送装置31は、スタッカークレーンである。そして、搬送装置31の走行経路5を挟んで1組の収容棚2が分かれて配置されており、搬送装置31は、各収容棚2に対して物品Wの受け渡しを行う。また、入出庫コンベヤ32は、入庫コンベヤ32aと出庫コンベヤ32bとを含んでいる。そして、搬送装置31は、入庫コンベヤ32aから入庫すべき物品Wを受け取って、搬送先の収容部20に引き渡す。また、搬送装置31は、収容部20から出庫すべき物品Wを受け取って、搬送先の出庫コンベヤ32bに引き渡す。なお、入出庫装置3は、搬送装置31としてスタッカークレーンとは異なる構成の物品搬送車を備える構成としても良い。その場合、例えば、上下方向に並ぶ複数段の収容部20のそれぞれに対応するように、物品搬送車が走行可能な複数の走行経路5を配置すると好適である。
【0014】
図6及び図7に示すように、物品Wには、重量が異なる複数種類が存在する。また、予め設定された複数種類の物品Wの組み合わせを組合せ物品群Wsとして、組合せ物品群Wsには、重量が異なる複数種類が存在する。本例では、組合せ物品群Ws(図7)や、同じ種類の複数の物品Wからなる同種類物品群Wk(図6)が、収容部20に保管される。図1の例では、このような物品Wは、パレット(不図示)に載置された状態で収容部20に保管される。また、物品Wはパレットに載置された状態で、入出庫装置3により、収容棚2に対して入庫及び出庫が行われる。なお、1つの物品Wが1つのパレットに載置された状態で、収容部20に保管されてもよい。因みに、本例ではパレットを使用する構成を例示しているが、パレットを使用しない構成としてもよい。また、物品Wは、容器と容器の内部に収容された収容物との組合せ等であってもよい。図6の一例は、収容棚2に既に収容されている同種類物品群Wkの保管リストを示している。この保管リストの上から2行目では、品名コード「A」の物品Wが、パレットID「1」として登録されているパレットに10個載せられた状態で保管されていることが示されている。また、この物品Wの1つ当たりの重量が「6kg」であることも示されている。また、図7の一例は、収容棚2に既に収容されている組合せ物品群Wsの保管リストを示している。この保管リストの上から2行目では、パレットID「1」のパレットに、品名コード「A」、「B」及び「C」の物品Wがそれぞれ2つずつ載せられた状態で保管されていることが示されている。また、品名コード「A」の物品Wの1つ当たりの重量は「6kg」であり、品名コード「B」の物品Wの1つ当たりの重量は「4kg」であり、品名コード「C」の物品Wの1つ当たりの重量は「2kg」であること、及びこのパレットには合計で「24kg」の物品Wが載せられていることも示されている。
【0015】
図2に示すように、上記のような自動倉庫1を制御する制御システム100は、自動倉庫1が備える制御装置10と、当該制御装置10と通信可能に構成される上位の制御装置(以下、上位コントローラCと称する。)とを備えている。制御装置10は、後述する物品重量情報D1と出庫予定情報D2とを上位コントローラCから取得する。
【0016】
制御装置10は、CPU等の演算処理装置を備えると共にメモリ等の周辺回路を備え、これらのハードウェアと、演算処理装置等のハードウェア上で実行されるプログラムとの協働により、制御装置10の各機能が実現される。制御装置10は、1つのハードウェアではなく、互いに通信可能な複数のハードウェア(複数の分離したハードウェア)の集合によって構成されてもよい。
【0017】
図2に示すように、制御システム100は、入出庫装置3により入庫される物品Wの重量を示す物品重量情報D1を取得する重量情報取得部81と、それぞれの物品重量情報D1に基づいて、収容棚2に収容された全ての物品Wの合計の重量を示す実総重量A1を演算する実総重量演算部82と、実総重量A1を収容棚2が備える収容部20の総数である収容可能総数で除算して、収容部20が1つあたりで支持する物品Wからの荷重の平均値を示す実平均荷重A2を演算する実平均荷重演算部83と、入出庫装置3を制御する入出庫制御部80と、を備えている。本実施形態では、制御装置10が、重量情報取得部81と実総重量演算部82と実平均荷重演算部83と入出庫制御部80と、を備えている(図2参照)。
【0018】
本実施形態では、図1に示すように、入出庫制御部80は、入庫コンベヤ32aと出庫コンベヤ32bと搬送装置31とを制御する。図示の例では、入出庫制御部80は、入庫コンベヤ32aと出庫コンベヤ32bと、搬送装置31としてのスタッカークレーンを制御する。
【0019】
以下では、収容棚2の全体に収容可能な物品Wの総重量の上限を上限収容重量とし、上限収容重量を収容可能総数で除算した値を上限平均荷重とし、入出庫装置3により新たに入庫されようとする物品Wを入庫予定物品Wtとして説明する。なお、本実施形態では、複数の収容棚2のそれぞれに対して上限収容重量が設定されており、これにより各収容棚2の上限平均荷重も予め設定されている。
【0020】
本例では、重量情報取得部81は、入庫対象となる組合せ物品群Ws及び同種類物品群Wkのいずれかの物品重量情報D1を取得する。より具体的には、重量情報取得部81は、入庫コンベヤ32aに載置された組合せ物品群Ws及び同種類物品群Wkのいずれかの物品重量情報D1を取得する。収容棚2に入庫される物品Wの物品重量情報D1は、予め上位コントローラCに記憶されている。なお、本例では、上位コントローラCから取得した物品重量情報D1に基づいて各演算が行われるが、例えば、入出庫装置3に重量計測装置が設けられており、制御装置10が物品Wの重量を入庫する毎に計測し、計測結果に基づいて各演算を行うようにすることもできる。
【0021】
本実施形態では、図3に示すように、実総重量演算部82は、複数の収容棚2のそれぞれについて実総重量A1を演算する。本例では、実総重量演算部82は、各収容棚2に収容された全ての物品W(ここでは、組合せ物品群Ws及び同種類物品群Wkを含む)の実総重量A1をそれぞれ演算する。実総重量演算部82は、各収容棚2に収容されている全ての物品Wの物品重量情報D1から、各収容棚2の実総重量A1を演算する。図示の例では、実総重量演算部82は、1組の収容棚2のそれぞれの実総重量A1を演算する。
【0022】
本実施形態では、実平均荷重演算部83は、複数の収容棚2のそれぞれについて実平均荷重A2を算出する。より具体的には、実平均荷重演算部83は、1組の収容棚2のそれぞれについて、実総重量A1を収容可能総数で除算して、実平均荷重A2を演算する。また、実平均荷重演算部83は、入庫予定物品Wtが発生する毎に、当該入庫予定物品Wtを入庫した場合における実平均荷重A2である予定平均荷重A5を演算する。本実施形態では、実平均荷重演算部83は、複数の収容棚2のうち、当該入庫予定物品Wt(ここでは、入庫予定である、組合せ物品群Ws及び同種類物品群Wkを含む)を入庫するために割り付けられた収容棚2の予定平均荷重A5を演算する。このように、本実施形態では、実平均荷重演算部83は、複数の収容棚2のそれぞれについて実平均荷重A2及び予定平均荷重A5を演算する。
【0023】
入出庫制御部80は、上限平均荷重以下に設定された平均荷重しきい値A6を用い、予定平均荷重A5が平均荷重しきい値A6以上となる場合には、入出庫装置3における入庫予定物品Wtの入庫を禁止する。本実施形態では、平均荷重しきい値A6は、上限平均荷重と同じになるように設定されている。また、複数の収容棚2のそれぞれに対して、上限平均荷重及び平均荷重しきい値A6が同じになるように設定されている。入出庫制御部80は、複数の収容棚2の中に、予定平均荷重A5が平均荷重しきい値A6以上となる収容棚2である超過予定収容棚12がある場合には、入出庫装置3において、超過予定収容棚12への入庫予定物品Wtの入庫を禁止する。この場合、入出庫制御部80は、次のように入出庫装置3を制御する。入出庫制御部80は、入庫予定物品Wtの入庫を禁止する場合、入出庫装置3による入庫予定物品Wtの入庫を停止させ、又は、入庫予定物品Wtを入出庫装置3により出庫させる。本例では、図1及び図3に示すように、入出庫制御部80は、超過予定収容棚12への入庫を禁止する場合、入庫予定物品Wtを入出庫装置3により出庫させる。具体的には、入出庫制御部80は、入庫コンベヤ32aに載置された入庫予定物品Wtを、出庫コンベヤ32bに移載するように搬送装置31を制御する。なお、この制御システム100では、平均荷重しきい値A6を、上限平均荷重未満に設定することも可能である。例えば、平均荷重しきい値A6を、予め設定されている上限平均荷重の0.9倍に設定すると好適であるが、上限平均荷重未満であれば、0.9倍以外の倍率に設定されていてもよい。
【0024】
また、本実施形態では、制御システム100は、自動倉庫1の管理者に対する通知を行う通知部84を更に備えている。そして、入出庫制御部80は、通知部84を制御して通知部84による通知を行う。具体的には、入出庫制御部80は、平均荷重しきい値A6未満に設定された通知しきい値A8を用い、予定平均荷重A5が通知しきい値A8以上となる場合には、通知部84による通知を行う。本例では、入庫予定物品Wtに対して割り付けられた収容棚2に対する予定平均荷重A5が通知しきい値A8以上となる場合に、通知部84による通知を行う。通知部84は、自動倉庫1の管理端末(コンピュータ)のモニタであり、当該モニタに通知内容が表示される。なお、通知部84としては、表示灯やブザー等とすることもできる。また、例えば、通知しきい値A8は、平均荷重しきい値A6の0.9倍であると好適であるが、平均荷重しきい値A6未満であれば、0.9倍以外の倍率に設定されていてもよい。
【0025】
また、制御システム100は、自動倉庫1の管理者に対する情報提示を行う情報提示部85を更に備えている。そして、入出庫制御部80は、情報提示部85を制御して情報提示部85による情報提示を行う。情報提示部85は、自動倉庫1の管理端末(コンピュータ)のモニタである。すなわち、本例では、情報提示部85は、通知部84と同じ管理端末のモニタである。なお、情報提示部85は、通知部84とは異なる管理端末のモニタであってもよく、例えば、音声情報を出力するスピーカー等とすることもできる。
【0026】
図4に示すように、入出庫制御部80は、平均荷重しきい値A6と実平均荷重A2との差に基づいて、物品Wの種類毎の収容棚2に入庫可能な物品Wの数である種類毎入庫可能物品数M2、及び、組合せ物品群Wsの種類毎の収容棚2に入庫可能な組合せ物品群Wsの数である入庫可能組合せ物品群数M1の少なくとも一方を演算し、その演算結果を情報提示部85に提示する。本例では、入出庫制御部80は、複数の収容棚2のそれぞれについて、種類毎入庫可能物品数M2及び入庫可能組合せ物品群数M1の双方を演算し、その演算結果を情報提示部85に提示する。これにより、自動倉庫1の管理者が、あとどれだけの物品Wを各収容棚2に収容できるかを容易に知ることができる。なお、平均荷重しきい値A6と実平均荷重A2との差ΔTを、対象となる収容棚2の収容可能総数で乗算した総荷重余裕値に基づいて、種類毎入庫可能物品数M2及び入庫可能組合せ物品群数M1が演算される。
【0027】
図2及び図5に示すように、重量情報取得部81は、予め定められた期間である特定期間内に新たに入庫される予定の全ての物品Wの物品重量情報D1を取得する。本例では、制御システム100は、様々な特定期間を設定することができる。例えば、制御システム100は、特定期間を、時間単位や、日単位、週単位、或いは月単位等に適宜変更することができる。また、制御システム100は、複数の収容棚2(ここでは1組の収容棚2)のそれぞれに対して、異なる特定期間を設定することもできる。ここで、重量情報取得部81は、複数の収容棚2のそれぞれにおける特定期間内に新たに入庫される予定の全ての物品Wの物品重量情報D1を取得する。また、重量情報取得部81は、特定期間内に出庫される予定の全ての物品Wの物品重量情報D1を取得する。重量情報取得部81は、複数の収容棚2のそれぞれにおける特定期間内に出庫される予定の全ての物品Wの物品重量情報D1を規定の時期で取得する。例えば特定期間を1週間に設定した場合、重量情報取得部81は、月曜日の午前7時に、上位コントローラCから、各収容棚2における1週間内に入庫及び出庫される予定の全ての物品Wの物品重量情報D1を取得するよう設定可能である。このように、特定期間内の物品重量情報D1を取得する時期は、適宜変更可能である。
【0028】
そして、実平均荷重演算部83は、特定期間内に新たに入庫される予定の全ての物品Wを入庫した場合における実平均荷重A2である特定期間後平均荷重A7を演算する(CL5)。より具体的には、実平均荷重演算部83は、特定期間後平均荷重A7として、特定期間内に新たに入庫される予定の全ての物品Wを入庫し、且つ、同じ特定期間内に出庫される予定の全ての物品Wを出庫した場合における実平均荷重A2を演算する。本例では、実平均荷重演算部83は、複数の収容棚2のそれぞれの特定期間後平均荷重A7を演算する。具体的には、実総重量演算部82は、各収容棚2における特定期間内に入庫及び出庫される予定の全ての物品Wの物品重量情報D1に基づいて、特定期間の経過後の実総重量A1を演算する。そして、実平均荷重演算部83は、各収容棚2について、特定期間の経過後の実総重量A1を収容可能総数で除算することで、特定期間後平均荷重A7を算出する。
【0029】
そして、入出庫制御部80は、特定期間後平均荷重A7が平均荷重しきい値A6以上となる場合には、通知部84による通知を行う。本例では、自動倉庫1の全ての収容棚2について、特定期間後平均荷重A7が平均荷重しきい値A6以上となる場合には、通知部84による通知が行われるように設定できる。また、複数の収容棚2のうちの一部の収容棚2について、上記のような通知が行われるように設定することもできる。そして、例えば、特定期間を1週間に設定した場合、月曜日の午前7時にこのような通知が行われるように設定可能である。このように、通知部84による通知の時期は、適宜変更可能である。
【0030】
本実施形態では、図2に示すように、制御システム100は、収容棚2に入庫された全ての物品Wの出庫時期の予定を示す情報である出庫予定情報D2を取得する出庫予定情報取得部86を更に備えている。本例では、制御装置10が、出庫予定情報取得部86を備えている。そして、図5図8及び図9に示すように、入出庫制御部80は、特定期間後平均荷重A7が平均荷重しきい値A6以上となる場合には、特定期間後平均荷重A7を平均荷重しきい値A6未満とするために出庫することが推奨される物品WのリストLを、出庫予定情報D2に基づいて出庫時期が近い物品Wを優先的に選択することにより作成し、作成したリストLを情報提示部85に提示する。本例では、入出庫制御部80は、複数の収容棚2のうちの、特定期間後平均荷重A7が平均荷重しきい値A6以上となる収容棚2について、上記リストLを作成し、情報提示部85に提示する。図8の例は、出庫予定情報取得部86が取得する出庫予定情報D2を示している。この一例では、出庫予定情報D2は、収容棚2から出庫されるパレットごとの同種類物品群Wkの出庫リストRを含んでおり、この出庫リストRは、出庫予定の早い物品Wの順に並べて作成されている。この出庫リストRの上から2行目の例では、パレットID「1」として登録されているパレットに、品名コード「B」の物品W(1つ当たりの重量は「4kg」である)が5つ載せられた状態で保管されており、このパレットが○月△日に出庫される予定であることを示している。また、このような出庫リストRは、物品Wが組合せ物品群Wsの場合でも同じ様に作成される。そして、入出庫制御部80は、上記出庫リストRに基づいて、上記リストLを作成する。なお、出庫予定情報D2に含まれる出庫時期は、図8のように各パレットの出庫スケジュールが予め決められている場合は、そのスケジュールの情報に基づいて設定されると好適である。また、出庫時期は、消費期限や賞味期限等がある物品Wについては、そのような期限に関する情報に基づいて設定されていてもよい。その場合、出庫時期を、当該期限の一定期間前(例えば数か月前)までに出庫するように設定することもできる。
【0031】
図9は、リストLの一例を示している。このリストLでは、特定期間後の実総重量A1が、平均荷重しきい値A6に収容可能総数を乗算した総荷重しきい値より200kg大きくなる(すなわち、200kg超過する)ことが記載されている。そして、出庫時期が近い物品Wが、優先的にリストLに含まれるようになっている。ここでは、出庫時期が近い物品Wのリストとして、○月△日に出庫予定の物品WがリストLに含まれている。リストLの上から3行目の例では、パレットID「5」のパレットに品名コード「A」の物品W(1つ当たりの重量は「6kg」である)が5つ載せられた状態で保管されていることが示されている。そして、このパレットのみの重量は「25kg」であり、物品Wの合計の重量が「6kg×5つ=30kg」であることが示されている。すなわち、リストLに基づいて、パレットID「5」のパレットが出庫された場合、特定期間後の実総重量A1が、当該パレットの総重量「30kg+25kg=55kg」分だけ小さくなる。また、本例では、特定期間後の実総重量A1が、総荷重しきい値未満であって総荷重しきい値にできるだけ近い値になるように、出庫時期が近い物品Wを優先しつつ、出庫期間が異なる物品WもリストLに含まれるようになっている。図9の例では、パレットID「9」のパレットがリストLに含まれている(図9のリストLの上から6行目)。このパレットは、○月□日が出庫予定であり、リストLに含まれている他のパレットの出庫予定日(○月△日)と異なっている。一方、パレットID「9」のパレットをリストLに含めることで、リストLの全てのパレットを出庫した場合に、特定期間後の実総重量A1が「203kg」小さくなることがわかる(図9のリストLの上から7行目)。このように、出庫することが推奨される物品WのリストLは、出庫時期が近い物品Wを優先的に選択しつつも、特定期間後平均荷重A7を平均荷重しきい値A6未満であって平均荷重しきい値A6に近い値になるように、一部の物品Wに対しては、出庫時期よりも重量を優先して選択することがある。
【0032】
以下では、図3から図5のフローチャートに基づいて、制御システム100による制御について説明する。ここで、制御システム100は、入出庫制御(図3)と、指令演算制御(図4)と、特定期間制御(図5)とを実行する。以下、それぞれの制御について説明する。
【0033】
入出庫制御では、図3に示すように、制御装置10は、入庫予定物品Wtがあるか否かを判定する(S1)。具体的には、制御装置10は、入庫コンベヤ32aに入庫予定物品Wtが載置されると、入庫予定物品Wtがあると判定する。制御装置10は、入庫予定物品Wtがないと判定した場合(S1:Nо)、再度入庫予定物品Wtがあるか否かを判断する。制御装置10は、入庫予定物品Wtがあると判定した場合(S1:Yes)、重量情報取得部81により上位コントローラCから物品重量情報D1を取得する(S2)。その後、制御装置10は、実総重量演算部82により物品重量情報D1に基づいた実総重量A1を演算する(S3)。その後、制御装置10は、実平均荷重演算部83により、実総重量A1に基づいた実平均荷重A2を演算する(S4)。次に、制御装置10は、実平均荷重演算部83により、上記実平均荷重A2及び入庫予定物品Wtの物品重量情報D1に基づき予定平均荷重A5を演算する(S5)。そして制御装置10は、予定平均荷重A5が、通知しきい値A8以上であるか否かを判定する(S6)。制御装置10は、予定平均荷重A5が、通知しきい値A8以上であると判定した場合(S6:Yes)、制御装置10の入出庫制御部80は、通知部84による通知を行う(S7)。一方、制御装置10は、予定平均荷重A5が、通知しきい値A8以上でないと判定した場合(S6:Nо)、通知部84による通知を行わない。その後、制御装置10は、予定平均荷重A5が平均荷重しきい値A6未満になるか否かを判定する。制御装置10は、予定平均荷重A5が平均荷重しきい値A6未満であると判定した場合(S9:Yes)、入庫予定物品Wtを入庫させるように入出庫装置3を制御する。制御装置10は、予定平均荷重A5が平均荷重しきい値A6未満でないと判定した場合(S9:Nо)、入庫予定物品Wtを自動倉庫1から出庫させる(S10)。
【0034】
指令演算制御では、図4に示すように、制御装置10は、演算指令があるか否かを判定する(S11)。例えば、作業者等が、自動倉庫1の管理端末に演算指令を入力すると、制御装置10は、演算指令があると判定する。制御装置10は、演算指令があると判定した場合(S11:Yes)、種類毎入庫可能物品数M2又は入庫可能組合せ物品群数M1を演算する。作業者等は、種類毎入庫可能物品数M2及び入庫可能組合せ物品群数M1のいずれを演算するかを管理端末において選択することができる。そして、制御装置10の入出庫制御部80は、種類毎入庫可能物品数M2又は入庫可能組合せ物品群数M1の演算結果を情報提示部85に提示する(S13)。また、制御装置10は、演算指令がないと判定した場合(S11:Nо)、再度演算指令があるか否かを判定する(S11)。
【0035】
特定期間制御では、図5に示すように、制御装置10は、規定のタイミング(時期)であるか否かを判定する(S14)。例えば、特定期間を1日として、規定の時期を午前7時0分と設定することができる。制御装置10は、規定の時期でないと判定した場合(S14:Nо)、再度規定の時期であるか否かを判定する(S14)。制御装置10は、規定の時期であると判定した場合(S14:Yes)、特定期間内に入庫及び出庫される予定の全ての物品Wの物品重量情報D1を上位コントローラCから取得する(S15)。その後、制御装置10は、実平均荷重演算部83により特定期間後平均荷重A7を演算する(S16)。制御装置10は、特定期間後平均荷重A7が平均荷重しきい値A6以上であるか否かを判定する(S17)。制御装置10は、特定期間後平均荷重A7が平均荷重しきい値A6以上であると判定した場合(S17:Yes)、制御装置10の入出庫制御部80は通知部84による通知を行う(S18)。その後、制御装置10は、出庫予定情報D2を上位コントローラCから取得する(S19)。そして、制御装置10の入出庫制御部80は、出庫されることが推奨される物品WのリストLの作成を行う(S20)。その後入出庫制御部80は、作成したリストLを情報提示部85に提示する(S21)。制御装置10は、特定期間後平均荷重A7が平均荷重しきい値A6以上でないと判定した場合には(S17:Nо)、このような制御を行わない。
【0036】
〔その他の実施形態〕
次に、制御システムのその他の実施形態について説明する。
【0037】
(1)上記の実施形態では、制御システム100は、自動倉庫1が備える制御装置10と、制御装置10と通信可能に構成される上位コントローラCとを備える構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、制御システム100は、自動倉庫1が備える制御装置10のみで構成されていてもよい。
【0038】
(2)上記の実施形態では、入出庫制御部80は、入庫予定物品Wtの入庫を禁止する場合、入庫予定物品Wtを入出庫装置3により出庫させる構成を例として説明したが、これには限定されない。その場合、入出庫制御部80は、入出庫装置3による入庫予定物品Wtの入庫を停止させる構成としてもよい。入出庫制御部80は、入庫コンベヤ32aに載置された入庫予定物品Wtを、搬送装置31に引き渡すことなく、作業者等が入庫予定物品Wtを入庫コンベヤ32aから直接取り除くようにすることもできる。
【0039】
(3)上記の実施形態では、入出庫制御部80は、平均荷重しきい値A6未満に設定された通知しきい値を用い、予定平均荷重A5が通知しきい値以上となる場合には、通知部84による通知を行う構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、制御システム100は、通知部84を備えていない構成とすることもできる。
【0040】
(4)上記の実施形態では、入出庫制御部80は、種類毎入庫可能物品数M2及び入庫可能組合せ物品群数M1の双方を演算可能な構成を例として説明したが、これには限定されない。この場合、入出庫制御部80は、種類毎入庫可能物品数M2及び入庫可能組合せ物品群数M1のいずれかのみを演算する構成とすることもできる。また、本例では、作業者等による演算指令により、入出庫制御部80による上記演算が行われるが、特定の時期(例えば、時間、曜日等)で、自動的に上記演算を行うようにすることもできる。
【0041】
(5)上記の実施形態では、実平均荷重演算部83は、特定期間内に新たに入庫される予定の全ての物品Wを入庫した場合における実平均荷重A2である特定期間後平均荷重A7を演算する構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、実平均荷重演算部83は、特定期間内に新たに入庫される予定の全ての物品Wのうちの、一部の物品Wを入庫した場合における実平均荷重A2を演算するように設定してもよい。
【0042】
(6)上記の実施形態では、実平均荷重演算部83は、特定期間内に新たに入庫される予定の全ての物品Wを入庫し、且つ、同じ特定期間内に出庫される予定の全ての物品Wを出庫した場合における実平均荷重A2である特定期間後平均荷重A7を演算する構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、実平均荷重演算部83は、特定期間内に出庫される予定の全ての物品Wを出庫した場合における実平均荷重A2である特定期間後平均荷重A7を、別途演算できるようにしてもよい。
【0043】
(7)上記の実施形態では、出庫予定情報D2は出庫リストを含んでおり、当該出庫リストは、出庫予定の早い物品Wの順に並べて作成される構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、出庫予定情報D2には、上記出庫リスト以外にも、収容棚2に収容されている各物品Wの消費期限等の情報を含むこともできる。そして、例えば、物品Wの消費期限等の早い順に出庫リストを作成することもできる。
【0044】
(8)上記の実施形態では、自動倉庫1は、複数の収容棚2を備え、複数の収容棚2のそれぞれについて実総重量A1、実平均荷重A2、予定平均荷重A5が演算される構成を例として説明したがこれには限定されない。例えば、自動倉庫1は、複数の区画に区分される単一の収容棚2を備え、区画ごとに実総重量A1、実平均荷重A2、予定平均荷重A5が演算される構成とすることもできる。この場合、複数の区画のそれぞれが「収容棚」に相当する。
【0045】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した制御システムの概要について説明する。
【0046】
本開示に係る制御システムは、複数の収容部を備え、それぞれの前記収容部に物品が収容可能である収容棚と、前記収容棚への前記物品の入庫と前記収容棚からの前記物品の出庫とを行う入出庫装置と、を備えた自動倉庫を制御する制御システムであって、
前記入出庫装置により入庫される前記物品の重量を示す物品重量情報を取得する重量情報取得部と、それぞれの前記物品重量情報に基づいて、前記収容棚に収容された全ての前記物品の合計の重量を示す実総重量を演算する実総重量演算部と、前記実総重量を前記収容棚が備える前記収容部の総数である収容可能総数で除算して、前記収容部1つあたりで支持する前記物品からの荷重の平均値を示す実平均荷重を演算する実平均荷重演算部と、前記入出庫装置を制御する入出庫制御部と、を備え、
前記収容棚の全体に収容可能な前記物品の総重量の上限を上限収容重量とし、前記上限収容重量を前記収容可能総数で除算した値を上限平均荷重とし、前記入出庫装置により新たに入庫されようとする前記物品を入庫予定物品として、
前記実平均荷重演算部は、前記入庫予定物品が発生する毎に、当該入庫予定物品を入庫した場合における前記実平均荷重である予定平均荷重を演算し、
前記入出庫制御部は、前記上限平均荷重以下に設定された平均荷重しきい値を用い、前記予定平均荷重が前記平均荷重しきい値以上となる場合には、前記入出庫装置における前記入庫予定物品の入庫を禁止する。
【0047】
本構成によれば、予定平均荷重が平均荷重しきい値以上となる場合には、物品が収容棚に入庫されることが禁止される。従って、収容棚を効率的に使用できると共に、収容棚の経年劣化を少なく抑えることができる。
また、本構成によれば、収容部1つあたりで支持する物品からの荷重の平均値を示す実平均荷重を演算すると共に、入庫予定物品が発生する毎に、当該入庫予定物品を入庫した場合における実平均荷重である予定平均荷重を演算し、当該予定平均荷重が平均荷重しきい値以上となるか否かに応じて入庫予定物品の入庫を禁止するか否かを判定する。そのため、実際に収容棚に収容されている物品の実総重量から演算された実平均荷重が平均荷重しきい値を超えることがない。従って、収容棚の上限収容重量を超えて物品が収容されることを回避できると共に、収容棚に収容する必要のある物品の重量に対して余裕が少なくなるように収容棚を設計することが可能となる。
このように、本構成によれば、収容棚に対する物品の収容効率を高めつつ、自動倉庫の小型化や低コスト化を図り易くすることが可能となる。
【0048】
ここで、前記入出庫制御部は、前記入庫予定物品の入庫を禁止する場合、前記入出庫装置による前記入庫予定物品の入庫を停止させ、又は、前記入庫予定物品を前記入出庫装置により出庫させると好適である。
【0049】
本構成によれば、収容棚の上限収容重量を超えて物品が収容棚に入庫されることを適切に回避できる。
【0050】
また、前記自動倉庫の管理者に対する通知を行う通知部を更に備え、
前記入出庫制御部は、前記平均荷重しきい値未満に設定された通知しきい値を用い、前記予定平均荷重が前記通知しきい値以上となる場合には、前記通知部による通知を行うと好適である。
【0051】
本構成によれば、通知部の通知によって、管理者が、予定平均荷重が平均荷重しきい値に近づいてきたことを知ることができる。従って、例えば、自動倉庫に対して入庫及び出庫される物品の予定を変更する等の対応も容易となる。
【0052】
また、前記自動倉庫の管理者に対する情報提示を行う情報提示部を更に備え、
前記物品には、重量が異なる複数種類が存在し、
予め設定された複数種類の前記物品の組み合わせを組合せ物品群として、前記組合せ物品群には、重量が異なる複数種類が存在し、
前記入出庫制御部は、前記平均荷重しきい値と前記実平均荷重との差に基づいて、前記物品の種類毎の前記収容棚に入庫可能な前記物品の数である種類毎入庫可能物品数、及び、前記組合せ物品群の種類毎の前記収容棚に入庫可能な前記組合せ物品群の数である入庫可能組合せ物品群数の少なくとも一方を演算し、その演算結果を前記情報提示部に提示すると好適である。
【0053】
本構成によれば、情報提示部に提示される情報に基づいて、管理者が、物品の種類毎の収容棚に入庫可能な物品の数である種類毎入庫可能物品数、及び、予め設定された組合せ物品群毎の収容棚に入庫可能な組合せ物品群の数である入庫可能組合せ物品群数の少なくとも一方を知ることができる。従って、管理者は、あとどれだけの物品を自動倉庫に入庫できるか容易に知ることができる。
【0054】
また、前記自動倉庫の管理者に対する通知を行う通知部を更に備え、
前記重量情報取得部は、予め定められた期間である特定期間内に新たに入庫される予定の全ての前記物品の前記物品重量情報を取得し、
前記実平均荷重演算部は、前記特定期間内に新たに入庫される予定の全ての前記物品を入庫した場合における前記実平均荷重である特定期間後平均荷重を演算し、
前記入出庫制御部は、前記特定期間後平均荷重が前記平均荷重しきい値以上となる場合には、前記通知部による通知を行うと好適である。
【0055】
本構成によれば、予め定められた期間である特定期間内に入庫予定の全ての物品を入庫した場合における実平均荷重である特定期間後平均荷重が平均荷重しきい値以上となることを、管理者が事前に知ることができる。従って、例えば、自動倉庫に対して入庫及び出庫される物品の予定を変更する等の対応が管理者にとって容易となる。
【0056】
また、前記重量情報取得部は、前記特定期間内に出庫される予定の全ての前記物品の前記物品重量情報を取得し、
前記実平均荷重演算部は、前記特定期間後平均荷重として、前記特定期間内に新たに入庫される予定の全ての前記物品を入庫し、且つ、同じ前記特定期間内に出庫される予定の全ての前記物品を出庫した場合における前記実平均荷重を演算すると好適である。
【0057】
本構成によれば、特定期間内に入庫される予定の全ての物品に加えて、同じ特定期間内に出庫される予定の全ての物品も考慮して特定期間後平均荷重を演算するため、特定期間後平均荷重の精度を高めることができる。
【0058】
また、前記自動倉庫の管理者に対する情報提示を行う情報提示部と、前記収容棚に入庫された全ての前記物品の出庫時期の予定を示す情報である出庫予定情報を取得する出庫予定情報取得部と、を更に備え、
前記入出庫制御部は、前記特定期間後平均荷重が前記平均荷重しきい値以上となる場合には、前記特定期間後平均荷重を前記平均荷重しきい値未満とするために出庫することが推奨される前記物品のリストを、前記出庫予定情報に基づいて前記出庫時期が近い前記物品を優先的に選択することにより作成し、作成した前記リストを前記情報提示部に提示すると好適である。
【0059】
本構成によれば、 特定期間内に新たに入庫される予定の全ての物品及び特定期間内に出庫される予定の全ての物品を考慮した場合の特定期間後平均荷重が平均荷重しきい値以上となる場合に、特定期間後平均荷重を平均荷重しきい値未満にするために出庫することが推奨される物品のリストを管理者に提示できる。従って、管理者は、当該物品のリストを利用できるため、特定期間後平均荷重を平均荷重しきい値以下にするための対応が容易になる。
【0060】
また、前記自動倉庫は、前記収容棚を複数備えると共に、これら複数の前記収容棚に共通の前記入出庫装置を備え、
前記実総重量演算部は、複数の前記収容棚のそれぞれについて前記実総重量を演算し、
前記実平均荷重演算部は、複数の前記収容棚のそれぞれについて前記実平均荷重及び前記予定平均荷重を演算し、
前記入出庫制御部は、複数の前記収容棚の中に、前記予定平均荷重が前記平均荷重しきい値以上となる前記収容棚である超過予定収容棚がある場合には、前記入出庫装置において、前記超過予定収容棚への前記入庫予定物品の入庫を禁止すると好適である。
【0061】
本構成によれば、自動倉庫が複数の収容棚を備える場合であっても、複数の収容棚のうちの超過予定収容棚に対しては物品が入庫されることが禁止される。従って、各収容棚を効率的に使用することができると共に、経年劣化を少なく抑えることができる。
また、本構成によれば、各収容棚に対して、収容棚の上限収容重量を超えて物品が収容されることを回避できると共に、収容棚に収容する必要のある物品の重量に対して余裕が少なくなるように全ての収容棚を設計することが可能となる。従って、収容棚が複数設置されるような場合であっても、自動倉庫全体の小型化や低コスト化を図り易くすることが可能となる。
【0062】
本開示に係る制御システムは、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0063】
1 :自動倉庫
2 :収容棚
3 :入出庫装置
12 :超過予定収容棚
20 :収容部
80 :入出庫制御部
81 :重量情報取得部
82 :実総重量演算部
83 :実平均荷重演算部
84 :通知部
85 :情報提示部
86 :出庫予定情報取得部
100 :制御システム
A1 :実総重量
A2 :実平均荷重
A5 :予定平均荷重
A6 :平均荷重しきい値
A7 :特定期間後平均荷重
A8 :通知しきい値
D1 :物品重量情報
D2 :出庫予定情報
L :リスト
M1 :入庫可能組合せ物品群数
M2 :種類毎入庫可能物品数
W :物品
Ws :組合せ物品群
Wt :入庫予定物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9