(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130317
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】肩内反及び猫背矯正器
(51)【国際特許分類】
A61F 5/01 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61F5/01 E
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039977
(22)【出願日】2023-03-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】593090204
【氏名又は名称】岸上 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸上 義弘
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB02
4C098BC15
4C098BD04
4C098BD13
(57)【要約】
【課題】パーソナルコンピューターの使用時の肩の内反や猫背を矯正することができ、デスクワーク時に上半身にかかる負担を軽減することができる装置を提供する。
【解決手段】軽金属、高分子樹脂、又は天然物を含む軽量硬質素材で形成され、身体の左右両肩甲骨間の溝部に当接され、身体背面を身体前面の方向に押圧する背面押圧装置と、一端が左右の上腕骨近位端大胸筋結節間溝付近まで延伸され、上腕骨近位端大胸筋結節間溝付近を身体背面方向に押圧する形状に曲折された左右一対の押圧力発生装置と、上腕骨近位端大胸筋結節間溝付近を身体背面方向に押圧する前面押圧装置と、を有する肩内反及び猫背矯正器を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の左右両肩甲骨(40)間の溝部(41)に当接され、身体背面(43)を身体前面(42)方向に押圧する背面押圧装置(20)と、軽金属、高分子樹脂、又は天然物を含む軽量硬質素材で形成された左右一対の棒状ないし管状の装置であって、それぞれの一端(30a)が前記背面押圧装置(20)に接続されて右上方向及び左上方向に伸長され、首(50)の左右で下方に屈曲され、鎖骨(48)を越えて前記身体前面(42)に延長され、左右の上腕骨近位端大胸筋結節間溝(44)付近まで延伸された左右対称な一対の押圧力発生装置(30)と、該押圧力発生装置(30)の他端(30b)に接続され、左右の前記上腕骨近位端大胸筋結節間溝(44)付近に当接されて前記身体前面(42)を前記身体背面(43)方向に押圧する前面押圧装置(10)と、を有し、
前記背面押圧装置(20)が、所定位置より前記身体背面(43)方向の押圧前の背面押圧装置当接位置(201)に仮設置され、前記押圧力発生装置の一端(30a)によって前記身体前面(42)方向に押圧されて、身体が変形されながら前記背面押圧装置(20)の位置に移動されて定着され、変形された身体の復元力として前記押圧力発生装置の一端(30a)に前記身体背面(43)方向に向けた押圧力を発生させ、右側前面押圧装置(10b)及び左側前面押圧装置(10c)それぞれが、所定位置より前記身体前面(42)方向の、押圧前の右側前面押圧装置当接位置(202)及び押圧前の左側前面押圧装置当接位置(203)より前記身体背面(43)方向の位置に仮設置され、それぞれが一対の前記押圧力発生装置の他端(30b)によって前記身体背面(43)方向に押圧されて、身体が変形されながら前記右側前面押圧装置(10b)及び前記左側前面押圧装置(10c)の位置に移動されて定着され、身体の復元力として前記押圧力発生装置の他端(30b)に前記身体前面(42)方向に向けた押圧力を発生させて、前記押圧力発生装置の一端(30a)に発生された前記身体背面(43)方向に向けた押圧力と相殺され、
前記背面押圧装置(20)と前記右側前面押圧装置(10b)との間の辺、及び前記背面押圧装置(20)と前記左側前面押圧装置(10c)との間の辺を等辺として(X-X)平面上に形成される二等辺三角形(100)と、前記押圧前の背面押圧装置当接位置(201)と前記押圧前の右側前面押圧装置当接位置(202)との間の辺、及び前記押圧前の二等辺三角形の頂角(201)と前記押圧前の左側前面押圧装置当接位置(203)との間の辺を等辺として前記(X-X)平面上に形成される押圧前の二等辺三角形(200)と、において、
前記二等辺三角形(100)の頂角(20)の角度を、前記押圧前の二等辺三角形(200)の頂角(201)の角度より拡大させて肩内反を矯正し、
前記二等辺三角形(100)において、前記二等辺三角形の頂角(20)の角度が押圧前の二等辺三角形の頂角(201)の角度より拡大されたことによって、前記背面押圧装置(20)と二等辺三角形(100)の底辺(13)との距離が短縮され、それによって前記押圧前の二等辺三角形(200)の頂角(201)の内側にあった押圧前の脊柱51を前記二等辺三角形(100)の頂角(20)の内側の押圧後の脊柱(49)の位置に移動させて猫背を矯正することを特徴とする肩内反及び猫背矯正器であることを特徴とする。
【請求項2】
前記(X-X)平面上に形成される前記右側前面押圧装置(10b)-前記背面押圧装置(20)-前記左側前面押圧装置(10c)で形成される前記二等辺三角形(100)の頂角(20)の角度は、120度以上180度未満であること特徴とする請求項1に記載の肩内反及び猫背矯正器。
【請求項3】
前記押圧前の脊柱(51)の基準平面から上方への平均角度を90度とした場合に、一対の前記前面押圧装置の中心(10a)、(10a)、及び背面押圧装置の中心(20a)からなる(X-X)平面の角度が、前記背面押圧装置(20)と前記二等辺三角形の底辺(13)の中点とを結ぶ線分の方向に関して、前記基準平面から上方へ-15度ないし45度の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の肩内反及び猫背矯正器。
【請求項4】
前記背面押圧装置(20)は、前記肩甲骨(40)間の溝部(41)の第4ないし第7胸椎の棘突起に当接して設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の肩内反及び猫背矯正器。
【請求項5】
前記押圧力発生装置(30)の長さ、向き、及び取り付け角度のいずれか1以上が変更可能に設けられたことを特徴とする請求項4に記載の肩内反及び猫背矯正器。
【請求項6】
前記前面押圧装置(10)は、前記上腕骨近位端大胸筋結節間溝(44)の上腕骨近位端(46)と近接する部分に当接され、前記身体背面(43)方向に押圧することを特徴とする請求項4に記載の肩内反及び猫背矯正器。
【請求項7】
前記前面押圧装置(10)は、前記上腕骨近位端大胸筋結節間溝(44)の大胸筋(47)と近接する部分に当接され、前記身体背面(43)方向に押圧することを特徴とする請求項4に記載の肩内反及び猫背矯正器。
【請求項8】
前記前面押圧装置(10)と前記押圧力発生装置の他端(30b)とがラチェット機構で取り外し可能に接続されることによって、前記前面押圧装置(10)と前記押圧力発生装置(30)との結合距離が変更可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の肩内反及び猫背矯正器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、肩内反及び猫背矯正器に係り、より詳しくは、パーソナルコンピューターの操作姿勢が原因となって発症する肩の内反及び猫背を矯正することができ、長時間のデスクワーク時の上半身にかかる負担を軽減することができる、肩内反及び猫背矯正器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、関節痛の予防、姿勢の矯正、又はスポーツの上達などに有効な衣類として、緊締力の強いライン部を有する衣装が開示されている。例えば、特許文献1には、肩関節近傍の障害を予防するための、あるいは、肩関節近傍の障害が生じた場合に関連する筋肉や骨をサポートするための、強緊締力部を有する布地からなる上肢部保護衣料が開示されている。しかし、特許文献1に記載された上肢部保護衣料は、肩内反及び猫背矯正に関する効果は記載されていない。
【0003】
また特許文献2には、第1のサポートライン部と第2のサポートライン部とからなる姿勢サポートライン部を含み、該姿勢サポートライン部は、衣類におけるサポートライン部以外の部分よりも緊締力及び着用時における肌との間の摩擦抵抗力のうちの少なくとも一方が大きい上半身用衣類が記載されている。ここで、特許文献2に係る上半身用衣類は、パーソナルコンピューター使用時に上半身にかかる負担を軽減することができるという効果が記載されている。
【0004】
しかし、特許文献2に記載された上半身用衣類は、伸縮性を有する布製のベルトを締め付けて上半身を固定するものであって、上半身を支持・保護するものではないために、長時間用いるとかえって肩が凝ったりうっ血したり、またベルトとの接触部が痛くなったりすることがあった。そのうえ、特許文献2に記載されているパーソナルコンピューター使用時の負担軽減データも実質的、客観的に効果があることを示すものではなかった。
【0005】
さらに、特許文献3には、着用者の背中に当接される背当て部と、左右それぞれの背当て部から肩、胸及び脇下に巻回される左右の肩ベルトを備える上体固定部と、着用者の腰周りに巻回され長さ可変に構成された帯状の腰固定部と、上体固定部と腰固定部とを牽引し接続する長さ可変に構成された連結部と、を備える猫背を矯正する矯正具が記載されている。
【0006】
しかし、特許文献3に記載された猫背の矯正具は、緊締力が強い布製ベルトによって肩と腰とを連結し、肩を下方に牽引して固定するものであって、上半身を支持・保護するものではないために肩に負担がかかり、これを装着してパーソナルコンピューターを長時間操作すると、かえって肩が凝ったりベルトとの接触部がうっ血して痛くなったりすることがあり、長時間のパーソナルコンピューターを用いる際の上半身の負担を軽減するものではなかった。
【0007】
いっぽう、例えば特許文献4には、着用者の背中全域に対応する面積を有する硬質素材を用いた矯正具本体板と、当該矯正具本体板の上端に一体に設けられた左右の肩掛け部と、矯正具本体板の左右に設けられた一対の肩掛けベルトと、当該肩掛けベルトに連設された胸部締め付けベルトと、矯正具本体板の下端に設けられた腰部締め付けベルトと、からなり、上半身を支持・保護する姿勢矯正具が記載されている。
しかし、特許文献4に記載された形式の姿勢矯正具は、医療分野やスポーツ分野では多用されている形式であるものの、背中全域に対応する面積を有する硬質素材製の矯正具本体板によって上半身を支持・固定・保護するための大掛かりな装置であって、長時間のオフィスワークに用いる上半身支持・姿勢矯正用装置としては不適切なものであった。
【0008】
上記のように、特許文献1~3に記載された衣類は、布製の張力部が肩を押さえる構造であって効果が少なく、また張力を身体の他部分に分散させる構造であるため、長時間使用すると接触部が痛くなり、かえって肩が凝ることがあった。また、特許文献4に記載されたような硬質素材製の姿勢矯正具は、装置が大掛かりすぎて、長時間のデスクワーク時の上半身の保護・姿勢矯正には不適当であった。
【0009】
このように、長時間パーソナルコンピューターを使用する時に、上半身にかかる負担を軽減することができる軽量の硬質素材を用いた姿勢矯正用装置は報告されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3115816号公報
【特許文献2】特開2014‐198912号公報
【特許文献3】特開2022-53065号公報
【特許文献4】実用新案登録第3099420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
デスクワークに於いてパーソナルコンピューターを使用する場合は、椅子に座り、腕を前に出して前かがみになるという姿勢が長時間続くことになる。近年、オフィスワークでパーソナルコンピューターに向かう時間が増えているため、上記の姿勢により、作業員の肩が内反し猫背になるという上半身の姿勢障害が増えている。このため、このような姿勢を矯正し、パーソナルコンピューターの作業員の上半身にかかる負担を軽減することが求められていた。
【0012】
しかし、特許文献1~3に記載された衣類は、布製のベルトを用いて上半身を固定する構造であって人体との当接箇所を継続的に押圧し、長時間使用するとかえってうっ血し、当接箇所が痛くなり、肩が凝るということがあった。また、特許文献4に記載されているような硬質素材製の姿勢矯正具は、医療用には多用されているが、大掛かりな装置であって長時間のデスクワーク時における上半身の保護・姿勢矯正には不適当であった。
このため、パーソナルコンピューターの使用時の肩の内反や猫背を矯正することができ、デスクワーク時に上半身にかかる負担を軽減することができる肩内反及び猫背矯正器の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる課題を解決するための本願発明の肩内反及び猫背矯正器1は、身体の左右両肩甲骨40間の溝部41に当接され、身体背面43を身体前面42方向に押圧する背面押圧装置20と、軽金属、高分子樹脂、又は天然物を含む軽量硬質素材で形成された左右一対の棒状ないし管状の装置であって、それぞれの一端30aが背面押圧装置20に接続されて右上方向及び左上方向に伸長され、首50の左右で下方に屈曲され、鎖骨48を越えて身体前面42に延長され、左右の上腕骨近位端大胸筋結節間溝44付近まで延伸された左右対称な一対の押圧力発生装置30と、押圧力発生装置30の他端30bに接続され、左右の上腕骨近位端大胸筋結節間溝44付近に当接されて身体前面42を身体背面43方向に押圧する前面押圧装置10と、を有し、
背面押圧装置20が、所定位置より身体背面43方向の押圧前の背面押圧装置当接位置201に仮設置され、押圧力発生装置の一端30aによって身体前面42方向に押圧されて、身体が変形されながら背面押圧装置20の位置に移動されて定着され、変形された身体の復元力として押圧力発生装置の一端30aに身体背面43方向に向けた押圧力を発生させ、右側前面押圧装置10b及び左側前面押圧装置10cそれぞれが、所定位置より身体前面42方向の、押圧前の右側前面押圧装置当接位置202及び押圧前の左側前面押圧装置当接位置203より身体背面43方向の位置に仮設置され、それぞれが一対の押圧力発生装置の他端30bによって身体背面43方向に押圧されて、身体が変形されながら右側前面押圧装置10b及び左側前面押圧装置10cの位置に移動されて定着され、身体の復元力として前記押圧力発生装置の他端30bに身体前面42方向に向けた押圧力を発生させて、押圧力発生装置の一端30aに発生された身体背面43方向に向けた押圧力と相殺され、
背面押圧装置20と右側前面押圧装置10bとの間の辺、及び背面押圧装置20と左側前面押圧装置10cとの間の辺を等辺として(X-X)平面上に形成される二等辺三角形100と、押圧前の背面押圧装置当接位置201と押圧前の右側前面押圧装置当接位置202との間の辺、及び押圧前の二等辺三角形の頂角201と押圧前の左側前面押圧装置当接位置203との間の辺を等辺として(X-X)平面上に形成される押圧前の二等辺三角形200と、において、
二等辺三角形100の頂角20の角度を、押圧前の二等辺三角形200の頂角201の角度より拡大させて肩内反を矯正し、二等辺三角形100において、二等辺三角形の頂角20の角度が押圧前の二等辺三角形の頂角201の角度より拡大されたことによって、背面押圧装置20と二等辺三角形100の底辺13との距離が短縮され、それによって押圧前の二等辺三角形200の頂角201の内側にあった押圧前の脊柱51を二等辺三角形100の頂角20の内側の押圧後の脊柱49の位置に移動させて猫背を矯正することを特徴とする肩内反及び猫背矯正器であることを特徴とする。
【0014】
そして、(X-X)平面上に形成される右側前面押圧装置10b-背面押圧装置20-左側前面押圧装置10cで形成される二等辺三角形100の頂角20の角度は、120度以上180度未満であることが好ましい。
【0015】
さらに、押圧前の脊柱51の基準平面から上方への平均角度を90度とした場合に、一対の前面押圧装置の中心10a、10a、及び背面押圧装置の中心20aからなる(X-X)平面の角度が、前記背面押圧装置20と二等辺三角形の底辺13の中点とを結ぶ線分の方向に関して、前記基準平面から上方へ-15度ないし45度の範囲内であり得る。
【0016】
そして、背面押圧装置20は、肩甲骨40間の溝部41の第4ないし第7胸椎の棘突起に当接して設けられ得る。
【0017】
そのうえで、押圧力発生装置30の長さ、向き、及び取り付け角度のいずれか1以上が変更可能に設けられることが好ましい。
【0018】
また、前面押圧装置10は、上腕骨近位端大胸筋結節間溝44の大胸筋47と近接する部分に当接され、身体背面43方向に押圧し得る。
【0019】
そして、前記前面押圧装置10は、上腕骨近位端大胸筋結節間溝44の上腕骨近位端46と近接する部分に当接され、身体背面43方向に押圧することを特徴とする。
【0020】
そのうえで、前面押圧装置10と押圧力発生装置の他端〈30b〉とがラチェット機構で取り外し可能に接続されることによって、前面押圧装置10と押圧力発生装置30との結合距離が変更可能に設けられ得る。
【発明の効果】
【0021】
デスクワークでパーソナルコンピューターに向かうときには、長時間椅子に座って両手を前に突き出し上半身を前に傾けるという作業姿勢になる。その結果、この作業姿勢の継続に基づき、作業者の肩が内反し上半身が前に傾くという姿勢の悪化及び猫背になるという症状が起こり得る。
しかしながら、本願発明に係る肩内反及び猫背矯正器は、身体前面の上腕骨近位端大胸筋結節間溝44(所謂腋の下)付近と身体背面の左右両肩甲骨間41とを反対方向に押圧することによって肩の内反及び猫背になるという症状を予防、または矯正することができるので、パーソナルコンピューター使用者の上半身に係る負担を軽減することができるという優れた効果を有する。
また、スマートフォンなどの携帯機器を長時間用いる時に起こる所謂「スマホ首」の予防及び治療にも、同様の優れた予防、矯正効果を有する。
【0022】
また、本願発明に係る肩内反及び猫背矯正器は、使用者が正しい姿勢ではない時に使用者の姿勢を付勢して正しい姿勢に修正させるものであって、使用者が正しい姿勢を取ることによって肩内反及び猫背矯正器から人体に向けて発生される押圧力を軽減するか或はなくすことができる。従って、使用中の矯正器の強度、使用感、痛さ等を使用者が自分の姿勢を変えることによって肩内反及び猫背矯正器からの押圧力を軽減することができると共に、使用者が正しい姿勢を取る習慣を身につけることができるという想定外の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】(A)は本願発明の1実施例に係る肩内反及び猫背矯正器の模式正面図であり、(B)はその模式平面図であり、(C)はその模式鳥瞰図である。
【
図2】本願発明の1実施例に係る肩内反及び猫背矯正器を人体の正面側から見た図に当てはめた模式図である。
【
図3】本願発明の1実施例に係る肩内反及び猫背矯正器を人体の背面側から見た図に当てはめた模式図である。
【
図4】本願発明の肩内反及び猫背矯正器の鳥観図に本願発明の主要構成要素からなる二等辺三角形を重ね書きした、本願発明の肩内反及び猫背矯正器の作用機構を説明する模式鳥瞰図である。
【
図5】本願発明の主要構成要素からなる二等辺三角形に、押圧前の各装置当接位置の二等辺三角形を重ね書きした図であり、本願発明の肩内反及び猫背矯正器の作用機構を説明する模式平面図である。
【
図6】
図5に示した本願発明の主要構成要素からなる二等辺三角形と、押圧前の各装置当接位置の二等辺三角形との各部材の移動と押圧の発生方向との関係を示した模式平面図である。
【
図7】
図6に示した本願発明の主要構成要素からなる二等辺三角形と、各部材装置の移動と押圧力の発生方向との関係を示した模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、本願発明の肩内反及び猫背矯正器について説明する。
この記載は、本願発明を説明するためのものであって、この記載によって本願発明の技術範囲を限定するものではない。本願発明は、本願発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更して実施することが可能である。
【0025】
図1は、(A)は本願発明の1実施例に係る肩内反及び猫背矯正器1の模式正面図であり(B)はその模式平面図であり、(C)はその模式鳥瞰図である。
図1(A)、(B)、(C)に示すように、本願発明の1実施例に係る肩内反及び猫背矯正器1は、左右一対の前面押圧装置10、10と背面押圧装置20と押圧力発生装置30とを含むことができる。ここで、一対の前面押圧装置10、10と背面押圧装置20とは、例えば一対の前面押圧装置の中心10a、10aと背面押圧装置の中心20aとを含む(X-X)平面上に設けることができる。ここで中心は、該当する部材の幾何中心(その部材の表面の全ての点に対する距離の平均値が最小となる点)を意味するものとする。
【0026】
また、前面押圧装置10は、身体前面42を身体背面43の方向に押圧し、背面押圧装置20は身体背面43を身体前面42方向に押圧し、押圧力発生装置30は、一端30aが背面押圧装置20に接続され、他端30bが前面押圧装置10に接続され、前面押圧装置10と、背面押圧装置20とに、それぞれが対向した方向の押圧力を提供する。
【0027】
ここで、背面押圧装置20は、軽量であって肌に直接にまたは着衣を介して押圧力を人体背面に伝達できるものであれば素材及び形状は特に制限されない。また、本願発明の背面押圧装置20は、肩内反及び猫背矯正器1の全体を支持できるような接触面を有し、さらに、背面押圧装置20の身体と対向する面は柔軟な表面を有することが好ましい。
【0028】
またさらに、背面押圧装置20に、押圧力発生装置30の一端30aを接続し得る。ここで、押圧力発生装置30は、左右一対の、軽金属、高分子樹脂、又は天然物を含む軽量硬質素材で形成され曲折された棒状ないし管状の装置であって、押圧力発生装置30の一端30aが、背面押圧装置20の、人体背面と接する面と対向する面の略中央部に接するよう設けられることが好ましい。
【0029】
ここで、押圧力発生装置30に用いる軽量硬質素材は特に限定されるものではなく、例えば軽金属としてアルミニウム、チタン、ジュラルミンなどの軽金属、カーボンファイバーを含む各種の高分子合成樹脂、竹、木などの天然物を例示することができる。
また、前面押圧装置10は、押圧力発生装置の他端30bに接続されて身体前面42を押圧することが好ましい。
またさらに、前面押圧装置10は、被押圧部に対応した平面状、凸状、凹状多様な形状で形成することを特徴とする。
【0030】
次に、
図2は、本願発明の1実施例に係る肩内反及び猫背矯正器を、人体の正面側から見た図に当てはめた模式図であり、
図3は、人体の背面側から見た図にあてはめた模式図である。
この際、背面押圧装置20は、身体の左右両肩甲骨40間の溝部41の第4ないし第7胸椎の棘突起に当接されて身体背面43を身体前面42方向に押圧する背面押圧装置20を備えることが好ましい。
そして、
図2、3に示すように、背面押圧装置20に、押圧力発生装置30の一端30aを接続し得る。
【0031】
より詳しくは、左右それぞれの押圧力発生装置30は、各々の他端30bが右上方向及び左上方向に伸長され、首50の左右を挟んで下方に曲折され、鎖骨48を越え、身体前面42の身体前面42の左右の上腕骨近位端大胸筋結節間溝44付近まで延伸されることが好ましい。ここで、上腕骨近位端大胸筋結節間溝44は、大胸筋47が上腕骨近位端46と結合される腋下の上部の溝部である。そのうえで、それぞれの押圧力発生装置の他端30bには、上腕骨近位端大胸筋結節間溝44付近を身体背面43方向に押圧する一対の前面押圧装置10を接続し得る。
【0032】
いっぽう、
図4は、本願発明の作用機構を説明するために、本願発明の1実施例に係る肩内反及び猫背矯正器1の鳥瞰図に、本願発明の主要構成要素である背面押圧装置20と右側前面押圧装置10bと左側前面押圧装置10cとからなる二等辺三角形100を上書きして記入した模式図である。
そして、
図4に示すように、本願発明は、背面押圧装置20と右側前面押圧装置10bと左側前面押圧装置10cとからなる二等辺三角形100に、押圧力発生装置30が押圧(A)を加えることを特徴とする。
【0033】
さらに、
図5は、
図4に示した本願発明の主要構成要素からなる二等辺三角形100に、押圧前の主要構成要素の当接位置からなる二等辺三角形200を重ね書きした図であって、本願発明の肩内反及び猫背矯正器の作用機構を説明する模式平面図である。
【0034】
ここで、
図5に示すように、二等辺三角形100は、背面押圧装置20と右側前面押圧装置10bとの間の辺、及び背面押圧装置20と左側前面押圧装置10cとの間の辺を等辺とする二等辺三角形であり、また、押圧前の二等辺三角形200は、押圧前の背面押圧装置当接位置201と押圧前の右側前面押圧装置当接位置202との間の辺、及び前記の201と押圧前の左側前面押圧装置当接位置203との間の辺を等辺とする二等辺三角形である。
【0035】
さらに、
図6、7は、本願発明の作用機構を説明する模式平面図であって、前面押圧装置10及び背面押圧装置20は夫々の部材の筐体の中心の位置を示し、押圧力発生装置30は、前面押圧装置の筐体の中心と背面押圧装置の筐体の中心とを結ぶ直線で示している。
ここで、
図6に示すように、本願発明の肩内反及び猫背矯正器1は、背面押圧装置20が、所定の位置より身体背面43寄りの押圧前の背面押圧装置当接位置201に仮設置され、押圧力発生装置の一端30aによって身体前面方向に押圧されて身体が変形されながら背面押圧装置20の位置に移動されて定着される。これによって、変形された身体の反発力として、押圧力発生装置の一端30aに身体背面43方向に押圧する押圧力が発生される。
【0036】
同様に、右側前面押圧装置10b及び左側前面押圧装置10cそれぞれが、所定位置より前方の、押圧前の右側前面押圧装置当接位置202及び押圧前の左側前面押圧装置当接位置203に仮設置され、それぞれが押圧力発生装置の一端30bによって身体背面43方向に押圧されて、身体が変形されながら右側前面押圧装置10b及び左側前面押圧装置10cの位置まで移動されて定着されて身体前面42方向に向けた押圧力が発生される。
【0037】
ここで、
図6に示すように、二等辺三角形100と押圧前の二等辺三角形200とにおいて、押圧力発生装置30bが、押圧前の右側前面押圧装置202及び押圧前の左側前面押圧装置203を押圧(A)し、右側前面押圧装置10b及び左側前面押圧装置10cの定位置まで移動(B)させることによって、二等辺三角形の頂角20の角度を、押圧前の二等辺三角の頂角201の角度より拡大(C)させることによって肩内反を矯正することができる。
【0038】
さらに、
図7に示すように、二等辺三角形100において、頂角20の角度が拡大(C)されることによって、二等辺三角形100の頂角20と二等辺三角形200の底辺13との距離が短縮(D)され、押圧前の二等辺三角形200の頂角201の内側にあった脊柱(押圧前)51を二等辺三角形100の頂角20の内側の脊柱49の位置に移動(E)させて猫背を矯正することができる。
【0039】
そして、(X-X)平面上に形成される右側前面押圧装置10b-背面押圧装置20-左側前面押圧装置10cで形成される二等辺三角形100の頂角20の角度は、120度以上180度未満であることが好ましい。二等辺三角形の頂角の角度が120度未満では十分な肩内反及び猫背矯正効果を上げることができず、180度を超えると、押圧力が強くなりすぎて、デスクワーク時に上半身にかかる負担を軽減するという本願の目的には好ましくない。
【0040】
さらに、前記押圧前の脊柱51の基準平面から上方への平均角度を90度とした場合に、一対の前面押圧装置の中心10a、10a、及び背面押圧装置の中心20aからなる(X-X)平面の角度が、背面押圧装置20と二等辺三角形100の底辺13の中点とを結ぶ線分の方向に関して、基準平面から上方へ-15度ないし45度の範囲内であることが好ましく、基準平面から0度ないし30度であることがより好ましい。(X-X)平面の角度が、基準平面から上方へ-15度となるような重症の猫背に対しては、本願発明の肩内反及び猫背矯正器は猫背矯正器は効果が少なく、基準平面から上方へ45度以上傾くと、肩に対する下方への圧力が増加して好ましくない。
【0041】
そして、背面押圧装置20は、肩甲骨40間の溝部41の第4ないし第7胸椎の棘突起に当接して設けられ得る。
【0042】
そのうえで、前記押圧力発生装置30の長さ、向き、及び取り付け角度のいずれか1以上が変更可能に設けられることが好ましい。
【0043】
そして、右側前面押圧装置10b及び左側前面押圧装置10cは、上腕骨近位端大胸筋結節間溝44の大胸筋47に近接する部分に当接して身体背面43方向に押圧(A)することができる。大胸筋47と近接する部分を押圧(A)することによって、肩及び上腕の動きを自由にし、より長時間上半身を支えて、肩内反及び猫背を矯正する効果を大きくすることができる。
【0044】
いっぽう、右側前面押圧装置10b及び左側前面押圧装置10cは、上腕骨近位端大胸筋結節間溝44の上腕骨近位端46により近接する部分に当接して身体背面43方向に押圧(A)し得る。上腕骨近位端46に近接する部分を押圧すると肩及び上腕の動きは制限されるが、例えば休憩時間に使用することによって、肩内反の矯正、肩こりの解消、及び気分転換などにより強い効果を上げることができる。また、例えば背面押圧装置20と押圧力発生装置30との接続の角度を変更可能にして、大胸筋47と近接する部分を押圧するか上腕骨近位端46に近接する部分を押圧するかを変更可能にすることができる。
【0045】
そのうえで、前記前面押圧装置10と前記押圧力発生装置の他端〈30b〉とがラチェット機構で着脱自在に接続されることによって、前面押圧装置10と押圧力発生装置30との結合距離が変更可能に設けられ得る。
【0046】
1 肩内反及び猫背矯正器
10 前面押圧装置
10a 前面押圧装置の中心
10b 右側前面押圧装置
10c 左側前面押圧装置
13 二等辺三角形の底辺
20 背面押圧装置 二等辺三角形の頂角
20a 背面押圧装置の中心
30 押圧力発生装置
30a 一端(押圧力発生装置)
30b 他端(押圧力発生装置)
40 肩甲骨
41 溝部
42 身体前面
43 身体背面
44 上腕骨近位端大胸筋結節間溝
46 上腕骨近位端
47 大胸筋
48 鎖骨
49 脊柱
50 首
51 脊柱(押圧前)
100 二等辺三角形
200 押圧前の二等辺三角形
201 押圧前の背面押圧装置当接位置(押圧前の二等辺三角の頂角)
202 押圧前の右側前面押圧装置当接位置
203 押圧前の左側前面押圧装置当接位置
A 押圧
B 移動
C 拡大
D 短縮
E 移動
(X-X) 平面
【手続補正書】
【提出日】2023-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
身体の左右両肩甲骨(40)間の溝部(41)に当接され、身体背面(43)を身体前面(42)方向に押圧する背面押圧装置(20)と、軽金属、高分子樹脂、又は天然物を含む軽量硬質素材で形成された左右一対の棒状ないし管状の装置であって、それぞれの一端(30a)が前記背面押圧装置(20)に接続されて右上方向及び左上方向に伸長され、首(50)の左右で下方に屈曲され、鎖骨(48)を越えて前記身体前面(42)に延長され、左右の上腕骨近位端大胸筋結節間溝(44)付近まで延伸された左右対称な一対の押圧力発生装置(30)と、該押圧力発生装置(30)の他端(30b)に接続され、左右の前記上腕骨近位端大胸筋結節間溝(44)付近に当接されて前記身体前面(42)を前記身体背面(43)方向に押圧する前面押圧装置(10)と、を有し、
前記背面押圧装置(20)が、所定位置より前記身体背面(43)方向の押圧前の背面押圧装置当接位置(201)に仮設置され、前記押圧力発生装置の一端(30a)によって前記身体前面(42)方向に押圧されて、身体が変形されながら前記背面押圧装置(20)の位置に移動されて定着され、変形された身体の復元力として前記押圧力発生装置の一端(30a)に前記身体背面(43)方向に向けた押圧力を発生させ、右側前面押圧装置(10b)及び左側前面押圧装置(10c)それぞれが、所定位置より前記身体前面(42)方向の、押圧前の右側前面押圧装置当接位置(202)及び押圧前の左側前面押圧装置当接位置(203)より前記身体背面(43)方向の位置に仮設置され、それぞれが一対の前記押圧力発生装置の他端(30b)によって前記身体背面(43)方向に押圧されて、身体が変形されながら前記右側前面押圧装置(10b)及び前記左側前面押圧装置(10c)の位置に移動されて定着され、身体の復元力として前記押圧力発生装置の他端(30b)に前記身体前面(42)方向に向けた押圧力を発生させて、前記押圧力発生装置の一端(30a)に発生された前記身体背面(43)方向に向けた押圧力と相殺され、
前記背面押圧装置(20)と前記右側前面押圧装置(10b)との間の辺、及び前記背面押圧装置(20)と前記左側前面押圧装置(10c)との間の辺を等辺として(X-X)平面上に形成される二等辺三角形(100)と、前記押圧前の背面押圧装置当接位置(201)と前記押圧前の右側前面押圧装置当接位置(202)との間の辺、及び前記押圧前の二等辺三角形の頂角(201)と前記押圧前の左側前面押圧装置当接位置(203)との間の辺を等辺として前記(X-X)平面上に形成される押圧前の二等辺三角形(200)と、において、
前記二等辺三角形(100)の頂角(20)の角度を、前記押圧前の二等辺三角形(200)の頂角(201)の角度より拡大させて肩内反を矯正し、
前記二等辺三角形(100)において、前記二等辺三角形の頂角(20)の角度が押圧前の二等辺三角形の頂角(201)の角度より拡大されたことによって、前記背面押圧装置(20)と二等辺三角形(100)の底辺(13)との距離が短縮され、それによって前記押圧前の二等辺三角形(200)の頂角(201)の内側にあった押圧前の脊柱51を前記二等辺三角形(100)の頂角(20)の内側の押圧後の脊柱(49)の位置に移動させて猫背を矯正することを特徴とする肩内反及び猫背矯正器。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の左右両肩甲骨(40)間の溝部(41)の第4ないし第7胸椎の棘突起に当接され、身体背面(43)を身体前面(42)方向に押圧する背面押圧装置(20)と、
軽金属、高分子樹脂、又は天然物を含む軽量硬質素材で形成された左右一対の棒状ないし管状の装置であって、それぞれの一端(30a)が前記背面押圧装置(20)に接続されて右上方向及び左上方向に伸長され、首(50)の左右で下方に屈曲され、鎖骨(48)を越えて前記身体前面(42)に延長され、左右の上腕骨近位端大胸筋結節間溝(44)付近まで延伸された左右対称な一対の押圧力発生装置(30)と、
該押圧力発生装置(30)の他端(30b)に接続され、左右の前記上腕骨近位端大胸筋結節間溝(44)付近に当接されて前記身体前面(42)を前記身体背面(43)方向に押圧する左右一対の前面押圧装置(10)と、を有し、
前記押圧力発生装置(30)の長さ、向き、及び取り付け角度のいずれか1以上が変更可能に設けられ、
前記背面押圧装置(20)が、所定位置より前記身体背面(43)方向の押圧前の背面押圧装置当接位置(201)に仮設置され、前記押圧力発生装置の一端(30a)によって前記身体前面(42)方向に押圧されて、身体が変形されながら前記背面押圧装置(20)の位置に移動されて定着され、変形された身体の復元力として前記押圧力発生装置の一端(30a)に前記身体背面(43)方向に向けた押圧力を発生させ、右側前面押圧装置(10b)及び左側前面押圧装置(10c)それぞれが、所定位置より前記身体前面(42)方向の、押圧前の右側前面押圧装置当接位置(202)及び押圧前の左側前面押圧装置当接位置(203)より前記身体背面(43)方向の位置に仮設置され、それぞれが一対の前記押圧力発生装置の他端(30b)によって前記身体背面(43)方向に押圧されて、身体が変形されながら前記右側前面押圧装置(10b)及び前記左側前面押圧装置(10c)の位置に移動されて定着され、身体の復元力として前記押圧力発生装置の他端(30b)に前記身体前面(42)方向に向けた押圧力を発生させて、前記押圧力発生装置の一端(30a)に発生された前記身体背面(43)方向に向けた押圧力と相殺され、
前記背面押圧装置(20)と前記右側前面押圧装置(10b)との間の辺、及び前記背面押圧装置(20)と前記左側前面押圧装置(10c)との間の辺を等辺として(X-X)平面上に形成される二等辺三角形(100)と、前記押圧前の背面押圧装置当接位置(201)と前記押圧前の右側前面押圧装置当接位置(202)との間の辺、及び前記押圧前の二等辺三角形の頂角(201)と前記押圧前の左側前面押圧装置当接位置(203)との間の辺を等辺として前記(X-X)平面上に形成される押圧前の二等辺三角形(200)と、において、
前記前面押圧装置(10)は、前記背面押圧装置(20)と前記押圧力発生装置(30)との接続の角度を変更可能にして、前記上腕骨近位端大胸筋結節間溝(44)の上腕骨近位端(46)又は前記上腕骨近位端大胸筋結節間溝(44)の大胸筋(47)に当接され、前記身体背面(43)方向に押圧して、
前記二等辺三角形(100)の頂角(20)の角度を、前記押圧前の二等辺三角形(200)の頂角(201)の角度より拡大させて肩内反を矯正し、
前記二等辺三角形(100)において、前記二等辺三角形の頂角(20)の角度が押圧前の二等辺三角形の頂角(201)の角度より拡大されたことによって、前記背面押圧装置(20)と二等辺三角形(100)の底辺(13)との距離が短縮され、それによって前記押圧前の二等辺三角形(200)の頂角(201)の内側にあった押圧前の脊柱51を前記二等辺三角形(100)の頂角(20)の内側の押圧後の脊柱(49)の位置に移動させて猫背を矯正することを特徴とする肩内反及び猫背矯正器。
【請求項2】
前記(X-X)平面上に形成される前記右側前面押圧装置(10b)-前記背面押圧装置(20)-前記左側前面押圧装置(10c)で形成される前記二等辺三角形(100)の頂角(20)の角度は、120度以上180度未満であること特徴とする請求項1に記載の肩内反及び猫背矯正器。
【請求項3】
前記押圧前の脊柱(51)の基準平面から上方への平均角度を90度とした場合に、一対の前記前面押圧装置の中心(10a)、(10a)、及び背面押圧装置の中心(20a)からなる(X-X)平面の角度が、前記背面押圧装置(20)と前記二等辺三角形の底辺(13)の中点とを結ぶ線分の方向に関して、前記基準平面から上方へ-15度ないし45度の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の肩内反及び猫背矯正器。
【請求項4】
前記前面押圧装置(10)と前記押圧力発生装置の他端(30b)とがラチェット機構で取り外し可能に接続されることによって、前記前面押圧装置(10)と前記押圧力発生装置(30)との結合距離が変更可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の肩内反及び猫背矯正器。