(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013033
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】ロック機構
(51)【国際特許分類】
E05C 3/14 20060101AFI20240124BHJP
E05B 65/08 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
E05C3/14
E05B65/08 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114932
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 知也
(57)【要約】
【課題】本発明は、開閉体などの移動体を、簡単な操作で基体に対してロックを行うことが可能なロック機構の提供を目的とする。
【解決手段】ロック機構1は、基体に対して移動する移動体に設けられる本体部2と、本体部2に対して移動体の移動方向D1にスライド可能に設けられたスライダ部3と、スライダ部3に設けられ、移動体を基体に対してロックするロック部41を備えたロック部材4とを備え、スライダ部3は、移動体の移動方向D1のうちの一方D11側への移動端であって、ロック部材4のロック部41が基体に対してロックできない状態となる第1位置と、移動体の移動方向D1のうちの他方D12側への移動端であって、ロック部材4のロック部41が基体に対してロック可能な状態となる第2位置との間で移動可能に構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体に対して移動する移動体に設けられる本体部と、
前記本体部に対して前記移動体の移動方向にスライド可能に設けられたスライダ部と、
前記スライダ部に設けられ、前記移動体を前記基体に対してロックするロック部を備えたロック部材と
を備え、
前記スライダ部は、
前記移動体の移動方向のうちの一方側への移動端であって、前記ロック部材の前記ロック部が前記基体に対してロックできない状態となる第1位置と、
前記移動体の移動方向のうちの他方側への移動端であって、前記ロック部材の前記ロック部が前記基体に対してロック可能な状態となる第2位置と
の間で移動可能に構成されている、ロック機構。
【請求項2】
前記スライダ部は、前記スライダ部を前記移動体の移動方向に操作可能なスライダ操作部を有し、
前記スライダ部は、前記スライダ操作部に前記移動体の移動方向の力が加わっていないとき、前記第1位置に位置するように構成されている、請求項1に記載のロック機構。
【請求項3】
前記ロック機構が、前記スライダ部を前記第1位置に向かって付勢する付勢部材を備えている、請求項2に記載のロック機構。
【請求項4】
前記ロック部材は、前記ロック部材をアンロック方向に操作可能なロック部材操作部を有し、
前記ロック部材操作部は、前記ロック部材操作部を前記アンロック方向に操作したときに、前記ロック部材をロック位置からアンロック位置へと移動するように、前記スライダ部に対して相対移動可能に構成され、
前記スライダ部は、前記ロック部が前記基体に対してロックした状態が解除されたとき、前記第1位置へと移動するよう構成されている、請求項1に記載のロック機構。
【請求項5】
前記ロック部材が前記ロック位置に向かって付勢されている、請求項4に記載のロック機構。
【請求項6】
前記アンロック方向は、前記第2位置から前記第1位置へ向かう方向である請求項4に記載のロック機構。
【請求項7】
前記ロック機構がさらに、
前記ロック部材が前記ロック位置から前記アンロック位置に向かう、前記ロック部材の前記スライダ部に対する相対移動を規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、前記ロック部材が前記ロック位置から前記アンロック位置へと移動することを許容する非規制位置と、前記ロック部材が前記ロック位置から前記アンロック位置へと移動することを規制する規制位置とで保持されるように構成されている、請求項4に記載のロック機構。
【請求項8】
前記移動体が開閉体である、請求項1~7のいずれか1項に記載のロック機構。
【請求項9】
枠体に対して移動する開閉体に設けられる本体部と、
前記本体部に対して前記開閉体の開閉方向にスライド可能に設けられたスライダ部と、
前記スライダ部に設けられ、前記開閉体を前記枠体に対してロックするロック部を備えたロック部材と
を備え、
前記スライダ部は、
前記本体部に対して前記開閉方向のうち開方向側への移動端であって、前記ロック部材の前記ロック部が前記枠体に対してロックできない状態となる第1位置と、
前記本体部に対して前記開閉方向のうち閉方向側への移動端であって、前記ロック部材の前記ロック部が前記枠体に対してロック可能な状態となる第2位置と
の間で移動可能に構成されている、ロック機構。
【請求項10】
前記ロック部材は、前記ロック部材をアンロック方向に操作可能なロック部材操作部を有し、
前記ロック部材操作部は、前記ロック部材操作部を前記アンロック方向に操作したときに、前記枠体に設けられた被係合部と係合可能なロック位置から前記被係合部との係合が解除されるアンロック位置へと移動するように、前記スライダ部に対して相対移動可能に構成され、
前記スライダ部は、前記ロック部が前記基体に対してロックした状態が解除されたとき、前記第1位置へと移動するよう構成されている、請求項9に記載のロック機構。
【請求項11】
前記ロック機構がさらに、
前記ロック部材が前記ロック位置から前記アンロック位置に向かう、前記ロック部材の前記スライダ部に対する相対移動を規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、前記ロック部材が前記ロック位置から前記アンロック位置へと移動することを許容する非規制位置と、前記ロック部材が前記ロック位置から前記アンロック位置へと移動することを規制する規制位置とで保持されるように構成されている、請求項10に記載のロック機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロック機構に関する。
【背景技術】
【0002】
引き違い窓の障子などの開閉体を閉鎖位置に移動させた際に、開閉体に設けられたフック部を窓枠などの枠体に設けられた係合孔に自動的に係合させる、自動ロック機構が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献2には、開閉体を閉鎖位置に移動させた際に、フック部材をアンロック位置で保持することができるように構成された建具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-155484号公報
【特許文献2】特開2018-178608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような自動ロック機構が用いられた場合、例えば、ユーザがベランダなど室外に出て開閉体を閉鎖したときに、意図せずに開閉体が閉鎖状態で自動ロックされてしまう。そのため、室外側にロック解除機構がない場合には、ユーザは屋外に閉め出されてしまう。一方、特許文献2のような構成では、開閉体を閉鎖位置に移動させた後にユーザがロック操作を行う必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、開閉体などの移動体が意図せずに基体に対してロックされてしまうことを防止しつつ、簡単な操作で移動体を基体に対してロックすることが可能なロック機構の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のロック機構は、基体に対して移動する移動体に設けられる本体部と、前記本体部に対して前記移動体の移動方向にスライド可能に設けられたスライダ部と、前記スライダ部に設けられ、前記移動体を前記基体に対してロックするロック部を備えたロック部材とを備え、前記スライダ部は、前記移動体の移動方向のうちの一方側への移動端であって、前記ロック部材の前記ロック部が前記基体に対してロックできない状態となる第1位置と、前記移動体の移動方向のうちの他方側への移動端であって、前記ロック部材の前記ロック部が前記基体に対してロック可能な状態となる第2位置との間で移動可能に構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明のロック機構によれば、開閉体などの移動体が意図せずに基体に対してロックされてしまうことを防止しつつ、簡単な操作で移動体を基体に対してロックすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態のロック機構が設けられた移動体が基体に設けられた状態を示す概略図である。
【
図3】
図1に示されるロック機構を分離した状態を示す斜視図である。
【
図5】ロック機構のスライダ部を示す斜視図である。
【
図6】ロック機構のロック部材を示す斜視図である。
【
図7】スライダ部が第1位置に位置し、かつ、移動体が基体に対してロックされる前の状態を示す、ロック機構の正面図である。
【
図9】スライダ部が第2位置に位置し、かつ、移動体が基体に対してロックされる前の状態を示す、ロック機構の正面図である。
【
図11】
図10に示される状態から、移動体が移動方向に移動して、ロック部材が被ロック部に乗り上げた状態を示す図である。
【
図12】ロック部材が被ロック部に係合した状態を示す、ロック機構の正面図である。
【
図14】
図13に示される状態から、ロック部材が操作されて、ロック部材と被ロック部との間の係合が解除された状態を示す図である。
【
図15】スライダ部が第1位置に位置した状態で、移動体が閉鎖された状態を示すロック機構の正面図である。
【
図17】第2実施形態のロック機構の斜視図である。
【
図18】
図17のロック機構に設けられた規制部材が非規制位置にある状態を示す断面図である。
【
図19】
図17に示される状態から、規制部材が規制位置に移動した状態を示す断面図である。
【
図20】
図17に示されるロック機構からロック部材を取り除いた状態を示す斜視図である。
【
図21】
図20に示されるロック機構を移動方向で開方向に見た図である。
【
図22】第2実施形態のロック機構に用いられる位置保持部を示す概略図ある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態のロック機構を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明のロック機構は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0011】
なお、本明細書において、「Aに垂直」およびこれに類する表現は、Aに対して完全に垂直な方向のみを指すのではなく、Aに対して略垂直であることを含んで指すものとする。また、本明細書において、「Bに平行」およびこれに類する表現は、Bに対して完全に平行な方向のみを指すのではなく、Bに対して略平行であることを含んで指すものとする。また、本明細書において、「C形状」およびこれに類する表現は、完全なC形状のみを指すのではなく、見た目にC形状を連想させる形状(略C形状)を含んで指すものとする。
【0012】
<第1実施形態>
本実施形態のロック機構1は、基体Bに対して移動する移動体D(
図1参照)を、基体Bに対してロック可能とする。なお、ロック機構1は、後述するように、ロック機構1に所定の操作がされた場合に移動体Dが基体Bにロックされるが(
図9~
図13参照)、所定の操作がされない場合には、移動体Dは基体Bにロックされない(
図15および
図16参照)。
【0013】
本実施形態では、ロック機構1は、移動体ロック構造Sに設けられている。具体的には、
図1に示されるように、移動体ロック構造Sは、ロック機構1と、基体Bに設けられた被ロック部B1とを備えている。ロック機構1が被ロック部B1にロックされることで、移動体Dが基体Bに対して所定の位置で保持される。
【0014】
移動体Dは、基体Bに対して所定の移動方向D1(
図1参照)に移動する。移動体Dの形状および構造は、基体Bに対して所定の移動方向D1に移動可能であり、ロック機構1によって基体Bに対してロック可能であれば、特に限定されない。本実施形態では、移動体Dは、開閉体である。具体的には、移動体Dは、基体Bに設けられた開口部を開閉する開閉体である。より具体的には、移動体Dは、直線的に移動方向D1に往復移動する開閉体(例えば引き違い窓の障子や引き戸)である。本実施形態では、開閉体である移動体Dは、一方の面および他方の面を有する、所定の厚さを有する板状体によって構成され、枠体によって構成された基体Bに対してスライド可能に設けられている。しかし、移動体Dは、所定の軸まわりに旋回する開閉体(例えば開き窓の障子や開き戸)であってもよいし、折れ戸のような開閉体であってもよい。
【0015】
本明細書において、移動体Dの移動方向D1は、移動体Dの種類や動作に応じた、移動体Dが移動する方向である。移動体Dは、本実施形態では、互いに逆方向となる2つの方向に移動する。移動体Dの移動方向D1のうちの1つの方向を、移動方向D1のうちの一方D11と呼び、移動方向D1のうちの一方D11とは反対の方向を、移動方向D1のうちの他方D12と呼ぶ。本実施形態のように、移動体Dが開閉体である場合、移動方向D1は、開閉体の開閉方向となり、移動方向D1の一方D11が、基体Bの開口部が開放される方向となる開方向となり(以下、開方向D11とも呼ぶ)、移動方向D1の他方D12が、基体Bの開口部が閉鎖される方向となる閉方向となる(以下、閉方向D12とも呼ぶ)。なお、移動体Dの開方向および閉方向は、着目する移動体Dに応じて変化し得る。例えば、
図1における左側の移動体Dに着目した場合は、右側が開方向となり、左側が閉方向となる。一方、
図1における右側の移動体Dに着目した場合は、左側が開方向となり、右側が閉方向となる。また、本実施形態では、移動方向D1は、直線的な方向であるが、例えば、移動体Dが、軸まわりに旋回する開閉体の場合には、移動方向D1は円弧状の曲線的な方向となる。また、本実施形態では、移動方向D1は、水平方向であるが、例えば、移動体Dが上下方向に開閉する開閉体である場合、移動方向D1は鉛直方向となる。なお、本明細書において、移動体Dの一方の面(または他方の面)に対して垂直な方向を、移動体Dの厚さ方向D2(
図8参照)と呼ぶ。また、移動体Dが直線的にスライド移動する開閉体の場合、移動体Dの一方の面(または他方の面)に対して平行な方向のうち、移動方向D1に垂直な方向を、移動体Dの高さ方向D3(
図1参照)と呼ぶ。また、移動体Dが所定の軸まわりに旋回する開閉体である場合、移動体Dの回転軸が延びる方向と平行な方向を移動体Dの高さ方向と呼ぶ。
【0016】
基体Bは、移動体Dが移動可能に構成され、移動体Dをロック可能な構造物である。基体Bの形状および構造は、移動体Dが移動可能に構成され、移動体Dをロック可能であれば、特に限定されない。本実施形態では、基体Bは、
図1に示されるように、ロック機構1の後述するロック部材4(
図2参照)と係合する被ロック部B1を有している。具体的には、基体Bは、
図1に示されるように、被ロック部B1と、被ロック部B1が設けられる枠体B2とを有している。本実施形態では、枠体B2は、開閉体である移動体Dを案内するように構成されている。枠体B2の形状および構造は、特に限定されない。本実施形態では、枠体B2は、
図1に示されるように、矩形状に設けられ、下枠B21、上枠B22、第1縦枠B23および第2縦枠B24を有している。枠体B2の内側には、移動体Dによって閉鎖可能な開口部が設けられている。下枠B21および上枠B22は、移動体Dの高さ方向D3の両端を案内する。第1縦枠B23は、
図1において、ロック機構1が設けられた側の、移動体Dの端面Da(
図1における左側の移動体Dの左側の端面)と対向する(当接する)ように設けられている。また、第2縦枠B24は、もう一方の移動体D(
図1における右側の移動体D)の、ロック機構1が設けられた側の、移動体Dの端面(
図1における右側の移動体Dの右側の端面)と対向する(当接する)ように設けられている。なお、基体Bは、枠体B2とは異なる構造、例えば、支柱や壁等によって構成されていてもよい。
【0017】
被ロック部B1は、基体Bに設けられ、後述するロック部材4と係合するように構成されている。被ロック部B1がロック機構1のロック部材4と係合することで、移動体Dが所定の位置(本実施形態では、開閉体である移動体Dの閉鎖状態。
図12および
図13参照)で保持される。本実施形態では、被ロック部B1は、基体B(第1縦枠B23)の、移動体Dの高さ方向D3で中央部に設けられている。同様に、ロック機構1も、移動体Dの高さ方向D3で中央部に設けられている。なお、本実施形態では、被ロック部B1は、
図1および
図2に示されるように、基体Bのうち、移動体Dの端面Daと対向する対向面B231から移動方向D1に突出するように設けられている。しかし、被ロック部B1は、例えば、対向面B231に形成された凹部内に設けられて、対向面B231から突出しないように(または、被ロック部B1の対向面B231からの突出量が
図1に示される突出量よりも小さくなるように)構成されていてもよい。
【0018】
本実施形態では、被ロック部B1は、
図2に示されるように、基体Bに取り付けられる取付部B11と、ロック部材4と係合する係合部B12と、ロック部材4のロック部41を案内する案内傾斜面B13とを有している。取付部B11は、被ロック部B1を基体Bに取り付ける部位である。取付部B11は、基体Bに対して、ネジ等の公知の固定手段によって固定される。係合部B12は、ロック部材4と係合する。より具体的には、係合部B12は、ロック部材4のロック部41と移動方向D1で係合して、移動体Dが移動方向D1(本実施形態では開方向D11)に移動することを規制する。係合部B12の形状および構造は、ロック機構1のロック部材4と係合することができれば、特に限定されない。本実施形態では、係合部B12は、板状部に移動体Dの厚さ方向D2に貫通した貫通孔が形成されることによって設けられている。しかし、係合部は、ロック部材4と係合可能であれば、例えば、第1縦枠B23の対向面B231において、移動体Dの移動方向D1に貫通した貫通孔が形成されることによって設けられていてもよい。また、係合部は、貫通孔に代わって、非貫通の凹部が形成されることによって設けられていてもよい。案内傾斜面B13は、詳細は後述するが、ロック部材4のロック部41が係合部B12に係合できるように、ロック部材4のロック部41を案内傾斜面B13の傾斜に沿って案内する。案内傾斜面B13は、後述するロック位置にあるロック部材4のロック部41と接触する位置に設けられている。
【0019】
ロック機構1は、
図2および
図3に示されるように、基体Bに対して移動する移動体Dに設けられる本体部2と、本体部2に対して移動体Dの移動方向D1にスライド可能に設けられたスライダ部3と、スライダ部3に設けられ、移動体Dを基体Bに対してロックするロック部41を備えたロック部材4とを備えている。また、本実施形態では、
図2および
図3に示されるように、ロック機構1は、スライダ部3を後述する第1位置(
図7および
図8参照)に向かって付勢する付勢部材5を備えている。
【0020】
ロック機構1が設けられる位置は、移動体Dを基体Bに対してロック可能な位置であれば、特に限定されない。本実施形態では、ロック機構1は、
図1に示されるように、移動体Dの(移動体Dの閉方向D12側の)端面Daの近傍に設けられている。ロック機構1は、通常の移動体を移動させるための取っ手部が設けられる高さ方向D3の位置と同様の位置、すなわち、移動体Dの高さ方向D3の中央部に設けられている。ロック機構1は、移動体Dの両面に設けられていてもよいが、本実施形態では、移動体Dの一方の面のみに設けられ、他方の面には設けられていない(
図8参照)。より具体的には、ロック機構1は、室内空間等、第1の空間に面する移動体Dの一方の面(
図1の紙面手前側の面)のみに設けられ、室外空間等、第2の空間に面する移動体Dの他方の面(
図1の紙面奥行側の面)には設けられていない。また、ロック機構1は、本実施形態のように、複数の移動体Dを有する構造に設けられる場合、複数の移動体Dの全てに設けられていてもよいし、複数の移動体Dのうちの一部のみに設けられていてもよい。
【0021】
本体部2は、ロック機構1を移動体Dに取り付けるための土台部分であるとともに、スライダ部3を移動方向D1に沿って移動可能に支持する。本実施形態では、本体部2は、移動体Dに設けられた、本体部2の形状に対応した形状を有する凹部に嵌め込まれる。本体部2は、移動体Dに対して単に嵌め込まれるだけで取り付けられてもよいし、ネジや接着剤等、公知の固定手段によって固定されてもよい。本実施形態では、本体部2が配置される空間(凹部)は、
図2に示されるように、移動体Dの端面Daに連通する連通路Dbと繋がっている。連通路Dbは、移動体Dの端面Daにおいて開口している。この連通路Db内を、後述するスライダ部3およびロック部材4が移動方向D1に移動可能となっている。
【0022】
本体部2の形状および構造は、ロック機構1を移動体Dに取り付けるための土台部分となり、スライダ部3を移動方向D1に沿って移動可能に支持することができれば、特に限定されない。本実施形態では、本体部2は、
図4に示されるように、移動体Dの移動方向D1および高さ方向D3を含む面に沿って延びる板状の基部21と、基部21の開方向D11側から厚さ方向D2に立設する壁部22と、基部21の高さ方向D3の両側に、基部21に対して段差状に設けられた段部23とを備えている。壁部22は、付勢部材5の付勢力によって移動方向D1のうちの一方(開方向)D11に移動したスライダ部3と当接するように構成され(
図7および
図8参照)、付勢部材5によって付勢されたスライダ部3を所定の位置で停止させる停止壁として機能する。基部21に対して垂直に延びる段部23の側面23aには案内溝Gが設けられている。案内溝Gは、移動方向D1に沿って延び、後述するロック部材4の軸部材42が移動方向D1に沿って案内される(
図8および
図10参照)。
【0023】
また、本体部2には、付勢部材5が収容される空間である、付勢部材収容部A(
図3参照)が設けられている。付勢部材収容部Aは、本体部2の一部およびスライダ部3の一部によって画定される。付勢部材収容部Aの移動方向D1の両端は、本体部2の閉方向D12側の端部において、移動方向D1に対して垂直に延びる壁部24と、壁部24に移動方向D1で対向する、スライダ部3の付勢部材当接壁34とによって画定されている。また、付勢部材収容部Aの高さ方向D3の両端は、本体部2の高さ方向D3の端部において基部21に対して垂直に延びる壁部25と、壁部25に高さ方向D3で対向する、スライダ部3のガイド壁GWとによって画定されている。また、付勢部材収容部Aの厚さ方向D2の両端は、基部21に対して略平行に延びる段部23の側面23b(
図4参照)と、本体部2を少なくとも部分的に被覆するカバー部材C(
図3参照)とによって画定されている。
【0024】
スライダ部3は、本体部2に対して移動方向D1にスライド可能に設けられている。スライダ部3には、ロック部材4が設けられており、スライダ部3が移動方向D1にスライドすることによって、スライダ部3とともにロック部材4を移動させる。なお、スライダ部3に関して、「移動方向D1にスライド」とは、スライダ部3がスライドすることによって本体部2に対して移動方向D1で変位することを意味する。したがって、スライダ部3がスライドすることによって本体部2に対して移動方向D1で変位することができれば、スライダ部3は、移動方向D1と完全に同一の方向に移動してもよいし、移動方向D1に対して傾斜した方向に移動してもよい。
【0025】
本実施形態では、スライダ部3は、ロック部材4と別体に設けられており(取り付けられており)、ロック部材4を支持した状態で、本体部2に対して移動方向D1にスライドするように構成されている。しかし、スライダ部とロック部材とは一体に設けられていてもよい(例えば、ロック部材をスライダ部に対して撓む板バネ状に設けてもよい)。
【0026】
本実施形態では、スライダ部3は、付勢部材5によって移動方向D1の一方(本実施形態では、開方向)D11に付勢されている。この場合、スライダ部3は、付勢部材5の付勢力によって、移動方向D1で一方D11側となるスライダ部3の移動端となる第1位置(
図7および
図8参照)に向かって移動し、スライダ部3が操作されていない場合、第1位置で保持される。なお、後述するように、ロック機構1には、必ずしも付勢部材5が設けられる必要はない。
【0027】
付勢部材5の形状および構造は、スライダ部3を移動方向D1の一方D11に付勢することができれば、特に限定されない。本実施形態では、付勢部材5は、移動方向D1に伸縮するコイルバネであるが、スライダ部3を移動方向D1の一方D11に付勢可能な他の構造のバネ等であってもよい。
【0028】
また、本実施形態では、スライダ部3は、
図2、
図3および
図5に示されるように、スライダ部3を移動体Dの移動方向D1に操作可能なスライダ操作部31を有している。また、スライダ部3は、ロック部材4を動作可能に支持する支持部32と、本体部2に沿って案内される被案内部33とを有している。
【0029】
スライダ操作部31は、ユーザによって移動方向D1に操作可能な部位である。詳細は後述するが、スライダ操作部31は、ロック部材4のロック機能を機能させたい場合に移動方向D1(本実施形態では閉方向D12)に操作されることで、スライダ部3を本体部2に対して移動方向D1(本実施形態では閉方向D12)に移動させる。スライダ操作部31の形状および構造は、スライダ部3を本体部2に対して移動方向D1にスライドさせることができるように操作可能であれば、特に限定されない。本実施形態では、スライダ操作部31は、
図8に示されるように、移動体Dの表面から厚さ方向D2で突出するように延びる板状体によって構成されている。この場合、スライダ操作部31にユーザの指が掛かりやすく、スライダ操作部31を容易に操作することができる。スライダ操作部31は、
図2、
図3および
図8に示されるように、後述するロック部材4のロック部材操作部43に対して、開方向D11側に離間して設けられている。
【0030】
支持部32は、ロック部材4を動作可能に支持する部位である。支持部32は、本実施形態では、スライダ部3の被案内部33の高さ方向D3で両側に設けられたガイド壁GWに設けられている。具体的には、支持部32は、ガイド壁GWに設けられた、ロック部材4の軸部材42が挿通される挿通孔Hが設けられた部位である。本実施形態では、支持部32は、ロック部材4を回転軸AXまわりに回転可能に支持している。
【0031】
被案内部33は、本体部2の基部21に案内される。本実施形態では、被案内部33は、板状に形成され、平面状の基部21に面接触して摺動することで案内される。本実施形態では、スライダ部3は、被案内部33が基部21に案内されることに加えて、スライダ部3のガイド壁GWが、本体部2の段部23の側面23aに沿って案内されることで、移動方向D1に案内される。スライダ部3のさらなる詳細については、後述する。
【0032】
ロック部材4は、基体Bに対してロックされる部分である。ロック部材4が基体Bに対してロックされたときに、移動体Dが基体Bに対して移動方向D1に移動することが規制される。本実施形態では、ロック部材4は、基体Bの被ロック部B1に対して、移動方向D1で係合することで、移動体Dの移動を規制している(
図13参照)。ロック部材4は、後述するように、基体Bに対してロック可能な位置であるロック位置(
図8、
図10、
図13および
図16参照)と、基体Bに対してロックが解除される位置であるアンロック位置(
図14参照)との間で移動可能となっている。なお、「ロック位置」は、「アンロック位置」に対する、ロック部材4の相対的な位置を示す用語であり、ロック部材4が基体Bに対して実際にロックされているか否かを問わず、スライダ部3が、後述する第2位置(
図9、
図10、
図12および
図13参照)に移動したときに、ロック部材4が基体B(被ロック部B1)にロックされ得る位置をいう。したがって、スライダ部3が、後述する第1位置(
図7および
図8参照)にあるときには、ロック部材4は基体Bに対してロックされていないが、スライダ部3が第2位置に移動した場合には、ロック部材4が基体Bにロックされ得るので、
図8および
図16に示されるロック部材4の位置もロック位置となる。また、「アンロック位置」は、「ロック位置」に対する、ロック部材4の相対的な位置を示す用語であり、スライダ部3が、後述する第2位置に移動したとしても、ロック部材4が基体Bに対してロックされない位置である。なお、ロック部材4の、ロック位置とアンロック位置との間の移動は、ロック部材4全体が移動するものだけに限られず、ロック部材4の一部(例えばロック部41に対応する部分)のみが基体Bに対してアンロックされる方向に移動(変位、変形)するものも含まれる。
【0033】
ロック部材4は、移動体Dを基体Bに対してロックするロック部41を有している。ロック部41の形状および構造は、移動体Dを基体Bに対してロックすることができれば、特に限定されない。本実施形態では、ロック部41は、
図13に示されるように、被ロック部B1の係合部B12に係合する鉤状部によって構成されている。
【0034】
ロック部材4は、上述したように、スライダ部3とともに移動するように、スライダ部3に設けられている。また、ロック部材4は、上述したように、ロック位置とアンロック位置との間で移動できるように、スライダ部3に設けられている。ロック部材4の形状および構造は、ロック位置とアンロック位置との間で移動できるように構成されていれば、特に限定されない。本実施形態では、ロック部材4は、
図13および
図14に示されるように、移動方向D1に垂直に延びる回転軸AX(
図12参照)まわりに揺動することで、ロック位置とアンロック位置との間を移動するように構成されている。なお、本実施形態では、ロック部材4は、高さ方向D3に平行に延びる回転軸AXまわりに揺動するように構成されているが、厚さ方向D2に平行に延びる回転軸まわりに揺動するように構成されていてもよい。また、ロック部材4は、回転軸AXまわりの揺動以外の動作によってロック位置とアンロック位置との間を移動してもよい。例えば、ロック部材のロック部が移動体Dの面に対して垂直な方向に進退するロックピンによって構成される場合のように、ロック部が直線的な進退動作によってロック位置とアンロック位置との間を移動してもよい。なお、本実施形態では、ロック部材4が軸部材42を有し、軸部材42がスライダ部3の支持部32に設けられた挿通孔Hに挿通されて回転軸AXまわりに揺動するように構成されている。しかし、スライダ部3に軸部材が設けられて、当該軸部材がロック部材4に挿通されることで、ロック部材4が回転軸AXまわりに揺動するように構成されていてもよい。
【0035】
本実施形態では、ロック部材4は、ロック位置に向かって付勢されている。この場合、ロック部材4によってロック機構1を基体Bに対してより確実にロックすることができる。本実施形態では、後述するように、付勢されることでロック位置に保持されたロック部材4は、被ロック部B1に係合する過程で被ロック部B1と当接した際に、一旦アンロック位置側に移動した後、ロック位置に移動することで、被ロック部B1に係合する(
図11および
図13参照)。具体的には、
図11に示されるように、ロック部材4が移動体Dとともに移動方向D1で他方(閉方向)D12に移動して、被ロック部B1に当接したときに、ロック部材4は、被ロック部B1からロック部材4に対して加わる反力によって、アンロック位置側に移動する。その後、ロック部材4が移動方向D1で被ロック部B1と係合可能な位置に到達したときに、ロック部材4は、ロック位置に向かう付勢力によって被ロック部B1に係合する(
図13参照)。これにより、ロック部材4をユーザが操作することなく、ロック部材4と被ロック部B1とがロックされる自動ロックが可能となる。本実施形態では、
図13に示されるように、ロック部材4のロック部41と、被ロック部B1の案内傾斜面B13とが当接することで、ロック部材4がアンロック位置側に移動するように構成されているが、ロック部材4に、被ロック部B1からロック部材4に対して加わる反力を、ロック部材4のアンロック位置に向かう方向の力に変換する傾斜面が設けられていてもよい。
【0036】
本実施形態では、ロック機構1は、ロック部材4をロック位置に向かって付勢する付勢部材6を備えている。付勢部材6の形状および構造は、ロック部材4をロック位置に向かって付勢することができれば、特に限定されない。本実施形態では、付勢部材6は、
図8に示されるように、ロック部材4を回転軸AXまわりでロック位置側に付勢するトーションバネである。しかし、付勢部材は、コイルバネ等、他の付勢部材であってもよい。
【0037】
本実施形態では、ロック部材4は、
図13および
図14に示されるように、ロック部材4をアンロック方向に操作可能なロック部材操作部43を有している。ロック部材操作部43は、ロック部材操作部43をアンロック方向に操作したときに、ロック部材4をロック位置からアンロック位置へと移動するように、スライダ部3に対して相対移動可能に構成されている。ロック部材操作部43は、アンロック方向に操作されることで、ロック部材4の基体Bに対するロックを解除する。ここで、「アンロック方向」とは、ロック部材4による、基体Bに対するロックを解除することが可能な任意の方向であり、その方向は特に限定されない。本実施形態では、アンロック方向は、後述する第2位置から第1位置へ向かう方向(本実施形態では開方向D11)であるが、アンロック方向は、例えば、移動体Dの表面に対して垂直な方向であってもよい。
【0038】
なお、本実施形態では、ロック部材4は、
図3および
図6に示されるように、ロック部41を移動方向D1の閉方向D12側の端部に有する延在部44を有し、ロック部材操作部43は、延在部44からユーザによって操作可能な位置に延びている。本実施形態では、ロック部材操作部43が操作されると、ロック部材4がスライダ部3に対して回転軸AXまわりに揺動することで、ロック位置からアンロック位置に移動する。しかし、ロック部材操作部は、スライダ部3に対して、移動体Dの表面に垂直な方向に移動する(例えば、厚さ方向D2に押圧操作および引き操作される)ことで、ロック部材4をロック位置からアンロック位置へと移動させるように構成されていてもよい。
【0039】
ロック部材操作部43の形状および構造は、ロック部材4をアンロック方向に操作可能であれば、特に限定されない。本実施形態では、ロック部材操作部43は、
図3および
図4に示されるように、延在部44に対して垂直に延びた板状部によって構成されている。本実施形態では、ロック部材操作部43は、
図8に示されるように、移動体Dの表面から突出し、ユーザによる操作が容易になっている。本実施形態では、ロック部材操作部43は、
図8に示されるように、スライダ操作部31と移動方向D1に並んで配置され、ロック部材4がロック位置にある状態で、ロック部材操作部43はスライダ操作部31に対して移動方向D1で離間して設けられている。ロック部材操作部43は、スライダ操作部31に対して閉方向D12側に位置し、スライダ操作部31は、ロック部材操作部43に対して、開方向D11側に位置している。この場合、詳細は後述するが、開閉体である移動体Dを閉鎖するときに、スライダ操作部31を操作しやすく、開閉体である移動体Dを開放するときに、ロック部材操作部43を操作しやすい。
【0040】
本実施形態では、スライダ部3は、移動体Dの移動方向D1のうちの一方側(本実施形態では、開方向D11側)への移動端であって、ロック部材4のロック部41が基体Bに対してロックできない状態となる第1位置(
図7、
図8、
図15および
図16参照)と、移動体Dの移動方向D1のうちの他方側(本実施形態では、閉方向D12側)への移動端であって、ロック部材4のロック部41が基体Bに対してロック可能な状態となる第2位置(
図9~
図14参照)との間で移動可能に構成されている。
【0041】
第1位置は、スライダ部3の移動方向D1での可動範囲のうち、スライダ部3が移動方向D1で一方D11側の移動端まで移動した位置である。
図7、
図8、
図15および
図16に示されるように、第1位置において、スライダ部3とともに移動するロック部材4のロック部41は、第2位置に対して、移動方向D1の一方D11側に後退した位置にあるため、ロック部材4がロック位置にあったとしても、基体Bに対してロックできない状態となっている。すなわち、スライダ部3が第1位置にあるときには、
図15および
図16に示されるように、ロック部材4のロック部41は、基体Bの被ロック部B1(具体的には係合部B12)に対して移動方向D1で届かない位置に配置され、被ロック部B1と係合することができない。なお、本実施形態では、第1位置は、スライダ部3の移動方向D1での可動範囲のうち、開閉体である移動体Dの開方向D11側の移動端となっている。
【0042】
第2位置は、スライダ部3の移動方向D1での可動範囲のうち、スライダ部3が移動方向D1で他方D12側の移動端まで移動した位置である。
図9~
図14に示されるように、第2位置において、スライダ部3とともに移動するロック部材4のロック部41は、第1位置に対して、移動方向D1の他方D12側に突出した位置にあり、基体Bに対してロック可能な状態となっている。スライダ部3が第2位置に位置し、かつ、ロック部材4がロック位置に位置するときに、
図12および
図13に示されるように、ロック部材4は基体Bに対してロックされる。なお、本実施形態では、第2位置は、スライダ部3の移動方向D1での可動範囲のうち、開閉体である移動体Dの閉方向D12側の移動端となっている。
【0043】
スライダ部3が第1位置と第2位置との間で移動可能に構成されていることにより、スライダ部3を第2位置に位置させることで、ロック部材4が基体Bに対してロック可能となり、スライダ部3を第1位置に位置させることで、ロック部材4が基体Bに対してロック不可となる。したがって、スライダ部3を第2位置に位置させることで、移動体Dを簡単な操作で基体Bに対してロックさせることができる。また、スライダ部3を第1位置に位置させることで、移動体Dが基体Bに対して意図せずにロックされることを抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態では、上述したように、スライダ部3は、スライダ部3を移動体Dの移動方向D1に操作可能なスライダ操作部31を有し、スライダ部3は、スライダ操作部31に移動体Dの移動方向D1の力が加わっていないとき、第1位置に位置するように構成されている。この場合、移動体Dを移動方向D1に移動させる際に、スライダ操作部31に手をかけて力を加えると、
図9および
図10に示されるように、スライダ部3が第1位置から第2位置に移動して、ロック部材4が基体Bに対してロック可能な状態となるとともに、そのスライダ部3を第1位置から第2位置に移動させる力が、移動体Dを移動方向D1に移動させる力にもなる。したがって、移動体Dの移動方向D1への移動と、スライダ部3の第1位置から第2位置への移動(および、これに伴うロック部材4の基体Bに対してロック可能な位置への移動)とが、同じ方向の力で実現される。したがって、移動体Dの移動(開閉体の閉鎖)と、移動体Dの基体Bに対するロックとを、1つのアクションで簡単に行うことができる。
【0045】
また、スライダ操作部31が操作されていない場合、
図15および
図16に示されるように、スライダ部3は第1位置に位置するため、ロック部材4は、移動方向D1で基体Bに対してロックできない状態となる。したがって、スライダ操作部31に移動方向D1に力が加わっていない場合に、意図せずにスライダ部3が第2位置に位置して、ロック部材4と基体Bとが誤ってロックされてしまうことが抑制される。例えば、移動体Dが開閉体であり、移動体Dの室内側のみにロック機構1が設けられ、室外側にはロック機構1が設けられていないとする。その場合、室外側に出たユーザが室外側から移動体Dを閉めたときに、スライダ部3が第1位置に保持されることで、意図せずに、ロック部材4と基体Bとが誤ってロックされてユーザが室外側に閉め出されてしまうことが抑制される。また、例えば、ユーザが開閉体である移動体Dを閉めることなく室外側に出たときに、スライダ部3に手が届かない小さい子供が室内側から移動体Dを閉めてしまう場合も考えられる。このような場合であっても、スライダ部3が操作されなければ、スライダ部3は第1位置に位置し、ロック部材4と基体Bとがロックされることはない。したがって、室外に出たユーザが閉め出されることが抑制される。
【0046】
なお、「スライダ部3は、スライダ操作部31に移動体Dの移動方向D1の力が加わっていないとき、第1位置に位置するように構成されている」という表現は、スライダ操作部31が操作されていないときに、付勢部材による付勢力や、スライダ部3に加わる重力など、スライダ部3に第1位置に向かう方向の力が加わることで、スライダ部3が第2位置から第1位置に向かって移動するように構成されていることを意味している。本実施形態では、スライダ部3は、付勢部材5によって第1位置側に付勢されることによって、スライダ操作部31に移動体Dの移動方向D1の力が加わっていないとき、第1位置に位置するように構成されている。しかし、スライダ部3は、例えば、第2位置から第1位置に向かって高さ方向D3の高さが低くなる傾斜面に沿って移動するように設けられて、スライダ部3に加わる重力によって、スライダ部3が傾斜面を下って移動することで、スライダ操作部31に力が加わっていないときに、第1位置に位置するように構成されていてもよい。
【0047】
本実施形態では、ロック部材4は、上述したように、ロック部材操作部43を有している。ロック部材操作部43は、アンロック方向に操作されたときに、ロック部材4をロック位置からアンロック位置へと移動するように、スライダ部3に対して相対移動可能に構成され、スライダ部3は、ロック部41が基体Bに対してロックした状態が解除されたとき、上記の通り第2位置から第1位置へと移動するよう構成されている。すなわち、ロック部材操作部43が、
図14に示されるように、ロック部材4をアンロックするように操作されて、ロック部41によるロック状態が解除されると、スライダ部3は第2位置から第1位置へと移動する(スライダ部3およびロック部材4は、
図14に示される状態から本体部2に対して、
図14において右側に相対移動する)。これにより、ロック部材4は、基体Bと係合できない位置へと移動する。したがって、一旦ロック部材4と基体Bとの間のロック状態が解除されると、ロック部材4と基体Bとが誤って再度ロックされることが抑制される。したがって、ロック部材4と基体Bとの間のロック状態が解除された後に、移動体Dを移動させることが容易になる。
【0048】
本実施形態では、ロック部材操作部43が操作される方向となるアンロック方向は、第2位置から第1位置へ向かう方向となっている。この場合、ロック解除後に移動体Dを移動させる方向(本実施形態では、開閉体である移動体Dを開方向D11に移動させる方向)と、ロック解除時に操作されるロック部材操作部43の操作方向とが同じ方向となる。したがって、ロック部材4のロック解除と、移動体Dの移動(開閉体である移動体Dの開放)とを、1つのアクションで簡単に行うことができる。
【0049】
つぎに、本実施形態のロック機構1の具体的な動作を、移動体Dが、室内空間と室外空間とを仕切るように構成された、スライド動作する開閉体(以下、開閉体Dと呼ぶ)である例を挙げて詳細に説明する。
【0050】
開閉体Dは、
図8に示されるように、室内空間側の表面(
図8における上面)に、ロック機構1を開閉方向D1の閉方向D12側に有している。開閉体Dの室外空間側の表面(
図8における下面)には、ロック機構1は設けられておらず、ユーザが手をかける取っ手部(凹部)GRが設けられている。まず、ロック機構1が設けられた室内空間側から、開閉体Dを操作する場合について説明する。
【0051】
開閉体Dが開放した状態において、ユーザが開閉体Dを操作する前は、
図7および
図8に示されるように、スライダ部3は第1位置に位置しており、ロック部材4は連通路Dbに突出せずに、本体部2側に後退した状態となっている。この状態から、ユーザが開閉体Dを閉鎖するために、スライダ部3のスライダ操作部31に手をかけて、開閉体Dを閉方向D12に移動させる。ユーザがスライダ操作部31に手をかけて閉方向D12に力を加えると、
図9および
図10に示されるように、付勢部材5の付勢力に抗して、スライダ部3が閉方向D12に移動して第2位置に位置付けられる。スライダ部3が第2位置に位置付けられると、ロック部材4もスライダ部3とともに閉方向D12に移動して、
図9および
図10に示されるように、連通路Db内に突出し、基体Bの係合部B12と係合可能なロック準備状態となる。なお、このとき、ロック部材4は、トーションバネである付勢部材6によって、ロック位置に位置している。スライダ部3が
図9および
図10に示される第2位置に位置付けられた状態で、さらにスライダ操作部31に閉方向D12に力を加えると、開閉体Dは閉方向D12(
図9および
図10における左方向)にスライドする。
【0052】
開閉体Dが閉方向D12にスライドして、被ロック部B1の近傍まで移動すると、
図11に示されるように、ロック部材4のロック部41の閉方向D12の端部と、被ロック部B1の案内傾斜面B13とが当接する。そのまま、開閉体Dに閉方向D12の力が加わると、ロック部材4は、付勢部材6の付勢力に抗して、アンロック位置に向かって回転軸AXまわりに揺動する。これにより、ロック部材4のロック部41が案内傾斜面B13上に乗り上がりながら、開閉体Dが閉方向D12に移動を続ける。ロック部41が係合部B12の位置に到達すると、付勢部材6の付勢力によってロック部41はロック位置に向かって揺動して、係合部B12に係合する(
図12および
図13参照)。これにより、ロック機構1と基体Bとの間のロックが完了する。
【0053】
図12および
図13に示されるように、開閉体Dが閉鎖されてロックされた状態から、開閉体Dを室内側から開放する場合、
図14に示されるように、ロック部材操作部43に手をかけて開方向D11に力を加える。ユーザは通常の開閉体を開放するときの動作と同様の動作でロック部材操作部43に力を加えると、ロック部材4は、
図14に示されるように、回転軸AXまわりに揺動して、ロック部材4のロック部41の、係合部B12との係合状態が解除される。ロック部41と係合部B12との係合が解除されると、付勢部材(コイルバネ)5の付勢力によって、スライダ部3およびロック部材4は本体部2に対して開方向D11に移動する。そのままユーザが開方向D11に力を加えると、開閉体Dは開放する。
【0054】
つぎに、例えば、ベランダなどの室外空間側から、開閉体Dを閉鎖する場合について説明する。
【0055】
室外側から開閉体Dを閉鎖する場合は、
図8に示される状態から、ユーザはロック機構1が設けられていない室外空間側の表面に設けられた取っ手部GRに手をかけ、開閉体Dに閉方向D12の力を加える。この場合、スライダ操作部31は操作されず、スライダ部3に閉方向D12の力が加わっていない。そのため、スライダ部3は付勢部材(コイルバネ)5によって付勢されて第1位置で保持されている。したがって、開閉体Dを室外側から閉鎖しても、スライダ部3が第1位置で保持されて、
図15および
図16に示されるように、ロック部材4は被ロック部B1の係合部B12に係合できない位置にある。よって、室外に出たユーザが開閉体Dを閉鎖したときに、誤ってロック部材4と被ロック部B1とが係合して、ユーザが室外に閉め出されてしまうことが抑制される。特に、自動ロック機構(例えば、本実施形態で言うと、ロック部材4が付勢部材6によってロック位置に向かって付勢され、ロック部材4が案内傾斜面B13に案内されて、開閉体Dが閉鎖されたときに自動でロックされる構成や、それと同様の構成。以下、単に自動ロック機構という)を有している従来のロック機構の場合、ユーザは自動ロック機構が設けられていることを忘れて開閉体Dを閉鎖し、室外に閉め出される危険性が生じやすい。本実施形態では、室内側に設けられたロック機構1のスライダ部3が操作されていない場合には、スライダ部3は第1位置に位置し、ロック部材4は被ロック部B1と係合できない位置に位置するので、自動ロック機構が設けられていても、意図せずにロック部材4が被ロック部B1に係合することが確実に抑制される。
【0056】
ユーザが室外に出た状態で、小さい子供が室内側から開閉体Dの表面などに手をかけて閉めてしまった場合も、子供がスライダ操作部31を操作しなければ、スライダ部3およびロック部材4が第2位置側に向かって移動しない。したがって、室外側から開閉体Dを閉めた場合と同様に、室外側のユーザが閉め出されることを抑制することができる。
【0057】
<第2実施形態>
つぎに、第2実施形態のロック機構について、
図17~
図22を用いて説明する。第2実施形態のロック機構1は主に、規制部材7が設けられている点で、第1実施形態と異なる。以下、上述した第1実施形態と共通する事項についての説明は省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態で説明した事項の全ては、発明の目的を達成できる限りにおいて、第2実施形態のロック機構に適用することができ、本実施形態の構成と、第1実施形態で説明した内容とを組み合わせて用いることができる。また、第1実施形態で説明した構成により得られる効果は、当該構成を有している限り、第2実施形態においても得ることができる。
【0058】
本実施形態では、ロック機構1はさらに、
図17~
図22に示されるように、規制部材7を備えている。規制部材7は、ロック部材4がロック位置からアンロック位置に向かう、ロック部材4のスライダ部3に対する相対移動を規制する。規制部材7は、
図18および
図19に示されるように、ロック部材4がロック位置からアンロック位置へと移動することを許容する非規制位置(
図18参照)と、ロック部材4がロック位置からアンロック位置へと移動することを規制する規制位置(
図19参照)とで保持されるように構成されている。これにより、第1実施形態と同様の方法で使用する場合には、
図18に示されるように、規制部材7を非規制位置で保持することによって、ロック部材4は二点鎖線で示されるようにアンロック位置に移動することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、
図19に示されるように、規制部材7を規制位置へと移動させることで、ロック部材4はロック位置からアンロック位置に移動することが規制される。これにより、ロック部材4と基体Bとがロック状態にある場合に、ロック状態を確実に維持することができる。また、
図19に示される状態から、移動体Dが、ロック部材4と被ロック部B1とが係合する方向(
図19において左方向)に移動して、ロック部材4が被ロック部B1の位置に到達したとしても、ロック部材4はロック位置からアンロック位置への移動が規制されており、アンロック位置に移動しない。したがって、
図19に示されるように、規制部材7を規制位置に位置させることで、例えば、上述した自動ロック機構が設けられている場合など、意図せずにロック部材4が被ロック部B1にロックされることが抑制される。
【0059】
規制位置は、ロック部材4がロック位置からアンロック位置へと移動することを規制することが可能な規制部材7の位置である。本実施形態では、規制位置は、ロック部材4がロック位置からアンロック位置に移動するときの移動軌跡上で、ロック部材4がアンロック位置に向かう移動の障害となる、規制部材7の位置である。また、非規制位置は、ロック部材4がアンロック可能な位置まで移動することを許容する規制部材7の位置である。本実施形態では、非規制位置は、ロック部材4がロック位置からアンロック位置に移動するときの移動軌跡から外れた、規制部材7の位置である。
【0060】
規制部材7の形状および構造は、規制位置と非規制位置とで保持され、規制位置にあるときに、ロック部材4がアンロック位置に向かう移動を規制することができれば、特に限定されない。本実施形態では、規制部材7は、
図18および
図19に示されるように、スライダ部3に対して厚さ方向D2に移動するように、スライダ部3に取り付けられている。規制部材7は、
図18~
図22に示されるように、厚さ方向D2に操作可能な被操作部71と、ロック部材4と当接する規制部72と、スライダ部3のスライダ操作部31に案内される被案内部73と、規制部材7を規制位置と非規制位置との両方の位置で保持可能な位置保持部74とを備えている。
【0061】
被操作部71は、規制部材7を厚さ方向D2に操作可能に構成されている。被操作部71の形状および構造は、規制部材7を厚さ方向D2に操作可能であれば、特に限定されない。本実施形態では、被操作部71は、厚さ方向D2の端部にフランジ部を有しており、厚さ方向D2へ押し込む操作と、引き出す操作を容易にしている。
【0062】
規制部72は、
図19に示されるように、規制部材7が規制位置に位置しているときに、ロック部材4の移動軌跡上に位置して、ロック部材4のアンロック位置への移動を規制するように構成されている。規制部72の形状および構造は、規制部材7が規制位置に位置しているときに、ロック部材4の移動軌跡上に位置して、ロック部材4と当接するように構成されて、ロック部材4のアンロック位置への移動を規制することができれば、特に限定されない。本実施形態では、規制部72は、規制部材7が規制位置にあるときに、板状のロック部材操作部43の開方向D11側の当接面43aと対向する。規制部72は、ロック部材操作部43が開方向D11側に操作されたとき、または、被ロック部B1と当接して被ロック部B1からロック部材4にアンロック方向に力が加わったときに、当接面43aと当接するストッパ部として機能する。
【0063】
被案内部73は、規制位置と非規制位置との間で、スライダ部3に案内される部位である。被案内部73の形状および構造は、規制位置と非規制位置との間で、スライダ部3に案内されるように構成されていれば、特に限定されない。本実施形態では、被案内部73は、スライダ操作部31に厚さ方向D2で案内され、かつ、スライダ操作部31に対して移動方向D1で係合するように案内されている。これにより、ロック部材4に開方向D11の力が加わり、ロック部材4から被案内部73に開方向D11の力が加わっても、被案内部73がスライダ操作部31と移動方向D1で係合することで、規制部材7はロック部材4に対して開方向D11に移動しない。したがって、規制部材7によって、ロック部材4のアンロック位置への移動をより確実に規制することができる。
【0064】
位置保持部74は、規制部材7を規制位置と非規制位置とで保持する。位置保持部74の形状および構造は、規制部材7を規制位置と非規制位置とで保持することができれば、特に限定されない。本実施形態では、位置保持部74は、
図22に示されるように、バネ係合部741aを有するバネ部材741と、山部742aを有する保持係合部742とによって構成されている。保持係合部742は、規制部材7の規制位置と非規制位置との間での移動方向で、山部742aの一方側(非規制位置側。
図22における上側)に第1当接面742bを有し、山部742aの他方側(規制位置側。
図22における下側)に第2当接面742cを有している。
【0065】
バネ部材741は、第1当接面742bおよび第2当接面742cを押圧できるように設けられている。本実施形態では、バネ係合部741aは、バネ部材741の折れ曲がり部分によって構成されている。バネ係合部741aは、
図22において二点鎖線で示されるように、規制部材7が非規制位置に位置するときには、第2当接面742cと山部742aの斜面との境界部分に係合する。これにより、規制部材7が規制位置に向かって移動することを抑制する。また、バネ係合部741aは、
図22において実線で示されるように、規制部材7が規制位置に位置するときには、第1当接面742bと山部742aの斜面との境界部分に係合する。これにより、規制部材7が非規制位置に向かって移動することを抑制する。本実施形態では、
図22に示されるように、第1当接面742bと山部742aの頂部との間の距離L1は、第2当接面742cと山部742aの頂部との間の距離L2よりも短い。この場合、バネ係合部741aが第1当接面742bと山部742aの斜面との境界部分で係合しているときの、バネ部材741の変形量(
図22の実線参照)は、バネ係合部741aが第2当接面742cと山部742aの斜面との境界部分で係合しているときの、バネ部材741の変形量(
図22の二点鎖線参照)よりも大きくなる。そのため、規制部材7が規制位置に保持されているときの、バネ部材741から第1当接面742bに加わる反力は、規制部材7が非規制位置に保持されているときの、バネ部材741から第2当接面742cに加わる反力よりも大きくなる。したがって、規制部材7が規制位置にあるときにバネ部材741と保持係合部742との間の係合力が高まり、規制部材7が規制位置でより確実に保持される。したがって、誤って規制部材7が非規制位置に移動することが抑制され、より確実にロック部材4のアンロック位置への移動を規制することができる。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。なお、上記した実施形態は、以下の構成を有する発明を主に説明するものである。
【0067】
(1)基体に対して移動する移動体に設けられる本体部と、
前記本体部に対して前記移動体の移動方向にスライド可能に設けられたスライダ部と、
前記スライダ部に設けられ、前記移動体を前記基体に対してロックするロック部を備えたロック部材と
を備え、
前記スライダ部は、
前記移動体の移動方向のうちの一方側への移動端であって、前記ロック部材の前記ロック部が前記基体に対してロックできない状態となる第1位置と、
前記移動体の移動方向のうちの他方側への移動端であって、前記ロック部材の前記ロック部が前記基体に対してロック可能な状態となる第2位置と
の間で移動可能に構成されている、ロック機構。
【0068】
(2)前記スライダ部は、前記スライダ部を前記移動体の移動方向に操作可能なスライダ操作部を有し、
前記スライダ部は、前記スライダ操作部に前記移動体の移動方向の力が加わっていないとき、前記第1位置に位置するように構成されている、(1)に記載のロック機構。
【0069】
(3)前記ロック機構が、前記スライダ部を前記第1位置に向かって付勢する付勢部材を備えている、(1)または(2)に記載のロック機構。
【0070】
(4)前記ロック部材は、前記ロック部材をアンロック方向に操作可能なロック部材操作部を有し、
前記ロック部材操作部は、前記ロック部材操作部を前記アンロック方向に操作したときに、前記ロック部材をロック位置からアンロック位置へと移動するように、前記スライダ部に対して相対移動可能に構成され、
前記スライダ部は、前記ロック部が前記基体に対してロックした状態が解除されたとき、前記第1位置へと移動するよう構成されている、(1)~(3)のいずれか1つに記載のロック機構。
【0071】
(5)前記ロック部材が前記ロック位置に向かって付勢されている、(1)~(4)のいずれか1つに記載のロック機構。
【0072】
(6)前記アンロック方向は、前記第2位置から前記第1位置へ向かう方向である(1)~(5)のいずれか1つに記載のロック機構。
【0073】
(7)前記ロック機構がさらに、
前記ロック部材が前記ロック位置から前記アンロック位置に向かう、前記ロック部材の前記スライダ部に対する相対移動を規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、前記ロック部材が前記ロック位置から前記アンロック位置へと移動することを許容する非規制位置と、前記ロック部材が前記ロック位置から前記アンロック位置へと移動することを規制する規制位置とで保持されるように構成されている、(1)~(6)のいずれか1つに記載のロック機構。
【0074】
(8)前記移動体が開閉体である、(1)~(7)のいずれか1つに記載のロック機構。
【0075】
(9)枠体に対して移動する開閉体に設けられる本体部と、
前記本体部に対して前記開閉体の開閉方向にスライド可能に設けられたスライダ部と、
前記スライダ部に設けられ、前記開閉体を前記枠体に対してロックするロック部を備えたロック部材と
を備え、
前記スライダ部は、
前記本体部に対して前記開閉方向のうち開方向側への移動端であって、前記ロック部材の前記ロック部が前記枠体に対してロックできない状態となる第1位置と、
前記本体部に対して前記開閉方向のうち閉方向側への移動端であって、前記ロック部材の前記ロック部が前記枠体に対してロック可能な状態となる第2位置と
の間で移動可能に構成されている、ロック機構。
【0076】
(10)前記ロック部材は、前記ロック部材をアンロック方向に操作可能なロック部材操作部を有し、
前記ロック部材操作部は、前記ロック部材操作部を前記アンロック方向に操作したときに、前記枠体に設けられた被係合部と係合可能なロック位置から前記被係合部との係合が解除されるアンロック位置へと移動するように、前記スライダ部に対して相対移動可能に構成され、
前記スライダ部は、前記ロック部が前記基体に対してロックした状態が解除されたとき、前記第1位置へと移動するよう構成されている、(9)に記載のロック機構。
【0077】
(11)前記ロック機構がさらに、
前記ロック部材が前記ロック位置から前記アンロック位置に向かう、前記ロック部材の前記スライダ部に対する相対移動を規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、前記ロック部材が前記ロック位置から前記アンロック位置へと移動することを許容する非規制位置と、前記ロック部材が前記ロック位置から前記アンロック位置へと移動することを規制する規制位置とで保持されるように構成されている、(9)または(10)に記載のロック機構。
【符号の説明】
【0078】
1 ロック機構
2 本体部
21 基部
22 壁部
23 段部
23a、23b 段部の側面
24、25 壁部
3 スライダ部
31 スライダ操作部
32 支持部
33 被案内部
34 付勢部材当接壁
4 ロック部材
41 ロック部
42 軸部材
43 ロック部材操作部
43a 当接面
44 延在部
5 付勢部材
6 付勢部材
7 規制部材
71 被操作部
72 規制部
73 被案内部
74 位置保持部
741 バネ部材
741a バネ係合部
742 保持係合部
742a 山部
742b 第1当接面
742c 第2当接面
A 付勢部材収容部
AX 回転軸
B 基体
B1 被ロック部
B11 取付部
B12 係合部
B13 案内傾斜面
B2 枠体
B21 下枠
B22 上枠
B23 第1縦枠
B231 対向面
B24 第2縦枠
C カバー部材
D 移動体(開閉体)
Da 移動体の端面
Db 連通路
D1 移動方向(開閉方向)
D11 移動方向のうちの一方(開方向)
D12 移動方向のうちの他方(閉方向)
D2 移動体の厚さ方向
D3 移動体の高さ方向
G 案内溝
GR 取っ手部
GW ガイド壁
H 挿通孔
L1 第1当接面と山部の頂部との間の距離
L2 第2当接面と山部の頂部との間の距離
S 移動体ロック構造