(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013034
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】運転情報収集システム、及び運転情報収集方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240124BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240124BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240124BHJP
G06Q 40/08 20120101ALN20240124BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/09 F
G06Q50/10
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114934
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 康佑
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181DD07
5H181FF05
5L049CC12
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】撮影画像が得られない場合であっても、危険行為をしている車両等の移動体を適切に認識することを可能として、移動体の移動の安全性向上に寄与する。
【解決手段】運転情報収集システム1は、移動体位置情報に基づいて、危険行為遭遇時点に危険行為遭遇位置から所定距離以内に位置していた第2移動体である判定対象移動体60bを抽出する判定対象移動体抽出部13と、判定対象移動体60bの利用者Uが参加しているSNSにおける利用者Uの投稿履歴情報又は閲覧対象履歴情報を含む利用履歴情報を取得し、前記利用履歴情報に基づいて、利用者Uの人格を推定する利用者人格推定部14と、所定人格を有していると推定された利用者Uが利用している判定対象移動体60bを、危険移動体として認識する危険移動体認識部15と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1移動体及び第2移動体を含む複数の通信対象移動体との間で通信を行う通信部と、
前記通信対象移動体から送信される前記通信対象移動体の位置を示す移動体位置情報を、前記通信部により受信して取得する移動体位置情報取得部と、
前記第1移動体から送信される、前記第1移動体が他移動体からの危険行為に遭遇した可能性を示す危険行為遭遇推定情報と、前記第1移動体が危険行為に遭遇した可能性がある時点である危険行為遭遇時点を示す危険行為遭遇時点情報と、前記第1移動体が前記危険行為に遭遇した可能性がある位置である危険行為遭遇位置を示す危険行為遭遇位置情報と、を前記通信部により受信して取得する危険行為遭遇情報取得部と、
前記危険行為遭遇情報取得部により、前記危険行為遭遇推定情報と、前記危険行為遭遇時点情報と、前記危険行為遭遇位置情報とが取得されたときに、前記移動体位置情報取得部により取得される前記移動体位置情報に基づいて、前記危険行為遭遇時点に前記危険行為遭遇位置から所定距離以内に位置していた前記第2移動体である判定対象移動体を抽出する判定対象移動体抽出部と、
前記判定対象移動体の利用者が利用しているSNS(Social Networking Service)における前記利用者の投稿履歴情報又は閲覧対象履歴情報を含む利用履歴情報を取得し、前記利用履歴情報に基づいて、前記利用者の人格を推定する利用者人格推定部と、
前記利用者人格推定部により前記利用者が所定人格を有していると推定された場合に、前記判定対象移動体を、危険行為をしている危険移動体として認識する危険移動体認識部と、
を備える運転情報収集システム。
【請求項2】
前記危険行為遭遇情報取得部は、前記危険行為遭遇推定情報として、前記第1移動体に備えられた加速度センサにより検出される所定レベル以上の減速度に関する情報を取得する
請求項1に記載の運転情報収集システム。
【請求項3】
前記利用履歴情報には前記投稿履歴情報が含まれ、
前記利用者人格推定部は、前記投稿履歴情報から認識される前記利用者が投稿した文章に含まれる語彙、又は前記投稿履歴情報から認識される前記利用者が投稿した対象に基づいて、前記利用者の人格を推定する
請求項1又は請求項2に記載の運転情報収集システム。
【請求項4】
前記利用者人格推定部は、前記投稿履歴情報から認識される前記利用者が投稿した文章に攻撃性に関する語彙が含まれる場合、又は前記投稿履歴情報から認識される前記利用者が投稿した対象が攻撃性に関する対象である場合に、前記利用者が前記所定人格を有していると推定する
請求項3に記載の運転情報収集システム。
【請求項5】
前記利用履歴情報には前記閲覧対象履歴情報が含まれ、
前記利用者人格推定部は、前記閲覧対象履歴情報から認識される前記利用者が閲覧した対象に基づいて、前記利用者の人格を推定する
請求項1又は請求項2に記載の運転情報収集システム。
【請求項6】
前記利用者人格推定部は、前記閲覧対象履歴情報から認識される前記利用者が閲覧した対象が攻撃性に関する対象である場合に、前記利用者が前記所定人格を有していると推定する
請求項5に記載の運転情報収集システム。
【請求項7】
前記危険移動体認識部により前記危険移動体が認識されたときに、前記危険移動体の情報を、前記通信部により所定の情報提供先に送信する危険移動体情報提供部を備える
請求項1又は請求項2に記載の運転情報収集システム。
【請求項8】
第1移動体及び第2移動体を含む複数の通信対象移動体との間で通信を行う通信部を有する、コンピュータにより実行される運転情報収集方法であって、
前記通信対象移動体から送信される前記通信対象移動体の位置を示す移動体位置情報を、前記通信部により受信して取得する移動体位置情報取得ステップと、
前記第1移動体から送信される、前記第1移動体が他移動体からの危険行為に遭遇した可能性を示す危険行為遭遇推定情報と、前記第1移動体が危険行為に遭遇した可能性がある時点である危険行為遭遇時点を示す危険行為遭遇時点情報と、前記第1移動体が前記危険行為に遭遇した可能性がある位置である危険行為遭遇位置を示す危険行為遭遇位置情報と、を前記通信部により受信して取得する危険行為遭遇情報取得ステップと、
前記危険行為遭遇情報取得ステップにより、前記危険行為遭遇推定情報と、前記危険行為遭遇時点情報と、前記危険行為遭遇位置情報とが取得されたときに、前記移動体位置情報取得ステップにより取得される前記移動体位置情報に基づいて、前記危険行為遭遇時点に前記危険行為遭遇位置から所定距離以内に位置していた前記第2移動体である判定対象移動体を抽出する判定対象移動体抽出ステップと、
前記判定対象移動体の利用者が利用しているSNS(Social Networking Service)における前記利用者の投稿履歴情報又は閲覧対象履歴情報を含む利用履歴情報を取得し、前記利用履歴情報に基づいて前記利用者の人格を推定する利用者人格推定ステップと、
前記利用者人格推定ステップにより前記利用者が所定人格を有していると推定された場合に、前記判定対象移動体を、危険行為をしている危険移動体として認識する危険移動体認識ステップと、
を含む運転情報収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転情報収集システム、及び運転情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両に搭載されたドライブレコーダーにより撮影された自車両の後方の撮影画像から、自車両の後方を走行する他車両による煽り運転を判定し、煽り運転が継続的である場合に、他車両に関する情報を自車両の運転者に提供するようにした運転支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、自車両の前方と後方の少なくとも一方の撮影画像を用いて、自車両の周囲に位置する車両の中から危険車両を検出し、検出された危険車両の情報を取得して記憶するようにした情報処理装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-112892号公報
【特許文献2】特開2020-57133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の運転支援装置では、自車両に備えられたカメラによる撮影画像のみによって煽り運転等の危険行為をする他車両が認識される。そのため、走行の安全性向上を鑑みると、危険車両を適切に認識することが難しい場合があり、また、自車両にドライブレコーダー等の撮影装置を搭載する必要があることが課題である。
本願は、上記課題の解決のため、撮影画像が得られない場合であっても、危険行為をしている車両等の移動体を適切に認識することを可能として、移動体の移動の安全性向上に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、第1移動体及び第2移動体を含む複数の通信対象移動体との間で通信を行う通信部と、前記通信対象移動体から送信される前記通信対象移動体の位置を示す移動体位置情報を、前記通信部により受信して取得する移動体位置情報取得部と、前記第1移動体から送信される、前記第1移動体が他移動体からの危険行為に遭遇した可能性を示す危険行為遭遇推定情報と、前記第1移動体が危険行為に遭遇した可能性がある時点である危険行為遭遇時点を示す危険行為遭遇時点情報と、前記第1移動体が前記危険行為に遭遇した可能性がある位置である危険行為遭遇位置を示す危険行為遭遇位置情報と、を前記通信部により受信して取得する危険行為遭遇情報取得部と、前記危険行為遭遇情報取得部により、前記危険行為遭遇推定情報と、前記危険行為遭遇時点情報と、前記危険行為遭遇位置情報とが取得されたときに、前記移動体位置情報取得部により取得される前記移動体位置情報に基づいて、前記危険行為遭遇時点に前記危険行為遭遇位置から所定距離以内に位置していた前記第2移動体である判定対象移動体を抽出する判定対象移動体抽出部と、前記判定対象移動体の利用者が利用しているSNS(Social Networking Service)における前記利用者の投稿履歴情報又は閲覧対象履歴情報を含む利用履歴情報を取得し、前記利用履歴情報に基づいて、前記利用者の人格を推定する利用者人格推定部と、前記利用者人格推定部により前記利用者が所定人格を有していると推定された場合に、前記判定対象移動体を、危険行為をしている危険移動体として認識する危険移動体認識部と、を備える運転情報収集システムが挙げられる。
【0006】
上記運転情報収集システムにおいて、前記危険行為遭遇情報取得部は、前記危険行為遭遇推定情報として、前記第1移動体に備えられた加速度センサにより検出される所定レベル以上の減速度に関する情報を取得する構成としてもよい。
【0007】
上記運転情報収集システムにおいて、前記利用履歴情報には前記投稿履歴情報が含まれ、前記利用者人格推定部は、前記投稿履歴情報から認識される前記利用者が投稿した文章に含まれる語彙、又は前記投稿履歴情報から認識される前記利用者が投稿した対象に基づいて、前記利用者の人格を推定する構成としてもよい。
【0008】
上記運転情報収集システムにおいて、前記利用者人格推定部は、前記投稿履歴情報から認識される前記利用者が投稿した文章に攻撃性に関する語彙が含まれる場合、又は前記投稿履歴情報から認識される前記利用者が投稿した対象が攻撃性に関する対象である場合に、前記利用者が前記所定人格を有していると推定する構成としてもよい。
【0009】
上記運転情報収集システムにおいて、前記利用履歴情報には前記閲覧対象履歴情報が含まれ、前記利用者人格推定部は、前記閲覧対象履歴情報から認識される前記利用者が閲覧した対象に基づいて、前記利用者の人格を推定する構成としてもよい。
【0010】
上記運転情報収集システムにおいて、前記利用者人格推定部は、前記閲覧対象履歴情報から認識される前記利用者が閲覧した対象が攻撃性に関する対象である場合に、前記利用者が前記所定人格を有していると推定する構成としてもよい。
【0011】
上記運転情報収集システムにおいて、前記危険移動体認識部により前記危険移動体が認識されたときに、前記危険移動体の情報を、前記通信部により所定の情報提供先に送信する危険移動体情報提供部を備える構成としてもよい。
【0012】
上記目的を達成するための第2態様として、第1移動体及び第2移動体を含む複数の通信対象移動体との間で通信を行う通信部を有する、コンピュータにより実行される運転情報収集方法であって、前記通信対象移動体から送信される前記通信対象移動体の位置を示す移動体位置情報を、前記通信部により受信して取得する移動体位置情報取得ステップと、前記第1移動体から送信される、前記第1移動体が他移動体からの危険行為に遭遇した可能性を示す危険行為遭遇推定情報と、前記第1移動体が危険行為に遭遇した可能性がある時点である危険行為遭遇時点を示す危険行為遭遇時点情報と、前記第1移動体が前記危険行為に遭遇した可能性がある位置である危険行為遭遇位置を示す危険行為遭遇位置情報と、を前記通信部により受信して取得する危険行為遭遇情報取得ステップと、前記危険行為遭遇情報取得ステップにより、前記危険行為遭遇推定情報と、前記危険行為遭遇時点情報と、前記危険行為遭遇位置情報とが取得されたときに、前記移動体位置情報取得ステップにより取得される前記移動体位置情報に基づいて、前記危険行為遭遇時点に前記危険行為遭遇位置から所定距離以内に位置していた前記第2移動体である判定対象移動体を抽出する判定対象移動体抽出ステップと、前記判定対象移動体の利用者が利用しているSNS(Social Networking Service)における前記利用者の投稿履歴情報又は閲覧対象履歴情報を含む利用履歴情報を取得し、前記利用履歴情報に基づいて前記利用者の人格を推定する利用者人格推定ステップと、前記利用者人格推定ステップにより前記利用者が所定人格を有していると推定された場合に、前記判定対象移動体を、危険行為をしている危険移動体として認識する危険移動体認識ステップと、を含む運転情報収集方法が挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
上記運転情報収集システムによれば、撮影画像が得られない場合であっても、危険行為をしている車両等の移動体を適切に認識することを可能として、移動体の移動の安全性向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、運転情報収集システムによる情報収集の態様の説明図である。
【
図2】
図2は、運転情報収集システムの構成図である。
【
図3】
図3は、運転情報収集処理の第1フローチャートである。
【
図4】
図4は、運転情報収集処理の第2フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1.運転情報収集システムによる情報収集の態様]
図1を参照して、本実施形態の運転情報収集システム1による情報収集の態様について説明する。運転情報収集システム1は、複数の通信対象車両との間で定期的に通信を行って、各通信対象車両の位置を認識する。
図1では、運転情報収集システム1が、第1車両50、及び第2車両60a~60eを通信対象車両として、通信ネットワーク200を介して通信を行っている状況を例示している。第1車両50は本開示の第1移動体に相当し、第2車両60a~60eは本開示の第2移動体に相当する。
【0016】
運転情報収集システム1は、通信ネットワーク200を介して、SNS(Social Networking Service)サーバー210、警察のシステム220、及び保険会社のシステム230等との間で通信を行う。
【0017】
第1車両50は、制御ユニット51を備えている。制御ユニット51は、第1車両50の位置を検出するGNSS(Global Navigation Satellite System)センサ等の位置検出センサ、通信ネットワーク200を介した通信を行う通信ユニット、プロセッサ、及びメモリ等を有している。第1車両50の車室では、第1車両50の利用者により携帯端末52が使用されており、運転情報収集システム1は、携帯端末52との間でも通信を行う。
【0018】
同様に、第2車両60a~60eは、位置検出センサ、通信ユニット、プロセッサ、及びメモリ等を有する制御ユニット61a~61eをそれぞれ備えている。第2車両60a~60eの車室では、第2車両60a~60eの利用者により携帯端末62a~62eが使用されており、運転情報収集システム1は、携帯端末62a~62eとの間でも通信を行う。
【0019】
携帯端末52,62a~62eは、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートパソコン等である。以下では、説明の便宜のため、第2車両60a~60eをまとめて第2車両60、制御ユニット61a~61eをまとめて制御ユニット61、携帯端末62a~62eをまとめて携帯端末62とも称する。
【0020】
運転情報収集システム1は、第1車両50及び第2車両60から、所定のサンプリング周期で送信される位置検出情報を受信して、第1車両50及び第2車両60の現在位置を認識する。
図1は、第1車両50が、第2車両60bによる前方への急な割り込みという危険行為に遭遇した状況を例示している。なお、第1車両50に対する第2車両60による危険行為としては、第2車両60による第1車両50の後方からの急接近、第2車両60による第1車両50の付近での蛇行運転等も挙げられる。
【0021】
この状況で、第1車両50は、危険行為に遭遇した可能性を示す危険行為遭遇推定情報を、運転情報収集システム1に送信する。危険行為遭遇推定情報は、
図1の例では、第1車両50に備えられた加速度センサにより検出された所定レベル以上の減速(急制動)を示す情報等である。ここで、第1車両50が急制動を行うのは、必ずしも他車両からの危険行為に遭遇した場合に限られず、第1車両50が小動物等の障害物との接触を回避する場合にも急制動が行われる。そのため、危険行為とそれ以外の要因を識別して、他車両による危険行為を適切に認識する必要がある。
【0022】
そこで、運転情報収集システム1は、危険行為遭遇推定情報を受信したときに、第1車両50から所定距離以内(例えば数m以内)に位置している第2車両60bを、判定対象車両として抽出する。以下では、このようにして抽出された第2車両60bを、判定対象車両60bとも称する。
【0023】
そして、運転情報収集システム1は、判定対象車両60bは、判定対象車両60bの利用者Uが利用しているSNSにおける利用Uの利用履歴を示す利用履歴情報に基づいて、判定対象車両60bの利用者の人格を推定する。
【0024】
運転情報収集システム1は、判定対象車両60bの制御ユニット61b、携帯端末62b、或いはSNSサーバー210から送信される、SNSの利用履歴を示す利用履歴情報を受信して取得する。そして、運転情報収集システム1は、利用履歴情報に含まれる投稿履歴情報に基づいて、判定対象車両60bの利用者Uの人格を推定し、利用者Uが車両による危険行為を起こし易いと想定される所定人格を有していると推定したときに、判定対象車両60bが危険行為を行っている危険車両であると認識する。
【0025】
このように、判定対象車両60bの利用者Uの人格を推定することにより、判定対象車両60bが危険車両であるか否かを適切に判定することが可能となる。運転情報収集システム1は、危険車両の情報を、第1車両50の制御ユニット51、第1車両50で使用されている携帯端末52、警察のシステム220、保険会社のシステム230等に送信し、これにより危険車両への対応を可能としている。
【0026】
[2.運転情報収集システムの構成]
図2を参照して、運転情報収集システム1の構成について説明する。運転情報収集システム1は、プロセッサ10、メモリ20、通信部30等を備えるコンピュータシステムである。通信部30は、通信ネットワーク200を介して、通信対象車両(
図2では、第1車両50と第2車両60bを例示)、及び他のシステム(
図2では、SNSサーバー210、警察のシステム220、及び保険会社のシステム230を例示)との間で通信を行う。
【0027】
メモリ20には、運転情報収集システム1の制御用のプログラム21と、判定対象車両60bで使用されている携帯端末62b又はSNSサーバー210から送信されるSNSの利用履歴情報SNi(
図2では、利用履歴情報22として示している)が保存されている。プロセッサ10は、プログラム21を読み込んで実行することにより、移動体位置情報取得部11、危険行為遭遇情報取得部12、判定対象移動体抽出部13、利用者人格推定部14、危険移動体認識部15、及び危険移動体情報提供部16として機能する。利用履歴情報SNiには、SNSにおける利用者の投稿状況を示す投稿履歴情報が含まれる。なお、後述するように、利用履歴情報SNiに、SNSにおいて利用者が閲覧した対象を示す閲覧対象履歴情報を含めてもよい。
【0028】
移動体位置情報取得部11により実行される処理は、本開示の運転情報収集方法における移動体位置情報取得ステップに相当し、危険行為遭遇情報取得部12により実行される処理は、本開示の運転情報収集方法における危険行為遭遇情報取得ステップに相当する。判定対象移動体抽出部13により実行される処理は、本開示の運転情報収集方法における判定対象移動体抽出ステップに相当し、利用者人格推定部14により実行される処理は、本開示の運転情報収集方法における利用者人格推定ステップに相当する。危険移動体認識部15により実行される処理は、本開示の運転情報収集方法における危険移動体認識ステップに相当する。
【0029】
移動体位置情報取得部11は、定期的に通信対象車両から送信される移動体位置情報Pdを通信部30により受信して取得する。移動体位置情報Pdは、各通信対象車両に備えらえた位置検出センサにより検出される各通信対象車両の位置を示す。危険行為遭遇情報取得部12は、危険行為に遭遇した可能性がある第1車両50から送信される危険行為遭遇情報Daiを、通信部30により受信して取得する。
【0030】
危険行為遭遇情報Daiには、第1車両50が危険行為に遭遇した可能性があることを示す危険行為遭遇推定情報と、第1車両50が危険行為に遭遇した可能性がある位置である危険行為遭遇位置を示す危険行為遭遇位置情報と、第1車両が危険行為に遭遇した可能性がある時点である危険行為遭遇時点を示す危険行為遭遇時点情報とが含まれる。なお、危険行為遭遇推定情報、危険行為遭遇位置情報、危険行為遭遇時点情報を、危険行為遭遇情報Daiとしてまとめて送受信するのではなく、危険行為遭遇推定情報、危険行為遭遇位置情報、危険行為遭遇時点情報を個別に送受信してもよい。
【0031】
危険行為遭遇推定情報としては、例えば以下の情報が挙げられる。
(1-1)第1車両50の利用者が、第1車両50に備えられた緊急通報スイッチを操作したことに応じて、第1車両50から送信される緊急通報情報。この場合、第1車両50は、他車両から危険行為を受けたと認識したが、他車両の利用者は無意識に第1車両50に接近してしまった場合も考えられる。
(1-2)第1車両50に備えらえた加速度センサにより検出される所定レベル以上の減速度に関する情報。
(1-3)第1車両50に備えられた速度センサ又は加速度センサにより検出される走行速度の所定レベル以上の変動に関する情報。
(1-4)第1車両50に備えられた操舵角センサにより検出される所定レベル以上の操舵角の変化に関する情報。
(1-5)第1車両50に備えらえたブレーキペダルセンサにより検出される所定レベル以上の踏力に関する情報。
【0032】
判定対象移動体抽出部13は、危険行為遭遇情報取得部12が危険行為遭遇情報Daiを受信したときに、危険行為遭遇時点、危険行為遭遇地点情報、及び移動体位置情報取得部11により取得された移動体位置情報Pdにより、危険行為遭遇時点において、第1車両50から所定距離内(例えば、数m以内)に位置していた他車両を探索して抽出する。
図1,
図2の例では、判定対象移動体抽出部13により判定対象車両60bが抽出される。
【0033】
利用者人格推定部14は、判定対象車両60bの利用者Uの人格を、携帯端末62b或いはSNSサーバー210から送信される利用履歴情報SNiに含まれる投稿履歴情報に基づいて推定する。具体的には、利用者人格推定部14は、以下の(2-1)~(2-3)の処理により、利用者Uの攻撃性を示す攻撃性指標値を算出し、攻撃性指標値が所定の閾値以上である場合に、利用者Uが車両による危険行為を起こし易い所定人格を有していると推定する。なお、判定対象車両60bの利用者Uには、運転者の他に同乗者も含まれる。
【0034】
攻撃性指標値の算出処理。
(2-1)利用者人格推定部14は、投稿履歴情報に含まれる、利用者UがSNSで投稿した文章から、攻撃性に関する語彙を抽出する。メモリ20には、攻撃性に関する語彙のリストが予め保存されており、利用者人格推定部14はこのリストを参照して、利用者Uが投稿した文章に含まれる攻撃性に関する語彙を抽出する。攻撃性に関する語彙には、侮蔑的な語彙、乱暴な語彙等が含まれる。そして、利用者人格推定部14は、抽出された攻撃性に関する語彙の数が多いほど、また、文章全体に占める攻撃性に関する語彙の割合が高いほど、数値を大きく設定した攻撃性の第1指標値を算出する。また、攻撃性に関する語彙が有する攻撃性の強さの印象に応じて、各語彙に重み付けを行って第1指標値を算出してもよい。
(2-2)利用者人格推定部14は、投稿履歴情報に含まれる、利用者UがSNSで文書を投稿した対象を抽出する。そして、利用者人格推定部14は、利用者Uが攻撃性に関する対象に投稿していた場合に、対象の攻撃性のレベルが高いほど、また、複数の対象に投稿している場合の攻撃性に関する対象の割合が高いほど、数値を大きく設定した攻撃性の第2指標値を算出する。また、攻撃性に関する対象が有する攻撃性の強さの度合に応じて、各対象に重み付けを行って第2指標値を算出してもよい。
(2-3)利用者人格推定部14は、第1指標値と第2指標値との加算値を攻撃性指標値として算出する。
【0035】
また、利用者人格推定部14による人格の推定を、以下の判断要素(3-1)~(3-4)を用いて行うようにしてもよい。
(3-1)人格推定の対象利用者について、攻撃的或いは公的秩序良俗に反する内容を含むコンテンツ(動画や投稿)に対して、「いいね」や「保存」の操作を行った場合、他者への共有・拡散などに賛同する操作が多い場合、或いは、視聴傾向が極端に攻撃的又は公的秩序良俗に反する内容を含むコンテンツに偏重している場合に、対象利用者の攻撃性が強いと判断する。
(3-2)対象利用者について、不特定多数の信条や出自、人種、その他個人的な属性を貶めるような内容の投稿やそれに類する行為、またはこれらに類似する内容に対して「いいね」や「保存」の操作を行った場合、或いは他者への共有・拡散などの賛同に相当する行為が多く見受けられる場合に、対象利用者の基本的な性格傾向のうち、一般的な数値と比較して「外向性」「開放性」が強く顕出していると評価し、比較的享楽的に刺激を求める傾向があると仮定し、「自己の外部的刺激欲求のために短絡的な手法を選択する可能性が高い人間」であると推定する。
(3-3)上記(3-2)の場合、基本的性格傾向のうち「協調性」「誠実性」が比較的低いものと判定し、「法令遵守意識、正義感が低く、論理的正当性を持って事象を判断する能力に乏しく、自己中心的な思考や振る舞いを起こしやすい人間」であると推定する。
(3-4)対象利用者の攻撃性を評価するための対象語彙に関しては、投稿された内容(記事投稿や返信等のやりとり)の文章に対して形態素を解析して、感情分析を行ってもよい。あおり運転等の危険運転をしやすい利用者の形態素分析のパターンと、ノーマルな利用者の形態素分析のパターンを比較することで、危険運転を起こし易い人格かどうかを数値的に評価してもよい。
【0036】
危険移動体認識部15は、利用者人格推定部14により、判定対象車両60bの利用者Uが所定人格を有していると推定されたときに、判定対象車両60bが危険行為車両であると認識する。危険移動体情報提供部16は、危険移動体認識部15により危険行為車両であると認識された判定対象車両60bの情報(登録番号、車種、利用者Uの情報等)を、提供先(第1車両50で使用されている携帯端末52、警察のシステム220、保険会社のシステム230等)に、通信部30により送信する。
【0037】
[3.運転情報収集処理]
図3,
図4に示したフローチャートに従って、
図1に示した状態において、運転情報収集システム1により実行される運転情報収集処理の手順について説明する。
【0038】
図3のステップS1で、危険行為遭遇情報取得部12は、第1車両50から送信される危険行為遭遇情報Daiを、通信部30により受信して取得したときに、ステップS2に処理を進める。ステップS2で、判定対象移動体抽出部13は、危険行為遭遇情報Daiに含まれる危険行為遭遇位置情報と危険行為遭遇地点情報、及び移動体位置情報取得部11により取得された移動体位置情報Pdとに基づいて、危険行為遭遇時点に、危険行為遭遇位置から所定距離以内に位置していた第2車両(判定対象車両)を抽出する。
【0039】
続くステップS3で、判定対象移動体抽出部13は、判定対象車両が抽出されたときはステップS4に処理を進め、判定対象車両が抽出されなかったときには
図4のステップS11に処理を進める。
図1の例では、判定対象車両60bが抽出されるため、
図2では、判定対象車両60bを示している。
【0040】
ステップS4~
図4のステップS12、
図3のステップS20、
図4のステップS40は、利用者人格推定部14による処理である。ステップS4で、利用者人格推定部14は、判定対象移動体60bの利用者Uが利用しているSNSにおける、利用者Uの投稿状況を示す投稿履歴情報を含む利用履歴情報SNiを、通信部30により、利用者Uが使用する携帯端末62b又はSNSサーバー210から受信して取得し、メモリ20に保存する。
【0041】
続くステップS5で、利用者人格推定部14は、投稿履歴情報に含まれる利用者Uにより投稿された文章を解析する。次のステップS6で、利用者人格推定部14は、投稿された文章に攻撃性に関する語彙が含まれているか否かを判断する。そして、利用者人格推定部14は、投稿された文章に攻撃性に関する語彙が含まれている場合はステップS20に処理を進め、投稿された文章に攻撃性に関する語彙が含まれていない場合には、ステップS7に処理を進めて第1指標値を0とする。
【0042】
ステップS20で、利用者人格推定部14は、上述したように、投稿された文章に含まれる攻撃性に関する語彙の数及び投稿文章に占める攻撃性に関する語彙に割合に応じて、攻撃性の第1指標値を算出し、
図4のステップS8に処理を進める。
図4のステップS8で、利用者人格推定部14は、投稿履歴情報に含まれる利用者Uが投稿した対象を解析する。投稿した対象には、利用者Uが参加したトークテーマ、利用者Uが閲覧した画像や文書等が含まれる。
【0043】
続くステップS9で、利用者人格推定部14は、利用者Uが、攻撃性に関する対象に投稿したか否かを判断する。そして、利用者人格推定部14は、利用者Uが攻撃性に関する対象に投稿した場合はステップS30に処理を進め、利用者Uが攻撃性に関する対象に投稿しなかった場合はステップS10に処理を進めて、攻撃性の第2指標値を0とする。
【0044】
ステップS30で、利用者人格推定部14は、上述したように、利用者Uが投稿した対象の攻撃性のレベルに応じて、攻撃性の第2指標値を算出し、ステップS11に処理を進める。ステップS11で、利用者人格推定部14は、攻撃性の第1指標値と第2指標値との合計値を攻撃性指標値として算出する。
【0045】
続くステップS12で、利用者人格推定部14は、攻撃性指標値が閾値以上であるか否かを判断する。そして、利用者人格推定部14は、攻撃性指標値が閾値以上であるときはステップS40に処理を進め、攻撃性指標値が閾値未満であるときにはステップS13に処理を進める。
【0046】
ステップS40で、利用者人格推定部14は、利用者Uが、車両による危険行為を起こい易いと想定される所定人格を有していると推定する。次のステップS41で、危険移動体認識部15は、判定対象車両60bを、危険行為をしている危険車両として認識する。続くステップS42で、危険移動体情報提供部16は、危険車両と認識された判定対象車両60bの情報を、情報提供先である第1車両50の利用者により使用されている携帯端末52、警察のシステム220、保険会社のシステム230等に、通信部30により送信する。
【0047】
[4.他の実施形態]
上記実施形態では、本開示の移動体として第1車両50と第2車両60a~60eを例示したが、本開示の移動体は、危険行為を受ける対象となり得る移動体、或いは危険行為を生じさせる移動体であればよく、飛行体、船舶等であってもよい。
【0048】
上記実施形態では、利用者人格推定部14は、SNSにおいて投稿された文書に含まれる語彙に基づく攻撃性の第1指標値と、SNSにおける投稿対象に基づく攻撃性の第2指標値とに基づいて、攻撃性指標値を算出して判定対象車両の利用者の人格を推定した。他の実施形態として、投稿された文書に含まれる語彙と投稿対象のいずれか一方のみに基づいて、判定対象車両の利用者の人格を推定するようにしてもよい。
【0049】
上記実施形態では、利用者人格推定部14は、SNSにおける投稿文書に含まれる攻撃性に関する語彙、又はSNSにおける攻撃性に関すると投稿対象に基づいて、判定対象車両の利用者の人格を推定した。他の実施形態として、移動体による危険行為に影響すると想定される攻撃性以外の要素(気の短さ、落ち着きのなさ、情緒の不安定さ等)に基づいて、判定対象車両の利用者の人格を推定するようにしてもよい。
【0050】
上記実施形態では、利用者人格推定部14は、利用履歴情報22に含まれる投稿履歴情報に基づいて、判定対象車両の利用者の人格を推定した。他の実施形態として、利用履歴情報22にSNSにおける利用者の過去の閲覧対象に関する閲覧対象履歴情報が含まれる構成として、利用者人格推定部14が、閲覧対象履歴情報から認識される利用者が閲覧した対象に基づいて、利用者の人格を推定するようにしてもよい。さらに、利用者が閲覧した対象が攻撃性に関する対象である場合に、利用者が車両による危険行為を起こし易い所定人格を有していると推定するようにしてもよい。
【0051】
なお、
図2は、本願発明の理解を容易にするために、運転情報収集システム1の構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、運転情報収集システム1の構成を、他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、
図3,
図4に示したフローチャートによる各構成要素の処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0052】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
(構成1)第1移動体及び第2移動体を含む複数の通信対象移動体との間で通信を行う通信部と、前記通信対象移動体から送信される前記通信対象移動体の位置を示す移動体位置情報を、前記通信部により受信して取得する移動体位置情報取得部と、前記第1移動体から送信される、前記第1移動体が他移動体からの危険行為に遭遇した可能性を示す危険行為遭遇推定情報と、前記第1移動体が危険行為に遭遇した可能性がある時点である危険行為遭遇時点を示す危険行為遭遇時点情報と、前記第1移動体が前記危険行為に遭遇した可能性がある位置である危険行為遭遇位置を示す危険行為遭遇位置情報と、を前記通信部により受信して取得する危険行為遭遇情報取得部と、前記危険行為遭遇情報取得部により、前記危険行為遭遇推定情報と、前記危険行為遭遇時点情報と、前記危険行為遭遇位置情報とが取得されたときに、前記移動体位置情報取得部により取得される前記移動体位置情報に基づいて、前記危険行為遭遇時点に前記危険行為遭遇位置から所定距離以内に位置していた前記第2移動体である判定対象移動体を抽出する判定対象移動体抽出部と、前記判定対象移動体の利用者が利用しているSNS(Social Networking Service)における前記利用者の投稿履歴情報又は閲覧対象履歴情報を含む利用履歴情報を取得し、前記利用履歴情報に基づいて、前記利用者の人格を推定する利用者人格推定部と、前記利用者人格推定部により前記利用者が所定人格を有していると推定された場合に、前記判定対象移動体を、危険行為をしている危険移動体として認識する危険移動体認識部と、を備える運転情報収集システム。
構成1の運転情報収集システムによれば、SNSの投稿状況又は閲覧対象の状況を用いて移動体の利用者の人格を推定することによって、移動体の撮影画像が得られない場合であっても、危険行為をしている移動体を適切に認識することを可能として、移動体の移動の安全性向上に寄与することができる。
【0053】
(構成2)前記危険行為遭遇情報取得部は、前記危険行為遭遇推定情報として、前記第1移動体に備えられた加速度センサにより検出される所定レベル以上の減速度に関する情報を取得する構成1に記載の運転情報収集システム。
構成2の運転情報収集システムによれば、第1移動体が、危険行為を回避するために急減速をしたことが推定される加速度センサの検出情報を、危険行為遭遇情報通知情報として受信して、危険行為の発生を認識することができる。
【0054】
(構成3)前記利用履歴情報には前記投稿履歴情報が含まれ、前記利用者人格推定部は、前記投稿履歴情報から認識される前記利用者が投稿した文章に含まれる語彙、又は前記投稿履歴情報から認識される前記利用者が投稿した対象に基づいて、前記利用者の人格を推定する構成1又は構成2に記載の運転情報収集システム。
構成3の運転情報収集システムによれば、利用者がSNSで投稿した文章に含まれる語彙又は投稿した対象(トークテーマ、写真、映像等)が持つ意味や語彙が用いられる状況等から想起される印象によって、利用者の人格を推定することができる。
【0055】
(構成4)前記利用者人格推定部は、前記投稿履歴情報から認識される前記利用者が投稿した文章に攻撃性に関する語彙が含まれる場合、又は前記投稿履歴情報から認識される前記利用者が投稿した対象が攻撃性に関する対象である場合に、前記利用者が前記所定人格を有していると推定する構成3に記載の運転情報収集システム。
構成4の運転情報収集システムによれば、攻撃性に関する語彙を含む文章を投稿した利用者、又は攻撃性に関する対象に投稿した利用者について、所定人格を有していると推定することができる。
【0056】
(構成5)前記利用履歴情報には前記閲覧対象履歴情報が含まれ、前記利用者人格推定部は、前記閲覧対象履歴情報から認識される前記利用者が閲覧した対象に基づいて、前記利用者の人格を推定する構成1から構成4のうちいずれか1つの構成に記載の運転情報収集システム。
構成5の運転情報収集システムによれば、利用者がSNSで閲覧した対象(トークテーマ、写真、映像等)から想起される印象等によって、利用者の人格を推定することができる。
【0057】
(構成6)前記利用者人格推定部は、前記閲覧対象履歴情報から認識される前記利用者が閲覧した対象が攻撃性に関する対象である場合に、前記利用者が前記所定人格を有していると推定する構成5に記載の運転情報収集システム。
構成6の運転情報収集システムによれば、攻撃性に関する対象を閲覧した利用者について、所定人格を有していると推定することができる。
【0058】
(構成7)前記危険移動体認識部により前記危険移動体が認識されたときに、前記危険移動体の情報を、前記通信部により所定の情報提供先に送信する危険移動体情報提供部を備える構成1から構成6のうちいずれか1つの構成に記載の運転情報収集システム。
構成7の運転情報収集システムによれば、危険移動体の情報を提供することにより、移動体の移動の安全性の向上を図ることができる。
【0059】
(構成8)第1移動体及び第2移動体を含む複数の通信対象移動体との間で通信を行う通信部を有する、コンピュータにより実行される運転情報収集方法であって、前記通信対象移動体から送信される前記通信対象移動体の位置を示す移動体位置情報を、前記通信部により受信して取得する移動体位置情報取得ステップと、前記第1移動体から送信される、前記第1移動体が他移動体からの危険行為に遭遇した可能性を示す危険行為遭遇推定情報と、前記第1移動体が危険行為に遭遇した可能性がある時点である危険行為遭遇時点を示す危険行為遭遇時点情報と、前記第1移動体が前記危険行為に遭遇した可能性がある位置である危険行為遭遇位置を示す危険行為遭遇位置情報と、を前記通信部により受信して取得する危険行為遭遇情報取得ステップと、前記危険行為遭遇情報取得ステップにより、前記危険行為遭遇推定情報と、前記危険行為遭遇時点情報と、前記危険行為遭遇位置情報とが取得されたときに、前記移動体位置情報取得ステップにより取得される前記移動体位置情報に基づいて、前記危険行為遭遇時点に前記危険行為遭遇位置から所定距離以内に位置していた前記第2移動体である判定対象移動体を抽出する判定対象移動体抽出ステップと、前記判定対象移動体の利用者が参加しているSNS(Social Networking Service)における前記利用者の投稿状況に基づいて、前記利用者の人格を推定する利用者人格推定ステップと、前記利用者人格推定ステップにより前記利用者が所定人格を有していると推定された場合に、前記判定対象移動体を、危険行為をしている危険移動体として認識する危険移動体認識ステップと、を含む運転情報収集方法。
構成8の運転情報収集方法をコンピュータにより実行することによって、構成1の運転情報収集システムと同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0060】
1…運転情報収集システム、10…プロセッサ、11…移動体位置情報取得部、12…危険行為遭遇情報取得部、13…判定対象移動体抽出部、14…利用者人格推定部、15…危険移動体認識部、16…危険移動体情報提供部、20…メモリ、21…プログラム、22…利用履歴情報、30…通信部、50…第1車両(第1移動体)、51…制御ユニット、52…携帯端末、60…第2車両(第2移動体)、60b…判定対象車両(判定対象移動体)61…制御ユニット、62…携帯端末、200…通信ネットワーク、210…SNSサーバー、220…警察のシステム、230…保険会社のシステム、U…判定対象車両の利用者。