(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130387
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】物体検出装置及び物体検出方法
(51)【国際特許分類】
G01S 15/931 20200101AFI20240920BHJP
【FI】
G01S15/931
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040068
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 信明
(72)【発明者】
【氏名】今村 隼
【テーマコード(参考)】
5J083
【Fターム(参考)】
5J083AC06
5J083AC29
5J083AD04
5J083AF05
(57)【要約】
【課題】測距センサ及びカメラを用いて、移動体の周囲に存在する低背物をより検出すること。
【解決手段】本開示に係る物体検出装置は、第1の取得部と、第2の取得部と、重み変更部と、重みづけ部と、を備える。第1の取得部は、測距センサで検知された、物体の座標群を含む第1の物体情報を取得する。第2の取得部は、カメラで検知された、前記物体の座標群を含む第2の物体情報を取得する。重み変更部は、前記測距センサの取り付け高さ、取り付け角度及び指向性の少なくとも1つを含むデバイス情報に応じて、前記第1の物体情報及び前記第2の物体情報の各々の重みを変更させる。重み付け部は、前記重み変更部により変更された重みを用いて、前記第1の物体情報と前記第2の物体情報とを重み付けする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測距センサで検知された、物体の座標群を含む第1の物体情報を取得する第1の取得部と、
カメラで検知された、前記物体の座標群を含む第2の物体情報を取得する第2の取得部と、
前記測距センサの取り付け高さ、取り付け角度及び指向性の少なくとも1つを含むデバイス情報に応じて、前記第1の物体情報及び前記第2の物体情報の各々の重みを変更させる重み変更部と、
前記重み変更部により変更された重みを用いて、前記第1の物体情報と前記第2の物体情報とを重み付けする重み付け部と、を備える、
物体検出装置。
【請求項2】
前記重み変更部は、前記測距センサの取り付け高さが高いほど、前記第2の物体情報の重みを大きくする、
請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項3】
前記重み変更部は、前記測距センサの取り付け角度が、前記測距センサが上側に向けられる角度であるほど、前記第2の物体情報の重みを大きくする、
請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項4】
前記重み変更部は、前記測距センサの指向性が狭いほど、前記第2の物体情報の重みを大きくする、
請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項5】
前記第1の物体情報及び前記第2の物体情報を用いて、前記物体までの距離を推定する距離推定部をさらに備え、
前記重み変更部は、前記デバイス情報と、前記距離推定部により推定された距離と、に応じて、前記第1の物体情報及び前記第2の物体情報の各々の重みを変化させる、
請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項6】
前記重み変更部は、前記距離推定部により推定された距離が小さいほど、前記第2の物体情報の重みを大きくする、
請求項5に記載の物体検出装置。
【請求項7】
前記第1の物体情報及び前記第2の物体情報を用いて、前記物体の高さを推定する高さ推定部をさらに備え、
前記重み変更部は、前記デバイス情報と、前記高さ推定部により推定された高さと、に応じて、前記第1の物体情報及び前記第2の物体情報の各々の重みを変化させる、
請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項8】
前記重み変更部は、前記高さ推定部により推定された高さが所定の閾値より小さいほど、前記第2の物体情報の重みを大きくする、
請求項7に記載の物体検出装置。
【請求項9】
前記第1の物体情報及び前記第2の物体情報を用いて、前記物体までの距離を推定する距離推定部と、
前記第1の物体情報及び前記第2の物体情報を用いて、前記物体までの距離を推定する高さ推定部と、をさらに備え、
前記重み変更部は、前記デバイス情報と、前記距離推定部により推定された距離と、前記高さ推定部により推定された高さと、に応じて、前記第1の物体情報及び前記第2の物体情報の各々の重みを変化させる、
請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項10】
前記重み変更部は、前記距離推定部により推定された距離が小さく、前記高さ推定部により推定された高さが所定の閾値より小さいほど、前記第2の物体情報の重みを大きくする、
請求項9に記載の物体検出装置。
【請求項11】
測距センサで検知された、物体の座標群を含む第1の物体情報を取得することと、
カメラで検知された、前記物体の座標群を含む第2の物体情報を取得することと、
前記測距センサの取り付け高さ、取り付け角度及び指向性の少なくとも1つを含むデバイス情報に応じて、前記第1の物体情報及び前記第2の物体情報の各々の重みを変化させることと、
変更された重みを用いて、前記第1の物体情報と前記第2の物体情報とを重み付けすることと、を含む、
物体検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物体検出装置及び物体検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波センサやカメラを用いて、車両(移動体)の周囲の物体を検出する技術が知られている。例えば、超音波を送受信する測距センサ(一例として、ソナー)は、遠方の物体を精度よく検知することが可能だが、縁石のような低背物が車両と接近している場合、ソナーの指向性の範囲から外れてしまうと、低背物を検知できない場合がある。また、例えば、カメラは、車両周辺を画角に収めることができ、車両と近接する物体を検知することができるが、遠方の物体に対する検知精度が悪い場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-189422号公報
【特許文献2】特開2018-72105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、測距センサ及びカメラを用いて、移動体の周囲に存在する低背物をより検出することができる物体検出装置及び物体検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る物体検出装置は、第1の取得部と、第2の取得部と、重み変更部と、重みづけ部と、を備える。第1の取得部は、測距センサで検知された、物体の座標群を含む第1の物体情報を取得する。第2の取得部は、カメラで検知された、前記物体の座標群を含む第2の物体情報を取得する。重み変更部は、前記測距センサの取り付け高さ、取り付け角度及び指向性の少なくとも1つを含むデバイス情報に応じて、前記第1の物体情報及び前記第2の物体情報の各々の重みを変更させる。重み付け部は、前記重み変更部により変更された重みを用いて、前記第1の物体情報と前記第2の物体情報とを重み付けする。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る物体検出装置及び物体検出方法によれば、測距センサ及びカメラを用いて、移動体の周囲に存在する低背物をより検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る物体検出装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る物体検出装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る第1の低背物情報を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る第2の低背物情報を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る第1の低背物情報を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る第2の低背物情報を説明するための図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る物体物検出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第2の実施形態に係る物体検出装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態の物体検出装置が物体の距離を推定する方法を説明するための図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る物体物検出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第3の実施形態に係る物体検出装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、第3の実施形態の物体検出装置が物体の高さを推定する方法を説明するための図である。
【
図13】
図13は、第3の実施形態に係る物体物検出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る物体検出装置及び物体検出方法の各実施形態について説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る物体検出装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。物体検出装置1は、
図1に示すように、プロセッサ11、メモリ13、測距センサ151、カメラ153、ディスプレイ171及びスピーカ173を有する。プロセッサ11、メモリ13、測距センサ151、カメラ153、ディスプレイ171及びスピーカ173は、通信可能に接続される。ここで、物体検出装置1が移動体3としての車両に搭載される場合、プロセッサ11及びメモリ13は、例えばECU(Engine Control Unit)の一例である。
【0010】
プロセッサ11は、物体検出装置1の全体の動作を制御する。プロセッサ11としては、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の各種のプロセッサが適宜利用可能である。
【0011】
メモリ13は、物体検出装置1で使用される各種のデータやプログラムを記憶する。メモリ13としては、ROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、Flashメモリ等の各種の記憶媒体や記憶装置が適宜利用可能である。また、メモリ13には、一時的に作業中のデータを記憶するRAM(Random Access Memory)がさらに設けられる。なお、メモリ13としては、LAN(Local Area Network)やインターネット、LIN(Local Interconnect Network)、Frexlay、車載イーサネット(登録商標)等の電気通信回線を介して物体検出装置1に接続された外部記憶装置が利用されても構わない。
【0012】
測距センサ151は、ソナーやレーダー、LiDAR等のアクティブセンサである。測距センサ151は、移動体3の前方、後方、左方及び右方等の移動体3の周囲を探知可能に、移動体3の複数の位置それぞれに配置される。なお、移動体3に設けられる測距センサ151の数は、1又は2以上の複数であってよい。本実施形態では、説明の簡単のために、移動体3としての車両の左方に配置されたソナーとしての測距センサ151を例示する。測距センサ151は、連続又は間欠的に超音波を発射し、物体等により反射された超音波を検知する。測距センサ151は、検知結果を例えばメモリ13に出力する。検知結果は、車両前方、車両側方及び車両後方等に存在する物体の反射点の極座標(距離及び位置)を含む。
【0013】
本実施形態における物体は低背物である。一例として、低背物は、測距センサ151が備えられている位置未満の高さを有する物体であればよい。また、別の一例として、低背物は、バンパよりも高さが低い物体であってもよい。より具体的には、低背物は、例えば、縁石、車止め、岩、フラップ板等である。
【0014】
カメラ153は、単眼カメラである。カメラ153は、移動体3の前方、後方、左方、右方、上方及び下方等の移動体3の周囲を撮影可能に、移動体3の複数の位置それぞれに配置される。なお、移動体3に設けられるカメラ153の数は、1又は2以上の複数であってよい。本実施形態では、説明の簡単のために、移動体3としての車両の左方に配置されたカメラ153を例示する。カメラ153は、逐次撮影し、時系列の撮影画像を生成する。カメラ153は、生成された撮影画像を例えばメモリ13に出力する。撮像画像は、物体の2次元座標(距離及び位置)と、高さと、を含む。
【0015】
ディスプレイ171は、画像データに応じた画像を表示することにより、各種の情報を表示する。ディスプレイ171は、物体の検知を報知するための画面や操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を表示する。ディスプレイ171としては、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、プロジェクタ等が適宜利用可能である。
【0016】
スピーカ173は、音声データに応じた音声を出力することにより、各種の情報を出力する。スピーカ173は、物体の検知を報知するための音声や操作者からの各種操作を受け付けるための音声ガイド等を出力する。
【0017】
なお、物体検出装置1は、触れられた位置に応じた情報を出力するタッチパネルが表面に設けられた、操作者の入力を受け付けるタッチパネル等の入力装置を備えていても構わない。また、物体検出装置1は、ユーザの音声入力を受け付ける入力装置としてのマイクロフォン等を備えていても構わない。
【0018】
図2は、第1の実施形態に係る物体検出装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。物体検出装置1は、例えばメモリ13にロードされた物体検出プログラムをプロセッサ11が実行することにより、第1の取得部111、第2の取得部112、重み変更部113及び重み付け部114としての機能を実現する。
【0019】
第1の取得部111は、測距センサ151で検知された、測距センサ151が備えられている位置よりも高さが低い低背物の座標群を含む第1の低背物情報を取得する。第1の低背物情報は、第1の物体情報の一例である。具体的には、第1の取得部111は、測距センサ151で検知された検知結果に含まれる、物体の反射点の極座標から、測距センサ151が備えられている位置よりも高さが低い低背物の座標群を含む第1の低背物情報を取得する。
【0020】
第2の取得部112は、カメラ153で検知された、測距センサ151が備えられている位置よりも高さが低い低背物の座標群を含む第2の低背物情報を取得する。第2の低背物情報は、第2の物体情報の一例である。具体的には、第2の取得部112は、カメラ153で検知された撮像画像に含まれる、物体の2次元座標(距離及び位置)及び高さから、測距センサ151が備えられている位置よりも高さが低い低背物の座標群を含む第2の低背物情報を取得する。
【0021】
ここで、第1の低背物情報及び第2の低背物情報について、
図3、
図4、
図5及び
図6を用いて説明する。
図3及び
図5は、第1の実施形態に係る第1の低背物情報を説明するための図である。
図3及び
図5には、移動体3、低背物201、低背物202及び測距センサ151で検知可能な検知範囲301を示す。
【0022】
図4及び
図6は、第1の実施形態に係る第2の低背物情報を説明するための図である。
図4及び
図6には、カメラ153が撮像した撮像画像211、撮像画像212を示す。
図3及び
図4は、移動体3が同じ位置から検知した情報である。また、
図5及び
図6は、移動体3が同じ位置から検知した情報である。したがって、撮像画像211には、
図3に示す低背物201が存在する。また、撮像画像212には、
図5に示す低背物202が存在する。
【0023】
図3において、測距センサ151で検知可能な検知範囲301の範囲内(指向性の範囲内)に、低背物201が存在する。このとき、測距センサ151は、低背物201を検知しているため、検知結果をメモリ13に出力する。そして、第1の取得部111は、測距センサ151が出力した検知結果に含まれる、物体の反射点の極座標から、測距センサ151が備えられている位置よりも高さが低い低背物の座標群を含む第1の低背物情報を取得する。
【0024】
図4において、カメラ153で撮像した撮像画像211に、低背物201が存在する。このとき、カメラ153は、低背物201を検知しているため、検知結果をメモリ13に出力する。そして、第2の取得部112は、カメラ153が出力した検知結果に含まれる、物体の2次元座標(距離及び位置)及び高さから、測距センサ151が備えられている位置よりも高さが低い低背物の座標群を含む第2の低背物情報を取得する。
【0025】
図5において、測距センサ151で検知可能な検知範囲301の範囲外(指向性の範囲内)に、低背物202が存在する。このとき、測距センサ151は、低背物202を検知していないため、検知結果をメモリ13に出力できない。
【0026】
図6において、カメラ153で撮像した撮像画像212に、低背物202が存在する。このとき、カメラ153は、低背物202を検知しているため、検知結果をメモリ13に出力する。そして、第2の取得部112は、カメラ153が出力した検知結果に含まれる、物体の2次元座標(距離及び位置)及び高さから、測距センサ151が備えられている位置よりも高さが低い低背物の座標群を含む第2の低背物情報を取得する。
【0027】
ところで、上述したように、測距センサ151は、検知可能な検知範囲内に存在する低背物201は検知することができるが、検知可能な検知範囲外に存在する低背物202は検知することができない。一方で、カメラ153は、撮像した撮像画像に低背物が存在する場合、低背物を検知することができるが、より低背物を検知可能な状態(検知可能性が高い状態)は、低背物とカメラ153の距離が近距離状態の場合である。
【0028】
そこで、本実施形態に係る物体検出装置1は、条件に応じて、測距センサ151と、カメラ153に対して寄与度の調整を変更するために、重み変更部及び重み付け部を備える。
【0029】
図2に戻る。重み変更部113は、デバイス情報に応じて、第1の低背物情報及び第2の低背物情報の各々の重みを変更させる。デバイス情報は、測距センサ151の取り付け高さ、取り付け角度及び指向性の少なくとも1つを含む。測距センサ151の取り付け高さ、取り付け角度は、移動体3に取り付けられた測距センサ151の取り付け高さ、取り付け角度から特定される。測距センサ151の指向性は、測距センサ151の性能から特定される。デバイス情報は、メモリ13に記憶される。
【0030】
また、重み変更部113が変更させる、デバイス情報に応じて、第1の低背物情報及び第2の低背物情報の各々の重みとは、寄与度の調整であり、例えば、第1の低背物情報、あるいは、第2の低背物情報のうち、どちらかの低背物情報に対して優先度をつけることである。
【0031】
例えば、重み変更部113は、測距センサ151の取り付け高さが高いほど、第2の低背物情報の重みを大きくする。また、例えば、重み変更部113は、測距センサ151の取り付け角度が、測距センサ151が上側に向けられる角度であるほど、第2の低背物情報の重みを大きくする。さらに、例えば、重み変更部113は、測距センサ151の指向性が狭いほど、第2の低背物情報の重みを大きくする。
【0032】
なお、重み変更部113は、上述したデバイス情報に含まれる、測距センサ151の取り付け高さ、取り付け角度及び指向性について、組み合わせて、各々の重みを変更させても良い。これにより、物体検出装置1は、第1の取得部111が取得した第1の低背物情報が測距センサ151の検知可能範囲外に低背物が存在する条件は、デバイス情報を用いることで、特定することができる。
【0033】
重み付け部114は、重み変更部113により変更された重みを用いて、第1の低背物情報と第2の低背物情報とを重み付けする。
【0034】
以下、図面を参照して、実施形態に係る物体検出装置1の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の流れは一例であり、処理順序の変更や一部の処理の削除、他の処理の追加も可能である。
図7は、第1の実施形態に係る物体物検出処理の一例を示すフローチャートである。
【0035】
第1の取得部111は、測距センサ151で検知された、測距センサ151が備えられている位置よりも高さが低い低背物の座標群を含む第1の低背物情報を取得する(ステップS901)。続いて、第2の取得部112は、カメラ153で検知された、低背物の座標群を含む第2の低背物情報を取得する(ステップS902)。
【0036】
続いて、重み変更部113は、デバイス情報に応じて、第1の低背物情報及び第2の低背物情報の各々の重みを変更させる(ステップS903)。続いて、重み付け部114は、重み変更部113により変更された重みを用いて、第1の低背物情報と第2の低背物情報とを重み付けする(ステップS904)。ステップS904の処理が終了すると、本処理は終了する。
【0037】
以上説明したように、第1の実施形態の物体検出装置1は、測距センサ151の取り付け高さ、取り付け角度及び指向性の少なくとも1つを含むデバイス情報に応じて、測距センサ151で検知された第1の低背物情報及びカメラ153で検知された第2の低背物情報の各々の重みを変更させる。そして、物体検出装置1は、変更された重みを用いて第1の低背物情報と第2の低背物情報とを重み付けする。
【0038】
以上の第1の実施形態の構成によれば、物体検出装置1は、測距センサ151及びカメラ153を用いて、移動体3の周囲に存在する低背物をより検出することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図面を用いて説明する。上述の第1の実施形態と共通する部分については説明を適宜に省略する。なお、第1の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付与し適宜説明を省略する。
【0040】
上述の第1の実施形態では、物体検出装置1は、デバイス情報を用いて、第1の低背物情報及び第2の低背物情報の各々の重みを変更させる形態について説明した。第2の実施形態では、物体検出装置10は、第1の実施形態に加え、さらに、低背物までの距離を推定し、第1の低背物情報及び第2の低背物情報の各々の重みを変更させる形態について説明する。
【0041】
図8は、第2の実施形態に係る物体検出装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。物体検出装置10は、例えばメモリ13にロードされた物体検出プログラムをプロセッサ11が実行することにより、第1の取得部111、第2の取得部112、重み変更部113、重み付け部114及び距離推定部115としての機能を実現する。
【0042】
距離推定部115は、第1の低背物情報及び第2の低背物情報を用いて、低背物までの距離を推定する。ここで、第1の低背物情報を用いて距離を推定する方法について、
図9を用いて説明する。
図9は、第2の実施形態の物体検出装置10が物体の距離を推定する方法を説明するための図である。
図9には、移動体3、低背物203、低背物204、測距センサ151で検知可能な検知範囲301及び低背物204と地面と交差する地点Aを示す。
【0043】
例えば、距離推定部115は、第1の低背物情報から地点Aまでの距離(水平距離)を推定する。そして、重み変更部113は、デバイス情報と、距離推定部115により推定された距離と、に応じて、第1の低背物情報及び第2の低背物情報の各々の重みを変化させる。また、重み変更部113は、距離推定部115により推定された距離が小さいほど、第2の低背物情報の重みを大きくする。
【0044】
例えば、重み変更部113は、
図9に示すように、低背物203及び低背物204が存在する場合、地点Aより手前側(移動体3に対して近い)にある低背物203については、第2の低背物情報の重みを大きくする。一方で、重み変更部113は、地点Aより向こう側(移動体3に対して遠い)にある低背物204については、第1の低背物情報の重みを大きくする。
【0045】
以下、図面を参照して、第2の実施形態に係る物体検出装置10の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の流れは一例であり、処理順序の変更や一部の処理の削除、他の処理の追加も可能である。
図10は、第2の実施形態に係る物体物検出処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図10において、
図7と同様の処理の説明について省略する。
【0046】
ステップS911において、距離推定部115は、第1の低背物情報及び第2の低背物情報を用いて、低背物までの距離を推定する(ステップS911)。ステップS912において、重み変更部113は、デバイス情報と、距離推定部115により推定された距離と、に応じて、第1の低背物情報及び第2の低背物情報の各々の重みを変化させる(ステップS912)。
【0047】
以上説明したように、第2の実施形態の物体検出装置10は、デバイス情報と、推定された距離と、に応じて、第1の低背物情報及び第2の低背物情報の各々の重みを変化させる。
【0048】
以上の第2の実施形態の構成によれば、物体検出装置10は、測距センサ151及びカメラ153を用いて、移動体3の周囲に存在する低背物をより検出することができる。
【0049】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図面を用いて説明する。上述の第1及び第2の実施形態と共通する部分については説明を適宜に省略する。なお、第1及び第2の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付与し適宜説明を省略する。
【0050】
第3の実施形態では、物体検出装置100は、第1の実施形態に加え、さらに、低背物の高さを推定し、第1の低背物情報及び第2の低背物情報の各々の重みを変更させる形態について説明する。
【0051】
図11は、第3の実施形態に係る物体検出装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。物体検出装置100は、例えばメモリ13にロードされた物体検出プログラムをプロセッサ11が実行することにより、第1の取得部111、第2の取得部112、重み変更部113、重み付け部114及び高さ推定部116としての機能を実現する。
【0052】
高さ推定部116は、第1の低背物情報及び第2の低背物情報を用いて、低背物の高さを推定する。ここで、第1の低背物情報を用いて低背物までの高さを推定する方法について、
図12を用いて説明する。
図12は、第3の実施形態の物体検出装置10が物体の高さを推定する方法を説明するための図である。
図12には、移動体3、低背物205、低背物206及び測距センサ151で検知可能な検知範囲301及び高さ閾値Hを示す。高さ閾値Hは、測距センサ151で検知可能な高さの閾値である。高さ閾値Hは、所定の閾値の一例である。
【0053】
例えば、高さ推定部116は、測距センサ151による生データを既知のアルゴリズムで処理した後の第1の低背物情報を用いて、対象の低背物の高さを1つの値に推定(決定)する。なお、測距センサ151が、レーダー、LiDAR等の場合、第1の低背物情報は、3次元座標群となる。その場合、高さ推定部116は、対象となる低背物に関する3次元座標の高さ座標を平均し、対象の低背物の高さを1つの値に推定(決定)する。
【0054】
そして、重み変更部113は、デバイス情報と、高さ推定部116により推定された高さ(垂直距離)と、に応じて、第1の低背物情報及び第2の低背物情報の各々の重みを変化させる。また、重み変更部113は、高さ推定部116により推定された高さが所定の閾値より小さいほど、第2の低背物情報の重みを大きくする。
【0055】
例えば、重み変更部113は、
図12に示すように、低背物205及び低背物206が存在する場合、高さ閾値Hに基づいて、高さ閾値Hと交差しない(高さ閾値Hよりも小さい)低背物205については、第2の低背物情報の重みを大きくする。一方で、重み変更部113は、高さ閾値Hに基づいて、高さ閾値Hと交差する(高さ閾値Hよりも大きい)低背物206については、第1の低背物情報の重みを大きくする。
【0056】
以下、図面を参照して、第3の実施形態に係る物体検出装置100の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の流れは一例であり、処理順序の変更や一部の処理の削除、他の処理の追加も可能である。
図13は、第3の実施形態に係る物体物検出処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図13において、
図7と同様の処理の説明について省略する。
【0057】
ステップS921において、高さ推定部116は、第1の低背物情報及び第2の低背物情報を用いて、低背物の地面からの高さを推定する(ステップS921)。ステップS922において、重み変更部113は、デバイス情報と、高さ推定部116により推定された低背物の地面からの高さに応じて、第1の低背物情報及び第2の低背物情報の各々の重みを変化させる(ステップS922)。
【0058】
以上説明したように、第3の実施形態の物体検出装置100は、デバイス情報と、推定された高さと、に応じて、第1の低背物情報及び第2の低背物情報の各々の重みを変化させる。
【0059】
以上の第3の実施形態の構成によれば、物体検出装置100は、測距センサ151及びカメラ153を用いて、移動体3の周囲に存在する低背物をより検出することができる。
【0060】
(変形例)
上述した第1、第2及び第3の実施形態を適宜組み合わせて実施しても良い。
【0061】
本実施形態の物体検出装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、CD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等が適宜利用可能である。また、可搬型の外部記憶装置としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、Flashメモリ等が適宜利用可能である。
【0062】
また、本実施形態の物体検出装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の物体検出装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0063】
また、物体検出装置1で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0065】
1 物体検出装置
3 移動体
10 物体検出装置
11 プロセッサ
13 メモリ
100 物体検出装置
111 第1の取得部
112 第2の取得部
113 重み変更部
114 重み付け部
115 距離推定部
116 高さ推定部
151 測距センサ
153 カメラ
171 ディスプレイ
173 スピーカ