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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130397
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】連結構造
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/10 20140101AFI20240920BHJP
   E04B 1/58 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
H02S20/10 P
H02S20/10 C
H02S20/10 H
E04B1/58 504F
E04B1/58 601E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040083
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】514158800
【氏名又は名称】株式会社クリーンエナジージャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井原 邦宜
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA12
2E125AA13
2E125AA56
2E125AB05
2E125AB07
2E125AC15
2E125BB11
2E125BB13
2E125BB22
2E125BE03
2E125BE05
2E125BF06
2E125CA05
2E125CA14
(57)【要約】
【課題】太陽光発電装置の組み立てにおいて、梁部材と他部材とを容易に連結可能な連結構造を提供する。
【解決手段】太陽光発電パネルを支持する架台の梁部材と他部材との連結構造であって、梁部材の上面と下面とのうち少なくとも何れか一方に形成され、他部材と当接する当接面と、梁部材の側面に形成され、当該梁部材の延伸方向に延在する被係合部と、梁部材の延伸方向における任意の位置において被係合部に係合する係合部材と、被係合部に係合した係合部材に接続され、当接面との間に他部材を挟着する挟着部材と、を含む取付具と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電パネルを支持する架台の梁部材と他部材との連結構造であって、
前記梁部材の上面と下面とのうち少なくとも何れか一方に形成され、前記他部材と当接する当接面と、
前記梁部材の側面に形成され、当該梁部材の延伸方向に延在する被係合部と、
前記梁部材の延伸方向における任意の位置において前記被係合部に係合する係合部材と、前記被係合部に係合した前記係合部材に接続され、前記当接面との間に前記他部材を挟着する挟着部材と、を含む取付具と、を備える、
連結構造。
【請求項2】
前記被係合部は、前記梁部材の側面に立設されたフランジ部として形成されており、
前記係合部材は、前記係合部材と前記挟着部材との間に他部材と前記フランジ部とを挟み込むように、前記フランジ部と係合する、
請求項1に記載の連結構造。
【請求項3】
前記梁部材の上面と下面との両方に前記当接面が形成されており、
前記梁部材の側面には、当該梁部材の延伸方向に延在する溝が形成されることで、前記溝の両側に前記フランジ部が形成されている、
請求項2に記載の連結構造。
【請求項4】
前記梁部材の上面に前記当接面が形成されており、
前記他部材は、前記梁部材に支持される太陽光発電パネルであり、
前記挟着部材は、締結部材を介して前記係合部材と接続される上側接続部と、前記太陽光発電パネルの側縁部を上側から当接面側へ押圧する押圧部と、を有する、
請求項1又は2に記載の連結構造。
【請求項5】
前記梁部材の下面に前記当接面が形成されており、
前記他部材は、前記梁部材を支持する他の梁部材であり、
前記挟着部材は、前記係合部材と接続されると共に前記他の梁部材の両側に配置される一対の下側接続部と、前記一対の下側接続部同士を接続すると共に前記他の梁部材を下側から当接面側へ押圧する梁部材押圧部と、を有する、
請求項1又は2に記載の連結構造。
【請求項6】
前記係合部材は、前記梁部材とは異なる材料により形成されている、
請求項1又は2に記載の連結構造。
【請求項7】
前記梁部材は、鉄製である、
請求項6に記載の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電パネルを支持する架台の梁部材と他部材との連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護、省資源、CO2削減等の観点から、太陽エネルギーを利用して発電を
行う太陽光発電が急速に普及しており、太陽光発電パネルで太陽光を受光することにより発電量を得る太陽光発電装置が一般化している。特に、より大きな発電量を得るための太陽光発電装置として、複数枚の太陽光発電パネルを縦横に平面的(2次元的)に並べた太陽光発電アレイが広く利用されている。更には、多数基の太陽光発電アレイを並設した大規模太陽光発電プラント(いわゆる、メガソーラーやギガソーラー)の建設も盛んとなっている。
【0003】
これに関連して、特許文献1には、太陽光発電パネルを支持する架台に太陽光発電パネルを固定する場合、支持材に形成した取付孔へ、各架台の上面に埋め込まれて突出するボルトを挿入して、当該支持材にボルト、ナット等を用いて太陽光発電パネルを固定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-35849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、太陽光発電装置の組み立てにおいて、支持材に対する位置ずれに配慮しながら取り付け作業を行う必要があり、作業性が良いとはいえなかった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、太陽光発電装置の組み立てにおいて、梁部材と他部材との連結を容易とする連結構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を採用した。即ち、本発明は、太陽光発電パネルを支持する架台の梁部材と他部材との連結構造であって、前記梁部材の上面と下面とのうち少なくとも何れか一方に形成され、前記他部材と当接する当接面と、前記梁部材の側面に形成され、当該梁部材の延伸方向に延在する被係合部と、前記梁部材の延伸方向における任意の位置において前記被係合部に係合する係合部材と、前記被係合部に係合した前記係合部材に接続され、前記当接面との間に前記他部材を挟着する挟着部材と、を含む取付具と、を備える、連結構造を有する。
【0008】
また、本発明において、前記被係合部は、前記梁部材の側面に立設されたフランジ部として形成されており、前記係合部材は、前記係合部材と前記挟着部材との間に他部材と前記フランジ部とを挟み込むように、前記フランジ部と係合していてもよい。
【0009】
また、本発明において、前記梁部材の上面と下面との両方に前記当接面が形成されており、前記梁部材の側面には、当該梁部材の延伸方向に延在する溝が形成されることで、前記溝の両側に前記フランジ部が形成されてもよい。
【0010】
また、本発明において、前記梁部材の上面に前記当接面が形成されており、前記他部材は、前記梁部材に支持される太陽光発電パネルであり、前記挟着部材は、締結部材を介して前記係合部材と接続される上側接続部と、前記太陽光発電パネルの側縁部を上側から当接面側へ押圧する押圧部と、を有してもよい。
【0011】
また、本発明において、前記梁部材の下面に前記当接面が形成されており、前記他部材は、前記梁部材を支持する他の梁部材であり、前記挟着部材は、前記係合部材と接続されると共に前記他の梁部材の両側に配置される一対の下側接続部と、前記一対の下側接続部同士を接続すると共に前記他の梁部材を下側から当接面側へ押圧する梁部材押圧部と、を有してもよい。
【0012】
また、本発明において、前記係合部材は、前記梁部材とは異なる材料により形成してもよい。
【0013】
また、本発明において、前記梁部材は、鉄製であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、太陽光発電装置の組み立てにおいて、梁部材と他部材とを容易に連結可能な連結構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態に係る太陽光発電装置の斜視図である。
図2図2は、土台と支柱との連結部分の斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る鋼材の斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る梁部材取付具の分解斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る梁部材同士を直交するように連結する状態を説明するための分解斜視図である。
図6図6は、実施形態に係る梁部材同士を直交するように連結した状態を説明するための側面図である。
図7図7は、実施形態に係る太陽光発電パネル用の縁部取付具の分解斜視図である。
図8図8は、実施形態に係るレール部材に対して縁部取付具を用いて太陽光発電パネルが取り付けられる状態を説明するための分解斜視図である。
図9図9は、実施形態に係るレール部材に対して縁部取付具を用いて太陽光発電パネルが取り付けられた状態を説明するための側面図である。
図10図10は、実施形態に係る太陽光発電パネル用の中間取付具の分解斜視図である。
図11図11は、実施形態に係るレール部材に対して中間取付具を用いて太陽光発電パネルが取り付けられる状態を説明するための分解斜視図である。
図12図12は、実施形態に係るレール部材に対して中間取付具を用いて太陽光発電パネルが取り付けられた状態を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。但し、以下の説明は例示であり、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
【0017】
[全体構造]
図1は、本実施形態に係る太陽光発電装置100の斜視図である。太陽光発電装置100は、太陽光発電パネル用架台(以下、架台)2と、この架台2に取り付けられた複数の
太陽光発電パネル3と、架台2のレール部材23bと他部材とを連結するための取付具1と、を備える。架台2は、太陽光発電パネル3を設置するための台である。図1に示すように、本実施形態における架台2には、太陽光発電パネル3が縦横2次元的に配列されている。但し、図1においては、作図上、太陽光発電パネル3を架台の全面には設置せず、一部のみに設置している状態を図示している。
【0018】
まず、太陽光発電パネル3について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る太陽光発電パネル3は、略矩形状の板状に形成されている。「太陽光発電パネル」は、ソーラーパネルや太陽電池モジュールとも呼ばれる。太陽光発電パネル3は、一般的に、表側保護部材と裏側保護部材との間に表側面裏側面発電素子(シリコンセル)が封止されて構成されており、板形状を有している。ここで、本明細書において太陽光発電パネル3の「上面(表側面)」とは、架台2に設置したときに、架台2とは反対側に位置する面のことを指す。一方、太陽光発電パネル3の「下面(裏側面)」とは、架台2に設置したときに、架台2側に位置する面のことを指す。本実施形態に係る太陽光発電パネル3は、いわゆるダブルガラス構造を採用しており、表裏両側から受光可能な両面受光タイプの発電素子を使用し、且つ、発電素子を保護する表側保護部材及び裏側保護部材をともに透明度の高いガラス板で構成することによって、表裏両面で光を受光して発電可能である。本実施形態に係る太陽光発電パネル3は、即ち、表裏両面を受光面とする両面受光タイプの太陽光発電パネルといえる。両面受光タイプの太陽光発電パネルは、両面で太陽光を取り込むことから、同サイズの片面発電タイプの太陽光発電パネルと比較して発電量を増加させることができる。但し、本実施形態に係る太陽光発電パネル3は、ダブルガラス構造でなくともよい。太陽光発電パネル3は、例えば、表側面側保護部材には光を取り込むためにガラス板を使用し、裏側面側保護部材にはPET(ポリエチレンテレフタレート)等のプラスチックシートを使用する一般的な片面発電タイプの太陽光発電パネルであってもよい。太陽光発電パネル3の表側面及び裏側面は、平坦面となっている。
【0019】
次に、架台2について説明する。図1に示すように、架台2は、複数の土台20と、土台20に一定間隔で設けられた複数の支柱22と、支柱22に支持される梁部材23(本発明における「梁部材」の一例)と、支柱22と土台20とを連結するL型基材21と梁部材23とを連結する方杖部材24と、を有する。梁部材23は、支柱22の頂部に設けられた受け桟23a(本発明における「他の梁部材」の一例)と、受け桟23a上に設けられたレール部材23b(本発明における「梁部材」の一例)と、を有する。レール部材23bは、受け桟23a上に架け渡される横架部材であり、受け桟23aに対して直交する方向に延伸して設けられている。また、本実施形態では、レール部材23bに対する受け桟23a、及びレール部材23bに対する太陽光発電パネル3が、本発明における「他部材」に相当する。
【0020】
支柱22は、土台20に立設された支柱杭である。本実施形態では、一つの土台に複数の支柱22が立設されている。受け桟23aは、支柱22に連結された梁部材である。受け桟23aは、共通の土台20に立設された複数の支柱22によって、一本の受け桟23aが支持される態様で各支柱22の頂部に設けられている。また、本実施形態のように、受け桟23aを、支柱22に対して傾斜した姿勢で設けてもよい。方杖部材24は、一端側が受け桟23aに連結されると共に他端側がL型基材21に連結されることで、これらの間に斜めに架け渡された斜材である。なお、支柱22に対する受け桟23aの傾斜角度は、変更可能であってもよい。レール部材23bは、受け桟23a上に架け渡された横架部材である。レール部材23bは、受け桟23aの延伸方向に対して直交する方向に延伸して設けられている。
【0021】
以下、太陽光発電装置100において、土台20が設置されている側を下側(下方)、太陽光発電パネル3が設置されている側を上側(上方)とし、この上下方向をZ方向とす
る。また、レール部材23bの延伸方向をX方向とし、レール部材23bの幅方向をY方向とする。Y方向は、X方向と直交する。本実施形態において、レール部材23bは、延伸方向(X方向)が土台20の配列方向と一致するようにして設けられている。但し、レール部材23bは、延伸方向(X方向)が土台20の配列方向と直交するように設けられてもよい。図1に示すように、本実施形態における架台2には、複数のレール部材23bが所定の間隔を空けてY方向に並んで設けられている。そして、太陽光発電パネル3は、レール部材23bの上にX方向及びY方向に並んで設置されている。
【0022】
図1に示すように、架台2は、土台20と支柱22とを連結するL型基材21を有する。図2は、本実施形態に係る土台20と支柱22との連結部分の斜視図である。土台20は、土台20の上側からZ方向に突出する埋め込みボルト201を有し、支柱22には支柱固定ボルト216を挿通可能な貫通孔221が形成されている。L型基材21は、土台20の上面と当接する下片211と、当該下片211からZ方向に沿って上側に延伸するように形成された側片212と、L型基材固定ナット214と、支柱固定ボルト216と、支柱固定ナット217と、を有する。側片212には、支柱固定ボルト216を挿通可能な貫通孔218と、方杖部材24を固定するための連結用ボルトを挿通可能な貫通孔215と、が形成されている。下片211には、土台20から突出した埋め込みボルト201を挿通できる貫通孔213が形成されている。L型基材21は、埋め込みボルト201を貫通孔213に挿通し、L型基材固定ナット214を埋め込みボルト201に螺合することで、土台20に固定される。L型基材21と支柱22は、L型基材21に形成された貫通孔218と、支柱22に形成された貫通孔221と、に挿通された支柱固定ボルト216によって連結される。支柱22は、貫通孔218と貫通孔221とに挿通された支柱固定ボルト216に支柱固定ナット217を螺合することで、立設される。更に、方杖部材24に連結用ボルトを挿通可能な貫通孔を形成し、L型基材21の貫通孔215と当該方杖部材に形成された貫通孔とを挿通する連結用ボルトを用いて方杖部材24とL型基材21とを連結することができる。方杖部材24は、当該連結用ボルトに連結用ナットを螺合することで、L型基材21に固定することができる。これにより、方杖部材24は、一端側が受け桟23aに連結されると共に他端側が支柱22と土台20とを連結するL型基材21に連結され、これらの間に斜めに架け渡されることになる。また、支柱22に後述の鋼材M1を用いることで、鋼材M1に形成された貫通孔M14を、支柱22に形成される貫通孔221として使用できる。同様に、方杖部材24に後述の鋼材M1を用いることで、鋼材M1に形成された貫通孔M14を、L型基材21と方杖部材24とを連結するための、連結用ボルトを挿通可能な貫通孔として使用できる。このように、各部材をボルトとナット等で脱着可能とすることで、架台2の組み立てや分解等が容易になる。
【0023】
本実施形態に係る梁部材23は、図3に示す鋼材M1によって形成される。図3は、梁部材23に用いられる鋼材M1の斜視図である。図3に示す鋼材M1の上下方向は、鋼材M1をレール部材23bとして用いた場合における上下方向(Z方向)を基準とする。図3に示すように、鋼材M1は、一側面が開放された略コの字状の断面を有して延伸する長尺部材である。図3に示すように、鋼材M1は、上側に向いた上面M11と、下側に向いた下面M12と、上面M11と下面M12とを接続する側面M13と、を有する。鋼材M1の上面M11及び下面M12は、他部材と当接する平坦面として形成されている。レール部材23bにおける上面M11及び下面M12は、本発明における「当接面」に相当する。上面M11及び下面M12を平坦面として形成することで、鋼材M1が他部材と当接する面を平坦面として形成でき、当接面積を十分に確保することができる。後述するように鋼材M1をレール部材23bに用いたとき、上面M11は、本発明における「他部材」の一例である太陽光発電パネル3を支持し、下面M12は、本発明における「他部材」の一例である受け桟23aに支持される。但し、本実施形態では、鋼材M1における上面M11及び下面M12が本発明における「当接面」に相当するが、例えば上面M11又は下面M12の何れかを凹凸面等の平坦ではない面として形成し、当該当接面を上面M11又
は下面M12の何れか一方のみに形成する態様でもよい。本発明は、梁部材の上面と下面とのうち少なくとも何れか一方に当接面が形成されていればよい。
【0024】
鋼材M1の側面である側面M13には、鋼材M1の延伸方向に沿って延在したガイド溝M131が開口している。ガイド溝M131は、鋼材M1の延伸方向における一端側から他端側に亘って(つまり、延伸方向の全域に亘って)形成されている。本実施形態では、ガイド溝M131の両側に一対のフランジ部である、上側フランジ部M131aと下側フランジ部M131bと、が立設されている(本発明における「被係合部」の一例)。そのため、ガイド溝M131の延伸方向に沿って、上側フランジ部M131a及び下側フランジ部M131bも、鋼材M1の延伸方向における一端側から他端側に亘って形成されている。これにより、詳細については後述するが、取付具1の係合部材111又は係合部材121を、上側フランジ部M131a又は下側フランジ部M131bに係合することで、鋼材M1の延伸方向の任意の位置に取付具1を取り付けることができる。上側フランジ部M131a及び下側フランジ部M131bは、上下方向において互いに対称形状となるように形成されている。また、詳細については後述するが、ガイド溝M131に取付具1の係合部材111又は係合部材121を挿入することで、取付具1はガイド溝M131に沿ってスライド可能に取り付けられる。但し、本実施形態は一態様に過ぎず、例えば、ガイド溝M131を形成せず、上側フランジ部M131a又は下側フランジ部M131bを側面M13から突出するように形成したり、側面M13に形成されるフランジとして、上側フランジ部M131a又は下側フランジ部M131bの何れか一方のみを形成する等の態様でもよい。
【0025】
図3に示すように、側面M13には、ガイド溝M131の溝底M131cからガイド溝M131の内側に傾斜するように立設された一対の側壁M131aw,M131bwが形成されている。側壁M131awは、上側フランジ部M131aを形成しており、側壁M131bwは、下側フランジ部M131bを形成している。鋼材M1をこのように形成することで、鋼材M1の延伸方向に直交する断面が略M字状の形状となる。当該形状は、側面M13に形成された側壁M131aw,M131bwが、リブとして機能し鋼材M1の剛性を向上する一助となる。
【0026】
上述の架台2において、支柱22や方杖部材24にも鋼材M1が用いられてもよい。本実施形態では、支柱22、梁部材23、及び方杖部材24の何れにも鋼材M1を用いている。上述のように、L型基材21と支柱22との連結には、支柱固定ボルト216と支柱固定ナット217とが用いられる。また、L型基材21と方杖部材24との連結や支柱22と受け桟23aとの連結には、連結用ボルトと連結用ナットとが用いられる。当該連結用ボルトによって連結するために、図3に示すように、ガイド溝M131の溝底M131cには、鋼材M1の延伸方向に所定の間隔を空けて配列された貫通孔M14が形成されている。これにより、連結用ボルトによって鋼材M1と他部材とを連結する場合には、各部材に形成された貫通孔M14に連結用ボルトを挿通し、連結用ナットによって締結することで、各部材を固定することができる。更に、鋼材M1を支柱22や方杖部材24に用いることで、別設計の部材を用途別に製作する必要がなくなるため、部材コストの低減の一助となる。
【0027】
図3に示すように、鋼材M1の側面M13に対向し、側面M13との間に上面M11及び下面M12を挟んで対になる側面には、補強リブM15が形成されていてもよい。これにより、架台2に重量のあるパネルが載置されても、鋼材M1を使用した部材が損傷することを防止できる。
【0028】
鋼材M1により形成される梁部材を延伸方向に延長させる場合、鋼材M1の貫通孔M14と同じ間隔で貫通孔が形成され、延伸方向に直交する断面がコの字状の部材(以下、コ
ネクタ)を用いることで梁部材を延長できる。鋼材M1は、上面M11と下面M12と側面M13と補強リブM15とに囲まれ、鋼材M1の延伸方向に沿って形成される空間M16を有する。鋼材M1同士を連結させて梁部材延長させる場合、空間M16内に当該コネクタを挿入し、鋼材M1同士の接続部において、2つの鋼材M1の空間M16にまたがるように当該コネクタを設置し、当該コネクタの貫通孔と鋼材M1の貫通孔M14とを重ね合わせ、連結用ボルトを当該コネクタの貫通孔及び貫通孔M14へ挿通し、ナットを用いて締結することで、梁部材を延伸方向に延長させることができる。
【0029】
本実施形態における鋼材M1は、鉄製である。鋼材M1は、例えば、めっき鋼板等の金属によって形成されていることが好ましい。鋼材M1を鉄製とすることで強度を向上することができる。これにより、鋼材M1の捻じれや歪みを防止でき、更に上側フランジ部M131a及び下側フランジ部M131bの変形も防止することができる。そのため、鋼材M1に対し、後述する取付具1の係合部材1aをスムーズな摺動が可能に設けることができる。また、本実施形態に係る鋼材M1は、一側面が開放された断面略コの字形状に形成されているが、鋼材M1を鉄製とすることで、上下方向の荷重に対する十分な耐久性を鋼材M1に付与することができる。但し、鋼材M1の材料はこれに限らず、アルミ鋼やクロムモリブデン鋼等の他金属や、カーボンファイバー等の非金属物質で形成されていてもよい。
【0030】
図5,6,8,9,11,12は、本実施形態に係る太陽光発電パネルの連結構造200を用いた各部材の係合状態を示す図である。本実施形態に係る連結構造200は、図5,6に示すように取付具1の梁部材取付具11を用いた梁部材23同士の連結、又は、図8,9,11,12に示すように取付具1の太陽光発電パネル取付具12を用いた太陽光発電パネル3と梁部材23との連結に用いられる。詳細については各部材の取付方法において後述するが、本実施形態では、連結構造200は、鋼材M1に形成された上面M11及び下面M12と、鋼材M1に形成された上側フランジ部M131a及び下側フランジ部M131bと、梁部材取付具11及び太陽光発電パネル取付具12と、を含んで構成されている。また、梁部材取付具11は、係合部材111とU字ボルト112とを含んで構成されており、太陽光発電パネル取付具12は、係合部材121と端部挟着部材122とを含んで構成されている。
【0031】
[取付具]
以下、本発明における取付具としての取付具1について説明する。取付具1は、架台2を構成する梁部材23同士を連結するための梁部材取付具11と、太陽光発電パネル3を架台2へ取り付けるための太陽光発電パネル取付具12と、を有する。太陽光発電パネル取付具12は、縦横2次元的に配列された複数の太陽光発電パネル3により構成された太陽光発電アレイにおいて、主に太陽光発電パネル3が他の太陽光発電パネル3と隣り合わない位置に用いられる端部取付具12aと、主に太陽光発電パネル3が他の太陽光発電パネル3と隣り合う位置に用いられる中間取付具12bと、を有する。換言すると、端部取付具12aは、X方向において太陽光発電アレイの端に配置され、中間取付具12bは、X方向において互いに隣り合う太陽光発電パネル3同士の間に配置される。なお、梁部材取付具11を構成する部材と太陽光発電パネル取付具12を構成する部材とのうち、それぞれに共通する部材については同一の符号を付すことで、詳細な説明は割愛する。
【0032】
[梁部材取付具]
図4は、本実施形態における梁部材23同士を連結する梁部材取付具11の分解斜視図である。図5は、梁部材取付具11を用いて、受け桟23aとレール部材23bとを直交するように連結する(梁部材23同士を直交して固定する)状態を説明するための分解斜視図である。図6は、梁部材取付具11を用いて、受け桟23aとレール部材23bとを直交するように連結した状態を説明するための側面図である。
【0033】
図4に示すように、梁部材取付具11は、係合部材111と、U字ボルト112(本発明における「挟着部材」の一例)と、挟着用ナット6と、ばねワッシャー7と、ワッシャー8と、を有する。U字ボルト112は、ネジ山が形成された一対の下側接続部112aと、当該一対の下側接続部112aを接続する梁部材押圧部112bと、を有してU字状に形成されている。本実施形態に係るU字ボルト112は、断面円形の棒材を曲げ加工することで形成されている。係合部材111は、概ねプレート状に形成されており、その一側縁の延在方向がX方向と一致するように配置される。具体的には、係合部材111は、平板状のベース部112cと、ベース部111cに形成され、U字ボルト112の下側接続部112aを挿通する一対の貫通孔111aと、Y方向におけるベース部112cの一側縁に設けられ、レール部材23b(鋼材M1)の被係合部である下側フランジ部M131bと係合する係合部111b(本発明における「係合部」の一例)と、Y方向におけるベース部112cの他側縁に設けられ、下側へ突出した突出部111dと、を有する。係合部111bは、スライド部111b1と傾斜部111b2とを有し、スライド部111b1は、鋼材M1のガイド溝M131に沿って摺動可能である。また、傾斜部111b2は、鋼材M1の側壁M131bwの傾きに対応した角度を有し、側壁M131bwに沿ってスライド可能に係合するように形成されている。但し、梁部材取付具11における挟着部材としてのU字ボルト112は一例であり、例えば、下側接続部112aと梁部材押圧部112bとが別個に形成されたものを組み合わせて使用する態様でもよい。また、ばねワッシャー7及びワッシャー8は、U字ボルト112と挟着用ナット6との締結の際に、接触面積を十分に確保することで梁部材取付具11等の損傷や陥没を防止するが、適宜装着状態を変更してよい。
【0034】
図5に示すように、梁部材取付具11は、受け桟23aとレール部材23bとを直交して固定する場合に用いられる。受け桟23a及びレール部材23bは鋼材M1を使用しているが、便宜上、以下では、受け桟23aの上面を上面23au(鋼材M1の上面M11)、下面を下面23ab(鋼材M1の下面M12)とし、レール部材23bの上面(本発明における「当接面」の一例)を上面23bu(鋼材M1の上面M11)、下面(本発明における「当接面」の一例)を下面23bb(鋼材M1の下面M12)とする。また、U字ボルト112の梁部材押圧部112bと、受け桟23aの下面23abとの間には当て板113を設けてもよい。これにより、接触面積を十分に確保することで受け桟23aの損傷や陥没を防止することができる。
【0035】
[取付方法]
図5に示すように、U字ボルト112の梁部材押圧部112bは、一対の下側接続部112aを介して係合部材111と接続される。つまり、U字ボルト112の一対の下側接続部112aを、係合部材111の一対の貫通孔111aへ挿入する。この際、受け桟23aの両側面に、それぞれ下側接続部112aが配置され、下面23abの下側に梁部材押圧部112bが配置される。つまり、U字ボルト112と、係合部材111で囲まれる空間に受け桟23aが差し込まれる状態となる。なお、本実施形態では、下面23abと梁部材押圧部112bとの間には当て板113が配置されている。ここで、U字ボルト112は、受け桟23aの延伸方向における任意の位置に取り付け可能となっている。更に、上述のように、スライド部111b1が鋼材M1のガイド溝M131に沿って摺動可能であるため、係合部材111は、レール部材23bの延伸方向における任意の位置で下側フランジ部M131bと係合可能となっている。そのため、受け桟23aの延伸方向における上面23au上の任意の位置とレール部材23bの延伸方向における下面23bbの任意の位置とを当接させた状態で、受け桟23aとレール部材23bとを連結することができる。つまり、受け桟23aとレール部材23bとを固定する位置を調整できる。
【0036】
図6には、本実施形態における、下側フランジ部M131bと、係合部材111とを含
む連結構造200によって連結された、受け桟23aとレール部材23bの連結後の状態を示している。挟着用ナット6を下側接続部112aへ締めこむことで、受け桟23aの下側に配置されたU字ボルト112の梁部材押圧部112bは、受け桟23aの下面23ab側へ押圧される。そのため、当て板113が受け桟23aの下面23abと当接し押圧される。また、同時に、係合部材111のスライド部111b1は、レール部材23b(鋼材M1)に設けられたガイド溝M131の溝底M131cと接触しており、係合部材111の傾斜部111b2が、下側フランジ部M131bと係合する。これにより、梁部材取付具11の係合部材111はY方向へのずれが制限された状態で、下側フランジ部M131bを押圧する。つまり、係合部材111とU字ボルト112との間に配置された受け桟23aと下側フランジ部M131bとが挟み込まれるように係合される。受け桟23aは、レール部材23bの下面23bbとU字ボルト112の梁部材押圧部112bとの間に挟着される。このようにして受け桟23aとレール部材23bとの連結が完了し、梁部材23同士の位置が固定される。このとき、下面23abと梁部材押圧部112bとの間に当て板113を配置することで、受け桟23aは面接触で挟圧されるため、梁部材23同士をより安定して固定できる。また、係合部材111の突出部111dは、受け桟23aの上面23auに当接しており、U字ボルト112の軸力によって挟着用ナット6と受け桟23aとの間で圧縮される。これにより、ベース部111cが突出部111dに支持されると共に突出部111dの復元力(弾性力)によって挟着用ナット6の緩みが防止される。但し、図5及び図6で説明した本実施形態における取付方法は一例であり、この態様に限るものではない。
【0037】
[太陽光発電パネル取付具]
太陽光発電パネル取付具12は、図7~9に示す、主に太陽光発電パネル3が他の太陽光発電パネル3と隣り合わない位置に用いられる端部取付具12aと、図10~12に示す、主に太陽光発電パネル3が他の太陽光発電パネル3と隣り合う位置に用いられる中間取付具12bと、を有する。
【0038】
[端部取付具]
図7は、本実施形態における太陽光発電パネル取付具12の端部取付具12aの分解斜視図である。図8は、端部取付具12aを用いて、太陽光発電パネル3がレール部材23bが取り付けられる状態を説明するための分解斜視図である。図9は、端部取付具12aを用いて、太陽光発電パネル3がレール部材23bに取り付けられた状態を説明するための側面図である。太陽光発電パネル取付具12の端部取付具12aは、架台2上に載置される一枚の太陽光発電パネル3の側縁部を押圧する取付具である。
【0039】
図7に示すように、端部取付具12aは、挟着用ボルト5(本発明における「締結部材」の一例)と、ばねワッシャー7と、端部挟着部材122(本発明における「挟着部材」の一例)と、係合部材121とを有する。挟着用ボルト5は、いわゆるキャップボルト(六角穴付ボルト)である。挟着用ボルト5は、ネジ山が形成された軸部51と、軸部51の頂部に連設された頭部52と、を有している。本実施形態における端部挟着部材122は、概略かぎ型(L字形状)に形成されており、上側から見たときに長手方向と短手方向を有しており、その短手方向がX方向と一致するように配置される。より具体的には、端部挟着部材122は、挟着用ボルト5を挿通可能な貫通孔122aが形成された平板状の上側接続部122dと、X方向における上側接続部122dの一側縁に設けられ、上側へ起立する起立部122cと、起立部122cの上端部に設けられ、X方向において上側接続部122dの反対側へ延在すると共に太陽光発電パネル3の上面を押圧する押圧部122bと、を有する。起立部122cは、Z方向における長さが、太陽光発電パネル3における上面から下面までの長さ(太陽光発電パネル3の厚さ)よりも小さく形成されている。但し、端部挟着部材122の形状はこれに限定するものではない。係合部材111は、概ねプレート状に形成されており、その一側縁の延在方向がX方向と一致するように配置
される。具体的には、係合部材121は、平板状のベース部121cと、ベース部121cに形成され、挟着用ボルト5を螺合可能なネジ孔121aと、Y方向におけるベース部121cの一側縁に設けられ、レール部材23b(鋼材M1)の被係合部である上側フランジ部M131aと係合する係合部121b(本発明における「係合部」の一例)と、Y方向におけるベース部121cの他側縁に設けられ、上側へ突出した突出部121dと、を有する。係合部121bは、スライド部121b1と、傾斜部121b2を有し、スライド部121b1は鋼材M1のガイド溝M131に沿ってスライド可能である。また、傾斜部121b2は、鋼材M1の側壁M131awの傾きに対応した角度を有し、側壁M131awに沿ってスライド可能に係合するように形成されている。
【0040】
[取付方法]
図8に示すように、端部挟着部材122の押圧部122bは、太陽光発電パネル3の上面と当接する。また、端部挟着部材122の起立部122cは、太陽光発電パネル3の側面部と当接する。挟着用ボルト5は、端部挟着部材122の貫通孔122aに挿通され、係合部材121のネジ孔121aと螺合する。これにより、挟着用ボルト5の頭部52がばねワッシャー7を介して上側接続部122dを係合部材121側へ押圧可能となる。同時に、押圧部122bは太陽光発電パネル3の側縁部を上側から当接面であるレール部材23bの上面23bu側へ押圧可能となる。よって、挟着用ボルト5とネジ孔121aの螺合により、端部挟着部材122と係合部材121との距離が縮むことになり、X方向及びZ方向における太陽光発電パネル3の移動が制限される。ここで、端部挟着部材122は、レール部材23bの延伸方向における任意の位置に取り付け可能となっている。更に、上述のように、スライド部121b1が鋼材M1のガイド溝M131に沿って摺動可能であるため、係合部材121は、レール部材23bの延伸方向における任意の位置で上側フランジ部M131aと係合可能となっている。そのため、レール部材23bの延伸方向(X方向)における任意の位置で太陽光発電パネル3を固定することができる。
【0041】
図9には、本実施形態における、上側フランジ部M131aと、係合部材121とを含む連結構造200によって連結された、太陽光発電パネル3とレール部材23bの連結後の状態を示している。挟着用ボルト5の軸部51を係合部材121のネジ孔121aへ締めこむことで、挟着用ボルト5の頭部52がばねワッシャー7を介して上側接続部122dを係合部材121側へ押圧する。同時に、太陽光発電パネル3の側面側に配置された端部挟着部材122の押圧部122bは、レール部材23bの上面23bu側へ押圧される。また、同時に、係合部材121のスライド部121b1はレール部材23b(鋼材M1)に設けられたガイド溝M131の溝底M131cと接触しており、係合部材121の傾斜部121b2が、上側フランジ部M131aと係合する。これにより、端部取付具12aの係合部材121はZ方向へのずれが制限された状態で、上側フランジ部M131aを押圧する。つまり、係合部材121と端部挟着部材122との間に配置された太陽光発電パネル3と上側フランジ部M131aとが挟み込まれるように係合される。太陽光発電パネル3は、レール部材23bの上面23buと端部挟着部材122の押圧部122bとの間に挟着される。このようにして太陽光発電パネル3とレール部材23bとの連結が完了し、梁部材23と他部材とが挟着され位置が固定される。このとき、係合部材121の突出部121dは、受け桟23aの上面23auに当接しており、挟着用ボルト5の軸力によって挟着用ナット6と受け桟23aとの間で圧縮される。これにより、ベース部121cが突出部121dに支持されると共に突出部121dの復元力(弾性力)によって挟着用ナット6の緩みが防止される。但し、図8及び図9で説明した本実施形態における取付方法は一例であり、例えば、端部挟着部材122を係合部材121に対して90度回転させ、端部挟着部材122の長手方向とレール部材23bの延在する方向とを揃えた態様で使用してもよい。
【0042】
[中間取付具]
図10は、本実施形態における太陽光発電パネル取付具12の中間取付具12bの分解斜視図である。図11は、中間取付具12bを用いて、太陽光発電パネル3がレール部材23bに取り付けられる状態を説明するための分解斜視図である。図12は、中間取付具12bを用いて、太陽光発電パネル3がレール部材23bに取り付けられた状態を説明するための斜視図である。太陽光発電パネル取付具12の中間取付具12bは、架台2上に載置される二枚の太陽光発電パネル3の間に挟まれるように用いられ、二枚の太陽光発電パネル3の側縁部を同時に押圧する取付具である。
【0043】
図10に示すように、中間取付具12bは、挟着用ボルト5と、ばねワッシャー7と、中間挟着部材123(本発明における「挟着部材」の一例)と、係合部材121と、を有する。本実施形態における中間挟着部材123は、概略凹字状に形成されており、上側から見たときに長手方向と短手方向を有しており、その短手方向がX方向と一致するように配置される。より具体的には、中間挟着部材123は、挟着用ボルト5を挿通可能な貫通孔123aが形成された平板状の上側接続部123dと、X方向における上側接続部123dの両側縁に設けられ、上側へ起立する一対の起立部123cと、一対の起立部123cの上端部に設けられ、X方向において上側接続部123dの反対側へ延在すると共に二枚の太陽光発電パネル3の上面を押圧する一対の押圧部123bと、を有する。一対の起立部123cは、Z方向における長さが、太陽光発電パネル3における上面から下面までの長さ(太陽光発電パネル3の厚さ)よりも小さく形成されている。但し、中間挟着部材123の形状はこれに限定するものではない。
【0044】
[取付方法]
図11に示すように、中間挟着部材123の一対の押圧部123bは、太陽光発電パネル3の上面と当接する。また、中間挟着部材123の一対の起立部123cは、太陽光発電パネル3の側面部と当接する。挟着用ボルト5は、中間挟着部材123の貫通孔123aに挿通され、係合部材121のネジ孔121aと螺合する。これにより、挟着用ボルト5の頭部52がばねワッシャー7を介して上側接続部123dを係合部材121側へ押圧可能となる。同時に、一対の押圧部123bはX方向に隣り合う二枚の太陽光発電パネル3の側縁部を上側から当接面であるレール部材23bの上面23bu側へ押圧可能となる。よって、挟着用ボルト5とネジ孔121aの螺合により、中間挟着部材123と係合部材121の距離が縮むことになり、X方向及びZ方向における太陽光発電パネル3の移動が制限される。ここで、中間挟着部材123がレール部材23bの延伸方向における任意の位置に取り付け可能となっており、係合部材121がレール部材23bの延伸方向における任意の位置で上側フランジ部M131aと係合可能となっているため、レール部材23bの延伸方向(X方向)における任意の位置で太陽光発電パネル3を固定することができる。
【0045】
図12には、連結構造200によって連結された、二枚の太陽光発電パネル3とレール部材23bの連結後の状態を示している。挟着用ボルト5を係合部材121のネジ孔121aへ締めこむことで、挟着用ボルト5の頭部52がばねワッシャー7を介して上側接続部123dを係合部材121側へ押圧する。同時に、二枚の太陽光発電パネル3のそれぞれの側面に挟まれるように配置された中間挟着部材123の一対の押圧部123bは、二枚の太陽光発電パネル3を同時に、当接面であるレール部材23bの上面23bu側へ押圧することとなる。つまり、係合部材121と中間挟着部材123との間に配置された二枚の太陽光発電パネル3とレール部材23bの上側フランジ部M131a(図12には図示せず)とが挟み込まれるように係合される。太陽光発電パネル3は、レール部材23bの上面23buと中間挟着部材123の押圧部123bとの間に挟着される。このようにして二枚の太陽光発電パネル3とレール部材23bとの連結が完了し、梁部材23と他部材とが挟着され位置が固定される。但し、図11及び図12で説明した本実施形態における取付方法は一例であり、例えば、中間挟着部材123を係合部材121に対して90度
回転させ、中間挟着部材123の長手方向とレール部材23bの延在する方向とを揃えた態様で使用してもよい。
【0046】
本実施形態に係る取付具1の係合部材111、係合部材121、端部挟着部材122、及び中間挟着部材123は、一例として、アルミニウム合金製である。レール部材23bとは異なる材料により取付具1を形成することで、レール部材23bと取付具1とを強固に当接させることができる。また、異種金属腐食等に考慮し、取付具1や鋼材M1に耐腐食性の表面処理を施してもよい。なお、本発明は、梁部材と取付具とを同じ材料で形成してもよい。材質をそろえることで異種金属接触腐食を防止し、太陽光発電装置100の部品交換スパンを延ばすことができる。
【0047】
本発明における係合部材の一例である係合部材111及び係合部材121と、本発明における被係合部の一例である上側フランジ部M131a及び下側フランジ部M131bが形成される鋼材M1と、を摩擦力向上のため摩擦係数の高い素材で形成したり、互いの当接面を粗面にすることで、摩擦力を高めることができる。これにより、レール部材23bと他部材(太陽光発電パネル3や受け桟23a)とをより強固に連結することができる。なお、本発明に係る梁部材や取付具の材料は特に限定されず、適宜選択することができる。
【0048】
[作用・効果]
本実施形態に係る連結構造200は、レール部材23bと他部材(太陽光発電パネル3や受け桟23a)とをレール部材23bの延伸方向における任意の位置で固定することが可能である。つまり、本実施形態における連結構造200によると、レール部材23bと受け桟23aとの連結やレール部材23bと太陽光発電パネル3との連結を容易に行うことができる。これにより、架台2の組み立てや分解、架台2に対する太陽光発電パネル3の着脱や位置調整を容易化でき、利便性が向上する。また、連結構造200では、レール部材23bの側面に形成された被係合部を利用するため、レール部材23bの上面23buや下面23bbに溝などを設けて被係合部を別途形成する必要がない。そのため、レール部材23bの上面23buや下面23bbに形成される当接面と他部材との当接面積を大きく確保することができる。なお、本発明において、梁部材との連結対象である他部材は、太陽光発電パネルや他の梁部材には限定されない。例えば、太陽光発電パネルから電力を取り出すためのケーブル等を収納するラックを本発明における「他部材」として、梁部材との連結対象としてもよい。
【0049】
なお、本実施形態に係る連結構造200は、海、湖沼、貯水池、養魚池等の水面に浮かべて設置可能な水上設置型の太陽光発電装置にも利用することができる。更に、太陽光発電パネル3を任意の平板等に置換することで、連結構造200を簡易的な屋根構造等として用いることもできる。
【符号の説明】
【0050】
1 :取付具
11 :梁部材取付具
12 :太陽光発電パネル取付具
2 :架台
3 :太陽光発電パネル
M1 :鋼材
100 :太陽光発電装置
200 :連結構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12