(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130398
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】PCaPC床版の接合構造、PCaPC床版の接合方法、及び複合床版
(51)【国際特許分類】
E01D 19/12 20060101AFI20240920BHJP
E01C 5/18 20060101ALI20240920BHJP
E01C 11/10 20060101ALI20240920BHJP
E04B 5/02 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
E01D19/12
E01C5/18
E01C11/10
E04B5/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040085
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000103769
【氏名又は名称】オリエンタル白石株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000107044
【氏名又は名称】ショーボンド建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100198214
【弁理士】
【氏名又は名称】眞榮城 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】井隼 俊也
(72)【発明者】
【氏名】野島 昭二
(72)【発明者】
【氏名】平野 義徳
(72)【発明者】
【氏名】陰迫 良
(72)【発明者】
【氏名】郭 度連
(72)【発明者】
【氏名】宮口 克一
(72)【発明者】
【氏名】薬師寺 輝
(72)【発明者】
【氏名】山川 錦上
【テーマコード(参考)】
2D051
2D059
【Fターム(参考)】
2D051AA01
2D051AF02
2D051AF09
2D051AG03
2D051AH02
2D051AH03
2D051EB05
2D059AA14
2D059GG55
(57)【要約】
【課題】PCaPC床版の設置工事の短縮化が図られたPCaPC床版の接合構造、PCaPC床版の接合方法、複合床版、及び複合床版の製造方法を提供する。
【解決手段】
複数のPCaPC床版112を橋桁上に橋軸方向に沿って設置して接合するPCaPC床版の接合構造1において、PCaPC床版112の表層にゴムラテックスを含有するゴムラテックスコンクリートからなる防水層111が予め打設された複数の複合床版11と、設置された複数の複合床版11,12同士の接合端部に形成される間隙Sに、ゴムラテックスを含有するゴムラテックス含有充填材110aが充填されて形成される間詰部130と、を備え、防水層111は、ゴムラテックスを3%以上6%以下含み、シリカを1%以上2%以下含むラテックスコンクリートからなり、前記ゴムラテックス含有充填材110aは、ゴムラテックスを10%以上13%以下含み、シリカを2%以上3%以下含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のPCaPC床版を橋桁上に橋軸方向に沿って設置して接合するPCaPC床版の接合構造であって、
前記PCaPC床版の表層にゴムラテックスを含有するゴムラテックスコンクリートからなる防水層が予め打設された複数の複合床版と、
設置された複数の前記複合床版同士の接合端部に形成される間隙に、ゴムラテックスを含有するゴムラテックス含有充填材が充填されて形成される間詰部と、
を備え、
前記防水層は、
ゴムラテックスを3%以上6%以下含み、
シリカを1%以上2%以下含むラテックスコンクリートからなり
前記ゴムラテックス含有充填材は、
ゴムラテックスを10%以上13%以下含み、
シリカを2%以上3%以下含むこと
を特徴とするPCaPC床版の接合構造。
【請求項2】
前記防水層は、前記接合端部側の一部が切り欠かれた切り欠き部を有し、
前記間詰部は、橋軸方向に直交する断面視において、前記切欠き部と前記間隙とに前記ゴムラテックス含有充填材が充填されてT字形状に形成されること
を特徴とする請求項1に記載のPCaPC床版の接合構造。
【請求項3】
前記PCaPC床版は、前記橋桁に突設されて前記PCaPC床版が水平方向にズレることを防止するずれ止め材を挿置するための箱抜き部を有し、
前記箱抜き部の少なくも表層には、前記ゴムラテックス含有充填材が充填されていること
を特徴とする請求項1に記載のPCaPC床版の接合構造。
【請求項4】
複数のPCaPC床版を橋桁上に橋軸方向に沿って設置して接合するPCaPC床版の接合方法であって、
前記PCaPC床版の表層にゴムラテックスを3%以上6%以下含み、シリカを1%以上2%以下含むラテックスコンリートからなる防水層が予め形成された複数の複合床版を、橋軸方向に沿って設置する複合床版設置工程と、
前複合床版設置工程により設置された複数の前記複合床版の接合端部間に形成される間隙に充填するための、ゴムラテックスを10%以上13%以下含み、シリカを2%以上3%以下含むゴムラテックス含有充填材を生成するゴムラテックス含有充填材生成工程と、
前記ゴムラテックス含有充填材生成工程により生成した前記ゴムラテックス含有充填材を、前記間隙に充填するゴムラテックス含有充填材充填工程と、
を備えること
を特徴とするPCaPC床版の接合方法。
【請求項5】
橋桁上に載置される予めコンクリートが打設されて硬化したプレキャスト製の床版であり、且つ、橋梁の橋軸直角方向にプレテンション方式でプレストレスが付与されたPCaPC床版であって、
橋梁の橋軸方向に緊張材を挿通するシースを有し、
防水層に、ゴムラテックスを3%以上6%以下含み、シリカを1%以上2%以下含むゴムラテックスコンクリートからなる防水層が形成されていること
を特徴とする複合床版。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のPCaPC床版を橋桁上に載置して接合するPCaPC床版の接合構造、PCaPC床版の接合方法、及び複合床版に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め工場等でコンクリートが打設されて硬化した複数のプレキャスト製の床版(以下、PCa床版という)を鋼桁上に橋梁の橋軸方向に並べて載置して、PC鋼材等の緊張材でこれらの床版(セグメント)同士を橋梁の橋軸方向又は橋軸直角方向にプレストレスを付与して連結一体化したプレキャストプレストレスコンクリート床版(以下、PCaPC床版という)が知られている。
【0003】
このようなPCaPC床版は、施工現場において鋼桁上に橋軸方向に並べて載置された後、緊張材で緊張されて接合された上、防水塗料が塗布されて防水層が形成される。また、防水層の施工期間は、約2日間を要し、交通規制がかけられる規制所要日数の約6%を占めている。その上、現地での防水層の施工には、天候リスクが存在し、工期遅延の可能性も高いという問題がある。特に、寒冷地では、雪氷対策時期の制約もあり、更なる工期短縮が求められる。
【0004】
特許文献1には、互いに対向する前記プレキャスト床版1の接続端部10は、継手鉄筋3と、該接続端部10の天端部に所定の高さを有する切欠き凹部11とを、少なくとも備え、互いに対向する前記プレキャスト床版1の前記切欠き凹部11には、前記所定の高さと略同じ厚さを有するとともに、車両の輪荷重に耐える強度を有する接続天端部材2が架け渡され、前記接続天端部材2の上方には本設舗装5が舗設される複数のプレキャスト床版1を接続する接続部構造が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0019]~[0048]、図面の
図1~図等参照)。
【0005】
特許文献1に開示された構造によれば、防水層にUFCを用いているものの、PCa床版の上方に舗設するのに先立って、PCa床版の上面及び接続天端部材の上面に、防水層を現場施工で形成して構築する必要がある。ここで、防水層を現場施工する場合、防水層が乾燥するまでの間、舗装を行うことができない。また、前述のように、防水層施工中の天候リスクが大きく、床版設置工程の遅延リスクも存在する。これらの事情から、この構造によれば、RC床版からPCaPC床版へ更新する更新工事や新設のPCaPC床版の設置工事において工期のさらなる短縮が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、PCaPC床版の設置工事の工期の短縮を達成できるPCaPC床版の接合構造、PCaPC床版の接合方法、複合床版を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明におけるPCaPC床版の接合構造は、複数のPCaPC床版を橋桁上に橋軸方向に沿って設置して接合するPCaPC床版の接合構造であって、前記PCaPC床版の表層にゴムラテックスを含有するゴムラテックスコンクリートからなる防水層が予め打設された複数の複合床版と、設置された複数の前記複合床版同士の接合端部に形成される間隙に、ゴムラテックスを含有するゴムラテックス含有充填材が充填されて形成される間詰部と、を備え、前記防水層は、ゴムラテックスを3%以上6%以下含み、シリカを1%以上2%以下含むラテックスコンクリートからなり、前記ゴムラテックス含有充填材は、ゴムラテックスを10%以上13%以下含み、シリカを2%以上3%以下含むことを特徴とする。
【0009】
第2発明におけるPCaPC床版の接合構造は、第1発明において、前記防水層は、前記接合端部側の一部が切り欠かれた切り欠き部を有し、前記間詰部は、橋軸方向に直交する断面視において、前記切欠き部と前記間隙とに前記ゴムラテックス含有充填材が充填されてT字形状に形成されることを特徴とする。
【0010】
第3発明におけるPCaPC床版の接合構造は、第1発明において、前記PCaPC床版は、前記橋桁に突設されて前記PCaPC床版が水平方向にズレることを防止するずれ止め材を挿置するための箱抜き部を有し、前記箱抜き部の少なくとも表層には、前記ゴムラテックス含有充填材が充填されていることを特徴とする。
【0011】
第4発明におけるPCaPC床版の接合方法は、複数のPCaPC床版を橋桁上に橋軸方向に沿って設置して接合するPCaPC床版の接合方法であって、前記PCaPC床版の表層にゴムラテックスを3%以上6%以下含み、シリカを1%以上2%以下含むラテックスコンリートからなる防水層が予め形成された複数の複合床版を、橋軸方向に沿って設置する複合床版設置工程と、前複合床版設置工程により設置された複数の前記複合床版の接合端部間に形成される間隙に充填するための、ゴムラテックスを10%以上13%以下含み、シリカを2%以上3%以下含むゴムラテックス含有充填材を生成するゴムラテックス含有充填材生成工程と、前記ゴムラテックス含有充填材生成工程により生成した前記ゴムラテックス含有充填材を、前記間隙に充填するゴムラテックス含有充填材充填工程と、を備えることを特徴とする。
【0012】
第5発明における複合床版は、橋桁上に載置される予めコンクリートが打設されて硬化したプレキャスト製の床版であり、且つ、橋梁の橋軸直角方向にプレテンション方式でプレストレスが付与されたPCaPC床版であって、橋梁の橋軸方向に緊張材を挿通するシースを有し、防水層に、ゴムラテックスを3%以上6%以下含み、シリカを1%以上2%以下含むゴムラテックスコンクリートからなる防水層が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1発明~第4発明によれば、PCaPC床版(複合床版)にはゴムラテックスを含有するゴムラテックスコンクリートからなる防水層が予め打設されており、且つ複合床版同士の間詰部には、はゴムラテックスを含有するゴムラテックス含有充填材が充填されている。このため、PCaPC床版を設置する橋梁の施工現場においてPCaPC床版の表面に防水層を施工する必要がない。よって、PCaPC床版の新設及び更新工事などのPCaPC床版の設置工事の工期を短縮することができる。
【0014】
また、第1発明~第4発明によれば、物質透過抵抗性の高いゴムラテックスを用いることにより、凍結防止剤等の劣化因子のPCaPC床版内や間詰部等への侵入を抑制することができる。これにより、PCaPC床版の接合構造及び橋梁全体の耐久性を向上させることができる。
【0015】
その上、第1発明~第4発明によれば、ゴムラテックス含有充填材の付着特性が通常のコンクリートや無収縮モルタルと比べて高いため、接合目地である間詰部の止水性が向上し、この点でもPCaPC床版の接合構造及び橋梁全体の耐久性を向上させることができる。
【0016】
それに加え、第1発明~第4発明によれば、橋梁の橋軸直角方向にプレテンション方式でプレストレスが付与され、橋梁の橋軸方向にポストテンション方式でプレストレスが付与された2方向PC構造とすることにより、間詰部を小さくて狭い構成とすることができる。このため、充填材が硬化するまでの養生期間を短縮してPCaPC床版設置工事の工期を短縮することができる。しかも、従来のモルタル等と比較しても硬化時間の短いゴムラテックス含有充填材とすることでさらなる工期短縮が可能となる。
【0017】
さらに、第1発明~第4発明によれば、ゴムラテックス含有充填材のゴムラテックスは、ベースコンクリートと比較しても同等の強度を有するため、長期に付着界面の一体性を保つことができ、経年的に間詰部がやせて止水性が低下することを防ぐことができる。よって、この点でもPCaPC床版の接合構造及び橋梁全体の耐久性を向上させることができる。
【0018】
特に、第2発明によれば、防水層は切り欠き部を有し、間詰部は切欠き部と間隙とにゴムラテックス含有充填材が充填されてT字形状に形成される。このため、間隙において間詰部がI字形状に形成される場合と比べて、間隙への雨水や雪などの降水の侵入を防ぎやすく、PCaPC床版の腐食を抑制することができる。これにより、橋桁に設置するPCaPC床版の耐久性のさらなる向上を図ることができる。
【0019】
特に、第3発明によれば、PCaPC床版のずれ止め材が挿通された箱抜き部の少なくとも表層にはゴムラテックス含有充填材が充填されるので、箱抜き部に充填材を充填した後に、防水塗料を後施工する必要がない。これにより、PCaPC床版の設置工事の工期をさらに短縮することができる。
【0020】
第5発明によれば、複合床版(PCaPC床版)の表層にはゴムラテックスを含有するゴムラテックスコンクリートからなる防水層が予め形成されているので、現場においてPCaPC床版の表面に防水層を施工する必要がない。これにより、PCaPC床版の設置工事の工期を短縮することができる。また、第5発明によれば、物質透過抵抗性の高いゴムラテックスを用いることより、PCaPC床版自体にひび割れが発生することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るPCaPC床版の接合構造を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、同上のPCaPC床版の接合構造を構成する本発明の実施形態に係る複合床版を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、同上のPCaPC床版の接合構造の間詰部を示す鉛直断面図であり、(a)がゴムラテックス含有充填材の充填前を示し、(b)がゴムラテックス含有充填材の充填後を示している。
【
図4】
図4は、同上のPCaPC床版の接合構造の箱抜き部を示す鉛直断面図であり、(a)がゴムラテックス含有充填材の充填前を示し、(b)がゴムラテックス含有充填材の充填後を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係るPCaPC床版の接合構造、PCaPC床版の接合方法、及び複合床版について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、Xは、橋桁に沿った方向である橋軸方向Xであり、Yは、橋軸方向Xと直交する水平方向である橋軸直角方向Yである。また、Zは、上下方向Zである(以下、同じ)。
【0023】
(PCaPC床版の接合構造)
先ず、
図1を用いて、本実施形態におけるPCaPC床版の接合構造1について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るPCaPC床版の接合構造を示す斜視図である。
【0024】
PCaPC床版の接合構造1は、
図1に示すように、鋼桁である橋桁20上に、複数のPCaPC床版(複合床版11,12)が橋軸方向Xに沿って設置され、複数のPCaPC床版が、後述のシース117,127に挿通されたポストテンション緊張材116,126で緊張されて接合されて一体化されている。PCaPC床版の接合構造1は、PCaPC床版の表層にゴムラテックスを含有するゴムラテックスコンクリートからなる防水層が予め打設された複数の複合床版11,12と、複数の複合床版11,12同士の接合端部間に形成される間隙Sに形成される間詰部130と、を備える。
【0025】
<複合床版11,12>
次に、
図2~
図4を用いて、本実施形態に係る複合床版11,12を説明する。
図2は、PCaPC床版の接合構造1を構成する本発明の実施形態に係る複合床版11,12を示す斜視図であり、
図3は、PCaPC床版の接合構造1の間詰部130を示す鉛直断面図であり、(a)がゴムラテックス含有充填材の充填前を示し、(b)がゴムラテックス含有充填材の充填後を示している。また、
図4は、PCaPC床版の接合構造1の箱抜き部を示す鉛直断面図であり、(a)がゴムラテックス含有充填材の充填前を示し、(b)がゴムラテックス含有充填材の充填後を示している。なお、複合床版11と複合床版12とは、同一の構成を有する部材である。よって、以下の説明においては、複合床版12は、符号のみを記載して複合床版11で代替して説明し、詳細な説明は省略する。
【0026】
複合床版11(12)は、
図2に示すように、防水層111(121)と、PCaPC床版112(122)と、切り欠き部113(123)と、箱抜き部114(124)とを備える。
【0027】
また、複合床版11(12)は、橋梁の橋軸直角方向にプレテンション方式でプレストレスが付与され、橋梁の橋軸方向にポストテンション方式でプレストレスが付与された2方向PC構造となっている。
【0028】
つまり、PCaPC床版112(122)には、コンクリートの硬化前に橋軸直角方向Yに沿ってプレテンション緊張材115(125)が緊張されて配置され、そのコンクリートが硬化することによりプレテンション方式でプレストレスが付与されている。
【0029】
そして、複合床版11(12)は、
図2に示すように、橋軸方向Xに沿ってポストテンション緊張材116(126)を挿通するためのシース117(127)が形成され、現地においてポストテンション方式でプレストレスが付与される。
【0030】
なお、各緊張材115(125),116(126)には、PC鋼線より線やPC鋼棒などの公知のPC鋼材が用いられる。勿論、各緊張材115(125),116(126)は、炭素繊維補強材などの連続繊維補強材とすることもできる。
【0031】
複合床版11(12)は、防水層111(121)、PCaPC床版112(122)、切り欠き部113(123)、及び箱抜き部114(124)を有する形態で、工場でプレキャストされて製造される。
【0032】
このように、複合床版11(12)は、2方向PC構造とすることにより、間隙S及び間詰部130の幅を小さくて狭い構成とすることができる。このため、後述の充填材110a(120a)が硬化するまでの養生期間を短縮してPCaPC床版設置工事の工期を短縮することができる。
【0033】
<防水層111(121)>
防水層111(121)は、PCaPC床版112(122)の表層部(上層部)に設けられる。防水層111(121)は、防水性能を有し、例えば、透水係数が1.0×10-13m/s以下の性能を有する。防水層111(121)の材質としては、ゴムラテックスを含有するゴムラテックスコンクリートが用いられる。なお、ゴムラテックスコンクリートの厚みは、床版表面から少なくとも1.5cm以上の厚みを有する必要があり、3.0cm以上であればなお好ましい。1.5cm未満ではコンクリートにひび割れが生じる恐れがあり、防水性を損なう恐れがあるためである。
【0034】
ゴムラテックスコンクリートの具体的な組成の一例としては、ゴムラテックスを質量%(以下、%は全て質量%を示す。)で3%以上6%以下含み、シリカを1%以上2%以下含むコンクリートからなる。ゴムラテックスコンクリートは物質透過抵抗性の高いゴムラテックスを含有することにより、防水性能が付与され、現場においてPCaPC床版の表面(上面)に防水塗料を塗布する必要がなくなる。
【0035】
また、ゴムラテックスコンクリートは、高い物質透過抵抗性を有するため、通常採用される高強度コンクリートなどのコンクリートと比較して、凍結防止剤等の床版の劣化因子の侵入を抑制することができる。これにより、橋桁20に設置するPCaPC床版112(122)の耐久性の向上を図ることができる。
【0036】
また、ゴムラテックスコンクリートは、一般のコンクリートを取り扱う一般の汎用機械や既存設備による製造が可能であり、施工(製造)上の制約条件が少なく、さらなる設備の設置が必要なく、その点で製造コストを低減することができる。
【0037】
また、PCaPC床版112(122)には、防水性能を有する防水層111,121が予め打設されている。このため、複合床版11(12)を橋桁20に設置する際に、設置現場においてPCaPC床版112(122)の表面に防水塗料を塗布する必要がない。これにより、PCaPC床版112(122)の設置工事の短縮化を図ることができる。
【0038】
<切り欠き部113(123)>
切り欠き部113(123)は、PCaPC床版112(122)の表層面に打設された防水層111(121)において、PCaPC床版112(122)の接合端部が表層面において露出するように設けられる。複数のPCaPC床版112,122を橋軸方向Xに沿って設置することで、
図3(a)に示すように、切り欠き部113、切り欠き部123、及び間隙Sによって、断面T字状の溝が形成される。
【0039】
<箱抜き部114(124)>
箱抜き部114(124)は、橋桁20上に上方に向け突設された頭付きスタッドボルトなどのずれ止め材21を収容できる位置に、複合床版11(12)を上下方向Zに沿って貫通するように設けられる孔である。箱抜き部114(124)は、
図4(a)に示すように、橋桁20に設けられたずれ止め材21が挿通されて収容される。
【0040】
また、箱抜き部114(124)には、
図4(b)に示すように、防水性能を有するゴムラテックス含有充填材110a(120a)が充填される。これにより、箱抜き部114(124)に無収縮モルタルを充填硬化させた後、再度、防水塗料等を塗布する必要がなくなり、PCaPC床版112(122)の設置工事のさらなる短縮化を図ることができる。ゴムラテックス含有充填材110a(120a)の組成の詳細については後述とする。なお、箱抜き部114(124)に充填するゴムラテックス含有充填材110a(120a)は、少なくとも表層部分に充填されればよく、箱抜き部114(124)内全部に充填させなくてもよい。表層だけでも防水性能を向上させることができるからである。なお、表層のゴムラテックス含有充填材の厚みは、床版表面から少なくとも0.5cm以上の厚みを有する必要があり、1.5cm以上であることが好ましく、3.0cm以上であればなお好ましい。0.5cm未満では充填材にひび割れが生じる恐れがあり、防水性を損なう恐れがあるためである。
【0041】
<間詰部130>
間詰部130は、複数の複合床版11,12の接合端部間に形成される間隙Sである。この間詰部130には、
図3(b)に示すように、間隙Sにゴムラテックス含有充填材130aが充填される。
【0042】
また、間詰部130は、例えば間隙Sに加えて、各切り欠き部113,123にゴムラテックス含有充填材130aが充填されることにより、断面T字形状に形成されてもよい。この場合、間隙Sにおいて間詰部130がI字形状に形成される場合と比べて、間隙Sへの雨水や降雪などの降水の侵入を防ぎやすく、PCaPC床版112(122)の腐食を抑制することができる。これにより、橋桁20に設置するPCaPC床版112(122)の耐久性のさらなる向上を図ることができる。なお、ゴムラテックス含有充填材130aは、ゴムラテックス含有充填材110a(120a)と同様の組成を示してもよく、異なる組成を示してもよい。
【0043】
<PCaPC床版の接合構造1の接合方法>
次に、
図3~
図4を参照して、本発明の実施形態に係るPCaPC床版の接合構造1の接合方法(PCaPC床版の構築方法)について説明する。
【0044】
PCaPC床版の接合構造1の接合方法は、複合床版設置工程と、ゴムラテックス含有充填材生成工程と、ゴムラテックス含有充填材充填工程と、を備える。
【0045】
<複合床版設置工程>
複合床版設置工程では、複数の複合床版11,12を、橋桁20上に橋軸方向Xに沿って設置する。また、本工程で設置する複合床版11(12)には、PCaPC床版112(122)の表層にゴムラテックスを含有するゴムラテックスコンクリートからなる防水層111(121)が予め形成されている。
【0046】
まず、複合床版11(12)の設置を予定する橋桁20上の設置位置に、伸縮材22を設置する。伸縮材22は、複数の複合床版11,12(複数のPCaPC床版112,122)と橋桁20との間隙を詰めるとともに、間隙Sに充填されるゴムラテックス含有充填材130aが間隙Sより下部に漏洩することを防ぐ役割を有する。伸縮材22としては、伸縮性を有するゴム材等が用いられる。
【0047】
橋桁20上に伸縮材22を設置した後、
図4(a)に示すように、複合床版11(12)の箱抜き部114(124)に、橋桁20上に突設されたずれ止め材21が挿通されるように、複合床版11(12)を設置する。ずれ止め材21としては、例えば図示した頭付きスタッドボルトが用いられる。また、複数の複合床版11,12を設置することにより、
図3(a)に示すように、複数のPCaPC床版112,122の接合端部間に、間隙Sが形成される。
【0048】
<ゴムラテックス含有充填材生成工程>
ゴムラテックス含有充填材生成工程では、間隙Sに充填するためのゴムラテックス含有充填材130aを生成する。本工程で生成するゴムラテックス含有充填材の組成は、ゴムラテックスを10%以上13%以下含み、シリカを2%以上3%以下含むラテックスモルタルである。勿論、充填材を充填する間隔が大きいものであれば、前述のゴムラテックスコンクリートとしてもよいことは言うまでもない。
【0049】
なお、箱抜き部114に充填するために、ゴムラテックス含有充填材130aの組成と異なるゴムラテックス含有充填材110a(120a)を合わせて生成してもよい。
【0050】
ゴムラテックス含有充填材130aの生成手順としては、あらかじめ水とゴムラテックスと凝結時間調整剤以外の材料を乾燥状態で計量混合したプレミックスモルタルに、現場の温度条件に合わせて計量した凝結時間調整剤と、所定量の水とラテックスをミキサで混合して生成する方法が品質の変動が少なく望ましい。ゴムラテックス含有充填材の混合に用いるミキサは混合が可能であれば既存のいかなるものでも使用可能であるが、生成量に応じて、ハンドミキサ、グラウトミキサ、ホバートミキサ、左官ミキサ、傾胴ミキサ、オムニミキサ、コンクリートミキサ等の使用が可能である。
【0051】
ゴムラテックス含有充填材110a(120a)の生成手順としては、130aと同じ方法で生成する。
【0052】
以上により、ゴムラテックス含有充填材130a、及びゴムラテックス含有充填材110a(120a)の生成が完了となる。なお、各ゴムラテックス含有充填材110a、120a、130a生成後30分以内に、次工程のゴムラテックス含有充填材充填工程を実施することが好ましい。
【0053】
なお、前述のラテックスコンクリートと同様に、ゴムラテックス含有充填材130a、及びゴムラテックス含有充填材110a(120a)は、一般のコンクリートを取り扱う一般の汎用機械や既存設備による製造が可能であり、施工(製造)上の制約条件が少なく、さらなる設備の設置が必要なく、その点で製造コストを低減することができる。
【0054】
<ゴムラテックス含有充填材充填工程>
ゴムラテックス含有充填材充填工程では、
図3(b)に示すように、ゴムラテックス含有充填材生成工程において生成したゴムラテックス含有充填材130aを、複合床版設置工程で形成した間隙Sに充填する。ゴムラテックス含有充填材130aを間隙Sに充填する際、例えば電動式ディスペンサ等が用いられる。また、複合床版設置工程において、断面T字型の間隙Sが形成されている場合、各切り欠き部113,123に充填材が充填されて各防水層111,121と略面一となるように、ゴムラテックス含有充填材130aを断面T字型となるように充填してもよい。
【0055】
なお、前工程において、ゴムラテックス含有充填材130aの組成と異なるゴムラテックス含有充填材110a(120a)を生成した場合、
図4(b)に示すように、ずれ止め材21が挿通された箱抜き部114(124)に、ゴムラテックス含有充填材110a(120a)を充填してもよい。
【0056】
以上により、PCaPC床版の接合構造1の構築が完了する。
【0057】
本実施形態に係るPCaPC床版の接合構造1によれば、ゴムラテックスを含有する防水層111(121)が予め打設された複数の複合床版11(12)を備える。すなわち、PCaPC床版112(122)は防水性能を有する防水層111(121)が予め打設される。このため、複合床版11(12)を橋桁20に設置する際に、設置現場においてPCaPC床版112(122)の表面に防水層を施工する必要がない。これにより、PCaPC床版112(122)の設置工事の短縮化を図ることができる。
【0058】
また、PCaPC床版の接合構造1によれば、ゴムラテックスを含む防水層111,121が予め打設された複数の複合床版11,12と、設置された複数の複合床版11,12の接合端部で形成される間隙Sに、ゴムラテックス含有充填材130aが充填されて形成される間詰部130と、を備える。すなわち、PCaPC床版112,122は物質透過抵抗性の高い防水層111,121と間詰部130とを備える。このため、防水層111(121)に従来採用される防水塗料、及び間詰部130に従来採用されるコンクリートやモルタルと比較して、凍結防止剤等のPCaPC床版112,122の劣化因子の侵入を抑制することができる。これにより、PCaPC床版の接合構造1及び橋梁全体の耐久性の向上を図ることができる。
【0059】
その上、PCaPC床版の接合構造1によれば、ゴムラテックス含有充填材130a及びゴムラテックス含有充填材110a(120a)の付着特性が通常のコンクリートや無収縮モルタルと比べて高いため、接合目地である間詰部130や箱抜き部114(124)の止水性が向上し、この点でもPCaPC床版の接合構造1及び橋梁全体の耐久性を向上させることができる。
【0060】
それに加え、PCaPC床版の接合構造1によれば、橋梁の橋軸直角方向にプレテンション方式でプレストレスが付与され、橋梁の橋軸方向にポストテンション方式でプレストレスが付与された2方向PC構造とすることにより、間詰部130を小さくて狭い構成とすることができる。このため、ゴムラテックス含有充填材130aが硬化するまでの養生期間を短縮してPCaPC床版設置工事の工期を短縮することができる。しかも、ゴムラテックスを含有するため従来のモルタル等と比較しても硬化時間の短いゴムラテックス含有充填材130aとすることでさらなる工期短縮が可能となる。
【0061】
さらに、PCaPC床版の接合構造1によれば、ゴムラテックス含有充填材130a及びゴムラテックス含有充填材110a(120a)は、ベースコンクリートと比較しても同等の強度を有するため、長期に付着界面の一体性を保つことができ、経年的に間詰部130や箱抜き部114(124)内のゴムラテックス含有充填材130a及びゴムラテックス含有充填材110a(120a)がやせて止水性が低下することを防ぐことができる。よって、この点でもPCaPC床版の接合構造1及び橋梁全体の耐久性を向上させることができる。
【0062】
PCaPC床版の接合構造1によれば、防水層111,121は切り欠き部113,123を有し、間詰部130は切り欠き部113,123と間隙Sとにゴムラテックス含有充填材130aが充填されてT字形状に形成される。このため、間隙Sにおいて間詰部130がI字形状に形成される場合と比べて、間隙Sへの降水の侵入を防ぎやすく、PCaPC床版112(122)の腐食を抑制することができる。これにより、橋桁20に設置するPCaPC床版112(122)の耐久性のさらなる向上を図ることができる。
【0063】
PCaPC床版の接合構造1によれば、PCaPC床版112(122)は箱抜き部114(124)を有し、ずれ止め材21が挿通された箱抜き部114(124)にゴムラテックス含有充填材110a(120a)が充填される。このため、箱抜き部114(124)においてゴムラテックス含有充填材110a(120a)を充填した後に防水塗料を塗布する必要がない。これにより、PCaPC床版112(122)の設置工事のさらなる短縮化を図ることができる。
【0064】
本発明の実施形態に係るPCaPC床版の接合構造1、複合床版11(12)及びその接合方法について説明したが、これらの実施形態は、例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0065】
[効果確認実験]
次に、本発明に係るPCaPC床版の接合構造、PCaPC床版の接合方法、及び複合床版の作用効果を確認するために行った透水試験について説明する。透水試験は、直径φ=150mm×高さ100mmの供試体をラテックスコンクリートとラテックス充填材であるラテックスモルタルでそれぞれ3本ずつ作成し、それぞれの透水係数を測定して平均値を求めた。
【0066】
透水試験は、インプット法により行い、水圧5kgf/cm2(0.49MPa)を14日間加えて測定し、浸透係数を求めた。
【0067】
供試体にするラテックスコンクリートの組成は、質量%でゴムラテックスを5.0%含み、シリカフューム(シリカ)を1.5%含むものとし、ラテックスモルタルの組成は、ゴムラテックスを11.5%含み、シリカフューム(シリカ)を2.5%含むものとした。
【0068】
透水試験の結果は、ラテックスコンクリートの透水係数が7.8×10-15(m/s)であり、ラテックスモルタルの透水係数が0.5×10-15(m/s)であった。一般的な普通コンクリートの透水係数が1.0×10-12(m/s)であることを勘案すると、ラテックスコンクリート及びラテックスモルタルは、普通コンクリートと比べて極めて透水係数が低く、現場においてPCaPC床版や複合床版の表面に防水層を施工する必要がないことが分かる。
【0069】
なお、詳細な数値は掲載していないが、ゴムラテックスを3%以上6%以下含み、シリカを1%以上2%以下含むラテックスコンクリートとすることで透水係数が1.0×10-13m/s以下となることが判明した。また、ゴムラテックスを10%以上13%以下含み、シリカを2%以上3%以下含むゴムラテックスモルタルとすることで同様に透水係数が1.0×10-13m/s以下となることが判明した。
【0070】
(ラテックスコンクリートの実施例)
以下に示す方法により、ゴムラテックス及びシリカの含有量を種々変化させた実施例に係るラテックスコンクリートのスランプ及び透水係数の測定を実施した。
【0071】
コンクリートのスランプはJISA1101「コンクリートのスランプ試験方法」に準拠して測定した。コンクリートの透水係数はインプット法により測定した。所定の型枠内にコンクリートを打設し、コンクリート供試体を作製した。打設直後から材齢7日まで20℃、80%R.H.の恒温恒湿室内にて型枠のまま養生を行った。コンクリート供試体は、直径φ150mm、高さ200mm程度のコンクリート供試体を作製した。養生完了後、型枠を脱型して、高さ100mmとなるように供試体を切断した。切断後、切断面および透水面の中心部(直径100mm)を除いた部分をエポキシ樹脂でシールした。シール後、試験体に圧入される水量を算出するため、試験体質量を測定した後、透水試験装置に設置し、試験体の中心部(直径100mmの範囲)に約5kgf/cm2の水圧を14日間加えた。加圧後、装置から取りはずし、試験後の試験体質量を測定した。質量測定後、試験体を割裂させ、加圧した範囲の表面からの水の浸透深さを、ノギスを用いて測定した。浸透深さは、割裂した試験体の中心部で両端5mm除いた位置から10mm間隔で10点測定をした平均を用いた。なお、コンクリート中の水の拡散係数および透水係数は次式(1)を用いて算出した。結果を表1に示す。
【0072】
K=ρ×(q/t)×(l/AP) ・・・式(1)
ここで、K:透水係数(cm/sec),ρ:水の単位容積質量(kg/cm3),試験体に圧入された水量(cm3),t:水圧を加えた時間(sec),l:平均浸透深さ(cm),A:流水に直角な平均面積(cm2)P:水圧(kgf/cm2)
【0073】
【0074】
表1より、ゴムラテックスを3%以上6%以下含み、シリカを1%以上2%以下含むラテックスコンクリートは防水層の施工に適切な流動性を有し、透水係数も1.0×10-13m/s以下となる、高い防水効果を有することがわかる。
【0075】
(ゴムラテックス含有充填材の実施例)
以下に示す方法により、ゴムラテックス及びシリカの含有量を種々変化させたゴムラテックス含有充填材の静置フローおよび透水係数の測定を実施した。
【0076】
ゴムラテックス含有充填材の静置フローはJISA6207「コンクリート用シリカフューム」附属書C「C.5.3フローの測定」に記載の方法に準拠して測定した。透水係数はラテックスコンクリートの実施例と同様の方法で測定した。結果を表2に示す。
【0077】
【0078】
表2より、ゴムラテックスを10%以上13%以下含み、シリカを2%以上3%以下含むゴムラテックス充填材は、防水層の間詰めの施工に適切な流動性を有し、透水係数も1.0×10-13m/s以下となる、高い防水効果を有することがわかる。
【符号の説明】
【0079】
1 :PCaPC床版の接合構造
11、12 :複合床版
110、120 :箱抜き部
110a、120a:ゴムラテックス含有充填材
111、121 :防水層
112、122 :PCaPC床版
113、123 :切り欠き部
114、124 :箱抜き部
115、125 :プレテンション緊張材
116、126 :ポストテンション緊張材
117、127 :シース
130 :間詰部
130a :ゴムラテックス含有充填材
20 :橋桁
21 :ずれ止め材
22 :伸縮材
S :間隙