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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130400
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】キャップ載置装置
(51)【国際特許分類】
   B67B 3/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B67B3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040087
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】517070291
【氏名又は名称】有限会社ユウアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】田岡 秀仁
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 優太
(72)【発明者】
【氏名】中村 拓美
(72)【発明者】
【氏名】江守 真
(72)【発明者】
【氏名】茶碗谷 広志
(72)【発明者】
【氏名】谷岡 政宏
【テーマコード(参考)】
3E080
【Fターム(参考)】
3E080CF02
3E080CF11
3E080DD12
3E080EE08
3E080FF11
(57)【要約】
【課題】従来技術より簡単にキャップを容器に載置する。
【解決手段】キャップ載置装置は、ペットボトルにキャップを載置するキャップ載置装置であって、前記ペットボトルの上部のキャップが載置される高さで、キャップを、離脱可能に保持する保持部材と、前記ペットボトルを、前記ペットボトルの上部のキャップが載置される載置位置が、前記離脱可能に保持されるキャップの中側を通過するように、移動させる移動部と、を備える。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器にキャップを載置するキャップ載置装置であって、
前記容器の上部のキャップが載置される高さで、キャップを、離脱可能に保持する保持部材と、
前記容器を、前記容器の上部のキャップが載置される載置位置が、前記離脱可能に保持されるキャップの中側を通過するように、移動させる移動部と、
を備えるキャップ載置装置。
【請求項2】
前記容器の前記載置位置が前記キャップの中側を通過することにより前記中側が前記載置位置に載置された前記キャップの上側を下側に押し下げる押下げ部材を更に備える、請求項1に記載のキャップ載置装置。
【請求項3】
前記押下げ部材は、
前記保持される前記キャップの前記容器の移動方向側に、周面が前記キャップに接するように、上下方向と、前記移動方向及び前記移動方向とは逆方向と、に移動可能に、軸に保持される中空のローラと、
前記ローラの中空に、前記ローラが上下方向、前記移動方向、及び前記移動方向と逆方向に移動可能に貫通する軸と、
を備える、請求項2に記載のキャップ載置装置。
【請求項4】
前記キャップの載置状態を撮像するキャップ載置状態撮像部と、
前記撮像された前記キャップの載置状態に基づいて、前記キャップの保持位置が調整されるように前記保持部材を制御する制御部と、
を更に備える、請求項1又は請求項2に記載のキャップ載置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、キャップ載置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ボトル飲用水充填装置が開示されている。ボトル飲用水充填装置は、筺体の内部に、ドラム、給水ノズル、洗浄ノズル、給気ノズル、キャップ供給部、キャップ巻締機及び制御盤が設置された構造となっている。ドラム、給水ノズル、洗浄ノズル、給気ノズル及びキャップ巻締機は、制御盤によってその動作が制御される。
【0003】
特許文献1には、一つのボトル飲用水充填装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献1のキャップ供給部は、その内部をキャップが滑動可能に中空形状をなし、キャップ投入口の近傍に上端が開口し、下端はキャップ受け部に向かって開口している。キャップ投入口から投入されたキャップは、自重によってキャップ供給部の内部を下方へ向かって滑動した後、キャップ受け部に供給される。キャップ巻締機では、キャップを保持及び回転するためのチャック部は、昇降機構により、キャップ受け部に供給されたキャップを保持できる位置に移動されると、チャック部は、キャップを保持する。次に、昇降機構により、キャップを保持したチャック部は、ボトルの上部位置まで移動した後下降される、これにより、キャップはボトルに装着される。そして、チェック部は、回転することにより、キャップをボトルに巻締る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-234237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ボトル飲用水充填装置では、キャップをボトルに装着するために、昇降機構は、チャック部を、キャップ受け部に供給されたキャップを保持できる位置に移動し、ボトルの上部位置まで移動し、下降される。よって、キャップをボトルに装着するために、昇降機構の制御が複雑である。
【0007】
本開示の技術は、従来技術より簡単にキャップを容器に装着することができるキャップ載置装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本開示の技術の第1の態様のキャップ載置装置は、容器にキャップを載置するキャップ載置装置であって、前記容器の上部のキャップが載置される高さで、キャップを、離脱可能に保持する保持部材と、前記容器を、前記容器の上部のキャップが載置される載置位置が、前記離脱可能に保持されるキャップの中側を通過するように、移動させる移動部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の技術の第1の態様は、従来技術より簡単にキャップを容器に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の技術の実施の形態のペットボトル飲料総合製造システム10の一例を示すブロックである。
図2図2は、ペットボトル飲料製造システム100N1の構成の一例を示す上面図である。
図3図3は、搬入装置52、回転装置54、及び搬出装置56の一例を示す断面図である。
図4図4は、飲料充填装置60の一例のブロック図である。
図5図5は、飲料充填装置60のペットボトル15に飲料が充填される液面の高さHiを撮像する構成の一例を示すブロック図である。
図6A図6Aは、キャップ載置装置70の構成の一例を示す断面図である。
図6B図6Bは、保持部79の図6Aの右側(回転体54Aの中心側)から見た側面図である。
図6C図6Cは、保持部79を上から見た上面図である。
図7図7は、ペットボトル15の移動に伴い、ペットボトル15の上部にキャップ70Cが載置される様子を示す図である。
図8図8は、キャップ載置装置70のキャップ載置状態を撮像する構成の一例を示すブロック図である。
図9図9は、キャップ巻締装置80の構成の一例を示す断面図である。
図10図10は、管理装置200の一例を示すブロック図である。
図11図11は、制御装置35N1の一例を示すブロック図である。
図12図12は、管理装置200が、稼働管理プログラム224に従って、制御装置35N1、制御装置35N2、・・・制御装置35N16を管理するタイミングチャートである。
図13図13は、制御装置35N1の制御による飲料充填装置60が実行する充填処理プログラムのフローチャートである。
図14図14は、キャップ載置装置70のキャップ載置状態撮像処理プログラムのフローチャートである。
図15図15は、キャップ載置状態が所定状態である場合の様子(左側)と、キャップ載置状態が所定状態でない場合の様子(右側)を示す図である。
図16図16は、キャップ巻締装置80のキャップ巻締状態撮像処理プログラムのフローチャートである。
図17図17は、キャップ巻締状態画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本開示の技術の実施の形態を説明する。
【0012】
[構成]
図1は、本開示の技術の実施の形態のペットボトル飲料総合製造システム10の一例を示すブロックである。図1に示すように、ペットボトル飲料総合製造システム10は、複数(例えば、16機)のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16と、ペットボトル飲料製造システム100N1~100N16を管理する管理装置200と、を備える。ペットボトル飲料製造システム100N1~100N16は同一の構成であるので、以下、ペットボトル飲料製造システム100N1の構成のみ説明し、他のペットボトル飲料製造システム100N2~100N16の説明を省略する。
【0013】
ペットボトル飲料製造システム100N1は、前工程システム20、飲料充填及びキャップ装着システム30、及び後工程システム40を備える。
【0014】
前工程システム20は、包装等されていないペットボトルの内側及び外側の洗浄及び乾燥を行う。また、前工程システム20は、前工程システム20から飲料充填及びキャップ装着システム30に搬入する搬入本数をカウントし、管理装置200に送信する。なお、搬入本数のカウントのため、前工程システム20は、図示しない通過検出センサを備える。通過検出センサは、発光素子と受光素子とを備える。通過検出センサは、発光素子と受光素子との間の光ビームをペットボトルが遮断する毎に、遮断信号を管理装置200に送信する。管理装置200は、遮断信号を受信する毎に、ペットボトルの搬入本数をカウントアップし、搬入本数を管理する。
【0015】
飲料充填及びキャップ装着システム30は、詳細には後述するが、ペットボトルに飲料を充填し、ペットボトルの上部にキャップを装着し、後工程システム40に排出する。キャップの装着には、第1に、キャップをペットボトルの上部に載置することと、ペットボトルの上部に載置されたキャップを巻き締めること、を含む。飲料充填及びキャップ装着システム30の設置場所は、直接日光が当たらない場所、例えば、工場のクリーンルーム等である。飲料充填及びキャップ装着システム30は、充填、載置、巻締、及び搬出を制御する制御装置35N1を備える。飲料充填及びキャップ装着システム30は、図示しない筐体に収容されている。筐体には、図示しない空気清浄用の除菌フィルター及びファンが搭載されている。
【0016】
筐体をガスで充満させることもできる。ガスとしては、充填する飲料の酸化を防ぐために二酸化炭素又は窒素を利用することができ、また、殺菌のため、オゾンや霧状の次亜塩素酸を利用することができる。
【0017】
後工程システム40は、ペットボトルに、プラスチック製の包装を貼る。後工程システム40は、前工程システム20の上記通過検出センサと同様の通過検出センサを備える。後工程システム40の通過検出センサは、光ビームをペットが遮断する毎に、遮断信号を管理装置200に送信する。管理装置200は、遮断信号を受信する毎に、ペットボトルの排出本数をカウントアップし、排出本数を管理する。管理装置200は、搬入本数と排出本数とを比較し、ペットボトル飲料製造システム100N1の移動経路から脱落したペットボトルが存在するかチェックし、脱落してペットボトルが存在する場合、表示装置204(図10も参照)に表示する。
【0018】
図2は、ペットボトル飲料製造システム100N1の構成の一例を示す上面図である。図2に示すように、ペットボトル飲料製造システム100N1は、搬入装置52、回転装置54、飲料充填装置60、キャップ載置装置70、キャップ巻締装置80、及び搬出装置56を備える。
【0019】
回転装置54は、本開示の技術の「移動部」の一例である。
【0020】
回転装置54は、テーブル54Cと、テーブル54Cを貫通する回転軸54B、回転軸54Bに中心が固定された回転体54Aと、回転軸54を回転させる回転モータ54M(図3も参照)を備える。回転体54Aは、回転軸54Bを中心に45°毎にペットボトルを収容する8個の凹部54rを等間隔に備える。
【0021】
搬入装置52は、搬入位置P1まで、ペットボトルを搬入する。回転体54Aは、回転軸54Bを中心に45°毎に回転する。これにより、ペットボトルは、回転体54Aの凹部54rに収容され、搬入位置P1から、充填位置P2、載置終了位置P3、巻締位置P4、及び排出位置P5に順に位置する。搬入位置P1、充填位置P2、載置終了位置P3、巻締位置P4、及び排出位置P5は、回転軸54Bを中心として円周上に位置する。
【0022】
飲料充填及びキャップ装着システム30では、回転体54Aが45°毎に回転するために、回転体54A下部に45°毎にスリットが入っており、図示しない光電センサが備えられる。光電センサは、発光素子及び受光素子を備え、発光素子からの光ビームがスリットを介して受光素子が受光することにより、スリットを認識し、制御装置35N1に信号を送信する。制御装置35N1は、この信号を受信することにより、スリットの位置が光電センサの位置に到達したこと、つまり、回転体54Aが45°回転したことを認識し、モータ54Mを停止させる。
【0023】
飲料充填装置60は、充填位置P2に位置するペットボトルに飲料を充填する。飲料充填装置60は、ペットボトルに充填された飲料の液面を撮像する液面撮像カメラ67を備える。
【0024】
液面撮像カメラ67は、本開示の技術の「液面撮像部」の一例である。
【0025】
キャップ載置装置70は、充填位置P2から載置終了位置P3にペットボトルが移動することにより、ペットボトルの上部にキャップを載置する。キャップ載置装置70は、ペットボトルの上部にキャップが載置された状態を撮像するキャップ載置状態撮像カメラ75を備える。
【0026】
キャップ巻締装置80は、巻締位置P4に位置するペットボトルの上部に載置されたキャップを巻締る。キャップ巻締装置80は、ペットボトルの上部のキャップの巻締め状態を撮像するキャップ巻締状態撮像カメラ85を備える。
【0027】
なお、液面撮像カメラ67、キャップ載置状態撮像カメラ75、及びキャップ巻締状態撮像カメラ85を備えることに限定されず、液面、キャップ載置状態、及びキャップ巻締状態を撮像する1つのカメラを備えるようにしてもよい。
【0028】
図3は、搬入装置52、回転装置54、及び搬出装置56の一例を示す断面図である。図3に示すように、搬入装置52は、ベルトコンベアで構成されている。搬入装置52は、駆動ローラ52A、従動ローラ52B、駆動ローラ52Aと従動ローラ52Bとに巻き掛けられたベルト52C、及び駆動ローラ52Aを回転させる搬入モータ52Mを備える。搬入装置52は、前工程システム20からのペットボトルをベルト52Cにより搬入位置P1に搬入する。ベルト52Cの両サイドには、位置ずれ及び転送防止のための図示しないガイドが設けられる。
【0029】
搬出装置56もベルトコンベアで構成されている。搬入装置56は、駆動ローラ56A、従動ローラ56B、駆動ローラ56Aと従動ローラ56Bとに巻き掛けられたベルト56C、及び駆動ローラ56Aを回転させる排出モータ56Mを備える。搬出装置56は、巻締位置P5においてキャップが巻締られたペットボトルを後工程システム40に排出する。ベルト56Cの両サイドには、位置ずれ及び転送防止のための図示しないガイドが設けられる。
【0030】
図4は、飲料充填装置60の一例のブロック図である。図4に示すように、飲料充填装置60は、飲料を貯留するタンク62と、タンク62に貯留される飲料を、単位時間当たりに送る飲料の量(供給速度)を一定で、供給路65を介して送るポンプ64と、ポンプ64からの飲料の単位時間当たりの送り量を調整する電磁弁66と、飲料をペットボトル15に充填するノズル68と、を備える。
【0031】
タンク62、ポンプ64、電磁弁66、及びノズル68は、本開示の技術の「充填部」の一例である。
【0032】
図5は、飲料充填装置60のペットボトル15に飲料が充填される液面の高さHiを撮像する構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、飲料充填装置60は、ペットボトル15を照明する照明装置65と、照明されたペットボトル15を撮像し、撮像して得られた画像を制御装置35N1に送信するカメラ67と、を更に備える。制御装置35N1は、カメラ67からの画像に基づいて、ペットボトル15に飲料が充填される液面の高さHiを把握する。
【0033】
図6Aは、キャップ載置装置70の構成の一例を示す断面図である。図6Aに示すように、キャップ載置装置70は、キャップ70Cを収容し且つ排出する収容体72と、収容体72から排出されるキャップ70Cを、離脱可能に保持する保持部79と、を備える。保持部79によりキャップ70Cが保持される位置は、充填位置P2から載置終了位置P3にペットボトル15が移動する経路の途中に位置する。保持部79によりキャップ70が保持される高さは、充填位置P2から載置終了位置P3に移動するペットボトル15の上部のキャップ70Cが載置されるべき位置の高さである。
【0034】
収容体72は、内部に傾斜面76を備える管74を備える。管74の下流側の先端は、保持部79に接続される。管74は、傾斜面76に沿って一列に複数のキャプ70Cを収容することができる。管74には、キャップ70Cの中側が充填位置P2(図2も参照)を向くように、収容される。管74にあるキャップ70Cは、傾斜面76を下り保持部79に排出される。保持部79は、1つのキャップ70Cを離脱可能に保持する。保持部79にキャップ70Cが保持されている場合、管74にある複数のキャップ70Cは、保持部79に排出されず、傾斜面76に沿って上側に順に位置するように一列に並んで収容される。後述するように、ペットボトルの移動により保持部79からキャップ70Cが離脱すると、当該キャップ70Cに隣接するキャップ70Cは、保持部79に排出され、保持部79に離脱可能に保持される。
【0035】
図6Bは、保持部79の図6Aの右側(回転体54Aの中心側)から見た側面図である。図6Cは、保持部79を、回転体54Aの中心が紙面の下側になるように上から見た上面図である。図6A図6Cに示すように、保持部79は、充填位置P2側を向く支持板78Cを備える。保持部79は、各々が支持板74の面に垂直な方向に沿って支持板78Cから所定距離離れた位置に配置され、軸78Cを支持する支持板78A、78Bを備える。保持部79は、支持板78A、78Bから充填位置P2に向く方向に伸びる爪77A、77Bを備える。
【0036】
爪77A、77Bは、本開示の技術の「保持部材」の一例である。
【0037】
軸78Cを支持する支持板78A、78Bの間の、支持板78Cからペットボトル15の移動方向側に、キャップ70Cに隣接した位置には、中空のローラ78Dが位置する。ローラ78Dの中空に軸78Cが貫通する。ローラ78は、上下方向及びペットボトル15の移動方向及び当該移動方向とは逆方向に移動可能に、軸78に保持される。ローラ78は、支持板78A、78Bの間に位置する。よって、ローラ78は、ペットボトル15の移動方向と垂直な方向への移動が規制される。
【0038】
ローラ78D及び軸78Cは、本開示の技術の「押下げ部材」の一例である。
【0039】
支持板78Cとローラ78Dとの間には、キャップ70Cが収容される空間が形成される。爪77A、77B間の長さは、キャップ70の厚み方向と垂直な方向の最大の長さより短い。よって、管74の傾斜面76を下り保持部79に排出されるキャップ70Cは、支持板78Cとローラ78Dとの間の空間において、爪77A、77B間に保持される。
【0040】
支持板78Cとローラ78Dとの間の空間に収容されたキャップ70Cの中側の上部は、支持板78Cの下側に当たり、当該キャップ70Cの頂部側は、ローラ78Dの周面に当たる。よって、管74の傾斜面76を下り保持部79に排出されるキャップ70Cは、
支持板78Cの下側、爪77A、77B間、及びローラ78Dの周面により、位置決めされる。爪77A、77B間にキャップ70Cが保持される位置は、充填位置P2から載置終了位置P3にペットボトル15が移動する経路の途中に位置する。爪77A、77B間にキャップ70が保持される高さは、充填位置P2から載置終了位置P3に移動するペットボトル15の上部のキャップ70Cが載置されるべき位置の高さである。
【0041】
図7は、ペットボトル15の移動に伴い、ペットボトル15の上部にキャップ70Cが載置される様子を示す図である。
【0042】
図7(A)に示すように、充填位置P2から載置終了位置P3にペットボトル15が移動すると、ペットボトル15の上部(キャップ70Cが載置される位置)が、保持部79に保持されたキャップ70Cの中側に向かう。
【0043】
ペットボトル15が更に移動すると、図7(B)に示すように、ペットボトル15の上部にキャップ70Cの一部が載置され、キャップ70Cがローラ78Dを押し上げようとする。
【0044】
ペットボトル15が更に移動すると、図7(C)に示すように、固定された軸78Cにより、ローラ78Dの下端が軸78Cの高さより上昇することが規制され、キャップ70Cは下方に押し下げられる。よって、ペットボトル15の上部にキャップ70Cの殆どの部分が載置され、軸78C及びローラ78Dは、キャップ70Cを下方に押し下げ続ける。
【0045】
ペットボトル15が更に移動すると、図7(D)に示すように、ペットボトル15の上部にキャップ70Cの全てが載置され、保持部79から当該キャップ70Cが離脱し、載置終了位置P3に位置する。保持部79からキャップ70Cが離脱すると、当該離脱時まで当該キャップ70Cに隣接しており且つ傾斜面76に位置する次のキャップ70Cは、保持部79に排出され、保持部79に離脱可能に保持される。
【0046】
上記のように、収容体72は、キャップ70Cを保持部79に排出し、保持部79は、排出されたキャップ70Cを、ペットボトル15の移動に伴い、ペットボトル15の上部にキャップ70Cが載置されるように、離脱可能に保持する。よって、従来技術のように、ペットボトルの上部とは異なる位置に位置するキャップを把持し、把持した状態でキャップをペットボトルの上部に移動する機構を不要とすることができる。
【0047】
また、上記のように、離脱可能に保持されたキャップ70Cのペットボトル15の移動方向側に隣接した位置に、中空のローラ78Dが、上下方向及びペットボトル15の移動方向及び当該移動方向とは逆方向に移動可能に、軸78に保持される。よって、キャップ70の保持位置をペットボトル15の上部が移動すると、ペットボトル15の上部にキャップ70Cが載置され、当該キャップ70Cが、ローラ78Dを押し上げる。これにより、軸78Cとローラ78Dは、キャップ70Cを下方に押し下げる。この状態で、ペットボトル15が更に移動すると、ローラ78Dにより下方に押し下げられた状態のキャップ70Cにペットボトル15の上部が移動する。よって、ペットボトル15の上部にキャップ70Cをより深く載置することができる。
【0048】
図8は、キャップ載置装置70のキャップ載置状態を撮像する構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、載置終了位置P3に位置するペットボトル15を照明する照明装置73と、照明されたペットボトル15を撮像し、撮像して得られた画像を制御装置35N1に送信するカメラ75と、を備える。カメラ67によりペットボトル15が撮像されて得られた画像に基づいて、制御装置35N1は、ペットボトル15へのキャップ70の載置状態を把握する。
【0049】
図9は、キャップ巻締装置80の構成の一例を示す断面図である。図9に示すように、キャップ巻締装置80は、移動体82と、移動体82を支持する支持部86と、支持部86を介して移動体82を上昇及び下降させる上昇下降装置84と、照明装置83、及びカメラ85と、を備える。
【0050】
移動体82、支持部86、及び上昇下降装置84は、本開示の技術の「巻締部」の一例である。
【0051】
移動体82は、ペットボトル15のキャップ70Cを把持した状態で回転させる回転部82GRと、回転軸82Aと、回転軸82Aを介して回転部82GRを回転して、ペットボトル15のキャップ70Cを把持した状態で回転させるモータ82Mと、を備える。
【0052】
上昇下降装置84は、支持部86が、上昇及び下降可能なように、取り付けられた回転軸84Aと、回転軸84を回転させるモータ84Mと、を備える。
【0053】
ペットボトル15が巻締位置P4に到達する前は、上昇下降装置84は、支持部86を介して移動体82を上昇させ、ペットボトル15が移動体82に衝突しないように退避させる。
【0054】
ペットボトル15が巻締位置P4に到達すると、上昇下降装置84は、支持部86を介して移動体82を下降させる。これにより、回転部82GRは、ペットボトル15のキャップ70Cを把持する。ペットボトル15のキャップ70Cを把持した状態で、モータ82Mが回転軸82を回転させると、キャップ70Cは、ペットボトル15の上部に巻き締められる。
【0055】
キャップ70Cがペットボトル15の上部に巻き締められると、上昇下降装置84は、支持部86を介して移動体82を上昇させ、ペットボトル15が移動体82に衝突しないように退避させる。
【0056】
照明装置83は、巻締位置P4に位置するペットボトル15を照明する。カメラ85は、照明されたペットボトル15を撮像し、当該撮像により得られた画像を制御装置36N1に送信する。制御装置36N1は、カメラ85によりペットボトル15が撮像されて得られた画像に基づいて、ペットボトル15へのキャップ70の巻締状態を把握する。
【0057】
図10は、管理装置200の一例を示すブロック図である。図10に示すように、管理装置200は、コンピュータ202と、表示装置204と、入力装置205、通信装置206と、を備える。コンピュータ202、表示装置204、入力装置205、及び通信装置206は、バス208に接続される。
【0058】
通信装置206は、本開示の技術の「受信部」の一例である。
【0059】
通信装置206は、制御装置35N1、制御装置35N2、・・・制御装置35N16と無線通信する。このように本実施の形態では、通信装置206は、制御装置35N1、制御装置35N2、・・・制御装置35N16と無線通信するので、煩わしい通信ケーブルを排除することができる。よって、ペットボトル飲料製造システム100N1~100N16を配置し易くなる。また、制御装置35N1、制御装置35N2、・・・制御装置35N16を制御するための飲料充填及びキャップ装着プログラムのインストールをし易くなる。
【0060】
コンピュータ202は、プロセッサ210と、NVM(Non-volatile memory)212と、RAM(Random Access Memory)214と、を備える。プロセッサ210と、NVM212と、RAM214とは、バス208に接続される。
【0061】
プロセッサ210は、本開示の技術の「稼働部」の一例である。
【0062】
プロセッサ210は、DSP(Digital Signal Processor)、CPU(Central Processing Unit)、及びGPU(Graphics Processing Unit)を含む処理装置であり、DSP及びGPUは、CPUの制御下で動作し、画像に関する処理の実行を担う。ここでは、プロセッサ54の一例として、DSP、CPU、及びGPUを含む処理装置を挙げているが、これはあくまでも一例に過ぎず、プロセッサ44は、GPU機能を統合した1つ以上のCPU及びDSPであってもよいし、GPU機能を統合していない1つ以上のCPU及びDSPであってもよいし、TPU(Tensor Processing Unit)が搭載されていてもよい。
【0063】
NVM212は、各種プログラム及び各種パラメータ等を記憶する不揮発性の記憶装置である。NVM212としては、例えば、フラッシュメモリ(例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory))が挙げられる。
【0064】
RAM214は、一時的に情報が記憶されるメモリであり、プロセッサ210によってワークメモリとして用いられる。RAM214としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)等が挙げられる。
【0065】
NVM212には、稼働管理プログラム224が記憶される。プロセッサ210は、NVM212から稼働管理プログラム224を読み出し、読み出した稼働管理プログラム224をRAM214上で実行することにより稼働制御を行う。プロセッサ210が、RAM214上で実行する稼働管理プログラム224に従って、稼働制御部222として動作することによって、稼働制御が実現される。
【0066】
入力装置205は、マウス及びキーボードである。
【0067】
図11は、制御装置35N1の一例を示すブロック図である。図11に示すように、制御装置35N1は、コンピュータ152、通信装置154、及び表示装置156を備える。コンピュータ152、通信装置154、及び表示装置156は、バス158に接続される。なお、制御装置35N1は、例えば、パーソナルコンピュータで構成される。
【0068】
コンピュータ152は、プロセッサ162と、NVM164と、RAM166と、を備える。プロセッサ162と、NVM164と、RAM166とは、バス158に接続される。プロセッサ162、NVM164、及びRAM166は、管理装置200(図10も参照)のプロセッサ210、NVM212、及びRAM214と同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0069】
プロセッサ162は、本開示の技術の「制御部」の一例である。
【0070】
バス158には、搬入モータ52M、回転モータ54M、排出モータ56M、ポンプ64、電磁弁66、液面撮像カメラ67、照明装置65、キャップ載置状態撮像カメラ75、照明装置73、巻締装置80、キャップ巻締状態撮像カメラ85、及び照明装置83が接続される。
【0071】
NVM164には、飲料充填及びキャップ装着プログラム190が記憶される。プロセッサ164は、NVM165から飲料充填及びキャップ装着プログラム190を読み出し、読み出した飲料充填及びキャップ装着プログラム190をRAM166上で実行することにより飲料充填及びキャップ装着処理を行う。プロセッサ162が、RAM166上で実行する飲料充填及びキャップ装着プログラム190に従って、以下の機能部(172~188)として動作することによって、飲料充填及びキャップ装着処理が実現される。
【0072】
プロセッサ162が動作する機能部には、供給処理部172、回転処理部174、排出処理部176、充填処理部178、液面撮像処理部180、キャップ載置状態撮像処理部182、巻締処理部184、キャップ巻締状態撮像処理部186、及び通信処理部188である。
【0073】
[作用]
(管理装置200)
管理装置200の作用を説明する。管理装置200は、ペットボトル飲料製造システム100N1~100N16を管理するが、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の各々の具体的装置は、制御装置35N1~35N16により個別に制御される。
【0074】
図12は、管理装置200が、稼働管理プログラム224に従って、制御装置35N1、制御装置35N2、・・・制御装置35N16を管理するタイミングチャートである。図12に示すように、管理装置200による管理パターンには、例えば、3種類の管理パターンI,II,IIIがある。
【0075】
管理パターンIを説明する。ステップ202で、稼働制御部222は、制御装置35N1、制御装置35N2、・・・制御装35N16に、状態問合せ信号を、通信装置206(図10も参照)を介して、送信する。制御装置35N1、制御装置35N2、・・・制御装置35N16は、通信装置154(図11も参照)を介して、状態問合せ信号を受信すると、ステップ204N1、ステップ204N2、・・・ステップ204N116で、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の各システムの各装置の故障を判定する。
【0076】
例えば、制御装置35N1は、ペットボトル飲料製造システム100N1の飲料充填及びキャップ装着システム30の故障を判定する。具体的には、制御装置35N1は、飲料充填及びキャップ装着システム30の回転装置54、飲料充填装置60、キャップ載置装置70、キャップ巻締装置80、及び搬出装置56の故障を判定する。
【0077】
搬入装置52には、例えば、搬入モータ52Mが稼働しているか否かを検出するセンサが配置される。回転装置54には、例えば、回転モータ54Mが稼働しているか否かを検出するセンサが配置される。搬出装置56には、例えば、排出モータ56Mが稼働しているか否かを検出するセンサが配置される。飲料充填装置60には、タンク62に飲料が収容されているか否かを検出するセンサが配置される。キャップ載置装置70には、三次元移動装置75が稼働しているか否かを検出するセンサが配置される。キャップ巻締装置80には、巻締装置80が稼働しているか否かを検出するセンサが配置される。
【0078】
制御装置35N1は、上記各センサからの信号を受信し、回転装置54、飲料充填装置60、キャップ載置装置70、キャップ巻締装置80、及び搬出装置56の故障を判定し、判定結果を示す信号を管理装置200に送信する。
【0079】
なお、ペットボトル飲料製造システム100N2~100N16の各飲料充填及びキャップ装着システム30にも、ペットボトル飲料製造システム100N2~100N16の各飲料充填及びキャップ装着システム30の上記各センサと同様のセンサを備える。制御装置35N2~制御装置35N16も、制御装置35N1と同様に故障判定する。
【0080】
以上により管理装置200は、ステップ206で、上記信号に基づいて、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の各システムの各装置の状態を把握し、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の中の何れを稼働させるかを決定し、決定したペットボトル飲料製造システムに稼働命令を送信する。
【0081】
ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の中の何れを稼働させるかは、例えば、一定時間(例えば、10時間)にペットボトル飲料の製造すべき予め定められた本数と、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の各々のペットボトル飲料の製造能力とから、決定される。
【0082】
具体的には、稼働制御部222は、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の中のどのペットボトル飲料製造システムを稼働すれば、一定時間にペットボトル飲料を、上記製造すべき本数分、製造できるのかを計算し、計算結果から、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の中の何れを稼働させるかを決定する。例えば、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2の制御装置35N1,35N2に稼働命令を送信する。これにより、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2が稼働する。
【0083】
なお、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の各々のペットボトル飲料の製造能力は、最大稼働能力より低い能力(例えば、70%)が定められる。
【0084】
管理パターンIIを説明する。ステップ212で、稼働制御部222は、制御装置35N1、制御装置35N2、・・・制御装35N16に、状態問合せ信号を、通信装置206を介して、送信する。これに応じて、例えば、制御装置35N2以外の制御装置35N1~35N16から、判定結果(例えば、全ての装置が正常であること)を示す信号が管理装置200に送信されたが、制御装置35N2からは、判定結果を示す信号が管理装置200に送信されなかった。この場合、ステップ216で、稼働制御部222は、
全ての装置が正常である、例えば、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N16の制御装置35N1,35N16に稼働命令を送信する。これにより、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N16が稼働する。なお、制御装置35N2から判定結果を示す信号が管理装置200に送信されなかった場合に限定されず、制御装置35N2からの判定結果を示す信号により、例えば、回転モータ54Mが稼働していないこと、タンク62に飲料がないこと、又は巻締装置80が稼働していないことが示されている場合も同様である。
【0085】
管理パターンIIIを説明する。ステップ222で、稼働制御部222は、制御装置35N1、制御装置35N2、・・・制御装35N16に、状態問合せ信号を、通信装置206を介して、送信する。これに応じて、制御装置35N1~35N16は、ステップ
224N1、224N2,・・・224N16で、判定結果を示す信号を管理装置200に送信する。上記管理パターンIのように、稼働制御部222は、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の中のどのペットボトル飲料製造システムを稼働すれば、一定時間にペットボトル飲料を、上記製造すべき本数分、製造できるのかを計算し、計算結果から、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の中の何れを稼働させるかを決定する。例えば、ペットボトル飲料製造システム100N1のペットボトル飲料の製造能力は正常能力であるが、ペットボトル飲料製造システム100N2のペットボトル飲料の製造能力は正常能力の半分であったとする。この場合、稼働制御部222は、ステップ220N1で、ペットボトル飲料製造システム100N1の制御装置35N1に通常の製造能力(例えば、75%)での稼働命令を送信する。また、稼働制御部222は、ステップ220N2,220N16で、ペットボトル飲料製造システム100N2,100N16の制御装置35N2、35N16に通常の製造能力の半分(例えば、35%)での稼働命令を送信する。
【0086】
ところで、管理装置200による管理パターンには、上記3種類の管理パターンI,II,IIIに限定されない。例えば、入力装置205から、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の全てを通常の製造能力(例えば、75%)では、一定時間にペットボトル飲料の製造できない本数の指示が入力される場合もある。このような場合、稼働制御部222は、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の少なくとも1つを通常の製造能力より高い製造能力で稼働させる。これにより入力された指示の本数が製造される。
【0087】
以上説明したように、管理装置200は、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16を一括管理することができる。複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の各々は、制御装置35N1~35N16により個別に制御される。
【0088】
また、管理装置200は、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の状態に応じて選択的に稼働させることができる。よって、管理装置200は、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の何れか故障している場合、他のペットボトル飲料製造システムを選択的に稼働させることができる。
【0089】
更に、管理装置200は、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の各々を、最大稼働能力より低い能力で稼働させ、事情に応じて、より低い能力又はより高い能力で稼働させることができる。
【0090】
(ペットボトル飲料製造システム100N1)
次に、ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の作用を説明する。ペットボトル飲料製造システム100N1、100N2,・・・100N16の作用は同様であるので、以下、ペットボトル飲料製造システム100N1の作用のみを説明し、ペットボトル飲料製造システム100N2~100N16の作用の説明を省略する。
【0091】
(飲料充填装置60)
図13は、制御装置35N1の制御による飲料充填装置60が実行する充填処理プログラムのフローチャートである。充填処理プログラムは、充填及びキャップ装着プログラム190の一部である。
【0092】
ステップ252で、供給処理部172は、電磁弁66(図4も参照)を開く。これにより、タンク62内の飲料がポンプ64によりノズル68を介して、ペットボトル15に充填される。
【0093】
ステップ254で、供給処理部172は、液面撮像カメラ67から、液面画像を取り込む。ステップ256で、供給処理部172は、液面画像からペットボトル15の現実の液面Hi(図5も参照)が所定高さH0であるか否かを判断する。
【0094】
ここで、所定高さH0は、ペットボトル15に所定量の飲料が充填された場合に液面が到達する高さである。液面Hiが所定高さH0であると判断されなかった場合(ステップ256N)、充填処理は、ステップ254に戻る。これにより、液面画像に基づいてペットボトル15の現実の液面Hiが所定高さH0であるか否かの判断が継続する。この間、ペットボトル15への飲料が充填され続く。よって、ペットボトル15に充填される飲料の液面の高さHiが上昇する。
【0095】
液面Hiが所定高さH0であると判断された場合(ステップ256Y)、ペットボトル15に所定量の飲料が充填されたことになるので、充填処理はステップ258に進み、供給処理部172は、電磁弁66を閉じる。これにより、ペットボトル15への飲料の充填が停止される。
【0096】
ところで、電磁弁66を閉じる命令をした時と、現実に電磁弁66が停止した時とがほとんど同じであれば、液面Hiが所定高さH0である。
【0097】
しかし、電磁弁66の性能が劣化し、電磁弁66を閉じる命令をした時から現実に電磁弁66が停止した時までの間に、許容できない時間の差があると、液面Hiが所定高さH0を超えて許容できない高さとなり、ペットボトル15には、充填されるべき所定量から許容できない量の飲料が充填されたことになる。
【0098】
そこで、ステップ260で、供給処理部172は、液面画像を取り込み、ステップ262で、供給処理部172は、充填装置60を調整する。具体的には、供給処理部172は、ステップ260で取り込んだ液面画像から、液面Hiが所定高さH0を超えて許容できない高さであるか否かを判断する。液面Hiが所定高さH0を超えて許容できない高さであると判断されなかった場合、充填処理は終了する。液面Hiが所定高さH0を超えて許容できない高さであると判断された場合、供給処理部172は、例えば、ポンプ64の供給能力を低くする。これにより、電磁弁66を閉じる命令をした時から現実に電磁弁66が停止する時までの間に一定時間あっても、ポンプ64の供給能力が低いので、液面Hiが所定高さH0を超えて許容できない高さとなることを防止する。
【0099】
このように液面撮像カメラ67から取り込んだ液面画像から液面Hiが所定高さH0であるか否かを判断し、液面Hiが所定高さH0であると判断された場合、ペットボトル15への飲料の充填が停止される。よって、ペットボトル15の飲料の充填を、現実の充填量に応じて制御することができ、ペットボトル15に飲料を正しく充填することができる。
【0100】
また、ペットボトル15への飲料の充填が停止された後、液面撮像カメラ67から再度取り込んだ液面画像から液面Hiが所定高さH0を超えて許容できない高さであると判断された場合、例えば、ポンプ64の供給能力を低くする。よって、電磁弁66の性能が劣化しても、ペットボトル15に飲料が充填され過ぎることを防止することができる。
【0101】
以上説明した例では、単位時間当たりの飲料の充填量(充填速度)は一定である。本開示の技術は、これに限定されない。例えば、飲料が炭酸飲料であれば、泡立ち状態から、単位時間当たりの飲料の充填量を小さくする(充填速度を緩める)ようにしてもよい。
【0102】
また、液面撮像カメラ67は、不透明なボトルに対応するため、可視光用のカメラ以外に、紫外線又は赤外線カメラでもよい。この点、後述するキャップ載置状態撮像カメラ75(図8)及びキャップ巻締状態撮像カメラ85も、不透明なボトルに対応するため、可視光用のカメラ以外に、紫外線又は赤外線カメラでもよい。
【0103】
(キャップ載置装置70)
図6A図6Cに示すように、離脱可能に保持されたキャップ70Cのペットボトル15の移動方向側に隣接した位置に、中空のローラ78Dが、上下方向及びペットボトル15の移動方向及び当該移動方向とは逆方向に移動可能に、軸78に保持される。よって、図7(A)~図7(D)に示すように、キャップ70の保持位置をペットボトル15の上部が移動すると、ペットボトル15の上部にキャップ70Cが載置され、当該キャップ70Cが、ローラ78Dを押し上げる。これにより、軸78Cとローラ78Dは、キャップ70Cを下方に押し下げる。この状態で、ペットボトル15が更に移動すると、ローラ78Dにより下方に押し下げられた状態のキャップ70Cにペットボトル15の上部が移動する。
【0104】
よって、ペットボトル15の上部にキャップ70Cをより深く載置することができる。
【0105】
図14は、キャップ載置装置70のキャップ載置状態撮像処理プログラムのフローチャートである。キャップ載置状態撮像処理プログラムは、充填及びキャップ装着プログラム190の一部である。図15は、キャップ載置状態が所定状態である場合の様子(左側)と、キャップ載置状態が所定状態でない場合の様子(右側)を示す図である。
【0106】
ステップ272で、キャップ載置状態撮像処理部182は、キャップ載置状態撮像カメラ75(図8も参照)からキャップ載置状態画像を取り込む。
【0107】
ステップ274で、キャップ載置状態撮像処理部182は、キャップ載置状態が所定状態(例えば、理想状態)であるか否かを判断する。キャップ載置状態が所定状態か否かの判断方法には、例えば、次の2つの方法(第1の載置状態判断方法と第2の載置状態方法)がある。
【0108】
第1の載置状態方法を説明する。キャップ載置状態撮像処理部182は、所定状態の画像とステップ272で取り込んだキャップ載置状態画像との画像マッチング処理を行ってマッチング度合いが所定値以上か否かを判断する。
【0109】
第2の載置状態方法を説明する。キャップ載置状態撮像処理部182は、図15に示すように、ステップ272で取り込んだキャップ載置状態画像において、エッジを検出することによりキャップの上端に沿った方向H1と、ペットボトルの中心軸L1とを抽出する。キャップ載置状態撮像処理部182は、方向H1と中心軸L1とのなす角θを計算する。キャップ載置状態撮像処理部182は、なす角θが、図15の左側のように、90°であれば、キャップ載置状態が所定状態であると判断し、図15の右側のように、90°よりも許容範囲を超えて小さい角度であれば、キャップ載置状態が所定状態でないと判断する。
【0110】
キャップ載置状態が所定状態であると判断された場合には(ステップ274Y)、キャップ載置状態撮像処理は終了する。キャップ載置状態が所定状態でないと判断された場合には(ステップ274N)、キャップ載置状態撮像処理は、ステップ276に進む。
【0111】
ステップ276で、キャップ載置状態撮像処理部182は、キャップ載置装置70を調整する。キャップ載置状態が所定状態からのずれ量(90°となす角θとの差)に応じて、ずれ量が減少するように、3次元移動装置75を制御して、キャップ載置装置70の収容体72及び保持部79の位置を変更する。具体的には、収容体72及び保持部79を、傾けたり、上昇させたり、下降させたりする。
【0112】
このようにキャップ載置状態撮像カメラ75から取り込んだ液面画像からキャップ載置状態が所定状態であるか否かを判断する。よって、現実のキャップ載置状態を把握することができる。従って、現実のキャップ載置状態が所定状態でない場合、3次元移動装置75を制御して、キャップ載置装置70の収容体72及び保持部79の位置を変更するので、キャップ載置装置によるキャップの載置状態を所定状態、例えば、理想の載置状態とすることができる。
【0113】
なお、所定状態は、理想の載置状態に限定されず、例えば、理想の載置状態から許容される範囲内の載置状態でもよい。
【0114】
(キャップ巻締装置80)
図16は、キャップ巻締装置80のキャップ巻締状態撮像処理プログラムのフローチャートである。キャップ巻締状態撮像処理プログラムは、充填及びキャップ装着プログラム190の一部である。図17は、キャップ巻締状態画像の一例を示す図である。
【0115】
ステップ282で、キャップ巻締状態撮像処理部186は、キャップ巻締状態撮像カメラ85(図9も参照)からキャップ巻締状態画像を取り込む。
【0116】
ステップ284で、キャップ巻締状態撮像処理部186は、キャップ巻締状態が所定状態(例えば、理想状態)か否かを判断する。キャップ巻締状態が所定状態か否かの判断方法には、例えば、次の2つの方法(第1の巻締状態判断方法と第2の巻締状態判断方法)がある。
【0117】
第1の巻締状態判断方法を説明する。キャップ巻締状態撮像処理部186は、所定状態の画像とステップ282で取り込んだキャップ巻締状態画像との画像マッチング処理を行ってマッチング度合いが所定値以上か否かを判断することにより行う。
【0118】
第2の巻締状態判断方法を説明する。キャップ巻締状態撮像処理部186は、図17に示すように、ステップ282で取り込んだキャップ巻締状態画像において、エッジを検出することによりキャップの上端の位置H3と、エッジを検出することによりペットボトルの外形における所定位置H4とを抽出する。キャップ巻締状態撮像処理部186は、位置H3と位置H4との間の長さH0を計算する。キャップ巻締状態撮像処理部186は、長さHとキャップの巻締状態が所定状態の場合の長さとの差の絶対値が、所定の許容値以内であれば、キャップ巻締状態が所定状態であると判断し、当該差の絶対値が、所定の許容値を超えていれば、キャップ巻締状態が所定状態でないと判断する。
【0119】
キャップ巻締状態が所定状態であると判断された場合には(ステップ284Y)、キャップ巻締状態撮像処理は終了する。キャップ巻締状態が所定状態でないと判断された場合には(ステップ284N)、キャップ巻締状態撮像処理は、ステップ276に進む。
【0120】
ステップ286で、キャップ巻締状態撮像処理部186は、長さHとキャップの巻締状態が所定状態の場合の長さとの差が小さくなるように、キャップ巻締装置80を調整する。
【0121】
例えば、長さH0がキャップの巻締状態が所定状態の場合の長さよりも許容値を超えて長い場合には、巻締量が少ないので、巻締時間を現在の巻締時間より、差に応じた時間、長くする。
【0122】
長さH0がキャップの巻締状態が所定状態の場合の長さよりも許容値を超えて短い場合には、巻締量が多いので、巻締時間を現在の巻締時間より、差に応じた時間、短くする。
【0123】
このようにキャップ巻締状態撮像カメラ75から取り込んだ液面画像からキャップ巻締状態が所定状態であるか否かを判断する。よって、現実のキャップ巻締状態を把握することができる。従って、現実のキャップ巻締状態が所定状態でない場合、キャップ巻締装置80を調整して、巻締量を理想の巻締量に近づけることができる。
【0124】
なお、所定状態は、理想の巻締状態に限定されず、例えば、理想の巻締状態から許容される範囲内の巻締状態でもよい。
【0125】
[効果]
(管理装置200)
管理装置200は、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16を総合的に管理することができる。複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の各々の具体的装置は、制御装置35N1~35N16により個別に制御される。この点、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の各々の具体的装置を、1つの管理装置が制御することも考えられる。しかし、これでは、管理装置の処理負担が過大となり、また、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の各々の具体的装置の追加や入れ替えの度に、管理装置の設定及び管理プログラムの入れ替えをしなければならず、非常に面倒である。しかし、本開示の技術では、管理装置200が、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16を一括管理し、制御装置35N1~35N16により、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の各々の具体的装置を個別に制御する。よって、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の各々の具体的装置の追加や入れ替えがあっても、管理装置に対しては設定及び管理プログラムの変更をする必要がない。よって、作業者の労力を軽減することができる。
【0126】
管理装置200は、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の状態に応じて選択的に稼働させることができる。よって、管理装置200は、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の何れかが故障している場合、他のペットボトル飲料製造システムを選択的に稼働させることができる。
【0127】
管理装置200は、複数のペットボトル飲料製造システム100N1~100N16の各々を、最大稼働能力より低い能力で稼働させ、事情に応じて、より低い能力又はより高い能力で稼働させることができる。
【0128】
通信装置206は、制御装置35N1、制御装置35N2、・・・制御装置35N16と無線通信するので、煩わしい通信ケーブルを排除することができる。このような点は、従来行われていない。
【0129】
また、管理装置200から崇信装置206を介して、制御装置35N1、制御装置35N2、・・・制御装置35N16に、無線通信で、飲料充填及びキャップ装着プログラムを送信し、インストールしたり変更したりすることができる。
【0130】
(飲料充填装置60)
飲料充填装置60は、従来技術より所定量の飲料をペットボトルへ適正に充填することができる。
【0131】
液面撮像カメラ67から取り込んだ液面画像から液面Hiが所定高さH0であるか否かを判断し、液面Hiが所定高さH0であると判断された場合、ペットボトル15への飲料の充填が停止される。よって、ペットボトル15の飲料の充填を、画像処理により、現実の充填量に応じて制御することができ、ペットボトル15に飲料を正しく充填することができる。
【0132】
また、ペットボトル15への飲料の充填が停止された後、液面撮像カメラ67から再度取り込んだ液面画像から液面Hiが所定高さH0を超えて許容できない高さであると判断された場合、例えば、ポンプ64の供給能力を低くする。よって、電磁弁66の性能が劣化しても、ペットボトル15に飲料が充填され過ぎることを防止することができる。
【0133】
(キャップ載置装置70)
キャップ載置装置70は、従来技術より簡単にキャップをボトルに装着することができる。
【0134】
収容体72は、キャップ70Cを保持部79に排出し、保持部79は、排出されたキャップ70Cを、ペットボトル15の移動に伴い、ペットボトル15の上部にキャップ70Cが載置されるように、離脱可能に保持する。よって、従来技術のように、ペットボトルの上部とは異なる位置に位置するキャップを把持し、把持した状態でキャップをペットボトルの上部に移動する機構を不要とすることができる。
【0135】
また、従来、上記機構においてバネを使って、キャップを保持したりリリースしたりする発明も提案されている。しかし、本開示の技術は、管74の傾斜面76を直線的に下って排出されたキャップ70Cを、爪77A、77Bの間に一旦保持し、ペットボトル15の移動(回転運動)に伴い、ペットボトル15の上部にキャップ70Cが載置され、ローラ78Dがキャップ70Cをペットボトル15の上部に押下げる。よって、本開示の技術は、簡単な制御で、キャップ70をペットボトル15の上部に、より深く載置することができる。このような点は、従来行われていない。
【0136】
また、離脱可能に保持されたキャップ70Cのペットボトル15の移動方向側に隣接した位置に、中空のローラ78Dが、上下方向及びペットボトル15の移動方向及び当該移動方向とは逆方向に移動可能に、軸78に保持される。よって、キャップ70の保持位置をペットボトル15の上部が移動すると、ペットボトル15の上部にキャップ70Cが載置され、当該キャップ70Cが、ローラ78Dを押し上げる。これにより、軸78Cとローラ78Dは、キャップ70Cを下方に押し下げる。この状態で、ペットボトル15が更に移動すると、ローラ78Dにより下方に押し下げられた状態のキャップ70Cにペットボトル15の上部が移動する。よって、ペットボトル15の上部にキャップ70Cをより深く載置することができる。
【0137】
更に、キャップ載置状態撮像カメラ75から取り込んだ液面画像からキャップ載置状態が所定状態であるか否かを判断する。よって、画像処理により、現実のキャップ載置状態を把握することができる。従って、現実のキャップ載置状態が所定状態でない場合、3次元移動装置75を制御して、キャップ載置装置70の収容体72及び保持部79の位置を変更するので、キャップ載置装置によるキャップの載置状態を、例えば、理想の載置状態とすることができる。このような点は、従来行われていない。
【0138】
(キャップ巻締装置80)
キャップ巻締装置80は、従来技術よりペットボトルへのキャップの巻締状態を適正にすることができる。
【0139】
キャップ巻締状態撮像カメラ75から取り込んだ液面画像からキャップ巻締状態が所定状態であるか否かを判断する。よって、画像処理により、現実のキャップ巻締状態を把握することができる。従って、現実のキャップ巻締状態が所定状態でない場合、キャップ巻締装置80を調整して、巻締状態を、例えば、理想の巻締状態に近づけることができる。このような点は、従来行われていない。
【0140】
(変形例)
以上説明実施の形態では、ペットボトルを、本開示の技術の「容器」の一例として説明しが、本開示の技術は「容器」は、ペットボトルに限定されない。例えば、ガラス瓶、缶等も適用することができる。飲料も、水、ジュース、ビール、ウィスキー、ワイン、日本酒等も適用することができる。充填のためのノズル68、回転体54A、ベルト52Cの両サイドの位置ずれ及び転送防止のためのガイド、キャプ、キャップ70Cを把持した状態で回転させる回転部82GR等の大きさ及び形状は、容器に沿った大きさ及び形状である。
【0141】
上記実施形の態では、NVMに各プログラムが記憶されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、各プログラムがSSD、USBメモリ、又は磁気テープなどの可搬型のコンピュータ読取可能な非一時的記憶媒体に記憶されていてもよい。非一時的記憶媒体に記憶されている各プログラムは、各コンピュータにインストールされる。各プロセッサは、各プログラムに従って、上記稼働制御又は上記飲料充填及びキャップ装着処理を実行する。
【0142】
上記実施の形態では、本開示の技術がソフトウェア構成によって実現される形態例を挙げて説明しているが、本開示の技術はこれに限定されず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はPLD(Programmable Logic Device)を含むデバイスを適用してもよい。また、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせを用いてもよい。
【0143】
上記実施形の態で説明した上記稼働制御又は上記飲料充填及びキャップ装着処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、イオン化処理及び除去処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電子回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで上記稼働制御又は上記飲料充填及びキャップ装着処理を実行する。
【0144】
上記稼働制御又は上記飲料充填及びキャップ装着処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、上記稼働制御又は上記飲料充填及びキャップ装着処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
【0145】
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、イオン化処理及び除去処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoC(System-on-a-chip)などに代表されるように、上記稼働制御又は上記飲料充填及びキャップ装着処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、上記稼働制御又は上記飲料充填及びキャップ装着処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
【0146】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電子回路を用いることができる。また、上記のイオン化処理及び除去処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0147】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0148】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
[付記]
以上の開示から以下の付記が提案される。
【0149】
(付記1)
容器にキャップを載置するキャップ載置装置であって、
前記容器の上部のキャップが載置される高さで、キャップを、離脱可能に保持する保持部材と、
前記容器を、前記容器の上部のキャップが載置される載置位置が、前記離脱可能に保持されるキャップの中側を通過するように、移動させる移動部と、
を備えるキャップ載置装置。
【0150】
(付記2)
前記容器の前記載置位置が前記キャップの中側を通過することにより前記中側が前記載置位置に載置された前記キャップの上側を下側に押し下げる押下げ部材を更に備える、付記1に記載のキャップ載置装置。
【0151】
(付記3)
前記押下げ部材は、
前記保持される前記キャップの前記容器の移動方向側に、周面が前記キャップに接するように、上下方向と、前記移動方向及び前記移動方向とは逆方向と、に移動可能に、軸に保持される中空のローラと、
前記ローラの中空に、前記ローラが上下方向、前記移動方向、及び前記移動方向と逆方向に移動可能に貫通する軸と、
を備える、付記2に記載のキャップ載置装置。
【0152】
(付記4)
前記キャップの載置状態を撮像するキャップ載置状態撮像部と、
前記撮像された前記キャップの載置状態に基づいて、前記キャップの保持位置が調整されるように前記保持部材を制御する制御部と、
を更に備える、付記1又は付記2に記載のキャップ載置装置。
【0153】
(付記5)
各々が、容器に飲料を充填する飲料充填装置と、前記容器の上部にキャップを載置するキャップ載置装置と、前記キャップを巻締めるキャップ巻締装置と、前記容器を前記飲料充填装置、前記キャップ載置装置、及び前記キャップ巻締装置の位置に移動させる移動部と、を備える複数の飲料充填及びキャップ装着システムを管理する管理装置であって、
前記複数の飲料充填及びキャップ装着システムを選択的に稼働させる稼働部を備える、管理装置。
【0154】
(付記6)
前記稼働部は、前記選択的に稼働させる前記飲料充填及びキャップ装着システムを、最大稼働能力より低い低稼働能力で稼働させる、付記5に記載の管理装置。
【0155】
(付記7)
前記稼働部は、前記最大稼働能力で飲料充填及びキャップ装着の可能な容器の所定時間の本数よりも多い本数が指定された場合、前記飲料充填及びキャップ装着システムを、前記最大稼働能力より低く且つ前記低稼働能力より高い稼働能力で稼働させる、付記6に記載の管理装置。
【0156】
(付記8)
前記複数の飲料充填及びキャップ装着システムの各々の故障状態を示す信号を受信する受信部を更に備え、
前記稼働部は、前記信号に基づいて、前記複数の飲料充填及びキャップ装着システムを選択的に稼働させる、
付記5又は付記6に記載の管理装置。
【0157】
(付記9)
前記受信部は、前記複数の飲料充填及びキャップ装着システムの各々から前記信号を、無線通信により、受信する、付記8に記載の管理装置。
【0158】
(付記10)
前記稼働部は、前記複数の飲料充填及びキャップ装着システムの中の故障していない飲料充填及びキャップ装着システムを稼働させる、付記8又は付記9に記載の管理装置。
【0159】
(付記11)
前記稼働部は、前記選択的に稼働させる前記飲料充填及びキャップ装着システムを、最大稼働能力より低い低稼働能力で稼働させると共に、前記故障していない飲料充填及びキャップ装着システムを、前記最大稼働能力より低く且つ前記低稼働能力より高い稼働能力で稼働させる、付記8又は付記9に記載の管理装置。
【0160】
(付記12)
前記稼働部は、前記複数の飲料充填及びキャップ装着システムの中で、最大稼働能力で稼働できない飲料充填及びキャップ装着システムを、前記最大稼働能力より低い稼働能力で稼働させる、稼働させる、付記8又は付記9に記載の管理装置。
【0161】
(付記13)
容器に飲料を充填する飲料充填装置と、前記容器の上部にキャップを載置するキャップ載置装置と、前記キャップを巻締めるキャップ巻締装置と、前記容器を前記飲料充填装置、前記キャップ載置装置、及び前記キャップ巻締装置の位置に移動させる移動部と、を備える飲料充填及びキャップ装着システムにおける前記飲料充填装置であって、
前記容器に飲料を充填する充填部と、
前記容器に充填された飲料の液面を撮像する液面撮像部と、
前記撮像された前記液面が所定の高さに到達した場合、前記充填が停止するように、前記充填部を制御する制御部と、
を備える、飲料充填装置。
【0162】
(付記14)
前記液面撮像部は、前記充填が停止した場合、前記容器に充填された飲料の液面を再度撮像し、
前記制御部は、前記再度撮像された前記飲料の液面と前記所定の高さとの差が許容値より大きい場合には、前記差が小さくなるように、前記充填部を制御する、
付記13に記載の飲料充填装置。
【0163】
(付記15)
容器に飲料を充填する飲料充填装置と、前記容器の上部にキャップを載置するキャップ載置装置と、前記キャップを巻締めるキャップ巻締装置と、前記容器を前記飲料充填装置、前記キャップ載置装置、及び前記キャップ巻締装置の位置に移動させる移動部と、を備える飲料充填及びキャップ装着システムにおける前記キャップ巻締装置であって、
前記キャップを巻締る巻締部と、
前記キャップの巻締状態を撮像するキャップ巻締状態撮像部と、
前記撮像された前記キャップの巻締状態と所定の巻締状態との差が許容値より大きい場合に、前記差が小さくなるように、前記巻締部を制御する制御部と、
を備える、巻締装置。
【符号の説明】
【0164】
10 ペットボトル飲料総合製造システム
100N1~100N16 ペットボトル飲料製造システム
200 管理装置
30 飲料充填及びキャップ装着システム
52 搬入装置
54 回転装置
60 飲料充填装置
70 キャップ載置装置
80 キャップ巻締装置
56 搬出装置
67 液面撮像カメラ
75 キャップ載置状態撮像カメラ
85 キャップ巻締状態撮像カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17