(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130411
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】渋滞情報提供装置、渋滞情報提供方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G08G1/01 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040101
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】柴田 晃司
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181DD04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181MC14
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】 渋滞情報を効果的に提供することである。
【解決手段】
渋滞情報提供装置1は、速度関連情報取得部10と、判断部20と、切替部30と、送信部40と、ジオハッシュ部50とを備えている。速度関連情報取得部10は、対象区間を移動体とともに移動し、情報アップロードの頻度が異なる複数種類の通信端末から、対象区間における移動体の速度に関する速度関連情報を取得する。判断部20は、速度関連情報及び所定の判断ロジックを用いて、対象区間において渋滞が発生しているか否かを判断する。切替部30は、対象区間又は対象区間の少なくとも一部を含む所定の領域に存在する複数種類の通信端末の台数及び種類を用いて判断ロジックを切り換える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象区間を移動体とともに移動し、情報アップロードの頻度が異なる複数種類の通信端末から、前記対象区間における前記移動体の速度に関する速度関連情報を取得する速度関連情報取得部と、
前記速度関連情報及び所定の判断ロジックを用いて、前記対象区間において渋滞が発生しているか否かを判断する判断部と、
前記対象区間又は前記対象区間の少なくとも一部を含む所定の領域に存在する前記複数種類の通信端末の台数及び種類を用いて前記判断ロジックを切り換える切替部と、を備える、渋滞情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の渋滞情報提供装置において、
前記速度関連情報は、前記対象区間において、所定時間内における前記移動体の平均速度に関する平均速度情報を含む、渋滞情報提供装置。
【請求項3】
請求項2に記載の渋滞情報提供装置において、
前記複数種類の通信端末は、第1通信端末と、前記第1通信端末よりも情報アップロードの頻度が高い第2通信端末とを含み、
前記第1通信端末の稼働台数は、前記第2通信端末の稼働台数よりも多く、
前記対象区間又は前記所定の領域に存在する前記第1通信端末の台数が第1基準よりも大きい場合、前記切替部は、前記所定時間を基準時間よりも短くする、渋滞情報提供装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の渋滞情報提供装置において、
前記複数種類の通信端末は、第1通信端末と、前記第1通信端末よりも情報アップロードの頻度が高い第2通信端末とを含み、
前記第1通信端末の稼働台数は、前記第2通信端末の稼働台数よりも多く、
前記対象区間又は前記所定の領域に存在する前記第2通信端末の台数が、前記対象区間又は前記所定の領域に存在する前記第1通信端末の台数よりも大きい場合、前記切替部は、前記第2通信端末の台数が相対的に大きくなるような処理を実行する前記判断ロジックに切り換える、渋滞情報提供装置。
【請求項5】
請求項4に記載の渋滞情報提供装置において、
前記切替部は、前記第2通信端末の台数の重みを大きくする処理、及び前記第1通信端末の台数の少なくとも一部を採用しない処理の少なくとも一方を実行して、前記判断ロジックを切り換える、渋滞情報提供装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の渋滞情報提供装置において、
前記対象区間を含む地図情報を網目状に区分けした前記所定の領域を生成するジオハッシュ部をさらに備える、渋滞情報提供装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の渋滞情報提供装置において、
前記対象区間において渋滞が発生していると前記判断部が判断した場合、前記対象区間の渋滞に関する渋滞情報を生成し、前記渋滞情報を前記移動体又は前記移動体とともに移動する端末に送信する送信部をさらに備える、渋滞情報提供装置。
【請求項8】
渋滞情報提供装置を実現するコンピュータが、
対象区間を移動体とともに移動し、情報アップロードの頻度が異なる複数種類の通信端末から、前記対象区間における前記移動体の速度に関する速度関連情報を取得し、
前記速度関連情報及び所定の判断ロジックを用いて、前記対象区間において渋滞が発生しているか否かを判断し、
前記対象区間又は前記対象区間の少なくとも一部を含む所定の領域に存在する前記複数種類の通信端末の台数及び種類を用いて前記判断ロジックを切り換える、渋滞情報提供方法。
【請求項9】
渋滞情報提供装置を実現するコンピュータに、
対象区間を移動体とともに移動し、情報アップロードの頻度が異なる複数種類の通信端末から、前記対象区間における前記移動体の速度に関する速度関連情報を取得する手順、
前記速度関連情報及び所定の判断ロジックを用いて、前記対象区間において渋滞が発生しているか否かを判断する手順、
前記対象区間又は前記対象区間の少なくとも一部を含む所定の領域に存在する前記複数種類の通信端末の台数及び種類を用いて前記判断ロジックを切り換える手順、を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、渋滞情報提供装置、渋滞情報提供方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、頻繁にアップロードを行わなくても、適切なタイミングでプローブ情報を処理サーバに通知できるようにするプローブ情報送信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、各車両からのプローブ情報をナビゲーションシステムに用いる技術が公開されている。
【0005】
各車両に搭載されたデバイスから取得する位置情報等を用いて渋滞情報を生成するにあたって、当該デバイスの属性によって、渋滞情報の精度・反映速度等に影響が出てしまう場合がある。
【0006】
例えば、情報アップロード頻度が低いデバイスから位置情報などを取得して渋滞情報を生成する場合、渋滞情報が反映されるまでに時間を要することになる。
【0007】
一方、情報アップロード頻度が高いデバイスから位置情報などを取得して渋滞情報を生成する場合であっても、当該デバイスの稼働台数が少ない場合もあるため、渋滞情報の精度が低くなる場合がある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題としては、渋滞情報を効果的に提供することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、
対象区間を移動体とともに移動し、情報アップロードの頻度が異なる複数種類の通信端末から、前記対象区間における前記移動体の速度に関する速度関連情報を取得する速度関連情報取得部と、
前記速度関連情報及び所定の判断ロジックを用いて、前記対象区間において渋滞が発生しているか否かを判断する判断部と、
前記対象区間又は前記対象区間の少なくとも一部を含む所定の領域に存在する前記複数種類の通信端末の台数及び種類を用いて前記判断ロジックを切り換える切替部と、を備える、渋滞情報提供装置である。
【0010】
請求項8に記載の発明は、
渋滞情報提供装置を実現するコンピュータが、
対象区間を移動体とともに移動し、情報アップロードの頻度が異なる複数種類の通信端末から、前記対象区間における前記移動体の速度に関する速度関連情報を取得し、
前記速度関連情報及び所定の判断ロジックを用いて、前記対象区間において渋滞が発生しているか否かを判断し、
前記対象区間又は前記対象区間の少なくとも一部を含む所定の領域に存在する前記複数種類の通信端末の台数及び種類を用いて前記判断ロジックを切り換える、渋滞情報提供方法である。
【0011】
請求項9に記載の発明は、
渋滞情報提供装置を実現するコンピュータに、
対象区間を移動体とともに移動し、情報アップロードの頻度が異なる複数種類の通信端末から、前記対象区間における前記移動体の速度に関する速度関連情報を取得する手順、
前記速度関連情報及び所定の判断ロジックを用いて、前記対象区間において渋滞が発生しているか否かを判断する手順、
前記対象区間又は前記対象区間の少なくとも一部を含む所定の領域に存在する前記複数種類の通信端末の台数及び種類を用いて前記判断ロジックを切り換える手順、を実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係る渋滞情報提供装置の機能を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る地図情報の一例を示す図である。
【
図3】平均速度情報の生成方法の一例を説明するための図である。
【
図5】渋滞情報提供装置のハードウエア構成例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る切替部が判断ロジックを切り換えるフロー図である。
【
図7】第1実施形態に係る切替部が判断ロジックを切り換えるフローの別例を示す図である。
【
図8】第1通信端末の台数の少なくとも一部を採用しない処理を説明するための概略図である。
【
図9】第2実施形態に係る切替部が判断ロジックを切り換えるフローを示す図である。
【
図10】第3実施形態に係る渋滞情報提供装置の機能を示すブロック図である。
【
図12】第3実施形態において渋滞情報を生成するまでのフローを示す図である。
【
図13】第4実施形態に係る渋滞情報提供装置の機能を示すブロック図である。
【
図14】第4実施形態に係る切替部が判断ロジックを切り換えるフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
なお、以下に示す説明において、各装置の各構成要素は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0015】
<第1実施形態>
(渋滞情報提供装置1)
図1は、第1実施形態に係る渋滞情報提供装置1の機能を示すブロック図である。第1実施形態において、渋滞情報提供装置1は移動体の外に設けられている。渋滞情報提供装置1は、いわゆるクラウドサーバであってもよい。第1実施形態において、移動体は車両3である。
【0016】
渋滞情報提供装置1は、通信ネットワーク101を介して、複数の通信端末100(後述する)と通信可能な構成となっている。通信ネットワーク101は例えば、4G又は5G回線での通信を含む。渋滞情報提供装置1は、通信ネットワーク101を構成するための車外通信部(図示しない)を含んで構成されている。
【0017】
(通信端末100)
通信端末100は、車両3の内部にある。第1実施形態において、通信端末100は、車両3に搭載されている。なお、通信端末100は、車両3の外から車両3の中に持ち込まれてもよい。通信端末100は、通信ネットワーク101を介して、渋滞情報提供装置1と通信可能な構成となっている。通信端末100は、通信ネットワーク101を構成するための車外通信部(図示しない)を含んで構成されている。通信端末100は、スマートフォン、タブレット、PC(personal computer)、及び車両3に搭載されるエッジデバイスの少なくとも1つを含む。
【0018】
通信端末100は、対象区間11(後述する)を車両3とともに移動する。通信端末100は、複数種類ある。例えば、通信端末100の端末そのものが異なっている場合(例えば、ある通信端末100はスマートフォンであり、ある別の通信端末100は車両3に搭載されているエッジデバイスである場合)、端末そのものが異なる複数の通信端末100を本明細書中における「複数種類の通信端末100」と扱ってもよい。
【0019】
また、別の例として、通信端末100の端末そのものが同じであっても、通信端末100の端末情報(後述する)をアップロードするためのアプリケーション(通信端末100にインストールされていてもよい)が異なっている場合、当該アプリケーションが異なる複数の通信端末100を本明細書中における「複数種類の通信端末100」として扱ってもよい。
【0020】
例えば、あるスマートフォンA(通信端末100)に端末情報をアップロードするためのアプリケーションA1がインストールされており、当該スマートフォンAと同一のスマートフォン(通信端末100)に、端末情報をアップロードするためのアプリケーションB1がインストールされている場合、アプリケーションA1がインストールされたスマートフォンAと、アプリケーションB1がインストールされたスマートフォンAとは、違う種類の通信端末100として扱ってもよい。なお、端末情報をアップロードするためのアプリケーションが通信端末100にインストールされている場合、当該アプリケーションの違いによって、端末情報をアップロードする頻度が異なっていてもよい。また、アプリケーションが同じであっても、スマートフォン(通信端末100)の充電状況、電池残量、通信品質、及び通信制限などの状況に基づきアップロードする頻度が異なっていてもよい。
【0021】
通信端末100は、渋滞情報提供装置1に、所定の情報を定期的にアップロードする。第1実施形態において、複数種類の通信端末100は、情報アップロードの頻度が異なる。情報アップロードの頻度とは、通信端末100の端末情報を渋滞情報提供装置1にアップロードする頻度である。端末情報は、通信端末100(車両3)の位置情報(通信端末100の経度と緯度の情報)、当該位置情報を取得した時刻、及び通信端末100を区別するためのデバイスIDなどを含む。
【0022】
(第1通信端末110、第2通信端末120)
通信端末100は、第1通信端末110と、第1通信端末110よりも情報アップロードの頻度が高い第2通信端末120とを含む。第1通信端末110及び第2通信端末120(複数種類の通信端末100)は、情報アップロードの頻度(端末情報を渋滞情報提供装置1にアップロードする頻度)が異なる。
【0023】
具体的には、例えば、第1通信端末110は、所定の間隔(例えば1秒)で第1通信端末110の位置情報などを第1通信端末110の内部に蓄積しておき、20分に1回の間隔で、それら蓄積した位置情報など(端末情報)を渋滞情報提供装置1にアップロードする。
【0024】
例えば、第2通信端末120は、所定の間隔(例えば1秒)で第2通信端末120の位置情報などを第2通信端末120の内部に蓄積しておき、5分に1回の間隔で、それら蓄積した位置情報など(端末情報)を渋滞情報提供装置1にアップロードする。
【0025】
第1実施形態において、第1通信端末110の稼働台数は、第2通信端末120の稼働台数よりも多い。第1通信端末110(又は第2通信端末120)の稼働台数とは、実際の道路で稼働している第1通信端末110(又は第2通信端末120)の台数である。
【0026】
第1通信端末110(又は第2通信端末120)の稼働台数とは、市場に流通している第1通信端末110(又は第2通信端末120)の台数ともいえる。なお、第1通信端末110(又は第2通信端末120)がスマートフォンの場合、市場に流通している第1通信端末110(又は第2通信端末120)の台数とは、端末情報をアップロードするためのアプリケーションをインストールした(あるいは当該アプリケーションがアクティブ状態である)スマートフォンの台数でもよい。
【0027】
第1実施形態において、第1通信端末110は、位置センサ部110a、及びアップロード部110bを含んでいる。第1実施形態において、位置センサ部110aは、第1通信端末110(車両3a)の位置情報を、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)により取得する。
【0028】
アップロード部110bは、位置センサ部110aより取得した第1通信端末110(車両3a)の位置情報を含む第1通信端末110の端末情報を、渋滞情報提供装置1に送信する。
【0029】
第1実施形態において、第2通信端末120は、位置センサ部120a、及びアップロード部120bを含んでいる。位置センサ部120a、及びアップロード部120bの機能は、第1通信端末110と同様である。
【0030】
(速度関連情報取得部10)
渋滞情報提供装置1は、速度関連情報取得部10と、判断部20と、切替部30と、送信部40とを備えている。速度関連情報取得部10は、複数種類の通信端末100のそれぞれから速度関連情報を取得する。速度関連情報は、対象区間11における車両3の速度に関する情報である。
【0031】
図2は、第1実施形態に係る地図情報の一例を示す図である。
図2を用いて、対象区間11について説明する。地図情報における道路の区間は、ノードNと、ノードN同士を繋ぐリンクLとを用いて表される。第1実施形態において、対象区間11は、リンクLのことを指している(
図2では全てのノードNと対象区間11に符号を割り当てるのを省略している)。
【0032】
速度関連情報は、複数の通信端末100(車両3)の位置情報、当該位置情報を通信端末100が取得した時刻、及び車両3(通信端末100)の速度情報の少なくとも1つを含む。第1実施形態において、速度関連情報取得部10は、当該位置情報(経度と緯度)、当該位置情報を通信端末100が取得した時刻、及び地図情報により算出されるリンクLの長さを用いて、車両3の速度情報を生成し、生成した速度情報を取得してもよい。
【0033】
速度関連情報は、平均速度情報を含む。平均速度情報は、対象区間11において、所定時間(=第1時間)内における複数の車両3(通信端末100)の平均速度に関する情報である。第1時間は、予め定められている時間であり、対象区間11において、複数の車両3の平均速度を算出するために用いられる。
【0034】
図3は、平均速度情報の生成方法の一例を説明するための図である。
図3を用いて、速度関連情報取得部10が平均速度情報を生成する方法について説明する。
図3では、ある対象区間11a(
図2参照)を通過する、2つの第1通信端末110(第1通信端末110X及び第1通信端末110Y)、及び1つの第2通信端末120(第2通信端末120Z)が、渋滞情報提供装置1にそれぞれの端末情報を非同期でアップロードする状況を示している。
図3の横方向は時間軸方向を示している。
【0035】
図3において、第1通信端末110は、例えば20分ごとに、1秒間隔で取得した第1通信端末110の位置情報などをまとめて渋滞情報提供装置1にアップロードするものとする。第2通信端末120は、例えば5分ごとに、1秒間隔で取得した第2通信端末120の位置情報などをまとめて渋滞情報提供装置1にアップロードするものとする。
図3中の点線矢印は、それぞれの通信端末100が位置情報を含む端末情報を渋滞情報提供装置1にアップロードするタイミング(時刻)を示している。
【0036】
第1通信端末110Xにおいて、対象区間11aに進入したとき(
図2のノードN1を通過したとき)の時刻を
図3のXで示しており、対象区間11aから退出したとき(
図2のノードN2を通過したとき)の時刻を
図3のX1で示している。同様に、第1通信端末110Yが、対象区間11aに進入したときの時刻を
図3のYで示しており、対象区間11aから退出したときの時刻を
図3のY1で示している。同様に、第2通信端末120Zが、対象区間11aに進入したときの時刻を
図3のZで示しており、対象区間11aから退出したときの時刻を
図3のZ1で示している。
【0037】
X1とXとの時刻の差分は、第1通信端末110Xが、対象区間11aを通過するのにかかった時間を示しており、Y1とYとの時刻の差分は、第1通信端末110Yが、対象区間11aを通過するのにかかった時間を示しており、Z1とZとの時刻の差分は、第2通信端末120Zが、対象区間11aを通過するのにかかった時間を示している。
【0038】
図3中のS1は、第1時間の計測が開始される時刻を表しており、
図3中のG1は、第1時間の計測が終了する時刻を表している。また、第1時間の計測が開始してから所定時間(第2時間(例えば4分)とする)経過後に、再度別の第1時間の計測を開始する。最初に計測を開始した第1時間を第1の第1時間と呼び、次に計測を開始した第1時間を第2の第1時間(以下、第3の第1時間….第Nの第1時間も同様)と呼ぶ。
【0039】
以上を前提に、例えば第1時間(所定時間)が30分である場合において、対象区間11aにおける複数の車両3(通信端末100)の平均速度の算出方法について説明する。
【0040】
第1通信端末110Xは、対象区間11aを通過した後、所定のタイミングで、渋滞情報提供装置1に第1通信端末110Xの端末情報をアップロードする(点線矢印UX)。第1通信端末110Xが第1通信端末110Xの端末情報をアップロードする時刻は、第1の第1時間の範囲内であるので、第1通信端末110Xの端末情報は、第1の第1時間内における複数の車両3の平均速度を算出するにあたっての計算対象となる。
【0041】
第1通信端末110Yは、対象区間11aを通過した後、所定のタイミングで、渋滞情報提供装置1に第1通信端末110Yの端末情報をアップロードする(点線矢印UY)。第1通信端末110Yが第1通信端末110Yの端末情報をアップロードする時刻は、第1の第1時間の範囲外であるので、第1通信端末110Yの端末情報は、第1の第1時間内における平均速度を算出するにあたっての計算対象とはならない。一方で、第1通信端末110Yが第1通信端末110Yの端末情報をアップロードする時刻は、第2の第1時間の範囲内であるので、第1通信端末110Yの端末情報は、第2の第1時間内における平均速度を算出するにあたっての計算対象となる。
【0042】
第2通信端末120Zは、対象区間11aを通過した後、所定のタイミングで、渋滞情報提供装置1に第2通信端末120Zの端末情報をアップロードする(点線矢印UZ)。第2通信端末120Zが第2通信端末120Zの端末情報をアップロードする時刻は、第1の第1時間内であるので、第2通信端末120Zの端末情報は、第1の第1時間内における平均速度を算出するにあたっての計算対象となる。
【0043】
以上より、速度関連情報取得部10はまず、第1の第1時間内において、対象区間11aを通過する平均速度を算出するにあたって、計算対象となる第1通信端末110X及び第2通信端末120Zを特定する。そして、対象区間11aの長さ(既知とする)から、対象区間11aを通過するのにかかった時間を除して、第1通信端末110X及び第2通信端末120Zの、対象区間11aにおける速度をそれぞれ算出する。そして、対象区間11aにおける第1通信端末110Xの速度と、対象区間11aにおける第2通信端末120Zの速度との平均値を算出して、対象区間11aにおける複数の車両3の平均速度を算出する。このようにして、対象区間11それぞれにおいて、所定時間(=第1時間)内における複数の車両3(通信端末100)の平均速度を算出する。
【0044】
また、第1実施形態において、第1の第1時間の計測が開始してから第2時間(例えば4分)経過後に、第2の第1時間の計測を開始する。第2時間ごとに第1時間の計測を再度スタートしていくことにより、平均速度情報を第2時間ごとに算出することができる。そして、第2時間ごとに算出した平均速度情報を用いて、渋滞情報を生成することができる。そのため、渋滞情報の更新頻度を上げることができる。
【0045】
(判断部20)
図1に戻り、判断部20は、速度関連情報及び所定の判断ロジックを用いて、対象区間11において渋滞が発生しているか否かを判断する。判断ロジックは、渋滞が発生しているか否かを推測するために用いられる。判断ロジックは、複数存在している。第1実施形態において、判断ロジックは第1ロジックを含んでいる。
【0046】
(第1ロジック)
第1ロジックは、例えば、第1時間を30分間として、対象区間11aにおける複数の車両3の平均速度を算出し、当該平均速度が所定の基準(例えば、時速5km)を超えるか否かによって、対象区間11aで渋滞が発生しているかどうかを判断するロジックである。第1ロジックは、予め処理の前に渋滞情報提供装置1に設定されているロジックでもよい。
【0047】
(送信部40)
送信部40は、対象区間11aにおいて渋滞が発生していると判断部20が判断した場合、対象区間11aの渋滞に関する渋滞情報を生成する。そして、送信部40は、渋滞情報を車両3又は車両3とともに移動する端末に送信(出力)する。「渋滞情報を車両3に送信する場合」とは、渋滞情報を車両3に搭載された端末に送信する場合を含む。「渋滞情報を車両3とともに移動する端末に送信する場合」とは、渋滞情報を(車両3の外から持ち込まれた端末、及びスマートフォンなどに送信する場合を含む。渋滞情報は、対象区間11aでの渋滞の発生の有無に関する情報を含んでいる。
【0048】
(ジオハッシュ部50)
図4は、所定の領域Rを説明するための図である。ジオハッシュ部50は、所定の領域Rを生成する。領域Rは、対象区間11の少なくとも一部を含む。領域Rは、地図情報を網目状に区分けして生成されている。第1実施形態において、領域Rは、9つの領域(R1、R2…R9)にさらに区分けされている。
【0049】
図4中の黒塗り三角マークは、第1通信端末110を示しており、黒塗り丸マークは、第2通信端末120を示している。領域Rは、通信端末100の台数をカウントするために生成される。
図4の例において、例えば、領域R1には、3つの第1通信端末110が存在しており、また、領域R7には、1つの第1通信端末110と、2つの第2通信端末120が存在している。
【0050】
(切替部30)
切替部30は、対象区間11又は領域Rに存在する複数種類の通信端末100の台数及び種類(情報アップロード頻度の違い)を用いて判断ロジックを切り換える。
【0051】
第1実施形態に係る対象区間11aには、第1通信端末110が2台と、第2通信端末120が2台、存在している。切替部30は、対象区間11aに存在する第1通信端末110の台数(2台)と、第2通信端末120の台数(2台)との情報を用いて、判断ロジックを切り換えてもよい。
【0052】
また、第1実施形態において、切替部30は、例えば、領域R7に存在する第1通信端末110の台数(1台)と、第2通信端末120の台数(2台)との情報を用いて、領域R7における判断ロジックを切り換えてもよい。このように、切替部30は、対象区間11ごとに、又は、所定の領域(領域R1、R2…R9)ごとに、渋滞が発生しているか否かを推定するための判断ロジックを切り換える。
【0053】
(第2ロジック)
第1実施形態において、判断ロジックは、さらに第2ロジックを含む。第2ロジックは、対象区間11又は領域Rに存在する第1通信端末110の台数が第1基準よりも大きい場合に、所定時間(第1時間)が、基準時間(第1ロジックで用いられている時間)よりも短く設定されているロジックである。例えば、第1ロジックにおいて、第1時間が30分に設定されているとすると、第2ロジックでは、第1時間が、基準時間(30分)よりも短い、15分に設定されている。
【0054】
対象区間11又は領域Rに存在する第1通信端末110の台数が第1基準よりも大きい場合、切替部30は、所定時間(=第1時間)を基準時間よりも短くする(換言すると、切替部30は、第2ロジックに切り替える)。
【0055】
例えば、第1基準が2台である場合、
図4の領域R1に存在する第1通信端末110の台数は3台であり第1基準よりも大きいので、切替部30は、第1時間を基準時間である30分よりも短い15分にする。これにより、現状の渋滞状況とより近い渋滞情報が得られることになる。そのため、より新しい渋滞情報を取得しやすくなる。
【0056】
なお、切替部30は、領域Rに存在する第1通信端末110の台数に応じて、多段階で第1時間を短くしてもよい(例えば、領域Rに存在する第1通信端末110が3台以上である場合は15分、5台以上である場合は10分に短くするなど)。
【0057】
(ハードウエア構成例)
図5は、渋滞情報提供装置1のハードウエア構成例を示す図である。渋滞情報提供装置1は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0058】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0059】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0060】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0061】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどのリムーバブルメディア、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置であり、記録媒体を有している。ストレージデバイス1040の記録媒体は渋滞情報提供装置1の各機能(例えば、速度関連情報取得部10、判断部20、及び切替部30)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は渋滞情報提供装置1に含まれた記憶部4として機能してもよい。
【0062】
入出力インタフェース1050は、渋滞情報提供装置1と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0063】
ネットワークインタフェース1060は、渋滞情報提供装置1をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。渋滞情報提供装置1は、ネットワークインタフェース1060を介して通信端末100と通信してもよい。
【0064】
(第1実施形態の動作例1)
図6は、第1実施形態に係る切替部30が判断ロジックを切り換えるフロー図である。なお、判断ロジックとして、第1ロジックが予め設定されているものとする。第1実施形態の動作例1に係る切替部30は、対象区間11に存在する第1通信端末110の台数の情報を用いて、判断ロジックを切り換える。
【0065】
ステップS100において、速度関連情報取得部10は、渋滞が発生しているかどうかの判断対象となる対象区間11における速度関連情報(通信端末100の位置情報を少なくとも含む)を取得する。なお、速度関連情報取得部10は、複数の対象区間11における速度関連情報を取得してもよい。
【0066】
ステップS110において、判断部20は、速度関連情報を用いて、当該対象区間11における第1通信端末110の台数をカウントする。
【0067】
ステップS120において、判断部20は、第1通信端末110の台数が第1基準よりも大きいか否かを判断する。第1通信端末110の台数が第1基準よりも小さい場合(ステップS120においてNO)、ステップS130に進み、判断部20は、第1ロジックをそのまま適用する。
【0068】
そして、ステップS150において、第1ロジック及びステップS100で取得した速度関連情報を用いて、当該対象区間11における複数の車両3の平均速度を算出し、当該対象区間11で渋滞が発生しているか否かを判断する。
【0069】
ステップS150の後、ステップS160に進み、当該対象区間11で渋滞が発生している場合、送信部40は、渋滞情報(当該対象区間11で渋滞が発生している旨の情報)を生成し、当該渋滞情報を車両3に送信する。なお、当該対象区間11で渋滞が発生していない場合、ステップS150で、送信部40は、当該対象区間11で渋滞が発生していない旨の情報(渋滞情報)を生成し、当該渋滞情報を車両3に送信してもよい。
【0070】
第1通信端末110の台数が第1基準よりも大きい場合(ステップS120においてYES)、ステップS140に進み、切替部30は、第1ロジックから第2ロジックに切り替える。
【0071】
そして、ステップS150において、第2ロジック及びステップS100で取得した速度関連情報を用いて、当該対象区間11における複数の車両3の平均速度を算出し、当該対象区間11で渋滞が発生しているか否かを判断する。なお、ステップS160の処理は上述したものと同様である。
【0072】
(第1実施形態の動作例2)
図7は、第1実施形態に係る切替部30が判断ロジックを切り換えるフローの別例を示す図である。第1実施形態の動作例2に係る切替部30は、領域Rに存在する第1通信端末110の台数の情報を用いて、判断ロジックを切り換える。
図7のフローでは、ステップS105の処理が追加されている。なお、ステップS100については、第1実施形態の動作例1と同様である。
【0073】
ステップS105において、ジオハッシュ部50は、領域Rを生成する。第1実施形態において、
図4に示すように領域Rは9つの領域(R1、R2…R9)を含む。
【0074】
ステップS111において、それぞれの領域Rにおける第1通信端末110の台数をカウントする。
【0075】
ステップS121において、判断部20は、それぞれの領域R(領域R1、R2…R9)において、第1通信端末110の台数が第1基準(例えば、車両2台)よりも大きいか否かを判断する。
【0076】
領域Rにおける第1通信端末110の台数が第1基準よりも小さい場合(ステップS121でNO)、ステップS131に進み、判断部20は、第1通信端末110の台数が第1基準よりも小さい領域Rについて、第1ロジックをそのまま適用する。
【0077】
そして、ステップS151において、第1ロジック及びステップS100で取得した速度関連情報を用いて、当該領域Rに含まれる対象区間11における複数の車両3の平均速度を算出し、当該対象区間11で渋滞が発生しているか否かを判断する。
【0078】
例えば、第1基準が2台である場合、
図4に示す領域R2は、第1通信端末110の台数が1台であるので、判断部20は、領域R2に含まれる対象区間11については、第1ロジックを適用して、平均速度を算出する。
【0079】
図7に戻り、ステップS151の後は、ステップS161に進み、当該対象区間11で渋滞が発生している場合、送信部40は、渋滞情報(当該領域Rに含まれる対象区間11で渋滞が発生している旨の情報)を生成し、当該渋滞情報を車両3に送信する。
【0080】
領域Rにおける第1通信端末110の台数が第1基準よりも大きい場合(ステップS121においてYES)、ステップS141に進み、切替部30は、第1通信端末110の台数が第1基準よりも大きい領域Rについて、第1ロジックから第2ロジックに切り替える。
【0081】
そしてステップS151において、第2ロジック及びステップS100で取得した速度関連情報を用いて、当該領域Rに含まれる対象区間11における複数の車両3の平均速度を算出し、当該領域Rに含まれる対象区間11で渋滞が発生しているか否かを判断する。
【0082】
例えば、第1基準が2台である場合、
図4に示す領域R1は、第1通信端末110の台数が3台であるので、領域R1に含まれる対象区間11については、第2ロジックに切り替え、R1に含まれる対象区間11における平均速度を算出する。
【0083】
なお、ステップS161の処理は上述したものと同様である。
【0084】
以上、第1実施形態によれば、渋滞情報提供装置1は、速度関連情報取得部10と、判断部20と、切替部30とを備えている。そして、複数種類の通信端末100(第1通信端末110及び第2通信端末120)は、情報アップロードの頻度がそれぞれ異なっている。
【0085】
第1通信端末110(情報アップロードの頻度が比較的低い)から第1通信端末110の位置情報を含む端末情報を取得して渋滞情報を生成する場合、渋滞情報の精度をあげるため、より多くの第1通信端末110から当該端末情報を取得したい。そのため、そのような場合、第1時間を長めに設定する。第1通信端末110は、情報アップロード頻度が低いため、第1時間が短いと、第1時間内で取得できる端末情報が少なくなるためである。
【0086】
第1時間を長く設定することで、端末情報を取得できる第1通信端末110の台数が増えるため、多くの車両3の速度情報を集めることができる。そのため、渋滞が発生しているか否かの渋滞情報の精度は向上する。しかし、第1時間を長く設定しているため、リアルタイムの渋滞状況により近い、新しい渋滞情報を提供するのが困難になる。そのため、短い時間の間で発生した渋滞情報を反映できないという問題がある。具体的には、道路工事、ロードサイド店舗での駐車場待ち、及び交通事故等によって、突然渋滞が発生したり、突然渋滞が解消したりする場合があり、そのような場合に、第1時間を長く設定していると、短い時間の間で発生した最新の渋滞情報を反映することができない。
【0087】
短い時間の間で発生した渋滞情報を反映できるように第1時間を短くしたとしても、信号待ち・荷下ろしのために一時停止している状況と渋滞が本当に発生している状況とを見分けにくくなるなど、渋滞情報の精度が悪化するという問題がある。
【0088】
また、一方で、第2通信端末120(情報アップロードの頻度が比較的高い)から第1通信端末110の位置情報を含む端末情報を取得して渋滞情報を生成する場合、短い時間の間で発生した渋滞情報を即座に反映することも可能となる。しかし、第2通信端末120は、稼働台数が少ないため、ある程度の台数を確保できない場合、渋滞情報の精度を確保することができない。
【0089】
第1実施形態に係る切替部30は、対象区間11又は領域Rに存在する複数種類の通信端末100の台数及び種類(情報アップロード頻度の違い)を用いて、渋滞が発生しているか否かの判断ロジックを切り換える。これにより、対象区間11又は領域Rに存在する通信端末100の台数及び種類によっては、渋滞情報の精度と渋滞情報を反映させる早さとを両立できるように渋滞情報を生成することができる。そのため、渋滞情報を効果的に提供することができる。
【0090】
さらに、第1実施形態に係る渋滞情報提供装置1では、通信端末100の仕様に関係なく、サーバ側の処理だけで、渋滞情報を効果的に提供することができる。
【0091】
さらに、速度関連情報は、対象区間11において、所定時間(第1時間)内における車両3の平均速度に関する平均速度情報を含む。これにより、渋滞情報をより効果的に提供することができる。
【0092】
さらに、第1通信端末110は、稼働台数(流通台数)は多いが、端末情報を渋滞情報提供装置1にアップロードする頻度が低く、第2通信端末120は、稼働台数(流通台数)は少ないが、端末情報を渋滞情報提供装置1にアップロードする頻度が高い。そして、切替部30は、対象区間11又は領域Rに存在する第1通信端末110の台数が第1基準よりも大きい場合、所定時間(第1時間)を基準時間よりも短くする。
【0093】
第1通信端末110は、端末情報をアップロードする頻度が、第2通信端末120と比較すると低い(例えば、20分間に1回)。しかし、対象区間11又は領域Rにおける第1通信端末110の台数が第1基準よりも大きい場合(多数の第1通信端末110が対象区間11又は領域Rに存在している場合)、第1時間内にアップロードされる第1通信端末110の端末情報の数は多くなる。そのため、第1時間を基準時間よりも短くしても、渋滞情報の精度の低下を抑制することができる。そして、第1時間を基準時間よりも短くすることで、渋滞情報を反映させる早さを向上することができる。したがって、渋滞情報の精度と渋滞情報を反映させる早さとを両立することができる。
【0094】
さらに、渋滞情報提供装置1は、ジオハッシュ部50を備えている。これにより、効果的に渋滞情報を生成することができる。
【0095】
さらに、第1実施形態に係る渋滞情報提供装置1は、送信部40を備えている。これにより、渋滞情報をより効果的に提供することができる。
【0096】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る渋滞情報提供装置1は、切替部30の機能の一部が第1実施形態と異なっている。第2実施形態に係る渋滞情報提供装置1の構成は、
図1と同様である。
【0097】
(第3ロジック)
第2実施形態において、判断ロジックは、第3ロジックを含む。第3ロジックは、対象区間11又は所定の領域Rに存在する第2通信端末120の台数が、対象区間11又は領域Rに存在する第1通信端末110の台数よりも大きい場合、第2通信端末120の台数が相対的に大きくなるように処理されるロジックである。第3ロジックは、渋滞情報の生成にあたって、第2通信端末120の採用を優先するロジックともいえる。
【0098】
第2実施形態に係る切替部30は、対象区間11又は所定の領域Rに存在する第2通信端末120の台数が、対象区間11又は領域Rに存在する第1通信端末110の台数よりも大きい場合、第2通信端末120の台数が相対的に大きくなるような処理を実行する判断ロジック(第3ロジック)に切り換える。
【0099】
具体的には、切替部30は、第2通信端末120の台数の重みを大きくする処理、及び第1通信端末110の台数の少なくとも一部を採用しない処理の少なくとも一方を実行して、第3ロジックに切り換える。
【0100】
第2通信端末120の台数の重みを大きくする処理の場合、第1通信端末110と第2通信端末120とにそれぞれ重みづけを設定し、加重平均により、平均速度を算出してもよい。
【0101】
図8は、第1通信端末110の台数の少なくとも一部を採用しない処理を説明するための概略図である。
図8では、
図4の領域R6に含まれる対象区間11を通過する、2つの第1通信端末110(第1通信端末110D及び第1通信端末110E)、及び3つの第2通信端末120(第2通信端末120F、第2通信端末120G、第2通信端末120H)が、渋滞情報提供装置1にそれぞれの端末情報を非同期でアップロードする状況を示している。
【0102】
図8中の白丸が領域R6に含まれる対象区間11に進入したときの時刻であり、
図8中の黒丸が領域R6に含まれる対象区間11を退出したときの時刻である。なお、
図8の点線矢印などの定義は
図3と同様であるので、特に言及しない限り、それらの定義の説明は省略する。以上を前提に、第1通信端末110の台数の少なくとも一部を採用しない処理について説明する。
【0103】
第1通信端末110D、第1通信端末110E、第2通信端末120F、第2通信端末120G、及び第2通信端末120Hのそれぞれは、領域R6に含まれる対象区間11を通過した後、所定のタイミングで、渋滞情報提供装置1にそれぞれの端末情報をアップロードする(点線矢印UD、UE、UF、UG、UH)。そして、それぞれのアップロードする時刻は全て、第1の第1時間の範囲内であるので、仮に第1ロジックが採用されている場合においては、2つの第1通信端末110の端末情報と3つの第2通信端末120の端末情報とは、第1の第1時間内における複数の車両3の平均速度を算出するにあたっての計算対象となる。
【0104】
しかし、第3ロジックが採用されている場合(第1通信端末110の台数の少なくとも一部を採用しない処理をする場合)、第1通信端末110の一部を、複数の車両3の平均速度を算出するにあたっての計算対象とする(逆にいうと、第1通信端末110の一部を計算対象としない)。具体的には、例えば、第1時間の計測が終了する時刻に最も近い時刻に端末情報をアップロードした第1通信端末110(
図8の例では第1通信端末110E)のみを当該計算対象として採用してもよい。
【0105】
また、他の例として、第1時間の計測が終了する時刻よりも所定時間前(例えば15分前)の時刻よりも前に端末情報をアップロードした第1通信端末110は、当該計算対象として採用しないとしてもよい。
図8の例で第1時間を30分とすると、第1通信端末110Dは、第1時間の計測が終了する時刻(G1)の15分前よりも前に、端末情報をアップロードしているので、当該計算対象として採用しない。
【0106】
このように、第3ロジックでは、領域Rに存在する第1通信端末110の台数の少なくとも一部を採用しない処理をして、第2通信端末120の台数が相対的に大きくなるような処理を行う。
【0107】
なお、第3ロジックにおいて、領域Rに存在する第1通信端末110の台数の全てを採用しない処理をして、第2通信端末120の台数が相対的に大きくなるような処理を行ってもよい。
【0108】
(第2実施形態の動作例)
図9は、第2実施形態に係る切替部30が判断ロジックを切り換えるフローを示す図である。第2実施形態に係る切替部30は、領域Rに存在する第1通信端末110の台数と、第2通信端末120の台数との情報を用いて、判断ロジックを切り換える。なお、判断ロジックは第1ロジックが予め設定されているものとする。
【0109】
ステップS100、及びステップS105については、第1実施形態と同様である。
【0110】
ステップS112について、判断部20は、ステップS100で取得した速度関連情報を用いて、領域Rにおける第1通信端末110及び第2通信端末120の台数をカウントする。
【0111】
ステップS122において、判断部20は、それぞれの領域R(領域R1、R2…R9)において、第2通信端末120の台数が第1通信端末110の台数よりも大きいか否かを判断する。
【0112】
領域Rにおける第2通信端末120の台数が第1通信端末110の台数よりも少ない場合(ステップS122でNO)、ステップS132に進み、判断部20は、第2通信端末120の台数が第1通信端末110の台数がよりも少ない領域Rについて、第1ロジックをそのまま適用する。
【0113】
ステップS132の後のステップS152において、第1ロジック及びステップS100で取得した速度関連情報を用いて、当該領域Rに含まれる対象区間11における複数の車両3の平均速度を算出し、当該対象区間11で渋滞が発生しているか否かを判断する。
【0114】
例えば、
図4に示す領域R1について、第1通信端末110の台数が3台であり、第2通信端末120の台数が0台であるので、第2通信端末120の台数の方が少ない。この場合、判断部20は、領域R1に含まれる対象区間11については、第1ロジックを適用して、平均速度を算出する。
【0115】
図9に戻り、ステップS152の後は、ステップS162に進み、当該対象区間11で渋滞が発生している場合、送信部40は、渋滞情報(当該領域Rに含まれる対象区間11で渋滞が発生している旨の情報)を生成し、当該渋滞情報を車両3に送信する。
【0116】
領域Rにおける第2通信端末120の台数が第1通信端末110の台数よりも大きい場合(ステップS122においてYES)、ステップS142に進み、第2通信端末120の台数が第1通信端末110の台数よりも大きい領域Rについて、切替部30は、第1ロジックから第3ロジックに切り替える。
【0117】
そしてステップS142の後のステップS152において、第3ロジック及びステップS100で取得した速度関連情報を用いて、当該領域Rに含まれる対象区間11における複数の車両3の平均速度を算出し、当該領域Rに含まれる対象区間11で渋滞が発生しているか否かを判断する。
【0118】
例えば、
図4に示す領域R6について、第1通信端末110の台数が2台であり、第2通信端末120の台数が3台であるので、第2通信端末120の台数の方が多い。この場合、判断部20は、領域R6に含まれる対象区間11については、第3ロジックに切り替え、R6に含まれる対象区間11における平均速度を算出する。なお、ステップS162の処理は上述したものと同様である。
【0119】
なお、第2実施形態において、対象区間11又は領域Rに存在する第2通信端末120が、ある一定の基準以上の台数でない場合、第1ロジックを適用することとしてもよい。換言すると、第2通信端末120の台数が一定の基準を超えない場合(第2通信端末120の台数が少ない場合)、第3ロジックに切り替えられないこととしてもよい。
【0120】
以上、第2実施形態によれば、対象区間11又は所定の領域Rに存在する第2通信端末120の台数が、対象区間11又は領域Rに存在する第1通信端末110の台数よりも大きい場合、第2実施形態に係る切替部30は、第2通信端末120の台数が相対的に大きくなるような処理を実行する判断ロジックに切り換える。これにより、渋滞情報の精度を確保しつつ、渋滞情報を反映させる早さを早くすることができる。
【0121】
さらに第2実施形態に係る切替部30は、第2通信端末120の台数の重みを大きくする処理、及び第1通信端末110の台数の少なくとも一部を採用しない処理の少なくとも一方を実行して、判断ロジックを切り換える。これにより、渋滞情報の精度を確保しつつ、渋滞情報を反映させる早さを早くすることができる。
【0122】
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態に係る渋滞情報提供装置1の機能を示すブロック図である。第3実施形態に係る渋滞情報提供装置1は、第1実施形態と異なり、統計情報生成部60及び割当部70を備えており、切替部30は備えていない。さらに、第3実施形態では、通信端末100は、複数種類なくてもよい。速度関連情報取得部10、送信部40、及びジオハッシュ部50の機能は第1実施形態と同様である。
【0123】
(統計情報生成部60)
図11は、統計情報の一例を示す概略図である。統計情報生成部60は、速度関連情報を用いて、統計情報を生成する。統計情報は、渋滞傾向情報を含む。渋滞傾向情報は、対象区間11又は領域Rにおける、時間帯や曜日ごとの渋滞傾向に関する情報である。
【0124】
第3実施形態において、統計情報生成部60は、生成された渋滞情報を、時間帯や曜日ごとに記憶部4に記憶させて蓄積していく。
図11の例では、
図4の領域R5における統計情報を示しており、
図11の網掛け部分Tは渋滞が発生する傾向がある時間帯・曜日を示している。
【0125】
図4に示すように、領域R5には、商業施設Pが存在している。そして、
図11の例では、領域R5において、週末の日中から夕方に掛けて渋滞する傾向があること、木曜日には商業施設Pでセールが行われるので夕方に混雑する傾向があるということを示している。
【0126】
(割当部70、第4ロジック)
割当部70は、渋滞傾向情報を用いて、所定時間(第1時間)を基準時間よりも短くする第4ロジック(判断ロジック)を割り当てる。第4ロジックは、統計情報を用いた(統計情報に基づいた)判断ロジックである。第4ロジックは、渋滞傾向情報を用いて、所定時間(第1時間)を基準時間よりも短くするロジックである。第4実施形態に係る割当部70は、渋滞情報を生成するにあたって、統計情報に基づいて第4ロジックを予め割り当てる。
【0127】
そして、第3実施形態に係る判断部20は、速度関連情報、及び統計情報を用いた判断ロジック(第4ロジック)を用いて、対象区間11において渋滞が発生しているか否かを判断する。
【0128】
(第3実施形態の動作例)
図12は、第3実施形態において渋滞情報を生成するまでのフローを示す図である。第3実施形態において、割当部70は、第4ロジックを予め割り当てている。
【0129】
ステップS100、及びステップS105については、第1実施形態と同様である。
【0130】
ステップS105の後のステップS153において、第4ロジック及びステップS100で取得した速度関連情報を用いて、領域Rに含まれる対象区間11における複数の車両3の平均速度を算出し、当該対象区間11で渋滞が発生しているか否かを判断する。
【0131】
ステップS153の後は、ステップS163に進み、当該対象区間11で渋滞が発生している場合、送信部40は、渋滞情報(当該領域Rに含まれる対象区間11で渋滞が発生している旨の情報)を生成し、当該渋滞情報を車両3に送信する。
【0132】
以上、第3実施形態に係る渋滞情報提供装置1は、統計情報生成部60をさらに備えている。そして、第3実施形態に係る判断部20は、速度関連情報、及び統計情報を用いた判断ロジックを用いて、対象区間11において渋滞が発生しているか否かを判断する。
【0133】
第3実施形態によれば、統計情報を用いることにより渋滞が発生しやすいポイントを予め予測することができる。そのため、統計情報に基づいた適切な判断ロジックを予め適用しておくことができる。これにより、通信端末100の台数に関係なく、渋滞の発生の有無を効果的に予測することができる。さらに、第1実施形態や第2実施形態よりも処理が少なくなるので、渋滞情報提供装置1の処理負荷が小さくなる。
【0134】
第3実施形態においても、速度関連情報は、対象区間11において、所定時間内(第1時間)における車両3の平均速度に関する平均速度情報を含む。これにより、渋滞情報をより効果的に提供することができる。
【0135】
さらに、第3実施形態に係る渋滞情報提供装置1は、割当部70をさらに備えている。また、統計情報は、対象区間11又は領域Rにおける、時間帯や曜日ごとの渋滞傾向に関する渋滞傾向情報を含んでいる。これにより、どの場所・どの時間帯/曜日で渋滞が発生しやすいかを予測することができる。渋滞が発生している場所は、通信端末100の台数が多いということであるので、第1時間を予め短く設定しておいても、渋滞情報の精度の低下を抑制することができる。したがって、渋滞情報の精度の低下を抑制しつつ、渋滞情報を早く反映させることができる。
【0136】
第3実施形態においても、渋滞情報提供装置1は、ジオハッシュ部50を備えている。これにより、効果的に渋滞情報を生成することができる。
【0137】
第3実施形態においても、渋滞情報提供装置1は、送信部40を備えている。これにより、渋滞情報をより効果的に提供することができる。
【0138】
<第4実施形態>
図13は、第4実施形態に係る渋滞情報提供装置1の機能を示すブロック図である。第4実施形態に係る渋滞情報提供装置1は、第3実施形態と異なり、切替部30を備えている。さらに、第4実施形態では、第1実施形態と同様、通信端末100は、複数種類ある(第1通信端末110及び第2通信端末120)。
【0139】
第2実施形態と同様、対象区間11又は領域Rに存在する第2通信端末120の台数が、対象区間11又は領域Rに存在する第1通信端末110の台数よりも大きい場合、切替部30は、第2通信端末120の台数が相対的に大きくなるような処理を実行して、判断ロジックを切り換える。具体的には、切替部30は、第2通信端末120の台数の重みを大きくする処理、及び第1通信端末110の台数の少なくとも一部を採用しない処理の少なくとも一方を実行する判断ロジック(第3ロジック)に切り換える。
【0140】
(第4実施形態の動作例)
図14は、第4実施形態に係る切替部30が判断ロジックを切り換えるフローを示す図である。第4実施形態において、判断ロジックは第4ロジックが予め設定されているものとする。
【0141】
ステップS100、ステップS105、ステップS112、ステップS122、及びステップS162については、第2実施形態と同様である。
【0142】
領域Rにおける第2通信端末120の台数が第1通信端末110の台数よりも少ない場合(ステップS122でNO)、ステップS133に進み、判断部20は、第2通信端末120の台数が第1通信端末110の台数がよりも少ない領域Rについて、第4ロジックをそのまま適用する。
【0143】
ステップS133の後のステップS153において、第4ロジック及びステップS100で取得した速度関連情報を用いて、当該領域Rに含まれる対象区間11における複数の車両3の平均速度を算出し、当該対象区間11で渋滞が発生しているか否かを判断する。
【0144】
領域Rにおける第2通信端末120の台数が第1通信端末110の台数よりも大きい場合(ステップS122においてYES)、ステップS143に進み、切替部30は、第4ロジックから第3ロジックに切り替える。
【0145】
そしてステップS143の後のステップS153において、第3ロジック及びステップS100で取得した速度関連情報を用いて、当該領域Rに含まれる対象区間11における複数の車両3の平均速度を算出し、当該領域Rに含まれる対象区間11で渋滞が発生しているか否かを判断する。
【0146】
第4実施形態においても、統計的に予測される渋滞ではない、突発的な渋滞に対して対応が可能となり、第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0147】
以上、図面を参照して実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0148】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 対象区間を移動体とともに移動し、情報アップロードの頻度が異なる複数種類の通信端末から、前記対象区間における前記移動体の速度に関する速度関連情報を取得する速度関連情報取得部と、
前記速度関連情報及び所定の判断ロジックを用いて、前記対象区間において渋滞が発生しているか否かを判断する判断部と、
前記対象区間又は前記対象区間の少なくとも一部を含む所定の領域に存在する前記複数種類の通信端末の台数及び種類を用いて前記判断ロジックを切り換える切替部と、を備える、渋滞情報提供装置。
2. 1.に記載の渋滞情報提供装置において、
前記速度関連情報は、前記対象区間において、所定時間内における前記移動体の平均速度に関する平均速度情報を含む、渋滞情報提供装置。
3. 2.に記載の渋滞情報提供装置において、
前記複数種類の通信端末は、第1通信端末と、前記第1通信端末よりも情報アップロードの頻度が高い第2通信端末とを含み、
前記第1通信端末の稼働台数は、前記第2通信端末の稼働台数よりも多く、
前記対象区間又は前記所定の領域に存在する前記第1通信端末の台数が第1基準よりも大きい場合、前記切替部は、前記所定時間を基準時間よりも短くする、渋滞情報提供装置。
4. 1.から3.のいずれか1つに記載の渋滞情報提供装置において、
前記複数種類の通信端末は、第1通信端末と、前記第1通信端末よりも情報アップロードの頻度が高い第2通信端末とを含み、
前記第1通信端末の稼働台数は、前記第2通信端末の稼働台数よりも多く、
前記対象区間又は前記所定の領域に存在する前記第2通信端末の台数が、前記対象区間又は前記所定の領域に存在する前記第1通信端末の台数よりも大きい場合、前記切替部は、前記第2通信端末の台数が相対的に大きくなるような処理を実行する前記判断ロジックに切り換える、渋滞情報提供装置。
5. 4.に記載の渋滞情報提供装置において、
前記切替部は、前記第2通信端末の台数の重みを大きくする処理、及び前記第1通信端末の台数の少なくとも一部を採用しない処理の少なくとも一方を実行して、前記判断ロジックを切り換える、渋滞情報提供装置。
6. 1.から5.のいずれか1つに記載の渋滞情報提供装置において、
前記対象区間を含む地図情報を網目状に区分けした前記所定の領域を生成するジオハッシュ部をさらに備える、渋滞情報提供装置。
7. 1.から6.のいずれか1つに記載の渋滞情報提供装置において、
前記対象区間において渋滞が発生していると前記判断部が判断した場合、前記対象区間の渋滞に関する渋滞情報を生成し、前記渋滞情報を前記移動体又は前記移動体とともに移動する端末に送信する送信部をさらに備える、渋滞情報提供装置。
8. 渋滞情報提供装置を実現するコンピュータが、
対象区間を移動体とともに移動し、情報アップロードの頻度が異なる複数種類の通信端末から、前記対象区間における前記移動体の速度に関する速度関連情報を取得し、
前記速度関連情報及び所定の判断ロジックを用いて、前記対象区間において渋滞が発生しているか否かを判断し、
前記対象区間又は前記対象区間の少なくとも一部を含む所定の領域に存在する前記複数種類の通信端末の台数及び種類を用いて前記判断ロジックを切り換える、渋滞情報提供方法。
9. 渋滞情報提供装置を実現するコンピュータに、
対象区間を移動体とともに移動し、情報アップロードの頻度が異なる複数種類の通信端末から、前記対象区間における前記移動体の速度に関する速度関連情報を取得する手順、
前記速度関連情報及び所定の判断ロジックを用いて、前記対象区間において渋滞が発生しているか否かを判断する手順、
前記対象区間又は前記対象区間の少なくとも一部を含む所定の領域に存在する前記複数種類の通信端末の台数及び種類を用いて前記判断ロジックを切り換える手順、を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0149】
1 渋滞情報提供装置
3 車両
4 記憶部
10 速度関連情報取得部
11 対象区間
20 判断部
30 切替部
40 送信部
50 ジオハッシュ部
60 統計情報生成部
70 割当部
100 通信端末
R 領域