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特開2024-130430GPS精度評価装置、GPS精度評価方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130430
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】GPS精度評価装置、GPS精度評価方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/21 20100101AFI20240920BHJP
   G01C 21/30 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
G01S19/21
G01C21/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040133
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】野口 良司
(72)【発明者】
【氏名】石▲崎▼ 友也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英晃
(72)【発明者】
【氏名】村田 一夫
【テーマコード(参考)】
2F129
5J062
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB20
2F129BB23
2F129BB24
2F129BB27
2F129BB28
2F129BB29
2F129BB33
2F129BB36
2F129BB37
2F129BB39
2F129BB49
2F129BB62
2F129BB66
2F129FF15
2F129FF80
5J062AA09
5J062BB01
5J062CC07
5J062DD24
5J062FF01
5J062FF04
(57)【要約】
【課題】GPS情報の精度を評価して、GPS情報の精度劣化を抑制する。
【解決手段】移動体のセンサ200が測定したセンサ情報と、移動体が検出したGPS情報と、を取得する第1取得部110と、GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する第2取得部120と、少なくともセンサ情報とGPS情報と地域繁栄度情報とに基づいて、GPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度を評価する評価部130と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が検出したGPS情報を取得する第1取得部と、
前記GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する第2取得部と、
少なくとも前記GPS情報と前記地域繁栄度情報とに基づいて、前記GPS情報を検出した地点における前記GPS情報の精度を評価する評価部と、
を備えるGPS精度評価装置。
【請求項2】
前記第1取得部は、前記移動体のセンサが測定したセンサ情報をさらに取得し、
前記評価部は、少なくとも前記GPS情報と前記地域繁栄度情報と前記センサ情報とに基づいて、前記GPS情報を検出した地点における前記GPS情報の精度を評価することを特徴とする請求項1に記載のGPS精度評価装置。
【請求項3】
前記地域繁栄度情報は、所定面積あたりの施設数である請求項1に記載のGPS精度評価装置。
【請求項4】
前記地域繁栄度情報は、所定面積あたりのコンビニの数である請求項1に記載のGPS精度評価装置。
【請求項5】
前記評価部は、少なくともGPS関連情報と、センサ情報と、地域繁栄度情報と、学習済モデルと、に基づいて前記GPS情報を検出した地点における前記GPS情報の精度を評価する請求項1に記載のGPS精度評価装置。
【請求項6】
第1取得部と、第2取得部と、評価部と、を備えるGPS精度評価装置におけるGPS精度評価方法であって、
前記第1取得部が、移動体が検出したGPS情報を取得する第1の工程と、
前記第2取得部が、前記GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する第2の工程と、
前記評価部が、少なくとも前記GPS情報と前記地域繁栄度情報とに基づいて、前記GPS情報を検出した地点における前記GPS情報の精度を評価する第3の工程と、
を備えるGPS精度評価方法。
【請求項7】
第1取得部と、第2取得部と、評価部と、を備えるGPS精度評価装置におけるGPS精度評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記第1取得部が、移動体が検出したGPS情報を取得する第1の工程と、
前記第2取得部が、前記GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する第2の工程と、
前記評価部が、少なくとも前記GPS情報と前記地域繁栄度情報とに基づいて、前記GPS情報を検出した地点における前記GPS情報の精度を評価する第3の工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS精度評価装置、GPS精度評価方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの車両には、自己の位置、移動速度、方位等を推定することが可能なナビゲーションシステムが実装されている。
このようなナビゲーションシステムには、例えば、GPS受信装置、DR(Dead Reckoning)センサ、地図データベース等が備えられている。
【0003】
この種のナビゲーションシステムとして、GPS受信装置による測位解(以下、「GPS測位解」と記す)とDRセンサによる測位解(以下、「DR測位解」と記す)とを併用して自己の位置、移動速度、方位等を推定し、更に、地図データベースから得られる地図情報を用いてマップマッチングを行って、最終的な推定情報をユーザに提示するナビゲーションシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記のようなDRセンサには、例えば車速センサやジャイロセンサ等が含まれる。
車速センサは、車両の左右の駆動輪の回転速度を検出してその平均速度に応じた車速パルス信号を生成する。
ジャイロセンサは、車両の方位に関する角速度を計測する。
【0005】
ナビゲーションシステムは、上述のようにGPS測位解とDR測位解とを併用する場合、互いを比較して演算を行い、その結果に基づいて位置、移動速度、方位等を推定する。
この場合、前段推定情報のサンプリングが複数あることから、一方の測位解による前段推定情報よりも精度の高い前段推定情報を得ることができる。
このような観点から、GPS測位解とDR測位解とを常に併用して位置、移動速度、方位等を推定することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11―190771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、車両は移動するため、ナビゲーションシステムを取り巻く環境も種々変化する。
そのため、ナビゲーションシステムの環境によっては、受信するGPS信号にノイズ等が混入してGPS測位解に誤差が生じることがある。
このような場合、GPS測位解の精度が低下し、位置情報の精度が低下するという不都合がある。そこで、本発明が解決しようとする課題には、上述した問題が一例として挙げられる。
【0008】
本発明は、上述の一例として挙げられた問題に鑑みてなされたものであり、GPS情報の精度を評価する、または、位置情報の精度劣化を抑制するGPS精度評価装置、GPS精度評価方法およびプログラムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、移動体が検出したGPS情報を取得する第1取得部と、前記GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する第2取得部と、少なくとも前記GPS情報と前記地域繁栄度情報とに基づいて、前記GPS情報を検出した地点における前記GPS情報の精度を評価する評価部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、第1取得部と、第2取得部と、評価部と、を備えるGPS精度評価装置におけるGPS精度評価方法であって、前記第1取得部が、移動体が検出したGPS情報を取得する第1の工程と、前記第2取得部が、前記GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する第2の工程と、前記評価部が、少なくとも前記GPS情報と前記地域繁栄度情報とに基づいて、前記GPS情報を検出した地点における前記GPS情報の精度を評価する第3の工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、第1取得部と、第2取得部と、評価部と、を備えるGPS精度評価装置におけるGPS精度評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記第1取得部が、移動体が検出したGPS情報を取得する第1の工程と、前記第2取得部が、前記GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する第2の工程と、前記評価部が、少なくとも前記GPS情報と前記地域繁栄度情報とに基づいて、前記GPS情報を検出した地点における前記GPS情報の精度を評価する第3の工程と、を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1にかかるGPS精度評価装置の構成を示す図である。
図2】本発明の実施例1にかかるGPS精度評価装置において、学習データとして用いるGPSデータを例示した図である。
図3】本発明の実施例1にかかるGPS精度評価装置において、学習データとして用いるセンサデータを例示した図である。
図4】本発明の実施例1にかかるGPS精度評価装置における地域繁栄度を定義するジオハッシュを例示した図である。
図5】本発明の実施例1にかかるGPS精度評価装置の処理フロー図である。
図6】本発明の実施例2にかかるGPS精度評価装置の構成を示す図である。
図7】本発明の実施例2にかかるGPS精度評価装置における処理フロー図である。
図8】本発明の実施例3にかかる生成装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態にかかるGPS精度評価装置について説明する。
【0014】
本発明の一実施形態に係るGPS精度評価装置は、評価部が、少なくとも第1取得部において取得されたGPS情報と、第2取得部において取得された地域繁栄度情報とに基づいて、GPS情報を検出(換言すると受信)した地点におけるGPS情報の精度を評価する。
評価部は、GPS情報と地域繁栄度情報とを学習データとして機械学習による学習済みのモデルによって、GPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度を評価するようにしてもよい。
また、評価部は、例えば、ナビゲーション装置あるいはサーバに設けられていてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、GPS精度評価装置が、少なくとも第1取得部において取得されたGPS情報と、第2取得部において取得された地域繁栄度情報とに基づいて、GPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度を評価する。これにより、GPS情報の精度が劣化する特定のエリアにおいてもGPS情報の精度劣化を抑制することができる。
【0016】
また、本発明の他の実施形態では、第1取得部と、第2取得部と、評価部と、を備えるGPS精度評価装置におけるGPS精度評価方法において、第1取得部が、移動体が検出したGPS情報を取得する第1の工程と、第2取得部が、GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する第2の工程と、評価部が、少なくともGPS情報と地域繁栄度情報とに基づいて、GPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度を評価する第3の工程と、を備える。
そのため、GPS情報の精度劣化が劣化する特定のエリアにおいてもGPS情報の精度劣化を抑制することができる。
【0017】
また、本発明の他の実施形態では、第1取得部と、第2取得部と、評価部と、を備えるGPS精度評価装置におけるGPS精度評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、第1取得部が、移動体が検出したGPS情報を取得する第1の工程と、第2取得部が、GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する第2の工程と、評価部が、少なくともGPS情報と地域繁栄度情報とに基づいて、GPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度を評価する第3の工程と、を備える。
そのため、GPS情報の精度劣化が劣化する特定のエリアにおいてもGPS情報の精度劣化を抑制することができる。
【0018】
<実施例1>
以下、図1から図5を用いて、実施例1について説明する。
【0019】
<GPS精度評価装置1の構成>
本実施例に係るGPS精度評価装置1の構成について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、GPS精度評価装置1は、第1取得部110と、第2取得部120と、評価部130と、制御部140と、を含んで構成されている。
【0020】
第1取得部110は、移動体が検出したGPS情報を取得する。
なお、第1取得部110は、移動体が検出したセンサ情報を取得するようにしてもよい。
ここで、センサ情報としては、図3に示すように、高度情報、速度情報、加速度情報、停止または走行情報、方位情報、道路傾斜情報、上方向のロール角情報、ヨー方向の角速度情報、ピッチ方向の角速度情報、ロール方向の角速度情報、X方向の加速度情報、Y方向の加速度情報、Z方向の加速度情報、設置角情報、設置ロール角情報を含む。
また、GPS情報としては、図2に示すように、測位使用衛星数情報、対地速度情報、水平精度低下率情報、使用衛星の平均感度情報、使用衛星の平均仰角情報、使用衛星において感度が20dB以下である衛星の割合の情報、使用衛星の感度最大値情報、使用衛星の感度分散値情報、使用衛星の感度中央値情報、使用衛星の感度が2番目に大きい値の情報、使用衛星の感度が3番目に大きい値の情報、使用衛星の感度が4番目に大きい値の情報、使用衛星の感度が5番目に大きい値の情報、使用衛星の感度が6番目に大きい値の情報、使用衛星の感度が7番目に大きい値の情報、使用衛星の感度が8番目に大きい値の情報、使用衛星の感度が9番目に大きい値の情報、使用衛星において感度が25dB以下である衛星の割合の情報、使用衛星において感度が30dB以下である衛星の割合の情報を含む。
なお、センサ情報およびGPS情報の選定については、実証実験に基づく知見によるものである。
【0021】
第2取得部120は、GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する。
地域繁栄度情報としては、所定面積あたりの施設数に関する情報、所定面積あたりのコンビニエンスストアーの数に関する情報、単位面積あたりの施設数に関する情報、単位面積あたりのコンビニエンスストアーの数に関する情報、所定の桁数のジオハッシュ内の面積あたりの施設数を正規化した値に関する情報、所定の桁数のジオハッシュ内の面積あたりのコンビニエンスストアーの数を正規化した値に関する情報、所定面積あたりの美容室の数に関する情報、所定面積あたりの歯科診療所の数に関する情報、所定面積あたりの飲食店の数に関する情報、単位面積あたりの美容室の数に関する情報、単位面積あたりの歯科診療所の数に関する情報、単位面積あたりの飲食店の数に関する情報、所定の桁数のジオハッシュ内の面積あたりの美容室の数を正規化した値に関する情報、所定の桁数のジオハッシュ内の面積あたりの歯科診療所の数を正規化した値に関する情報、所定の桁数のジオハッシュ内の面積あたりの飲食店の数を正規化した値に関する情報等を含む。
なお、ジオハッシュを用いる場合には、図4に示す、5桁のジオハッシュ内の面積あたりの施設数、コンビニエンスストアーの数、美容室の数、歯科診療所の数、飲食店の数を正規化した値であることが好ましい。
【0022】
評価部130は、少なくともGPS情報と地域繁栄度情報とに基づいて、GPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度を評価する。
評価部130は、例えば、GPS情報と地域繁栄度情報とを学習データとして機械学習による学習済みのモデルによって、GPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度を評価する。
なお、評価部130は、少なくともセンサ情報とGPS情報と地域繁栄度情報とに基づいて、GPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度を評価するようにしてもよい。
【0023】
制御部140は、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納された制御プログラムに基づき、GPS精度評価装置1全体の処理を制御する。なお、本実施例においては、評価部130の動作を制御する。
【0024】
<GPS精度評価装置1の処理>
本実施例に係るGPS精度評価装置1の処理について、図5を用いて説明する。
【0025】
図5に示すように、第1取得部110は、移動体が検出したGPS情報を取得する(ステップS101)。
第1取得部110において取得されたGPS情報は、バスラインBLを介して、制御部140に出力され、制御部140から評価部130に出力される。
【0026】
第2取得部120は、GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する(ステップS102)。
第2取得部120において取得された地域繁栄度情報は、バスラインBLを介して、制御部140に出力され、制御部140から評価部130に出力される。
なお、S101とS102の順序は限定されず、逆であっても良い。
【0027】
評価部130は、少なくとも、第1取得部110において取得されたGPS情報と第2取得部120において取得された地域繁栄度情報とに基づいて、GPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度を評価する(ステップS103)。
なお、評価部130における評価結果(例えば、GPSを利用できるか否かを示すデータ)は、移動体の位置情報の反映に用いられる。
【0028】
以上、説明したように、本実施例によれば、GPS精度評価装置1は、移動体が検出したGPS情報を取得する第1取得部110と、GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する第2取得部120と、少なくともGPS情報と地域繁栄度情報とに基づいて、GPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度を評価する評価部130と、を備えている。
ここで、地域繁栄度情報としては、所定面積あたりの施設数、所定面積あたりのコンビニエンスストアーの数、単位面積あたりの施設数、単位面積あたりのコンビニエンスストアーの数、所定の桁数のジオハッシュ内の面積あたりの施設数を正規化した値、所定の桁数のジオハッシュ内の面積あたりのコンビニエンスストアーの数を正規化した値、所定面積あたりの美容室の数、所定面積あたりの歯科診療所の数、所定面積あたりの飲食店の数、単位面積あたりの美容室の数、単位面積あたりの歯科診療所の数、単位面積あたりの飲食店の数、所定の桁数のジオハッシュ内の面積あたりの美容室の数を正規化した値に関する情報、所定の桁数のジオハッシュ内の面積あたりの歯科診療所の数を正規化した値に関する情報、所定の桁数のジオハッシュ内の面積あたりの飲食店の数を正規化した値に関する情報等を含む。
そのため、GPS情報の精度を評価して、GPS情報の精度劣化を抑制することができる。
【0029】
<変形例1>
実施例1では、地域繁栄度情報として、所定面積あたりの施設数等を例示したが、単に、施設数だけでなく、高さ(ビルなどにおける階数)が所定以上の施設数あるいは道路から所定範囲内の施設数等を含めてもよい。また、道路については、一般道、幹線道路等の種別を含めてもよい。また、施設には、オフィスビルや商業ビル、マンション等以外に、高速道路や橋、高架橋等のインフラ施設等を含めてもよい。
上記のように、施設を定義することにより、GPS情報の精度劣化を生ずるエリアを特定することが可能となり、GPS精度評価装置1の処理負荷を低減することができる。
【0030】
<実施例2>
以下、図6から図7を用いて、実施例2について説明する。
【0031】
<GPS精度評価装置1Aの構成>
本実施例に係るGPS精度評価システム10の構成について、図6を用いて説明する。
図6に示すように、GPS精度評価装置1Aは、実施例1のGPS精度評価装置1に対して、GPS情報をそのまま利用できるか否かを処理する機能を含んで構成されている。
【0032】
図6に示すように、GPS精度評価装置1Aは、第1取得部110と、第2取得部120と、評価部130Aと、制御部140と、データ処理部150と、を含んで構成されている。
なお、実施例1と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0033】
評価部130Aは、少なくともGPS情報と地域繁栄度情報とに基づいて、GPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度を評価するとともに、その評価内容を判定する。
具体的には、評価部130Aは、例えば、少なくともGPS情報と地域繁栄度情報とに基づいてGPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度の評価内容に対して、GPSによる位置測位情報を採用すべきか否かを判定する。
評価部130Aにおける判定結果は、後述するデータ処理部150に出力される。
【0034】
データ処理部150は、評価部130Aの判定結果に基づいて、GPS情報を処理する。具体的には、データ処理部150は、評価部130Aにおいて、GPS精度が良いとの評価結果(換言すると、GPSによる位置測位情報を採用すべきとの判定結果)が得られた場合には、GPSによる位置測位情報を使用する処理を実行する。
一方で、データ処理部150は、評価部130Aにおいて、GPSによる位置測位情報を採用すべきではないとの判定結果が得られた場合には、前回の位置情報に、センサ200等から得られる前回の位置情報からの移動量を加算した位置情報を使用するよう処理を実行する。
【0035】
<GPS精度評価装置1Aの処理>
本実施例に係るGPS精度評価装置1Aの処理について、図7を用いて説明する。
【0036】
図7に示すように、第1取得部110は、移動体が検出したGPS情報を取得する(ステップS101)。
第1取得部110において取得されたGPS情報は、バスラインBLを介して、制御部140に出力され、制御部140から評価部130Aに出力される。
【0037】
第2取得部120は、GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する(ステップS102)。
第2取得部120において取得された地域繁栄度情報は、バスラインBLを介して、制御部140に出力され、制御部140から評価部130Aに出力される。
【0038】
評価部130Aは、少なくとも、第1取得部110において取得されたGPS情報と第2取得部120において取得された地域繁栄度情報とに基づいて、GPS情報を検出した地点におけるGPS情報の精度を評価する。
【0039】
そして、評価部130Aは、その評価内容を判定する。具体的には、評価部130Aは、例えば、評価部130Aは、その評価内容に基づいて、GPSによる位置測位情報を採用すべきか否かを判定する(ステップS201)。
評価部130Aにおける判定結果は、後述するデータ処理部150に出力される。
【0040】
データ処理部150は、評価部130Aの判定結果に基づいて、GPS情報を処理する。具体的には、データ処理部150は、評価部130Aにおいて、GPSによる位置測位情報を採用すべきとの判定結果が得られた場合には、GPSによる位置測位情報を使用する処理を実行する。一方で、データ処理部150は、評価部130Aにおいて、GPSによる位置測位情報を採用すべきではないとの判定結果が得られた場合には、前回の位置情報に、センサ200等から得られる前回の位置情報からの移動量を加算した位置情報を使用するよう処理を実行する(ステップS202)。
【0041】
以上、説明したように、本実施例によれば、評価部130Aは、その評価内容を判定し、データ処理部150は、評価部130Aの判定結果に基づいて、GPS情報を処理する。
そのため、適切な位置情報を用いて、マップマッチングを実行することができる。
【0042】
<実施例3>
以下、図8を用いて、実施例3について説明する。
【0043】
<生成装置2の構成>
図8に示すように、生成装置2は、第1取得部110と、第2取得部120と、制御部140Aと、学習済モデル生成部160と、を含んで構成されている。
なお、実施例1と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0044】
制御部140Aは、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納された制御プログラムに基づき、生成装置2全体の処理を制御する。
なお、本実施例においては、学習済モデル生成部160の動作を制御する。
【0045】
学習済モデル生成部160は、少なくともGPS情報と地域繁栄度情報とを学習データとし、参照位置(例えばRTK-GPSなどの精度の高いGPS位置)とGPS位置(位置情報の精度劣化を抑制したいGPS位置)の誤差値を教師データとして、学習済モデルを生成する。
【0046】
本実施例によれば、学習済モデル生成部は、少なくともGPS情報と地域繁栄度情報とを学習データとして、教師データに基づいて、学習済モデルを生成する。
そのため、適切な学習済モデルを生成することができ、機械学習の精度を向上させることができる。
【0047】
なお、評価部130、130Aの処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを評価部130、130Aに読み込ませ、実行することによって本発明のGPS精度評価装置1、1Aを実現することができる。
ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0048】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページの提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0049】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、所謂、差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0050】
以上、この発明の実施形態および実施例につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態あるいは実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0051】
<付記項1>
前記移動体が検出したGPS情報を取得する第1取得部と、
前記GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する第2取得部と、
少なくとも前記GPS情報と前記地域繁栄度情報とを学習データとして、教師データに基づいて、学習済モデルを生成する学習済モデル生成部と、
を備える生成装置。
<付記項2>
1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプロセッサに通信可能に接続される1つまたは複数のメモリと、
を備え、
前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記移動体が検出したGPS情報と、を取得する第1取得部と、
前記GPS情報を検出した地点に関連する地域繁栄度情報を取得する第2取得部と、
少なくとも前記GPS情報と前記地域繁栄度情報とに基づいて、前記GPS情報を検出した地点における前記GPS情報の精度を評価する評価部と、
を備えるGPS精度評価装置。
【符号の説明】
【0052】
1;GPS精度評価装置
110;第1取得部
120;第2取得部
130;評価部
140;制御部
150;データ処理部
160;学習済モデル生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8