IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イリソ電子工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-コネクタ 図1
  • 特開-コネクタ 図2
  • 特開-コネクタ 図3
  • 特開-コネクタ 図4
  • 特開-コネクタ 図5
  • 特開-コネクタ 図6
  • 特開-コネクタ 図7
  • 特開-コネクタ 図8
  • 特開-コネクタ 図9
  • 特開-コネクタ 図10
  • 特開-コネクタ 図11
  • 特開-コネクタ 図12
  • 特開-コネクタ 図13
  • 特開-コネクタ 図14
  • 特開-コネクタ 図15
  • 特開-コネクタ 図16
  • 特開-コネクタ 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130446
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/91 20110101AFI20240920BHJP
   H01R 13/6461 20110101ALI20240920BHJP
【FI】
H01R12/91
H01R13/6461
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040172
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小部 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】野口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】塩田 英生
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB02
5E021FC20
5E021FC31
5E223AB26
5E223AB58
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB31
5E223CB38
5E223CD01
5E223DB11
5E223EA03
(57)【要約】
【課題】クロストーク抑制の効果が高いコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ10は、ハウジング20,30と、複数の端子40S,40Gと、接地接続部50と、を備える。複数の端子40S,40Gの各々は、第一ハウジング20と第二ハウジング30との相対変位を許容する中間部43を有する。複数の端子40S,40Gは、複数の信号端子40Sと、接地接続部50によって電気的に接続された複数の接地端子40Gと、を含む。接地接続部50は、複数の接地端子40Gの各々の中間部43に接触する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、複数の端子と、接地接続部と、を備えるコネクタであって、
前記ハウジングは、第一ハウジングと、第二ハウジングと、を備え、
前記複数の端子の各々は、前記第一ハウジングと前記第二ハウジングとの相対変位を許容する中間部を有し、
前記複数の端子は、複数の信号端子と、前記接地接続部によって電気的に接続された複数の接地端子と、を含み、
前記接地接続部は、前記複数の接地端子の各々の前記中間部に接触する、
コネクタ。
【請求項2】
前記接地接続部は、前記複数の接地端子と一体になっている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記接地接続部は、前記複数の接地端子に支持される、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記接地端子の前記中間部は、少なくとも一つの直線部を有し、
前記接地接続部は、前記少なくとも一つの直線部のうちの最も長い直線部に接触する、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コネクタは、前記接地接続部と前記信号端子の前記中間部との間に配置される絶縁部を備える、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記絶縁部の誘電率は、前記第一ハウジング及び前記第二ハウジングの誘電率とは異なる、
請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記絶縁部の誘電率は、前記第一ハウジング及び前記第二ハウジングの誘電率よりも低い、
請求項5に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記信号端子の前記中間部は、前記接地接続部から離れる方向に窪む凹部を有する、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記コネクタは、前記接地接続部と前記信号端子の前記中間部との間に配置される絶縁部を備え、
前記絶縁部は、前記凹部を埋めるように配置される、
請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記接地接続部は、異方性導電フィルムと導電性部材とを備える、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記接地接続部は、異方性導電フィルムと導電性部材とを備え、
前記異方性導電フィルムは、前記絶縁部と前記接地端子の前記中間部とに圧着される、
請求項9に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記接地端子の前記中間部は、前記接地接続部と接触する凸部を有する、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記接地接続部は、前記接地端子の前記中間部に溶接される導電性部材を備える、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記接地接続部は、前記接地端子の前記凸部に溶接される導電性部材を備える、
請求項12に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記接地接続部は、前記複数の接地端子の各々の前記中間部に、当該中間部の延在方向において連続した範囲で接触する、
請求項1に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1記載のコネクタは、ハウジングと、複数の端子と、接地接続部と、を備える。ハウジングは、第一ハウジングと、第二ハウジングと、を備え、複数の端子の各々は、第一ハウジングと第二ハウジングとの相対変位を許容する中間部を有する。
このようなコネクタでは、中間部が第一ハウジングと第二ハウジングの何れにも保持されていないので、中間部においてクロストークが発生しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-192524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載のコネクタには、改良の余地がある。
【0005】
本開示は、クロストーク抑制の効果が高いコネクタを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係るコネクタは、ハウジングと、複数の端子と、接地接続部と、を備えるコネクタであって、前記ハウジングは、第一ハウジングと、第二ハウジングと、を備え、前記複数の端子の各々は、前記第一ハウジングと前記第二ハウジングとの相対変位を許容する中間部を有し、前記複数の端子は、複数の信号端子と、前記接地接続部によって電気的に接続された複数の接地端子と、を含み、前記接地接続部は、前記複数の接地端子の各々の前記中間部に接触する。
【0007】
本態様では、コネクタは、ハウジングと、複数の端子と、接地接続部と、を備える。ハウジングは、第一ハウジングと、第二ハウジングと、を備える。複数の端子の各々は、第一ハウジングと第二ハウジングとの相対変位を許容する中間部を有する。
ここで、複数の端子は、複数の信号端子と、接地接続部によって電気的に接続された複数の接地端子と、を含む。
このため、信号端子間のクロストークが抑制される。
【0008】
更に、本態様では、接地接続部は、複数の接地端子の各々の中間部に接触する。
このため、クロストーク抑制の効果が高い。
なぜなら、クロストークが起こりやすい中間部において複数の接地端子を電気的に接続することが、クロストーク抑制に効果的だからである。
【0009】
なお、後述の実施形態では、コネクタが、列間方向一方側の複数の端子と、列間方向他方側の複数の端子と、一方側接地接続部と、他方側接地接続部と、を備える。つまり、端子が2列に配列され、各列に対応して接地接続部が設けられる。しかし、本態様のコネクタは、これに限定されない。端子は1列であってもいいし、3列以上であってもよい。
なお、後述の実施形態では、接地接続部が、配列方向に配列された複数(6個)の接地端子の全てを電気的に接続する。しかし、本態様の接地接続部はこれに限定されない。本態様の接地接続部は、配列方向に配列された複数の接地端子のうち一部の接地接続部を電気的に接続するものでもよい。
なお、後述の実施形態では、電気的に接続される複数の接地端子が、互いに同一の構造であるが、本態様はこれに限定されない。
なお、後述の実施形態では、複数の端子の各々が第一ハウジングと第二ハウジングとの相対変位を許容する中間部を有することにより、第二ハウジングは、第一ハウジングに対してX方向、Y方向及びZ方向に移動可能に構成される。しかし、本態様はこれに限定されない。本態様では、例えば、第二ハウジングは、第一ハウジングに対してX方向、Y方向又はZ方向のうち何れかの方向に移動不能であってもよい。
【0010】
第2の態様に係るコネクタは、第1の態様において、前記接地接続部は、前記複数の接地端子と一体になっている。
【0011】
本態様では、接地接続部は、複数の接地端子と一体になっている。
このため、接地接続部が複数の接地端子と一体になっていない態様と比較して、接地接続部と接地端子との電気的接続が解除されにくい。また、接地接続部と接地端子との摺動が起こらないので、摺動による問題(メッキ剥がれ等)がない。
【0012】
なお、「一体になっている」とは、複数の接地端子と接地接続部とが別体として形成されたうえで、複数の接地端子と接地接続部とが一体化された状態(例えば、複数の接地端子が接地接続部を支持した状態)と、複数の接地端子と接地接続部とが初めから一体として形成されている状態と、の両方を含む。
複数の接地端子と接地接続部とが初めから一体として形成されている状態とは、例えば、複数の接地端子と接地接続部とが、板材に対する抜き加工及び曲げ加工により一体に作られた状態である。
なお、複数の接地端子と接地接続部とが初めから一体として形成されている状態でも、両者の境界位置において両者は「接触」しているといえる。このように、本開示における「接触」は広い概念である。
【0013】
第3の態様に係るコネクタは、第1又は第2の態様において、前記接地接続部は、前記複数の接地端子に支持される。
【0014】
本態様では、接地接続部は、複数の接地端子に支持される。
このため、接地接続部を複数の接地端子とを初めから一体に形成する必要がない。
【0015】
第4の態様に係るコネクタは、第1~第3の何れかの態様において、前記接地端子の前記中間部は、少なくとも一つの直線部を有し、前記接地接続部は、前記少なくとも一つの直線部のうちの最も長い直線部に接触する。
【0016】
本態様では、中間部は、少なくとも一つの直線部を有する。
ここで、接地接続部は、当該少なくとも一つの直線部のうちの最も長い直線部に接触する。
このため、クロストーク抑制の効果が高い。
また、接地接続部が複数の接地端子に支持される場合には、当該支持が容易である。
【0017】
なお、後述の実施形態では、最も長い直線部が、第二被保持部の圧入方向と平行な方向に延びるが、本態様の最も長い直線部はこれに限定されない。
なお、後述の実施形態では、最も長い直線部が、接続対象物との接続方向と平行な方向に延びるが、本態様の最も長い直線部はこれに限定されない。
【0018】
第5の態様に係るコネクタは、第1~第4の何れかの態様において、前記コネクタは、前記接地接続部と前記信号端子の前記中間部との間に配置される絶縁部を備える。
【0019】
本態様では、コネクタは、接地接続部と信号端子の中間部との間に配置される絶縁部を備える。
このため、接地接続部と信号端子との電気的接続が防止される。
【0020】
なお、後述の実施形態では、絶縁部は、信号端子に支持される。しかし、本態様の絶縁部はこれに限定されない。本態様の絶縁部は、例えば、接地接続部に支持され、信号端子に支持されなくてもよい。
【0021】
第6の態様に係るコネクタは、第5の態様において、前記絶縁部の誘電率は、前記第一ハウジング及び前記第二ハウジングの誘電率とは異なる。
【0022】
本態様では、前記絶縁部の誘電率は、前記第一ハウジング及び前記第二ハウジングの誘電率とは異なる。
このため、絶縁部の誘電率が第一ハウジング及び第二ハウジングの誘電率と同じである態様と比較して、絶縁部の誘電率の自由度が広がり、インピーダンスの調整がしやすい。
【0023】
第7の態様に係るコネクタは、第5又は第6の態様において、前記絶縁部の誘電率は、前記第一ハウジング及び前記第二ハウジングの誘電率よりも低い。
【0024】
ところで、絶縁部が接地接続部と信号端子の中間部との間に配置されると、信号端子の中間部におけるインピーダンスが過剰に低下してしまうおそれがある。
そこで、本態様では、絶縁部の誘電率は、第一ハウジング及び第二ハウジングの誘電率よりも低い。
このため、信号端子の中間部におけるインピーダンスの過剰低下を抑制できる。
【0025】
第8の態様に係るコネクタは、第1~第7の何れかの態様において、前記信号端子の前記中間部は、前記接地接続部から離れる方向に窪む凹部を有する。
【0026】
ところで、信号端子の中間部と接地接続部との距離が近いと、信号端子の中間部におけるインピーダンスが過剰に低下してしまうおそれがある。
そこで、本態様では、信号端子の中間部は、接地接続部から離れる方向に窪む凹部を有する。
このため、信号端子の中間部と接地接続部との距離を稼ぐことができる。その結果、インピーダンスの過剰な低下を抑制できる。
【0027】
第9の態様に係るコネクタは、第8の態様において、前記コネクタは、前記接地接続部と前記信号端子の前記中間部との間に配置される絶縁部を備え、前記絶縁部は、前記凹部を埋めるように配置される。
【0028】
本態様では、絶縁部は、凹部を埋めるように配置される。
このため、絶縁部の配置が容易である。
【0029】
第10の態様に係るコネクタは、第1~第9の何れかの態様において、前記接地接続部は、異方性導電フィルムと導電性部材とを備える。
【0030】
本態様では、接地接続部は、異方性導電フィルムと導電性部材とを備える。
このため、接地接続部の取付が容易である。
【0031】
第11の態様に係るコネクタは、第9の態様において、前記接地接続部は、異方性導電フィルムと導電性部材とを備え、前記異方性導電フィルムは、前記絶縁部と前記接地端子の前記中間部とに圧着される。
【0032】
本態様では、接地接続部は、異方性導電フィルムと導電性部材とを備える。そして、異方性導電フィルムは、絶縁部と接地端子の前記中間部とに圧着される。
このため、接地接続部を安定して取り付けることができる。
【0033】
第12の態様に係るコネクタは、第1~第11の何れかの態様において、前記接地端子の前記中間部は、前記接地接続部と接触する凸部を有する。
【0034】
本態様では、接地端子の中間部は、接地接続部と接触する凸部を有する。
このため、接地接続部と信号端子の中間部との距離を稼ぐことができる。その結果、インピーダンスの過剰な低下を抑制できる。
なお、後述の実施形態では、凸部と接地接続部を構成する導電性部材とが溶接されるが、本態様の「接触」は、溶接された状態をも含む。
【0035】
第13の態様に係るコネクタは、第1~第12の何れかの態様において、前記接地接続部は、前記接地端子の前記中間部に溶接される導電性部材を備える。
【0036】
本態様では、接地接続部は、接地端子の中間部に溶接される導電性部材を備える。
このため、接地接続部の取付が容易である。
【0037】
第14の態様に係るコネクタは、第12の態様において、前記接地接続部は、前記接地端子の前記凸部に溶接される導電性部材を備える。
【0038】
本態様では、接地接続部は、接地端子の凸部に溶接される導電性部材を備える。
このため、インピーダンスの過剰な低下を抑制でき、かつ、接地接続部の取付が容易である。
【0039】
第15の態様に係るコネクタは、第1~第14の何れかの態様において、前記接地接続部は、前記複数の接地端子の各々の前記中間部に、当該中間部の延在方向において連続した範囲で接触する。
【0040】
本態様では、接地接続部は、複数の接地端子の各々の中間部に、当該中間部の延在方向において連続した範囲で接触する。
このため、クロストーク抑制の効果がより一層高い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】実施形態のコネクタの斜視図である。
図2】コネクタの分解斜視図である。
図3】コネクタの断面図である。
図4】コネクタのうち第一ハウジング及び第二ハウジングを省略した斜視図である。
図5】複数の端子と2つの接地接続部とを分離した斜視図である。
図6】信号端子の配置部及び接地端子の被取付部を絶縁部を省略して示す拡大斜視図である。
図7】信号端子の配置部及び接地端子の被取付部を示す拡大斜視図である。
図8】接地接続部を取り付けた状態を示す拡大斜視図である。
図9】接地端子の被取付部の延在方向に垂直な断面図である。
図10】一対の信号端子の斜視図である。
図11】一対の接地端子の斜視図である。
図12】変形例を示す断面図である。
図13】他の実施形態のコネクタの斜視図である。
図14】他の実施形態のコネクタの分解斜視図である。
図15】他の実施形態の一対の端子の斜視図である。
図16】他の実施形態の接地接続部の斜視図である。
図17】他の実施形態のコネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本開示に係るコネクタの好適な実施形態について説明する。
【0043】
各図に示す矢印Xをコネクタ前後方向、矢印Yをコネクタ幅方向、矢印Zをコネクタ上下方向と呼ぶことがある。また、コネクタ前後方向を配列方向、コネクタ幅方向を列間方向と呼ぶことがある。
【0044】
図1図3は、本実施形態に係るコネクタ10を示す。
【0045】
コネクタ10は、ハウジング20,30と、複数の端子40と、2つの接地接続部50と、を備える。
【0046】
ハウジング20,30は、第一ハウジング20と、第二ハウジング30と、を備える。
【0047】
第一ハウジング20は、複数の端子40を介して、取付対象物T(例えば基板、図3参照)に取り付けられる。これにより、第一ハウジング20は、取付対象物Tに固定される。
第二ハウジング30は、第一ハウジング20に対してX方向、Y方向及びZ方向に移動可能に構成される。
第一ハウジング20及び第二ハウジング30は、樹脂成形品である。
【0048】
図4に示すように、複数の端子40は、列間方向一方側の複数(12個)の一方側端子40と、列間方向他方側の複数(12個)の他方側端子40と、から構成される。
複数の一方側端子40は、X方向を配列方向として等間隔に配列される。
複数の他方側端子40も、X方向を配列方向として等間隔に配列される。
一方側端子40と他方側端子40とにより一対の端子40が構成され、当該一対の端子40がX方向を配列方向として等間隔に配列されているともいえる。
【0049】
複数(12個)の一方側端子40は、複数の(6個)の信号端子40Sと、複数の(6個)の接地端子40Gと、から構成される。
複数(12個)の他方側端子40も、複数の(6個)の信号端子40Sと、複数の(6個)の接地端子40Gと、から構成される。
信号端子をS、接地端子をGと表現すると、複数の一方側端子40及び複数の他方側端子40は、いずれも、GSSGGSSGGSSGの並びで配列されている。
【0050】
2つの接地接続部50は、一方側接地接続部50と、他方側接地接続部50と、から構成される。
一方側接地接続部50は、複数(12個)の一方側端子40S,40Gのうち複数(6個)の接地端子40Gを電気的に接続する。
他方側接地接続部50は、複数(12個)の他方側端子40S,40Gのうち複数(6個)の接地端子40Gを電気的に接続する。
【0051】
(第一ハウジング20)
次に、第一ハウジング20について詳細に説明する。
【0052】
図2に示すように、第一ハウジング20は、列間方向一方側の端子保持部21と、列間方向他方側の端子保持部21と、を備える。列間方向一方側の端子保持部21と列間方向他方側の端子保持部21とは同一構造である。以下、両者を区別しないときは、単に端子保持部21と呼ぶ。
【0053】
図3に示すように、端子保持部21は、複数の配列方向壁22を有する。
配列方向壁22は、端子40の第一被保持部42に対し、その配列方向であるX方向の両側に位置する。複数の配列方向壁22のうち隣り合う配列方向壁22の間の空間に第一被保持部42が圧入される。当該空間は、列間方向内側に開放されている。これにより、第一被保持部42を圧入する際、当該開放された部分を端子40の中間部43(具体的には第一延在部43a)が通過可能になっている。
【0054】
端子保持部21は、外側壁23を有する。
外側壁23は、第一被保持部42に対し、列間方向外側に位置する。外側壁23は、複数の配列方向壁22の列間方向外側端と接続する。
【0055】
端子保持部21は、天壁24を有する。
天壁24は、第一被保持部42及び中間部43の一部に対し、+Z方向に位置する。天壁24は、複数の配列方向壁22の+Z方向側と接続する。天壁24は、外側壁23の+Z方向の端から列間方向内側に延びる。
【0056】
(第二ハウジング30)
次に、第二ハウジング30について詳細に説明する。
【0057】
図3に示すように、第二ハウジング30は、複数の配列方向壁31を有する。
配列方向壁31は、端子40の一部に対し、その配列方向であるX方向の両側に位置する。複数の配列方向壁31のうち隣り合う配列方向壁31の間の空間に第二被保持部44が圧入される。
【0058】
配列方向壁31は、下部配列方向壁31aと、上部配列方向壁31bと、を有する。
上部配列方向壁31bは、列間方向一方側部分と他方側部分とに分離されている。列間方向一方側部分と他方側部分との間には、相手コネクタ(図示省略)の一部が挿入される空間が形成される。
【0059】
第二ハウジング30は、一対の外側壁32を有する。
外側壁32は、端子40の一部に対し、列間方向外側に位置する。外側壁32は、複数の配列方向壁31をその列間方向外側部分で連結する。
【0060】
第二ハウジング30は、複数の配列方向壁31が下方向に延長されて形成された複数の延長壁34を有する。
【0061】
第二ハウジング30は、配列方向連結壁33を有する。
配列方向連結壁33は、複数の下部配列方向壁31a及び複数の延長壁34を配列方向で連結する。
【0062】
(複数の端子40)
図10図11に示すように、信号端子40Sと接地端子40Gとは、一部において構造が異なるが、大部分の構造は同一である。
【0063】
まず、信号端子40S及び接地端子40Gに共通する構造について説明する。共通する構造について説明するときは、単に端子40という。
【0064】
端子40は、接続部41と、第一被保持部42と、中間部43と、第二被保持部44と、接触部45と、を有する。
【0065】
接続部41は、取付対象物Tに接続される。
第一被保持部42は、第一ハウジング20に保持される。
中間部43は、第一被保持部42と第二被保持部44との間に形成された弾性変形可能な部分である。つまり、中間部43は、第一ハウジング20と第二ハウジング30との相対移動を許容する。
第二被保持部44は、第二ハウジング30に保持される。
接触部45は、接続対象物(相手コネクタ、不図示)の端子と接触する。
【0066】
接続部41は、第一被保持部42の下端から列間方向外側に延び、取付対象物Tの面に半田付けされる(図3参照)。
第一被保持部42は、上下方向に延び、第一ハウジング20に対して上方向に圧入される。
中間部43は、第一被保持部42の上端と第二被保持部44の下端とを繋ぐ。
第二被保持部44は、上下方向に延び、第二ハウジング30に対して上方向に圧入される。
接触部45は、列間方向外側から接続対象物の端子に接触する。接触部45は、接点部45aと、接点部45aを弾性支持する弾性支持部45bと、を有する。
【0067】
中間部43は、その延在方向によって、列間方向内側に向けて延びる第一延在部43aと、圧入方向側に向けて延びる第二延在部43bと、に分けることができる。
換言すると、中間部43は、第一延在部43aと、第二延在部43bと、を有する。
【0068】
第一延在部43aは、第一曲部43a1と、列間方向内側に平行な方向に延びる直線部43a2と、第二曲部43a3と、を有する。
【0069】
第二延在部43bは、圧入方向に平行な方向に直線状に延びる第一平行部43b1と、圧入治具を回避するための回避部43b2と、圧入方向と平行な方向に直線状に延びる第二平行部43b3と、を有する。
回避部43b2は、列間方向内側に向かって圧入方向に傾斜する方向に延びる。
【0070】
中間部43には、第一スリット46aが形成される。
第一スリット46aは、中間部43をその板厚方向に貫通する孔であって、中間部43の板幅方向中央を中間部43の延在方向に沿って延びる長孔である。
第一スリット46aは、中間部43における基端付近に形成される。具体的には、第一スリット46aは、第二曲部43a3を跨ぐ一定の範囲に形成される。第一スリット46aによって中間部43の柔軟性が向上する。
【0071】
中間部43には、第二スリット46bが形成される。
第二スリット46bは、中間部43をその板厚方向に貫通する孔であって、中間部43の板幅方向中央を中間部43の延在方向に沿って延びる長孔である。
第二スリット46bは、中間部43における先端付近に形成される。具体的には、第二スリット46bは、回避部43b2を跨ぐ一定の範囲に形成される。第二スリット46bによって中間部43の柔軟性が向上する。
【0072】
第二スリット46bは、第二被保持部44を第二ハウジング30に圧入する際に圧入治具が進入する治具進入空間としても機能する。
【0073】
第二スリット46bの一方側の端は、中間部43の第二平行部43b3に位置する。圧入治具は、第二スリット46bの一方側の端における第二スリット46bの内面に当接する。
【0074】
第二スリット46bの他方側の端は、中間部43の第一平行部43b1に位置する。第一平行部43b1における第二スリット46bの長さ(上下寸法)は、第一平行部43b1の板幅寸法よりも大きい。第二スリット46bのうち第一平行部43b1に形成された部分は、圧入治具が進入する部分ではない。この部分は、専ら、中間部43の柔軟性を向上させるように機能する。
【0075】
次に、信号端子40Sと接地端子40Gとで構造が異なる点について説明する。
【0076】
信号端子40Sと接地端子40Gとでは、中間部43の一部(具体的には、第一平行部43b1の中間部分)の構造が互いに異なる。
すなわち、信号端子40Sの第一平行部43b1には、配置部47が形成される。一方、接地端子40Gの第一平行部43b1には、被取付部48が形成される。
【0077】
図6に示すように、配置部47の板幅寸法は、配置部47に隣接する部分(第一平行部43b1のうち配置部47以外の部分)の板幅寸法よりも小さい。
【0078】
配置部47の列間方向外側の面47aは、配置部47に隣接する部分の列間方向外側の面よりも列間方向内側に窪んでいる。つまり、配置部47が形成された部分には、列間方向内側に窪む凹部47aが形成されているといえる。以下、配置部47の列間方向外側の面47aを凹部47aということがある。
なお、配置部47の列間方向内側の面は、配置部47に隣接する部分の列間方向内側の面と面一である(図10参照)。
【0079】
図7図9に示すように、凹部47aには、絶縁部60が形成される。絶縁部60は、絶縁体で形成される。絶縁部60は、例えば、信号端子40Sをインサート品とするインサート成形によって成形される。
絶縁部60のX方向寸法は、配置部47のX方向寸法と同じである。
絶縁部60のY方向寸法は、凹部47aの窪み量と同じである。このため、絶縁部60の配列方向外側の面は、配置部47に隣接する部分の配列方向外側の面と面一となる。
【0080】
絶縁部60を構成する材料は、ハウジング20,30を構成する材料と同じであってもよいが、異なってもよい。例えば、絶縁部60は、ゴム等の柔軟な材料で構成されてもよい。この場合は、中間部43の変形が絶縁部60によって阻害され難くなる。
【0081】
図6図7に示すように、被取付部48の板幅寸法(X方向寸法)は、被取付部48に隣接する部分(第一平行部43b1のうち被取付部48以外の部分)の板幅寸法と同じである。
【0082】
被取付部48は、凸部48aを有する。凸部48aは、列間方向外側に向けて突出する凸部である。凸部48aは、被取付部48が延びる方向(上下方向)に沿って延びる。凸部48aは、被取付部48の板幅方向中央位置に形成される。凸部48aは、例えば紐出し加工によって作られる。
図9に示すように、凸部48aの突出量(Y方向寸法)は、凹部47aの窪み量よりも大きく、具体的には2倍以上である。
凸部48aの長さ(上下寸法)は、配置部47の長さと略同じである。
【0083】
(接地接続部50)
図5に示すように、一方側接地接続部50と他方側接地接続部50とは、互いに同じ構造である。以下、特に区別しないときは、単に接地接続部50という。
【0084】
接地接続部50は、導電性部材51から構成される。導電性部材51は、板状であり、例えば銅板である。
導電性部材51は、平板状であり、板厚方向を列間方向に向ける。導電性部材51は、矩形であり、端子40の配列方向(X方向)及び被取付部48の延在方向(Z方向)に延在する。
導電性部材51の長さ(Z方向寸法)は、凸部48a及び凹部47aの何れの長さよりも短い(図8参照)。
導電性部材51は、複数の接地端子40Gの被取付部48に取り付けられる。具体的には、導電性部材51は、被取付部48の凸部48aに溶接等(例えばプロジェクション溶接)によって取り付けられる。これにより、接地接続部50は、複数の接地端子40Gの凸部48aに接触した状態となり、かつ、複数の接地端子40Gが接地接続部50を支持することとなる。
【0085】
なお、接地接続部50は、コネクタ10を取付対象物T(基板)に実装する前段階から取り付けられている。そのため、接地接続部50は、リフローの熱に耐えられる部材で構成される。
【0086】
<作用効果>
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0087】
本実施形態では、図1に示すように、コネクタ10は、ハウジング20,30と、複数の端子40S,40Gと、接地接続部50と、を備える。ハウジング20,30は、第一ハウジング20と、第二ハウジング30と、を備える。図10図11に示すように、複数の端子40S,40Gの各々は、第一ハウジング20と第二ハウジング30との相対変位を許容する中間部43を有する。
ここで、図8図9に示すように、複数の端子40S,40Gは、複数の信号端子40Sと、接地接続部50によって電気的に接続された複数の接地端子40Gと、を含む。
このため、信号端子40S間のクロストークが抑制される。
【0088】
更に、本実施形態では、図8図9に示すように、接地接続部50は、複数の接地端子40Gの各々の中間部43に接触する。
このため、クロストーク抑制の効果が高い。
なぜなら、クロストークが起こりやすい中間部43において複数の接地端子40Gを電気的に接続することが、クロストーク抑制に効果的だからである。
【0089】
また、本実施形態では、接地接続部50は、複数の接地端子40Gに支持される。これにより、接地接続部50は、複数の接地端子40Gと一体になっている。
このため、接地接続部50を複数の接地端子40Gとを初めから一体に形成する必要がない。また、接地接続部50が複数の接地端子40Gと一体になっていない態様(後述の他の実施形態参照)と比較して、接地接続部50と接地端子40Gとの電気的接続が解除されにくい。
【0090】
また、本実施形態では、図3に示すように、中間部43は、複数の直線部43a2,43b1,43b3を有する。
ここで、接地接続部50は、複数の直線部43a2,43b1,43b3のうちの最も長い直線部43b1に接触する。
このため、クロストーク抑制の効果が高い。また、接地接続部50が複数の接地端子40Gに支持される場合には、当該支持が容易である。
【0091】
また、本実施形態では、図8図9に示すように、コネクタ10は、接地接続部50と信号端子40Sの中間部43との間に配置される絶縁部60を備える。
このため、接地接続部50と信号端子40Sとの電気的接続が防止される。
【0092】
また、本実施形態においては、絶縁部60の誘電率は、第一ハウジング20及び第二ハウジング30の誘電率とは異なってもよい。
この場合、絶縁部60の誘電率が第一ハウジング20及び第二ハウジング30の誘電率と同じである態様と比較して、絶縁部60の誘電率の自由度が広がり、インピーダンスの調整がしやすい。
【0093】
ところで、絶縁部60が接地接続部50と信号端子40Sの中間部43との間に配置されると、信号端子40Sの中間部43におけるインピーダンスが過剰に低下してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態においては、絶縁部60の誘電率は、第一ハウジング20及び第二ハウジング30の誘電率よりも低くてもよい。
この場合、信号端子40Sの中間部43におけるインピーダンスの過剰低下を抑制できる。
【0094】
ところで、一般に、中間部43は、ハウジング20,30から露出する部分であるため、インピーダンスが高くなりやすい。
そこで、本実施形態においては、絶縁部60の誘電率は、第一ハウジング20及び第二ハウジング30の誘電率よりも高くてもよい。
絶縁部60の誘電率を高くすることで、中間部43のインピーダンスを下げることができる。
【0095】
ところで、信号端子40Sの中間部43と接地接続部50との距離が近いと、信号端子40Sの中間部43におけるインピーダンスが過剰に低下してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、図9に示すように、信号端子40Sの中間部43は、接地接続部50から離れる方向に窪む凹部47aを有する。
このため、信号端子40Sの中間部43と接地接続部50との距離を稼ぐことができる。その結果、インピーダンスの過剰な低下を抑制できる。
【0096】
また、本実施形態では、図9に示すように、絶縁部60は、凹部47aを埋めるように配置される。
このため、絶縁部60の配置が容易である。
【0097】
また、本実施形態では、図8図9に示すように、接地端子40Gの中間部43は、接地接続部50と接触する凸部48aを有する。
このため、接地接続部50と信号端子40Sの中間部43との距離を稼ぐことができる。その結果、インピーダンスの過剰な低下を抑制できる。
【0098】
また、本実施形態では、図9に示すように、接地接続部50は、接地端子40Gの中間部43に溶接される導電性部材51を備える。
このため、接地接続部50の取付が容易である。
【0099】
また、本実施形態では、図3に示すように、接地接続部50は、複数の接地端子40Gの各々の中間部43に、当該中間部43の延在方向において連続した範囲で接触する。特に、本実施形態では、当該範囲は、第一平行部43b1の長さ100%としたとき、30%以上の範囲である。
このため、クロストーク抑制の効果がより一層高い。
【0100】
ところで、本実施形態では、端子40の第二被保持部44を第二ハウジング30に圧入する際には、中間部43の第一平行部43b1に対して列間方向内側に圧入治具が配置される(図3参照)。
そこで、本実施形態では、接地接続部50は、第一平行部43b1に対して列間方向外側に取り付けられる。
このため、第二被保持部44の圧入作業が容易である。
【0101】
<変形例>
次に、図12を用いて、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0102】
図12は、上記実施形態における図9に対応する断面図である。
本変形例の接地端子40の被取付部148は、凸部を有しない。このため、被取付部148の列間方向外側面(接地接続部50が取り付けられる側の面)と絶縁部60の列間方向外側面とは、同一平面上に位置する。
【0103】
本変形例では、接地接続部50は、異方性導電フィルム52と導電性部材51(例えば銅板)とを備える。そして、異方性導電フィルム52は、絶縁部60と接地端子40Gの中間部43とに圧着される。導電性部材51は、異方性導電フィルム52に対して複数の端子40S,40Gの中間部43側とは反対側に配置される。これにより、接地接続部50によって、複数の接地端子40Gが電気的に接続される。
【0104】
<他の実施形態>
次に、図13図17を用いて、本開示のコネクタの他の実施形態について説明する。
上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0105】
図13図14は、他の実施形態に係るコネクタ110を示す。
コネクタ110が備える複数の端子40は、互いに同じ構造を有する。そのため、信号端子40S及び接地端子40Gは、同一の構造となっている。以下、両者を区別しないときは、単に端子40という。
【0106】
図15に示すように、端子40は、接続部41と、第一被保持部42と、中間部43と、第二被保持部44と、接触部45と、を有する。
【0107】
中間部43は、第一被保持部42の上端と第二被保持部44の下端とを繋ぐ。中間部43は、第一折返部43dと、下方延在部43eと、第二折返部43fと、を有する。第一折返部43dでは、中間部43の延在方向が上方向から下方向に折り返される。第二折返部43fでは、中間部43の延在方向が下方向から上方向に折り返される。下方延在部43eは、下方向かつ列間方向内側の斜め方向に直線状に延在する。
【0108】
(接地接続部50)
図16に示すように、接地接続部50は、延在部53と、複数のバネ片54と、を有する。
【0109】
延在部53は、平板状であり、板厚方向を列間方向に向ける。延在部53は、矩形であり、端子40の配列方向であるX方向に延在する。
図17に示すように、延在部53は、第二ハウジング30の列間方向外側面32aに取り付けられる。これにより、第二ハウジング30が接地接続部50を支持することとなる。
【0110】
図16図17に示すように、複数のバネ片54は、複数の端子40のうち接地端子40Gに対応する位置に形成される。そして、複数のバネ片54は、それぞれ、複数の接地端子40Gの中間部43の下方延在部43eに接触する。
【0111】
複数のバネ片54の各々は、延在部53の下端から下方向に延出し、上方向に曲げられており、先端付近に形成された先端側接触部54cで延在部53に接触する。先端側接触部54cは、延在部53に向けて凸となるように曲げられている。バネ片54は、その基端54aから先端54dまで、YZ平面内の方向に伸びる。バネ片54は、基端54aから先端54dにかけて一定の幅(X方向寸法)を有する。
バネ片54のうち基端54aと先端側接触部54cとの間には、接地端子40Gに接触する端子接触部54bが形成される。バネ片54が弾性変形することにより、端子接触部54bは延在部53に対して変位可能になっている。図17に示す基準の状態では、バネ片54は、弾性変形した状態になっている。このため、第一ハウジング20と第二ハウジング30とが相対移動しても、端子接触部54b及び先端側接触部54cの接触状態が維持される。
【0112】
以上説明した他の実施形態でも、接地接続部50が複数の接地端子40Gの各々の中間部43に接触するので、クロストーク抑制の効果が高い。
【0113】
なお、当該他の実施形態は、上記実施形態と異なり、以下の特徴を有する。
・接地接続部50が、複数の接地端子40Gに支持されない。
・接地接続部50が、複数の接地端子40Gと一体になっていない。
・接地接続部50は、複数の接地端子40Gの各々の中間部43に、一点で接触し、当該中間部43の延在方向において連続した範囲で接触しない。
・端子接触部54bから延在部53までの経路が複数(2つ)形成されるので(図17参照)、当該経路が1つのみの態様と比較して接地が強化され、クロストーク抑制の効果が高い。
【0114】
〔上記実施形態の補足説明〕
以上、本開示のコネクタの好適な実施形態について説明したが、本開示はこれに限定されない。以下は念のための補足である。
【0115】
上記実施形態では、第一ハウジング20が、列間方向一方側の端子保持部21と、列間方向他方側の端子保持部21と、のみを備えており、2つの部材に分離されている。しかし、本開示の第一ハウジングは、これに限定されず、1つの部材として形成されてもよい。
【0116】
上記実施形態では、第二ハウジング30における、相手コネクタ(図示省略)の一部が挿入される空間が配列方向両側に開放されている。しかし、本開示の第二ハウジングはこれに限定されない。
【0117】
上記実施形態では、端子40が、ハウジング20,30に圧入されることで保持される。しかし、本開示の端子は、これに限定されず、インサート成形により保持されてもよい。
【0118】
上記実施形態では、接地接続部50が、複数の接地端子40Gや第二ハウジング30に支持される。しかし、本開示の接地接続部は、これに限定されず、例えば、第一ハウジングに支持されてもよい。
【0119】
上記実施形態では、複数の端子40が、GSSGGSSGGSSGの並びで配列されている。しかし、本開示の複数の端子は、これに限定されない。例えば、複数の端子は、GSGGSGの並びで配列されてもよいし、その他の並びで配列されてもよい。
【0120】
上記実施形態では、接地接続部50が、溶接や異方性導電フィルムを介して接地端子に取り付けられる。しかし、接地端子に対する接地接続部の取付方法は、これに限定されず、突刺し、挟圧、巻き付け、圧着、溶着、嵌合、接着など他の方法であってもよい。
【0121】
上記実施形態では、接地接続部50が、第一平行部43b1に対して列間方向外側に取り付けられる。しかし、これに代えて、接地接続部50を、第一平行部43b1に対して列間方向内側に取り付けてもよい。この場合、列間方向一方側の信号端子40Sと列間方向他方側の信号端子40Sとのクロストークを効果的に抑制できる。
【0122】
上記実施形態では、接地接続部50が、板状の導電性部材51である。しかし、本開示の接地接続部は、これに限定されず、例えば、導線、金属テープ、導電性樹脂(導電ゴム)などであってもよい。
【符号の説明】
【0123】
10 コネクタ
20,30 ハウジング
20 第一ハウジング
30 第二ハウジング
40S,40G 端子
40S 信号端子
40G 接地端子
42 第一被保持部
43 中間部
43b1 第一平行部(最も長い直線部)
44 第二被保持部
47 配置部
47a 凹部
48 被取付部
48a 凸部
50 接地接続部
51 導電性部材
52 異方性導電フィルム
60 絶縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17