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特開2024-130472印刷材カートリッジおよび印刷システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130472
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】印刷材カートリッジおよび印刷システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20240920BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B41J2/175 161
B41J2/175 119
B41J2/175 175
B41J2/175 113
B41J2/175 167
B41J2/01 401
B41J2/175 169
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040229
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 和之
(72)【発明者】
【氏名】香月 清輝
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB20
2C056EB44
2C056EB59
2C056EC19
2C056EC26
2C056FA10
2C056KC02
2C056KC04
(57)【要約】
【課題】カートリッジ装着部に印刷材カートリッジを挿入する挿入過程において、印刷材カートリッジに設けられたICタグの情報が、印刷装置に設けられたリーダーライター装置に適切に送信できる技術を提供する。
【解決手段】印刷材カートリッジは、本体部と、印刷材収容部と、印刷材供給部と、電子識別部と、を備え、電子識別部は、印刷材カートリッジを識別する識別情報を含むカートリッジ情報を記憶する情報記憶部と、情報記憶部に記憶されたカートリッジ情報を印刷装置の情報処理装置に提供する情報提供部と、電子識別部の動作を制御する識別部制御部と、を備え、情報提供部は、カートリッジ装着部に印刷材カートリッジを挿入する挿入過程において、印刷装置の情報処理装置により読み取り可能な位置に形成されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置のカートリッジ装着部に挿入することによって装着される印刷材カートリッジであって、
外殻を形成する本体部と、
前記本体部の内部に位置し、前記印刷装置に供給する印刷材を収容する印刷材収容部と、
前記印刷材収容部と連通し、前記カートリッジ装着部の印刷材導入部に前記印刷材を供給する印刷材供給部と、
電子識別部と、を備え、
前記電子識別部は、
前記印刷材カートリッジを識別する識別情報を含むカートリッジ情報を記憶する情報記憶部と、
前記情報記憶部に記憶された前記カートリッジ情報を前記印刷装置の情報処理装置に提供する情報提供部と、
前記電子識別部の動作を制御する識別部制御部と、を備え、
前記情報提供部は、前記カートリッジ装着部に前記印刷材カートリッジを挿入する挿入過程において、前記情報処理装置により取得可能な位置に形成されている、印刷材カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷材カートリッジであって、
前記情報提供部は、前記情報記憶部に記憶された前記カートリッジ情報を表す電子ラベルを表示するラベル表示部であり、
前記識別部制御部は、前記電子ラベルを生成するラベル生成部と、前記ラベル生成部によって生成された前記電子ラベルを前記ラベル表示部に表示させるラベル表示制御部と、を備え、
前記ラベル表示部は、前記挿入過程において、前記情報処理装置により光学的に読み取り可能な位置に形成されている、印刷材カートリッジ。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷材カートリッジであって、
前記情報処理装置により光学的に読み取り可能な前記位置は、前記挿入過程において、前記情報処理装置が前記電子ラベルを読み取るときの光軸方向について前記情報処理装置と対向する位置である、印刷材カートリッジ。
【請求項4】
請求項2に記載の印刷材カートリッジであって、
前記カートリッジ情報は、使用により変化する状態情報を含み、
前記電子識別部は、さらに、前記情報処理装置と無線通信する識別部通信部を備え、
前記識別部制御部は、さらに、前記印刷装置の記憶部である装置記憶部に記憶された前記カートリッジ情報を、前記識別部通信部を介して取得することにより、前記情報記憶部に記憶された前記カートリッジ情報を更新する情報更新部を備え、
前記ラベル生成部は、前記情報記憶部の前記カートリッジ情報が前記情報更新部によって更新された場合に、更新後の前記カートリッジ情報を表す前記電子ラベルを新たに生成し、
前記ラベル表示制御部は、前記ラベル生成部によって新たに生成された更新後の前記電子ラベルを前記ラベル表示部に表示させる、印刷材カートリッジ。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷材カートリッジであって、
前記状態情報は、前記印刷材収容部に収容された前記印刷材の残量を示す残量情報と、前記印刷材カートリッジのリフィル回数を示すリフィル情報と、の少なくとも一方の情報を含む、印刷材カートリッジ。
【請求項6】
請求項2に記載の印刷材カートリッジであって、
前記電子ラベルは、複数の明色セルと複数の暗色セルとの配列パターンに応じて模様と形状とが形成されるコードであり、
前記ラベル表示部は、前記本体部のうち、前記情報処理装置が前記電子ラベルを光学的に読み取るときの光軸方向と直交する第1方向に対して傾斜した傾斜面に形成され、
前記明色セルおよび前記暗色セルの形状はそれぞれ、前記電子ラベルが前記情報処理装置に光学的に読み取られたときに前記カートリッジ情報を判別できる正規の形状となるように、前記情報処理装置との距離が近い部分ほど前記光軸方向と前記第1方向とに直交する第2方向の寸法が前記正規の形状に対して小さく、前記情報処理装置との前記距離が遠い部分ほど前記第2方向の寸法が前記正規の形状に対して大きい形状である、印刷材カートリッジ。
【請求項7】
請求項1に記載の印刷材カートリッジであって、
前記電子識別部は、前記本体部に着脱可能に固定される、印刷材カートリッジ。
【請求項8】
請求項1に記載の印刷材カートリッジであって、
前記情報提供部は、前記情報処理装置と無線通信する識別部通信部である、印刷材カートリッジ。
【請求項9】
印刷システムであって、
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の印刷材カートリッジと、
印刷装置と、
記憶装置と、を備え、
前記印刷装置は、
前記印刷材カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、
前記印刷材カートリッジを識別する識別情報と、前記印刷材カートリッジの使用により変化する状態情報と、を含むカートリッジ情報を取得可能な情報処理装置と、
前記情報処理装置によって取得した前記カートリッジ情報を表示する印刷装置表示部と、を備え、
前記記憶装置は、前記情報処理装置によって前記カートリッジ情報に含まれる前記識別情報と前記状態情報とを対応付けて記憶する、印刷システム。
【請求項10】
請求項9に記載の印刷システムであって、さらに、
前記印刷装置と通信可能に接続され、前記記憶装置を有するサーバー装置を備える、印刷システム。
【請求項11】
印刷システムであって、
請求項3から請求項7までのいずれか一項に記載の印刷材カートリッジと、
印刷装置と、
携帯端末と、を備え、
前記印刷装置は、
前記印刷材カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、
前記印刷材カートリッジを識別する識別情報を含むカートリッジ情報を取得可能な情報処理装置と、
前記情報処理装置によって取得した前記カートリッジ情報を表示する印刷装置表示部と、を備え、
前記携帯端末は、
前記カートリッジ情報を表す電子ラベルを光学的に読み取り可能な端末読取部と、
前記端末読取部により前記電子ラベルを光学的に読み取ることによって得られる前記カートリッジ情報を表示する端末表示部と、を有する、印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷材カートリッジおよび印刷システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、什器に設けられたリーダーライター装置により、ICタグから各ファイルを識別する識別IDを含むファイル情報を読み出すことで、什器内のファイルの収納状況を管理する技術が知られている(特許文献1)。ICタグは、什器に収納された複数のファイルにそれぞれ取り付けられている。この技術では、リーダーライター装置は、ICタグと無線通信することで、ICタグに記憶されたファイル情報を読み出したり、書き換えたりする。そして、ファイル情報は、電子ペーパーによって構成される表示部に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-87151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷装置のカートリッジ装着部に装着される印刷材カートリッジの技術に、従来の技術を用いた場合、カートリッジ装着部に印刷材カートリッジを挿入する挿入過程において、ICタグの情報がリーダーライター装置に適切に送信できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本開示の第1形態によれば、印刷材カートリッジが提供される。印刷装置のカートリッジ装着部に挿入することによって装着される印刷材カートリッジは、外殻を形成する本体部と、前記本体部の内部に位置し、前記印刷装置に供給する印刷材を収容する印刷材収容部と、前記印刷材収容部と連通し、前記カートリッジ装着部の印刷材導入部に前記印刷材を供給する印刷材供給部と、電子識別部と、を備え、前記電子識別部は、前記印刷材カートリッジを識別する識別情報を含むカートリッジ情報を記憶する情報記憶部と、前記情報記憶部に記憶された前記カートリッジ情報を前記印刷装置の情報処理装置に提供する情報提供部と、前記電子識別部の動作を制御する識別部制御部と、を備え、前記情報提供部は、前記カートリッジ装着部に前記印刷材カートリッジを挿入する挿入過程において、前記情報処理装置により取得可能な位置に形成されている。
【0006】
(2)本開示の第2形態によれば、印刷システムが提供される。上記形態に記載の印刷材カートリッジと、印刷装置と、記憶装置と、を備え、前記印刷装置は、前記印刷材カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、前記印刷材カートリッジを識別する識別情報と、前記印刷材カートリッジの使用により変化する状態情報と、を含むカートリッジ情報を取得可能な情報処理装置と、前記情報処理装置によって取得した前記カートリッジ情報を表示する印刷装置表示部と、を備え、前記記憶装置は、前記情報処理装置によって前記カートリッジ情報に含まれる識別情報と状態情報とを対応付けて記憶する。
【0007】
(3)本開示の第3形態によれば、印刷システムが提供される。印刷システムは、上記形態に記載の印刷材カートリッジと、印刷装置と、携帯端末と、を備え、前記印刷装置は、前記印刷材カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、前記印刷材カートリッジを識別する識別情報を含むカートリッジ情報を取得可能な情報処理装置と、前記情報処理装置によって取得した前記カートリッジ情報を表示する印刷装置表示部と、を備え、前記携帯端末は、前記カートリッジ情報を表す電子ラベルを光学的に読み取り可能な端末読取部と、前記端末読取部により前記電子ラベルを光学的に読み取ることによって得られる前記カートリッジ情報を表示する端末表示部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】印刷システムの概略構成を示す図。
図2】カートリッジ装着部の正面図。
図3】カートリッジ装着部と印刷材カートリッジとの概略構成を示す第1図。
図4】カートリッジ装着部と印刷材カートリッジとの概略構成を示す第2図。
図5】情報処理装置の概略構成を示すブロック図。
図6】第1実施形態における印刷材カートリッジの側面図。
図7】第1実施形態における印刷材カートリッジの正面図。
図8】電子識別部の概略構成を示すブロック図。
図9】主制御装置の概略構成を示すブロック図。
図10】携帯端末の概略構成を示すブロック図。
図11】第2実施形態における印刷システムの概略構成を示すブロック図。
図12】管理テーブルの一例を示す図。
図13】第3実施形態における印刷材カートリッジの側面図。
図14】カートリッジ装着部への印刷材カートリッジの挿入過程を示す図。
図15】電子ラベルの読み取り形状と表示形状とを示す図。
図16】電子識別部の印刷材カートリッジへの取付方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
A-1.印刷システムの概略構成:
図1は、印刷システム1の概略構成を示す図である。図1には、互いに直交する3つの空間軸であるXYZ軸が描かれている。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向は、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を示している。X軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を、それぞれ+X方向,+Y方向,+Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸の向いている方向と逆の方向が、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向である。X軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向を、それぞれ-X方向,-Y方向,-Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸に沿った方向で正負を問わないものを、それぞれX方向,Y方向,Z方向と呼ぶ。
【0010】
本実施形態では、印刷システム1の使用状態において、X軸およびY軸が水平面に沿った軸であり、Z軸が重力方向に沿った軸である。つまり、印刷システム1の使用状態とは、印刷システム1を水平面に設置した状態である。以下においては、重力方向を-Z方向とし、反重力方向を+Z方向とする。印刷システム1の前面側から後面側に向かう方向を-Y方向とし、印刷システム1の後面側から前面側に向かう方向を+Y方向とする。また、印刷システム1を前面側である-Y方向側から見たときに、印刷システム1の右面側から左面側に向かう方向を+X方向とし、左面側から右面側に向かう方向を-X方向とする。これ以降に示す図および説明についても同様とする。
【0011】
印刷システム1は、印刷装置10と、印刷装置10に供給する印刷材を収容する印刷材カートリッジ4と、サーバー装置8と、携帯端末9と、を備える。
【0012】
印刷装置10は、印刷用紙や樹脂フィルム、布帛等の媒体Pに印刷材を吐出して画像や文字等を印刷する装置である。本実施形態では、印刷装置10は、印刷材としてのインクをヘッド22から吐出するインクジェットプリンターである。インクは、水性インク、油性インク、ジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体状組成物のいずれかであってもよい。また、印刷材は、液体に限らず、粉末状のトナーであってもよい。
【0013】
印刷装置10は、印刷材カートリッジ4を装着するためのカートリッジ装着部6と、主制御装置3と、駆動機構17と、キャリッジ20と、印刷材カートリッジ4から供給される印刷材を吐出するノズルを備えたヘッド22と、を備える。
【0014】
カートリッジ装着部6には、印刷材カートリッジ4が着脱可能に装着される。カートリッジ装着部6は、+Y方向側に位置する装置前壁606を有する。装置前壁606は、印刷材カートリッジ4の収容室600への出入口である挿抜開口部674を有する。印刷材カートリッジ4は、挿抜開口部674を介して、カートリッジ装着部6の収容室600に挿入されることによって装着される。本実施形態では、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6に対する挿入方向DIは、印刷装置10の前面側から後面側に向かう-Y方向である。また、カートリッジ装着部6に装着された印刷材カートリッジ4の取り外し方向DOは、挿入方向DIとは反対方向の+Y方向である。また、本実施形態では、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクに対応して4種類の印刷材カートリッジ4が1つずつ、すなわち、合計4つの印刷材カートリッジ4K,4C,4M,4Yがそれぞれカートリッジ装着部6に装着されている。複数の印刷材カートリッジ4K,4C,4M,4Yの配列方向は、印刷装置10の右面と左面とが対向するX方向である。なお、カートリッジ装着部6に装着される印刷材カートリッジ4の種類、数、および配置は、これに限られるものではない。
【0015】
カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了した装着完了状態において、印刷材としてのインクは、液体流通管としてのチューブ24を介して、キャリッジ20に設けられたヘッド22に供給される。チューブ24は、インクの種類ごとに設けられている。本実施形態では、印刷装置10から加圧流体が印刷材カートリッジ4内に導入されることで、印刷材カートリッジ4の図示しない液体収容袋からヘッド22にインクが供給される。なお、印刷材カートリッジ4からヘッド22へのインクの供給方法は、これに限られるものではない。インクは、例えば、印刷装置10のポンプ機構によって、印刷材カートリッジ4内から吸引されることで、ヘッド22に供給されてもよい。
【0016】
ヘッド22には、インクの種類ごとにノズルが設けられている。インクは、ノズルから媒体Pに向けて噴射される。本実施形態では、印刷装置10は、カートリッジ装着部6がキャリッジ20の動きとは連動しない、いわゆる「オフキャリッジタイプ」と呼ばれるプリンターである。なお、キャリッジ20にカートリッジ装着部6が設けられ、キャリッジ20と共にカートリッジ装着部6が移動する、いわゆる「オンキャリッジタイプ」と呼ばれるプリンターにも本開示の技術は適用することができる。
【0017】
主制御装置3は、印刷装置10の各部の動作を制御すると共に、印刷材カートリッジ4との信号の授受、および、ユーザー等が所持する携帯端末9との信号の授受を行う。主制御装置3の機能の詳細は、後述する。
【0018】
キャリッジ20は、ヘッド22を媒体Pに対して相対的に移動させる。駆動機構17は、主制御装置3からの制御信号に基づいてキャリッジ20を往復移動させる。駆動機構17は、例えば、タイミングベルト18と、駆動モーター19と、を備える。タイミングベルト18を介して駆動モーター19の動力をキャリッジ20に伝達することによって、キャリッジ20が主走査方向としてのX方向に往復移動する。さらに、印刷装置10は、媒体Pを副走査方向としての+Y方向に移動させるための図示しない搬送機構を備える。印刷が行われる際には、搬送機構によって媒体Pが副走査方向に移動し、前面カバー11上に印刷完了後の媒体Pが出力される。
【0019】
A-2.カートリッジ装着部の詳細構成:
図2は、カートリッジ装着部6の正面図である。図3は、カートリッジ装着部6と印刷材カートリッジ4との概略構成を示す第1図である。図3では、カートリッジ装着部6を-X方向側の装置第2側壁605側から見た状態を示している。また、図3では、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4が装着完了状態となる前の時点における印刷材カートリッジ4およびカートリッジ装着部6を示している。詳細には、図3では、挿入方向DIに沿ったY方向において、印刷材カートリッジ4を収容室600の中央部まで挿入したときの状態を模式的に図示している。図4は、カートリッジ装着部6と印刷材カートリッジ4との概略構成を示す第2図である。図4では、装着完了状態における印刷材カートリッジ4およびカートリッジ装着部6を示している。図3および図4には、印刷材カートリッジ4の装着完了状態におけるXYZ軸を付すと共に、可動部611~613にハッチングを付している。なお、図4では、印刷材導入部63および印刷材供給部43の図示は省略している。
【0020】
カートリッジ装着部6は、印刷材カートリッジ4の種類ごとに設けられる。本実施形態では、印刷装置10は、4つの印刷材カートリッジ4K,4C,4M,4Yのそれぞれが装着される4つのカートリッジ装着部6K,6C,6M,6Yを備える。
【0021】
各カートリッジ装着部6は、図1に示すように、印刷材カートリッジ4を収容する収容室600を有する。本実施形態では、収容室600は、図2および図3に示すように、略直方体形状である。カートリッジ装着部6について、X方向は幅方向であり、Y方向は奥行方向であり、Z方向は高さ方向である。カートリッジ装着部6は、収容室600を形成する6つの壁601~606として、装置後壁601と、装置上壁602と、装置底壁603と、装置第1側壁604と、装置第2側壁605と、装置前壁606と、を備える。なお、本開示において「壁」とは、単一の壁に加えて、複数の壁によって構成される壁を含む概念である。
【0022】
装置前壁606は、図1および図3に示すように、収容室600に印刷材カートリッジ4を挿入したり取り外したりする際に通過させる挿抜開口部674を形成する。装置後壁601は、図3に示すように、Y方向において装置前壁606と対向し、収容室600の-Y方向側の壁を形成する。装置前壁606と装置後壁601とはそれぞれ、印刷システム1の使用状態において、X方向およびY方向に沿った水平面に概ね垂直な壁である。装置上壁602は、収容室600の+Z方向側の壁を形成する。装置底壁603は、Z方向において装置上壁602と対向し、収容室600の-Z方向側の壁を形成する。装置上壁602と装置底壁603とはそれぞれ、装置後壁601と、装置前壁606と、に交差する。装置上壁602と装置底壁603とはそれぞれ、印刷システム1の使用状態において、X方向およびY方向に沿った水平面と概ね平行な壁である。また、装置第1側壁604は、図2に示すように、収容室600の+X方向側の壁を形成する。装置第2側壁605は、X方向において装置第1側壁604と対向し、収容室600の-X方向側の壁を形成する。装置第1側壁604と装置第2側壁605とはそれぞれ、装置後壁601と、装置前壁606と、装置上壁602と、装置底壁603と、に交差する。装置第1側壁604と装置第2側壁605とはそれぞれ、印刷システム1の使用状態において、X方向およびY方向に沿った水平面に概ね垂直な壁である。なお、本開示において、「交わる」や「交差する」とは、以下の状態(i)~(iii)のいずれかであることを意味する。
(i)2つの構成要素が相互に交差し実際に交わる状態
(ii)一方の構成要素を延ばした場合に他方の構成要素に交わる状態
(iii)相互の構成要素をそれぞれ延ばした場合に互いの構成要素が交わる状態
【0023】
図3に示すように、カートリッジ装着部6は、さらに、規制機構69と、装置側第1位置決め部682と、装置側第2位置決め部684と、印刷材導入部63と、加圧部686と、装置側係合部620と、可動ユニット610と、を備える。
【0024】
規制機構69は、図1に示す印刷材カートリッジ4と係合することで、印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、印刷材カートリッジ4が取り外し方向DOである+Y方向側に移動することを規制する。規制機構69は、図3に示すように、装置上壁602に配置されている。規制機構69は、レバーであり、操作部691と、装置側規制部692と、バネ部材698と、回転軸部699と、を有する。操作部691は、ユーザーが操作可能となるようにカートリッジ装着部6の外側に露出している。操作部691は、規制機構69の一端部に位置する。装置側規制部692は、規制機構69の他端部に位置する。装置側規制部692は、装置上壁602側から収容室600側に突出する突起である。カートリッジ装着部6の内側である収容室600側に装置側規制部692が配置されるように、バネ部材698は、装置側規制部692を付勢する。
【0025】
装置側第1位置決め部682と装置側第2位置決め部684とはそれぞれ、装置後壁601から取り外し方向DOである+Y方向に延びる柱状部材である。装置側第1位置決め部682は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ側第1位置決め部482と対になる位置決め部材である。本実施形態では、装置側第1位置決め部682は、カートリッジ装着部6の高さ方向であるZ方向における中央部よりも装置上壁602側に位置する。装置側第2位置決め部684は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ側第2位置決め部484と対になる位置決め部材である。本実施形態では、装置側第2位置決め部684は、Z方向において、加圧部686よりも装置底壁603側に位置する。なお、カートリッジ装着部6における装置側位置決め部682,684の形成数および形成位置は、これに限られるものではない。
【0026】
印刷材導入部63は、印刷材カートリッジ4の印刷材供給部43内に挿入されることで、印刷材供給部43に接続される。印刷材導入部63には、印刷材供給部43から供給された印刷材としてのインクが導入される。具体的には、印刷材導入部63の+Y方向側の端部である先端部63aに形成された開口を介して、印刷材導入部63内にインクが導入される。印刷材導入部63に導入されたインクは、印刷材導入部63から図1に示すチューブ24を通ってヘッド22に流動する。本実施形態では、図3に示すように、印刷材導入部63は、内部にインクが流れる流路が形成された流路管であり、装置後壁601から取り外し方向DOである+Y方向に延びる筒状部材である。本実施形態では、印刷材導入部63の中心軸CLは、Y軸と平行である。なお、本実施形態では、図2に示すように、印刷材導入部63は、カートリッジ装着部6の幅方向であるX方向と高さ方向であるZ方向とにおける中央部に形成されているが、印刷材導入部63の形成位置は、これに限られるものではない。また、印刷材導入部63は、例えば、内部にインクが流れる流路が形成された流路針であってもよい。
【0027】
図2および図3に示す加圧部686は、印刷材カートリッジ4に収容されたインクを図1に示すヘッド22に供給するための加圧流体を流通させる筒状の部材である。加圧流体は、例えば、加圧空気であり、印刷装置10に設けられた図示しない加圧機構によって生成される。加圧部686は、印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、印刷材カートリッジ4内に加圧流体を供給する。本実施形態では、加圧部686は、装置後壁601から取り外し方向DOである+Y方向側に延びる。なお、本実施形態では、加圧部686は、カートリッジ装着部6の高さ方向であるZ方向において、印刷材導入部63と装置側第2位置決め部684との間に形成されているが、加圧部686の形成位置は、これに限られるものではない。
【0028】
図3に示す装置側係合部620は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ側係合部420と対になる、印刷材カートリッジ4の誤挿入を防止するための部材である。装置側係合部620は、カートリッジ装着部6の収容室600に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かを物理的に判定するための係合部材である。装置側係合部620は、例えば、カートリッジ装着部6の収容室600に正しいインク色の印刷材カートリッジ4が挿入されたか否かを判定するために用いられる。
【0029】
装置側係合部620のパターンは、装着される印刷材カートリッジ4の種類に応じて異なる。詳細には、図2に示すように、各カートリッジ装着部6K,6C,6M,6Yの装置側係合部620K,620C,620M,620Yはそれぞれ、少なくとも1つ以上の突起状のリブによって形成されている。各装置側係合部620において、リブの形成数と形成位置とによって定まるパターンが、収容室600に装着される印刷材カートリッジ4の種類に応じて異なる。本実施形態では、装置側係合部620Kは、図3に示すように、装置後壁601側から装置前壁606側に向かう+Y方向側にベース部630から突出した2つのリブである装置側第1係合部621と、装置側第2係合部622と、によって構成される。なお、装置側係合部620の形成数および形成位置は、これに限られるものではない。装置側係合部620は、カートリッジ装着部6に印刷材カートリッジ4を挿入する挿入過程において、印刷材カートリッジ4のカートリッジ側係合部420と係合可能な位置に形成されていればよい。
【0030】
図3に示す可動ユニット610は、カートリッジ装着部6の収容室600に挿入された印刷材カートリッジ4の挿入方向DIにおける移動量を取得するための部材である。本実施形態では、可動ユニット610は、3つの可動部611~613と、測定機構619と、を備える。可動部611~613は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4の突出部410によって押圧された場合に、挿入方向DIである+Y方向側に押し込まれる。可動部611~613には、取り外し方向DOである+Y方向に突出するように可動部611~613を付勢する付勢部材618が取り付けられている。本実施形態では、装置側係合部620と可動部611~613とは、ベース部630を介して一体に形成されている。換言すると、可動部611~613は、装置側係合部620の形成領域FAに位置する。なお、可動部611~613は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4の突出部410により押圧可能な位置に形成されていればよく、装置側係合部620の形成領域FAとは異なる領域に形成されてもよい。
【0031】
3つの可動部611~613は、第1可動部611、第2可動部612、および第3可動部613である。第1可動部611および第2可動部612は、カートリッジ装着部6の高さ方向であるZ方向において、装置側第1位置決め部682と印刷材導入部63との間に形成されている。このとき、第1可動部611は、Z方向において、第2可動部612よりも装置側第1位置決め部682側に位置する。第2可動部612は、Z方向において、印刷材導入部63側に位置する。第3可動部613は、Z方向において、装置側第1係合部621と装置側第2係合部622との間に位置する。なお、可動ユニット610における可動部611~613の形成数および形成位置は、これに限られるものではない。
【0032】
測定機構619は、後述する突出部410の押圧により押し込まれた可動部611~613の押込量、すなわち、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量LDを測定する。測定機構619は、例えば、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量LDを測定可能なストロークセンサーである。図3および図4に示す例では、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量LDは、図3に示す第1距離L1から図4に示す第2距離L2を差し引いた距離LDに相当する。第1距離L1は、可動部611~613が突出部410によって押圧されていない状態、すなわち、可動部611~613と突出部410とが接触していない状態において、ベース部630から露出している可動部611~613のY方向における寸法である。第2距離L2は、可動部611~613が突出部410によって押圧されている状態において、ベース部630から露出している可動部611~613のY方向における寸法である。
【0033】
カートリッジ装着部6は、さらに、情報処理装置65を備える。図5は、情報処理装置65の概略構成を示すブロック図である。情報処理装置65は、印刷材カートリッジ4に関する情報であるカートリッジ情報Jを、印刷材カートリッジ4と接触することなく取得する読み取り機能を少なくとも有する。
【0034】
カートリッジ情報Jは、少なくとも識別情報J1を含む。識別情報J1は、例えば、印刷材カートリッジ4の種類、印刷材カートリッジ4の型番、印刷材カートリッジ4の製造ロット番号、適合機種の品番等の情報である。適合機種は、印刷材カートリッジ4に適合するカートリッジ装着部6を備えた印刷装置10、すなわち、印刷材カートリッジ4が使用可能な印刷装置10を指す。なお、識別情報J1には、印刷材カートリッジ4の製造ロット番号に代えて、印刷材カートリッジ4を区別するために印刷材カートリッジ4ごとに割り振られたカートリッジIDが含まれてもよい。
【0035】
本実施形態では、カートリッジ情報Jは、識別情報J1に加えて、印刷材カートリッジ4の使用により変化する状態情報J2を含む。状態情報J2は、識別情報J1と対応付けて記憶されている。状態情報J2は、残量情報J21と、リフィル情報J22と、の少なくとも一方の情報を含む。残量情報J21は、印刷材カートリッジ4の印刷材収容部450に収容された印刷材としてのインクの残量を示す情報である。リフィル情報J22は、印刷材カートリッジ4のリフィル回数を示す情報である。リフィル回数は、回収された使用済みの印刷材カートリッジ4における印刷材収容部450への印刷材の補充ないし印刷材収容部450の交換を経ることにより、特定の印刷材カートリッジ4が繰り返し使用された回数である。なお、カートリッジ情報Jは、識別情報J1および状態情報J2に加えて、印刷材カートリッジ4を使用するユーザーへの注意事項や印刷材カートリッジ4の装着手順を示す取扱情報等を含んでもよい。
【0036】
本実施形態では、情報処理装置65は、印刷材カートリッジ4の電子識別部45に設けられたラベル表示部452aに表示された電子ラベルLを光学的に読み取ることで、電子ラベルLに記録されたカートリッジ情報Jを取得する。本実施形態では、電子ラベルLは、後述の図7に示すように、複数の明色セルBと複数の暗色セルDとの配列パターンに応じて模様と形状とが形成される、マトリクス型2次元コードの一例であるQRコード(登録商標、以下省略)である。よって、情報処理装置65は、印刷材カートリッジ4の電子ラベルLを光学的に読み取る撮像部651と、撮像部651によって撮像された電子ラベルLの撮像画像を処理する画像処理部653aを有する処理装置CPU653と、を備える。つまり、本実施形態では、情報処理装置65は、QRコードリーダーと同様の機能を有する。
【0037】
撮像部651は、例えば、電子ラベルLを撮像するCMOSセンサーである。撮像部651は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、電子ラベルLを光学的に読み取り可能な位置に形成される。本実施形態では、図3に示すように、撮像部651は、Z方向において、装置側第1位置決め部682と装置上壁602との間に形成されている。撮像部651が電子ラベルを読み取るときの光軸方向DLであるY方向における電子ラベルと撮像部651との距離が図3および図4に示す撮像部651の焦点距離FLとなったときに、撮像部651は、印刷材カートリッジ4のラベル表示部452aに表示された電子ラベルLを撮像する。これにより、撮像部651は、電子ラベルLを光学的に読み取る。なお、可変焦点レンズ等により、焦点距離FLは、可変であってもよい。また、撮像部651は、電子ラベルLを撮像するときに、電子ラベルLに照明光を照射する図示しない照射部を備えてもよい。
【0038】
図5に示す画像処理部653aは、例えば、電子ラベルLを撮像した撮像画像を取り込んで2値化処理する。そして、画像処理部653aは、2値化処理した2値画像に含まれるコードを、予め定められたコードの規格に従ってデコードすることによって、電子ラベルLに記録された元データとしてのカートリッジ情報Jを取得する。画像処理部653aは、取得したカートリッジ情報Jを主制御装置3に送信する。なお、情報処理装置65の機能の少なくとも一部は、主制御装置3の一機能として実現されてもよい。
【0039】
さらに、本実施形態では、情報処理装置65は、印刷装置10の記憶部である印刷装置記憶部に記憶されたカートリッジ情報Jを、印刷材カートリッジ4の後述する電子識別部45に送信することで、電子ラベルLの表示内容を更新する書き換え機能を有する。よって、情報処理装置65は、さらに、電子識別部45の通信部である識別部通信部455と無線通信する処理装置通信部655を備える。そして、処理装置CPU653は、さらに、電子ラベルLの表示内容を更新させる更新指示部653bを有する。
【0040】
なお、他の実施形態では、情報処理装置65は、処理装置通信部655を介した識別部通信部455との無線通信により、カートリッジ情報Jを取得してもよい。つまり、情報処理装置65は、電子識別部45に記憶されているカートリッジ情報Jの読み出しおよび書き換えが可能なリーダーライター装置と同様の機能を有してもよい。この場合、電子識別部45の情報提供部452は、識別部通信部455である。
【0041】
更新指示部653bは、印刷装置記憶部に記憶されたカートリッジ情報Jを電子識別部45に送信することで電子ラベルLの表示内容を更新するための更新指示を処理装置通信部655に送信する。処理装置通信部655は、更新指示を受信した場合に、カートリッジ情報Jを電波や磁界に乗せて、電子識別部45に送信する。つまり、処理装置通信部655は、情報処理装置65のアンテナとして機能する。
【0042】
図1に示すように、印刷装置10は、さらに、ユーザーに対して各種情報を提示する報知部を備える。本実施形態では、報知部は、印刷装置表示部15である。印刷装置表示部15は、情報処理装置65により電子ラベルを光学的に読み取ることによって得られるカートリッジ情報等の各種情報を表示する。印刷装置表示部15は、例えば、印刷装置10の外面に設けられた液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。そして、印刷装置表示部15は、例えば、装着された印刷材カートリッジ4のインク色、型番等を、それぞれの装着位置が分かるように表示してもよい。なお、印刷装置表示部15は、視覚的に情報を表示する機能に加えて、タッチパネルのように、ユーザーからの指示を受け付ける入力操作部としての機能を備えてもよい。また、報知部は、例えば、ユーザーに対して各種情報を音声メッセージとして聴覚的に提示したり、警告音や通知音を発したりするスピーカーであってもよい。
【0043】
A-3.印刷材カートリッジの詳細構成:
図6は、第1実施形態における印刷材カートリッジ4の側面図である。図6では、印刷材カートリッジ4をカートリッジ第1側壁404側から見た状態を示している。図7は、第1実施形態における印刷材カートリッジ4の正面図である。図7では、印刷材カートリッジ4をカートリッジ後壁401側から見た状態を示している。
【0044】
印刷材カートリッジ4は、図6に示すように、外殻を形成する本体部40と、本体部40の内部に位置する印刷材収容部450と、印刷材収容部450に収容した印刷材を外部に排出させる印刷材供給部43と、加圧流体を受け入れる流体受部46と、を備える。図5に示すように、印刷材カートリッジ4の外形、すなわち、本体部40の形状は、略直方体形状である。印刷材カートリッジ4について、X方向は幅方向、Y方向は奥行方向、Z方向は高さ方向である。本実施形態では、印刷材カートリッジ4の外形について、Y方向の寸法が最も大きく、Z方向の寸法、X方向の寸法の順に小さい。
【0045】
本体部40は、例えば、合成樹脂により形成されている。本体部40は、図6および図7に示すように、カートリッジ前壁406と、カートリッジ後壁401と、カートリッジ上壁402と、カートリッジ底壁403と、カートリッジ第1側壁404と、カートリッジ第2側壁405と、を備える。カートリッジ前壁406は、図6に示すように、本体部40の+Y方向側の壁を形成する。カートリッジ後壁401は、Y方向においてカートリッジ前壁406と対向し、本体部40の-Y方向側の壁を形成する。カートリッジ後壁401は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6からの挿入方向DI側に位置する壁である。図7に示すように、カートリッジ前壁406とカートリッジ後壁401とは、印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、X方向およびY方向に沿った水平面に概ね垂直な壁である。
【0046】
カートリッジ後壁401は、印刷材供給部43が配置される配置孔434と、流体受部46が配置される配置凹部461と、を有する。配置孔434は、Y方向に沿ったカートリッジ後壁401の厚み方向にカートリッジ後壁401を貫通する孔である。本実施形態では、配置孔434は、カートリッジ後壁401のうちで、印刷材カートリッジ4の幅方向であるX方向および印刷材カートリッジ4の高さ方向であるZ方向の中心を含む位置に配置されている。配置凹部461は、カートリッジ後壁401のうちで、配置孔434よりも、-Z方向側かつ-X方向側に配置されている。配置凹部461は、少なくとも-Y方向側が開口している。
【0047】
カートリッジ上壁402は、本体部40の+Z方向側の壁を形成する。カートリッジ底壁403は、Z方向においてカートリッジ上壁402と対向し、本体部40の-Z方向側の壁を形成する。カートリッジ上壁402とカートリッジ底壁403とはそれぞれ、カートリッジ後壁401と、カートリッジ前壁406と、に交差する。カートリッジ上壁402とカートリッジ底壁403とは、印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、X方向およびY方向に沿った水平面と概ね平行な壁である。
【0048】
カートリッジ第1側壁404は、本体部40の+X方向側の壁を形成する。カートリッジ第2側壁405は、X方向においてカートリッジ第1側壁404と対向し、本体部40の-X方向側の壁を形成する。カートリッジ第1側壁404とカートリッジ第2側壁405とはそれぞれ、カートリッジ後壁401と、カートリッジ上壁402と、カートリッジ底壁403と、カートリッジ前壁406と、に交差する。図4に示すように、カートリッジ第1側壁404とカートリッジ第2側壁405とは、印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、X方向およびY方向に沿った水平面に概ね垂直な壁である。
【0049】
図6に示す印刷材収容部450は、印刷装置10に供給する印刷材を収容する容器である。本実施形態では、印刷材収容部450は、可撓性を有する袋状のフィルムによって形成されたインクパックである。印刷材収容部450は、インクの消費と共に容積が減少する。なお、印刷材収容部450の構成は、これに限られるものではない。印刷材収容部450は、印刷材を収容できる構成であればよく、例えば、本体部40の内部空間によって形成されてもよい。
【0050】
印刷材供給部43は、印刷材収容部450に収容された印刷材としてのインクをカートリッジ装着部6の印刷材導入部63に供給するための部材である。印刷材供給部43の一端には、印刷材収容部450に収容されたインクを外部に流出させることで、印刷装置10に印刷材を供給する供給口431が取り付けられている。印刷材供給部43は、供給口431を介して、印刷材収容部450と連通する。本実施形態では、供給口431は、配置孔434に配置されている。
【0051】
図7に示す流体受部46は、本体部40の外部と内部とを連通させる。流体受部46は、加圧部686から供給される加圧流体を受け入れる。流体受部46は、配置凹部461のうちで、+Y方向側の凹部底面465から-Y方向に延びる筒状部材である。流体受部46は、印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、カートリッジ装着部6の加圧部686内に挿入されることで、加圧部686と接続される。これにより、流体受部46は、加圧部686から供給される加圧流体を受ける。流体受部46に供給された加圧流体は、本体部40内に導入されて本体部40内を加圧することで、印刷材収容部450を外側から加圧する。これにより、印刷材収容部450に収容されたインクが供給口431を介して印刷材導入部63に供給される。なお、印刷材カートリッジ4は、印刷材収容部450の構成に応じて、流体受部46の代わりに、本体部40の内部と外部とを連通させる大気連通孔等を備えてもよい。
【0052】
図3および図4に示すように、印刷材カートリッジ4は、さらに、カートリッジ側規制部492と、カートリッジ側第1位置決め部482と、カートリッジ側第2位置決め部484と、カートリッジ側係合部420と、突出部410と、を備える。
【0053】
カートリッジ側規制部492は、図7に示すように、収容室600側に突出した突起状の装置側係合部620を受け入れる凹部である。印刷材カートリッジ4の装着完了状態において、装置側規制部692とカートリッジ側規制部492とは係合している。一方で、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程においては、装置側規制部692とカートリッジ側規制部492とは係合することなく、互いに干渉しない位置関係を維持する。
【0054】
カートリッジ側第1位置決め部482は、装置側第1位置決め部682を受け入れ可能な孔である。つまり、カートリッジ側第1位置決め部482は、装置側第1位置決め部682と対応する位置に形成されている。カートリッジ側第2位置決め部484は、装置側第2位置決め部684を受け入れ可能な孔である。つまり、カートリッジ側第2位置決め部484は、装置側第2位置決め部684と対応する位置に形成されている。
【0055】
なお、本実施形態では、装置側位置決め部682,684が凸状部材であり、カートリッジ側位置決め部482,484が装置側位置決め部682,684を受け入れる凹状部材であるが、これに限られるものではない。例えば、カートリッジ側位置決め部482,484が凸状部材であり、装置側位置決め部682,684が、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、カートリッジ側位置決め部482,484を受け入れる凹状部材であってもよい。
【0056】
カートリッジ側係合部420は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、装置側係合部620と係合する。本実施形態では、カートリッジ側係合部420は、カートリッジ後壁401から装置側第1位置決め部682の突出方向と同じ+Y方向に窪んだ、装置側係合部620を受け入れるための凹部である。以下において、カートリッジ側係合部420が形成された面を形成面とも呼ぶ。本実施形態では、形成面は、カートリッジ後壁401の外表面である。なお、形成面は、平面であってもよく、後述の図17に示すような傾斜面407aを有していてもよく、図6に示すような凹凸を有する面であってもよい。本実施形態では、カートリッジ側係合部420と供給口431とはいずれも、同一の面である形成面に形成されている。
【0057】
図2に示すように、カートリッジ側係合部420の形状は、印刷材カートリッジ4の種類に応じて異なる。本実施形態では、カートリッジ側係合部420は、カートリッジ側第1係合部421と、カートリッジ側第2係合部422と、によって構成される。カートリッジ側第1係合部421は、カートリッジ後壁401から装置側第1係合部621の突出方向と同じ+Y方向に窪んだ、装置側第1係合部621を受け入れるための凹部である。カートリッジ側第2係合部422は、カートリッジ後壁401から装置側第2係合部622の突出方向と同じ+Y方向に窪んだ、装置側第2係合部622を受け入れるための凹部である。
【0058】
なお、カートリッジ側係合部420は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、装置側係合部620と係合可能な位置に形成されていればよく、カートリッジ側係合部420の形成数および形成位置は、これに限られるものではない。また、本実施形態では、図7装置側係合部620が凸状部材であり、カートリッジ側係合部420が装置側係合部620を受け入れる凹状部材であるが、これに限られるものではない。例えば、カートリッジ側係合部420が凸状部材であり、装置側係合部620がカートリッジ側係合部420を受け入れる凹状部材であってもよい。すなわち、カートリッジ側第1係合部421が凸状部材であり、装置側第1係合部621がカートリッジ側第1係合部421を受け入れる凹状部材であってもよい。このとき、装置側第2係合部622は凸状部材であり、カートリッジ側第2係合部422は装置側第2係合部622を受け入れる凹状部材であってもよい。
【0059】
突出部410は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、カートリッジ装着部6の可動部611~613と接触して可動部611~613を押圧することで、可動部611~613を挿入方向DIである-Y方向側に押し込む。突出部410は、挿入方向DIである-Y方向に延びるリブである。本実施形態では、カートリッジ側係合部420と突出部410とは、一体に形成されている。換言すると、突出部410は、カートリッジ側係合部420の形成領域FAに位置する。なお、突出部410は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、可動部611~613を押圧可能な位置に形成されていればよく、カートリッジ側係合部420の形成領域FAとは異なる領域に形成されてもよい。
【0060】
本実施形態では、突出部410は、第1突出部411と、第2突出部412と、第3突出部413と、によって構成される。第1突出部411と第2突出部412と第3突出部413とは、印刷材カートリッジ4の高さ方向であるZ方向において、この順に設けられている。具体的には、第1突出部411は、Z方向において、カートリッジ側第1位置決め部482側に設けられた2つの凹部418,419の間に形成されている。2つの凹部418,419は、第1凹部418と、第1凹部418よりも-Z方向側に位置する第2凹部419である。第1凹部418と第2凹部419とはいずれも、カートリッジ後壁401から取り外し方向DOである+Y方向側に窪んでいる。第2突出部412は、第2凹部419とカートリッジ側第1係合部421との間に形成されている。第3突出部413は、カートリッジ側第1係合部421とカートリッジ側第2係合部422との間に形成されている。
【0061】
印刷材カートリッジ4は、さらに、電子識別部45を備える。図8は、電子識別部45の概略構成を示すブロック図である。電子識別部45は、カートリッジ情報Jを記憶する情報記憶部451と、情報記憶部451に記憶したカートリッジ情報Jを情報処理装置65等の他の装置に提供する情報提供部452と、電子識別部45の動作を制御する識別部制御部453と、を少なくとも備える。印刷材カートリッジ4の使用開始時において、情報記憶部451には、少なくとも識別情報J1がカートリッジ情報Jとして記憶されている。つまり、一度も使用されていない新品の印刷材カートリッジ4に設けられた電子識別部45の情報記憶部451には、少なくとも識別情報J1が記憶されている。
【0062】
本実施形態では、情報記憶部451、識別部制御部453、および識別部通信部455は、電子識別部45の外殻を形成する図7に示すケース部459の内部に収容されている。そして、ケース部459は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ後壁401に固定されている。また、本実施形態では、情報提供部452は、電子ラベルLを表示するラベル表示部452aである。ラベル表示部452aは、いわゆる電子ペーパーである。図3および図4に示すように、ラベル表示部452aは、ケース部459の外面に設けられ、カートリッジ装着部6に印刷材カートリッジ4を挿入する挿入過程において、情報処理装置65の撮像部651により光学的に読み取り可能な位置に形成されている。情報処理装置65の撮像部651により光学的に読み取り可能な位置は、挿入過程において、撮像部651がラベル表示部452aに表示された電子ラベルLを読み取るときの光軸方向DLについて、撮像部651と対向する位置である。具体的には、本実施形態では、レンズの光軸方向DLは、Y方向である。そのため、ラベル表示部452aは、印刷材カートリッジ4のカートリッジ後壁401のうちで、カートリッジ上壁402側、かつ、カートリッジ第2側壁405側に形成されている。つまり、カートリッジ側係合部420と、供給口431と、電子識別部45とはいずれも、同一の面である形成面に形成されている。
【0063】
さらに、本実施形態では、電子識別部45は、図5に示す情報処理装置65の処理装置通信部655と無線通信する識別部通信部455を備える。図8に示す識別部通信部455は、情報処理装置65から電波や磁界に乗せて送信されたカートリッジ情報Jを受信する。本実施形態では、処理装置通信部655から識別部通信部455に向けて電波が発せられた場合、例えば、整流により、識別部通信部455に電力が発生する。また、処理装置通信部655から識別部通信部455に向けて磁界が発せられた場合、例えば、共振により、識別部通信部455に電力が発生する。この発生した電力により、情報記憶部451を動作させ、図示しない制御回路を動作させることで、識別部制御部453として機能する。
【0064】
識別部制御部453は、電子ラベルLを生成するラベル生成部453aと、ラベル生成部453aによって生成された電子ラベルLをラベル表示部452aに表示させるラベル表示制御部453bと、を備える。さらに、本実施形態では、識別部制御部453は、情報更新部453cを備える。情報更新部453cは、印刷装置記憶部に記憶されたカートリッジ情報Jを、識別部通信部455を介して取得することにより、情報記憶部451に記憶されたカートリッジ情報Jを更新する。詳細には、情報更新部453cは、情報処理装置65からカートリッジ情報Jを受信した場合に、情報記憶部451に記憶されたカートリッジ情報Jを更新する。そして、ラベル生成部453aは、情報記憶部451のカートリッジ情報Jが情報更新部453cによって更新された場合に、更新後のカートリッジ情報Jを表す電子ラベルLを新たに生成する。そして、ラベル表示制御部453bは、ラベル生成部453aによって新たに生成された更新後の電子ラベルLをラベル表示部452aに表示させる。このようにして、識別部制御部453は、電子ラベルLの表示内容を書き換える。つまり、本実施形態では、電子識別部45は、ラベル表示部452aによって電子ラベルLを表示するラベル表示機能と、情報処理装置65との無線通信によって主制御装置3と情報を授受することで電子ラベルLを更新するラベル更新機能と、を有する。換言すると、本実施形態の電子識別部45は、いわゆるRFタグにラベル表示部452aを設けた構成であり、情報処理装置65と電子識別部45とは、いわゆるRFID(Radio Frequency IDentification)として機能する。
【0065】
A-4.印刷材カートリッジの着脱方法の説明:
カートリッジ装着部6に印刷材カートリッジ4を装着する際、ユーザーは、カートリッジ後壁401と装置後壁601とが対向する状態で、挿抜開口部674から収容室600内に向けて、印刷材カートリッジ4を挿入方向DIに押し進める。これにより、図7に示すように、印刷材カートリッジ4が挿抜開口部674から収容室600内に挿入される。このとき、本実施形態では、装置側第1位置決め部682と装置側第2位置決め部684とはそれぞれ、装置側係合部620よりも+Y方向側に延びている。つまり、装置側第1位置決め部682の先端部682aと装置側第2位置決め部684の先端部684aとはそれぞれ、装置側第1係合部621の先端部621aおよび装置側第2係合部622の先端部622aよりも+Y方向側に位置する。そのため、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、装置側位置決め部682,684は、装置側係合部620とカートリッジ側係合部420とが係合する前にカートリッジ側位置決め部482,484に案内される。詳細には、装置側第1位置決め部682は、カートリッジ側第1位置決め部482に収容される。装置側第2位置決め部684は、カートリッジ側第2位置決め部484に収容される。これにより、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の位置決めがなされて、挿入方向DIと直交するX方向およびZ方向における印刷材カートリッジ4の移動が規制される。
【0066】
印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の位置決めがなされた後に、カートリッジ側係合部420と装置側係合部620との係合が開始される。図7に示すように、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、カートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に挿入された場合は、装置側係合部620とカートリッジ側係合部420とが衝突することなく嵌まり合うようにして係合する。一方で、図示しないが、カートリッジ装着部6に適合しない印刷材カートリッジ4、例えば、異なるインク色の印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に挿入された場合は、装置側係合部620とカートリッジ側係合部420とが係合することなく衝突する。そして、装置側係合部620とカートリッジ側係合部420との衝突により、更なる印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入が阻害される。このようにして、カートリッジ装着部6の収容室600に挿入された印刷材カートリッジ4について、カートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かが判定される。
【0067】
また、図7に示すように、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4を挿入方向DIに押し進めることで、突出部410の先端部411a~413aと可動部611~613の先端部611a~613aとが接触する。そして、可動部611~613が突出部410によって押圧されることで、可動部611~613は、付勢部材618による+Y方向への付勢力に抗して、挿入方向DIである-Y方向側に押し込まれる。このとき、測定機構619は、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量LDを測定する。測定機構619によって測定された可動部611~613の挿入方向DIへの移動量LDは、主制御装置3に出力される。
【0068】
本実施形態では、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、第1突出部411の先端部411aと第1可動部611の先端部63aとが接触した状態で、第1可動部611が第1突出部411に押圧される。これにより、第1可動部611は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、第1突出部411によって挿入方向DI側である-Y方向側に押し込まれる。また、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、第2突出部412の先端部412aと第2可動部612の先端部612aとが接触した状態で、第2可動部612が第2突出部412に押圧される。これにより、第2可動部612は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、第2突出部412によって挿入方向DI側に押し込まれる。さらに、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、第3突出部413の先端部413aと第3可動部613の先端部613aとが接触した状態で、第3可動部613が第3突出部413に押圧される。これにより、第3可動部613は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、第3突出部413によって挿入方向DI側に押し込まれる。
【0069】
なお、本実施形態では、図7に示すように、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、可動部611~613が突出部410に押圧された場合に、可動部611~613の少なくとも一部がベース部630内に押し込まれるようにして収容されているが、これに限られるものではない。可動部611~613は、例えば、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において突出部410により押圧された場合に、突出部410の押圧力に応じて、挿入方向DIに沿ったY方向の寸法を変化させることが可能な伸縮部材ないし弾性部材によって形成されてもよい。
【0070】
印刷材カートリッジ4をさらに挿入方向DIに押し進めることで、カートリッジ側規制部492が装置側規制部692の位置に到達する。これにより、装置側規制部692は、バネ部材698の付勢力により、回転軸部699を中心として重力方向側である-Z方向側に回動する。これにより、装置側規制部692が収容室600側に移動してカートリッジ側規制部492に受け入れられて、装置側規制部692とカートリッジ側規制部492とが係合する。以上により、印刷システム1は、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了した装着完了状態となる。
【0071】
カートリッジ装着部6に装着された印刷材カートリッジ4を取り外す際には、まず、図7に示すように、ユーザーは、操作部691を-Z方向側に押し下げて押下状態とする。これにより、印刷材カートリッジ4と装置側規制部692とが、カートリッジ装着部6から印刷材カートリッジ4を取り外す過程において干渉しない状態となる。次に、ユーザーは、印刷材カートリッジ4を取り外し方向DOに引き抜く。これにより、印刷材カートリッジ4が収容室600から挿抜開口部674を介して取り外される。なお、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6に対する着脱作業の少なくとも一部は、機械的に行われてもよい。
【0072】
A-5.主制御装置の詳細構成:
図9は、主制御装置3の概略構成を示すブロック図である。主制御装置3は、印刷装置10の動作を制御すると共に、各種処理を実行する。主制御装置3は、印刷装置通信部34と、印刷装置記憶部33と、印刷装置CPU31と、を備える。主制御装置3は、印刷装置通信部34を介して、印刷装置表示部15、情報処理装置65、および携帯端末9等の外部機器と通信可能に接続される。
【0073】
印刷装置記憶部33は、主制御装置3に設けられた記憶部である。印刷装置記憶部33は、例えば、RAMやROM、書き換え可能な不揮発性メモリー等を含む。印刷装置記憶部33は、印刷装置10の動作を制御する各種プログラムと、各種閾値T1~T3と、を含む各種情報を記憶する。本実施形態では、各種閾値T1~T3は、可動閾値T1、消費閾値T2、および時間閾値T3であり、印刷装置CPU31の機能に基づく処理に用いられる。さらに、本実施形態では、印刷装置記憶部33は、印刷材カートリッジ4に関する情報であるカートリッジ情報Jを記憶する。
【0074】
印刷装置CPU31は、印刷装置記憶部33に記憶された各種プログラムを展開することにより、主動作制御部311と、適合判定部313と、装着判定部312と、消費値管理部314と、取得管理部315と、リフィル回数推定部316として機能する。さらに、印刷装置CPU31は、印刷装置記憶部33に記憶された各種プログラムを展開することにより、交換推定部317と、情報生成部318と、通知部319と、読み書き制御部320として機能する。主動作制御部311は、印刷装置10の動作を制御する。
【0075】
装着判定部312は、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4の装着が完了したか否かを判定する。具体的には、装着判定部312は、例えば、印刷装置通信部34を介して、測定機構619が測定した可動部611~613の挿入方向DIへの移動量LDを取得する。そして、装着判定部312は、例えば、取得した可動部611~613の挿入方向DIへの移動量LDと、予め定められた可動閾値T1と、を比較する。そして、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量LDが可動閾値T1以上である場合に、装着判定部312は、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の装着が完了したと判定する。
【0076】
適合判定部313は、情報処理装置65がカートリッジ情報Jを取得することによって得られる識別情報J1を用いて、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かを判定する。具体的には、適合判定部313は、例えば、印刷装置通信部34を介して、情報処理装置65が取得した識別情報J1を取得する。そして、適合判定部313は、例えば、取得した識別情報J1と、適合データベースDb1と、を比較することで、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4が、カートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かを判定する。ここで言う適合データベースDb1とは、カートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4の種別を示すデータの集合体であり、例えば、印刷装置10の品番と、印刷装置10に適合する印刷材カートリッジ4の型番とを対応付けたデータベースである。例えば、適合判定部313は、取得した識別情報J1に含まれる印刷材カートリッジ4の型番と、適合データベースDb1において印刷装置10の品番に対応付けられた印刷材カートリッジ4の型番と、が一致するかを確認する。適合判定部313は、取得した識別情報J1と適合データベースDb1とで印刷材カートリッジ4の型番が一致する場合に、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であると判定する。カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であると判定された場合、印刷装置10による正常な印刷動作が可能となる。これに対して、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合しない不適合な印刷材カートリッジ4であると判定された場合、印刷装置10による印刷動作は停止される。
【0077】
消費値管理部314は、印刷材収容部450に収容された印刷材の残量を管理する。消費値管理部314は、例えば、印刷によりヘッド22から吐出された印刷材の吐出量を用いて、印刷材収容部450内の印刷材の消費量を管理するソフトカウンターである。消費値管理部314は、例えば、ヘッド22から印刷材が吐出されるたびに、1回あたりの印刷材の吐出量を消費値に加算する。換言すると、消費値管理部314は、1回あたりの印刷材の吐出量に対してヘッド22から印刷材を吐出した回数を乗じた値を消費値として算出する。よって、この場合、消費値は、カウントを開始した時点から現時点までの印刷材の吐出量を示すソフトカウント値である。なお、図1に示すように、複数の印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6にそれぞれ装着されている場合には、消費値管理部314は、複数の印刷材カートリッジ4のそれぞれについて消費値をカウントする。消費値管理部314は、さらに、印刷材カートリッジ4の取り外しを検知した場合に、印刷装置記憶部33に記憶された消費値であって、識別情報J1に対応する消費値を初期値にリセットする。このとき、消費値の初期値は、ゼロであってもよく、ゼロ以外の予め定められた任意の値であってもよい。消費値管理部314は、例えば、図4に示す可動部611~613の移動量LDを用いて印刷材カートリッジ4の取り外しを検知する。また、例えば、消費値管理部314は、情報処理装置65の撮像部651による電子ラベルLの読み取りの可否によって印刷材カートリッジ4の取り外しを検知してもよい。撮像部651による電子ラベルLの読み取りの可否によって印刷材カートリッジ4の取り外しを検知する場合、消費値管理部314は、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了した後においても、予め定められた時間ごとに、電子ラベルLを撮像部651に読み取らせる。そして、消費値管理部314は、撮像部651が読み取りを実行した場合において、読み取りが完了せず、カートリッジ情報Jを取得できない場合に、印刷材カートリッジ4の取り外しを検知する。
【0078】
取得管理部315は、情報処理装置65によるカートリッジ情報Jの取得状況を管理する。取得管理部315は、例えば、印刷材カートリッジ4の取得回数を管理してもよい。取得回数は、識別情報J1によって区別される特定の印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に挿入されるごとに、情報処理装置65がカートリッジ情報Jを取得した回数を示すデータである。取得管理部315は、情報処理装置65がカートリッジ情報Jを取得するたびに、識別情報J1に対応する取得回数であって、印刷装置記憶部33に記憶された取得回数を1回分加算する。つまり、取得管理部315は、取得回数を識別情報J1と対応付けて印刷装置記憶部33に記憶させる。
【0079】
また、取得管理部315は、例えば、印刷材カートリッジ4の取得タイミングを管理しする。取得タイミングは、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に挿入されるごとに、情報処理装置65がカートリッジ情報Jを取得したタイミングを示すデータである。具体的には、取得タイミングは、情報処理装置65がカートリッジ情報Jを取得した時点の年月日および時分秒を示すデータである。この場合、取得管理部315は、取得タイミングを識別情報J1と対応付けて印刷装置記憶部33に記憶させる。
【0080】
またさらに、取得管理部315は、例えば、印刷材カートリッジ4の取り外しタイミングを管理する。取り外しタイミングは、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6から取り外されるごとに、取得管理部315が印刷材カートリッジ4の取り外しを検知したタイミングを示すデータである。具体的には、取り外しタイミングは、取得管理部315が印刷材カートリッジ4の取り外しを検知した時点の年月日および時分秒を示すデータである。この場合、取得管理部315は、取り外しタイミングを識別情報J1と対応付けて印刷装置記憶部33に記憶させる。なお、取得管理部315の管理対象は、これに限られるものではない。
【0081】
リフィル回数推定部316は、特定の印刷材カートリッジ4のリフィル回数を推定する。リフィル回数推定部316は、例えば、消費値管理部314と同様の処理を実行することにより、印刷材カートリッジ4の取り外しを検知する。そして、印刷材カートリッジ4の取り外しを検知した後に、印刷材カートリッジ4の挿入を新たに検知した場合に、リフィル回数推定部316は、識別情報J1に対応するリフィル回数であって、印刷装置記憶部33に記憶されたリフィル回数を1回分加算する。具体的には、リフィル回数推定部316は、例えば、印刷装置記憶部33に記憶された取得回数を参照することで、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の挿入を新たに検知する。また、例えば、リフィル回数推定部316は、可動部611~613の挿入方向DIへの移動量LDが可動閾値T1以上である場合に、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の新たな挿入を検知してもよい。そして、リフィル回数推定部316は、例えば、カートリッジ装着部6に新たに挿入された印刷材カートリッジ4の電子ラベルLを撮像部651が読み取ることで取得した識別情報J1と、過去に装着されていた印刷材カートリッジ4の識別情報J1と、を照合する。このとき、リフィル回数推定部316は、例えば、印刷装置記憶部33に記憶された識別情報J1を取得タイミングと共に読み出すことで、過去にカートリッジ装着部6に装着されていた印刷材カートリッジ4の識別情報J1を取得する。そして、新たに挿入された印刷材カートリッジ4から取得した識別情報J1と、過去に装着されていた印刷材カートリッジ4の識別情報J1と、が同じである場合に、リフィル回数推定部316は、印刷装置記憶部33に記憶されたリフィル回数を1回分加算する。一方で、新たに取得した印刷材カートリッジ4の識別情報J1と、過去に装着されていた印刷材カートリッジ4の識別情報J1とが異なる場合、リフィル回数推定部316は、印刷装置記憶部33に記憶されたリフィル回数を変更することなく維持する。なお、取得回数やリフィル回数は、図示しない入力操作部を介したユーザーからの入力によって、印刷装置記憶部33に記憶させてもよい。
【0082】
なお、印刷装置10のカートリッジ装着部6には、過去に使用されたことのない、リフィル済みの印刷材カートリッジ4が装着される可能性がある。この場合にも、適切な印刷動作を可能とするため、印刷材カートリッジ4のリフィル回数を、印刷装置10で推定する方法以外の構成を採用してもよい。後の実施形態で詳述するが、印刷材カートリッジ4をリフィルした際に、リフィル装置とネットワーク接続されたサーバー装置が、リフィルした印刷材カートリッジ4の識別情報J1と対応付けてリフィル回数を記憶する構成としてもよい。このようにすると、サーバー装置に印刷装置10をネットワーク接続することができる。これにより、過去に装着されたことのない印刷材カートリッジ4が印刷装置10に装着された場合でも、印刷装置10がサーバー装置と通信することで、装着された印刷材カートリッジ4がリフィルされたものであり、使用可能であると判断することができる。従って、この場合は、装着された印刷材カートリッジ4のリフィル回数を印刷装置10側で推定する必要がなく、サーバー装置と通信して対応する識別情報J1の過去履歴(リフィル回数、消費値等)を参照すればよい。なお、この場合は、印刷装置10が、印刷材カートリッジ4の使用に伴い記憶する種々の情報をサーバー装置へ送り、サーバー装置側でも同様の情報を記憶しておく必要がある。これにより、異なる印刷装置10が、サーバー装置と通信することで、識別情報J1に対応する印刷材カートリッジ4の過去履歴を共有することが可能となる。
【0083】
交換推定部317は、カートリッジ装着部6から取り外された印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを推定する。具体的には、例えば、交換推定部317は、消費値管理部314と同様の処理を実行することにより、印刷材カートリッジ4の取り外しを検知する。そして、印刷材カートリッジ4の取り外しを検知した場合に、交換推定部317は、印刷装置記憶部33に記憶された取得タイミングであって、取り外しを検知した印刷材カートリッジ4の識別情報J1に対応付けられた取得タイミングを参照する。そして、交換推定部317は、取得タイミングから、取得タイミングの後にカートリッジ装着部6から印刷材カートリッジ4が取り外された取り外しタイミングまでの所要時間である挿抜所要時間を算出する。そして、交換推定部317は、挿抜所要時間と、印刷装置記憶部33に予め記憶された時間閾値T3と、を比較する。時間閾値T3は、例えば、印刷材の寿命時間と、印刷材の消費値が消費閾値T2に到達するまでの推定所要時間と、のいずれか短い時間である。ここで言う印刷材の寿命時間とは、印刷材収容部450に収容された印刷材が製造された時点から使用期限に至る時点までの時間を指す。また、推定所要時間とは、通常の使用頻度により印刷システム1を使用した場合に、印刷材カートリッジ4の使用開始時点から、印刷材の消費値が消費閾値T2以上となる時点までの時間を指す。換言すると、推定所要時間は、印刷材カートリッジ4の使用を開始してから、印刷材収容部450の印刷材の残量がゼロに近づくことで、印刷材収容部450への印刷材の補充ないし印刷材収容部450の交換が必要となるまでの時間である。交換推定部317は、挿抜所要時間が時間閾値T3以上である場合に、取り外しを検知した印刷材カートリッジ4が交換対象であると推定する。これに対して、挿抜所要時間が時間閾値T3未満である場合、交換推定部317は、取り外された印刷材カートリッジ4は交換することなく継続使用が可能であると推定する。
【0084】
なお、カートリッジ装着部6に印刷材カートリッジ4が複数回に亘って挿抜された場合、交換推定部317は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ情報Jが最初に取得された取得タイミングから最後の取り外しタイミングまでの所要時間を挿抜所要時間としてもよい。つまり、この場合に、交換推定部317は、特定の印刷材カートリッジ4における最初の取得タイミングからの累積時間を時間閾値T3と比較することで、印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを推定してもよい。
【0085】
情報生成部318は、印刷材カートリッジ4の状態を管理するための各種処理を実行する。本実施形態では、情報生成部318は、消費値管理部314によって算出された消費値を用いて、残量情報J21を生成する。情報生成部318は、例えば、識別情報J1に対応する印刷材カートリッジ4の印刷材収容部450における印刷材の最大収容量から消費値を差し引くことにことで、残量情報J21を生成する。さらに、本実施形態では、情報生成部318は、特定の印刷材カートリッジ4のリフィル回数を取得して、リフィル情報J22を生成する。情報生成部318は、生成した残量情報J21およびリフィル情報J22を状態情報J2として印刷装置記憶部33に記憶させる。この状態情報J2を情報処理装置65から電子識別部45に送信することで、電子識別部45の情報記憶部451に記憶された状態情報J2を更新して、電子ラベルLの表示内容を変更することができる。なお、情報生成部318は、残量情報J21とリフィル情報J22とは異なる情報を状態情報J2として生成してもよい。情報生成部318は、例えば、印刷材カートリッジ4の交換を推奨する交換推奨時期を示す交換情報を状態情報J2として生成してもよい。
【0086】
通知部319は、報知部を介して、各種情報をユーザーに通知する。通知部319は、例えば、装着判定部312の判定結果を基に、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の装着が完了したことをユーザーに通知する。この場合、通知部319は、例えば、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の装着が完了したことを示す表示を印刷装置表示部15に表示させることで、カートリッジ装着部6に挿入した印刷材カートリッジ4の装着が完了したことをユーザーに通知する。なお、通知部319は、例えば、報知部としての図示しないスピーカーから通知音を発生させることによって、カートリッジ装着部6に挿入した印刷材カートリッジ4の装着が完了したことをユーザーに通知してもよい。
【0087】
また、通知部319は、例えば、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かを示す適合判定部313の判定結果をユーザーに通知する。
【0088】
またさらに、通知部319は、例えば、印刷材の残量に応じて、残量情報J21や交換を促すメッセージ等をユーザーに通知する。具体的には、通知部319は、例えば、消費値管理部314によって算出された印刷材の消費値と、印刷装置記憶部33に記憶された消費閾値T2と、を比較する。消費閾値T2は、例えば、ソフトカウント値の最大値に対して所定割合となる値である。例えば、識別情報J1に対応する印刷材カートリッジ4の印刷材収容量から計算されたソフトカウント値の最大値から95%を、実質的なインク残量がわずかであるとした消費閾値T2として設定してもよい。通知部319は、例えば、印刷材の消費値が消費閾値T2以上となった印刷材カートリッジ4について、残量情報J21や交換を促すメッセージ等を印刷装置表示部15に表示させる。つまり、通知部319は、消費値が消費閾値T2以上である場合に、カートリッジ装着部6に装着中の印刷材カートリッジ4の印刷材が所定以上消費され、印刷材の残量がゼロに近づいているとして、残量情報J21や交換を促す表示を印刷装置表示部15に表示させる。なお、通知部319は、例えば、印刷材カートリッジ4の交換を促す音声メッセージを報知部としてのスピーカーから発生させることにより、印刷材カートリッジ4が交換時期に達している旨をユーザーに報知してもよい。また、通知部319は、空打ちを防止させるために、印字動作を停止させるよう制御してもよい。
【0089】
またさらに、通知部319は、交換対象と推定された印刷材カートリッジ4をユーザーに通知する。具体的には、例えば、通知部319は、挿抜所要時間が時間閾値T3以上である場合に、取り外された印刷材カートリッジ4が交換時期に達している旨のメッセージを印刷装置表示部15に表示させる。このとき、通知部319は、同じ印刷材カートリッジ4が再びカートリッジ装着部6へ装着されたとしても、印字動作を行わないように制御してもよい。一方で、挿抜所要時間が時間閾値334未満である場合に、通知部319は、例えば、取り外された印刷材カートリッジ4が継続使用可能である旨のメッセージを印刷装置表示部15に表示させる。また、挿抜所要時間が時間閾値334未満である場合に、通知部319は、例えば、取り外された印刷材カートリッジ4をカートリッジ装着部6に再度装着することを促す旨のメッセージを印刷装置表示部15に表示させてもよい。なお、印刷装置CPU31の少なくとも一部の機能は、ハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0090】
読み書き制御部320は、印刷装置記憶部33に記憶されたカートリッジ情報Jが更新された場合に、電子ラベルLの表示内容を更新するための更新指示を電子識別部45に送信させるための送信指示を情報処理装置65に対して行う。
【0091】
A-6.携帯端末の詳細構成:
図10は、携帯端末9の概略構成を示すブロック図である。携帯端末9は、端末表示部97と、端末読取部95と、端末制御装置90と、を備える。端末表示部97は、図1に示すように、スマートフォンやタブレット端末のディスプレイである。図10に示す端末読取部95は、印刷材カートリッジ4のラベル表示部452aに表示された電子ラベルLを光学的に読み取る。本実施形態では、端末読取部95は、スマートフォンやタブレット端末に設けられたカメラである。
【0092】
端末制御装置90は、端末通信部94と、端末記憶部93と、端末CPU91と、を備える。端末制御装置90は、端末通信部94を介して、端末表示部97、端末読取部95、および印刷装置10等の外部機器と通信可能に接続される。端末記憶部93は、携帯端末9の動作を制御する各種プログラム等を記憶する。端末記憶部93は、例えば、RAMやROM、書き換え可能な不揮発性メモリー等を含む。端末CPU91は、端末記憶部93に記憶された各種プログラムを展開することにより、端末動作制御部911と、端末取得部913と、端末表示制御部915として機能する。端末動作制御部911は、携帯端末9の動作を制御する。端末取得部913は、端末読取部95が読み取った電子ラベルLを解析してカートリッジ情報Jを取得する。端末表示制御部915は、端末取得部913によって取得されたカートリッジ情報Jを端末表示部97に表示させる。
【0093】
上記第1実施形態によれば、情報提供部452は、カートリッジ装着部6に印刷材カートリッジ4を挿入する挿入過程において、情報処理装置65により取得可能な位置に形成されている。詳細には、カートリッジ情報Jを表す電子ラベルLを表示するラベル表示部452aは、情報処理装置65の撮像部651により電子ラベルLを読み取り可能な位置に形成されている。このようにすると、カートリッジ装着部6に印刷材カートリッジ4を挿入する挿入過程において、情報処理装置65が電子ラベルLを読み取りやすくできる。すなわち、情報処理装置65と情報提供部452との位置関係が変化する状態であっても、情報提供部452は、情報処理装置65に適切にカートリッジ情報Jを提供することができる。
【0094】
また、上記第1実施形態によれば、識別情報J1を含むカートリッジ情報Jを表す電子ラベルLを、印刷材カートリッジ4の外面に設けられたラベル表示部452aであって、電子ペーパーとして機能するラベル表示部452aに表示させることができる。このようにすると、識別情報J1を記録した回路基板を印刷材カートリッジ4の本体部40に取り付けることなく、識別情報J1を記録した電子ラベルLによって代替することができる。これにより、印刷材カートリッジ4から回路基板を取り外す作業を要することなく、使用済みの印刷材カートリッジ4を再利用することができる。よって、印刷材カートリッジ4を容易に再利用することができる。
【0095】
また、印刷材カートリッジ4に設けられた回路基板の端子と、カートリッジ装着部6に設けられた端子と、が物理的に接触することで印刷装置10がカートリッジ情報Jを取得する場合に、端子同士の接触不良により、カートリッジ情報Jを取得できない場合がある。よって、物理的な接触によってカートリッジ情報Jを取得する場合、読み取り不良を防止するため、カートリッジ装着部6に印刷材カートリッジ4を挿入する挿入過程における、回路基板の端子とカートリッジ装着部6の端子との厳密な位置決め精度が要求される。これに対して、上記第1実施形態によれば、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、情報処理装置65の撮像部651が電子ラベルLを光学的に読み取ることで、印刷装置10は、カートリッジ情報Jを取得することができる。このようにすると、印刷装置10は、カートリッジ情報Jを記憶した回路基板と接触することなく、非接触により、カートリッジ情報Jを取得することができる。これにより、情報処理装置65の撮像部651とラベル表示部452aに表示された電子ラベルLとのY方向における距離が焦点距離FLとなることで、印刷装置10はカートリッジ情報Jを取得できるため、読み取り不良が発生する頻度を低減することができる。換言すると、印刷装置10による印刷材カートリッジ4の識別情報J1の読み取り精度を向上させることができる。
【0096】
また、上記第1実施形態によれば、情報処理装置65と電子識別部45とが無線通信することで、情報記憶部451に記憶されたカートリッジ情報Jを更新することができる。これにより、情報記憶部451に記憶されたカートリッジ情報Jを容易に更新することができる。さらに、上記第1実施形態によれば、更新後のカートリッジ情報Jを表す電子ラベルLを新たに生成して、更新後の電子ラベルLをラベル表示部452aに表示させることができる。これにより、更新後のカートリッジ情報Jを表すラベルを物理的に製造して、印刷材カートリッジ4に付されたラベルと取り替える作業を要することなく、簡便に電子ラベルLを更新することができる。よって、印刷システム1の利便性を向上させることができる。
【0097】
また、上記第1実施形態によれば、情報処理装置65は、情報処理装置65の処理装置通信部655と電子識別部45の識別部通信部455との無線通信によっても、カートリッジ情報Jを取得することができる。このような形態であれば、電子ラベルLを生成してラベル表示部452aに表示させることなく、カートリッジ情報Jを取得することができる。
【0098】
また、上記第1実施形態によれば、カートリッジ情報Jは、残量情報J21とリフィル情報J22とを含む状態情報J2を含む。このようにすると、使用により変化する状態情報J2を識別情報J1と対応付けて管理したり、ユーザーに提示したりすることができる。
【0099】
また、上記第1実施形態によれば、ラベル表示部452aは、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、情報処理装置65の撮像部651により光学的に読み取り可能な位置に形成されている。このとき、撮像部651によって電子ラベルLを読み取り可能な位置は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、撮像部651が電子ラベルLを読み取るときの光軸方向DLについて撮像部651と対向する位置である。つまり、ラベル表示部452aは、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、光軸方向DLについて、撮像部651と対向する位置に配置される。このようにすると、撮像部651は、電子ラベルLを正面から読み取ることができる。これにより、撮像部651は、電子ラベルLをより確実に読み取ることができる。換言すると、電子ラベルLの読み取り精度を向上させることができる。
【0100】
また、上記第1実施形態によれば、ユーザーは、携帯端末9を用いて印刷材カートリッジ4の電子ラベルLを光学的に読み取ることで、カートリッジ情報Jを確認することができる。このようにすると、印刷材カートリッジ4の外殻を成す本体部40に、カートリッジ情報Jを表すコードを記載したラベルを貼り付けることなく、ユーザーにカートリッジ情報Jを提示することができる。これにより、使用済みの印刷材カートリッジ4を再利用する際に、ラベルを取り外す作業を要しないため、印刷材カートリッジ4をさらに容易に再利用することができる。
【0101】
また、上記第1実施形態によれば、カートリッジ情報Jを印刷装置表示部15および端末表示部97に表示させることができる。これにより、カートリッジ情報Jをより確実にユーザーに通知することができる。
【0102】
また、上記第1実施形態によれば、識別情報J1を記録した回路基板やラベルに代えて電子識別部45を印刷材カートリッジ4の外面に設ける。これにより、印刷材カートリッジ4の外殻を成す本体部40に取り付ける回路基板を省略したり、本体部40に取り付ける電子識別部45を小型化ないし省略したりすることができる。さらに、電子ラベルLを情報処理装置65および端末読取部95によって読み取ることで、カートリッジ装着部6に対する印刷材カートリッジ4の適合性や識別情報J1、状態情報J2をユーザーに対して簡便に提示することができる。よって、ユーザーの使い勝手を損なうことなく、環境負荷を低減した印刷システム1を提供することができる。
【0103】
また、上記第1実施形態によれば、ラベル表示部452aに表示された電子ラベルLと情報処理装置65の撮像部651とのY方向における距離が焦点距離FLとなったときに、情報処理装置65は、電子ラベルLを読み取ってカートリッジ情報Jを取得できる。そして、適合判定部313は、識別情報J1を用いて、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合するか否かを判定して、識別情報J1と適合判定結果とをユーザーに通知することができる。このようにすると、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了する前に、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4であるか否かをユーザーに通知することができる。そのため、印刷システム1は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4の誤挿入をユーザーにいち早く気付かせることができる。また、適合判定部313が、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に適合しないと判定した場合、印刷動作を停止するように制御してもよい。これにより、印刷システム1は、印刷材供給部43内に印刷材導入部63が導入される前に印刷材カートリッジ4の誤挿入を検知でき、または印刷動作を停止することができるため、種類の異なる印刷材が印刷材導入部63に混入する可能性を低減することができる。
【0104】
また、上記第1実施形態によれば、電子識別部45は、カートリッジ側係合部420が形成された形成面に形成されている。この場合、挿入過程において、カートリッジ側係合部420と装置側係合部620との係合の有無と、情報処理装置65がカートリッジ情報Jを取得することで得られる識別情報J1と、によってカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4か否かを判定できる。これにより、カートリッジ装着部6に適合しない印刷材カートリッジ4が装着される可能性をより確実に低減することができる。
【0105】
また、上記第1実施形態によれば、供給口431は、カートリッジ側係合部420と電子識別部45とが形成された形成面に形成されている。このようにすると、カートリッジ側係合部420と装置側係合部620との係合の有無と、識別情報J1と、の両者によってカートリッジ装着部6に適合する正しい印刷材カートリッジ4か否かを判定した上で、印刷材導入部63を印刷材供給部43内に導入することができる。これにより、異なる種類の印刷材が印刷材導入部63に混入する可能性をさらに低減することができる。
【0106】
また、上記第1実施形態によれば、形成面は、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において撮像部651が電子ラベルLを読み取るときの光軸方向DLについて対向し、光軸方向DLと直交する面である。このようにすると、撮像部651は、電子ラベルLを正面から読み取ることができる。これにより、電子ラベルLの読み取り精度を向上させた状態において、印刷材導入部63を印刷材供給部43内に導入することができる。
【0107】
また、上記第1実施形態によれば、ユーザーは、印刷装置表示部15の表示内容を視認することで、カートリッジ装着部6に挿入した印刷材カートリッジ4のカートリッジ情報Jを確認することができる。これにより、印刷材カートリッジ4の本体部40に、識別情報J1を記載ないし記憶したラベルや回路基板を取り付けることを省略することができ、回収した印刷材カートリッジ4のリサイクル環境負荷を低減することができる。
【0108】
また、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了していないときには、印刷材供給部43と印刷材導入部63との接続が完了していない。そのため、印刷材カートリッジ4の装着が完了する前に印刷が開始された場合、例えば、印刷材導入部63から空気が引き込まれることによってチューブ24内に残存した印刷材としてのインクに気泡が発生し、ドット抜け等の印刷不良を生じるおそれがある。また、印刷材カートリッジ4の装着が完了する前に印刷が開始された場合、印刷材供給部43内に印刷材導入部63が導入されていない状態のまま、印刷材収容部450から印刷材が供給される場合がある。このように、カートリッジ装着部6に対して印刷材カートリッジ4が中途半端に挿入されているときに印刷が開始された場合、印刷材が、印刷材導入部63に供給されることなく印刷材カートリッジ4の供給口431から漏出するおそれがある。印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4の装着が完了する前に印刷材が供給口431から漏出した場合、収容室600が印刷材によって汚染されるおそれがある。さらに、印刷材カートリッジ4のカートリッジ装着部6への挿入過程において、印刷材カートリッジ4の装着が完了する前に印刷材が供給口431から漏出した場合、漏出した印刷材が他の種類の印刷材を導入する印刷材導入部63に到達して混色が生じるおそれがある。これに対して、上記第1実施形態によれば、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了したか否かを判定して、ユーザーに通知することができる。そのため、ユーザーは、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の装着が完了したことを確認した上で、印刷システム1に印刷動作を開始させることができる。よって、印刷材カートリッジ4の装着時において、印刷不良等の不具合が生じる可能性を低減することができる。また、印刷システム1は、ユーザーに対して、適切な印刷材カートリッジ4が装着されたか否かを通知することができるため、ユーザーに安心感を与えることができる。さらに、適切な印刷材カートリッジ4が装着されない場合には、印刷装置10の主制御装置3により、印刷動作を停止するように制御してもよい。
【0109】
また、上記第1実施形態によれば、カートリッジ装着部6に不適合な印刷材カートリッジ4が挿入されていると判定された場合に、印刷動作をさせないように制御することができる。これにより、カートリッジ側係合部420と装置側係合部620との構造的な係合によって、適切な印刷材カートリッジ4をカートリッジ装着部6に装着可能な構成とした場合に、例えば、以下の事態を防ぐことができる。何らかの事情でカートリッジ側係合部420および装置側係合部620の構造が改変され、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の適合性を判別する機能が働かない状態となっても、誤ったインク色の印刷材カートリッジ4により印刷する事態を防ぐことができる。
【0110】
また、上記第1実施形態によれば、印刷装置記憶部33は、識別情報J1と印刷材の消費値とを対応付けて記憶する。そして、印刷材の消費値が消費閾値T2以上の場合において、情報処理装置65が識別情報J1を取得することで、印刷装置記憶部33に記憶された識別情報J1と同じ識別情報J1を取得した場合に、印刷材の消費値は、初期値にリセットされる。これは、印刷材の消費値が消費閾値T2以上の場合、識別情報J1における印刷材カートリッジ4は、一旦使用が終了し、回収され、インク等の印刷材をリフィルされた上でユーザーに戻り、再び印刷装置10に装着されたと判断するためである。その判断の正確性を高めるため、前回使用時に印刷材の消費値が消費閾値T2に達した際に、印刷装置10は、インクエンドである旨を報知したり、印字を停止したりすることで、印刷材カートリッジ4の交換を促すようにしてもよい。なお、識別情報J1に対応する印刷材カートリッジ4内の印刷材の残量が無くなるタイミングとしての消費閾値T2も記憶されている。このように、印刷システム1は、識別情報J1と印刷材の消費値とを対応付けて記憶することで、リフィル後の印刷材カートリッジ4が同一の印刷装置10に装着された場合に、印刷材の消費値を初期値にリセットすることで正しくカウントすることができる。
【0111】
また、上記第1実施形態によれば、印刷材カートリッジ4の取り外しを検知した場合に、印刷装置記憶部33に記憶された消費値であって、識別情報J1に対応する消費値を初期値にリセットすることができる。これにより、識別情報J1に対応する印刷材カートリッジ4がリフィルされて、再び印刷装置10のカートリッジ装着部6に装着される場合に、印刷材の残量なしと判断され、印刷が実行されない事態になることを避けることができる。よって、印刷材カートリッジ4の印刷材の残量を適切に管理して、使用を継続することができる。
【0112】
また、上記第1実施形態によれば、印刷装置記憶部33は、印刷材カートリッジ4がカートリッジ装着部6に挿入されるごとに情報処理装置65がカートリッジ情報Jを取得した取得回数を識別情報J1に対応付けて記憶する。これにより、印刷システム1は、カートリッジ装着部6に挿入された印刷材カートリッジ4の識別情報J1を取得して、識別情報J1に対応する取得回数を参照することで、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の挿入を新たに検知できる。例えば、印刷材カートリッジ4が途中で取り外されることなく最後まで使用された場合、この印刷材カートリッジ4が回収され、新たな印刷材がリフィルされた上で、再度印刷装置10に装着された場合に、取得回数は、リフィル回数とみなすことも可能となる。
【0113】
また、上記第1実施形態によれば、識別情報J1と、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4の挿抜回数に等しい取得回数と、印刷材の消費値と、を対応付けて、印刷装置記憶部33に記憶することができる。これにより、特定の印刷材カートリッジ4のリフィル回数を推定して、電子識別部45に送信することができる。このようにすると、印刷材カートリッジ4のリフィル回数を示すリフィル情報J22を、電子ラベルLに反映させることができる。これにより、ユーザーが携帯端末9等によって電子ラベルLを読み取ることで、印刷材カートリッジ4のリフィル回数を容易に確認することができる。さらに、リフィル回数を基に、印刷材カートリッジ4の劣化状態や消耗度合いを把握しやすくできる。これにより、リフィルされた印刷材カートリッジ4の品質の低下に気付きやすくできるため、リフィルされた印刷材カートリッジ4の品質の維持および管理に資することができる。また、回収された使用済みの印刷材カートリッジ4をリフィルし、再度印刷に使用する場合にも、印刷装置10側で、過去に装着された印刷材カートリッジ4の消費値やリフィル回数を適切に管理することで、適切に再利用することができる。
【0114】
また、上記第1実施形態によれば、識別情報J1と、取得タイミングと、取り外しタイミングと、を対応付けて、印刷装置記憶部33に記憶することができる。これにより、特定の印刷材カートリッジ4が交換時期に達しているか否かを推定して、電子識別部45に送信することができる。このようにすると、印刷材カートリッジ4が交換時期に達しているか否かを示す交換情報を、電子ラベルLに反映させることができる。これにより、ユーザーが携帯端末9等によって電子ラベルLを読み取ることで、取り外した印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを容易に確認することができる。さらに、交換推定部317による推定結果を印刷装置表示部15に表示させることで、ユーザーは、取り外した印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを簡便に把握することができる。これにより、ユーザーは、印刷材の使用期限や通常の使用頻度における交換時期を考慮して、印刷材カートリッジ4を交換することができる。そのため、印刷システム1は、印刷材カートリッジ4が交換時期に達していることにより印刷品質が低下することを抑制できる。よって、印刷システム1は、印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かについての推定結果を、印刷材カートリッジ4の品質の維持および管理に活用することができる。
【0115】
なお、本開示において「再利用」とは、リフィル、リユース、リサイクルを含む概念である。ここで言う「リフィル」とは、使用済みの印刷材カートリッジ4の印刷材収容部450に印刷材を供給したり、使用済みの印刷材カートリッジ4の印刷材収容部450を交換したりすることによって、印刷材カートリッジ4を再使用可能に再生することを言う。「リユース」とは、使用済みの印刷材カートリッジ4における構成要素の少なくとも一部を繰り返し再使用することを言う。「リサイクル」とは、使用済みの印刷材カートリッジ4における構成要素の少なくとも一部を原材料やエネルギー源として用いることによって再資源化することを言う。
【0116】
B.第2実施形態:
B-1.第2実施形態における印刷システムの構成および機能:
図11は、第2実施形態における印刷システム1aの概略構成を示すブロック図である。印刷システム1aは、第1印刷装置10と、第2印刷装置10aと、記憶装置としてのサーバー装置8と、を備える。本実施形態では、カートリッジ情報Jや各種閾値T1~T3は、サーバー装置8に記憶され、管理される。よって、第1実施形態において印刷装置記憶部33に記憶されていたカートリッジ情報Jや各種閾値T1~T3は、印刷装置記憶部33に代えて、サーバー装置8に記憶される。第1印刷装置10および第2印刷装置10aの他の構成は、図9に示す第1実施形態と同一である。また、携帯端末9は、図10に示す第1実施形態と同一の構成である。図11に示すように、携帯端末9は、第1印刷装置10、第2印刷装置10a、および、サーバー装置8等の外部機器と通信可能に接続される。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すと共に説明を省略する。
【0117】
サーバー装置8は、例えば、クラウドサーバーである。サーバー装置8は、第1印刷装置10および第2印刷装置10aのカートリッジ装着部6に着脱される印刷材カートリッジ4のカートリッジ情報Jを印刷材カートリッジ4ごとに管理する。具体的には、第1印刷装置10と第2印刷装置10aとのそれぞれにおいて取得されたカートリッジ情報Jは、サーバー装置8に出力されて、サーバー装置8において管理される。そして、サーバー装置8は、第1印刷装置10や第2印刷装置10a、携帯端末9等の外部機器の要求に応じて、カートリッジ情報Jを外部機器9,10,10aに提供する。さらに、サーバー装置8は、第1印刷装置10や第2印刷装置10a、携帯端末9等の外部機器の要求に応じて、サーバー記憶部83に記憶した各種閾値T1~T3やデータベースDb1,Db2をそれら外部機器に提供する。これにより、印刷システム1aは、複数台の印刷装置10,10aのカートリッジ装着部6に着脱される印刷材カートリッジ4を一括して管理すると共に、端末表示部97や印刷装置表示部15を介して、カートリッジ情報J等の各種情報をユーザーや外部機器に提供する。
【0118】
サーバー装置8は、サーバー通信部85と、サーバー記憶部83と、サーバーCPU81と、を備える。サーバー装置8は、サーバー通信部85を介して、第1印刷装置10、第2印刷装置10a、および、携帯端末9等の外部機器と通信可能に接続される。
【0119】
サーバー記憶部83は、サーバー装置8に設けられた記憶装置である。サーバー記憶部83は、例えば、RAMやROM、書き換え可能な不揮発性メモリー等を含む。サーバー記憶部83は、管理テーブルTbと、適合データベースDb1と、保管場所データベースDb2と、可動閾値T1と、消費閾値T2と、時間閾値T3と、を含む各種データを記憶する。
【0120】
図12は、管理テーブルTbの一例を示す図である。管理テーブルTbは、印刷材カートリッジ4の各種情報を識別情報J1ごとに紐付けたテーブルである。図12に示す例では、印刷材カートリッジ4の識別情報J1としてのカートリッジIDと、印刷材の消費値と、取得回数と、取得タイミングとが、印刷材カートリッジ4ごとに対応付けられている。なお、管理テーブルTbに含まれる情報の種類や値はこれに限られるものではない。例えば、リフィル装置とサーバー装置8とがネットワーク接続されており、使用済みで回収された印刷材カートリッジ4をリフィルする際に、リフィル対象である印刷材カートリッジ4の識別情報J1に対応させてリフィル回数をリフィル装置からサーバー装置8へ送信し、管理テーブルTbにおけるリフィル回数を記憶、更新する構成を採ってもよい。
【0121】
適合データベースDb1は、本実施形態のように、サーバー装置8に複数の印刷装置10,10aが通信可能に接続され、印刷材カートリッジ4を使用可能な印刷装置10,10aが複数存在する場合に、例えば、以下のような構成をとる。具体的には、適合データベースDb1は、印刷材カートリッジ4の型番によって区別される1種類の印刷材カートリッジ4に対して、複数の異なる適合機種の品番を対応付けて記憶したデータベースである。また、適合データベースDb1は、1種類の印刷材カートリッジ4に対して、同一の品番を有する複数の印刷装置10,10aの製造ロット番号を対応付けて記憶したデータベースであってもよい。このとき、識別情報J1には、適合機種の品番に代えて、複数の印刷装置10,10aを区別するために各印刷装置10,10aに割り振られた装置IDが含まれてもよい。また、例えば、同じインク種のように、同じ印刷材が収容された印刷材カートリッジ4であっても、それぞれ固有の識別情報J1が割り当てられることを考慮すると、それら複数の印刷材カートリッジ4が、それぞれ適合機種として1つの印刷装置10に対応付けられる場合もある。
【0122】
保管場所データベースDb2は、印刷材カートリッジ4の保管場所を示すデータベースである。具体的には、保管場所データベースDb2は、例えば、印刷材カートリッジ4の型番と印刷システム1aが設置された施設内における保管場所とを対応付けたデータベースである。なお、サーバー記憶部83に記憶される各種データの少なくとも一部は、印刷装置10,10aの印刷装置記憶部33に記憶されてもよい。
【0123】
サーバーCPU81は、サーバー記憶部83に記憶された各種プログラムおよびデータ等を展開することにより、情報取得部811と、消費値算出部814と、取得管理部815と、リフィル回数推定部816と、交換推定部817として機能する。さらに、サーバーCPU81は、サーバー記憶部83に記憶された各種プログラムおよびデータ等を展開することにより、情報生成部818として機能する。情報取得部811は、サーバー通信部85を介して、カートリッジ情報Jや印刷材の消費値等の各種情報を取得する。消費値算出部814は、印刷材の消費値を算出して、サーバー記憶部83に記憶された管理テーブルTbに含まれる消費値を更新する。取得管理部815は、情報処理装置65によるカートリッジ情報Jの取得状況に応じて、管理テーブルTbを更新する。リフィル回数推定部816は、サーバー記憶部83に記憶された管理テーブルTbを参照して、特定の印刷材カートリッジ4のリフィル回数を推定する。交換推定部817は、サーバー記憶部83に記憶された管理テーブルTbを参照して、特定の印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを推定する。情報生成部818は、サーバー記憶部83に記憶された管理テーブルTbを参照して、状態情報J2を生成する。なお、印刷装置CPU31の少なくとも一部の機能は、サーバーCPU81によって実行されてもよい。また、サーバーCPU81の少なくとも一部の機能は、印刷装置CPU31によって実行されてもよい。
【0124】
B-2.印刷システムと携帯端末との連携:
端末読取部95が電子ラベルLを読み取ったときに、端末取得部913は、識別情報J1を取得すると共に、サーバー記憶部83に記憶された適合データベースDb1を参照する。そして、端末表示制御部915は、端末読取部95を介して取得した識別情報J1と、サーバー記憶部83に記憶された適合データベースDb1と、を比較することで、印刷材カートリッジ4が使用可能な複数の印刷装置10,10aを端末表示部97に表示させることができる。具体的には、端末表示制御部915は、例えば、取得した識別情報J1に含まれる印刷材カートリッジ4の型番と一致する印刷材カートリッジ4の型番を適合データベースDb1から抽出する。端末表示制御部915は、適合データベースDb1において、抽出した印刷材カートリッジ4の型番に対応付けられた適合機種の品番を有する印刷装置10,10aを、印刷材カートリッジ4が使用可能な印刷装置10,10aであるとして端末表示部97に表示させる。つまり、電子ラベルLは、携帯端末9によって読み取られることで、携帯端末9の端末表示部97に印刷材カートリッジ4が使用可能な印刷装置10,10aの候補を複数表示させることができる。
【0125】
さらに、印刷材の消費値が消費閾値T2以上であると印刷装置10,10aに判断された印刷材カートリッジ4の電子ラベルLを端末読取部95が読み取ったときに、端末取得部913は、識別情報J1を取得すると共に、保管場所データベースDb2を参照する。そして、端末表示制御部915は、端末読取部95を介して取得した識別情報J1と、サーバー記憶部83に記憶された保管場所データベースDb2と、を比較することで、交換可能な印刷材カートリッジ4の保管場所を端末表示部97に表示させることができる。つまり、印刷材の残量が予め定められた閾値以下であると印刷装置10によって判断された印刷材カートリッジ4の電子ラベルLは、携帯端末9によって読み取られることで、交換可能な印刷材カートリッジ4の保管場所を端末表示部97に表示させることができる。これにより、交換対象の印刷材カートリッジ4が装着された印刷装置10と、印刷材カートリッジ4の保管場所とが離れている場合にも、ユーザーは、持ち運び可能な携帯端末9の端末表示部97の情報を基に、印刷材カートリッジ4を新たに準備することができる。よって、印刷材カートリッジ4を交換するユーザーの利便性をより一層向上させることができる。なお、この場合、印刷材の消費値が消費閾値T2以上であると判断された印刷材カートリッジ4は使用済みであるとして、端末表示制御部915は、廃棄場所を端末表示部97に表示させてもよい。これは、保管場所データベースDb2のように、廃棄場所データベースをサーバー記憶部83に記憶させることで可能となる。
【0126】
上記第2実施形態によれば、印刷システム1aは、複数の印刷装置10,10aと、印刷装置10,10aと通信可能に接続され、記憶装置を有するサーバー装置8と、を備える。これにより、印刷システム1aは、複数台の印刷装置10,10aのカートリッジ装着部6に着脱される印刷材カートリッジ4の情報を一括して管理することができる。そのため、例えば、特定の印刷材カートリッジ4を第1印刷装置10に装着して使用した後に、印刷材を再充填して、第2印刷装置10aに装着した場合であっても、印刷システム1は、取得回数や取得タイミング、リフィル回数等を適切に管理することができる。つまり、状態情報J2や取得状況等の各種情報を識別情報J1と紐付けてサーバー記憶部83に記憶することで、異なる印刷装置10,10aに印刷材カートリッジ4が装着される場合であっても、印刷材カートリッジ4の各種情報を継続して管理することができる。
【0127】
また、上記第2実施形態によれば、ユーザーは、複数台の印刷装置10,10aのそれぞれに装着された印刷材カートリッジ4の識別情報J1や管理テーブルTbの内容を端末表示部97によって確認することができる。これにより、ユーザーの利便性をさらに向上させることができる。
【0128】
C.第3実施形態:
図13は、第3実施形態における印刷材カートリッジ4aの側面図である。図13では、印刷材カートリッジ4aをカートリッジ第1側壁404側から見た状態を示している。本実施形態では、本体部40aの構成の一部が図6に示す第1実施形態とは異なる。具体的には、カートリッジ後壁401は、カートリッジ上壁402との接続部分において、傾斜壁407を有する。これにより、電子ラベルLaの形状が第1実施形態とは異なる。印刷材カートリッジ4aの他の構成については、第1実施形態と同一である。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すと共に説明を省略する。
【0129】
図14は、カートリッジ装着部6への印刷材カートリッジ4aの挿入過程を示す図である。傾斜壁407は、カートリッジ後壁401とカートリッジ上壁402とカートリッジ第1側壁404とカートリッジ第2側壁405とが交差する角部に設けられている。傾斜壁407は、印刷材カートリッジ4aのうち、情報処理装置65の撮像部651が電子ラベルLaを読み取るときの光軸方向DLと直交する第1方向に対して傾斜した壁である。本実施形態においても、光軸方向DLは、撮像部651から電子ラベルLaに向かう+Y方向である。また、本実施形態では、第1方向は、印刷材カートリッジ4aの高さ方向に沿ったZ方向である。ラベル表示部452aは、傾斜壁407の外表面としての傾斜面407aに形成されている。
【0130】
図15は、電子ラベルLaの読み取り形状Frと、電子ラベルLaがラベル表示部452aに表示されたときの実際の表示形状Fpとを示す図である。ラベル表示部452aが傾斜面407aに形成されている場合、撮像部651が電子ラベルLaを読み取った際の読み取り形状Frがカートリッジ情報Jを判別できる正規の形状にならない場合がある。この場合、読み取り形状Frがカートリッジ情報Jを判別できる正規の形状となっていないために、撮像部651が電子ラベルLaを読み取ることができない場合がある。そこで、本実施形態では、電子ラベルLaが撮像部651に読み取られたときにカートリッジ情報Jを判別できる正規の形状となるように、すなわち、読み取り形状Frが正規の形状となるように、電子ラベルLaの表示形状Fpを変更している。具体的には、電子ラベルLaを構成する明色セルBおよび暗色セルDの形状はそれぞれ、撮像部651との距離が近い近方部分Dnほど光軸方向DLと第1方向とに直交する第2方向の寸法が正規の形状に対して小さい形状である。また、明色セルBおよび暗色セルDの形状はそれぞれ、撮像部651との距離が遠い遠方部分Dfほど第2方向の寸法が正規の形状に対して大きい形状である。なお、本実施形態において、第2方向は、X方向である。
【0131】
上記第3実施形態によれば、ラベル表示部452aは、印刷材カートリッジ4aのうち、情報処理装置65の撮像部651が電子ラベルLaを読み取るときの光軸方向DLと直交する第1方向に対して傾斜した傾斜面407aに形成されている。そして、上記第3実施形態では、電子ラベルLaが撮像部651に読み取られたときにカートリッジ情報Jを判別できる正規の形状となるように、明色セルBと暗色セルDとの表示形状Fpを変更している。このようにすると、ラベル表示部452aが傾斜面407aに形成されている場合、すなわち、電子ラベルLaの形成方向と光軸方向DLとが垂直でない場合に、読み取り形状Frを正規の形状とすることができる。これにより、ラベル表示部452aが傾斜面407aに形成されている場合にも、撮像部651が電子ラベルLaを読み取ってカートリッジ情報Jを取得することができる。
【0132】
また、上記第3実施形態によれば、回路基板を備えた従来の印刷材カートリッジの形状が傾斜壁407を備える形状である場合に、印刷材カートリッジ4の金型等を変更することなく、回路基板を電子識別部45に置き換えた印刷材カートリッジ4を提供することができる。これにより、印刷材カートリッジ4の構成を従来の構成から上記第3実施形態における構成に変更した場合に、製造コストが増大する可能性を低減することができる。
【0133】
D.第4実施形態:
図16は、第3実施形態における電子識別部45の印刷材カートリッジ4bへの取付方法を示す図である。図16では、印刷材カートリッジ4bをカートリッジ後壁401側から見た状態を示している。本実施形態では、印刷材カートリッジ4bの本体部40の構成の一部と、電子識別部45の印刷材カートリッジ4bへの取付方法が第1実施形態とは異なる。具体的には、本体部40は、さらに、電子識別部45を着脱可能に固定するための被固定部48を備える。そして、電子識別部45は、被固定部48に着脱可能に固定される。印刷材カートリッジ4bの他の構成については、第1実施形態と同一である。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すと共に説明を省略する。
【0134】
図16に示す例では、ケース部459は、直方体形状である。ケース部459は、ケース前壁459fと、ケース後壁459bと、ケース上壁459tと、ケース底壁459uと、ケース第1側壁459rと、ケース第2側壁459pと、を備える。電子識別部45を被固定部48に固定した固定状態において、ケース前壁459fは、ケース部459の-Y方向側の壁を形成する。ラベル表示部452aは、ケース前壁459fに形成される。ケース後壁459bは、Y方向においてケース前壁459fと対向し、ケース部459の+Y方向側の壁を形成する。ケース上壁459tは、固定状態において、ケース部459の+Z方向側の壁を形成する。ケース底壁459uは、Z方向においてケース上壁459tと対向し、ケース部459の-Z方向側の壁を形成する。ケース上壁459tとケース底壁459uとはそれぞれ、ケース前壁459fとケース後壁459bとに交差する。ケース第1側壁459rは、固定状態において、ケース部459の+X方向側の壁を形成する。ケース第2側壁459pは、X方向においてケース第1側壁459rと対向し、ケース部459の-X方向側の壁を形成する。ケース第1側壁459rとケース第2側壁459pとはそれぞれ、ケース前壁459fとケース後壁459bとケース上壁459tとケース底壁459uとに交差する。情報記憶部451と識別部制御部453と識別部通信部455とは、ケース部459を形成する各壁459f,459b,459t,459u,459r,459pによって形成される内部空間に収容されている。なお、電子識別部45の構成およびケース部459の形状は、これに限られるものではない。
【0135】
被固定部48は、カートリッジ後壁401に形成されている。被固定部48は、被固定第1側壁48rと、被固定第2側壁48pと、被固定底壁48uと、を備える。被固定第1側壁48rは、電子識別部45を被固定部48に固定した固定状態において、ケース第1側壁459rと対向する壁である。被固定第2側壁48pは、固定状態において、ケース第2側壁459pと対向する壁である。被固定底壁48uは、固定状態において、ケース底壁459uと対向する壁である。なお、被固定部48の構成および形状は、これに限られるものではない。
【0136】
上記第4実施形態によれば、後壁対向状態において、ケース底壁459uと被固定底壁48uとを近づけるように、電子識別部45を被固定部48に接触させながら摺動させることで、電子識別部45を被固定部48に固定できる。ここで言う後壁対向状態は、ケース後壁459bとカートリッジ後壁401とが対向する状態である。また、上記第4実施形態によれば、ケース底壁459uと被固定底壁48uとを遠ざけるように、電子識別部45を被固定部48に接触させながら摺動させることで、電子識別部45を被固定部48から取り外すことができる。つまり、電子識別部45を本体部40に着脱可能に固定することができる。これにより、電子識別部45が破損したり故障したりした場合に、破損ないし故障した電子識別部45を他の電子識別部45に容易に交換することができる。
【0137】
また、上記第4実施形態によれば、電子識別部45を本体部40から容易に取り外すことができる。これにより、例えば、情報記憶部451に記憶されたカートリッジ情報Jを更新して、更新後の電子ラベルLを生成する場合に、印刷装置10を介することなく、電子ラベルLの変更作業を行うことができる。これにより、カートリッジ情報Jを更新しやすくできると共に、電子ラベルLの表示内容を更新しやすくできる。
【0138】
E.他の実施形態:
E-1.他の実施形態1:
上記実施形態では、電子ラベルL,Laは、カートリッジ情報Jが記録されたQRコードであったが、これに限られるものではない。電子ラベルL,Laは、例えば、カートリッジ情報Jが記録された1次元コードとしてのバーコードであってもよく、スタック型2次元コードであってもよい。また、電子ラベルL,Laは、例えば、QRコード以外の他のマトリクス型2次元コードであってもよい。このような形態であっても、電子ラベルL,Laは、複数の明色セルBと複数の暗色セルDとの配列パターンに応じて模様と形状とが形成されるコードである。このとき、QRコード以外のコードからなる電子ラベルが傾斜面407aに形成される場合には、明色セルBと暗色セルDとの形状をそれぞれ、電子ラベルが撮像部651に読み取られたときにカートリッジ情報Jを判別できる正規の形状となるようにすればよい。このような形態であっても、撮像部651は、電子ラベルL,Laを読み取ることができる。
【0139】
E-2.他の実施形態2:
上記実施形態では、印刷装置10,10aは、印刷材としてのインクを吐出するインクジェットプリンターであったが、これに限られるものではない。印刷装置10,10aは、例えば、印刷材としてのトナー等の粉体を用いて印刷を行うプリンターであってもよい。この場合、印刷材カートリッジ4,4a,4bは、印刷材としての粉体を収容するトナーカートリッジである。
【0140】
E-3.他の実施形態3:
他の実施形態では、リフィル回数は、例えば、サーバー装置8と通信可能に接続されたリフィル装置からの指令に応じてカウントされてもよい。この場合、例えば、リフィル装置に配置され、印刷材の消費値が消費閾値T2以上となった印刷材カートリッジ4に対する印刷材の補充が完了した時点で、リフィル装置は、印刷材の補充が完了したことを示すリフィル完了信号をサーバー装置8に送信する。そして、サーバー装置8は、リフィル完了信号を受信した場合に、リフィルした印刷材カートリッジ4の識別情報J1に対応するリフィル回数を1回分加算して、記憶装置としてのサーバー記憶部83に記憶させる。このような形態であれば、印刷材カートリッジ4のリフィル回数をより適切に管理することができる。
【0141】
E-4.他の実施形態4:
上記実施形態では、印刷材カートリッジ4,4a,4bは、印刷のために印刷装置10,10aに供給するための印刷材を収容していたが、これに限られるものではない。印刷材カートリッジ4,4aは、印刷のために印刷装置10,10aに供給するための印刷材を収容する用途に代えて、印刷装置10,10aから排出され、利用に供されなかった印刷材を回収して収容する用途に用いられてもよい。この場合、印刷材カートリッジ4,4a,4bは、例えば、ヘッド22のクリーニング動作等によって印刷に利用されなかった印刷材としてのインクを回収する廃液タンクであってもよい。
【0142】
E-5.他の実施形態5:
上記実施形態では、印刷システム1,1aは、印刷材の吐出量を示す消費値を用いて、印刷材収容部450に収容された印刷材の残量を管理していた。しかし、本開示は、これに限られるものではない。印刷システム1,1aは、例えば、印刷材収容部450に収容された印刷材の残量を光学的に検出するプリズムセンサー等のフォトセンサの出力値を用いて、印刷材収容部450に収容された印刷材の残量を管理してもよい。また、印刷システム1,1aは、例えば、圧電素子を備えた圧電型センサーの出力値を用いて、印刷材収容部450に収容された印刷材の残量を管理してもよい。
【0143】
E-6.他の実施形態6:
上記実施形態では、カートリッジ装着部6から取り外された印刷材カートリッジ4が交換対象であるか否かを推定していた。しかし、本開示は、これに限られるものではない。印刷材カートリッジ4,4a,4bは、カートリッジ装着部6に装着された状態において、交換対象であるか否かを推定されてもよい。この場合、交換推定部317,817は、例えば、印刷装置記憶部33やサーバー記憶部83に記憶された識別情報J1と取得タイミングとを参照する。そして、交換推定部317,817は、例えば、取得タイミングから現時点までの経過時間が予め定められた時間閾値T3以上である場合に、印刷材カートリッジ4,4a,4bを交換対象と推定する。このような形態であれば、カートリッジ装着部6に装着されている印刷材カートリッジ4,4a,4bが交換対象であるか否かを推定して、ユーザーに通知することができる。なお、交換推定部317,817は、例えば、経過時間が時間閾値T3未満で、かつ、経過時間と時間閾値T3との差異が所定時間以下となった場合に、印刷材カートリッジ4,4a,4bが交換時期に近づいている旨のメッセージを印刷装置表示部15に表示させてもよい。また、交換推定部317,817は、例えば、通常の使用頻度により印刷システム1,1aを使用した場合に、印刷材カートリッジ4,4a,4bが交換時期に達するまでの予測時間や推定交換時期を印刷装置表示部15に表示させてもよい。これにより、印刷材カートリッジ4,4a,4bによる印字品質を損なうことを防ぐことができる。
【0144】
E-7.他の実施形態7:
上記実施形態では、読み書き制御部320の指示に応じた情報処理装置65の機能により、情報処理装置65と電子識別部45とが無線通信することで、電子ラベルL,Laは、更新することが可能であった。しかし、読み書き制御部320、情報更新部453c等の機能は、必須ではない。
【0145】
F.他の形態:
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0146】
(1)本開示の第1形態によれば、印刷材カートリッジが提供される。印刷装置のカートリッジ装着部に挿入することによって装着される印刷材カートリッジは、外殻を形成する本体部と、前記本体部の内部に位置し、前記印刷装置に供給する印刷材を収容する印刷材収容部と、前記印刷材収容部と連通し、前記カートリッジ装着部の印刷材導入部に前記印刷材を供給する印刷材供給部と、電子識別部と、を備え、前記電子識別部は、前記印刷材カートリッジを識別する識別情報を含むカートリッジ情報を記憶する情報記憶部と、前記情報記憶部に記憶された前記カートリッジ情報を前記印刷装置の情報処理装置に提供する情報提供部と、前記電子識別部の動作を制御する識別部制御部と、を備え、前記情報提供部は、前記カートリッジ装着部に前記印刷材カートリッジを挿入する挿入過程において、前記情報処理装置により取得可能な位置に形成されている。この形態によれば、情報提供部は、情報処理装置により取得可能な位置に形成されている。このようにすると、カートリッジ装着部に印刷材カートリッジを挿入する挿入過程において、情報処理装置は、カートリッジ情報をより確実に取得することができる。
【0147】
(2)上記形態において、前記情報提供部は、前記情報記憶部に記憶された前記カートリッジ情報を表す電子ラベルを表示するラベル表示部であり、前記識別部制御部は、前記電子ラベルを生成するラベル生成部と、前記ラベル生成部によって生成された前記電子ラベルを前記ラベル表示部に表示させるラベル表示制御部と、を備え、前記ラベル表示部は、前記挿入過程において、前記情報処理装置により光学的に読み取り可能な位置に形成されていてもよい。この形態によれば、カートリッジ情報を表す電子ラベルを、電子ペーパーとして機能するラベル表示部に表示させることができる。このようにすると、カートリッジ情報を記録した回路基板を印刷材カートリッジの本体部に取り付けることなく、電子ラベルによって代替することができる。これにより、印刷材カートリッジから回路基板を取り外す作業を要することなく、使用済みの印刷材カートリッジを再利用することができる。
【0148】
(3)上記形態において、前記情報処理装置により光学的に読み取り可能な前記位置は、前記挿入過程において、前記情報処理装置が前記電子ラベルを読み取るときの光軸方向について前記情報処理装置と対向する位置であってもよい。この形態によれば、カートリッジ装着部への印刷材カートリッジの挿入過程において、電子ラベルは、光軸方向について、情報処理装置と対向する位置に配置される。このようにすると、情報処理装置が電子ラベルを正面から読み取ることができる。これにより、情報処理装置が電子ラベルをより確実に読み取ることができるため、カートリッジ情報をより確実に取得することができる。
【0149】
(4)上記形態において、前記カートリッジ情報は、使用により変化する状態情報を含み、前記電子識別部は、さらに、前記情報処理装置と無線通信する識別部通信部を備え、前記識別部制御部は、さらに、前記印刷装置の記憶部である装置記憶部に記憶された前記カートリッジ情報を、前記識別部通信部を介して取得することにより、前記情報記憶部に記憶された前記カートリッジ情報を更新する情報更新部を備え、前記ラベル生成部は、前記情報記憶部の前記カートリッジ情報が前記情報更新部によって更新された場合に、更新後の前記カートリッジ情報を表す前記電子ラベルを新たに生成し、前記ラベル表示制御部は、前記ラベル生成部によって新たに生成された更新後の前記電子ラベルを前記ラベル表示部に表示させてもよい。この形態によれば、情報処理装置と電子識別部とが無線通信することで、情報記憶部に記憶されたカートリッジ情報を更新することができる。これにより、情報記憶部に記憶されたカートリッジ情報を容易に更新することができる。さらに、更新後のカートリッジ情報を表す電子ラベルを新たに生成して、更新後の電子ラベルをラベル表示部に表示させることができる。これにより、更新後のカートリッジ情報を表すラベルを物理的に製造して、印刷材カートリッジ4に付されたラベルと取り替える作業を要することなく、簡便に電子ラベルを更新することができる。
【0150】
(5)上記形態において、前記状態情報は、前記印刷材収容部に収容された前記印刷材の残量を示す残量情報と、前記印刷材カートリッジのリフィル回数を示すリフィル情報と、の少なくとも一方の情報を含んでもよい。この形態によれば、印刷材カートリッジの使用により変化する情報を識別情報と対応付けて管理することができる。
【0151】
(6)上記形態において、前記電子ラベルは、複数の明色セルと複数の暗色セルとの配列パターンに応じて模様と形状とが形成されるコードであり、前記ラベル表示部は、前記本体部のうち、前記情報処理装置が前記電子ラベルを光学的に読み取るときの光軸方向と直交する第1方向に対して傾斜した傾斜面に形成され、前記明色セルおよび前記暗色セルの形状はそれぞれ、前記電子ラベルが前記情報処理装置に光学的に読み取られたときに前記カートリッジ情報を判別できる正規の形状となるように、前記情報処理装置との距離が近い部分ほど前記光軸方向と前記第1方向とに直交する第2方向の寸法が前記正規の形状に対して小さく、前記情報処理装置との前記距離が遠い部分ほど前記第2方向の寸法が前記正規の形状に対して大きい形状であってもよい。この形態によれば、光軸方向と直交する第1方向に対して傾斜した傾斜面にラベル表示部が形成されている場合にも、電子ラベルが情報処理装置に読み取られるときの読み取り形状を正規の形状とすることができる。
【0152】
(7)上記形態において、前記電子識別部は、前記本体部に着脱可能に固定されてもよい。この形態によれば、電子識別部を本体部に着脱可能に固定することができる。これにより、電子識別部が破損したり故障したりした場合に、電子識別部を容易に交換することができる。
【0153】
(8)上記形態において、前記情報提供部は、前記情報処理装置と無線通信する識別部通信部であってもよい。この形態によれば、カートリッジ情報を記録したラベルを印刷材カートリッジに設けることなく、情報処理装置がカートリッジ情報を取得することができる。
【0154】
(9)本開示の第2形態によれば、印刷システムが提供される。印刷システムは、上記形態に記載の印刷材カートリッジと、印刷装置と、記憶装置と、を備え、前記印刷装置は、前記印刷材カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、前記印刷材カートリッジを識別する識別情報と、前記印刷材カートリッジの使用により変化する状態情報と、を含むカートリッジ情報を取得可能な情報処理装置と、前記情報処理装置によって取得した前記カートリッジ情報を表示する印刷装置表示部と、を備え、前記記憶装置は、前記情報処理装置によって前記カートリッジ情報に含まれる前記識別情報と前記状態情報とを対応付けて記憶する。この形態によれば、印刷システムが複数の印刷材カートリッジを備える場合に、複数の印刷材カートリッジの情報を一括して管理することができる。
【0155】
(10)上記形態において、前記印刷装置と通信可能に接続され、前記記憶装置を有するサーバー装置を備えてもよい。この形態によれば、印刷システムが複数の印刷材カートリッジを備える場合に、複数の印刷材カートリッジの情報をサーバー装置によって一括して管理することができる。
【0156】
(11)本開示の第3形態によれば、印刷システムが提供される。印刷システムは、上記形態に記載の印刷材カートリッジと、印刷装置と、携帯端末と、を備え、前記印刷装置は、前記印刷材カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、前記印刷材カートリッジを識別する識別情報を含むカートリッジ情報を取得可能な情報処理装置と、前記情報処理装置によって取得した前記カートリッジ情報を表示する印刷装置表示部と、を備え、前記携帯端末は、前記カートリッジ情報を表す電子ラベルを光学的に読み取り可能な端末読取部と、前記端末読取部により前記電子ラベルを光学的に読み取ることによって得られる前記カートリッジ情報を表示する端末表示部と、を有する。この形態によれば、端末読取部によって電子ラベルを読み取ることで、端末表示部にカートリッジ情報を表示させることができる。これにより、ユーザーは、カートリッジ情報を容易に確認することができる。
【0157】
上述した本開示の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本開示の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本開示の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本開示の独立した一形態とすることも可能である。
【0158】
本開示は、印刷材カートリッジおよび印刷システム以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、印刷材カートリッジの製造方法、印刷システムの製造方法、印刷システムの制御方法、その制御方法を実現するコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0159】
1,1a…印刷システム、3…主制御装置、4,4a,4b,4K,4C,4M,4Y…印刷材カートリッジ、6,6K,6C,6M,6Y…カートリッジ装着部、8…サーバー装置、9…携帯端末、10,10a…印刷装置、11…前面カバー、15…印刷装置表示部、17…駆動機構、18…タイミングベルト、19…駆動モーター、20…キャリッジ、22…ヘッド、24…チューブ、31…印刷装置CPU、33…印刷装置記憶部、34…印刷装置通信部、40,40a…本体部、43…印刷材供給部、45…電子識別部、46…流体受部、48…被固定部、48r…被固定第1側壁、48p…被固定第2側壁、48u…被固定底壁、63…印刷材導入部、63a…先端部、65…情報処理装置、69…規制機構、81…サーバーCPU、83…サーバー記憶部、85…サーバー通信部、90…端末制御装置、91…端末CPU、93…端末記憶部、94…端末通信部、95…端末読取部、97…端末表示部、311,811…主動作制御部、312…装着判定部、313…適合判定部、314,814…消費値管理部、315,815…取得管理部、316,816…リフィル回数推定部、317,817…交換推定部、318,818…情報生成部、319…通知部、320…読み書き制御部、401…カートリッジ後壁、402…カートリッジ上壁、403…カートリッジ底壁、404…カートリッジ第1側壁、405…カートリッジ第2側壁、406…カートリッジ前壁、407…傾斜壁、407a…傾斜面、410…突出部、411…第1突出部、411a…第1突出部の先端部、412…第2突出部、412a…第2突出部の先端部、413…第3突出部、413a…第3突出部の先端部、418…第1凹部、419…第2凹部、420…カートリッジ側係合部、421…カートリッジ側第1係合部、422…カートリッジ側第2係合部、431…供給口、434…配置孔、450…印刷材収容部、451…情報記憶部、452…情報提供部、452a…ラベル表示部、453…識別部制御部、453a…ラベル生成部、453b…ラベル表示制御部、453c…情報更新部、455…識別部通信部、459…ケース部、459b…ケース後壁、459f…ケース前壁、459p…ケース第2側壁、459r…ケース第1側壁、459t…ケース上壁、459u…ケース底壁、461…配置凹部、465…凹部底面、482…カートリッジ側第1位置決め部、484…カートリッジ側第2位置決め部、492…カートリッジ側規制部、600…収容室、601…装置後壁、602…装置上壁、603…装置底壁、604…装置第1側壁、605…装置第2側壁、606…装置前壁、610…可動ユニット、611…第1可動部、611a…第1可動部の先端部、612…第2可動部、612a…第2可動部の先端部、613…第3可動部、613a…第3可動部の先端部、618…付勢部材、619…測定機構、620,620K,620C,620M,620Y…装置側係合部、621…装置側第1係合部、621a…装置側第1係合部の先端部、622…装置側第2係合部、622a…装置側第2係合部の先端部、630…ベース部、651…撮像部、653…処理装置CPU、653a…画像処理部、653b…更新指示部、655…処理装置通信部、674…挿抜開口部、682…装置側第1位置決め部、682a…装置側第1位置決め部の先端部、684…装置側第2位置決め部、684a…装置側第2位置決め部の先端部、686…加圧部、691…操作部、692…装置側規制部、698…バネ部材、699…回転軸部、911…端末動作制御部、913…端末取得部、915…端末表示制御部、B…明色セル、CL…中心軸、D…暗色セル、Db1…適合データベース、Db2…保管場所データベース、Df…遠方部分、DI…挿入方向、DL…光軸方向、Dn…近方部分、DO…取り外し方向、FA…形成領域、FL…焦点距離、Fp…表示形状、Fr…読み取り形状、J…カートリッジ情報、J1…識別情報、J2…状態情報、J21…残量情報、J22…リフィル情報、L,La…電子ラベル、L1…第1距離、L2…第2距離、LD…移動量、P…媒体、T1…可動閾値、T2…消費閾値、T3…時間閾値、Tb…管理テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16