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特開2024-130516介助システム、介助システム用プログラム、第1端末、及び、第2端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130516
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】介助システム、介助システム用プログラム、第1端末、及び、第2端末
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040283
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】317006258
【氏名又は名称】オプテックス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】西村 真哉
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 賢一
(72)【発明者】
【氏名】徳田 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】林 輝夫
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼野 真史
(72)【発明者】
【氏名】藤本 直
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC43
5L050CC43
(57)【要約】
【課題】移動制約者への介助の高効率化を図りつつも、移動制約者が安心して使うことのできる介助システムを提供する。
【解決手段】駅構内にいる移動制約者を介助するための介助システム100であって、移動制約者が操作する第1端末T1と、駅利用者及び駅係員を含む介助者それぞれが操作する第2端末T2とともに用いられるシステムであり、移動制約者の属性を示す属性情報を格納している属性情報格納部32と、移動制約者が介助を求めていることを示す情報、その移動制約者の属性情報とともに第2端末に通知する通知部33とを有し、通知部33からの通知が、駅利用者の第2端末T2のみならず、駅係員の第2端末T2にも通知されるようにした。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅構内にいる移動制約者を介助するための介助システムであって、
前記移動制約者が操作する第1端末と、駅利用者及び駅係員を含む介助者それぞれが操作する第2端末とともに用いられるシステムであり、
前記移動制約者の属性を示す属性情報を格納している属性情報格納部と、
前記移動制約者が介助を求めていることを示す情報、その移動制約者の前記属性情報とともに前記第2端末に通知する通知部とを有し、
前記通知部からの通知が、前記駅利用者の前記第2端末のみならず、前記駅係員の前記第2端末にも通知されるように構成されていることを特徴とする介助システム。
【請求項2】
前記移動制約者が複数の前記駅利用者の中から介助を求める者を限定するための介助者限定部をさらに備え、
前記通知部からの通知が、前記介助者限定部を介して限定された前記駅利用者の前記第2端末と、前記駅係員の前記第2端末とに届くように構成されていることを特徴とする請求項1記載の介助システム。
【請求項3】
前記介助者限定部は、前記駅利用者の情報を示す介助者情報と、前記移動制約者が入力した前記駅利用者に求める条件とを照合して、前記通知部からの通知が届く前記駅利用者の前記第2端末を限定することを特徴とする請求項2記載の介助システム。
【請求項4】
前記介助者情報には、前記駅利用者の性別、年齢、又は、移動制約者からの評価の少なくとも1つが含まれていることを特徴とする請求項3記載の介助システム。
【請求項5】
前記通知部からの通知が、前記駅利用者の前記第2端末よりも早く、前記駅係員の前記第2端末に届くことを特徴とする請求項1記載の介助システム。
【請求項6】
前記駅係員が前記第2端末を介して介助の受け入れを承認した場合に、前記通知部が、前記駅利用者の前記第2端末への通知を取りやめることを特徴とする請求項5記載の介助システム。
【請求項7】
前記移動制約者の属性情報には、当該移動制約者の移動が制約される理由を示す情報が含まれていることを特徴とする請求項1記載の介助システム。
【請求項8】
前記通知部が、前記移動制約者が介助を求めていることを、その介助を求める駅において勤務中の複数の前記駅係員に通知することを特徴とする請求項1記載の介助システム。
【請求項9】
前記通知部が、前記移動制約者が介助を求めていることを、駅構内においてその介助が必要な特定エリアにいる前記駅利用者に通知し、その特定エリア外の前記駅利用者には通知しないことを特徴とする請求項1記載の介助システム。
【請求項10】
前記特定エリアに前記駅係員がいる又は到着した場合に、前記通知部が、前記駅利用者への通知をキャンセルすることを特徴とする請求項9記載の介助システム。
【請求項11】
前記通知部が、前記移動制約者が介助を求めていることを、前記移動制約者が乗車している列車の行先駅への到着時刻の所定時間前に、その行先駅にいる前記駅利用者に通知することを特徴とする請求項1記載の介助システム。
【請求項12】
前記通知部が、前記移動制約者の前記属性情報とともに、駅構内の各エリアにおける介助依頼事項をも前記第2端末に通知することを特徴とする請求項1記載の介助システム。
【請求項13】
前記通知部が、通知する前記介助依頼事項を、前記第2端末の位置するエリアに応じて切り替えることを特徴とする請求項12記載の介助システム。
【請求項14】
前記通知部からの通知先として設定された前記第2端末の数を示す予定通知数を取得する通知数取得部と、
前記移動制約者の移動ルートを受け付けるルート受付部とを有し、
前記予定通知数が閾値を超える場合に、前記通知部が、前記移動ルートに基づき一部の前記第2端末を選択するとともに、その選択された前記第2端末にのみ通知することを特徴とする請求項1記載の介助システム。
【請求項15】
駅構内にいる移動制約者を介助するための介助システム用プログラムであって、
前記移動制約者が操作する第1端末と、前記第1端末にネットワークを介して通信可能に接続されて、駅利用者及び駅係員を含む介助者それぞれが操作する第2端末とを利用してなるシステムに用いられるプログラムであり、
前記移動制約者の属性を示す属性情報を格納している属性情報格納部と、
前記移動制約者が介助を求めていることを示す情報を、その移動制約者の前記属性情報とともに前記第2端末に通知する通知部としての機能をコンピュータに発揮させるものであり、
前記通知部からの通知が、前記駅利用者の前記第2端末のみならず、前記駅係員の前記第2端末にも通知されるように構成されていることを特徴とする介助システム用プログラム。
【請求項16】
駅構内にいる移動制約者が操作する第1端末であって、
介助を求めていることが入力される入力部と、
前記入力部に入力された情報と前記移動制約者の属性を示す属性情報を、前記駅構内にいる利用者の第2端末と前記駅構内にいる駅係員の第2端末に直接又は間接的に送信する送信部とを有することを特徴とする第1端末。
【請求項17】
駅構内にいる移動制約者が介助を求めていることを示す情報と前記移動制約者の属性を示す属性情報を駅構内にいる駅利用者又は駅係員に通知するシステムで前記駅利用者又は前記駅係員が操作する第2端末において、
駅構内にいる移動制約者が介助を求めていることを示す情報と前記移動制約者の属性を示す属性情報を直接又は間接的に受信する受信部と、
受信した情報の一部又は全部を報知する報知部とを有することを特徴とする第2端末。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、車椅子利用者などの移動制約者を介助するための介助システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとしては、特許文献1に示すように、移動に介助を必要とする者(以下、移動制約者という)が自分の端末を介して支援要請を送信すると、その支援要請とともに、例えば障がいの種別、性別、白杖を使用していることなどの個人情報が、周辺者の所持する端末に送信されるように構成されたものがある。
【0003】
上述した構成により、支援要請を受信した者は、周辺に介助を必要としている移動制約者がいることを知り、その支援情報とともに受信した個人情報から、その移動制約者を速やかに特定することができたり、どのような介助を必要としているかをある程度事前に知ることができたりするので、支援の高効率化を図れる。
【0004】
ところが、駅構内の例えばホームにいる移動制約者を介助する場合、駅係員による適切な介助が必要であって、一般の駅利用者が介助しようとすると逆に危険を伴うケースがあるところ、上述したシステムはこのようなケースまで検討されておらず、移動制約者が安心して利用することができない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第7076796号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本願発明は、上述した課題を解決するべくなされたものであり、移動制約者への介助の高効率化を図りつつも、移動制約者が安心して使うことのできる介助システムを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明に係る介助システムは、駅構内にいる移動制約者を介助するための介助システムであって、前記移動制約者が操作する第1端末と、駅利用者及び駅係員を含む介助者それぞれが操作する第2端末とともに用いられるシステムであり、前記移動制約者の属性を示す属性情報を格納している属性情報格納部と、前記移動制約者が介助を求めていることを、その移動制約者の前記属性情報とともに前記第2端末に通知する通知部とを有し、前記通知部からの通知が、前記駅利用者の前記第2端末のみならず、前記駅係員の前記第2端末にも通知されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
このように構成された介助システムによれば、移動制約者が介助を求めていることを、その移動制約者の属性情報とともに通知するので、介助しようとする介助者にとっては、移動制約者がどのような介助が必要であるかを事前にある程度把握することができ、適切な行動を取りやすくなり、移動制約者への介助の高効率化を図れる。
さらに、上述した通知が、駅利用者のみならず、駅係員にも通知されるので、駅利用者の介助が移動制約者に怪我などをおわせてしまう恐れがあれば、その介助を駅係員が止めることができ、移動制約者の安心を得られる。
【0009】
前記移動制約者が複数の前記駅利用者の中から介助を求める者を限定するための介助者限定部をさらに備え、前記通知部からの通知が、前記介助者限定部を介して限定された前記駅利用者の前記第2端末と、前記駅係員の前記第2端末とに届くように構成されていることが好ましい。
このような構成であれば、介助を求める駅利用者を限定することができ、移動制約者にとってはシステムをより安心して使うことができるようになる。
【0010】
前記介助者限定部は、前記駅利用者の情報を示す介助者情報と、前記移動制約者が入力した前記駅利用者に求める条件とを照合して、前記通知部からの通知が届く前記駅利用者の前記第2端末を限定することが好ましい。
このような構成であれば、移動制約者は、介助者情報から介助を求める駅利用者を限定することができ、その時々に適した駅利用者に介助を求めることができる。
【0011】
前記介助者情報には、前記駅利用者の性別、年齢、又は、移動制約者からの評価の少なくとも1つが含まれていることが好ましい。
このような構成であれば、種々の情報から介助を求める駅利用者を限定することができ、限定の自由度が向上する。
【0012】
前記通知部からの通知が、前記駅利用者の前記第2端末よりも早く、前記駅係員の前記第2端末に届くことが好ましい。
このような構成であれば、駅利用者よりも駅係員に優先的に通知が届くので、駅係員を駅利用者よりも優先的に介助者にすることができる。これにより、例えば、駅利用者による介助が難しい場合などに、駅利用者の介助によって移動制約者に怪我をおわせてしまうリスクなどを減らすことができ、移動制約者の安心を得られる。
【0013】
前記駅係員が前記第2端末を介して介助の受け入れを承認した場合に、前記通知部が、前記駅利用者の前記第2端末への通知を取りやめることが好ましい。
このような構成であれば、駅利用者への不要な通知をなくすことができる。
【0014】
前記移動制約者の属性情報には、当該移動制約者の移動が制約される理由を示す情報が含まれていることが好ましい。
このようなシステムであれば、様々な移動制約者に資するものとなる。
【0015】
前記通知部が、前記移動制約者が介助を求めていることを、その介助を求める駅において勤務中の複数の前記駅係員に通知することが好ましい。
このような構成であれば、介助者としての優先度の高い駅係員の複数人に通知が届くので、より良い介助環境を作り出すことができる。
【0016】
前記通知部が、前記移動制約者が介助を求めていることを、駅構内においてその介助が必要な特定エリアにいる前記駅利用者に通知し、その特定エリア外の前記駅利用者には通知しないことが好ましい。
このような構成であれば、介助することが難しい場所にいる駅利用者への不要な通知を防ぐことができる。
【0017】
前記特定エリアに前記駅係員がいる又は到着した場合に、前記通知部が、前記駅利用者への通知をキャンセルすることが好ましい。
このような構成であれば、駅係員を駅利用者よりも優先的に介助者とすることができ、上述したように、駅利用者による介助が難しい場合などに、駅利用者の介助によって移動制約者に怪我をおわせてしまうリスクなどを減らすことができ、移動制約者の安心を得られる。
【0018】
前記通知部が、前記移動制約者が介助を求めていることを、前記移動制約者が乗車している列車の行先駅への到着時刻の所定時間前に、その行先駅にいる前記駅利用者に通知することが好ましい。
このような構成であれば、移動制約者が行先駅に到着する際に、その場にいる可能性の高い駅利用者に限定して通知が届くので、不要な通知を減らすことができる。
【0019】
前記通知部が、前記移動制約者の前記属性情報とともに、駅構内の各エリアにおける介助依頼事項をも前記第2端末に通知することが好ましい。
このような構成であれば、移動制約者が必要としている介助の具体的な事項を事前に介助者に伝えておくことができ、介助の高効率化を図れる。
【0020】
前記通知部が、通知する前記介助依頼事項を、前記第2端末の位置するエリアに応じて切り替えることが好ましい。
このような構成であれば、介助者のいるエリアに応じて介助依頼事項を自動的に適切なものに切り替えることができる。
【0021】
前記通知部からの通知先として設定された前記第2端末の数を示す予定通知数を取得する通知数取得部と、前記移動制約者の移動ルートを受け付けるルート受付部とを有し、前記予定通知数が閾値を超える場合に、前記通知部が、前記移動ルートに基づき一部の前記第2端末を選択するとともに、その選択された前記第2端末にのみ通知することが好ましい。
このような構成であれば、介助を依頼することのできる通知先が多すぎる場合に、例えば移動制約者の移動ルート上に又は移動ルートの近くにいる介助者にのみ通知することができ、不要な通知を減らすことができる。
【0022】
本発明に係る介助システム用プログラムは、駅構内にいる移動制約者を介助するための介助システムであって、前記移動制約者が操作する第1端末と、前記第1端末にネットワークを介して通信可能に接続されて、駅利用者及び駅係員を含む介助者それぞれが操作する第2端末とを利用してなるシステムに用いられるプログラムであり、前記移動制約者の属性を示す属性情報を格納している属性情報格納部と、前記移動制約者が介助を求めていることを、その移動制約者の前記属性情報とともに前記第2端末に通知する通知部としての機能をコンピュータに発揮させるものであり、前記通知部からの通知が、前記駅利用者の前記第2端末のみならず、前記駅係員の前記第2端末にも通知されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0023】
本発明に係る第1端末は、駅構内にいる移動制約者が操作する第1端末であって、介助を求めていることが入力される入力部と、前記入力部に入力された情報と前記移動制約者の属性を示す属性情報を、前記駅構内にいる利用者の第2端末のみならず、前記駅構内にいる駅係員の第2端末に直接又は間接的に送信する送信部と有することを特徴とするものである。
【0024】
本発明に係る第2端末は、駅構内にいる移動制約者が介助を求めていることを示す情報と前記移動制約者の属性を示す属性情報を駅構内にいる駅利用者又は駅係員に通知するシステムで前記駅利用者又は前記駅係員が操作する第2端末において、駅構内にいる移動制約者が介助を求めていることを示す情報と前記移動制約者の属性を示す属性情報を直接又は間接的に受信する受信部と、受信した情報の一部又は全部を報知する報知部とを有することを特徴とするものである。
【0025】
このような介助システム用プログラム、第1端末、及び、第2端末によれば、上述した介助システムと同様の作用効果を奏し得る。
【発明の効果】
【0026】
本願発明によれば、移動制約者への介助の高効率化を図りつつも、移動制約者が安心して使うことのできる介助システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願発明に係る第1実施形態の介助システムの使用態様を示す概略図。
図2】同実施形態の第1端末の機能を示す機能ブロック図。
図3】同実施形態の第2端末の機能を示す機能ブロック図。
図4】同実施形態のサーバの機能を示す機能ブロック図。
図5】同実施形態の介助システムの動作を示すフローチャート。
図6】同実施形態の第1端末の表示内容を示す模式図。
図7】本発明に係る第2実施形態のサーバの機能を示す機能ブロック図。
図8】本発明に係る第2実施形態の第1端末の表示内容を示す模式図。
図9】本発明に係る第3実施形態のサーバの機能を示す機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<<第1実施形態>>
本願発明の第1実施形態における介助システムについて図面を参照しながら説明する。
【0029】
本実施形態の介助システム100は、駅構内にいる移動制約者を介助するためのものであり、図1に示すように、移動制約者が操作する第1端末T1と、介助者が操作する第2端末T2とともに用いられるものである。
【0030】
なお、ここでいう「駅構内にいる移動制約者」とは、駅構内を移動している或いは移動しようとする移動制約者のみならず、その駅に到着した列車内にいる移動制約者やこれから駅構内に踏み入ろうとする移動制約者も含む。
【0031】
また、「移動制約者」は、視覚障がい者、聴覚障がい者、義足装着者などの障がいを持つ者のみならず、体調不良者、子ども連れ、高齢者、妊婦、子ども、松葉杖使用者、キャリーケース使用者、又は、自転車乗り込み者など、種々の理由によって移動に不自由を感じる者を含む。なお、自転車乗り込み者とは、列車に自転車とともに乗り降りする者である。
【0032】
また、「介助者」は、駅構内にいる移動制約者の移動を本介助システム100を通じて手助けしようとする者であり、その駅を利用する一般の駅利用者、及び、その駅において勤務中の駅係員を含む概念である。なお、駅利用者は、列車の乗り降りを目的とした駅の利用に限らず、例えば駅構内の施設を利用する者や、駅構内で待ち合わせすることを目的として駅を利用する者などであっても良い。また、駅係員は、鉄道会社に勤める者に限らず、駅構内の施設に勤める者など、駅構内で勤務する様々な者を含む。
【0033】
まず、第1端末T1及び第2端末T2について簡単に説明する。
【0034】
第1端末T1は、移動制約者が保持する携帯端末や、移動制約者が利用する例えば車椅子などの用具に取付可能な端末である。
【0035】
この第1端末T1は、物理的にはCPU及びメモリなどを備えており、機能的には、図2に示すように、第1入力部11、第1送信部12、第1受信部13、及び第1報知部14を備えている。
【0036】
第2端末T2は、介助者が保持する端末や、駅構内に据え付けられて介助者が使用可能な端末であり、より具体的には、駅利用者が保持する携帯端末、駅係員が保持する携帯端末、又は駅係員が勤務している部屋などに備えられている端末などである。なお、各鉄道会社が列車の運行を中央管理している場合であれば、第2端末T2は、中央管理室等に配置されて一括管理されるものであっても良い。
【0037】
この第2端末T2は、物理的にはCPU及びメモリなどを備えており、機能的には、図3に示すように、第2受信部21、第2報知部22、第2入力部23、及び第2送信部24を備えている。
【0038】
上述した構成において、本実施形態の介助システム100は、図1に示すように、第1端末T1とネットワークNTを介して接続されるとともに、第2端末T2とネットワークNTを介して接続されるサーバSを備えている。
【0039】
このサーバSは、物理的にはCPU、メモリ等を備えたものであり、前記メモリに記憶されている介助システム用プログラムに従って、前記CPU及びその周辺機器が協働することにより、図4に示すように、受付部31、属性情報格納部32、通知部33、及び位置情報取得部34としての機能を発揮するものである。
【0040】
以下、第1端末T1、第2端末T2、及びサーバSが備える各部の機能について、図5のフローチャートを参照しながら詳述する。
【0041】
(属性情報の入力:図5のS1)
第1入力部11は、移動制約者の属性を示す属性情報を入力するためのものであり、例えば第1端末T1に備わるタッチパネル等を利用して構成されている。ただし、第1入力部11の具体的な構成は、タッチパネルに限らず、マウスやキーボードなどの種々の手段を利用して構わない。
【0042】
移動制約者の属性情報には、当該移動制約者の移動が制約される理由を示す情報が含まれており、本実施形態の第1入力部11は、図6における第1端末T1の表示内容に示すように、その理由を分類化した属性が入力される。
【0043】
具体的に移動制約者は、予め分類化されている複数種類の属性の中から適切なものを、第1入力部11を介して選択することができる。なお、分類化されている属性は、適宜、追加又は修正することができても構わない。
【0044】
具体的な属性情報としては、移動制約者が、視覚障がい者、聴覚障がい者、義足装着者、体調不良者、子ども連れ、高齢者、妊婦、子ども、松葉杖使用者、キャリーケース使用者、又は自転車乗り込み者であることを示す情報を挙げることができる。なお、子ども連れ、高齢者、又は子どもであることを示す属性は、移動制約者の自己判断又は保護者或いは同居者の判断で入力できるようにしても良いし、年齢制限を課したうえで入力できるようにしても良い。
【0045】
本実施形態の第1入力部11は、図6に示すように、移動制約者の属性のみならず、年齢及び性別を属性情報として入力するためにも用いられる。なお、本明細書において「性別」とは、生物学的な性を示すものに限らず、社会的又は心理的な性別(いわゆるジェンダ)を含む概念である。ただし、移動制約者は、必ずしも年齢及び性別を入力する必要はない。
【0046】
また、図示していないが、第1入力部11は、移動制約者の国籍又は使用言語を属性情報として入力するために用いられても良い。
【0047】
上述した属性情報は、移動制約者が本介助システム100を利用する前に入力する情報であり、これらの情報は、第1送信部12により第2端末T2に直接又は間接的に送信される。
【0048】
本実施形態の第1送信部12は、図2に示すように、第1入力部11に入力された属性情報をサーバSに送信するものであり、送信された属性情報は、図4に示すように、受付部31により受け付けられて属性情報格納部32に格納される。
【0049】
このように属性情報格納部32に属性情報が格納された後、移動制約者は、本介助システム100を用いて介助者に介助を求めることができるようになる。
【0050】
(介助依頼情報の入力:図5のS2)
具体的に移動制約者は、第1入力部11を介して、介助を求めることを入力することができる。すなわち、第1入力部11は、移動制約者が介助を求めていることを示す情報(以下、介助依頼情報という)を入力するためのものであり、この介助依頼情報には、例えば介助を求める駅の駅名、及び、介助を求める時刻などが含まれている。なお、上述した属性情報の登録時に、移動制約者が特定のエリアに入ったことを契機に自動的に介助を求めることができるようにしても良い。
【0051】
(介助依頼情報及び属性情報の送信:図5のS3)
このようにして、移動制約者が第1入力部11を介して介助依頼情報を入力すると、第1送信部12が、その介助依頼情報を第2端末T2に直接又は間接的に送信する。
【0052】
本実施形態の第1送信部12は、図2に示すように、介助依頼情報をサーバSに送信し、その介助依頼情報は、図4に示すように、受付部31により受け付けられて、通知部33から第2端末T2に送信される。
【0053】
本実施形態の通知部33は、上述した介助依頼情報を、その介助依頼情報を入力した移動制約者の属性情報とともに第2端末T2に通知する。
【0054】
そして、本介助システム100は、図1及び図4に示すように、この通知部33からの通知が、駅利用者の第2端末T2のみならず、駅係員の第2端末T2にも通知されるように構成されている。
【0055】
すなわち、本実施形態の通知部33は、受付部31が介助依頼情報を受け付けると、その移動制約者の属性情報を属性情報格納部32から取得して、介助依頼情報及び属性情報を駅利用者の第2端末T2に送信するとともに、駅係員の第2端末T2にも送信する。
【0056】
なお、第2端末T2が駅利用者のものであるか駅係員のものであるかを通知部33により判断させるための実施態様としては、例えば、第2端末T2それぞれを識別するための識別子を、駅利用者のものであるか駅係員のものであるかを識別可能にしつつサーバSに登録しておく態様を挙げることができる。
【0057】
また、駅利用者及び駅係員のいる駅が介助を求められている駅であるか否かの判断は、この実施形態では、図4に示す位置情報取得部34が、例えばGPS、IMES、ビーコン、又はWi-Fi(登録商標)などを用いて第2端末T2の位置を示す位置情報を取得することによりなされる。なお、駅係員には、自分の勤務する担当駅を登録した登録デバイスを所持させておき、この登録デバイスを利用して駅係員の担当駅を識別できるようにしても良い。
【0058】
本実施形態では、位置情報取得部34が、取得した位置情報の示す第2端末T2の位置が、介助が求められている駅構内であるか否かを判断し、その判断結果を通知部33に出力する。
【0059】
そして、通知部33は、位置情報取得部34による判断結果に基づいて、介助依頼情報及び属性情報を、介助が求められている駅構内にある駅利用者の第2端末T2に送信するとともに、介助が求められている駅構内にある駅係員の第2端末T2にも送信する。
【0060】
本実施形態では、上述した通知部33が、移動制約者が介助を求めていることを、その介助を求める駅において勤務中の複数の駅係員に通知するように構成されており、具体的には、その駅において勤務中の駅係員それぞれが所持する第2端末T2の複数に通知する。
【0061】
また、本実施形態では、通知部33からの通知が、駅利用者の第2端末T2よりも早く、駅係員の第2端末T2に届くようにしてある。
【0062】
つまり、受付部31が介助依頼情報を受け付けると、通知部33は、まず介助依頼情報及び属性情報を駅係員の第2端末T2に送信して、その後、所定時間経過してから、それらの介助依頼情報及び属性情報を駅利用者の第2端末T2に送信する。
【0063】
このようにして、駅利用者の第2端末T2及び駅係員の第2端末T2のそれぞれの第2受信部21は、第1端末T1から送信された介助依頼情報及び属性情報を直接又は間接的に受信する。
【0064】
本実施形態の第2受信部21は、図3に示すように、サーバSの通知部33から送信された介助依頼情報及び属性情報を受信する。
【0065】
第2報知部22は、図3に示すように、第2受信部21により介助依頼情報及び属性情報が受信されたことを、例えばディスプレイに表示するなどして介助者に報知する。なお、報知の仕方はこれに限らず、振動、音などを用いた報知方法であっても構わないし、嗅覚や味覚を通じた報知方法であっても構わない。
【0066】
そして、第2報知部22は、介助者が情報の内容の閲覧を要求した際に、介助依頼情報の内容及び属性情報の内容をディスプレイに表示したり、音声で発したりして報知する。
【0067】
(介助の受け入れ承認:図5のS4)
介助依頼情報及び属性情報の確認後、介助者は、介助の受け入れを承認する場合、そのことを第2入力部23を介して入力することができる。
【0068】
すなわち、第2入力部23は、図3に示すように、介助の受け入れを承認することを示す情報(以下、承認情報という)を入力するためのものであり、例えば第2端末T2に備わるタッチパネル等を利用して構成されている。ただし、第2入力部23の具体的な構成は、タッチパネルに限らず、マウスやキーボードなどの種々の手段を利用して構わない。
【0069】
このようにして介助者が第2入力部23を介して介助の受け入れを承認すると、第2送信部24は、承認情報を第1端末T1に直接又は間接的に送信する。
【0070】
本実施形態の第2送信部24は、図3に示すように、承認情報をサーバSに送信し、その承認情報は、図4に示すように、サーバSの受付部31により受け付けられるとともに、通知部33から第1端末T1に送信される。
【0071】
(通知の取りやめ:図5のS5、S6)
ここで、本実施形態の介助システム100は、駅係員が第2端末T2を介して介助の受け入れを承認した場合に、通知部33が、駅利用者の第2端末T2への通知を取りやめるように構成されている。
【0072】
より具体的に説明すると、本実施形態の介助システム100は、上述した通り、通知部33からの通知が、駅係員の第2端末T2に送信されてから、所定時間経過後に、駅利用者の第2端末T2に送信されるところ、その所定時間内にサーバSの受付部31が承認情報を受け付けた場合、その承認情報は駅係員の第2端末T2から送信されたものである。
【0073】
このことを利用して、本実施形態の通知部33は、受付部31が所定時間内に承認情報を受け付けた否かを判断することで、駅係員が介助を承認した否かを判断し、受付部31が所定時間内に承認情報を受け付けた場合に、その後に予定している駅利用者の第2端末T2への通知を取りやめる。
【0074】
ただし、所定時間経過後であっても、駅係員が第2端末T2を介して介助の受け入れを承認し、その承認情報を受付部31が受け付けた場合に、通知部33が、駅利用者の第2端末T2への通知を取りやめるように構成されていても良い。
【0075】
この場合の具体的な態様としては、受付部31が承認情報を受け付けた場合に、その送信元である第2端末T2の識別子と、予め登録されている駅係員の第2端末T2を識別するための複数の係員識別子とを照合して、これらの係員識別子の中に送信元の第2端末T2の識別子と一致するものがある場合に、通知部33が、駅利用者の第2端末T2への通知を取りやめる態様を挙げることができる。
【0076】
第1受信部13は、第2送信部24から送信された承認情報を直接又は間接的に受信するものである。
【0077】
本実施形態の第1受信部13は、図2に示すように、サーバSの通知部33から通知された承認情報を受信するものであり、複数の第2送信部24から承認情報が送信されている場合には、それぞれの承認情報を受信することができる。
【0078】
第1報知部14は、図2に示すように、1又は複数人の介助者が介助の受け入れを承認したことを、例えばディスプレイに表示するなどして移動制約者に報知するものである。なお、報知の仕方はこれに限らず、振動、音などを用いた報知方法であっても構わないし、嗅覚や味覚を通じた報知方法であっても構わない。
【0079】
(介助者の選択:図5のS7)
その後、移動制約者が第1端末T1を介して介助の受け入れを承認している介助者の1又は複数人を選択すると、そのことが選択された介助者の第2端末T2に直接又は間接的に送信され、これにより介助の受け入れ環境が整う。
【0080】
このように構成された介助システム100によれば、移動制約者が介助を求めていることを、その移動制約者の属性情報とともに通知するので、介助しようとする介助者にとっては、移動制約者がどのような介助が必要であるかを事前にある程度把握することができ、適切な行動を取りやすくなり、移動制約者への介助の高効率化を図れる。
さらに、上述した通知が、駅利用者のみならず、駅係員にも通知されるので、駅利用者の介助が移動制約者に怪我などをおわせてしまう恐れがあれば、その介助を駅係員が止めることができ、移動制約者の安心を得られる。なお、介助の依頼内容を判定する依頼内容判定部としての機能をサーバSに備えさせて、その判定内容によっては駅係員にのみ通知が届くようにしても良い。
【0081】
また、通知部33からの通知が駅利用者よりも駅係員に優先的に届くので、駅係員を駅利用者よりも優先的に介助者にすることができる。これにより、例えば、駅利用者による介助が難しい場合などに、駅利用者の介助によって移動制約者に怪我をおわせてしまうリスクなどを減らすことができ、移動制約者の安心を得られる。
【0082】
さらに、介助者としての優先度の高い駅係員の複数人に通知が届くので、より良い介助環境を作り出すことができる。
【0083】
加えて、駅係員が第2端末T2を介して介助の受け入れを承認した場合に、通知部33が、駅利用者の第2端末T2への通知を取りやめるので、駅利用者への不要な通知をなくすことができる。
【0084】
なお、上述した介助システム100において、第1端末T1は、駅構内にいる移動制約者が操作するものであって、介助を求めていることが入力される第1入力部11と、第1入力部11に入力された情報と移動制約者の属性を示す属性情報を、駅構内にいる利用者の第2端末T2と駅構内にいる駅係員の第2端末T2に直接又は間接的に送信する第1送信部12と有するものである。
【0085】
また、第2端末T2は、駅構内にいる移動制約者が介助を求めていることを示す情報と移動制約者の属性を示す属性情報を駅構内にいる駅利用者又は駅係員に通知する介助システム100で駅利用者又は駅係員が操作する第2端末T2において、駅構内にいる移動制約者が介助を求めていることを示す情報と移動制約者の属性を示す属性情報を直接又は間接的に受信する第2受信部21と、受信した情報の一部又は全部を報知する第2報知部22とを有するものである。
【0086】
<<第2実施形態>>
続いて、第2実施形態に係る介助システム100について説明する。
【0087】
本実施形態に係る介助システム100は、図7に示すように、サーバSが、介助者情報格納部35及び介助者限定部36としての機能を有する点において、前記第1実施形態と相違するので、この点について説明する。
【0088】
介助者情報格納部35は、本システムを利用する駅利用者の情報である介助者情報を格納するものである。
【0089】
この介助者情報は、移動制約者が介助を求める駅利用者を限定するために用いられる情報であり、駅利用者の性別、年齢、又は、移動制約者からの評価の少なくとも1つが含まれている。
【0090】
なお、性別及び年齢は、駅利用者が第2入力部23を介して入力する情報である。また、移動制約者からの評価は、過去に介助されたことのある移動制約者が第1入力部11を介して入力する情報であり、具体的には複数段階から選択可能な評価や点数を用いた評価などを挙げることができる。
【0091】
そして、本実施形態の介助システム100では、移動制約者が介助を求める駅利用者を限定できるように構成されている。
【0092】
より具体的に説明すると、移動制約者は、図7及び図8における第1端末T1の表示内容に示すように、移動制約者が第1入力部11を介して駅利用者に求める条件(以下、限定条件という)を入力することができ、具体的には、介助者として許容することのできる性別、年齢、又は移動制約者からの評価の1つ又は複数を、限定条件として選択することができる。
【0093】
このようにして、移動制約者により限定条件が入力されると、その限定条件がサーバSに送信されて、受付部31が受け付ける。
【0094】
そして、介助者限定部36が、駅利用者の情報を示す介助者情報と、移動制約者が入力した前記駅利用者に求める限定条件とを照合して、通知部33からの通知が届く駅利用者の第2端末T2を限定する。
【0095】
具体的に介助者限定部36は、介助者情報格納部35に格納されている複数の介助者情報と、受付部31が受け付けた限定条件とを比較して、限定条件を満たす介助者情報に対応する駅利用者を特定するとともに、その駅利用者の第2端末T2を識別するための識別子を通知部33に出力する。
【0096】
これにより、通知部33からの通知が、介助者限定部36を介して限定された駅利用者の第2端末T2、言い換えれば、介助者限定部36から出力された識別子に対応する第2端末T2と、駅係員の第2端末T2とに届く。
【0097】
このように構成された介助システム100によれば、介助を求める駅利用者を限定することができ、移動制約者にとってはシステムをより安心して使うことができるようになる。
【0098】
また、移動制約者は、介助者情報から介助を求める駅利用者を限定することができるので、その時々に適した駅利用者に介助を求めることができる。
【0099】
さらに、移動制約者は、限定条件として、駅利用者の性別、年齢、又は移動制約者からの評価の1つ又は複数を入力することができるので、種々の情報から介助を求める駅利用者を限定することができ、限定の自由度が向上する。なお、限定条件として、介助者を駅員のみに限定することができるようにしても良い。
【0100】
加えて、移動制約者の属性情報には、当該移動制約者の移動が制約される理由を示す情報が含まれているので、様々な移動制約者に資するものとなる。
【0101】
<<第3実施形態>>
続いて、第3実施形態に係る介助システム100について説明する。
【0102】
本実施形態に係る介助システム100は、図9に示すように、エリア特定部37、通知数取得部38、ルート受付部39、及び依頼事項格納部40としての機能を有する点において、前記第1実施形態と相違するので、この点について説明する。
【0103】
エリア特定部37は、移動制約者が第1入力部11を介して介助を求めることを入力した場合に、駅構内においてその介助が必要なエリア(以下、特定エリアという)を特定するものである。
【0104】
特定エリアを特定するための具体的な態様としては、例えば、移動制約者が検索した乗車駅から行先駅までの列車の乗換案内情報を利用した態様を挙げることができる。
【0105】
より具体的に説明すると、乗換案内情報には、少なくとも移動制約者が介助を求める駅で列車を降りる降車ホームと、次の列車に乗る乗車ホームとを示す情報が含まれており、エリア特定部37としては、この乗換案内情報を第1端末T1から取得するように構成されていても良い。
【0106】
そして、エリア特定部37は、予めサーバSに格納されている駅のマップ情報に基づいて、上述した降車ホームから乗車ホームまでの1又は複数の移動ルートを作成して、これらの移動ルートに沿ったエリアを特定エリアとして特定する。
【0107】
この特定エリアを示す情報は、エリア特定部37から通知部33へ出力され、ここでの通知部33は、移動制約者が介助を求めていることを、特定エリアにいる駅利用者に通知し、その特定エリア外の駅利用者には通知しないように構成されている。
【0108】
なお、駅利用者が特定エリアにいるか否かは、この実施形態では、位置情報取得部34が、例えばGPS、IMES、ビーコン、又はWi-Fi(登録商標)などを用いて駅利用者の第2端末T2の位置を示す位置情報を取得して、その位置が特定エリア内であるか否かにより判断することができる。
【0109】
さらに、この実施形態では、特定エリアに駅係員がいる又は到着した場合に、通知部33が、駅利用者への通知をキャンセルする。なお、この通知のキャンセルは、特定エリアに単独の駅係員がいる又は到着した場合に実行されても良いし、介助に特定の人数の介助者が必要な場合は、その特定人数の駅係員が特定エリアにいる又は到着した場合に実行されても良い。
【0110】
なお、駅係員が特定エリアにいる又は到着したか否かは、位置情報取得部34が、例えばGPS、IMES、ビーコン、又はWi-Fi(登録商標)などを用いて駅係員の第2端末T2の位置を示す位置情報を取得して、その位置が特定エリア内であるか否かにより判断することができる。
【0111】
また、上述したように乗換案内情報を利用していることから、本実施形態の通知部33としては、移動制約者が介助を求めていることを、移動制約者が乗車している列車の行先駅への到着時刻の例えば数分~数十分程度の所定時間前に、その到着駅にいる駅利用者に通知するように構成されていても良い。この場合、例えばGPS等の位置判定技術を用いて、移動制約者が乗車している列車が行先駅から一定距離以内に接近しているか否かを判定して、その列車の到着時刻の予測精度の向上を図っても良い。
なお、到着駅にいる駅利用者の特定は、上述した位置情報取得部34が取得する第2端末T2の位置情報に基づいて特定することができる。
【0112】
さらに、この実施形態の介助システム100は、通知部33からの通知先として設定された第2端末T2の数を示す予定通知数を取得する通知数取得部38と、移動制約者の移動ルートを受け付けるルート受付部39とを有している。
【0113】
通知数取得部38は、介助の受け入れを承認した介助者の人数、言い換えれば、サーバSの受付部31が受け付けた承認情報の数を予定通知数として取得するものである。
【0114】
ルート受付部39は、例えば上述したエリア特定部37が特定した移動ルートを受け付けるものであっても良いし、移動制約者が第1入力部11を介して予め入力した移動ルートを受け付けるものであっても良い。
【0115】
そして、この介助システム100は、予定通知数が閾値を超える場合に、通知部33が、移動ルートに基づき一部の第2端末T2を選択するとともに、その選択された第2端末T2にのみ通知するように構成されていても良い。
【0116】
より具体的には、上述した通知数取得部38が、取得した予定通知数と予め定められている閾値とを比較して、予定通知数が閾値を超えていると判断した場合に、通知部33は、ルート受付部39が受け付けた移動ルート上にある第2端末T2、又は、移動ルートから所定距離以内にある第2端末T2を、例えば上述した位置取得部が取得する第2端末T2の位置情報に基づいて選択し、その選択した第2端末T2に属性情報及び介助者情報を通知し、選択から漏れた第2端末T2への通知をキャンセルする。
【0117】
また、本実施形態の通知部33としては、移動制約者の属性情報とともに、駅構内の各エリアにおける介助依頼事項をも第2端末T2に通知するように構成されていても良い。
【0118】
より具体的に説明すると、本実施形態のサーバSは、駅構内が予め決められた複数のエリアの位置を示すエリア情報と、各エリアにおいて必要とされ得る1又は複数の介助依頼事項とが結び付けられた依頼事項情報を格納する依頼事項格納部40を備えている。
【0119】
なお、介助依頼事項としては、例えば車両への乗り降りの補助、エレベータによる移動の補助、待合室への出入りの補助、トイレへの出入りの補助、改札口の通過の補助、券売機の操作の補助などを挙げることができる。
【0120】
そして、通知部33は、第2端末T2の位置情報と依頼事項情報とに基づいて、第2端末T2のあるエリアに応じた介助依頼事項を第2端末T2に通知するように構成されており、通知する介助依頼事項を、第2端末T2の位置するエリアに応じて切り替える。
【0121】
このように構成された介助システム100によれば、特定エリアにいる駅利用者に通知し、その特定エリア外の駅利用者には通知しないので、介助することが難しい場所にいる駅利用者への不要な通知を防ぐことができる。
【0122】
また、特定エリアに駅係員がいる又は到着した場合に、通知部33が、駅利用者への通知をキャンセルするので、駅係員を駅利用者よりも優先的に介助者とすることができる。
これにより、駅利用者による介助が難しい場合などに、駅利用者の介助によって移動制約者に怪我をおわせてしまうリスクなどを減らすことができ、移動制約者の安心を得られる。
【0123】
さらに、通知部33が、移動制約者が介助を求めていることを、移動制約者が乗車している列車の行先駅への到着時刻の所定時間前に、その行先駅にいる駅利用者に通知するので、動制約者が行先駅に到着する際に、その場にいる可能性の高い駅利用者に限定して通知が届き、不要な通知を減らすことができる。
【0124】
そのうえ、予定通知数が閾値を超える場合には、移動制約者の移動ルートに基づいて選択された第2端末T2にのみ通知が届くので、介助を依頼することのできる通知先が多すぎる場合に、例えば移動制約者の移動ルート上に又は移動ルートの近くにいる介助者にのみ通知することができ、不要な通知を減らすことができる。
【0125】
加えて、通知部33が、介助依頼事項を第2端末T2に通知するので、移動制約者が必要としている介助の具体的な事項を事前に介助者に伝えておくことができ、介助の高効率化を図れる。
【0126】
しかも、この通知部33が、通知する介助依頼事項を、第2端末T2の位置するエリアに応じて切り替えるので、介助者のいるエリアに応じて介助依頼事項を自動的に適切なものに切り替えることができる。
【0127】
<<その他の実施形態>>
【0128】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限られるものではない。
【0129】
例えば、前記各実施形態で説明した各部の機能は、必ずしも1つのサーバSに備えさせる必要はなく、複数のサーバSに分散させて備えさせても良い。
【0130】
前記各実施形態で説明した各部の機能の一部は、第1端末T1又は第2端末T2に備えさせても良い。
【0131】
前記各実施形態では、第1端末T1及び第2端末T2がサーバSを介して接続されていたが、WAN等を経由して直接接続されても良い。
【0132】
その他、本願発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0133】
100・・・介助システム
T1 ・・・第1端末
11 ・・・第1入力部
12 ・・・第1送信部
13 ・・・第1受信部
14 ・・・第1報知部
T2 ・・・第2端末
21 ・・・第2受信部
22 ・・・第2報知部
23 ・・・第2入力部
24 ・・・第2送信部
S ・・・サーバ
31 ・・・受付部
32 ・・・属性情報格納部
33 ・・・通知部
34 ・・・位置情報取得部
35 ・・・介助者情報格納部
36 ・・・介助者限定部
37 ・・・エリア特定部
38 ・・・通知数取得部
39 ・・・ルート受付部
40 ・・・依頼事項格納部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9