(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130518
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20240920BHJP
【FI】
H10B12/00 671Z
H10B12/00 681B
H10B12/00 681F
H10B12/00 681A
H10B12/00 621A
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040298
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】岡嶋 睦
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 信美
(72)【発明者】
【氏名】池田 圭司
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083AD01
5F083AD02
5F083AD23
5F083GA03
5F083GA06
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA02
5F083JA03
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA43
5F083JA44
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA19
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA19
5F083PR06
(57)【要約】
【課題】好適に動作する半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、メモリ層と、第1方向に延伸するビア配線と、を備える。メモリ層は、ビア配線に電気的に接続された半導体層と、半導体層の第1方向の一方側の面に対向する第1部分、及び、他方側の面に対向する第2部分を含むゲート電極と、半導体層に対して第2方向の一方側に設けられ、半導体層に電気的に接続されたメモリ部と、半導体層に対して第2方向の他方側に設けられ、ゲート電極に電気的に接続され、第3方向に延伸する配線と、を備える。また、第1方向と垂直であり、ゲート電極の第1部分又は第2部分の一部を含む断面において、ビア配線は、ゲート電極に対向する第1の面と、ゲート電極に対向しない第2の面と、を備える。また、ゲート電極の一部は、第2方向において、ビア配線よりもメモリ部側に設けられている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、
前記第1方向に延伸するビア配線と
を備え、
前記複数のメモリ層は、それぞれ、
前記ビア配線に電気的に接続された半導体層と、
前記半導体層の前記第1方向の一方側の面に対向する第1部分と、前記半導体層の前記第1方向の他方側の面に対向する第2部分と、を含むゲート電極と、
前記半導体層に対して、前記第1方向と交差する第2方向の一方側に設けられ、前記半導体層に電気的に接続されたメモリ部と、
前記半導体層に対して、前記第2方向の他方側に設けられ、前記ゲート電極に電気的に接続され、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延伸する配線と
を備え、
前記第1方向と垂直であり、前記複数のメモリ層のうちの一つに対応する前記ゲート電極の前記第1部分又は前記第2部分の一部を含む断面において、前記ビア配線は、前記ゲート電極に対向する第1の面と、前記ゲート電極に対向しない第2の面と、を備え、
前記ゲート電極の一部は、前記第2方向において、前記ビア配線よりも前記メモリ部側に設けられている
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記ゲート電極は、前記第1方向に延伸する第3部分を備え、
前記第3部分は、前記第1部分及び前記第2部分と連続する
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記半導体層及び前記ゲート電極の間に設けられたゲート絶縁膜を更に備え、
前記断面において、前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜を介して、前記ビア配線の前記第1の面と対向する
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記断面において、前記ゲート電極の前記メモリ部側の面は、前記ビア配線の中心点を中心とする円に沿った曲面である
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記断面において、前記ゲート電極の前記ビア配線側の面は、前記ビア配線の中心点を中心とする円に沿った曲面である
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記断面において、
前記ゲート電極の前記メモリ部側の面は、前記ビア配線の中心点を中心とする第1の円に沿った曲面であり、
前記ゲート電極の前記ビア配線側の面は、前記ビア配線の中心点を中心とする第2の円に沿った曲面であり、
前記第1の円の半径は、前記第2の円の半径よりも大きい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1方向と垂直であり、前記複数のメモリ層のうちの一つに対応する前記半導体層の一部を含む断面において、前記半導体層の前記メモリ部側の面は、前記ビア配線の中心点を中心とする円に沿った曲面である
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第1方向に延伸する絶縁層を備え、
前記断面において、前記第2の面は、前記絶縁層に対向する
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1方向に延伸し、前記ビア配線に接する第1絶縁層と、
前記第1方向に延伸し、前記第1絶縁層と前記第3方向に隣り合う第2絶縁層と
を備え、
前記配線は、前記第2方向において前記ゲート電極側に突出する突出部を備え、
前記半導体層、前記ゲート電極及び前記突出部は、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の間に設けられている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記断面において、前記第2絶縁層の前記第1絶縁層側の面は、
前記ゲート電極と前記第3方向に並び、前記第2方向に延伸する第3の面と、
前記突出部と前記第3方向に並び、前記第2方向に延伸する第4の面と
を備え、
前記第4の面は、前記第3の面よりも、前記第1絶縁層側に設けられている
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記断面において、前記第2絶縁層の前記第1絶縁層側の面は、
前記ゲート電極と前記第3方向に並び、前記第2方向に延伸する第3の面と、
前記突出部と前記第3方向に並び、前記第2方向に延伸する第4の面と
を備え、
前記第4の面は、前記第3の面と連続する
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記メモリ部は、キャパシタである
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記半導体層は、酸化物半導体を含む
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記半導体層は、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
基板と、
前記基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、
前記第1方向に延伸するビア配線と
を備え、
前記複数のメモリ層は、それぞれ、
前記ビア配線に電気的に接続された半導体層と、
前記半導体層の前記第1方向の一方側の面に対向する第1部分と、前記半導体層の前記第1方向の他方側の面に対向する第2部分と、を含むゲート電極と、
前記半導体層に対して、前記第1方向と交差する第2方向の一方側に設けられ、前記半導体層に電気的に接続されたメモリ部と、
前記半導体層に対して、前記第2方向の他方側に設けられ、前記ゲート電極に電気的に接続され、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延伸する配線と
を備え、
前記第1方向と垂直であり、前記複数のメモリ層のうちの一つに対応する前記ゲート電極の前記第1部分又は前記第2部分の一部を含む断面において、
前記ビア配線は、前記ゲート電極に対向する第1の面と、前記ゲート電極に対向しない第2の面と、を備え、
前記ゲート電極の前記メモリ部側の面は、前記ビア配線の中心点を中心とする第1の円に沿った曲面であり、前記ゲート電極の前記ビア配線側の面は、前記ビア配線の中心点を中心とする第2の円に沿った曲面であり、前記第1の円の半径は、前記第2の円の半径よりも大きい
半導体記憶装置。
【請求項16】
前記第1方向に延伸する絶縁層を備え、
前記断面において、前記第2の面は、前記絶縁層に対向する
請求項15記載の半導体記憶装置。
【請求項17】
前記メモリ部は、キャパシタである
請求項15記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記半導体層は、酸化物半導体を含む
請求項15記載の半導体記憶装置。
【請求項19】
前記半導体層は、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む
請求項15記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の高集積化に伴い、半導体記憶装置の三次元化に関する検討が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9,514,792号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適に動作する半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、基板と、基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、第1方向に延伸するビア配線と、を備える。複数のメモリ層は、それぞれ、ビア配線に電気的に接続された半導体層と、ゲート電極と、を備える。ゲート電極は、半導体層の第1方向の一方側の面に対向する第1部分と、半導体層の第1方向の他方側の面に対向する第2部分と、を含む。また、複数のメモリ層は、それぞれ、半導体層に対して、第1方向と交差する第2方向の一方側に設けられ、半導体層に電気的に接続されたメモリ部と、半導体層に対して、第2方向の他方側に設けられ、ゲート電極に電気的に接続され、第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延伸する配線と、を備える。また、第1方向と垂直であり、複数のメモリ層のうちの一つに対応するゲート電極の第1部分又は第2部分の一部を含む断面において、ビア配線は、ゲート電極に対向する第1の面と、ゲート電極に対向しない第2の面と、を備える。また、ゲート電極の一部は、第2方向において、ビア配線よりもメモリ部側に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図2】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図3】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
【
図4】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図5】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図6】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
【
図7】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図8】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
【
図9】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図10】同半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図11】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図12】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図13】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図14】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図15】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図16】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図17】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図18】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図19】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図20】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図21】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図22】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図23】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図24】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図25】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図26】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図27】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図28】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図29】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図30】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図31】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図32】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図33】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図34】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図35】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図36】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図37】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図38】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図39】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図40】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図41】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図42】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図43】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図44】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図45】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図46】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図47】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図48】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図49】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図50】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図51】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図52】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図53】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図54】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図55】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図56】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図57】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図58】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図59】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図60】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図61】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図62】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図63】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図64】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
【
図65】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に電気的に接続されていることを意味する場合がある。
【0011】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0012】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0013】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0014】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0015】
また、本明細書において、ある構成の「中心位置」と言った場合、例えば、この構成の外接円の中心の位置を意味しても良いし、この構成の画像上の重心を意味しても良い。
【0016】
[第1実施形態]
[回路構成]
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
図1に示す様に、本実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリセルアレイMCAを備える。メモリセルアレイMCAは、複数のメモリ層MLと、これら複数のメモリ層MLに接続された複数のビット線BLと、複数のメモリ層MLに接続されたプレート線PLと、を備える。
【0017】
メモリ層MLは、それぞれ、複数のワード線WLと、これら複数のワード線WLに接続された複数のメモリセルMCと、を備える。メモリセルMCは、それぞれ、トランジスタTrCと、キャパシタCpCと、を備える。トランジスタTrCのソース電極は、ビット線BLに接続されている。トランジスタTrCのドレイン電極は、キャパシタCpCに接続されている。トランジスタTrCのゲート電極は、ワード線WLに接続されている。キャパシタCpCの一方の電極は、トランジスタTrCのドレイン電極に接続されている。キャパシタCpCの他方の電極は、プレート線PLに接続されている。各ビット線BLは、複数のメモリ層MLに対応する複数のメモリセルMCに接続されている。
【0018】
[構造]
図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
図3は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
図4は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図であり、
図2の一部を拡大して示している。
図5は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
図6及び
図8は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。尚、
図6は、後述する半導体層111に対応する高さ位置(Z方向の位置)におけるXY断面を図示している。また、
図8は、後述する導電層113の部分113u又は部分113lに対応する高さ位置(Z方向の位置)におけるXY断面を図示している。
図7及び
図9は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。尚、
図7は、
図6及び
図8に示す構造をA-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た構成を示しており、
図4に示す構成を+Y方向に見た図に対応している。また、
図9は、
図6及び
図8に示す構造をA´´-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た構成を示しており、
図5に示す構成を+Y方向に見た図に対応している。
【0019】
図2には、半導体基板Subの一部と、半導体基板Subの上方に設けられたメモリセルアレイMCAと、を示している。
【0020】
半導体基板Subは、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むシリコン(Si)等の半導体基板である。半導体基板Subの上面には、図示しない絶縁層及び電極層が設けられている。半導体基板Subの上面、図示しない絶縁層及び電極層は、第1実施形態に係る半導体記憶装置を制御するための制御回路を構成する。例えば、メモリセルアレイMCAの直下の領域には、センスアンプ回路が設けられる。センスアンプ回路は、ビット線BLに電気的に接続される。センスアンプ回路は、読出動作において、ビット線BLの電圧の変動又は電流を検出することにより、選択メモリセルMCに記憶されたデータを読み出すことが可能である。
【0021】
メモリセルアレイMCAは、Z方向に並ぶ複数のメモリ層MLを備える。また、複数のメモリ層MLの間には、それぞれ、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層103が設けられている。
【0022】
また、メモリセルアレイMCAには、導電層102が設けられている。導電層102はY方向及びZ方向に延伸し、メモリ層MLをX方向に分断する。
【0023】
導電層102は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。導電層102は、例えば、プレート線PL(
図1)として機能する。
【0024】
また、メモリセルアレイMCAには、Y方向に交互に並ぶ複数のビア配線104及び複数の絶縁層115が設けられている。複数のビア配線104及び複数の絶縁層115は、Y方向に並び、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。
【0025】
ビア配線104は、
図4に示す様に、例えば、後述する半導体層111と同様の材料を含む半導体膜104a、導電性酸化物を含む導電性酸化膜104b、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜104c、及び、タングステン(W)等の導電部材104dを含む。尚、ビア配線104は、導電性酸化膜104bのかわりに、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属を含んでいても良い。また、ビア配線104は、導電性酸化物のみを含んでいても良いし、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属のみを含んでいても良い。
【0026】
尚、本明細書において、「導電性酸化物」は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化イリジウム(IrO2)、又は、その他の酸素を含む導電性の材料を含むこととする。
【0027】
導電部材104dは、Z方向に延伸する略円柱状の形状を備える。バリア導電膜104cは、導電部材104dの外周面に沿ってZ方向に延伸する略円筒状の形状を備える。導電性酸化膜104bは、バリア導電膜104cの外周面に沿ってZ方向に延伸する略円筒状の形状を備える。半導体膜104aは、導電性酸化膜104bの外周面に沿ってZ方向に延伸する略円筒状の形状を備える。また、半導体膜104aの外周面には、後述する絶縁層112の一部が設けられている。ビア配線104は、例えば、ビット線BL(
図1)として機能する。ビット線BLは、例えば
図2に示す様に、メモリ層MLに含まれる複数のトランジスタTrCに対応して、複数設けられている。
【0028】
絶縁層115は、例えば、酸化シリコン(SiO2)等を含む。
【0029】
メモリ層MLには、
図3に示す様に、複数のビア配線104に対応してY方向に並ぶ複数の略矩形状の領域R
1と、これら複数の領域R
1と交互にY方向に並ぶ複数の略矩形状の領域R
2と、が設けられている。これら複数の領域R
1,R
2のX方向の一方側の端部は、Y方向に並ぶ複数のビア配線104に達している。また、これら複数の領域R
1,R
2のX方向の他方側の端部は、導電層102に達している。領域R
1中の、ビア配線104の中心点を中心とする仮想的な円c1の内側の領域には、トランジスタ構造110が設けられている。また、領域R
1中の、円c1の外側の領域には、キャパシタ構造130の一部が設けられている。領域R
2には、それぞれ、Y方向に隣り合う2つのキャパシタ構造130の一部と、絶縁層115の一部115aと、が設けられている。キャパシタ構造130は、トランジスタ構造110に対して、導電層102側に設けられている。
【0030】
また、メモリ層MLは、これら複数の領域R1,R2に対して、導電層102と反対側に設けられた導電層120を備える。導電層120は、Y方向に延伸する。また、導電層120のビア配線104側の側面には、Y方向に並ぶ複数の領域R1に対応して、複数の突出部123が設けられている。ビア配線104は、突出部123からは離間している。
【0031】
また、メモリ層MLには、Y方向に並ぶ複数の領域R2と、導電層120と、の間に設けられ、複数の領域R2に対応してY方向に並ぶ絶縁層115の一部115bが設けられている。
【0032】
尚、図示の例では、絶縁層115の上記一部115bのY方向の幅が、絶縁層115の上記一部115aのY方向の幅よりも大きい。上記一部115bのY方向正側の側面は、上記一部115aのY方向正側の側面よりも、Y方向正側に設けられている。同様に、上記一部115bのY方向負側の側面は、上記一部115aのY方向負側の側面よりも、Y方向負側に設けられている。
【0033】
図示の例において、ビア配線104の外周面は、面S1と、面S2と、を備える。面S1は、約90°の角度範囲にわたり、絶縁層112を介して上記一部115aと接する(絶縁層112を介して上記一部115aと対向する。)。面S2は、180°の角度範囲にわたり、絶縁層112を介して上記一部115bと接する(絶縁層112を介して上記一部115bと対向する。)。また、
図8に例示するXY断面においては、残りの約90°の角度範囲に、面S3が設けられている。面S3は、絶縁層112を介して後述する導電層113と接する(絶縁層112を介して後述する導電層113と対向する。)。また、
図6に例示するXY断面においては、残りの約90°の角度範囲において、ビア配線104中の半導体膜104aが、後述する半導体層111と連続する。
【0034】
[トランジスタ構造110の構成]
トランジスタ構造110は、例えば
図6及び
図7に示す様に、半導体層111と、半導体層111の上面、下面及び側面に設けられた絶縁層112と、絶縁層112の上面、下面及び側面に設けられた導電層113と、を備える。半導体層111、絶縁層112及び導電層113は、ビア配線104の外周面に沿って延伸する弧状の側面と、領域R
1のY方向の境界に沿ってX方向に延伸するY方向の側面と、上記円c1(
図3)に沿って延伸する弧状の側面と、を備える、略扇状(circular-sector shaped)の形状を備える。
【0035】
半導体層111は、例えば、トランジスタTrC(
図1)のチャネル領域として機能する。半導体層111は、例えば、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む半導体であっても良いし、その他の酸化物半導体であっても良い。半導体層111は、上述の通り、
図6に示す様な略扇状の形状を備える。尚、半導体層111の一部は、X方向において、ビア配線104よりも、
図6におけるキャパシタ構造130側(
図6の例では右側)に設けられている。
【0036】
絶縁層112は、例えば、トランジスタTrC(
図1)のゲート絶縁膜として機能する。絶縁層112は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等を含む。尚、絶縁層112の一部は、X方向において、ビア配線104よりも、
図6におけるキャパシタ構造130側(
図6の例では右側)に設けられている。
【0037】
導電層113は、例えば、トランジスタTrC(
図1)のゲート電極として機能する。導電層113は、例えば、窒化チタン(TiN)、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む。尚、導電層113の一部は、X方向において、ビア配線104よりも、
図8におけるキャパシタ構造130側(
図8の例では右側)に設けられている。
【0038】
導電層113は、
図8に示す断面において、略扇状の形状を備える。例えば、導電層113は、面S11と、面S12と、を備える。面S11は、絶縁層112を介してビア配線104と接する(絶縁層112を介してビア配線104と対向する。)。面S11は、ビア配線104の中心点を中心とする仮想的な円c2(図示の例では、絶縁層112の、ビア配線104の外周面を覆う部分の外周面に対応する円c2)に沿った曲面である。面S12は、絶縁層112を介してキャパシタ構造130と接する(絶縁層112を介してキャパシタ構造130と対向する。)。面S12は、ビア配線104の中心点を中心とする仮想的な円c3に沿った曲面である。円c3の半径は、円c2の半径よりも大きい。
【0039】
尚、
図9には、導電層113の、半導体層111の上面を覆う部分を、部分113uと、半導体層111の下面を覆う部分を、部分113lと表記している。また、これらの間に設けられた部分を、部分113cと表記している。部分113cは、Z方向に延伸し、上端において部分113uと連続し、下端において部分113lと連続する。部分113cは、導電層120のX方向の側面に接する。
【0040】
[導電層120の構成]
導電層120は、例えば、ワード線WL(
図1)として機能する。導電層120は、Y方向に延伸し、Y方向に並ぶ複数の導電層113に接続されている。導電層120は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜121と、タングステン(W)の導電膜122と、を備える。
【0041】
図示の例において、導電層120とビア配線104との間の距離は、導電層113とビア配線104との間の距離(絶縁層112の厚み)よりも大きい。
【0042】
[キャパシタ構造130の構成]
キャパシタ構造130は、例えば
図6及び
図7に示す様に、導電層131と、導電層131の上面、下面及び側面に設けられた導電層132と、導電層132の上面、下面及び側面に設けられた絶縁層133と、絶縁層133の上面、下面及び側面に設けられた導電層134と、導電層134の上面、下面及び側面に設けられた絶縁層135と、絶縁層135の上面、下面及び側面に設けられた導電層136と、導電層136の上面、下面及び側面に設けられた導電層137と、を備える。
【0043】
導電層131,132,136,137は、キャパシタCpC(
図1)の一方の電極として機能する。導電層131,137は、例えば、タングステン(W)等を含み、導電層102中のタングステンの部分と連続している。導電層132,136は、例えば、窒化チタン(TiN)等を含み、導電層102中の窒化チタンの部分と連続している。
【0044】
絶縁層133,135は、キャパシタCpC(
図1)の絶縁層として機能する。絶縁層133,135は、例えば、ジルコニア(ZrO
2)、アルミナ(Al
2O
3)又はその他の絶縁性の金属酸化物であっても良い。また、絶縁層133,135は、例えば、複数の絶縁性の金属酸化物の積層膜(例えば、ジルコニア及びアルミナの積層膜)であっても良い。
【0045】
導電層134は、例えば、キャパシタCpC(
図1)の他方の電極として機能する。導電層134は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)等を含む。導電層134は、絶縁層133,135を介して、導電層131,132,136,137から絶縁されている。導電層134は、半導体層111のX方向の側面に接続されている。
【0046】
【0047】
同製造方法においては、例えば
図11に示す様に、複数の絶縁層103と、複数の犠牲層MLAと、を交互に形成する。犠牲層MLAは、例えば、窒化シリコン(Si
3N
4)等を含む。この工程は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によって行う。
【0048】
次に、例えば
図10に示す様に、絶縁層115を形成する。この工程では、例えば、絶縁層115に対応する位置に、開口を形成する。この開口は、Z方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLAを貫通する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。開口の形成後、絶縁層115を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0049】
次に、例えば
図12及び
図13に示す様に、ビア配線104に対応する位置に、開口104Aを形成する。開口104Aは、
図13に示す様にZ方向に延伸する。開口104Aの一部は、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLAを貫通する。また、開口104Aの他の一部は、絶縁層115を貫通する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。尚、図示は省略するものの、開口104Aの形成後、開口104Aの上部を、絶縁層等によって閉塞させる。
【0050】
尚、本実施形態において、開口104Aは、絶縁層115と、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLAと、の境界位置に形成される。従って、MLAを含むXY断面を観察した場合、
図12に示す様に、開口104Aの内周面の一部に犠牲層MLAが露出し、開口104Aの内周面のその他の部分には絶縁層115が露出する。また、図示は省略するものの、絶縁層103を含むXY断面を観察した場合、開口104Aの内周面の一部に絶縁層103が露出し、開口104Aの内周面のその他の部分には絶縁層115が露出する。
【0051】
次に、例えば
図14及び
図15に示す様に、導電層120に対応する位置の近傍に、開口101Aを形成する。開口101Aは、Y方向及びZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLAを貫通して、これらの構成をX方向に分断する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0052】
次に、例えば
図16及び
図17に示す様に、導電層120に対応する位置に、開口120Aを形成する。開口120Aの内部には、絶縁層103の上面の一部及び下面の一部、並びに、犠牲層MLAのX方向の側面の一部が露出する。この工程では、例えば、開口101Aを介して、犠牲層MLAの一部を選択的に除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。尚、開口120Aは、開口104Aとは連通しない。
【0053】
次に、例えば
図18及び
図19に示す様に、開口101A及び開口120Aに、シリコン(Si)等の犠牲層101Bを埋め込む。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0054】
次に、例えば
図20及び
図21に示す様に、半導体層111に対応する位置に、開口111Aを形成する。開口111Aの内部には、絶縁層103の上面の一部及び下面の一部、犠牲層MLAのX方向の側面の一部、絶縁層115の側面の一部、並びに、犠牲層101BのX方向の側面の一部が露出する。この工程では、例えば、開口104Aを介して、犠牲層MLAの一部を選択的に除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0055】
ここで、この工程では、犠牲層MLAが、開口104Aに近い位置から除去される。
図20の例では、開口104AがXY断面において円形であり、犠牲層MLAを含まない円状の領域が、開口104Aの中心点を中心として広がる。この工程では、開口104Aの内部に、Y方向に隣り合う2つの絶縁層115の一部が露出する。
【0056】
次に、例えば
図22及び
図23に示す様に、開口111A及び開口104Aの内部に、導電層113A及びシリコン(Si)等の犠牲層111Bを形成する。導電層113Aは、絶縁層103の上面の一部、下面の一部及び開口104Aへの露出面、犠牲層MLAのX方向の側面の一部、絶縁層115の側面の一部、並びに、犠牲層101BのX方向の側面の一部に形成される。また、開口111Aは犠牲層111Bによって埋め込まれ、開口104Aは犠牲層111Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。尚、図示は省略するものの、導電層113A及び犠牲層111Bの形成後、開口104Aの上部を、絶縁層等によって閉塞させる。
【0057】
次に、例えば
図24及び
図25に示す様に、導電層102に対応する位置に、開口102Aを形成する。開口102Aは、Y方向及びZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLA、並びに、絶縁層115を貫通して、これらの構成をX方向に分断する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0058】
次に、例えば
図26及び
図27に示す様に、キャパシタ構造130に対応する位置に、開口130Aを形成する。この工程では、開口102Aを介して、犠牲層MLAを除去する。また、導電層113Aのうち、犠牲層111BのX方向の一方側の側面(開口102A側の側面)を覆う部分を除去する。この工程では、開口102Aの内部に犠牲層111BのX方向の側面が露出する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0059】
次に、例えば
図28及び
図29に示す様に、開口102A及び開口130Aを介して、犠牲層111Bに酸化処理を行い、絶縁層111Cを形成する。また、開口102A及び開口130Aに、シリコン(Si)等の犠牲層130Bを埋め込む。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0060】
次に、例えば
図30及び
図31に示す様に、導電層113を形成する。この工程では、例えば、犠牲層111Bのうち、開口104Aの内周面に設けられた部分を除去する。次に、導電層113Aのうち、開口104Aの内周面に設けられた部分を除去し、導電層113AをZ方向に分断する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0061】
次に、例えば
図32及び
図33に示す様に、犠牲層111Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0062】
次に、例えば
図34及び
図35に示す様に、絶縁層111C、及び、犠牲層130Bの一部を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0063】
次に、例えば
図36及び
図37に示す様に、開口111A及び開口104Aの内部に、絶縁層112A及び犠牲層111Bを形成する。絶縁層112Aは、導電層113の上面、下面及び開口111Aへの露出面、絶縁層103の上面の一部、下面の一部及び開口104Aへの露出面、犠牲層130BのX方向の側面の一部、並びに、絶縁層115の側面の一部に形成される。また、開口111Aは犠牲層111Bによって埋め込まれ、開口104Aは犠牲層111Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。尚、図示は省略するものの、絶縁層112A及び犠牲層111Bの形成後、開口104Aの上部を、絶縁層等によって閉塞させる。
【0064】
次に、例えば
図38及び
図39に示す様に、犠牲層130Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0065】
次に、例えば
図40及び
図41に示す様に、絶縁層112を形成する。この工程では、開口102A及び開口130Aを介して、絶縁層112Aのうち、犠牲層111BのX方向の一方側の側面(開口102A側の側面)を覆う部分を除去する。この工程では、開口102Aの内部に犠牲層111BのX方向の側面が露出する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0066】
次に、例えば
図42及び
図43に示す様に、開口102A及び開口130Aを介して、犠牲層111BのX方向の一方側の側面(開口102A側の側面)、絶縁層115のX方向の一方側(開口102A側)の側面及びY方向の両側面、並びに、絶縁層103の上面、下面及びX方向の一方側(開口102A側)の側面に、導電層134Aを形成する。この工程は、例えば、ALD(Atomic Layer Deposition)等によって行う。
【0067】
次に、例えば
図44及び
図45に示す様に、開口102Aの内部に、シリコン(Si)等の犠牲層130Cを形成する。開口130Aは犠牲層130Cによって埋め込まれ、開口102Aは犠牲層130Cによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0068】
次に、例えば
図46及び
図47に示す様に、開口102Aを介して、犠牲層130Cの一部を除去する。この工程では、例えば、導電層134Aの、絶縁層115及び絶縁層103のX方向の側面に設けられた部分を露出させる。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0069】
次に、例えば
図48及び
図49に示す様に、導電層134を形成する。この工程では、例えば、導電層134Aの、絶縁層115及び絶縁層103のX方向の側面に設けられた部分を除去し、導電層134Aを、Y方向及びZ方向に分断する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0070】
次に、例えば
図50及び
図51に示す様に、犠牲層130Cを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0071】
次に、例えば
図52及び
図53に示す様に、開口102Aを介して、絶縁層115(
図32)の一部、及び、絶縁層103(
図31)の一部を除去して、開口130Dを形成する。図示の例では、導電層134の内側の領域を開口130Aと、導電層134の外側の領域を開口130Dとして示している。この工程では、導電層113が、開口130Dに露出しない程度の範囲で、絶縁層115(
図32)及び絶縁層103(
図31)を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0072】
次に、例えば
図54及び
図55に示す様に、開口130A、開口130D及び開口102Aを介して、導電層134の上面、下面、X方向の一方側の側面(開口102A側の側面)及びY方向の両側面に、絶縁層133,135、導電層132,136、及び、導電層131,137,102を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0073】
次に、例えば
図56及び
図57に示す様に、犠牲層111Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0074】
次に、例えば
図58及び
図59に示す様に、開口111A及び開口104Aの内部に、半導体層111を形成する。開口111Aは、半導体層111によって埋め込まれる。開口104Aは、半導体層111によって埋め込まれない。この工程は、例えば、ALD等によって行う
【0075】
次に、例えば
図60及び
図61に示す様に、開口104Aの内部に、ビア配線104を形成する。この工程は、例えば、ALD及びCVD等によって行う。
【0076】
次に、例えば
図62及び
図63に示す様に、犠牲層101Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0077】
その後、例えば
図6及び
図7に示す様に、開口120Aの内部に導電層120を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0078】
[効果]
本実施形態に係る半導体記憶装置は、Z方向に並ぶ複数のメモリ層MLと、Z方向に延伸するビア配線104と、を備える。また、複数のメモリ層MLは、それぞれ、トランジスタ構造110と、トランジスタ構造110に対してX方向の一方側に設けられたキャパシタ構造130と、トランジスタ構造110に対してX方向の他方側に設けられた導電層120と、を備える。
【0079】
この様な構成は、メモリセルアレイMCAに含まれるメモリ層MLの数が増大した場合であっても、積層工程(
図11を参照して説明した工程)以外には工程数を増やすことなく製造可能である。従って、比較的容易に高集積化を実現可能である。
【0080】
また、本実施形態に係るトランジスタ構造110においては、導電層113が、半導体層111の上面及び下面に対向している。
【0081】
この様な構成では、Z方向に並ぶ複数の半導体層111の間で、電界の干渉が生じることを抑制可能である。従って、メモリセルアレイMCAのZ方向における高集積化を図った場合であっても、半導体層111を好適にON状態又はOFF状態に制御可能であり、好適に動作する半導体記憶装置を提供可能である。
【0082】
また、トランジスタTrCをON状態とする際に、半導体層111の上面、下面、及び、Y方向の両側面にチャネルが形成される。従って、トランジスタTrCのON電流を比較的大きくすることが可能である。これにより、動作の高速化・安定化を図ることが可能である。
【0083】
ここで、例えば、ワード線WLとして機能する配線(Y方向に延伸する配線)を、ビア配線104と、キャパシタ構造130との間に設け、且つ、このワード線WLとして機能する配線の一部を、トランジスタTrCのゲート電極として利用することも考えられる。しかしながら、この様な構造は、トランジスタTrCのチャネル領域として機能する半導体層と、ワード線WLとして機能する配線とが、Z方向から見て交差する構造となる。従って、例えば、半導体層をX方向に分断することなく、Y方向に延伸する配線を加工する必要が生じてしまい、製造の難易度が高い。また、メモリ層のZ方向における幅が大きくなってしまう。
【0084】
この点、本実施形態においては、ワード線WLとして機能する導電層120が、トランジスタ構造110に対して、プレート線PLの反対側に設けられており、Z方向から見てトランジスタ構造110と重ならない位置に設けられている。従って、導電層120とトランジスタ構造110とを独立して形成することが可能であり、比較的容易に製造可能である。また、メモリ層MLのZ方向の幅を抑えつつ、導電層120の配線抵抗を比較的小さい値とすることが可能である。
【0085】
また、この様な構成では、ビット線BLとして機能するビア配線104と、トランジスタTrCのゲート電極として機能する導電層113とが、絶縁層112を介して対向する。従って、ビット線BLと、トランジスタTrCのゲート電極との間に、寄生容量が生じてしまう。ここで、ビット線BLの寄生容量が大きいと、上述したセンスアンプ回路によってキャパシタCpCに蓄積された電荷を好適に検出することが出来ず、読出動作を好適に実行することが出来ない場合がある。従って、この様な構成において読出動作を好適に実行するためには、例えば、ビア配線104と導電層113との対向面積を削減して、ビット線BLと、トランジスタTrCのゲート電極と、の間の静電容量を削減することが考えられる。
【0086】
また、この様な構成では、Z方向に隣り合う2つの導電層113の間に、寄生容量が生じてしまう。ここで、Z方向に隣り合う2つの導電層113の間の寄生容量が大きいと、読出動作や書込動作に際して、動作速度が遅くなってしまう場合がある。従って、導電層113のXY断面における面積は、小さいことが好ましい。
【0087】
そこで、本実施形態に係る半導体記憶装置においては、
図8を参照して説明した様に、ビア配線104の一部(面S3)が導電層113と対向し、その他の部分(面S1,S2)は導電層113と対向しない構成を採用している。この様な構成によれば、ビア配線104と導電層113との対向面積を削減し、これらの間の寄生容量を削減可能である。また、導電層113のXY断面における面積を削減し、これらの間の寄生容量を削減可能である。
【0088】
また、本実施形態においては、導電層120とビア配線104との間の距離が、導電層113とビア配線104との間の距離よりも大きい。従って、ビット線BLとワード線WLとの間の寄生容量も、削減可能である。
【0089】
また、この様な構成では、トランジスタ構造110中の構成(半導体層111、絶縁層112及び導電層113)が、ビア配線104の外周面に沿って延伸する弧状の側面と、上記円c1(
図3)に沿って延伸する弧状の側面と、を備える、略扇状の形状を備える。この様な構成では、半導体層111の、ビア配線104との接続部分と、キャパシタ構造130との接続部分と、の距離が略一定となるため、トランジスタ構造110のX方向及びY方向の大きさを最小限に抑えつつ、トランジスタ構造110におけるOFFリーク電流を抑制可能である。
【0090】
[第2実施形態]
図64及び
図65は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
図64は、半導体層111に対応する高さ位置(Z方向の位置)におけるXY断面を図示している。また、
図65は、後述する導電層113の部分113u又は部分113lに対応する高さ位置(Z方向の位置)におけるXY断面を図示している。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0091】
第2実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、第2実施形態に係る半導体記憶装置は、絶縁層115のかわりに、絶縁層215を備えている。絶縁層215は、基本的には、絶縁層115と同様に構成されている。ただし、絶縁層215においては、一部115bのY方向正側の側面のY方向の位置が、一部115aのY方向正側の側面のY方向の位置と同じであり、一部115a,115bが連続してX方向に延伸する。
【0092】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、これらの実施形態に係る半導体記憶装置はあくまでも例示であり、具体的な構成等は適宜調整可能である。
【0093】
例えば、第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体記憶装置においては、ビット線として機能するビア配線104が、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む。しかしながら、この様な導電性酸化物は、Z方向に延伸するビア配線104ではなく、トランジスタ構造110に含まれていても良い。また、ビア配線104及びトランジスタ構造110は、その他の材料等を含んでいても良い。
【0094】
また、第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体記憶装置において、トランジスタTrCのゲート電極として機能する導電層113は、トランジスタTrCのチャネル領域として機能する半導体層111の、上面及び下面の一方のみに対向していても良い。
【0095】
また、以上の説明では、トランジスタ構造110に接続されるメモリ部として、キャパシタCpCが採用される例について説明した。しかしながら、メモリ部は、キャパシタCpCでなくても良い。例えば、メモリ部は、強誘電体、強磁性体、GeSbTe等のカルコゲン材料又はその他の材料を含み、これら材料の特性を利用してデータを記録するものであっても良い。例えば、以上において説明したいずれかの構造において、キャパシタCpCを形成する電極間の絶縁層に、これら材料のいずれかを含ませても良い。
【0096】
また、第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法も、適宜調整可能である。例えば、上述した工程のいずれか2つの順番を入れ替えたり、上述した工程のいずれか2つを同時に実行したりしても良い。
【0097】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
Sub…半導体基板、ML…メモリ層、BL…ビット線、WL…ワード線、PL…プレート線、TrC…トランジスタ、CpC…キャパシタ、102…導電層、104…ビア配線、110…トランジスタ構造、111…半導体層、112…絶縁層、113…導電層、120…導電層、130…キャパシタ構造。