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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013055
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】接続部材
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/48 20060101AFI20240124BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H01R4/48 B
H01R13/11 302F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114965
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】後藤 秀紀
(57)【要約】
【課題】より簡単及び低コストにてバスバー同士を接続させる接続部材を提供する。
【解決手段】複数の導電板を重畳した状態で接続させる接続部材100であって、対向配置され、相手側に付勢する一対の付勢板11を備えており、一対の付勢板11は、夫々の中央部が相手側に凸曲している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導電板を重畳した状態で接続させる接続部材であって、
対向配置され、相手側に付勢する一対の付勢板を備えており、
前記一対の付勢板は、夫々の中央部が相手側に凸曲している接続部材。
【請求項2】
前記一対の付勢板と、前記一対の付勢板の対応する辺縁同士を連結する連結板とを有する挟持部を備える請求項1に記載の接続部材。
【請求項3】
少なくとも一方の付勢板には、前記連結板が設けられた一辺縁と反対側の他辺縁から前記一辺縁に向けてスリットが形成されている請求項2に記載の接続部材。
【請求項4】
前記挟持部は導電性であり、
絶電性であって、前記挟持部が収容されるケースを備えており、
前記ケースは、
前記一辺縁及び前記他辺縁の対向方向と交差する交差方向にて対向する2つの対向壁を有しており、
各対向壁には、前記対向方向に延びる切り欠きが形成されている請求項3に記載の接続部材。
【請求項5】
前記対向壁の前記切り欠きには、前記交差方向に延びる樋形状部が連設されている請求項4に記載の接続部材。
【請求項6】
前記樋形状部の先端は開放されている請求項5に記載の接続部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、導電板同士を接続させる接続部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、比較的大きな電流を導通させるためにバスバーを用いた回路が車両に搭載されている。また、近年は、車両機能の拡大と共に、バスバーに流れる電流値も大きくなりつつある。
【0003】
一方、特許文献1には、開閉可能な接点と、該接点の開閉を切り替える励磁コイルとを有するリレーを備え、該リレーの接点をバスバーと電気的に接続し、該バスバーに放熱機構を備えることで、バスバーを電流経路と放熱経路とに兼用できる電源装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-79093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようなバスバーに、他のバスバーを接続させる場合、一般には、超音波溶着、TOX(登録商標)のカシメ、レーザー接合等の特殊な手法が用いられる。
【0006】
ところが、このような手法は、特殊な装置を必要とすることから作業コストの増加を招く等の問題がある。しかしながら、特許文献1の電源装置ではこのような問題について考慮されておらず、解決できない。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、より簡単及び低コストにてバスバー同士を接続させる接続部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施形態に係る接続部材は、複数の導電板を重畳した状態で接続させる接続部材であって、対向配置され、相手側に付勢する一対の付勢板を備えており、前記一対の付勢板は、夫々の中央部が相手側に凸曲している。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、より簡単及び低コストにてバスバー同士を接続させる接続部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係る接続部材の一例を示す斜視図である。
図2】実施形態1の接続部材の挟持部を示す斜視図である。
図3】実施形態1の接続部材が重畳された2つのバスバーを電気的に接続させた状態を示す説明図である。
図4図3のIV‐IV線による断面図である。
図5】実施形態1の接続部材において挟持部がバスバーを挟持している状態を示す図である。
図6図5のVI‐VI線による断面図である。
図7】一方のバスバーに形成された係合部と、他方のバスバーに形成された被係合部を例示する例示図である。
図8】実施形態2の接続部材の挟持部を示す斜視図である。
図9】実施形態3に係る接続部材の一例を示す斜視図である。
図10】実施形態3の接続部材が重畳された2つのバスバーを電気的に接続させた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0012】
(1)本開示の実施形態に係る接続部材は、複数の導電板を重畳した状態で接続させる接続部材であって、対向配置され、相手側に付勢する一対の付勢板を備えており、前記一対の付勢板は、夫々の中央部が相手側に凸曲している。
【0013】
本実施形態にあっては、前記一対の付勢板の間に複数の導電板が介在している場合、夫々付勢板が対向側から複数の導電板の最外側主面に接して相手の付勢板側に付勢する。従って、複数の導電板を重畳した状態で適切に接続させることができる。
【0014】
(2)本開示の実施形態に係る接続部材は、前記一対の付勢板と、前記一対の付勢板の対応する辺縁同士を連結する連結板とを有する挟持部を備える。
【0015】
本実施形態にあっては、前記一対の付勢板の間に複数の導電板が介在している場合、複数の導電板の辺縁が前記連結板に当接して位置決められた状態で、夫々付勢板が対向側から複数の導電板の最外側主面に接して相手の付勢板側に付勢する。従って、複数の導電板を重畳した状態で接続させることができる。
【0016】
(3)本開示の実施形態に係る接続部材は、少なくとも一方の付勢板は、前記連結板が設けられた一辺縁と反対側の他辺縁から前記一辺縁に向けてスリットが形成されている。
【0017】
本実施形態にあっては、少なくとも一方の付勢板にはスリットが形成されている。従って、スリットを基準とする付勢板の2つの部分の変形自由度が増す。よって、導電板の最外側主面に凸部が存在する場合でも、斯かる2つの各部分が独立的に変形して導電板との接点を増やし、導電板同士の電気的接続を適切に実施できる。
【0018】
(4)本開示の実施形態に係る接続部材は、前記挟持部は導電性であり、絶電性であって、前記挟持部が収容されるケースを備えており、前記ケースは、前記一辺縁及び前記他辺縁の対向方向と交差する交差方向にて対向する2つの対向壁を有しており、各対向壁には、前記対向方向に延びる切り欠きが形成されている。
【0019】
本実施形態にあっては、導電性の前記挟持部が、前記複数の導電板の辺縁部を挟持し、重畳した状態で接続させる。この際、前記ケースが前記挟持部を覆い、前記挟持部が他の部品と接触することによって短絡等の不具合が発生することを未然に防止できる。
【0020】
(5)本開示の実施形態に係る接続部材は、前記対向壁の前記切り欠きには、前記交差方向に延びる樋形状部が連設されている。
【0021】
本実施形態にあっては、前記挟持部が、前記複数の導電板の辺縁部を挟持し、重畳した状態で接続させる。この際、前記樋形状部が複数の導電板の辺縁部を保持する。即ち、前記樋形状部が複数の導電板の辺縁部を保持しつつ、前記挟持部が重畳された複数の導電板を挟持する。従って、より安定的に複数の導電板の電気的接続を維持できる。
【0022】
(6)本開示の実施形態に係る接続部材は、前記樋形状部の先端は開放されている。
【0023】
本実施形態にあっては、前記樋形状部の先端が開放されているので、導電板の辺縁部の長さに制限されることなく、導電板同士を電気的に接続させることができる。
【0024】
[本発明の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る接続部材を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0025】
(実施形態1)
以下、実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る接続部材100の一例を示す斜視図である。接続部材100は複数の導電板を電気的に接続させる。例えば、接続部材100は、重畳された複数のバスバーを対向する両外側から挟持することによって主面同士を当接させて斯かる複数のバスバーを電気的接続させる。接続部材100は、複数の導電板を挟持する挟持部10と、挟持部10が保持されるケース20とを備える。
【0026】
図2は、実施形態1の接続部材100の挟持部10を示す斜視図である。
挟持部10は、例えば、導電性であり、鋼材などの弾性に優れた材料からなる。挟持部10は、互いに対向配置され、相手側に付勢する一対の付勢板11を有している。一対の付勢板11は、一対の付勢板11の間に介在する重畳された複数の導電板の最外側主面を重畳方向に押し合う。各付勢板11は、例えば同寸の矩形であり、両長辺の対向方向の中央部が相手側に凸曲している。例えば、一対の付勢板11は同じ曲率半径にて湾曲している。
【0027】
一対の付勢板11の対向する一方の長辺縁(以下、一辺縁111と称する)同士は、連結板12によって連結されている。連結板12は、付勢板11の一辺縁111に沿って延びる長方形であり、連結板12の両長辺縁が夫々付勢板11の一辺縁111に連設されている。連結板12は一対の付勢板11と一体形成されている。
【0028】
ケース20は、絶縁性の樹脂等からなり、挟持部10が収容される収容凹部21を有している。
収容凹部21は、平面視で挟持部10の連結板12に対応する矩形であり、開放された一側から付勢板11の他方の長辺縁(以下、他辺縁112と称する)が露出されており、挟持部10の連結板12が収容凹部21の底213と当接している(図4参照)。
【0029】
収容凹部21は、挟持部10の各付勢板11と対向する2つの長方形側壁211を有している。2つの長方形側壁211の対向方向、及び、挟持部10の一辺縁111及び他辺縁112の対向方向と交差する方向(以下、交差方向と称する)に対向壁212が対向配置されている。各対向壁212は、矩形であり、2つの長方形側壁211の対向する短辺縁同士を連結している。即ち、各対向壁212の両長辺縁が、2つの長方形側壁211の対向する短辺縁に夫々連設されている。
【0030】
各対向壁212には、2つの長方形側壁211の対向方向における中間部に、切り欠き22が形成されている。即ち、各切り欠き22は、前記交差方向において、挟持部10の付勢板11の短辺縁と対向する位置に形成されている。切り欠き22は、略短冊形状であり、対向壁212における底213と反対側の辺縁から底213まで延びている(図4参照)。
【0031】
また、ケース20は、対向壁212の外側面に、後述の如く、バスバー300、400を重畳された状態にて保持する樋形状部23が設けられている。樋形状部23は、切り欠き22の縁に連設されており、対向壁212に対して垂直に前記交差方向へ延びている。樋形状部23は、延び方向の先端が開放されている。
【0032】
図3は、実施形態1の接続部材100が重畳された2つのバスバー300,400を電気的に接続させた状態を示す説明図であり、図4は、図3のIV‐IV線による断面図であり、図5は、実施形態1の接続部材100において挟持部10がバスバー300,400を挟持している状態を示す図であり、図6は、図5のVI‐VI線による断面図である。
【0033】
バスバー300,400は、銅等の導電性の板材からなり、夫々の主面が同じ大きさの矩形であるが、バスバー300の厚みがバスバー400の厚みよりも薄い。
【0034】
また、ユーザが、バスバー300,400を重畳させて、収容凹部21の開放側から、即ち、挟持部10の他辺縁112側から、接続部材100を嵌める際に、バスバー300,400の位置ずれが発生しないように、バスバー300,400の夫々に、係合部と、該係合部に対応する被係合部とが設けられている。
【0035】
図7は、バスバー300に形成された係合部301と、バスバー400に形成された被係合部401とを例示する例示図である。
具体的には、相対的に薄いバスバー300には、挟持部10によって挟持される部分に、エンボス加工を施し、バスバー300の外側主面に凹部をなし、反対側の内側主面には凸部をなす係合部301を形成する。また、相対的に厚いバスバー400には、内側主面においてバスバー300の係合部301と対向する位置に、エンボス加工を施し、凹部をなす被係合部401を形成する。図6に示す如く、係合部301及び被係合部401は断面視半円形状を成しており、係合部301(凸)の曲率半径が被係合部401(凹)の曲率半径よりも大きい。
【0036】
よって、バスバー300,400が重畳された場合(図7の矢印参照)、係合部301及び被係合部401が係合を行い、係合部301及び被係合部401が係合された状態で、バスバー300,400の辺縁部に接続部材100が嵌められる(図4及び図6参照)。従って、バスバー300(係合部301)及びバスバー400(被係合部401)の接続を確保しつつも、バスバー300,400を位置決めでき、接続部材100を嵌める際に位置ずれが発生することが抑止される。
【0037】
ユーザは、バスバー300,400を主面同士が接するように重畳させて、バスバー300,400の辺縁部に、収容凹部21の開放側から、即ち、挟持部10の他辺縁112側から、接続部材100を嵌める。これによって、バスバー300,400は重畳された状態で、辺縁部の中間部が一対の付勢板11の間に介在し、前記中間部に対する両側が切り欠き22を通して夫々の樋形状部23内に延び、保持されることになる。
【0038】
この際、挟持部10の付勢板11は、重畳されたバスバー300,400の最外側主面を両側から相手側に押し付ける。即ち、一方の付勢板11の湾曲した中央部がバスバー300の外側主面と当接してバスバー400側に付勢し、他方の付勢板11の湾曲した中央部がバスバー400の外側主面と当接してバスバー300側に付勢する(図5参照)。また、連結板12の内側面がバスバー300,400の側面と当接する。これによって、バスバー300,400の内側主面同士が接するので、バスバー300,400が電気的に接続される。
【0039】
以上のように、実施形態1の接続部材100においては、複数の導電板を重畳させて、斯かる複数の導電板の辺縁部に接続部材100を嵌めるだけで、導電板同士を電気的に接続させることが出来る。よって、実施形態1の接続部材100は、特殊な装置等を使うことなく、より簡単かつ低コストにて導電板同士を電気的に接続させることが出来る。
【0040】
また、以上のように、実施形態1の接続部材100においては、挟持部10が導電性を有するので、バスバー300,400間の通電性を高めつつ、絶縁性のケース20が挟持部10を覆っているので、挟持部10が他のバスバー等と接触することによって短絡等の不具合が発生することを未然に防止できる。
【0041】
また、以上のように、実施形態1の接続部材100においては、樋形状部23が設けられ、バスバー300,400の辺縁部を保持する。よって、樋形状部23がバスバー300,400の辺縁部を保持しつつ、挟持部10が重畳されたバスバー300,400を挟持する。従って、より安定的にバスバー300,400の電気的接続を維持できる。
【0042】
また、以上のように、実施形態1の接続部材100においては、樋形状部23の端部が開放されている。よって、バスバー300,400の長さに制限されることなく、接続部材100を適用できる。
【0043】
以上においては、接続部材100が、挟持部10及びケース20を備える場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、ケース20を省略しても良い。
【0044】
また、以上においては、挟持部10が導電性である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、絶縁性であっても良い。
【0045】
更に、以上においては、接続部材100が2つの板形状のバスバーを電気的に接続させる場合であって、前記2つのバスバーが同一大きさである場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。実施形態1の接続部材100が3つ以上のバスバーが重畳された場合に対しても適用可能であることは言うまでもない。また、実施形態1の接続部材100は、大きさが異なる複数のバスバーが重畳された場合に対しても適用可能であることは言うまでもない。
【0046】
そして、以上においては、バスバー300,400の夫々に、係合部と、該係合部に対応する被係合部とを設けた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。斯かる係合部及び被係合部を省略しても良い。
【0047】
(実施形態2)
図8は、実施形態2の接続部材100の挟持部10Aを示す斜視図である。
実施形態2の挟持部10Aは、実施形態1の挟持部10と同様、導電性で弾性に優れた材料からなり、互いに対向配置された一対の付勢板11を有している。各付勢板11は、例えば同寸の矩形であり、両長辺の対向方向の中央部が相手側に凸曲している。
【0048】
一対の付勢板11の対向する一辺縁111同士は、連結板12によって連結されている。連結板12は、付勢板11の一辺縁111に沿って延びる長方形であり、連結板12の両長辺縁が夫々付勢板11の一辺縁111に連設されている。
【0049】
実施形態2の各付勢板11には、スリット113が形成されている。スリット113は、付勢板11において、一辺縁111及び他辺縁112の対向方向と交差する交差方向の中間部に形成されており、他辺縁112の辺縁から一辺縁111の近傍まで延びている。
【0050】
以上のように、実施形態2の接続部材100においては、各付勢板11にスリット113が形成されている。従って、前記交差方向において、スリット113を基準とする付勢板11の2つの部分の変形自由度が増す。即ち、一方の部分は、他方の部分の影響を受けずに変形できる。よって、挟持部10Aが挟持する導電板の表面が扁平でなく、局所的凸部が存在する場合でも、付勢板11の各部分が独立的に変形して接点を増やし、導電板同士の電気的接続を適切に実施できる。
【0051】
以上においては、いずれの付勢板11にもスリット113が形成されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。いずれか一方の付勢板11にのみスリット113が形成されている構成であっても良い。
【0052】
実施形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0053】
(実施形態3)
図9は、実施形態3に係る接続部材100の一例を示す斜視図である。実施形態1と同様、実施形態3の接続部材100は複数の導電板を電気的に接続させる。接続部材100は、複数の導電板を挟持する挟持部10と、挟持部10が保持されるケース20Aとを備える。
【0054】
実施形態3に係る挟持部10は、実施形態1の挟持部10と同様、導電性で弾性に優れた材料からなり、互いに対向配置された、同寸の矩形である一対の付勢板11を有している。一対の付勢板11の対向する一辺縁111同士は、連結板12によって連結されている。他の付勢板11及び連結板12の形状も、実施形態1と同じであり、詳しい説明は省略する。
【0055】
実施形態3に係るケース20Aの形状は、実施形態1のケース20と異なる。以下、説明する。
ケース20Aは、樹脂等の絶縁性であり、挟持部10が収容される収容凹部21を有している。収容凹部21は、平面視で挟持部10の連結板12に対応する矩形であり、開放された一側から付勢板11の他辺縁112が露出されており、挟持部10の連結板12が収容凹部21の底213と当接している。
【0056】
収容凹部21は、挟持部10の各付勢板11と対向する2つの長方形側壁211を有しており、前記交差方向に対向壁212が対向配置されている。各対向壁212は、矩形であり、2つの長方形側壁211の対向する短辺縁同士を連結している。即ち、各対向壁212の両長辺縁が、2つの長方形側壁211の対向する短辺縁に夫々連設されている。
【0057】
各対向壁212には、前記交差方向において、挟持部10の付勢板11の短辺縁と対向する位置に、切り欠き22が形成されている。切り欠き22は、略短冊形状であり、対向壁212における底213と反対側の辺縁から底213まで延びている。
【0058】
図10は、実施形態3の接続部材100が重畳された2つのバスバー300,400を電気的に接続させた状態を示す説明図である。
ユーザは、バスバー300,400を主面同士が接するように重畳させて、バスバー300,400の辺縁部に、収容凹部21の開放側から、即ち、挟持部10の他辺縁112側から、接続部材100を嵌める。これによって、バスバー300,400は、重畳された状態で辺縁部の中間部が一対の付勢板11間に介在し、挟持部10によって挟持され、前記中間部に対する両側が切り欠き22に保持されている。この際、バスバー300,400の内側主面同士が接するので、バスバー300,400が電気的に接続される。
【0059】
また、バスバー300,400の位置ずれが発生しないように、実施形態1と同様、バスバー300,400の夫々に、係合部と、該係合部に対応する被係合部とを設けても良い。
【0060】
以上のような構成を有することから、実施形態3の接続部材100においても、実施形態1と同様、複数の導電板を重畳させて、斯かる複数の導電板の辺縁部に接続部材100を嵌めるだけで、導電板同士を電気的に接続させることが出来る。よって、特殊な装置等を使うことなく、より簡単及び低コストにて導電板同士を接続させる。
【0061】
また、実施形態3の接続部材100においては、挟持部10が導電性を有するので、バスバー300,400間の通電性を高めつつ、絶縁性のケース20Aが挟持部10を覆っているので、挟持部10が他のバスバー等と接触することによって短絡等の不具合が発生することを未然に防止できる。
【0062】
また、実施形態3の接続部材100においては、切り欠き22がバスバー300,400の辺縁部と係合し、バスバー300,400が保持される。よって、バスバー300,400が保持されつつ、挟持部10が重畳されたバスバー300,400を挟持する。従って、より安定的にバスバー300,400の電気的接続を維持できる。
【0063】
実施形態3の接続部材100は、実施形態1の接続部材100の樋形状部23が省略されており、接続部材100をコンパクト化できる。
【0064】
実施形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0065】
実施の形態1~3で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0066】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0067】
10,10A 挟持部
11 付勢板
12 連結板
20,20A ケース
21 収容凹部
22 切り欠き
23 樋形状部
100 接続部材
111 一辺縁
112 他辺縁
113 スリット
211 長方形側壁
212 対向壁
213 底
300,400 バスバー(導電板)
301 係合部
401 被係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10